(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】ステータ巻線構造及びステータ巻線構造を含むモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/28 20060101AFI20230118BHJP
【FI】
H02K3/28 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526441
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(85)【翻訳文提出日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 CN2019130273
(87)【国際公開番号】W WO2021134387
(87)【国際公開日】2021-07-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520189625
【氏名又は名称】サイック・モーター・コーポレーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ジュー、ジン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ジエン
(72)【発明者】
【氏名】フアン、シャオルイ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジエバオ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ハオチュン
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ユエンリャン
【テーマコード(参考)】
5H603
【Fターム(参考)】
5H603AA01
5H603BB01
5H603BB07
5H603BB12
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB01
5H603CC03
5H603CC17
5H603CD02
5H603CD12
5H603CD22
5H603CE02
5H603CE05
5H603EE01
(57)【要約】
本開示は、モータが8極を有する三相交流モータであり、各相が4本の並列巻きブランチを含み、ステータ巻線が複数のU形平角銅線で構成されており、モータに配置された各U形平角銅線の接続部位がいずれもモータに対し同一側に位置するステータ巻線構造を提供する。本開示は、さらに、ステータ巻線構造を含むモータ及びモータを含む車両を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ用のステータ巻線構造であって、前記モータは、U、V及びW相を含む、8極の三相交流モータであり、各相は、第1の並列巻きブランチ、第2の並列巻きブランチ、第3の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチという4本の並列巻きブランチを含み、各並列巻きブランチはいずれも先頭端と後尾端を有し、第1及び第3の並列巻きブランチの巻線方向は同じであり、第2及び第4の並列巻きブランチの巻線方向は同じであり、かつ第1及び第3の並列巻きブランチの巻線方向とは逆方向であり、前記三相交流モータは通電後に正常に動作可能であり、
前記ステータ巻線構造は、ステータコアに配置されており、前記ステータコアは、複数のスロットを含み、前記ステータ巻線は複数のU形平角銅線で構成されており、各U形平角銅線は、第1の導体と、第1の導体に基本的に平行な第2の導体と、第1の導体と第2の導体とを接続する接続部位と、を含み、モータに配置された各U形平角銅線の接続部位はいずれもモータに対し同一側に位置しており、
Qは、ステータコアのスロットの数を表し、スロットの番号は、時計回り又は逆時計回りであり、iは、1≦i≦Qを満たす自然数であり、qは、極ごとの各相のスロット数を表すと、q=(Q/p)/3(ここで、q=1、2、3……)であり、
Lは、偶数であり各スロットの層数を表し、かつL=8+4*l(ここで、l=0、1、2、3……)であり、jは、1≦j≦Lを満たす自然数であり、yは、ピッチを表し、1つのスロットにおける1層は、1つの導体に対応しており、
モータの接続部位を有する側からみて、U形平角銅線の2つの導体の接続方式は、以下の通りであり、
- jが奇数であり、かつj=1、3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、
- jが偶数であり、かつj=2、4、6……Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、
モータの接続部位を有さない側からみて、溶接され又は導流板により接続されて前記三相交流モータを形成する2つの導体の接続方式は、以下の通りであり、
- j=2、4、6……L-2である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、又は、i+y+1番目若しくはi+y-1番目のステータスロットにおける第1層導体に接続されており、
- j=1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、又は、i-y+1番目若しくはi-y-1番目のステータスロットにおける第L層導体に接続されており、
ここで、iの値は、巻線分相及びブランチ番号に依存しており、かつ、i-y<0である場合、i-y=i-y+Qとなり、i+y>Qである場合、i+y=i+y-Qとなるステータ巻線構造。
【請求項2】
モータ用のステータ巻線構造であって、前記モータは、U、V及びW相を含む、8極の三相交流モータであり、各相は、第1の並列巻きブランチ、第2の並列巻きブランチ、第3の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチという4本の並列巻きブランチを含み、各並列巻きブランチはいずれも先頭端と後尾端を有し、第1及び第3の並列巻きブランチの巻線方向は同じであり、第2及び第4の並列巻きブランチの巻線方向は同じであり、かつ第1及び第3の並列巻きブランチの巻線方向とは逆方向であり、前記三相交流モータは通電後に正常に動作可能であり、
前記ステータ巻線構造は、ステータコアに配置されており、前記ステータコアは、複数のスロットを含み、前記ステータ巻線は複数のU形平角銅線で構成されており、ここで、各U形平角銅線は、第1の導体と、第1の導体に基本的に平行な第2の導体と、第1の導体と第2の導体とを接続する接続部位と、を含み、モータに配置された各U形平角銅線の接続部位はいずれもモータに対し同一側に位置しており、
Qは、ステータコアのスロットの数を表し、スロットの番号は、時計回り又は逆時計回りであり、iは、1≦i≦Qを満たす自然数であり、qは、極ごとの各相のスロット数を表すと、q=(Q/p)/3(ここで、q=1、2、3……)であり、
Lは、偶数であり各スロットの層数を表し、かつL=8+4*l(ここで、l=0、1、2、3……)であり、jは、1≦j≦Lを満たす自然数であり、yは、ピッチを表し、1つのスロットにおける1層は、1つの導体に対応しており、
モータの接続部位を有さない側からみて、溶接されて前記三相交流モータを形成する2つの導体の接続方式は、以下の通りであり、
- jが奇数であり、かつj=1、3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、
- jが偶数であり、かつj=2、4、6……Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、
モータの接続部位を有する側からみて、導流板又は接続部位が接続する2つの導体の接続方式は、以下の通りであり、
- j=2、4、6……L-2である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、又は、i+y+1番目若しくはi+y-1番目のステータスロットにおける第1層導体に接続されており、
- j=1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、又は、i-y+1番目若しくはi-y-1番目のステータスロットにおける第L層導体に接続されており、
ここで、iの値は、巻線分相及びブランチ番号に依存しており、かつ、i-y<0である場合、i-y=i-y+Qとなり、i+y>Qである場合、i+y=i+y-Qとなるステータ巻線構造。
【請求項3】
第1の並列巻きブランチ及び第3の並列巻きブランチの先頭端にある導体は、それぞれ、i±2ky番目(k=0、1、2、3……)のステータスロットにおける奇数層に位置しており、かつ、第2の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチの先頭端にある導体は、それぞれi±2ky番目(k=0、1、2、3……)のステータスロットにおける偶数層に位置している
請求項1又は2に記載のステータ巻線構造。
【請求項4】
第1の並列巻きブランチ、第2の並列巻きブランチ、第3の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチの先頭端及び後尾端はいずれも、スロットの第1層又は第L層に位置している
請求項1又は2に記載のステータ巻線構造。
【請求項5】
4本の並列巻きブランチのうち、2本のブランチの先頭端はそれぞれi番目のスロットの第1層及び第L層に位置しており、他の2本のブランチの先頭端はそれぞれi+Q/2番目のスロットの第1層及び第L層に位置している
請求項1又は2に記載のステータ巻線構造。
【請求項6】
前記ステータ巻線構造は、テール-テール方式で接続されたY型巻線、又はヘッド-テール方式で接続された三角型巻線として配置されている
請求項1又は2に記載のステータ巻線構造。
【請求項7】
前記ステータ巻線構造は、全節巻き構造、短節巻き構造又は長節巻き構造である
請求項1又は2に記載のステータ巻線構造。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のステータ巻線構造を含むモータ。
【請求項9】
前記モータは、48個のステータスロットを有し、各ステータスロットが8層を有する
請求項8に記載のモータ。
【請求項10】
U相は、U相の第1の並列巻きブランチ、U相の第2の並列巻きブランチ、U相の第3の並列巻きブランチ及びU相の第4の並列巻きブランチという4本の並列巻きブランチを含み、「^」は、U形平角銅線の接続部位で接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板方式で接続することを示し、「i.j」は、i番目のスロットにおける第j層を示し、
かつ、
U相の第1の並列巻きブランチの接続方式は、
1.1^7.2-13.1^19.2-25.3^31.4-37.3^43.4-1.5^7.6-13.5^19.6-25.7^31.8-37.7^43.8←→2.1^8.2-14.1^20.2-26.3^32.4-38.3^44.4-2.5^8.6-14.5^20.6-26.7^32.8-38.7^44.8であり、
U相の第2の並列巻きブランチの接続方式は、
1.8^43.7-37.8^31.7-25.6^19.5-13.6^7.5-1.4^43.3-37.4^31.3-25.2^19.1-13.2^7.1←→2.8^44.7-38.8^32.7-26.6^20.5-14.6^8.5-2.4^44.3-38.4^32.3-26.2^20.1-14.2^8.1であり、
U相の第3の並列巻きブランチの接続方式は、
25.1^31.2-37.1^43.2-1.3^7.4-13.3^19.4-25.5^31.6-37.5^43.6-1.7^7.8-13.7^19.8←→26.1^32.2-38.1^44.2-2.3^8.4-14.3^20.4-26.5^32.6-38.5^44.6-2.7^8.8-14.7^20.8であり、
U相の第4の並列巻きブランチの接続方式は、
25.8^19.7-13.8^7.7-1.6^43.5-37.6^31.5-25.4^19.3-13.4^7.3-1.2^43.1-37.2^31.1←→26.8^20.7-14.8^8.7-2.6^44.5-38.6^32.5-26.4^20.3-14.4^8.3-2.2^44.1-38.2^32.1である
請求項9に記載のモータ。
【請求項11】
U相は、U相の第1の並列巻きブランチ、U相の第2の並列巻きブランチ、U相の第3の並列巻きブランチ及びU相の第4の並列巻きブランチという4本の並列巻きブランチを含み、「^」は、U形平角銅線の接続部位で接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板方式で接続することを示し、「i.j」は、i番目のスロットにおける第j層を示し、
かつ、
U相の第1の並列巻きブランチの接続方式は、
13.1^19.2-25.3^31.4-37.3^43.4-1.5^7.6-13.5^19.6-25.7^31.8-37.7^43.8←→2.1^8.2-14.1^20.2-26.3^32.4-38.3^44.4-2.5^8.6-14.5^20.6-26.7^32.8-38.7^44.8←→1.1^7.2であり、
U相の第2の並列巻きブランチの接続方式は、
1.8^43.7-37.8^31.7-25.6^19.5-13.6^7.5-1.4^43.3-37.4^31.3-25.2^19.1-13.2^7.1←→2.8^44.7-38.8^32.7-26.6^20.5-14.6^8.5-2.4^44.3-38.4^32.3-26.2^20.1-14.2^8.1であり、
U相の第3の並列巻きブランチの接続方式は、
13.3^19.4-25.5^31.6-37.5^43.6-1.7^7.8-13.7^19.8←→26.1^32.2-38.1^44.2-2.3^8.4-14.3^20.4-26.5^32.6-38.5^44.6-2.7^8.8-14.7^20.8←→25.1^31.2-37.1^43.2-1.3^7.4であり、
U相の第4の並列巻きブランチの接続方式は、
1.6^43.5-37.6^31.5-25.4^19.3-13.4^7.3-1.2^43.1-37.2^31.1←→26.8^20.7-14.8^8.7-2.6^44.5-38.6^32.5-26.4^20.3-14.4^8.3-2.2^44.1-38.2^32.1←→25.8^19.7-13.8^7.7である
請求項9に記載のモータ。
【請求項12】
U相は、U相の第1の並列巻きブランチ、U相の第2の並列巻きブランチ、U相の第3の並列巻きブランチ及びU相の第4の並列巻きブランチという4本の並列巻きブランチを含み、「^」は、U形平角銅線の接続部位で接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板方式で接続することを示し、「i.j」は、i番目のスロットにおける第j層を示し、
かつ、
U相の第1の並列巻きブランチの接続方式は、
8.1-14.2^20.1-26.2^32.3-38.4^44.3-2.4^8.5-14.6^20.5-26.6^32.7-38.8^44.7-2.8←→7.1-13.2^19.1-25.2^31.3-37.4^43.3-1.4^7.5-13.6^19.5-25.6^31.7-37.8^43.7-1.8であり、
U相の第2の並列巻きブランチの接続方式は、
44.8-38.7^32.8-26.7^20.6-14.5^8.6-2.5^44.4-38.3^32.4-26.3^20.2-14.1^8.2-2.1←→43.8-37.7^31.8-25.7^19.6-13.5^7.6-1.5^43.4-37.3^31.4-25.3^19.2-13.1^7.2-1.1であり、
U相の第3の並列巻きブランチの接続方式は、
32.1-38.2^44.1-2.2^8.3-14.4^20.3-26.4^32.5-38.6^44.5-2.6^8.7-14.8^20.7-26.8←→31.1-37.2^43.1-1.2^7.3-13.4^19.3-25.4^31.5-37.6^43.5-1.6^7.7-13.8^19.7-25.8であり、
U相の第4の並列巻きブランチの接続方式は、
20.8-14.7^8.8-2.7^44.6-38.5^32.6-26.5^20.4-14.3^8.4-2.3^44.2-38.1^32.2-26.1←→19.8-13.7^7.8-1.7^43.6-37.5^31.6-25.5^19.4-13.3^7.4-1.3^43.2-37.1^31.2-25.1である
請求項9に記載のモータ。
【請求項13】
請求項8~12のいずれか一項に記載のモータを含む車両である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ステータ巻線構造及びステータ巻線構造を含むモータに関し、具体的には平角線で構成されたステータ巻線構造に関し、このステータ巻線を含むモータは駆動モータ又は発電機として新エネルギー自動車などに適用することができる。
【背景技術】
【0002】
モータ、例えば交流モータは、ステータアセンブリと、ロータアセンブリとを含む。ステータアセンブリは、一般に、ステータ巻線と、ステータコアとを含む。ステータ巻線は、モータに電気エネルギーの入力及び磁場の確立を提供し、ステータコアは、モータに磁気負荷チャネルを提供する。
【0003】
モータのパワー密度を向上させ、モータの放熱能力および構造の安定性を向上させるなどのために、新エネルギー自動車に使用されるモータはヘアピン型平角線巻線を採用することが多く、ステータの占積率を大幅に向上させ、モータのパワー密度を改善させる。
【0004】
平角線巻線は多くの戦略や方法を採用することができる。従来技術では、多層平角銅線波巻線を使用してモータにおける交流銅損失を低減することが多い。
【0005】
多層の巻線(8層や8層以上)に対して、モータのトルク及び電圧特性を整合させるために、ワンフェーズ・マルチブランチの並列巻き方式が採用されることが多い。8層平角銅線4本並列巻きブランチ巻線の例では、U相巻線は、その対応するスロットにおける1、2層導体が接続されることで第1の並列巻きブランチを形成し、その対応するスロットにおける3、4層導体が接続されることで第2の並列巻きブランチを形成し、その対応するスロットにおける5、6層導体が接続されることで第3の並列巻きブランチを形成し、その対応するスロットにおける7、8層導体が接続されることで第4の並列巻きブランチを形成する。上述した4本並列巻きブランチは、ヘッド-ヘッド接続されることでU相巻線の先頭端を形成し、テール-テール接続されることでU相巻線の後尾端を形成し、U相はV、Wの二相と対応して接続することにより、Y型三相巻線又は三角型三相巻線が形成される。
【0006】
上述した方式により、所望のトルクとパワーを実現することができるが、同相の並列巻きブランチの間には電磁結合の不均等でアンバランス電流ループが発生し、余分な付加銅損失及びトルク変動が増加し、モータ性能に無視できない悪影響を与えてしまう。
【0007】
そのため、少なくとも1つの方面において従来技術よりも有利となるステータ巻線構造及びステータ巻線構造を含むモータを提供することが求められている。
【発明の概要】
【0008】
現在広く適用されている8極多層(8層や8層以上)平角銅線巻線が磁束漏れに起因する電磁結合の不均一により発生する電流ループの問題に対して、本開示では、4ブランチ並列巻きの巻線構造が提案されている。
【0009】
具体的には、本開示は、一態様において、モータ用のステータ巻線構造であって、前記モータは、U、V及びW相を含む、8極の三相交流モータであり、各相は、第1の並列巻きブランチ、第2の並列巻きブランチ、第3の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチという4本の並列巻きブランチを含み、各並列巻きブランチはいずれも先頭端と後尾端を有し、第1及び第3の並列巻きブランチの巻線方向は同じであり、第2及び第4の並列巻きブランチの巻線方向は同じであり、かつ第1及び第3の並列巻きブランチの巻線方向とは逆方向であり、前記三相交流モータは通電後に正常に動作可能であり、
前記ステータ巻線構造は、ステータコアに配置されており、前記ステータコアは、複数のスロットを含み、前記ステータ巻線は複数のU形平角銅線で構成されており、ここで、各U形平角銅線は、第1の導体と、第1の導体に基本的に平行な第2の導体と、第1の導体と第2の導体とを接続する接続部位と、を含み、モータに配置された各U形平角銅線の接続部位はいずれもモータに対し同一側に位置しており、
Qは、ステータコアのスロットの数を表し、スロットの番号は、時計回り又は逆時計回りであり、iは、1≦i≦Qを満たす自然数であり、qは、極ごとの各相のスロット数を表すと、q=(Q/p)/3(ここで、q=1、2、3……)であり、Lは、各偶数でありスロットの層数を表し、かつL=8+4*l(ここで、l=0、1、2、3……)であり、jは、1≦j≦Lを満たす自然数であり、yは、ピッチを表し、1つのスロットにおける1層は、1つの導体に対応しており、
モータの接続部位を有する側からみて、U形平角銅線の2つの導体の接続方式は、以下の通りであり、
- jが奇数であり、かつj=1、3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、
- jが偶数であり、かつj=2、4、6……Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、
モータの接続部位を有さない側からみて、溶接又は導流板により接続されて前記三相交流モータを形成する2つの導体の接続方式は、以下の通りであり、
- j=2、4、6……L-2である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、又は、i+y+1番目若しくはi+y-1番目のステータスロットにおける第1層導体に接続されており、
- j=1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、又は、i-y+1番目若しくはi-y-1番目のステータスロットにおける第L層導体に接続されており、
ここで、iの値は、巻線分相及びブランチ番号に依存しており、かつ、i-y<0である場合、i-y=i-y+Qとなり、i+y>Qである場合、i+y=i+y-Qとなる、ステータ巻線構造を提供する。
【0010】
本開示は、別の態様において、モータ用のステータ巻線構造であって、前記モータは、U、V及びW相を含む、8極の三相交流モータであり、各相は、第1の並列巻きブランチ、第2の並列巻きブランチ、第3の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチという4本の並列巻きブランチを含み、各並列巻きブランチはいずれも先頭端と後尾端を有し、第1及び第3の並列巻きブランチの巻線方向は同じであり、第2及び第4の並列巻きブランチの巻線方向は同じであり、かつ第1及び第3の並列巻きブランチの巻線方向とは逆方向であり、前記三相交流モータは通電後に正常に動作可能であり、
前記ステータ巻線構造は、ステータコアに配置されており、前記ステータコアは、複数のスロットを含み、前記ステータ巻線は複数のU形平角銅線で構成されており、各U形平角銅線は、第1の導体と、第1の導体に基本的に基本的に平行な第2の導体と、第1の導体と第2の導体とを接続する接続部位と、を含み、モータに配置された各U形平角銅線の接続部位はいずれもモータに対し同一側に位置しており、
Qは、ステータコアのスロットの数を表し、スロットの番号は、時計回り又は逆時計回りであり、iは、1≦i≦Qを満たす自然数であり、qは、極ごとの各相のスロット数を表すと、q=(Q/p)/3(ここで、q=1、2、3……)であり、Lは、偶数であり各スロットの層数を表し、かつL=8+4*l(ここで、l=0、1、2、3……)であり、jは、1≦j≦Lを満たす自然数であり、yは、ピッチを表し、1つのスロットにおける1層は、1つの導体に対応しており、
モータの接続部位を有さない側からみて、溶接されて前記三相交流モータを形成する2つの導体の接続方式は、以下の通りであり、
- jが奇数であり、かつj=1、3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、
- jが偶数であり、かつj=2、4、6……Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、
モータの接続部位を有する側からみて、導流板又は接続部位が接続する2つの導体の接続方式は、以下の通りであり、
- j=2、4、6……L-2である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、又は、i+y+1番目若しくはi+y-1番目のステータスロットにおける第1層導体に接続されており、
- j=1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、又は、i-y+1番目若しくはi-y-1番目のステータスロットにおける第L層導体に接続されており、
ここで、iの値は、巻線分相及びブランチ番号に依存しており、かつ、i-y<0である場合、i-y=i-y+Qとなり、i+y>Qである場合、i+y=i+y-Qとなる、ステータ巻線構造を提供する。
【0011】
好ましくは、第1の並列巻きブランチ及び第3の並列巻きブランチの先頭端にある導体は、それぞれ、i±2ky番目(k=0、1、2、3……)のステータスロットにおける奇数層に位置しており、かつ、第2の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチの先頭端にある導体は、それぞれi±2ky番目(k=0、1、2、3……)のステータスロットにおける偶数層に位置している。
【0012】
好ましくは、第1の並列巻きブランチ、第2の並列巻きブランチ、第3の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチの先頭端及び後尾端はいずれも、スロットの第1層又は第L層に位置している。
【0013】
好ましくは、4本の並列巻きブランチのうち、2本のブランチの先頭端はそれぞれi番目のスロットの第1層及び第L層に位置しており、他の2本のブランチの先頭端はそれぞれi+Q/2番目のスロットの第1層及び第L層に位置している。
【0014】
好ましくは、前記ステータ巻線構造は、テール-テール方式で接続されたY型巻線、又はヘッド-テール方式で接続された三角型巻線として配置されている。
【0015】
好ましくは、前記ステータ巻線構造は、全節巻き構造、短節巻き構造又は長節巻き構造である。
【0016】
本開示は、別の態様において、上述したようなステータ巻線構造を含むモータを提供する。
【0017】
好ましくは、前記モータは、48個のステータスロットを有し、各ステータスロットが8層を有する。
【0018】
好ましくは、前記モータのU相は、U相の第1の並列巻きブランチ、U相の第2の並列巻きブランチ、U相の第3の並列巻きブランチ及びU相の第4の並列巻きブランチという4本の並列巻きブランチを含み、「^」は、U形平角銅線の接続部位で接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板方式で接続することを示し、「i.j」は、i番目のスロットにおける第j層を示し、
かつ、
U相の第1の並列巻きブランチの接続方式は、
1.1^7.2-13.1^19.2-25.3^31.4-37.3^43.4-1.5^7.6-13.5^19.6-25.7^31.8-37.7^43.8←→2.1^8.2-14.1^20.2-26.3^32.4-38.3^44.4-2.5^8.6-14.5^20.6-26.7^32.8-38.7^44.8であり、
U相の第2の並列巻きブランチの接続方式は、
1.8^43.7-37.8^31.7-25.6^19.5-13.6^7.5-1.4^43.3-37.4^31.3-25.2^19.1-13.2^7.1←→2.8^44.7-38.8^32.7-26.6^20.5-14.6^8.5-2.4^44.3-38.4^32.3-26.2^20.1-14.2^8.1であり、
U相の第3の並列巻きブランチの接続方式は、
25.1^31.2-37.1^43.2-1.3^7.4-13.3^19.4-25.5^31.6-37.5^43.6-1.7^7.8-13.7^19.8←→26.1^32.2-38.1^44.2-2.3^8.4-14.3^20.4-26.5^32.6-38.5^44.6-2.7^8.8-14.7^20.8であり、
U相の第4の並列巻きブランチの接続方式は、
25.8^19.7-13.8^7.7-1.6^43.5-37.6^31.5-25.4^19.3-13.4^7.3-1.2^43.1-37.2^31.1←→26.8^20.7-14.8^8.7-2.6^44.5-38.6^32.5-26.4^20.3-14.4^8.3-2.2^44.1-38.2^32.1である。
【0019】
好ましくは、前記モータのU相は、U相の第1の並列巻きブランチ、U相の第2の並列巻きブランチ、U相の第3の並列巻きブランチ及びU相の第4の並列巻きブランチという4本の並列巻きブランチを含み、「^」は、U形平角銅線の接続部位で接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板方式で接続することを示し、「i.j」は、i番目のスロットにおける第j層を示し、
かつ、
U相の第1の並列巻きブランチの接続方式は、
13.1^19.2-25.3^31.4-37.3^43.4-1.5^7.6-13.5^19.6-25.7^31.8-37.7^43.8←→2.1^8.2-14.1^20.2-26.3^32.4-38.3^44.4-2.5^8.6-14.5^20.6-26.7^32.8-38.7^44.8←→1.1^7.2であり、
U相の第2の並列巻きブランチの接続方式は、
1.8^43.7-37.8^31.7-25.6^19.5-13.6^7.5-1.4^43.3-37.4^31.3-25.2^19.1-13.2^7.1←→2.8^44.7-38.8^32.7-26.6^20.5-14.6^8.5-2.4^44.3-38.4^32.3-26.2^20.1-14.2^8.1であり、
U相の第3の並列巻きブランチの接続方式は、
13.3^19.4-25.5^31.6-37.5^43.6-1.7^7.8-13.7^19.8←→26.1^32.2-38.1^44.2-2.3^8.4-14.3^20.4-26.5^32.6-38.5^44.6-2.7^8.8-14.7^20.8←→25.1^31.2-37.1^43.2-1.3^7.4であり、
U相の第4の並列巻きブランチの接続方式は、
1.6^43.5-37.6^31.5-25.4^19.3-13.4^7.3-1.2^43.1-37.2^31.1←→26.8^20.7-14.8^8.7-2.6^44.5-38.6^32.5-26.4^20.3-14.4^8.3-2.2^44.1-38.2^32.1←→25.8^19.7-13.8^7.7である。
【0020】
好ましくは、前記モータのU相は、U相の第1の並列巻きブランチ、U相の第2の並列巻きブランチ、U相の第3の並列巻きブランチ及びU相の第4の並列巻きブランチという4本の並列巻きブランチを含み、「^」は、U形平角銅線の接続部位で接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板方式で接続することを示し、「i.j」は、i番目のスロットにおける第j層を示し、
かつ、
U相の第1の並列巻きブランチの接続方式は、
8.1-14.2^20.1-26.2^32.3-38.4^44.3-2.4^8.5-14.6^20.5-26.6^32.7-38.8^44.7-2.8←→7.1-13.2^19.1-25.2^31.3-37.4^43.3-1.4^7.5-13.6^19.5-25.6^31.7-37.8^43.7-1.8であり、
U相の第2の並列巻きブランチの接続方式は、
44.8-38.7^32.8-26.7^20.6-14.5^8.6-2.5^44.4-38.3^32.4-26.3^20.2-14.1^8.2-2.1←→43.8-37.7^31.8-25.7^19.6-13.5^7.6-1.5^43.4-37.3^31.4-25.3^19.2-13.1^7.2-1.1であり、
U相の第3の並列巻きブランチの接続方式は、
32.1-38.2^44.1-2.2^8.3-14.4^20.3-26.4^32.5-38.6^44.5-2.6^8.7-14.8^20.7-26.8←→31.1-37.2^43.1-1.2^7.3-13.4^19.3-25.4^31.5-37.6^43.5-1.6^7.7-13.8^19.7-25.8であり、
U相の第4の並列巻きブランチの接続方式は、
20.8-14.7^8.8-2.7^44.6-38.5^32.6-26.5^20.4-14.3^8.4-2.3^44.2-38.1^32.2-26.1←→19.8-13.7^7.8-1.7^43.6-37.5^31.6-25.5^19.4-13.3^7.4-1.3^43.2-37.1^31.2-25.1である。
【0021】
本開示は、別の態様において、上述したようなモータを含む車両を提供する。
【0022】
本開示によるステータ巻線構造及びステータ巻線構造を含むモータによれば、電流ループを弱めて低下させること、ループによる付加銅損失を低減させること、及びモータ性能を向上させることなどの目的を達成することができる。
【0023】
さらに、本開示の保護請求する巻線構造及びステータ巻線構造を含むモータによれば、同一のブランチの導体が円周方向に沿ってステータスロットの各導体層に割り当てられるようになる。ステータスロットにおける異なる半径箇所にある導体同士を接続することにより、ステータスロット内の冷却液から離れた導体の放熱能力を向上させること、各層の導体間の温度差をバランスさせること、モータの継続パワー及びパワー密度を高めること、ステータがロータへの熱放射を減少させること、ロータ温度を制御すること、及びある程度で電機子の端部サイズを小さくすることのうちの少なくとも1つを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態によるU形平角銅線の模式図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態によるステータ巻線の回路図を示し、ここでは、U、V及びW相はそれぞれ4本の並列巻きブランチを含む。
【
図3】
図3は、本開示の実施例1によるステータの斜視図を示し、ここでは、上部が溶接端である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例1によるステータの斜視図を示し、ここでは、上部がU形端である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例1によるステータ巻線構造の斜視図を示し、ここでは、U相巻線のみが示されている。
【
図6】
図6は、
図5のステータ巻線構造の斜視図を示し、ここでは、コアも示されている。
【
図7A】
図7Aは、本開示の実施例1に用いられる導流板の斜視図を示す。
【
図7C】
図7Cは、
図7Aの導流板を示し、ここでは、導流板内のU相引出線の線路図のみが示されている。
【
図7D】
図7Dは、
図7Aの導流板を示し、ここでは、導流板内の中性線線路図のみが示されている。
【
図8A】
図8Aは、本開示の実施例1によるU相巻線の第1の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図8B】
図8Bは、本開示の実施例1によるU相巻線の第2の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図8C】
図8Cは、本開示の実施例1によるU相巻線の第3の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図8D】
図8Dは、本開示の実施例1によるU相巻線の第4の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図9A】
図9Aは、本開示の実施例1によるU相巻線の第1の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図9B】
図9Bは、本開示の実施例1によるU相巻線の第2の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図9C】
図9Cは、本開示の実施例1によるU相巻線の第3の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図9D】
図9Dは、本開示の実施例1によるU相巻線の第4の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図10】
図10は、本開示の実施例2によるステータの斜視図を示し、ここでは、上部が溶接端である。
【
図11】
図11は、本開示の実施例2によるステータの斜視図を示し、ここでは、上部がU形端である。
【
図12】
図12は、本開示の実施例2によるステータ巻線構造の斜視図を示し、ここでは、U相巻線のみが示されている。
【
図13】
図13は、
図12のステータ巻線構造の斜視図を示し、ここでは、コアも示されている。
【
図15A】
図15Aは、本開示の実施例2によるU相巻線の第1の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図15B】
図15Bは、本開示の実施例2によるU相巻線の第2の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図15C】
図15Cは、本開示の実施例2によるU相巻線の第3の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図15D】
図15Dは、本開示の実施例2によるU相巻線の第4の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図16A】
図16Aは、本開示の実施例2によるU相巻線の第1の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図16B】
図16Bは、本開示の実施例2によるU相巻線の第2の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図16C】
図16Cは、本開示の実施例2によるU相巻線の第3の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図16D】
図16Dは、本開示の実施例2によるU相巻線の第4の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図17】
図17は、本開示の実施例3によるステータの斜視図を示し、ここでは、上部がU形端である。
【
図18】
図18は、本開示の実施例3によるステータの斜視図を示し、ここでは、上部が溶接端である。
【
図19】
図19は、本開示の実施例3によるステータ巻線構造の斜視図を示し、ここでは、U相巻線のみが示されている。
【
図20】
図20は、
図19のステータ巻線構造の斜視図を示し、ここでは、コアも示されている。
【
図21A】
図21Aは、本開示の実施例3によるU相巻線の第1の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図21B】
図21Bは、本開示の実施例3によるU相巻線の第2の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図21C】
図21Cは、本開示の実施例3によるU相巻線の第3の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図21D】
図21Dは、本開示の実施例3によるU相巻線の第4の並列巻きブランチの結線構造図を示す。
【
図22A】
図22Aは、本開示の実施例3によるU相巻線の第1の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図22B】
図22Bは、本開示の実施例3によるU相巻線の第2の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図22C】
図22Cは、本開示の実施例3によるU相巻線の第3の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す。
【
図22D】
図22Dは、本開示の実施例3によるU相巻線の第4の並列巻きブランチがU形端での結線の展開図を示す
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図は縮尺によるものではない。一部の詳細は明瞭に示すために誇張しており、また、図示する必要のない一部の詳細は省略されている。
【0026】
モータは、ステータ及びロータ(未示出)を含む。ステータは、ステータコア11及びステータ巻線構造100を含む。ステータコア11には、周方向に分布している複数のスロットを有している。
【0027】
ステータ巻線構造100は、
図1で示される複数のU形平角銅線10で構成されてもよい。U形平角銅線10のピッチはyである。
【0028】
U形平角銅線10は、第1の導体1と、第2の導体2と、接続部位3とを含む。
図1に示される配置からみると、第1の導体1は左側に位置しており、第2の導体2は右側に位置している。接続部位3は、第1の導体1と第2の導体2とを相互接続している。
【0029】
本開示では、接続部位3の一端がU形端となり(
図1の上部)、反対側の他端が溶接端となる(
図1の下部)。
【0030】
本開示に開示されるステータのステータ巻線構造100は、位相差が120°電気角度の三相(U、V及びW相)巻線構造で構成されており、前記ステータ巻線構造100は、ステータコア11のスロット内に配列されている。
【0031】
三相巻線の各相は、第1の並列巻きブランチ、第2の並列巻きブランチ、第3の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチという、コア11に巻回された4本の並列巻きブランチを含む。第1及び第3の並列巻きブランチの巻線方向は同じであり、第2及び第4の並列巻きブランチの巻線方向は同じであり、かつ第1及び第3の並列巻きブランチの巻線方向とは逆方向である。前記三相交流モータは通電後に正常に動作可能である。
【0032】
前記三相巻線は、必要に応じて、テール-テール接続方式でY型巻線を形成してもよいし、ヘッド-テール接続方式で三角型巻線を形成してもよい。本開示の記述及び図面においては、Y型巻線の接続方式を例とした(
図2に示すように)が、本開示の保護範囲に三角型巻線も含まれる。
【0033】
モータのスロット数はQであり、当業者に知られているように、スロットの番号は、任意のスロットから始まり時計回り又は逆時計回りにインクリメントしてもよく、極対数はP(極数p=2*P=8)であり、極ピッチがτ=Q/p、全節巻きのピッチがy=τであり、各相の巻線は複数のスロット内導体を含み、かつステータコア11のスロットに挿入されている。ステータコア11の各スロットにおいて、L層導体部分が配列されている(Lは偶数であり、かつL=8+4*l(l=0、1、2、3……))。qは極ごとの各相のスロット数を表す(q=(Q/p)/3、かつ、q=1、2、3……)。
【0034】
本開示の一実施形態によれば、ステータ巻線構造100を構成する複数のU形平角銅線10それぞれの接続部位(U形端)はいずれもモータの第1側に位置している。これに対応して、ステータ巻線構造100を構成する複数のU形平角銅線10それぞれの溶接端はいずれもモータの第1側とは反対側の第2側に位置している。
【0035】
本開示の一実施形態では、U形端側(第1側)からみて、接続部位3が接続する2つの導体1、2の接続方式は、以下の通りである。
【0036】
- jが奇数であり、かつj=1、3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、
- jが偶数であり、かつj=2、4、6……Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、
ここで、iの値は、巻線分相及びブランチ番号に依存しており、かつ、i-y<0である場合、i-y=i-y+Qとなる。
【0037】
これに対応して、モータの溶接端(第2側)からみて、溶接されて又は導流板により接続されて極数が8でありかつ各相が4本の並列巻きブランチを含む三相交流モータを形成する2つの導体1、2の接続方式は、
- j=2、4、6……L-2である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており
- j=Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、又は、i+y+1番目若しくはi+y-1番目のステータスロットにおける第1層導体に接続されており、
- j=1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、又は、i-y+1番目若しくはi-y-1番目のステータスロットにおける第L層導体に接続されており、
ここで、iの値は、巻線分相及びブランチ番号に依存しており、かつ、i+y>Qである場合、i+y=i+y-Qとなる。
【0038】
また、本開示の別の実施形態では、溶接端側(第2側)からみて、溶接されて極数が8でありかつ各相が4本の並列巻きブランチを含む三相交流モータを形成する2つの導体1、2の接続方式は以下の通りである。
【0039】
- jが奇数であり、かつj=1、3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、
- jが偶数であり、かつj=2、4、6……Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、
ここで、iの値は、巻線分相及びブランチ番号に依存しており、かつ、i+y>Qである場合、i+y=i+y-Qとなる。
【0040】
これに対応して、U形端側(第1側)からみて、導流板又は接続部位3が接続する2つの導体1、2の接続方式は以下の通りである。
【0041】
- j=2、4、6……L-2である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=3、5……L-1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1又は第j-1層導体に接続されており、
- j=Lである場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i+y番目のステータスロットにおける第j-1層導体に接続されており、又は、i+y+1番目若しくはi+y-1番目のステータスロットにおける第1層導体に接続されており、
- j=1である場合、i番目のステータスロットにおける第j層導体が、i-y番目のステータスロットにおける第j+1層導体に接続されており、又は、i-y+1番目若しくはi-y-1番目のステータスロットにおける第L層導体に接続されており、
ここで、iの値は、巻線分相及びブランチ番号に依存しており、かつ、i-y<0である場合、i-y=i-y+Qとなる。
【0042】
各相の巻線に含まれる4本の並列巻きブランチについて、第1の並列巻きブランチと第3の並列巻きブランチの先頭端の導体は、それぞれi±2ky番目のステータスロット(k=0、1、2、……)における奇数層に位置し、第2の並列巻きブランチと第4の並列巻きブランチの先頭端の導体は、それぞれi±2ky番目のステータスロット(k=0、1、2、……)における偶数層に位置している。なお、当業者に知られているように、1つのスロットにおける1層は1つの導体に対応している。対応する後尾端位置は、上述した導体の接続方式から推定できるので、ここでは省略する。
【0043】
また、第2の並列巻きブランチと第4の並列巻きブランチの先頭端は、それぞれi±2ky番目のステータスロット(k=0、1、2……)における奇数層に位置しており、第1の並列巻きブランチと第3の並列巻きブランチの先頭端は、それぞれi±2ky番目のステータスロット(k=0、1、2……)における偶数層に位置している。なお、当業者に知られているように、1つのスロットにおける1層は1つの導体に対応している。対応する後尾端位置は、上述した導体の接続方式から推定できるので、ここでは省略する。
【0044】
これを基に派生された全ての引出線構造は、いずれも本開示の保護範囲内にある。
【0045】
一実施形態では、巻線構造は、4本の並列巻きブランチの全ての先頭端と後尾端はいずれもステータスロットにおける第1層又は第L層に位置するものである。例えば、4本の並列巻きブランチのうち、2本の並列巻きブランチの先頭端は、それぞれi番目のステータスロットの第1層及び第L層に位置しており、これに対応して、この2本の並列巻きブランチの後尾端は、それぞれi-y+1番目のステータスロットの第L層及びi+y+1番目のステータスロットの第1層に位置している。4本の並列巻きブランチのうち、他の2本の並列巻きブランチの先頭端は、それぞれi+Q/2番目のステータスロットの第1層及び第L層に位置しており、これに対応して、その他の2本の並列巻きブランチの後尾端は、それぞれi+Q/2-y+1番目のステータスロットの第L層及びi+Q/2+y+1番目のステータスロットの第1層に位置している。
【0046】
好ましくは、各相の巻線構造の各並列巻きブランチは、qL/2本の二次ブランチが直列に接続されてなるものとみなせる。
【0047】
いくつかの場合では、本開示に開示されるステータ巻線構造100を構成する際に、導流板12を用いて各導体を接続することができる。導流板12は、本分野において既知の任意の適切な導流板であってもよい。
【0048】
本開示をよりよく理解するために、ここでは、8極48スロット(番号はそれぞれ、1-48番)の8層(番号はそれぞれ、1-8層)の巻線を例として、以下の3つの実施例を示す。当然のことながら、本開示の保護範囲は、ここに与えられた3つの実施例に限定されるものではない。
実施例1
本例の三相交流モータでは、ステータは、ステータコア11及びステータ巻線構造100を含む。ステータコア11には、周方向に分布している複数のスロットを有している。ステータ巻線構造100は、複数のU形平角銅線10で構成されている。
【0049】
ステータにおける三相(U、V及びW相)引出線は、ステータ巻線構造100のU形平角銅線10の溶接端に配置されている。これに対応して、導流板12は、各相の引出線に用いるように、(
図7A-7Dに示すように)溶接端にも配置されている。実施例1のステータは、
図3-4に示すようである。
【0050】
図5-6、
図8A-8D及び
図9A-9Dに示すように、実施例1のU相巻線構造100Uの4本の並列巻きブランチの斜視図、結線構造図及びU形端(第1側)からの展開図がそれぞれ示されている。
【0051】
各相は、4本の並列巻きブランチを含み、それぞれ、第1の並列巻きブランチ、第2の並列巻きブランチ、第3の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチである。
【0052】
U相の巻線構造の第1の並列巻きブランチの部分接続方式は、以下の通りであり、
1番スロット内の第1層導体は、U形端で接続部位を介してピッチyで7番スロット内の第2層導体に接続されており、
7番スロット内の第2層導体は、溶接端で溶接方式を介して13番スロット内の第1層導体に接続されており、
13番スロット内の第1層導体は、U形端で接続部位を介してピッチyで19番スロット内の第2層導体に接続されており、
19番スロット内の第2層導体は、溶接端で溶接方式を介して25番スロット内の第3層導体に接続されており、
25番スロット内の第3層導体は、U形端で接続部位を介してピッチyで31番スロット内の第4層導体に接続されている。
【0053】
以上の規則を踏まえると、実施例1の完全な接続方式は以下の通りである。
【0054】
図8A及び
図9Aに示すように、U相の第1の並列巻きブランチは、
1.1^7.2-13.1^19.2-25.3^31.4-37.3^43.4-1.5^7.6-13.5^19.6-25.7^31.8-37.7^43.8←→2.1^8.2-14.1^20.2-26.3^32.4-38.3^44.4-2.5^8.6-14.5^20.6-26.7^32.8-38.7^44.8である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0055】
図8B及び
図9Bに示すように、U相の第2の並列巻きブランチは、
1.8^43.7-37.8^31.7-25.6^19.5-13.6^7.5-1.4^43.3-37.4^31.3-25.2^19.1-13.2^7.1←→2.8^44.7-38.8^32.7-26.6^20.5-14.6^8.5-2.4^44.3-38.4^32.3-26.2^20.1-14.2^8.1である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0056】
図8C及び
図9Cに示すように、U相の第3の並列巻きブランチは、
25.1^31.2-37.1^43.2-1.3^7.4-13.3^19.4-25.5^31.6-37.5^43.6-1.7^7.8-13.7^19.8←→26.1^32.2-38.1^44.2-2.3^8.4-14.3^20.4-26.5^32.6-38.5^44.6-2.7^8.8-14.7^20.8である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0057】
図8D及び
図9Dに示すように、U相の第4の並列巻きブランチは、
25.8^19.7-13.8^7.7-1.6^43.5-37.6^31.5-25.4^19.3-13.4^7.3-1.2^43.1-37.2^31.1←→26.8^20.7-14.8^8.7-2.6^44.5-38.6^32.5-26.4^20.3-14.4^8.3-2.2^44.1-38.2^32.1である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0058】
V相及びW相の巻線構造は、上述した規則に従って得られるので、ここでは説明を省略する。
実施例2
本例の三相交流モータでは、ステータは、ステータコア11及びステータ巻線構造100を含む。ステータコア11には、周方向に分布している複数のスロットを有している。ステータ巻線構造100は、複数のU形平角銅線10で構成されている。
【0059】
ステータにおける三相(U、V及びW相)引出線は、ステータ巻線構造100のU形平角銅線10の溶接端に配置されている。これに対応して、導流板12は、各相の引出線に用いるように、(
図14A-14Dに示すように)溶接端にも配置されている。実施例2のステータは、
図10-11に示すようである。
【0060】
図12-13、
図15A-15D及び
図16A-16Dに示すように、実施例2のU相巻線構造100Uの4本の並列巻きブランチの斜視図、結線構造図及びU形端(第1側)からの展開図がそれぞれ示されている。
【0061】
各相は、4本の並列巻きブランチを含み、それぞれ、第1の並列巻きブランチ、第2の並列巻きブランチ、第3の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチである。
【0062】
U相の巻線構造の第1の並列巻きブランチの部分接続方式は、以下の通りであり、
13番スロット内の第1層導体は、U形端で接続部位を介してピッチyで19番スロット内の第2層導体に接続されており、
19番スロット内の第2層導体は、溶接端で溶接方式を介して25番スロット内の第3層導体に接続されており、
25番スロット内の第3層導体は、U形端で接続部位を介してピッチyで31番スロット内の第4層導体に接続されており、
31番スロット内の第4層導体は、溶接端で溶接方式を介して37番スロット内の第3層導体に接続されており、
37番スロット内の第3層導体は、U形端で接続部位を介してピッチyで43番スロット内の第4層導体に接続されている。
【0063】
以上の規則を踏まえると、実施例2の完全な接続方式は以下の通りである。
【0064】
図15A及び
図16Aに示すように、U相の第1の並列巻きブランチは、
13.1^19.2-25.3^31.4-37.3^43.4-1.5^7.6-13.5^19.6-25.7^31.8-37.7^43.8←→2.1^8.2-14.1^20.2-26.3^32.4-38.3^44.4-2.5^8.6-14.5^20.6-26.7^32.8-38.7^44.8←→1.1^7.2である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0065】
図15B及び
図16Bに示すように、U相の第2の並列巻きブランチは、
1.8^43.7-37.8^31.7-25.6^19.5-13.6^7.5-1.4^43.3-37.4^31.3-25.2^19.1-13.2^7.1←→2.8^44.7-38.8^32.7-26.6^20.5-14.6^8.5-2.4^44.3-38.4^32.3-26.2^20.1-14.2^8.1である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0066】
図15C及び
図16Cに示すように、U相の第3の並列巻きブランチは、
13.3^19.4-25.5^31.6-37.5^43.6-1.7^7.8-13.7^19.8←→26.1^32.2-38.1^44.2-2.3^8.4-14.3^20.4-26.5^32.6-38.5^44.6-2.7^8.8-14.7^20.8←→25.1^31.2-37.1^43.2-1.3^7.4である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0067】
図15D及び
図16Dに示すように、U相の第4の並列巻きブランチは、
1.6^43.5-37.6^31.5-25.4^19.3-13.4^7.3-1.2^43.1-37.2^31.1←→26.8^20.7-14.8^8.7-2.6^44.5-38.6^32.5-26.4^20.3-14.4^8.3-2.2^44.1-38.2^32.1←→25.8^19.7-13.8^7.7である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0068】
V相及びW相の巻線構造は、上述した規則に従って得ることができ、ここでは説明を省略する。
実施例3
本例の三相交流モータでは、ステータは、ステータコア11及びステータ巻線構造100を含む。ステータコア11には、周方向に分布している複数のスロットを有している。ステータ巻線構造100は、複数のU形平角銅線10で構成されている。
【0069】
ステータにおける三相(U、V及びW相)引出線は、ステータ巻線のU形平角銅線のU形端に配置されている。これに対応して、導流板12は、各相の引出線に用いるように、(例えば
図7A-7Dに示すように)U形端にも配置されている。実施例3のステータは、
図17-18に示すようである。
【0070】
図19-20、
図21A-21D及び
図22A-22Dに示すように、実施例3のU相巻線構造100Uの4本の並列巻きブランチの斜視図、結線構造図及びU形端(第1側)からの展開図がそれぞれ示されている。
【0071】
各相は、4本の並列巻きブランチを含み、それぞれ、第1の並列巻きブランチ、第2の並列巻きブランチ、第3の並列巻きブランチ及び第4の並列巻きブランチである。
【0072】
U相の巻線構造の第1の並列巻きブランチの部分接続方式、以下の通りであり、
8番スロット内の第1層導体は、溶接端で溶接方式を介してピッチyで14番スロット内の第2層導体に接続されており、
14番スロット内の第2層導体は、U形端で接続部位を介して20番スロット内の第1層導体に接続されており、
20番スロット内の第1層導体は、溶接端で溶接方式を介してピッチyで26番スロット内の第2層導体に接続されており、
26番スロット内の第2層導体は、U形端で接続部位を介して32番スロット内の第3層導体に接続されており、
32番スロット内の第3層導体は、溶接端で溶接方式を介してピッチyで38番スロット内の第4層導体に接続されている。
【0073】
以上の規則を踏まえると、実施例3の完全な接続方式は以下の通りである。
【0074】
図21A及び
図22Aに示すように、U相の第1の並列巻きブランチは、
8.1-14.2^20.1-26.2^32.3-38.4^44.3-2.4^8.5-14.6^20.5-26.6^32.7-38.8^44.7-2.8←→7.1-13.2^19.1-25.2^31.3-37.4^43.3-1.4^7.5-13.6^19.5-25.6^31.7-37.8^43.7-1.8である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0075】
図21B及び
図22Bに示すように、U相の第2の並列巻きブランチは、
44.8-38.7^32.8-26.7^20.6-14.5^8.6-2.5^44.4-38.3^32.4-26.3^20.2-14.1^8.2-2.1←→43.8-37.7^31.8-25.7^19.6-13.5^7.6-1.5^43.4-37.3^31.4-25.3^19.2-13.1^7.2-1.1である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0076】
図21C及び
図22Cに示すように、U相の第3の並列巻きブランチは、
32.1-38.2^44.1-2.2^8.3-14.4^20.3-26.4^32.5-38.6^44.5-2.6^8.7-14.8^20.7-26.8←→31.1-37.2^43.1-1.2^7.3-13.4^19.3-25.4^31.5-37.6^43.5-1.6^7.7-13.8^19.7-25.8である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す);
図21D及び
図22Dに示すように、U相の第4の並列巻きブランチは、
20.8-14.7^8.8-2.7^44.6-38.5^32.6-26.5^20.4-14.3^8.4-2.3^44.2-38.1^32.2-26.1←→19.8-13.7^7.8-1.7^43.6-37.5^31.6-25.5^19.4-13.3^7.4-1.3^43.2-37.1^31.2-25.1である(注:「^」は、接続部位により接続することを示し、「-」は、溶接方式で接続することを示し、「←→」は、導流板により接続することを示す)。
【0077】
V相及びW相の巻線構造は、上述した規則に従って得ることができ、ここでは説明を省略する。
【0078】
理解されるように、本開示はY型巻線を例としたものの、本開示が保護しようとする特徴は三角型巻線構造にも適用されることができる。
【0079】
理解されるように、本開示は全節巻き構造を例としたものの、本開示が保護しようとする特徴は短節巻き構造や長節巻き構造にも適用されることができる。
ここでは、具体的な実施形態を参照しながら本開示を記述したが、本開示の範囲は示された詳細に限定されるものではない。本開示の基本原理から逸脱することなく、これらの詳細に対して様々な補正を加えることが可能である。
【国際調査報告】