(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】レーザーの高調波の特性を最適化するための周波数変換装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/37 20060101AFI20230117BHJP
【FI】
G02F1/37
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529285
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 EP2020083151
(87)【国際公開番号】W WO2021105094
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】102019131827.0
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029327
【氏名又は名称】ノヴァンタ ユーロップ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】NOVANTA EUROPE GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライザー、アクセル
【テーマコード(参考)】
2K102
【Fターム(参考)】
2K102AA07
2K102AA08
2K102AA32
2K102BA18
2K102BB01
2K102BB08
2K102BC01
2K102BC10
2K102CA26
2K102DA01
2K102DC02
2K102DC07
2K102DD06
2K102EB06
2K102EB12
2K102EB14
2K102EB20
2K102EB22
2K102EB24
2K102EB26
(57)【要約】
本発明は、レーザーの高調波の特性を、特にビーム・プロファイルおよび/または長期安定性を最適化するための周波数変換装置(100)に関し、装置は、-第1の波長(λ1)を、第2の波長(λ2)へと部分的に変換するように設計された第1の非線形結晶(X1)と、-第1の波長(λ1)および/または第2の波長(λ2)のビーム・プロファイルの主軸(x1、y1、x2、y2)に異なって作用するように設計された少なくとも1つのプリズム(P)を特に備える光学ユニットと、-第1の波長(λ1)および/または第2の波長(λ2)の未変換部分から、第3の波長(λ3)を生成するように設計された第2の非線形結晶(X2)とを備え、第2の非線形結晶(X2)は、入口面(A1)および出口面(A2)を有し、また出口面(A2)は、入口面(A1)に対して傾斜して延びる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーの高調波の特性を、特にビーム・プロファイルおよび/または長期安定性を最適化するための周波数変換装置(100)であって、該装置は、
- 第1の波長(λ1)を、第2の波長(λ2)へと部分的に変換するように設計された第1の非線形結晶(X1)と、
- 該第1の波長(λ1)および/または該第2の波長(λ2)の該ビーム・プロファイルの主軸に異なって作用するように設計された少なくとも1つのプリズム(P)を特に備える光学ユニットと、
- 該第1の波長(λ1)および/または該第2の波長(λ2)の未変換部分から、第3の波長(λ3)を生成するように設計された第2の非線形結晶(X2)と
を備え、
該第2の非線形結晶(X2)は、入口面(A1)および出口面(A2)を有し、また該出口面(A2)は、該入口面(A1)に対して傾斜して延びる、周波数変換装置(100)。
【請求項2】
前記光学ユニットは、前記ビーム・プロファイルの前記各主軸(x1、y1、x2、y2)に異なって作用するように、少なくとも1つの軸回りで回転可能である少なくとも1つのプリズム(P)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の周波数変換装置(100)。
【請求項3】
前記光学ユニットの1つの/前記プリズムPは、前記第1の波長(λ1)と前記第2の波長(λ2)の間の実行時間差(Δt)を連続的に調整する、かつ/または補償するために、横方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の周波数変換装置(100)。
【請求項4】
前記第2の波長(λ2)は、前記第1の波長(λ1)の第2高調波であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の周波数変換装置(100)。
【請求項5】
前記第3の波長(λ3)は、前記第1の波長(λ1)の前記第2高調波、または前記第2の波長(λ2)の前記第2高調波、または前記第1の波長(λ1)および/もしくは前記第2の波長(λ2)の合計もしくは差周波数に対応する波長であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の周波数変換装置(100)。
【請求項6】
前記第2の非線形結晶(X2)の前記出口面(A2)は、好ましくは、前記第3の波長(λ3)に対するブルースター構成で実質的に配置されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の周波数変換装置(100)。
【請求項7】
前記光学ユニットは、特に前記第1の波長(λ1)および/または前記第2の波長(λ2)の前記ビーム・プロファイルの対称性とは独立して、前記第3の波長(λ3)に対して回転対称のビーム・プロファイルを生成するように、特に前記プリズム(P)の頂角および材料により、前記第2の非線形結晶(X2)の前記斜めに延びる出口面(A2)に対して調整されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の周波数変換装置(100)。
【請求項8】
前記第2の非線形結晶の前記出口面(A2)は、コーティングされないことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の周波数変換装置(100)。
【請求項9】
前記第2の非線形結晶の前記出口面(A2)は、好ましくは、前記第1の波長(λ1)、および/または前記第2の波長(λ2)、および/または前記第3の波長(λ3)に対する反射防止コーティング、ならびに/またはpコーティングを用いてコーティングされることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の周波数変換装置(100)。
【請求項10】
前記第2の非線形結晶の前記出口面(A2)は、ナノ構造であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の周波数変換装置(100)。
【請求項11】
レーザーの周波数変換のためのシステム(200)であって、
- 請求項1から10の少なくとも1つによる周波数変換装置(100)と、
- 前記第1の波長(λ1)を有するビーム(B)を生成するレーザー・システム(L)と、
- 前記ビーム(B)の前記ビーム・プロファイルのサイズを適合させるように設計されたビーム・プロファイル・サイズ適合ユニット(T)とを備え、
ここで、前記ビーム・プロファイルは、前記ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニット(T)により前記サイズを適合させた後、前記周波数変換装置(100)に供給される、システム(200)。
【請求項12】
前記第1の波長(λ1)、および/または前記第2の波長(λ2)、および/または前記第3の波長(λ3)の前記各ビーム・プロファイルの前記各主軸(x1、y1、x2、y2、x3、y3)の寸法を測定するためのビーム・プロファイル解析ユニット(K)であって、前記ビーム・プロファイル解析ユニット(K)は、特に、少なくとも1つのカメラおよび/またはM
2解析ユニットを備える、ビーム・プロファイル解析ユニット(K)を特徴とする、請求項11に記載のシステム(200)。
【請求項13】
前記周波数変換装置の前の前記ビーム(B)の前記ビーム・プロファイルの前記サイズは、少なくとも250μm、好ましくは少なくとも500μm、さらに好ましくは、少なくとも1000μmの直径を有することを特徴とする、請求項11から12のいずれか一項に記載のシステム(200)。
【請求項14】
前記レーザー・システム(L)は、好ましくは、マイクロ秒範囲にある、さらに好ましくは、ナノ秒範囲にある、なおさらに好ましくは、ピコ秒範囲にあるパルス持続期間を有するパルス・レーザー・システムであることを特徴とする、請求項11から12のいずれか一項に記載のシステム(200)。
【請求項15】
前記レーザー・システム(L)は、連続的なビーム・レーザー・システムであることを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載のシステム(200)。
【請求項16】
レーザーの高調波の特性を、特にビーム・プロファイルおよび/または長期安定性を最適化するための周波数変換方法であって、該方法は、
- 第1の非線形結晶(X1)において、第1の波長(λ1)が、第2の波長(λ2)へと部分的に変換される、第1の変換ステップと、
- 該第1の波長(λ1)および/または該第2の波長(λ2)の該ビーム・プロファイルが、それらの各主軸(x1、y1、x2、y2)において異なって作用される、ビーム・プロファイル適合ステップと、
- 第2の非線形結晶(X2)において、第3の波長(λ3)が、該第1の波長(λ1)および/または該第2の波長(λ2)の未変換部分から生成される、第2の変換ステップとを含み、
ここで、該第2の非線形結晶(X2)は、入口面(A1)および出口面(A2)を有し、該出口面(A2)は、該入口面(A1)に対して傾斜して延びる、周波数変換方法。
【請求項17】
前記ビーム・プロファイル適合ステップは、少なくとも1つの軸回りで少なくとも1つのプリズム(P)を回転させることにより実施される、請求項16に記載の周波数変換方法。
【請求項18】
前記第3の波長(λ3)の前記ビームのアスペクト比は、前記ビーム・プロファイル適合ステップにより連続的に調整可能である、請求項16または17に記載の周波数変換方法。
【請求項19】
前記第1および/または前記第2の変換ステップに含まれる前記第1の波長(λ1)の一部の強度を調整するためのステップを含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の周波数変換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ビーム・プロファイルまたは長期安定性など、レーザーの高調波の特性を最適化するための周波数変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー・システムの波長の高調波を生成するためには、非線形結晶が使用されるのが好ましい。レーザー・システムの波長に応じて、異なる特性を有する、または異なる構成の異なる結晶が使用され得る。周波数変換を行うためには、波長範囲に応じて、多様な特性に対する様々な結晶が、様々によく適している。このような変換プロセスに適している結晶の大部分が、現在市販されている。
【0003】
例えば、それぞれ、約800nmまたは1030nm、および1064nmの近赤外線範囲(NIR)における市販のレーザー光源が、今日広範囲に広まっている。しかし、多くの用途では、前述の波長の外にある波長が望まれている。これらのレーザー波長の高調波を得る簡単な方法は、非線形結晶における周波数変換である。
【0004】
例えば、第3高調波を生成できることが現況技術で知られており、その場合、第1の非線形結晶における中心のレーザー波長は、第2高調波へと部分的に周波数が2倍化され、またこの第2高調波はその後に、合計の周波数混合に中心波長を有する第2の非線形結晶において第3高調波へと変換される。1064nmの中心レーザー波長の場合、第3高調波は、約355nm(3倍の周波数)、すなわち、紫外線(UV)範囲にある。
【0005】
可能な限り効率的に各変換プロセスを設計するために、反射損失を最小化するように、コーティングと共に使用される結晶の(光学的な)入口および出口面を設けることが知られている。しかし、特にUV範囲において、結晶のコーティングは、特に長期安定性に関して、問題を生ずるおそれのあることも知られている。光との相互作用により生ずる様々な経年変化が、動作時間の過程で、コーティング品質を低下させ、それは、結晶またはレーザー・システムの使用期間が延びたとき、ビーム品質およびレーザー性能の低下により影響を受ける。
【0006】
高い光強度を取得して変換プロセスの効率を最適化するために、集束された、または比較的小さなビーム束を用いて動作させることがさらに知られている。より小さなビーム束は、レーザー放射のより高い発散角を示す。周波数変換中に、ビームの発散角が一定の値(非線形結晶の許容角)を越えた場合、これは、ビーム・プロファイルに、特に、生成された高調波の楕円ビーム・プロファイルに対して、歪みを生成する可能性がある。
【0007】
いくつかの非線形結晶が使用されるとき、ビーム・プロファイルの歪みは、いわゆる「ウォークオフ」により生成されることもさらに知られている。この効果は、実質的に、含まれる結晶の複屈折に基づいており、生成される高調波の対称性の劣化を生ずるおそれもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、したがって、ロバストであり長期間安定な高調波の生成を達成し、同時に、高調波の制御可能な、特に回転対称のビーム・プロファイルを生成する周波数変換を実現するタスクに基づく。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、このタスクは、請求項1による周波数変換装置により解決される。さらに有利な実施形態は、下位の請求項から得られよう。
【0010】
そのタスクは、レーザーの高調波の特性を、特にビーム・プロファイルおよび/または長期安定性を最適化するための周波数変換装置により特に解決され、装置は、
- 第1の波長を、第2の波長へと部分的に変換するように設計された第1の非線形結晶と、
- 第1の波長および/または第2の波長のビーム・プロファイルの主軸に異なって作用するように設計された少なくとも1つのプリズムを特に備える光学ユニットと、
- 第1の波長および/または第2の波長の未変換部分から、第3の波長を生成するように設計された第2の非線形結晶であって、入口面および出口面を有し、また出口面は入口面に対して傾斜して延びる、第2の非線形結晶と
を備える。
【0011】
本発明の基本的な考えは、周波数変換装置により、レーザー・ビームを、ビーム・プロファイルの望ましい対称性を有する、特に回転対称のビーム・プロファイルを有する高調波へと効率的に変換できるようにすることである。
【0012】
代替的に、またはさらに、反射率損失が、第2の非線形結晶の斜めに延びる出口面により最小化することができる。本発明による周波数変換装置が使用されるとき、こうすることは、高調波の得られるビーム・プロファイルに関して高い柔軟性を達成し、ならびに変換された高調波に関して高い長期安定性、および使用される結晶の長い耐用年数を達成する。
【0013】
好ましい実施形態では、光学ユニットは少なくとも1つのプリズムを備え、それは、ビーム・プロファイルの各主軸に異なって作用するように、少なくとも1つの軸回りで回転可能である。これは、第2の非線形結晶の斜めに延びる出口面と組み合わせて、高調波の調整可能な、特に回転対称のビーム・プロファイルが生成され得ることを、構成的に簡単な方法で可能にする。この場合、プリズムの材料または屈折角、ならびに頂角は、結晶特性に対して最適化することができる。加えて、プリズムの回転可能な取付けは、周波数変換装置を調整し、かつ最適化するための1つまたは複数の自由度を提供する。
【0014】
好ましい実施形態では、光学ユニットのプリズムは、第1の波長と第2の波長の間の実行時間差を連続的に調整する、かつ/または補償するように、横方向に移動可能である。実行時間差を調整することにより、第2の非線形結晶における高調波を生成する場所を調整できるので、変換効率を最適化することができる。
【0015】
好ましい実施形態では、第2の波長は、第1の波長の第2高調波である。これは、単一の非線形結晶により実現され得る。波長範囲に応じて、例えば、LBO、BBO、KTP、BiBOなどの一連の非線形結晶が、この目的に対して使用可能である。
【0016】
好ましい実施形態では、第3の波長は、第1の波長の第2高調波に相当する波長、または第2の波長の第2高調波、または第1の波長および/または第2の波長の合計もしくは差周波数である。このように、第3高調波が、さらに例えば、第4高調波、または「n番目」の高調波を生成することができる。波長範囲に応じて、例えば、LBO、BBO、KTP、BiBOなどの一連の非線形結晶が、この目的に対して使用可能である。
【0017】
好ましい実施形態では、第2の非線形結晶の出口面は、好ましくは第3の波長に対して、実質的にブルースター構成に配置される。この場合、ブルースター構成またはブルースター角は、波長の1つに対して構成することができる。
【0018】
可能な実施形態では、特に、タイプIIの位相適合を用いることによって、反射損失を回避することが可能になる。具体的には、含まれる波長の偏光状態は、第2の非線形結晶の出口面に関して第2の非線形結晶においては、第1の波長は、p極(平行偏光)で振動し、第2の波長は、s極(垂直偏光)で振動し、また第3の波長は、p極(平行偏光)で振動するように挙動する。この構成は、したがって、第2の非線形結晶から出るとき、第1の波長および第3の波長の低減された反射損失となる。
【0019】
ブルースター角を用いる構成は、したがって、第2の非線形結晶の出口面に対するコーティングをやめることができ、また同時に反射損失を最小化することができる。一方で、可能な限り小さい性能損失を達成するために、また他方で、第2の非線形結晶の出口面における後方反射をなくすために、これらのものは、おそらく広範囲に抑制する必要がある。UV範囲において特に、これは理にかなったものであり、それは、ここのコーティングは、いくつかの状況下において、連続的な露出に起因して劣化するおそれがあるからである。この場合、必ずしもその構成のブルースター角に正確に準拠する必要性はない。一定の許容差からの逸脱は許容可能であり、それは、周波数変換装置の調整および作成許容差を高める。これは、例えば、±1°から±5°のブルースター角からの偏移の許容範囲を設計することができ、実際にいくつかの場合に望ましい場合のあることが理解されよう。
【0020】
可能な実施形態では、第1の非線形結晶は、平行平面結晶として形成される。本明細書で平行平面とは、第1の非線形結晶の入口面および出口面が、互いに実質的に平行に延びることを意味する。これは、一方で、平行平面結晶は、製作するのが簡単であり、したがって、より費用効果のある利点を有する。他方で、これは、第1および第2の非線形結晶の入口面に対して、常に実質的に垂直な入射角を可能にする。
【0021】
結晶が入口面で交差される、かつ/または例えば、ブルースター角などの角度で配置される手法とは対照的に、(第1の)結晶の平行平面の形成、および/または第2の結晶に対する入射角は、例えば、偏光のガイドのないファイバ・レーザーの場合など、無偏光であっても適用可能な利点を提供する。無偏光の場合、このような傾斜して延びる入口面は、可能な限り損失のない送りを可能にするために、手のかかる複雑なARコーティングが必要になるはずであるが、それは、したがって除外される。全体として、効率的な構成がこのように可能になる。
【0022】
好ましい実施形態では、特に、第1の波長および/または第2の波長のビーム・プロファイルの対称性とは独立して、第3の波長に対する回転対称のビーム・プロファイルを生成するためになど、光学ユニットは、第2の非線形結晶の斜めに延びる出口面に対して、特にプリズムの頂角および材料により調整される。
【0023】
したがって、第2の非線形結晶の斜めに延びる出口面と組み合わせて、高調波の調整可能な、特に回転対称のビーム・プロファイルが、目標とする方法でビーム・プロファイルを圧縮することにより生成できることが、構成的に簡単な方法で可能である。プリズムの材料は、この場合、例えば、溶融石英または他のレーザー耐性のあるガラスおよび/または結晶からのものであり得る。
【0024】
好ましい実施形態では、第2の非線形結晶の出口面は、コーティングされない。これは、コーティングをやめることができるという利点を有するが、それは、コーティングの品質および特性は、波長のうちの1つとの相互作用により劣化するおそれがあり、これは、UV範囲で生成される波長に対して特に問題があるためである。UV範囲において、特に高い性能で生成されたUV光は、その光との相互作用によりコーティングの特性を変化させる問題が知られているが、それは、コーティングの劣化が、長期安定性、ビーム・プロファイル、および散乱光に対して影響があるためである。したがって、非線形結晶のコーティングをやめることは有利である。
【0025】
本発明による周波数変換装置は、優れた反射抑制特性を達成するにもかかわらず、特に第2の非線形結晶の出口面のコーティングをやめることができる。加えて、コーティングされない結晶、または部分的にコーティングされた結晶(例えば、入口面だけコーティングされる)は、コーティングされた結晶よりもより費用効果が高いが、それは、いくつかの波長の反射を、特に同時に抑制するためのコーティングに対するコーティング・プロセスは、手のかかるものであり、したがって、費用がかかるためである。
【0026】
代替的な実施形態では、第2の非線形結晶の出口面は、好ましくは、第1の波長および/または第2の波長、および/または第3の波長に対する反射防止コーティング、および/またはpコーティングを用いてコーティングされる。コーティングは、例えば、第1の波長に対してブルースター構成が選択されるように選択することができ、その場合、コーティングは非常に労力を要し、費用がかかり、上記で述べたように、その装置の性能に関して問題がある。この波長の反射は、ブルースター構成により抑制される。しかし、さらなる波長が、第2の非線形結晶の斜めに延びる出口面上で(部分的に強い)反射を生成する可能性があり、第2の非線形結晶の斜めに延びる出口面上に、これらの波長に対するコーティングを適用することが可能である。
【0027】
この場合、周波数変換装置の長期安定性、およびビーム・プロファイル品質は、妨げられることはないが、含まれる波長の反射のすべてが、同時に抑制される。これは、周波数変換の最適な効率の結果を有する。さらに、それは、大きなコストを生ずる構成となる後方反射を抑制するためには必要ではない。pコーティングは、空気の湿度、オゾン、または同様のものなど、外部の影響から結晶を保護することができる。可能な実施形態では、結晶の外囲面(すなわち、外側表面)を含む結晶の上面のすべて、またはいくつかは、必要に応じて、反射防止コーティング、および/またはpコーティングを有する。
【0028】
一実施形態では、第2の非線形結晶の出口面はまた、含まれる波長のすべてに対してコーティングすることもできる。例えば、波長のすべてが1つの範囲内にある場合、コーティングを劣化させることに関して上記で述べられた問題に対して十分に問題にはならない。
【0029】
好ましい実施形態では、第2の非線形結晶の出口面は、ナノ構造である。これは、含まれる、または選択された波長のすべてに対して提供される非常に広帯域の反射抑制を可能にし、それは、さらに光との相互作用に対して非常に安定性がある。
【0030】
特に、本発明によるタスクはまた、レーザーの周波数変換のためのシステムによって解決され、システムは、
- 前の請求項のうちの少なくとも1つによる周波数変換装置と、
- 第1の波長を有するビームを生成するレーザー・システムと、
- ビーム・プロファイルのサイズを適合させるように設計されたビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットとを備え、
ここで、ビーム・プロファイルは、ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットによりサイズを適合させた後、周波数変換装置に供給される。
【0031】
周波数変換装置に関してすでに述べられたように、同じ利点がそこから得られる。加えて、ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットは、レーザー・システムのビーム・プロファイルのサイズを適合させることができる。これは、ビーム・プロファイル・サイズに対する柔軟性を可能にし、またその結果、直接的に、レーザー・システムの光の使用される強度の柔軟性を可能にする。これは、周波数変換の効率の可能な最適化が得られる。例えば、ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットは、テレスコープ、および/または単一のレンズ、および/またはレンズアレイ、および/または反射テレスコープ、および/または1つまたは複数の放物線状の、もしくは湾曲したミラーとすることができる。
【0032】
一実施形態では、システムは、第1の波長、および/または第2の波長、および/または第3の波長の各ビーム・プロファイルの各主軸の寸法を測定するためのビーム・プロファイル解析ユニットを備え、ここで、ビーム・プロファイル解析ユニットは、特に、少なくとも1つのカメラ、および/またはM2解析ユニットを備える。この方法では、1つまたは複数の波長のビーム・プロファイルを、それらのそれぞれの幾何形状に合わせて最適化することができる。例えば、ビーム・プロファイル解析ユニットは、制御された方法で、第3の波長の回転対称のビーム・プロファイルを生成できるようにする。
【0033】
特別な用途に対して、例えば、1:2の主軸比を有する第3の波長の細長いビーム・プロファイルなど、2つの主軸の画定された比を有するビーム・プロファイルを特に生成することもさらに可能である。
【0034】
ビーム・プロファイル解析ユニットを用いることにより、制御された方法で、さらなる(第1および第2の)波長のビーム・プロファイルを測定し、かつ解析することもさらに可能である。一実施形態では、例えば、結晶もしくは光学ユニット、周波数変換装置、またはビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットを傾け、かつ/または回転させる圧電モータを有する1つまたは複数の結晶ホルダもしくは光学的なホルダなどの自動化された要素を、例えば、コンピュータを介して、ビーム・プロファイル解析ユニットと接触させるようにする。こうすることは、例えば、第3の波長のビームの主軸の寸法など、いくつかの値を、あらかじめ能動的に調整できるようにする。
【0035】
一実施形態では、周波数変換装置の前のビームのビーム・プロファイルのサイズは、少なくとも250μm、好ましくは、少なくとも500μm、さらに好ましくは、少なくとも1000μmの直径を有する。レーザー・システムのビームの小さな直径を選択することは、比較的低い光性能であっても、効率的に変換できるようにする。
【0036】
代替的な実施形態では、250μmよりも小さい、周波数変換装置の前のビーム・プロファイルのサイズを使用することができる。波長範囲、および/または結晶もしくは結晶タイプに応じて、ビーム・プロファイルのサイズを、100μmまたはそれ以下にすることができる。
【0037】
一実施形態では、レーザー・システムは、好ましくは、マイクロ秒範囲にある、さらに好ましくは、ナノ秒範囲にある、なおさらに好ましくは、ピコ秒範囲にあるパルス持続期間を有するパルス・レーザー・システムである。パルス・レーザー・システムは、高い(ピーク)強度に達することができ、したがって、周波数変換の効率を最適化することができる。代替的な実施形態では、レーザー・システムはまた、フェムト秒範囲におけるパルス持続期間を有することもできる。
【0038】
代替的な実施形態では、レーザー・システムは、連続的なビーム・レーザー・システムである。これは、パルス光源が望ましくない、または存在しない用途に対してシステムを使用できるようにする。
【0039】
代替的な実施形態では、システムは、第3の波長を第4の波長に周波数変換するために、第3の非線形結晶を備える。この場合、第3の波長は、単独で、または代替的に、第1の波長もしくは第2の波長との相互作用で第4の波長へと変換され得る。
【0040】
さらなる代替の実施形態では、システムは、1つまたは複数の関係する波長を、第4および第5の波長へと変換するための第2の周波数変換装置を備える。
【0041】
本発明によるタスクは、レーザーの高調波の特性を、特にビーム・プロファイルおよび/または長期安定性を最適化するための周波数変換方法により特に解決され、方法は、
- 第1の非線形結晶(X1)において、第1の波長(λ1)が、第2の波長(λ2)へと部分的に変換される、第1の変換ステップと、
- 第1の波長(λ1)および/または第2の波長(λ2)のビーム・プロファイルが、それらの各主軸(x1、y1、x2、y2)において異なって作用される、ビーム・プロファイル適合ステップと、
- 第2の非線形結晶(X2)において、第3の波長(λ3)が、第1の波長(λ1)および/または第2の波長(λ2)の未変換部分から生成される、第2の変換ステップとを含み、
ここで、第2の非線形結晶(X2)は、入口面(A1)および出口面(A2)を有し、出口面(A2)は、入口面(A1)に対して傾斜して延びる。
【0042】
このことから、周波数変換装置および/またはレーザーの周波数変換のためのシステムに関してすでに述べられたものと同じまたは同様の利点が得られる。
【0043】
一実施形態では、周波数変換方法のビーム・プロファイル適合ステップは、少なくとも1つの軸回りでプリズムを回転させることにより実施される。
【0044】
これは、第2の非線形結晶の斜めに延びる出口面と組み合わせて、第3の波長の連続的に調整可能な、特に、回転対称のまたは圧縮されたビーム・プロファイルを生成できることが構成的に簡単な方法で可能になる。この場合、プリズムの材料、または屈折率、ならびに頂角は、第2の非線形結晶の結晶特性に対して最適化され得る。加えて、プリズムの回転可能な取付けは、周波数変換装置を調整し、かつ最適化するための1つまたは複数の自由度を提供する。
【0045】
一実施形態では、第3の波長のビームのアスペクト比は、ビーム・プロファイル適合ステップにより連続的に調整可能である。それにより、一方で、ビーム・プロファイルの歪み(例えば、ウォークオフにより生ずる)を補償することが可能になる。他方で、これはまた、任意に(または実験に適合される)、例えば、1:3または1:2の主軸比(アスペクト比)など、第3の波長のビーム・プロファイルを選択する可能性を提供する。
【0046】
一実施形態では、周波数変換方法は、第1および/または第2の変換ステップに含まれる第1の波長の一部の強度を調整するためのステップを含む。
【0047】
基本的に、第2の非線形結晶での第3の波長の生成における変換効率は、含まれる第1の波長、および含まれる第2の波長の強度および/または混合比に依存する。理想的には、(強度の)混合比は、ほぼ1/3:2/3であり(第2の波長に対する第1の波長)、それは、最高で100%の理論的な(変換)効率に相当することができる。
【0048】
含まれるビーム(第1の波長および第2の波長の)は、主としてガウス強度プロファイルを有するので、変換のため、第1の非線形結晶において周波数を2倍化した後に、第1の波長のガウス強度プロファイルの変形が生ずる。この変形は、第2の非線形結晶における後続する第2の変換ステップにおける変換効率に対して不利な点を生ずる。さらにこの変形は、第3の波長のビーム品質に対して負の影響を有する可能性がある、すなわち、例えば、第3の波長のビームが、それにより、劣ったM2値を達成することになり得る。
【0049】
これを回避するために、含まれる波長のビーム品質を最適化するために、第1の非線形結晶における変換効率が、「最適ではない」(すなわち、意図的に最大の変換効率ではない)ように選択することができる。これは、少なくとも1つのL/2波長板により偏光を適合させることにより、可能な実施形態において実施することができる。
【0050】
本発明による周波数変換装置と併せて、かつ/またはレーザーの周波数変換に対する本発明によるシステムと併せて、すでに説明された本発明による方法は、さらなる方法ステップをさらに含むことができる。
【0051】
本発明はまた、図によりさらに詳細に説明される例示的な実施形態に基づき、本発明によるさらなる特徴および利点に関して以下で述べるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1a】光学ユニットが、第1の非線形結晶と第2の非線形結晶の間に配置される、周波数変換装置の第1の例示的な実施形態の概略図である。
【
図1b】光学ユニットが、第1の非線形結晶と第2の非線形結晶の間に変更されて配置される、
図1aの周波数変換装置の第1の例示的な実施形態の概略図である。
【
図2】周波数変換装置による周波数変換に含まれる波長のビームのビーム・プロファイルの概略図である。
【
図3】光学ユニットが、第1の非線形結晶と第2の非線形結晶の間に配置される、周波数変換装置の第2の例示的な実施形態の概略図である。
【
図4】周波数変換のためのシステムの例示的な実施形態の概略図である。
【
図5】周波数変換のためのシステムのさらなる例示的な実施形態の概略図である。
【
図6】第1の波長の最適化部分を有するタイプIIの周波数変換を行うための周波数変換装置の例示的な実施形態の概略図である。
【
図7】第1の波長の最適化部分を有するタイプIの周波数変換を行うための周波数変換装置の例示的な実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1aでは、本発明による周波数変換装置100が、概略的に示されている。周波数変換に提供される第1の波長λ1の第1のビームが左から右へと水平方向に伝播する。明示的にその他の形が述べられない限り、対応する以下の図で示される、左から来るビームのすべては、以下では、右へと伝播することが常に想定されている。
【0054】
第1の波長λ1は、第1の非線形結晶X1において周波数変換される。第1の例示的な実施形態では、第1の波長λ1は、第1の非線形結晶X1において、周波数が2倍化される。このような周波数変換を有するこの例示的な実施形態に対する結晶タイプは、例えば、LBO結晶またはBBO結晶とすることができる。周波数変換用に設計されたさらなる結晶は、当業者にはよく知られている。
【0055】
第1の非線形結晶X1は、周波数変換に対して、重要な、または非重要な位相適合用に設計することができる。第1の非線形結晶X1は、この目的のために設計されたホルダ(図示せず)に取り付けられ、それは、第1の非線形結晶X1を様々な方向に傾斜できることが好ましい。傾けることは、例えば、精密ねじにより手動で、または例えば、圧電(ステップ)モータにより自動的に、もしくは制御されて実施することができる。
【0056】
第1の非線形結晶X1のホルダが、加熱可能であり、または温度制御可能であることもさらに可能である。
【0057】
第1の非線形結晶における周波数変換の後、第1の波長λ1のビーム、および周波数変換により生成され、かつ第2の波長λ2を有する第2のビームは、実質的に共線で伝播する。周波数2倍化が第1の非線形結晶X1により行われた例示的な実施形態では、第2の波長λ2は、実質的に、第1の波長λ1の波長の半分に相当する。
【0058】
例示的な一実施形態では、第1の非線形結晶は、第1の波長λ1(入口面および出口面において)および第2の波長λ2(出口面において)の反射を抑制するために、その入口面およびその出口面にコーティングを有する。
【0059】
図1aの周波数変換装置100の例示的な一実施形態では、プリズムPが、本発明による光学ユニットを形成する。例示的な代替の実施形態では、光学ユニットは、さらに光学システムを備えることができる。さらなる例示的な代替の実施形態では、光学ユニットは、(アナモルフィック)プリズム対により形成される。
【0060】
図1aにおける例示的な実施形態におけるプリズムPは、プリズムPに平行な軸に沿って連続的に移動可能であるように取り付けられる。さらにプリズムPは、第1の波長λ1および第2の波長λ2のビームに対して平行な平面内で連続的に回転できるような方法で、取り付けられる。
【0061】
プリズムまたは光学ユニットの移動および/または回転は、例えば、精密ねじにより手動で、または例えば、圧電(ステップ)モータにより自動で、もしくは制御されて行うことができる。
【0062】
プリズムを用いることによって、第1の波長λ1および第2の波長λ2のビームのビーム・プロファイル直径は、各ビーム・プロファイルの各主軸に沿ったビームの伝播方向に平行な平面内において影響され得るが、ビーム・プロファイル直径は、伝播方向に対して垂直な平面内では実質的に不変のままである。プリズムを回転することは、2つの主軸の間のアスペクト比を適合させることができる。アスペクト比の適合は、以下の
図2で述べられる。
【0063】
加えて、プリズムPは、さらに1つまたは複数の回転または傾斜方向が提供されるように取り付けられることも可能である。したがって、例えば、第1の波長λ1および/または第2の波長λ2の入力ビームの伝播方向に平行に軸回りでプリズムPを回転させることにより、さらに最適化されたパラメータが形成され得る。
【0064】
代替的に、またはさらに、プリズムPはまた、プリズムPの入口面および/またはプリズムPの出口面に平行に、軸回りで傾けることもできる。
【0065】
第1の波長λ1および第2の波長λ2のビームは、プリズムPの後、2つのビームの(元の)入射方向に対してある角度で伝播する。その角度は、プリズムPの材料、プリズムPの頂角、プリズムPのねじれ、ならびに第1の波長λ1および第2の波長λ2からは独立している。
【0066】
第1の波長λ1および第2の波長λ2のビームのビーム・プロファイルのアスペクト比を、それらのそれぞれの主軸に沿って適合させた後、ビームは、第2の非線形結晶X2を通って伝播する。第2の非線形結晶X2においては、第1の波長λ1および第2の波長λ2は共に、第3の波長λ3を生成するように周波数変換される。
【0067】
例示的な実施形態では、2つの入力波長λ1およびλ2の合計周波数は、第2の非線形結晶において形成される。このような周波数変換を有するこの例示的な実施形態に対する結晶タイプは、例えば、LBOまたはBBOとすることができる。周波数変換用に設計されたさらなる結晶は、当業者にはよく知られている。第2の非線形結晶X2は、周波数変換に対する重要なまたは非重要な位相適合用に設計され得る。第2の非線形結晶X2は、この目的のために設計されたホルダ(図示せず)に取り付けられ、それは、第2の非線形結晶X2を、いくつかの方向に傾斜できることが好ましい。
【0068】
傾斜させることは、例えば、精密ねじにより手動で、または例えば、圧電(ステップ)モータにより自動で、もしくは制御されて行うことができる。第2の非線形結晶X2のホルダが、加熱可能であり、または温度制御可能であることもさらに可能である。例示的な代替実施形態では、第1の波長λ1および第2の波長λ2の差周波数もまた、第2の非線形結晶X2において形成することができる。さらなる例示的な代替実施形態では、第2の波長λ2は、第2の非線形結晶X2において、周波数を2倍化することができる。
【0069】
第1の非線形結晶X1は、平行平面結晶として形成される。
【0070】
本明細書における平行平面は、第1の非線形結晶X1の入口および出口面が、実質的に、互いに平行に延びることを意味する。
【0071】
プリズムPおよび第2の非線形結晶X2は、第2の非線形結晶X2の入口面A1への入射の実質的に垂直な角度が常に得られるように配置され、かつ形成される。
【0072】
全体として、第1および第2の非線形結晶X1、X2の入口面へ入射するそれぞれの実質的な角度は、この装置における結果である。実質的に垂直であることは、約0°から10°の範囲であると理解される。
【0073】
結晶が、ある角度で、例えば、ブルースター角で交差される、かつ/または配置される手法とは対照的に、(第1の)結晶の平行平面形成、および/または第2の結晶に対する入射角は、例えば、偏光制御のないファイバ・レーザーにおける無偏光であっても使用できる利点を提供する。無偏光の場合、このように傾斜して延びる入口面は、損失なく送信できるためには、労力を要し、かつ複雑なARコーティングが必要になるが、そのコーティングは、したがって除外される。
【0074】
図1aでは、第2の非線形結晶X2の入口面A1は、第1の波長λ1の第1のビームの伝播方向および/または第2の波長λ2の第2のビームの伝播方向に対して実質的に垂直である。第2の非線形結晶X2の出口面A2は、第2の非線形結晶X2の入口面A1に対してある角度で形成される。
【0075】
例示的な実施形態では、第2の非線形結晶X2の出口面A2は、第2の非線形結晶X2で生成された第3の波長λ3のビームの伝播方向とブルースター構成を形成するように形成される。本明細書では、ブルースター構成とは、第3の波長λ3のビームが、第2の非線形結晶X2の出口面A2(または、出口面A2の対応する半田(solder))に対して実質的にブルースター角で衝突することを意味する。この構成は、第2の非線形結晶X2の出口面A2において、第3の波長λ3の反射を抑制できるようにする。これは、第2の非線形結晶X2の出口面A2上のコーティングをやめる可能性を提供する。
【0076】
そうではあるが、第2の非線形結晶X2の入口面A1は、コーティングすることができる、すなわち、例えば、第2の非線形結晶X2の入口面A1における反射を回避するために、第1の波長λ1および第2の波長λ2に対する反射防止コーティングを用いて、コーティングすることができる。
【0077】
代替の実施形態では、例えば、第2の非線形結晶X2の出口面A2がコーティングを有することも可能である。結晶は、出口面A2において、第1の波長λ1および第2の波長λ2に対するコーティングを有することができる。
【0078】
第2の非線形結晶X2の出口面A2のブルースター構成に対するプリズムPおよびプリズムPの頂角の構成的な適合は、第3の波長λ3の調整可能な、特に、回転対称のビーム・プロファイルを生成できることを簡単な方法で可能にする。プリズムPを傾けることにより、ビーム・プロファイルの「任意の」対称性がまた生成され得る。「任意の対称性」とは、本明細書では、第3の波長λ3のビーム・プロファイルの水平および垂直軸の調整可能な関係であると理解されたい。
【0079】
図1bでは、プリズムPの位置が、前に述べたように変更された差を有する、
図1aに類似した例示的な実施形態が示されている。プリズムPのこのような移動を行うことにより、第1の波長λ1および第2の波長λ2の実行時間差を、調整または補償することができる。
【0080】
実行時間差とは、本明細書では、プリズムPに対する第1の波長λ1および第2の波長λ2の入射する時間が異なることを意味し、それは、異なる波長は、異なる速度で材料を通って伝播するからである。したがって、この場合、第1の非線形結晶X1を通り、かつ第1の非線形結晶X1とプリズムPの間の媒体(例えば、空気)を通る異なる速度である。プリズムPの分散的な特性は、この実行時間差を、プリズムPを移動させることにより、調整もしくは補償することができる、または過補償になり得るが、それは、第1の波長λ1および第2の波長λ2が、プリズムPを通って異なる光学経路を通って進むからである。
【0081】
プリズムPを移動させることは、したがって、第2の非線形結晶X2内の第3の波長λ3の起点の場所を有効に変えることができる。したがって、周波数変換の効率は、最大の可能な結晶長さが周波数変換に利用される点において、調整することができる。
【0082】
図2では、ビーム・プロファイルに対する光学ユニットの効果が示されている。
図2における連続する円の線は、光学ユニットにより影響を受ける前のビーム・プロファイルを描いている。この場合、主軸x1、x2、x3は、第1または第2、または第3の波長の水平な主軸に対応することが好ましい。
【0083】
x1、x2、x3に対して垂直な主軸は、y1、y2、y3で指定され、第1または第2、または第3の波長の対応するビーム・プロファイルの垂直な主軸であることが好ましい。本発明による光学ユニットは、次に、光学ユニットの方向付けに応じて、ビーム・プロファイルの主軸x1、x2、x3に作用するが、一方、それに対して垂直に形成された主軸y1、y2、y3が、変化しないままであるように、ビームに作用することができる。このビーム・プロファイルが作用された場合が、点線により
図2で示されている。本明細書では、作用を受けた軸は、x1’、x2’、x3’で指定される。主軸ごとの3つの参照数字のそれぞれは、光学ユニットが、第1の波長および/または第2の波長および/または第3の波長に、これらの波長のうちの1つ(または複数)が光学ユニットを通って伝播するとすぐに、実質的に等しく作用することを示すように意図される。光学ユニットを、第1の波長の方向に平行に軸回りで回転させることは、含まれる波長のアスペクト比に影響する。
【0084】
本発明による周波数変換装置100の例示的な代替実施形態は、
図3で概略的に示される。
図3では、前に述べた図と同じビームまたは要素に対して、同じ参照数字が使用される。
【0085】
この例示的な実施形態では、光学ユニットは、第1の非線形結晶X1の前に位置するプリズムPにより形成される。この例示的な実施形態は、望ましい対称性を、したがって、主軸の望ましいアスペクト比を有する第3の波長のビームを生成できるようにする。このために、プリズムPは、第1の波長λ1の伝播方向により指定された軸に平行に軸回りで回転される。
【0086】
プリズムPを回転することは、第1の非線形結晶X1および/または第2の非線形結晶X2において1つまたは複数の効果を生じさせることができ、その1つまたは複数の効果はまた、第3の波長のビーム・プロファイルに影響を与えて、好ましくは、第3の波長λ3の場合に回転対称のビーム・プロファイルを生成するように補償する。この場合、例えば、第2の波長λ2および/または第3の波長λ3のウォークオフ、ならびに/または第1の非線形結晶X1における、かつ/または第2の非線形結晶X2における受容角度を超えることなどの効果が補償され得る。
【0087】
第1の非線形結晶X1は、平行平面結晶として形成される。
【0088】
平行平面とは、本明細書で、第1の非線形結晶の入口面および出口面が実質的に互いに平行に延びることを意味する。
【0089】
プリズムPおよび第2の非線形結晶X2は、第2の非線形結晶X2の入口面A1に対して実質的に垂直な入射角が常に得られるように配置され、かつ形成される。
【0090】
全体として、第1および第2の非線形結晶X1、X2の入口面に対するそれぞれ実質的に垂直な入射角が、この装置で得られる。ここで、実質的に垂直であるとは、約0°から10°の範囲であると理解される。
【0091】
結晶が入口面で交差される、かつ/または例えば、ブルースター角などの角度で配置される手法とは対照的に、(第1の)結晶の平行平面の形成は、無偏光であっても適用可能である利点を提供する、例えば、偏光のガイドのないファイバ・レーザーの場合などである。無偏光の場合、このような傾斜して延びる入口面は、可能な限り損失のない送りを可能にするために、手のかかる複雑なARコーティングが必要になり、それは、したがって除外される。
【0092】
同じ理由で、平行平面の入口面はまた、重畳された偏光状態によく適している。
図6および
図7と併せて以下の例示的な実施形態を参照のこと。
【0093】
図1aおよび
図1bの例示的な実施形態と類似した、第2の非線形結晶X2の出口面が
図3で形成され、実質的には、ブルースター構成であり、好ましくは第3の波長λ3に関して、第3の波長に対する反射損失を最小化するようにする。例示的な代替実施形態では、第2の非線形結晶X2の出口面A2の構成はまた、前述のブルースター構成から逸脱することもできる。
【0094】
図4では、周波数変換のためのシステム200の例示的な実施形態が概略的に示される。例示的な実施形態では、周波数変換のためのシステム200は、前に述べた本発明による周波数変換装置100を備える。
図4では、前に述べた図におけるものと同一の参照数字が、周波数変換装置100の要素に対して使用される。
図4における例示的な実施形態のシステムは、周波数変換装置100に供給される第1の波長λ1のビームBを提供するレーザー・システムLをさらに備える。ビームBが周波数変換装置100に供給される前に、ビームBのビーム・プロファイルのサイズは、ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットTによって影響され得る。例示的な一実施形態では、例えば、ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットが、ビーム・プロファイルのサイズを、250μmのサイズへと調整するテレスコープを備えることができる。例示的な代替実施形態において、ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットが、例えば、第1の非線形結晶X1と第2の非線形結晶X2の間の1つの場所に、ビームBのビーム・プロファイルのサイズを調整する単一のレンズにより提供されることもさらに可能である。
【0095】
図5では、周波数変換のためのシステム200のさらなる例示的な実施形態が、概略的に示されている。例示的な実施形態における周波数変換のためのシステム200は、
図3と併せて前に述べたように、周波数変換装置100を備える。したがって、前に述べたように、システム200において、第1の波長のビーム・プロファイルのアスペクト比を調整することが可能である。
【0096】
図5では、前述の図と同一の参照数字が、周波数変換装置100の要素に対して使用される。
【0097】
図5における例示的な実施形態のシステムは、周波数変換装置100に供給されるように、第1の波長λ1でビームBを提供するレーザー・システムLをさらに備える。ビームBが、周波数変換装置100に供給される前に、ビームBのビーム・プロファイルのサイズが、ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットTにより影響され得る。例示的な一実施形態では、例えば、ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットが、ビーム・プロファイルのサイズを250μmのサイズへと調整するテレスコープを備えることができる。
【0098】
例示的な代替実施形態において、ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットが、例えば、第1の非線形結晶X1と第2の非線形結晶X2の間の1つの場所に、ビームBのビーム・プロファイルのサイズを調整する単一のレンズにより提供されることもさらに可能である。
【0099】
図4および
図5の例示的な実施形態において、ビーム・プロファイル解析ユニットKは、第1および/または第2および/または第3の波長の主軸x1、x2、x3、x1’、x2’、x3’、および/またはy1、y1、y3の寸法、ならびに/またはビーム・プロファイルの品質を解析するために働く。これは、カメラおよび/またはM
2解析ユニットにより形成される。単一の波長は、例えば、光学フィルタを用いることにより解析することができる。
【0100】
代替的に、またはさらに、ビーム・プロファイル解析ユニットが、例えば、スペクトル特性、および(個々の)波長の性能を検出するために、分光計、および/またはパワー・メータなどのさらなる部分を備えることも可能である。
【0101】
例示的な一実施形態では、ビーム・プロファイル解析ユニットにより検出されたパラメータは、コンピュータにより評価され、この場合、例えば、1つまたは複数のパラメータのうちの長期安定性が検出される。この場合、検出されたパラメータはまた、好ましくは、第3の波長の長期安定性など、1つまたは複数のパラメータを調節するために、結晶ホルダおよび/または光学ユニットおよび/またはビーム・プロファイル解析ユニットなどの単一部分を、制御回路へと電子的に統合するために利用することもできる。
【0102】
図4および
図5の例示的な実施形態はまた、さらなる部分(
図4および
図5で示されていない)を備えることもできる。例えば、レーザー・システムLとビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットTの間、および/またはビーム・プロファイル・サイズ適合ユニットTと周波数変換装置100の間、および/または第1の非線形結晶X1と第2の非線形結晶X2の間の長いビーム経路に対して、1つまたは複数のビームを偏向させるいくつかの偏向ミラーが存在し得る。
【0103】
さらに周波数変換のためのシステム200全体、または例えば、周波数変換装置100などのその部分は、例えば、移送可能なように、かつ/または退避できるように、かつ/または洗浄する、もしくはガスで満たされるように、ハウジング内に収容することができる。
【0104】
図6に基づいて、本発明のさらなる例示的な実施形態が以下で述べられる。
【0105】
図6による周波数変換装置の前述の例示的な実施形態では、第3高調波(第3の波長λ3)を生成するための周波数3倍化(第3高調波の生成、THG)が述べられる。
【0106】
基本的に、第2の非線形結晶(THG結晶)における第3高調波の生成における変換効率は、含まれる第1の波長λ1および第2の波長λ2の強度および/または混合比に依存する。通常、混合比(強度の)は、約1/3:2/3(第2の波長に対する第1の波長)であり、最高で100%の理論的な(変換)効率に対応することができる。しかし、(理想的な)混合比は、含まれる波長の性能および/または強度、または結晶パラメータ、および使用される波長(範囲)などの多くのパラメータにそれぞれ依存し、したがって、正確な値を、(理想的な)混合比に対して示すことができない。
【0107】
含まれるビーム(第1の波長および第2の波長の)は、主として、ガウス強度プロファイルを有するので、変換することは、第1の非線形結晶における周波数2倍化の後、第1の波長λ1のガウス強度プロファイルの変形を生ずる。この変形は、第2の非線形結晶における後続する合計周波数において変換効率に対して不都合を生ずる。さらに、この変形は、第3の波長λ3のビーム品質の負の影響を有する可能性があり、第3の波長のビームは、それにより例えば、劣ったM2値を得る可能性がある。
【0108】
これを回避するために、第1の非線形結晶における第1の変換効率は、「最適ではない」(すなわち、意図的に、最大変換効率ではない)ように選択することができ、含まれる波長のビーム品質を、特に、第3の波長のビーム・プロファイルを最適化し、かつ/またはそれにより、第3の波長への変換の効率を向上させるようにする。
【0109】
この目的に対して、
図6における周波数変換装置は、第1の非線形結晶X1(I)の前に配置される第1のλ/2の波長板HWP1を備える。
【0110】
第1の波長板HWP1は、第1の波長λ1に対する垂直および水平偏光の重畳された偏光状態を生成するように設計される。
【0111】
例示的な実施形態では、第1の波長λ1は、最初に垂直に偏光される。
【0112】
この偏光状態、ならびに周波数変換装置を通る過程におけるさらなる偏光状態は、対応する矢印により
図6で下に示されている。
【0113】
第1の波長λ1、または第1の波長λ1の(重畳された偏光状態の)垂直に偏光された部分は、第1の非線形結晶X1(I)へと周波数2倍化されて第2の波長λ2になる。
【0114】
本明細書では、第1の非線形結晶X1(I)は、タイプIの結晶である。第1の非線形結晶X1(I)は、平行平面の結晶である。平行平面とは、本明細書において、結晶の入口および出口面が、実質的に互いに平行に延びることを意味する。
【0115】
前に述べたように、第1の波長λ1の変換部分(変換に含まれる部分)は、対応する強度プロファイルにおいて変形を受ける。したがって、変換部分は、後続する混合プロセス(この場合、第3高調波の生成)に限定して適しているに過ぎない。この例示的な実施形態によれば、変換部分は、したがって、第2の非線形結晶X2(II)において第3高調波を生成するために使用されるべきではない。
【0116】
そうではなくて、第1の波長λ1の未変換部分、すなわち、第2の波長λ2への変換に含まれない第1の波長の部分が、第3の波長λ3を生成するために使用されるべきである。
【0117】
第2の非線形結晶X2(II)は、本明細書において、第2の非線形結晶X2(II)の出口面A1に対して斜めに延びる出口面A2を有するタイプIIの結晶である。光学ユニットまたはプリズムPに関して、前の例示的な実施形態についてすでに述べられたものと同じ利点が、斜めに延びる出口面A2から得られる。
【0118】
第1の波長λ1の変換部分λ1*は、垂直に偏光されるが、第2の波長λ2は、水平に偏光される。
【0119】
周波数変換装置は、(偏光する)ビーム・スプリッタSを備えることができ、それは、第1の波長λ1*の(垂直に偏光された)変換部分λ1*をビーム経路から外に反射するように設計される。
【0120】
特に高性能においては、こうすることは、結晶の劣化を加速することになる、第2の非線形結晶が恒久的に不必要な負荷にさらされないという利点を有する。
【0121】
ビーム・スプリッタSは、第1の波長λ1の未変換(水平に偏光された)部分を送るようにさらに設計される。
【0122】
ビーム・スプリッタSは、例えば、ビーム・スプリッタ・キューブとして形成することができる。
【0123】
ビーム・スプリッタSの後、第1および第2の波長はそれぞれ、水平な偏光を有する。
【0124】
周波数変換装置は、第1の非線形結晶X1(I)と第2の非線形結晶X2(II)の間に(ビーム・スプリッタSの後に)配置された第2のλ/2波長板HWP2をさらに備える。
【0125】
第2の波長板HWP2は、第1の波長λ1の偏光に影響を与え(その回転により)、かつ第2の波長λ2の偏光には影響しないように設計される。
【0126】
第2の波長板HWP2により、第1の波長λ1の偏光(またはビーム経路内に残っている第1の波長の部分)は、第2の非線形結晶X2(II)における第3高調波を生成するために、タイプIIの混合プロセスに対して調整され得る。
【0127】
その後に続いて、第1の波長λ1および第2の波長λ2は、第3の波長λ3を生成するために、第2の非線形結晶X2(II)において重畳される。
【0128】
この例示的な実施形態の代替では、ビーム・スプリッタSの使用をやめることができる。
【0129】
この場合、第1の波長λ1の変換された(垂直に偏光された)部分λ1*は、ビーム経路内に留まるが、この部分が、第3の波長の生成に含まれないように、その偏光は、第2の波長板HWP2によって回転される。
【0130】
この場合、第1の波長λ1の未変換部分の偏光は、第1の波長λ1の未変換部分が、第3の波長λ3を生成するために使用されるように、同時に回転される。
【0131】
第2の非線形結晶が、タイプIの結晶として形成される周波数変換装置のさらなる例示的な実施形態が、
図7と併せて述べられる。
【0132】
図7で示される周波数変換装置の例示的な実施形態は、実質的に、
図6と併せて前に述べられた実施形態に相当する。
【0133】
しかし、タイプIの位相適合のため、第2の非線形結晶X2(II)における第2の波長板HWP2は、削除される。
【0134】
図6に関して前に述べたように、第1の波長の変換部分は、ビーム・スプリッタSにより反射されて外され得る。
【0135】
ビーム・スプリッタSの後、ビーム・スプリッタSの後の第1の波長および第2の波長はそれぞれ、水平な偏光を有する。
【0136】
これは、さらなる(第2の)波長板を使用する必要がない利点を有するが、それは、含まれる波長の偏光は、すでに、第2の非線形結晶X2(II)において、タイプIの位相適合に対する必要な偏光に適合されているからである。
【0137】
第3の波長λ3(第3高調波)を生成するためにタイプIの結晶を使用することは、基本的に、変換効率に関する利点が得られるが、第3の波長λ3のビーム・プロファイルの対称性が低減される、しかし、これは、プリズムP、および/または第2の非線形結晶X2(II)の出口面A2の角度を適切に選択することにより、補償することができる。
【0138】
この例示的な実施形態では同様に、代替として、
図6に関して述べたビーム・スプリッタSの使用をやめることができる。
【0139】
単独で、または任意の組合せで、上記において述べられた部分、特に、図面で示された細部のすべては、本発明にとって本質的なものであるとして特許請求されることが、この時点で指摘されるべきである。
【符号の説明】
【0140】
100 周波数変換装置
200 周波数変換のためのシステム
λ1 第1の波長(のビーム)
λ2 第2の波長(のビーム)
λ3 第3の波長(のビーム)
P 光学ユニット
X1 第1の非線形結晶
X2 第2の非線形結晶
A1 第2の非線形結晶の入口面
A2 第2の非線形結晶の出口面
L レーザー・システム
B レーザー・システムのビーム
T ビーム・プロファイル・サイズ適合ユニット
K ビーム・プロファイル解析ユニット
x1、x2、x3 ビーム・プロファイルの第1の主軸
x1’、x2’、x3’ ビーム・プロファイルの影響を受けた第1の主軸
y1、y2、y3 ビーム・プロファイルの第2の主軸
S ビーム・スプリッタ
HWB1、HWP2 波長板(L/2板)
X1(I) 第1の非線形結晶、タイプI
X2(I) 第2の非線形結晶、タイプI
X2(II) 第2の非線形結晶、タイプII
【国際調査報告】