(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】バックル
(51)【国際特許分類】
A44B 11/25 20060101AFI20230117BHJP
【FI】
A44B11/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527790
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2020082074
(87)【国際公開番号】W WO2021094547
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】201911107586.0
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェン-ウェン・グオ
(72)【発明者】
【氏名】マンクン・チェン
【テーマコード(参考)】
3B090
【Fターム(参考)】
3B090BC06
3B090BC22
3B090BC29
(57)【要約】
バックル(100)は、雄型バックル(110)、雌型バックル(120)、および雄型バックル(110)と雌型バックル(120)との間に配置された作動構造(130)とを含む。雄型バックル(110)と雌型バックル(120)が係合すると、作動構造(130)が作動信号を生成する。雄型バックル(110)および雌型バックル(120)が外れると、作動構造(130)が切断信号を生成する。制御回路は、作動信号または切断信号に従って動作するため、制御回路はより便利に動作し、バックル(100)の構造は単純である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御回路を有するバックル(100)であって、
前記バックル(100)が雄型バックル(110)と、雌型バックル(120)と、前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)の間に配置された作動構造(130)とを備え、
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が係合すると、前記作動構造(130)が作動信号を生成し、前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が外れると、前記作動構造(130)が切断信号を生成し、前記制御回路は、前記作動信号または前記切断信号に応じて動作することを特徴とする、バックル(100)。
【請求項2】
前記作動構造(130)が第1の導電性部材(131)および第2の導電性部材(132)を備え、前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)の一方が前記制御回路に電気的に接続され、前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が係合すると、前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)が接触することをさらに特徴とする、請求項1に記載のバックル(100)。
【請求項3】
前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)の一方は、前記雄型バックル(110)に配置され、前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)の他方は前記雌型バックル(120)に配置され、
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が係合すると、前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)が接触し、前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が外れると、前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)が接続解除されることをさらに特徴とする、請求項2に記載のバックル(100)。
【請求項4】
前記第1の導電性部材(131)は、前記雄型バックル(110)に固定されるか、または前記雄型バックル(110)と一体に形成されることをさらに特徴とする、請求項3に記載のバックル(100)。
【請求項5】
前記第2の導電性部材(132)は、前記雌型バックル(120)に配置され、かつ前記制御回路に電気的に接続され、前記第2の導電性部材(132)は、2つの接触端部(1321)を有し、
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が係合すると、前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)の前記2つの接触端部(1321)が接触して、前記制御回路が導通し、
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が外れると、前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)の前記2つの接触端部(1321)が分離して、前記制御回路が切断されることをさらに特徴とする、請求項3に記載のバックル(100)。
【請求項6】
前記第1の導電性部材(131)は、前記雄型バックル(110)に配置された導電体であり、前記第2の導電性部材(132)は、前記雌型バックル(120)に配置された導電線であることをさらに特徴とする、請求項5に記載のバックル(100)。
【請求項7】
前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)は、前記雌型バックル(120)に配置され、
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が係合すると、前記雄型バックル(110)が前記第1の導電性部材(131)または前記第2の導電性部材(132)を押して、前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)を接触させるか、または分離させることをさらに特徴とする、請求項2に記載のバックル(100)。
【請求項8】
前記第2の導電性部材(132)は、前記雌型バックル(120)に配置され、かつ前記制御回路に電気的に接続され、前記第2の導電性部材(132)が互いに離れた2つの接触端部(1321)を有することをさらに特徴とする、請求項7に記載のバックル(100)。
【請求項9】
前記第1の導電性部材(131)は、前記雌型バックル(120)に配置された自動排出部材(140)であり、
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が係合すると、前記雄型バックル(110)が前記自動排出部材(140)を押し、前記自動排出部材(140)および前記第2の導電性部材(132)の前記2つの接触端部(1321)を接触させることを.さらに特徴とする、請求項8に記載のバックル(100)。
【請求項10】
前記第1の導電性部材(131)は、前記自動排出部材(140)の金属弾性板、または弾性部材に接続された金属板であることをさらに特徴とする、請求項9に記載のバックル(100)。
【請求項11】
前記第2の導電性部材(132)は、前記雌型バックル(120).に配置された導電線であることをさらに特徴とする、請求項9に記載のバックル(100)。
【請求項12】
前記第1の導電性部材(131)は、前記雌型バックル(120)に配置された自動排出部材(140)に接続され、
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が係合すると、前記雄型バックル(110)が前記自動排出部材(140)を押して前記第1の導電性部材(131)を駆動して移動し、前記第1の導電性部材(131)および前記第2の導電性部材(132)の前記2つの接触端部(1321)を接触、または分離することをさらに特徴とする、請求項8に記載のバックル(100)。
【請求項13】
前記第1の導電性部材(131)は、前記自動排出部材(140)に接続された2つの金属製ばね(132b)であり、前記2つの金属製ばね(132b)は、一体構造として形成されていることをさらに特徴とする、請求項12に記載のバックル(100)。
【請求項14】
前記第2の導電性部材(132)は、前記雌型バックル(120)に固定された2つの導電性ピラー(132a)であり、前記2つの導電性ピラー(132a)は、前記制御回路に電気的に接続され、前記雄型バックル(110)が前記自動排出部材(140)を押して前記2つの金属製ばね(132b)および前記2つの導電性ピラー(132a)を接触させることをさらに特徴とする、請求項13に記載のバックル(100)。
【請求項15】
前記第1の導電性部材(131)は、金属製ロッドであり、前記第2の導電性部材(132)は、互いに離れた2つの接触端部を有する金属製バックルであることをさらに特徴とする、請求項12に記載のバックル(100)。
【請求項16】
前記第1の導電性部材(131)は、前記雌型バックル(120)に配置されたスイッチであり、前記作動構造(130)は、前記自動排出部材(140)に接続された可動部材(150)をさらに備え、
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が係合すると、前記雄型バックル(110)は、前記自動排出部材(140)を押して、前記可動部材(150)を駆動して移動することにより、前記可動部材(150)が前記スイッチに着脱可能に作用して、前記スイッチおよび前記第2の導電性部材(132)を接触させる、または分離することをさらに特徴とする、請求項12に記載のバックル(100)。
【請求項17】
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が係合すると、前記可動部材(150)は、前記スイッチから離れて前記スイッチおよび前記第2の導電性部材(132)を分離し、
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が外れると、前記自動排出部材(140)が排出されて前記可動部材(150)を押して移動させ、前記スイッチを押して前記スイッチおよび前記第2の導電性部材(132)を接触させることをさらに特徴とする、請求項16に記載のバックル(100)。
【請求項18】
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が係合すると、前記雄型バックル(110)が前記自動排出部材(140)を押して前記可動部材(150)を駆動し、前記スイッチを押すことにより、前記スイッチおよび前記第2の導電性部材(132)を接触させ、
前記雄型バックル(110)および前記雌型バックル(120)が外れると、前記自動排出部材(140)は排出され前記可動部材(150)を駆動して前記スイッチから離れるように移動させ、前記スイッチおよび前記第2の導電性部材(132)を分離することをさらに特徴とする、請求項16に記載のバックル(100)。
【請求項19】
前記作動構造(130)は、前記雌型バックル(120)に配置され、前記制御回路(200)に電気的に接続されたセンサ(160)を備え、前記センサ(160)は、前記雄型バックル(110)を検知するよう構成され、前記制御回路(200)は、前記センサの検知信号に応じて導通する、または接続解除することをさらに特徴とする、請求項1に記載のバックル(100)。
【請求項20】
前記制御回路は、ブルートゥース(登録商標)モジュールを備え、前記制御回路は、前記作動信号または前記切断信号に応じて前記ブルートゥースモジュールのオンまたはオフを制御することをさらに特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載のバックル(100)。
【請求項21】
前記制御回路は、前記バックル(100)の内部または外部に配置されていることをさらに特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載のバックル(100)。
【請求項22】
前記制御回路が外部モバイルデバイスと通信するよう構成された通信モジュールを備えることをさらに特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載のバックル(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックル、特に電子部品の制御回路を自動的に作動または切断することができるバックルに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまなタイプのベビーカー(例:ベビーカー、チャイルドシート、ベビーホールディングベルトなど)は、赤ちゃんのいる家族に広く使用されている。ベビーカーはバックルなしでは使用できない。従来のバックルは、雄型バックル、雌型バックル、ボタンのみを含んでいる。雄型バックルと雌型バックルは噛み合って固定される。ボタンは、雄型バックルと雌型バックルのロックを解除するために使用される。
【0003】
人々のニーズが高まり、通信技術の革新が進む中、外部制御装置または移動体通信装置を介したベビーカーの使用状況や接続状況などを制御・監視するために、さまざまなベビーカーが外部制御機器や移動体通信機器と組み合わせて徐々に使用されている。しかし、従来技術では、ベビーカーと連動する外部制御機器または移動通信機器は、独立制御によりON/OFFされ、ベビーカーの使用状態、接続状態およびバックルと組み合わせられず、操作が複雑である。
【0004】
したがって、先行技術の前述の問題を解決するために、外部制御回路を便利に作動させることができるバックルを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、外部制御回路を便利に作動させることができるバックルを提供することを目的としており、その構造は単純である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これは、請求項1に記載のバックルによって達成される。従属請求項は、対応するさらなる開発と改善に関連している。
【0007】
以下の詳細な説明からより明確にわかるように、請求されたバックルは制御回路を有する。バックルは、雄型バックル、雌型バックル、雄型バックルと雌型バックルの間に配置された作動構造を含む。雄型バックルと雌型バックルが係合すると、作動構造により作動信号が発生する。雄型バックルと雌型バックルが外れると、作動構造により切断信号が発生する。制御回路は、作動信号または切断信号に応じて動作する。
【0008】
好ましくは、作動構造は、第1の導電性部材および第2の導電性部材を含む。第1の導電性部材および第2の導電性部材の一方は、制御回路に電気的に接続されている。第1の導電性部材と第2の導電性部材が接触するように、雄型バックルと雌型バックルが係合する。
【0009】
好ましくは、第1の導電性部材および第2の導電性部材の一方は雄型バックル上に配置され、第1の導電性部材および第2の導電性部材の他方の1つは雌型バックル上に配置される。雄型バックルと雌型バックルが係合すると、第1の導電性部材と第2の導電性部材が接触する。雄型バックルと雌型バックルを外すと、第1の導電性部材と第2の導電性部材が接続解除される。
【0010】
好ましくは、第1の導電性部材は、雄型バックルに固定されるか、または雄型バックルと一体的に形成される。
【0011】
好ましくは、第2の導電性部材は、雌型バックル上に配置され、制御回路に電気的に接続される。第2の導電性部材は、2つの接触端部を有する。雄型バックルと雌型バックルが係合すると、第1の導電性部材と第2の導電性部材の2つの接触端部が接触して制御回路が導通する。雄型バックルと雌型バックルを外すと、第1の導電性部材と第2の導電性部材の2つの接触端部が分離して制御回路が切断される。
【0012】
好ましくは、第1の導電性部材は、雄型バックル上に配置された導電体であり、第2の導電性部材は、雌型バックル上に配置された導電線である。
【0013】
好ましくは、第1の導電性部材および第2の導電性部材は、雌型バックル上に配置される。雄型バックルと雌型バックルが係合すると、雄型バックルが第1の導電性部材または第2の導電性部材を押して、第1の導電性部材と第2の導電性部材を接触または分離させる。
【0014】
好ましくは、第1の導電性部材は、雌型バックルに配置された自動排出部材である。第2の導電性部材は、雌型バックルに配置され、制御回路に電気的に接続されている。第2の導電性部材は、2つの接触端部を有する。雄型バックルと雌型バックルが係合すると、雄型バックルが自動排出部材を押して自動排出部材と第2の導電性部材の2つの接触端部を接触させる。
【0015】
好ましくは、第1の導電性部材は、自動排出部材の金属弾性板、金属ばね、または金属弾性板上に配置された導電性構造物である。
【0016】
好ましくは、第2の導電性部材は、雌型バックル上に配置された導電線である。
【0017】
好ましくは、第2の導電性部材は、雌型バックルに固定された2つの導電性ピラーである。2本の導電性ピラーは、制御回路に電気的に接続されている。雄型バックルが自動排出部材を押して、2つの金属ばねと2つの導電性ピラーを接触させる。
【0018】
好ましくは、第1の導電性部材は、雌型バックルに固定された自動排出部材の可動部材である。第2の導電性部材は、雌型バックルに固定され、制御回路に電気的に接続された固定部材である。雄型バックルと雌型バックルが係合すると、雄型バックルが自動排出部材を押して可動部材を駆動し、可動部材と固定部材を接触または分離させる。
【0019】
好ましくは、固定部材は、互いに離れた2つの接触端部を有する金属製バックルであり、2つの接触端部は、可動部材に着脱可能に接触するように構成される。
【0020】
好ましくは、バックルは、雌型バックルに配置されたスイッチをさらに含む。雄型バックルと雌型バックルが係合すると、雄型バックルが可動部材を駆動して自動排出部材を移動し、可動部材がスイッチに着脱可能に作用して、スイッチと固定部材を接触または分離させる。
【0021】
好ましくは、雄型バックルと雌型バックルを係合すると、可動部材はスイッチから離れ、スイッチと固定部材を分離する。雄型バックルと雌型バックルが外れると、自動排出部材が排出されて可動部材を押して移動させ、スイッチを押してスイッチと固定部材を接触させる。
【0022】
好ましくは、雄型バックルと雌型バックルが係合すると、雄型バックルは自動排出部材を押して可動部材を駆動し、スイッチを押してスイッチと固定部材を接触させる。雄型バックルと雌型バックルを外すと、自動排出部材が排出して、可動部材を駆動してスイッチから遠ざけ、スイッチと固定部材を分離する。
【0023】
好ましくは、作動構造は、雌型バックルに配置され、制御回路に電気的に接続されたセンサを含む。センサは、雄型バックルを感知するように構成されている。制御回路は、センサの検知信号に応じて導通または接続解除する。
【0024】
好ましくは、制御回路はブルートゥース(登録商標)モジュールを含み、制御回路は、作動信号または切断信号に従ってブルートゥースモジュールのオンまたはオフを制御する。
【0025】
好ましくは、制御回路は、バックルの内部または外部に配置される。
【0026】
好ましくは、制御回路は、外部モバイルデバイスと通信するように構成された通信モジュールを含む。
【0027】
従来技術と比較して、本発明のバックルは、雄型バックルと雌型バックルとの間に配置された作動構造を有する。雄型バックルと雌型バックルが係合すると、作動構造により作動信号が発生する。雄型バックルと雌型バックルが外れると、作動構造により切断信号が発生する。制御回路は作動信号または切断信号に応じて動作するため、制御回路を便利に作動させることができ、バックルの構造もシンプルである。
【0028】
以下では、本発明は、その添付の図面を参照して、例としてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1の実施形態のバックルの構造を示す概略図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態のバックルの構造を示す概略図である。
【
図5A】
図3に示される雌型バックル内の構造を示す概略図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態のバックルの構造を示す概略図である。
【
図7】カバーなしの
図6に示される雌型バックルの構造を示す概略図である。
【
図8】
図7に示す雄型バックルと雌型バックルの分離状態を示す概略図である。
【
図9】本発明の第4の実施形態のバックルの構造を示す断面図である。
【
図10】
図9に示す雄型バックルと雌型バックルの分離状態を示す概略図である。
【
図11】本発明の第5の実施形態のバックルの構造を示す断面図である。
【
図15】
図14に示す雄型バックルと雌型バックルの分離状態を示す概略図である。
【
図16】本発明の第6の実施形態のバックルの構造を示す断面図である。
【
図17】カバーなしで
図16に示される雌型バックルの構造を示す概略図である。
【
図18】
図17に示されるセンサおよび制御回路の構造を示す概略図である。
【
図20】
図19に示す雄型バックルと雌型バックルの分離状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の実施形態は、添付の図面を参照して説明され、図面中の同様の番号は、同様の要素を表す。本発明のバックル100は、制御回路を有し、主にベビーカーに配置された制御回路を作動または切断するために使用されるが、これに限定されない。バックル100は、バックル付きの機器の制御回路を作動または切断するためにも使用できる。
【0031】
図1から
図20に示すように、本発明のバックル100は、雄型バックル110、雌型バックル120、および雄型バックル110と雌型バックル120との間に配置された作動構造130とを含む。雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、作動構造130が作動信号を生成する。雄型バックル110と雌型バックル120が外れると、作動構造130は切断信号を生成する。作動信号または切断信号により、制御回路が自動作動または切断する場合がある。制御回路は、作動信号または切断信号に応じて他の電子部品を制御することもできる。
【0032】
本発明では、制御回路は、バックル100の内側または外側に配置することができる。制御回路が作動すると、制御回路が他の電子部品を制御して動作させることができる。
【0033】
図1から
図20に示すように、本発明のバックル100において、作動構造130は、第1の導電性部材131および第2の導電性部材132を含む。第1の導電性部材131および第2の導電性部材132は、雄型バックル110および/または雌型バックル120上に配置されている。第1の導電性部材131と第2の導電性部材132の一方が制御回路に電気的に接続されている。雄型バックル110と雌型バックル120は、第1の導電性部材131と第2の導電性部材132が接触または切断されて作動信号または切断信号を生成するように係合または解放される。以下では、本発明のバックル100の異なる実施形態を、それぞれ添付の図面を参照して説明する。
【0034】
図1および
図2に示すように、本発明のバックル100の第1の実施形態では、第1の導電性部材131および第2の導電性部材132の一方が雄型バックル110に配置され、第1の導電性部材131および第2の導電性部材132の別の一方が雌型バックル120に配置される。雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、第1の導電性部材131と第2の導電性部材132が接触する。雄型バックル110と雌型バックル120が外れると、第1の導電性部材131と第2の導電性部材132が外れる。
【0035】
より具体的には、第1の導電性部材131は、雄型バックル110に固定されているか、または雄型バックル110と一体的に形成されている。第2の導電性部材132は、雌型バックル120上に配置され、制御回路に電気的に接続されている。第2の導電性部材132は、2つの接触端部1321を有する。雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、第1の導電性部材131と第2の導電性部材132の2つの接触端部1321が接触して制御回路が導電する。雄型バックル110と雌型バックル120が外れると、第1の導電性部材131と第2の導電性部材132の2つの接触端部1321が分離されて制御回路が切断される。
【0036】
この実施形態では、第1の導電性部材131は、雄型バックル110上に配置された導電体である。導電体は個別に成形され、雄型バックル110に固定することができる。導電体は、インサート成形により雄型バックル110に一体成形することもできる。導電体は、雄型バックル110の第1のバックル本体111および/または第2のバックル本体112上に配置することができる。さらに、第2の導電性部材132は、雌型バックル120上に配置された2本の導電線である。2本の導電線は制御回路に電気的に接続されており、相互に導通していない。雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、雄型バックル110の導電体と雌型バックル120の2本の導電線が接触して制御回路が導通する。雄型バックル110が雌型バックル120から外れると、導電体が2本の導電線から分離され、制御回路が切断される。
【0037】
言うまでもなく、作動構造130は、前述の構成に限定されない。本発明のバックル100の別の実施形態では、作動構造130の第1の導電性部材131および第2の導電性部材132が雌型バックル120上に配置され、雌型バックル120内の自動排出部材140を使用して、第1の導電性部材131および第2の導電性部材132を接触、または分離し、自動排出部材140は、雄型バックル110を雌型バックル120から排出するために使用される装置である。これらの実施形態は、以下に説明される。
【0038】
いくつかの実施形態では、第2の導電性部材132は、雌型バックル120上に配置された2本の導電線である。2本の導電線は制御回路に電気的に接続されており、相互に導通していない。第1の導電性部材131は、自動排出部材140の金属弾性板である。雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、雄型バックル110が自動排出部材140の金属弾性板を押して金属弾性板と2本の導電線を接触させ、制御回路を導通させる。その結果、制御回路が作動する。一方、雄型バックル110が雌型バックル120から外れると、自動排出部材140の金属弾性板が回復し、金属弾性板と2本の導電線が分離する。その結果、制御回路が切断される。
【0039】
言うまでもなく、自動排出部材140の構造は、前述の実施形態に限定されない。自動排出部材140は、金属板とばねとの組み合わせにより実施することができる。このとき、雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、雄型バックル110が金属板を押してばねを変形させ、金属板と2本の導電線が接触して制御回路を導通させる。雄型バックル110が雌型バックル120から外れると、ばねが回復して金属板を押し戻し、金属板と2本の導電線が分離して制御回路が切断される。
【0040】
他の実施形態では、第1の導電性部材131は、個別に配置され、自動排出部材140に固定されている。雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、雄型バックル110は、自動排出部材140を押して、第1の導電性部材131を駆動して、第1の導電性部材131と第2の導電性部材132を接触または分離させ、制御回路を導通または切断させる。
【0041】
図3~
図5Aに示すように、本発明のバックル100の第2の実施形態では、第1の導電性部材131は、雌型バックル120に配置された自動排出部材140に固定されている。第1の導電性部材131は金属製ロッドである。第2の導電性部材132は、雌型バックル120に固定され、制御回路に電気的に接続されている。第2の導電性部材132は、互いに離れた2つの接触端部1321を有する金属製バックルである。2つの接触端部1321から離れた第2の導電性部材132の末端部1322は、導電線によって制御回路に接続されている。雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、雄型バックル110は、自動排出部材140を押して、第1の導電性部材131を駆動して、第1の導電性部材131と第2の導電性部材132の2つの接触端部1321を接触または分離させる。
【0042】
より具体的には、第2の導電性部材132は、雌型バックル120に固定され、2つの接触端部1321は、雌型バックル120の受容端部に近接している。第1の導電性部材131は、雌型バックル120の係合溝にスライド可能に係合し、2つの接触端部1321と末端部1322との間に配置されている。雄型バックル110が雌型バックル120に挿入されると、雄型バックル110は、自動排出部材140を押して、その中の弾性部材を移動および圧縮する。自動排出部材140は、第1の導電性部材131を駆動して移動させ、第1の導電性部材131を第2の導電性部材132の2つの接触端部1321から分離して制御回路を切断する。一方、雄型バックル110が雌型バックル120から外れると、自動排出部材140は自動的に戻り、第1の導電性部材131を押して動かし、第1の導電性部材131は、制御回路を閉じるために第2の導電性部材132の2つの接触端部1321に接触する。
【0043】
言うまでもなく、第1の導電性部材131および第2の導電性部材132は、前述の構成に限定されない。第1の導電性部材131と第2の導電性部材132との間の相対位置は変化し得る。第1の導電性部材131は、第2の導電性部材132の2つの接触端部1321と雌型バックル120の受容端部との間に配置することができる。雄型バックル110が雌型バックル120に挿入されると、雄型バックル110は、自動排出部材140を押して、第1の導電性部材131を駆動して、第1の導電性部材131が第2の導電性部材132の2つの接触端部1321に接触して、制御回路が導電する。一方、雄型バックル110が雌型バックル120から外れると、自動排出部材140が戻り、第1の導電性部材131を押して動かし、第1の導電性部材131が第2の導電性部材132の2つの接触端部1321から分離し、制御回路が切断される。
【0044】
第1の導電性部材131は、この実施形態の金属製ロッドに限定されず、第2の導電性部材132は、この実施形態の金属製バックルに限定されないことに留意されたい。第1の導電性部材131および第2の導電性部材132は、他の方法で配置することができる。例えば、別の実施形態では、第1の導電性部材131は、自動排出部材140に接続された2つの金属ばね132bであり得、2つの金属ばね132bは、金属ワイヤによって接続され得るか、または金属ワイヤによって1ピースの構造物として形成される。第2の導電性部材132は、雌型バックル120に固定された2つの導電性ピラー132aであり得る。2本の導電性ピラー132aは、制御回路に電気的に接続されており、2本の導電性ピラー132a間の距離は2本の金属ばね132b間の距離に対応している。したがって、雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、雄型バックル110が自動排出部材140を押して2つの金属ばね132bと2つの導電性ピラー132aを接触させ、制御回路を導通させる。一方、雄型バックル110が雌型バックル120から外れると、自動排出部材140が自動的に排出して2つの金属ばね132bと2つの導電性ピラー132aを分離し、制御回路を切り離す。
【0045】
本発明では、自動排出部材140を使用して第1の導電性部材131と第2の導電性部材132を接触または分離させることにより、作動構造130を他の構造によって実施することができる。
【0046】
図6~
図8に示すように、本発明のバックル100の第3の実施形態では、第2の導電性部材132の配置は、前述の第2の実施形態と同一である。第2の導電性部材132は、互いに離れた2つの接触端部1321を有する金属製バックルであり、2つの接触端部1321は、雌型バックル120の受容端部に近接し、第2の導電性部材132の末端部1322は、ワイヤによって制御回路に接続されている。ただし、本実施形態では、第1の導電性部材131の構造は、前述の第2の実施形態とは異なる。この実施形態の第1の導電性部材131は、雌型バックル120上に配置されたスイッチである。スイッチは、第2の導電性部材132の2つの接触端部1321に対して配置されている。2つの接触端部1321は、スイッチによって導通または切断される。
【0047】
図7および
図8に示されるように、作動構造130は、自動排出部材140に接続され、雌型バックル120の係合溝にスライド可能に係合される可動部材150をさらに含む。雄型バックル110と雌型バックル120が噛み合うと、雄型バックル110が可動部材150を駆動して自動排出部材140内を移動し、可動部材150がスイッチに着脱可能に作用して、スイッチと第2の導電性部材132を接触または分離する。この実施形態では、可動部材150は、第2の導電性部材132の2つの接触端部1321と末端部1322との間に配置されている。スイッチは、設置ベース133により、第2の導電性部材132の2つの接触端部1321に対応する位置に配置されている。スイッチは、可動部材150と第2の導電性部材132の2つの接触端部1321との間に配置されている。したがって、雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、自動排出部材140が可動部材150を駆動してスイッチから離れ(
図7に示すように)、制御回路を切断する。雄型バックル110と雌型バックル120が外れると、自動排出部材140が自動的に戻り、可動部材150を押して移動し、スイッチを押して(
図8に示すように)、スイッチと第2の導電性部材132の2つの接触端部1321が接触し、制御回路が閉じる。
【0048】
図9および
図10に示すように、本発明のバックル100の第4の実施形態において、本実施形態と前述の第3の実施形態との違いは、可動部材150と第2の導電性部材132との間の相対位置とスイッチの設置方向である。具体的には、可動部材150は、第2の導電性部材132の2つの接触端部1321と雌型バックル120の受容端部との間に配置されている。スイッチは、設置ベース133により、第2の導電性部材132の2つの接触端部1321に対応する位置に配置され、スイッチは可動部材150の近くにある。したがって、雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、雄型バックル110は、自動排出部材140を押して、可動部材150を駆動し、スイッチ(
図9に示す)を押し、スイッチと第2の導電性部材132の2つの接触端部1321が接触し、制御回路が閉じる。雄型バックル110と雌型バックル120が外れると、自動排出部材140が排出され、可動部材150がスイッチから離れるように駆動される。スイッチは、制御回路を切断するために、第2の導電性部材132の2つの接触端部1321から分離されるように自動的に排出される(
図10に示されるように)。上記の実施形態と同じ他の部分は、本明細書では繰り返さない。
【0049】
制御回路の導通および切断は、前述の構造に限定されないことに留意されたい。本発明のバックル100の他の実施形態では、センサ160を使用して、雄型バックル110と雌型バックル120との間の係合状態を感知して、制御回路を導通または切断することができる。
【0050】
具体的には、
図11~
図15に示すように、本発明のバックル100の第5の実施形態において、作動構造130は、雌型バックル120に配置され、制御回路に電気的に接続されたセンサ160を含む。
図13に示すように、雌型バックル120は、雄型バックル110を受け入れるためのスロットと連通する穴212を有する。センサ160は、雌型バックル120の底部に配置され、雄型バックル110が穴212を介して係合されているかどうかを感知することができる(
図14および15に示すように)。雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、センサ160が雄型バックル110を感知する。雄型バックル110と雌型バックル120が外れると、センサ160は雄型バックル110を感知できない。センサ160は、異なる感知信号を送信することができる。制御回路は、感知信号に従って導通または切断されるか、または制御回路は、センサ160の異なる感知信号に従って他の電子部品を制御する。
【0051】
図11および
図12に示すように、センサ160は、回路基板161を介して雌型バックル120の底部に配置されている。回路基板161は、有線または無線で制御回路に接続することができる。したがって、センサが雄型バックル110を感知すると、センサ160は、有線または無線の方法で感知信号を制御回路に送信することができ、制御回路は、それに応じて電子部品を作動させる。センサ160が雄型バックル110を感知しない場合、回路基板161は、有線または無線の方法で信号を制御回路に送信し、制御回路は、電子部品をオフにする。
【0052】
図16~
図20に示すように、本発明のバックル100の第6の実施形態において、本実施形態と前述の第5の実施形態との違いは、制御回路200が雌型バックル120に配置され、センサ160に接続された回路基板161が制御回路200の上に配置さてれ、制御回路200と通信する(
図19および20に示されるように)と点である。センサ160の検知方法および原理は、前述の第5の実施形態と同じであり、本明細書では繰り返さない。
【0053】
さらに、この実施形態における別の違いは、制御回路200がブルートゥース(登録商標)モジュールをさらに含み、ブルートゥースモジュールは、ブルートゥース通信により、外部警報装置(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータなど)との接続のために使用される。センサ160が雄型バックル110および雌型バックル120が係合または解放されたことを感知すると、制御回路200はブルートゥースモジュールを作動させ、ブルートゥースモジュールを介して警報装置に信号を送信し、信号は雄型バックル110が係合または解放されていることを示す。警報装置がブルートゥース信号を受信しない場合、警報装置は警報を送信する。
【0054】
本発明のバックル100の場合、制御回路がバックルの外側に配置されている場合、ブルートゥースモジュールを制御回路上に配置して、ブルートゥース通信によって警報装置を接続することもできることに留意されたい。
【0055】
本発明の制御回路は、外部モバイルデバイスと通信するように構成された通信モジュールを含む。通信モジュールは、バックルの現在の状態(係合または解放)をモバイルデバイスに即座に送信し、ユーザーがバックルの現在の状態を即座に知ることができる。具体的には、モバイルデバイスは、携帯電話、タブレットコンピュータ、車載デバイス、スマートテレビ、磁気ボタン、スマートキー、および音および/または光および/または表示機能を備えた他の電子デバイスであり得る。たとえば、モバイルデバイスはバックルの現在の状態をさまざまな音で表示したりでき、モバイルデバイスはバックルの現在の状態をさまざまなライトで表示したりでき、モバイルデバイスはバックルの現在の状態をさまざまな画像、記号、または文字で表示したりできる。言うまでもなく、モバイルデバイスは、音、光、および表示機能の少なくとも1つによってバックルの現在の状態を表示することもできる。
【0056】
上記のように、本発明のバックル100は、雄型バックル110と雌型バックル120との間に配置された作動構造130を有する。雄型バックル110と雌型バックル120が係合すると、作動構造130が作動信号を生成する。雄型バックル110と雌型バックル120が外れると、作動構造130が切断信号を生成する。制御回路は、作動信号または切断信号に応じて動作するため、制御回路を便利に作動させることができ、バックルの構造もシンプルである。
【0057】
本発明のバックル100に含まれる雄型バックル110および雌型バックル120の構造および係合方法は当技術分野で周知であるため、本明細書では説明を示さない。
【0058】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、装置および方法の多数の修正および変更を行うことができることを容易に理解するであろう。したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲および範囲によってのみ制限されると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0059】
100 バックル
110 雄型バックル
120 雌型バックル
130 作動構造
131 第1の導電性部材
132 第2の導電性部材
1321 接触端部
132a 導電性ピラー
132b 金属ばね
133 設置ベース
140 自動排出部材
150 可動部材
160 センサ
161 回路基板
200 制御回路
【国際調査報告】