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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】落下防止システム
(51)【国際特許分類】
   A62B 35/00 20060101AFI20230117BHJP
   B66C 23/84 20060101ALN20230117BHJP
【FI】
A62B35/00 H
B66C23/84 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529501
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(85)【翻訳文提出日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2020060469
(87)【国際公開番号】W WO2021099876
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/938,540
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ストラウス,アンドリュー シー.
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,ニコラス ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェイス,ミカエル ティー.
【テーマコード(参考)】
2E184
3F205
【Fターム(参考)】
2E184JA05
2E184KA04
2E184LA03
3F205EA10
(57)【要約】
落下防止システムは、ベースアセンブリと、マストアセンブリと、マストアセンブリをベースアセンブリとロックするようになっているロックアセンブリと、を含む。ロックアセンブリは、第1のプレートおよび第2のプレートを含む。ロックアセンブリはまた、第2のプレートに固定結合された固定部材を含む。ロックアセンブリは、固定部材内に少なくとも部分的に受け入れられた細長い部分と、第1のタブと、を含むロックピンを更に含み、ロックピンは、固定部材に対して係合位置と解放位置との間で移動可能である。係合位置では、第1のタブが、第1の溝内に少なくとも部分的に受け入れられて、ロックピンが、第1のプレートと係合する。更に、解放位置では、第1のタブが、第2の溝内に少なくとも部分的に受け入れられて、ロックピンが、第1のプレートから間隔が空く。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースアセンブリと、
マストアセンブリであって、前記マストアセンブリによって画定された第1の軸を中心として回転可能なマストアセンブリと、
前記マストアセンブリを前記ベースアセンブリとロックするようになっているロックアセンブリと、
を備える、落下防止システムであって、前記ロックアセンブリが、
前記ベースアセンブリに固定結合された第1のプレートと、
前記マストアセンブリに固定結合された第2のプレートと、
前記第2のプレートに固定結合された固定部材であって、第1の溝および第2の溝を画定している、固定部材と、
前記固定部材内に少なくとも部分的に受け入れられた細長い部分と、前記細長い部分から延びている第1のタブと、を含む、ロックピンであって、前記固定部材に対して係合位置と解放位置との間で移動可能である、ロックピンと、
を含み、
前記係合位置では、前記第1のタブが、前記第1の溝内に少なくとも部分的に受け入れられて、前記ロックピンが、前記第1のプレートと係合され前記ベースアセンブリに対する前記マストアセンブリの移動を制限し、
前記解放位置では、前記第1のタブが、前記第2の溝内に少なくとも部分的に受け入れられて、前記ロックピンが、前記第1のプレートから間隔が空く、
落下防止システム。
【請求項2】
前記固定部材が、前記固定部材の長さに沿って長手方向軸を画定しており、前記ロックピンが、前記長手方向軸に沿って移動可能であり、かつ前記固定部材に対し前記長手方向軸を中心としてて回転可能である、請求項1に記載の落下防止システム。
【請求項3】
前記第1のタブが、前記長手方向軸に対して実質的に垂直に延びている、請求項2に記載の落下防止システム。
【請求項4】
前記第1の溝が、前記長手方向軸に関して前記第2の溝から間隔が空いている、請求項2に記載の落下防止システム。
【請求項5】
前記ロックピンが、前記長手方向軸に対して実質的に垂直に延びている操作部を更に含む、請求項2に記載の落下防止システム。
【請求項6】
前記固定部材が、前記第1の溝および前記第2の溝から延び、かつ前記第1の溝および前記第2の溝と連通している第3の溝を更に含み、前記ロックピンが前記解放位置から回転可能であって、前記第1のタブが前記第3の溝内に少なくとも部分的に受け入れられる、請求項1に記載の落下防止システム。
【請求項7】
前記固定部材が、実質的に中空の管状形状を有する、請求項1に記載の落下防止システム。
【請求項8】
前記第1のプレートが、複数の貫通孔を含み、前記係合位置では、前記細長い部分が、前記複数の貫通孔のうちの対応する貫通孔を通して受け入れられる、請求項1に記載の落下防止システム。
【請求項9】
前記第1のプレートが、複数のスロットを画定し、前記複数の貫通孔の各貫通孔が対応するスロットと連通する、請求項8に記載の落下防止システム。
【請求項10】
前記ロックピンが、前記第1のタブから間隔が空いている少なくとも1つの第2のタブを更に含み、前記ロックピンの前記係合位置では、前記少なくとも1つの第2のタブは、前記対応する貫通孔を通して前記ロックピンの前記細長い部分を受け入れている前記対応する貫通孔と連通している前記スロットと、位置がずれている、請求項9に記載の落下防止システム。
【請求項11】
前記第1のプレートが、複数の対の切り欠きを画定しており、前記ベースアセンブリに対する前記マストアセンブリの角運動を制限するために、一対のブラケット部材が、前記複数の対の切り欠きのうちの二対の対応する切り欠きと取り外し可能に結合される、請求項1に記載の落下防止システム。
【請求項12】
ベースアセンブリと、
マストアセンブリであって、前記マストアセンブリによって画定された第1の軸を中心として回転可能なマストアセンブリと、
前記マストアセンブリを前記ベースアセンブリとロックするようになっているロックアセンブリと、
を備える、落下防止システムであって、前記ロックアセンブリが、
前記ベースアセンブリに固定結合された第1のプレートであって、複数の貫通孔および複数のスロットを画定し、前記複数の貫通孔の各貫通孔が対応するスロットと連通する、第1のプレートと、
前記マストアセンブリに固定結合された第2のプレートと、
前記第2のプレートに固定結合された固定部材であって、第1の溝および第2の溝を画定している、固定部材と、
ロックピンであって、前記固定部材内に少なくとも部分的に受け入れられた細長い部分と、前記細長い部分から延びている第1のタブと、前記第1のタブから間隔が空いている少なくとも1つの第2のタブと、を含み、前記固定部材に対して係合位置と解放位置との間で移動可能である、ロックピンと、
を含み、
前記係合位置では、前記第1のタブが、前記第1の溝内に少なくとも部分的に受け入れられ、前記ロックピンの前記細長い部分が、前記複数の貫通孔のうちの対応する貫通孔を通して受け入れられて、前記ロックピンが前記第1のプレートと係合され、前記少なくとも1つの第2のタブは、前記対応する貫通孔を通して前記ロックピンの前記細長い部分を受け入れている前記対応する貫通孔と連通している前記スロットと、位置がずれており、
前記解放位置では、前記第1のタブが、前記第2の溝内に少なくとも部分的に受け入れられて、前記ロックピンが前記第1のプレートから間隔が空く、
落下防止システム。
【請求項13】
前記固定部材が、前記固定部材の長さに沿って長手方向軸を画定しており、前記ロックピンが、前記長手方向軸に沿って移動可能であり、かつ前記固定部材に対して前記長手方向軸を中心として回転可能である、請求項12に記載の落下防止システム。
【請求項14】
前記固定部材が、前記第1の溝および前記第2の溝から延び、かつ前記第1の溝および前記第2の溝と連通している第3の溝を更に含み、前記ロックピンが前記解放位置から回転可能であって、前記第1のタブが前記第3の溝内に少なくとも部分的に受け入れられる、請求項12に記載の落下防止システム。
【請求項15】
前記第1のプレートが、複数の対の切り欠きを画定しており、前記ベースアセンブリに対する前記マストアセンブリの角運動を制限するために、一対のブラケット部材が、前記複数の対の切り欠きのうちの二対の対応する切り欠きと取り外し可能に結合される、請求項12に記載の落下防止システム。
【請求項16】
落下防止システムのマストアセンブリをベースアセンブリとロックする方法であって、
ロックピンを解放位置から移動させて、前記ロックピンを、前記マストアセンブリに固定結合されている第2のプレートに固定結合された固定部材に対して移動可能とすることと、
前記ベースアセンブリに固定結合されている第1のプレートに画定された貫通孔を通して前記ロックピンを受け入れることと、
前記ロックピンを係合位置に回転させて、前記ロックピンの第1のタブを前記固定部材に画定された第1の溝内に少なくとも部分的に受け入れることと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記ロックピンを前記解放位置から移動させることが、前記ロックピンの前記第1のタブを、前記第1の溝および前記第2の溝から延び、かつ前記第1の溝および前記第2の溝と連通している第3の溝内に少なくとも部分的に受け入れることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ロックの少なくとも1つの第2のタブを前記第1のプレートに画定されたスロットを通して移動させることを更に含み、前記スロットが、前記貫通孔を通して前記ロックピンを受け入れている前記貫通孔と連通している、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ロックピンを前記係合位置に回転させることが、前記ロックピンの前記少なくとも1つの第2のタブを前記スロットと位置をずらすことを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ベースアセンブリに対する前記マストアセンブリの角運動を制限するために、一対のブラケット部材を、前記第1のプレートに画定された二対の対応する切り欠きと取り外し可能に結合することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、落下防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設、工業、保守、および関連産業に適用される規制に従い、作業員が高所で作業を行うときに作業員が落下するのを防ぐシステムを採用することが不可欠である。そのような規制に準拠するために、業界は、様々な対策を取り、作業現場で作業する作業員の保護を確実にしている。通常、落下防止システムは、作業員が高所で作業を行う際に作業現場で使用される。落下防止システムは、必要に応じて、フォークリフトなどの搬送装置によって、ある場所から別の場所に輸送可能である。更に、落下防止システムは、典型的には、ベースアセンブリ、マストアセンブリ、およびジブ部分を含む。作業員は、落下防止を確実にするために、1つ以上のケーブルを使用してジブ部分に係留される。落下防止システムは軽量であり、設置および輸送が容易であり、動作における改善された信頼性を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
概して、本開示は、落下防止システム、および落下防止システムのマストアセンブリをベースアセンブリとロックする方法に関する。
【0004】
本開示のいくつかの実施形態は、落下防止システムに関する。落下防止システムは、ベースアセンブリを含む。落下防止システムはまた、マストアセンブリによって画定された第1の軸を中心として回転可能なマストアセンブリを含む。落下防止システムは、マストアセンブリをベースアセンブリとロックするようになっているロックアセンブリを更に含む。ロックアセンブリは、ベースアセンブリに固定結合された第1のプレートを含む。ロックアセンブリは、マストアセンブリに固定結合された第2のプレートを含む。ロックアセンブリはまた、第2のプレートに固定結合された固定部材を含む。固定部材は、第1の溝および第2の溝を画定している。ロックアセンブリは、固定部材内に少なくとも部分的に受け入れられた細長い部分と、細長い部分から延びている第1のタブと、を含むロックピンを更に含む。ロックピンは、固定部材に対して係合位置と解放位置との間で移動可能である。係合位置では、第1のタブが、第1の溝内に少なくとも部分的に受け入れられて、ロックピンが、第1のプレートと係合され、ベースアセンブリに対するマストアセンブリの移動を制限する。更に、解放位置では、第1のタブが、第2の溝内に少なくとも部分的に受け入れられて、ロックピンが、第1のプレートから間隔が空く。
【0005】
いくつかの実施形態では、固定部材は、固定部材の長さに沿って長手方向軸を画定している。ロックピンは、その長手方向軸に沿って移動可能であり、固定部材に対して長手方向軸を中心として回転可能である。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1のタブは、長手方向軸に対して実質的に垂直に延びている。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の溝は、長手方向軸に関して第2の溝から間隔が空いている。
【0008】
いくつかの実施形態では、ロックピンは、長手方向軸に対して実質的に垂直に延びている操作部を更に含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、固定部材は、第1の溝および第2の溝から延び、かつ第1の溝および第2の溝と連通している第3の溝を更に含む。ロックピンが、解放位置から回転可能であって、第1のタブが、第3の溝内に少なくとも部分的に受け入れられる。
【0010】
いくつかの実施形態では、固定部材は、実質的に中空の管状形状を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1のプレートは、複数の貫通孔を含む。係合位置では、細長い部分は、複数の貫通孔のうちの対応する貫通孔を通して受け入れられる。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1のプレートは、複数のスロットを画定し、複数の貫通孔の各貫通孔が対応するスロットと連通する。
【0013】
いくつかの実施形態では、ロックピンは、第1のタブから間隔が空いている少なくとも1つの第2のタブを更に含む。ロックピンの係合位置では、少なくとも1つの第2のタブは、対応する貫通孔を通してロックピンの細長い部分を受け入れている対応する貫通孔と連通しているスロットと、位置がずれている。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のプレートが、複数の対の切り欠きを画定しており、ベースアセンブリに対するマストアセンブリの角運動を制限するために、一対のブラケット部材が、複数の対の切り欠きのうちの二対の対応する切り欠きと取り外し可能に結合される。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態は、落下防止システムに関する。落下防止システムは、ベースアセンブリを含む。落下防止システムはまた、マストアセンブリによって画定された第1の軸を中心として回転可能なマストアセンブリを含む。落下防止システムは、マストアセンブリをベースアセンブリとロックするようになっているロックアセンブリを更に含む。ロックアセンブリは、ベースアセンブリに固定結合された第1のプレートを含む。第1のプレートは、複数の貫通孔および複数のスロットを画定し、複数の貫通孔の各貫通孔が対応するスロットと連通する。ロックアセンブリはまた、マストアセンブリに固定結合された第2のプレートを含む。ロックアセンブリは、第2のプレートに固定結合された固定部材を更に含む。固定部材は、第1の溝および第2の溝を画定している。ロックアセンブリは、固定部材内に少なくとも部分的に受け入れられた細長い部分と、細長い部分から延びている第1のタブと、第1のタブから間隔が空いている少なくとも1つの第2のタブと、を含むロックピンを含む。ロックピンは、固定部材に対して係合位置と解放位置との間で移動可能である。係合位置では、第1のタブが、第1の溝内に少なくとも部分的に受け入れられ、ロックピンの細長い部分が、複数の貫通孔のうちの対応する貫通孔を通して受け入れられて、ロックピンが第1のプレートと係合され、少なくとも1つの第2のタブは、対応する貫通孔を通してロックピンの細長い部分を受け入れている対応する貫通孔と連通しているスロットと、位置がずれている。更に、解放位置では、第1のタブが、第2の溝内に少なくとも部分的に受け入れられて、ロックピンが、第1のプレートから間隔が空く。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態は、落下防止システムのマストアセンブリをベースアセンブリとロックする方法に関する。この方法は、ロックピンを解放位置から移動させて、ロックピンを、第2のプレートに固定結合された固定部材に対して移動可能とすることを含む。第2のプレートは、マストアセンブリに固定結合されている。この方法はまた、第1のプレートに画定された貫通孔を通してロックピンを受け入れることを含む。第1のプレートは、ベースアセンブリに固定結合されている。この方法は、ロックピンを係合位置に回転させて、ロックピンの第1のタブを固定部材に画定された第1の溝内に少なくとも部分的に受け入れることを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下の図と共に以下の「発明を実施するための形態」を検討することで、本明細書に開示する例示的実施形態は、より完全に理解することができる。図は、必ずしも原寸に比例して描かれているとは限らない。図面で使用されている同様の数字は同様の構成要素を示す。複数の同様の要素が存在する場合、特定の要素を指す小文字の指定によって、単一の参照番号が複数の同様の要素ごとに割り当てられ得る。要素をまとめて参照する場合、又は非特定の1つ以上の要素を参照する場合は、小文字の指定を省略できる。しかしながら、所与の図内で構成要素を示すための番号の使用は、同じ番号で示されている別の図内の構成要素を限定することを意図していないことが理解されよう。
図1】本開示の一実施形態による輸送のための搬送装置によって受け入れられた落下防止システムの側面図である。
図2図1に示す落下防止システムの斜視図である。
図3図1に示す落下防止システムに関連付けられた主要機構を示す斜視図である。
図4図1に示す落下防止システムと関連付けられたロックアセンブリを示す斜視図であって、ロックアセンブリのロックピンが解放位置で示された図である。
図5】溝内に位置付けられた図4のロックピンを示す斜視図である。
図6】係合位置にある図4のロックピンを示す斜視図である。
図7】チップアップ取り付けプロセス中の図1に示す落下防止システムを示す。
図8】落下防止システムのマストアセンブリをベースアセンブリとロックする方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明では、説明の一部を構成し、様々な実施形態が実例として示される、添付の図面が参照される。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想定され、実施され得ることを理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されない。
【0019】
本開示は、ベースアセンブリと、高さ調節可能なマストアセンブリと、マストアセンブリの一部に接続されたジブと、釣合い重りと、を有する落下防止システムに関する。高さ調節可能なマストアセンブリは、固定マストセクションと、固定マストセクションに対して移動されることができる可動マストセクションと、を含む。要件に応じて、可動マストセクションを固定マストセクションとロックすることができる。更に、マストアセンブリをベースアセンブリとロックすることができる。落下防止システムを使用して、任意の作業現場または業界で作業する作業員の落下を停止または防止することができる。
【0020】
本明細書で使用される「整列された」という用語は、第1の構成要素と第2の構成要素との間の角度的整列を指す。第1の構成要素が突起またはタブであり、第2の構成要素が、相補的な開口部、溝、またはスロットを画定している場合、第1の構成要素は、第1および第2の構成要素が互いに整列されたときに、第2の構成要素内に少なくとも部分的に受け入れられることができる。第1および第2の構成要素が互いにずれている場合、第1の構成要素は、第2の構成要素内に受け入られることができない。場合によっては、第1および第2の構成要素は、それらが整列されたときに、軸方向に互いに間隔が空いていてもよい。
【0021】
図1は、例示的な落下防止システム100を示す。落下防止システム100は、建設、工業、保守などの産業において使用され得る。落下防止システム100は、用途の要件に応じて、ある場所から別の場所に輸送可能である。この目的のために、落下防止システム100は、搬送装置102によって受け入れ可能である。搬送装置102としては、フォークリフト、ハンドトラック、またはある場所から別の場所への落下防止システム100の輸送を容易にするために使用され得る任意の他の搬送装置を挙げることができる。
【0022】
落下防止システム100は、第1の側106と、第1の側106の反対側に画定された第2の側108と、を画定しているベースプレート104を含む。更に、第1の表面110(図2に示される)が、第1の側106において画定され、第2の表面112が、第2の側108において画定されている。ベースプレート104は、略矩形の形状である。あるいは、ベースプレート104は、正方形の形状であってもよい。更に、落下防止システム100のベースプレート104は、搬送装置102によって受け入れ可能である。一例では、ベースプレート104は、搬送装置102のアーム114を受け入れるための1つ以上のポート(図示せず)を含み得る。
【0023】
図2に示されるように、ベースアセンブリ116が、ベースプレート104に接続されている。ベースアセンブリ116が、ベースプレート10に枢動可能に接続されて、落下防止システム100のベースアセンブリ、マストアセンブリ128、およびジブ152を、必要に応じて、ベースプレート104に対して枢動させることができることに留意されたい。したがって、ベースアセンブリ116は、枢動点118(図3に示される)を中心として枢動可能である。更に、ベースアセンブリ116は、いくつかの機械的締結具120(図3に示される)を使用して、ベースプレート104の第1の側106に近接して結合されている。より具体的には、ベースアセンブリ116のプレート122(図3に示される)が、ベースプレート104に取り外し可能に結合されている。機械的締結具120としては、ボルト、ねじなどを挙げることができる。機械的締結具120は、チップアップ取り付け中または輸送中にベースアセンブリ116の枢動を容易にするために、取り外されてもよい。更に、釣合い重り126が、ベースプレート104に接続されている。
【0024】
落下防止システム100は、ベースプレート104の第1の側106に近接して配置された、ベースプレート104に接続されたマストアセンブリ128を含む。より具体的には、マストアセンブリ128は、ベースアセンブリ116によってベースプレート104に接続されている。マストアセンブリ128は、マストアセンブリ128によって画定されている第1の軸線「A1」を中心として回転可能である。マストアセンブリ128は、固定マストセクション130および可動マストセクション132を含む。可動マストセクション132は、マストアセンブリ128の高さ「H1」を調節するために、固定マストセクション130に対して移動するようになっている。よって、用途の要件に応じて、可動マストセクション132を固定マストセクション130に対して移動させて、マストアセンブリ128の高さ「H1」を様々に変更することができる。可動マストセクション132は、第1の方向「D1」に沿って移動して、マストアセンブリ128の高さ「H1」を増加させ、第1の方向「D1」と反対の方向に移動して、マストアセンブリ128高さ「H1」を減少させることができる。言い換えれば、可動マストセクション132は、ベースプレート104に対して伸縮可能である。更に、落下防止システム100の収納位置では、可動マストセクション132は、完全に格納された位置にあってもよい。落下防止システム100が使用中の場合、可動マストセクション132は、可動マストセクション132と固定マストセクション130との間の相対移動に基づいて、ベースプレート104に対して延びてもよい。固定マストセクション130および可動マストセクション132としては、中空の正方形の管を挙げることができるが、限定されない。
【0025】
図3を参照すると、主要機構134が、落下防止システム100に関連付けられている。一例では、主要機構134は、ウインチアセンブリとして具体化されている。主要機構134は、以下、同じ意味でウインチアセンブリ134と呼ばれてもよい。ウインチアセンブリ134は、可動マストセクション132に動作可能に接続されている。より具体的には、ウインチアセンブリ134は、可動マストセクション132に動作可能に接続され、可動マストセクション132を固定マストセクション130に対して移動させる。更に、ウインチアセンブリ134は、ブラケット142を介して固定マストセクション130に接続されている。可動マストセクション132は、ウインチアセンブリ134の動作に基づいて移動可能である。ウインチアセンブリ134は、ケーブル136を含む。ウインチアセンブリ134は、固定マストセクション130に対して可動マストセクション132を移動すること、および固定マストセクション130に対して可動マストセクション132をロックすることのうちの少なくとも1つを行うようになっている。ウインチアセンブリ134は、マストアセンブリ130の高さ「H1」を上昇させるために、可動マストセクション132に第1の張力「T1」を選択的に加えて、可動マストセクション132を固定マストセクション130に対して移動させる。更に、ウインチアセンブリ134は、可動マストセクション132が固定マストセクション130とロックされると、可動マストセクション132に第2の張力「T2」を選択的に加えて、固定マストセクション130と可動マストセクション132との間の相対移動を防止する。第2の張力「T2」は、以下、同じ意味で張力「T2」と呼ばれることがある。
【0026】
更に、ウインチアセンブリ134は、ケーブル136を含み、ケーブル136が、ウインチアセンブリ134による張力「T2」を選択的に加える。より具体的には、ケーブル136は、可動マストセクション132に張力「T2」を選択的に加え、固定マストセクション130と可動マストセクション132との間の相対移動を防止するようになっている。更に、ケーブル136は、固定マストセクション130と可動マストセクション132との間の相対移動を選択的に可能にするようになっている。より具体的には、ケーブル136は、第1の張力「T1」を選択的に加えて、可動マストセクション132を固定マストセクション130に対して移動させる。ウインチアセンブリ134は、ブラケット138によって固定マストセクション130と結合された第1のプーリ(図示せず)と、第2のプーリ140と、ウインチドラム150と、を含む。ケーブル136が、第1のプーリおよび第2のプーリ140を通って経路設定されて、ケーブル136の一端が、固定マストセクション130の上端146で終端する。ウインチアセンブリ134は、手動で動作させてもよく、または電動ドリル(図示せず)を使用して動作させてもよい。
【0027】
更に、ウインチアセンブリ134は、ハンドル148を含む。ウインチアセンブリ134を手動で動作させる場合、作業員がハンドル148を回転させ、それが次いで、一連のギア(図示せず)を介してウインチドラム150を回転させる。ウインチドラム150の回転により、ケーブル136は、ウインチドラム150の周りに格納されるか、または巻き取られる。ウインチドラム150の周りへのケーブル136の格納により、可動マストセクション132が第1の方向「D1」(図2に示される)に沿って移動することによって、マストアセンブリ128の高さ「H1」が上昇する。更に、ウインチアセンブリ134は、可動マストセクション132に張力「T2」を加えて、可動マストセクション132を静止位置に保持する。より具体的には、ウインチアセンブリ134は、固定マストセクション130と可動マストセクション132との間の相対移動を排除するために、可動マストセクション132を固定マストセクション130とロックする。一例では、ウインチアセンブリ134は、ウインチドラム150の周りへのケーブル136の更なる巻き取りを制限し、それによって可動マストセクション132と固定マストセクション130との間の相対移動を制限するブレーキ機構(図示せず)を含み得る。可動マストセクション132は、ウインチアセンブリ134によって加えられる第2の張力「T2」に基づいて静止位置に保持されることに留意されたい。更に、ケーブル136の巻き出しにより、可動マストセクション132が第1の方向「D1」と反対の方向に移動することによって、マストアセンブリ128の高さ「H1」が減少する。
【0028】
ウインチアセンブリ134を電動ドリルによって動作させる場合、ハンドル148がクラッチアダプタと交換される。クラッチアダプタは、ウインチアセンブリ134の動力付き駆動ハブに結合される。次いで、電動ドリルが、クラッチアダプタの入力シャフトに取り付けられる。電動ドリルが作動されると、入力シャフトが回転し、これにより一連のギアを介してウインチドラム150が回転し、ケーブル136がウインチドラム150の周りに格納されることによって、マストアセンブリ128の高さ「H1」が上昇する。
【0029】
図2に示されるように、落下防止システム100はまた、マストアセンブリ128に対して傾斜し、マストアセンブリ128に枢動可能に接続されたジブ152を含む。より具体的には、ジブ152は、可動マストセクション132に枢動可能に接続されている。図示の実施形態では、ジブ152は、可動マストセクション132に対して実質的に垂直である。ジブ152は、第1の端部158および第2の端部159を画定している。第1のブラケット部材154が、可動マストセクション132の上部156に固定接続されている。ジブ152の第1の端部158は、ジブ152が枢動点160において枢動可能に接続されるように、第1のブラケット部材154に接続される。第1のブラケット部材154は、ベアリングと、可動マストセクション132に対するジブ152の枢動を容易にするシャフトと、を含んでもよい。いくつかの例では、ジブ152としては、1つ以上の伸縮アームを挙げることができるが、限定されない。更に、落下防止システム100が組み立てられるときに、ジブ152は、バー162によってマストアセンブリ128に対して垂直に保持される。バー162の第1の端部164は、第2のブラケット部材166によって可動マストセクション132に枢動可能に接続されている。バー162の第2の端部168は、第3のブラケット部材170によってジブ152に接続されている。
【0030】
一例では、ジブ152は、アンカーポイント172を含む。図2に示されるように、アンカーポイント172は、ジブ152の第2の端部159に接続されている。アンカーポイント172は、固定デバイス、例えば、ケーブル、ハーネス、または他のそのようなデバイスなどの一端を落下防止システム100に固定することができるポイントを提供する。固定デバイスの他端は、作業員に固定され、作業員に落下防止をもたらす。他の例では、アンカーポイント172の位置は、必要に応じて様々に異なっていてもよい。例えば、ジブ152は、ジブ152の下側に固定されたトラック(図示せず)を含んでもよい。アンカーポイント172の位置を様々に変更するために、トラックにトロリー(図示せず)が摺動可能または回転可能に接続されて、トロリーにアンカーポイント172が接続されてもよい。
【0031】
図4に示すように、落下防止システム100は、マストアセンブリ128をベースアセンブリ116とロックするようになっているロックアセンブリ402を含む。より具体的には、ロックアセンブリ402は、マストアセンブリ128をベースアセンブリ116とロックして、ベースアセンブリ116に対するマストアセンブリ128の角運動、ならびに第1の軸「A1」に沿ったマストアセンブリ128に対するマストアセンブリ128の長手方向の移動を制限する。ロックアセンブリ402は、第1のプレート404、第2のプレート406、固定部材408、および係合位置と解放位置との間で移動可能なロックピン410を含む。ここで、ロックアセンブリ402の様々な構成要素を詳細に説明する。
【0032】
ロックアセンブリ402は、ベースアセンブリ116に固定結合された第1のプレート404を含む。第1のプレート404は、実質的に円形の形状である。第1のプレート404は、複数の貫通孔412を画定している。更に、第1のプレート404は、複数のスロット414を画定し、複数の貫通孔412の各貫通孔412が対応するスロット414と連通する。より具体的には、各貫通孔142は、2つのスロット414と連通している。貫通孔412は、第1のプレート404において等距離に画定され、円形の貫通孔として具体化されている。あるいは、貫通孔412は、正方形の形状であってもよい。
【0033】
更に、第1のプレート404は、複数の対の切り欠き416を画定しており、ベースアセンブリ116に対するマストアセンブリ128の角運動を制限するために、一対のブラケット部材418、420が、複数の対の切り欠き416のうちの二対の対応する切り欠き416と取り外し可能に結合される。対の切り欠き416は、以下、同じ意味で第1の対の切り欠き416と呼ばれてもよい。第1の対の切り欠き416は、正方形の形状である。あるいは、第1の対の切り欠き416は、矩形の形状であってもよい。第1の対の切り欠き416の総数は、第1の貫通孔412の総数に対応している。
【0034】
更に、ロックアセンブリ402は、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420を含む。第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、別個の、角度的に間隔が空いている二対の第1の切り欠き416と結合されて、マストアセンブリ128の角運動を制限する。二対の第1の切り欠き416間の角度間隔は、マストアセンブリ128の回転角範囲に対応し得る。第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、用途の要件に基づいて、任意の二対の第1の切り欠き416に結合され得ることに留意されたい。図示されるように、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、二対の第1の切り欠き416と接続されて、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420をそれぞれ受け入れる二対の第1の切り欠き416の間に5つの貫通孔412が画定される。あるいは、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420を受け入れる二対の第1の切り欠き416間に画定される貫通孔412の数は、必要に応じて様々に異なっていてもよい。
【0035】
一例では、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、対応する第1の対の切り欠き416に機械的係合によって取り外し可能に結合され得る。より具体的には、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420を結合するために、対応する第1の対の切り欠き416と整列され、対応する第1の対の切り欠き416内に受け入れられる一対の突起を画定し得る。しかしながら、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、ボルト、ねじなどの機械的締結具を使用して第1のプレート402と結合されることが企図されてもよい。場合によっては、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、ロックピン410が解放位置にあり、マストアセンブリ128がベースアセンブリ116に対して移動可能であるときに、任意の二対の第1の切り欠き416に結合され得る。そして、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、マストアセンブリ128の角運動を制限し得る。
【0036】
ロックアセンブリ402はまた、マストアセンブリ128に固定結合された第2のプレート406を含む。第2のプレート406は、ボルト、ねじなどの機械的締結具424によってマストアセンブリ128に接続されている。第2のプレート406は、第1の部分426と、第1の部分426に一体化されている第2の部分428と、を含む。第1の部分426は、実質的に円形の形状である。更に、第2の部分428は、実質的に矩形の形状である。第2の部分428は、二対の第2の切り欠き430および貫通開口部432を画定している。二対の第2の切り欠き430は、貫通開口部432の両側に設けられている。第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、それぞれの第2の対の切り欠き430と取り外し可能に結合される。いくつかの例では、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、マストアセンブリ128がベースアセンブリ116とロックされる場合に、すなわちロックピン410が係合位置にある場合に、対応する第2の対の切り欠き430に結合されてもよい。第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420は、第2の対の切り欠き430に機械的係合によって取り外し可能に結合されてもよい。より具体的には、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420の突起が、対応する第2の対の切り欠き430と整列され、第2の対の切り欠き430内に受け入れられ、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420を第2のプレート406と結合してもよい。
【0037】
ロックアセンブリ402は、第2のプレート406に固定結合されている固定部材408を含む。固定部材408は、第1の溝434及び第2の溝436を画定している。第1の溝434は、長手方向軸「A2」に関して第2の溝436から間隔が空いている。固定部材408は、固定部材408の長さ「L1」に沿って長手方向軸「A2」を画定している。更に、ロックピン410が、長手方向軸「A2」に沿って移動可能であり、固定部材408に対して長手方向軸「A2」を中心として回転可能である。固定部材408は、第1の溝434および第2の溝436から延び、かつ第1の溝434および第2の溝436と連通している第3の溝440を更に含む。図示の実施形態では、第1の溝434、第2の溝436、および第3の溝440は、固定部材408に連続的な貫通開口部を形成している。第1の溝434および第2の溝436はそれぞれ、第3の溝440に対して実質的にL字形の構成で配置されている。更に、第3の溝440は、実質的に長手方向軸「A2」に沿って延びている。ロックピン410は、解放位置から回転可能であって、第1のタブ442が第3の溝440内に少なくとも部分的に受け入れられる。図示されるように、第1の溝434、第3の溝440、および第2の溝436は、実質的にC字形の経路を画定しており、ロックピン410を係合位置と解放位置との間で切り替える必要があるときに、第1のタブ442がこの経路に沿って移動し得る。
【0038】
固定部材408は、実質的に中空の管状形状を有する。固定部材408は、円形断面を含む。あるいは、固定部材408は、正方形の断面を含んでもよい。固定部材408は、第2のプレート406から間隔が空いている自由端409を含んでもよい。代替例では、第2の溝436は、自由端409に配置される。更に、そのような例では、第3の溝440は、自由端409から延びていてもよく、第1の溝434とのみ連通していてもよい。
【0039】
ロックアセンブリ402は、固定部材408内に少なくとも部分的に受け入れられた細長い部分438と、細長い部分438から延びている第1のタブ442と、を含むロックピン410を含む。ロックピン410は、固定部材408に対して係合位置と解放位置との間で移動可能である。より具体的には、第1のプレート404は、複数の貫通孔412を含み、係合位置では、細長い部分438が、複数の貫通孔412のうちの対応する貫通孔412を通して受け入れられる。対応する貫通孔412は、ロックピン410の細長い部分438と角度的に整列されている貫通孔412である。ロックピン410は、図4および図5では、解放位置で示されている。一方で、ロックピン410は、図6では、係合位置で示されている。
【0040】
図4に示すように、細長い部分438は、固定部材408の断面に基づいて円形の断面を有している。したがって、固定部材408が正方形の断面を含む場合には、細長い部分438は、正方形の断面を含み得る。そのような例では、貫通孔412は、正方形の貫通孔を含み得、正方形の貫通孔を通して細長い部分438を受け入れる。更に、細長い部分438は、第2の部分428の貫通開口部432と整列され、第2の部分428の貫通開口部432の中に受け入れられる。貫通開口部432の直径、固定部材408によって画定されている直径、および貫通孔412の直径は、細長い部分438の直径に基づいており、細長い部分438が、貫通開口部432、固定部材408、および貫通孔412それぞれによって受け入れられることができる。更に、細長い部分438の長さ「L1」は、固定部材408の長さ「L2」よりも大きい。
【0041】
更に、第1のタブ442は、長手方向軸「A2」に対して実質的に垂直に延びている。係合位置では、第1のタブ442が、第1の溝434内に少なくとも部分的に受け入れられて、ロックピン410が第1のプレート404と係合され、ベースアセンブリ116に対するマストアセンブリ128の移動を制限する。より具体的には、係合位置では、第1のタブ442が第1の溝434内に少なくとも部分的に受け入れられ、ロックピン410の細長い部分438が複数の貫通孔412のうちの対応する貫通孔412を通して受け入れられて、ロックピン410が第1のプレート404と係合され、少なくとも1つの第2のタブ444は、対応する貫通孔412を通してロックピン410の細長い部分438を受け入れている対応する貫通孔412と連通しているスロット414と、位置がずれている。解放位置では、第1のタブ442が、第2の溝内436に少なくとも部分的に受け入れられて、ロックピン410が第1のプレート404から間隔が空く。第1の溝434、第2の溝436、および第3の溝440の寸法は、第1のタブ442をそれらの内に受け入れることができるように決定されることに留意されたい。
【0042】
ロックピン410は、第1のタブ442から間隔が空いている少なくとも1つの第2のタブ444を更に含む。更に、ロックピン410の係合位置では、少なくとも1つの第2のタブ444は、対応する貫通孔412を通してロックピン410の細長い部分438を受け入れている対応する貫通孔412と連通しているスロット414と、位置がずれている。図示の実施形態では、ロックピン410は、一対の第2のタブ444(1つのみが示されている)を含む。一対の第2のタブ444は、直径方向において互いに反対側に配置され、細長い部分438の下端から延びている。スロット414の寸法は、第2のタブ444の寸法に基づいているため、第2のタブ444は、スロット414によって受け入れられることができる。第1のタブ442が第3の溝440内に受け入れられると、一対の第2のタブ444が、対応するスロット414の対と整列する。更に、操作部446が回転されると、第1のタブ442は、第1の溝434内に受け入れられ、一対の第2のタブ444は、対応するスロット414と位置がずれる。更に、第1のタブ442が第2の溝436内に受け入れられると、一対の第2のタブ444は、対応するスロット414と位置がずれる。
【0043】
ロックピン410は、長手方向軸「A2」に対して実質的に垂直に延びている操作部446を更に含む。操作部446は、操作部446および細長い部分438が実質的にT字形の構造を画定するように設けられる。ロックピン410を係合位置と解放位置との間で移動させる必要がある場合、操作部446は、作業員に把持面を提供する。ロックピン410は、ロックピン410の係合位置において固定部材408と係合する停止部448を更に含む。停止部448は、操作部446と細長い部分438との間に配置される。停止部448は、六角形の形状である。しかしながら、停止部448の形状は、限定されず、様々に異なっていてよい。停止部448は、固定部材408の自由端409と係合して、長手方向軸「A2」に沿った細長い部分438の更なる下向きの移動を制限することができる。
【0044】
図5に示すように、マストアセンブリ128をベースアセンブリ116とロックする必要がある場合、ロックピン410を係合位置に移動させる必要がある。ロックピン410を係合位置に移動させるために、操作部446が回転され、第1のタブ442が第3の溝440内に受け入れられる。更に、第1のタブ442が第3の溝440内に受け入れられると、第2のタブ444は、対応するスロット414と整列し、細長い部分438が対応する貫通孔412内に受け入れられる。
【0045】
ここで図6を参照すると、マストアセンブリ128をベースアセンブリ116とロックするために、操作部446が操作されロックピン410を回転させ、第1のタブ442が、第1の溝434内に受け入れられる。第1のタブ442が第1の溝434内に受け入れられると、第2のタブ444は、対応するスロット414と位置がずれ、それによってロックピン410を第1のプレート404と係合する。ロックピン410が第1のプレート404と係合すると、長手方向軸「A2」に沿ったロックピン410のあらゆる移動の可能性が排除され得る。第1のタブ442および第2のタブ444は、ベースアセンブリ116に対するマストアセンブリ128の望ましくない移動の可能性を排除し得る二重ロック特徴を提供することに留意されたい。更に、ロックピン410が固定部材408で捕捉されるので、ロックピン410の誤配置の可能性が排除される。
【0046】
マストアセンブリ128の向きを調節する必要がある場合、ロックピン410は、解放位置に移動される。第1の工程として、ロックピン410が回転され、第1のタブ442が第3の溝440内に受け入れられる。第1のタブ442が第3の溝440内に受け入れられると、第2のタブ444は、スロット444と整列する。更に、操作部446が操作され細長い部分438が貫通孔142から抜けて、第1のタブ442が、第2の溝436内に受け入れられる。第1のタブ442が第2の溝436内に受け入れられると、細長い部分438は、第1のプレート404から解放される。よって、マストアセンブリ128は、所望に応じて方向付けすることができる。
【0047】
図7に示すように、ベースアセンブリ116およびジブ152を伴うマストアセンブリ128が、ベースプレート104に対して枢動状態で示されている。図示されるように、ロックアセンブリ402は、マストアセンブリ128をベースアセンブリ116に対してロックすることを可能にし、それにより、ベースアセンブリ116およびマストアセンブリ128は、必要に応じて、チップアップ取り付け中または輸送/保管中に枢動することができる。したがって、マストアセンブリ128をベースアセンブリ116と締結することにより、マストアセンブリ128がチップアップ取り付け中にベースアセンブリ116から外れるのを防止することができる。チップアップ取り付け中にマストアセンブリ128をベースアセンブリ116に固定するロックアセンブリ402の能力は、天井、クレーン、支持構造体などの頭上制限によって許容される最大高さまでマストアセンブリ128を上げ起こすことによって、顧客がマストアセンブリ128の高さ「H1」(図2を参照)を最大化することを可能にし得る。更に、ロックアセンブリ402は、落下防止システム100が輸送されている間にマストアセンブリ128を所定位置にロックし、それによって損害または損傷を防止することを可能にし得る。ロックアセンブリ402はまた、マストアセンブリ128が静止して保持されることを確実にすることによって、落下防止システム100の動作信頼性を改善することができる。
【0048】
更に、ロックアセンブリ402は、ベースアセンブリ116に対する、第1の軸「A1」を中心としたマストアセンブリ128の回転を防止するために、回転ロック機能を提供し得る。更に、ロックアセンブリ402は、所望の作業角度範囲を超えるマストアセンブリ128の角運動を防止することができる回転角度制限機能を提供し得る。更に、作業角度範囲は、用途の要件に応じて、第1のブラケット部材418および第2のブラケット部材420の結合位置を変更することに基づいて容易に変更することができる。マストアセンブリ128の角運動を制限する機能は、落下防止システム100が完全に回転することが可能な場合、落下防止システム100に干渉し得る任意の既存の構造体への損傷を排除することができることに留意されたい。
【0049】
図8は、落下防止システム100のマストアセンブリ128をベースアセンブリ116とロックする方法800のフローチャートを示す。工程802では、ロックピン410が解放位置から移動されて、ロックピン410を、第2のプレート406に固定結合された固定部材408に対して移動可能とする。第2のプレート406は、マストアセンブリ128に固定結合されている。更に、ロックピン410を解放位置から移動させることは、ロックピン410の第1のタブ442を、第1の溝434および第2の溝436から延び、かつ第1の溝434および第2の溝436と連通している第3の溝440内に少なくとも部分的に受け入れることを更に含む。工程804では、ロックピン410を、第1のプレート404に画定された貫通孔412を通して受け入れ、この第1のプレート404はベースアセンブリ116に固定結合されている。
【0050】
工程806では、ロックピン410を係合位置に回転させ、ロックピン410の第1のタブ442を、固定部材408に画定された第1の溝434内に少なくとも部分的に受け入れる。更に、ロックピンの少なくとも1つの第2のタブ444を、第1のプレート404に画定されたスロット414を通して移動させ、このスロット414は、貫通孔412を通してロックピン410を受け入れている貫通孔412と連通している。更に、ロックピン410を係合位置に回転させることは、ロックピン410の少なくとも1つの第2のタブ444をスロット414と位置をずらすことを更に含む。更に、一対のブラケット部材418、420は、ベースアセンブリ116に対するマストアセンブリ128の角運動を制限するために、第1のプレート404に画定された二対の対応する切り欠き416と取り外し可能に結合される。
【0051】
特定の実施形態が本明細書において図示および説明されているが、図示および記載されている特定の実施形態は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な代替的実施態様および/または等価の実施態様によって置き換えられ得ることが、当業者には理解されよう。本出願は、本明細書に論じられた特定の実施形態のいずれの適応例または変形例も包含することが意図されている。したがって、本開示は、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】