(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】集積アンテナアレイ及び低損失多層インターポーザを有するアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20230118BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
H01L27/04 A
H01L27/04 L
H01L23/12 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022518630
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 US2020055294
(87)【国際公開番号】W WO2021076459
(87)【国際公開日】2021-04-22
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100196449
【氏名又は名称】湯澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】フランソン、スティーブン、ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ルーナ、ジョセフ、ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AZ04
5F038CA03
5F038CA15
5F038EZ20
(57)【要約】
【解決手段】 本開示は、アンテナアレイを形成する複数のアンテナ要素を備える放射層と、各々がビーム形成回路を有する複数のタイルを含む半導体ウェハと、多層インターポーザと、を含むアンテナ装置である。多層インターポーザは、基板に隣接する下部誘電体層と、放射層に隣接する上部誘電体層と、下部層と上部層との間の金属層であって、複数の導電性トレースを含む、金属層と、上部層及び下部層の両方を通って延在し、ビーム形成回路を複数のアンテナ要素に電気的に結合する複数の第1のビアと、ビーム形成回路と導電性トレースとの間に延在してタイルを相互接続する複数の第2のビアと、含み得る。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナアレイを形成する複数のアンテナ要素を備える放射層と、
各々がビーム形成回路を有する複数のタイルを備える半導体ウェハと、
多層インターポーザと、を備えるアンテナ装置であって、前記多層インターポーザは、
前記ウェハに隣接する下部誘電体層、
前記放射層に隣接する上部誘電体層、
前記下部誘電体層と前記上部誘電体層との間にある金属層であって、複数の導電性トレースを備える金属層、
前記上部誘電体層及び前記下部誘電体層の両方を通って延在し、前記ビーム形成回路を前記複数のアンテナ要素に電気的に接続する複数の第1のビア、及び
前記ビーム形成回路と前記導電性トレースとの間に延在して、前記複数のタイルを相互接続する複数の第2のビア、を備える、アンテナ装置。
【請求項2】
前記ウェハは、前記複数のタイルを互いに分離するソーストリートを更に備える、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記複数のタイルの各々は、同一のレチクル生成画像を通して形成された同一の回路構成を有する、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記第1のビアは、各々、グランド-信号-グランド(GSG)ビア遷移の信号ビアであり、前記信号ビアは、前記信号ビアの一方の側部にある第1のグランドビア、及び前記信号ビアの他方の側部にある第2のグランドビアを更に備える、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記多層インターポーザは、前記第1の誘電体層、前記第2の誘電体層、前記ウェハと前記下部誘電体層との間の下部グランド平面、及び前記上部誘電体層と前記放射層との間の上部グランド平面を備えるストリップライン構造を有し、前記上部グランド平面は、前記アンテナ要素のためのグランド平面として機能し、
前記第1及び第2のグランドビアは、一方の端部で前記ウェハ上のそれぞれの第1及び第2のグランド接点にそれぞれ接続され、反対側の端部で各々前記上部グランド平面に接続されている、請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記第2のビアは各々、ビア遷移の信号ビアであり、前記ビア遷移の信号ビアは、前記ウェハの第3のグランド接点を前記上部グランド平面に接続するグランドビア、及び前記ウェハの第4のグランド接点を前記下部グランド平面に接続するグランド-グランド接続を更に含む、請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記金属層の前記導電性トレースは、合成器/分配器ネットワークの一部であり、前記合成器/分配器ネットワークは、前記インターポーザの入力/出力(I/O)接続点で受信された無線周波数(RF)送信信号を、前記合成器/分配器ネットワークのそれぞれのエンドポイントにある前記第2のビアのうちのそれぞれの1つを使用して、前記ビーム形成回路のうちの1つ以上に各々ルーティングされる複数の分配されたRF送信信号に分配する、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記RF送信信号は、前記インターポーザ内で更なるビアを使用して、前記ウェハ上の接続点から前記I/O接続点で受信される、請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記分配された送信信号の各々は、前記合成器/分配器ネットワークの前記それぞれのエンドポイントで前記複数のタイルのそれぞれのタイルにルーティングされ、
前記それぞれのタイルは、前記それぞれのエンドポイントに電気的に接続されたウェハ上の合成器/分配器を更に備え、前記ウェハ上の合成器/分配器は、前記分配された信号を少なくとも2つの更に分配された信号に更に分配し、各更に分配された信号を前記それぞれのタイルの前記ビーム形成回路のうちのそれぞれの1つにルーティングする、請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記複数の導電性トレースは、合成器/分配器ネットワークを形成し、前記複数のタイルのうちの少なくとも1つは、中間増幅器を含み、前記中間増幅器は、前記インターポーザ内の別のビアを通して、前記合成器/分配器ネットワークの中間点から/に、前記合成器/分配器ネットワークによってルーティングされた送信信号又は受信信号を増幅し、かつ前記増幅された送信又は受信信号を、更なるビアを通して前記合成器/分配器に戻すように出力する、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記複数の導電性トレースは、合成器/分配器ネットワークを形成し、前記複数のタイルの各々は、前記インターポーザ内の別のビアを通して、前記合成器/分配器のそれぞれの中間点への入力側で接続可能な中間増幅器、及び前記合成器/分配器の別のそれぞれの中間点に更なるビアを通して接続可能な出力側を含み、各中間増幅器は、前記合成器/分配器ネットワークによってルーティングされた送信信号又は受信信号を選択的に増幅するように構成されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記複数の導電性トレースは、前記アンテナ要素によって受信されかつ前記ビーム形成回路によって調整された複数の無線周波数(RF)受信信号を、前記ウェハ上の接続点まで前記インターポーザ内の更なるビアを使用して、合成されたRF受信信号出力に合成する合成器/分配器ネットワークを形成する、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記第1のビア又は前記第2のビアのうちのそれぞれの1つを前記ウェハに各々電気的に接続する複数のはんだバンプを更に備える、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記ウェハは、前記多層インターポーザに直接ボンディングされている、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記放射層は、前記インターポーザ上で成長し、前記アンテナ要素を支持する空気誘電体材料を含む、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項16】
前記アンテナ要素は、前記第1のビアのうちの1つに電気的に接続されたプローブフィードによって各々駆動されるパッチアンテナ要素である、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項17】
アンテナアレイを形成する複数のアンテナ要素を備える放射層と、
複数の無線周波数(RF)ビーム形成回路を備える半導体ウェハであって、前記複数の無線周波数(RF)ビーム形成回路の各々が、前記半導体ウェハ内に内部形成されたトランジスタ領域を有し、各ビーム形成回路が、少なくとも1つの位相シフタ、並びに送信経路増幅器及び受信経路増幅器のうちの少なくとも1つを含む、半導体ウェハと、
多層インターポーザと、を備えるアンテナ装置であって、前記多層インターポーザは、
基板に隣接する下部誘電体層、
前記放射層に隣接する上部誘電体層、
前記下部層と前記上部層との間にある金属層であって、前記複数のRFビーム形成回路と前記インターポーザの入力/出力接続点との間で信号を合成及び/又は分配する合成器/分配器ネットワークを形成する複数の導電性トレースを含む金属層、
前記上部層及び前記下部層の両方を通って延在し、前記複数のRFビーム形成回路を前記複数のアンテナ要素に電気的に接続する複数の第1のビア、及び
前記RFビーム形成回路と前記導電性トレースとの間に延在する複数の第2のビア、を備え、
前記第2のビアのうちのいくつかは、前記RFビーム形成回路を通して前記アンテナ要素を前記合成器/分配器ネットワークと相互接続し、
前記ウェハは、少なくとも1つの中間増幅器を含み、前記中間増幅器は、前記合成器/分配器ネットワークの中間点から/に、前記第2のビアのうちの別の1つを通してルーティングされた送信信号又は受信信号を増幅し、かつ前記第2のビアのうちの更なる1つを通して、前記増幅された送信又は受信信号を、前記合成器/分配器ネットワークに戻すように出力する、アンテナ装置。
【請求項18】
前記多層インターポーザは、前記第1の誘電体層、前記第2の誘電体層、前記ウェハと前記下部誘電体層との間の下部グランド平面、及び前記上部誘電体層と前記放射層との間の上部グランド平面を備えるストリップライン構造を有し、前記上部グランド平面は、前記アンテナ要素のためのグランド平面として機能する、請求項17に記載のアンテナ装置。
【請求項19】
前記合成器/分配器ネットワークは、前記合成器/分配器ネットワークのそれぞれのエンドポイントで、送信信号を複数の分配された送信信号に分配し、
前記分配された送信信号の各々は、前記エンドポイントのうちのそれぞれの1つで前記ウェハにルーティングされ、
前記ウェハは、各々が前記エンドポイントのうちの1つにそれぞれ電気的に接続された複数のウェハ上の合成器/分配器を更に備え、前記ウェハ上の合成器/分配器は、前記分配された送信信号を少なくとも2つの更に分配された信号に更に分配し、各更に分配された信号を前記RFビーム形成回路のうちのそれぞれの1つにルーティングする、請求項17に記載のアンテナ装置。
【請求項20】
前記送信経路増幅器及び前記受信経路増幅器の各々は、ミリメートル波増幅器である、請求項17に記載のアンテナ装置。
【請求項21】
前記多層インターポーザは、石英又は溶融シリカから構成されている、請求項17に記載のアンテナ装置。
【請求項22】
アンテナ装置を製造する方法であって、
半導体ウェハの複数の領域の各々に同一のレチクル画像を順次適用し、それにより、各領域内にそれぞれのタイルを形成する工程であって、各タイルは、前記ウェハ内にイオン注入されたトランジスタ領域及び前記ウェハの表面上に金属配線パターンを有する無線周波数(RF)ビーム形成回路を備える、工程と、
インターポーザを前記ウェハに取り付ける工程であって、前記インターポーザは、前記ウェハに隣接する下部誘電体層、上部誘電体層、及び前記下部誘電体層と前記上部誘電体層との間の金属層を備え、かつ複数の導電性トレース、前記上部層及び前記下部層の両方を通って延在する複数の第1のビア、及び前記インターポーザの下部表面と前記金属層との間に延在して、前記複数のタイルを相互接続する複数の第2のビアを備える、工程と、
複数のアンテナ要素を含む放射層を、前記アンテナ要素が前記複数の第1のビアを通して前記RFビーム形成回路に電気的に接続されるように、前記インターポーザの上部表面に取り付ける工程と、を含む方法。
【請求項23】
前記放射層を前記インターポーザの上部表面に前記取り付け工程は、
前記インターポーザ上に空気誘電体材料を成長させることと、
第1の端部で電気的に接続された前記成長した空気誘電体材料内のプローブフィードビアを前記第1のビアのうちのそれぞれの1つに形成することと、
前記プローブフィードビアの反対側の端部に電気的に接続された前記空気誘電体材料の上又は中に前記アンテナ要素を形成することと、を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ウェハにインターポーザを前記工程は、前記インターポーザの前記下部表面及び/又は前記ウェハに複数のはんだバンプを取り付け、前記複数のはんだバンプの反対側に、前記ウェハ及び前記インターポーザの各々の電気接点をはんだ付けすることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
基板にインターポーザを前記取り付けることは、直接結合インターフェース結合法を使用して、前記インターポーザの前記下部表面を前記ウェハの主要な表面に直接取り付けることを含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、アンテナに関し、より具体的には、ビーム形成回路と統合されたアンテナアレイのコンパクトな構成に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
アンテナアレイは、現在、航空機、衛星、車両、一般的な陸上通信用の基地局を含む、マイクロ波及びミリメートル波周波数の様々な用途において展開される。このようなアンテナアレイは、典型的には、ビームを方向付けするためのフェーズドアレイを形成するために、位相シフトビーム形成回路を用いて駆動されるパッチ放射要素を含む。多くの場合、アンテナアレイ及びビーム形成回路を含むアンテナシステム全体が、必要な性能メトリックを満たす一方で、低プロファイルの最小空間しか占有しないことが望ましい。特に、高ミリメートル波周波数では、波長及び構成要素の寸法/間隔が非常に小さいため、望ましくないリアクタンスと損失を制限するという課題が存在する。
【0003】
本開示の技術の一態様では、アンテナ装置は、アンテナアレイを形成する複数のアンテナ要素を含む放射層と、各々がビーム形成回路を有する複数のタイルを含む半導体ウェハと、多層インターポーザと、を含む。多層インターポーザは、ウェハに隣接する下部誘電体層と、放射層に隣接する上部誘電体層と、下部誘電体層と上部誘電体層との間の金属層であって、複数の導電性トレースを含む金属層と、上部誘電体層及び下部誘電体層の両方を通って延在し、ビーム形成回路を複数のアンテナ要素に電気的に接続する複数の第1のビアと、ビーム形成回路と導電性トレースとの間に延在して、タイルを相互接続する複数の第2のビアと、を含み得る。
【0004】
別の態様では、アンテナ装置は、アンテナアレイを形成する複数のアンテナ要素を有する放射層と、半導体ウェハ内に内部形成されたトランジスタ領域を各々有する複数のRFビーム形成回路を含む半導体ウェハであって、各ビーム形成回路が少なくとも1つの位相シフタ並びに送信経路増幅器及び/又は受信経路増幅器を有する、半導体ウェハと、多層インターポーザと、を含む。多層インターポーザは、基板に隣接する下部誘電体層と、放射層に隣接する上部誘電体層と、下部層と上部層との間にある金属層であって、複数のRFビーム形成回路とインターポーザの入力/出力接続点との間で信号を合成及び/又は分配する合成器/分配器ネットワークを形成する複数の導電性トレースを含む金属層と、上部層及び下部層の両方を通って延在し、複数のRFビーム形成回路を複数のアンテナ要素に電気的に接続する複数の第1のビアと、を含む。複数の第2のビアは、RFビーム形成回路と導電性トレースとの間に延在し、そのいくつかは、RFビーム形成回路を通して、アンテナ要素を合成器/分配器ネットワークと相互接続する。ウェハは、少なくとも1つの中間増幅器を更に含み、この中間増幅器は、第2のビアのうちの別の1つからルーティングされた送信信号又は受信信号を、合成器/分配器ネットワークの中間点から/に増幅し、かつ増幅された送信又は受信信号を、第2のビアのうちの更なる1つを通して合成器/分配器ネットワークに戻すように出力する。
【0005】
別の態様では、アンテナ装置を製造する方法は、半導体ウェハの複数の領域の各々に同一のレチクル画像を順次適用し、それにより、各領域内にそれぞれのタイルを形成することであって、各タイルは、ウェハ内にイオン注入されたトランジスタ領域及びウェハの表面上に金属配線パターンを有するRFビーム形成回路を含む、ことと、インターポーザをウェハに取り付けることと、を含む。インターポーザは、ウェハに隣接する下部誘電体層と、上部誘電体層と、下部誘電体層と上部誘電体層との間にある金属層であって、複数の導電性トレースを含む金属層と、上部層及び下部層の両方を通って延在する複数の第1のビアと、インターポーザの下部表面と金属層との間に延在して、複数のタイルを相互接続する複数の第2のビアと、を含む。複数のアンテナ要素を含む放射層は、インターポーザの上部表面上に取り付けられるか、又は形成され、その結果、アンテナ要素は、複数の第1のビアを通してRFビーム形成回路に電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
開示された技術の上記及び他の態様及び特徴は、同様の参照符号が同様の素子又は特徴を示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。同じ又は類似のタイプの様々な要素は、参照ラベルにダッシュ及び同じ/類似の要素の間で区別する第2のラベルを付け足すか(例えば、-1、-2)、又は参照ラベルに第2のラベルを直接付け足すことによって区別され得る。しかしながら、所与の説明が第1の参照ラベルのみを使用する場合、第2のラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する同じ/類似の要素のうちのいずれか1つに適用可能である。要素及び特徴は、図面の縮尺に描かれていない場合がある。
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態による、例示的なアンテナ装置の分解斜視図である。
【0008】
【
図2】
図2は、断面図で図示された、組み立てられた状態の
図1のアンテナ装置の例示的な構成を例解する。
【0009】
【
図3】
図3は、断面図で図示された、組み立てられた状態のアンテナ装置の別の例示的な構成を例解する。
【0010】
【
図4】
図4は、ウェハ上の例示的なタイル配置及びアンテナ装置のタイル構成を例解する。
【0011】
【
図5】
図5は、レチクルを使用して、アンテナ装置のウェハのタイルがどのように形成され得るかを概略的に例解する。
【0012】
【
図6】
図6は、ウェハ上の連続するタイルの例示的なレイアウトを図示する。
【0013】
【
図7A】
図7Aは、一実施形態による、アンテナ装置における共通タイルのサブ回路と信号ルーティングとの間の例示的な接続構成を例解する。
【0014】
【0015】
【
図8】
図8は、一実施形態による、アンテナ装置における異なるタイルのサブ回路と信号ルーティングとの間の例示的な接続構成を例解する。
【0016】
【
図9】
図9は、一実施形態による、信号ルーティング例を有する例示的なタイルレイアウトを例解する。
【0017】
【
図10】
図10は、一実施形態による、アンテナ装置を形成するための例示的な方法のフロー図である。
【0018】
【
図11】
図11は、アンテナ装置のインターポーザを形成するための例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、添付の図面を参照して、例示目的のために本明細書に開示される技術の特定の例示的実施形態の包括的な理解を支援するために提供される。本明細書は、技術を理解する当業者を支援するための様々な具体的な詳細を含むが、これらの詳細は単なる例示であるとみなされるべきである。簡潔さ及び明瞭さのために、周知の機能及び構造の説明は、当業者が技術を理解することを不明瞭にし得る場合には、周知の機能及び構造の説明を省略することができる。
【0020】
本明細書では、基板は、回路が(例えば、トランジスタ又は埋め込まれた導体のドープされた領域として)、基板内に部分的にのみ形成され得る場合でも、回路を「含む」、又は「内部に形成された回路を含む」など、と言われ得る。回路を含むと言われる基板はまた、基板の表面上に部分的に形成された導電性要素を有し得る。
【0021】
本明細書では、「ビーム形成回路」は、アンテナビームの形成に寄与する任意の回路であり得る。ビーム形成回路は、1つ以上の能動構成要素及び/又は1つ以上の受動構成要素から構成され得る。能動構成要素の例としては、増幅器、位相シフタ、及びスイッチが挙げられ、受動構成要素の例としては、フィルタ、及び送信線の部分が挙げられる。複数の相互接続されたビーム形成回路は、ともに、アンテナアレイに接続されたRFフロントエンドを形成し得る。
【0022】
本明細書では、「ビア遷移」という用語は、少なくとも1つのビアを含む2つ以上の接続の組を意味し、一組の接続は、一方の送信線又は送信機構から別の送信線又は機構への遷移を集合的に行う。ビア遷移は、アンテナ要素に接続されたプローブフィードへの同一平面導波管(CPW、coplanar waveguide)、マイクロストリップ又はストリップの間のグランド-信号-グランド(GSG、ground-signal-ground)接続の3つのビアの組であり得る。ビア遷移はまた、ストリップ線へのCPW又はマイクロストリップ間のGSG接続であり得、この場合、GSG接続は、2つのビア及びグランド-グランド接続を含む。更に他の例では、1つの層においてマイクロストリップ又はCPWを別の層内のマイクロストリップに接続するビア遷移は、1つのビア及び1つの直接接続を有することができる。
【0023】
図1は、一実施形態による、アンテナ装置10の分解斜視図である。アンテナ装置10は、放射層20、ウェハ40、及び放射層20とウェハ40との間にある多層インターポーザ30を含む。放射層20のアンテナ要素22は、インターポーザ30を通してウェハ40内のビーム形成回路に接続される。ウェハ40は、シリコン、シリコンゲルマニウム(SiGe)、炭化ケイ素(SiC)、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、又はリン化インジウム(InP)などの半導体材料から構成される。インターポーザ30は、石英又は溶融シリカなどのウェハ40よりも低い損失接線を有する材料から構成され得る。インターポーザ30は、ウェハ40内の接続点の間、又はウェハ40とアンテナ要素22との間でRF信号の低損失ルーティング及び分配/合成を提供する。一実施例では、アンテナ装置10は、30GHz~300GHz範囲内の帯域として一般的に定義される、ミリメートル(mm)波周波数帯域にわたる動作のために構成される。他の例では、アンテナ装置10は、約1GHz~30GHzのマイクロ波範囲内で、又は1GHzを下回るサブマイクロ波範囲内で動作する。本明細書では、無線周波数(RF、radio frequency)信号は、1GHz~300GHzを下回るいずれかの周波数を有する信号を意味する。
【0024】
放射層20は、誘電体25の上部表面上に形成されたアンテナアレイ23を画定する「n」個のアンテナ要素22-1~22-nを含み得る。アンテナ要素22の数n、それらのタイプ、サイズ、形状、要素間間隔、及びそれらがビーム形成回路から供給される様式は、目標とする性能メトリックを実現するために設計によって変更され得る。このような性能メトリックの例としては、必要な周波数帯域にわたるビーム幅、指向方向、偏波、サイドローブ、電力損失、ビーム形状などが挙げられる。アンテナ要素22は、
図1に例解されるようなマイクロストリップパッチアンテナ要素であり得、若しくはプリントダイポール又はスロット付き要素などの他のラジエータタイプであってもよい。用途に応じて、アンテナ要素22は、RF信号を送信及び/又は受信するためのビーム形成構成要素に接続され得る。アンテナ要素22-1~22-nのビーム形成回路への接続は、それぞれ、誘電体25内に形成され、かつインターポーザ30内の他のビアに接続するプローブフィード27-1~27-nを通してもよい。誘電体25は、インターポーザ30にわたり層ごとに原子的に成長させることができる空気/ハニカム材料などの低損失材料であり得る。追加の例として、液晶ポリマー又は石英などの他の材料が使用されてもよい。
【0025】
インターポーザ30は、石英又は溶融シリカなどの低損失誘電材料を含み得る。一実施形態では、インターポーザ30は、ストリップライン構造を有し、この場合、インターポーザ30は、上部誘電体層33の上部表面上に形成され、かつアンテナ要素22のためのストリップライン及びグランド平面に対する両方の上部グランド平面として機能する上部金属層36と、下部誘電体層31の底部表面上に形成された下部金属層(下部グランド平面)39と、ストリップライン構造の中心導体を形成するための上部誘電体層33と下部誘電体層31との間の金属(導電性)層37と、を有する。金属層39、37、及び36の各々は、薄膜金属層であり得る。上部金属層36は、中に開口部を有し、それを通してプローブフィード27がビア72sの上端部に接続され、かつグランド平面から分離される。下部金属層39はまた、開口部を有し、それを通してビア72s及び82sの下端部が貫通する。ビア72sは、プローブフィード27をウェハ40上の接続点に接続する。ビア72sは、以下で考察されるそれぞれのGSGビア遷移72の各部分である。ビア82sは、層37の中心導体の点をウェハ40上の他の接続点に接続するブラインドビアである。ビア82sは、以下でまた説明するそれぞれのビア遷移82の各部分である。金属層37は、各々がRF信号をルーティングする複数の相互接続された導電性トレースを有する合成器/分配器ネットワーク35を形成するために、パターン化される。合成器/分配器ネットワーク35は、アンテナ要素22から/への更なるルーティングのために、入力/出力(I/O)接続点p4とウェハ40上の接続点との間で伝搬するRF信号を合成及び/又は分配する。例えば、送信方向において、合成器/分配器ネットワーク35は、複数の分配された信号経路の間にあるI/O点p4で入力送信信号を分配するための分配器として機能し、その結果、対応する複数の分配された送信信号は、35e1及び35e2などのネットワークエンドポイント35eに提供される。受信方向において、合成器/分配器ネットワーク35は、エンドポイント35eで受信された受信信号を、I/O点p4で出力される複合受信信号に合成するための合成器として機能する。
【0026】
他の実施形態では、インターポーザ30は、マイクロストリップ構造を有し、この場合、下部グランド平面39は、マイクロストリップ送信線の導体を形成するパターン化された金属層と置換され得る。この場合、中央金属層37は、省略することができ、上部グランド平面36は、マイクロストリップグランド平面及びアンテナ要素22のためのグランド平面の両方として機能し得る。更に他の実施形態では、同一平面導波管(CPW)送信線が、インターポーザ30内で使用され、その場合、下部グランド平面39は、CPW導体と置換され、中央金属層37は、省略してもよく、上部グランド平面36が残る。更に別の実施形態では、中央金属層37は、インターポーザ30のマイクロストリップ送信線の導体を形成するようにパターン化され、下部グランド平面39は、マイクロストリップ送信線のグランドである。この場合、ビア82sは、マイクロストリップ導体をウェハ40内の信号線に接続し、直接グランド-グランド接続が、グランド平面39とウェハ40のグランドとの間で行われ得る。別の例では、中央金属層37は、CPWであり、3つのビアは、CPWとCPWとの間のGSG接続、又はウェハ40内のマイクロストリップに使用される。
【0027】
ウェハ40は、単一のRF入力/出力ポート(例えば、p4)とアンテナアレイ23との間のすべての能動ビーム形成回路が含まれる半導体基板の例である。このアプローチは、ビーム形成回路を有する個々のチップが基板に取り付けられている従来の構成とは異なる。一実施形態では、ウェハ40は、アンテナアレイ23のものとほぼ等しいフォームファクタを有することによって、「アレイサイズ」基板であると言われる。例えば、アンテナアレイ23は、数十、数百、又は千個以上のアンテナ要素22から構成され得、インターポーザ30を通して単一のウェハ40のビーム形成回路にすべてが接続される。ウェハ40は、内部に形成された数「k」個の「タイル」42-1~42-kを含み得、各タイル42は、タイル42-1内に含まれる「w」個のサブ回路48-1~48-wなどの1つ以上のサブ回路48(互換的に「ビーム形成回路」)を含む。本明細書では、タイルとは、単一の領域(以下、「タイル領域」)に適用されたレチクルベースの画像を使用してウェハ内に形成された回路を意味する。(レチクルを使用したタイル形成の例は、
図5に関連して以下に説明される。)一実施形態では、すべてのタイル42は、同じ全体的な回路構成、サブ回路48の数、及び物理的レイアウトを有する同一の設計である。他の実施形態では、タイル42のいくつかは、互いに異なる。「ソーストリート」55は、隣接するタイル42の間に存在し、これは、金属配線が存在しないウェハ40上の分離領域である。相互接続が、インターポーザ30内に提供され、隣接するタイル42を、ソーストリート55を横切って接続することができる。例えば、合成器/分配器35の導電性トレースは、ビア遷移82と併せて、ウェハ40の異なるタイルのサブ回路48を効果的に相互接続するというような相互接続として機能し得る。タイル42を、ソーストリート55を横切って相互接続するためのかかるインターポーザ相互接続に関連して、多くのビーム形成回路48は、個々のチップのダイシング及び再取り付けなしで単一のウェハ40内に一体的に形成され、それによって、製造プロセスを容易にすることができる。更に、合成器/分配器ネットワークに別途割り当てられたウェハの実際の状態は、他の回路又は目的のために使用することができる。
【0028】
ここで大規模アンテナアレイの他の例では、複数のウェハ40が並んで配置されて、マルチウェハサブアセンブリを形成し、単一のインターポーザ30が複数のウェハ40にボンディングされて、多数のアンテナ要素をマルチウェハサブアセンブリ上に分散されたビーム形成回路に相互接続することに留意されたい。
【0029】
任意のサブ回路48は、ウェハ40内に内部形成されたイオン注入トランジスタ領域を有するビーム形成回路を含み得る。ビーム形成回路は、送信経路増幅器、送信経路位相シフタ、バンドパスフィルタ、受信経路低雑音増幅器(LNA、low noise amplifier)、受信経路位相シフタ、送信/受信(T/R、transmit / receive)スイッチ、及び/若しくは「ウェハ上の」合成器/分配器、又はそれらの部分などのフロントエンドビーム形成構成要素を含む。任意のサブ回路48は、ウェハからダイシングされ、基板に再度取り付けられた個々のチップに伝統的に組み込まれ得るビーム形成回路を有する「チップユニット」として称され得る。本技術では、ウェハからチップをダイシングすること及びそれらを基板に再度取り付けることなく、単一のウェハ40内に多くのサブ回路48を形成することによって、アンテナ装置10を形成するための製造プロセスが合理化される。更に、個々のチップを基板に接続するためのワイヤボンディングのような相互接続が回避され、それにより、インダクタンスが低減し、信頼性が改善される。
【0030】
任意のサブ回路48は、それぞれの1つ以上のビア72sを通して1つ以上のアンテナ要素22に電気的に接続され得る。例えば、タイル42-1のサブ回路48-1は、アンテナ要素22-1のためのプローブフィード27-1の接続点p2に、ビア72sを通して(ビア遷移72の一部)接続される接続点p1を有し得る。一実施形態では、合成器/分配器35のうちのいくつか又はすべてのエンドポイント35eは、それぞれのビア82sを通して、「ウェハ上の」合成器/分配器49に接続しており、同様にして、2つ以上のサブ回路48に/から信号をルーティングする。例えば、エンドポイント35e1は、第1のビア82sを通して合成器/分配器49の接続点p3に接続しており、一方、エンドポイント35e2は、第2のビア82sから別の合成器/分配器49(図示せず)に接続している。送信信号を分配するために、かかるウェハ上の合成器/分配器49は、入力経路で送信信号を受信し、その信号を、各々がそれぞれのサブ回路48に接続された複数の出力経路に分配する。往復合成動作が、受信経路信号のために実施され得る。他の実施形態では、合成器/分配器49は省略され、すべてのエンドポイント35eは、ビア82sを通して、それぞれのサブ回路48に直接接続される。
【0031】
一実施形態では、いくつか又はすべてのタイル42は、中間増幅器として機能する少なくとも1つのサブ回路65を含む。サブ回路65は、合成器/分配器35の中間点(エンドポイント35e以外)から/に、ビア82sを通してルーティングされた送信信号又は受信信号を増幅し、次いで増幅された信号を別のビア82sを通して別の中間点で合成器/分配器35に戻るように出力/再ルーティングする。
【0032】
図2は、断面図で図示された、組み立てられた状態のアンテナ装置10の一部分の例示的な構成を例解する。(アンテナ装置10内の相互接続及び動作信号の流れの詳細な例は、
図6~
図9に関連して以下に説明されることに留意されたい。)この例では、ウェハ40は、インターポーザ30の下部金属層39とウェハ40の上部表面41との間に接続された多数のはんだボール(又は銅ピラー)59を通してインターポーザ30に電気的及び機械的に接続している。例えば、大きいアンテナアレイ23の場合、はんだボール59は、数千の数であり得る。インターポーザ30は、上部層33の上部表面上に電気めっきすることによって形成され得る薄膜金属層36を更に含む。放射層20は、金属層36の上の誘電体25の空気/ハニカム誘電体材料の複数の層を原子的に成長させることによって金属層36にボンディングされ得る。代替的に、誘電体25のプレカットスラブが、直接結合相互接続(DBI、direct bond interconnect)結合、熱圧縮結合、又は他の好適なプロセスを通して、金属層36に融合される。融合方法が使用される場合、金属層36は、代替的に、インターポーザ30の上部表面の代わりに誘電体25の下部表面上に最初に形成することができる。
【0033】
図2の例は、同じタイル42の一部である2つのサブ回路48-1及び48-2、並びに同じタイル又は異なるタイル42の一部であり得るサブ回路65を図示する。放射層20は、プローブフィード27-1、27-2に接続され、各々が、同様にビア72sに接続するアンテナ要素22-1、22-2を含む。この実施例は、GSG接続の一部を形成する3つのビアの組:「信号ビア」72s、第1の「グランドビア」72g1、及び第2のグランドビア72g2、として実現されたビア遷移72を例解する。信号ビア72sは、一端部でプローブフィード27-1に接続され、反対側の端部ではんだボール59を通してサブ回路48-1の「信号接点」51sに接続される。信号接点51sは、第1のグランド接点51g1及びその反対側の側面の第2のグランド接点51g2とともに、一組のGSG接点51を形成する。第1及び第2のグランドビア72g1、72g2は、それぞれのはんだボール59を通して一端部で、それぞれ第1及び第2のグランド接点51g1、51g2に接続し、並びに反対側の端部で、グランド平面36に接続する。ストリップライン構成では、ビア遷移82は、ウェハ40内の送信線インターフェースのタイプに応じて、CPWへのストリップラインとして、マイクロストリップへのストリップラインとして、又はストリップライン遷移へのストリップラインとして機能し得る。いずれの場合においても、各ビア遷移82は、層37内の中心導体と信号接点51sとの間に接続された信号ビア82s(ブラインドビア)と、グランド平面36とグランド接点51g1との間に接続されたグランドビア82g1と、グランド接点51g2と下部グランド平面39との間の(はんだボール59を通る)隣接する接続部と、を含み得る。このようにして、信号エネルギーは、インターポーザ30のストリップラインと、CPW、マイクロストリップ又はウェハ40のストリップラインインターフェースとの間を自由に流れる。本明細書では、信号ビア72sは、「第1のビア」の例であり、信号ビア82sは、「第2のビア」の例である。
【0034】
各サブ回路48は、増幅器52及び位相シフタ54などの1つ以上のビーム形成構成要素を含む。異なるタイル42のサブ回路48は、合成器/分配器35に接続しているビア82sによって効果的に相互接続される。任意のサブ回路48は、制御線47上の制御信号又はバイアス信号CNTを受信して、内部の1つ以上の能動構成要素を制御し得る。制御線47は、ウェハ40の底部表面44上の入力端子を通して外部構成要素に接続し得る。サブ回路48のビーム形成構成要素は、合成器/分配器35から受信された送信信号を、ウェハ上の合成器/分配器49を通して変換(例えば、増幅、位相シフト、及び/又はフィルタリング)し、かつ変換された送信信号をそれぞれのアンテナ要素22に出力し得る。往復動作を、T/Rスイッチ(図示せず)及び/又は回路を使用して受信経路方向に行うことができ、完全二重又は他の送信-受信分離スキームを実現する。合成器/分配器49がCPWとして実装される場合、CPWの導体又はマイクロストリップ導体は、例解されるようにウェハ40の表面41上に形成しておいてもよい。はんだボール59は、ウェハ40及びインターポーザ30の両側の表面間に間隙77を作り出すのに十分な直径を有するため、間隙77は、グランド平面39がCPW又はマイクロストリップ導体によって搬送される信号に短絡又は悪影響を与えることを防止するのに十分であり得る。
【0035】
いくつかの例では、サブ回路48は、変換された送信信号(例えば、増幅器52によって出力される)を分配し、2つ以上のアンテナ要素22を供給する分配器(図示せず)を更に含み得る。かかる分配器は、受信方向において往復合成動作を実行し得る。
【0036】
図2の例では、合成器/分配器35は、金属層37レベルで分けられ、ビア遷移82を通して、サブ回路65の送信増幅器62にルーティングされる入力信号経路35aを有する。次いで、増幅器62によって出力される増幅された送信信号は、別のビア遷移82を通して合成器/分配器35に戻るようにルーティングされる。例えば、入力信号経路35が比較的長く、損失が大きい場合、増幅器62は、送信信号の大きさを望ましいレベルに修復し得る。受信方向において、受信経路増幅器(図示せず)を、サブ回路65内に同様に配備することができる。この場合、T/Rスイッチ又は他の分離回路を、送信信号及び受信信号を分離するためにサブ回路65内に含むことができる。I/O点p4は、入力送信信号を受信し、及び/又はインターポーザ30の側部表面に取り付けられたコネクタ(図示せず)を通して受信信号を出力し得る。別の例では、I/Oコネクタ(図示せず)が、ウェハ40の底部表面44に取り付けられる。この場合、I/O点p4は、別のビア遷移82を通してI/Oコネクタに接続し得る。後者のビア遷移82は、ウェハ40内のビアの上端部、又はウェハ40内の同軸フィードスルーに対応する接続点でウェハ40に接続し得る。ウェハ40内のビア又はフィードスルーの下端部は、底部表面44でI/Oコネクタに接続し得る。
【0037】
概して、同じタイル又は異なるタイルのサブ回路48は、インターポーザ30の相互接続経路を通してルーティングされたRF信号及び/又は制御信号のために互いに接続され得る。サブ回路48間の相互接続経路は、82sなどのブラインドビア、及び/又はインターポーザ30内の異なるレベル(図示せず)における別の金属層を使用することによって、金属層37で形成され得る。
図2のサブ回路48-1及び48-2が代替的に、異なるタイル42のサブ回路である場合、ソーストリート領域55は、タイル42間に存在する。ソーストリート領域55内のウェハ40の上部表面41に金属配線が適用されないため、サブ回路48間の「タイル間」は、このような層37を通るインターポーザ30を通して接続することができる。
【0038】
図3は、組み立てられた状態のアンテナ装置10の別の例示的な構成を例解する。この構成は、はんだボール59を省略し、代わりに、例えばDBIボンディング法により、インターポーザ30とウェハ40との間に直接ボンディングを形成する点で
図2の構成とは異なる。これにより、インターポーザ30のビア遷移72、82をウェハ40の金属接点51に直接ボンディングすることに成る。大型のアンテナアレイでは、このアプローチは、数千のはんだボール59を排除し、それにより、アンテナ装置10の信頼性を改善する。グランド平面39と表面41上の導電性要素(例えば、表面41上のCPW又はマイクロストリップ内部導体)との間の短絡を回避するために、分離層を、ウェハ表面41上又はその近くの任意の導体の上に堆積することができる。
【0039】
図4は、ウェハ上の例示的なタイル配置及びアンテナ装置10の例示的なタイル構成を例解する。挙げられたように、タイルは、本明細書では「タイル領域」と称される、特定の物理的表面に適用されたレチクルベースの画像を使用して、ウェハ内に形成された回路を意味する。例解されるように、ディスク形状のウェハ40は、行及び列で形成されたタイル42を有し得、隣接するタイル42間にソーストリート55を有する。しかしながら、タイル42は、従来の設計とは異なり、ソーストリート55に沿ってウェハから切断されない。42-1などのタイルは、サブ回路48-1~48-wのグリッドレイアウトを含み得る(そのうちの1つ以上は、先に考察されたサブ回路65であり得る)。いくつかの例では、完全な長方形又は正方形のタイル42のみが、ウェハ40の一部として形成され、ウェハ40のいくつかの周辺表面積が未使用のままである。他の例では、追加のサブ回路は、ウェハの円形の外周で形成され得る。
【0040】
図5は、レチクルを使用してウェハ40のタイルがどのように形成され得るかを概略的に例解する。レチクル90は、(すでにウェハ上に堆積された)フィルム又はマスクをパターン化して、加工のために領域を露出させ、最終的には多くのプロセス工程後に完全な回路を形成する、フォトリソグラフィ画像91を生成するツールである。画像91は、典型的には、ウェハ40の直径の一部分のみに限定されるスパン「d」を有する。典型的には、スパンdは、目標解像度でウェハ40の表面に回路画像を生成するために、ウェハ40の直径の半分未満である。いくつかの場合では、レチクル90を横方向にステップし、同じ画像91で照射を繰り返すことによって、同一の画像が、ウェハ40にわたるタイル領域で生成され得る。(他の例では、異なる画像が、同じ処理フェーズの一部として、ウェハ40の異なるそれぞれの領域内において使用することができる。)それゆえ、
図5では、第1の露光工程の一部として、レチクル90は、最初に第1の画像91を製造して、タイル42-iに対して第1の露光を生成する。次いで、レチクル90は、経路93によって例解されるように横方向に並進され、第1の画像と典型的に同じである第2の画像91を製造して、第2のタイル42-(i+1)に対して第1の露光を生成する。プロセスは、ウェハ40のすべてのタイル領域に対して繰り返され得る。次いで、ドーピングトランジスタ領域のためのイオン注入、又は第1の金属配線層を堆積させるための電気めっきなどの第1の処理工程は、すべてのタイル領域に対してウェハ40上で同時に実施され得る。次に、別のマスク又はフィルムが、ウェハ40の表面上に堆積され得、レチクル90は、再び制御されて、第2の処理工程に対応するタイル領域露光のためにタイル領域の第2のラウンドを開始し得、すべての処理工程が完了するまで、続く。全体的なプロセスでは、隣接するタイル間のソーストリート55が形成され、これは、従来、ウェハからのダイスタイル又は個々のチップに使用された、金属のない分離領域である。本実施形態では、タイル42間のダイシングは実施されず、それにより、多くのタイル42が内部で形成された状態の連続基板としてウェハ40を製造する。
【0041】
図6は、一例による、アンテナ装置10のウェハ40上の連続するタイルの例示的なレイアウトを図示する。タイル42-i、42-(i+1)、及び42-(i+2)は、隣接するタイル間にソーストリート55を有するウェハ40の所与の行内に配置される。各タイル42は、複数の相互接続されたサブ回路48-1~48-wを有してもよく、これは、従来のデバイスを形成するために、領域66に沿って(及びソーストリート55に沿って)ウェハからダイシングされて、基板に再度取り付けられ得る、個々のチップを形成し得る。本実施形態では、チップは、ダイシングされず、42-iなどの各タイルは、49-1及び49-2などの複数のウェハ上の合成器/分配器を有し得る。
【0042】
図7Aは、インターポーザ30を使用して相互接続された、
図6の42-iなどの同じタイル内のサブ回路48の間の例示的な接続及び信号の流れを概略的に例解する。
図7Bは、この実施例の機能ブロック図である。送信方向において、サブ回路48-jから出力されたRF信号は、インターポーザ30内の合成器/分配器35の経路35cと35dとの間に分配される。分配された信号は、それぞれの経路722、724を通して(例えば、ビア遷移82)ウェハ40に戻るように再ルーティングされ、これは、それぞれ、点p6及び点p7においてウェハ上の分配器49-1、49-2に接続する。ウェハ上の分配器49-1、49-2は、各々複数の経路の間で信号を再度分配し、これらの分配された信号は、それぞれ、隣接するサブ回路対(48-(j-2)、48-(j-1))及び(48-(j+1)、48-(j+2))に提供される。各サブ回路48は、経路713によって図示されるように、入力信号を変換し、インターポーザ30を通して変換された信号をアンテナ要素22に出力し得る。往復信号流量は、受信方向において発生し得る。
【0043】
図8は、一実施形態による、異なるタイルのサブ回路とアンテナ装置10内のタイルにわたる信号ルーティングとの間の例示的な接続構成を概略的に例解する。送信方向において、タイル42-(i+1)のサブ回路48-Pが起源であるRF信号は、インターポーザ30を通して出力され、合成器/分配器35の経路35fと35gとの間で分配される。経路35fは、ソーストリート55にわたって横断し、ビア遷移82を通して隣接するタイル42-iのウェハ上の分配器49-uに接続する。経路35gは、タイル42-(i+1)にわたって横断し、別のビア遷移82を通してウェハ上の分配器49-vに接続する。ウェハ上の分配器49-u、49-vは、変換のために隣接するサブ回路48間で再度信号を分配し、アンテナアレイ23に出力する。往復信号は、受信方向に流れることができる。
【0044】
図9は、アンテナ装置10の一実施形態による信号ルーティング例とともに、例示的なタイルレイアウトを例解する。この実施例では、ウェハ40は、60のタイル42-1~42-60のグリッドレイアウトを含み、1つのタイルが、正方形プロファイルの各角部から省略されている。42-j(j=1~60の任意の数)などの各タイルは、同一の設計を有し、かつRF前端部回路を有するサブ回路48-1~48-16、及び中間増幅を提供するための中間増幅器62を有する別のサブ回路65(以下、単に「増幅器65」)を含み得る。各サブ回路48は、ビア遷移72を通してそれぞれのアンテナ要素22に接続するために、上記で説明したような一組の接点51を含み得る。
図9の太い線は、インターポーザ30内の例示的な合成器/分配器35の経路を表す。ウェハ40の集中した縁部付近のインターポーザ30内に位置付けられたRF I/O接続点p4は、入力経路35aに接続する。入力経路35aは、インターポーザ30の集中点p8に延在し、そこで左側及び右側タイル42に供給するために分配される。送信経路の実施例では、送信信号は、合成器/分配器35から各側部上のタイル42の増幅器65-1にビア遷移82によって再ルーティングされる。そこで、上部象限及び下部象限のタイルに向かう点p9における更なる分配のために、別のビア遷移82によって、合成器/分配器35に増幅及びルーティングされる。下流で、合成器/分配器35による更なる分配、及び65-2などの増幅器による増幅は、必要に応じて、又は所望により発生して、分配された送信信号を適切なレベルに修復し得る。
【0045】
タイル42-jの拡大図で見られるように、タイル42-jに対応する送信信号は、インターポーザ30から、ビア遷移82を通して中間増幅器65にルーティングされ、かつ増幅され得る。増幅された出力は、合成器/分配器35まで最大戻るようにルーティングされ得、2つの経路に分配され得、そのうちの1つは、エンドポイント35ejで終端し得る。そこで、別のビア遷移82が、信号をウェハ上の合成器/分配器49-jに戻すようにルーティングし得る。この例では、合成器/分配器49-jは、アンテナ要素22を通る送信のためにそれぞれのサブ回路48-1~48-16に接続された16の終端点を有する、1:16の電力分配器/合成器である。往復動作は、アンテナ要素22からの受信経路で発生し得る。同一の1つ以上の増幅器65が、各タイル42内に提供され得るが、いくつかの増幅器65は、能動的に使用され得、一方で他の増幅器は、未使用(非接続及び/又はオフ)であることに留意されたい。どの増幅器65を使用するかの選択、及び変数増幅のためにそれらを付勢する方法は、タイル42の全体的なレイアウト及びアンテナアレイ23の開口部にわたる目標電界(アンテナ電流)分布に依存し得る。例えば、均一な電界分布を設計する代わりに、外部アンテナ要素が、より少ないRF電力を供給して、下部サイドローブを有する目標アンテナパターンを実現し得る。
【0046】
図10は、ストリップライン構造を備えるインターポーザを有するアンテナ装置10を形成する例示的な方法のフロー図である。方法の様々なプロセス工程の順序は、所望により変更され得る。ウェハ40は、
図5に関して上記で説明したように、レチクルを使用して、複数のタイルで形成される(S102)。ストリップライン構造を備えるインターポーザ30が形成され(S104)、インターポーザは、上部及び下部グランド平面、並びにビア(例えば、ブラインドビア82s、及びインターポーザの下部表面と上部表面との間に完全に延在する「完全なビア」82g1、72s、72g1、72g2)を含む。
【0047】
ウェハは、先に説明されたはんだボール接続スキーム(
図2)又は直接取り付け方法(
図3)のいずれかを使用して、インターポーザの下部グランド平面に取り付けられる(S106)。放射層20の誘電体層は、上部グランド平面の上で成長し得る(S108)。誘電体層の材料は、層ごとに原子的に成長した空気/ハニカム材料であり得る。一度誘電体層が完了すると、アンテナ要素が、誘電体層の上に形成され得、プローブフィードビアが、誘電体層を通して形成され得(S110)、それにより、アンテナ装置10の製造を完了する。プローブフィードビアは、一方の端部上でアンテナ要素の金属配線に接続し、反対側の端部上で、インターポーザ信号ビア72sの上部金属配線に接続する。
【0048】
図11は、
図10の方法のインターポーザを形成するための例示的なプロセス工程のフロー図であり、プロセスS104の一実施例を表す。この方法の様々なプロセス工程の順序は、所望により変更され得る。インターポーザの下部誘電体層が、提供される(S112)。下部誘電体層の上部表面は、合成器/分配器35を形成するためにパターンで、金属配線される(S114)、及び下部誘電体層の底部表面は、信号ビア72s及び82sのための開口部を有する下部グランド平面39を形成するためにパターンで金属配線される。開口部は、信号ビアの下部グランド平面への短絡を防止する。それゆえ、各信号ビア72s及び82sの領域において、金属配線パターンは、金属が除去された分離リングによって囲まれ、同様にして、グランド平面金属によって取り囲まれている、中央金属ディスク又はビアパッドのための正方形で形成され得る。
【0049】
合成器/分配器35の点に接続された、ビア遷移82のブラインドビア82sが、形成され得る(S116)。次いで、ストリップラインの上部誘電体層は、下部基板の金属配線された上部表面上に形成されるか、又は取り付けられ得る(S118)。誘電体層の上部表面は、プローブフィードビアと信号ビア72sとの間の分離された接続を可能にするために、同様の開口部を有する上部グランド平面を形成するためのパターンで金属配線され得る。次いで、ビア遷移72及びビア遷移82の完全なビア82g1のために穿孔され得、穴は、金属で充填されて、ビアの形成を完了し(S120)、それにより、インターポーザ30の製造が完了する。
【0050】
上記で説明されるようなアンテナ装置の実施形態は、従来の設計と比較して、低いプロファイルで形成され、かつ優れた性能(例えば、より低い損失及びより高い周波数動作)を実現し得る。更に、構造は、促進された製造プロセスに適している。ビアを有するインターポーザを提供して、ソーストリート分離領域にわたってレチクル画像ベースのタイルを相互接続することにより、多数のビーム形成回路が、単一のウェハ内で内部形成され得る。それによって、ビームフォーミング回路を備えたアレイサイズのウェハは、ダイシング及び個々のチップを基板に再取り付けする必要なく、製造され得る。更に、合成器/分配器ネットワークに別途割り当てられたウェハ内の領域は、他の目的のために解放され得る。
【0051】
本明細書に記載の技術は、その例示的な実施形態を参照して特に示され説明されているが、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される特許請求の範囲に記載の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることが当業者には理解されよう。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナアレイを形成する複数のアンテナ要素(22)を備える放射層(20)と、
ビーム形成回路(48)を各々有する複数のタイル(42)を備える半導体ウェハ(40)と、
多層インターポーザ(30)であって、
前記ウェハに隣接する下部誘電体層(31)と、
前記放射層に隣接する上部誘電体層(33)と、
前記下部誘電体層と上部誘電体層との間にある金属層(37)であって、複数の導電性トレース(35)を備える金属層(37)と、
前記上部誘電体層及び下部誘電体層の両方を通って延在し、前記ビーム形成回路を前記複数のアンテナ要素に電気的に接続する複数の第1のビア(72)と、
前記ビーム形成回路と前記導電性トレースとの間に延在して、前記複数のタイルを相互接続する複数の第2のビア(82)と、を備える多層インターポーザと、を備えるアンテナ装置(10)であって
前記複数のタイルの各々は、同一のレチクル生成画像(91)によって形成された同一の回路構成を有する、アンテナ装置(10)。
【請求項2】
前記ウェハは、前記複数のタイルを互いに分離するソーストリート(55)を更に備える、請求項1に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項3】
前記第1のビアは各々、グランド-信号-グランド(GSG)ビア遷移の信号ビア(72s)であり、前記信号ビアの一方の側部に第1のグランドビア(72g1)を備え、前記信号ビアの他方の側部に第2のグランドビア(72g2)を更に備える、請求項1に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項4】
前記多層インターポーザ(30)は、前記第1の誘電体層、前記第2の誘電体層、前記ウェハと前記下部誘電体層との間の下部グランド平面(39)、及び前記上部誘電体層と前記放射層との間の上部グランド平面(36)を備えるストリップライン構造を有し、前記上部グランド平面は、前記アンテナ要素のためのグランド平面として機能し、
前記第1及び第2のグランドビアは、一方の端部で前記ウェハ上のそれぞれの第1及び第2のグランド接点(51g1、51g2)にそれぞれ接続されており、かつ反対側の端部で前記上部グランド平面にそれぞれ接続されている、請求項3に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項5】
前記第2のビア(82s)は、各々、ビア遷移の信号ビアであり、前記ウェハの第3のグランド接点を前記上部グランド平面に接続するグランドビア(82g1)、及び前記ウェハの第4のグランド接点を前記下部グランド平面に接続するグランド-グランド接続を更に含む、請求項4に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項6】
前記金属層の前記導電性トレースは、合成器/分配器ネットワーク(35)の一部であり、前記合成器/分配器ネットワークは、前記インターポーザの入力/出力(I/O)接続点(P4)で受信された無線周波数(RF)送信信号を、前記合成器/分配器ネットワークのそれぞれのエンドポイント(35e)にある前記第2のビアのうちのそれぞれ1つを使用して、前記ビーム形成回路のうちの1つ以上に各々ルーティングされた複数の分配されたRF送信信号に分配する、請求項1に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項7】
前記RF送信信号は、前記インターポーザ内で更なるビア(82)を使用して、前記ウェハ上の接続点から前記I/O接続点で受信される、請求項6に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項8】
前記分配された送信信号の各々は、前記合成器/分配器ネットワークの前記それぞれのエンドポイントで前記複数のタイルのそれぞれのタイルにルーティングされ、
前記それぞれのタイルは、ウェハ上の合成器/分配器を更に備え、前記ウェハ上の合成器/分配器は、前記それぞれのエンドポイントに電気的に接続されており、前記分配された信号を少なくとも2つの更に分配された信号に更に分配し、各更なる分配信号を前記それぞれのタイルの前記ビーム形成回路のうちのそれぞれ1つにルーティングする、請求項6に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項9】
前記複数の導電性トレースは、合成器/分配器ネットワーク(35)を形成し、前記複数のタイルのうちの少なくとも1つは、中間増幅器を含み、前記中間増幅器は、前記インターポーザ内の別のビアを通して、前記合成器/分配器ネットワークの中間点から/への、前記合成器/分配器ネットワークによってルーティングされた送信信号又は受信信号を増幅し、かつ前記増幅された送信又は受信信号を、更なるビア(82)を通して前記合成器/分配器に戻すように出力する、請求項1に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項10】
前記複数の導電性トレースは、合成器/分配器ネットワーク(35)を形成し、前記複数のタイルの各々は、中間増幅器(65)を含み、前記中間増幅器は、入力側で前記インターポーザ内の別のビア(82)を通して、前記合成器/分配器のそれぞれの中間点に接続可能であり、かつ出力側で更なるビアを通して、前記合成器/分配器の別のそれぞれの中間点に接続可能であり、各中間増幅器は、前記合成器/分配器ネットワークによってルーティングされた送信信号又は受信信号を選択的に増幅するように構成されている、請求項1に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項11】
前記複数の導電性トレースは、合成器/分配器ネットワーク(35)を形成し、前記合成器/分配器ネットワークは、前記アンテナ要素によって受信されかつ前記ビーム形成回路によって調整された複数の無線周波数(RF)受信信号を、前記ウェハ上の接続点に至る前記インターポーザ内の更なるビアを使用して、合成されたRF受信信号出力に合成する、請求項1に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項12】
前記第1のビア又は前記第2のビアのうちのそれぞれ1つを前記ウェハに各々電気的に接続する複数のはんだバンプ(59)を更に備える、請求項1に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項13】
前記ウェハは、前記多層インターポーザに直接ボンディングされている、請求項1に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項14】
前記放射層は、前記インターポーザ上で成長し、前記アンテナ要素を支持する空気誘電体材料を含む、請求項1に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項15】
前記アンテナ要素は、前記第1のビアのうちの1つに電気的に接続されたプローブフィード(27)によって各々駆動されるパッチアンテナ要素である、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項16】
アンテナアレイを形成する複数のアンテナ要素(22)を備える放射層(20)と、
複数の無線周波数(RF)ビーム形成回路(48)を備える半導体ウェハ(40)であって、前記複数の無線周波数(RF)ビーム形成回路は各々が、前記半導体ウェハ内に内部形成されたトランジスタ領域を有し、各ビーム形成回路は、少なくとも1つの位相シフタ(54)、並びに送信経路増幅器(52)及び受信経路増幅器(52)のうちの少なくとも1つを含む、半導体ウェハ(40)と、
多層インターポーザ(30)であって、
前記基板に隣接する下部誘電体層(31)と、
前記放射層に隣接する上部誘電体層(33)と、
前記下部層と上部層との間にある金属層(37)であって、前記複数のRFビーム形成回路と前記インターポーザの入力/出力接続点(P4)との間で信号を合成及び/又は分配する合成器/分配器ネットワーク(35)を形成する複数の導電性トレースを含む金属層(37)と、
前記上部層及び下部層の両方を通って延在し、前記複数のRFビーム形成回路を前記複数のアンテナ要素に電気的に接続する複数の第1のビア(72)と、
前記RFビーム形成回路と前記導電性トレースとの間に延在する複数の第2のビア(82)であって、前記第2のビアのうちのいくつかが、前記RFビーム形成回路を通して前記アンテナ要素を前記合成器/分配器ネットワークと相互接続する、複数の第2のビア(82)と、を備える多層インターポーザ(30)と、を備えるアンテナ装置(10)であって、
前記ウェハは、少なくとも1つの中間増幅器(62)を含み、前記中間増幅器は、前記合成器/分配器ネットワークの中間点から/に、前記第2のビアのうちの別の1つを通してルーティングされた送信信号又は受信信号を増幅し、かつ前記第2のビアのうちの更なる1つを通して、前記増幅された送信又は受信信号を、前記合成器/分配器ネットワークに戻すように出力する、アンテナ装置(10)。
【請求項17】
前記多層インターポーザは、ストリップライン構造を有し、前記ストリップライン構造は、前記第1の誘電体層、前記第2の誘電体層、前記ウェハと前記下部誘電体層との間の下部グランド平面(39)、及び前記上部誘電体層と前記放射層との間の上部グランド平面(36)を備え、前記上部グランド平面は、前記アンテナ要素のためのグランド平面として機能する、請求項16に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項18】
前記合成器/分配器ネットワークは、前記合成器/分配器ネットワークのそれぞれのエンドポイントで、送信信号を複数の分配送信信号に分配し、
前記分配された送信信号の各々が、前記エンドポイントのうちのそれぞれ1つで前記ウェハにルーティングされ、
前記ウェハは、ウェハ上の複数の合成器/分配器(49)を更に備え、前記複数の合成器/分配器の各々は、前記エンドポイントのうちの1つにそれぞれ電気的に接続されており、前記分配された送信信号を、少なくとも2つの更なる分配信号に更に分配し、各更なる分配信号を前記RFビーム形成回路のうちのそれぞれ1つにルーティングする、請求項16に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項19】
前記送信経路増幅器及び前記受信経路増幅器の各々は、ミリメートル波増幅器である、請求項16に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項20】
前記多層インターポーザは、石英又は溶融シリカから構成されている、請求項16に記載のアンテナ装置(10)。
【請求項21】
アンテナ装置(10)を製造する方法であって、
半導体ウェハ(40)の複数の領域の各々に同一のレチクル画像(91)を順次適用し、それにより、各領域内のそれぞれのタイル(42)を形成する工程であって、各タイルは、前記ウェハ内にイオン注入されたトランジスタ領域及び前記ウェハの表面上に金属配線パターンを有する無線周波数(RF)ビーム形成回路(48)を備える、工程と(S102)、
インターポーザ(30)を前記ウェハに取り付ける工程(S104、S106)であって、前記インターポーザは、前記ウェハに隣接する下部誘電体層と、上部誘電体層と、前記下部誘電体層と前記上部誘電体層との間の金属層と、を含み、複数の導電性トレースと、前記上部層及び下部層の両方を通って延在する複数の第1のビアと、前記インターポーザの下部表面と前記金属層との間に延在して、前記複数のタイルを相互接続する複数の第2のビアと、を備える、工程(S104、S106)と、
複数のアンテナ要素を含む放射層を、前記インターポーザの上部表面に取り付ける工程であって、その結果、前記アンテナ要素が、前記複数の第1のビアを通して前記RFビーム形成回路に電気的に接続される(S108、S110)、工程と、を含む方法。
【請求項22】
前記放射層を前記インターポーザの上部表面に取り付ける前記工程は、
前記インターポーザ上に空気誘電体材料を成長させること(S108)と、
第1の端部で電気的に接続された前記成長空気誘電体材料内のプローブフィードビア(27)を前記第1のビアのうちのそれぞれ1つに形成すること(S110)と、
前記空気誘電体材料上又は前記空気誘電体材料内に、前記プローブフィードビアの反対側の端部に電気的に接続された前記アンテナ要素を形成すること(S110)と、を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ウェハにインターポーザを取り付ける前記工程は、前記インターポーザの前記下部表面、及び/又は前記ウェハに複数のはんだバンプ(59)を取り付けることと、前記複数のはんだバンプの反対側に、前記ウェハ及び前記インターポーザの各々の電気接点(51)をはんだ付けすることと、を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
基板にインターポーザを取り付けることが、直接結合インターフェース結合法を使用して、前記インターポーザの前記下部表面を前記ウェハの主要な表面(41)に直接取り付けることを含む、請求項21に記載の方法。
【国際調査報告】