(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】マルチコイルワイヤレス充電デバイスのデジタルpingのロックアウト
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20230117BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230117BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20230117BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20230117BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J7/00 301D
H02J50/40
H02J50/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529004
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-11
(86)【国際出願番号】 US2020061364
(87)【国際公開番号】W WO2021102188
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520310643
【氏名又は名称】アイラ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ゴッドチャイルド,エリック,ハインデル
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503GB08
5G503GD04
(57)【要約】
ワイヤレス充電のためのシステム、方法および装置が開示されている。充電デバイスは、充電面上に設けられた複数の充電セルと、充電回路と、コントローラとを備える。コントローラは、パッシブpingにより、充電デバイスの表面に近接する物体を検出するように構成されている。また、コントローラは、アクティブpingにより、検出された物体にpingし、充電デバイスからの1または複数のアクティブpingに応答して、物体からping応答を受信したか否かを判定するように構成されている。さらに、コントローラは、少なくとも1のコイルから連続して発せられたアクティブpingのカウントが予め設定された数を超えた後、充電デバイスでping応答が受信されない場合に、検出された物体のアクティブpingを停止するように構成されている。その結果、アクティブpingに無応答の物体をパッシブpingが検出した場合に、デジタルpingのロックアウトが行われる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電デバイスを動作させる方法であって、
前記充電デバイスの少なくとも1のコイルを使用した少なくとも1のパッシブpingにより、前記充電デバイスの表面に近接する物体を検出するステップと、
前記少なくとも1のコイルからの1または複数のアクティブpingにより、検出された物体にpingするステップと、
前記少なくとも1のコイルからの1または複数のアクティブpingに応答して、物体から前記少なくとも1のコイルでping応答を受信したか否かを判定するステップと、
前記少なくとも1のコイルから連続して発せられたアクティブpingのカウントが予め設定された数を超えた後、前記少なくとも1のコイルでping応答が受信されない場合に、前記少なくとも1のコイルからのアクティブpingを使用して検出された物体にpingするのを停止するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
アクティブpingを使用して検出された物体にpingするのを停止した後に、パッシブpingにより物体が前記充電デバイスの表面に近接しているか否かを周期的に検出するステップと、
物体が前記充電デバイスの表面に近接しているか否かをパッシブpingにより周期的に検出することによって物体が検出されなくなった場合に、連続して発せられたアクティブpingのカウントをリセットするステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記充電デバイスの少なくとも1のコイルを使用した少なくとも1のパッシブpingにより、前記充電デバイスの表面に近接する連続して発せられたアクティブpingのカウントをリセットするステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記少なくとも1のコイルからの1または複数のパッシブpingに応答して物体が検出されないとき、連続して発せられたアクティブpingのカウントをリセットするステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
物体が受信デバイスを含み、この受信デバイスが、アクティブpingに応答するように動作可能な少なくとも1の受信コイル部分と、パッシブpingで検出可能であるがアクティブpingに応答しない少なくとも1の部分とを備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
充電デバイスであって、
充電回路と、
コントローラとを備え、前記コントローラが、
前記充電デバイスの少なくとも1のコイルを使用した少なくとも1のパッシブpingにより、前記充電デバイスの表面に近接する物体を検出し、
前記少なくとも1のコイルからの1または複数のアクティブpingにより、検出された物体にpingし、
前記少なくとも1のコイルからの1または複数のアクティブpingに応答して、物体から前記少なくとも1のコイルでping応答を受信したか否かを判定し、
前記少なくとも1のコイルから連続して発せられたアクティブpingのカウントが予め設定された数を超えた後、前記少なくとも1のコイルでping応答が受信されない場合に、前記少なくとも1のコイルからのアクティブpingを使用して検出された物体にpingするのを停止するように構成されていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載の充電デバイスにおいて、
前記コントローラがさらに、
アクティブpingを使用して検出された物体にpingするのを停止した後に、パッシブpingにより物体が前記充電デバイスの表面に近接しているか否かを周期的に検出し、
物体が前記充電デバイスの表面に近接しているか否かをパッシブpingにより周期的に検出することによって物体が検出されなくなった場合に、連続して発せられたアクティブpingのカウントをリセットするように構成されていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項8】
請求項6に記載の充電デバイスにおいて、
前記コントローラがさらに、
前記充電デバイスの少なくとも1のコイルを使用した少なくとも1のパッシブpingにより、前記充電デバイスの表面に近接する連続して発せられたアクティブpingのカウントをリセットするように構成されていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項9】
請求項6に記載の充電デバイスにおいて、
前記コントローラがさらに、
前記少なくとも1のコイルからの1または複数のパッシブpingに応答して物体が検出されないとき、連続して発せられたアクティブpingのカウントをリセットするように構成されていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項10】
請求項6に記載の充電デバイスにおいて、
物体が受信デバイスを含み、この受信デバイスが、アクティブpingに応答するように動作可能な少なくとも1の受信コイル部分と、パッシブpingで検出可能であるがアクティブpingに応答しない少なくとも1の部分とを備えることを特徴とする充電デバイス。
【請求項11】
プロセッサ可読記憶媒体であって、
プロセッサにより実行されると、1または複数のプロセッサに、
前記充電デバイスの少なくとも1のコイルを使用した少なくとも1のパッシブpingにより、前記充電デバイスの表面に近接する物体を検出するステップと、
前記少なくとも1のコイルからの1または複数のアクティブpingにより、検出された物体にpingするステップと、
前記少なくとも1のコイルからの1または複数のアクティブpingに応答して、物体から前記少なくとも1のコイルでping応答を受信したか否かを判定するステップと、
前記少なくとも1のコイルから連続して発せられたアクティブpingのカウントが予め設定された数を超えた後、前記少なくとも1のコイルでping応答が受信されない場合に、前記少なくとも1のコイルからのアクティブpingを使用して検出された物体にpingするのを停止するステップと
を実行させるコードを含むことを特徴とするプロセッサ可読記憶媒体。
【請求項12】
請求項11に記載のプロセッサ可読記憶媒体において、
アクティブpingを使用して検出された物体にpingするのを停止した後に、パッシブpingにより物体が前記充電デバイスの表面に近接しているか否かを周期的に検出するステップと、
物体が前記充電デバイスの表面に近接しているか否かをパッシブpingにより周期的に検出することによって物体が検出されなくなった場合に、連続して発せられたアクティブpingのカウントをリセットするステップとを前記1または複数のプロセッサに実行させるコードをさらに含むことを特徴とするプロセッサ可読記憶媒体。
【請求項13】
請求項11に記載のプロセッサ可読記憶媒体において、
前記充電デバイスの少なくとも1のコイルを使用した少なくとも1のパッシブpingにより、前記充電デバイスの表面に近接する連続して発せられたアクティブpingのカウントをリセットするステップを前記1または複数のプロセッサに実行させるコードをさらに含むことを特徴とするプロセッサ可読記憶媒体。
【請求項14】
請求項11に記載のプロセッサ可読記憶媒体において、
前記少なくとも1のコイルからの1または複数のパッシブpingに応答して物体が検出されないとき、連続して発せられたアクティブpingのカウントをリセットするステップを前記1または複数のプロセッサに実行させるコードをさらに含むことを特徴とするプロセッサ可読記憶媒体。
【請求項15】
請求項11に記載のプロセッサ可読記憶媒体において、
物体が受信デバイスを含み、この受信デバイスが、アクティブpingに応答するように動作可能な少なくとも1の受信コイル部分と、パッシブpingで検出可能であるがアクティブpingに応答しない少なくとも1の部分とを備えることを特徴とするプロセッサ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、モバイルコンピューティングデバイスのバッテリを含むバッテリのワイヤレス充電に関し、より詳細には、応答しないデバイスがワイヤレス充電デバイス上に置かれたときにワイヤレス充電デバイスによって発せられる繰り返しのpingを防止することに関する。
【0002】
優先権の主張
本出願は、2020年11月18日に米国特許庁に出願された米国特許出願第16/952,065号、2019年11月20日に米国特許庁に出願された米国仮特許出願第62/938,308号、並びに、2020年8月16日に米国特許庁に出願された米国仮特許出願第63/066,315号の優先権および利益を主張するものであり、それら出願の内容全体は、すべての適用可能な目的のために、その全体が以下に完全に記載されているかのように、引用により本明細書に援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス充電システムは、物理的な充電接続を使用せずに、特定のタイプのデバイスが内部バッテリを充電できるようにするために開発されている。ワイヤレス充電を利用できるデバイスには、モバイル処理デバイスおよび/またはモバイル通信デバイスが含まれる。Wireless Power Consortiumにより規定されたQi規格などの標準規格は、第1のサプライヤによって製造されたデバイスを、第2のサプライヤによって製造された充電器を使って、ワイヤレスで充電することを可能にする。ワイヤレス充電の規格は、デバイスの比較的単純な構成向けに最適化されており、基本的な充電機能を提供する傾向にある。
【0004】
従来のワイヤレス充電システムは、通常「Ping」を使用して、受信デバイスがワイヤレス充電用の基地局の伝送コイル上に存在するか、または伝送コイルに近接しているか否かを判定する。伝送コイルは、インダクタンス(L)を有し、また、キャパシタンス(C)を有する共振コンデンサが伝送コイルに結合されて、共振LC回路が得られる。Pingは、共振LC回路に電力を供給することによって生成される。送信機が受信デバイスからの応答をリッスンしている間、電力が一定期間印加される。さらに、マルチコイルワイヤレス充電デバイスでは、pingを使用して、受信デバイスのバッテリを充電するために使用するコイルの最適な組合せを決定することができる。
【0005】
ワイヤレス充電機能の改善は、絶えず複雑化するモバイルデバイスと変化するフォームファクタをサポートするために必要である。例えば、充電デバイスがその表面上の充電式デバイスを検出して位置を特定すること、並びに、ワイヤレス充電動作中に充電式デバイスの取り外しまたは再配置を検出することを可能にする、より高速で低電力の検出技術に対する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本明細書に開示の特定の態様に従ってワイヤレス充電デバイスによって提供される充電面上に提供され得る充電セルの一例を示している。
【
図2】
図2は、本明細書に開示の特定の態様に従ってワイヤレス充電デバイスによって提供される充電面のセグメントの単一の層上に提供される充電セルの配置構成の一例を示している。
【
図3】
図3は、本明細書に開示の特定の態様に従ってワイヤレス充電デバイスによって提供される充電面のセグメント内に充電セルの複数の層が重ねられている場合の充電セルの配置構成の一例を示している。
【
図4】
図4は、本明細書に開示の特定の態様に従って構成された充電セルの複数の層を採用する充電デバイスの充電面により提供される電力伝送領域の配置構成を示している。
【
図5】
図5は、本明細書に開示の特定の態様に係る、充電器基地局に提供され得る無線送信機を示している。
【
図6】
図6は、本明細書で開示の特定の態様に係る、パッシブpingに対する応答の第1の例を示している。
【
図7】
図7は、本明細書で開示の特定の態様に係る、パッシブpingに対する応答の第2の例を示している。
【
図8】
図8は、本明細書に開示の特定の態様に係る、パッシブpingに対する応答において観察された差の例を示している。
【
図9】
図9は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応されるワイヤレス充電器で使用するためのマトリックス多重化スイッチングをサポートする第1のトポロジーを示している。
【
図10】
図10は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応されるワイヤレス充電器で直流駆動をサポートする第2のトポロジーを示している。
【
図11】
図11は、本開示の特定の態様に従って受信デバイスの取り外しを確実に検出するように構成されたマルチコイルワイヤレス充電システムを示している。
【
図12】
図12は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応されるワイヤレス充電デバイスにおいて実現されるパッシブpingを含む方法を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、本明細書に開示の特定の態様に従って実現されるワイヤレス充電デバイスによって採用され得る電力伝送管理手順を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、デジタルpingロックアウトの利用を生じさせる可能性のある、ワイヤレス充電デバイスに近接して配置された受信デバイスの状況の一例を示している。
【
図15】
図15は、本明細書に開示の態様に従って採用され得るデジタルpingロックアウト手順を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応され得る処理回路を採用した装置の一例を示している。
【
図17】
図17は、本開示の特定の態様に従って充電デバイスを動作させるための方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成を説明することを意図しており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を示すことを意図したものではない。詳細な説明には、様々な概念の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれている。しかしながら、それらの概念が具体的な詳細なしで実施できることは当業者には明らかであろう。時には、そのような概念を不明瞭にしないために、周知の構造および構成要素をブロック図の形式で示している。
【0008】
次に、ワイヤレス充電システムのいくつかの態様を、様々な装置および方法を参照して提示する。それらの装置および方法は、以下の詳細な説明に記載されるとともに、添付の図面において、様々なブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(総称して「要素」と呼ぶ)によって示される。それら要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたはそれらの任意の組合せを使用して実現することができる。そのような要素がハードウェアとして実現されるか、またはソフトウェアとして実現されるかは、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課される設計上の制約に依存する。
【0009】
例えば、要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1または複数のプロセッサを含む「処理システム」で実現され得る。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。処理システムの1または複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、プロセッサ可読記憶媒体に常駐するようにしてもよい。本明細書でコンピュータ可読媒体とも呼ばれるプロセッサ可読記憶媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、近距離無線通信(NFC)トークン、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、搬送波、伝送路、ソフトウェアを格納または伝送するのに適した他の任意の媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、処理システムに存在していても、処理システムの外部にあっても、処理システムを含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実現するための最良の方法を認識するであろう。
【0010】
概要
本開示の特定の態様は、ワイヤレス充電デバイスおよび技術に適用可能なシステム、装置および方法に関するものである。充電セルは、充電デバイスの充電面を提供するために、1または複数の誘導コイルで構成することができ、充電面は、充電デバイスが1または複数の充電式デバイスをワイヤレスで充電することを可能にする。充電されるデバイスの位置は、デバイスの位置を、充電面の既知の位置を中心とする物理的特性の変化に関連付ける検知技術によって検出することができる。位置の検知は、容量性、抵抗性、誘導性、タッチ、圧力、負荷、歪みおよび/または別の適切なタイプの検知を用いて実行することができる。
【0011】
本開示の一態様では、装置が、バッテリ充電電源と、マトリックスに構成された複数の充電セルと、各スイッチがマトリックス内のコイルの横列をバッテリ充電電源の第1の端子に結合するように構成された第1の複数のスイッチと、各スイッチがマトリックス内のコイルの縦列をバッテリ充電電源の第2の端子に結合するように構成された第2の複数のスイッチとを備える。複数の充電セル内の各充電セルは、電力伝送領域を取り囲む1または複数のコイルを含むことができる。複数の充電セルは、複数の充電セル内の充電セルの電力伝送領域が重なることなく、充電デバイスの充電面に隣接して配置することができる。
【0012】
いくつかの実施態様では、装置が、充電面とも呼ばれる。電力は、装置の表面上の任意の位置に配置された受信デバイスにワイヤレスで伝送することができる。デバイスは、任意に規定されたサイズおよび/または形状を有することができ、充電可能とされる個別の配置位置に関係なく配置することができる。複数のデバイスを単一の充電面上で同時に充電することができる。装置は、充電面にわたって1または複数のデバイスの動きを追跡することができる。
【0013】
充電セル
本明細書に開示の特定の態様によれば、充電デバイス内の充電セルを使用して充電面を提供することができ、充電セルが、充電面に隣接して展開される。一例では、充電セルが、ハニカムパッケージ構成に従って、充電面の1または複数の層に展開される。充電セルは、コイルに隣接する充電面に実質的に直交する軸に沿って磁場をそれぞれ誘導することができる1または複数のコイルを用いて実現することができる。本明細書において、充電セルは、1または複数のコイルを有する要素であって、各コイルが、充電セル内の他のコイルによって生成される電磁場に対して加算的であり、共通の軸に沿ってまたは近接して向けられる電磁場を生成するように構成される、要素を指すことができる。
【0014】
いくつかの態様では、充電セルが、共通軸に沿って積み重ねられ、かつ/または充電面に実質的に直交する誘導磁場に寄与するように重なり合うコイルを含む。いくつかの態様では、充電セルが、充電面の規定された部分内に配置され、充電セルに関連する充電面の実質的に直交する部分内の誘導磁場に寄与するコイルを含む。いくつかの態様では、充電セルが、動的に規定された充電セルに含まれるコイルに励磁電流を提供することによって構成可能であってもよい。例えば、充電デバイスは、充電面全体に配置された複数のコイルのスタックを含むことができ、充電デバイスは、充電されるデバイスの位置を検出し、コイルのスタックのいくつかの組合せを選択して、充電されるデバイスに隣接する充電セルを提供することができる。いくつかの例では、充電セルが、単一のコイルを含むか、または単一のコイルとして特徴付けられるものであってもよい。しかしながら、充電セルは、複数の積層されたコイルおよび/または複数の隣接するコイル若しくはコイルのスタックを含むことができることを理解されたい。コイルは、本明細書では、充電コイル、ワイヤレス充電コイル、送信機コイル、伝送コイル、電力伝送コイル、電力送信機コイルなどと呼ばれることがある。
【0015】
図1は、充電デバイスの充電面を提供するように展開および/または構成され得る充電セル100の一例を示している。本明細書で説明するように、充電面は、1または複数の基板106上に設けられた充電セル100のアレイを含むことができる。1または複数の集積回路(IC)および/または個別の電子部品を含む回路を、1または複数の基板106上に提供することができる。回路は、電流を制御するために使用されるドライバおよびスイッチを含むことができ、その電流は、受信デバイスに電力を伝送するために使用されるコイルに供給される。回路は、本明細書に開示の特定の機能を実行するように構成され得る1または複数のプロセッサおよび/または1または複数のコントローラを含む処理回路として構成することができる。いくつかの実施態様では、処理回路の一部またはすべてを、充電デバイスの外部に提供することができる。いくつかの実施態様では、電源を充電デバイスに結合することができる。
【0016】
充電セル100は、充電デバイスの外面領域に非常に近接して提供することができ、その上に、1または複数のデバイスを充電のために配置することができる。充電デバイスは、充電セル100の複数のインスタンスを含むことができる。一例では、充電セル100が、電力伝送領域104に電磁場を生成するのに十分な電流を受け取ることができる、導体、ワイヤまたは回路基板トレースを用いて構築された1または複数のコイル102を囲む、実質的に六角形の形状を有している。様々な態様では、いくつかのコイル102が、
図1に示す六角形の充電セル100を含む、実質的に多角形である形状を有することができる。他の実施態様では、他の形状を有するコイル102を提供することができる。コイル102の形状は、製造技術の能力または制限によって、かつ/または、プリント回路基板などの基板106上の充電セルのレイアウトを最適化するように、少なくとも部分的に決定され得る。各コイル102は、スパイラル構成のワイヤ、プリント回路基板のトレースおよび/または他のコネクタを使用して実現することができる。各充電セル100は、異なる層のコイル102が共通の軸108を中心に配置されるように、絶縁体または基板106によって分離された2以上の層に跨るようにしてもよい。
【0017】
図2は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応され得る充電デバイスの充電面のセグメントの単一層上に設けられた充電セル202の配置200の一例を示している。充電セル202は、ハニカムパッケージ構成に従って配置されている。この例では、充電セル202が、重なり合うことなく、端と端とを接して配置されている。この配置は、スルーホールまたはワイヤ相互接続なしで提供することができる。充電セル202の一部分が重なる配置を含む、他の配置も可能である。例えば、2以上のコイルのワイヤが、ある程度、交互配置されるようにしてもよい。
【0018】
図3は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応され得る充電面のセグメント内に複数の層が重ねられている場合の、2つの視点300、310からの充電セルの配置の一例を示している。充電セルの層302、304、306、308は、充電面のセグメント内に設けられている。充電セルの各層302、304、306、308内の充電セルは、ハニカムパッケージ構成に従って配置されている。一例では、充電セルの層302、304、306、308が、4以上の層を有するプリント回路基板上に形成されるようにしてもよい。充電セル100の配置は、図示のセグメントに隣接する指定された充電領域を完全にカバーするように選択することができる。
【0019】
図4は、本明細書に開示の特定の態様に従って構成された充電セルの複数の層を採用する充電面400に提供される電力伝送領域の配置を示している。図示の充電面は、充電セルの4つの層402、404、406、408から構成され、それらが、
図3の充電セルの層302、304、306、308に対応し得る。
図4では、充電セルの第1の層402内の充電セルによって提供される各電力伝送領域が「L1」と記され、充電セルの第2の層404内の充電セルによって提供される各電力伝送領域が「L2」と記され、充電セルの第3の層406内の充電セルによって提供される各電力伝送領域が「L3」と記され、充電セルの第4の層408内の充電セルによって提供される各電力伝送領域が「L4」と記されている。
【0020】
無線送信機
図5は、充電器基地局に提供することができる無線送信機500を示している。コントローラ502は、調整回路508によってフィルタリングまたは他の方法で処理されたフィードバック信号を受信することができる。コントローラは、コンデンサ512およびインダクタ514を含む共振回路506に交流電流を供給するドライバ回路504の動作を制御することができる。共振回路506は、本明細書ではタンク回路、LCタンク回路またはLCタンクとも呼ばれ、共振回路506のLCノード510で測定された電圧516は、タンク電圧とも呼ばれる。
【0021】
無線送信機500は、適合するデバイスが充電面に置かれたか否かを判定するために、充電デバイスによって使用され得る。例えば、充電デバイスは、無線送信機500を介して間欠的なテスト信号(アクティブpingまたはデジタルping)を送信することによって、適合するデバイスが充電面に置かれたことを判定することができ、共振回路506は、適合するデバイスがテスト信号に応答するか又はテスト信号の特性を変更するときに、エンコードされた信号を検出または受信することができる。充電デバイスは、規格、慣習、製造者またはアプリケーションによって規定された応答信号を受信した後、少なくとも1の充電セル内の1または複数のコイルを作動させるように構成され得る。いくつかの例では、充電デバイスが適合デバイスの充電に使用する最適な充電セルを見付けることができるように、適合デバイスが、受信した信号強度を伝達することによってpingに応答することができる。
【0022】
パッシブping技術は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応されたデバイスの充電パッドに近接する受信コイルの存在を識別するために、LCノード510で測定または観察された電圧および/または電流を使用することができる。多くの従来のワイヤレス充電器送信機において、LCノード510で電圧を測定するための回路、またはLCネットワーク内の電流を測定するための回路が提供される。これらの電圧および電流は、電力調整の目的で、またはデバイス間の通信をサポートするために監視することができる。
図5に示す例では、LCノード510における電圧が監視されるが、短いパルスが共振回路506に提供されるパッシブpingをサポートするために、追加的または代替的に電流が監視されることが企図されている。パッシブping(初期電圧V
0)に対する共振回路506の応答は、以下のように、LCノード510における電圧(V
LC)によって示すことができる。
【0023】
本明細書に開示の特定の態様によれば、適合するデバイスを充電するために最適な電磁場を提供するように、1または複数の充電セル内のコイルを選択的に作動させることができる。いくつかの例では、コイルが充電セルに割り当てられ、いくつかの充電セルが他の充電セルと重なるようにしてもよい。後者の例では、充電セルレベルで最適な充電構成を選択することができる。他の例では、充電デバイスの表面上で充電されるデバイスの配置に基づいて充電セルを規定することができる。それらの他の例では、各充電イベントに対して作動されるコイルの組合せが異なることがある。いくつかの実施態様では、充電デバイスが、充電イベント中に作動させる1または複数のセルおよび/または1または複数の予め設定された充電セルを選択することができるドライバ回路を含むことができる。
【0024】
図6は、パッシブpingに対する応答600が式3に従って減衰する第1の例を示している。時間t=0における励起パルスの後、電圧および/または電流は、式1で規定される共振周波数で、式3で規定される減衰率で振動していることが分かる。振動の最初のサイクルは、電圧レベルV
0で始まり、V
LCは、Q値とωによって制御されるように、ゼロまで減衰し続ける。
図6に示す例は、物体が存在しないか、または充電パッドの近くにないときの典型的な開放または無負荷応答を示している。
図6では、Q値が20であると仮定される。
【0025】
図7は、パッシブpingに対する応答700が式3に従って減衰する第2の例を示している。時間=0における励起パルスの後、電圧および/または電流は、式1で規定される共振周波数で、式3で規定される減衰率で振動していることが分かる。振動の最初のサイクルは、電圧レベルV
0で始まり、V
LCは、Q値とωによって制御されるように、ゼロまで減衰し続ける。
図7に示す例は、物体が充電パッドに存在するか、または充電パッドの近くにあってコイルに負荷をかける負荷応答を示している。
図6において、Q値は、7の値を有することができる。V
LCは、電圧応答700において、電圧応答600よりも高い周波数で振動する。
【0026】
図8は、応答800、820、840の差が観察される一連の例を示している。ドライバ回路504が、2.5μsよりも短いパルスを用いて共振回路506を励起すると、パッシブpingが開始される。送信機上に置かれた異なるタイプの無線受信機および異物は、送信機のLCノード510の電圧または共振回路506の電流において観察可能な異なる応答をもたらす。これらの差は、V
0の振動の共振回路506の周波数のQ値の変動を示し得る。表1は、開放状態に関連して充電パッド上に置かれた物体の具体的な例を示している。
表1では、Q値を次のように計算することができる。
ここで、Nは、励起から振幅が0.5V
0を下回るまでのサイクル数である。
【0027】
選択的に作動させるコイル
本明細書に開示の特定の態様によれば、適合するデバイスを充電するために最適な電磁場を提供するように、1または複数の充電セル内の伝送コイルを選択的に作動させることができる。いくつかの例では、伝送コイルが充電セルに割り当てられ、いくつかの充電セルが他の充電セルと重なるようにしてもよい。後者の例では、充電セルレベルで最適な充電構成を選択することができる。他の例では、充電面上で充電されるデバイスの配置に基づいて充電セルを規定することができる。それらの他の例では、各充電イベントに対して作動されるコイルの組合せが異なることがある。いくつかの実施態様では、充電デバイスが、充電イベント中に作動させる1または複数のセルおよび/または1または複数の予め設定された充電セルを選択することができるドライバ回路を含むことができる。
【0028】
図9は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応されるワイヤレス充電器で使用するためのマトリックス多重化スイッチングをサポートする第1のトポロジー900を示している。ワイヤレス充電器は、受信デバイスを充電するために1または複数の充電セル100を選択することができる。使用されていない充電セル100は、電流の流れから切り離すことができる。比較的多数の充電セル100を、対応する数のスイッチを必要とする
図2に示すハニカムパッケージ構成で使用することができる。本明細書に開示の特定の態様によれば、充電セル100を、特定のセルが電力供給されることを可能にする2以上のスイッチに接続された複数のセルを有するマトリックス908に論理的に配置することができる。図示のトポロジー900では、2次元マトリックス908が提供され、次元がXおよびY座標によって表される。第1のセットのスイッチ906の各々は、セルの縦列における各セルの第1の端子を、ワイヤレス充電中にコイルを作動させるために電流を供給する無線送信機および/または受信機回路902に選択的に結合するように構成されている。第2のセットのスイッチ904の各々は、セルの横列における各セルの第2の端子を、無線送信機および/または受信機回路902に選択的に結合するように構成されている。セルは、その両方の端子が無線送信機および/または受信機回路902に結合されているときは、アクティブである。
【0029】
マトリックス908の使用により、同調LC回路のネットワークを動作させるために必要なスイッチングコンポーネントの数を大幅に削減することができる。例えば、N個の個別に接続されたセルは少なくともN個のスイッチを必要とするが、N個のセルを有する2次元マトリックス908は√N個のスイッチで動作させることができる。マトリックス908の使用により、大幅にコストを削減することができ、回路および/またはレイアウトの複雑さを低減することができる。一例では、9セルの態様は、6個のスイッチを使用して3×3マトリックス908で実現することができ、3個のスイッチを節約することができる。別の例では、16セルの態様は、8個のスイッチを使用して4×4マトリックス908で実現することができ、8個のスイッチを節約することができる。
【0030】
動作中、少なくとも2のスイッチが、1つのコイルを無線送信機および/または受信機回路902に能動的に結合するために閉じられる。複数のコイルを無線送信機および/または受信機回路902に容易に接続するために、複数のスイッチを同時に閉じることができる。例えば、受信デバイスに電力を伝送する際に複数の伝送コイルを駆動する動作モードを可能にするために、複数のスイッチを閉じることができる。
【0031】
図10は、本明細書に開示の特定の態様に従って、各コイルまたは充電セルがドライバ回路1002によって個別にかつ/または直接駆動される第2のトポロジー1000を示している。ドライバ回路1002は、受信デバイスを充電するためにコイルのグループ1004から1または複数のコイルまたは充電セル100を選択するように構成することができる。充電セル100に関連して本明細書に開示した概念は、個々のコイルまたはコイルのスタックの選択的な作動に適用され得ることが理解されよう。使用されていない充電セル100は、電流を受け取らない。比較的多数の充電セル100が使用中であってもよく、個々のコイルまたはコイルのグループを駆動するためにスイッチングマトリックスを採用することができる。一例では、第1のスイッチングマトリックスが、充電イベント中に使用される充電セルまたはコイルのグループを規定する接続を構成することができ、第2のスイッチングマトリックス(例えば、
図9を参照)が、充電セルおよび/または選択されたコイルのグループを作動させるために使用され得る。
【0032】
マルチコイルワイヤレス充電器からのデバイスの取り外しの検出
図11に示すように、本開示の特定の態様に従って提供されるマルチコイルワイヤレス充電システム1100は、充電が進行している間に受信デバイス1106の取り外しを確実に検出するように構成することができる。受信デバイスの恣意的および/または予期せぬ取り外しは、接近するデバイス1108に対する検出効率の潜在的な喪失に加えて、他の受信デバイス1108に対する損傷を引き起こす可能性がある。マルチコイルワイヤレス充電システム1100は、複数の伝送コイル1104
1~1104
nを含む充電面1102を提供する。図示の例では、受信デバイス1106が、n番目の伝送コイル(伝送コイル1104
n)から充電磁束を受信している間に取り外されている。
【0033】
場合によっては、充電面1102は、受信デバイス1106が取り外された後も、伝送コイル1104nに充電電流を供給し続ける。接近するデバイス1108は、充電電流が流れている間、充電面1102上に配置される可能性がある。充電電流は、典型的には、受信デバイス1106の能力に基づいて設定されており、受信デバイスの能力は、接近するデバイス1108の能力とは異なる場合がある。接近するデバイス1108が、元の受信デバイス1106のために意図された誘導電流のレベルを処理するように設計されていない場合、接近するデバイス1108に対する損傷が生じる可能性がある。
【0034】
本開示の特定の態様は、マルチコイルワイヤレス充電システム1100が、充電面1102からの受信デバイス1106の取り外しを迅速かつ確実に検出することを可能にする。マルチコイルワイヤレス充電システム1100は、受信デバイス1106の取り外しを検出すると、アクティブな伝送コイル1104nへの充電電流の流れを中止することができる。マルチコイルワイヤレス充電システム1100は、受信デバイス1106の取り外しおよび充電電流の中止を検出すると、接近するデバイス1108を含む物体を検出するように充電面1102を構成することができる。
【0035】
本開示の特定の態様によれば、受信デバイス1106の取り外しは、充電回路、または伝送コイル11041~1104nのうちの1または複数の特定の特性を監視することによって検出することができる。特定の例では、伝送コイル1104nと受信デバイス1106内の受信コイルとの間の電磁結合の変化に起因し得る測定された電気量の変化に基づいて、受信デバイス1106の取り外しを検出することができる。
【0036】
一例では、動的推論結合評価(DICE)を使用して、リアルタイムで結合の質を検出することができる。DICEは、伝送コイルおよび直列共振コンデンサを含む回路における実電力と無効電力との比の評価を含むことができる。送信機のインダクタ・コンデンサ(LC)回路に蓄積される無効電力の量は、結合係数の影響を大きく受ける。結合係数は、無線送信機のLC回路における相互インダクタンスと漏れインダクタンスとの比を定義する。例えば、無線送信機のLC回路における漏れインダクタンスは、次式で表すことができる。
ここで、L
Txは送信機コイルの自己インダクタンスを表し、kは結合係数を表している。結合が減少すると結合係数が低くなり、漏れインダクタンスが増加するため、送信機の漏れインダクタンスにより多くの無効エネルギーが蓄積される。漏れインダクタンスに蓄積されたエネルギーは電力伝送に寄与することはなく、漏れインダクタンスにエネルギーが蓄積されると、LCノードにおける電圧が上昇する。
【0037】
1または複数の伝送コイル11041~1104nと受信デバイス1106との間の結合の特定の態様は、LCノードで測定される電圧によって特徴付けることができる。LCノードで測定された電圧の測定値は、他の理由で利用できる場合がある。場合によっては、LCノードでの電圧は、パワーエレクトロニクスおよび共振コンデンサを保護するために使用される過電圧インジケータとして監視されることがある。一例では、測定回路が、閾値レベルを超える電圧を検出するように構成された電圧コンパレータを含む。本明細書に開示の特定の態様によれば、測定回路を追加するか、または既存の測定回路を使用して、結合の質によって直接変化するLCノードにおける電圧を定量化または比較することができる。
【0038】
マルチコイルワイヤレス充電器からのデバイスの取り外しの検出
図11に示すように、本開示の特定の態様に従って提供されるマルチコイルワイヤレス充電システム1100は、充電が進行している間に受信デバイス1106の取り外しを確実に検出するように構成することができる。受信デバイスの恣意的および/または予期せぬ取り外しは、接近するデバイス1108に対する検出効率の潜在的な喪失に加えて、他の受信デバイス1108に対する損傷を引き起こす可能性がある。マルチコイルワイヤレス充電システム1100は、複数の伝送コイル1104
1~1104
nを含む充電面1102を提供する。図示の例では、受信デバイス1106が、n番目の伝送コイル(伝送コイル1104
n)から充電磁束を受信している間に取り外されている。
【0039】
場合によっては、充電面1102は、受信デバイス1106が取り外された後も、伝送コイル1104nに充電電流を供給し続ける。接近するデバイス1108は、充電電流が流れている間、充電面1102上に配置される可能性がある。充電電流は、典型的には、受信デバイス1106の能力に基づいて設定されており、受信デバイスの能力は、接近するデバイス1108の能力とは異なる場合がある。接近するデバイス1108が、元の受信デバイス1106のために意図された誘導電流のレベルを処理するように設計されていない場合、接近するデバイス1108に対する損傷が生じる可能性がある。
【0040】
本開示の特定の態様は、マルチコイルワイヤレス充電システム1100が、充電面1102からの受信デバイス1106の取り外しを迅速かつ確実に検出することを可能にする。マルチコイルワイヤレス充電システム1100は、受信デバイス1106の取り外しを検出すると、アクティブな伝送コイル1104nへの充電電流の流れを中止することができる。マルチコイルワイヤレス充電システム1100は、受信デバイス1106の取り外しおよび充電電流の中止を検出すると、接近するデバイス1108を含む物体を検出するように充電面1102を構成することができる。
【0041】
本開示の特定の態様によれば、受信デバイス1106の取り外しは、充電回路、または伝送コイル11041~1104nのうちの1または複数の特定の特性を監視することによって検出することができる。特定の例では、伝送コイル1104nと受信デバイス1106内の受信コイルとの間の電磁結合の変化に起因し得る測定された電気量の変化に基づいて、受信デバイス1106の取り外しを検出することができる。
【0042】
パッシブおよびアクティブPing
図12は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応されたワイヤレス充電デバイスで実施されるパッシブpingを伴う方法を示すフローチャート1200である。ブロック1202において、コントローラは、短い励起パルスを生成することができ、共振回路を含むネットワークに短い励起パルスを提供することができる。ネットワークは、公称共振周波数を有し、短い励起パルスは、ネットワークの公称共振周波数の周期の半分未満の持続時間を有することができる。他の例では、短い励起パルスが、ネットワークの共振周波数の複数の周期に対応する持続時間を有することができる。公称共振周波数は、鉄の物体、非鉄物体および/または充電されるデバイスの受信コイルを含む外部の物体から、共振回路の伝送コイルが隔離されているときに観測され得る。
【0043】
ブロック1204において、コントローラは、ネットワークの共振周波数を測定するか、またはパルスに応答するネットワークの共振の減衰を監視することができる。本明細書に開示の特定の態様によれば、デバイスまたは他の物体が伝送コイルに近接して配置されたときに、ネットワークに関連する共振周波数および/またはQ値が変更され得る。共振周波数は、共振回路の伝送コイルが外部の物体から隔離されているときに観測される公称共振周波数から増加または減少する可能性がある。また、ネットワークのQ値は、共振回路の伝送コイルが外部の物体から隔離されているときに測定可能な公称Q値に対して増加または減少する可能性がある。本明細書に開示の特定の態様によれば、Q値の差が、公称Q値に関連する遅延に対して、共振回路における振動の振幅の減衰を延長または加速する場合、遅延の期間は、伝送コイルに近接して配置された物体の存在またはタイプを示すことができる。
【0044】
一例では、コントローラは、コンパレータなどを用いてLCノード510における電圧を示す信号のゼロ交差を検出するように構成された遷移検出回路を使用して、ネットワークの共振周波数を測定することができる。いくつかの例では、ゼロ交差を提供するために、信号から直流(DC)成分をフィルタリングすることができる。いくつかの例では、コンパレータが、共通の電圧レベルの交差を検出するために、オフセットを使用してDC成分を考慮することができる。検出されたゼロ交差をカウントするために、カウンタを採用することができる。別の例では、コントローラは、LCノード510の電圧を示す信号によって閾値電圧を通る交差を検出するように構成された遷移検出回路を使用して、ネットワークの共振周波数を求めることができ、この場合、信号の振幅が、論理回路によって検出および監視することができる電圧の範囲内で固定または制限される。この例では、信号の遷移をカウントするためにカウンタを採用することができる。ネットワークの共振周波数は、他の方法論を用いて測定、推定および/または計算することもできる。
【0045】
別の例では、VLCが電圧レベルV0から閾値電圧レベルまで減衰するまでの経過時間を測定するために、タイマまたはカウンタを採用することができる。経過時間は、ネットワークの減衰特性を示すために使用することができる。閾値電圧レベルは、パルスに対する様々な応答800、820、840をカウンタまたはタイマが区別できるように、十分な精度を提供するように選択され得る。VLCは、検出または測定されたピーク、ピークツーピーク、エンベロープおよび/または整流された電圧レベルによって表すことができる。ネットワークの減衰特性は、他の方法論を用いて測定、推定および/または計算することもできる。
【0046】
ブロック1206において、公称共振周波数に対する共振周波数の変化が、伝送コイルに近接する物体の存在を示しているとコントローラが判定した場合、コントローラは、ブロック1212において、物体の識別を試みることができる。コントローラがブロック1206で共振周波数が公称共振周波数と実質的に同じであると判定した場合、コントローラはブロック1208で、共振回路における振動の振幅の減衰特性を考慮することができる。コントローラは、公称共振周波数を中心とする、またはそれを含む規定された周波数範囲内に周波数が留まっている場合に、ネットワークの共振周波数が公称共振周波数と実質的に同じであると判定するようにしてもよい。いくつかの態様では、コントローラは、共振周波数および減衰特性の変化を使用して物体を識別することができる。それらの後者の態様では、コントローラは、共振周波数に関係なく、ブロック1208を継続することができ、伝送コイルの近くに配置された物体を識別する際に、追加のパラメータとして共振周波数の変化を使用することができる。
【0047】
ブロック1208において、コントローラはタイマを使用することができ、かつ/または初期のV0振幅と減衰特性の評価に使用される閾値振幅との間に経過した共振回路の振動のサイクルをカウントすることができる。一例では、V0/2を閾値振幅として選択することができる。ブロック1210では、初期V0振幅と閾値振幅との間のサイクル数または経過時間を用いて、共振回路における発振振幅の減衰を特徴付け、この特徴付けた減衰を対応する公称減衰特性と比較することができる。ブロック1210において、周波数および遅延特性の変化が検出されない場合、コントローラは、物体が伝送コイルに近接して配置されていないと判定して手順を終了することができる。ブロック1210において、周波数および/または遅延特性の変化が検出された場合、コントローラは、ブロック1212において、物体を識別することができる。
【0048】
ブロック1212において、コントローラは、充電面を含む充電パッドに置かれた受信デバイスを識別するように構成され得る。コントローラは、他のタイプの物体、または充電パッド上に最適に配置されていない受信デバイス(例えば、パッシブpingを提供する伝送コイルと位置がずれている受信デバイスなど)を無視するように構成することができる。いくつかの態様では、コントローラは、共振周波数、減衰時間、共振周波数の変化、減衰時間の変化および/またはQ値の推定値で索引付けされたルックアップテーブルを使用することができる。ルックアップテーブルは、特定のデバイスのタイプを識別する情報、および/または識別されたデバイスまたはタイプのデバイスを充電する際に使用される充電パラメータを提供することができる。
【0049】
パッシブpingは、共振回路906のLCノード510で観測される公称共振周波数の半周期未満であり得る、非常に短い励起パルスを使用する。従来のpingは、16,000を超えるサイクルにわたって伝送コイルをアクティブに駆動することができる。従来のpingによって消費される電力および時間は、パッシブpingの電力および時間の使用を数桁上回ることがある。ある例では、パッシブpingは1回のpingで約0.25μJを消費し、最大ping時間は約100μsであるのに対し、従来のアクティブpingは1回のpingで約80mJを消費し、最大ping時間は約90msである。この例では、エネルギー散逸が320,000分の1に減少し、1回のpingの時間が900分の1に減少する可能性がある。他の例では、励起パルスが、共振回路906のLCノード510で観測される公称共振周波数の複数サイクル(ただし、30サイクル未満)に対応する持続時間を有することができる。一例では、複数サイクルの励起パルスが、10サイクル未満である持続時間を有する。
【0050】
また、パッシブping手順は、静電容量式検知などの別の低電力検知方法論と組み合わせることもできる。静電容量式検知などは、充電面に近接している物体の有無を判定する超低電力の検出方法を提供することができる。静電容量式検知の後、パッシブpingを各コイルで順次または同時に送信することで、潜在的な受信デバイスおよび/または物体がどこに位置するかのより正確なマップを作成することができる。パッシブpingの手順が実行された後、最も可能性の高いデバイスの位置にアクティブping(例えば、アクティブデジタルping)を提供することができる。デバイスの位置検知、識別および充電のためのアルゴリズムの一例が、
図14に示されている。
【0051】
図13は、本明細書に開示の特定の態様に従って実現されるワイヤレス充電デバイスにより採用され得る複数の検知および/または問合せ技術を含む電力伝送管理手順を示すフローチャート1300である。この手順は、定期的に開始することができ、いくつかの例では、ワイヤレス充電デバイスが低電力状態またはスリープ状態を終了した後に開始することができる。ある例では、この手順を、充電パッド上へのデバイスの配置に対する1秒未満の応答を提供するように計算された周波数で繰り返すことができる。手順の最初の実行中にエラー状態が検出された場合に、かつ/または、充電パッドに置かれたデバイスの充電が完了した後に、手順に再び入ることができる。
【0052】
ブロック1302では、コントローラが、静電容量式近接検知を使用して初期探索を実行することができる。静電容量式近接検知は、迅速にかつ低消費電力で実行することができる。一例では、静電容量式近接検知を反復的に実行することができ、各反復において1または複数の伝送コイルがテストされる。各反復においてテストされる伝送コイルの数は、コントローラが利用可能な検知回路の数によって決定することができる。ブロック1304において、コントローラは、静電容量式近接検知が、伝送コイルの1つに近接する物体の存在または潜在的な存在を検知したか否かを判定することができる。静電容量式近接検知によって物体が検知されなかった場合、コントローラは、ブロック1324において、充電デバイスを低電力、アイドルおよび/またはスリープ状態にすることができる。物体が検出された場合には、コントローラは、ブロック1306でパッシブping検知を開始することができる。
【0053】
ブロック1306において、コントローラは、(静電容量式検知が使用されない場合)1または複数Nの伝送コイルの近傍にある物体を検出するか、または(静電容量式検知が使用されない場合)その存在を確認するために、かつ/または近接して位置する物体の性質を評価するために、パッシブping検知を開始することができる。パッシブping検知は、静電容量式近接検知と同程度の電力量を消費するが、それより長い時間に及ぶことがある。一例として、各パッシブpingは、約100μsで完了することができ、0.25μJを消費する可能性がある。パッシブpingは、静電容量式近接検知によって対象であると識別された各伝送コイルに提供されるようにしてもよい。いくつかの態様では、パッシブpingが、オーバーレイされた伝送コイルを含む、静電容量式近接検知によって対象であると識別された各伝送コイルの近傍の伝送コイルに提供されるようにしてもよい。ブロック1308において、コントローラは、パッシブping検知が、受信デバイスであり得る伝送コイルの1つに近接する潜在的な充電式デバイスの存在を検出したか否かを判定することができる。潜在的な充電式デバイスが検出されていない場合、N個のコイルのうちの次のコイルをテストするために、ブロック1306において、パッシブping検知を継続することができる。パッシブping検知は、決定ブロック1308で示すように、N個のコイルすべてがテストされるまで、続けられる。一例において、コントローラは、すべての伝送コイルがテストされた後、パッシブping検知を終了する。決定ブロック1310で示すように、N個のコイル(または他の例ではN個のうちのコイルの決定されたサブセット)すべてがテストされた後、コントローラは、ブロック1312で示すように、物体を検出するすべてのコイルに対してアクティブデジタルping検知を開始することができる。他の態様では、アクティブpingの結果が得られた後に、パッシブping検知を再開することができる。
【0054】
ブロック1312では、コントローラが、アクティブpingを使用して、潜在的な充電式デバイスを問い合わせることができる。アクティブpingは、パッシブping検知によって識別された伝送コイルに提供することができる。一例では、標準規定されたアクティブpingの遣り取りは、約90msで完了することができ、80mJを消費する。アクティブpingは、潜在的な充電式デバイスに関連する各伝送コイルに提供することができる。
【0055】
ブロック1312において、コントローラはさらに、充電式デバイスを識別および構成することができる。ブロック1312で提供されたアクティブpingは、充電式デバイスを識別する情報を含む応答を送信するように、充電式デバイスを促すように構成することができる。いくつかの例では、コントローラは、パッシブpingによって検出された潜在的な充電式デバイスの識別または構成に失敗することがあり、コントローラは、ブロック1306において、パッシブpingに基づく探索を再開することができる。ブロック1314において、コントローラは、識別された充電式デバイスを充電するために、ベースライン充電プロファイルまたはネゴシエートされた充電プロファイルを使用すべきか否かを判定することができる。ベースラインまたはデフォルトの充電プロファイルは、規格によって規定されたものであってもよい。一例では、ベースラインプロファイルが充電電力を5Wに制限する。別の例では、ネゴシエートされた充電プロファイルが、最大15Wで充電を進めることを可能にする。ベースライン充電プロファイルが選択されると、コントローラは、ブロック1320において、電力の伝送(充電)を開始することができる。
【0056】
ブロック1316において、コントローラは、電力伝送を最適化することができる標準規定のネゴシエーションおよびキャリブレーションプロセスを開始することができる。コントローラは、充電式デバイスとネゴシエートして、ベースライン充電プロファイルのために規定された電力プロファイルとは異なる拡張電力プロファイルを決定することができる。コントローラは、ブロック1318において、ネゴシエーションおよびキャリブレーションプロセスが失敗したと判定し、電力伝送管理手順を終了することができる。コントローラは、ブロック1318において、ネゴシエーションおよびキャリブレーションプロセスが成功したと判定した場合、ブロック1320において、ネゴシエーションプロファイルに従った充電を開始することができる。
【0057】
ブロック1322では、コントローラは、充電が正常に完了したか否かを判定することができる。いくつかの例では、電力伝送を制御するためにネゴシエートされたプロファイルが使用されるときに、エラーが検出されることがある。後者の場合、コントローラは、ブロック1316において、プロファイルの再ネゴシエートおよび/または再構成を試みることができる。コントローラは、充電が正常に完了したときに、電力伝送管理手順を終了することができる。
【0058】
デジタルPingロックアウト
受信デバイスの一部分(例えば、デバイスの充電コイルに近接していないデバイスのフレーム部分)または受信機ではない他の物体が、マルチコイルパッドの充電面に重なる場合、そのような部分または物体は、デバイス部分または受信機ではない他の物体の検出後に、繰り返し発生するデジタルまたはアクティブpingを引き起こす可能性がある。それらの部分または物体は受信しないため、それらはアクティブまたはデジタルpingに対するping応答をもたらすことはない。それらのデジタルpingは、余分な信号ノイズを生成し、電力を浪費する可能性もある。また、デジタルpingの繰り返しが十分に頻繁である場合、それらが、不要で、有害でもある物体の加熱の一因になる可能性もある。このため、本開示はデジタルpingロックアウトプロセスを提供するものであり、このプロセスでは、複数のpingの連続発生を監視し、pingが、予め設定された時間またはpingのカウントの後に、検出された受信機または物体からping応答を受信しない場合(例えば、否定応答(NACK))に、デジタルpingを停止して(すなわち、物体へのデジタルpingをロックアウトして)、信号ノイズ、無駄な電力、および物体の不要な加熱を回避する。
【0059】
図14は、ワイヤレス充電デバイス1400において不要なデジタルpingが発生する可能性がある例示的なシナリオを示している。図示のように、ワイヤレス充電デバイス1400は、多数の充電コイル(または充電セル)1404を含む充電面1402を含む。この例では、LP1~LP18とラベル付けされた18個のコイル1404が存在する。
【0060】
また、ワイヤレス充電が可能な電子デバイスなどの受信(Rx)デバイス1406も示されている。しかしながら、他の例では、デバイス1406は、パッシブまたはアナログpingで検出可能であるが、ping応答または肯定応答(ACK)を提供することができない、完全に非受信デバイスの場合もある。さらに、Rxデバイス1406がワイヤレス充電が可能なデバイスである場合、デバイス1406内のコイル1408は、デバイス1406に充電エネルギーを供給するために使用されるコイルLP4(1404
4とも示される)の1つに近接して配置される可能性がある。さらに、コイル1408がコイル1404
4からのデジタルまたはアクティブpingを受信して応答することができる領域を示すために、範囲または領域1410が示されている。この領域1410の外側では、充電デバイス1400の他のコイルが、受信デバイス1406の一部分によって覆われ、その部分は、コイル1404からのパッシブまたはアナログpingによって検出されるが、デバイス1406のそれらの部分にはコイルまたは他の検知/送信手段が配置されていないため、ping応答を受けることはない。パッシブまたはアナログpingによってデバイス1406を検知することができるが、ping応答を受信することはない充電デバイス1400の充電コイルの例には、水平線の網掛けで示されたコイルLP1、LP2、LP5、LP7~LP10(すなわち、1404
1、1404
2、1404
5、1404
7~1404
10)が含まれる。それらのコイル1404
1、1404
2、1404
5、1404
7~1404
10の場合、パッシブpingがそれらの部分または物体の存在を検出するため、その後、通常の手順では、
図13に関連して説明したような、それらのコイルを使用してデジタルまたはアクティブpingが発せられる。しかしながら、前述したように、それらのコイルによるアクティブまたはデジタルpingは、システムノイズの増加、電力の浪費、および物体の望ましくない加熱を引き起こす可能性がある。
【0061】
図15は、受信デバイスまたは物体からping応答を受信しないコイルまたは受信しないであろうコイルによるデジタルpingを停止する(すなわち、デジタルpingをロックアウトする)、デバイス1400などのワイヤレス充電デバイスで実現され得る方法1500のフロー図を示している。この方法1500は、
図13の通常の手順で発生し得るノイズ、電力浪費、および加熱を軽減する。具体的に、本方法1500は、最初に、ブロック1502で示すように、少なくとも1のコイル(例えば、1404
1)からのアナログpingによって物体が検出されたか否かを判定するステップを含む。物体が検出された場合、フローはブロック1504に進み、そのコイルによってデジタルpingが実行される。物体が検出されない場合、フローはブロック1506に進み、否定応答(NACK)カウンタまたは類似の機能がリセットされる。NACKカウンタは、後述するように、コイルによって送信されるデジタルpingの数を制限するために、コイルがデジタルping応答を受信しない場合に、各インスタンスをカウントするために使用されることに留意されたい。フローは、ブロック1506から方法1500のスタートに戻って、パッシブまたはアナログpingプロセスが再開され、物体が存在する否かを検出する試みがなされることに留意されたい。
【0062】
ブロック1504でデジタルpingが実行された後、決定ブロック1508に示すように、デジタルpingに対するping応答が物体からコイルで受信されたか否かのチェックが行われる。応答が受信された場合、フローはブロック1510に進み、否定応答(NACK)カウントまたはカウンタがリセットされる。
【0063】
代替的には、ブロック1510において、デジタルpingに対して応答が受信されない場合、フローはブロック1512に進み、NACKカウントまたはカウンタが1つインクリメントされる。次に、フローは決定ブロック1514に進み、NACKカウンタの現在値が、各デジタルpingからの連続する無応答の最大数に対応する予め設定された閾値と比較される。NACKカウントまたはカウンタの現在値が閾値を超えない場合、フローは、スタートに戻って、アナログping、ブロック1502でのアナログpingによる物体の存在の判定へと進み、アナログpingにより判定されるように物体が依然として存在する場合には、その後のデジタルpingに移行する。
【0064】
NACKカウントまたはカウンタが、ブロック1514で判定されるように、予め設定された閾値を超えると(これは最大数の連続する無応答のデジタルpingが送信されたことを意味する)、フローはブロック1516に進む。ブロック1516では、物体の存在をチェックするために、アナログpingを継続することができる。決定ブロック1516(およびアナログping)は、物体が移動して検出されなくなるまで、ループを続ける。ブロック1516はループを続けるため、無応答の物体が存在し、それがコイルによって検出されている間、デジタルpingは停止またはロックアウトされる。物体が取り除かれると、フローはブロック1506に進んで、NACKカウントまたはカウンタがリセットされた後、本方法1500のスタートに戻る。したがって、本方法1500は、無応答の物体に対してコイルから発せられる連続するデジタルpingの数を制限する。いくつかの態様では、NACKカウントが、例えば、3に設定されるが、それに限定されるものではなく、それよりも少ない場合または多い場合もある。
【0065】
さらなる態様では、パッシブpingで物体を検出する各コイルに対して本方法1500を実施することができる。例えば、
図14の受信デバイス1406を検出する各コイルLP1、LP2、LP5、LP7~LP10(すなわち、1404
1、1404
2、1404
5、1404
7~1404
10)など、コイルの各々に対して、本方法1500を実施することができる。
【0066】
図16は、バッテリをワイヤレスで充電することを可能にする充電デバイスに組み込むことができる装置1600のハードウェア実装の一例を示している。いくつかの例では、装置1600が、本明細書に開示の1または複数の機能を実行することができる。本開示の様々な態様によれば、本明細書に開示の要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、処理回路1602を用いて実現することができる。処理回路1602は、ハードウェアモジュールおよびソフトウェアモジュールのある組合せによって制御される1または複数のプロセッサ1604を含むことができる。プロセッサ1604の例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、SoC、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、シーケンサ、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。1または複数のプロセッサ1604は、特定の機能を実行する専用のプロセッサを含むことができ、ソフトウェアモジュール1616の1つによって構成、増強または制御することができる。1または複数のプロセッサ1604は、初期化中にロードされたソフトウェアモジュール1616の組合せを通じて構成されるものであってもよく、動作中に1または複数のソフトウェアモジュール1616をロードまたはアンロードすることによってさらに構成されるものであってもよい。
【0067】
図示の例では、処理回路1602が、概してバス1610で示されるバスアーキテクチャで実現することができる。バス1610は、処理回路1602の具体的なアプリケーションおよび全体的な設計上の制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含むことができる。バス1610は、1または複数のプロセッサ1604およびストレージ1606を含む様々な回路をリンクする。ストレージ1606は、メモリデバイスおよび大容量ストレージデバイスを含むことができ、本明細書では、コンピュータ可読媒体および/またはプロセッサ可読媒体とも呼ばれる。ストレージ1606は、一時的な記憶媒体および/または非一時的な記憶媒体を含むことができる。
【0068】
バス1610は、タイミングソース、タイマ、周辺機器、電圧レギュレータおよび電源管理回路などの様々な他の回路もリンクすることができる。バスインターフェース1608は、バス1610と1または複数のトランシーバ1612との間のインターフェースを提供することができる。一例では、標準規定プロトコルに従って、装置1600が充電デバイスまたは受信デバイスと通信できるようにするために、トランシーバ1612を設けることができる。また、装置1600の性質に応じて、ユーザインタフェース1618(例えば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、ジョイスティック)も提供することができ、バス1610に直接またはバスインタフェース1608を介して通信可能に結合することができる。
【0069】
プロセッサ1604は、バス1610の管理と、ストレージ1606を含むコンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理とを担うことができる。この点において、プロセッサ1604を含む処理回路1602は、本明細書に開示の方法、機能および技術のいずれかを実現するために使用することができる。ストレージ1606は、ソフトウェアの実行時にプロセッサ1604によって操作されるデータを格納するために使用することができ、ソフトウェアは、本明細書に開示の方法のいずれか一つを実行するように構成することができる。
【0070】
処理回路1602の1または複数のプロセッサ1604は、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、コンピュータ可読形式でストレージ1606に存在するようにしても、外部のコンピュータ可読媒体に存在するようにしてもよい。外部のコンピュータ可読媒体および/またはストレージ1606は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含むことができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、「フラッシュドライブ」、カード、スティック、キードライブ)、RAM、ROM、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、EEPROMを含む消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を格納するための他の任意の適切な媒体を含むことができる。また、コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1606は、例えば、搬送波、伝送ライン、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を送信するための他の任意の適切な媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1606は、処理回路1602に存在していても、プロセッサ1604に存在していても、処理回路1602の外部にあっても、処理回路1602を含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1606は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実現するための最良の方法を認識するであろう。
【0071】
ストレージ1606は、本明細書でソフトウェアモジュール1616とも呼ばれる、ロード可能なコードセグメントにおけるソフトウェア、モジュール、アプリケーション、プログラムなどを維持および/または編成することができる。ソフトウェアモジュール1616の各々は、処理回路1602にインストールまたはロードされて、1または複数のプロセッサ1604によって実行されると、1または複数のプロセッサ1604の動作を制御するランタイムイメージ1614に寄与する命令およびデータを含むことができる。特定の命令は、実行されると、処理回路1602に、本明細書に記載の特定の方法、アルゴリズムおよびプロセスに従って機能を実行させることができる。
【0072】
ソフトウェアモジュール1616のいくつかは、処理回路1602の初期化中にロードされるものであってもよく、それらのソフトウェアモジュール1616は、本明細書に開示の様々な機能の実行を可能にするように処理回路1602を構成することができる。例えば、いくつかのソフトウェアモジュール1616は、プロセッサ1604の内部デバイスおよび/または論理回路1622を構成することができ、トランシーバ1612、バスインターフェース1608、ユーザインターフェース1618、タイマ、数値演算コプロセッサなどの外部デバイスへのアクセスを管理することができる。ソフトウェアモジュール1616は、割り込みハンドラおよびデバイスドライバと相互作用し、処理回路1602が提供する様々なリソースへのアクセスを制御する制御プログラムおよび/またはオペレーティングシステムを含むことができる。リソースは、メモリ、処理時間、トランシーバ1612へのアクセス、ユーザインタフェース1618などを含むことができる。
【0073】
処理回路1602の1または複数のプロセッサ1604は、多機能であり、それにより、ソフトウェアモジュール1616のいくつかがロードされ、異なる機能または同じ機能の異なるインスタンスを実行するように構成される。さらに、1または複数のプロセッサ1604は、例えば、ユーザインタフェース1618、トランシーバ1612およびデバイスドライバからの入力に応答して開始されるバックグラウンドタスクを管理するように適合されるようにしてもよい。複数の機能のパフォーマンスをサポートするために、1または複数のプロセッサ1604は、マルチタスク環境を提供するように構成されるようにしてもよく、それにより、複数の機能の各々が、必要に応じて1または複数のプロセッサ1604によって提供されるタスクのセットとして実現される。一例では、マルチタスク環境は、異なるタスク間でプロセッサ1604の制御を引き渡すタイムシェアリングプログラム1620を使用して実現されるものであってもよく、それにより、各タスクは、未処理の動作の完了時かつ/または割り込みなどの入力に応答して、1または複数のプロセッサ1604の制御をタイムシェアリングプログラム1620に戻す。タスクが1または複数のプロセッサ1604の制御を有する場合、処理回路は、制御タスクに関連する機能によって対処される目的のために効果的に特化される。タイムシェアリングプログラム1620は、オペレーティングシステム、ラウンドロビンベースで制御を転送するメインループ、機能の優先順位に従って1または複数のプロセッサ1604の制御を割り当てる機能、および/または、1または複数のプロセッサ1604の制御を処理機能に提供することによって外部イベントに応答する割込み作動メインループを含むことができる。
【0074】
一態様では、装置1600が、充電回路に結合されたバッテリ充電電源と、複数の充電セルと、1または複数のプロセッサ1604に含まれるか又はそれによって実現されるコントローラとを有するワイヤレス充電デバイスを含むか、またはワイヤレス充電デバイスとして作動することができる。複数の充電セルは、充電面を提供するように構成することができる。少なくとも1のコイルは、各充電セルの電荷移動領域を介して電磁場を向けるように構成することができる。コントローラは、受信デバイスが充電面に置かれたときに、充電回路に、充電電流を共振回路へ供給させ、共振回路に関連する電圧若しくは電流レベルの変化若しくは変化率、または受信デバイスに伝送される電力の変化若しくは変化率を検出し、電圧若しくは電流レベルの変化若しくは変化率、または受信デバイスに伝送される電力の変化若しくは変化率が閾値を超えたときに、受信デバイスが充電面から取り除かれていることを判定するよう構成することができる。
【0075】
いくつかの実施態様では、共振回路が伝送コイルを含む。コントローラは、伝送コイルの端子で測定される電圧が閾値電圧レベルを超えたときに、受信デバイスが充電面から取り除かれたことを判定するようにさらに構成することができる。一例では、閾値電圧レベルが、ルックアップテーブルによって保持され、伝送コイルが電磁的に切り離されたときに決定される。別の例では、閾値電圧レベルが、受信デバイスが充電面に最初に配置されたときに決定される。
【0076】
特定の実施態様では、コントローラが、伝送コイルに、ワイヤレス充電デバイスの近傍の(例えば、ワイヤレス充電面上に配置された)電力受信デバイス(例えば、PRx)によって受信され得るpingを送信させるようにさらに構成されている。さらに、伝送コイルは、電力受信デバイス(PRx)からのASK変調応答などのping応答を受信するように構成することができる。さらに、共振回路で測定される大きさは、閾値電流レベルよりも小さくなる。一例では、閾値電流レベルが、ルックアップテーブルによって保持され、物体が共振回路のコイルと電磁的に結合されていないときに決定される。別の例では、閾値電流レベルが、受信デバイスが充電面に最初に配置されたときに決定される。
【0077】
いくつかの実施態様では、装置1600が、充電デバイスの外面に近接して配置された1または複数のセンサを有する。コントローラは、1または複数のセンサから測定値を受信し、測定値の1つが受信デバイスの物理的除去を示すときに、共振回路に関連する電圧または電流レベルを測定するようにさらに構成することができる。
【0078】
いくつかの実施態様では、ストレージ1606が命令および情報を保持し、命令が、1または複数のプロセッサ1604に、充電デバイスの少なくとも1のコイルを使用して少なくとも1のパッシブpingによって充電デバイスの表面に近接している物体を検出させるように構成されている。具体的に、パッシブまたはアナログpingで物体を検出するこの機能は、例えば、
図15のブロック1502のプロセスを含むことができる。
【0079】
さらなる実施態様では、ストレージ1606が命令および情報を保持し、命令が、1または複数のプロセッサ1604に、少なくとも1のコイルからの1または複数のアクティブpingで、検出された物体にpingさせるように構成されている。具体的に、デジタルまたはアクティブpingのこの機能は、例えば、
図15のブロック1504のプロセスを含むことができる。
【0080】
さらに、ストレージ1606は、命令および情報を保持し、命令が、1または複数のプロセッサ1604に、少なくとも1のコイルからの1または複数のアクティブなpingに応答して、物体からping応答を少なくとも1のコイルで受信したか否かを判定させるように構成されている。具体的に、この機能は、例えば、
図15のブロック1506のプロセスを含むことができる。
【0081】
さらに、ストレージ1606は、命令および情報を保持し、命令が、少なくとも1のコイルから連続して発せられたアクティブpingのカウントが予め設定された数を超えた後、少なくとも1のコイルでping応答が受信されない場合、1または複数のプロセッサ1604に、少なくとも1のコイルからのアクティブpingにより検出物体にpingするのを停止させるように構成されている。具体的に、この機能は、例えば、
図15のブロック1512および1514のプロセスを含むことができる。
【0082】
図17は、本開示の特定の態様に従って充電デバイスを動作させるための方法1700を示すフローチャートである。この方法1700は、充電デバイス内のコントローラによって実行することができる。ブロック1702において、コントローラは、充電デバイスの少なくとも1のコイルを使用した少なくとも1のパッシブpingにより、充電デバイスの表面に近接している物体を検出することができる。
【0083】
さらに、コントローラは、ブロック1704に示すように、少なくとも1のコイルからの1または複数のアクティブpingで、検出された物体にpingすることができる。さらに、コントローラは、ブロック1706に示すように、少なくとも1のコイルからの1または複数のアクティブpingに応答して、物体から少なくとも1のコイルでping応答を受信したか否かを判定することができる。さらに、コントローラは、ブロック1708に示すように、少なくとも1のコイルから連続して発せられたアクティブpingのカウントが予め設定された数を超えた後、少なくとも1のコイルでping応答が受信されない場合に、少なくとも1のコイルからのアクティブpingで、検出された物体にpingするのを停止することができる。
【0084】
上述した説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施できるようにするために提供されたものである。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には明らかであり、本明細書で規定される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。このため、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲が認められるものであり、単数形の要素への言及は、特に明記がなければ、「唯一の」を意味するものではなく、「1または複数」を意味するものとする。特に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1または複数を指している。当業者に知られている、または後に当業者に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、引用により本明細書に明示的に援用されるとともに、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。請求項の要素が「のための手段(means for)」という文言を使用して明示的に記載されていない限り、また、方法の請求項の場合には、「のためのステップ(step for)」という文言を使用して記載されていない限りは、何れの請求項の要素も、米国特許法第112条第6項の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【国際調査報告】