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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】電気機械
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/14 20060101AFI20230117BHJP
   H02K 5/128 20060101ALI20230117BHJP
   H02K 21/24 20060101ALI20230117BHJP
   F04D 13/06 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
H02K7/14 B
H02K5/128
H02K21/24 G
H02K21/24 M
F04D13/06 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527054
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 GB2020052864
(87)【国際公開番号】W WO2021094744
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】1916347.6
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522182390
【氏名又は名称】イープロぺルド リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ナビール アハメド シラジー
(72)【発明者】
【氏名】ナロタム シン グレワル
【テーマコード(参考)】
3H130
5H605
5H607
5H621
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AB12
3H130AB22
3H130AB46
3H130AC27
3H130BA54G
3H130BA97G
3H130CB09
3H130DA02
3H130DD01X
3H130EA02G
3H130ED02G
5H605AA02
5H605BB02
5H605BB05
5H605BB20
5H605CC01
5H605CC08
5H605DD37
5H607AA05
5H607BB01
5H607BB02
5H607BB07
5H607BB13
5H607CC01
5H607FF06
5H607FF12
5H621BB10
5H621HH01
5H621JK07
5H621JK15
(57)【要約】
電気ポンプまたは発電装置(10)は、流体の入口ポートおよび出口ポート(17、15)を有する封止されたハウジング(11)と、ハウジング(11)の空洞の内側に回転可能に取り付けられた羽根車(12)と、を備え、その羽根車(12)は、軸を中心に回転するためにシャフト上に取り付けられ、そのシャフトは、封止されたハウジング(11)の内側に閉じ込められている。そのポンプ(10)の電気機械は、ハウジング(11)の外側に配設された固定子(20)、およびハウジング(11)の内側に封止して配設された回転子(29)を有する。使用中に、回転磁場は、ハウジング(11)の境界壁(14)通って延在して、固定子(20)および回転子(29)をそれらの反対側上に磁気的に結合する。したがって、シャフト封止の必要性は、回避され、本装置は、従来のポンプおよび発電機よりも小型である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気ポンプであって、流体の入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングと、羽根車であって、前記羽根車の回転時に前記入口ポートから前記出口ポートへの液体の流れを引き起こすための、封止されたハウジングの空洞の内側に回転可能に取り付けられた、羽根車と、を備え、前記羽根車が、軸を中心とする回転のためにシャフト上に取り付けられ、前記シャフトが、前記封止されたハウジングの内側に閉じ込められ、前記ポンプが、前記ハウジングの外側に配設された固定子、および前記シャフト上の前記ハウジングの内側に封止して配設された回転子を有する電気モータをさらに備え、前記固定子が、通電時に、回転磁場を前記ハウジングの境界壁を通して放射させて、前記固定子、したがって前記軸を中心とする前記羽根車、の回転を誘導する電気コイルを有する、電気ポンプ。
【請求項2】
前記回転子および羽根車が、一体型の本体として形成されている、請求項1に記載の電気ポンプ。
【請求項3】
前記回転子が、円周方向に離間された永久磁石の環状アレイを備える、請求項1または2に記載の電気ポンプ。
【請求項4】
前記回転子磁石が、軸方向に面する磁極を有する、請求項3に記載の電気ポンプ。
【請求項5】
前記回転子磁石が、半径方向に面する磁極を有する、請求項3に記載の電気ポンプ。
【請求項6】
隣接する磁石の前記磁極が、反対である、請求項3または4に記載の電気ポンプ。
【請求項7】
隣接する磁石の前記磁極が、ハルバッハ配列にある、請求項3または4に記載の電気ポンプ。
【請求項8】
低い磁気抵抗経路を有する強磁性部材が、前記回転子に対して前記固定子の反対側上に、またはその逆に配設されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気ポンプ。
【請求項9】
回転結合部材が、前記固定子と前記回転子との間の前記ハウジングの外部に配設され、前記結合部材の回転の前記軸が、前記回転子軸と同一線上にある、請求項4に記載の電気ポンプ。
【請求項10】
前記結合部材が、円周方向に離間された永久磁石の環状アレイを備える、請求項9に記載の電気ポンプ。
【請求項11】
前記結合部材および回転子の前記磁石が、各々、軸方向に面する磁極を有し、隣接する磁石の前記磁極が、反対である、請求項10に記載の電気ポンプ。
【請求項12】
前記結合部材および回転子の前記磁石が、各々、軸方向に面する磁極を有し、隣接する磁石の前記磁極が、ハルバッハ配列にある、請求項10に記載の電気ポンプ。
【請求項13】
前記回転子が、前記固定子の半径方向に配設され、前記境界壁が、前記回転子と前記固定子との間に配設された管状部分を有する、請求項5に記載の電気ポンプ。
【請求項14】
発電装置であって、流体の入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングと、封止されたハウジングの空洞の内側に回転可能に取り付けられ、前記ハウジングを通る流体が前記入口ポートから前記出口ポートに流れるときに回転するように配列された羽根車と、を備え、前記羽根車が、軸を中心とする回転のためにシャフト上に取り付けられ、前記シャフトが、前記封止されたハウジングの内側に閉じ込められ、前記装置が、前記ハウジングの外側に配設された固定子、および前記シャフト上の前記ハウジングの内側に封止して配設された回転子を有する発電機をさらに備え、前記回転子が、前記ハウジングの境界壁を通って磁場を放射し、かつ前記羽根車が前記軸を中心に回転するときに、前記固定子のコイル内に電流を誘導する磁石を備える、発電装置。
【請求項15】
前記回転子および羽根車が、一体型の本体として形成されている、請求項14に記載の発電装置。
【請求項16】
前記回転子が、円周方向に離間された永久磁石の環状アレイを備える、請求項14または15に記載の発電装置。
【請求項17】
前記回転子磁石が、軸方向に面する磁極を有する、請求項16に記載の発電装置。
【請求項18】
前記回転子磁石が、半径方向に面する磁極を有する、請求項16に記載の発電装置。
【請求項19】
隣接する磁石の前記磁極が、反対である、請求項16または17に記載の発電装置。
【請求項20】
隣接する磁石の前記磁極が、ハルバッハ配列にある、請求項16または17に記載の発電装置。
【請求項21】
低い磁気抵抗経路を有する強磁性部材が、前記回転子に対して前記固定子の反対側上に、またはその逆に配設されている、請求項14~20のいずれか一項に記載の発電装置。
【請求項22】
回転結合部材が、前記固定子と前記回転子との間の前記ハウジングの外部に配設され、前記結合部材の回転の前記軸が、前記回転子軸と同一直線上にある、請求項17に記載の発電装置。
【請求項23】
前記結合部材が、円周方向に離間された永久磁石の環状アレイを備える、請求項22に記載の発電装置。
【請求項24】
前記結合部材および回転子の前記磁石が、各々、軸方向に面する磁極を有し、隣接する磁石の前記磁極が、反対である、請求項23に記載の発電装置。
【請求項25】
前記結合部材および回転子の前記磁石が、各々、軸方向に面する磁極を有し、隣接する磁石の前記磁極が、ハルバッハ配列にある、請求項23に記載の発電装置。
【請求項26】
前記回転子が、前記固定子の半径方向に配設され、前記境界壁が、前記回転子と前記固定子との間に配設された管状部分を有する、請求項18に記載の発電装置。
【請求項27】
電気装置であって、流体を封止して収容し、かつ流体の入口ポートおよび出口ポートを有するためのハウジングと、前記ハウジングの空洞の内側に回転可能に取り付けられ、かつ回転するように配列された羽根車と、を備え、前記羽根車が、軸を中心とする回転のためにシャフト上に取り付けられ、前記シャフトが、前記封止されたハウジングの内側に閉じ込められ、前記装置が、前記ハウジングの外側に配設された固定子、および前記シャフト上の前記ハウジングの内側に封止して配設された回転子を有する、電気機械をさらに備え、前記回転子が、磁石を備え、前記装置は、使用中に回転磁場が前記ハウジングの境界壁を通って延在して、前記固定子および回転子をそれらの反対側上に磁気的に結合するように配列されている、電気装置。
【請求項28】
前記装置が、ポンプであり、前記電気機械が、前記羽根車を回転させて前記入口から前記出口への流体の流れを引き起こすように配列されたモータである、請求項27に記載の電気装置。
【請求項29】
前記装置が、発電装置であり、前記電気機械が、発電機であり、前記回転子は、前記羽根車が前記軸を中心に回転するときに、前記固定子のコイル内に電流を誘導する、請求項27に記載の電気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械に関し、より具体的には、液体および他の流体をポンプ圧送するための電気ポンプだけでなく、電気を効率的に発生させるための発電機にも関する。
【背景技術】
【0002】
電気ポンプは、周知である。典型的な流体ポンプは、電気モータが配設されている第1の(乾燥)部分と、流体の入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングと、電気モータの回転時に、入口ポートから出口ポートへの液体の流れを引き起こすための、ハウジングの空洞の内側に回転可能に取り付けられた羽根車と、を備える、第2の(湿潤)部分と、を備える。この羽根車は、モータから、ハウジングの境界壁内の開口部を通って延在する回転シャフト上に取り付けられ、その壁は、ポンプの第1の部分および第2の部分を分離する。いくつかのポンプでは、ゴム弾性封止材が、開口部の周りに配設されて、シャフトに対して封止し、その結果、流体が第2の部分から第1の部分に漏れるのを防止する。別の実施形態では、封止材は、モータシャフトに封止され、かつその開口部を取り囲む耐摩耗性材料の領域に対して付勢される、耐摩耗性材料の回転可能なo字形部材により開口部の周りに形成される。他のタイプの封止材もまた、既知であるが、すべての封止材は、それらが、回転モータシャフトと、最終的に劣化する境界壁との間の何らかの形態の封止接触にすべて依存するため、故障を起こしやすい。この問題は、例えば、水がポンプの第1の部分内にあるシャフトベアリングを汚染するため、結果として、ポンプ全体の交換をもたらす可能性がある。
【0003】
通常、流体ポンプは、かさばり、かつ重い誘導モータを備える。例として、1.5kWのポンプは、通常、重量約14kg、ならびに直径180mmおよび長さ270mmを有する誘導モータを備える。これは、温泉または熱い浴槽の下の多量の断熱材に起因して空間が非常に制限されている温泉または熱い浴槽内に、この種のポンプを設置したときに、問題を引き起こす。効率を改善する1つの方法は、3相誘導モータか、または可変速度駆動を有する永久磁石モータのいずれかを有するポンプを使用することである。しかしながら、このようなポンプは、依然としてかさばりすぎており、今もなお、上述の封止材故障問題に悩まされている。前述のことに鑑み、本発明者らは、ここに、改善された電気ポンプを考案した。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、第1の態様からわかるように、電気ポンプが提供され、この電気ポンプは、流体の入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングと、羽根車であって、その羽根車の回転時に入口ポートから出口ポートへの液体の流れを引き起こすための、封止されたハウジングの空洞の内側に回転可能に取り付けられた、羽根車と、を備え、その羽根車は、軸を中心とする回転のためにシャフト上に取り付けられ、そのシャフトは、封止されたハウジングの内側に閉じ込められ、そのポンプは、ハウジングの外側に配設された固定子、およびシャフト上のハウジングの内側に封止して配設された回転子を有する電気モータをさらに備え、その固定子は、通電時に、回転磁場をハウジングの境界壁を通して放射させて、固定子、したがって軸を中心とする羽根車、の回転を誘導する電気コイルを有する。
【0005】
そのシャフトは、ハウジングの外側には延在せず、したがって、封止材の必要がなく、リークの危険性を回避する。また、ハウジングの内側に回転子を提供することにより、非常に小型の固定子を使用することが可能になり、したがって、ポンプは、同等の出力の従来のポンプよりも小さい。
【0006】
回転子および羽根車は、一体型の本体として形成し得る。
【0007】
モータは、永久磁石ブラシレスモータであり得る。
【0008】
回転子は、円周方向に離間された永久磁石の環状アレイを備え得る。
【0009】
羽根車は、回転子を形成する本体、および流体の流れを作り出す1つ以上の羽根を備え得る。
【0010】
強磁性部材は、回転子に対して固定子の反対側上に配設され得、その結果、回転子に対して固定子の反対側に磁気回路を閉鎖する。強磁性部材は、回転子に向かって放射される磁場の入射(投射)を増加させ、より強力な磁気ロックを可能にする磁気回路を連結するように作用する。強磁性部材は、固定子に対して回転子の反対側上に配設され得、その結果、固定子に対して回転子の反対側に磁気回路を閉鎖する。回転子、羽根車、および強磁性部材は、一体型の本体として形成され得る。
【0011】
第1の実施形態では、固定子は、回転子に向かって軸方向に延在する回転磁場を発生させるように配列され得る。
【0012】
この実施形態では、回転子磁石は、軸方向に面する磁極を有し得、隣接する磁石の磁極は、反対である。
【0013】
固定子の巻線またはコイルによって発生する回転磁場は、境界壁を通って放射し、回転子の回転を直接誘導し得、または羽根車内の磁石の回転により、固定子のコイル内に電気を誘導し得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、固定子によって放射される磁場は、回転子の回転を直接誘導するにはあまりにも弱い可能性があり、その理由は、例えば、固定子が、回転子からあまりにも遠くに離れて配設され得るためであり、または固定子と回転子との間の材料が、低い透磁率を有するためである。この問題を解決するために、回転結合部材が、固定子と回転子との間のハウジングの外部に配設され得、その結合部材の回転軸は、回転子軸と同一直線上にある。使用時に、通電されると、固定子は、電界を放射して、結合部材の回転を誘導する。この結合部材は、ハウジングの境界壁を通って磁場を放射して、回転子の回転を引き起こす。結合部材は、円周方向に離間された永久磁石の環状アレイを備え得る。結合部材の磁石は、軸方向に面する磁極を有し得、隣接する磁石の磁極は、反対である。回転子および結合部材は、同様の数の磁石を有し得る。
【0015】
結合部材の磁石は、回転子の磁石で磁気的にロックする。これは、結合部材の磁石の北極が、回転子上の磁石の南極を引き寄せるときに起こる。結合部材上の磁石は、回転子上の磁石とともに磁気回路に結合し、かつ磁気回路を閉鎖し、したがって、結合部材の回転は、回転子の回転を引き起こす。このようにして結合することにより、結合磁石間のより大きい間隙を可能にし、より厚い非強磁性材料が、ハウジング、および固定子と回転子との間に配設されている他の部分のために使用することができる。
【0016】
第2の実施形態では、固定子は、境界壁を通って回転子の半径方向に延在する回転磁石を発生させるように配列され得る。
【0017】
この実施形態では、回転子磁石は、半径方向に面する磁極を有し得、隣接する磁石の磁極は、反対である。
【0018】
回転子は、固定子の半径方向の外向きに、またはその逆もまた同様に配設され得、境界壁は、回転子と固定子との間に配設される管状部分を有する。
【0019】
そのプロセスを逆転させることによって、すなわち、液体を羽根車に通して回転させることによって、固定子のコイルに電気を発生させることになる。このようにして、その装置は、効率的な水力発電に使用することができ、スケールアップしてダムまたは潮汐発電用途などで設置することができる。
【0020】
また、本発明によれば、第2の態様からわかるように、発電装置が提供され、この発電装置は、流体の入口ポートおよび出口ポートを有するハウジングと、封止されたハウジングの空洞の内側に回転可能に取り付けられ、流体が入口ポートから出口ポートにハウジングを通って流れるときに回転するように配列された羽根車と、を備え、その羽根車は、軸を中心とする回転のためにシャフト上に取り付けられ、そのシャフトは、封止されたハウジングの内側に閉じ込められ、そのポンプは、ハウジングの外側に配設された固定子、およびシャフト上のハウジングの内側に封止して配設された回転子をさらに備え、その回転子は、ハウジングの境界壁を通って磁場を放射し、かつ羽根車が軸を中心に回転するときに、固定子のコイル内に電流を誘導する磁石を備える。
【0021】
本発明の第1の態様の電気ポンプの動作プロセスを実質的に逆転させることによって、その装置は、ハウジングを通って流体の流れを引き起こして羽根車の回転を引き起こすことによって、電気を発生させるために使用することができる。このようにして、その装置は、効率的な水力発電に使用することができ、スケールアップしてダムまたは潮汐発電用途などで設置することができる。また、本発明によれば、第3の態様からわかるように、電気装置が提供され、この電気装置は、流体を封止して収容し、かつ流体の入口ポートおよび出口ポートを有するためのハウジングと、そのハウジングの空洞の内側に回転可能に取り付けられ、かつ回転するように配列された羽根車と、を備え、その羽根車は、軸を中心とする回転のためにシャフト上に取り付けられ、そのシャフトは、封止されたハウジングの内側に閉じ込められ、その装置は、ハウジングの外側に配設された固定子、およびシャフト上のハウジングの内側に封止して配設された回転子を有する、電気機械をさらに備え、その回転子は、磁石を備え、その装置は、使用中に回転磁場がハウジングの境界壁を通って延在して、固定子および回転子をそれらの反対側上に磁気的に結合するように配列される。
【0022】
この装置は、電気機械が、羽根車を回転させて、入口から出口への流体の流れを引き起こすように配列されている、ポンプであり得る。
【0023】
この装置は、電気機械が発電機である発電装置であり得、その回転子は、羽根車が軸を中心に回転するときに、固定子のコイル内に電流を誘導する。
【0024】
本発明の第1の態様の電気ポンプの前述の任意選択的な特徴はまた、本発明の第2または第3の態様の装置にも適用可能であることが、理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
ここで、本発明の実施形態は、例としてのみ、以下に添付図面を参照して説明される。
【0026】
図1図1は、本発明による電気ポンプの一実施形態の分解組立図である。
図2図2は、右手側および上から見た場合の、図1の組み立てられたポンプの後部の部分切り欠き斜視図である。
図3図3は、本発明による電気ポンプの別の実施形態の分解組立図である。
図4図4は、右手側および上から見た場合の、図3の組み立てられたポンプの後部の斜視図である。
図5図5は、右手側および上から見た場合の、図3の組み立てられたポンプの後部の部分切り欠き斜視図である。
図6図6は、本発明による電気ポンプのさらなる実施形態の分解組立図である。
図7図7は、右手側および上から見た場合の、図6の組み立てられたポンプの後部の部分切り欠き斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面の図1および2を参照すると、前面部分16および後面部分13を有するハウジング11を備える電気ポンプ10が示されており、それらの前面部分および後面部分は、ともに封止され、かつ羽根車デバイス12が軸を中心とする回転のためのシャフト(図示せず)上に回転可能に取り付けられている内部中空空洞を画定し、そのシャフトは、封止されたハウジング11の内側に閉じ込められる。ハウジング11の前面部分16は、軸方向に延在する流体入口ポート17を備える。ハウジング11の後面部分13は、半径方向に延在する流体出口ポート15を備える。その入口ポート17および出口ポート15は、羽根車デバイス12が回転可能に取り付けられている内部中空空洞と連通する。
【0028】
羽根車デバイス12の後面は、環状回転子29を形成する円周方向に離間された複数の永久磁石19を備え、磁石19は、軸方向に面する磁極を有し、隣接する磁石の磁極は、ハルバッハ配列またはゆがみが選択されない限り、反対である。その磁石は、羽根車デバイス12の本体内に密閉され得る(図1の羽根車デバイス12の下部円弧内に示されている)。羽根車デバイス12の前面は、入口17に向かって延在する複数の羽根18を備える。
【0029】
ポンプ10は、例えば、積層された強磁性材料の細長い溝付き前部に巻かれた、複数の電気コイルを有する環状固定子20をさらに備える。固定子20は、ハウジング11の後面部分13の後面境界壁14に隣接して、ハウジング11の外側に配設されている。環状固定子20は、羽根車デバイス12の回転軸と同一直線上に延在する軸の中心に、その中心を置く。開口された後面カバー21は、固定子20の上に延在し、ハウジング11の後面部分13と係合する。
【0030】
使用中、環状固定子20のコイルは、駆動回路(図示せず)に接続され、その駆動回路は、コイルに、ハウジング11の境界壁14を通って回転子29に向かって軸方向に延在する回転磁場を放射させる。強磁性ディスク27が、回転子29に対して固定子20の反対側上に配設され、その結果、磁気回路を閉鎖する。強磁性ディスク27は、固定子20から回転子29に向かって放射される磁場の入射(投射)を増加させるように作用し、より強力な磁気ロックを可能にする磁気回路を連結する。固定子20によって放射される回転磁場は、回転子29の永久磁石19と結合し、それによって、羽根車アセンブリ12の回転を引き起こし、入口17から出口15に流体をポンプ圧送する。
【0031】
図面のうちの図3、4、および5を参照すると、電気ポンプ110の代替的な実施形態が示されており、この電気ポンプは、図1および2のポンプと同様の構造であり、同様の部品には、同様の参照番号が付与される。この実施形態では、羽根車デバイス12の後面は、内面の周りに配列された、円周方向に離間された複数の永久磁石19を有する管状回転子29を備え、その磁石19は、半径方向に面する磁極を有し、隣接する磁石19の磁極は、反対である。磁石19は、羽根車デバイス12の本体内に密閉され得る。
【0032】
管状回転子29は、ハウジング11の境界壁14の前面上に配設された環状チャネル形成部23内に延在する。環状固定子20は、ハウジング11の境界壁14の後面に対して取り付けられ、境界壁14の環状チャネル形成部23の外部周辺管状壁の周りに延在する。
【0033】
使用中、環状固定子20のコイルは、駆動回路(図示せず)に接続され、これにより、コイルは、境界壁14の環状チャネル形成部23の外部周辺管状壁を通って、回転子29に向かって半径方向内向きに延在する回転磁場を放射する。固定子20によって放射される回転磁場は、回転子29の永久磁石19と結合し、それによって、羽根車アセンブリ12の回転を引き起こし、入口17から出口15に流体をポンプ圧送する。
【0034】
図面のうちの図6および7を参照すると、電気ポンプ110の代替的な実施形態が示されており、この電気ポンプは、図1および2のポンプと同様の構造であり、同様の部品には、同様の参照番号が付与される。この実施形態では、結合デバイス24が、固定子20と回転子29との間のハウジング11の外部に配設されている。この結合デバイス24は、回転子29の回転軸と同一直線上に延在する軸を中心に回転するために取り付けられている。
【0035】
結合デバイス24は、前部26内に配設された、円周方向に離間された永久磁石25の環状アレイを備える。磁石25は、回転子29に向かって軸方向に面する磁極を有し、隣接する磁石25の磁極は、ハルバッハ配列またはゆがみが選択されない限り、反対である。前部26は、磁石25の周りに成形され得るか、または磁石は、前部26に設置され得る。
【0036】
使用中、環状固定子20のコイルは、駆動回路(図示せず)に接続され、その駆動回路は、コイルに、結合デバイス24の回転を誘導する回転磁場を放射させる。
【0037】
結合デバイス24の永久磁石25は、境界壁14を通って磁場を放射し、回転子29の永久磁石19で磁気的にロックする。これは、結合デバイス24の磁石25の北極が、回転子29の磁石19の南極を引き寄せるときに起こる。結合デバイス24上の磁石25は、回転子29上の磁石19とともに磁気回路を結合および閉鎖し、したがって、固定子20の磁場による結合デバイス24の回転は、回転子29の回転を間接的に引き起こす。このようにして結合することにより、固定子20と回転子29との間のより大きい間隙を可能にし、より厚い非強磁体材料が、ハウジング11、および固定子20と回転子29との間に配設されている他の部分のために使用することができる。
【0038】
したがって、本発明の電気ポンプ10は、シャフトがポンプハウジング11から外部の電気モータに延在する必要性を回避し、したがって、封止材の必要がなく、リークの危険性が回避される。また、ハウジングの内側に回転子29を提供することにより、非常に小型の固定子20を使用することが可能になり、したがって、ポンプ10は、同等の出力の従来のポンプよりも小さい。
【0039】
前述した電気ポンプの実施形態は、入口ポート17から出口ポート15に流体の流れを引き起こすことによって、発電機として動作し得ることを理解されるであろう。これにより、回転子29が回転し、その結果、永久磁石19は、ハウジングの境界壁14を通って回転磁場を放射して、その反対側上にある固定子20および回転子29を磁気的に結合し、その結果、固定子コイル内に電流が誘導される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】