(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】多段ポリマー
(51)【国際特許分類】
C08F 290/06 20060101AFI20230118BHJP
【FI】
C08F290/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524214
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(85)【翻訳文提出日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 US2020060976
(87)【国際公開番号】W WO2021101944
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラン、ティエン
(72)【発明者】
【氏名】ツォン、ファンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ルー、シアオトン
(72)【発明者】
【氏名】シュールマン、インナ
(72)【発明者】
【氏名】ラタニ、タンヴィ エス.
(72)【発明者】
【氏名】フィスク、ジェイソン エス.
(72)【発明者】
【氏名】クオ、ツーチー
【テーマコード(参考)】
4J127
【Fターム(参考)】
4J127AA04
4J127BB021
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4J127CC152
4J127FA07
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4J127FA46
4J127FA48
(57)【要約】
(a)C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよび式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含むアクリレートに富む段と、(b)式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含む、カルボシロキサンに富む段と、を有する多段モノマーであって、式中、aは、0~3であり、dは、0または1であり、R1は、水素、C1~10アルキル基、およびアリール基から選択され、R2は、水素、およびC1~10アルキル基から選択され、R8は、-O-Si(CH3)3基であり、Yは、式(II)、(III)、および(IV)から選択され、式中、R4およびR6は、水素、およびメチル基から選択され、R3およびR5は、C1~10アルキレン基であり、R7は、C1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1であり、式(I)の第1および第2のカルボシロキサンモノマーは、同じであるか、または異なる、多段ポリマーが提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段ポリマーであって、
(a)アクリレートに富む段であって、
前記アクリレートに富む段の重量に基づいて38~100未満の重量%の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位であって、前記モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーが、C
1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、構造単位と、
前記アクリレートに富む段の重量に基づいて0超~50重量%の、式(I)の第1のカルボシロキサン(carbosiloxane)モノマーの構造単位と、
【化1】
前記アクリレートに富む段の重量に基づいて0~10重量%の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、
前記アクリレートに富む段の重量に基づいて0~2重量%の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、を含む、アクリレートに富む段と、
(b)カルボシロキサンに富む段であって、
前記カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて0~90重量%の、ビニルモノマーの構造単位と、
前記カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて10~100重量%の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位と、を含む、カルボシロキサンに富む段と、を含み
【化2】
、
式中、aは、0~3であり、dは、0または1であり、各R
1は、独立して、水素、C
1~10アルキル基、およびアリール基からなる群から選択され、各R
2は、独立して、水素、およびC
1~10アルキル基からなる群から選択され、各R
8は、-O-Si(CH
3)
3基であり、Yは、式(II)、(III)、および(IV)からなる群から選択され、
【化3】
式中、各R
4およびR
6は、独立して、水素、およびメチル基からなる群から選択され、各R
3およびR
5は、独立して、C
1~10アルキレン基であり、各R
7は、独立して、C
1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1であり、
式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーおよび式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーは、同じであるか、または異なる、多段ポリマー。
【請求項2】
担体をさらに含む、請求項1に記載の多段ポリマー。
【請求項3】
前記担体が、水を含む、請求項2に記載の多段ポリマー。
【請求項4】
請求項3に記載の多段ポリマーを含む組成物であって、前記組成物が、パーソナルケア配合物、ホームケア配合物、コーティング、油田整備流体、土木工学整備流体、建設配合物、および医薬製剤からなる群から選択される、組成物。
【請求項5】
前記組成物が、パーソナルケア配合物であり、前記パーソナルケア配合物が、防水剤、皮膚軟化剤、防腐剤、酸化防止剤、芳香剤、デオドラント、制汗剤活性物質、皮膚冷却剤、保湿剤、レオロジー調整剤、美的修飾剤、ビタミン、皮膚保護剤、油、乳化剤、界面活性剤、真珠光沢剤、一貫性因子、増粘剤、超脂肪剤、安定剤、ポリマー、シリコーンオイル、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、充填剤、光管理粉末または粒子、モイスチャライザー、クレンザー、サンケア活性物質、ヘアトリートメント活性物質、フケ防止剤、およびスキンケア活性物質からなる群から選択される少なくとも1つのパーソナルケア活性物質をさらに含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、コーティングであり、前記コーティングが、フィルム形成結合剤、垂れ防止剤、レベリング剤、硬化促進剤、乳白剤、顔料、レオロジー調整剤、湿潤剤、および金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1つのコーティング成分をさらに含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、ホームケア配合物であり、前記ホームケア配合物が、芳香剤、防虫剤、脱臭剤、洗浄剤、消毒剤、洗濯洗剤、洗濯柔軟剤、食器洗い洗剤、便器洗浄剤、布サイズ剤、潤滑剤、およびテキスタイルワイプからなる群から選択される少なくとも1つのホームケア活性成分をさらに含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、油田整備流体であり、前記油田整備流体が、粘土、キサンタンガム、デンプン、ポリマー、酸可溶性炭酸塩、塩化ナトリウム、およびレオロジー調整剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、建設配合物であり、前記建設配合物が、セメント、コンクリート、接着剤、プラスター、モルタル、接合化合物、粘土、および雲母のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、医薬製剤であり、前記医薬製剤が、賦形剤、生物学的活性物質、錠剤化材料、不活性成分、結合剤、徐放剤、香料、および着色剤をさらに含む、請求項4に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段ポリマーに関する。特に、本発明は、(a)C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物から選択されるモノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位、ならびに式(I)の第1のカルボシロキサン(carbosiloxane)モノマーの構造単位を含む、アクリレートに富む段と、(b)式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含む、カルボシロキサンに富む段と、を含む、多段ポリマーであって、式中、aは、0~3であり、dは、0または1であり、R1は、水素、C1~10アルキル基、およびアリール基から選択され、R2は、水素、およびC1~10アルキル基から選択され、R8は、-O-Si(CH3)3基であり、Yは、式(II)、(III)、および(IV)から選択され、式中、R4およびR6は、水素、およびメチル基から選択され、R3およびR5は、C1~10アルキレン基であり、R7は、C1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1であり、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーおよび式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーは、同じであるか、または異なる、多段ポリマーに関する。
【0002】
シリコーン含有ポリマーは、コーティング、パーソナルケア、およびホームケア産業向けに提案され、使用されてきた。コーティング配合物では、シリコーン含有ポリマーは、これらのポリマーが、配合されたコーティングに、撥水性および撥油性、耐汚染性、バリア特性、界面活性剤特性、および潤滑性を付与し得るので、表面特性の一般的な改質の可能性を提供する。パーソナルケア配合物では、シリコーン含有ポリマーは、配合された生成物の性能改善および望ましい感覚特性を提供する。
【0003】
シリコーン含有ポリマーを設計し、それを配合生成物に組み込む試みは、しかしながら、重大な課題に直面している。シリコーン含有ポリマーは、極性ポリマー、ならびにコーティング配合物およびホームケア組成物およびパーソナルケア組成物に典型的に含有される他の成分など、配合された生成物の他の成分としばしば相溶しない。したがって、補助添加剤が典型的に用いられて、シリコーン含有ポリマーを配合された生成物中の他の成分と相溶化させて、貯蔵中の主要成分の相分離を防止する。
【0004】
化粧品配合物に対する改善された相溶性を提供するシリコーン含有ポリマーを提供するための手法は、米国特許第6,403,074号において、Blankenburgらによって開示されている。米国特許第6,403,074号において、Blankenburgらは、(a)エチレン性不飽和モノマーを、(b)下記の式のポリアルキレンオキシド含有シリコーン誘導体の存在下で、フリーラジカル重合に供することによって得られる水溶性または水分散性ポリマーを開示している
【化1】
。
【0005】
それにもかかわらず、様々なコーティング配合物、パーソナルケア配合物、ホームケア配合物で使用するための配合設計の柔軟性および相溶性を提供する新規なシリコーン含有ポリマーの必要性が残っている。
【0006】
本発明は、多段ポリマーであって、(a)アクリレートに富む段の重量に基づいて38~100未満の重量%の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位であって、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーが、C
1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、構造単位と、アクリレートに富む段の重量に基づいて0超~50重量%の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーの構造単位と、
【化2】
アクリレートに富む段の重量に基づいて0~10重量%の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~2重量%の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、を含む、アクリレートに富む段と、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて0~90重量%の、ビニルモノマーの構造単位と、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて10~100重量%の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位と、を含む、カルボシロキサンに富む段と、を含み、
【化3】
、
式中、aは、0~3であり、dは、0または1であり、各R
1は、独立して、水素、C
1~10アルキル基、およびアリール基からなる群から選択され、各R
2は、独立して、水素、およびC
1~10アルキル基からなる群から選択され、各R
8は、-O-Si(CH
3)
3基であり、Yは、式(II)、(III)、および(IV)からなる群から選択され、
【化4】
式中、各R
4およびR
6は、独立して、水素、およびメチル基からなる群から選択され、各R
3およびR
5は、独立して、C
1~10アルキレン基であり、各R
7は、独立して、C
1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1であり、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーおよび式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーは、同じであるか、または異なる、多段ポリマーを提供する。
【0007】
本発明は、本発明の多段ポリマーを含む組成物を提供し、組成物は、パーソナルケア配合物、ホームケア配合物、コーティング、油田整備流体、土木工学整備流体、建設配合物、および医薬製剤からなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
シリコーン含有ポリマーの組み込みを介して付与される望ましい特性が調整されて、そのような組成物中の他の成分との相溶化を促進し得る、様々な組成物で使用するための独自の多段ポリマーを特定した。
【0009】
他に示されない限り、比率、パーセンテージ、部などは、重量による。
【0010】
パーソナルケア配合物に関連する本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「美的特性」は、視覚的および触覚的感覚特性(例えば、滑らかさ、粘着性、潤滑性、質感、カラー、透明度、混濁度、均一性)を指す。
【0011】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「構成単位」は、特許請求の範囲に記載されるポリマー中の示されたモノマーの残存物を指し、したがって、n-ブチルアクリレートの構成単位は、以下のように例示され、
【化5】
式中、点線は、ポリマー骨格への結合点を表す。
【0012】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を包含する一般的な表現として役立つことを意図している。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの両方を包含する一般的な表現として役立つことを意図している。
【0014】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる用語「化粧品として許容可能な」は、皮膚への局所的塗布に典型的に使用される成分を指し、スキンケア組成物中に典型的に見られる量で存在する場合に有毒な材料は、本発明の一部として企図されないことを強調することを意図する。
【0015】
好ましくは、本発明の多段ポリマーは、(a)多段ポリマーの重量に基づいて(好ましくは60~95重量%、より好ましくは65~90重量%、さらにより好ましくは70~85重量%、最も好ましくは75~82重量%)の、)アクリレートに富む段であって、アクリレートに富む段の重量に基づいて38~100未満の重量%(好ましくは44~99.39重量%、より好ましくは77超~98.73重量%、さらにより好ましくは78.9~97.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位であって、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーが、C
1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、構造単位と、アクリレートに富む段の重量に基づいて0超~50重量%(好ましくは0.1~50重量%、より好ましくは0.5~20未満の重量%、さらにより好ましくは1~19重量%、最も好ましくは4~16重量%)の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーの構造単位と、
【化6】
、
アクリレートに富む段の重量に基づいて0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.02~0.5重量%、さらにより好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、を含む、アクリレートに富む段と、(b)多段ポリマーの重量に基づいて(好ましくは5~40重量%、より好ましくは10~35重量%、さらにより好ましくは15~30重量%、最も好ましくは18~25重量%)の、)カルボシロキサンに富む段であって、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて0~90重量%(好ましくは10~50未満の重量%、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位と、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて10~100重量%(好ましくは50超~90重量%、より好ましくは70~87.5重量%、さらにより好ましくは75~85重量%、最も好ましくは79~81重量%)の、式(I)のカルボシロキサンモノマーの構造単位と、を含む、カルボシロキサンに富む段を含み、
【化7】
式中、aは、0~3(好ましくは0~2、最も好ましくは1)であり、dは、0または1(好ましくは0)であり、各R
1は、独立して、水素、C
1~10アルキル基、およびアリール基(好ましくは、水素、およびC
1~10アルキル基、より好ましくは、水素、およびC
1~4アルキル基、さらにより好ましくは、水素、およびメチル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各R
2は、独立して、水素、およびC
1~10アルキル基(好ましくは、水素、およびC
1~5アルキル基、より好ましくは、水素、およびC
1~4アルキル基、さらにより好ましくは、水素、およびメチル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各R
8は、-O-Si(CH
3)
3基であり、Yは、式(II)、(III)、および(IV)(好ましくは(II)または(III)、最も好ましくは(II))からなる群から選択され、
【化8】
式中、各R
4およびR
6は、独立して、水素、およびメチル基(好ましくはメチル基)からなる群から選択され、各R
3およびR
5は、独立して、C
1~10アルキレン基(好ましくはC
1~7アルキレン基、より好ましくはC
2~6アルキレン基、さらにより好ましくはC
3~5アルキレン基、最も好ましくはC
3アルキレン基(例えば、-CH
2-CH
2-CH
2-))であり、各R
7は、独立して、C
1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1であり、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーおよび式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーは、同じであるか、または異なる(好ましくは、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーおよび式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーは、同じである)(好ましくは、多段ポリマーは、エマルジョンポリマーである)(好ましくは、多段ポリマーは、アクリレートに富む段を第1の段として、かつカルボシロキサンに富む段を第2の段として含む、エマルジョンポリマーである)。
【0016】
好ましくは、本発明の多段ポリマーは、アクリレートに富む段を含む。より好ましくは、本発明の多段ポリマーは、多段ポリマーの重量に基づいて60~95重量%(好ましくは65~90重量%、より好ましくは70~85重量%、好ましくは75~82重量%)の、アクリレートに富む段を含む。最も好ましくは、本発明の多段ポリマーは、多段ポリマーの重量に基づいて60~95重量%(好ましくは65~90重量%、より好ましくは70~85重量%、好ましくは75~82重量%)の、アクリレートに富む段を含み、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて38~100未満の重量%(好ましくは44~99.39重量%、より好ましくは77超~98.73重量%、さらにより好ましくは78.9~97.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位であって、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーが、C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、構造単位と、アクリレートに富む段の重量に基づいて0超~50重量%(好ましくは0.1~50重量%、より好ましくは0.5~20未満の重量%、さらにより好ましくは1~19重量%、最も好ましくは4~16重量%)の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーの構造単位と、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.02~0.5重量%、さらにより好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位と、を含む。
【0017】
好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、C1~22アルキル(メタ)アクリレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、少なくとも2つのC1~8アルキル(メタ)アクリレートの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、少なくとも2つのC1~4アルキル(メタ)アクリレートの混合物からなる群から選択される。よりいっそう好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、少なくとも3つのC1~4アルキル(メタ)アクリレートの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて63~99.9重量%(好ましくは74超~98.49重量%、より好ましくは80.4~96.95重量%、最も好ましくは82.17~94.68重量%)の、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和非イオン性のアクリレートに富む段のモノマーは、少なくとも3つのC1~4アルキル(メタ)アクリレートの混合物からなる群から選択され、混合物は、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、およびメチルメタクリレートを含む。
【0018】
好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0超~50重量%(好ましくは0.1~50重量%、より好ましくは0.5~20未満の重量%、さらにより好ましくは1~19重量%、最も好ましくは4~16重量%)の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーを含む。より好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0超~50重量%(好ましくは0.1~50重量%、より好ましくは0.5~20未満の重量%、さらにより好ましくは1~19重量%、最も好ましくは4~16重量%)の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーを含み、式中、aは、0~3(好ましくは0~2、最も好ましくは1)であり、dは、0または1(好ましくは0)であり、各R1は、独立して、水素、C1~10アルキル基、およびアリール基(好ましくは、水素、およびC1~10アルキル基、より好ましくは、水素、およびC1~4アルキル基、さらにより好ましくは、水素、およびメチル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各R2は、独立して、水素、およびC1~10アルキル基(好ましくは、水素、およびC1~5アルキル基、より好ましくは、水素、およびC1~4アルキル基、さらにより好ましくは、水素、およびメチル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各R8は、-O-Si(CH3)3基であり、Yは、式(II)、(III)、および(IV)(好ましくは(II)または(III)、より好ましくは(II))からなる群から選択され、各R4およびR6は、独立して、水素、およびメチル基(好ましくはメチル基)からなる群から選択され、各R3およびR5は、独立して、C1~10アルキレン基(好ましくは、C1~7アルキレン基、より好ましくは、C2~6アルキレン基、さらにより好ましくは、C3~5アルキレン基、最も好ましくは、C3アルキレン基(例えば、-CH2-CH2-CH2-))であり、各R7は、独立して、C1~10アルキル基であり、bは、0~4であり、cは、0または1である。最も好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0超~50重量%(好ましくは0.1~50重量%、より好ましくは0.5~20未満の重量%、さらにより好ましくは1~19重量%、最も好ましくは4~16重量%)の、式(I)の第1のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含み、式中、aは1であり、dは0であり、各R1はメチル基であり、各R2はメチル基であり、Yは式(II)のものであり、式中、各R3はC3~5アルキレン基であり、各R4はメチル基である。
【0019】
好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含む。より好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、他の誘導体(例えば、対応する無水物、アミド、およびエステル)、およびこれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。よりいっそう好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーは、アクリル酸、およびメタクリル酸のうちの少なくとも1つからなる群から選択される。最もより好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~10重量%(好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは0.75~2.5重量%、さらにより好ましくは1~2重量%、最も好ましくは1.25~1.75重量%)の、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、モノエチレン性不飽和カルボン酸のアクリレートに富む段のモノマーは、メタクリル酸である。
【0020】
好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含む。より好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和モノマーは、ジビニル芳香族化合物、ジ-(メタ)アクリレートエステル、トリ-(メタ)アクリレートエステル、テトラ-(メタクリレート)エステル、ジ-アリルエーテル、トリ-アリルエーテル、テトラ-アリルエーテル、ジ-アリルエステル、トリ-アリルエステル、テトラ-アリルエステル、アリル(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和モノマーは、ジビニルベンゼン(DVB)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、テトラ-アリルペンタエリスリトール、トリアリルペンタエリスリトール、ジアリルペンタエリスリトール、ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、ビスフェノールAジアリルエーテル、アリルスクロース、メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレート(ALMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ヘキサン-1,6-ジオールジアクリレート(HDDA)、ブチレングリコールジメタクリレート(BGDMA)、およびこれらの混合物からなる群から選択される。よりいっそう好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和モノマーは、DVB、ALMA、EGDMA、HDDA、およびBGDMAからなる群から選択される。さらによりいっそう好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和モノマーは、ALMAを含む。最も好ましくは、アクリレートに富む段は、アクリレートに富む段の重量に基づいて0~2重量%(好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.05~0.1重量%、最も好ましくは0.07~0.08重量%)の、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和のアクリレートに富む段のモノマーの構造単位を含み、1分子当たり少なくとも2つのエチレン性不飽和基を有する多エチレン性不飽和モノマーは、ALMAである。
【0021】
好ましくは、本発明の多段ポリマーは、カルボシロキサンに富む段を含む。より好ましくは、本発明の多段ポリマーは、多段ポリマーの重量に対して5~40重量%(好ましくは10~35重量%、より好ましくは15~30重量%、好ましくは18~25重量%)の、カルボシロキサンに富む段を含む。最も好ましくは、本発明の多段ポリマーは、多段ポリマーの重量に基づいて5~40重量%(好ましくは10~35重量%、より好ましくは15~30重量%、好ましくは18~25重量%)の、カルボシロキサンに富む段を含み、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて0~90重量%(好ましくは10~50未満の重量%、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位と、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて10~100重量%(好ましくは50超~90重量%、より好ましくは70~87.5重量%、さらにより好ましくは75~85重量%、最も好ましくは79~81重量%)の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位と、を含む。
【0022】
好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて0~90重量%(好ましくは10~50未満の重量%、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位を含む。より好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて0~90重量%(好ましくは10~50未満の重量%、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位を含み、ビニルモノマーは、1分子当たり少なくとも1つのラジカル重合性ビニル基を含有する。さらにより好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて、0~90重量%(好ましくは、10~50未満の重量%、より好ましくは、12.5~30重量%、さらにより好ましくは、15~25重量%、最も好ましくは、19~21重量%)のビニルモノマーの構造単位を含み、ビニルモノマーは、C1~3アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート)、C1~3アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート)、モノエチレン性不飽和カルボン酸(例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルオキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル)、C4~20アルキルアクリレート(例えば、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート)、C4~20アルキルメタクリレート(例えば、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート)、芳香族ビニルモノマー(例えば、スチレン、ビニルトルエン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドン)、およびこれらの混合物からなる群から選択される。なおより好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて、0~90重量%(好ましくは、10~50未満の重量%、より好ましくは、12.5~30重量%、さらにより好ましくは、15~25重量%、最も好ましくは、19~21重量%)のビニルモノマーの構造単位を含み、ビニルモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、メタクリル酸およびこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて0~90重量%(好ましくは10~50未満の重量%、より好ましくは12.5~30重量%、さらにより好ましくは15~25重量%、最も好ましくは19~21重量%)の、ビニルモノマーの構造単位を含み、ビニルモノマーは、メチルメタクリレート、およびメタクリル酸を含む。
【0023】
好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて10~100重量%(好ましくは50超~90重量%、より好ましくは70~87.5重量%、さらにより好ましくは75~85重量%、最も好ましくは79~81重量%)の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含む。より好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて10~100重量%(好ましくは50超~90重量%、より好ましくは70~87.5重量%、さらにより好ましくは75~85重量%、最も好ましくは79~81重量%)の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含み、式中、aは、0~3(好ましくは0~2、より好ましくは1)であり、dは、0または1(好ましくは0)であり、R1は、独立して、水素、C1~10アルキル基、およびアリール基(好ましくは、水素、およびC1~10アルキル基、より好ましくは、水素、およびC1~4アルキル基、さらにより好ましくは、水素、およびメチル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各R2は、独立して、水素、およびC1~10アルキル基(好ましくは、水素、およびC1~5アルキル基、より好ましくは、水素、およびC1~4アルキル基、さらにより好ましくは、水素、およびメチル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各R8は、-O-Si(CH3)3基であり、Yは、式(II)、(III)、および(IV)(好ましくは(II)または(III)、最も好ましくは(II))からなる群から選択され、各R4およびR6は、独立して、水素、およびメチル基(好ましくはメチル基)からなる群から選択され、各R3およびR5は、独立して、C1~10アルキレン基(好ましくは、C1~7アルキレン基、より好ましくは、C2~6アルキレン基、さらにより好ましくは、C3~5アルキレン基、最も好ましくは、C3アルキレン基(例えば、-CH2-CH2-CH2-))であり、各R7は、独立して、C1~10アルキル基であり、bは0~4であり、cは0または1である。最も好ましくは、カルボシロキサンに富む段は、カルボシロキサンに富む段の重量に基づいて10~100重量%(好ましくは50超~90重量%、より好ましくは70~87.5重量%、さらにより好ましくは75~85重量%、最も好ましくは79~81重量%)の、式(I)の第2のカルボシロキサンモノマーの構造単位を含み、式中、aは、1であり、dは、0であり、各R1は、メチル基であり、各R2はメチル基であり、Yは式(II)のものであり、式中、各R3はC3~5アルキレン基であり、各R4はメチル基である。
【0024】
好ましくは、本発明の組成物は、本発明の多段ポリマーを含む。より好ましくは、本発明の組成物は、パーソナルケア配合物の重量に基づいて0.1~10重量%(好ましくは0.5~7.5重量%、より好ましくは1~7重量%、さらにより好ましくは3~6重量%、最も好ましくは4~5重量%)の、本発明の多段ポリマーを含む。最も好ましくは、本発明の組成物は、パーソナルケア配合物の重量に基づいて0.1~10重量%(好ましくは0.5~7.5重量%、より好ましくは1~7重量%、さらにより好ましくは3~6重量%、最も好ましくは4~5重量%)の、本発明の多段ポリマーを含み、多段ポリマーは、アクリレートに富む段およびカルボシロキサンに富む段を含む。
【0025】
好ましくは、本発明の組成物は、パーソナルケア配合物(例えば、ヘアケア配合物、スキンケア配合物、サンケア配合物、ネイルケア配合物、ペットケア配合物、制汗剤/デオドラント配合物、カラー化粧品配合物)、ホームケア配合物、コーティング、油田整備流体、土木工学整備流体、建設配合物、および医薬製剤からなる群から選択される。
【0026】
好ましくは、本発明の組成物は、担体をさらに含む。より好ましくは、本発明の組成物は、組成物の重量に基づいて0.1~99.9重量%(好ましくは10~95重量%、より好ましくは25~90重量%、より好ましくは40~80重量%)の、担体を含む。最も好ましくは、本発明の組成物は、組成物の重量に基づいて0.1~99.9重量%(好ましくは10~95重量%、より好ましくは25~90重量%、より好ましくは40~80重量%)の、担体を含み、多段ポリマーは、担体中に分散する。
【0027】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物の重量に基づいて0.1~99.9重量%(好ましくは10~95重量%、より好ましくは25~90重量%、より好ましくは40~80重量%)の、担体をさらに含み、担体は、水、エマルジョン(例えば、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン)、アルコール(例えば、C1~4直鎖または分岐鎖アルコール、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール)、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール)、グリセリン、ブチルセロソルブ、およびこれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、本発明の組成物は、0.1~99.9重量%(好ましくは10~95重量%、より好ましくは25~90重量%、より好ましくは40~80重量%)の担体を含み、担体は、水を含む。
【0028】
好ましくは、本発明の組成物は、パーソナルケア配合物である。より好ましくは、本発明の組成物は、ヘアケア配合物、スキンケア配合物、サンケア配合物、ネイルケア配合物、ペットケア配合物、制汗剤/デオドラント配合物、カラー化粧品配合物からなる群から選択されるパーソナルケア配合物である。好ましくは、本発明の組成物は、ヘアケア配合物、スキンケア配合物、サンケア配合物、ネイルケア配合物、ペットケア配合物、制汗剤/デオドラント配合物、カラー化粧品配合物からなる群から選択されるパーソナルケア配合物であり、パーソナルケア配合物は、化粧品として許容可能な担体をさらに含み、化粧品として許容可能な担体は、パーソナルケア配合物を哺乳動物の皮膚および/または毛髪に塗布すると蒸発し得るように選択される。
【0029】
好ましくは、本発明の組成物は、パーソナルケア配合物であり、パーソナルケア配合物は、防水剤、皮膚軟化剤、防腐剤、酸化防止剤、芳香剤、デオドラント、制汗剤活性物質、皮膚冷却剤、保湿剤、レオロジー調整剤、美的修飾剤、ビタミン、皮膚保護剤、油、乳化剤、界面活性剤、真珠光沢剤、一貫性因子、増粘剤、超脂肪剤、安定剤、ポリマー、シリコーンオイル、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、充填剤、光管理粉末または粒子、モイスチャライザー、クレンザー、サンケア活性物質、ヘアトリートメント活性物質、フケ防止剤、着色剤、およびスキンケア活性物質からなる群から選択される少なくとも1つのパーソナルケア活性物質をさらに含む。
【0030】
好ましくは、本発明の組成物は、コーティングである。より好ましくは、本発明の組成物は、コーティングであり、コーティングは、フィルム形成結合剤、乳白剤、顔料、レオロジー調整剤、湿潤剤、および金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1つのコーティング成分をさらに含む。
【0031】
好ましくは、本発明の組成物は、ホームケア配合物である。より好ましくは、本発明の組成物は、ホームケア配合物であり、ホームケア配合物は、芳香剤、防虫剤、脱臭剤、洗浄剤、消毒剤、洗濯洗剤、洗濯柔軟剤、食器洗い洗剤、便器洗浄剤、布サイズ剤、潤滑剤、およびテキスタイルワイプからなる群から選択される少なくとも1つのホームケア活性成分をさらに含む。
【0032】
好ましくは、本発明の組成物は、油田整備流体である。より好ましくは、本発明の組成物は、油田整備流体であり、油田整備流体は、粘土、キサンタンガム、デンプン、ポリマー、酸可溶性炭酸塩、塩化ナトリウム、およびレオロジー調整剤のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0033】
好ましくは、本発明の組成物は、建設配合物である。より好ましくは、本発明の組成物は、建設配合物であり、建設配合物は、セメント、コンクリート、接着剤、プラスター、モルタル、接合化合物、粘土、および雲母のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0034】
好ましくは、本発明の組成物は、医薬製剤である。より好ましくは、本発明の組成物は、医薬製剤である。医薬製剤は、薬剤的に許容可能な担体をさらに含み、薬剤的に許容可能な担体は、医薬製剤を哺乳動物の組織または毛髪に塗布すると蒸発し得るように選択される。
【0035】
好ましくは、本発明の組成物は、医薬製剤であり、医薬製剤は、賦形剤、生物学的活性物質、錠剤化材料、不活性成分、結合剤、徐放剤、香料、および着色剤のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0036】
本発明の多段ポリマーは、例えば、乳化重合などの従来の重合技術によって調製され得る。水性エマルジョン重合プロセスは、典型的には、水性反応媒体中に少なくとも1つのモノマーおよび種々の合成アジュバント、例えばフリーラジカル源、緩衝剤、連鎖移動剤および還元剤を含む水性反応混合物中で行われる。好ましくは、本発明の多段ポリマーは、エマルジョンポリマーである。より好ましくは、本発明の多段ポリマーはエマルジョンポリマーであり、アクリレートに富む段は乳化ポリマーの第1の段であり、カルボキシロキサン(carboxiloxane)に富む段はエマルジョンポリマーの第2の段である。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態をこれより以下の実施例において詳細に説明する。
【0038】
実施例で使用されるモノマーの略語を、表1に記載する。
【表1】
【0039】
実施例SC:多段ポリマー
(オーバーヘッドスターラー、サーモカップル、コンデンサ、ならびにモノマーおよび開始剤を添加するための入口を備えた)2リットルの丸底フラスコに、脱イオン水(262.0g)、50%のCAVASOL(商標)W7 MTL(Wacker Fine Chemicalsのシクロデキストリン)(15.2g)、31.5%の(Solvayの)Aerosol(商標)A102界面活性剤(20.5g)、および炭酸ナトリウム(3.4g)を入れた。フラスコの内容物を、撹拌し、85℃に加熱した。
【0040】
脱イオン水(294.9g)および31.5%のAerosol(商標)A102界面活性剤(8.7g)を、第1の容器に入れて、撹拌するように設定することによって、アクリレートに富むモノマーエマルジョンを調製した。界面活性剤を、水に組み込んだら、以下のモノマーを、撹拌を続けながら第1の容器にゆっくりと添加した:BA(182.4g)、BMA(264.5g)、MMA(152.0g)、MAA(9.1g)、およびALMA(0.5g)。
【0041】
脱イオン水(76.0g)および31.5%のAerosol(商標)A102界面活性剤(2.2g)を、第2の容器に入れて、撹拌するように設定することによって、カルボシロキサンに富むモノマーエマルジョンを調製した。界面活性剤を、水に組み込んだら、以下のモノマーを、撹拌を続けながら第2の容器にゆっくりと添加した:MD’M-ALMA(121.6g)、MMA(28.1g)、およびMAA(2.3g)。カルボキシロキサンに富むモノマーエマルジョンを、7,000rpmで10分間の均質化を使用してさらに乳化した。
【0042】
過硫酸ナトリウム(1.5g)および脱イオン水(40.3g)を含有するコフィード触媒溶液を調製した。
【0043】
炭酸ナトリウム(1.5g)および脱イオン水(40.3g)を含有するコフィード緩衝溶液を調製した。
【0044】
85℃の反応設定温度で、第1の容器からの34.2gのアクリレートに富むモノマーエマルジョンを、脱イオン水リンス(15.2g)とともに、フラスコの内容物に入れた。次いで、脱イオン水(15.2g)中の過硫酸ナトリウム(3.4g)の開始剤溶液を、フラスコの内容物に添加した。最初の重合後、第1の容器内のアクリレートに富むモノマーエマルジョンの残りを、6.05g/分の速度で15分間、次いで、13.01g/分の速度で60分間、フラスコの内容物にコフィードした。アクリレートに富むモノマーエマルジョンのコフィードと同時に、コフィード触媒溶液およびコフィード緩衝溶液を、0.44g/分の速度で95分間、反応器の内容物に添加した。
【0045】
アクリレートに富むモノマーエマルジョンの添加に続いて、第2の容器内のカルボシロキサンに富むモノマーエマルジョンを、11.51g/分の速度で20分間、反応器の内容物に添加した。様々なフィードの完了後、フラスコの内容物を追跡して、残留モノマーの量を低減して、生成物の多段ポリマーを得た。
実施例S1~S4:多段ポリマー
【0046】
多段ポリマーを、実施例SCに記載されるように実質的に調製し、表2に記載されるように、実施例S1~S4のそれぞれの多段ポリマー中のアクリレートに富む段およびカルボシロキサンに富む段の総重量%を反映して、それぞれの段中のアクリレートに富む段のモノマーおよびカルボシロキサンに富む段のモノマーを用いて、適切な変更を行った。
【表2】
【0047】
ポリマー特性
比較例SCおよび実施例S1~S4に従って調製された生成物の多段ポリマーを、固形分パーセント、pH、平均粒子径(Brookhaven Instruments BI-90粒子径分析器を使用)、およびTA機器モデル2920示差走査熱量計(DSC)を使用して測定されたガラス転移温度T
gについて分析した。結果を表3に示す。
【表3】
【0048】
ニートポリマーフィルムの機械的特性
フィルムの機械的特性を、引張試験によって評価して、フィルムの引張強度、靭性、および柔軟性を決定した。ニートポリマーフィルムを、比較例SCおよび実施例S1~S4のそれぞれに従って製造されたポリマーの20gを9.4cm直径のペトリ皿にキャストすることによって調製した。ポリマーラテックスを、乾燥フィルムが形成されるまで、環境制御された部屋(72°F、50%RH)の中で風乾した。次いで、乾燥したフィルムを、ペトリ皿から剥がし、0.75インチの長さおよび0.25インチの幅のネック部分を有する3つのドッグボーン(dog bone)片に切断した。次に、ドッグボーン片を、環境制御された部屋(72°F、50%RH)の中で、10インチ/分の伸長速度のINSTRON 5565引張試験機を使用することによって試験した。引張試験の結果を、表4に示す。
【表4】
【0049】
撥水性および撥皮脂性
フィルムの撥水性および撥皮脂性は、表面エネルギーによって支配される。長期間の高い撥水性および撥皮脂性が、様々な用途、例えば、建築用コーティングおよびパーソナルケア用途で所望される(すなわち、特に、カラー化粧品、日焼け止め剤、および汚染防止生成物における、長期にわたる活性物質の沈着、および耐擦性の有益性の提供)。撥水性および撥皮脂性は、フィルム表面からの水接触角および皮脂接触角を測定することによって評価され得る。具体的には、フィルムを、比較例SCおよび実施例S1~S4に従って調製された生成物の多段ポリマーから、黒色プラスチックチャート(LENETA P121-16から入手可能)上で、3ミルまたは6ミルのドクターブレードを用いたドローダウンによって調製した。ドローされたフィルムを、環境制御された部屋(72°Fおよび50%RH)の中で少なくとも72時間空気乾燥した。次いで、乾燥したフィルムを、少なくとも48時間フォグボックス内に配置して、フィルム表面から残留界面活性剤を除去した。フォグボックス内での処理後、測定を行う前に、フィルムを、環境制御された部屋(72°Fおよび50%RH)の中で少なくとも24時間空気乾燥した。水または皮脂の液滴を、液滴形状分析器(Kruss DSA100)を使用して基材上に堆積させた後、水接触角および皮脂接触角の両方を、およそ4秒および250秒で測定した。皮脂接触角の測定のために、表5に記載される組成を有する人工皮脂溶液を調製した。水接触角および皮脂接触角の測定の結果を、表6に示す。
【表5】
【表6】
【0050】
配合物例G1:ジェネリックカラー化粧品配合物
表7に記載の配合物例G1に従って、ジェネリック配合物を有するカラー化粧品配合物を調製した。相Aの成分をビーカーに加え、均一になるまで混合した。次いで、相Bの成分を、均一になるまで混合しながらビーカーの内容物にゆっくりと加えた。相Cの成分を、別々の容器中で組み合わせ、次いで均一になるまで混合しながらビーカーの内容物にゆっくりと加えた。次いで、相Dの試験ポリマーを、均一になるまで混合しながらビーカーの内容物にゆっくりと加えた。次いで、相Eの成分を、均一になるまで混合しながらビーカーの内容物に加えた。次いで、相Fの成分をビーカーの内容物に加えた。次いで、ビーカーの内容物を均一になるまで混合して、生成物のカラー化粧品配合物を得た。
【表7】
【0051】
比較例C1~C3および実施例1~4:カラー化粧品配合物
比較例C1~C3および実施例1~4のカラー化粧品配合物を、表8に記載されるような様々な試験ポリマーを用いて配合物例G1に従って調製した。
【0052】
耐摩耗性
比較例C1~C3および実施例1~4に従って調製されたカラー化粧品配合物を、ギャップが6ミル(0.1524mm)に設定されたドクターブレードフィルムアプリケーターを使用して、白いビニルチャート(Lenetaから入手可能)にそれぞれ被覆し、22℃で少なくとも24時間乾燥させた。次いで、BYK-Gardnerのカラー分光光度計を使用して、各サンプルのカラー読み取り値を測定した。カラー化粧品配合物の堆積フィルムの耐摩耗性は、予め切断されたバスタオル(55mm×45mm)でのすり減る前後の変化(ΔE)によって特徴付けられた。バスタオルを、一定速度で定期的に前後に動くロボットの可動部分に固定した。フィルムは、およそ600Paの圧力下で、バスタオルによる3回の摩耗サイクルですり減り、各摩耗サイクルは6秒間続く。各堆積フィルムの10点から読み取りを行った。各フィルムからの10の読み取り値の平均を、表8に示す。
【表8】
【国際調査報告】