IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハヤブサ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータの特許一覧

特表2023-502347織物糸の継ぎ合わせ装置及び対応する継ぎ合わせ方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】織物糸の継ぎ合わせ装置及び対応する継ぎ合わせ方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 69/06 20060101AFI20230117BHJP
   D01H 15/00 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
B65H69/06
D01H15/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527061
(86)(22)【出願日】2020-11-05
(85)【翻訳文提出日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 IT2020050270
(87)【国際公開番号】W WO2021095072
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】102019000021258
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522181625
【氏名又は名称】ハヤブサ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ベルトーリ ルチアーノ
(72)【発明者】
【氏名】モットーラ ジャンニ
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056AA31
4L056CB04
4L056CB07
4L056CB09
4L056CB10
4L056CB23
4L056EB16
4L056EB27
4L056EC82
(57)【要約】
単一糸(F)を構成するために、2つの織物糸(F1、F2)の2つの端部の繊維の撚りの分解及びその後の再組成を用いて織物糸(F1、F2)の端部を継ぎ合わせるための織物糸(F1、F2)の継ぎ合わせ装置であって、2つの逆回転構成要素(11)を備え、その各々が、少なくとも1つの継ぎ合わせ要素(12)を備え、互いに対向して配置され、互いに対面して作動軸線(X)に沿って実質的に位置合わせされたそれぞれの継ぎ合わせ要素(12)間の区域によって定められた継ぎ合わせゾーン(G)を画定する、継ぎ合わせ装置。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置逆回転単一糸(F)を構成するために、2つの織物糸(F1、F2)の対向する端部の繊維の撚りの分解及びその後の再組成を用いて前記織物糸(F1、F2)の前記端部を継ぎ合わせるための前記織物糸(F1、F2)の継ぎ合わせ装置であって、前記継ぎ合わせ装置(10)は、2つの逆回転構成要素(11a、11b)を備え、前記逆回転構成要素の各々は、少なくとも1つの継ぎ合わせ要素(12)を備え、互いに対向して配置されて、互いに対面して作動軸線(X)に沿って実質的に位置合わせされたそれぞれの前記継ぎ合わせ要素(12)間の継ぎ合わせゾーン(G)を画定し、
前記継ぎ合わせ装置(10)は、
前記継ぎ合わせゾーン(G)の幅及びサイズを調節し、かつ前記構成要素(11a、11b)を前記作動軸線(X)の周りに互いに対して選択的に回転させて前記糸(F1、F2)の前記繊維の前記撚りの前記分解及び前記その後の再組成を得るために、前記作動軸線(X)に沿って前記構成要素(11a、11b)のうちの少なくとも一方を少なくとも選択的に移動させるように構成された1又は2以上のモータ要素(13、14、31、40)と、
前記糸(F1、F2)を継ぎ合わせるための前記2つの構成要素(11a、11b)の機能パラメータのリストを備えた内部メモリ(44)を有する制御ユニット(29)であって、前記内部メモリ(44)に存在する前記機能パラメータに基づいて前記1又は2以上のモータ要素(13、14)を制御及び指令するように構成された前記制御ユニット(29)と、
を備えることを特徴とする継ぎ合わせ装置。
【請求項2】
前記機能パラメータは、少なくとも一方の前記構成要素(11a、11b)の前記作動軸線(X)に沿った移動の速度、前記構成要素(11a、11b)の回転速度、継ぎ合わされる織物糸(F1、F2)の種類、対向する前記構成要素(11a、11b)間の軸方向の力、及び/又は、対向する前記継ぎ合わせ要素(12)間の前記継ぎ合わせゾーン(G)内の接触面積を含むことを特徴とする請求項1に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項3】
前記1又は2以上のモータ部材(13、14、31、40)は、ステッパ又はブラシレス型の電動であることを特徴とする請求項1又は2に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項4】
少なくとも1つのモータ部材(13、14、31、40)が、位置トランスデューサ(50、51)を備え、前記制御ユニット(29)は、前記機能パラメータ及び前記位置トランスデューサ(50、51)によって検出された値の関数として前記少なくとも1つのモータ部材(13、14、31、40)に指令するように構成されることを特徴とする請求項3に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項5】
互いに向かう及び/又は互いから離れる前記2つの構成要素(11a、11b)の移動を検出するように構成された第1のセンサ手段(27)を備え、
前記制御ユニット(29)は、前記機能パラメータ及び前記第1のセンサ手段(27)によって検出された値の関数として前記1又は2以上のモータ部材(13、14、31、40)に指令するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項6】
前記構成要素(11a、11b)のうちの少なくとも一方の回転の角度を検出するように構成された第2のセンサ手段(28)を備え、
前記制御ユニット(29)は、前記機能パラメータ及び前記第2のセンサ手段(28)によって検出された値の関数として前記1又は2以上のモータ部材(13、14)に指令するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項7】
前記作動軸線(X)に沿って前記2つの構成要素(11a、11b)のうちの少なくとも一方を選択的に移動させるように構成された第1のモータ部材(13)と、
前記2つの構成要素(11a、11b)を前記作動軸線(X)の周りに互いに対して反対方向に回転させるように構成された第2のモータ部材(14)と、
を備え、
前記制御ユニット(29)は、前記機能パラメータ及び前記第1のセンサ手段(27)及び前記第2のセンサ手段(28)によってそれぞれ検出された値の関数として前記第1のモータ部材(13)及び前記第2のモータ部材(14)に指令するように構成される、
ことを特徴とする請求項5を引用する請求項6に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項8】
前記糸(F1、F2)を前記継ぎ合わせゾーン(G)内で引張状態に保つのに適する保持手段(30)を駆動するように構成された第3のモータ部材(31)を備え、
前記保持手段(30)は、該保持手段(30)が前記継ぎ合わせゾーン(G)と干渉しない非作動位置から、該保持手段(30)が前記構成要素(11a、11b)と協働する前記継ぎ合わせゾーン(G)の両側の作動位置まで移動可能であり、前記第3のモータ部材(31)は、前記保持手段(30)を少なくとも前記非作動位置から前記作動位置まで移動させるように構成される、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項9】
前記作動位置から前記非作動位置まで及びその逆の前記保持手段(30)の移動を検出するように構成された第3のセンサ手段(34)を備え、
前記制御ユニット(29)は、前記機能パラメータ及び少なくとも前記第3のセンサ手段(34)によって検出された値の関数として前記第3のモータ部材(31)に指令するように構成される、
ことを特徴とする請求項8に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項10】
前記継ぎ合わせに必要ではない前記糸(F1、F2)の末端部を除去するのに適する除去手段(36)を駆動するように構成された第4のモータ部材(40)を備え、
前記除去手段(36)は、互いに位置合わせされて前記継ぎ合わせゾーン(G)の反対側に配置された1対の把持要素(37)と、それぞれの把持要素(37)に関連付けられて該それぞれの把持要素(37)を前記作動軸線(X)と平行に移動させるように構成されたそれぞれのガイド要素(38)とを備え、前記第4のモータ部材(40)は、前記糸(F1、F2)の前記末端部を除去するために各把持要素(37)を前記それぞれのガイド要素(38)に沿って望ましい位置まで移動させるように構成される、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項11】
少なくとも一方の構成要素(11a、11b)のフレーム(17)から径方向位置に突出しかつ後者から選択的に取り外し可能に設けられた一対の切断要素(35)を備え、前記切断要素(35)は、前記構成要素(11a、11b)と一体的に回転し、継ぎ合わせに必要ではない前記糸(F1、F2)の末端部を切断するように構成される、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項12】
前記2つの構成要素(11a、11b)のうちの一方が、前記継ぎ合わせ要素(12)から選択的に突出するようにかつ継ぎ合わされる前記糸(F1、F2)の2つの端部を互いに近づけるように構成された挟持型の把持手段(43)を有し、
前記2つの構成要素(11a、11b)のうちの他方が、前記それぞれの継ぎ合わせ要素(12)の直径に沿って設けられ、前記把持手段(43)と協働するように構成され、継ぎ合わされる前記2つの端部を互いに近づけて圧縮するために前記継ぎ合わせゾーン(G)に空気を導入するか又は前記継ぎ合わせゾーン(G)から空気を吸い出す複数の孔(42)を備える、
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の継ぎ合わせ装置。
【請求項13】
単一糸(F)を構成するために、2つの織物糸(F1、F2)の対向する端部の繊維の撚りの分解及びその後の再組成を用いて前記織物糸(F1、F2)の前記端部を継ぎ合わせるための継ぎ合わせ方法であって、
各々が少なくとも1つの継ぎ合わせ要素(12)を備え、互いに対向して配置され、作動軸線(X)に沿って位置合わせされ互いに対面するそれぞれの前記継ぎ合わせ要素(12)間に継ぎ合わせゾーン(G)を画定する2つの構成要素(11a、11b)の間に、継ぎ合わされる2つの糸(F1、F2)を導入する段階と、
前記対面する継ぎ合わせ要素(12)間に少なく部分的な接触があるまで、前記作動軸線(X)に沿って前記2つの構成要素(11a、11b)を互いに近づける段階と、
前記2つの糸(F1、F2)を前記継ぎ合わせゾーン(G)内で互いに近づけかつ平行にするように、前記2つの構成要素(11a、11b)を互いに反対方向に回転させる段階と、
前記継ぎ合わせに寄与しない前記糸(F1、F2)の末端部を除去し、継ぎ合わされる前記2つの糸(F1、F2)の前記2つの端部を取得する段階と、
継ぎ合わされる前記2つの糸(F1、F2)の前記端部を、実質的に重なるまで互いに近づける段階と、
単一糸(F)を生成するために前記2つの糸(F1、F2)の前記対向する端部を撚るように、前記2つの構成要素(11a、11b)を互いに反対方向に逆回転させる段階と、を含み、
さらに、織物糸を継ぎ合わせるための前記構成要素(11a、11b)の機能パラメータのリストを制御ユニット(29)の内部メモリ(44)内で利用可能にする段階を含み、前記制御ユニット(29)は、前記織物糸を前記継ぎ合わせゾーン(G)の中に導入する前記段階と、前記2つの構成要素(11a、11b)を互いに近づける前記段階と、前記2つの構成要素(11a、11b)を回転させる前記段階と、前記糸(F1、F2)の前記末端部を除去する前記段階と、得られた前記糸(F1、F2)の前記端部を互いに近づける前記段階と、前記2つの構成要素(11a、11b)を逆回転させる前記段階と、のうちの1又は2以上を実行するように割り当てられた1又は2以上のモータ部材(13、14、31、40)に、前記機能パラメータの関数として指令し制御する、
ことを特徴とする継ぎ合わせ方法。
【請求項14】
前記構成要素(11a、11b)のうちの少なくとも一方の前記作動軸線(X)に沿った移動を検出しモニタする段階と、
前記構成要素(11a、11b)のうちの少なくとも一方の前記作動軸線(X)周りの回転を、前記回転及び前記逆回転中に検出する段階と、
を含み、
前記制御ユニット(29)は、前記内部メモリ(44)に格納された前記機能パラメータに基づいてかつ前記検出する段階において検出されたパラメータに基づいて、前記1又は2以上のモータ部材(13、14、31、40)の機能に指令し制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の継ぎ合わせ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に説明する実施形態は、織物糸の継ぎ合わせ装置に関する。特に、装置は、両方の織物糸によって定められた末端セグメントの撚りの全体的又は部分的分解と、組み合わされたこれらの端部を用いた糸の再組成とを用いて、2つの織物糸の端部の安定した継ぎ合わせを実施するのに使用される。
【0002】
本発明はまた、織物糸の継ぎ合わせ方法に関する。
【背景技術】
【0003】
継ぎ合わせが存在する区域のサイズの有意な変動のない、望ましい長さの、中断のない単一連続糸を生成するように、2つの織物糸の末端部に存在する撚りを排除し、それらを結合し、撚りを再構成する継ぎ合わせ装置が知られている。
【0004】
特に、継ぎ合わされる糸の端部が挿入される、互いに結合された2つの逆回転構成要素を用いて撚りを分解して再組成する継ぎ合わせ装置が知られている。
【0005】
例えば、互いに対向する2つの逆回転構成要素を使用する継ぎ合わせ装置を提供する米国特許第4,637,205号明細書が知られており、継ぎ合わされる2つの糸の端部が逆回転構成要素の間に挿入され、軸線方向にかつ隣接し、対向して位置決めされる。これらの構成要素は、互いから望ましい距離で、挿入された織物糸に対して、反対方向に回転し、望ましい圧力を一方から他方に作用して最初に捻れを排除し、次に2つの端部の繊維を位置合わせし、その後に、結合される2つの織物糸の結合された及び実質的に平行化された繊維を互いに撚ることによって単一糸を再組成するために回転方向を逆回転するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,637,205号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、それは、完全に機械式であり、例えばカム機構などによって駆動されるので、装置は、多数の構成要素を有し、結果的に複雑で遅い作動を伴う。
【0008】
これは、織物糸を継ぎ合わせるのに長い時間が必要であることを意味し、その結果、継ぎ合わせ装置それ自体の低い生産性をもたらし、装置が関連付けられる可能性のある織物糸を生成するための機器でのかなりのダウンタイムを生じる。
【0009】
更に、装置の構成要素の数が多いので、保守作業に時間及びコストがかかり、同じく装置の長いダウンタイム及び結果的に生産性の更なる低減をもたらす。
【0010】
更に、米国特許第4,637,205号明細書はまた、2つの織物糸の対向する端部を、端部繊維の撚りの分解及びその後の再組成を用いて継ぎ合わせて、単一糸を形成する方法を説明している。この方法は、図1a~1eに概略的に一例として示され、以下を提供する。
-継ぎ合わされる糸F1、F2を公知の装置110の2つの構成要素111間に導入すること(図1a)
-構成要素111の逆回転Rを用いて公知の装置110の構成要素111間で糸F1、F2を近づけること(図1b)
-継ぎ合わせに寄与しない糸F1、F2の末端部(図1c)を除去手段113を用いて除去すること
-継ぎ合わされる糸F1、F2の端部を機械式接近手段112を用いて接近させ重ね合わせること(図1d)
-別の逆回転Rを実行して、継ぎ合わされる重なり合う糸F1、F2の端部を撚ること(図1e)
【0011】
しかし、それが公知の装置を用いて得られるので、この方法では、長い継ぎ合わせ時間及び結果的な高いコストを伴う。
【0012】
更に、この方法は、糸の最適な継ぎ合わせを保証しない。
【0013】
従来技術で公知の他の継ぎ合わせシステムは、織物機械内で糸を継ぎ合わせるための公知の装置に関する独国特許出願公開第102006000824号明細書と、織物工業で生産されるような繊維の束を継ぎ合わせる方法及び装置に関する米国特許第4386494号明細書に記載されている。
【0014】
従って、主として機械型の公知の継ぎ合わせ装置は、複雑であり、多数の構成要素を有し、設置や異なる巻き取り器に適応させることが困難である。
【0015】
従って、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服することができる織物糸を継ぎ合わせるための装置を完成させる必要性がある。
【0016】
特に、本発明の1つの目的は、2つの一連の糸を迅速に継ぎ合わせて同時に連続高品質糸を生成することによって生産性を増大することを可能にする織物糸の継ぎ合わせ装置を提供することである。
【0017】
また、本発明は、保守が簡素化された織物糸の継ぎ合わせ装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、汎用性が高く、かつ異なる巻き取り器にも設置することができる、織物糸の継ぎ合わせ装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、高速かつ効率的に2つの糸を継ぎ合わせる方法を完成させることを目的とする。
【0020】
本出願人は、従来技術の欠点を克服してこれら及び他の目的及び利点を取得するために本発明を考案、試験、かつ具現化した。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、独立請求項に列挙し、かつ特徴付けられる。従属請求項は、本発明の他の特徴又は主要発明概念に対する変形を記載している。
【0022】
上述の目的により、本発明は、単一糸を構成するために、2つの織物糸の対向する端部の繊維の撚りの分解及びその後の再組成を用いて織物糸の端部を継ぎ合わせるための織物糸の継ぎ合わせ装置に関する。
【0023】
本発明では、織物糸は、動物、植物、及び/又は合成繊維由来の複数の繊維で構成された糸を意図している。
【0024】
合成繊維の場合、グループ分けされて撚られた繊維を有する糸とすることができる。そのような糸は、部分的又は全体的に伸縮性をもたせた織物での用途の場合に伸縮性のある内芯糸を提供することができる。
【0025】
継ぎ合わせ装置は、2つの逆回転構成要素を含む。
【0026】
構成要素には、各々に少なくとも1つの継ぎ合わせ要素が設けられる。
【0027】
構成要素は、互いに対向して配置され、互いに対面して作動軸線に沿って実質的に位置合わせされたそれぞれの継ぎ合わせ要素の間に継ぎ合わせゾーンを定める。
【0028】
本発明の一態様によれば、継ぎ合わせ装置は、継ぎ合わせゾーンの幅及びサイズを調節するために、かつ構成要素を作動軸線の周りに互いに対して選択的に回転させて糸の繊維の撚りの分解及びその後の再組成を取得するために、構成要素の少なくとも一方を作動軸線に沿って少なくとも選択的に移動させるように構成された1又は2以上のモータ部材を含む。
【0029】
有利には、1又は2以上のモータ部材は、電気的に駆動され、継ぎ合わせ装置を自動化することを可能にし、その駆動、制御、及び保守を簡素化し、かつ必要な嵩を低減する。
【0030】
特に、そのような1又は2以上のモータ部材は、電動であり、好ましくはステッパ又はブラシレス型のものであり、又は一つの型の1つ及び他の型の1つである。しかし、そのようなモータ部材が空気圧型であることは除外されない。
【0031】
これに加えて、モータ部材により、互いに向けて構成要素を移動させたり構成要素を回転させたりするのに必要な機械的構成要素の数を低減することができ、継ぎ合わせ装置をより小型にして全体的に軽量にし、保守の介入及び複雑性を低減する。
【0032】
本発明によれば、装置はまた、織物糸を継ぎ合わせるための及び従って1又は2以上のモータ部材及びそれに関連付けられた全てを制御するための2つの構成要素の機能パラメータのリストが設けられた内部メモリを有する制御ユニットを備える。
【0033】
本発明の一態様によれば、制御ユニットは、内部メモリに存在する機能パラメータに基づいて1又は2以上のモータ要素を制御してそれに指令するように構成される。
【0034】
一変形によれば、制御ユニットは、継ぎ合わせに関連するデータを処理するための手段を有し、その手段は、そのようなデータに及びそれらを生成するモータ部材に関与する機能を有する。
【0035】
モータ部材のうちの少なくとも1つは、位置トランスデューサ又はエンコーダを備えることができ、そのような制御ユニットは、そのような機能パラメータ及びそのような位置トランスデューサによって検出される値の関数として、この少なくとも1つのモータ部材に指令するように構成されることになる。
【0036】
有利には、制御ユニットは、2つの織物糸を継ぎ合わせすることを完全に自動化することを可能にし、継ぎ合わせ時間が短縮され、継ぎ合わせが最適化されると同時に高品質の連続した継ぎ合わされた糸が保証される。例えば、独立型電子カードを備えたこの制御ユニットは、各モータ部材を直接に制御することができる。本発明の継ぎ合わせ装置はまた、極めて汎用性が高いく、異なる型の巻き取り器にも設置することができる。
【0037】
第1の変形によれば、制御ユニットは、得られた各結果を継ぎ合わせの直径及び長さの観点から格納し、内部メモリに予め記録された機能パラメータを定期的に更新する。
【0038】
別の変形によれば、制御ユニットは、継ぎ合わせ装置の活動の各段階を記録する。
【0039】
このようにして、一方で、装置の常時最適機能が保証され、その機能での及び得られた継ぎ合わせでの異常が防止され、他方で、各サイクルを解析してそのあらゆる態様を評価することが可能になる。
【0040】
例えば、この制御ユニットは、動的に自己調整するために各継ぎ合わせの後で及び/又は定期的に装置診断を実行することができ、場合によっては更にデータを処理することによって、上述のような異常の発生が防止される。
【0041】
特に、少なくとも1つのモータ部材は、受信専用エンコーダを有することができ、一変形によれば、それはまた、制御ユニットと通信する対話型エンコーダとすることができ、これは、それぞれのモータ部材の挙動のより有効な制御を保証するためのものである。
【0042】
一実施形態によれば、装置は、2つの構成要素のうちの少なくとも一方を作動軸線に沿って選択的に移動するように構成された第1のモータ部材と、2つの構成要素を作動軸線の周りに反対方向に互いに対して回転させるように構成された第2のモータ部材を備える。
【0043】
一変形によれば、継ぎ合わせ装置は、織物糸を継ぎ合わせゾーン内で引張状態に保つのに適する保持手段を駆動するように構成された第3のモータ部材を備える。
【0044】
特に、制御ユニットは、糸の種類及び継ぎ合わせゾーン内のその望ましい引張の関数として保持手段の位置を適切に調節することができる。
【0045】
別の変形によれば、継ぎ合わせ装置は、2つの糸を継ぎ合わせ作動に対して準備するために、継ぎ合わせに必要でない糸の末端部を除去するのに適する除去手段を駆動するように構成された第4のモータ部材を備える。
【0046】
第3のモータ部材及び/又は第4のモータ部材は、独立であるか又は第1及び/又は第2のモータ部材から得ることができる。
【0047】
一部の実施形態によれば、継ぎ合わせ装置は、それぞれの機能の正しい実行のために上述のようなモータ部材と協働する複数のセンサ手段を備えている。
【0048】
本発明はまた、単一糸を構成するために、2つの織物糸の対向する端部に存在する繊維又は単繊維の撚りの分解及びその後の再組成を用いてこれらの端部を継ぎ合わせる方法に関する。
【0049】
本発明によって提供する継ぎ合わせ方法は、上述のように、以下に限定されるものではないが、例えば米国特許第4,637,205号明細書に記載されているように公知であり、公知の機能と同様に全く同じ機能を達成するように意図される手段を含む。
【0050】
公知の方法は、
2つの構成要素間に、継ぎ合わされる2つの織物糸を導入する段階であって、各構成要素は、少なくとも1つの継ぎ合わせ要素が設けられ、互いに対向して配置されて、作動軸線に沿って位置合わせされた互いに対面するそれぞれの継ぎ合わせ要素間に継ぎ合わせゾーンを定める、織物糸を導入する段階と、
対面する継ぎ合わせ要素間に少なくとも部分的な接触があるまで2つの構成要素を作動軸線に沿って互いに近づける段階と、
2つの糸を継ぎ合わせゾーン内で互いに近づけ平行になるように、2つの構成要素を互いに反対方向に回転させる段階と、
継ぎ合わせに寄与しない糸の末端部を除去し、継ぎ合わされる2つの織物糸の対向する端部を取得する段階と、
継ぎ合わされる2つの織物糸の端部をそれらが実質的に重なるまで互いに近づける段階と、
単一糸を生成するために2つの織物糸の2つの端部を撚るように2つの構成要素を互いに反対方向に逆回転させる段階と、
を含む。
【0051】
本発明の一態様によれば、本方法はまた、織物糸を継ぎ合わせるための構成要素の機能パラメータのリストを制御ユニットの内部メモリ内で利用可能にする段階を含む。
【0052】
本発明による方法の一態様によれば、制御ユニットは、織物糸を継ぎ合わせゾーンに導入する段階と、2つの構成要素を互いに近づける段階と、2つの構成要素を回転させる段階と、織物糸の末端部を除去する段階と、得られた織物糸の端部を互いに近づける段階と、2つの構成要素を逆回転させる段階と、のうちの1又は2以上を実行する専用の1又は2以上のモータ部材に、機能パラメータの関数として指令し制御する。
【0053】
1又は2以上のモータ部材により、特に、上述のような第1、第2、第3、又は第4のモータ部材のうちのいずれかの1又は2以上を意味する。
【0054】
しかし、上述のような段階の各々に少なくとも1つのモータ部材を設けることができ、又は1つのモータ部材を、1又は2以上又は全ての段階の実行に指定することができることに留意されたい。
【0055】
有利には、制御ユニット及び1又は2以上のモータ部材の使用により、効率的かつ完全に自動化された継ぎ合わせ方法を取得することができる。
【0056】
本発明によれば、非限定的な例として、織物糸の生産ラインで及び糸を加工する機械との組合せで、織物糸の継ぎ合わせを最適化、加速化、及び改善し、ダウンタイムを短縮することが可能である。
【0057】
一実施形態によれば、以下も提供される。
-作動軸線に沿った構成要素のうちの少なくとも一方の移動を検出及びモニタすること
-回転及び逆回転中に作動軸線の周りの構成要素のうちの少なくとも一方の回転を検出すること
【0058】
特に、制御ユニットは、内部メモリに格納された機能パラメータに基づいてかつ上述のような検出において検出されたパラメータに基づいて、1又は2以上のモータ部材の機能に指令し制御する。
【0059】
これらの検出により、上述のような段階に割り当てられた1又は2以上のモータ部材の管理を最適化することができ、織物糸の継ぎ合わせを容易にして改善する。
【0060】
制御ユニットは、従って、上述のような段階の各々の正しい実行及びそれらの各々で得られる結果を制御することができる。
【0061】
制御ユニットが装置の機能での又は得られる継ぎ合わされた糸での異常を検出した場合に、制御ユニットは、装置を新しい機能パラメータでリセットする。
【0062】
一変形によれば、制御ユニットは、1又は2以上の継ぎ合わせ装置を支援するサービスプロセッサと、その都度又は連続的に対話することを有効にすることができる。
【0063】
本発明のこれら及び他の態様、特徴、及び利点は、添付図面を参照して非限定的な例として与える一部の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1a】従来技術に従った一部の実施形態による2つの織物糸の継ぎ合わせシーケンスの概略図である。
図1b】従来技術に従った一部の実施形態による2つの織物糸の継ぎ合わせシーケンスの概略図である。
図1c】従来技術に従った一部の実施形態による2つの織物糸の継ぎ合わせシーケンスの概略図である。
図1d】従来技術に従った一部の実施形態による2つの織物糸の継ぎ合わせシーケンスの概略図である。
図1e】従来技術に従った一部の実施形態による2つの織物糸の継ぎ合わせシーケンスの概略図である。
図2】本発明による継ぎ合わせ装置の斜視図である。
図3図2の継ぎ合わせ装置の前面図である。
図4】異なる条件での図3の継ぎ合わせ装置の断面図である。
図4a図4のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の要素の図である。
図4b図4のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の要素の図である。
図4c図4のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の拡大詳細図である。
図5】異なる条件での図3の継ぎ合わせ装置の断面図である。
図5a図5のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の要素の図である。
図5b図5のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の要素の図である。
図5c図5のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の拡大詳細図である。
図6】異なる条件での図3の継ぎ合わせ装置の断面図である。
図6a図6のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の要素の図である。
図6b図6のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の要素の図である。
図6c図6のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の拡大詳細図である。
図7】異なる条件での図3の継ぎ合わせ装置の断面図である。
図7a図7のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の要素の図である。
図7b図7のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の要素の図である。
図7c図7のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の拡大詳細図である。
図8】異なる条件での図3の継ぎ合わせ装置の断面図である。
図8a図8のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の要素の図である。
図8b図8のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の要素の図である。
図8c図8のそれぞれの使用条件での継ぎ合わせ装置の拡大詳細図である。
図9】本発明の継ぎ合わせ装置の一変形の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
理解を容易にするために、可能な場合に図面での同一共通要素を識別するのに同じ参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特性は、更に別の説明がなくても他の実施形態の中に都合良く組み込むことができることは理解される。
【0066】
ここで本発明の可能な実施形態を詳細に参照し、そのうちの1又は2以上の例を添付図面に示す。各例は、本発明の例示として提供されるものであり、その限定として理解しないものとする。本発明は、全ての可能な変更及び変形を含むことが理解される。同じく、本明細書に使用する語句及び用語は、説明を目的としたものにすぎず、限定と見なすことができないことを明確にしなければならない。
【0067】
図2図3を参照すると、非限定的例として、単一糸Fを構成するために、2つの織物糸F1、F2の対向する端部の繊維の撚りの分解及びその後の再組成を用いてそれらの端部を継ぎ合わせるための織物糸の継ぎ合わせ装置10が示されている。
【0068】
装置10は、互いに対向して配置された2つの逆回転構成要素11a、11bを備える。
【0069】
各構成要素11a、11bは、少なくとも1つの継ぎ合わせ要素12を備える。
【0070】
特に、2つの構成要素11a、11bは、2つのそれぞれの継ぎ合わせ要素12に対面するように互いに対向して配置され、2つの構成要素間に継ぎ合わせゾーンGが定められる。
【0071】
使用中に、継ぎ合わされる2つの糸F1、F2の2つの端部は、2つの構成要素11a、11b間に挿入される。
【0072】
各構成要素11は、継ぎ合わせ要素12が軸線方向に移動可能に配置されるハウジング台座18を有するフレーム17を備える。
【0073】
そのような継ぎ合わせ要素12は、実質的にプレート又は円板状形状を有することができる。
【0074】
各継ぎ合わせ要素12は、少なくとも1つの支持プレート15と、支持プレート15の上方に配置されてハウジング台座18の外側に向く上側プレート16とを備えることができる。
【0075】
特に、上側プレート16は、部分的かつ弾力的に変形可能な軟質材料で全体的又は部分的に作ることができる。
【0076】
各構成要素11は、ハウジング台座18内に設けられて一方の側でハウジング台座18にかつ反対側で継ぎ合わせ要素12に関連付けられたバネ手段19を備える。
【0077】
特に、バネ手段19は、ハウジング台座18に対して軸線方向に継ぎ合わせ要素12を選択的に移動するように構成される。
【0078】
図2図8を参照すると、第1の構成要素11aは、ハウジング台座18と継ぎ合わせ要素12の間に配置され、上述のように継ぎ合わせ要素j12の軸線方向の移動でバネ手段19と協働するように構成されたベローズ手段20を備える。
【0079】
図2図8を参照すると、第2の構成要素11bは、第1の構成要素11aに対面して位置合わせされて配置され、円形継ぎ合わせ要素12aと、円形継ぎ合わせ要素12aと同心でその外側の環状継ぎ合わせ要素12bとを備えている。
【0080】
第2の構成要素11bは、円形継ぎ合わせ要素12aに関連付けられた第1のバネ手段19aと、環状継ぎ合わせ要素12bに関連付けられて上述の第1のバネ手段19aとは独立した第2のバネ手段19bとを備えることができる。
【0081】
図2図8を参照すると、環状継ぎ合わせ要素12bは、円形継ぎ合わせ要素12aの上方にかつハウジング台座18に対して外部に突出する。
【0082】
各構成要素11a、11bは、各継ぎ合わせ要素12をフレーム17に対して軸線方向に正しく摺動可能にするために、フレーム17と一体の1又は2以上のガイドピン45を備えることができる。
【0083】
更に、少なくとも一方の構成要素11a、11bは、それぞれのハウジング台座18において、フレーム17と一体であり、ハウジング台座18の内側に向かう継ぎ合わせ要素12の移動後に継ぎ合わせ要素12に向かって中心方向に選択的に突出するセンタリングピン47を設けることができる。
【0084】
本発明によれば、装置10は、少なくとも、継ぎ合わせゾーンGの幅及びサイズを調節するように作動軸線Xに沿って少なくとも構成要素11a、11bの一方を選択的に移動し、糸F1、F2の繊維の撚りの分解及びその後の再組成を取得するために互いに対して構成要素11a、11bを作動軸線Xの周りに選択的に回転するように構成された1又は2以上のモータ部材13、14、31、40を備える。
【0085】
特に、第1のモータ部材13は、2つの構成要素11a、11bのうちの少なくとも一方を、作動軸線Xに沿って他方の構成要素11a、11bと協働する1又は2以上の位置に置くように構成される。
【0086】
非限定的例として、図2図8では、第1の構成要素11a及び第2の構成要素11bは、支持構造体21に関連付けられ、第2の構成要素11bは、第1の構成要素11a及び支持構造体21に対して作動軸線Xに沿って移動可能である。
【0087】
第1のモータ部材13は、非限定的例として、ピストン、ラック、及びウォームスクリュー手段(例えば、図9のウォームスクリュー48を参照されたい)、及び/又は構成要素11a、11bのうちの少なくとも一方に直線並進運動を与えることができるあらゆる他の手段を含む少なくとも1つの伝達機構22を駆動することができる。
【0088】
一実施形態によれば、第2のモータ部材14は、糸F1、F2の繊維の撚りの分解及びその後の再組成を取得するために2つの構成要素11a、11bを作動軸線Xの周りに反対方向に互いに対して回転させるように構成される。
【0089】
第2のモータ部材14は、非限定的例として、歯付きホイール24、25、26、ベルト、及び/又は2つのそれぞれの構成要素11a、11bの相対的な回転を与えることができるあらゆる他の手段を含む移動手段23を駆動することができる。
【0090】
非限定的例として、図4図8を参照すると、第2のモータ部材14は、歯付き駆動ホイール24を一方向に回転させ、これは、次に、一方の側で第1の構成要素11aと、反対側で少なくとも1つの運動反転ホイール26で噛み合うように構成された中間要素25とが回転し、運動反転ホイール26は、第1の構成要素11aの回転と常に反対である回転を伝達するように第2の構成要素11bと噛み合うように構成される。
【0091】
この場合に、2つの構成要素11a、11bの回転を反転させるために、第2のモータ部材14は、駆動ホイール24の回転を反転させる。
【0092】
本発明によれば、装置10は、糸F1、F2を継ぎ合わせる2つの構成要素11a、11bの機能パラメータのリストが設けられた内部メモリ44を有する制御ユニット29を備える。例えば、そのような制御ユニット29は、独立型電子カードを備えることができる。
【0093】
一実施形態によれば、機能パラメータは、作動軸線Xに沿った少なくとも一方の構成要素11a、11bの移動の速度、構成要素11a、11bの回転速度、継ぎ合わされる糸F1、F2の種類、対向する構成要素11a、11b間の軸方向の力、及び/又は対向する継ぎ合わせ要素12間の継ぎ合わせゾーンG内の接触面積を含む。
【0094】
機能パラメータはまた、作動軸線Xに沿った構成要素11a、11bの位置決め座標及び実施される作動の関数としての作動軸線Xに対する回転角、及び糸F1、F2の種類のリストを含むことができるがこれらに限定されない。
【0095】
そのような機能パラメータは、オペレータによって手動で入力するか、又はソフトウエアシステムによって自動的に入力することができる。
【0096】
特に、メモリ44は、複数の組の機能パラメータ(継ぎ合わされる糸の種類毎に1組)を提供することができる。
【0097】
糸の種類とは、一貫性、材料、糸を構成する繊維の平均長さ、糸の直径、及び/又は他の類似の又は同等の特性を意味する。
【0098】
特に、制御ユニット29は、そのようなメモリ44に存在する機能パラメータに基づいて1又は2以上のモータ部材13、14、31、40を制御し指令するように構成される。
【0099】
この制御ユニット29は、装置10上に設けることができるが、装置10はまた、遠隔操作で駆動及び制御することができる。
【0100】
一実施形態によれば、継ぎ合わせ装置10は、互いに向う及び/又は互いから離れる2つの構成要素11a、11bの移動を検出するように構成された第1のセンサ手段27を備える。
【0101】
非限定的例として、第1のセンサ手段27は、磁気又は光学型及び/又は作動軸線Xに沿った少なくとも一方の構成要素11a、11bの移動を検出するのに適するあらゆる他の型のものとすることができる。
【0102】
非限定的例(図4図8)として、第1のセンサ手段27は、作動軸線Xに沿って移動可能の構成要素11b上に設けられた少なくとも1つのエミッタと、作動軸線Xに対して固定して設けられた支持構造体21に関連付けられたそれぞれのレシーバとを備える。このようにして、レシーバは、第2の構成要素11bが作動軸線Xに沿って移動する時にエミッタからの距離を検出する。
【0103】
非限定的例として、エミッタは、磁石とすることができ、レシーバは、誘導センサとすることができる。
【0104】
両方の構成要素11a、11bが作動軸線Xに沿って移動する場合に、エミッタは、各構成要素11a、11b上に設けることができる。
【0105】
一実施形態によれば、制御ユニット29は、機能パラメータ及び第1のセンサ手段27によって検出された値の関数として1又は2以上のモータ部材13、14、31、40に指令するように構成される。
【0106】
一実施形態によれば、継ぎ合わせ装置10は、2つの構成要素11a、11bのうちの少なくとも一方の回転角を検出するように構成された第2のセンサ手段28を備える。
【0107】
非限定的例として、第2のセンサ手段28は、磁気又は光学型及び/又は作動軸線Xの周りの少なくとも一方の構成要素11a、11bの回転を検出するのに適するあらゆる他の型のものとすることができる。
【0108】
非限定的例として、図4図8を参照すると、第2のセンサ手段28は、少なくとも一方の構成要素11a、11b上で一体に設けられた少なくとも1つの信号発信装置28aと、作動軸線Xに対して固定して設けられた支持構造体21に関連付けられた少なくとも1つのそれぞれの取得要素28bとを備えることができる。このようにして、取得要素28bは、信号発信装置28aが設けられた構成要素11a、11bが作動軸線Xの周りに回転した時に信号発信装置28aからの距離を検出する。
【0109】
図2を参照すると、第2のセンサ手段28は、構成要素11a、11b上に角度的に距離を置いて配置された1又は2以上の信号発信装置28aを備えることができ、その結果、各信号発信装置28aは、取得要素28bと協働して構成要素11a、11bの角度位置を識別する。
【0110】
非限定的例として、信号発信装置28aは、磁石又は光ビームを生成する要素とすることができ、取得要素28bは、それぞれ誘導又は光センサとすることができる。
【0111】
一実施形態によれば、制御ユニット29は、機能パラメータ及び第2のセンサ手段28によって検出された値の関数として1又は2以上のモータ部材13、14、31、40に指令するように構成される。
【0112】
特に、制御ユニット29は、機能パラメータ及びそれぞれ第1のセンサ手段27及び第2のセンサ手段28によって検出された値の関数として、第1のモータ部材13及び第2のモータ部材14に指令するように構成される。
【0113】
このようにして、制御ユニットは、極めて正確かつ迅速に2つの構成要素11a、11b間の距離及びそれぞれの回転を調節し、第1のセンサ手段27及び第2のセンサ手段28によってリアルタイムで検出された値を取得し、これらの値を予め保存された機能パラメータと比較し、場合によっては、矛盾する場合に、高品質の継ぎ合わされた糸を取得するようにリアルタイムで構成要素11a、11bの位置を修正する。
【0114】
一実施形態によれば、装置は、糸F1、F2を継ぎ合わせゾーンG内で引張状態に保つのに適する保持手段30を駆動するように構成された第3のモータ部材31を備える。
【0115】
保持手段30は、保持手段30が継ぎ合わせゾーンGと干渉しない非作動位置から、継ぎ合わせゾーンGの反対側で、保持手段30が構成要素11a、11bと協働する作動位置まで移動可能である。
【0116】
特に、第3のモータ部材31は、少なくとも保持手段30を非作動位置から作動位置まで移動するように構成される。
【0117】
更に、第3のモータ部材31は、糸F1、F2を継ぎ合わせゾーンG内で引張状態に保つように保持手段30を移動するように構成することができる。
【0118】
保持手段30は、糸F1、F2を選択的に保持して継ぎ合わせ期間全体を通して糸F1、F2を引張状態に保つように構成された1対の挟持器32を備えることができる。
【0119】
特に、1対の挟持器32は、作動軸線Xに対して横断方向に配置することができる。
【0120】
第3のモータ部材31は、各挟持器32が糸F1、F2を作動位置に保持するように各挟持器32を起動するように構成することができる。
【0121】
図2図8を参照すると、保持手段30は、各挟持器32に対して1又は2以上の多関節アーム33を含み、1又は2以上の多関節アームは、一方の側で第3のモータ31及び反対側でそれぞれの挟持器32に関連付けられる。
【0122】
第3のモータ部材31は、それぞれの挟持器32を糸F1、F2を保持する作動位置に置くように、各挟持器32に関連付けられた多関節アーム33を移動するように構成することができる。
【0123】
一実施形態によれば、継ぎ合わせ装置10は、作動位置から非作動位置までの保持手段30の移動及びその逆の移動を検出するように構成された第3のセンサ手段34を備える。
【0124】
第3のセンサ手段34は、非限定的例として、磁気及び/又は光学型のものとすることができる。
【0125】
非限定的例(図4図8)として、第3のセンサ手段34は、第3のモータ部材31上に設けられた2つの検出要素34bと、例えば第3のモータ部材31に接続された多関節アーム33に関連付けられた1つの被検出要素34aとを備えることができる。
【0126】
特に、この場合に、2つの検出要素34bは、1対の挟持器32の非作動位置及び作動位置を識別する。
【0127】
制御ユニット29は、機能パラメータ及びそれぞれ第1のセンサ手段27、第2のセンサ手段28、及び第3のセンサ手段34によって検出された値の関数として、第3のモータ部材31に指令するように構成することができる。このようにして、継ぎ合わせゾーンGにおける糸の引張及び維持を自動化することが可能である。
【0128】
一実施形態によれば、装置10は、継ぎ合わせに必要でない糸F1、F2の末端部を除去することができる除去手段36を駆動するように構成された第4のモータ部材40を備える。
【0129】
特に、除去手段36は、好ましくは糸F1、F2が2つの構成要素11a、11bに向けて供給される両側で互いに位置合わせされて継ぎ合わせゾーンGの反対側に配置された1対の把持要素37を備える。
【0130】
除去手段36は、それぞれの把持要素37に関連付けられたガイド要素38を備えることができる。
【0131】
特に、これらのガイド要素38は、それぞれの把持要素37を作動軸線Xに平行に移動させるように構成される。
【0132】
一実施形態によれば、第4のモータ部材40は、糸F1、F2の末端部を除去するために各把持要素37をそれぞれのガイド要素38に沿って望ましい位置に移動するように構成される。
【0133】
第4のモータ部材40はまた、それぞれの糸の除去される末端部を把持し、末端部を解くことによって裂くようにガイド要素38に沿って末端部を引くように、1対の把持要素37を作動させるように構成することができる。
【0134】
第4のモータ部材40は、第3のモータ部材31から得ることができる。
【0135】
除去手段36は、保持手段30の挟持器32に対応して設けることができ、糸F1、F2の継ぎ合わせ中に挟持器32と協働するように構成することができる。
【0136】
装置10には、ガイド要素38に沿った把持要素37の位置を検出する第4のセンサ手段39を設けることができる。
【0137】
そのような第4のセンサ手段39は、非限定的例として、磁気型、光学型、誘導型、及び/又は容量型のものとすることができる。
【0138】
制御ユニット29は、機能パラメータ及び第1、第2、第3、及び第4のセンサ手段27、28、34、39によって検出された値の関数として、第4のモータ部材をゾーンに分けることにより、1対の把持要素37をそれぞれのガイド要素38に沿って移動するように構成することができる。このようにして、糸F1、F2の継ぎ合わせを完全に自動化することが可能であり、オペレータの介在が最小限に低減されて装置10が最適化される。
【0139】
更に、装置10は、継ぎ合わされる糸F1、F2を認識する少なくとも1つのセンサを設けることができる。
【0140】
この認識センサは、光学式とすることができ、糸F1、F2の直径及び糸が構成された材料を検出することができ、これらのパラメータを制御ユニット29に伝達することができる。制御ユニット29は、このようにして、識別された継ぎ合わされる糸に適切な装置10の機能パラメータを選択する。
【0141】
一変形によれば、制御ユニット29は、得られた継ぎ合わせを評価するために装置10の下流に位置付けられた始紡糸捕捉器(図示せず)と対話するのに適している。始紡糸捕捉器が電子式である場合に、対話は、相互対話である。
【0142】
一変形によれば、装置は、少なくとも糸の太さを検出するように構成された検出手段を備える。
【0143】
そのような検出手段は、装置10と又は制御ユニット29を通して直接に対話することができる。
【0144】
そのような検出手段は、実施された継ぎ合わせを検証する少なくとも1つのセンサ、非限定的例として光センサを提供することができる。
【0145】
この検証センサは、非限定的例として、得られた糸の継ぎ合わせの直径、長さ、撚りの数、及び緻密性を検出することができる。
【0146】
特に、制御ユニット29は、検証センサによって検出されるこれらのパラメータを、可能な公差を考慮して、メモリ44に予め設定された望ましいパラメータと比較することもできる。この比較に基づいて、制御ユニット29は、メモリ44に予め保存された装置10の機能パラメータを更新及び補正することができる。
【0147】
例えば、更に、制御ユニット29は、光及び/又は音声信号の手段により、作られたばかりの継ぎ合わせ又は装置10内で見出された異常をオペレータに伝えることができる。
【0148】
有利には、制御ユニット29は、プログラマブル型であり、装置10を動的及び汎用性のある方式で制御し指令することができ、可能な限り良好な結果を取得するために、継ぎ合わされる糸F1、F2の種類を認識し、得られた継ぎ合わせを評価する。
【0149】
一実施形態によれば、装置10には、継ぎ合わされる糸の末端部を切断するように構成された1対の切断要素35が設けられる。
【0150】
特に、切断要素35は、少なくとも一方の構成要素11a、11bのフレーム17から径方向の位置で突出する。
【0151】
切断要素35は、切断要素35自体の保守及び交換作業を容易にするように、フレーム17から選択的に取り外し可能とすることができる。
【0152】
一実施形態によれば、切断要素35は、切断要素35が設けられた構成要素11a、11bと一体的に回転し、継ぎ合わせに必要でない糸F1、F2の末端部を切断するように構成される。
【0153】
切断要素35は、構成要素11a、11bの回転中に糸F1、F2を捕捉するようにフレーム17から突出し、かつフレーム17と一体で設けられたブレード、切断プレート、又は切断要素とすることができる。
【0154】
一変形によれば、切断要素35は、第1の構成要素11a上に設けることができ、別の切断要素35は、上述のように回転中に互いに協働するように第2の構成要素11b上に設けることができる。
【0155】
有利には、この一対の切断要素35は、糸F1、F2の末端部をきれいに切断し、糸の延伸及び弾力の喪失を引き起こすと考えられる除去手段36の使用が防止されるので、部分的又は全体的に伸縮性をもたせた織物糸の場合に特に効率的である。
【0156】
2つの織物糸F1、F2の対向する端部を継ぎ合わせる方法は、単一糸Fを構成するために、そのような端部の繊維の撚りの分解及びその後の再組成を用いて得ることができる。
【0157】
特に、図4図8を参照すると、継ぎ合わせ方法は、
継ぎ合わされる2つの糸F1、F2を、作動軸線Xに沿って位置合わせされた互いに対向するそれぞれの継ぎ合わせ要素12間の継ぎ合わせゾーンG内で2つの構成要素11a、11b間に導入する段階(図4a~図4c)と、
対向する継ぎ合わせ要素12間に少なく部分的な接触があるまで2つの構成要素11a、11bを作動軸線Xに沿って互いに近づける段階(図5a~図5c)と、
継ぎ合わせゾーンG内で2つの糸F1、F2を互いに近づけかつ平行になるように、2つの構成要素11a、11bを互いに反対方向に回転させる段階(図5a~図5c)と、
継ぎ合わせに寄与しない糸F1、F2の末端部を除去し、継ぎ合わされる2つの糸F1、F2の2つの端部を取得する段階(図6a~図6c)と、
継ぎ合わされる2つの糸F1、F2の端部をそれらが実質的に重なるまで互いに近づける段階と、
単一糸Fを生成するために、2つの糸F1、F2の対向する端部を撚るように2つの構成要素11a、11bを互いに反対方向に逆回転させる段階と、を含む。
【0158】
本発明によれば、そのような方法はまた、織物糸を継ぎ合わせる構成要素11a、11bの機能パラメータのリストを制御ユニット29の内部メモリ44内で利用可能にする段階を含む。
【0159】
この制御ユニット29は、機能パラメータの関数として、上述の段階のうちの1又は2以上を実行するように割り当てられた1又は2以上のモータ部材13、14、31、40に指令し制御する。
【0160】
特に、上述の段階を実行するために、2つの構成要素11a、11bは、互いに対して相対的に、作動軸線Xに沿って異なる作動位置を取る。
【0161】
一実施形態によれば、本方法は、作動軸線Xに沿って構成要素11a、11bのうちの少なくとも一方の移動を検出及びモニタする段階を含む。
【0162】
一実施形態によれば、本方法は、回転及び逆回転中に作動軸線Xの周りの構成要素11a、11bのうちの少なくとも一方の回転を検出する段階を含む。
【0163】
有利には、制御ユニット29は、内部メモリ44に格納された機能パラメータに基づいてかつ上述のような検出において検出されたパラメータに基づいて、構成要素11a、11bの機能を指令し、制御し、糸F1、F2の継ぎ合わせが自動化及び最適化される。
【0164】
特に、第1のモータ部材13は、第1の構成要素11aの継ぎ合わせ要素12と第2の構成要素11bの外部環状継ぎ合わせ要素12bとの接触があるまで2つの構成要素11a、11bを互いに近づける(図5a~図5b)。
【0165】
このように互いに近づけることにより、第1の構成要素11aの継ぎ合わせ要素12と第2の構成要素11bの外部環状継ぎ合わせ要素12bとの間で、2つの糸F1、F2を径方向に挟むことを可能にする。
【0166】
糸F1、F2が2つの構成要素11a、11b間に挟まれた状態で、第3のモータ部材31は、構成要素11a、11bの外側に定められた位置で糸F1、F2を選択的に締結するように保持手段30に指令することができる。2つの構成要素11a、11bを互いに対して反対方向に回転させる段階では、第2のモータ部材14は、互いに対面してかつ協働する継ぎ合わせ要素12及び環状継ぎ合わせ要素12bにより、識別された直径に沿って2つの糸F1、F2を近づけかつ平行にするように、2つの構成要素11a、11bの反対方向の回転を指令することができる。
【0167】
特に、指令ユニット29は、上述の全ての段階中に、糸F1、F2を常に継ぎ合わせゾーンG内で正しい引張状態に保つように、保持手段30に指令し制御する。
【0168】
2つの糸F1、F2間の平行化は、公知の手法により、両方の継ぎ合わせ要素12上に突出して設けられた少なくとも2又は3以上のペグ41によって案内することができ、それにより、回転中に、対向するペグ41は、上述の位置に沿って2つの糸F1、F2を引きながら上述したように直径に沿って位置合わせする。
【0169】
特に、糸が継ぎ合わせゾーンG内で平行化されると、第1のモータ部材13は、2つの平行化された糸F1、F2を2つの構成要素11a、11b間で中心的に拘束するように、第1の構成要素11aの継ぎ合わせ要素12と第2の構成要素11bのセンタリングピン47との接触があるまで2つの構成要素11a、11bを互い近づけることができる(図6a~図6c)。特に、継ぎ合わせ要素12、12a、12bが接触していないこの位置で、糸の末端部が除去される。
【0170】
一実施形態によれば、除去は、切断により又は有利には引き裂きによって実行される。
【0171】
特に、引き裂きの場合に、構成要素11a、11bの回転後に、第4のモータ部材40は、継ぎ合わせゾーンGから出る糸F1、F2の末端部を引き裂くように除去手段36を駆動する。
【0172】
特に、切断の場合に、切断要素35は、フレーム17と一体であるので、回転中に、糸F1、F2に平行に配置され、2つの構成要素11a、11bから出るそれぞれの糸F1、F2の末端部を切断する。
【0173】
図6bを参照すると、切断要素35は、糸F1、F2のより清浄かつより正確な切断部を取得するように把持要素37と協働することができる。
【0174】
2つの対向する糸F1、F2の2つの端部を互いに近づける段階は、末端部の除去中及び/又はその後に行うことができる(図7a~図7c)。
【0175】
特に、2つの構成要素11a、11bのうちの少なくとも一方は、継ぎ合わせ要素12から選択的に突出して糸F1、F2の端部を互いに近づけるように構成された把持手段43(図7b)を提供することができる。
【0176】
構成要素11a、11bの回転後に、把持手段43は、自動駆動を行うことができる。
【0177】
例えば、把持手段43は、対向するレバーによって駆動することができ、レバーは、レバーが設けられたそれぞれの構成要素11a、11bの回転の進行の終了時に機械的に作動させることができる。
【0178】
一変形によれば、把持手段43は、専用モータによって指令することができる。
【0179】
把持手段43は、非限定的例として、ハウジング台座18内にかつ継ぎ合わせ要素12の厚み方向に通過して設けられた、フレーム17と一体の1又は2以上の挟持器を備えることができる。
【0180】
特に、そのような把持手段43は、継ぎ合わせ要素12の厚み内に後退される。
【0181】
例えば、把持手段43の挟持器は、ハウジング台座18の内側に向けたその移動後に継ぎ合わせ要素12から突出する。
【0182】
一実施形態によれば、2つの構成要素11a、11bのうちの少なくとも一方は、少なくとも一方の構成要素11a、11b上に設けられた複数の孔42であって、2つの糸F1、F2の端部を近づけてその撚りを容易にするように、協働する構成要素11a、11b間に空気を導入するか又はその間の空気を吸引するように構成された複数の孔42を備えることができる。
【0183】
そのような孔42は、継ぎ合わせ要素12の直径に沿って設けることができる。
【0184】
孔42は、2つの糸F1、F2の端部の繊維の互いの接近を最適化するように、継ぎ合わされる2つの端部を互いに接近させて緻密化するために、空気を継ぎ合わせゾーンGに導入するか又は好ましくはその中に吸引することによって把持手段43と協働するように構成することができる。
【0185】
制御ユニット29は、継ぎ合わせ中に構成要素11a、11bの機能と協調して例えば孔42を通して空気を送る/吸引するように構成された空気吸引/吹込用部材(図示せず)に指令するように構成することができる。
【0186】
特に、孔42は、一方の構成要素11a、11b及びそれに対向する他方の構成要素11a、11b上の把持手段43上に設けることができる。このようにすると、孔42と把持手段43の協働がより効率的になる。
【0187】
非限定的例として、図4a~図8a及び図4b~図6bを参照すると、孔42は、第1の構成要素11aの継ぎ合わせ要素12上に設けることができ、把持手段43は、第2の構成要素11bの内部円形継ぎ合わせ要素12a上に設けることができる。
【0188】
糸F1、F2の端部が互いに近づけられると、第1のモータ部材13は、2つの向かい合う継ぎ合わせ要素12の面が完全に接触するように、構成要素11a、11bの互いの接近を指令することができる。例えば、この場合に、把持手段43は、対応する継ぎ合わせ要素12a、12bの厚み内に隠される。
【0189】
その後に、制御ユニット29は、2つの糸F1、F2の端部を互いに対して撚る(図8a~図8c)ために、2つの構成要素11a、11bを、互いに反対方向に、且つ前回の回転に対して反対に、逆回転させるように第2のモータ部材14に指令する。
【0190】
構成要素11a、11bは、その後に、得られた糸Fを取り出すために、第1のモータ部材13を用いて互いから離される。
【0191】
図9は、本発明の装置10の変形例を示し、この場合、モータ部材13はステッパモータとすることができ、ウォームスクリュー48によって2つの構成要素11、11bのうちの少なくとも一方を一方向又は反対方向に平行移動させるように構成される。そのようなウォームスクリュー48は、例えば、この目的のために対応するナットを有する構成要素11bに関連付けることができる。
【0192】
モータ部材13には、第1のセンサ手段27の代わりに又は第1のセンサ手段27と組み合わせて位置トランスデューサ49を備えることができる。実質的に、従って、本発明の装置10は、第1のセンサ手段27、位置トランスデューサ49、又は両方の組合せを備えることができる。
【0193】
2つの構成要素11a、11bの相対的な回転を指令するモータ部材14は、構成要素11a、11bのうちの少なくとも一方の回転角を検出するように構成された第2のセンサ手段28の代わりに又は第2のセンサ手段28と組み合わせて、位置トランスデューサ50を備えたステッパモータとすることができる。実質的に、従って、本発明の装置10は、第2のセンサ手段28、位置トランスデューサ50、又は両方の組合せを備えることができる。
【0194】
図4の変形例に見られるように、制御ユニット29は、モータ部材13及び14に関連付けられ、かつ機能パラメータ及びそのような位置トランスデューサ49及び50又はエンコーダによって検出された値の関数として、モータ部材13及び14に指令するように構成されることになる。
【0195】
位置トランスデューサはまた、本発明の装置10に存在する他のモータ部材に関連付けることができる。
【0196】
例えば、糸F1、F2を継ぎ合わせゾーンG内で引張状態に保つのに適する保持手段30を駆動するように構成された第3のモータ部材31には、位置トランスデューサ又はエンコーダを備えることができる。
【0197】
除去手段36を駆動するように構成された第4のモータ部材40にも、位置トランスデューサ又はエンコーダを備えることができる。
【0198】
本発明の分野及び範囲から逸脱することなく、部品の修正及び/又は追加を上述の継ぎ合わせ装置10に行うことができることは明らかである。
【0199】
また、本発明をいくつかの具体例を参照して説明したが、特許請求の範囲に記載するような特性を有し、従って全てが特許請求の範囲によって定められた保護範囲内に入る装置10の多くの他の同等の形態を、当業者であれば確実に達成することができるであろうことは明らかである。
【0200】
以下の特許請求の範囲では、括弧内の参照符号は、単に読みやすくすることを目的としており、特定の特許請求の範囲で権利主張する保護範囲に関して限定的な要素と見なしてはならない。
図1a-1e】
図2
図3
図4
図4a
図4b
図4c
図5
図5a
図5b
図5c
図6
図6a
図6b
図6c
図7
図7a
図7b
図7c
図8
図8a
図8b
図8c
図9
【国際調査報告】