(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】量子鍵配送プロトコル
(51)【国際特許分類】
H04L 9/12 20060101AFI20230117BHJP
H04L 1/00 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
H04L9/12
H04L1/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527063
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 GB2020052826
(87)【国際公開番号】W WO2021090025
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522181326
【氏名又は名称】アーキット リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】チャイルド バリー
(72)【発明者】
【氏名】ベストウィック デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ヨーマンズ アンドリュー ジェイムズ ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】イクバール オマール
【テーマコード(参考)】
5K014
【Fターム(参考)】
5K014AA01
(57)【要約】
第1のデバイス、第2のデバイス、および中間デバイスの間で量子鍵配送(QKD)プロトコルを実行するための方法、装置、およびシステムが提供される。中間デバイスは、第1のデバイスに第1の量子チャネルを介して第1の秘密シンボル文字列を、第1のデバイスに第1の通信チャネルを介して第1の基底セットを伝送する。中間デバイスは、第2のデバイスに第2の量子チャネルを介した第2の秘密シンボル文字列と、第2のデバイスに第2の通信チャネルを介した第2の基底セット。中間デバイスは、第1および第2の秘密シンボル文字列を組み合わせることに基づいて第3のシンボル文字列を生成し、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスに第3のシンボル文字列を表すデータを伝送する。第1のデバイスおよび第2のデバイスは、対応する受信された第1および第2の秘密シンボル文字列ならびに第1および第2の基底セットに基づいて量子鍵交換およびふるい処理を実行し、第2のデバイスによって生成された第4のシンボルのセットが、第2の受信された秘密シンボルを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成する。
【選択図】
図1c
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデバイスと第2のデバイスとの間の量子鍵配送のコンピュータ実装方法であって、前記方法が、中間デバイスによって実行され、
前記第1のデバイスに、第1の量子チャネルを介して、第1の秘密シンボル文字列を伝送することであって、前記第1の秘密シンボル文字列の各シンボルが、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される、伝送することと、
前記第1のデバイスに、第1の通信チャネルを介して、第1の基底セットを伝送することであって、前記第1の基底セットが、前記第1の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用された前記ランダムに選択された基底を表すデータを含む、伝送することと、
前記第2のデバイスに、第2の量子チャネルを介して、第2の秘密シンボル文字列を伝送することであって、前記第2の秘密シンボル文字列の各シンボルが、前記基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される、伝送することと、
前記第2のデバイスに、第2の通信チャネルを介して、第2の基底セットを伝送することであって、前記第2の基底セットが、前記第2の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用された前記ランダムに選択された基底を表すデータを含む、伝送することと、
前記第1および第2の秘密シンボル文字列を組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、
前記第2の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスに前記第3のシンボル文字列を表すデータを伝送することと、を含み、
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、
前記第1のデバイスが、前記受信された第1の基底セットを使用して、前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の量子チャネルを介して伝送された前記第1の秘密シンボル文字列のシンボルを含む、第1の受信された秘密シンボルのセットを判定することと、
前記第2のデバイスが、前記受信された第2の基底セットを使用して、前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の量子チャネルを介して伝送された前記第2の秘密シンボル文字列のシンボルを含む、第2の受信された秘密シンボルのセットを判定することと、
前記第2のデバイスが、前記第2の受信された秘密シンボルのセットを前記受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成し、前記第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、前記第1のシンボル文字列の1つ以上のシンボルに対応することと、
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、前記第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、前記第1のデバイスにおける前記第1の受信された秘密シンボルのセットと、前記第2のデバイスにおける前記第4のシンボルのセットと、に基づいて、間の第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行することと、に基づいて、量子鍵交換を実行する、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記第1のデバイスから、前記第1の通信チャネルを介して、前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の量子通信チャネルを介して伝送された前記第1の秘密シンボル文字列中の前記シンボルのシンボル位置を表すデータを受信することと、
前記第1のデバイスによって正常に受信された前記第1の秘密シンボル文字列からのシンボルの前記シンボル位置を表す前記受信されたデータに対応する前記第1の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルに基づいて、第1のシンボルのセットを生成することと、
前記第2のデバイスから、前記第2の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の量子通信チャネルを介して伝送された前記第2の秘密シンボル文字列中の前記シンボルのシンボル位置を表すデータを受信することと、
前記第2のデバイスによって正常に受信された前記第2の秘密シンボル文字列からのシンボルの前記シンボル位置を表す前記受信されたデータに対応する前記第2の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルに基づいて、第2のシンボルのセットを生成することと、を含み、
前記第3のシンボル文字列を前記生成することが、前記第1のシンボルのセットと第2のシンボルのセットとを組み合わせることに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記方法が、前記第1のデバイスに前記ランダムに選択された基底を伝送する前に、前記第1のデバイスから、前記第1の通信チャネルを介して、前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の量子通信チャネルを介して伝送された前記第1の秘密シンボル文字列中の前記シンボルの前記シンボル位置を表すデータを前記受信することを実行することをさらに含む、請求項1または2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記方法が、前記第2のデバイスに前記ランダムに選択された基底を伝送する前に、前記第2のデバイスから、前記第2の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の量子通信チャネルを介して伝送された前記第2の秘密シンボル文字列中の前記シンボルの前記シンボル位置を表すデータを前記受信することを実行することをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記方法が、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、
前記第1のデバイスが、前記受信された第1の基底セットと、前記第1の量子通信チャネルを介して伝送された前記第1の秘密シンボル文字列からの正常に受信された前記シンボルと、に基づいて、前記第1の受信された秘密シンボルのセットを形成し、前記第1の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の秘密シンボル文字列のシンボルであり、前記シンボルを受信するために使用された前記基底が、前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第1の基底セット中の対応する基底に一致することと、
前記第2のデバイスが、前記受信された第2の基底セットと、前記第2の量子通信チャネルを介して伝送された前記第2の秘密シンボル文字列からの正常に受信された前記シンボルと、に基づいて、前記第2の受信された秘密シンボルのセットを形成し、前記第2の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の秘密シンボル文字列のシンボルであり、前記シンボルを受信するために使用された前記基底が、前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第2の基底セット中の対応する基底に一致することと、
前記第2のデバイスが、前記第2の受信された秘密シンボルのセットを前記受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、前記第4のシンボルのセットを生成し、前記第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、前記第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルに対応することと、
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、前記第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、前記第1のデバイスにおける前記第1の受信された秘密シンボルのセットと、前記第2のデバイスにおける前記第4のシンボルのセットと、に基づいて、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスの間の前記第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行することと、に基づいて、量子鍵交換を実行することをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記第3のシンボル文字列を前記生成することが、
前記第1のシンボルのセットの長さが前記第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、
前記第2のシンボルのセットを前記第1のシンボルのセットの前記長さにトランケートすることと、
前記第1のシンボルのセットを前記トランケートされた第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
前記第2のシンボルのセットの前記長さが前記第1のシンボルのセットの前記長さ未満であると判定することに応答して、
前記第1のシンボルのセットを前記第2のシンボルのセットの前記長さにトランケートすることと、
前記トランケートされた第1のシンボルのセットを前記第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、をさらに含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記第3のシンボル文字列を前記生成することが、
前記第1のシンボルのセットの長さが前記第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、
前記第2のシンボルのセットを調整することであって、前記調整された第2のシンボルのセットの前記調整された長さが前記第1のシンボルのセットと同じになるまで、同意されたシンボルのセットを前記第2のシンボルのセットから削除することによって、前記第2のシンボルのセットを調整することと、
前記第1のシンボルのセットを前記調整された第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
前記第2のシンボルのセットの前記長さが前記第1のシンボルのセットの前記長さ未満であると判定することに応答して、
前記第1のシンボルのセットを調整することであって、前記調整された第1のシンボルのセットの前記調整された長さが前記第2のシンボルのセットと同じになるまで、同意されたシンボルのセットを前記第1のシンボルのセットから削除することによって、前記第1のシンボルのセットを調整することと、
前記調整された第1のシンボルのセットを前記第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、をさらに含む、請求項2~6のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記第3のシンボル文字列を生成することが、
第1のビットのセットおよび第2のビットのセットを表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することであって、前記第1のビットのセットが、前記第1のシンボルのセット中の前記シンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいており、前記第2のビットのセットが、前記第2のシンボルのセット中の前記シンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいている、生成することと、
少なくとも部分的に、前記第1のシンボルのセットおよび前記第2のシンボルのセットを表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、前記第3のビット文字列を生成することと、
前記第2のシンボルのセットを使用して、前記第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、請求項2~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記第2のデバイスが前記第4のシンボル文字列を生成することが、
前記第2の受信された秘密シンボルのセットおよび前記受信された第3のシンボル文字列を使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、
前記受信された第2の秘密シンボルのセットおよび前記第3の秘密シンボル文字列を使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、
前記第2の受信された秘密シンボルのセットおよび前記第3のシンボル文字列を使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、請求項2~8のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記第3のシンボル文字列を生成することが、
少なくとも部分的に、前記第1の秘密シンボル文字列および前記第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記第1の秘密シンボル文字列および前記第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
前記第2の秘密シンボル文字列を使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記第2のデバイスが前記第4のシンボル文字列を生成することが、
少なくとも部分的に、前記第2の秘密シンボル文字列および前記第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記第2の秘密シンボル文字列および前記第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記第2の秘密シンボル文字列および前記第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、
前記第1のデバイスが、前記第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成し、前記第1の一致する基底セットが、前記第1のシンボルのセットの前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する前記第1の受信された秘密シンボルのセットの前記シンボルを受信するために前記第1のデバイスが使用したすべての前記基底状態を含むことと、
前記第1のデバイスが、前記第3の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスに、前記第1の一致する基底セットを表すデータを送信することと、
前記第2のデバイスが、前記第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第2の一致する基底セットを形成し、前記第2の一致する基底セットが、前記第2のシンボルのセットの前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する前記第2の受信された秘密シンボルのセットの前記シンボルを受信するために前記第2のデバイスが使用したすべての前記基底状態を含むことと、
前記第2のデバイスが、前記第3の通信チャネル介して、前記第1のデバイスに、前記第2の一致する基底セットを表すデータを送信することと、
前記第1のデバイスが、前記第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、前記第1の一致する基底セット中の対応する基底が、前記受信された第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なることと、
前記第2のデバイスが、前記第4のシンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、前記受信された第1の一致する基底セット中の前記対応する基底が、前記第2の一致する基底セット中の前記対応する基底とは異なることと、
前記第1および第2のデバイスが、それぞれ、前記第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成することと、に基づいて、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスの間の前記第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行する、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記第1および第2のデバイスが、前記第1および第2のふるい処理されたビットの共通のセットに対して誤り検出および/または訂正を実行する、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
第1のデバイスと第2のデバイスとの間の量子鍵配送のコンピュータ実装方法であって、前記方法が、前記第1のデバイスによって実行され、
中間デバイスから、量子チャネルを介して第1の秘密シンボル文字列を受信することであって、前記中間デバイスが、前記量子チャネルを介した伝送のための基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調した、受信することと、
前記受信された第1の秘密シンボル文字列を復調することであって、受信された各第1の秘密シンボルが、前記基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、復調される、復調することと、
前記中間デバイスから、第1の通信チャネルを介して第1の基底セットを表すデータを受信することであって、前記第1の基底セットが、前記第1の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために前記中間デバイスによって使用された前記ランダムに選択された基底を表すデータを含む、受信することと、
前記受信された第1の基底セットを使用して、正常に受信された、前記受信された第1の秘密シンボル文字列からの第1の受信された秘密シンボルのセットを判定することと、
前記第1のデバイスの前記第1の受信された秘密シンボルのセットと、前記第2のデバイスとともに暗号鍵を形成するためのふるい処理された共通のシンボルのセットを生成するために前記第2のデバイスによって判定された別の秘密シンボルのセットと、を使用して、前記第2のデバイスとともにふるい処理演算を実行することであって、前記別の秘密シンボルのセットが、前記第1の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられている、実行することと、を含み、
前記第2のデバイスが、少なくとも部分的に、前記中間デバイスから、第2の量子チャネルを介して、前記第2のデバイスによって受信された第2の秘密シンボル文字列と、少なくとも部分的に、前記中間デバイスから、第2の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスによって受信された第3の秘密シンボル文字列と、に基づいて、前記別の秘密シンボルのセットを判定し、前記第3の秘密シンボル文字列が、少なくとも部分的に、前記第2の秘密シンボル文字列と前記第1の秘密シンボル文字列との組み合わせに基づいており、前記第2のデバイスが、前記受信された第3の秘密シンボル文字列と、少なくとも部分的に、前記第2の秘密シンボル文字列と、の組み合わせに基づいて、前記別の秘密シンボルのセットを生成する、コンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記量子通信チャネルを介して前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の秘密シンボル文字列中の前記シンボルのシンボル位置を表すデータを、前記第1の通信チャネルを介して、前記中間デバイスに伝送することをさらに含む、請求項14に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記方法が、前記第1の基底セットを受信する前に、前記量子通信チャネルを介して前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の秘密シンボル文字列中の前記シンボルの前記シンボル位置を表すデータを、前記第1の通信チャネルを介して、前記第1のデバイスから、前記中間デバイスに前記伝送することを実行することをさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記方法が、
前記受信された第1の基底セットと、前記量子通信チャネルを介して前記中間デバイスによって伝送された前記第1の秘密シンボル文字列からの正常に受信された前記シンボルと、に基づいて、前記第1の受信された秘密シンボルのセットを形成することであって、前記第1の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の秘密シンボル文字列のシンボルであり、前記シンボルを受信するために使用された前記基底が、前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第1の基底セット中の対応する基底に一致し、
前記第2のデバイスが、受信された第2の基底セットと、前記第2の量子チャネルを介して前記中間デバイスによって伝送された前記第2の秘密シンボル文字列からの正常に受信された前記シンボルと、に基づいて、第2の受信された秘密シンボルのセットを形成し、前記第2の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の秘密シンボル文字列のシンボルであり、前記シンボルを受信するために使用された前記基底が、前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第2の基底セット中の対応する基底に一致し、
前記第2のデバイスが、前記第2の受信された秘密シンボルのセットを前記受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、前記別のシンボルのセットを生成し、前記別のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、前記第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルに対応する、形成することと、
前記第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、前記第1のデバイスにおける前記第1の受信された秘密シンボルのセットと、前記第2のデバイスにおける前記別のシンボルのセットと、に基づいて、前記第3の通信チャネルを介して前記第2のデバイスとともにシンボルふるい処理演算を実行することと、に基づいて、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが量子鍵交換を実行することをさらに含む、請求項15または16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記第2の秘密シンボル文字列と前記第1の秘密シンボル文字列との前記組み合わせが、前記第2の秘密シンボル文字列および前記第1の秘密シンボル文字列を表すデータに対するXOR演算を使用して、前記第3のシンボル文字列を生成することを含む、請求項14~17のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
前記第3のシンボル文字列を生成することが、
少なくとも部分的に、前記第1の秘密シンボル文字列および前記第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記第1の秘密シンボル文字列および前記第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
前記第2の秘密シンボル文字列を使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、請求項14~18のいずれか一項に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項20】
前記第2のデバイスが前記別のシンボル文字列を生成することが、
少なくとも部分的に、前記受信された第2の秘密シンボル文字列および前記受信された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記別のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記受信された第2の秘密シンボル文字列および前記受信された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、前記別のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記受信された第2の秘密シンボル文字列および前記受信された第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記別のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、請求項14~19のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
前記第3の通信チャネルを介して前記第2のデバイスとともに前記シンボルふるい処理演算を実行することが、
前記第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成することであって、前記第1の一致する基底セットが、前記第1の秘密シンボル文字列の前記シンボルを伝送するために前記中間デバイスによって使用された前記受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する前記第1の受信された秘密シンボルのセットの前記シンボルを受信するために前記第1のデバイスが使用したすべての前記基底状態を含む、形成することと、
前記第3の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスに、前記第1の一致する基底セットを表すデータを伝送することと、をさらに含み、
前記第3の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスから、第2の一致する基底セットを表すデータを受信し、前記第2のデバイスが、前記第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、前記第2の一致する基底セットを形成し、前記第2の一致する基底セットが、前記第2の秘密シンボル文字列の前記シンボルを伝送するために前記中間デバイスによって使用された前記受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する前記第2の受信された秘密シンボルのセットの前記シンボルを受信するために前記第2のデバイスが使用したすべての前記基底状態を含み、
前記第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、前記第1の一致する基底セット中の前記対応する基底が、前記受信された第2の一致する基底セット中の前記対応する基底とは異なり、前記第2のデバイスが、前記別の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、前記受信された第1の一致する基底セット中の前記対応する基底が、前記第2の一致する基底セット中の前記対応する基底とは異なり、
前記第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成し、前記第2のデバイスが、前記第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、前記暗号鍵を形成する、請求項14~20のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項22】
前記第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに対して、前記第2のデバイスとともに誤り検出および/または訂正を実行することをさらに含む、請求項21に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項23】
第1のデバイスと第2のデバイスとの間の量子鍵配送のコンピュータ実装方法であって、前記方法が、前記第2のデバイスによって実行され、
中間デバイスから、量子チャネルを介して、第2の秘密シンボル文字列を受信することであって、前記中間デバイスが、基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、前記第2の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調した、受信することと、
前記受信された第2の秘密シンボル文字列を復調することであって、受信された各第2の秘密シンボルが、前記基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、復調される、復調することと、
前記中間デバイスによって前記第2の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用された前記ランダムに選択された基底を表すデータを受信することと、
前記第2の秘密シンボル文字列を復調するために使用された前記ランダムに選択された基底と、前記第2の秘密シンボル文字列を変調するために使用された前記受信されたランダムに選択された基底と、を比較することに基づいて、有効に受信された、前記受信された第2の秘密シンボル文字列からの第2の秘密シンボルのセットを判定することと、
前記中間デバイスから、第3のシンボル文字列を表すデータを受信することであって、前記第3のシンボル文字列が、少なくとも部分的に、前記第2の秘密シンボル文字列と第1の秘密シンボル文字列との組み合わせに基づいて、前記中間デバイスによって生成され、前記第1の秘密シンボル文字列が、別の量子チャネルを介して前記中間デバイスから前記第1のデバイスに送信される、受信することと、
少なくとも部分的に、前記受信された第3のシンボル文字列を前記受信された第2の秘密シンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第4の秘密シンボルのセットを判定することと、
前記第4の秘密シンボルのセットと、暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために前記第1のデバイスによって判定された別の秘密シンボルのセットと、を使用して、前記第1のデバイスとともにふるい処理を実行することであって、前記別の秘密シンボルのセットが、前記第1のデバイスによって有効に受信されたと判定された前記第1の秘密シンボル文字列と関連付けられている、実行することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項24】
前記量子通信チャネルを介して正常に受信された、前記第2の秘密シンボル文字列中の前記シンボルのシンボル位置を表すデータを、前記第2の通信チャネルを介して、前記中間デバイスに伝送することをさらに含む、請求項23に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項25】
前記第2の基底セットを受信する前に、前記量子通信チャネルを介して前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の秘密シンボル文字列中の前記シンボルのシンボル位置を表すデータを、前記第2の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスから、前記中間デバイスに前記伝送することを実行することをさらに含む、請求項23または24に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項26】
前記方法が、
前記受信された第2の基底セットと、前記第2の量子チャネルを介して前記中間デバイスによって伝送された前記第2の秘密シンボル文字列からの正常に受信された前記シンボルと、に基づいて、第2の受信された秘密シンボルのセットを形成することであって、前記第2の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の秘密シンボル文字列のシンボルであり、前記シンボルを受信するために使用された前記基底が、前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第2の基底セット中の対応する基底に一致し、
前記第2のデバイスが、前記第2の受信された秘密シンボルのセットを前記受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、前記第4のシンボルのセットを生成し、前記第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、前記第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルに対応し、
前記第1のデバイスが、受信された第1の基底セットと、前記第1のデバイスに、前記別の量子通信チャネルを介して、前記中間デバイスによって伝送された前記第1の秘密シンボル文字列からの正常に受信された前記シンボルと、に基づいて、前記第1の受信された秘密シンボルのセットを形成し、前記第1の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の秘密シンボル文字列のシンボルであり、前記シンボルを受信するために使用された前記基底が、前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第1の基底セット中の対応する基底に一致する、形成することと、
前記第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、前記第1のデバイスにおける前記第1の受信された秘密シンボルのセットと、前記第2のデバイスにおける前記第4のシンボルのセットと、に基づいて、前記第3の通信チャネルを介して前記第1のデバイスとともにシンボルふるい処理演算を実行することと、に基づいて、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが量子鍵交換を実行することをさらに含む、請求項15または16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項27】
前記第2の秘密シンボル文字列と前記第1の秘密シンボル文字列との前記組み合わせが、前記第2の秘密シンボル文字列および前記第1の秘密シンボル文字列を表すデータに対するXOR演算を使用して、前記第3のシンボル文字列を生成することを含む、請求項23~26のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項28】
前記中間デバイスによって前記第3のシンボル文字列を生成することが、
少なくとも部分的に、前記第1の秘密シンボル文字列および前記第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記第1の秘密シンボル文字列および前記第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
前記第2の秘密シンボル文字列を使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、請求項23~27のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項29】
前記第4のシンボル文字列を生成することが、
少なくとも部分的に、前記受信された第2の秘密シンボル文字列および前記受信された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記受信された第2の秘密シンボル文字列および前記受信された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記受信された第2の秘密シンボル文字列および前記受信された第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、請求項23~28のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項30】
前記第3の通信チャネルを介して前記第1のデバイスとともに前記シンボルふるい処理演算を実行することが、
前記第1のデバイスが、第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成することであって、前記第1の一致する基底セットが、前記第1の秘密シンボル文字列の前記シンボルを伝送するために前記中間デバイスによって使用された前記受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する前記第1の受信された秘密シンボルのセットの前記シンボルを受信するために前記第1のデバイスが使用したすべての前記基底状態を含む、形成することと、
前記第3の通信チャネルを介して前記第2のデバイスにおいて、前記第1の一致する基底セットを表すデータを受信することと、
前記第3の通信チャネルを介して、前記第1のデバイスに、第2の一致する基底セットを表すデータを伝送することであって、前記第2のデバイスが、前記第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、前記第2の一致する基底セットを形成し、前記第2の一致する基底セットが、前記第2の秘密シンボル文字列の前記シンボルを伝送するために前記中間デバイスによって使用された前記受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する前記第2の受信された秘密シンボルのセットの前記シンボルを受信するために前記第2のデバイスが使用したすべての前記基底状態を含む、伝送することと、
前記第4の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成することであって、前記第1の一致する基底セット中の前記対応する基底が、前記第2の一致する基底セット中の前記対応する基底とは異なり、前記第1のデバイスが、前記第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、前記第1の一致する基底セット中の前記対応する基底が、前記受信された第2の一致する基底セット中の前記対応する基底とは異なる、生成することと、
前記第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成することであって、前記第2のデバイスが、前記第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、前記暗号鍵を形成する、形成することと、をさらに含む、請求項23~29のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項31】
前記第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに対して、前記第2のデバイスとともに誤り検出および/または訂正を実行することをさらに含む、請求項30に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項32】
第1のデバイスと第2のデバイスとの間の量子鍵配送のコンピュータ実装方法であって、前記方法が、
中間デバイスによって、前記第1のデバイスに、第1の量子チャネルを介して、第1の秘密シンボル文字列を伝送することであって、前記第1の秘密シンボル文字列の各シンボルが、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される、伝送することと、
前記中間デバイスによって、前記第1のデバイスに、第1の通信チャネルを介して、第1の基底セットを伝送することであって、前記第1の基底セットが、前記第1の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用された前記ランダムに選択された基底を表すデータを含む、伝送することと、
前記中間デバイスによって、前記第2のデバイスに、第2の量子チャネルを介して、第2の秘密シンボル文字列を伝送することであって、前記第2の秘密シンボル文字列の各シンボルが、前記基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される、伝送することと、
前記中間デバイスによって、前記第2のデバイスに、第2の通信チャネルを介して、第2の基底セットを伝送することであって、前記第2の基底セットが、前記第2の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用された前記ランダムに選択された基底を表すデータを含む、伝送することと、
前記中間デバイスによって、前記第1および第2の秘密シンボル文字列を組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、
前記中間デバイスによって、前記第2の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスに、前記第3のシンボル文字列を表すデータを伝送することと、
前記第1のデバイスによって、前記受信された第1の基底セットを使用して、第1の受信された秘密シンボルのセットを判定することであって、前記第1の受信された秘密シンボルのセットが、前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の量子チャネルを介して伝送された前記第1の秘密シンボル文字列のシンボルを含む、判定することと、
前記第2のデバイスによって、前記受信された第2の基底セットを使用して、第2の受信された秘密シンボルのセットを判定することであって、前記第2の受信された秘密シンボルのセットが、前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の量子チャネルを介して伝送された前記第2の秘密シンボル文字列のシンボルを含む、判定することと、
前記第2のデバイスによって、前記第2の受信された秘密シンボルのセットを前記受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成することであって、前記第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、前記第1のシンボル文字列の1つ以上のシンボルに対応する、生成することと、
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスによって、前記第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、前記第1のデバイスにおける前記第1の受信された秘密シンボルのセットと、前記第2のデバイスにおける前記第4のシンボルのセットと、に基づいて、第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項33】
前記第1のデバイスによって、前記第1の通信チャネルを介して、前記中間デバイスに、前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の量子通信チャネルを介して前記中間デバイスによって伝送された前記第1の秘密シンボル文字列中の前記シンボルのシンボル位置を表すデータを伝送することと、
前記中間デバイスにおいて、前記第1のデバイスによって正常に受信された前記第1の秘密シンボル文字列からのシンボルの前記シンボル位置を表す前記データに対応する前記第1の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルに基づいて、第1のシンボルのセットを生成することと、
前記第2のデバイスによって、前記第2の通信チャネルを介して、前記中間デバイスに、前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の量子通信チャネルを介して前記中間デバイスによって伝送された前記第2の秘密シンボル文字列中の前記シンボルのシンボル位置を表すデータを伝送することと、
前記中間デバイスにおいて、前記第2のデバイスによって正常に受信された前記第2の秘密シンボル文字列からのシンボルの前記シンボル位置を表す前記受信されたデータに対応する前記第2の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルに基づいて、第2のシンボルのセットを生成することと、をさらに含み、
前記中間デバイスによって、前記第3のシンボル文字列を前記生成することが、前記中間デバイスによって、前記第1のシンボルのセットと第2のシンボルのセットとを組み合わせることに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することをさらに含む、請求項32に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項34】
前記方法が、
前記第1のデバイスに前記ランダムに選択された基底を伝送する前に、前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の量子通信チャネルを介して伝送された前記第1の秘密シンボル文字列中の前記シンボルの前記シンボル位置を表すデータを、前記第1の通信チャネルを介して、前記第1のデバイスから前記受信することを実行することと、
前記第2のデバイスに前記ランダムに選択された基底を伝送する前に、前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の量子通信チャネルを介して伝送された前記第2の秘密シンボル文字列中の前記シンボルの前記シンボル位置を表すデータを、前記第2の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスから前記受信することを実行することと、をさらに含む、請求項32または33に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項35】
前記方法が、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、
前記第1のデバイスによって、前記受信された第1の基底セットと、前記第1の量子通信チャネルを介して伝送された前記第1の秘密シンボル文字列からの正常に受信された前記シンボルと、に基づいて、第1の受信された秘密シンボルのセットを判定することであって、前記第1の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、前記第1のデバイスによって正常に受信された、前記第1の秘密シンボル文字列のシンボルであり、前記シンボルを受信するために使用された前記基底が、前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第1の基底セット中の対応する基底に一致する、判定することと、
前記第2のデバイスによって、前記受信された第2の基底セットと、前記第2の量子通信チャネルを介して伝送された前記第2の秘密シンボル文字列からの正常に受信された前記シンボルと、に基づいて、第2の受信された秘密シンボルのセットを判定することであって、前記第2の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、前記第2のデバイスによって正常に受信された、前記第2の秘密シンボル文字列のシンボルであり、前記シンボルを受信するために使用された前記基底が、前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第2の基底セット中の対応する基底に一致する、判定することと、
前記第2のデバイスによって、前記第2の受信された秘密シンボルのセットを前記受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、前記第4のシンボルのセットを生成することであって、前記第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、前記第1のシンボル文字列の1つ以上のシンボルに対応する、生成することと、
前記第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、前記第1のデバイスにおける前記第1の受信された秘密シンボルのセットと、前記第2のデバイスにおける前記第4のシンボルのセットと、に基づいて、前記第3の通信チャネルを介して前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間でのふるい処理演算を実行することと、によって量子鍵交換を実行することをさらに含む、請求項33または34に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項36】
前記第3のシンボル文字列を前記生成することが、
前記第1のシンボルのセットの長さが前記第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、
前記第2のシンボルのセットを前記第1のシンボルのセットの前記長さにトランケートすることと、
前記第1のシンボルのセットを前記トランケートされた第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
前記第2のシンボルのセットの前記長さが前記第1のシンボルのセットの前記長さ未満であると判定することに応答して、
前記第1のシンボルのセットを前記第2のシンボルのセットの前記長さにトランケートすることと、
前記トランケートされた第1のシンボルのセットを前記第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、をさらに含む、請求項32~35のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項37】
前記第3のシンボル文字列を前記生成することが、
前記第1のシンボルのセットの長さが前記第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、
前記第2のシンボルのセットを調整することであって、前記調整された第2のシンボルのセットの前記調整された長さが前記第1のシンボルのセットと同じになるまで、同意されたシンボルのセットを前記第2のシンボルのセットから削除することによって、前記第2のシンボルのセットを調整することと、
前記第1のシンボルのセットを前記調整された第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
前記第2のシンボルのセットの前記長さが前記第1のシンボルのセットの前記長さ未満であると判定することに応答して、
前記第1のシンボルのセットを調整することであって、前記調整された第1のシンボルのセットの前記調整された長さが前記第2のシンボルのセットと同じになるまで、同意されたシンボルのセットを前記第1のシンボルのセットから削除することによって、前記第1のシンボルのセットを調整することと、
前記調整された第1のシンボルのセットを前記第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、をさらに含む、請求項32~36のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項38】
前記第3のシンボル文字列を生成することが、
第1のシンボルのセットおよび第2のシンボルのセットを表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて前記第3のシンボルを生成することであって、前記第1のシンボルのセットが、前記第1のシンボルのセット中の前記シンボルの各々をシンボルの文字列に変換することに基づいており、前記第2のシンボルのセットが、前記第2のシンボルのセット中の前記シンボルの各々をシンボルの文字列に変換することに基づいている、生成することと、
少なくとも部分的に、前記第1のシンボルのセットおよび前記第2のシンボルのセットを表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
前記第2のシンボルのセットを使用して、前記第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、請求項32~37のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項39】
前記第2のデバイスが前記第4のシンボル文字列を生成することが、
前記第2の受信された秘密シンボルのセットおよび前記受信された第3のシンボル文字列を使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、
前記受信された第2の秘密シンボルのセットおよび前記第3の秘密シンボル文字列を使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、
前記第2の受信された秘密シンボルのセットおよび前記第3のシンボル文字列を使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、請求項32~38のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項40】
前記第3のシンボル文字列を生成することが、
少なくとも部分的に、前記第1の秘密シンボル文字列および前記第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記第1の秘密シンボル文字列および前記第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、
前記第2の秘密シンボルを使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、請求項32~39のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項41】
前記第2のデバイスが前記第4のシンボル文字列を生成することが、
少なくとも部分的に、前記第2の秘密シンボル文字列および前記第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記第2の秘密シンボル文字列および前記第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、
少なくとも部分的に、前記第2の秘密シンボル文字列および前記第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、前記第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、前記第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む、請求項32~40のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項42】
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、
前記第1のデバイスが、前記第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成し、前記第1の一致する基底セットが、前記第1のシンボルのセットの前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する前記第1の受信された秘密シンボルのセットの前記シンボルを受信するために前記第1のデバイスが使用したすべての前記基底状態を含むことと、
前記第1のデバイスが、前記第3の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスに、前記第1の一致する基底セットを表すデータを送信することと、
前記第2のデバイスが、前記第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第2の一致する基底セットを形成し、前記第2の一致する基底セットが、前記第2のシンボルのセットの前記シンボルを伝送するために使用された前記受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する前記第2の受信された秘密シンボルのセットの前記シンボルを受信するために前記第2のデバイスが使用したすべての前記基底状態を含むことと、
前記第2のデバイスが、前記第3の通信チャネル介して、前記第1のデバイスに、前記第2の一致する基底セットを表すデータを送信することと、
前記第1のデバイスが、前記第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、前記第1の一致する基底セット中の対応する基底が、前記受信された第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なることと、
前記第2のデバイスが、前記第4の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、前記受信された第1の一致する基底セット中の前記対応する基底が、前記第2の一致する基底セット中の前記対応する基底とは異なることと、
前記第1および第2のデバイスが、それぞれ、前記第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成することと、に基づいて、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスの間の前記第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行する、請求項32~41のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項43】
前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、
前記第1のデバイスによって、前記第1の受信された秘密シンボルのセットおよび前記受信された第1の基底セットに基づいて、第1の基底フラグセットを生成することであって、前記第1の基底フラグセットが、前記受信された第1の基底セットを、前記第1のデバイスによって使用された前記基底セットと比較して、前記第1の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられた前記シンボルを復調することに基づいて、前記第1の受信された秘密シンボルのセットの各有効および無効シンボルの表示を含む、生成することと、
前記第1のデバイスから、前記第3の通信チャネルを介して、前記第2のデバイスに、前記第1の基底フラグセットを表すデータを送信することと、
前記第2のデバイスによって、前記第2の受信された秘密シンボルのセットおよび前記受信された第2の基底セットに基づいて、第2の基底フラグセットを生成することであって、前記第2の基底フラグセットが、前記受信された第2の基底セットを、前記第2のデバイスによって使用された前記基底セットと比較して、前記第2の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられた前記シンボルを復調することに基づいて、前記第2の受信された秘密シンボルのセットの各有効および無効シンボルの表示を含む、生成することと、
前記第2のデバイスから、前記第3の通信チャネルを介して、前記第1のデバイスに、前記第2の基底フラグセットを表すデータを送信することと、
前記第1のデバイスによって、前記第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成することであって、前記第1の基底フラグセット中の対応する表示が、前記受信された第2の基底フラグセット中の対応する表示とは異なる、生成することと、
前記第2のデバイスによって、前記第4の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成することであって、前記第2の基底フラグセット中の前記対応する表示が、前記受信された第1の基底フラグセット中の前記対応する表示とは異なる、生成することと、
前記第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットの間の誤り検出および訂正を実行して、ふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成することと、
前記ふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、前記第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を生成することと、に基づいて、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスの間の前記第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行する、請求項32~42のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項44】
各シンボルが、n>1についての、2
nのバイナリビットを表す、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項45】
各シンボルが、n=1についてのバイナリビットを表す、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項46】
乱数生成器を使用してシンボルをランダムに選択することによって、第1の秘密シンボル文字列を生成することをさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項47】
乱数生成器を使用してシンボルをランダムに選択することによって、第2の秘密シンボル文字列を生成することをさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項48】
前記乱数生成器が、
暗号乱数生成器、
量子キュービット乱数生成器、または
任意の好適な乱数生成器の群からの1つ以上に基づいている、請求項46または47に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項49】
前記基底のセットが、少なくとも2つの基底を含み、各基底が、少なくとも2つの基底状態を含み、各基底の前記少なくとも2つの基底状態が、直交し、前記各基底の前記少なくとも2つの基底状態が、前記基底のセットの別の基底の前記少なくとも2つの基底状態に対して直交していない、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項50】
前記基底のセットが、2つの基底を含み、前記基底のセットの各基底が、2つの基底状態を含む、請求項49に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項51】
前記第1または第2の量子チャネルを介した伝送のためのシンボルを変調するための前記基底のセットが、
直線基底、
対角基底、
球面基底、
円基底、および
2つの基底状態を含む任意の他のタイプの基底、の群からの少なくとも2つの基底を含む、請求項49または50に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項52】
前記第1および第2の量子チャネルが、光量子チャネルであり、前記基底のセットが、
直線光子偏光基底、
対角光子偏光基底、
球面光子偏光基底、
円光子偏光基底、および
2つの基底状態を含む任意の他のタイプの光子基底、の群からの少なくとも2つの基底を含む、請求項51に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項53】
前記第1の通信チャネルが、前記中間デバイスと前記第1のデバイスとの間に形成された古典的通信チャネルに基づいている、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項54】
前記第2の通信チャネルが、前記中間デバイスと前記第2のデバイスとの間に形成された古典的通信チャネルに基づいている、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項55】
前記古典的通信チャネルが、
光通信チャネル、
自由空間光通信チャネル、
無線通信チャネル、
有線通信チャネル、
ラジオ通信チャネル、
マイクロ波通信チャネル、
衛星通信チャネル、
地上通信チャネル、
光ファイバー通信チャネル、
光レーザ通信チャネル、
デバイス間でデータを伝送するための任意の他のタイプの1つ以上の光、無線、および/または有線通信チャネル、ならびに
デバイス間でデータを伝送するための複合通信チャネルを形成する、2つ以上の光、無線、および/または有線通信チャネル、の群からの1つ以上のタイプの通信チャネルに基づいている、請求項53または54に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項56】
量子通信チャネルが、
光量子通信、
自由空間光量子通信、
光ファイバー量子通信、
光レーザ量子通信、
デバイス間の量子通信チャネルを介してデータを伝送するための任意の他のタイプの量子通信、の群からの1つ以上のタイプの量子通信チャネルに基づいている、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項57】
前記中間デバイスが、衛星装置であり、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、衛星地上局またはデバイスであり、前記第1の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、前記第2の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、前記第1および第2の通信チャネルが、非量子衛星通信チャネルである、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項58】
前記中間デバイスが、地上局またはデバイスであり、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、衛星であり、前記第1の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、前記第2の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、前記第1および第2の通信チャネルが、非量子衛星通信チャネルである、請求項1~56のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項59】
前記中間デバイスが、地上通信装置であり、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、地上デバイスであり、前記第1の量子通信チャネルが、光ファイバー量子通信チャネルであり、前記第2の量子通信チャネルが、光ファイバー量子通信チャネルであり、前記第1および第2の通信チャネルが、古典的地上通信チャネルである、請求項1~56のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項60】
前記中間デバイスが、地上通信装置であり、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、地上デバイスであり、前記第1の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、前記第2の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、前記第1および第2の通信チャネルが、古典的地上通信チャネルである、請求項1~56のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項61】
前記中間デバイスが、地上通信装置であり、前記第1のデバイスおよび第2のデバイスが、地上デバイスであり、前記第1の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、前記第2の量子通信チャネルが、光ファイバー量子通信チャネルであり、前記第1および第2の通信チャネルが、古典的地上通信チャネルである、請求項1~56のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項62】
前記第1および第2の通信チャネルが、暗号化された通信チャネルである、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項63】
伝送データまたはメッセージを暗号化することであって、前記第1の古典的通信チャネルを介して、前記第1のデバイスに、または前記第2の古典的通信チャネルを介して、前記第2のデバイスに前記データまたはメッセージを伝送する前に暗号化することをさらに含む、請求項62に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項64】
前記第1または第2の通信チャネルを介して通信する前に、前記中間、第1の、または第2のデバイスを認証するために1つ以上の認証プロトコルが、前記中間デバイス、および第1または第2のデバイスによって使用される、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項65】
前記第1および第2の通信チャネルを介して、それぞれ前記第1および第2のデバイスに、データを伝送する前に、前記第1および第2のデバイスを認証することをさらに含む、請求項64に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項66】
前記第1または第2の量子チャネルを介してデータを伝送する際に使用するためのデコイ状態プロトコルのセットからデコイ状態プロトコルを選択することをさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項67】
プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備える、中間装置であって、前記プロセッサユニットが、前記メモリユニットおよび前記通信インターフェースに接続されており、前記プロセッサユニット、メモリユニット、および通信インターフェースが、請求項1~13、または請求項1~13に従属する場合の44~66のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実装するように適合されている、中間装置。
【請求項68】
プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備える、装置であって、前記プロセッサユニットが、前記メモリユニットおよび前記通信インターフェースに接続されており、前記プロセッサユニット、メモリユニット、および通信インターフェースが、請求項14~22、または請求項14~22に従属する場合の44~66のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実装するように適合されている、装置。
【請求項69】
プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備える、装置であって、前記プロセッサユニットが、前記メモリユニットおよび前記通信インターフェースに接続されており、前記プロセッサユニット、メモリユニット、および通信インターフェースが、請求項23~31、または請求項23~31に従属する場合の44~66のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実装するように適合されている、装置。
【請求項70】
システムであって、
請求項67に記載の装置を備える中間デバイスと、
請求項68に記載の装置を備える第1のデバイスと、
請求項69に記載の装置を備える第2のデバイスと、を備え、
前記中間デバイス、第1のデバイス、および第2のデバイスが、前記第1および第2のデバイスの間で共有暗号鍵を確立するために互いに通信するように構成されている、システム。
【請求項71】
中間デバイスと、第1のデバイスと、第2のデバイスと、を備える、システムであって、前記中間デバイス、第1のデバイス、および第2のデバイスが、請求項32~43、または請求項32~43に従属する場合の請求項44~66のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法の対応するステップを実装するように構成されている、システム。
【請求項72】
前記システムが、複数の衛星を備える衛星量子鍵配送システムであり、各衛星が、中間デバイスの機能性を含み、各衛星が、1つ以上の地上受信局と通信し、各地上受信局が、前記第1および/または第2のデバイスの機能性を含む、請求項70または71に記載のシステム。
【請求項73】
記憶されたコンピュータコードまたは命令を含む、コンピュータ可読媒体であって、プロセッサで実行されるとき、前記プロセッサに、請求項1~13、または請求項1~13に従属する場合の請求項44~66のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項74】
記憶されたコンピュータコードまたは命令を含む、コンピュータ可読媒体であって、プロセッサで実行されるとき、前記プロセッサに、請求項14~22、または請求項14~22に従属する場合の請求項44~66のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項75】
記憶されたコンピュータコードまたは命令を含む、コンピュータ可読媒体であって、プロセッサで実行されるとき、前記プロセッサに、請求項23~31、または請求項23~31に従属する場合の請求項44~66のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【請求項76】
記憶されたコンピュータコードまたは命令を含む、コンピュータ可読媒体であって、1つ以上のプロセッサで実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサに、請求項32~43、または請求項32~43に従属する場合の請求項44~66のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、量子鍵配送プロトコルを使用する量子鍵配送のためのシステム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
量子鍵配送(QKD)は、暗号鍵を配送するための量子力学の成分を伴う暗号QKDプロトコルを実装する安全な通信方法である。これにより、2つのパーティが、自分達だけが知っている共有ランダム秘密鍵または暗号鍵を生成することができ、これらを使用して、メッセージを暗号化および復号化することができる。BB84 QKDプロトコルは、情報を伝送するために光子偏光基底を使用する周知のQKDプロトコルである。BB84 QKDプロトコルは、共役光子偏光基底の少なくとも2つのペアを含む基底のセット(例えば、限定されるものではないが、直線光子基底(例えば、垂直(0°)および水平(90°)偏光)および斜め光子基底(例えば、45°および135°偏光)または左回りおよび右回りの円基底など)を含む基底のセット)を使用する。BB84プロトコルでは、QKDは、送信者デバイスまたは中間デバイス(例えば、アリスと呼ばれる)と受信者デバイスまたは第1のデバイス(例えば、ボブまたはキャロルと呼ばれる)との間で実行される。送信者デバイスと受信者デバイスとは、量子情報(例えば、量子状態)が伝送されることを可能にする量子通信チャネルによって接続される。量子チャネルは、限定されるものではないが、例えば、光ファイバーまたは光自由空間であり得る。さらに、送信者デバイスおよび受信者デバイスはまた、限定されるものではないが、非量子チャネルまたは公共の古典的チャネル、例えば、光ファイバーチャネル、電気通信チャネル、無線チャネル、放送無線、もしくはインターネット、および/または他の任意の無線または有線通信チャネルなどを介して通信する。Sheng-Kai Liao,et.al.”Satellite-to-ground quantum key distribution”,Nature volume 549,pages 43-47,07 September 2017は、鍵を配送するための、BB84プロトコルを使用する衛星ベースのQKDシステムについて記載しており、Micius衛星(例えば、アリス)から地上局(例えば、ボブ)に光ビームを送信する300mm開口のカセグレイン望遠鏡を使用して、衛星自由空間光量子チャネルが生成され、地上局は、衛星自由空間光量子チャネルを介してQKD光子を受信するために、リッチー・クレチアン望遠鏡を使用する。
【0003】
BB84プロトコルの安全性は、量子通信チャネルおよび古典的通信チャネルおよび認証などの賢明な使用に由来するが、暗号鍵を配送する送信者デバイスまたは中間デバイスと暗号鍵を受信する受信者デバイスとの両方が、受信者デバイスが最終的に使用する暗号鍵を知っている。つまり、暗号鍵を受信者デバイスに配送する送信者または中間デバイスは、受信者デバイスが結果として得られる暗号鍵を使用し得ることを信頼できるようにするために、安全な場所にある信頼できるデバイスでなければならい。これは、送信者デバイスと受信者デバイスとの両方が、結果として得られる暗号鍵をそれらの間の暗号操作に使用する場合、例えば互いとの暗号化通信などに使用する場合、問題ない可能性がある。ただし、送信者デバイスまたは中間デバイスが単に1つ以上の受信者デバイスに鍵を配送し、受信者デバイスが結果として得られる暗号鍵を1つ以上の他の受信者デバイスとともに使用し得る場合には、送信者デバイスまたは中間デバイスが結果として得られる暗号鍵にアクセスすることが許容可能でないことが多く、これは、安全でないシステムであり、信頼できない。
【0004】
中間デバイスが、両者の間の暗号操作のための共有鍵または共有暗号鍵を必要とする第1のデバイスおよび第2のデバイスによって完全に信頼されるデバイスであることに依存しない、より改善されたQKDプロトコルが望まれる。
【0005】
以下に記載の実施形態は、上に記載の既知のアプローチの欠点のいずれかまたはすべてを解決する実装形態に限定されるものではない。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに記載される概念の選択を簡略化した形態で紹介するために提供されるものである。本概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図せず、特許請求される主題の範囲を決定するために使用されることも意図しておらず、本発明の働きを容易にし、かつ/または実質的に同様の技術的効果を達成するために機能する変形例および代替的特徴は、本明細書に開示される本発明の範囲内に収まると見なされるべきである。
【0007】
本開示は、量子鍵配送プロトコルを使用する、中間デバイスを介した第1のデバイスと第2のデバイスとの間の量子鍵配送の方法、装置、およびシステムを提供する。量子鍵配送プロトコルは、中間デバイスが、ランダムに生成された第1および第2の秘密シンボル文字列を、それぞれの量子チャネルを介して、それぞれ第1のデバイスおよび第2のデバイスに送信することを可能とする。第1および第2の秘密シンボル文字列のさらなる処理は、第1および第2のデバイスとのそれぞれの古典的通信チャネルを介して、中間デバイスによって実行される。中間デバイスは、伝統的な通信チャネルを介して第2のデバイスに送信するための、第3のシンボル文字列を生成する。第2のデバイスが、第2のデバイスの受信された第2のシンボル文字列を使用することに基づいて、第4のシンボルのセットを取り出すことができるように、第3のシンボル文字列は、第1の秘密シンボル文字列のシンボルのセットを第2の秘密シンボル文字列のシンボルのセットと組み合わせることに基づいている。第1の秘密シンボル文字列のシンボルのセットと第2の秘密シンボル文字列のシンボルのセットとを組み合わせることは、限定されるものではないが、例えば、ワンタイムパッド暗号化/復号化、マスキング、シンボルがビットに変換される場合のビットに対する排他的OR(XOR)演算、または第1の秘密シンボルのうちのシンボルもしくは第1の秘密シンボルの難読化されたセットに対する拡張XOR演算に基づき得る。第2のデバイスは、正常に受信された第2の秘密シンボル文字列からのシンボルを使用して第4のシンボルのセットを抽出するための演算の逆のセットを実行するように構成されている。第4のシンボルのセットのシンボルは、第1のシンボルのセットのシンボルに対応する。このことから、第1および第2のデバイスは、第1および第2のデバイスによって暗号鍵が導出され得るふるい処理されたシンボルの共通のセットを判定するために、第1のデバイスにおける受信された第1のシンボルのセットと、第2のデバイスにおいて生成された第4のシンボルのセットと、を使用してシンボル(またはビット)ふるい処理を実行し得る。暗号鍵は、第1および第2のデバイスにのみ知られ、第1および第2のデバイスは、互いに暗号演算を実行することができる。次いで、第1および第2のデバイスは、中間デバイスが信頼できるデバイスでない場合でも、量子セーフ様式で暗号鍵を判定することができる。
【0008】
第1の態様では、本開示は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の量子鍵配送のコンピュータ実装方法を提供し、この方法は、中間デバイスによって実行され、第1のデバイスに、第1の量子チャネルを介して、第1の秘密シンボル文字列を伝送することであって、第1の秘密シンボル文字列の各シンボルが、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される、伝送することと、第1のデバイスに、第1の通信チャネルを介して、第1の基底セットを伝送することであって、第1の基底セットが、第1の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む、伝送することと、第2のデバイスに、第2の量子チャネルを介して、第2の秘密シンボル文字列を伝送することであって、第2の秘密シンボル文字列の各シンボルが、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される、伝送することと、第2のデバイスに、第2の通信チャネルを介して、第2の基底セットを伝送することであって、第2の基底セットが、第2の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む、伝送することと、第1および第2の秘密シンボル文字列を組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスに第3のシンボル文字列を表すデータを伝送することと、を含み、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1のデバイスが、受信された第1の基底セットを使用して、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列のシンボルを含む、第1の受信された秘密シンボルのセットを判定することと、第2のデバイスが、受信された第2の基底セットを使用して、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列のシンボルを含む、第2の受信された秘密シンボルのセットを判定することと、第2のデバイスが、第2の受信された秘密シンボルのセットを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成し、第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、第1のシンボル文字列の1つ以上のシンボルに対応することと、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける第4のシンボルのセットと、に基づいて、間の第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行することと、に基づいて、量子鍵交換を実行する。
【0009】
好ましくは、この方法は、第1のデバイスから、第1の通信チャネルを介して、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子通信チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを受信することと、第1のデバイスによって正常に受信された第1の秘密シンボル文字列からのシンボルのシンボル位置を表す受信されたデータに対応する第1の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルに基づいて、第1のシンボルのセットを生成することと、第2のデバイスから、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子通信チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを受信することと、第2のデバイスによって正常に受信された第2の秘密シンボル文字列からのシンボルのシンボル位置を表す受信されたデータに対応する第2の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルに基づいて、第2のシンボルのセットを生成することと、をさらに含み、第3のシンボル文字列を当該生成することが、第1のシンボルのセットと第2のシンボルのセットとを組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することをさらに含む。
【0010】
好ましくは、この方法は、第1のデバイスにランダムに選択された基底を伝送する前に、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子通信チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを、第1の通信チャネルを介して、第1のデバイスから当該受信することを実行することをさらに含む。
【0011】
好ましくは、この方法は、第2のデバイスにランダムに選択された基底を伝送する前に、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子通信チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスから当該受信することを実行することをさらに含む。
【0012】
好ましくは、この方法は、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1のデバイスが、受信された第1の基底セットと、第1の量子通信チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第1の受信された秘密シンボルのセットを形成し、第1の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底が、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第1の基底セット中の対応する基底に一致することと、第2のデバイスが、受信された第2の基底セットと、第2の量子通信チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第2の受信された秘密シンボルのセットを形成し、第2の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底が、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第2の基底セット中の対応する基底に一致することと、第2のデバイスが、第2の受信された秘密シンボルのセットを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成し、第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルに対応することと、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける第4のシンボルのセットと、に基づいて、第1のデバイスおよび第2のデバイスの間の第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行することと、に基づいて、量子鍵交換を実行することをさらに含む。
【0013】
好ましくは、第3のシンボル文字列を当該生成することが、第1のシンボルのセットの長さが第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、第2のシンボルのセットを第1のシンボルのセットの長さにトランケートすることと、第1のシンボルのセットをトランケートされた第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2のシンボルのセットの長さが第1のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、第1のシンボルのセットを第2のシンボルのセットの長さにトランケートすることと、トランケートされた第1のシンボルのセットを第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、をさらに含む。
【0014】
好ましくは、第3のシンボル文字列を当該生成することが、第1のシンボルのセットの長さが第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、第2のシンボルのセットを調整することであって、調整された第2のシンボルのセットの調整された長さが第1のシンボルのセットと同じになるまで、同意されたシンボルのセットを第2のシンボルのセットから削除することによって、第2のシンボルのセットを調整することと、第1のシンボルのセットを調整された第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2のシンボルのセットの長さが第1のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、第1のシンボルのセットを調整することであって、調整された第1のシンボルのセットの調整された長さが第2のシンボルのセットと同じになるまで、同意されたシンボルのセットを第1のシンボルのセットから削除することによって、第1のシンボルのセットを調整することと、調整された第1のシンボルのセットを第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、をさらに含む。
【0015】
好ましくは、第3のシンボル文字列を生成することが、第1のビットのセットおよび第2のビットのセットを表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することであって、第1のビットのセットが、第1のシンボルのセット中のシンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいており、第2のビットのセットが、第2のシンボルのセット中のシンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいている、生成することと、少なくとも部分的に、第1のシンボルのセットおよび第2のシンボルのセットを表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、第3のビット文字列を生成することと、第2のシンボルのセットを使用して、第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0016】
好ましくは、第2のデバイスが第4のシンボル文字列を生成することが、第2の受信された秘密シンボルのセットおよび受信された第3のシンボル文字列を使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、受信された第2の秘密シンボルのセットおよび第3の秘密シンボル文字列を使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、第2の受信された秘密シンボルのセットおよび第3のシンボル文字列を使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0017】
好ましくは、第3のシンボル文字列を生成することが、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2の秘密シンボル文字列を使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0018】
好ましくは、第2のデバイスが第4のシンボル文字列を生成することが、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列および第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列および第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列および第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0019】
好ましくは、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1のデバイスが、第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成し、第1の一致する基底セットが、第1のシンボルのセットの当該シンボルを伝送するために使用された受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する第1の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第1のデバイスが使用したすべての基底状態を含むことと、第1のデバイスが、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第1の一致する基底セットを表すデータを送信することと、第2のデバイスが、第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第2の一致する基底セットを形成し、第2の一致する基底セットが、第2のシンボルのセットの当該シンボルを伝送するために使用された受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する第2の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第2のデバイスが使用したすべての基底状態を含むことと、第2のデバイスが、第3の通信チャネル介して、第1のデバイスに、第2の一致する基底セットを表すデータを送信することと、第1のデバイスが、第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第1の一致する基底セット中の対応する基底が、受信された第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なることと、第2のデバイスが、第4のシンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、受信された第1の一致する基底セット中の対応する基底が、第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なることと、第1および第2のデバイスが、それぞれ、第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成することと、に基づいて、第1のデバイスおよび第2のデバイスの間の第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行する。
【0020】
好ましくは、第1および第2のデバイスが、第1および第2のふるい処理されたビットの共通のセットに対して誤り検出および/または訂正を実行する。
【0021】
第2の態様では、本開示は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の量子鍵配送のコンピュータ実装方法を提供し、この方法は、第1のデバイスによって実行され、中間デバイスから、量子チャネルを介して第1の秘密シンボル文字列を受信することであって、中間デバイスが、量子チャネルを介した伝送のための基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、第1の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調した、受信することと、受信された第1の秘密シンボル文字列を復調することであって、受信された各第1の秘密シンボルが、基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、復調される、復調することと、中間デバイスから、第1の通信チャネルを介して第1の基底セットを表すデータを受信することであって、第1の基底セットが、第1の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために中間デバイスによって使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む、受信することと、受信された第1の基底セットを使用して、正常に受信された、受信された第1の秘密シンボル文字列からの第1の受信された秘密シンボルのセットを判定することと、第1のデバイスの第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスとともに暗号鍵を形成するためのふるい処理された共通のシンボルのセットを生成するために第2のデバイスによって判定された別の秘密シンボルのセットと、を使用して、第2のデバイスとともにふるい処理演算を実行することであって、別の秘密シンボルのセットが、第1の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられている、実行することと、を含み、第2のデバイスが、少なくとも部分的に、中間デバイスから、第2の量子チャネルを介して、第2のデバイスによって受信された第2の秘密シンボル文字列と、少なくとも部分的に、中間デバイスから、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスによって受信された第3の秘密シンボル文字列と、に基づいて、別の秘密シンボルのセットを判定し、第3の秘密シンボル文字列が、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列と第1の秘密シンボル文字列との組み合わせに基づいており、第2のデバイスが、受信された第3の秘密シンボル文字列と、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列と、の組み合わせに基づいて、別の秘密シンボルのセットを生成する。
【0022】
好ましくは、この方法は、量子通信チャネルを介して第1のデバイスによって正常に受信された、第1の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを、第1の通信チャネルを介して、中間デバイスに伝送することをさらに含む。
【0023】
好ましくは、この方法は、第1の基底セットを受信する前に、量子通信チャネルを介して第1のデバイスによって正常に受信された、第1の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを、第1の通信チャネルを介して、第1のデバイスから、中間デバイスに伝送することを実行することをさらに含む。
【0024】
好ましくは、この方法は、受信された第1の基底セットと、量子通信チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第1の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第1の受信された秘密シンボルのセットを形成することであって、第1の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底が、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第1の基底セット中の対応する基底に一致し、第2のデバイスが、受信された第2の基底セットと、第2の量子チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第2の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第2の受信された秘密シンボルのセットを形成し、第2の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底が、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第2の基底セット中の対応する基底に一致し、第2のデバイスが、第2の受信された秘密シンボルのセットを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、別のシンボルのセットを生成し、別のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルに対応する、形成することと、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける別のシンボルのセットと、に基づいて、第3の通信チャネルを介して第2のデバイスとともにシンボルふるい処理演算を実行することと、に基づいて、第1のデバイスおよび第2のデバイスが量子鍵交換を実行することをさらに含む。
【0025】
好ましくは、第2の秘密シンボル文字列と第1の秘密シンボル文字列との組み合わせが、第2の秘密シンボル文字列および第1の秘密シンボル文字列を表すデータに対するXOR演算を使用して、第3のシンボル文字列を生成することを含む。
【0026】
好ましくは、第3のシンボル文字列を生成することが、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2の秘密シンボル文字列を使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0027】
好ましくは、第2のデバイスが別のシンボル文字列を生成することが、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列および受信された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、別のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列および受信された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、別のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列および受信された第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、別のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0028】
好ましくは、第3の通信チャネルを介して第2のデバイスとともにシンボルふるい処理演算を実行することが、第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成することであって、第1の一致する基底セットが、第1の秘密シンボル文字列の当該シンボルを伝送するために中間デバイスによって使用された受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する第1の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第1のデバイスが使用したすべての基底状態を含む、形成することと、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第1の一致する基底セットを表すデータを伝送することと、をさらに含み、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスから、第2の一致する基底セットを表すデータを受信し、第2のデバイスが、第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第2の一致する基底セットを形成し、第2の一致する基底セットが、第2の秘密シンボル文字列の当該シンボルを伝送するために中間デバイスによって使用された受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する第2の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第2のデバイスが使用したすべての基底状態を含み、第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第1の一致する基底セット中の対応する基底が、受信された第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なり、第2のデバイスが、別の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、受信された第1の一致する基底セット中の対応する基底が、第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なり、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成し、第2のデバイスが、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成する。
【0029】
好ましくは、この方法は、第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに対して、第2のデバイスとともに誤り検出および/または訂正を実行することをさらに含む。
【0030】
第3の態様では、本開示は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の量子鍵配送のコンピュータ実装方法を提供し、この方法は、第2のデバイスによって実行され、中間デバイスから、量子チャネルを介して、第2の秘密シンボル文字列を受信することであって、中間デバイスが、基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、第2の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調した、受信することと、受信された第2の秘密シンボル文字列を復調することであって、受信された各第2の秘密シンボルが、基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、復調される、復調することと、中間デバイスによって第2の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを受信することと、第2の秘密シンボル文字列を復調するために使用されたランダムに選択された基底と、第2の秘密シンボル文字列を変調するために使用された受信されたランダムに選択された基底と、を比較することに基づいて、有効に受信された、受信された第2の秘密シンボル文字列からの第2の秘密シンボルのセットを判定することと、中間デバイスから、第3のシンボル文字列を表すデータを受信することであって、第3のシンボル文字列が、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列と第1の秘密シンボル文字列との組み合わせに基づいて、中間デバイスによって生成され、第1の秘密シンボル文字列が、別の量子チャネルを介して中間デバイスから第1のデバイスに送信される、受信することと、少なくとも部分的に、受信された第3のシンボル文字列を受信された第2の秘密シンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第4の秘密シンボルのセットを判定することと、第4の秘密シンボルのセットと、暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために第1のデバイスによって判定された別の秘密シンボルのセットと、を使用して、第1のデバイスとともにふるい処理を実行することであって、別の秘密シンボルのセットが、第1のデバイスによって有効に受信されたと判定された第1の秘密シンボル文字列と関連付けられている、実行することと、を含む。
【0031】
好ましくは、この方法は、量子通信チャネルを介して正常に受信された、第2の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを、第2の通信チャネルを介して、中間デバイスに伝送することをさらに含む。
【0032】
好ましくは、第2の基底セットを受信する前に、量子通信チャネルを介して第2のデバイスによって正常に受信された、第2の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスから、中間デバイスに伝送することを実行することをさらに含む。
【0033】
好ましくは、この方法は、受信された第2の基底セットと、第2の量子チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第2の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第2の受信された秘密シンボルのセットを形成することであって、第2の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底が、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第2の基底セット中の対応する基底に一致し、第2のデバイスが、第2の受信された秘密シンボルのセットを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成し、第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルに対応し、第1のデバイスが、受信された第1の基底セットと、第1のデバイスに、別の量子通信チャネルを介して、中間デバイスによって伝送された第1の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第1の受信された秘密シンボルのセットを形成し、第1の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底が、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第1の基底セット中の対応する基底に一致する、形成することと、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける第4のシンボルのセットと、に基づいて、第3の通信チャネルを介して第1のデバイスとともにシンボルふるい処理演算を実行することと、に基づいて、第1のデバイスおよび第2のデバイスが量子鍵交換を実行することをさらに含む。
【0034】
好ましくは、第2の秘密シンボル文字列と第1の秘密シンボル文字列との組み合わせが、第2の秘密シンボル文字列および第1の秘密シンボル文字列を表すデータに対するXOR演算を使用して、第3のシンボル文字列を生成することを含む。
【0035】
好ましくは、中間デバイスによって第3のシンボル文字列を生成することが、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2の秘密シンボル文字列を使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0036】
好ましくは、第4のシンボル文字列を生成することが、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列および受信された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列および受信された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列および受信された第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0037】
好ましくは、第3の通信チャネルを介して第1のデバイスとともにシンボルふるい処理演算を実行することが、第1のデバイスが、第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成することであって、第1の一致する基底セットが、第1の秘密シンボル文字列の当該シンボルを伝送するために中間デバイスによって使用された受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する第1の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第1のデバイスが使用したすべての基底状態を含む、形成することと、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスにおいて、第1の一致する基底セットを表すデータを受信することと、第3の通信チャネルを介して、第2の一致する基底セットを表すデータを伝送することであって、第2のデバイスが、第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第2の一致する基底セットを形成し、第2の一致する基底セットが、第2の秘密シンボル文字列の当該シンボルを伝送するために中間デバイスによって使用された受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する第2の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第2のデバイスが使用したすべての基底状態を含む、伝送することと、第4の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成することであって、受信された第1の一致する基底セット中の対応する基底が、第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なり、第2のデバイスが、第1の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第1の一致する基底セット中の対応する基底が、受信された第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なる、生成することと、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成することであって、第2のデバイスが、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成する、形成することと、をさらに含む。
【0038】
好ましくは、第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに対して、第2のデバイスとともに誤り検出および/または訂正を実行する。
【0039】
第4の態様では、本開示は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の量子鍵配送のコンピュータ実装方法を提供し、この方法は、中間デバイスによって、第1のデバイスに、第1の量子チャネルを介して、第1の秘密シンボル文字列を伝送することであって、第1の秘密シンボル文字列の各シンボルが、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される、伝送することと、中間デバイスによって、第1のデバイスに、第1の通信チャネルを介して、第1の基底セットを伝送することであって、第1の基底セットが、第1の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む、伝送することと、中間デバイスによって、第2のデバイスに、第2の量子チャネルを介して、第2の秘密シンボル文字列を伝送することであって、第2の秘密シンボル文字列の各シンボルが、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される、伝送することと、中間デバイスによって、第2のデバイスに、第2の通信チャネルを介して、第2の基底セットを伝送することであって、第2の基底セットが、第2の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む、伝送することと、中間デバイスによって、第1および第2の秘密シンボル文字列を組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、中間デバイスによって、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第3のシンボル文字列を表すデータを伝送することと、第1のデバイスによって、受信された第1の基底セットを使用して、第1の受信された秘密シンボルのセットを判定することであって、第1の受信された秘密シンボルのセットが、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列のシンボルを含む、判定することと、第2のデバイスによって、受信された第2の基底セットを使用して、第2の受信された秘密シンボルのセットを判定することであって、第2の受信された秘密シンボルのセットが、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列のシンボルを含む、判定することと、第2のデバイスによって、第2の受信された秘密シンボルのセットを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成することであって、第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、第1のシンボル文字列の1つ以上のシンボルに対応する、生成することと、第1のデバイスおよび第2のデバイスによって、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける第4のシンボルのセットと、に基づいて、第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行することと、を含む。
【0040】
好ましくは、この方法は、第1のデバイスによって、第1の通信チャネルを介して、中間デバイスに、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子通信チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第1の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを伝送することと、中間デバイスにおいて、第1のデバイスによって正常に受信された第1の秘密シンボル文字列からのシンボルのシンボル位置を表すデータに対応する第1の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルに基づいて、第1のシンボルのセットを生成することと、第2のデバイスによって、第2の通信チャネルを介して、中間デバイスに、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子通信チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第2の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを伝送することと、中間デバイスにおいて、第2のデバイスによって正常に受信された第2の秘密シンボル文字列からのシンボルのシンボル位置を表す受信されたデータに対応する第2の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルに基づいて、第2のシンボルのセットを生成することと、をさらに含み、中間デバイスによって、第3のシンボル文字列を当該生成することが、中間デバイスによって、第1のシンボルのセットと第2のシンボルのセットとを組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することをさらに含む。
【0041】
好ましくは、この方法は、第1のデバイスにランダムに選択された基底を伝送する前に、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子通信チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを、第1の通信チャネルを介して、第1のデバイスから当該受信することを実行することと、第2のデバイスにランダムに選択された基底を伝送する前に、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子通信チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスから当該受信することを実行することと、をさらに含む。
【0042】
好ましくは、この方法は、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1のデバイスによって、受信された第1の基底セットと、第1の量子通信チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第1の受信された秘密シンボルのセットを判定することであって、第1の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底が、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第1の基底セット中の対応する基底に一致する、判定することと、第2のデバイスによって、受信された第2の基底セットと、第2の量子通信チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第2の受信された秘密シンボルのセットを判定することであって、第2の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルが、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底が、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第2の基底セット中の対応する基底に一致する、判定することと、第2のデバイスによって、第2の受信された秘密シンボルのセットを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成することであって、第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルが、第1のシンボル文字列の1つ以上のシンボルに対応する、生成することと、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける第4のシンボルのセットと、に基づいて、第3の通信チャネルを介して第1のデバイスと第2のデバイスとの間でのふるい処理演算を実行することと、によって量子鍵交換を実行することをさらに含む。
【0043】
好ましくは、第3のシンボル文字列を当該生成することが、第1のシンボルのセットの長さが第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、第2のシンボルのセットを第1のシンボルのセットの長さにトランケートすることと、第1のシンボルのセットをトランケートされた第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2のシンボルのセットの長さが第1のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、第1のシンボルのセットを第2のシンボルのセットの長さにトランケートすることと、トランケートされた第1のシンボルのセットを第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、をさらに含む。
【0044】
好ましくは、第3のシンボル文字列を当該生成することが、第1のシンボルのセットの長さが第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、第2のシンボルのセットを調整することであって、調整された第2のシンボルのセットの調整された長さが第1のシンボルのセットと同じになるまで、同意されたシンボルのセットを第2のシンボルのセットから削除することによって、第2のシンボルのセットを調整することと、第1のシンボルのセットを調整された第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2のシンボルのセットの長さが第1のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、第1のシンボルのセットを調整することであって、調整された第1のシンボルのセットの調整された長さが第2のシンボルのセットと同じになるまで、同意されたシンボルのセットを第1のシンボルのセットから削除することによって、第1のシンボルのセットを調整することと、調整された第1のシンボルのセットを第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、をさらに含む。
【0045】
好ましくは、第3のシンボル文字列を生成することが、第1のシンボルのセットおよび第2のシンボルのセットを表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することであって、第1のシンボルのセットが、第1のシンボルのセット中のシンボルの各々をシンボルの文字列に変換することに基づいており、第2のシンボルのセットが、第2のシンボルのセット中のシンボルの各々をシンボルの文字列に変換することに基づいている、生成することと、少なくとも部分的に、第1のシンボルのセットおよび第2のシンボルのセットを表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2のシンボルのセットを使用して、第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0046】
好ましくは、第2のデバイスが第4のシンボル文字列を生成することが、第2の受信された秘密シンボルのセットおよび受信された第3のシンボル文字列を使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、受信された第2の秘密シンボルのセットおよび第3の秘密シンボル文字列を使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、第2の受信された秘密シンボルのセットおよび第3のシンボル文字列を使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0047】
好ましくは、第3のシンボル文字列を生成することが、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2の秘密シンボル文字列を使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0048】
好ましくは、第2のデバイスが第4のシンボル文字列を生成することが、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列および第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列および第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列および第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0049】
好ましくは、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1のデバイスが、第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成し、第1の一致する基底セットが、第1のシンボルのセットの当該シンボルを伝送するために使用された受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する第1の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第1のデバイスが使用したすべての基底状態を含むことと、第1のデバイスが、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第1の一致する基底セットを表すデータを送信することと、第2のデバイスが、第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第2の一致する基底セットを形成し、第2の一致する基底セットが、第2のシンボルのセットの当該シンボルを伝送するために使用された受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する第2の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第2のデバイスが使用したすべての基底状態を含むことと、第2のデバイスが、第3の通信チャネル介して、第1のデバイスに、第2の一致する基底セットを表すデータを送信することと、第1のデバイスが、第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第1の一致する基底セット中の対応する基底が、受信された第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なることと、第2のデバイスが、第4の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、受信された第1の一致する基底セット中の対応する基底が、第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なることと、第1および第2のデバイスが、それぞれ、第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成することと、に基づいて、第1のデバイスおよび第2のデバイスの間の第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行する。
【0050】
好ましくは、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1のデバイスによって、第1の受信された秘密シンボルのセットおよび受信された第1の基底セットに基づいて、第1の基底フラグセットを生成することであって、第1の基底フラグセットが、受信された第1の基底セットを、第1のデバイスによって使用された基底セットと比較して、第1の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられたシンボルを復調することに基づいて、第1の受信された秘密シンボルのセットの各有効および無効シンボルの表示を含む、生成することと、第1のデバイスから、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第1の基底フラグセットを表すデータを送信することと、第2のデバイスによって、第2の受信された秘密シンボルのセットおよび受信された第2の基底セットに基づいて、第2の基底フラグセットを生成することであって、第2の基底フラグセットが、受信された第2の基底セットを、第2のデバイスによって使用された基底セットと比較して、第2の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられたシンボルを復調することに基づいて、第2の受信された秘密シンボルのセットの各有効および無効シンボルの表示を含む、生成することと、第2のデバイスから、第3の通信チャネルを介して、第1のデバイスに、第2の基底フラグセットを表すデータを送信することと、第1のデバイスによって、第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成することであって、第1の基底フラグセット中の対応する表示が、受信された第2の基底フラグセット中の対応する表示とは異なる、生成することと、第2のデバイスによって、第4の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成することであって、第2の基底フラグセット中の対応する表示が、受信された第1の基底フラグセット中の対応する表示とは異なる、生成することと、第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットの間の誤り検出および訂正を実行して、ふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成することと、ふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、第1および第2のデバイスで暗号鍵を生成することと、に基づいて、第1のデバイスおよび第2のデバイスの間の第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行する。
【0051】
好ましくは、各シンボルが、n>1についての、2nのバイナリビットを表す。
【0052】
好ましくは、各シンボルが、n=1についてのバイナリビットを表す。
【0053】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法は、乱数生成器を使用してシンボルをランダムに選択することによって、第1の秘密シンボル文字列を生成することをさらに含む。
【0054】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法は、乱数生成器を使用してシンボルをランダムに選択することによって、第2の秘密シンボル文字列を生成することをさらに含む。
【0055】
好ましくは、乱数生成器が、量子キュービット乱数生成器、または任意の好適な乱数生成器の群からの1つ以上に基づいている。
【0056】
好ましくは、基底のセットが、少なくとも2つの基底を含み、各基底が、少なくとも2つの基底状態を含み、各基底の少なくとも2つの基底状態が、直交し、当該各基底の少なくとも2つの基底状態が、基底のセットの別の基底の少なくとも2つの基底状態に対して直交していない。
【0057】
好ましくは、基底のセットが、2つの基底を含み、基底のセットの各基底が、2つの基底状態を含む。
【0058】
好ましくは、第1または第2の量子チャネルを介した伝送のためのシンボルを変調するための基底のセットが、直線基底、対角基底、球面基底、円基底、および2つの基底状態を含む任意の他のタイプの基底、の群からの少なくとも2つの基底を含む。
【0059】
好ましくは、第1および第2の量子チャネルが、光量子チャネルであり、基底のセットが、直線光子偏光基底、対角光子偏光基底、球面光子偏光基底、円光子偏光基底、および2つの基底状態を含む任意の他のタイプの光子基底、の群からの少なくとも2つの基底を含む。
【0060】
好ましくは、第1の通信チャネルが、中間デバイスと第1のデバイスとの間に形成された古典的通信チャネルに基づいている。
【0061】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法である第2の通信チャネルが、中間デバイスと第2のデバイスとの間に形成された古典的通信チャネルに基づいている。
【0062】
好ましくは、古典的通信チャネルが、光通信チャネル、自由空間光通信チャネル、無線通信チャネル、有線通信チャネル、ラジオ通信チャネル、マイクロ波通信チャネル、衛星通信チャネル、地上通信チャネル、光ファイバー通信チャネル、光レーザ通信チャネル、デバイス間でデータを伝送するための任意の他のタイプの1つ以上の光、無線、および/または有線通信チャネル、ならびにデバイス間でデータを伝送するための複合通信チャネルを形成する、2つ以上の光、無線、および/または有線通信チャネル、の群からの1つ以上のタイプの通信チャネルに基づいている。
【0063】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、量子通信チャネルが、光量子通信、自由空間光量子通信、光ファイバー量子通信、光レーザ量子通信、デバイス間の量子通信チャネルを介してデータを伝送するための任意の他のタイプの量子通信、の群からの1つ以上のタイプの量子通信チャネルに基づいている。
【0064】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、中間デバイスが、衛星装置であり、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、衛星地上局またはデバイスであり、第1の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、第2の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、第1および第2の通信チャネルが、非量子衛星通信チャネルである。
【0065】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、中間デバイスが、地上局またはデバイスであり、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、衛星であり、第1の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、第2の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、第1および第2の通信チャネルが、非量子衛星通信チャネルである。
【0066】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、中間デバイスが、地上通信装置であり、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、地上デバイスであり、第1の量子通信チャネルが、光ファイバー量子通信チャネルであり、第2の量子通信チャネルが、光ファイバー量子通信チャネルであり、第1および第2の通信チャネルが、古典的地上通信チャネルである。
【0067】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、中間デバイスが、地上通信装置であり、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、地上デバイスであり、第1の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、第2の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、第1および第2の通信チャネルが、古典的地上通信チャネルである。
【0068】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、中間デバイスが、地上通信装置であり、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、地上デバイスであり、第1の量子通信チャネルが、自由空間光量子通信チャネルであり、第2の量子通信チャネルが、光ファイバー量子通信チャネルであり、第1および第2の通信チャネルが、古典的地上通信チャネルである。
【0069】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、第1および第2の通信チャネルが、暗号化された通信チャネルである。
【0070】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、伝送データまたはメッセージを暗号化することであって、第1の古典的通信チャネルを介して、第1のデバイスに、または第2の古典的通信チャネルを介して、第2のデバイスに当該データまたはメッセージを伝送する前に暗号化することをさらに含む。
【0071】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、第1または第2の通信チャネルを介して通信する前に、中間、第1の、または第2のデバイスを認証するために1つ以上の認証プロトコルが、中間デバイス、および第1または第2のデバイスによって使用される。
【0072】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、第1および第2の通信チャネルを介して、それぞれ第1および第2のデバイスに、データを伝送する前に、第1および第2のデバイスを認証することをさらに含む。
【0073】
好ましくは、第1、第2、第3、または第4の態様の方法では、第1または第2の量子チャネルを介してデータを伝送する際に使用するためのデコイ状態プロトコルのセットからデコイ状態プロトコルを選択することをさらに含む。
【0074】
第5の態様では、本開示は、プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備える、中間装置を提供し、プロセッサユニットが、メモリユニットおよび通信インターフェースに接続されており、プロセッサユニット、メモリユニット、および通信インターフェースが、第1の態様によるコンピュータ実装方法、その1つ以上の特徴、本明細書における1つ以上の特徴、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものを実装するように適合されている。
【0075】
第6の態様では、本開示は、プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備える、装置を提供し、プロセッサユニットが、メモリユニットおよび通信インターフェースに接続されており、プロセッサユニット、メモリユニット、および通信インターフェースが、第2の態様によるコンピュータ実装方法、その1つ以上の特徴、本明細書における1つ以上の特徴、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものを実装するように適合されている。
【0076】
第7の態様では、本開示は、プロセッサユニットと、メモリユニットと、通信インターフェースと、を備える、装置を提供し、プロセッサユニットが、メモリユニットおよび通信インターフェースに接続されており、プロセッサユニット、メモリユニット、および通信インターフェースが、第3の態様によるコンピュータ実装方法、その1つ以上の特徴、本明細書における1つ以上の特徴、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものを実装するように適合されている。
【0077】
第8の態様では、本開示は、システムであって、第5の態様による装置を備える中間デバイスと、第6の態様による装置を備える第1のデバイスと、第7の態様による装置を備える第2のデバイスと、を備え、中間デバイス、第1のデバイス、および第2のデバイスが、第1および第2のデバイスの間で共有暗号鍵を確立するために互いに通信するように構成されている、システムを提供する。
【0078】
第9の態様では、本開示は、中間デバイスと、第1のデバイスと、第2のデバイスと、を備える、システムであって、中間デバイス、第1のデバイス、および第2のデバイスが、第1、第2,第3、および/または第4の態様によるコンピュータ実装方法、その1つ以上の特徴、本明細書における1つ以上の特徴、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものの、対応するステップを実装するように構成されている、システムを提供する。
【0079】
好ましくは、第8または第9の態様のシステムでは、システムが、複数の衛星を備える衛星量子鍵配送システムであり、各衛星が、中間デバイスの機能性を含み、各衛星が、1つ以上の地上受信局と通信し、各地上受信局が、第1および/または第2のデバイスの機能性を含む。
【0080】
第10の態様では、本開示は、記憶されたコンピュータコードまたは命令を含む、コンピュータ可読媒体であって、プロセッサで実行されるとき、プロセッサに、第1および/または第4の態様によるコンピュータ実装方法、その1つ以上の特徴、本明細書における1つ以上の特徴、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものを実行させる、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0081】
第11の態様では、本開示は、記憶されたコンピュータコードまたは命令を含む、コンピュータ可読媒体であって、プロセッサで実行されるとき、プロセッサに、第2および/または第4の態様によるコンピュータ実装方法、その1つ以上の特徴、本明細書における1つ以上の特徴、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものを実行させる、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0082】
第12の態様では、本開示は、記憶されたコンピュータコードまたは命令を含む、コンピュータ可読媒体であって、プロセッサで実行されるとき、プロセッサに、第3および/または第4の態様によるコンピュータ実装方法、その1つ以上の特徴、本明細書における1つ以上の特徴、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものを実行させる、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0083】
第13の態様では、本開示は、記憶されたコンピュータコードまたは命令を含む、コンピュータ可読媒体であって、プロセッサで実行されるとき、プロセッサに、第4の態様によるコンピュータ実装方法、その1つ以上の特徴、本明細書における1つ以上の特徴、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものを実行させる、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0084】
本明細書に記載された方法は、例えば、プログラムがコンピュータ上で実行され、コンピュータプログラムがコンピュータ可読媒体上に具現化されている場合に、本明細書に記載された方法のすべてのステップを実行するように適合されたコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムの形態で、有形記憶媒体上の機械可読形態のソフトウェアによって実行され得る。有形(または非一時的)記憶媒体の例には、ディスク、サムドライブ、メモリカードなどが含まれ、伝播信号は含まれない。ソフトウェアは、方法のステップを任意の好適な順序で、または同時に実行され得るように、並列プロセッサまたは直列プロセッサでの実行に好適であり得る。
【0085】
本出願は、ファームウェアおよびソフトウェアが価値を有し、個別に取引可能な商品である可能性があることを認めている。「ダム」または標準ハードウェアで実行または制御するソフトウェアを包含して、目的の機能を実行することを目的としている。また、シリコンチップの設計またはユニバーサルプログラマブルチップの構成に使用されるHDL(ハードウェア記述言語)ソフトウェアなどのハードウェアの構成を「記載」または定義して、目的の機能を実行するソフトウェアも包含することも目的としている。
【0086】
好ましい特徴は、当業者にとって明らかであるように、適切に組み合わせられ得、本発明の任意の態様と組み合わせられ得る。
【0087】
本発明の実施形態は、例として、以下の図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【
図1a】本発明による例示的なQKDプロトコルを実装するための例示的なQKDシステムを例示する概略図である。
【
図1b】本発明による別の例示的なQKDプロトコルを実装するための、
図1aのQKDシステムに基づく別の例示的なQKDシステムを例示する概略図である。
【
図1c】本発明によるさらなる例示的なQKDプロトコルを実装するための、
図1aまたは1bのQKDシステムに基づく別の例示的な衛星QKDシステムを例示する概略図である。
【
図1d】本発明による別の例示的なQKDプロトコルを実装するための
図1a、1b、または1cのQKDシステムに基づく別の例示的な地上QKDシステムを例示する概略図である。
【
図2a】本発明による例示的なQKDプロトコルを実装するための例示的なQKDプロセスを例示する流れ図である。
【
図2b】本発明による例示的なQKDプロトコルを実装するための例示的なQKDプロセスを例示する流れ図である。
【
図2c】本発明による別の例示的なQKDプロトコルを実装するための、
図2aおよび2bのQKDプロセスに基づくさらなる例示的なQKDプロセスを例示する別の流れ図である。
【
図2d】本発明による別の例示的なQKDプロトコルを実装するための、
図2aおよび2bのQKDプロセスに基づくさらなる例示的なQKDプロセスを例示する別の流れ図である。
【
図2e】本発明による別の例示的なQKDプロトコルを実装するための、
図2aおよび2bのQKDプロセスに基づくさらなる例示的なQKDプロセスを例示する別の流れ図である。
【
図3a】本発明による第1および第2のデバイスとともに例示的なQKDプロトコルの対応する部分を実装するための例示的な中間デバイスQKDプロセスを例示する流れ図である。
【
図3b】本発明による第1および第2のデバイスとともに例示的なQKDプロトコルの対応する部分を実装するための例示的な中間デバイスQKDプロセスを例示する流れ図である。
【
図3c】本発明による中間デバイスおよび第2のデバイスとともに
図3aおよび3bの例示的なQKDプロトコルの対応する部分を実装するための例示的な第1のデバイスQKDプロセスを例示する流れ図である。
【
図3d】本発明による中間デバイスおよび第2のデバイスとともに
図3aおよび3bの例示的なQKDプロトコルの対応する部分を実装するための例示的な第1のデバイスQKDプロセスを例示する流れ図である。
【
図3e】本発明による中間デバイスおよび第1のデバイスとともに
図3a~3dの例示的なQKDプロトコルの対応する部分を実装するための例示的な第2のデバイスQKDプロセスを例示する流れ図である。
【
図3f】本発明による中間デバイスおよび第1のデバイスとともに
図3a~3dの例示的なQKDプロトコルの対応する部分を実装するための例示的な第2のデバイスQKDプロセスを例示する流れ図である。
【
図3g】本発明による中間デバイスおよび第1のデバイスとともに
図3a~3dの例示的なQKDプロトコルの対応する部分を実装するための例示的な第2のデバイスQKDプロセスを例示する流れ図である。
【
図4a】本発明による例示的なQKDプロトコルの1つ以上の部分を実装する際に使用するための例示的なコンピューティングシステム、デバイス、または装置を例示する概略図である。
【
図4a】本発明による例示的なQKDプロトコルを実装する際に使用するための例示的なQKDシステムを例示する概略図である。
【0089】
共通の参照符号は、同様の特徴を示すために図面全体を通して使用される。
【発明を実施するための形態】
【0090】
本発明の実施形態は、例としてのみ以下に記載される。これらの例は、これを達成することができる唯一の方式ではないが、出願人にとって現在知られている本発明を実施する最良のモードを表す。本明細書は、例の機能と、例を構築および操作するための一連のステップを説明する。しかしながら、同じまたは同等の機能および配列は、異なる例によって達成され得る。
【0091】
本開示は、量子鍵配送プロトコルを使用する、中間デバイスを介した第1のデバイスと第2のデバイスとの間の量子鍵配送の方法、装置、およびシステムを提供する。この量子鍵配送プロトコルは、中間デバイスが第1のデバイスおよび第2のデバイスに、それぞれの量子チャネルを介して、ランダムに生成された第1および第2の秘密シンボル文字列(例えば、シンボルあたりのnビットは、M=2n個の異なるシンボルによって表され、n≧1である)を送信することを可能にし、第1および第2の秘密シンボル文字列のさらなる処理は、第1および第2のデバイスとのそれぞれの古典的通信チャネルを介して中間デバイスによって実行され、中間デバイスは、古典的通信チャネルを介して第2のデバイスに送信するための第3のシンボル文字列を生成する。第2のデバイスが、第2のデバイスの受信された第2のシンボル文字列を使用することに基づいて第4のシンボルのセットを取り出すことができるように、第3のシンボル文字列は、第1の秘密シンボル文字列のシンボルのセットを第2の秘密シンボル文字列のシンボルのセットと組み合わせることに基づいている。第1の秘密シンボル文字列のシンボルのセットと第2の秘密シンボル文字列のシンボルのセットとを組み合わせることは、限定されるものではないが、例えば、ワンタイムパッド暗号化/復号化、マスキング、シンボルがビットに変換される場合のビットに対する排他的OR(XOR)演算、または第1の秘密シンボルのうちのシンボルもしくは第1の秘密シンボルの難読化されたセットに対する拡張XOR演算に基づき得る。
【0092】
第2のデバイスは、正常に受信された第2の秘密シンボル文字列からのシンボルを使用して第4のシンボルのセットを抽出するための演算の逆のセットを実行するように構成されている。第4のシンボルのセットのシンボルは、第1のシンボルのセットのシンボルに対応する。第1のデバイスも第2のデバイスも中間デバイスに、中間デバイスが第1および第2のデバイスが正常に受信したものを正確に知るか、または判定することを可能にするいかなる情報も送信しない。したがって、第1および第2のデバイスのみが、第1のシンボル文字列のどのシンボル(またはビット)が第1および第2のデバイスの両方によって正常に受信されたかを完全に知っている。この情報は、中間デバイスと共有されない。このことから、第1および第2のデバイスは、第1および第2のデバイスによって暗号鍵が導出され得るふるい処理されたシンボルの共通のセットを判定するために、第1のデバイスにおける受信された第1のシンボルのセットと、第2のデバイスにおいて生成された第4のシンボルのセットと、を使用してシンボル(またはビット)ふるい処理を実行し得る。暗号鍵は、第1および第2のデバイスにのみ知られ、したがって、第1および第2のデバイスは、互いに暗号演算を実行することができる。次いで、第1および第2のデバイスは、中間デバイスが信頼できるデバイスでない場合でも、量子セーフ様式で暗号鍵を判定する。
【0093】
第1の秘密シンボル文字列のシンボルのセットを第2のシンボル文字列のシンボルのセットと組み合わせることは、限定されるものではないが、例えば、第1および第2のシンボル文字列のシンボルのセットに対する排他的または(XOR)演算(例えば、シンボル文字列をビット文字列に変換し、ビット単位のXORを実行する)、第1および第2のシンボル文字列のシンボルのセットに対する拡張XOR演算(例えば、ビット単位のXOR演算の数学的特性を保存する、シンボルに対する数学的に定義された「シンボルXOR」演算の拡張セットを使用する)、第2の秘密シンボルのシンボルセットを使用した、第1の秘密シンボルのシンボルのセットのワンタイムパッド暗号、第2のデバイスが第2のデバイスによって正常に受信された第2のシンボル文字列のシンボルのセットを使用して第1のシンボル文字列のシンボルのセットを復号化し、かつ取り出すことができるように、第1のシンボル文字列のシンボルのセットに対する他の暗号化演算を使用して、実効され得る。
【0094】
量子通信チャネルは、少なくとも量子情報を伝送かつ/または受信することができる通信チャネルを含むか、または表し得る。本発明に従って使用され得る量子通信チャネルまたは量子チャネルの例は、限定されるものではないが、光量子通信、自由空間光量子通信、光ファイバー量子通信、光レーザ量子通信、限定されるものではないが、例えば、ラジオ、マイクロ波、赤外線、ギガヘルツ、テラヘルツ、および/または任意の他のタイプの電磁波通信などの電磁波を使用する通信、電子スピンなどに基づく通信、デバイス間の量子通信チャネルを介してデータを伝送および受信するための任意の他のタイプの量子通信の群と関連付けられた1つ以上のタイプの量子通信チャネルを含み得るか、またはそれに基づき得る。1つ以上のタイプの量子通信チャネルが、非量子情報または古典的情報を伝送および/または受信することができる可能性があることに留意されたい。
【0095】
標準的、古典的、または非量子通信チャネルは、少なくとも、非量子情報を伝送および/または受信することができる2つのデバイス間の任意の通信チャネルを含み得るか、または表し得る。本発明による標準的、古典的、および/または非量子通信チャネルの例は、限定されるものではないが、任意の1つ以上の物理通信チャネル、光通信チャネル、自由空間光通信チャネル、無線通信チャネル、有線通信チャネル、ラジオ通信チャネル、マイクロ波通信チャネル、衛星通信チャネル、地上通信チャネル、光ファイバー通信チャネル、光レーザ通信チャネル、電気通信チャネル、2G~6Gおよびそれ以降の電気通信チャネル、限定されるものではないが、例えばインターネットプロトコル(IP)チャネルなどの論理チャネル、任意の標準的、古典的、または非量子通信チャネルを介して提供される任意の他のタイプの論理チャネル、限定されるものではないが、例えば鳥類キャリア、紙、封印されたブリーフケース、宅配便または他の配達サービスなどの、1つ以上の他の物理的通信もしくはデータのキャリア、デバイス間でデータを伝送するための任意の他のタイプの1つ以上の光、無線、および/もしくは有線通信チャネル、ならびに/またはデバイス間でデータを伝送するための複合通信チャネルを形成する2つ以上の光、無線、および/もしくは有線通信チャネル、ならびに/またはデバイス間でデータを伝送および/または搬送するための複合通信チャネルを形成する、2つ以上の標準的、古典的、もしくは非量子通信チャネルの任意の組み合わせ、本明細書に記載される通りや、用途に応じるなどした、それらの組み合わせ、それに対する修正、の群からの1つ以上のタイプの通信チャネルを含み得るか、またはそれに基づき得る。1つ以上のタイプの標準的、古典的、または非量子通信チャネルが、量子情報を伝送および/または受信することができる可能性があることに留意されたい。
【0096】
中間デバイスは、本発明によるQKDプロトコルを実装するために、1つ以上の他の通信デバイスとの量子通信チャネルを確立し、かつ/または1つ以上の他の通信デバイスとの量子通信チャネルを介してデータを伝送するように適合された、ように構成された、能力を含む、任意のデバイスまたは装置、コンポーネントまたはシステムを備えるか、または表し、また、当該1つ以上の他の通信デバイスに/からデータを伝送/受信するために、当該1つ以上の他の通信デバイスとのより多くの非量子、標準的、または古典的通信チャネルのうちの1つを確立し得る。本明細書に記載され、かつ/または本発明による中間デバイスの例は、限定されるものではないが、例えば、衛星もしくはその装置/コンポーネント、地上局もしくはその装置/コンポーネント、中継局、中継器、電気通信装置、ネットワーク装置、ネットワークノード、ルータ、および/または限定されるものではないが、例えば、非量子、標準的、または古典的通信チャネルを介して通信するための非量子、標準的、または古典的通信インターフェースのために構成され、かつ/またはその機能性を含む通信インターフェースと、量子チャネルを介して通信するための量子通信インターフェースと、を有する任意の装置、通信デバイス、コンピューティングデバイス、もしくはサーバなどを含み得る。
【0097】
第1または第2の通信デバイス(本明細書では第1または第2のデバイスとも呼ばれる)は、少なくとも、量子通信チャネルを介してデータを受信し、かつ/または本発明によるQKDプロトコルを実装するための中間デバイスおよび/または他のデバイスとの1つ以上の非量子、標準的、または古典的通信チャネルを確立するように構成された通信コンポーネント/システムまたは通信能力を有する任意のデバイスまたは装置を備え得るか、または表し得る。本発明による第1または第2の通信デバイスの例は、限定されるものではないが、例えば、衛星および/もしくはその装置/コンポーネント、地上受信局および/もしくはその装置/コンポーネント、光地上受信局、ユーザデバイス、電気通信装置、ネットワーク装置、ネットワークノード、ルータ、ならびに/または限定されるものではないが、例えば、非量子、標準的、または古典的通信チャネルを介して通信するための非量子、標準的、または古典的通信インターフェースのために構成された、かつ/またはその機能性を含む通信インターフェースと、量子チャネルを介して通信するための量子通信インターフェースと、を有する任意の通信デバイス、コンピューティングデバイス、もしくはサーバなどを含み得る。
【0098】
図1aは、本発明によるQKDプロトコルを実行する例示的な量子鍵配送システム100を例示する概略図である。QKDシステム100は、互いに通信する中間デバイス102a、第1のデバイス102b、および第2のデバイス102cを含む。第1および第2のデバイス102bおよび102cは、少なくとも中間デバイス102aによって促進される共有鍵を必要とし得る。中間デバイス102aは、ランダムなシンボル文字列/ストリームを生成し、かつこれらを、第1および第2の量子通信チャネル104aおよび106aを介して、それぞれQKDプロトコルに従って第1および第2のデバイス102aおよび102cに伝送するように構成されている。中間デバイス102aはまた、さらなる鍵およびプロトコルデータを交換するために、第1および第2の非量子または標準的/古典的通信チャネル104bおよび106bを介して、それぞれ第1および第2のデバイス102bおよび102cと通信する。必要なすべての鍵および/またはプロトコルデータが中間デバイス102aと第1および第2のデバイス102bおよび102cとの間で交換されると、第1および第2のデバイス102bおよび102cは、第3の非量子または標準的/古典的通信チャネル108を介して互いに通信して、共通の暗号鍵または最終的な暗号鍵(例えば、C
F)が、限定されるものではないが、例えば、第1および第2のデバイス102bおよび102c間の暗号演算/通信において、第1および第2のデバイス102bおよび102cによって使用するために同意かつ/または導出され得る、共通の秘密のシンボルのセットを確立する。QKDプロトコルは、中間デバイス102aが各デバイス102bおよび102cに対して第1および第2の秘密シンボル文字列を生成したとしても、中間デバイス102aが導出できない最終暗号鍵C
Fが同意され得ることを保証する。
【0099】
簡単にするために、中間デバイス102aは、アリス102aと呼ばれ、第1のデバイス102bは、ボブ102bと呼ばれ、第2のデバイス102cは、キャロル102cと呼ばれる。アリス102a、ボブ102b、およびキャロル102cに関するQKDプロトコルの実装態様は、限定されるものではないが、例えば、以下に基づく5つの主要なプロトコル部または部分に記述される:アリス102aとボブ102bとの間での第1の鍵交換インタラクションのセットを記述する第1のプロトコル部、第2のプロトコル部は、アリス102aとキャロル102cとの間での第2の鍵交換インタラクションのセットを記述し、第3のプロトコル部は、アリス102aとキャロル102cとの間での第3の鍵交換インタラクションのセットを記述し、第4のプロトコル部は、キャロル102cによる第4の鍵交換インタラクションのセットを記述し、第5のプロトコル部は、ボブ102bとキャロル102cとの間のQKDプロトコルの共通/共有鍵を形成するための、ボブ102bとキャロル102cとの間での第5の鍵交換インタラクションのセットを記述する。以下のQKDプロトコル部は、限定されるものではないが、例えば、以下に基づいて、アリス102a、ボブ102b、および/またはキャロル102cに関連して記述される。
【0100】
QKDプロトコルの第1の部において、アリス102aおよびボブ102bは、アリス102aおよびボブ102bが第1の秘密シンボルストリームまたは文字列(例えば、SB)を交換する第1の鍵交換インタラクションのセットを実行する。第1の秘密シンボルストリーム(例えば、SB)の各シンボルは、nビットを表し得るため、各シンボルは、n≧1としてM=2n個の異なるシンボルのうちの1つであり得る。アリス102aは、第1の秘密シンボルストリーム(例えば、SB)のシンボルをランダムに生成するか、または第1の秘密シンボルストリーム(例えば、SB)に変換されるビット文字列/ストリームをランダムに生成する。アリス102aは、第1の秘密シンボル文字列SB(例えば、n=1として、1,000,000ビット)を、第1の量子チャネル104aを介してボブ102bに送信する。ボブ102bに送信されるSBの各シンボルについて、アリス102aは、第1の量子チャネル104aを介して送信するために当該各シンボルを変調するために、基底のセット(例えば、B)からランダムに基底を選択する。
【0101】
例えば、第1の量子チャネル104aは、限定されるものではないが、アリス102aとボブ102bとの間の自由空間光量子チャネルまたは光ファイバー量子チャネルであってもよく、この場合に、アリス102aは、量子光送信機を有し、ボブ102bは、量子光受信機を有する。基底のセットBは、少なくとも2つの異なる基底を含む。基底の各々は、第1の秘密シンボル文字列の異なるM=2n個のシンボルの各々を表すための基底状態のセットを含む。各基底の基底状態の各セットは、M=2n個の異なる基底状態を含む。各基底の基底状態は、直交し得る。第1の基底の基底状態は、基底のセットの第2の基底の1つ以上の基底状態に直交しない場合がある。
【0102】
基底のセットBは、2つ以上の基底、限定されるものではないが、例えば、直線光偏光基底、対角光偏光基底、角度光偏光基底、および/または量子チャネルを介した伝送のためにシンボルを変調シンボルに変換するための任意の他の好適な光学基底を含み得る。当該光量子チャネルを介してシンボルを伝送するための光量子チャネルおよび対応する基底が例としてのみ記載されているが、本発明は、そのように限定されず、当業者は、本発明によるQKDプロトコルが、用途に応じるなどしてアリス102aとボブ102bとの間の任意のタイプの量子通信チャネルを介して使用され得ることを理解されたい。
【0103】
ボブ102bは、第1の量子チャネル104aから受信されたシンボルを復調するために使用される基底のセットB(例えば、ボブ102bは、アリス102aと同じ基底のセットBを有する)から基底をランダムに選択することによって、第1の量子チャネル104aを介して受信された第1の秘密シンボル文字列SBの各シンボルを復調する。典型的には、ボブ102bの復調器の出力または測定値が、ボブ102bがランダムに選択した選択された基底の基底状態のうちの1つを表すデータを明確に示す場合、シンボルは、正常に受信される。したがって、復調器の測定出力が、使用された選択された基底の基底状態に関連してシンボルが実際に受信されたことを示す場合、シンボルは、正常に受信される。このことは、復調器によって正常に受信されたシンボル出力が、以下のいずれかになることを意味する:1)復調器によって使用された選択された基底(または基底状態)が、伝送されたシンボルを元々変調するために使用された選択された基底(または基底状態)と一致するため、伝送されたシンボルと同じシンボルであるシンボル、および2)復調器によって使用された選択された基底(または基底状態)が、伝送されたシンボルを元々変調するために使用された選択された基底(または基底状態)と一致しなかったため、伝送されたシンボルとは異なるシンボルであるシンボル。すなわち、正常に受信されたシンボルは、復調器からのシンボル出力または測定値であり、シンボルを変調および伝送するために使用された基底と比較して、一致する基底または一致しない基底が使用される。シンボルの受信に失敗した場合は、復調器の測定出力が所定の基底状態のしきい値を下回っており、使用された選択された基底に関連してシンボルが受信されていないことを示す。このことは、使用された選択された基準に関連して、シンボルがまったく受信されていないことを意味する。例えば、受信されたシンボルの測定値が、選択された基底の基底状態に対応する基底状態のしきい値以上である場合には、シンボルは、正常に受信されている。例えば、受信されたシンボルの測定値が、選択された基底の基底状態に対応する基底状態のしきい値に達すると、シンボルは、正常に受信されている。ボブ102bの復調器の出力または測定値が、選択された基底の基底状態に対応する基底状態のしきい値を下回っているか、またはこれに達していない場合、シンボルは正常に受信されていない。シンボルが正常に受信された場合、かつシンボルを変調および伝送するために使用された基底(または基底状態)が、伝送されたシンボルを復調するために使用された基底(または基底状態)と同じである場合、シンボルは有効である。シンボルが正常に受信された場合、かつシンボルを変調および伝送するために使用された基底(または基底状態)が、伝送されたシンボルを復調するために使用された基底(または基底状態)とは異なるある場合、シンボルは無効である。
【0104】
特に、アリス102aおよびボブ102bが、それぞれ伝送のためにシンボルを変調し、かつ伝送されたシンボルを復調するために同じ基底を選択する場合には、量子物理学がいうところによれば、ボブ102bが受信したシンボルの基底状態が、アリス102aによってシンボルを伝送するために使用された伝送された基底状態と同じになる、すなわち、有効かつ正常に受信される可能性が高い。アリス102aが伝送に使用する基底は、伝送されたシンボルを受信するときにボブ102bが使用する基準と同じであるため、シンボルは有効である。アリス102aおよびボブ102bがそれぞれ伝送のためにシンボルを変調し、かつ伝送されたシンボルを復調するために異なる基底を選択する場合には、量子物理学がいうところによれば、ボブ102bが受信されたシンボルの基底状態が、アリス102aによってシンボルを伝送するために使用された伝送された基底状態と相関し得るが、代わりに、その基底で可能な基底状態からのランダムな選択になる、すなわち、正常に受信されるが、受信/変調されたシンボルが伝送された元のシンボルとは異なるため、無効である。
【0105】
量子送信機および受信機を含む量子チャネルで損失があり得るものとすれば、第1の量子チャネル104aを介してアリス102aによって伝送されたシンボルのうちのいくつかは、ボブ102bによって正常に受信されないことが予想される。したがって、ボブ102bは、ボブ102bが正常に受信する第1の秘密シンボル文字列(例えば、SB)内のシンボル番号またはロケーションを判定する。次いで、ボブ102bは、第1の古典的通信チャネル104bを介してアリス102aに、限定されるものではないが、例えば、正常に受信されたシンボルのシンボル番号(例えば、#2、#718、#2818、...)を表すデータを含む、正常に受信されたシンボル(例えば、lB)の表示を送信する。シンボル番号は、ボブ102bがどの基底を使用したか、または受信された各シンボルにボブ102bがどの基底状態を実際に割り当てたか、またはさらにはどのシンボルが受信されたかを示さないことに留意されたい。むしろ、シンボル番号またはロケーションを表すデータは、単に、ボブ102bがそれらの対応するシンボルを復調し、かつそれらを基底状態にマッピングすることに成功したことの表示である。
【0106】
例えば、シンボルあたりn=1ビット、すなわち、シンボルがビットである(例えば、2つのシンボルを使用して、ビット「0」および「1」を表す)場合、アリス102aが、第1の量子チャネル104aを介して1,000,000ビットの第1の秘密ビット文字列またはストリームを送信する場合には、ボブ102bが第1の秘密ビット文字列のビットを復調するために基底のセットBから基底をランダムに選択すると、ボブ102bは、限定されるものではないが、例えば、第1の量子チャネル104aの大気損失および/または他の損失に起因して約1000ビットのみを正常に受信し得る。そのため、ボブ102bは、ボブ102bが正常に受信した第1の秘密ビット文字列中のビットのビット番号またはビット位置を表すおよそ1000個の値の指示値のセット(例えば、IB)を送信することとなる。
【0107】
アリス102aとボブ102bとの両方が、ボブ102bが正常に受信しなかった第1の秘密シンボル文字列(例えば、SB)からすべての他のシンボル(例えば、ビット)を破棄し得る。このことは、アリス102aが、ボブ102bが正常に受信したシンボルを表す受信シンボル番号を使用して、ボブ102bによって正常に受信された第1の秘密シンボルストリーム(例えば、SB)から第1の秘密シンボルのセット(例えば、XB)を生成または形成し得ることを意味する。同様に、ボブ102bは、第1の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XBr)をもたらす、受信に失敗したすべてのシンボルを破棄し得る。
【0108】
次いで、アリス102aは、第1の古典的通信チャネル104bを介してボブ102bに、第1の量子チャネル104aを介したボブ102bへの元の伝送(例えば、SB)における第1の秘密シンボルのセット(例えば、XB)の対応するシンボルを伝送するためにアリス102aが使用した各基底状態に対応する第1の基底のセット(例えば、BB)を送信する。次いで、ボブ102bは、各シンボルを復調するためにボブ102bが使用した基底を、アリス102aによって送信された受信された基底のセット(例えば、BB)中の対応する基底と比較する。したがって、ボブ102bは、第1の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XBr)の各シンボルに対応する複数の表示/フラグを含む第1の基底フラグのセット(例えば、BFB)を形成することができ、シンボルの各表示/フラグは、基底の比較に基づく、第1の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XBr)中のそのシンボルが有効に受信されたか否かを表すデータを含む(例えば、「1」の表示/フラグは、有効に受信されたシンボルを示し、「0」の表示/フラグは、有効に受信されていないシンボルを示す)。したがって、ボブ102bはまた、ボブ102bが元の第1の秘密シンボル文字列(例えば、SB)の復調中に一致する基底を使用したそれらのシンボルのみを含む、有効な受信された秘密シンボルのセット(例えば、VBr)を形成し得る。例えば、n=1の場合、ボブ102bは、受信された第1の秘密ビット文字列からの「正常に」受信された1000ビットのうちの約500ビットが同じ基底を有し、有効であることを見出し得る。
【0109】
QKDプロトコルの第2の部において、アリス102aおよびキャロル102cは、第2の鍵交換データインタラクションのセットを実行する。例えば、アリス102aは、第2の秘密シンボル文字列(例えば、SC)(例えば、n=1の場合、1,000,000ビット)を、第2の量子チャネル106aを介してキャロル102cに送信する。キャロル102cに送信された第2の秘密シンボル文字列(例えば、SC)の各シンボルについて、アリス102aは、第2の量子チャネル106aを介した伝送のために当該各シンボルを変調するために、基底のセットBから基底をランダムに選択する。例えば、第2の量子チャネル106aは、限定されるものではないが、例えば、アリス102aとキャロル102cとの間の自由空間光量子チャネルであってもよく、この場合に、アリス102aは、量子光送信機を有し、キャロル102cは、量子光受信機を有する。キャロル102cは、第2の量子チャネル106aから受信されたシンボルを復調するために使用される基底のセットBから基底をランダムに選択することによって、第2の量子チャネル106aを介して受信された各シンボルを復調する。
【0110】
典型的には、ボブ102bに関して、復調器の出力または測定値が、キャロル102cがランダムに選択した選択された基底の基底状態のうちの1つを表すデータを明確に示す場合、シンボルは、正常に受信される。量子送信機および受信機を含む量子チャネルで損失があり得るものとすれば、第2の量子チャネル106aを介してアリス102aによって伝送されたシンボルのうちのいくつかは、キャロル102cによって正常に受信されないことが予想される。したがって、キャロル102cは、正常に受信された第2の秘密シンボル文字列(例えば、SC)内のシンボル番号またはロケーションを判定する。これらのシンボル番号は、ボブ102bによって送信されたものとは異なることとなる。次いで、キャロル102cは、アリス102aとキャロル102cとの間にセットアップされた第2の古典的通信チャネルを介してアリス102aに、限定されるものではないが、例えば、正常に受信されたシンボルのシンボル番号(例えば、ビット番号)(例えば、#3、#141、#5926、...)を表すデータを表すデータを含む、正常に受信されたシンボルの表示(例えば、IC)を送信する。シンボル番号は、キャロル102cがどの基底を使用したか、または受信された各シンボルにキャロル102cがどの基底状態を実際に割り当てたか、またはさらにはどのシンボルが受信されたかを示さないことに留意されたい。むしろ、シンボル番号またはロケーションは、単に、キャロル102cがそれらの対応するシンボルを復調し、かつそれらを基底状態にマッピングすることに成功したことの表示である。
【0111】
例えば、シンボルあたりn=1ビット(例えば、2つのシンボルを使用して、ビット「0」および「1」を表す)場合、アリス102aが、第2の量子チャネル106aを介して1,000,000ビットの第2の秘密ビット文字列またはストリームを送信する場合には、キャロル102cが第2の秘密ビット文字列のビットを復調するために基底のセットBから基底をランダムに選択すると、キャロル102cは、限定されるものではないが、例えば、第2の量子チャネル106aの大気損失および/または他の損失に起因して約1000ビットのみを正常に受信し得る。そのため、キャロル102cは、キャロル102cが正常に受信した第2の秘密ビット文字列中のビットのビット番号またはビット位置を表すセットICを介しておよそ1000個の値を送信することとなる。
【0112】
アリス102aとキャロル102cとの両方が、キャロル102cが正常に受信しなかった第1の秘密シンボル文字列(例えば、SC)からすべての他のシンボル(例えば、ビット)を破棄し得る。このことは、アリス102aが、キャロル102cが正常に受信したシンボルを表すICにおける受信シンボル番号を使用して、キャロル102cによって正常に受信された第2の秘密シンボルストリーム(例えば、SC)から第2の秘密シンボルのセット(例えば、XC)を生成または形成し得ることを意味する。同様に、キャロル102cは、第2の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XCr)をもたらす、受信に失敗したすべてのシンボルを破棄し得る。
【0113】
次いで、アリス102aは、第2の古典的通信チャネル106bを介してキャロル102cに、第2の量子チャネル106aを介したキャロル102cへの元の伝送(例えば、SC)における第2の秘密シンボルのセット(例えば、XC)の対応するシンボルを伝送するためにアリス102aが使用した各基底状態に対応する第2の基底のセット(例えば、BC)を送信する。次いで、キャロル102cは、各シンボルを復調するためにキャロル102aが使用した基底を、アリス102aによって送信された受信された第2の基底のセット(例えば、BC)中の対応する基底と比較する。したがって、キャロル102cは、第2の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XCr)の各シンボルに対応する複数の表示/フラグを含む第2の基底フラグのセット(例えば、BFC)を形成することができ、シンボルの各表示/フラグは、基底の比較に基づく、第2の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XCr)中のそのシンボルが有効に受信されたか否かを表すデータを含む(例えば、「1」の表示/フラグは、有効に受信されたシンボルを示し、「0」の表示/フラグは、有効に受信されていないシンボルを示す)。キャロル102cは、第2の基底のセットBCを使用して、第2の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XCr)のどのシンボルが有効に受信されたかをチェックすることができる。したがって、キャロル102cはまた、キャロル102cが、アリス102aがそれらのシンボルの変調に使用した元の第2の秘密シンボル文字列(例えば、SC)の復調中に一致する基底を使用したそれらのシンボルのみを含む、有効な受信された秘密シンボルのセット(例えば、VCr)を形成し得る。例えば、n=1の場合、キャロル102cは、第2の秘密ビット文字列からの「正常に」受信された1000ビットのうちの約500ビットが同じ基底を有し、そのため、有効に受信されたことを見出し得る。
【0114】
QKDプロトコルの第3の部において、第3の鍵交換インタラクションのセットが実行され、この場合に、アリス102aは、ボブ102bがアリス102aにボブ102bによって正常に受信されたことを示す第1の秘密シンボルのセット(例えば、XB)を表すデータをキャロル102cに送信する。アリス102aは、ボブ102bが有効に受信したのが第1の秘密シンボルのセット(例えば、XB)のどのシンボルかを知らない。むしろ、アリス102aは、第1の秘密シンボルのセット(例えば、XB)を保護するためのマスキングまたは暗号化アプローチを使用して、キャロル102cに第1の秘密シンボルのセット(例えば、XB)を送信する。特に、アリス102aは、アリス102aが1つ以上の組み合わせ演算を使用して第1の秘密シンボルのセット(例えば、XB)を第2の秘密シンボルのセット(例えば、XC)と組み合わせるための処理演算のセット107を実行することに基づいて、第3の秘密シンボル文字列(例えば、CBC)を生成する。第1の秘密シンボルのセット(例えば、XB)は、ボブ102bがアリス102aにボブ102bによって正常に受信されたことを示した第1の秘密シンボル文字列(例えば、SB)からのシンボルに対応する(例えば、上記の例では、n=1の場合、ボブ102bによって大体1000ビットが正常に受信された)。第2の秘密シンボルのセット(例えば、XC)は、キャロル102cがアリス102aにキャロル102cによって正常に受信されたことを示した第2の秘密シンボル文字列(例えば、XC)からのシンボルに対応する(例えば、上記の例では、n=1の場合、キャロル102cによって大体1000ビットが正常に受信された)。
【0115】
例えば、第1および第2の秘密シンボルのセット(例えば、XBおよびXC)を組み合わせるために実行される1つ以上の処理演算107は、限定されるものではないが、例えば、以下の1つ以上の処理演算を含み得る:n=1の場合には、シンボル文字列は、ビット文字列であり、1つ以上のシンボル演算は、第1の秘密ビットのセット(例えば、XB)と第2の秘密ビットのセット(例えば、XC)との間で実行され、第3の秘密ビット文字列CBC(例えば、CBC=XB XOR XC)を生成するビット単位のXOR演算107aを含み、n>1の場合、第1および第2の秘密シンボルのセット(例えば、XBおよびXC)は、ビット文字列に変換されることができ、1つ以上のシンボル演算は、第1の秘密ビットのセット(例えば、XBb)と第2の秘密ビットのセット(例えば、XCb)との間で実行され、第3の秘密ビット文字列(例えば、CBCb=XBb XOR XCb)をもたらすビット単位のXOR演算を含むことができ、第3の秘密ビット文字列は、第3の秘密シンボル文字列(例えば、CBC)に再変換されることができ、ビット単位のXORと同等の特性を有する拡張XORが、第1および第2の秘密シンボルのセット(例えば、CBC=XB extXOR XC)の対応するシンボルに対して直接実行されることができ、第2の秘密シンボルのセット(例えば、XC)をOTPとして使用する、または以前にキャロル102cと交換されたOTPまたは鍵を使用する、第1の秘密シンボルのセット(例えば、XB)に対するワンタイムパッド(OTP)暗号化演算(例えば、CBC=OTPE(XB,XC)、および/または第3の秘密シンボル文字列(例えば、CBC)を生成するための、第1および第2の秘密シンボルのセット(例えば、XBおよびXC)を使用する任意の他のマスキングまたは難読化演算であって、第3の秘密シンボル文字列からキャロル102cは、キャロル102cの受信された秘密シンボルのセット(例えば、XCr)を使用して、受信された第1の秘密シンボルのセット(例えば、XBr’)を導出し得る。アリス102aは、第2の古典的通信チャネル106bを介してキャロル102cに第3の秘密シンボル文字列(例えば、CBC)を送信する。
【0116】
上記の例について、n=1、かつ第1のビットのセットおよび第2のビットのセットが各々1000ビットに等しい場合、アリス102aは、第1のビットのセット(例えば、ボブ102bによって正常に受信されたビット)と第2のビットのセット(例えば、キャロル102cによって正常に受信されたビット)との間でビット単位のXORを実行し、第3の秘密ビット文字列(例えば、CBC)を生成する。アリス102aは、第2の古典的通信チャネル106bを介してキャロル102cに第3の秘密ビット文字列(例えば、CBC)を送信する。
【0117】
QKDプロトコルの第4の部において、キャロル102cによって第4の鍵交換インタラクションのセットが実行される。アリス102aがキャロル102cに第3の秘密シンボル文字列(例えば、CBC)を送信すると、キャロル102cは、キャロル102cが正常に受信した受信された第2の秘密シンボルのセット(例えば、XCr)と、受信された第3の秘密シンボル文字列(例えば、CBC)と、を使用して、第4の秘密シンボルのセット(例えば、XBr’)を生成するための対応する処理演算109のセットを実行する。第4の秘密シンボルのセット(例えば、XBr’)は、第1の秘密シンボルのセット(例えば、XBr)からのシンボルを含む。例えば、アリス102aが第1および第2の秘密シンボルのセット(例えば、XBおよびXC)を使用してXOR演算107aを実行して、第3の秘密シンボルのセット(例えば、CBC)を生成した場合には、キャロル102cは、第4の秘密シンボルのセット(例えば、XBr’)を生成するためのXOR演算109aを実行することができ、この場合に、XOR演算109aは、受信された第3の秘密シンボル文字列(例えば、CBC)および受信された第2のシンボルのセット(例えば、XCr)を使用して演算し、すなわち、第4の秘密シンボルのセットXBr’=CBC XOR XCrを演算する。例えば、n=1の場合、シンボル文字列は、ビット文字列であり、アリス102aは、ビット単位のXOR演算107aを使用して、第1のビットのセット(例えば、XB)および第2のビットのセット(例えば、XC)を使用して第3の秘密ビット文字列(例えば、CBC=XB XOR XC)を生成する。キャロル102cは、第3の秘密ビット文字列(例えば、CBC)を受信すると、受信された第3の秘密ビット文字列(例えば、CBC)および受信された秘密シンボルのセット(例えば、XCr)を使用してビット単位のXOR演算109aを実行して、第4の秘密ビット文字列(例えば、XBr’=CBC XOR XCr)を生成し、第4の秘密ビット文字列は、第1の秘密ビット文字列(例えば、XB)からのビットを表すデータを含む。例えば、キャロル102cが受信する正常なシンボルに誤りが発生しない場合、XBr’=(XB XOR XC)XOR XCr=(XB XOR(XC XOR XCr)=XB。キャロル102cが受信する正常なシンボルに誤りがある場合には、キャロル102cがXBr’で有効に受信するシンボル(例えば、VCr)のシンボル位置のみが、XBの同じシンボル位置に対応することとなる。
【0118】
別の例では、n>1の場合、アリス102aは、第1および第2の秘密シンボル文字列のセットをビット文字列に変換し、このビット文字列において、第1の秘密ビット文字列のセットと第2の秘密ビット文字列のセットとの間でビット単位のXOR演算が実行され、第3の秘密ビット文字列をもたらすことができ、第3の秘密ビット文字列は、第3の秘密シンボル文字列に再変換され得る。したがって、キャロル102cは、受信された第3の秘密シンボル文字列を、受信された第3の秘密ビット文字列に変換することによって、同様の演算のセットを実行し、(受信された第2の秘密シンボルのセットから変換された)受信された第3の秘密ビット文字列および受信された第2の秘密ビットのセットを使用して、ビット単位のXOR演算を実行して、第4の秘密ビット文字列を生成することができ、第4の秘密ビット文字列は、第4の秘密シンボル文字列に変換される。代替的に、アリス102aは、第1および第2の秘密シンボルのセットの対応するシンボルに対して実行される1つ以上の拡張XOR演算を使用して、第3の秘密シンボル文字列を生成し得る。次いで、キャロル102cは、受信された第3の秘密シンボル文字列および受信された第2の秘密シンボルのセットを使用して、同様の1つ以上の拡張XOR演算を実行して、第4のシンボル文字列を生成し得る。代替的または追加的に、アリス102aは、第2のシンボルのセット(例えば、XC)(またはキャロル102cと交換されたOTP)を使用して、第1のシンボルのセット(例えば、XB)に対してOTP暗号化演算107bを使用して、第3の秘密シンボル文字列(例えば、CBC=OTPE(XB,XC))を生成することができ、この場合に、キャロル102cは、受信された第2のシンボルのセット(例えば、XCr)(またはアリス102aと交換されたOTP)を使用して、受信された第3の秘密シンボル文字列(例えば、CBC)に対してOTP復号化演算109bを実行して、第4の秘密シンボル文字列を生成する(例えば、XBr’=OTPD(CBC,XCr))。簡単に言えば、キャロル102cは、限定されるものではないが、例えば、受信された第2の秘密シンボルのセット(例えば、XCr)を使用して、受信された第3の秘密シンボル文字列(例えば、CBC)から第4の秘密シンボル文字列(例えば、XBr’)を生成するために必要とされる、必要とされるシンボル演算を実行し、この場合に、第4の秘密シンボル文字列(例えば、XBr’)は第1の秘密シンボル文字列(例えば、SB)または第1の秘密シンボルのセット(例えば、XB)の1つ以上のシンボルを表すデータを含む。
【0119】
受信された第2の秘密シンボルのセット(例えば、XCr)が、キャロル102cが正常に受信されたと見なしたが、有効であるとチェックされていないシンボルのみを含むことに留意されたい。したがって、XORまたは上記の演算のうちのいくつかを使用すると、受信された第2の秘密シンボルのセット(例えば、XCr)のシンボルのうちのいくつは、無効である可能性があり、これは、キャロル102cが、アリス102aがこれらのシンボルを伝送するために使用した基底と比較して異なる基準を使用した可能性があるからである。このことは、第4の秘密シンボル文字列(例えば、XBr’)の対応するシンボルが無効である可能性があることを意味する。ただし、第4の秘密シンボル文字列(例えば、XBr’)に、有効であるシンボルの一部分があることとなり、これらのシンボルは、受信された第2の秘密シンボルのセット(例えば、XCr)、すなわち、有効な受信された第2のシンボルのセット(例えば、VCr)中の有効なシンボルの位置に対応する、XBr’中の位置を有する。XBr’の有効なシンボルは、第1の秘密シンボルのセットXBの対応するシンボルと同じになる。第4の秘密シンボル文字列(例えば、XBr’)は、キャロル102cがアリス102aから受信された基底のセットBCでチェックした有効な第2の受信された秘密シンボルのセットに対応する。
【0120】
QKDプロトコルの第5の部において、キャロル102cとボブ102bとの間で第5の鍵交換インタラクションのセットが実行される。特に、キャロル102cおよびボブ102bは、アリス102aが当事者ではない第3の通信チャネル108を使用して、互いにシンボルふるい処理(またはビットふるい処理)演算または鍵交換演算を実行する。例えば、QKDプロトコルの第1の部の間、ボブ102bは、アリス102aから受信された第1の基底のセットBBと、受信された第1の秘密シンボルのセット(例えば、XBr)中のシンボルを受信するときにボブ102bが使用した基底のセットと、を使用して、第1の基底フラグのセット(例えば、BFB)(または一致する基底のリスト)を判定した。したがって、ボブ102bは、第1の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XBr)の各シンボルに対応する複数の表示/フラグを含む第1の基底フラグのセット(例えば、BFB)を形成した。この場合に、シンボルの各表示/フラグは、基底の比較に基づく、第1の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XBr)中のそのシンボルが有効に受信されたか否かを表すデータを含む(例えば、「1」の表示/フラグは、有効に受信されたシンボルを示し、「0」の表示/フラグは、有効に受信されていないシンボルを示す)。
【0121】
同様に、キャロル102cはまた、アリス102aから受信された第2の基底のセットBCと、第2のシンボル文字列を受信したときにキャロル102cが使用した基底のセットと、を使用して、受信された第2の秘密シンボルのセット(例えば、XCr)中の各シンボルが有効に受信されたか否かを表すデータを含む、第2の基底フラグのセット(例えば、BFC)(または一致する基底のリスト)を判定した。すなわち、キャロル102cは、第2の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XCr)の各シンボルに対応する複数の表示/フラグを含む第2の基底フラグのセット(例えば、BFC)を形成した。この場合に、シンボルの各表示/フラグは、基底の比較に基づく、第2の受信された秘密シンボルのセット(例えば、XCr)中のそのシンボルが有効に受信されたか否かを表すデータを含む(例えば、「1」の表示/フラグは、有効に受信されたシンボルを示し、「0」の表示/フラグは、有効に受信されていないシンボルを示す)。
【0122】
ボブ102bは、第1の基底フラグのセット(例えば、BFB)(例えば、第1の一致する基底のセット)をキャロル102cに送信し、キャロル102cは、第2の基底フラグのセット(例えば、BFC)を第3の通信チャネル108を介してボブ102bに送信する。例えば、上記の例では、n=1の場合、かつボブ102bが1000ビット(そのうちのいくつかは、有効または無効である)を正常に受信した場合には、第1の基底フラグのセット(例えば、BFB)は、1000ビットに対応する1000個の表示/フラグを含み、各表示/フラグは、対応するビットが有効に受信されたか否かを表す。同様に、キャロル102cが1000ビットを正常に受信した場合には、第1の基底フラグのセット(例えば、BFC)は、1000ビットに対応する1000個の表示/フラグを含み、各表示/フラグは、対応するビットが有効に受信されたか否かを表す。
【0123】
キャロル102cから第2の基底フラグのセット(例えば、BFC)を受信すると、ボブ102bは、第1の基底フラグのセット(例えば、BFB)中の各基底フラグを、キャロル102cから受信した第2の基底フラグのセット(例えば、BFC)中の各基底フラグと比較することによって、第1の共通の秘密シンボルのセット(例えば、CSB)を形成し、第1および受信された第2の基底フラグのセットからの対応する基底フラグ(例えば、BFBおよびBFB)が一致しない場合、有効な第1の受信された秘密シンボルのセット(例えば、VBr)からそれらのシンボルを破棄する。有効な第1の受信された秘密シンボルのセット(例えば、VBr)の破棄されていないか、または残っているシンボルは、ボブ102bに対する第1の共通の秘密シンボルのセット(例えば、CSB)を形成する。同様に、ボブ102bから第1の基底フラグのセット(例えば、BFB)を受信すると、キャロル102cは、受信された第1の基底フラグのセット(例えば、BFB)中の各基底フラグを第2の基底フラグのセット(例えば、BFC)中の各基底フラグと比較することによって、秘密シンボルの第2の共通のセット(例えば、CSC)を形成し、受信された第1の基底フラグのセット(例えば、BFB)および第2の基底フラグのセット(例えば、BFC)からの対応する基底フラグが一致しない場合、第4の秘密シンボル文字列(例えば、XBr’)からそれらのシンボルを破棄する。第4の秘密シンボル文字列(例えば、XBr’)の残りのシンボルは、キャロル102cに対する第2の秘密シンボルの共通のセット(例えば、CSC)を形成する。例えば、n=1の場合、上記の例では、ボブ102bに対する有効な第1の受信されたビットのセットは、限定されるものではないが、例えば、約500ビットであり得る。したがって、平均して、これらのビットのおよそ半分は、ボブ102bとキャロル102cとの間で一致する基底フラグを有することができ、その結果、第1の共通の秘密ビット文字列は、およそ250ビットである。
【0124】
ボブ102bおよびキャロル102cは、秘密シンボルの共通のセット(例えば、CSBおよびCSC)を有し、ボブは、第1の秘密シンボルの共通のセット(例えば、CSB)を有し、キャロルは、第2の秘密シンボルの共通のセット(例えば、CSC)を有する。第1の秘密シンボルの共通のセット(例えば、CSB)は、第2の秘密シンボルの共通のセット(例えば、CSC)と同じであり得るが、それらは、復調中の伝送または測定などからの誤りに起因して、必ずしも同じではない可能性がある。したがって、ボブ102bおよびキャロル102cは、第3の通信チャネル108を介して、第1および第2の秘密シンボルの共通のセット(例えば、CSBおよびCSC)に関連する誤り検出および/または訂正を実行し得る。例えば、ボブ102bとキャロル102cとの間で行われる第1および第2の秘密シンボルの共通のセット(例えば、CSBおよびCSC)の誤り検出および訂正は、限定されるものではないが、例えば、第1および第2の秘密シンボルの共通セットの誤り検出および訂正が、標準デコイ状態プロトコルまたは標準BB84プロトコルなどを使用してどのように実装または実行されるかに基づき得る。ただし、それらの場合、アリス102aは、暗号鍵を知っており、誤り検出および訂正は、本発明によるQKDプロトコルにおけるようにボブおよびキャロルによってではなく、アリスとボブとの間、およびアリスとキャロルとの間で行われる。それにもかかわらず、これらのタイプの誤り検出および訂正を、第1および第2の秘密シンボルの共通のセット(例えば、CSBおよびCSC)の誤り検出および訂正を実行するためにボブ102bおよびキャロル102cによる使用のために適合させ、ボブ102aおよびキャロル102cのために暗号鍵、例えば最終的な暗号鍵CF、が生成され得る秘密シンボルの共通のセットをもたらすことができる。このことから、ボブ102bおよびキャロル102cにのみ知られる最終的な暗号鍵CFを、ボブ102bおよびキャロル102cによって導出することができ、したがって、ボブ102bおよびキャロル102cは、量子安全暗号鍵(例えば、CF)を使用して、互いに暗号演算を実行することができる。本発明によるQKDプロトコルは、アリス102aが信頼できるデバイスでない場合でさえ、ボブ102bおよびキャロル102cが量子安全な様式で暗号鍵を決定することを可能にする。
【0125】
例えば、アリス102aが第1および第2の秘密のシンボル文字列(例えば、SBおよびSC)を適切に(例えば、すべてが同じシンボルではなく)生成したと仮定すると、アリス102aがボブ102bとキャロル102cとの両方に送信されたすべてのシンボル(例えば、n=1の場合にはビット)を知っている場合でも、送信されたそれらのシンボルのいずれかがボブ102bおよびキャロル102cによって有効に一致する基底を有する確率は、およそ1/2nである。このことは、アリス102aが、ボブ102bおよびキャロル102cが本発明によるQKDプロトコルの第5の部において共有したことに関する情報をほとんど推測することができないため、ボブ102bまたはキャロル102cによって判定された同意された最終的な暗号鍵CFを導出することができないこととなることを意味する。
【0126】
QKDプロトコルによって判定された暗号鍵の安全性強度を改善または強化するために本発明によるQKDプロトコルを実装したQKDシステム100の修正態様は、アリス102aに未知である事前共有鍵または秘密をボブ102bおよびキャロル102cがすでに有していることを含み得る。秘密シンボルまたはふるい処理されたシンボル(例えば、CSBおよびCSC)の共通のセットに基づいて、本明細書に記載されるQKDプロトコルに従って暗号鍵が判定されると。次いで、ボブ102bとキャロル102cとの両方は、この暗号鍵をさらに暗号化して、事前共有鍵または秘密と1つ以上の暗号化アルゴリズムまたは方法とを使用して暗号鍵を暗号化または処理することによって、最終的な共有暗号鍵を生成することができる。例えば、暗号アルゴリズムまたは方法は、例としてのみで、限定されるものではないが、OTP暗号化、AES暗号化、用途に応じるなどした任意の他の暗号化アルゴリズムなどの、任意の暗号化アルゴリズムまたは演算を含んでもよい。例えば、事前共有鍵または秘密は、量子セーフ様式でボブ102bとキャロル102cとの間で共有されるOTPであってもよく、暗号化方法は、OTP暗号化を使用して、最終的な共有暗号鍵を生成してもよい。他の暗号化方法またはアルゴリズムが、限定されるものではないが、例えば、AES暗号化または一方向ハッシュ関数を含んでもよい。
【0127】
QKDシステム100の別の修正態様では、QKDプロトコルによって判定される暗号鍵の安全性強度を改善するために本発明によるQKDプロトコルを実装することは、ボブ102bとキャロル102cとの両方が、限定されるものではないが、例えば、暗号論的に安全な疑似乱数生成器(CSPRNG)を事前共有初期状態とともに使用して、ふるい処理されたシンボルの共通セット(例えば、CSBおよびCSC)から判定された暗号鍵に対してOTP暗号化(例えば、XOR)を実行することに基づいて、最終的な共有暗号鍵を生成する。代替的または追加的に、ボブ102bおよびキャロル102cは、それぞれのCSPRNG出力を使用して、暗号鍵からビットを選択的に捨てて、最終的な共有暗号鍵を生成するように構成されてもよい。この例では、安全性強度は、事前共有鍵または秘密ではなく、CSPRNGの安全性強度に依存する。
【0128】
図1bは、本発明による、
図1aに記載されるQKDプロトコルを使用するさらなる例示的なQKDシステム110の概略図である。簡単にするために、
図1aからの参照符号を、類似のまたは同じ構成要素に使用する。この場合、ボブ102b(第1のデバイス102b)およびキャロル102c(第2のデバイス102c)は、暗号鍵(例えば、C
1およびC
2)を取得するために、QKDサービスの2つの異なるプロバイダまたは少なくとも2つの異なる中間デバイス102aおよび102d(例えば、A1およびA2)を使用し得る。少なくとも2つの異なる中間デバイス102aおよび102d(例えば、A1およびA2)は、
図1aを参照して記載されるように、QKDプロトコルに基づいてボブ102aおよびキャロル102cとともに、それぞれ第1のQKDプロトコルインスタンス化110aおよび第2のQKDプロトコルインスタンス化110bを実行するように構成されている。すなわち、中間デバイス102aおよび102bの各々は、ボブ102aおよびキャロル102cが、2つのQKDプロトコルインスタンス化110aおよび110bを実行して、ふるい処理されたシンボルの2つ共通のセットを生成し、ゆえに第1および第2の暗号鍵(例えば、C
1およびC
2)に同意するときに使用および処理する第1および第2の秘密シンボル文字列の2つの異なるセットをボブ102bおよびキャロル102cに提供し得る。
【0129】
この例では、ボブ102bおよびキャロル102cは、中間デバイス102a(例えば、A1)とともに、
図1aを参照して記載されるように、QKDプロトコルの第1のQKDプロトコルインスタンス化110aを実行し、この場合に、ボブ102bおよびキャロル102cは、QKDプロトコルの最後で、第1の暗号鍵(例えば、C
1)に同意する。ボブ102bおよびキャロル102cはまた、中間デバイス102b(例えば、A2)とともに、
図1aを参照して記載されるように、QKDプロトコルの第2のQKDプロトコルインスタンス化110bを実行し、この場合に、ボブ102bおよびキャロル102cは、第2の暗号鍵(例えば、C
2)に同意する。ボブ102bおよびキャロル102cは、2つの異なる中間デバイス102aおよび102dとともに、
図1aのQKDプロトコルを実行した後、暗号鍵の同じセットC
1およびC
2を有することが分かる。中間デバイス102aおよび102dは、それぞれ、第2の暗号鍵C
2および第1の暗号鍵C
1をもたらした情報を知らない。
【0130】
したがって、ボブ102bは、限定されるものではないが、例えば、第1および第2の暗号鍵(例えば、C1およびC2)を使用して最終的な暗号鍵CF(例えば、CF=C1 XOR C2)を生成するためのXOR演算112a同様のモジューロ算術演算、および/または限定されるものではないが、例えば、第1および第2の暗号鍵(例えば、CF=OTPE(C1,C2))を使用するワンタイムパッド暗号化112bなどの暗号化演算112b、ならびに/または用途に応じるなどした任意の他の好適な暗号演算(例えば、ハッシュ関数など)および嘘を含む、最終的な鍵処理演算112を実行することに基づいて、最終的な暗号鍵CFを生成する。これにより、第1および第2の中間デバイス102aおよび102dには未知である、ボブ102bに対する最終的な暗号鍵CFが生成される。同様に、キャロル102cはまた、限定されるものではないが、例えば、第1および第2の暗号鍵(例えば、C1およびC2)を使用して最終的な暗号鍵CF(例えば、CF=C1 XOR C2)を生成するためのXOR演算114a同様のモジューロ算術演算、および/または限定されるものではないが、例えば、第1および第2の暗号鍵(例えば、CF=OTPE(C1,C2))を使用するワンタイムパッド暗号化114bなどの暗号化演算114b、ならびに/または用途に応じるなどした任意の他の好適な暗号演算(例えば、ハッシュ関数など)および嘘を含む、最終的な鍵実行演算114に基づいて、最終的な暗号鍵CFを生成する。これにより、第1および第2の中間デバイス102aおよび102dには未知である、キャロル102cに対する最終的な暗号鍵CFが生成される。したがって、ボブ102bおよびキャロル102cは、本発明によるQKDプロトコルの2つの異なるインスタンス化110aおよび110bを使用して計算され、かつ2つの異なる送信元または中間デバイス102aおよび102dからの秘密シンボル文字列に基づいて計算された、同意された暗号鍵C1およびC2を使用することに基づいて、同じ最終的な暗号鍵CFを計算する。ボブ102bとキャロル102cとの間の最終的な暗号鍵CFまたは新しい共有鍵は、第1の中間デバイス102aまたは第2の中間デバイス102dのいずれにも未知である。結果として得られる最終的な暗号鍵CFは、2つの中間デバイス102aおよび102dが他のデバイスを介して直接的または間接的に互いに衝突しない限り、証明可能安全である。
【0131】
図1cは、本発明による
図1aおよび/または1bを参照して記載されるQKDプロトコルを実施するための例示的な衛星QKDシステム120の概略図である。簡単にするために、
図1aおよび1bの参照符号が、同じおよび/または類似の構成要素に使用され得る。この例では、衛星QKDシステム120は、複数の衛星122a~122nおよび複数の地上受信局124a~124cを含む。衛星122a~122nの各々は、
図1a~1bおよび/または
図1d~4bを参照して記載されるQKDプロトコル、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書を参照して記載されるQKDプロトコルを実装するように構成された中間デバイス102aを実装するための構成部分、装置、および/または機能性を含み得る。さらに、地上受信局124a~124cの各々は、
図1a~1bおよび/または
図1d~4bを参照して記載されるQKDプロトコル、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるQKDプロトコルを実行するために、第1のデバイス102b(例えば、ボブ102b)と関連付けられた機能性および/または第2のデバイス102c(例えば、キャロル102c)と関連付けられた機能性を実装するための構成部分、装置、および/または機能性を含み得る。
【0132】
第1および第2の地上受信局124bおよび124cは、複数の衛星122a~122nのうちの衛星122aのうちの1つによって配送される共有秘密鍵を必要とし得る。衛星122aは、第1および第2の量子チャネル104aおよび106bを介して地上受信局124bおよび124cに、および/またはこれらから、データ/制御信号を伝送および/または受信するための少なくとも量子通信インターフェース126(例えば、量子送受信機または他の通信デバイス)を含み得る。衛星122aは、地上受信局124bおよび124cに、および/またはこれらから、第1および第2の非量子(例えば、標準的または古典的)通信チャネルを介して、データ/制御信号を伝送および/または受信するための少なくとも非量子通信インターフェース128(例えば、標準的または古典的通信インターフェース)をさらに含み得る。地上受信局124bおよび124cは、限定されるものではないが、例えば、それぞれ、量子チャネル104aおよび106aを介して、それぞれ、データ/制御信号を衛星に伝送するため、かつ/または衛星122aによってそれぞれ伝送されるデータ/制御信号を受信するための、少なくとも量子通信インターフェース125aおよび127a(例えば、量子送受信機および/または通信デバイス)を含み得る。地上受信局124bおよび124cは、限定されるものではないが、例えば、それぞれ、第1および第2の非量子通信チャネル104bおよび106bを介して衛星122aとのデータ/制御信号を受信および/または伝送するための非量子通信インターフェース/送受信機125bおよび127bをさらに含み得る。加えて、地上受信局124bおよび124cは、限定されるものではないが、例えば、第3の非量子通信チャネル108を確立し、かつ互いに第3の非量子通信チャネル108を介して、データ/制御信号を伝送/受信するための、さらなる非量子通信インターフェース125cおよび127cをさらに含んでもよい。
【0133】
第1および第2の量子チャネル104aおよび106aは、
図1a~1bおよび1d~4bを参照して記載され、かつ/または本明細書に記載されるQKDプロトコルに必要とされる。衛星QKDシステム120において、第1および第2の量子チャネル104aおよび106aは、限定されるものではないが、例えば、それぞれ、衛星122aと第1および第2の受信地上局124bおよび124cとの間の自由空間光量子チャネルであり得る。衛星122aの量子通信インターフェース126は、これらに限定されるものではないが、例えば、衛星光送受信機、衛星光学望遠鏡送信機/受信機、光量子送受信機126、および/または用途に応じた任意の他の任意の量子送受信機であり得る。衛星光送受信機は、例としてのみで、限定されるものではないが、衛星光学望遠鏡送信機、レーザ、ビーコンレーザ、ダウンリンクレーザ、ダウンリンクビーコンレーザ、弱いコヒーレントパルス源、および/または対応する光レーザ伝送コンポーネントなどの機能性を含み得る。第1および第2の非量子通信チャネル104bおよび106bは、限定されるものではないが、例えば、衛星122aと第1および第2の地上受信局124bおよび124cとの間の衛星光および/または衛星無線通信チャネルであり得る。第1の地上受信局124bおよび第2の地上受信局124cの量子通信インターフェース125aおよび127aは、それぞれ、限定されるものではないが、例えば、少なくとも光衛星送受信機、もしくは光衛星受信機望遠鏡/送信機望遠鏡など、光受信機望遠鏡、レーザ受信機、ビーコンレーザ受信機、ダウンリンクレーザ受信機、ダウンリンクビーコンレーザ受信機、弱コヒーレントパルス受信機、および/もしくは衛星122aの量子通信インターフェース126によって放出される光子を受信するように構成された任意の好適な量子送受信機、用途に応じるなどしたそれらの組み合わせ、それらの修正態様を含み得る。衛星の非量子通信インターフェース128は、例としてのみで、限定されるものではないが、無線および/もしくは無線衛星通信インターフェース、ならびに/または光衛星通信インターフェースなどを含み得る。
【0134】
地上受信局124bおよび124cの非量子通信インターフェース125bおよび127bは、例としてのみで、限定されるものではないが、対応するラジオおよび/もしくは無線衛星通信インターフェース、ならびに/または衛星122aの非量子通信インターフェース128に関連する光衛星通信インターフェースを含み得る。地上受信局124bおよび124cの非量子通信インターフェース125cおよび127cは、例としてのみで、限定されるものではないが、それらの間に無線および/または有線通信チャネル108を確立するように構成された無線および/または有線通信インターフェース、それらの間に光ファイバー通信チャネル108を確立するように構成された光ファイバー通信インターフェース(例えば、光ファイバー、ダークファイバーなど)、対応する無線および/もしくはラジオ通信インターフェース、光通信インターフェースなど、ならびに/または用途に応じた互いに通信するための任意の他の好適な非量子通信インターフェースを含み得る。
【0135】
したがって、衛星QKDシステム120は、
図1a~1b、1dおよび/または
図1d~4bに記載される本発明によるQKDプロトコル、および/または本明細書に記載される通りなどのそれらの組み合わせ、それらの修正態様を実装するように、かつ/または実装するように動作するように、構成され得る。例えば、QKDプロトコルは、地上受信局124bおよび124c間で共有鍵が必要とされる衛星QKDシステム120によって実装されてもよく、この場合に、本明細書に記載される本発明によるQKDプロトコルを実行するとき、衛星122aは、アリス102aとして動作することができ、第1の地上受信局124bは、ボブ102bとして動作することができ、第2の地上受信局124cは、キャロル102cとして動作することができる。
【0136】
図1cの本発明による例示的な衛星QKDシステム120およびQKDプロトコルは、衛星122aを中間デバイス(例えば、アルス)として使用し、かつ地上局124b(例えば、ボブ)および124c(例えば、キャロル)をそれぞれ第1および第2のデバイスとして使用することについて記載しているが、このことは、例としてのみ
図1cに記載されており、本発明はそのように限定されないが、当業者は、例えば、本発明によるQKDプロトコルを実装し得る多くの変形態様および/またはシステムがあり、例えば、本発明によるQKDプロトコルは、地上局から衛星への反対方向に動作することができ、その場合、衛星の量子通信インターフェースは、限定されるものではないが、例えば、衛星光送受信機、衛星光受信機望遠鏡、光量子送受信機、および/または用途に応じた任意の他の量子送受信機であってもよいことを理解されたい。衛星光送受信機は、例としてのみで、限定されるものではないが、光受信機望遠鏡、レーザ受信機、ビーコンレーザ受信機、アップリンクレーザ受信機、アップリンクビーコンレーザ受信機、弱コヒーレントパルス受信機、および/または対応する光レーザ伝送/受信コンポーネントなどを含み得る。第1および第2の非量子通信チャネルは、限定されるものではないが、例えば、衛星と地上受信局との間の衛星光および/または衛星無線通信チャネルであり得る。地上受信局の量子通信インターフェースは、限定されるものではないが、例えば、少なくとも、光衛星送受信機、または光衛星受信機望遠鏡/送信機望遠鏡など、地上局送信機望遠鏡、レーザ、ビーコンレーザ、アップリンクレーザ、アップリンクビーコンレーザ、弱コヒーレントパルス源、ならびに/または衛星の量子通信インターフェースによる受信のために光子を伝送するように構成された任意の好適な量子送受信機、用途に応じるなどしたそれらの組み合わせ、それらの修正態様を含み得る。衛星の非量子通信インターフェースは、例としてのみで、限定されるものではないが、無線および/もしくは無線衛星通信インターフェース、ならびに/または光衛星通信インターフェースなどを含み得る。
【0137】
図1cの本発明による例示的な衛星QKDシステム120およびQKDプロトコルは、衛星122aを中間デバイス(例えば、アルス)として使用し、地上局124b(例えば、ボブ)および124c(例えば、キャロル)を第1および第2のデバイスとしてそれぞれ使用することについて記載しているが、このことは、例としてのみ
図1cに記載されており、本発明はそのように限定されず、別の例では、中間デバイスは、地上局またはデバイスであってもよく、第1のデバイスおよび第2のデバイスは、本発明によるQKDプロトコルを使用して地上局から配送された暗号鍵を必要とする衛星であってもよい。この場合、第1の量子通信チャネルは、自由空間光量子通信チャネルであってもよく、第2の量子通信チャネルは、自由空間光量子通信チャネルであり得、第1および第2の通信チャネルは、非量子衛星通信チャネルである。第3の通信チャネルは、衛星間通信チャネルなどであってもよい。
【0138】
図1dは、
図1a~1cおよび/または
図2a~4bを参照して記載される本発明によるQKDプロトコル、本明細書に記載され、および/または用途に応じた、それらの組み合わせ、それらの修正態様を実装するための、例示的な地上QKDシステム130の概略図である。簡単にするために、
図1aおよび1bの参照符号が、同じおよび/または類似の構成要素に使用され得る。この例では、地上QKDシステム130は、光中間デバイス132aと、第1および第2の光学デバイス132bおよび132cと、を含む。光中間デバイス132aは、限定されるものではないが、例えば、それぞれ対応する光ファイバーおよび/または光ファイバーネットワーク134aおよび134bを介して、第1および第2の光デバイス132bおよび132cと通信可能に結合されている。光中間デバイス132aは、第1の光デバイス132bとともに、第1の光ファイバー量子チャネル104aを介してデータを確立および/または伝送/受信するように構成されている。同様に、光中間デバイス132aは、第2の光デバイス132bとともに、第2の光ファイバー量子チャネル106aを介してデータを確立および/または伝送/受信するように構成されている。加えて、光中間デバイス132aは、第1の光デバイス132bとともに、第1の光ファイバーチャネル104bを介してデータを確立および/または伝送/受信するように構成されている。光中間デバイス132aは、第2の光デバイス132bとともに、第2の光ファイバーチャネル106bを介してデータを確立および/または伝送/受信するように構成されている。さらに、第1および第2の光学デバイス132bおよび132cは、互いに、第3の通信チャネル108を介してデータを確立および/または伝送/受信するように構成されている。第3の通信チャネルは、限定されるものではないが、例えば、有線および/もしくは無線通信チャネル、光通信チャネル、光ファイバー通信チャネル、ならびに/または任意の他の好適な非量子通信チャネルを含み得る。
【0139】
光中間デバイス132aは、限定されるものではないが、例えば、
図1a~1cを参照して記載されるQKDプロトコルを実装するように構成された中間デバイス102a、および/または
図2a~4bを参照して記載されるQKDプロトコル、本明細書に記載される通りなどのそれらの組み合わせ、それらの修正態様を実装するための他の中間デバイスを実装するための、構成部分、装置、および/または機能性を含み得る。さらに、第1および第2の光デバイス132bおよび132cの各々は、
図1a~1bおよび/または
図1d~4bを参照して記載されるQKDプロトコル、本明細書に記載される通りなどのそれらの組み合わせ、それらの修正態様を実行するために、第1のデバイス102b(例えば、ボブ102b)と関連付けられた機能性および/または第2のデバイス102c(例えば、キャロル102c)と関連付けられた機能性を実装するための構成部分、装置、および/または機能性を含み得る。
【0140】
したがって、地上QKDシステム130は、
図1a~1cおよび/または
図2a~4bに記載される本発明によるQKDプロトコル、および/または本明細書に記載される通りなどのそれらの組み合わせ、それらの修正態様を実装するように、かつ/または実装するように動作するように、構成され得る。例えば、QKDプロトコルは、第1および第2の光学デバイス132bおよび132c間で共有鍵が必要とされる地上QKDシステム130によって実装されてもよく、この場合に、本明細書に記載される本発明によるQKDプロトコルを実行するとき、光中間デバイス132aは、アリス102aとして動作することができ、第1の光デバイス132bは、ボブ102bとして動作することができ、第2の光デバイス132cは、キャロル102cとして動作することができる。
【0141】
代替的または追加的に、QKDプロトコルは、限定されるものではないが、例えば、互いに通信する複数の地上ネットワークデバイスおよび複数のユーザデバイスを有する任意のタイプの地上QKDシステムとともに使用されてもよい。各地上ネットワークデバイスは、中間デバイス102aの機能性を有する構成要素および/または装置を含み、各ユーザデバイスは、第1および/または第2のデバイス102bおよび102cの機能性を含む。例えば、第1のユーザデバイスは、ボブ102bのQKDプロトコル機能性を含んでもよい一方、第2のユーザデバイスは、キャロル102cのQKDプロトコル機能性を含む。代替的または追加的に、第1のユーザデバイスは、ボブ102bとキャロル102cとの両方のQKDプロトコル機能性を含んでもよく、第2のユーザデバイスは、ボブ102bとキャロル102cとの両方のQKDプロトコル機能性を含んでもよい。これは、本発明によるQKDプロトコルの実装中に、第1のユーザデバイスがボブ102bの役割を引き受けることができ、第2のユーザデバイスがキャロル102cの役割を引き受けることができ、および/またはその逆であるためである。さらに、第1および第2のユーザデバイスは、地上ネットワークデバイスから量子チャネルを介して伝送されたデータを受信するように構成されている。加えて、第1および第2のユーザデバイスは、限定されるものではないが、1つ以上の古典的または非量子通信チャネルを介してデータを受信および伝送するように構成されていてもよい。例えば、第1のユーザデバイスは、限定されるものではないが、例えば、光ファイバーチャネル(例えば、光ファイバーおよび/またはダーク光ファイバー)によって地上ネットワークデバイスにリンクされてもよく、同様に、第2のユーザデバイスは、限定されるものではないが、例えば、別の光ファイバーチャネル(例えば、光ファイバーまたはダークファイバー)によって、地上ネットワークにリンクされてもよい。第1のユーザデバイスおよび第2のユーザデバイスの各々は、限定されるものではないが、例えば、光ファイバーを使用して、標準的光ファイバー通信チャネルを介してデータを受信および伝送しながら、光ファイバーを介した地上ネットワークデバイスからの量子光ファイバーチャネルを介してデータを受信するように構成されていてもよい。
【0142】
例えば、QKDプロトコルは、限定されるものではないが、例えば、中間デバイスが地上通信装置であってもよく、第1のデバイスおよび第2のデバイスがまた、地上デバイスであってもよい地上QKDシステムで使用されてもよく、この場合に、第1の量子通信チャネルは、自由空間光量子通信チャネルであり、第2の量子通信チャネルは、自由空間光量子通信チャネルであり、第1および第2の通信チャネルは、古典的または標準的地上通信チャネルである。代替的に、第1および第2の通信チャネルは、任意の標準的通信チャネルであってもよい。第3の通信チャネルはまた、標準的通信チャネルなどであってもよい。
【0143】
別の例では、QKDプロトコルは、限定されるものではないが、例えば、中間デバイスが地上通信装置であり、第1のデバイスおよび第2のデバイスが地上デバイスである地上QKDシステムで使用されてもよく、この場合に、第1の量子通信チャネルは、自由空間光量子通信チャネルであり、第2の量子通信チャネルは、光ファイバー量子通信チャネルであり、第1および第2の通信チャネルは、標準的通信チャネルおよび/または地上通信チャネルである。第3の通信チャネルは、標準的通信チャネルなどであってもよい。
【0144】
QKDプロトコルは、
図1cおよび1dを参照して記載され、かつ/または本明細書で記載される衛星QKDシステム120または地上システム130を使用して実行されると記載され得るが、これは例としてのみで、本発明はそのように限定されず、
図1a~1d、2a~4bを参照して記載されるQKDプロトコル、および/または本発明によるQKDプロトコル、本明細書に記載される通りや、用途に応じるなどした、それらの組み合わせ、それらの修正態様を実装するために、中間デバイスならびに第1および第2の通信デバイスが、用途に応じるなどした1つ以上の量子通信チャネルおよび1つ以上の非量子/古典的通信チャネルを介して通信するように適合されるか、通信することができるか、または通信するように構成される限り、少なくとも第1の通信デバイスおよび第2の通信デバイスと通信する任意のタイプの装置または中間デバイスにQKDプロトコルが実装されてもよいことを当業者は理解されたい。
【0145】
図2aおよび2bは、中間デバイス、第1のデバイス、および第2のデバイスによって実行されている本発明による例示的なQKDプロトコルプロセス200を例示する流れ図であり、この場合に、第1のデバイスおよび第2のデバイスは共有鍵を必要とする。QKDプロトコルは、中間デバイスが第1および第2のデバイスの各々に秘密シンボルを提供することを可能にするように構成されているが、第1および第2のデバイス間で共有鍵を生成するために使用される共通の共有秘密に関する情報を中間デバイスに公開しない。このことは、中間デバイスが完全に信頼される必要はないという利点を提供する。それにもかかわらず、中間デバイスは、1つ以上の乱数生成器を使用して、第1および第2のデバイスに対する1つ以上の秘密シンボルを生成する際に使用し、および/または量子変調などのための基底のセットから基底をランダムに選択するためのランダムなシンボルまたはビットを生成することができる限りにおいてのみ、信頼できる。さらに、第1および第2のデバイスの各々はまた、量子復調などのための基底のセットから1つ以上の基底をランダムに選択することができる乱数生成器を必要とする。いずれにせよ、中間デバイス、第1および第2のデバイスは、QKDプロトコルプロセス200を実装するために必要とされる構成部分および/または装置などを含むものとする。
【0146】
QKDプロトコルプロセス200は、限定されるものではないが、例えば、各シンボルがnビットを表すM-aryシンボル方式を使用して一般化および記述されてもよく、したがって、n≧1に対してM=2n個の異なるシンボルが存在する。バイナリシンボルは、n=1の場合に発生し、この場合に、各シンボルが、限定されるものではないが、例えば「1」または「0」によって表されるバイナリビットを表す、M=2個の異なるシンボルがある。シンボル文字列またはストリームは、一連のシンボルを含むか、または表す。例えば、n=2の場合には、4つのシンボル(例えば、S1、S2、S3、S4)があり、各々が、2ビットを表し、10個のランダムなシンボルの文字列は、限定されるものではないが、例えば、{S1、S2、S3、S2、S3、S1、S4、S3、S2、S3}などの一連のシンボルとして表され得る。n=1の場合、ビット文字列またはストリームは、一連のビットを含むか、または表し、例えば、14ビットの文字列は、限定されるものではないが、一連のビット、例えば、{「1」,「0」,「1」,「0」,「1」,「0」,「1」,「0」,「1」,「1」,「0」,「0」,「1」,「1」}として表され得、10101010110011としても表され得る。
【0147】
簡単にするために、QKDプロトコル200の一般的なステップについて、限定されるものではないが、例えば、バイナリシンボルを使用した、すなわち、各シンボルが、限定されるものではないが、例えば「1」または「0」によって表されるバイナリビットを表す、n=1で、M=2個の異なるシンボルが存在する場合の、QKDプロトコルの簡単な例示的な実装態様を参照して記載する。簡単な例について、中間デバイスは、アリス(例えば、A)と呼ばれ、第1のデバイスは、ボブ(例えば、B)と呼ばれ、第2のデバイスは、キャロル(例えば、C)と呼ばれる。表1は、限定されるものではないが、例えば、第1および第2の量子通信チャネルを介して伝送/受信される秘密ビット(例えば、信号ビット)を変調/復調するためにアリス、ボブおよびキャロルによって使用される、直線基底および対角基底を含む、例示的な基底のセット例を例示している。
【表1】
【0148】
表のシンボルは、4つの可能な状態のうちの1つの光子偏光を生成するための、(慣例による)信号ビットまたはビットおよび基底の同意された変調を示すことに留意されたい。同じ基底で測定された場合、対応するビット値が送信されたビットの信号ビット値と同じである同じ状態が、受信されるはずである。異なる基底で測定された場合、ほぼ等しい可能性で、いずれかの可能な偏光の不確定な結果(例えば「?」)が受信されることとなる。
【0149】
QKDプロセス200は、以下のステップを含み得る。
【0150】
ステップ201において、中間デバイスによって、第1のデバイスに、第1の量子チャネルを介して、第1の秘密シンボル文字列またはストリームを送信または伝送する。第1の秘密シンボル文字列の各シンボルは、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される。第1の秘密シンボル文字列は、ランダムシンボル生成器などを使用して、中間デバイスによって生成される。
【0151】
例えば、アリス(例えば、中間デバイス)は、以下に基づいて、ボブ(例えば、第1のデバイス)のランダムな秘密ビット文字列を生成する。
【数1】
【0152】
ランダムに生成されたビット文字列01101001は、ボブに送信するための第1の秘密ビット文字列として、アリスによって使用される。アリスは、以下をもたらす、第1の秘密ビット文字列の各ビットに対して、基底のセット(直線基底または対角基底)から基底をランダムに選択することに基づいて、第1の秘密ビット文字列01101001を送信する。
【数2】
【0153】
したがって、第1の秘密ビット文字列の各ビットは、このランダムに選択された基底のセットの対応する基底状態によって変調され、アリスは、第1の量子チャネルを介して以下の光子偏光をボブに送信する。
【数3】
【0154】
ボブ(例えば、第1のデバイス)は、変調された第1の秘密ビットストリームを受信し、受信された第1の秘密ビット文字列を復調し、この場合に、受信された各第1の秘密ビットは、基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して復調される。この例では、簡単にするために、量子チャネルは、ほぼ損失なしであるものとしているため、本質的にボブは、すべてのビットを「正常に」受信するが、ボブが基底のセットから基底をランダムに選択するため、必ずしも各ビットに正しい基底を使用するとは限らない可能性がある。ボブのランダムな測定基底は、以下である。
【数4】
【0155】
したがって、ボブは、以下の光子偏光を測定する。
【数5】
【0156】
この例では、すべてのビットが、正常に受信され、すなわち、4つの可能な光子偏光(または基底状態)のうちの1つとして正常に測定される。このことは、ボブがビットのセット00101011を「正常に」受信することをもたらす。実際には、量子チャネルの損失(例えば、大気損失など)に起因して、ビットの受信に失敗する可能性があって、これらは、検出されることとなり、その理由は、復調器の出力または測定が、光子偏光などを判定するための、予想される光子偏光も、検出可能なしきい値を下回る測定値も、いずれも示さないが、受信に失敗したビットは、除外され、QKDプロトコルの残りの部分は、受信に成功したビットおよびそのビット位置などに焦点を合わせることになるためである。
【0157】
基底のセットは、中間デバイス、第1のデバイス、および第2のデバイスによって使用される同じ基底のセットであることに留意されたい。基底のセットは、各基底が少なくとも2つの基底状態を含む、少なくとも2つの基底を含み、この場合に、各基底の少なくとも2つの基底状態が、直交し、当該各基底の少なくとも2つの基底状態が、基底のセットの別の基底の少なくとも2つの基底状態に対して直交していない。
【0158】
一例として、基底のセットは、2つの基底を含んでもよく、基底のセットの各基底は、2つの基底状態を含んでもよい。代替的または追加的に、量子チャネルを介した伝送のためにビットを変調するための基底のセットは、限定されるものではないが、例えば、直線基底、対角基底、球面基底、円基底、角度基底、および2つの基底状態を含む任意の他のタイプの基底の群からの少なくとも2つの基底を含んでもよい。
【0159】
さらなる例として、量子チャネルは、限定されるものではないが、例えば、光量子チャネルであってもよく、基底のセットは、限定されるものではないが、例えば、直線光子/光偏光基底、対角光子/光偏光基底、球面光子/光偏光基底、および2つの基底状態を含む任意の他のタイプの光子/光基底の群からの少なくとも2つの基底を含んでもよい。
【0160】
ステップ202において、中間デバイスによって、第1のデバイスに、第1の通信チャネルを介して、第1の基底セットを送信または伝送する。第1の基底セットは、第1の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む。
【0161】
この例では、アリス(例えば、中間デバイス)は、以下の基底セットをボブ(例えば、第1のデバイス)に送信する。
【数6】
【0162】
ステップ203において、中間デバイスによって、第2のデバイスに、第2の量子チャネルを介して、第2の秘密シンボル文字列を送信または伝送する。第2の秘密シンボル文字列の各シンボルは、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される。
【0163】
例えば、アリス(例えば、中間デバイス)は、以下に基づいて、キャロル(例えば、第2のデバイス)のためのランダムな秘密ビット文字列を生成する。
【数7】
【0164】
ランダムに生成されたビット文字列10100100は、キャロルに送信するための第2の秘密ビット文字列として、アリスによって使用される。アリスは、以下をもたらす、第2の秘密ビット文字列の各ビットに対して、基底のセット(直線基底または対角基底)から基底をランダムに選択することに基づいて、第2の秘密ビット文字列10100100を送信する。
【数8】
【0165】
したがって、第2の秘密ビット文字列の各ビットは、このランダムに選択された基底のセットの対応する基底状態によって変調され、アリスは、第2の量子チャネルを介して以下の光子偏光をキャロルに送信する。
【数9】
【0166】
キャロル(例えば、第2のデバイス)は、変調された第2の秘密ビットストリームを受信し、受信された第2の秘密ビット文字列を復調し、この場合に、受信された各第2の秘密ビットは、基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して復調される。キャロルのランダムな測定基底は、以下である。
【数10】
【0167】
したがって、キャロルは、以下の光子偏光を測定する。
【数11】
【0168】
この例では、すべてのビットが、正常に受信され、すなわち、4つの可能な光子偏光(または基底状態)のうちの1つとして正常に測定される。このことは、キャロルがビットのセット10100000を「正常に」受信することをもたらす。
【0169】
ステップ204において、中間デバイスによって、第2のデバイスに、第2の通信チャネルを介して、第2の基底セットを送信または伝送する。第2の基底セットは、第2の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む。
【0170】
この例では、アリス(例えば、中間デバイス)は、以下の基底セットをキャロル(例えば、第2のデバイス)に送信する。
【数12】
【0171】
ステップ205において、中間デバイスによって、第1および第2の秘密シンボル文字列を組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成する。例えば、第1および第2の秘密文字列を組み合わせることに基づいて、第3のビット文字列を生成することは、限定されるものではないが、例えば、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、OTP暗号化演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、第2の秘密シンボル文字列を使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上の処理演算をさらに含んでもよい。
【0172】
例えば、アリス(例えば、中間デバイス)は、第1の秘密ビット文字列と第2の秘密ビット文字列とのXORに基づいて、第3のビット文字列を生成する(例えば、01101001 XOR 10100100=11001101)。アリスによって生成された第3のビット文字列は、11001101である。
【0173】
ステップ206において、中間デバイスによって、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第3のシンボル文字列を表すデータを送信または伝送する。
【0174】
例えば、アリス(例えば、中間デバイス)は、以下に基づいて、キャロル(例えば第2のデバイス)に、第2の通信チャネルを介して、第3のビット文字列を送信する。
【数13】
【0175】
ステップ207において、第1のデバイスによって、受信された第1の基底セットを使用して、第1の受信された秘密シンボルのセットを判定する。第1の受信された秘密シンボルのセットは、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列のシンボルを含む。
【0176】
例えば、ボブ(例えば、第1のデバイス)は、ステップ202で受信された受信された第1の基底セットを使用して、第1の受信された秘密ビットのセットを判定する。第1の受信された秘密ビットのセットは、受信された第1の基底セットと比較して、ボブが有効かつ正常に受信したそれらのビットである。この場合、ボブは、受信された成功ビットが以下を含むと判定する。
【数14】
この場合に、「.」は、ボブが正しい基底で正しく測定または復調しなかった無効なビットを示す。
【0177】
ステップ208において、第2のデバイスによって、受信された第2の基底セットを使用して、第2の受信された秘密シンボルのセットを判定する。第2の受信された秘密シンボルのセットは、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列のシンボルを含む。
【0178】
例えば、キャロル(例えば、第2のデバイス)は、ステップ204で受信された受信された第2の基底セットを使用して、第2の受信された秘密ビットのセットを判定する。第2の受信された秘密ビットのセットは、受信された第2の基底セットと比較して、キャロルが有効かつ正常に受信したそれらのビットである。この場合、キャロルは、受信された成功ビットが以下を含むと判定する。
【数15】
この場合に、「.」は、キャロルが正しい基底で正しく測定または復調しなかった、受信に失敗したビットまたは無効なビットを示す。
【0179】
ステップ209において、第2のデバイスによって、第2の受信された秘密シンボルのセットを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成する。第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルは、第1のシンボル文字列の1つ以上のシンボルに対応する。
【0180】
例えば、第2のデバイスが第4のシンボル文字列を生成することは、限定されるものではないが、例えば、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列および第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列および第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列および第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上の処理演算をさらに含んでもよい。
【0181】
例えば、キャロル(例えば、第2のデバイス)は、受信された第3のビット文字列と第2の受信された秘密ビットのセットとのXOR(例えば、11001101 XOR 1.100..0)に基づいて、第4のビット文字列を生成する。キャロルによって生成された第4のビット文字列は、0.101..1である。
【0182】
ステップ210において、第1のデバイスおよび第2のデバイスによって、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵または共有暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける第4のシンボルのセットと、に基づいて、第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行する。
【0183】
例えば、ボブ(例えば、第1のデバイス)およびキャロル(例えば、第2のデバイス)は、キャロルによって生成された第4のビット文字列と、ボブによって正常に受信された第1の受信されたビットのセットと、を表すデータを含む基底一致情報を伝達する。この基底一致情報は、第1および第2の秘密ビット文字列中の特定のビット位置にあるビットが正常かつ有効に受信されたという表示を除いて、基底状態および/または受信されたビットに関する情報を含まないことに留意されたい。例えば、ボブおよびキャロルは、次に基づいて、以下の基底一致情報を交換する。
【数16】
【0184】
この情報に基づいて、ボブとキャロルとの両方は、ボブおよびキャロルがどのビットを正常かつ有効に受信したかをアリスが知らずに、正常かつ有効に受信されたそれらのビットを判定し得る。したがって、ボブおよびキャロルは、上記の受信されたビットのセットを比較し、一致するビットのみを使用することによって、共通のビットのセットを計算することができ、これにより、以下の共通のビット位置のセットがもたらされる。
【数17】
【0185】
キャロルは、一致するビット位置のセットからの対応する共通の一致するビット位置を有する第4のビット文字列のビットのみを使用することに基づいて、共通のビットのセットを計算する。同様に、ボブは、一致するビット位置のセットからの対応する共通の一致するビット位置を有する第1の受信されたビットのセット中のビットのみを使用することに基づいて、共通のビットのセットを計算する。これにより、キャロルおよびボブにおいて同じであるビットの共通セットがもたらされ、これは、以下である。
【数18】
【0186】
第1の通信チャネルは、限定されるものではないが、例えば、中間デバイスと第1のデバイスとの間に形成された古典的または非量子通信チャネルに基づき得る。第2の通信チャネルは、限定されるものではないが、例えば、中間デバイスと第2のデバイスとの間に形成された古典的または非量子通信チャネルに基づき得る。第3の通信チャネルは、限定されるものではないが、例えば、第1のデバイスと第2のデバイスとの間に形成または確立された古典的または非量子通信チャネルに基づき得る。
【0187】
一例として、上記の例示的なQKDプロトコルプロセス200は、各シンボルがn>=1についての、2nのバイナリビットを表す場合のものである。各シンボルがn=1についてのバイナリビットを表す場合、QKDプロトコルプロセス200のステップは、以下のこと、すなわち、第1のデバイスに、第1の量子チャネルを介して、第1の秘密ビット文字列を伝送することであって、第1の秘密ビット文字列の各ビットが、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される、伝送することと、第1のデバイスに、第1の通信チャネルを介して、第1の基底セットを伝送することであって、第1の基底セットが、第1の秘密ビット文字列の各ビットを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む、伝送することと、第2のデバイスに、第2の量子チャネルを介して、第2の秘密ビット文字列を伝送することであって、第2の秘密ビット文字列の各ビットが、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される、伝送することと、第2のデバイスに、第2の通信チャネルを介して、第2の基底セットを伝送することであって、第2の基底セットが、第2の秘密ビット文字列の各ビットを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む、伝送することと、第1および第2の秘密ビット文字列を組み合わせることに基づいて第3のビット文字列を生成することと、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第3のビット文字列を表すデータを伝送することと、に基づき得る。
【0188】
第1のデバイスおよび第2のデバイスは、第1のデバイスが、受信された第1の基底セットを使用して、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子チャネルを介して伝送された第1の秘密ビット文字列のビットを含む第1の受信された秘密ビットのセットを判定することと、第2のデバイスが、受信された第2の基底セットを使用して、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子チャネルを介して伝送された第2の秘密ビット文字列のビットを含む第2の受信された秘密ビットのセットを判定することと、第2のデバイスが、第2の受信された秘密ビットのセットを受信された第3のビット文字列と組み合わせることに基づいて、第4のビットのセットを生成することであって、第4のビットのセットの1つ以上のビットが、第1のビット文字列の1つ以上のビットに対応する、生成することと、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するための篩処理されたビットの共通のセットを生成するために、第1のデバイスおよび第2のデバイスが、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密ビットのセットと、第2のデバイスにおける第4のビットのセットと、に基づいて、間の第3の通信チャネルを介してビットふるい処理演算を実行することと、に基づいて、量子鍵交換を実行する。
【0189】
QKDプロトコルプロセス200は、中間デバイスと第1および第2のデバイスとの間のインタラクションを最小化することが分かり、このことは、中間デバイスが、第1および第2のデバイスがどのような秘密シンボルを有効に受信したかと関連付けられた情報をほとんど受信しないことを意味し、このことは、中間デバイスと情報を共有するQKDプロトコルよりも高いレベルの安全性をもたらし得る。ただし、このトレードオフは、典型的には、ふるい処理されたシンボルの共通セットを生成することと、その後のふるい処理されたシンボルの共通セットを使用した暗号鍵の形成と、に使用され得る実行可能なシンボルの信頼性および/または数の低減を犠牲にする。QKDプロトコルプロセス200の信頼性および/または実行可能なシンボルは、第1および第2のデバイスに、第1および第2のデバイスにおける正常に受信されたシンボルと関連付けられた「少量」の情報(例えば、正常に受信されたシンボル位置)を中間デバイスと共有させることによって、証明可能安全であり、かつQKDプロトコルプロセス200の安全性に影響を与えずに、さらに改善され得る。
【0190】
図2c、2d、および2eは、本発明による別の例示的なQKDプロトコルプロセス220を示す流れ図であり、
図2aおよび2bを参照して記載されるQKDプロトコル200の信頼性が、さらに改善される。QKDプロトコル220は、
図2aおよび2bのQKDプロトコル200に基づくが、さらなる修正および/または追加のステップを伴う。
図2aおよび2bを参照して記載されるように、QKDプロトコルプロセス220はまた、中間デバイス、第1のデバイス、および第2のデバイスによって実行される。QKDプロトコル220は、
図2aおよび2bを参照して記載されるように、中間デバイスが、QKDプロトコルプロセス200に関連して、より信頼できるか、またはロバストな様式で、第1および第2のデバイスの各々に秘密シンボルを提供することを可能にするように構成されている。
図2c、2d、および2eを参照すると、QKDプロトコル220は、以下のステップのうちの1つ以上を含む。
【0191】
ステップ221において、中間デバイスによって、第1のデバイスに、第1の量子チャネルを介して、第1の秘密シンボル文字列を送信または伝送する。第1の秘密シンボル文字列の各シンボルは、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される。
【0192】
ステップ222において、第1のデバイスによって、中間デバイスに、第1の通信チャネルを介して、受信された第1の秘密シンボル文字列の正常に受信されたシンボルと関連付けられた第1のシンボル位置のセットを送信または伝送する。第1のシンボル位置のセットは、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子通信チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第1の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを含む。
【0193】
ステップ223において、中間デバイスによって、第1のデバイスに、第1の通信チャネルを介して、第1の基底セットを送信または伝送する。第1の基底セットは、中間デバイスによって判定され、受信された第1のシンボル位置のセットに対応する第1の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む。
【0194】
第1の基底セットを第1のデバイスに伝送する前に、中間デバイスは、第1のデバイスから、第1の通信チャネルを介して、第1のデバイスによって正常に受信された第1の量子通信チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第1の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを含む第1のシンボル位置のセットを受信する。
【0195】
ステップ224において、中間デバイスにおいて、受信された第1のシンボル位置のセットに対応する第1の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルに基づいて、第1のシンボルのセットを生成する。受信された第1のシンボル位置のセットは、第1のデバイスによって正常に受信された第1の秘密のシンボル文字列からのシンボルのシンボル位置を表すデータを含む。
【0196】
ステップ225において、中間デバイスによって、第2のデバイスに、第2の量子チャネルを介して、第2の秘密シンボル文字列を送信または伝送する。第2の秘密シンボル文字列の各シンボルは、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される。
【0197】
ステップ226において、第2のデバイスによって、中間デバイスに、第2の通信チャネルを介して、第2のシンボル位置のセットを送信または伝送する。第2のシンボル位置のセットは、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子通信チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第2の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを含む。
【0198】
ステップ227において、中間デバイスによって、第2のデバイスに、第2の通信チャネルを介して、第2の基底セットを送信または伝送する。第2の基底セットは、受信された第2のシンボル位置のセットに対応する第2の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルの各々を変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む。
【0199】
第2の基底セットを第2のデバイスに伝送する前に、中間デバイスは、第2のデバイスから、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスによって正常に受信された第2の量子通信チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第2の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを含む第2のシンボル位置のセットを受信する。
【0200】
ステップ228において、中間デバイスにおいて、受信された第2のシンボル位置のセットに対応する第2の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルに基づいて、第2のシンボルのセットを生成する。受信された第2のシンボル位置のセットは、第2のデバイスによって正常に受信された第2の秘密のシンボル文字列からのシンボルのシンボル位置を表すデータを含む。
【0201】
ステップ229において、中間デバイスによって、第1の秘密シンボルのセットと第2の秘密シンボルのセットとを組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成する。第1の秘密シンボルのセットは、ステップ224において第1の秘密シンボル文字列から導出される。第2の秘密シンボルのセットは、ステップ228において第2の秘密シンボル文字列から導出される。第3のシンボル文字列を生成する中間デバイスは、限定されるものではないが、例えば、1)第1のビットのセットおよび第2のビットのセットを表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することであって、第1のビットのセットが、第1のシンボルのセット中のシンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいており、第2のビットのセットが、第2のシンボルのセット中のシンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいている、生成すること、2)第1のシンボルのセットおよび第2のシンボルのセットを表すデータを使用して、拡張XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することであって、拡張XOR演算が、ビット単位のXOR演算の特性を保存するように構成されている、生成すること、3)少なくとも部分的に、第1のシンボルのセットおよび第2のシンボルのセットを表すデータを使用して、ワンタイムパッド(OTP)演算を実行することに基づいて、第3のビット文字列を生成すること、および/または4)第2のシンボルのセットを使用して、第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルを難読化、マスキング、暗号化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することであって、第2のデバイスが、受信された第2のシンボル文字列の正常に受信されたシンボルに文字列に基づいて、これらの演算を反転することができる、生成すること、の群からの1つ以上の組み合わせ演算または処理演算をさらに含み得る。
【0202】
ステップ230おいて、中間デバイスによって、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第3のシンボル文字列を表すデータを送信または伝送する。
【0203】
ステップ231において、第1のデバイスによって、受信された第1の基底セットを使用して、第1の受信された秘密シンボルのセットを判定する。第1の受信された秘密シンボルのセットは、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列のシンボルを表すデータを含む。
【0204】
ステップ232において、第2のデバイスによって、受信された第2の基底セットを使用して、第2の受信された秘密シンボルのセットを判定する。第2の受信された秘密シンボルのセットは、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列のシンボルを表すデータを含む。
【0205】
ステップ233において、第2のデバイスによって、ステップ232において生成された第2の受信された秘密シンボルのセットを、受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成する。第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルは、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルに対応する。
【0206】
第4のシンボル文字列を生成する第2のデバイスは、限定されるものではないが、例えば、1)第2の受信された秘密シンボルのセットおよび受信された第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成すること、2)第2の受信された秘密ビットのセットおよび受信された第3のビット文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することであって、第2の受信された秘密ビットのセットが、第2の受信された秘密シンボルのセット中のシンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいており、受信された第3のビット文字列が、受信された第3のシンボル文字列中のシンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいている、生成すること、3)受信された第2の秘密シンボルのセットおよび受信された第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、拡張XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することであって、拡張XOR演算が、ビット単位のXOR演算の特性を保存するように構成されている、生成すること、4)受信された第2の秘密シンボルのセットおよび第3の秘密シンボル文字列を使用して、OTP復号化演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成すること、5)第2の受信された秘密シンボルのセットおよび第3のシンボル文字列を使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを判定/抽出することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成すること、の群からの1つ以上の処理演算をさらに含み得る。
【0207】
ステップ234において、第1のデバイスおよび第2のデバイスによって、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける第4のシンボルのセットと、に基づいて、第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行する。シンボルふるい処理演算はまた、受信された第1および第2の基底セットに基づき得る。
【0208】
例えば、第1のデバイスは、第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成する。第1の一致する基底セットは、第1のシンボルのセットのシンボルを伝送するために使用された受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する第1の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第1のデバイスが使用したすべての基底状態を含む。第1のデバイスは、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第1の一致する基底セットを表すデータを送信する。第2のデバイスは、第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第2の一致する基底セットを形成する。第2の一致する基底セットは、第2のシンボルのセットの当該シンボルを伝送するために使用された受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する第2の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第2のデバイスが使用したすべての基底状態を含む。第2のデバイスは、第3の通信チャネル介して、第1のデバイスに、第2の一致する基底セットを表すデータを送信する。
【0209】
別の例では、第1のデバイスによって、第1の受信された秘密シンボルのセットおよび受信された第1の基底セットに基づいて、第1の基底フラグセットを生成する。第1の基底フラグセットは、第1の受信された秘密シンボルのセットの各有効および無効なシンボルの表示を表すデータを含む。第1の基底フラグセットは、受信された第1の基底セットを、第1の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられたシンボルを復調するために第1のデバイスによって使用された基底セットと比較することに基づいて、判定される。第1のデバイスから、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第1の基底フラグセットを表すデータを送信する。第2のデバイスによって、第2の受信された秘密シンボルのセットおよび受信された第2の基底セットに基づいて、第2の基底フラグセットを生成する。第2の基底フラグセットは、第2の受信された秘密シンボルのセットの各有効および無効なシンボルの表示を表すデータを含む。第2の基底フラグセットは、受信された第2の基底セットを、第2の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられたシンボルを復調するために第2のデバイスによって使用された基底セットと比較することに基づいて、判定される。第2のデバイスから、第3の通信チャネルを介して、第1のデバイスに、第2の基底フラグセットを表すデータを送信する。
【0210】
ステップ235において、第1のデバイスによって、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成する。
【0211】
例えば、ステップ234において第1および第2の一致する基底セットが形成される場合、第1のデバイスは、第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第1の一致する基底セット中の対応する基底は、受信された第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なる。
【0212】
例えば、ステップ234において第1および第2の基底フラグセットが形成される場合、第1のデバイスは、第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第1の基底フラグセット中の対応する表示は、受信された第2の基底フラグセット中の対応する表示とは異なる。
【0213】
ステップ236において、第2のデバイスによって、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成する。
【0214】
例えば、ステップ234において第1および第2の一致する基底セットが形成される場合、第2のデバイスは、第4の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、受信された第1の一致する基底セット中の対応する基底は、第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なる。
【0215】
例えば、ステップ234において第1および第2の基底フラグセットが形成される場合、第2のデバイスは、第4の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第2の基底フラグセット中の対応する表示は、受信された第1の基底フラグセット中の対応する表示とは異なる。
【0216】
ステップ237において、第1および第2のデバイスは、第1および第2のふるい処理シンボルの共通のセットに関連して第1および第2のデバイスの間の第3の通信チャネルを使用して誤り検出、訂正、および/またはプライバシー増幅を実行して、第1および第2のデバイスの両方においてふるい処理シンボルの共通のセットを取得する。
【0217】
ステップ238において、第1および第2のデバイスの各々において、ふるい処理されたシンボルの共通のセットを使用して、最終的な暗号鍵を形成し、この場合に、第1のデバイスにおける最終的な暗号鍵は、第2のデバイスにおける最終的な暗号鍵と同じである。
【0218】
第1の量子チャネル、第2の量子チャネル、第1の通信チャネル、第2の通信チャネル、および/または第3の通信チャネルのうちの1つ以上を介した通信は、限定されるものではないが、例えば、用途に応じるなどした対応する中間デバイス、第1のデバイス、および/または第2のデバイスの間で事前共有された鍵を用いた暗号化された通信であり得る。代替的または追加的に、第1の量子チャネル、第2の量子チャネル、第1の通信チャネル、第2の通信チャネル、および/または第3の通信チャネルのうちの1つ以上を介した通信は、限定されるものではないが、例えば、用途に応じるなどした対応する中間デバイス、第1のデバイス、および/または第2のデバイスの間で事前共有された認証および/または暗号鍵を用いた認証かつ/または暗号化された通信であり得る。
【0219】
図3aおよび3bは、
図2a~2eを参照して記載されるQKDプロトコルプロセス200および220を実行している中間デバイスのための例示的な中間QKDプロトコルプロセス300を例示する流れ図である。中間デバイスは、第1のデバイスおよび第2のデバイスとともに、本発明によるQKDプロトコルを実行しているものとする。中間デバイスは、第1のデバイスと第2のデバイスとの間で秘密のシンボルを配送するために、第1のデバイスおよび第2のデバイスと通信する。第1および第2のデバイスは、共有鍵または共有暗号鍵が中間デバイスに未知である場合の配送された秘密シンボルに基づく共有鍵または共有暗号鍵を必要とする。第1のデバイスは、限定されるものではないが、例えば、
図3cおよび3dを参照して記載される第1のデバイスQKDプロセス320に基づいて基づいて、中間デバイスおよび第2のデバイスとともに、本発明によるQKDプロトコルの相互部分を実行する。第2のデバイスは、限定されるものではないが、例えば、
図3eおよび3gを参照して記載される第1のデバイスQKDプロセス340に基づいて、中間デバイスおよび第1のデバイスとともに、本発明によるQKDプロトコルの相互部分を実行する。中間デバイスによって実行される中間QKDプロトコルプロセス300は、以下のステップを含む。
【0220】
ステップ301において、ランダムシンボル生成器などの出力に基づいて、第1の秘密シンボル文字列を生成する。
【0221】
ステップ302において、第1のデバイスに、第1の量子チャネルを介して、第1の秘密シンボル文字列を伝送し、第1の秘密シンボル文字列の各シンボルは、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される。
【0222】
ステップ303において、ランダムシンボル生成器などの出力に基づいて、第2の秘密シンボル文字列を生成する。第2の秘密シンボル文字列は、第1の秘密シンボル文字列とは異なる。
【0223】
ステップ304において、第2のデバイスに、第2の量子チャネルを介して、第2の秘密シンボル文字列を伝送する。第2の秘密シンボル文字列の各シンボルは、基底のセットからランダムに選択された基底状態によって変調される。
【0224】
ステップ305において、第1のデバイスから、第1の通信チャネルを介して、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子通信チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを含む第1のシンボル位置のセットを受信する。
【0225】
ステップ306において、第2のデバイスから、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子通信チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを含む第2のシンボル位置のセットを受信する。
【0226】
ステップ307において、第1の秘密シンボル位置のセットおよび第1の秘密シンボル文字列に基づいて、第1のシンボルのセットを生成する。第1のシンボルセットは、受信された第1のシンボル位置のセットに対応する第1の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルを含む。第1のシンボル位置のセットは、第1のデバイスによって正常に受信された第1の秘密のシンボル文字列からのシンボルのシンボル位置を表すデータを含む。
【0227】
ステップ308において、第2の秘密シンボル位置のセットおよび第2の秘密シンボル文字列に基づいて、第2の秘密シンボルのセットを生成する。第2のシンボルセットは、受信された第2のシンボル位置のセットに対応する第2の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルを含む。第2のシンボル位置のセットは、第2のデバイスによって正常に受信された第2の秘密のシンボル文字列からのシンボルのシンボル位置を表すデータを含む。
【0228】
任意であり得るステップ308aにおいて、第1および/または第2の秘密シンボルのセットを等しくなるように調整する。第1の秘密シンボルのセットの数または長さが、第2の秘密シンボルのセットと異なる場合には、第3のシンボル文字列を生成することは、第1の秘密シンボルのセットおよび/または第2の秘密シンボルのセットの数または長さを等しくなるように調整することをさらに含み得る。このことは、第1および第2の秘密シンボルのセットに保持された第1および/または第2のシンボル位置のセットを調整するか、または相関させることができるように、第1および/または第2のデバイスの両方によっても知られている調整プロトコルに基づき得る。
【0229】
例えば、第1および/または第2の秘密シンボルのセットの調整は、限定されるものではないが、例えば、第1のシンボルのセットの長さが第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、次いで、第2のシンボルのセットを第1のシンボルのセットの長さにトランケートし、第1のシンボルセットとトランケートされた第2のシンボルセットとを組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成する。第2のシンボルのセットの長さがシンボルの第1のセットの長さ未満であると判定することに応答して、次いで、第1のシンボルのセットを第2のシンボルのセットの長さにトランケートする。
【0230】
代替的または追加的に、第1および/または第2の秘密シンボルのセットの調整は、限定されるものではないが、例えば、第1のシンボルのセットの長さが第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、次いで、調整された第2のシンボルのセットの調整された長さが第1のシンボルのセットと同じになるまで、第2のシンボルのセットから同意されたシンボルのセットを削除することによって、第2のシンボルのセットを調整する。第2のシンボルのセットの長さが第1のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、次いで、調整された第1のシンボルのセットの調整された長さが第2のシンボルのセットと同じになるまで、第1のシンボルのセットから同意されたシンボルのセットを除去することによって、第1のシンボルのセットを調整する。
【0231】
ステップ309において、第1のデバイスに、第1の通信チャネルを介して、第1の基底セットを送信または伝送する。第1の基底セットは、受信された第1のシンボル位置のセットに対応する第1の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む。
【0232】
ステップ310において、第2のデバイスに、第2の通信チャネルを介して、第2の基底セットを送信または伝送する。第2の基底セットは、受信された第2のシンボル位置のセットに対応する第2の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルを変調するために使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む。
【0233】
ステップ311において、第1の秘密シンボルのセットと第2の秘密シンボルのセットとを組み合わせることに基づいて、第3の秘密シンボル文字列を生成する。例えば、限定されるものではないが、例えば、第1のビットのセットおよび第2のビットのセットを表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成し、第1のビットのセットは、第1のシンボルのセット中のシンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいており、第2のビットのセットは、第2のシンボルのセット中のシンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいている。別の例では、第3のビット文字列を生成することは、限定されるものではないが、例えば、少なくとも部分的に、第1のシンボルのセットおよび第2のシンボルのセットを表すデータを使用して、OTP暗号化演算を実行することに基づき得る。XOR演算およびOTP暗号化演算が記載されているが、これは、例としてのみで、本発明はそのように限定されず、限定されるものではないが、例えば、第1のシンボルのセットを導出し得るように、第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルをマスキング、暗号化、難読化するための任意の他のタイプの演算を実行するなど、任意の他の好適な演算を使用して、第2のデバイスが、第2のデバイスによって判定された受信された第2のシンボルのセットを使用して、第1および第2の秘密シンボルのセットに基づいて、第3のシンボル文字列を生成し得ることを当業者は理解されたい。
【0234】
任意であるためにステップ308aが実行されない場合、第3の秘密シンボル文字列を生成することは、任意で、組み合わせ演算の前または後に、限定されるものではないが、例えば、秘密シンボルの第1のセットの数または長さが第2の秘密シンボルのセットに対して異なるかどうかをチェックし、第1の秘密シンボルのセットおよび/または第2の秘密シンボルのセットの数または長さを等しくなるように調整することを含んでもよい。このことは、第1および第2の秘密シンボルのセットに保持された第1および/または第2のシンボル位置のセットを調整するか、または相関させることができるように、第1および/または第2のデバイスの両方によっても知られている調整プロトコルに基づき得る。
【0235】
例えば、第1および/または第2の秘密シンボルのセットの調整は、限定されるものではないが、例えば、第1のシンボルのセットの長さが第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、次いで、第2のシンボルのセットを第1のシンボルのセットの長さにトランケートし、第1のシンボルセットとトランケートされた第2のシンボルセットとを組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成する。第2のシンボルのセットの長さが第1のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、次いで、第1のシンボルのセットを第2のシンボルのセットの長さにトランケートし、トランケートされた第1のシンボルセットと第2のシンボルセットとを組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成する。
【0236】
代替的または追加的に、第1および/または第2の秘密シンボルのセットの調整は、限定されるものではないが、例えば、第1のシンボルのセットの長さが第2のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、次いで、調整された第2のシンボルのセットの調整された長さが第1のシンボルのセットと同じになるまで、第2のシンボルのセットから同意されたシンボルのセットを削除することによって、第2のシンボルのセットを調整し、第1のシンボルのセットを調整された第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することを含んでもよい。第2のシンボルのセットの長さが第1のシンボルのセットの長さ未満であると判定することに応答して、次いで、調整された第1のシンボルのセットの調整された長さが第2のシンボルのセットと同じになるまで、第1のシンボルのセットから同意されたシンボルのセットを除去することによって、第1のシンボルのセットを調整し、調整された第1のシンボルのセットを第2のシンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第3のシンボル文字列を生成する。
【0237】
ステップ312において、第2のデバイスに、第2の通信チャネルを介して、生成された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを伝送する。
【0238】
第1のデバイスおよび第2のデバイスは、対応する秘密シンボルのセットおよび基底セットを受信すると、限定されるものではないが、例えば、受信された第1の基底セットが受信された第1の基底セットを使用して、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子チャネルを介して伝送された第1の秘密シンボル文字列のシンボルを含む、第1の受信された秘密シンボルのセットを判定することを含む、第1および第2のデバイスによって実行される演算に基づいて、量子鍵交換を実行する。第2のデバイスは、受信された第2の基底セットを使用して、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子チャネルを介して伝送された第2の秘密シンボル文字列のシンボルを含む、第2の受信された秘密シンボルのセットを判定する。第2のデバイスは、第2の受信された秘密シンボルのセットを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成し、第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルは、第1のシンボル文字列の1つ以上のシンボルに対応する。第1のデバイスおよび第2のデバイスは、第1および第2のデバイスにおいて共有鍵または最終的な暗号鍵に合致し、かつ/またはこれを形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける第4のシンボルのセットと、に基づいて、間の第3の通信チャネルを介してシンボルふるい処理演算を実行する。
【0239】
図3cおよび3dは、
図2aおよび2bを参照して記載されるQKDプロセス200および/または220、および/または
図1a~1dを参照して記載されるQKDプロトコル、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものに基づいて、QKDプロトコルプロセスを実行している第1のデバイスのための例示的な第1のデバイスQKDプロトコルプロセス320を例示する流れ図である。第1のデバイスは、中間デバイスおよび第2のデバイスとともに、本発明によるQKDプロトコルを実行しているものとする。第1のデバイスは、中間デバイスおよび第2のデバイスと通信しており、第1および第2のデバイスは、中間デバイスから配送された秘密シンボルに基づく共有鍵または共有暗号鍵を必要とする。結果として得られる共有鍵または共有暗号鍵は、中間デバイスには未知である。中間デバイスは、
図2aおよび2bのQKDプロトコルプロセス200および220、および/または
図1a~1dのQKDプロトコル、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものの中間デバイス演算に基づいている、
図3aおよび3bを参照して記載される中間QKDプロセス300に基づいて、本発明によるQKDプロトコルの相互ステップを実行している。第2のデバイスは、
図2aおよび2bのQKDプロトコルプロセス200および220、および/または
図1a~1dのQKDプロトコル、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものの第2のデバイス演算に基づいている、
図3e~3gを参照して記載される第2のデバイスQKDプロセス340に基づいて、本発明によるQKDプロトコルの相互ステップを実行している。第1のデバイスによって実行される第1のデバイスQKDプロトコルプロセス320は、以下のステップを含む。
【0240】
ステップ321において、中間デバイスから、量子チャネルを介して、第1の秘密シンボル文字列を受信し、中間デバイスは、量子チャネルを介した伝送のための基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、第1の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調した。
【0241】
ステップ322において、受信された第1の秘密シンボル文字列を復調し、受信された各第1の秘密シンボルは、基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、復調される。
【0242】
ステップ323において、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の量子通信チャネルを介して受信された第1の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを含む第1のシンボル位置のセットを生成する。
【0243】
ステップ324において、中間デバイスに、第1の通信チャネルを介して、第1のシンボル位置のセットを伝送する。第1のシンボル位置のセットは、量子通信チャネルを介して第1のデバイスによって正常に受信された第1の秘密のシンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを含む。
【0244】
ステップ325において、中間デバイスから、第1の通信チャネルを介して、第1の基底セットを表すデータを受信する。第1の基底セットは、第1のシンボル位置のセットに対応する第1の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルを変調するために中間デバイスによって使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む。
【0245】
ステップ326において、受信された第1の基底セットを使用して、正常に受信された、受信された第1の秘密シンボル文字列からの第1の受信された秘密シンボルのセットを生成または判定する。例えば、このことは、第1の秘密シンボル文字列を復調するために使用されたランダムに選択された基底と、第1の秘密シンボル文字列を変調するために使用された受信されたランダムに選択された基底と、を比較することに基づいて、有効に受信された、受信された第1の秘密シンボル文字列からの第1の秘密シンボルのセットを生成または判定する。
【0246】
ステップ327において、第2のデバイスとともに、ふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスの第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスによって判定された別の秘密シンボルのセットと、を使用して、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスとともに、ふるい処理演算を実行する。他の秘密シンボルのセットは、第1の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられている。
【0247】
例えば、第2のデバイスは、少なくとも部分的に、中間デバイスから、第2の量子チャネルを介して、第2のデバイスによって受信された第2の秘密シンボル文字列に、および少なくとも部分的に、中間デバイスから、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスによって受信された第3の秘密シンボル文字列に基づいて、他の秘密シンボルのセットを判定する。第3の秘密シンボル文字列は、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列と第1の秘密シンボル文字列との組み合わせに基づいている。第2のデバイスは、受信された第3の秘密シンボル文字列と、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列と、の組み合わせに基づいて、他の秘密シンボルのセットを生成する。したがって、他の秘密シンボルのセットは、第1の秘密シンボル文字列、それゆえ、第1の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられた1つ以上のシンボルを含む。
【0248】
ステップ328において、第2のデバイスとともに実行されたふるい処理演算に基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成する。また、第2のデバイスは、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成した。
【0249】
ステップ329において、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットに対して、第2のデバイスとともに誤り訂正および/または検出を実行する。第2のデバイスは、第2のふるい処理されたシンボルの共通セットに対して、相互演算または対応する演算を実行する。結果として生じる誤り検出/訂正された、ふるい処理されたシンボルの共通セット(検出された誤りが多すぎない場合)は、第1および第2のデバイスにおいて、同じであるふるい処理されたシンボルの共通セットを形成する。
【0250】
ステップ330において、ステップ329で導出されたふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、第2のデバイスとともに暗号鍵に同意するか、またはこれを形成する。
【0251】
ステップ327~330は、限定されるものではないが、例えば、第1のデバイスが、受信された第1の基底セットと、量子通信チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第1の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第1の受信された秘密シンボルのセットを形成し、第1の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルは、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底は、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第1の基底セット中の対応する基底に一致することに基づいて、第1のデバイスおよび第2のデバイスが量子鍵交換を実行することをさらに含んでもよい。第2のデバイスは、受信された第2の基底セットと、第2の量子チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第2の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第2の受信された秘密シンボルのセットを形成し、第2の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルは、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底は、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第2の基底セット中の対応する基底に一致する。第2のデバイスは、第2の受信された秘密シンボルのセットを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、別のシンボルのセットを生成し、別のシンボルのセットの1つ以上のシンボルは、第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルに対応する。
【0252】
ステップ327~330は、限定されるものではないが、例えば、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける別のシンボルのセットと、に基づいて、第3の通信チャネルを介して第2のデバイスとともにシンボルふるい処理演算を実行することをさらに含んでもよい。
【0253】
ステップ327は、限定されるものではないが、例えば、第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成するステップであって、第1の一致する基底セットが、第1の秘密シンボル文字列の当該シンボルを伝送するために中間デバイスによって使用された受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する第1の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第1のデバイスが使用したすべての基底状態を含む、形成するステップと、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第1の一致する基底セットを表すデータを伝送するステップと、をさらに含んでもよい。
【0254】
第1のデバイスは、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスから、第2の一致する基底セットを表すデータをさらに受信し、第2のデバイスは、第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第2の一致する基底セットを形成し、第2の一致する基底セットは、第2の秘密シンボル文字列の当該シンボルを伝送するために中間デバイスによって使用された受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する第2の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第2のデバイスが使用したすべての基底状態を含む。
【0255】
第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第1の一致する基底セット中の対応する基底は、受信された第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なり、第2のデバイスは、別の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、受信された第1の一致する基底セット中の対応する基底は、第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なる。
【0256】
第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成し、第2のデバイスは、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、暗号鍵を形成する、形成する。
【0257】
図3cは、
図2aおよび2bを参照して記載されるQKDプロトコルプロセス200および/220を実行している第2のデバイスのための例示的な第2のQKDプロトコルプロセス300を例示する流れ図である。第2のデバイスは、中間デバイスおよび第1のデバイスとともに、本発明によるQKDプロトコルを実行しているものとする。第2のデバイスは、中間デバイスおよび第1のデバイスと通信しており、第1および第2のデバイスは、中間デバイスから配送された秘密シンボルに基づく共有鍵または共有暗号鍵を必要とする。結果として得られる共有鍵または共有暗号鍵は、中間デバイスには未知である。中間デバイスおよび第1のデバイスは、本発明によるQKDプロトコルの相互ステップを実行するように構成されている。例えば、中間デバイスは、
図2aおよび2bおよび/または
図1a~1dのQKDプロトコルプロセス200および220に基づいている、
図3aを参照して記載される中間QKDプロセス300、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものに基づいて、QKDプロトコルの部分を実行するように構成され得る。第1のデバイスは、
図2aおよび2bの、および/または
図1a~1dのQKDプロトコルプロセス200および220に基づいている、
図3bを参照して記載される第1のデバイスQKDプロセス3XX、それらの組み合わせ、それらの修正態様、および/または本明細書に記載されるものに基づくQKDプロトコルの部分を実行するように構成され得る。第2のデバイスによって実行される第2のデバイスQKDプロトコルプロセス300は、以下のステップを含む。
【0258】
ステップ341において、中間デバイスから、第2の量子チャネルを介して第2の秘密シンボル文字列を受信し、中間デバイスは、基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、第2の秘密シンボル文字列の各シンボルを変調した。
【0259】
ステップ342において、受信された第2の秘密シンボル文字列を復調し、受信された各第2の秘密シンボルは、基底のセットからランダムに選択された基底の基底状態を使用して、復調される。
【0260】
ステップ343において、第2のデバイスによって正常に受信された、第2の量子通信チャネルを介して受信された第2の秘密シンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを含む第2のシンボル位置のセットを生成する。
【0261】
ステップ344において、中間デバイスに、第2の通信チャネルを介して、第2のシンボル位置のセットを伝送する。第2のシンボル位置のセットは、第2の量子通信チャネルを介して第2のデバイスによって正常に受信された第2の秘密のシンボル文字列中のシンボルのシンボル位置を表すデータを含む。
【0262】
ステップ345において、中間デバイスから、第2の通信チャネルを介して、第2の基底セットを表すデータを受信する。第2の基底セットは、第2のシンボル位置のセットに対応する第2の秘密シンボル文字列のそれらのシンボルを変調するために中間デバイスによって使用されたランダムに選択された基底を表すデータを含む。
【0263】
ステップ346において、受信された第2の基底セットを使用して、正常に受信された、受信された第2の秘密シンボル文字列からの第2の受信された秘密シンボルのセットを生成または判定する。例えば、このことは、第2の秘密シンボル文字列を復調するために使用されたランダムに選択された基底と、第2の秘密シンボル文字列を変調するために使用された受信されたランダムに選択された基底と、を比較することに基づいて、有効に受信された、受信された第2の秘密シンボル文字列からの第2の秘密シンボルのセットを生成または判定する。
【0264】
ステップ347において、中間デバイスから、第3のシンボル文字列を表すデータを受信する。第3のシンボル文字列は、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列と第1の秘密シンボル文字列との組み合わせに基づいて、中間デバイスによって生成される。第1の秘密シンボル文字列は、中間デバイスから、第1の量子チャネルを介して、第1のデバイスに、送信される。
【0265】
例えば、プロセス300のステップ311において、第3のシンボル文字列は、限定されるものではないが、例えば、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、第1の秘密シンボル文字列および第2の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド暗号化演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、限定されるものではないが、例えば、第2の秘密シンボル文字列を使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルをマスキング、暗号化、難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上に基づいて、中間デバイスによって生成された。
【0266】
別の例では、プロセス300のステップ311において、第3のシンボル文字列は、限定されるものではないが、例えば、第1のビットのセットおよび第2のビットのセットを表すデータを使用したXOR演算であって、第1のビットのセットは、第1の秘密シンボルのセット中のシンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいており、第2のビットのセットは、第2の秘密シンボルのセット中のシンボルの各々をビットの文字列に変換することに基づいている、XOR演算、少なくとも部分的に、第1のシンボルのセットおよび第2のシンボルのセットを表すデータを使用したOTP暗号化演算のうちの1つ以上を実行すること、および/または第2のシンボルのセットを使用して第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルをマスキング、暗号化、難読化するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第3のシンボル文字列を生成することであって、この場合に、第2のデバイスは、対応する受信された第2のシンボルセットを使用して、受信された第3のシンボル文字列から第1のシンボルのセットをマスキング解除、復号化、および/または難読化解除し得る、生成することと、に基づいて、生成され得る。
【0267】
ステップ348において、少なくとも部分的に、受信された第3のシンボル文字列を受信された第2の秘密シンボルのセットと組み合わせることに基づいて、第4の秘密シンボルのセットを生成または判定する。
【0268】
例えば、第2のデバイスは、少なくとも部分的に、中間デバイスから、第2の量子チャネルを介して、第2のデバイスによって受信された第2の秘密シンボル文字列に、および少なくとも部分的に、中間デバイスから、第2の通信チャネルを介して、第2のデバイスによって受信された第3の秘密シンボル文字列に基づいて、第4の秘密シンボルのセットを判定する。第3の秘密シンボル文字列は、少なくとも部分的に、第2の秘密シンボル文字列と第1の秘密シンボル文字列との組み合わせに基づいている。第2のデバイスは、受信された第3の秘密シンボル文字列と、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列と、の組み合わせに基づいて、第4の秘密シンボルのセットを生成する。したがって、第4の秘密シンボルのセットは、第1の秘密シンボル文字列、それゆえ、第1の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられた1つ以上のシンボルを含む。
【0269】
別の例では、第2のデバイスは、限定されるものではないが、例えば、第2の受信された秘密シンボルのセットおよび受信された第3のシンボル文字列を使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、受信された第2の秘密シンボルのセットおよび第3の秘密シンボル文字列を使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、第2の受信された秘密シンボルのセットおよび第3のシンボル文字列を使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上の演算に基づいて、第4のシンボル文字列を生成し得る。
【0270】
追加的または代替的に、例えば、第4のシンボル文字列を生成することは、限定されるものではないが、例えば、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列および受信された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、XOR演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列および受信された第3の秘密シンボル文字列を表すデータを使用して、ワンタイムパッド復号化演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、少なくとも部分的に、受信された第2の秘密シンボル文字列および受信された第3のシンボル文字列を表すデータを使用して、第1の秘密シンボル文字列の1つ以上のシンボルを抽出するための任意の他のタイプの演算を実行することに基づいて、第4のシンボル文字列を生成することと、の群からの1つ以上をさらに含む。
【0271】
ステップ349において、ふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第4の秘密シンボルのセットと、第1のデバイスによって判定された別の秘密シンボルのセットと、を使用して、第1のデバイスとともに、ふるい処理を実行する。第4の秘密シンボルのセットは、第1のデバイスによって有効に受信されたと判断された第1の秘密シンボル文字列と関連付けられている。第4の秘密シンボルのセットは、第1の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられている。
【0272】
ステップ350において、第1のデバイスとともに実行されたふるい処理演算に基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成する。また、第1のデバイスは、第1のふるい処理されたシンボルの共通セットを生成した。
【0273】
ステップ351において、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットに対して、第1のデバイスとともに誤り訂正および/または検出を実行する。第1のデバイスは、第1のふるい処理されたシンボルの共通セットに対して、相互演算または対応する演算を実行する。結果として生じる誤り検出/訂正された、ふるい処理されたシンボルの共通セット(検出された誤りが多すぎない場合)は、第1および第2のデバイスにおいて、同じであるふるい処理されたシンボルの共通セットを形成する。
【0274】
ステップ352において、結果として生じるふるい処理されたシンボルの共通のセット(すなわち、誤りが検出/訂正されたふるい処理されたシンボルの共通のセット)に基づいて、第1のデバイスと暗号鍵を形成するか、またはこれに同意する。
【0275】
ステップ349~352は、限定されるものではないが、例えば、第2のデバイスが、受信された第2の基底セットに基づく第2の受信された秘密シンボルのセットと、第2の量子チャネルを介して中間デバイスによって伝送された第2の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、を形成することをさらに含み得る。第2の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルは、第2のデバイスによって正常に受信された第2の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底は、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第2の基底セット中の対応する基底と一致する。第2のデバイスは、第2の受信された秘密シンボルのセットを受信された第3のシンボル文字列と組み合わせることに基づいて、第4のシンボルのセットを生成し、第4のシンボルのセットの1つ以上のシンボルは、第1のシンボルのセットの1つ以上のシンボルに対応する。
【0276】
第1のデバイスは、受信された第1の基底セットと、第1のデバイスに、第1の量子通信チャネルを介して、中間デバイスによって伝送された第1の秘密シンボル文字列からの正常に受信されたシンボルと、に基づいて、第1の受信された秘密シンボルのセットを形成し、第1の受信された秘密シンボルのセットの各シンボルは、第1のデバイスによって正常に受信された、第1の秘密シンボル文字列のシンボルであり、当該シンボルを受信するために使用された基底は、当該シンボルを伝送するために使用された受信された第1の基底セット中の対応する基底に一致する。
【0277】
したがって、ステップ349は、限定されるものではないが、例えば、第1および第2のデバイスにおいて暗号鍵を形成するためのふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成するために、第1のデバイスにおける第1の受信された秘密シンボルのセットと、第2のデバイスにおける第4のシンボルのセットと、に基づいて、第3の通信チャネルを介して第1のデバイスとともにシンボルふるい処理演算を実行することをさらに含んでもよい。
【0278】
ステップ349は、例えば、限定されるものではないが、例えば、第1の一致する基底セットを表すデータを、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスにおいて実行し、第2のデバイスにおいて受信し、第1のデバイスは、第1の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第1の一致する基底セットを形成し、第1の一致する基底セットは、第1の秘密シンボル文字列の当該シンボルを伝送するために中間デバイスによって使用された受信された第1の基底セットの対応する基底状態に一致する第1の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第1のデバイスが使用したすべての基底状態を含む。
【0279】
第2のデバイスは、第2の受信された秘密シンボルのセットに基づいて、第2の一致する基底セットを形成する。第2の一致する基底セットは、第2の秘密シンボル文字列の当該シンボルを伝送するために中間デバイスによって使用された受信された第2の基底セットの対応する基底状態に一致する第2の受信された秘密シンボルのセットのシンボルを受信するために第2のデバイスが使用したすべての基底状態を含む。第2のデバイスは、第3の通信チャネルデータを介して、第1のデバイスに、第2の一致する基底セットを表すデータを伝送する。
【0280】
ステップ349は、限定されるものではないが、例えば、第2のデバイスにおいて、第4の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、受信された第1の一致する基底セット中の対応する基底は、第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なる。第1のデバイスは、限定されるものではないが、例えば、第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第1の一致する基底セット中の対応する基底は、受信された第2の一致する基底セット中の対応する基底とは異なる。
【0281】
図3cおよび3dのプロセス320のステップ327~330、または
図3e~3gのプロセス340のステップ349~352において、第1および第2の一致する基底セットを生成せずに、第1のデバイスおよび第2のデバイスは、限定されるものではないが、例えば、第1のデバイスによって、第1の受信された秘密シンボルのセットおよび受信された第1の基底セットに基づいて、第1の基底フラグセットを生成することに基づいて、第3の通信チャネルを介して、シンボルふるい処理演算を実行してもよい。第1の基底フラグセットは、受信された第1の基底セットを、第1の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられたシンボルを復調するために第1のデバイスによって使用された基底セットと比較することに基づいて、第1の受信された秘密シンボルのセットの各有効および無効のシンボルの表示を含む。第1のデバイスから、第3の通信チャネルを介して、第2のデバイスに、第1の基底フラグセットを表すデータを送信する。第2のデバイスによって、第2の受信された秘密シンボルのセットおよび受信された第2の基底セットに基づいて、第2の基底フラグセットを生成する。第2の基底フラグセットは、受信された第2の基底セットを、第2の受信された秘密シンボルのセットと関連付けられたシンボルを復調するために第2のデバイスによって使用された基底セットと比較することに基づいて、第2の受信された秘密シンボルのセットの各有効および無効のシンボルの表示を含む。第2のデバイスから、第3の通信チャネルを介して、第1のデバイスに、第2の基底フラグセットを表すデータを送信する。第1のデバイスによって、第1の受信された秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第1のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第1の基底フラグセット中の対応する表示は、受信された第2の基底フラグセット中の対応する表示とは異なる。第2のデバイスによって、第4の秘密シンボルのセット中の各シンボルを破棄することに基づいて、第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成し、第2の基底フラグセット中の対応する表示は、受信された第1の基底フラグセット中の対応する表示とは異なる。第1および第2のふるい処理されたシンボルの共通のセットの間の誤り検出および訂正を実行して、ふるい処理されたシンボルの共通のセットを生成する。ふるい処理されたシンボルの共通のセットに基づいて、第1および第2のデバイスにおいて、暗号鍵を生成する。
【0282】
図4aは、本発明の態様によるQKDプロトコルを実装および/または実行する際に使用するための例示的なコンピューティングシステム400の概略図である。コンピューティングシステム400を使用して、システム、装置、方法、QKDプロトコル、QKDプロトコルプロセス、中間デバイス、第1および第2のデバイス、ならびに/または
図1a~3eを参照して記載されるユースケース、本明細書に記載され、かつ/または用途に応じるなどしたそれらの組み合わせ、それらの修正態様、のうちの1つ以上の態様を実装し得る。コンピューティングシステム400は、コンピューティングデバイスまたは装置402(例えば、中間デバイス、第1および/または第2のデバイス)を含む。コンピューティングデバイスまたは装置は、1つ以上のプロセッサユニット404、メモリユニット406、および、例えば、限定されるものではないが、例えば、第1の通信インターフェース408および/または第2の量子通信インターフェース410を含む通信インターフェース409、ランダムシンボル/乱数生成器405を含み、1つ以上のプロセッサユニット404は、メモリユニット406、通信インターフェース409(例えば、第1の通信インターフェース408および第2の量子通信インターフェース410)、およびランダムシンボル/乱数生成器に接続されている。通信インターフェース408は、コンピューティングデバイスまたは装置402を1つ以上の他のコンピューティングデバイスおよび/または装置(例えば、中間デバイス、第1および/または第2のデバイス)(図示せず)と接続して、第1の通信インターフェース408を介した第1および/または第2の通信チャネルを介して、確立、形成、および/または通信し、および/または量子通信インターフェース410を介した第1および/または第2の量子チャネルを介して、確立、形成、および/または通信し得る。第1の通信インターフェース408は、本明細書に記載される本発明による
図1a~3gを参照して記載されるQKDシステム、および/またはQKDプロトコル、QKDプロトコルプロセスの1つ以上の態様、特徴、用途に応じたそれらの組み合わせ、それらの修正態様を実装するために、1つ以上の通信ネットワーク、限定されるものではないが、例えば、1つ以上の衛星ネットワーク、1つ以上の電気通信ネットワーク、1つ以上の光ファイバーネットワークなどに接続し得る。量子通信インターフェース410は、本明細書に記載される本発明による
図1a~3gを参照して記載されるQKDシステム、および/またはQKDプロトコル、QKDプロトコルプロセスの1つ以上の態様、特徴、用途に応じたそれらの組み合わせ、それらの修正態様を実装するために、1つ以上の量子通信チャネルを介して、限定されるものではないが、例えば、1つ以上の他のデバイス、量子通信ネットワーク416などと接続し得る。メモリユニット406は、例として、限定されるものではないが、コンピューティングデバイス402を動作させるためのオペレーティングシステム406a、および1つ以上のQKDシステム、1つ以上のQKDプロトコル、1つ以上のQKDプロセス、1つ以上の中間デバイス、1つ以上の第1および/または第2のデバイス、本発明によるQKDプロトコルを実行する1つ以上の方法および/またはプロセス、システム/プラットフォーム、と関連付けられた機能性、および/または1つ以上の機能もしくは機能性、
図1a~3gの少なくともいずれか1つを参照して本明細書に記載される通りなどのそれらの組み合わせ、それらの修正態様を実装することと関連付けられたコンピュータプログラム命令、実行可能なコード、コードおよび/またはコンポーネントを記憶するためのデータストア406bなどの、1つ以上のプログラム命令、コード、またはコンポーネントを記憶し得る。
【0283】
図4bは、本発明によるQKDプロトコルおよび/またはそれに対するプロセスを容易にし、かつ/または実装するための別の例示的なQKDシステム420の概略図である。システム420は、複数の第1のデバイス424a~424mのうちの1つ以上、複数の第2のデバイス426a~426lのうちの1つ以上、および/または複数のデバイス428のうちの1つ以上の、少なくとも1つの第1のデバイスと少なくとも1つの第2のデバイスとの間で秘密シンボルを配布し、かつ/または共有秘密を生成するために、複数の中間デバイス422a~422nのうちの1つ以上、複数の第1のデバイス424a~424mのうちの1つ以上、複数の第2のデバイス426a~426lのうちの1つ以上、および/または本発明によるQKDプロトコルの対応するステップおよび/または機能を動作させ、かつ/または実装するように構成されている第1および第2のデバイスの機能性を含む複数のデバイス428のうちの1つ以上を含む複数のコンピューティングデバイスまたは装置402を含み得る。システム420のデバイス422a~422n、424a~424m、426a~426l、および/または428は、QKDプロトコル、QKDプロトコルプロセス、それらの態様を実装し、かつ/またはQKDシステム、中間デバイス、第1のデバイス、および/または第2のデバイス、QKDプロトコル、QKDプロセス、システム、装置、1つ以上の方法、および/またはプロセスと関連付けられた機能性、
図1a~4aのいずれか1つを参照して本明細書に記載されている通りなどの、それらの組み合わせ、それらの修正態様をさらに含むように構成され得る。
【0284】
上述した実施形態では、サーバは、単一のサーバまたはサーバのネットワークを含むことができる。いくつかの例では、サーバの機能は、サーバの世界的な分散ネットワークなどの地理的領域全体に分散されたサーバのネットワークによって提供されてもよく、ユーザーは、ユーザーの位置に基づいてサーバのネットワークの適切なネットワークのうちの1つに接続されてもよい。
【0285】
上述した説明は、明確にするために単一のユーザーを参照して本発明の実施形態を記載している。実際には、システムは、複数のユーザーによって共有されてもよく、非常に多数のユーザーによって同時に共有される可能性があることが理解されよう。
【0286】
上述した実施形態は、完全に自動である。いくつかの例では、システムのユーザーまたはオペレータは、実行される方法のいくつかのステップを手作業で指示することができる。
【0287】
本発明の説明されている実施形態では、システムは、任意の形態のコンピューティングデバイスおよび/または電子デバイスとして実装されることができる。そのようなデバイスは、ルーティング情報を収集および記録するためにデバイスの動作を制御するコンピュータ実行可能命令を処理するためのマイクロプロセッサ、コントローラまたは他の任意の好適な種類のプロセッサとすることができる1つ以上のプロセッサを含むことができる。いくつかの例では、例えば、システムオンチップアーキテクチャが使用される場合、プロセッサは、方法の一部をハードウェア(ソフトウェアまたはファームウェアではなく)で実装する1つ以上の固定機能ブロック(アクセラレータとも称される)を含んでもよい。オペレーティングシステムまたは任意の他の好適なプラットフォームソフトウェアを含むプラットフォームソフトウェアは、アプリケーションソフトウェアがデバイス上で実行されることを可能にするために、コンピューティングベースのデバイスに提供されてもよい。
【0288】
本明細書で説明される様々な機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令またはコードに記憶または送信されることができる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装される揮発性または不揮発性、取り外し可能または取り外し不可能媒体を含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる任意の利用可能な記憶媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリデバイス、CD-ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコードを担持または記憶するために使用されることができ、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体を含むことができる。本明細書で使用されるディスクおよびディスクは、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、およびブルーレイディスク(BD)を含む。さらに、伝播された信号は、コンピュータ可読記憶媒体の範囲内には含まれない。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体も含む。例えば、接続は、通信媒体とすることができる。例えば、ソフトウェアが同軸ケーブルを使用してウェブサイト、サーバ、またはその他のリモートソースから送信される場合、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、ラジオ、マイクロ波などの無線技術が通信媒体の定義に含まれる。上記の組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0289】
代替的に、または追加して、本明細書で説明される機能は、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェアロジックコンポーネントによって実行されることができる。例えば、限定されるものではないが、使用され得るハードウェアロジックコンポーネントは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途プログラム向け集積回路(ASIC)、特定用途プログラム向け標準製品(ASSP)、システムオンチップ(SOC)、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)などを含み得る。
【0290】
単一のシステムとして示されているが、コンピューティングデバイスは、分散システムとすることができることを理解されたい。したがって、例えば、いくつかのデバイスは、ネットワーク接続を介して通信してもよく、コンピューティングデバイスによって実行されるものとして説明されているタスクを集合的に実行してもよい。
【0291】
ローカルデバイスとして示されているが、コンピューティングデバイスは、リモートに配置され、ネットワークまたは他の通信リンクを介して(例えば、通信インターフェースを使用して)アクセスされることができることが認識されよう。
【0292】
「コンピュータ」という用語は、本明細書では、命令を実行することができるような処理能力を備えた任意のデバイスを指すために使用される。当業者は、そのような処理能力が多くの異なるデバイスに組み込まれ、したがって「コンピュータ」という用語がPC、サーバ、携帯電話、携帯情報端末、および他の多くのデバイスを含むことを理解するであろう。
【0293】
当業者は、プログラム命令を記憶するために利用されるストレージデバイスがネットワークにわたって分散されることができることを認識するであろう。例えば、リモートコンピュータは、ソフトウェアとして説明されたプロセスの例を記憶することができる。ローカルまたはターミナルコンピュータは、リモートコンピュータにアクセスし、プログラムを実行するためにソフトウェアの一部またはすべてをダウンロードすることができる。代替的に、ローカルコンピュータは、必要に応じてソフトウェアの一部をダウンロードするか、ローカル端末でソフトウェア命令を実行するか、リモートコンピュータ(またはコンピュータネットワーク)でソフトウェア命令を実行し得る。当業者はまた、当業者に既知の従来の技術を利用することにより、ソフトウェア命令のすべてまたは一部がDSP、プログラム可能論理アレイなどの専用回路によって実行されてもよいことを認識するであろう。
【0294】
上述の利益および利点は、一実施形態に関係する場合もあれば、いくつかの実施形態に関係する場合もあることが理解されよう。実施形態は、述べられた課題のいずれかまたはすべてを解決するもの、または述べられた利益および利点のいずれかまたはすべてを有するものに限定されるものではない。変形例は、本発明の範囲に含まれると見なされるべきである。
【0295】
「an」という項目への任意の言及は、それらの項目の1つ以上を指す。「備える(comprising)」という用語は、本明細書では、識別された方法ステップまたは要素を含むことを意味するために使用されるが、そのようなステップまたは要素は、排他的リストを含まず、方法または装置は、追加のステップまたは要素を含むことができる。
【0296】
本明細書で使用される場合、「コンポーネント」および「システム」という用語は、プロセッサによって実行されたときに特定の機能を実行させるコンピュータ実行可能命令によって構成されるコンピュータ可読データストレージを包含するものとする。コンピュータ実行可能命令は、ルーチン、関数などを含むことができる。また、コンポーネントまたはシステムは、単一のデバイスにローカライズすることも、いくつかのデバイスに分散させることもできることを理解されたい。
【0297】
さらに、本明細書で使用される場合、「例示的」という用語は、「何らかの例証または例示としての役割を果たす」ことを意味することを意図している。
【0298】
さらに、「含む(includes)」という用語が詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで使用されている限り、そのような用語は、「備える(comprising)」が請求項の中で経過語として用いられた場合に解釈されるように、「備える(comprising)」という用語と同様の方法で包括的であることが意図されている。
【0299】
図は、例示的な方法を示している。方法は、特定の配列で実行される一連の動作として示されて説明されているが、方法は、配列の順序によって限定されないことを理解および認識されたい。例えば、いくつかの動作は、本明細書に記載されているものとは異なる順序で発生する可能性がある。追加して、ある動作は、別の動作と同時に発生する可能性がある。さらに、いくつかの例では、本明細書で説明される方法を実装するためにすべての動作が必要とされるわけではない場合がある。
【0300】
さらに、本明細書で説明される動作は、1つ以上のプロセッサによって実装され、および/またはコンピュータ可読媒体に記憶されることができるコンピュータ実行可能命令を含むことができる。コンピュータ実行可能命令は、ルーチン、サブルーチン、プログラム、実行スレッドなどを含むことができる。さらに、方法の動作の結果は、コンピュータ可読媒体に記憶され、表示デバイスに表示され、および/または同様のものとすることができる。
【0301】
本明細書に記載される方法のステップの順序は例示的なものであるが、ステップは、任意の好適な順序で、または必要に応じて同時に実行されてもよい。さらに、本明細書で説明される主題の範囲から逸脱することなく、ステップを追加または置換することができ、または個々のステップを任意の方法から削除することができる。上記の例のいずれかの態様を、記載された他の例のいずれかの態様と組み合わせて、求められる効果を失うことなく、さらなる例を形成することができる。
【0302】
好ましい実施形態の上記の説明は、限定ではなく例として、当業者によって様々な変更が行われることができることが理解されるであろう。上記で説明したものは、1つ以上の実施形態の例を含む。もちろん、前述の態様を説明する目的で、上記のデバイスまたは方法の考えられるすべての変更および代替を説明することは不可能であるが、当業者は、様々な態様の多くのさらなる変更および置換が可能であることを認識することができる。したがって、説明された態様は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるそのようなすべての変更、修正、および変形を包含することが意図されている。
【国際調査報告】