(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】水素発生のための電気化学デバイス、モジュール、およびシステムならびにその動作方法
(51)【国際特許分類】
C25B 15/08 20060101AFI20230117BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20230117BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20230117BHJP
C25B 9/77 20210101ALI20230117BHJP
C25B 9/23 20210101ALI20230117BHJP
C25B 13/02 20060101ALI20230117BHJP
C01B 3/56 20060101ALI20230117BHJP
C01B 3/02 20060101ALI20230117BHJP
C25B 15/023 20210101ALI20230117BHJP
【FI】
C25B15/08 302
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B9/77
C25B9/23
C25B13/02 302
C01B3/56 Z
C01B3/02 H
C25B15/023
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530195
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 US2020061771
(87)【国際公開番号】W WO2021102401
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522203075
【氏名又は名称】オーミアム インターナショナル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バランタイン, アルネ
(72)【発明者】
【氏名】ライト, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】バーピー, カーステン
(72)【発明者】
【氏名】カルッパイア, チョカリンガム
(72)【発明者】
【氏名】エッサー, アルバート
【テーマコード(参考)】
4G140
4K021
【Fターム(参考)】
4G140FA02
4G140FB02
4G140FC02
4G140FC03
4G140FD01
4G140FD02
4G140FE01
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC01
4K021CA08
4K021DB15
4K021DB31
4K021DB43
4K021DB53
4K021DC01
4K021DC03
4K021EA06
(57)【要約】
水素発生のためのシステムは、第1の容積と、第2の容積と、第3の容積とを画定する、少なくとも1つのキャビネットであって、第1の容積、第2の容積、および第3の容積は、相互から流体的に隔離される、少なくとも1つのキャビネットと、第1の容積内に位置する、水回路と、第2の容積内に位置する、電解槽電気化学スタックを含む、電気化学モジュールと、第3の容積内に位置する、水素回路と、水回路および電解槽電気化学スタックに流動的に接続する、少なくとも1つの第1の流体コネクタと、電解槽電気化学スタックおよび水素回路に流動的に接続する、少なくとも1つの第2の流体コネクタとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素発生のためのシステムであって、
第1の容積と、第2の容積と、第3の容積とを画定する少なくとも1つのキャビネットであって、前記第1の容積、前記第2の容積、および前記第3の容積は、相互から流体的に隔離される、少なくとも1つのキャビネットと、
前記第1の容積内に位置する水回路と、
前記第2の容積内に位置する電解槽電気化学スタックを備える電気化学モジュールと、
前記第3の容積内に位置する水素回路と、
前記水回路および前記電解槽電気化学スタックに流動的に接続する少なくとも1つの第1の流体コネクタと、
前記電解槽電気化学スタックおよび前記水素回路に流動的に接続する少なくとも1つの第2の流体コネクタと
を備える、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのキャビネットは、単一キャビネットを備え、前記単一キャビネットの中で、前記第1の容積は、第1の内壁によって前記第2の容積から隔離され、前記第2の容積は、第2の内壁によって前記第3の容積から隔離され、
前記少なくとも1つの第1の流体コネクタは、前記第1の内壁を通して延在し、
前記少なくとも1つの第2の流体コネクタは、前記第2の内壁を通して延在する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1のエアームーバであって、前記第1のエアームーバは、前記第1の容積に流動的に接続されるが、前記第2または前記第3の容積には接続されず、前記第2または前記第3の容積を換気せずに、前記第1の容積を換気するように構成される、第1のエアームーバと、
第2のエアームーバであって、前記第2のエアームーバは、前記第2の容積に流動的に接続されるが、前記第1または前記第3の容積には接続されず、前記第1または前記第3の容積を換気せずに、前記第2の容積を換気するように構成される、第2のエアームーバと、
第3のエアームーバであって、前記第3のエアームーバは、前記第3の容積に流動的に接続されるが、前記第1または前記第2の容積に接続されず、前記第1または前記第2の容積を換気せずに、前記第3の容積を換気するように構成される、第3のエアームーバと
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1、第2、および第3のガスムーバは、前記単一キャビネットの外側の環境に対して、前記第1の容積、前記第2の容積、および前記第3の容積の各々内に個別の負圧を形成するように動作可能である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記電解槽電気化学スタックは、少なくとも1つのバイポーラプレートと、複数の膜電極アセンブリ(MEA)とを備え、
前記複数のMEAおよび前記少なくとも1つのバイポーラプレートは、前記少なくとも1つのバイポーラプレートによって相互から分離される少なくとも1つのアノードチャネルと、少なくとも1つのカソードチャネルとを画定し、
前記少なくとも1つのアノードチャネルは、前記少なくとも1つの第1の流体コネクタを介して、前記水回路と流体連通し、
前記少なくとも1つのカソードチャネルは、前記第2の流体コネクタを介して、前記水素回路と流体連通し、
前記MEAは、アノードと、カソードと、それらの間の陽子交換膜とを含み、
前記第2の容積は、前記第1の容積と前記第3の容積との間に位置する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記水回路は、ポンプと、リザーバと、セパレータとを含み、
前記少なくとも1つの第1の流体コネクタは、2つの流体コネクタを備え、
前記リザーバは、前記セパレータと前記ポンプとの間で流体連通し、
前記ポンプは、前記2つの第1の流体コネクタのうちの1つを介して、前記電気化学スタックのアノードチャネルと流体連通し、
前記セパレータは、前記2つの第1の流体コネクタのうちの第2のものを介して、前記電気化学スタックの少なくとも1つのアノードチャネルと流体連通する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記水素回路は、
ドライヤであって、前記ドライヤは、前記第2の流体コネクタを介して、前記電解槽電気化学スタックの少なくとも1つのカソードチャネルと流体連通する入口部分を有する、ドライヤと、
前記ドライヤの出口部分および入口部分と流体連通する水素ポンプであって、前記水素ポンプは、加圧された水素を前記ドライヤの出口部分から前記ドライヤの入口部分に再循環させるように動作可能である、水素ポンプと
を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
コントローラであって、前記コントローラは、前記電気化学スタックと電気連通し、前記第1の容積、前記第2の容積、および前記第3の容積の各々から流体的に隔離される前記キャビネットの第4の容積内に位置する、コントローラと、
前記少なくとも1つのキャビネットの外面上に配置される電気接点であって、
前記電気接点は、電源と電気連通しながら解放可能に係合可能であり、
前記電気接点は、前記コントローラを介して、前記電気化学スタックと電気連通する、
電気接点と
をさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記第4の容積と流体連通するファンをさらに備え、前記ファンは、前記キャビネットの外側の環境に対して前記第4の容積内に正圧を形成するように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
複数のガスセンサをさらに備え、
前記複数のガスセンサの各々は、水素含有ガスを測定するように構成され、
各ガスセンサは、前記第1の容積、前記第2の容積、および前記第3の容積の個別のもの内に配置され、
各ガスセンサは、前記コントローラと電気連通し、
前記コントローラは、前記複数のガスセンサのうちの1つまたはそれを上回るものから受信される信号に基づいて、前記電源と前記キャビネット内の機器との間の電気連通を中断するように構成される、
請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
水素処理のための電気化学モジュールであって、
複数の水コネクタおよび少なくとも1つの水マニホールドを含む液体管理区分と、
ガス管理区分であって、前記ガス管理区分は、前記液体管理区分の上方に位置し、前記液体管理区分と流体接続する、電解槽電気化学スタックおよび水素コネクタを含み、
前記電解槽電気化学スタックは、少なくとも1つのバイポーラプレートと、複数の膜電極アセンブリ(MEA)とを含み、
前記少なくとも1つのバイポーラプレートは、前記複数のMEAのうちの1つとシール係合され、それらの間にアノードチャネルを画定し、
前記少なくとも1つのバイポーラプレートは、前記複数のMEAのうちの別の1つとシール係合され、それらの間にカソードチャネルを画定し、
前記複数の水コネクタの各々は、前記少なくとも1つのマニホールドを介して、前記アノードチャネルと流体連通し、
前記水素コネクタは、前記カソードチャネルと流体連通する、
ガス管理区分と
を備える、電気化学モジュール。
【請求項12】
前記液体管理区分の前記複数の水コネクタおよび前記少なくとも1つのマニホールドの各々は、前記ガス管理区分の前記電気化学スタックのアノードチャネルと流体連通しながら解放可能に固着可能であり、
前記液体管理区分および前記ガス管理区分は、前記マニホールドと前記電気化学スタックとの間の界面に沿って、相互から取外可能である、
請求項11に記載の電気化学モジュール。
【請求項13】
電解槽電気化学スタックのためのバイポーラプレートであって、
相互に反対のアノード側およびカソード側を有する基板であって、前記基板は、各々が前記基板の前記アノード側から前記カソード側まで延在する複数のアノードポートおよび複数のカソードポートを画定し、前記アノード側は、前記複数のアノードポートのうちの少なくともいくつかの間で水を指向するように配向されるアノード流動場を画定し、前記カソード側は、水素ガスを前記複数のカソードポートに向かって指向するように配向されるカソード流動場を画定する、基板と、
前記基板のアノード側に沿って、前記アノード流動場および前記複数のアノードポートを取り囲むアノードガスケットであって、前記複数のカソードポートは、前記アノードガスケットの外側に位置する、アノードガスケットと、
前記基板のカソード側に沿って、前記カソード流動場、前記複数のアノードポート、および前記複数のカソードポートを取り囲むカソードガスケットと
を備える、バイポーラプレート。
【請求項14】
前記基板のアノード側上に位置し、個別のカソードポートを囲繞するカソードリングシールと、
前記基板のカソード側上に位置し、個別のアノードポートを囲繞するアノードリングシールと
をさらに備える、請求項13に記載のバイポーラプレート。
【請求項15】
前記アノードガスケットおよび前記カソードガスケットは、それぞれ、前記基板のアノード側および前記基板のカソード側に沿って、相互と異なる形状を有し、
前記アノード流動場および前記カソード流動場は、それぞれ、前記基板のアノード側および前記基板のカソード側に沿って、同一形状を有する、
請求項14に記載のバイポーラプレート。
【請求項16】
前記カソード流動場は、最小境界長方形を有し、
前記複数のカソードポートは、前記最小境界長方形に対して相互に対角線上反対に位置する2つのカソード部分を備え、
前記アノードガスケットは、前記基板のアノード側上の前記複数のアノードポートと前記複数のカソードポートとの間に延在する、
請求項14に記載のバイポーラプレート。
【請求項17】
前記基板は、少なくとも部分的に、可塑化された黒鉛または炭素複合材のうちの1つまたはそれを上回るものから形成され、
前記基板のアノード側は、導電性である酸化阻害剤を含む、
請求項13に記載のバイポーラプレート。
【請求項18】
水素処理のための電気化学スタックであって、
請求項14に記載のバイポーラプレートと、
複数の電解槽膜電極アセンブリ(MEA)であって、各MEAは、アノードと、カソードと、それらの間の陽子交換膜とを含む、複数のMEAと
を備え、
前記複数のMEAのうちの1つのアノードは、アノードチャネルがそれらの間に画定されるように、前記アノードガスケットを介して、前記基板のアノード側とシール係合され、
前記複数のMEAのうちの別の1つのカソードは、カソードチャネルがそれらの間に画定されるように、前記カソードガスケットを介して、前記基板のカソード側とシール係合される、
電気化学スタック。
【請求項19】
前記複数のMEAのうちの1つのアノードと前記バイポーラプレートの前記基板のアノード側との間のアノードチャネル内に配置される多孔性材料と、
前記複数のMEAおよび前記バイポーラプレートを中心として配置される筐体であって、前記筐体は、金属またはアラミドファイバのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、筐体と
をさらに備える、請求項18に記載の電気化学スタック。
【請求項20】
水素発生方法であって、
電解槽内の水を電解し、湿潤水素流を発生させることと、
前記湿潤水素流をドライヤ内で乾燥させ、乾燥水素流ならびに水および水素含有流を発生させることと、
前記水および水素含有流を水素ポンプに提供し、水素を前記水および水素含有流から前記ドライヤの中に圧送することと
を含む、方法。
【請求項21】
水および酸素含有流を前記電解槽からセパレータに提供することと、
前記セパレータ内で前記水を前記水および酸素含有流中の酸素から分離することと、
前記分離された水を前記電解槽の中に提供することと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる、2019年11月21日に出願された、米国仮特許出願第62/938,494号の利益を主張する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、化学生産を対象とし、より具体的には、水素発生のための電気化学モジュールおよびシステムを対象とする。
【背景技術】
【0003】
水素は、石油精製、金属処理、食品加工、およびアンモニア生産等の多くの産業上の用途を有する、一般的ガスである。水素は、豊富であって、種々の再生可能および非再生可能エネルギー源から形成され得るが、空気中の水素の可燃性は、水素を貯蔵および出荷することを困難にする。結果として、水素は、概して、大規模な地理的領域を横断した後続流通のための一元化された設備における大規模生産には適応不可能である。むしろ、水素は、概して、その生産施設またはその近傍において使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によると、水素発生のためのシステムは、第1の容積と、第2の容積と、第3の容積とを画定する、少なくとも1つのキャビネットであって、第1の容積、第2の容積、および第3の容積は、相互から流体的に隔離される、少なくとも1つのキャビネットと、第1の容積内に位置する、水回路と、第2の容積内に位置する、電解槽電気化学スタックを含む、電気化学モジュールと、第3の容積内に位置する、水素回路と、水回路および電解槽電気化学スタックに流動的に接続する、少なくとも1つの第1の流体コネクタと、電解槽電気化学スタックおよび水素回路に流動的に接続する、少なくとも1つの第2の流体コネクタとを含む。
【0005】
一実施形態では、少なくとも1つのキャビネットは、その中で、第1の容積が、第1の内壁によって、第2の容積から隔離され、第2の容積は、第2の内壁によって、第3の容積から隔離される、単一キャビネットを備え、少なくとも1つの第1の流体コネクタは、第1の内壁を通して延在し、少なくとも1つの第2の流体コネクタは、第2の内壁を通して延在する。
【0006】
一実施形態では、本システムはさらに、第1の容積に流動的に接続されるが、第2または第3の容積には接続されず、第2または第3の容積を換気せずに、第1の容積を換気するように構成される、第1のエアームーバと、第2の容積に流動的に接続されるが、第1または第3の容積には接続されず、第1または第3の容積を換気せずに、第2の容積を換気するように構成される、第2のエアームーバと、第3の容積に流動的に接続されるが、第1または第2の容積に接続されず、第1または第2の容積を換気せずに、第3の容積を換気するように構成される、第3のエアームーバとを備える。
【0007】
別の実施形態では、水素処理のための電気化学モジュールは、複数の水コネクタおよび少なくとも1つの水マニホールドを含む、液体管理区分と、液体管理区分の上方に位置し、液体管理区分と流体接続する、電解槽電気化学スタックおよび水素コネクタを含む、ガス管理区分とを含む。電解槽電気化学スタックは、少なくとも1つのバイポーラプレートと、複数の膜電極アセンブリ(MEA)とを含み、少なくとも1つのバイポーラプレートは、複数のMEAのうちの1つとシール係合され、その間にアノードチャネルを画定し、少なくとも1つのバイポーラプレートは、複数のMEAのうちの別の1つとシール係合され、カソードチャネルをその間に画定し、複数の水コネクタはそれぞれ、少なくとも1つのマニホールドを介して、アノードチャネルと流体連通し、水素コネクタは、カソードチャネルと流体連通する。
【0008】
別の実施形態では、電解槽電気化学スタックのためのバイポーラプレートは、相互に反対のアノード側およびカソード側を有する、基板であって、基板は、それぞれ、基板のアノード側からカソード側まで延在する、複数のアノードポートおよび複数のカソードポートを画定し、アノード側は、複数のアノードポートのうちの少なくともいくつか間で水を指向するように配向される、アノード流動場を画定し、カソード側は、水素ガスを複数のカソードポートに向かって指向するように配向される、カソード流動場を画定する、基板と、基板のアノード側に沿って、アノード流動場および複数のアノードポートを取り囲むアノードガスケットであって、複数のカソードポートは、アノードガスケットの外側に位置する、アノードガスケットと、基板のカソード側に沿って、カソード流動場、複数のアノードポート、および複数のカソードポートを取り囲むカソードガスケットとを備える。
【0009】
別の実施形態では、水素発生方法は、電解槽内の水を電解し、湿潤水素流を発生させるステップと、湿潤水素流をドライヤ内で乾燥させ、乾燥水素流ならびに水および水素含有流を発生させるステップと、水および水素含有流を水素ポンプに提供し、水素を水および水素含有流からドライヤの中に圧送するステップとを含む。
【0010】
一実施形態では、本方法はまた、水および酸素含有流を電解槽からセパレータに提供するステップと、セパレータ内で水を水および酸素含有流中の酸素から分離するステップと、分離された水を電解槽の中に提供するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】
図1Aは、キャビネットと、電気化学モジュールとを含む、システムの斜視図である。
【0012】
【
図1B】
図1Bは、
図1Aのシステムのブロック図であって、電気化学モジュールとキャビネット内の水回路および水素回路の接続を表す。
【0013】
【
図2A】
図2Aは、
図1Aおよび1Bのシステムの電気化学モジュールの電気化学スタックの略図である。
【0014】
【
図2B】
図2Bは、
図2Aの電気化学スタックのバイポーラプレートのアノード側の上面図である。
【0015】
【0016】
【
図3A】
図3Aは、相互に結合されて示される、電気化学モジュールの液体管理区分およびガス管理区分とともに示される、
図1Aおよび1Bのシステムの電気化学モジュールの斜視図である。
【0017】
【
図3B】
図3Bは、相互から結合解除されている、電気化学モジュールの液体管理区分およびガス管理区分とともに示される、
図1Aおよび1Bのシステムの電気化学モジュールの部分的分解図である。
【0018】
種々の図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
実施形態が、ここで、例示的実施形態が示される、以降の付随の図を参照して、より完全に説明されるであろう。しかしながら、前述は、多くの異なる形態において具現化されてもよく、本明細書に記載される例示的実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。全ての流体流動は、別様に規定されない限り、導管(例えば、パイプおよび/またはマニホールド)を通して流動し得る。
【0020】
本明細書に述べられた全ての文書は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。単数形におけるアイテムの言及は、別様に明示的に述べられない限り、または文脈から明白ではない限り、複数形におけるアイテムを含み、その逆も同様であると理解されたい。文法的接続詞は、別様に述べられない限り、または文脈から明白ではない限り、等位接続された節、文、単語、および同等物のあらゆる離接的および接続的組み合わせを表すように意図される。したがって、用語「または」は、概して、「および/または」を意味すると理解されるべきであって、用語「および」も、概して、「および/または」を意味すると理解されるべきである。
【0021】
本明細書の値の範囲の列挙は、限定することを意図するものではなく、代わりに、本明細書に別様に示されない限り、個々に、範囲内に該当するあらゆる値を指し、そのような範囲内の各別個の値は、本明細書に個々に列挙される場合と同様に、明細書の中に組み込まれる。単語「約」、「およそ」、または同等物は、数値を伴うとき、意図される目的のために満足の行くように動作するための当業者によって理解されるであろうような任意の偏差を含むものとして解釈されるべきである。値および/または数値の範囲は、実施例のみとして本明細書に提供され、説明される実施形態の範囲に関する限界を構成するものではない。あらゆる実施例または例示的言語(「例えば」、「等」、または同等物)の使用は、単に、実施形態をより明らかにするように意図され、それらの実施形態の範囲に関する限界を課するものではない。本明細書におけるいずれの言語も、任意の請求されない要素を開示される実施形態の実践に不可欠なものとして示すものとして解釈されるべきではない。
【0022】
水素生産場所をその最終的産業上の使用先と同じ場所に設置することは、工場占有面積、安全性、およびリソース可用性に関連する、その独自の課題を提示し得る。故に、リソース制約された面積を含む、広範囲の場所における安全実装に適応可能である、小占有面積工場内で費用効果的に実施され得る、水素発生の必要性が残ったままである。続く説明では、電気化学デバイス、モジュール、およびシステムの種々の側面は、電解(すなわち、電解槽スタック場所)、酸素処理、および水素処理のために、別個に換気されるキャビネット区分(すなわち、空間)を用いた、水からの水素と電気の電気化学電解の文脈において説明される。本構成は、酸素および水素処理機器を別個に換気される空間に分離し、漏出酸素と水素との間の混合および発熱性反応の尤度を低減させることによって、システムの安全性を増加させる。
【0023】
なお、別様に規定されない限り、または文脈から明白ではない限り、本明細書に説明される種々の異なるデバイス、モジュール、またはシステムのうちの任意の1つまたはそれを上回るものは、加えて、または代替として、その中でより低い圧力反応物が、より高い圧力生産物を生産する、電気化学プロセスへの入力である、種々の異なる電気化学プロセスのうちの任意の1つまたはそれを上回るものにおいて使用されてもよいことを理解されたい。例えば、反対の意図が示されない限り、本明細書に説明される種々の異なるデバイス、モジュール、およびシステムのうちの任意の1つまたはそれを上回るものは、水素を再循環させ、化学プロセスの全体的収率を増加させるために有用であり得るように、水素を電気化学的に圧送するために使用されてもよい。より具体的実施例として、本明細書に説明される種々の異なるデバイス、モジュール、およびシステムのうちの任意の1つまたはそれを上回るものは、本明細書と同日に出願され、弁理士整理番号第35055-001US号を有し、「SYSTEMS AND METHODS OF AMMONIA SYNTHESIS」と題された、Ballantine, et al.による、米国特許出願(これらの参考文献のそれぞれの内容全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される種々のシステムおよび方法のうちの任意の1つまたはそれを上回るものの一部として、アンモニア合成のための水素を発生させ、および/または水素を再循環させるために使用されてもよい。
【0024】
ここで
図1Aおよび1Bを参照すると、水素を発生させるためのシステム100は、電気化学モジュール102と、少なくとも1つのキャビネット104とを含んでもよい。少なくとも1つのキャビネット104は、第2の容積106b内の電気化学モジュール102と第1の容積106aおよび第3の容積106c内の機器との間の流体接続を除き、それぞれ、相互から隔離される、第1の容積106aと、第2の容積106bと、第3の容積106cとを画定してもよい。3つの隔離された容積(106a、106b、106c)を伴う、1つのキャビネット(すなわち、筐体)104が、
図1Aに示されるが、それぞれ、3つの隔離された容積の1つまたは2つを含有する、2つまたは3つの別個のキャビネット104が、代わりに使用されてもよいことに留意されたい。単一キャビネット104が、使用される場合、隣接する隔離された容積は、キャビネット104の内壁またはパーティション105a、105bによって、相互から隔離される。例えば、第1の内壁105aは、第1の容積106aを第2の容積106bから分離してもよく、第2の内壁105bは、第2の容積106bを第3の容積106cから分離してもよい。本明細書で使用されるように、2つの容積は、1つの容積内のガスが、2つの容積を接続し、ガスまたは液体を2つの容積間に提供するように構成される、指定される流体導管(例えば、パイプまたはマニホールド)を通してを除き、他の容積の中に通過することができない場合、相互から隔離される。一実施形態では、容積106a、106b、および106cはそれぞれ、下記にさらに詳細に説明されるであろうように、別個の専用換気機器によって、別個に換気される。
【0025】
電気化学モジュール102は、陽子交換膜(PEM)ベースの電解槽モジュール等の電解槽モジュールを含んでもよい。モジュール102は、1つまたはそれを上回るPEMベースの電解槽スタック等の1つまたはそれを上回る電気化学スタック200を含んでもよい。モジュール102はまた、複数の第1の流体コネクタ110a、b(集合的に、複数の第1の流体コネクタ110a、b、個々に、第1の流体コネクタ110aおよび第1の流体コネクタ110bと称される)と、第2の流体コネクタ112とを含んでもよい。下記により詳細に説明されるように、電気化学モジュール102は、(例えば、第1の容積106aと第3の容積106cとの間の)第2の容積106b内に配置され、複数の第1の流体コネクタ110a、bを介して、第1の容積106a内の水回路114と流体連通し、第2の流体コネクタ112を介して、第3の容積106c内の水素回路116と流体連通するように接続されてもよい。電気化学モジュール102、水回路(酸素処理機器を含む)114、および水素回路116の、1つまたはそれを上回るキャビネット104内で相互から隔離される、個別の容積106b、106a、106cの中へのそのようなパーティション化は、空間的にコンパクトな占有面積内において、商業規模の水素の量を安全に発生させることを促進し得る。これは、とりわけ、システム100を使用して、限定された空間を伴う配設場所において水素を発生させ、および/またはシステム100を遠隔配設施設に移送するために有用であり得る。加えて、または代替として、また、下記により詳細に説明されるように、電気化学モジュール102とキャビネット104内の水回路114および水素回路116のそれぞれとの間のコネクティビティは、配設、保守、および修理することを促進する、モジュール性を含んでもよい。
【0026】
使用時、下記により詳細に説明されるように、水および電気が、電気化学スタック200に提供されてもよく、水の一部は、電気化学的に電解され、水素を形成してもよい(例えば、水素イオン拡散を介して、PEM電解質を通して、電解槽セルのアノード側から、PEM電解槽セルのカソード側に)。例えば、水回路114は、第1の流体継手を介して、精製された水をキャビネット104の第1の容積106aからキャビネット104の第2の容積106b内の電気化学スタック200に送達するように作動可能であってもよい。精製された水が、電気化学スタック200を通して移動するにつれて、電気化学スタック200に送達される電力は、精製された水の少なくとも一部の陽子をPEM電解質を通して移動させ、水素を形成し得る。精製された水の電解によって、セルのアノード側上に形成される酸素は、過剰精製された水とともに、第2の容積106b内の電気化学スタック200から第1の容積106a内の水回路114に戻されてもよい。加えて、または代替として、電気化学スタック200内で電解によって形成される水素は、キャビネット104の第2の容積106b内の電気化学スタック200のカソード側からキャビネット104の第3の容積106c内の水素回路116に移動してもよい。故に、酸素および水素が、第2の容積106b内に存在する限り、電気化学スタック200は、これらの流れを別個に管理し、これらの流れをキャビネット104の異なる部分(すなわち、隔離された容積)に指向し、その中で酸素および水素が同一の封入された容積内で処理される、構成と比較して、燃焼性混合物を形成する、酸素と水素の不注意による混合の尤度を低減させる。
【0027】
一般に、水回路114は、随意に、個別の流体導管を介して、セパレータ120とポンプ122との間で流体連通する、リザーバ(例えば、水タンク)118を含んでもよい。ある実装では、リザーバ118は、外部水源(例えば、示されない、水パイプ)に結合され、電気化学スタック200の需要を満たすために好適な水の供給を受容してもよい。リザーバ118と外部水源との間の接続は、キャビネット104の外側で行われ、システム100と産業水供給源の接続を促進し、いくつかの事例では、外部水源とリザーバ118との間の接続における漏出の場合、第1の容積106a、第2の容積106b、または第3の容積106cのうちの1つまたはそれを上回るもの内の機器を損傷させる、尤度を低減させてもよい。水回路114は、システム100を通して流動する水の性質を管理するために有用な種々の異なるタイプの機器のいずれかを含んでもよいことを理解されたい。実施例として、水回路114は、プロセス水の精製のために有用な濾過または他の処理機器を含み、他の構成要素(例えば、電気化学スタック200)の性能を経時的に劣化させ得る、汚染物質の濃度を低減させてもよい。加えて、または代替として、水回路114は、リザーバ118、セパレータ120、またはポンプ122のうちの1つまたはそれを上回るものと熱連通する、熱交換器(図示せず)を含み、各構成要素の温度を管理し、および/または各構成要素を通して流動する水の温度を管理してもよい。
【0028】
ポンプ122は、第1の容積106a内のポンプ122から電気化学モジュール102の第1の流体コネクタ110aまで延在する、給送導管124を介して、電気化学スタック200と流体連通してもよい。給送導管124は、第1の容積106aと第2の容積106bとの間の壁105aを通して延在してもよい。使用時、ポンプ122は、給電され、精製された水を、リザーバ118から、第1の容積106aから第2の容積106bまで延在する、給送導管124に沿って、第2の容積106b内の電気化学スタック200の中に移動させてもよい。したがって、ポンプ122は、第2の容積106bおよび第3の容積106cのそれぞれ内の機器からパーティション化されながら、精製された水を第2の容積106bに送達するように動作可能であってもよい。ポンプ122のそのようなパーティション化は、とりわけ、動作の間、ポンプ122によって発生される熱が、水素含有混合物のための発火源としての役割を果たし得る、尤度を低減させるために有利であり得る。例えば、第2の容積106bおよび/または第3の容積106c内の水素漏出の場合、発火可能水素-空気混合物が、不注意に、第2の容積106bおよび/または第3の容積106c内に形成され得る。本実施例を継続すると、ポンプ122を第2の容積106bおよび第3の容積106cから離れるようにパーティション化されたまま保つことは、したがって、発火可能水素-空気混合物が、検出され、システムが安全にシャットダウンされ得る前に、発火が生じ得る、尤度を低減させ得る。
【0029】
いくつかの実装では、水回路114は、第1の流体コネクタ110bとセパレータ120との間で流体連通する、再循環回路126を含んでもよい。第1の流体コネクタ110bとの流体連通を通して、再循環回路126は、水と酸素とから本質的に成る、流出流を電気化学スタック200のアノード部分から受容してもよい。再循環回路126の少なくとも一部は、壁105bを通して、第2の容積106bから第1の容積106aまで延在し、水および酸素の流動を第2の容積106b内の電気化学スタック200から第1の容積106a内のセパレータ120に指向してもよい。第1の容積106a内の酸素を第2の容積106bからパーティション化されるセパレータ120に搬送することによって、再循環回路126は、電気化学モジュール102から流動する過剰水中の酸素が、第2の容積106bおよび/または第3の容積106cの中に不注意に逃散し、発火可能混合物を水素と形成し得る、尤度を低減させ得る。
【0030】
セパレータ120は、再循環回路126を通して電気化学モジュール102から移動する戻り流中の酸素を過剰水から分離するのために好適な種々の異なるタイプのガス-液体セパレータのうちの任意の1つまたはそれを上回るものであってもよい。例えば、セパレータ120は、ドライヤ、凝縮器、または別のデバイスを備えてもよく、これは、酸素を過剰水から重力を通して分離し、過剰水は、セパレータ120の底部部分に沿って沈降し、酸素は、セパレータ120の上部部分に沿って収集される。より一般的には、セパレータ120は、そうでなければ、システム100内の潜在的発火源として作用し得る、電力または可動部品を使用せずに、酸素を過剰水から分離するように動作してもよい。セパレータ120によって収集される酸素は、第1の容積106aから外に指向され、キャビネット104の外側の環境に換気される、または工場の別の部分のためのプロセスガスとして使用されてもよい。実施例として、限定ではないが、セパレータ120によって収集される酸素は、吸引ポンプまたは送風機を使用して、セパレータ120から除去されてもよい。セパレータ120によって収集される過剰水は、リザーバ118に指向され、電気化学スタック200を通して、再び、循環される。すなわち、より一般的には、セパレータ120は、水素の形成における水の効率的使用を促進しながら、第2の容積106bおよび第3の容積106c内の水素関連機器から離れた位置において、酸素をキャビネット104から除去し得る。
【0031】
一般に、水素回路116は、第2の容積106b内の電気化学スタック200によって形成される水素含有生産物流を収集し、第1の容積106aおよび第2の容積106bからパーティション化される機器を使用して、本生産物流を処理してもよい。本文脈では、生産物流の処理は、湿気を生産物流から除去し、実質的に純水素を生産することを含んでもよい。すなわち、湿気を水素から除去することは、湿気が1つまたはそれを上回る下流プロセスに干渉する潜在性を低減させ得、そのような干渉は、潜在的に、下流機器の劣化を含む。さらに、または代わりに、システム100の安全性およびエネルギー/水素効率と関連付けられる、考慮点を前提として、水素回路116内の生産物流の処理は、電気化学スタック200によって生産される水素の全てまたは実質的に全て(例えば、約99パーセントを上回る)を回収しながら、殆どまたは全くエネルギーを要求し得ない。
【0032】
いくつかの実装では、水素回路116は、相互と流体連通する、生産物導管128と、ドライヤ130とを含んでもよい。より具体的には、生産物導管128は、第2の容積106bと第3の容積106cとの間の壁105bを通して延在してもよい。生産物導管128は、ドライヤ130の入口部分132と電気化学モジュール102の第2の流体コネクタ112との間で流体連通してもよい。したがって、使用時、水素と水(例えば、水蒸気)とから本質的に成る、生産物流は、電気化学スタック200のアノード側から、第2の流体コネクタ112および生産物導管128を介して、ドライヤ130の入口部分132に移動してもよい。電気化学スタック200のアノード部分から再循環回路126の中への流出流中の酸素と過剰水の混合物と比較して、生産物流は、より高い圧力にあり得る。水素が第3の容積106cの中に漏出する、尤度を低減させるために、生産物導管128と第2の流体コネクタ112およびドライヤ130のそれぞれとの間の接続は、ガス密シールを含んでもよい。
【0033】
ドライヤ130は、例えば、圧力スイング吸着(PSA)、温度スイング吸着(TSA)システム、またはハイブリッドPSA-TSAシステムであってもよい。ドライヤ130は、活性炭、シリカ、ゼオライト、またはアルミナ等の水吸着材料の1つまたはそれを上回る層を含んでもよい。水素と水とから本質的に成る、生産物混合物が、ドライヤ130の入口部分132から出口部分134に移動するにつれて、水の少なくとも一部は、水吸着材料の層内の水または水素のいずれかの吸着を通して、生産物混合物から除去されてもよい。水素が、吸着される場合、圧力および/または温度スイングサイクルの間、出口導管138の中に除去される。水が、吸着される場合、圧力および/または温度スイングサイクルの間、ポンプ導管140の中に除去される。いくつかの事例では、ドライヤ130によって実施される吸着は、そうでなければ、発火可能水素含有混合物の発火源として作用し得る、熱または電気の追加を伴わずに、受動的であってもよい。しかしながら、そのような事例では、電気化学スタック200と流体連通する、ドライヤ130によって生成される背圧に関連する考慮点は、サイズ、したがって、湿気を生産物流から除去する際のドライヤ130の単回通過の有効性を限定し得る。
【0034】
少なくとも、ドライヤ130の単回通過の有効性に関連する、そのような考慮点に照らして、水素回路116はさらに、または代わりに、ドライヤ130の出口部分134と入口部分132との間で流体連通する、水素ポンプ136を含み、ドライヤ130を通した付加的通過のために、水素と水の生産物混合物を再循環させてもよい。例えば、ドライヤ130は、乾燥された水素を、ドライヤ130の出口部分134から、乾燥された水素を下流プロセスまたはキャビネット104の外側の環境内の貯蔵場所に指向する、出口導管に指向してもよい。さらに、または代わりに、ドライヤ130は、適正に乾燥されていない、生産物流の一部を、ドライヤ130の出口部分134から、水素ポンプ136と流体連通する、ポンプ導管140に指向してもよい。ある事例では、ポンプ導管140に沿って移動する、生産物混合物中の水の少なくとも一部は、水素ポンプ136に到達する前に、生産物混合物から外に凝縮され、ポンプ導管140と流体連通する、湿気トラップ142内に収集されてもよい。湿気トラップ142内に凝縮されたそのような湿気は、キャビネット104の外側の環境に収集および/または指向されてもよい。
【0035】
水素ポンプ136は、例えば、電気化学ポンプであってもよい。本文脈において使用されるように、電気化学ポンプは、アノードとカソードとの間に配置される、陽子交換膜(すなわち、PEM電解質)を含むと理解されるものとする。水素ポンプ136は、アノードから陽子交換膜を通してカソードに移動可能な陽子を発生させ、加圧された水素を形成し得る。したがって、そのような電気化学ポンプは、少なくとも、電気化学ポンプによって提供される電気化学圧送が、ポンプ導管140を介して、水素ポンプ136に送達される、混合物中の水から水素を分離しながら、また、分離された水素を加圧し、ドライヤ130の入口部分132への加圧された水素の移動を促進するため、特に、水素回路116内で水素再循環させるために有用であり得る。
【0036】
代替として、水素ポンプ136は、ダイヤフラムコンプレッサまたは送風機もしくは金属-水素化物セパレータ(例えば、水素を選択的に吸着する)等の別の水素圧送および/または分離デバイスを備えてもよく、これは、電気化学水素ポンプと組み合わせて、またはその代わりに、使用されてもよい。一実施形態では、水素圧送および/または再加圧の複数の段階が、使用されてもよい。各段階は、ダイヤフラムコンプレッサまたは送風機、電気化学ポンプ、もしくは金属-水素化物セパレータのうちの1つまたはそれを上回るものを備えてもよい。1つの実装では、段階は、カスケード式(すなわち、直列)構成であってもよく、および/または別個のエンクロージャ内に位置してもよい。
【0037】
ある実装では、水素ポンプ136は、湿気トラップ142と流体連通してもよく、水素ポンプ136内で水素から分離される水は、キャビネット104の外側の環境に収集および/または指向されてもよい。加えて、または代替として、水素ポンプ136によって形成される加圧された水素は、水素ポンプ136とドライヤ130の入口部分132との間で流体連通する(例えば、生産物導管128内の生産物流との混合を介して)、回収回路144に沿って指向され、加圧された水素をドライヤ130に再循環させてもよい。他の利点の中でもとりわけ、加圧された水素をドライヤ130を通してこのように再循環させることは、水素をキャビネット104から外に単一導管(例えば、出口導管138)のみを通して移動させることを促進し、これは、複数の出口点の使用と比較して、潜在的故障モードを低減させ得る。
【0038】
いくつかの実装では、第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106cのそれぞれ内の別個の換気および/または強制対流は、個別の容積内の発火可能水素含有混合物を形成する、尤度を低減させるために有用であり得る。さらに、または代わりに、強制対流は、第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106cの封入された環境内の温度の制御を促進し得る。そのような温度制御は、例えば、各個別の容積内の機器が、発火源になり得る、および/または時期尚早に故障し得る、尤度を低減させるために有用であり得る。
【0039】
故に、システム100は、複数のガスムーバ146a、b、c(集合的に、複数のガスムーバ146a、b、c、個々に、ガスムーバ146a、ガスムーバ146b、およびガスムーバ146cと称される)を含んでもよい。複数のガスムーバ146a、b、cは、別様に規定されない限り、または文脈から明白ではない限り、種々の異なるタイプのファン(例えば、パージファン)、送風機、またはコンプレッサのうちの任意の1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。ある実装では、複数のガスムーバ146a、b、cのそれぞれのものへの給電される回路は、全米防火協会(NFPA)70(R)による米国電気工事規程(R)(NEC)の第500-503条(2020年)(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に従って規定されるようなクラス1区分2動作のために定格されてもよい。そのような実装では、複数のガスムーバ146a、b、cのそれぞれのものは、キャビネット104内に配置されてもよい。代替として、複数のガスムーバ146a、b、cのそれぞれのものは、外部からキャビネット104の外部(例えば、キャビネットの屋根または側壁)に搭載され、熱またはスパークが、第1の容積106a、第2の容積106b、または第3の容積106cの内容物のための不注意による発火源として作用する、潜在性を低減させてもよい。
【0040】
一般に、ガスムーバ146aは、第1の容積106aと流体連通してもよく、ガスムーバ146bは、第2の容積106bと流体連通してもよく、ガスムーバ146cは、第3の容積106cと流体連通してもよい。例えば、複数のガスムーバ146a、b、cのそれぞれのものは、キャビネット104の外側の環境と第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106cのうちの対応する1つとの間で流体連通してもよく、キャビネット104の個別の容積を別個に換気するように構成されてもよい。加えて、または代替として、複数のガスムーバ146a、b、cのそれぞれのものは、キャビネット104の外側の環境に対して第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106cのうちの対応する1つ内に負圧を形成するように動作可能であってもよい。そのような負圧は、例えば、空気を環境から第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106cの中に引き込み、第1の容積106a、第2の容積106b、または第3の容積106cの中への任意の水素漏出が、キャビネット104と関連付けられる温度および圧力において、水素-空気混合物のより低い発火限界を上回る濃度において蓄積し得る、尤度を低減させるために有用であり得る。さらに、または代わりに、第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106c内の負圧は、発火可能水素含有混合物が、キャビネット104から逃散し得る、尤度を低減させ得る。ある事例では、キャビネット104は、第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106c内の1つまたはそれを上回る構成要素を電気化学スタック200の動作のために好適な温度範囲(例えば、約60℃~約80℃)内に維持することを促進するように絶縁されてもよい。
【0041】
複数のガスムーバ146a、b、cは、第1の容積106a、第2の容積106b、または第3の容積106c内に形成される非安全条件の尤度を低減させるために有用であり得るが、これらの容積のうちの1つまたはそれを上回るものは、加えて、または代替として、面積分類構成要素を含んでもよいことを理解されたい。そのような事例では、対応する容積は、換気されなくてもよい。
【0042】
ある実装では、システム100は、少なくとも、第1の容積106a、第2の容積106b、または第3の容積106c内の1つまたはそれを上回る構成要素と電気連通する、コントローラ148を含んでもよい。一般に、コントローラ148は、1つまたはそれを上回るプロセッサと、1つまたはそれを上回るプロセッサに、システム100の種々の側面のうちの任意の1つまたはそれを上回るものの始動、動作、またはシャットダウンのうちの1つまたはそれを上回るものを制御し、安全および効率的動作を促進せるための、その上に記憶された命令を有する、非一過性コンピュータ可読記憶媒体とを含んでもよい。例えば、コントローラ148は、第1の容積106a、第2の容積106b、または第3の容積106c内の1つまたはそれを上回る構成要素のための1つまたはそれを上回る埋設コントローラを含んでもよい。加えて、または代替として、コントローラ148は、少なくとも、電気化学スタック200および電源150と電気連通してもよい。本実施例を継続すると、コントローラ148は、異常条件が検出される場合、電気化学スタック200への電力を中断してもよい。さらに、または代わりに、コントローラ148は、始動プロトコル(例えば、第1の容積106a、第2の容積106b、および/または第3の容積106cのパージ)後、電力を電気化学スタック200に提供し、キャビネット104内の水素含有混合物を発火させる、尤度を低減させてもよい。
【0043】
いくつかの実装では、キャビネット104は、第4の容積106dを画定してもよく、コントローラ148は、第1の容積106a、第2の容積106b、または第3の容積106cのうちの1つまたはそれを上回るもの内に配置されるような本明細書に説明される種々の異なる構成要素のうちの1つまたはそれを上回るものと無線または有線通信しながら、第4の容積106d内に配置されてもよい。第4の容積106dは、概して、第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106cの近傍に位置し、配設、始動、通常動作、保守、または修理のうちの1つまたはそれを上回るものの一部として、電気の接続および/または接続解除を促進してもよい。したがって、例えば、第4の容積106dは、キャビネット104の上部部分に沿って、および/またはキャビネット104の背部部分に沿って、配置されてもよく、両場所は、それぞれ、第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106cへのアクセスを提供するために使用され得る、第1のドア152a、第2のドア152b、および第3のドア152cから離れながら、第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106cのそれぞれへの有用なアクセスを提供する。さらに、または代わりに、コントローラ148がその中に配置された状態で、第4の容積106dは、キャビネット104の屋根105cまたは背壁によって、第1の容積106a、第2の容積106b、および/または第3の容積106cのそれぞれから流体的に隔離され、コントローラ148の動作を損なわせ得る、配設、始動、通常動作、シャットダウン、保守、または修理の間、1つまたはそれを上回るプロセス流体へのコントローラ148の暴露の尤度を低減させてもよい。
【0044】
第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106cは、複数のガスムーバ146a、146b、および146cによって提供される、負圧を有するように説明されたが、第4の容積106dは、第4の容積106dの外側の環境に対して第4の容積106d内で正圧を発生させるように動作可能である、ファン154と流体連通し、第4の容積106d内のコントローラ148および/または他の構成要素の温度を制御してもよい。さらに、または代わりに、第4の容積106dは、コントローラ148を格納するように説明されたが、第4の容積106dは、そのような構成要素のうちの1つまたはそれを上回るものの不注意によるスパークまたは過熱が、第1の容積106a、第2の容積106b、または第3の容積106cのうちの1つまたはそれを上回るもの内の水素含有混合物を発火させる得る、尤度を低減させるために有用であり得るように、システム100のための全ての制御およびパワーエレクトロニクス機器を格納してもよいことを理解されたい。
【0045】
ある実装では、コントローラ148はさらに、または代わりに、第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106c内の1つまたはそれを上回る周囲条件を監視し、異常条件が、システム100および/またはシステム100の近傍の面積への損傷をもたらす前に、1つまたはそれを上回る是正措置を講じることを促進してもよい。特に、キャビネット104内の発火可能水素含有混合物の存在によって引き起こされ得る、潜在的損傷を前提として、システム100は、複数のガスセンサ158a、b、c(集合的に、複数のガスセンサ158a、b、c、個々に、ガスセンサ158a、ガスセンサ158b、およびガスセンサ158cと称される)を含んでもよい。複数のガスセンサ158a、b、cのそれぞれのものは、光ファイバセンサ、電気化学水素センサ、薄膜センサ、および同等物のうちの1つまたはそれを上回るもの等の種々の異なるタイプの水素センサのうちの任意の1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。キャビネット104内の水素のロバストな検出を促進するために、ガスセンサ158aは、第1の容積106a内に配置されてもよく、ガスセンサ158bは、第2の容積106b内に配置されてもよく、ガスセンサ158cは、第3の容積106c内に配置されてもよい。複数のガスセンサ158a、b、cのそれぞれのものは、発火事象が生じ得る前に、是正措置を講じることを促進するために、水素の発火限界を下回る水素濃度レベルを検出するように較正されてもよい。本目的のために、コントローラ148は、複数のガスセンサ158a、b、cのそれぞれのものと電気連通してもよく、コントローラ148の非一過性コンピュータ可読記憶媒体は、コントローラ148の1つまたはそれを上回るプロセッサに、複数のガスセンサ158a、b、cのうちの1つまたはそれを上回るものから受信され、危険水素濃度を示す、信号に基づいて、電源150とキャビネット104内の機器との間の電気連通を中断させるための、その上に記憶された命令を有してもよい。加えて、または代替として、複数のガスセンサ158a、b、cのうちの1つまたはそれを上回るものから受信される信号は、水素濃度の高速増加を示し得る。
【0046】
コントローラ148は、キャビネット104内の潜在的に有害な条件に対して是正措置を講じるために有用であり得るが、システム100は、加えて、または代替として、爆発の場合、システム100および/またはシステムの近傍への損傷を緩和するために有用な1つまたはそれを上回る安全特徴を含んでもよい。例えば、システム100は、キャビネット104の少なくとも第3の容積106cと流体連通する、圧力逃がし弁160を含んでもよい。圧力逃がし弁160は、第3の容積106c内の所定の閾値圧力において自己開放する、機械的弁であってもよい。いくつかの事例では、所定の閾値圧力は、第3の容積106cの中への加圧された水素の漏出から結果として生じる、圧力増加であってもよい。代替として、所定の閾値圧力は、水素含有混合物の燃焼と関連付けられる、高速圧力上昇と関連付けられる、高圧であってもよい。いずれの場合も、圧力逃がし弁160は、第3の容積106cの内容物を環境に換気し、そうでなければ生じ得る、損傷を緩和してもよい。
【0047】
一般に、キャビネット104内の構成要素は、キャビネット104の1つまたはそれを上回る表面等に沿って、キャビネット104の外側の場所から外部リソースに接続可能であってもよい。人員がキャビネット104を開放する必要なく、そのような接続は、システム100の配設を促進し得る。さらに、または代わりに、構成要素のそうでなければ匹敵する配列に関して、キャビネット104の外側で行われる接続は、第1の容積106a、第2の容積106b、および第3の容積106cのそれぞれ内の構成要素間に付加的間隔を提供し得る。これは、ひいては、訓練された人員に、キャビネット104内の構成要素へのより良好なアクセスを提供するために有用であり得る。さらに、または代わりに、キャビネット104の1つまたはそれを上回る外面に沿って、構成要素を接続することは、安全性に対する利点を提供し得る。例えば、電気接点156は、キャビネット104の外面上に(例えば、第4の容積106dを画定する、キャビネット104の外面に沿って)配置されてもよく、電気接点156は、コントローラ148を介して、少なくとも電気化学スタック200と電気連通してもよい。本実施例を継続すると、電気接点156は、キャビネット104の外側に位置する電源150と電気連通しながら、解放可能に係合可能してもよい(例えば、接触子またはヒューズを介して)。接続解除機能が、スパークを引き起こす場合、スパークは、キャビネット104の外側にあって、かつ概して、第1の容積106a、第2の容積106b、および/または第3の容積106c内に不注意に形成され得る、潜在的に発火可能な水素含有ガス混合物から離れるように位置する。
【0048】
水素を小占有面積内において安全に生産するために有用なシステム100の全体的レイアウトのある側面が説明されたので、ここで、電気化学モジュール102内の水およびガスを別個に管理し、システム100の動作の間、付加的または代替安全性を提供し、および/またはシステム100の配設、保守、および/または修理を促進し、したがって、そのような事象と関連付けられる、休止時間を低減させることを促進し得る、電気化学モジュール102自体の具体的特徴に注意を向ける。
【0049】
ここで
図2A-2Cを参照すると、電気化学スタック200は、第1の膜電極アセンブリ(MEA)201と、第2の膜電極アセンブリ(MEA)202と、水素の発生のために、集合的に、2つの完全な電気化学セルを画定する、バイポーラプレート204とを含んでもよい。電気化学スタック200はまた、第1のMEA201と、第2のMEA202と、バイポーラプレート204を相互に接触するように挟着し、流体の流動を電気化学スタック200の内外に指向し得る、第1の端部プレート206と、第2の端部プレート208とを含んでもよい。電気化学スタック200は、2つの完全なセル、すなわち、単一バイポーラプレートと、2つのMEAとを含むように説明されるが、これは、解説および例証の明確性のためのみのものであることを理解されたい。より一般的には、電気化学スタック200は、加圧された水素と、電気化学スタック200を通して流動する、より低い圧力の水および酸素との間の分離を維持しながら、
図1Aおよび1Bに示されるシステム100の水素発生需要を満たすために有用な任意の数のMEAと、バイポーラプレートと含んでもよいことを理解されたい。すなわち、別様に規定されない限り、または文脈から明白ではない限り、電気化学スタック200は、1つを上回るバイポーラプレート、単一MEA、および/または2つを上回るMEAを含んでもよい。さらに、または代わりに、電気化学スタック200は、第1のMEA201と接触する、第1の端部プレート206と、第2のMEA202と接触する、第2の端部プレート208とを含むように示されるが、これは、再び、明確性および効率的説明の目的のためのものであることを理解されたい。すなわち、いくつかの事例では、バイポーラプレート204の事例は、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の端部プレート206と第1のMEA201との間および/または第2の端部プレート208と第2のMEA202との間に配置されてもよい。
【0050】
一般に、第1のMEA201および第2のMEA202は、相互に同じであってもよい。例えば、第1のMEA201は、アノード210aと、カソード212aと、その間の陽子交換膜(例えば、PEM電解質)214aとを含んでもよい。同様に、第2のMEA202は、アノード210bと、カソード212bと、その間の陽子交換膜214bとを含んでもよい。アノード210a、210bはそれぞれ、膜に接触する、アノード触媒(すなわち、電極)と、随意のアノード流体拡散層とを備えてもよい。カソード212a、212bはそれぞれ、膜に接触する、カソード触媒(すなわち、電極)と、随意のカソードガス拡散層とを備えてもよい。アノード電極は、イリジウム層等の任意の好適なアノード触媒を備えてもよい。アノード流体拡散層246は、多孔性チタンシートまたは多孔性炭素シート等の多孔性材料、メッシュ、または織物を備えてもよい。カソード電極は、白金層等の任意の好適なカソード触媒を備えてもよい。カソードガス拡散層は、多孔性炭素を備えてもよい。他の貴金属触媒層もまた、アノードおよび/またはカソード電極のために使用されてもよい。電解質は、式C7HF13O5S・C2F4を有する、スルホン化テトラフルオロエチレンベースのフルオロポリマー-コポリマーから成る、Nafion(R)膜等の任意の好適な陽子交換(例えば、水素イオン輸送)ポリマー膜を備えてもよい。
【0051】
バイポーラプレート204は、第1のMEA201のカソード212aと第2のMEA202のアノード210bとの間に配置されてもよい。一般に、バイポーラプレート204は、基板222と、アノードガスケット224と、カソードガスケット226とを含んでもよい。基板222は、相互に反対にアノード(すなわち、水)側228と、カソード(すなわち、水素)側230とを有する。アノードガスケット224は、基板222のアノード側228に固定されてもよく、カソードガスケット226は、基板222のカソード側230に固定されてもよい。基板222の反対側上におけるアノードガスケット224およびカソードガスケット226のそのような固定された位置付けは、相互に対して、かつバイポーラプレート204の両側上の第1のMEA201および第2のMEA202に対して一貫して設置される、2つのシールの形成を促進し得る。ガスケットは、バイポーラプレート204の個別の反対側228、230上に位置する、活性面積(すなわち、アノード(例えば、水)流動場234およびカソード(例えば、水素)流動場240)の周囲に、二重シールを形成する。さらに、または代わりに、電気化学スタックが、バイポーラプレート204の2つの事例間にMEAの事例を含む、事例では、アノードガスケット224およびカソードガスケット226は、MEAの活性面積に沿って、二重シールを形成してもよい。したがって、より一般的には、アノードガスケット224およびカソードガスケット226は、電気化学スタック内の1つまたはそれを上回るMEAとシール係合を形成し、電極スタック内の流動を隔離し、したがって、加圧された水素が、電気化学スタックから流出する水および酸素の流動と不注意に混合し、燃焼性水素-酸素混合物を
図1Aおよび1Bに示されるシステム100内に生成し得る、尤度を低減させ得ることを理解されたい。
【0052】
基板222は、導電性、熱伝導性であって、使用の間、基板222のカソード側230に沿って流動する水素の高圧に耐えるために好適な強度を有する、種々の異なるタイプの材料のうちの任意の1つまたはそれを上回るものから形成されてもよい。したがって、例えば、基板222は、少なくとも部分的に、可塑化された黒鉛または炭素複合材のうちの1つまたはそれを上回るものから形成されてもよい。さらに、または代わりに、基板222は、有利なこととして、基板222のアノード側228上の水への長期暴露に耐えるために好適な1つまたはそれを上回る材料から形成されることができる。故に、いくつかの事例では、基板222のアノード側228は、導電性である、酸化阻害剤コーティングを含んでもよく、その実施例は、チタン、酸化チタン、窒化チタン、またはそれらの組み合わせを含む。酸化阻害剤は、概して、電気化学スタック200の動作の間、少なくとも、水に暴露される、基板222のアノード側228のそれらの部分に沿って、延在してもよい。すなわち、酸化阻害剤は、少なくとも、基板222のアノード側228上のアノードガスケット224の内側のアノード流動場234に沿って、延在してもよい。いくつかの実装では、酸化物阻害剤は、複数のアノードポート(すなわち、水ライザ開口部)232に沿って延在してもよく、これは、基板222のアノード側228からカソード側230まで延在する。酸化阻害剤はまた、アノードプレナム235内に位置してもよく、これは、アノード部分232を基板222のアノード側上のアノード流動場234に接続する。
【0053】
カソードリングシール237が、
図2Bに示されるように、基板のアノード側228上の各カソードポート(すなわち、水素ライザ開口部)238の周囲に位置してもよい。カソードリングシール237は、水素が基板222のアノード側228上のアノード流動場234の中に漏出しないように防止する。対照的に、アノードリングシール233が、基板222のカソード側230上の各1つまたはそれを上回るアノードポート232の周囲に位置してもよい。例えば、
図2Cに示されるように、2つのアノードポート232は、共通アノードリングシール233によって囲繞され、水が基板222のカソード側上のカソード流動場240の中に流動しないように防止する。
【0054】
アノード流動場234は、精製された水を
図2Aに示される構成における第2のMEA202のアノード210bに沿って均一に分散させるために有用であり得るように、液体(例えば、精製された水)を複数のアノードポート232のうちの少なくともいくつか間に指向するように配向される、流動チャネル236によって分離される、複数の直線および/または湾曲リブ235を含む。アノードガスケット224は、基板222のアノード側228に沿って、アノード流動場234および複数のアノードポート232を取り囲み、アノード210bに沿って移動する、精製された水の移動を限定してもよい。すなわち、基板222のアノード側228は、アノードチャネル236がその間に位置するように、アノードガスケット224を介して、第2のMEA202のアノード210bとシール係合されてもよい。電気化学スタック200の外部の源(例えば、
図1Bに示される水回路114のポンプ122等)によって提供される、圧力下、第1の流体コネクタ110aから提供される液体は、アノードチャネル236に沿って流動し、複数のアノードポート232の1つの事例から、複数のアノードポート232の別の事例に、第2のMEA202のアノード210bを横断して指向され、液体(例えば、残りの水および酸素)は、電気化学スタック200から外に、別の第1の流体コネクタ110bを通して、指向されてもよい。
【0055】
加えて、基板222は、それぞれ、基板222のアノード側228からカソード側230まで延在する、複数のカソードポート(すなわち、水素ライザ開口部)238を含んでもよい。基板222のカソード側230は、カソード流動場240を含んでもよい。カソード流動場240は、
図2Aに示される構成における第1のMEA201のカソード212aに沿って形成される、加圧された水素を指向するために有用であり得るように、直接ガス(例えば、水素)を複数のカソードポート238に向かって指向するように配向される、カソード流動チャネル242によって分離される、複数の直線および/または湾曲リブ241を含む。カソードプレナム239が、個別のカソードポート238とカソード流動場240との間に位置してもよい。カソードガスケット226は、基板222のカソード側230に沿って、カソード流動場240、カソードプレナム239、および複数のカソードポート238を取り囲み、カソード212aに沿って、加圧された水素の移動を限定してもよい。例えば、基板222のカソード側230は、カソード流動チャネル242が、第1のMEA201のカソード212aと基板222のカソード側230との間に画定されるように、カソードガスケット226を介して、第1のMEA201のカソード212aとシール係合されてもよい。カソード212aに沿って形成される水素の圧力は、カソードチャネル242の少なくとも一部に沿って、カソード入口ポートと反対の対角線上に位置する、カソードポート238に向かって、水素を移動させてもよい。加圧された水素は、
図1Bに示されるように、カソードポート238から外に、かつ電気化学スタック200から外に、第2の流体コネクタ112を通して流動し、水素回路116によって処理され得る。
【0056】
基板222のアノード側228上のアノードガスケット224および基板222のカソード側230上のカソードガスケット226は、異なる形状を有してもよい(
図2Bおよび2Cに示されるように)。例えば、アノードガスケット224は、基板222のアノード側228上の複数のアノードポート232と複数のカソードポート238との間に延在してもよい。換言すると、アノードガスケット224は、アノードポート232およびアノード流動場234を一方の側方側上で囲繞するが、カソード部分238をその取り囲まれた面積外に残す。配設された位置では、したがって、アノードガスケット224は、アノード流動をカソード流動から流体的に隔離し得る。
【0057】
対照的に、基板222のカソード側230上のカソードガスケット226は、複数のアノードポート232と複数のカソードポート238との間に延在しない。換言すると、カソードガスケット226は、アノードポート232と、カソード部分238と、カソード流動場240とを囲繞する。代わりに、アノードリングシール233は、アノード部分232を基板222のカソード側230上のカソードポート238およびカソード流動場240から隔離する。
【0058】
1つの構成では、アノード流動場234およびカソード流動場240は、基板222の反対側上にあるにもかかわらず、同一形状を有し、第1のMEA201および第2のMEA202に沿って同一活性面積を提供してもよい。したがって、総合的に、アノードガスケット224とカソードガスケット226との間の形状の差異は、アノードリングシールの位置付けならびにアノード流動場234およびカソード流動場240の同一形状とともに、異なるシールされた面積をもたらし得ることを理解されたい。これらの異なるシールされた面積は、相互に相補的であって、アノードチャネル236に沿った精製された水のより低い圧力の流動をカソードチャネル242に沿って流動する加圧された水素から流体的に隔離しながら、それにもかかわらず、各流動が、電気化学スタック200を通して移動し、最終的には、異なるチャネルに沿って、電気化学スタック200から流出することを可能にすることを促進する。
【0059】
ある実装では、カソード流動場240は、カソード流動場240の最小境界長方形が正方形であるように成形されてもよい。本文脈において使用されるように、用語「最小境界長方形」は、カソード流動場240の最大xおよびy寸法によって画定された最小長方形であると理解されるものとする。複数のカソードポート238は、基板222あたり2つのカソードポートを含んでもよく、これは、最小境界長方形に対して相互の対角線上の反対角内(例えば、最小境界長方形内)に位置する。他の2つの対角線上の反対角は、カソードポート238を欠いている。その中に最小境界長方形が正方形である、事例では、最小境界長方形に対するカソードポート238の対角線位置付けは、含有される内部水素圧力に対する強度のための基板222の材料の大きな余裕を残しながら、カソード流動場240全体に沿って、加圧された水素の流動を対角線上に促進し得る。代替として、基板222は、長方形であってもよい。複数のカソードポート238は、複数のカソードポート238のそれぞれのものが、複数のカソードポート238の個別のものと基板222の最も近い縁との間の基板222の材料によって良好に補強されるように、基板222の縁から離れるように位置付けられる。
【0060】
カソードチャネル242に沿った加圧された水素の流動と、アノードチャネル236に沿った水および酸素の流動との間の大圧力差を前提として、電気化学スタック200は、アノードチャネル236内と、随意に、第2のMEA202のアノード210bのアノード電極と基板222のアノード側228(例えば、アノードリブ235)との間とに配置される、アノード流体拡散層を含んでもよい。アノード流体拡散層246の多孔性材料は、概して、構造的支持を基板222のアノード側228上に提供し、基板222の反対側上の圧力差から生じ得る、圧潰に抵抗しながら、アノードチャネル236を通した流動制限の実質的増加を伴わずに、アノードチャネル236を通した水および酸素の流動を可能にし得る。明確な例証の目的のために、多孔性材料246は、1つのみのアノードチャネル236に沿って示される。しかしながら、多孔性材料246は、ある実装では、アノードチャネル236の全ての内側に配置されてもよいことを理解されたい。
【0061】
付加的、または代替安全措置として、電気化学スタック200は、
図2Aに示されるように、第1のMEA201、第2のMEA202、バイポーラプレート204、第1の端部プレート206、および第2の端部プレート208を中心として配置される、筐体248を含んでもよい。より具体的には、筐体248は、故障事象(例えば、加圧された水素の力下での故障および/または不注意による水素含有混合物の爆発から結果として生じる故障)の場合に吐出された状態になり得る、1つまたはそれを上回る材料の力を吸収するために有用な1つまたはそれを上回る材料から形成されてもよい。実施例として、筐体248は、金属またはアラミド(例えば、Kevlar(R))ファイバのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。
【0062】
電気化学スタック200の種々の特徴が説明されたので、ここで、水と電気とを入力として用いて、加圧された水素を形成する、電気化学スタック200の動作の説明に注意を向ける。特に、
図2Aに示されるように、電場E(すなわち、電圧)が、電気化学スタック200を横断して(すなわち、端部プレート206と208との間に)、
図1Bに示される電源150から印加されてもよい。バイポーラプレート204は、電解が、第1のMEA201および第2のMEA202において生じ、陽子交換膜214aおよび陽子交換膜214bを通して生じる陽子交換を除き、より低い圧力の水および酸素から流体的に隔離されて維持される、加圧された水素の流動を形成し得るように、第1のMEA201および第2のMEA202を直列に相互と電気的に接続してもよい。
【0063】
(例えば、
図1Bに示される水回路114からの)精製された水は、
図1Bに示されるように、電気化学モジュール102の第1の流体コネクタ110aを介して、電気化学スタック200の中に導入されてもよい。電気化学スタック200内では、精製された水は、他の構成要素の中でもとりわけ、バイポーラプレート204を通して延在する、取込チャネル216に沿って流動し、精製された水を第1のMEA201のアノード210aおよび第2のMEA202のアノード210bに指向し得る。第1のMEA201のアノード210aおよびカソード212aを横断して印加される電場Eを用いることで、精製された水は、アノード210aに沿って、陽子(H
+)および酸素に分解し得る。陽子(H
+)は、アノード210aからカソード212aに、陽子交換膜214aを通して移動し得る。Atカソード212aでは、陽子(H
+)は、相互に組み合わせられ、カソード212aに沿って、加圧された水素を形成し得る。類似プロセスを通して、加圧された水素はまた、第2のMEA202のカソード212bに沿って形成されてもよい。第1のMEA201および第2のMEA202のそれぞれによって形成される加圧された水素の流動は、相互に組み合わせられ、他の構成要素の中でもとりわけ、バイポーラプレート204を通して延在する、2つの水素排気チャネル218を介して、電気化学スタック200から外に流動し、最終的には、加圧された水素を、電気化学モジュール102の第2の流体コネクタ112から外に、処理のために(
図1Bに示され、上記に議論されるように)、水素回路116に向かって指向し得る。アノード210aおよびアノード210bに沿った酸素および水の流動は、相互に組み合わせられ、電気化学スタック200から外に、他の構成要素の中でもとりわけ、端部プレート206を通して延在する、出口アノードポート232および出口チャネル220を介して流動し、水および酸素の本流れを、電気化学モジュール102の第1の流体コネクタ110bから外に、処理のために(
図1Bに示され、上記に議論されるように)、水回路114に向かって指向し得る。
【0064】
上記に議論されるように、バイポーラプレート204は、第1のMEA201のカソード212aおよび第2のMEAのアノード210bとシール係合され、第1のMEA201のカソード212aに沿って形成される加圧された水素を、第2のMEA202のアノード210bに沿って流動する、水および酸素と別個に保つことを促進し得る。本分離は、電気化学スタック200からの加圧された水素の漏出の尤度を低減させるために有用であって、したがって、電解を通して、産業規模の水素の量を安全に生産することに対して、(
図1Aおよび1Bに示される)システム100のモジュール性の任意の1つまたはそれを上回る側面に加え、またはその代わりに、有用であり得る。加えて、または代替として、下記の
図3Aおよび3Bに関してより詳細に説明されるように、バイポーラプレート204によって促進されるシールされた係合は、
図1Aに示されるキャビネット104の近傍における水の溢流のより低い尤度を伴って、電気化学モジュール102の撤去を促進し得る(例えば、電気化学スタック200修理、保守、および/または交換するために)。
【0065】
ここで
図3Aおよび3Bを参照すると、電気化学モジュール102は、界面305に沿って、相互に解放可能に固着可能であって(例えば、クランプ、ボルト、またはそれらの組み合わせを使用して)、配設、保守、および/または修理を促進する、液体管理区分302と、ガス管理区分304とを含んでもよい。例えば、ガス管理区分304は、第1の流体コネクタ110a、bにおける水接続を解除する必要なく、液体管理区分302から可撤性であってもよい。水接続の除去を要求する配設と比較して、ガス管理区分304を液体管理区分302から除去する能力は、配設、保守、および/または修理に関連する機械的動作を実施するために要求される時間を低減させ得る。さらに、または代わりに、水接続は、無傷のままであり得るため、
図1Aに示されるキャビネット104の周囲の水の不注意による分散は、可能性がより低い。
【0066】
一般に、液体管理区分302は、個別の入口および出口水マニホールド306a、bに流動的に接続される、複数の第1の流体コネクタ110a、bを含んでもよい。複数の第1の流体コネクタ110a、bのそれぞれのものは、個別のマニホールド306a、bと流体連通してもよい。ひいては、マニホールド306a、bは、ガス管理区分304に固着可能であって、第1の流体コネクタ110aおよび液体接続310aを介して、精製された水をガス管理区分304に送達し、第1の流体コネクタ110bおよび液体接続310bを介して、水および酸素のアノード流出を受容する、個別の液体接続310a、310b(例えば、Oリングおよび/または管)を含んでもよい。マニホールド306a、bは、中空プラスチックまたは金属ボックスを備えてもよい。液体管理区分302は、脚部308または台座型支持体等の支持体を含んでもよい。
【0067】
ステンレス鋼プレート等の随意のセパレータプレート309が、個別の液体接続310a、310bが、セパレータプレートを通して延在するように、液体管理区分302の上部上に位置してもよい。例えば、個別の液体接続310a、310bは、個別のOリングによって囲繞されるセパレータプレート309内に孔を備えてもよい。
【0068】
ここで
図2Aおよび
図3Aおよび3Bを参照すると、電気化学モジュール102のガス管理区分304は、電気化学スタック200と、コレクタプレート312と、第2の流体コネクタ112とを含んでもよい。したがって、換言すると、液体管理区分302およびガス管理区分304は、低圧水接続110a、bに沿って、相互に分離可能であり得る一方、電気化学モジュール102から外の加圧された水素の流動と関連付けられる、高圧接続112は、妨害される必要はなく、したがって、高圧接続を繰り返し接続解除および再確立することと関連付けられる、故障モードは、電気化学モジュール102内に存在しない。コレクタプレート312は、コネクタ110a、bおよび112の方向と垂直に(例えば、
図3Aにおけるページから外に)配向されてもよい。
【0069】
上記のシステム、デバイス、方法、プロセス、および同等物は、ハードウェア、ソフトウェア、または本明細書に説明される、制御、データ入手、およびデータ処理のために好適なこれらの任意の組み合わせにおいて実現されてもよい。ハードウェアは、汎用コンピュータおよび/または専用コンピューティングデバイスを含んでもよい。これは、内部および/または外部メモリとともに、1つまたはそれを上回るマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、内蔵マイクロコントローラ、プログラマブルデジタル信号プロセッサまたは他のプログラマブルデバイスまたは処理回路内における実現を含む。これはまた、または代わりに、1つまたはそれを上回る特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイ論理構成要素、または電子信号を処理するように構成され得る、任意の他のデバイスまたはデバイスを含んでもよい。さらに、上記に説明されるプロセスまたはデバイスの実現は、記憶、コンパイル、または解釈され、前述のデバイス、ならびにプロセッサ、プロセッサアーキテクチャ、または異なるハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせの異種組み合わせのうちの1つ上で起動され得る、C等の構造化されたプログラミング言語、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、または任意の他の高レベルまたは低レベルプログラミング言語(アセンブリ言語、ハードウェア記述言語、およびデータベースプログラミング言語および技術を含む)を使用して生成されたコンピュータ実行可能コードを含んでもよいことを理解されたい。同時に、処理は、上記に説明される種々のシステム等のデバイスを横断して分散されてもよい、または機能性は全て、専用独立型デバイスの中に統合されてもよい。全てのそのような順列および組み合わせは、本開示の範囲内にあると意図される。
【0070】
本明細書に開示される実施形態は、1つまたはそれを上回るコンピューティングデバイス上で実行すると、上記に説明される制御システムのステップの任意および/または全てを実施する、コンピュータ実行可能コードまたはコンピュータ使用可能コードを備える、コンピュータプログラム生産物を含んでもよい。コードは、非一過性方式において、コンピュータメモリ内に記憶されてもよく、これは、プログラムが実行するメモリ(プロセッサと関連付けられるランダムアクセスメモリ等)、またはディスクドライブ、フラッシュメモリまたは任意の他の光学、電磁、磁気、赤外線または他のデバイスまたはデバイスの組み合わせ等の記憶デバイスであってもよい。別の側面では、上記に説明される制御システムのいずれかは、コンピュータ実行可能コードを搬送する任意の好適な伝送または伝搬媒体および/またはそこへの任意の入力またはそこからの出力において具現化されてもよい。
【0071】
本明細書に説明される実装の方法ステップは、異なる意味が明示的に提供される、または別様に文脈から明白にならない限り、そのような方法ステップを以下の請求項の特許性と一貫して実施させる任意の好適な方法を含むことが意図される。したがって、例えば、Xのステップを実施することは、遠隔ユーザ、遠隔処理リソース(例えば、サーバまたはクラウドコンピュータ)、または機械等の別の当事者に、Xのステップを実施させるための任意の好適な方法を含む。同様に、ステップX、Y、およびZを実施することは、そのような他の個人またはリソースの任意の組み合わせに、ステップX、Y、およびZを実施させ、そのようなステップの利点を取得するように指示または制御する任意の方法を含んでもよい。したがって、本明細書に説明される実装の方法ステップは、1つまたはそれを上回る他の当事者またはエンティティに、異なる意味が明示的に提供される、または別様に文脈から明白にならない限り、以下の請求項の特許性と一貫してステップを実施させる任意の好適な方法を含むことが意図される。そのような当事者またはエンティティは、任意の他の当事者またはエンティティの指示または制御下にある必要はなく、特定の管轄権内に位置する必要もない。
【0072】
上記に説明されるデバイス、システム、および方法は、一例として記載され、限定ではないことを理解されたい。多数の変形例、追加、省略、および他の修正は、当業者に明白となるであろう。加えて、上記の説明および図面における方法ステップの順序または提示は、特定の順序が明示的に要求される、または別様に文脈から明白にならない限り、列挙されるステップを実施する本順序を要求することを意図するものではない。したがって、特定の実施形態が、図示および説明されたが、形態および詳細における種々の変更および修正が、本開示の範囲から逸脱することなくその中に行われてもよいことが、当業者に明白となるであろう。
【国際調査報告】