(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】ホログラフィック照準器内の位置調整
(51)【国際特許分類】
F41G 1/30 20060101AFI20230117BHJP
G02B 23/14 20060101ALI20230117BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20230117BHJP
F41G 1/34 20060101ALI20230117BHJP
F41G 1/16 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
F41G1/30
G02B23/14
G02B7/00 B
F41G1/34
F41G1/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529435
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(85)【翻訳文提出日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 US2020060719
(87)【国際公開番号】W WO2021167660
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522195921
【氏名又は名称】イオテック,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】EOTECH,LLC
【住所又は居所原語表記】46900 Port Street, Plymouth, Michigan 48170, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ヒース、アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】フレイス、スティーヴ
【テーマコード(参考)】
2H039
2H043
【Fターム(参考)】
2H039AA10
2H039AB61
2H039AB62
2H039AB65
2H043AB01
2H043AB04
2H043AB05
(57)【要約】
ホログラフィック照準器は、ベースと、ベースに取り付けられ、そこから上方に延在する支持部材と、支持部材と共に形成されたユニット式光学構成要素キャリアとを含む。支持部材は可撓性を有し、ユニット式光学構成要素キャリアはベースに対して水平方向及び垂直方向に移動可能である。ブリッジがベースに取り付けられ、ユニット式光学構成要素キャリアの一部が延在する開口部を形成する。突起がブリッジに結合され、開口部内に突出し、ユニット式光学構成要素キャリアに当接する。突起を開口部内に延在させると、突起によって光学構成要素キャリアに加えられる圧力が増加する。この圧力の増加により、ユニット式光学構成要素キャリアが変位する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに取り付けられたユニット式光学構成要素キャリアであって、光学構成要素を受け入れるように構成された複数の受容部を含む、ユニット式光学構成要素キャリアと、
前記ベースに取り付けられたブリッジであって、開口部を形成し、前記ユニット式光学構成要素キャリアの一部が前記開口部内に延在する、ブリッジと、
前記ブリッジに結合され、前記ブリッジから前記開口部内に突出する第1の突起であって、前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部と当接する、第1の突起と
を含むホログラフィック照準器。
【請求項2】
前記第1の突起に機械的に結合された頭部であって、前記頭部の第1の方向への回転が、前記第1の突起によって前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部に加えられる圧力の増加を引き起こす、頭部、
をさらに含む、請求項1に記載のホログラフィック照準器。
【請求項3】
前記頭部の第2の方向への回転が、前記第1の突起によって前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部に加えられる圧力の低下を引き起こす、
請求項2に記載のホログラフィック照準器。
【請求項4】
前記ベースに結合され、前記ユニット式光学構成要素キャリアと一体的に形成された支持部材であって、前記ユニット式光学構成要素キャリアは前記支持部材から延在し、前記ベースに対して垂直方向に角度的に移動可能である、支持部材をさらに含み、
前記第1の突起によって前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部に加えられる圧力の増加を引き起こす第1の方向への前記頭部の回転が、前記支持部材を支点として、シャーシを前記ベースに対して垂直方向に角度的に移動させ、
前記第1の突起によって前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部に加えられる圧力の低下を引き起こす第2の方向への前記頭部の回転が、前記支持部材を支点として、前記シャーシを前記ベースに対して垂直方向に角度的に移動させる、
請求項3に記載のホログラフィック照準器。
【請求項5】
前記ベースに結合され、前記ユニット式光学構成要素キャリアと一体的に形成された支持部材であって、前記ユニット式光学構成要素キャリアは前記支持部材から延在し、前記ベースに対して水平方向に移動可能である、支持部材をさらに含み、
前記第1の突起によって前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部に加えられる圧力の増加を引き起こす前記第1の方向への前記頭部の回転が、シャーシを前記ベースに対して水平方向に移動させ、
前記第1の突起によって前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部に加えられる圧力の低下を引き起こす前記第2の方向への前記頭部の回転が、前記シャーシを前記ベースに対して水平方向に移動させる、
請求項3に記載のホログラフィック照準器。
【請求項6】
前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部が実質的に平らな表面を含み、
前記第1の突起が丸みを帯びた端部を含み、前記丸みを帯びた端部が前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部の前記実質的に平らな表面に当接する、
請求項1に記載のホログラフィック照準器。
【請求項7】
前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部が、前記第1の突起に対して自由に移動可能である、
請求項6に記載のホログラフィック照準器。
【請求項8】
前記ユニット式光学構成要素キャリア及び前記ブリッジを封入し、第1のアパーチャが形成されているハウジングをさらに含み、
前記頭部は前記第1のアパーチャを介してアクセス可能である、
請求項3に記載のホログラフィック照準器。
【請求項9】
前記頭部と機械的に接合するノブをさらに含み、
前記ノブを回転させると前記頭部が回転する、
請求項8に記載のホログラフィック照準器。
【請求項10】
前記ノブが前記頭部から軸方向に切り離される、請求項9に記載のホログラフィック照準器。
【請求項11】
ベースと、
前記ベースに取り付けられたユニット式光学構成要素キャリアであって、光学構成要素を受け入れるように構成された複数の受容部を含む、ユニット式光学構成要素キャリアと、
前記ベースに取り付けられたブリッジであって、開口部を形成し、前記ユニット式光学構成要素キャリアの一部が前記開口部内に延在する、ブリッジと、
前記ブリッジに結合され、前記ブリッジから前記開口部内に突出する第1の突起であって、前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部と当接する、第1の突起と、
前記ブリッジに結合され、前記ブリッジから前記開口部内に突出する第2の突起であって、前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部と当接する、第2の突起と
を含むホログラフィック照準器。
【請求項12】
前記第1の突起に機械的に結合された第1の頭部と、
前記第2の突起に機械的に結合された第2の頭部とをさらに含み、
前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部が、第1の一対の対向壁と、第2の一対の対向壁とを含み、前記第1の突起が前記第1の一対の対向壁のうちの1つに当接し、前記第2の突起が前記第2の一対の対向壁のうちの1つに当接し、
前記第1の頭部の回転により、前記第1の突起が前記開口部内にさらに延在し、前記第1の突起によって前記第1の一対の対向壁のうちの前記1つに加えられる圧力を増加し、
前記第2の頭部の回転により、前記第2の突起が前記開口部内にさらに延在し、前記第2の突起によって前記第2の一対の対向壁のうちの前記1つに加えられる圧力を増加する、
請求項11に記載のホログラフィック照準器。
【請求項13】
前記ベースに結合され、前記ユニット式光学構成要素キャリアと一体的に形成された支持部材であって、前記ユニット式光学構成要素キャリアが前記支持部材から延在し、前記ベースに対して角度的に移動可能である、支持部材をさらに含み、
前記第1の頭部の回転が、前記ユニット式光学構成要素キャリアを、前記支持部材を支点として前記ベースに対して垂直方向に角度的に移動させ、
前記第2の頭部の回転が、前記ユニット式光学構成要素キャリアを、前記支持部材を支点として前記ベースに対して水平方向に角度的に移動させる、
請求項12に記載のホログラフィック照準器。
【請求項14】
前記第1の一対の壁のうちの前記1つが実質的に平らな表面を含み、前記第1の突起が第1の丸みを帯びた端部を含み、前記第1の丸みを帯びた端部が前記第1の一対の壁のうちの前記1つの実質的に平らな表面に当接し、
前記第2の一対の壁のうちの前記1つが実質的に平らな表面を含み、前記第2の突起が第2の丸みを帯びた端部を含み、前記第2の丸みを帯びた端部が前記第2の一対の壁のうちの前記1つの実質的に平らな表面と当接する、
請求項13に記載のホログラフィック照準器。
【請求項15】
前記ユニット式光学構成要素キャリア及び前記ブリッジを封入するハウジングをさらに含み、前記ハウジングには第1のアパーチャが形成され、前記ベースには第2のアパーチャが形成され、
前記第1の頭部は前記第1のアパーチャを介してアクセス可能であり、前記第2の頭部は前記第2のアパーチャを介してアクセス可能である、
請求項14に記載のホログラフィック照準器。
【請求項16】
第1のノブが、前記第1の頭部と機械的に接合し、前記第1の頭部から軸方向に切り離され、
第2のノブが、前記第2の頭部と機械的に接合し、前記第2の頭部から軸方向に切り離される、
請求項15に記載のホログラフィック照準器。
【請求項17】
ベースと、
前記ベースに取り付けられ、開口部を形成するブリッジと、
前記ブリッジに結合され、前記ブリッジから前記開口部内に突出する第1の突起と、
前記第1の突起に機械的に結合された第1の頭部であって、前記第1の頭部の回転により、前記第1の突起が前記開口部内にさらに延在する、第1の頭部と、
前記ブリッジを封入するハウジングであって、アパーチャが形成され、前記アパーチャが前記第1の頭部と整列する、ハウジングと、
前記第1の頭部と機械的に接合するノブであって、前記第1の頭部から軸方向に切り離されるノブと
を含むホログラフィック照準器。
【請求項18】
前記ノブの回転により前記第1の頭部が回転され、前記第1の頭部の回転により、前記第1の突起が前記開口部内にさらに延在する、
請求項17に記載のホログラフィック照準器。
【請求項19】
温度変化による前記ハウジングの膨張及び収縮に応答して、前記ノブが前記第1の頭部から機械的に切り離される、
請求項17に記載のホログラフィック照準器。
【請求項20】
前記ベースに取り付けられたユニット式光学構成要素キャリアであって、前記ユニット式光学構成要素キャリアの一部が前記開口部に受け入れられ、前記第1の突起が前記ユニット式光学構成要素キャリアの前記一部と当接する、ユニット式光学構成要素キャリア、
をさらに含む、請求項17に記載のホログラフィック照準器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
遠方にある物体を識別し、焦点を合わせることは、照準器の使用によって容易にすることができる。照準器は、例えば、弓、ライフル、ショットガン、拳銃、搭載型機関銃、及び擲弾発射機などの小型武器で採用することができ、操作者が標的を見つけ、焦点を維持することを支援し得る。
【0002】
照準器は、多くの異なる形態で、様々な特徴を利用して開発されてきた。例えば、操作者が物体の位置を特定し、焦点を合わせることを支援し得るホログラムを操作者に提示する照準器が開発されてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書で開示されるのは、調整可能なホログラフィック照準器である。ホログラフィック照準器は、ベースと、ベースに取り付けられた支持部材と、支持部材と一体的に形成されたユニット式光学構成要素キャリアとを含み得る。支持部材は可撓性であり得、ユニット式光学構成要素キャリアはベースに対して水平方向及び垂直方向に角度的に移動可能であり得る。ホログラフィック照準器は、ベースに取り付けられ、ベースと開口部を形成するブリッジをさらに含み得る。ユニット式光学構成要素キャリアの一部は、開口部内に延在し得る。第1の突起が、ブリッジと結合され得、ブリッジから開口部内に突出し得る。第1の突起は、ユニット式光学構成要素キャリアの一部と当接し得、回転するように構成された第1の頭部と機械的に結合され得る。第2の突起が、ブリッジと結合され得、ブリッジから開口部内へ突出し得る。第2の突起は、ユニット式光学構成要素キャリアの一部と当接し得、回転するように構成された第2の頭部と機械的に結合され得る。第1の頭部の回転により、第1の突起は開口部内にさらに延在し、第1の突起によって開口部内に延在する光学構成要素キャリアの一部に加えられる圧力を増加する。増加した圧力は、ユニット式光学構成要素キャリアを垂直方向に角度的に変位させ得る。第2の頭部の回転により、第2の突起は開口部内にさらに延在し、第2の突起によって開口部内に延在する光学構成要素キャリアの一部に加えられる圧力を増加する。増加した圧力は、ユニット式光学構成要素キャリアを水平方向に角度的に変位させ得る。
【0004】
ブリッジによって形成された開口部内に延在するユニット式光学構成要素キャリアの一部は、第1の対向壁の組と、第2の対向壁の組とを含み得る。この第1の一対の壁のうちの少なくとも1つは、実質的に平らな表面を含み得る。第1の突起は、第1の一対の壁のうちの1つの実質的に平らな表面に当接する第1の丸みを帯びた端部を含み得る。第2の一対の壁のうちの少なくとも1つは、実質的に平らな表面を含み得る。第2の突起は、第2の一対の壁のうちの1つの実質的に平らな表面に当接する第2の丸みを帯びた端部を含み得る。側壁の実質的に平らな表面上の突起の丸みを帯びた端部は、ユニット式光学構成要素の一部が突起に垂直な方向に自由に移動することを可能にする。突起は、光学構成要素キャリアの膨張及び収縮に対応するために、側壁の表面上をスライドし得る。
【0005】
この概要は、本明細書中「発明を実施するための形態」においてさらに記載される概念の一部を簡略化した形で紹介するために提供される。この概要は、特許請求された主題の重要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求された主題の範囲を限定するために使用されることを意図していない。他の特徴は本明細書に記載されている。
【0006】
例示的な実施形態に関する前述の概要及び以下の追加記載は、添付の例示的な図面と併せて読むと、より深く理解され得る。開示されたシステム及び実装の潜在的な実施形態は、描かれているものに限定されないことが理解される。さらに、図中の同様の参照数字は、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】例示的な組み立てられたホログラフィック照準器の斜視図を描いている。
【
図1B】例示的な組み立てられたホログラフィック照準器の斜視図を描いている。
【
図1C】例示的な組み立てられたホログラフィック照準器の斜視図を描いている。
【
図1D】例示的な組み立てられたホログラフィック照準器の斜視図を描いている。
【
図2】例示的なホログラフィック照準器の分解図である。
【
図3】例示的な部分的に組み立てられたホログラフィック照準器の斜視図である。
【
図4A】例示的なベースに取り付けられた例示的な光学シャーシの斜視図である。
【
図5】例示的なベースに取り付けられた例示的な光学シャーシの斜視図である。
【
図6】例示的なベースに取り付けられ、光学構成要素が取り付けられている例示的な光学シャーシの斜視図である。
【
図8】構成要素が分解された例示的なブリッジの斜視図である。
【
図9】例示的な光学シャーシに取り付けられた例示的なブリッジの斜視図である。
【
図10】例示的なホログラフィック照準器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ホログラフィック照準器は、操作者に提示するためのホログラムを作成するために、一連の光学構成要素を採用し得る。例えば、ホログラフィック照準器は、光ビームを生成するレーザダイオードと、光ビームを偏向させるミラーと、偏向した光ビームを受け、コリメートした光を反射するコリメート光学部品と、コリメートした光を受け、画像により記録された画像ホログラムに向けて光を反射し、これにより画像が照準器の操作者に表示される格子とを採用し得る。ホログラフィック照準器の動作は、光学構成要素が、互いに、距離及び向きを含めて意図された位置にあることを必要とする。光学構成要素の1つの意図された位置からの非常に小さな変動でさえ、照準器の動作に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0009】
ホログラフィック照準器は、光学構成要素をホログラフィック照準器内の構造物に固定することによって、光学構成要素を互いに相対的に位置決めし得る。例えば、例えばコリメート光学部品及びホログラム画像などの光学構成要素は、ホログラフィック照準器のハウジングの内部に固定されてもよい。ミラーは、照準器ハウジングが取り付けられるマウントから延びる台座上に配置されてもよい。格子は、照準器ハウジングに対して相対的に回転するように構成された可動プレートに固定されてもよい。光学構成要素は、それら自体が互いに相対的に移動可能であり得る異なる構成要素に取り付けられているため、制御された製造環境であっても、光学構成要素を意図した位置に配置することは困難な場合がある。さらに、光学構成要素が取り付けられている構造物のいずれかの動きは、光学構成要素をその意図された位置から動かし、ホログラムの質を低下させる可能性がある。
【0010】
兵器と共に使用する照準器は、意図した着弾点からの発射体のずれを補正するように調整することができる。方位角調整制御部は、意図した着弾点からの発射体軌道の水平方向のずれを補正するように構成することができる。ホログラフィック照準器に関して、方位角調整制御部は、照準器によって作成されたホログラムによって目標とされる位置からの発射体の水平方向のずれを補正するように構成することができる。また、仰角調整制御部は、意図した着弾点からの発射体の垂直方向のずれを補正するように構成することができる。ホログラフィック照準器では、仰角調整制御部は、照準器によって作成されたホログラムによって目標とされる位置からの発射体の垂直方向のずれを補正するように構成することができる。一例において、方位角及び仰角調整制御部は、照準器の構造物に力を加え、光学構成要素をその意図する位置から変位させ、ホログラムの質の低下をもたらすことがある。例示的なシナリオでは、仰角及び/又は方位角調整制御部は、例えば、格子などの光学構成要素に圧力を加え、光路を変更する可能性がある。しかし、光学構成要素に圧力を加えることは、他の光学構成要素に対するその意図された位置から光学構成要素を変位させるように動作し、照準器によって作成されるホログラムの質の低下をもたらす可能性がある。一例において、仰角及び/又は方位角調整制御部は、外部ハウジングと接合し得る。例えば、温度変化に応答したハウジングの膨張又は収縮など、ハウジングの構造の変化は、仰角及び/又は方位角調整制御部を変位させ、これが光学構成要素に圧力を加えて変位させる可能性がある。
【0011】
本出願人は、意図しない力から実質的に切り離される、又は独立した個々の光学構成要素を含むホログラフィック照準器を本明細書に開示する。ホログラフィック照準器は、ベースと、受容部に受け入れられた複数の光学構成要素を有するユニット式光学構成要素キャリアと、ベースと共に開口部を形成するブリッジとを含み得る。ユニット式光学構成要素キャリアの一部は、開口部内に位置決めされる。第1の突起は、ブリッジから開口部内に延在し、ユニット式光学構成要素キャリアの一部の第1の表面と当接し得る。第1の突起は、第1の頭部に機械的に結合されてもよく、開口部内にさらに延在し、光学構成要素キャリアの一部に追加の圧力を加えることによって、第1の頭部の回転に応答し得る。光学構成要素キャリアは、圧力に応答して垂直方向に角度的に変位し、それによって、ホログラフィック照準器に垂直方向の調整を提供してもよい。第2の突起は、ブリッジから開口部内に延在し、ユニット式光学構成要素キャリアの一部の第2の表面と当接し得る。第2の突起は、第2の頭部に機械的に結合されてもよく、開口部内にさらに延在し、光学構成要素キャリアの一部に追加の圧力を加えることによって、第2の頭部の回転に応答し得る。光学構成要素キャリアは、圧力に応答して水平方向に角度的に変位し、それによって、ホログラフィック照準器に方位角調整を提供してもよい。ユニット式光学構成要素キャリアの一部の第1の表面及び第2の表面は、実質的に平坦又は平らであり得る。第1の突起は第1の表面上をスライドし得、第2の突起は第2の表面上をスライドし得、したがって、突起に垂直な方向への光学構成要素キャリアの移動に対応し得る。個々の光学構成要素は、方位角及び仰角制御部からの直接の圧力から機械的に隔離され、光学構成要素キャリアは、少なくとも1つの次元において方位角及び仰角制御部から機械的に切り離される。光学構成要素キャリアは、例えば、ハウジング及びベースなど、照準器内の他の構成要素から発生する意図しない圧力から切り離される。
【0012】
図1A及び1Bは、例示的なホログラフィック照準器100の正面図及び背面図をそれぞれ描いている。
図1C及び1Dは、例示的なホログラフィック照準器100の側面図を描いている。ホログラフィック照準器100は、例えば、銃器などの適切な装置に着脱可能に取り付けられるように適合されてもよい。ホログラフィック照準器100は、ホログラフィック照準器100を銃器に固定するために、銃器上の対応する構成要素と着脱可能に係合するように構成されたベース110を含み得る。
【0013】
ホログラフィック照準器100は、前端部112及び後端部114を含む。ホログラフィック照準器100の操作者は、後端部114に位置するバックウィンドウ116と、前端部112に位置する整列したフロントウィンドウ118とを通して見ることができる。バックウィンドウ116及び整列したフロントウィンドウ118を通して操作者に見える領域は、視野と呼ばれることがある。ホログラフィック照準器100は、バックウィンドウ116及びフロントウィンドウ118によって画定された視野にホログラフィック画像を課すように適合される。
【0014】
仰角調整制御部120は、ホログラフィック照準器100のハウジング122に形成された開口部を介してアクセス可能であり得る。方位角調整制御部124は、ベース110に形成された開口部を介してアクセス可能であり得る。操作者は、仰角調整制御部120を回して、バックウィンドウ116から見たホログラムの垂直位置を調整し得る。操作者は、方位角調整制御部124を回して、バックウィンドウ116から見たホログラムの水平位置を調整し得る。バッテリーキャップ128は、ホログラフィック照準器100に電力を供給し得るバッテリーを受け入れるように構成された開口部へのアクセスを提供するために、取り外されてもよい。
【0015】
暗視ボタン162及びアップダウンボタン164が、ベース110に形成されたアパーチャを通して延在し得る。ホログラフィック照準器の操作者は、ホログラフィック照準器100の動作特性を変更するために、暗視ボタン162及び/又はアップ/ダウンボタン164を押し下げ得る。例えば、特定のボタン又はボタンの組み合わせを押し下げることによって、ホログラフィック照準器100は、そのオン/オフ状態を変更し、ホログラムの輝度を変更し、及び/又は通常モードと暗視モードの間で切り替わり得る。
【0016】
ホログラフィック照準器100は、フード170をさらに含み得る。フード170は、ハウジング122の一部の上及び周囲に配置されてもよく、ベース110に機械的に取り付けられてもよい。フード170は、衝撃からハウジング122を保護するように構成されてもよい。
【0017】
図2は、ホログラフィック照準器100の分解図を提供する。ハウジング122は、ベース110に機械的に結合されてもよく、その間に配置されたシール130を有していてもよい。ハウジング122は、ホログラフィック照準器100の構成要素を封入する。例えば、ハウジング122は、ベース110に機械的に結合されてもよい光学シャーシ132を封入し得る。光学シャーシ132は、ホログラフィック画像を作成するために採用される光学構成要素を受け入れるための複数の受容部を有する剛体を備え得る。例えば、光学シャーシ132は、レーザダイオード134、ミラー136、コリメート光学部品138、格子140、及び画像ホログラム142のそれぞれを受け入れるための受容部を有する本体を備え得る。レーザダイオード134は、ミラー136に向けられ、ミラー136で受け取られる可視光を発生させるように構成されてもよい。ミラー136は、レーザダイオード134から受け取った光をコリメート光学部品138に向けて反射するように構成されてもよい。コリメート光学部品138は、ミラー136から反射光を受け取り、コリメートされた光を格子140に向けるように構成されてもよい。コリメート光学部品138は、例えば、透過性又は反射性であり得る。例えば回折格子であり得る格子140は、コリメート光学部品138からコリメートされた光を受け取り、回折光を画像ホログラム142に向かって反射するように構成されてもよい。画像ホログラム142は、格子140から光を受け取り、ホログラフィック照準器100の視野で見ることができるホログラム画像を投影するように構成されてもよい。ホログラフィック照準器100は、リヤウィンドウ116によって提示される視野を通して見る操作者にホログラムを表示する。ホログラム画像は、操作者が物体の位置を特定し、標的化することを支援するように構成されてもよい。例えば、ホログラムはレチクルであり得るが、他の画像が採用されてもよい。
【0018】
レーザダイオードシューと呼ばれることもあるカラー146は、関連する内径を有する内面と、関連する外径を有する外面とを有する円筒形に形成されてもよい。レーザダイオード134は、カラー146内に位置決めされ、カラー146の内面と摩擦嵌合を形成してもよい。ダイオードリング148は、カラー146の外面の周りに位置決めされ、カラー146の外面と摩擦嵌合を形成してもよい。リング148は、光学シャーシ132の対応する受容部内に受け入れられる。リングは、光学シャーシ132の対応する受容部内に含まれる対向する壁と摩擦嵌合を形成してもよい。レーザダイオード保持プレスが、レーザダイオード134、カラー146、及びリング148を光学シャーシ132の対応する受容部内に挿入する間に、カラー146に圧力を加えるために使用されてもよい。
【0019】
ハウジング132は、ベース110に機械的に結合され得るブリッジ152をさらに封入する。ブリッジ152は、光学シャーシ132の第1の受容部の少なくとも一部が延びる開口部190を形成し得る。仰角調整アセンブリ154及び方位角調整アセンブリ156は、ブリッジ152に形成された開口部159を通って延びて、光学シャーシ132の第1の受容部の一部と係合し得る。仰角調整制御部120は、ハウジング122に形成された開口部又はアパーチャ155を介して仰角調整アセンブリ154と係合し得る。ハウジング122の開口部又はアパーチャ155は、ハウジング122による干渉なしに仰角調整制御部120が仰角調整アセンブリ154と係合することを可能にするように形成されてもよい。例えば、開口部155は、仰角調整制御部120と当接又は干渉しないように十分に広い可能性がある。したがって、ハウジング122の移動又は膨張は、仰角調整制御部120に圧力を及ぼさない可能性がある。仰角調整制御部120によって加えられる力又は圧力の量は、ハウジング122の膨張及び/又は移動から切り離すことができる。ホログラフィック照準器100の操作者は、仰角調整制御部120を回転させてもよく、これにより、仰角調整アセンブリ154は、ブリッジ152によって形成された開口部190内に延びるアセンブリの長さを増加又は減少させて、それにより光学シャーシ132の第1の受容部に加えられる力を増加又は減少させることができる。
【0020】
方位角調整制御部124は、ベース110に形成された開口部157を介して方位角調整アセンブリ156と係合する。ベース110の開口部157は、方位角調整制御部124がベース110による干渉なしに方位角調整アセンブリ156と係合することを可能にするように形成されてもよい。例えば、開口部157は、調整制御部124と当接又は干渉しないように十分に広い可能性がある。したがって、ベース110の移動又は膨張は、調整制御部124に圧力を及ぼさない可能性がある。調整制御部124によって加えられる力又は圧力の量は、ベース110の膨張及び/又は移動から切り離すことができる。ホログラフィック照準器100の操作者は、方位角調整制御部124を回転させてもよく、これにより、方位角調整アセンブリ156は、ブリッジ152によって形成された開口部190内に延びるアセンブリの長さを増加又は減少させて、それによって光学シャーシ132の第1の受容部に加えられる力を増加又は減少させることができる。
【0021】
ハウジング122は、ホログラフィック照準器100に電力を供給し、制御するように構成された電子部品を含むプリント回路基板アセンブリ160をさらに封入し得る。暗視ボタン162及びアップダウンボタン164は、スペーサ166を通って延び、プリント回路基板アセンブリ160と係合し得る。暗視ボタン162及びアップダウンボタン164は、ベース110の対応する開口部を通って延び得る。ホログラフィック100照準器の操作者が暗視ボタン162及び/又はアップ/ダウンボタン164を押し下げると、ボタンはプリント回路基板アセンブリ160とインターフェースしてホログラフィック照準器100の動作特性を変化させ得る。例えば、特定のボタン又はボタンの組み合わせを押し下げると、プリント回路基板アセンブリ160は、オン/オフ状態を変更し、ホログラムの輝度を変更し、及び/又は通常モードと暗視モードの間で切り替わり得る。
【0022】
図3は、ハウジング122、フード170、及び他の要素が取り外された状態で部分的に組み立てられた例示的なホログラフィック照準器100の斜視図を描いている。光学シャーシ132は、例えばネジを使用するなどの適切な留め技術を使用して、ベース110に機械的に結合されてもよい。レーザダイオード134、ミラー136、コリメート光学部品138、格子140、及び画像ホログラム142を含む光学構成要素は、光学シャーシ132の受容部に受け入れられてもよい。ブリッジ152は、例えばネジを使用するなどの適切な留め技術を使用してベース110に機械的に結合されてもよい。光学シャーシ132の一部は、ブリッジとベース110とによって画定される開口部190内に延在し得る。仰角調整制御部120は、仰角調整アセンブリ154とインターフェースして、光学シャーシ132の一部に力を加え、それによって光学シャーシ132の仰角を調整し得る。方位角調整制御部124は、方位角調整アセンブリ156とインターフェースして、光学シャーシ132の一部に力を加え、それによってベース110に対する光学シャーシ132の角度に関する水平方向の向きを調整し得る。
【0023】
図4Aは、ベース110に取り付けられ、光学構成要素が取り外された状態の例示的な光学シャーシ132の孤立した斜視図を描いている。
図4Bは、例示的な光学シャーシ132の一部の拡大図を描いている。
図5は、ベース110に取り付けられた光学シャーシ132の逆方向からの斜視図を描いている。光学シャーシ132は、取付フランジ220と、取付フランジ220と一体的に形成され、取付フランジ220から上方に延びる支持部材222と、支持部材222と一体的に形成されたユニット式光学構成要素キャリア224とを含み得る。取付フランジ220は、例えば、取付フランジ220の開口部を通ってベース110の対応する受容部内に延びるネジを含み得る適切な方法を用いてベース110に固定されてもよい。支持部材222及びユニット式光学構成要素キャリア224は、取付フランジ220によってベース110に対して吊り下げられてもよい。
【0024】
光学シャーシ132の支持部材222は、ユニット式光学構成要素キャリア224が取付フランジ220及びベース110に対して水平方向及び/又は垂直方向に角度的に移動可能であり得るように、柔軟性のある1つ又は複数の部分を含み得る。支持部材222は、取付フランジ220及びベース110に対するユニット式光学構成要素キャリア224の位置の調整を可能にし、それによって操作者の視野内に作成されるホログラムの位置の調整を可能にするように、順応性を備え得る。
【0025】
支持部材222は、取付フランジ220に対して上方に延び、取付フランジ220と一体的に形成された第1の壁240を含み得る。支持部材222は、第2の壁244と、第1の壁240及び第2の壁244の間に結合された可撓性部材246とをさらに含み得る。第2の壁244及び可撓性部材246は、第1の壁240によって支持されてもよい。第2の壁244は、可撓性部材246を支点として、取付フランジ220及びベース110に対して水平方向に角度的に自由に移動し得る。可撓性部材246は、第1の壁240の中央付近で第1の壁240に結合されていてもよく、第2の壁244の中央付近で第2の壁244に結合されてもよい。第2の壁244に水平方向の力が加えられると、可撓性部材246は、可撓性部材246を運動の支点として、第2の壁244が第1の壁240に対して水平方向に移動するか又は角変位することができるように撓ませるか又は捩ることができる。光学構成要素キャリア224に加えられる水平方向の力は、第2の水平壁244に伝達されてもよく、第1の壁240及び取付フランジ220に対する第2の壁244及び光学構成要素キャリア224の可撓性部材246の周囲又は周りの角度的な水平方向の移動をもたらす可能性がある。
【0026】
支持部材222は、第2の壁244と一体的に形成され、ユニット式光学構成要素キャリア224から離れる方向に延びる第1の水平部材247と、ユニット式光学構成要素キャリア224に向かって延びる第2の水平部材248と、第1の水平部材247及び第2の水平部材248と一体的に形成されたジョイント部材249とをさらに含み得る。第1の水平部材247、ジョイント部材249、及び第2の水平部材248は、一体的に形成され、一緒になって、取付フランジ220及びベース110に対するユニット式光学構成要素キャリア224の垂直方向の可撓性を提供してもよい。第2の水平部材248は、第1の水平部材247に対して垂直方向に可撓性を有し得る。ジョイント部材249は、可撓性を有し、第1の水平部材247に対する第2の水平部材248の垂直方向の移動を許容し得る。垂直方向の圧力が第2の水平部材248にかけられると、それは第1の水平部材247、取付フランジ220、及びベース110に対して垂直方向に移動又は変位し得る。その移動は、ジョイント部材249を支点とした角度のあるものであり得る。ユニット式光学構成要素キャリア224に加えられた垂直方向の力は、第2の水平部材248に伝達され、第1の水平部材247及び取付フランジ220に対するユニット式光学構成要素キャリア224及び第2の水平部材248のジョイント部材249の周囲又は周りの垂直方向の角度的な移動をもたらし得る。図に示されるように、第1の水平部材247及び第2の水平部材248の複数の例が支持部材222に含まれてもよい。
【0027】
図6は、ベース110に取り付けられ、光学構成要素134、136、138、140、142が取り付けられた例示的なユニット式光学構成要素キャリア224の斜視図を描いている。ユニット式光学構成要素キャリア224は、光学構成要素が取り付けられる台又はラックとして機能し得る本体を備える。ユニット式光学構成要素キャリア224は、取付フランジ220と一体的に形成されてもよい支持部材222と一体的に形成されてもよい。ユニット式光学構成要素キャリア224は剛体を構成し得、光学構成要素間の相対距離の変化に対して実質的に耐性があり得る。例えば、仰角調整アセンブリ154及び/又は方位角調整アセンブリ156によって第1の受容部230に力が加えられるシナリオでは、ユニット式光学構成要素キャリア224は歪みに耐性があり得、光学構成要素134、136、138、140、及び142間の相対距離が実質的に変化しないまま一体となって移動し得る。ユニット式光学構成要素キャリア224は、比較的低い熱膨張係数を有する材料から作られてもよい。その結果、光学構成要素間の相対距離は、広い範囲の温度環境にわたって実質的に同じままであり得る。一例では、ユニット式光学構成要素キャリア224は、チタンから製造されてもよい。
【0028】
ユニット式光学構成要素キャリア224は、光学構成要素を受け入れるように構成された複数の受容部230、232、234、236、238を含み得る。受容部230、232、234、236、及び238のそれぞれは、適切な光学構成要素の対応する表面を受け入れるように構成された1つ又は複数の表面を含む。表面対表面の取り付けは、ユニット式光学構成要素キャリア224に対する、及び互いに対する光学構成要素の正確な位置決めをもたらす。受容部230、232、234、236、及び238は、対応する光学構成要素をユニット式光学構成要素キャリア224の外側から適用できるように構成される。外側からの光学構成要素の取り付けは、例えば、ロボットハンドリングなどの自動化された手段によって行われてもよい。光学構成要素は、光学構成要素と対応する受容部との間の摩擦を介して、及び/又は接着剤の塗布によって、受容部230、232、234、236、及び238に固定されてもよい。
【0029】
図7は、ブリッジ152の斜視図を描いている。
図8は、ブリッジ152の分解図を描いている。
図9は、光学シャーシ132の第1の受容部230と係合したブリッジ152の孤立した斜視図を描いている。
図10は、ブリッジ152の断面と共にホログラフィック照準器100の正面断面図を描いている。例示的なブリッジ152は、その中に形成された開口部292及び294を有するブリッジ本体290を含み得る。仰角調整器アセンブリ154は、開口部292を通って、ブリッジ152とベース110とによって形成された開口部190内に延在し得る。方位角調整器アセンブリ156は、開口部294を通って、ブリッジ152とベース110とによって形成された開口部190内に延在し得る。
【0030】
仰角調整器アセンブリ154は、突起296及び頭部298を含み得る。仰角調整器アセンブリ154の突起296は、開口部190内に延在し、ユニット式光学構成要素キャリア224の第1の受容部230の外面250Aに当接し得る。頭部298を第1の方向に回転させると、突起296が開口部190内にさらに延在し得る。突起296が開口部内にさらに延在すると、突起296は、第1の受容部230の外面250Aに加えられる圧力又は力を増加させ得る。突起によって加えられる圧力の増加は、支持部材222によって許容される角度的な垂直方向の移動範囲と組み合わせて、ユニット式光学構成要素キャリア224を、取付フランジ220及びベース110に対して下方向又は垂直方向に角度的に偏向又は変位させ得る。頭部298を第2の方向に回転させると、突起296は開口部190から後退し得る。突起296が開口部190から後退させられると、突起296は、外面250Aに加えられる圧力又は力を低下させる。加えられる圧力の低下は、支持部材222によって許容される角度的な垂直方向の移動範囲と組み合わせて、ユニット式光学構成要素キャリア224を取付フランジ220及びベース110に対して垂直方向上方に角度的に変位又は偏向させ得る。頭部298は、ハウジング122内のアパーチャ155と一致し得、ノブであり得る仰角調整制御部120が頭部298にアクセスして接合することを可能にする。仰角調整制御部120は、頭部298と回転結合されてもよい。仰角調整制御部120を回転させると、頭部298の回転、及び開口部190に対する突起296の対応する挿入及び引き出しがもたらされ得る。仰角調整制御部120は、頭部298から軸方向に切り離されてもよい。したがって、仰角調整制御部120の軸方向の動きは、頭部298及びブリッジ152の残りの部分を乱さず、変位しないかもしれない。例えば、温度変化によるハウジング122の膨張及び/又は収縮に応答して、仰角調整制御部120は変位され、頭部298から切り離される可能性があり、頭部298に軸方向の圧力を加えないかもしれない。頭部298、突起296、ブリッジ290、及びユニット式光学構成要素キャリアは、ハウジング122及び/又は方位角調整制御部124の膨張及び/又は収縮から隔離される。
【0031】
方位角調整器アセンブリ156は、突起300及び頭部302を含み得る。方位角調整器アセンブリ156の突起300は、開口部190内に延在し、ユニット式光学構成要素キャリア224の第1の受容部210の外面252Aに当接し得る。頭部302を第1の方向に回転させると、突起300が開口部190内にさらに延在し得る。突起300が開口部内にさらに延在すると、突起300は、第1の受容部230の外面252Aに加えられる圧力又は力を増加させ得る。突起によって加えられる圧力の増加は、支持部材222によって許容される角度的な水平方向の移動範囲と組み合わせて、ユニット式光学構成要素キャリア224を、取付フランジ220及びベース110に対して水平方向に角度的に変位又は偏向させ得る。頭部302を第2の方向に回転させると、突起300が開口部190から後退し得る。突起300が開口部190から後退させられると、突起302は、外面252Aに加えられる圧力又は力を低下させる。圧力の低下は、支持部材222によって許容される角度的な水平方向の移動範囲と組み合わせて、ユニット式光学構成要素キャリア224を取付フランジ220及びベース110に対して水平方向に角度的に変位又は偏向させ得る。頭部302は、ベース110内のアパーチャ157と一致し得、ノブであり得る方位角調整制御部124が頭部302にアクセスして接合することを可能にする。方位角調整制御部124は、頭部302と回転結合されてもよい。方位角調整制御部124を回転させると、頭部302の回転、及び開口部190に対する突起300の対応する挿入及び引き出しがもたらされ得る。方位角調整制御部124は、頭部302から軸方向に切り離されてもよい。したがって、調整制御部124の軸方向の動きは、頭部302及びブリッジ152の残りの部分を乱さず、変位しないかもしれない。例えば、温度変化によるハウジング122の膨張及び/又は収縮に応答して、方位角調整制御部124は変位され、頭部302から切り離される可能性があり、頭部302に圧力を加えないかもしれない。頭部302、突起300、ブリッジ290、及びユニット式光学構成要素キャリアは、ハウジング122及び/又は方位角調整制御部124の膨張及び/又は収縮から隔離される。
【0032】
対向側壁250Aの外面及び対向側壁252Aの外面は、実質的に平坦又は平らな表面であり得る。突起296及び突起300は、側壁250A及び252Aの対応する表面と当接する実質的に丸みを帯びた端部を有し得る。側壁250A及び252Aの実質的に平坦又は平らな表面上の突起296及び300の丸みを帯びた端部は、第1の受容部230及び光学構成要素キャリア224の残りの部分が突起296及び300に垂直な方向に自由に移動することを可能にし得る。突起296及び300は、側壁250A及び252の表面上をスライドして、光学構成要素キャリア224の相対移動、膨張及び収縮、並びに/又はブリッジ290の膨張及び収縮に対応し得る。突起296及び300は、光学構成要素キャリア224の相対的な垂直方向の移動を妨げない。
【0033】
したがって、本出願人は、ユニット式光学構成要素キャリアを含むホログラフィック照準器を開示した。ユニット式光学構成要素キャリアは、レーザダイオードを受け入れるように構成された第1の受容部、ミラーを受け入れるように構成された第2の受容部、コリメート光学部品を受け入れるように構成された第3の受容部、格子を受け入れるように構成された第4の受容部、及び画像ホログラムを受け入れるように構成された第5の受容部を含み得る。ユニット式光学構成要素キャリアは、機械的安定性を提供し、それに適用される光学構成要素の相対的な位置決めを維持する。
【0034】
本出願人は、個々の光学構成要素を意図しない外圧及び外力から隔離するように構成されたホログラフィック照準器を開示している。仰角制御突起296及び方位角制御突起300は、個々の光学構成要素ではなく、ユニット式光学構成要素キャリア224に当接し得る。仰角制御突起296及び方位角制御突起300は、ホログラムの位置を調整するためにユニット式光学構成要素キャリア224を角度的に変位させ得るが、個々の光学構成要素は、互いに意図された位置を維持し、それによってホログラムの品質を維持する。さらに、突起296及び300は、丸みを帯びていてもよく、ユニット式光学構成要素キャリア224の実質的に平坦又は平らな表面に当接し得る。ユニット式光学構成要素キャリア224は、突起296及び300に対して(場合により相対的な膨張及び/又は収縮に起因して)自由に移動することができる。仰角調整制御部120及び方位角調整制御部124は、それぞれ頭部298及び302と回転結合されてもよいが、仰角調整制御部120及び方位角調整制御部124が変位されたときに頭部298及び302から軸方向に切り離されてもよい。仰角調整制御部120及び方位角調整制御部124は、ハウジング122及び/又はベース110の移動、膨張、又は収縮が仰角調整制御部120及び方位角調整制御部124に干渉しないように十分に大きいハウジング122及びベース110の開口部155及び157を通って延在し得る。したがって、仰角調整アセンブリ154、方位角調整アセンブリ156、ブリッジ290、及びユニット式光学構成要素キャリア224は、ハウジング122及びベース110の膨張及び収縮から機械的に隔離され得る。ユニット式光学構成要素キャリア224は、外力及び変位がホログラフィック照準器の他の部分で経験され得る場合であっても、光学構成要素を互いに正確な相対位置に維持し得る。光学構成要素キャリア224は、意図しない圧力又は力から切り離され得る、又は独立し得る。
【0035】
例示的な実施形態が開示されてきたが、潜在的な実施形態の範囲は、明示的に記載されたものに限定されないことが理解されよう。例えば、例示的なホログラフィック照準器は特定の数の光学構成要素で記載されているが、異なる数の光学構成要素が、本開示と一致するホログラフィック照準器に含まれてもよい。実施形態は、本明細書に記載されたものとは異なる構成で配置された光学構成要素を有していてもよい。同様に、実施形態は、同様の機能を提供するが、本明細書で明示的に記載したものとは異なって構成された支持部材を採用し得る。さらに、ブリッジと調整アセンブリは特定の形状及び向きで記載されているが、実施形態は他の形状及び向きのブリッジ及びアセンブリを採用し得る。
【0036】
特徴及び要素は特定の組み合わせで本明細書に記載され得るが、各特徴又は要素は、単独で、他の特徴及び要素なしで、及び/又は他の特徴及び要素あり又はなしで様々な組み合わせで使用されてもよい。
【国際調査報告】