(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】抗がん剤としてTACC3を標的とするイソオキサゾール誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 413/12 20060101AFI20230118BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230118BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20230118BHJP
A61K 31/5386 20060101ALI20230118BHJP
C07D 498/18 20060101ALI20230118BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20230118BHJP
C07D 491/107 20060101ALI20230118BHJP
C07D 491/048 20060101ALI20230118BHJP
C07D 471/18 20060101ALI20230118BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230118BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230118BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230118BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230118BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
C07D413/12 CSP
A61K31/5377
C07D413/14
A61K31/5386
C07D498/18
A61K31/541
C07D491/107
C07D491/048
C07D471/18
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 105
A61P43/00 121
A61K45/00
A61P35/04
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527677
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 US2020060588
(87)【国際公開番号】W WO2021097352
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521278243
【氏名又は名称】エーツーエー ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521278232
【氏名又は名称】オンコキューブ セラピューティクス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バノグル,エルデン
(72)【発明者】
【氏名】カリスカン,ブルク
(72)【発明者】
【氏名】サヒン,オズグル
(72)【発明者】
【氏名】レンゲルリ,デニズ
(72)【発明者】
【氏名】アクブルト,オズゲ
(72)【発明者】
【氏名】リム,チェミン
(72)【発明者】
【氏名】クルス,エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンパティ,スリダー
(72)【発明者】
【氏名】イビス,クブラ
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
4C072
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050AA04
4C050BB02
4C050BB04
4C050BB07
4C050CC02
4C050CC15
4C050CC16
4C050EE01
4C050FF01
4C050GG01
4C050HH04
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB02
4C063BB09
4C063CC51
4C063CC54
4C063DD12
4C063DD29
4C063EE01
4C065AA09
4C065BB01
4C065CC09
4C065DD01
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ01
4C065KK01
4C065LL01
4C065PP03
4C065PP11
4C065PP16
4C072AA03
4C072BB03
4C072CC01
4C072CC11
4C072EE07
4C072FF03
4C072FF10
4C072GG01
4C072HH02
4C072HH07
4C084AA19
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZC01
4C084ZC41
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC67
4C086BC73
4C086BC88
4C086CB02
4C086CB22
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC01
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
一態様では、本開示は、TACC3を阻害することができる化合物および組成物に関する。別の態様では、本開示は、TACC3媒介性疾患および障害を治療する方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、
【化1】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
X
1が、NまたはCR
6であり、
X
2が、NまたはCR
3であり、
R
1が、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
2が、Hまたはアルキルであり、
R
3、R
4およびR
6が、各々独立してH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、またはスルホンアミドであり、
R
5が、ヘテロシクリル、アルキル、またはアミノである、化合物。
【請求項2】
前記化合物が、
【化2】
ではない、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1が、アリール(例えば、フェニル)である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
R
1が、ヘテロアリール(例えば、ベンゾフラン、またはピリミジニル)である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
R
1が、ヘテロシクリル(例えば、ベンゾジオキソールまたはジヒドロベンゾフラン)である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項6】
R
1が、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキルスルホニル、またはスルホンアミドで置換されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R
1が、アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、フルオロエチル、またはトリフルオロメチル)、アルキルオキシ(例えば、メトキシ、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、エトキシ、またはプロピルオキシ)、アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、アラルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ)、ヒドロキシル、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)、またはアミノ(例えば、ジメチルアミノアルキル)で置換されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R
1が、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R
1が、アルキルオキシ(例えば、メトキシ)で置換されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
R
1が、アルキル(例えば、メチル、エチル、またはトリフルオロメチル)で置換されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
R
1が、1つのハロ(例えば、F)で置換されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
前記ハロ(例えば、F)が、イソオキサゾールに対してパラである、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記ハロ(例えば、F)が、イソオキサゾールに対してオルトである、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
前記ハロ(例えば、F)が、イソオキサゾールに対してメタである、請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
R
1が、2つのハロ(例えば、F)で置換されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
1つのハロ(例えば、F)が、イソオキサゾールに対してメタであり、1つのハロ(例えば、F)が、前記イソオキサゾールに対してオルトである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
R
1が、アルコキシ(例えば、メトキシ)で置換されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
前記アルコキシ(例えば、メトキシ)が、イソオキサゾールに対してパラである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
前記アルコキシ(例えば、メトキシ)が、イソオキサゾールに対してオルトである、請求項17に記載の化合物。
【請求項20】
前記アルコキシ(例えば、メトキシ)が、イソオキサゾールに対してメタである、請求項17に記載の化合物。
【請求項21】
R
1が、1つのアルコキシ(例えば、メトキシ)および1つのハロ(例えば、F)で置換されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
前記アルコキシ(例えば、メトキシ)が、イソオキサゾールに対してパラであり、前記Fが、前記イソオキサゾールに対してメタである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
前記アルコキシ(例えば、メトキシ)が、イソオキサゾールに対してパラであり、前記Fが、前記イソオキサゾールに対してオルトである、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
前記ハロ(例えば、F)が、イソオキサゾールに対してパラであり、前記アルコキシ(例えば、メトキシ)が、前記イソオキサゾールに対してメタである、請求項21に記載の化合物。
【請求項25】
R
1が、アルコキシ(例えば、メトキシ)および2つのハロ(例えば、F)で置換されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
前記アルコキシ(例えば、メトキシ)が、イソオキサゾールに対してパラであり、両方のハロ(例えば、F)が、前記イソオキサゾールに対してメタである、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
前記アルコキシ(例えば、メトキシ)が、イソオキサゾールに対してパラであり、1つのハロ(例えば、F)が、前記イソオキサゾールに対してメタであり、1つのハロ(例えば、F)が、前記イソオキサゾールに対してオルトである、請求項25に記載の化合物。
【請求項28】
R
2が、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
R
2が、アミノ(例えば、ジメチルアミノまたはジエチルアミノ)、またはニトリルで置換されている、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
R
2が、Hである、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
X
1が、Nである、請求項1~30のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
X
1が、CR
6である、請求項1~30のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
R
6が、Hである、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
X
2が、Nである、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
X
2が、CR
3である、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
R
3が、Hまたはハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
R
4が、アルキル(例えば、メチル)である、請求項1~36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
R
5が、ヘテロシクリル(例えば、アゼチジニル、モルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、オキサアザビシクロオクタニル、オキサアザビシクロヘプトニル(oxaazabicycloheptnyl)、チオモルホリノ、チオモルホリノジオキシド、ヘキサヒドロフロピロリル、またはアザビシクロヘキサニル)である、請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項39】
R
5が、6員ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格が、1つの窒素を含有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項40】
R
5が、6員ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格が、1つの窒素および1つの酸素を含有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項41】
R
5が、7員ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格が、1つの窒素を含有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
R
5が、7員ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格が1つの窒素および1つの酸素を含有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項43】
R
5が、8員ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格が、1つの窒素を含有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項44】
R
5が、8員ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格が1つの窒素および1つの酸素を含有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項45】
R
5が、窒素含有ヘテロシクリルであり、前記窒素が、R
4置換基を有するアリールまたはヘテロアリール環に直接結合している、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項46】
R
5が、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはスルホンアミドで置換されている、請求項1~45のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項47】
R
5が、エステル(例えば、エチルエステル)、カルボキシル、アルキル(例えば、メチルまたはトリフルオロメチル)、ヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシエチル)、ハロ(例えば、フルオロ)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピルまたはシクロブチル)、またはヘテロシクリル(例えば、オキセトニル(oxetnyl)またはテトラヒドロフラニル)で置換されている、請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項48】
R
5が、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されている、請求項1~47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項49】
R
5が、2つのアルキル部分(例えば、2つのメチル部分)で置換されている、請求項1~48のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項50】
R
5が、2,6-ジメチルモホリン(dimethylmopholine)、4-メチルピペリジン、または4-(トリフルオロメチル)ピペリジンである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項51】
R
5が、アミノである、請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項52】
R
5が、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、スルホンアミド、シクロアルキル、またはヘテロシクリル)で置換されている、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
R
5が、アルキル(例えば、ジフルオロエチル、またはイソブチル、アルキルオキシアルキル(例えば、メチルオキシエチル)、ヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシエチル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、またはヘテロシクリル(例えば、ピラニル)で置換されている、請求項51または52に記載の化合物。
【請求項54】
前記化合物が、式IIによって表される構造を有し、
【化3】
式中、
R
1が、非置換フェニルもしくはo-、m-、p-CH
3、C
2H
5、CH(CH
3)
2、OCH
3、OC
2H
5、OC
3H
7、SCH
3、CF
2CH
3、CF
3、OCF
3、OCHF
2、N(CH
3)
2、F、Cl、OH一置換もしくは二置換フェニル、ピリジル、ベンジルオキシまたはピペロニルからなる群から選択される環であり、
R
2が、HまたはCH
3からなる群から選択され、
R
3が、H、F、Clからなる群から選択され、
R
4が、HまたはCH
3からなる群から選択され、
R
5が、モルホリン、2,6-ジメチルモルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン1,1-ジオキシド、モルホリン-4-アミン、ピペリジン、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン、ピペリジン-1-アミン、4-フルオロピペリジン、4,4-ジフルオロピペリジン、4-メチルピペリジン、4-(トリフルオロメチル)ピペリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、ピロリジン、2-(4-ピペリジニル)エタノール、2-(1-ピペラジニル)エタノール、4-ピペリジンカルボン酸、エチル4-ピペリジンカルボキシレート、(1R,4R)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、(1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンまたは8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタンからなる群から選択されルアミンであり、
X
1が、CHもしくはNである、
請求項1に記載の化合物、ならびに/またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物。
【請求項55】
R
1が、フェニルである、請求項54に記載の化合物。
【請求項56】
R
1が、ピリジルである、請求項54に記載の化合物。
【請求項57】
R
1が、ベンジルオキシである、請求項54に記載の化合物。
【請求項58】
R
1が、ピペロニルである、請求項54に記載の化合物。
【請求項59】
R
1が、CH
3、C
2H
5、CH(CH
3)
2、OCH
3、OC
2H
5、OC
3H
7、SCH
3、CF
2CH
3、CF
3、OCF
3、OCHF
2、N(CH
3)
2、F、Cl、またはOHで置換されている、請求項54~58のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項60】
R
1が、1つのFで置換されている、請求項54~58のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項61】
前記Fが、イソオキサゾールに対してパラである、請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
前記Fが、イソオキサゾールに対してオルトである、請求項60に記載の化合物。
【請求項63】
前記Fが、イソオキサゾールに対してメタである、請求項60に記載の化合物。
【請求項64】
R
1が、2つのFで置換されている、請求項54~58のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項65】
第1のFが、イソオキサゾールに対してメタであり、第2のFが、前記イソオキサゾールに対してオルトである、請求項64に記載の化合物。
【請求項66】
R
1が、OCH
3で置換されている、請求項54~65のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項67】
前記OCH
3が、イソオキサゾールに対してパラである、請求項66に記載の化合物。
【請求項68】
前記OCH
3が、イソオキサゾールに対してオルトである、請求項66に記載の化合物。
【請求項69】
前記OCH
3が、イソオキサゾールに対してメタである、請求項66に記載の化合物。
【請求項70】
R
1が、1つのOCH
3および1つのFで置換されている、請求項54~58のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項71】
前記OCH
3が、イソオキサゾールに対してパラであり、前記Fが、前記イソオキサゾールに対してメタである、請求項70に記載の化合物。
【請求項72】
前記OCH
3が、イソオキサゾールに対してパラであり、前記Fが、前記イソオキサゾールに対してオルトである、請求項70に記載の化合物。
【請求項73】
前記Fが、イソオキサゾールに対してパラであり、前記OCH
3が、前記イソオキサゾールに対してメタである、請求項70に記載の化合物。
【請求項74】
R
1が、OCH
3および2つのFで置換されている、請求項53~58のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項75】
前記OCH
3が、イソオキサゾールに対してパラであり、両方のFが、前記イソオキサゾールに対してメタである、請求項74に記載の化合物。
【請求項76】
前記OCH
3が、イソオキサゾールに対してパラであり、1つのFが、前記イソオキサゾールに対してメタであり、1つのFが、前記イソオキサゾールに対してオルトである、請求項74に記載の化合物。
【請求項77】
R
2が、Hである、請求項53~76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項78】
R
2が、CH
3である、請求項53~76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項79】
R
3が、Hである、請求項53~76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項80】
R
3が、Fである、請求項53~76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項81】
R
3が、Clである、請求項53~76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項82】
R
5が、モルホリンである、請求項53~81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項83】
R
5が、ピペリジンである、請求項53~81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項84】
R
5が、4-フルオロピペリジンである、請求項53~81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項85】
R
5が、4,4-ジフルオロピペリジンである、請求項53~81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項86】
R
5が、3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンである、請求項53~81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項87】
R
5が、8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタンである、請求項53~81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項88】
X
1が、Cである、請求項53~87のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項89】
X
1が、Nである、請求項53~87のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項90】
前記化合物が、
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(3-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-フェニルイソオキサゾール-5-アミン
3-(4-エトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-(4-プロポキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-フルオロフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-クロロフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-(p-トリル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-エチルフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-イソプロピルフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-(1,1-ジフルオロエチル)フェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-(メチルチオ)フェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(3,4-ジメトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(6-メトキシピリジン-3-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
4-(5-((2-モルホリノピリミジン-4-イル)アミノ)イソオキサゾール-3-イル)フェノール
3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-((2R,6S)-2,6-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-((1R,4R)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-チオモルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
4-(4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)チオモルホリン1,1-ジオキシド
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
2-(1-(4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イル)エタン-1-オール
2-(4-(4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
エチル1-(4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボキシレート
1-(4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
N
4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N
2-モルホリノピリミジン-2,4-ジアミン
N
4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N
2-(ピペリジン-1-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン
N
4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N
2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン
N-(5-クロロ-2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(5-フルオロ-2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)-6-メチルピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-メトキシフェニル)-N-メチル-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)-N-(2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N
4-(3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N
2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン
3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N
2-シクロプロピル-N
4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン
N
2-イソブチル-N
4-(3-(4
-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン
N
2-(2-メトキシエチル)-N
4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン
N
1,N
1-ジエチル-N
2-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N
2-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)エタン-1,2-ジアミン
N
1-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N
2,N
2-ジメチル-N1-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)エタン-1,2-ジアミン
2-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)(2-モルホリノピリミジン-4-イル)アミノ)アセトニトリル
3-(5-メトキシピリジン-2-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(4-メトキシフェニル)-N-(4-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N
2-(2,2-ジフルオロエチル)-N
4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン
2-((4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)エタン-1-オール
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(ベンゾフラン-5-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-((2R,6S)-2,6-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N
4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N
2-メチルピリミジン-2,4-ジアミン
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-((2R,6S)-2,6-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-((2R,6S)-2,6-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(2,2,6,6-テトラメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(3,3-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(2,2-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(3,5-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(2-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(2-(トリフルオロメチル)モルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(テトラヒドロ-1H-フロ[3,4-c]ピロール-5(3H)-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(1-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(2,2-ジフルオロモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-5-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(3-(トリフルオロメチル)モルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(4-オキサ-7-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(7-オキサ-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(2-オキサ-7-アザスピロ[4.4]ノナン-7-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(2,2,6,6-テトラフルオロモルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(3-メチル-6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(3,5-ジメチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-イソプロピルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(4-(ジフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(6-アザスピロ[3.5]ノナン-6-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
N-(2-(2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン
3-(2-クロロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン
ならびに/またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物からなる群から選択される、請求項1または54に記載の化合物。
【請求項91】
前記化合物が、
【化4-1】
【化4-2】
【化4-3】
からなる群から選択される、請求項1または54に記載の化合物。
【請求項92】
前記化合物が、
【化5-1】
【化5-2】
【化5-3】
【化5-4】
またはその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項93】
請求項1~92のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項94】
請求項1~92のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるTACC3媒介性疾患または障害を治療する、方法。
【請求項95】
前記TACC3媒介性疾患または障害が、がんである、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記がんが、乳がん、結腸がん、メラノーマがん、肺がん、中枢神経系がん、卵巣がん、白血病がん、腎がんまたは前立腺がんである、請求項94または95に記載の方法。
【請求項97】
前記がんが、NCI-60パネルから選択されるがんである、請求項94~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記化合物が、前記対象に経口投与される、請求項94~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
TACC3媒介性疾患または障害の治療に使用するための、請求項1~92のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項100】
前記TACC3媒介性疾患または障害が、がんである、請求項99に記載の使用のための化合物。
【請求項101】
前記がんが、乳がん、結腸がん、メラノーマがん、肺がん、中枢神経系がん、卵巣がん、白血病がん、腎がんまたは前立腺がんである、請求項99または100に記載の使用のための化合物。
【請求項102】
前記がんが、前記NCI-60パネルから選択されるがんである、請求項99または100に記載の使用のための化合物。
【請求項103】
前記化合物が、経口投与用である、請求項99~102のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
【請求項104】
がんの治療に使用するための、請求項1~92のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項105】
抗がん剤が、TACC3を発現するがんを標的とする、請求項104に記載の抗がん剤。
【請求項106】
前記抗がん剤が、TACC3タンパク質阻害剤である、請求項104または105に記載の化合物。
【請求項107】
TACC3を発現する前記標的化がんが、前記NCI-60パネルに記載の乳がん、結腸がん、メラノーマがん、肺がん、中枢神経系がん、卵巣がん、白血病がん、腎がん、および前立腺がん細胞株である、請求項106に記載の抗がん剤。
【請求項108】
前記抗がん剤が、経口投与用である、請求項104~107のいずれか一項に記載の抗がん剤。
【請求項109】
前記化合物が、3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物5)である、請求項104に記載の化合物。
【請求項110】
前記化合物が、有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷を誘発する構造を有することを特徴とする、請求項109に記載の使用のための化合物。
【請求項111】
請求項110に記載の化合物は、長期の有糸分裂、アポトーシス細胞死、およびDNA損傷をさらにもたらす重度の紡錘体欠損を誘発すると、SACを活性化することによって機能する。
【請求項112】
請求項111に記載の化合物は、FGFR3-TACC3発がん性融合を保有するがん細胞の成長を阻害する。
【請求項113】
治療有効量の請求項1~92に記載の化合物ならびに/またはその薬学的に許容される塩および/もしくは溶媒和物と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項114】
請求項113に記載の化合物を含有し、組成物が、薬学的に許容される化学療法剤または標的療法剤をさらに含む、組成物。
【請求項115】
がん治療を必要とする個人のための化学療法剤もしくは標的療法剤または薬物の治療的組み合わせであって、請求項1~92のいずれか一項に記載の抗がん剤が、この治療的組み合わせの一部である、治療的組み合わせ。
【請求項116】
薬剤として使用するための、請求項1~92のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項117】
腫瘍の成長および転移の阻害および/または予防に使用するための、請求項1~92のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項118】
前記がんが、TACC3の阻害に応答するがんである、請求項117に記載の化合物。
【請求項119】
標的化がんが、乳がん、結腸がん、メラノーマがん、肺がん、中枢神経系の群から選択される、請求項118に記載の化合物。
【請求項120】
これに限定されないが本明細書に記載のアミン誘導体の、これに限定されないが表1からの中間体化合物との反応を含む、請求項1~90のいずれか一項に記載の化合物を合成するための、方法。
【請求項121】
前記方法が、スキームIによって表されるステップ、
【化6】
またはその薬学的に許容される塩を含み、式中、
X
1が、NまたはCR
6であり、
X
2が、NまたはCR
3であり、
R
1が、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
2が、Hまたはアルキルであり、
R
3、R
4およびR
6が、各々独立してH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、またはスルホンアミドであり、
R
5が、ヘテロシクリル、アルキル、またはアミノであり、
R
51が、ハロであり、
R
52が、ヘテロシクリルまたはアルキルであり、
X
10が、塩基あり、
X
11が、貴金属触媒であり、
X
12が、ホスフィンリガンドである、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
スキームIによって表される請求項1~92のいずれか一項に記載の化合物、
【化7】
またはその薬学的に許容される塩を作製する方法であって、式中、
X
1が、NまたはCR
6であり、
X
2が、NまたはCR
3であり、
R
1が、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
2が、Hまたはアルキルであり、
R
3、R
4およびR
6が、各々独立してH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、またはスルホンアミドであり、
R
5が、ヘテロシクリル、アルキル、またはアミノであり、
R
51が、ハロであり、
R
52が、ヘテロシクリルまたはアルキルであり、
X
10が、塩基であり、
X
11が、貴金属触媒であり、
X
12が、ホスフィンリガンドである、方法。
【請求項123】
前記塩基が、炭酸塩、酸化物、三級アミン、二級アミン、または水素化物である、請求項121または122に記載の方法。
【請求項124】
前記酸化物が、アルコキシド(例えば、tert-ブトキシド)である、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記三級アミンが、三級アルキルアミン(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)である、請求項123に記載の方法。
【請求項126】
前記水素化物が、金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム)である、請求項123に記載の方法。
【請求項127】
前記炭酸塩が、金属炭酸塩(例えば、炭酸セシウム)である、請求項123に記載の方法。
【請求項128】
前記貴金属触媒が、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウムII)である、請求項121~127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
ホスフィン触媒が、アリールホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン)である、請求項121~128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
ホスフィン触媒が、キサントホスである、請求項121~128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
前記方法が、溶媒をさらに含む、請求項121~130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
前記溶媒が、三級ブタノール、ジメチルアセトアミド、またはジオキサンである、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記方法が、加熱をさらに含む、請求項121~132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記方法が、不活性雰囲気下で行われる、請求項121~133のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年11月14日に出願されたEP特許出願第19209120.5号の利益を主張し、前述の出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、酸性コイルドコイルタンパク質3(TACC3)阻害剤の形質転換として有用な式(I)の置換化合物、そのような化合物の医薬組成物、その調製方法および使用に関する。より具体的には、TACC3阻害剤は、乳がん、白血病がん、肺がん、結腸がん、メラノーマがん、前立腺がん、卵巣がん、腎がんおよびCNSがんを含むTACC3媒介性がんを治療するまたは回復させるのに有用である。
【化1】
【背景技術】
【0003】
がんは、制御されていない細胞分裂を特徴とする複雑な疾患である。がん型の中で、乳がんは女性の間で最も一般的ながんであり、がんによる死亡の主な理由の1つである。腫瘍生物学の理解により、患者の生存率を高めるために標的を定めた医学的治療法が継続的に開発されてきた。
【0004】
食品医薬品局(FDA)は、乳がんの治療に使用する約2ダースの薬物を承認しているが、依然として世界中で毎年50万人の乳がんによる死亡がある。特に、現在利用可能な化学療法剤の副作用を考慮すると、毒性の少ない標的療法の開発が近年の主要な焦点となっている。がんは、体の他の部分または悪性腫瘍に侵入または拡散する可能性のある異常で制御不能な細胞成長として特徴付けられるため、腫瘍細胞の増殖および生存に関与する特定の高分子の機能を標的にして阻害する薬物または物質は、乳がんを標的とした治療に使用される。
【0005】
微小管の再編成は、細胞分裂中の重要なステップであるため、このプロセスを妨害する薬物ががん研究の主要な焦点となっている。細胞分裂阻害剤は、中期から後期への移行を防ぐ紡錘体形成チェックポイント(SAC)を活性化することにより、微小管の重合ダイナミクスを破壊する。その結果、細胞は分裂を停止し、これらの有糸分裂的に停止した細胞は最終的に死滅する。有糸分裂イベントのメカニズムの継続的な調査は、新しい標的タンパク質候補および/または経路につながることがあり得、がん患者により効果的な治療選択をもたらすために非常に重要である。ビンカアルカロイド、マイタンシノイド、タキサンなどの微小管阻害剤は、そのような薬物の例であり、様々な腫瘍の化学療法剤として広く使用されている(Marzo&Naval,2013)。しかしながら、これらの薬物に関する重大な懸念は、深刻な副作用を引き起こす非腫瘍形成性細胞に対する薬物の毒性である。
【0006】
薬物耐性もまた、これらの薬物に対する患者の反応を非常に予測不可能なままにする別の大きな問題である(Gascoigne&Taylor,2009)。これらの問題を克服し、化学療法の反応を改善するために、有糸分裂特異的キナーゼおよび微小管モータータンパク質を標的とする抗有糸分裂、がん特異的治療法が特定された(Dominguez-Brauer et al.,2015)。重要なことに、リン酸化は、細胞周期の調節および紡錘体形成における重要なステップであるため、これらのプロセスで役割を果たすキナーゼは、潜在的な標的として長い間研究されてきた。これらの中で、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)、オーロラキナーゼおよびポロ様キナーゼ(PLK)に対する特異的阻害剤が開発され、臨床的に試験されている(Sanchez-Martinez,Gelbert,Lallena,&de Dios,2015、Strebhardt&Ullrich,2006、Tang et al.,2017)。微小管阻害剤と比較して、これらの抗有糸分裂薬はいずれも、毒性プロファイルが低いにもかかわらず、目覚ましい臨床転帰を示さず、臨床効率が限定されていた(Chan,Koh,&Li,2012)。したがって、分裂がん細胞を選択的かつ効果的に標的とする代替の標的分子は、解明および開発されていないままである。
【0007】
TACCメンバーの1つであるTACC3は、非キナーゼ微小管結合タンパク質であり、中心体の調節に重要な役割を果たし、微小管の安定性を確保する(Singh,Thomas,Gireesh,&Manna,2014)。このTACC3遺伝子はまた、TACC3中心体微小管の核形成において重要な役割を有する。そのレベル上昇は、前立腺がん、肝細胞がん、非小細胞肺がん、および乳がんなどを含む多くのがん型で観察されている。したがって、TACC3のノックダウンは、腎細胞がん(RCC)の腫瘍形成および細胞成長を抑制する(Guo&Liu,2018)。TACC3機能の破壊はまた、有糸分裂停止につながる多極紡錘体形成(Yao et al.,2012)、カスパーゼ依存性アポトーシスをもたらす染色体不整列(Schneider et al.,2007)、および場合によっては、老化(Schmidt et al.,2010)を含む一連の異なる細胞転帰を生じさせる。これらの研究は、TACC3ががん細胞の紡錘体形成に参加する重要な分子であることを示しており、これががん標的療法の重要かつ潜在的な標的となっている。
【0008】
小分子TACC3阻害剤であるKHS101は、ラットにおける神経分化を促進することが最初に同定された(Wurdak et al.,2010)。膠芽細胞腫(GBM)異種移植片の腫瘍成長は、KHS101治療によって抑制されたが(Polson et al.,2018)、全身安定性が低く、作業量が多いため、診療所に移行するには薬理学的に最適化する必要がある(Wurdak et al.,2010)。別のTACC3阻害剤であるSPL-Bは、卵巣がん細胞の中心体微小管核形成を阻害し、卵巣がん異種移植片の腫瘍成長を抑制することが示されている(Yao et al.,2014)。結論として、現在利用可能な2種類のTACC3阻害剤、KHS101およびSPL-Bは、それぞれ、膠芽細胞腫および卵巣がん異種移植片における腫瘍成長を低減することを示した。しかしながら、これらの阻害剤はいずれも、効力が低いかまたは全身安定性が低いため、いまだに臨床段階に達していない。
【0009】
上記の証拠はすべて、がんにおけるTACC3の重要な役割を裏づけており、TACC3機能の阻害は、様々なヒトがんの治療または改善に効果的である。さらに、ヒト用医薬品としての使用に適した薬物動態学的および薬力学的特性を有するTACC3阻害剤化合物の必要性が依然として残っている。
【発明の概要】
【0010】
一態様では、本開示は、式(I)の化合物、
【化2】
またはその薬学的に許容される塩に関し、式中、
X
1は、NまたはCR
6であり、
X
2は、NまたはCR
3であり、
R
1は、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
2は、Hまたはアルキルであり、
R
3、R
4およびR
6は、各々独立してH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、またはスルホンアミドであり、
R
5は、ヘテロシクリル、アルキル、またはアミノである。
【0011】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される化合物を用いるTACC3媒介性疾患および障害を治療する方法に関する。特定の実施形態では、TACC3媒介性疾患または障害は、がんである。
【0012】
一態様では、本開示の目的は、がん治療において利用可能な特定の阻害剤よりも有糸分裂遮断薬として高い効力を有する少量のTACC3阻害剤を使用することによって、望ましくない副作用を低減することである。
【0013】
すべての化合物の一例として、化合物5は、正常の乳房細胞株に対してわずかな影響を有するが、様々なサブタイプの様々な乳がん細胞株において既知のTACC3阻害剤よりも優れた抗増殖効果を示した。乳がん細胞に加えて、化合物5は、NCI-60パネルにおける結腸、メラノーマ、肺、中枢神経系、卵巣、白血病、腎および前立腺のがん細胞を含む複数のがん型に対して、非常に効果的な細胞毒性(約90%は1μM未満のGI50値を有する)を示した。さらに、化合物5は、FGFR3-TACC3融合タンパク質を有する細胞に対して顕著な抗がん効果を示し、その活性は、これらの細胞のTACC3レベルと相関していた。化合物5はまた、有糸分裂停止およびアポトーシスの強力な誘導とともに、活性化されたFGFRシグナル伝達のマーカーであるERK1/2リン酸化を減少させた。
【0014】
さらに、化合物5は、他の2つのTACC3阻害剤と比較して、低用量で有糸分裂停止、アポトーシス、およびDNA損傷を誘発することがわかった。化合物5はまた、用量依存的に異常な紡錘体形成を誘導した。重要なことに、化合物5の経口投与は、乳がんの免疫不全および免疫適格性マウスモデルの両方において腫瘍成長を抑制した。化合物5はまた、転移性増殖を損ない、非常に悪性度の高い乳がん転移を有するマウスの全生存率を著しく改善した。乳がん腫瘍モデルと同様に、化合物5は、結腸がん異種移植片および免疫適格性同系モデルの腫瘍成長を著しく抑制した。したがって、本開示は、原発性および転移性の両乳がん、ならびに潜在的に他のがんの治療のための有糸分裂遮断薬としての高い効力を有する新規のTACC3阻害剤を提供する。
【0015】
特定の態様では、本開示は、(i)一般式Iによって表される群から選択される化合物をTACC3阻害剤として提供し、(ii)一般式Iによって表される群から選択される化合物を、TACC3阻害に応答する抗がん剤として提供し、(iii)乳がん細胞株に対するすべての化合物の一例として化合物5の包括的な分析を提供し、(iv)この化合物が、有糸分裂停止、DNA損傷、他の利用可能なTACC3阻害剤に対するアポトーシスなどの様々な細胞プロセスに対して優れた効果を示すことを明らかにし、(v)乳がんおよび結腸がんの動物モデルで経口投与した場合、観察可能な毒性を伴わない化合物5のインビボ抗腫瘍効果を示し、かつ(vi)転移性成長を損ない、転移を有するマウスの全生存率を改善するその能力を示し、TACC3阻害に反応する乳がんおよび他のがんの治療のための有糸分裂遮断薬として使用できることを示唆する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】概して、
図1は、TACC3がいくつかの異なるがん型において上方制御され、その高レベルが全生存率の悪化に関連していることを示す。
図1Aは、TCGA患者の腫瘍組織と正常組織との間のTACC3の差次的mRNA発現プロットであり、Reads Per Kilobase Million(RPKM)(log2)値として表されている。***:p<0.001。(BLCA:膀胱尿路がん;BRCA:浸潤性乳房浸がん;ESCA:食道がん;HNSC:頭頸部扁平上皮がん;KIPAN:汎腎臓コホート(KICH+KIRC+KIRP);KIRC:腎臓腎明細胞がん;LIHC:肝臓肝細胞がん;LUAD:肺腺がん;LUSC:肺扁平上皮がん;STAD:胃腺がん;STES:胃および食道がん;UCEC:子宮内膜がん)。
図1Bは、METABRIC、KM Plotterデータベース、GSE31210、およびTCGAデータセットからそれぞれ検索された、乳がん(B-1)および胃(B-2)がん患者の全生存率、肺がん(B-3)患者の無再発生存率、ならびに前立腺(B-4)がん患者の無病生存率に対するTACC3レベルの効果を示すプロットである。統計分析にログランク検定を使用した。
【
図1B】概して、
図1は、TACC3がいくつかの異なるがん型において上方制御され、その高レベルが全生存率の悪化に関連していることを示す。
図1Aは、TCGA患者の腫瘍組織と正常組織との間のTACC3の差次的mRNA発現プロットであり、Reads Per Kilobase Million(RPKM)(log2)値として表されている。***:p<0.001。(BLCA:膀胱尿路がん;BRCA:浸潤性乳房浸がん;ESCA:食道がん;HNSC:頭頸部扁平上皮がん;KIPAN:汎腎臓コホート(KICH+KIRC+KIRP);KIRC:腎臓腎明細胞がん;LIHC:肝臓肝細胞がん;LUAD:肺腺がん;LUSC:肺扁平上皮がん;STAD:胃腺がん;STES:胃および食道がん;UCEC:子宮内膜がん)。
図1Bは、METABRIC、KM Plotterデータベース、GSE31210、およびTCGAデータセットからそれぞれ検索された、乳がん(B-1)および胃(B-2)がん患者の全生存率、肺がん(B-3)患者の無再発生存率、ならびに前立腺(B-4)がん患者の無病生存率に対するTACC3レベルの効果を示すプロットである。統計分析にログランク検定を使用した。
【
図2】共変量としてTACC3レベル、腫瘍グレード、腫瘍ステージ、ER、PR、HER2の状態を選択することにより、METABRIC患者において行われた多変量解析を示す図である。TACC3発現は、25パーセンタイルに基づいて分離される。
【
図3A】概して、TACC3阻害が有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷を誘導することを示す図である。
図3Aは、TACC3発現レベルに従って分離された、METABRIC患者における有糸分裂およびDNA修復関連遺伝子セットを用いて行われたGSEAからの濃縮プロットである。データの有意性は、正規化された濃縮スコア(NES)およびFDR(q)値として表されている。Nは、分析に使用された遺伝子の総数を示す。
図3Bは、乳がん細胞株におけるTACC3特異的siRNAのノックダウン効率を示すqRT-PCR試験を示す。TACC3に対する2つの異なるsiRNA 20nMを細胞にトランスフェクトし、トランスフェクションの48時間後にTACC3 mRNAレベルを調べた。グラフ上のパーセンテージは、ノックダウン効率を示す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図3Cは、2つの異なるsiRNAを用いたTACC3ノックダウン時の乳がん細胞の成長阻害を示すグラフである。TACC3を標的とするsiRNAを細胞にトランスフェクトし、トランスフェクションの72時間後に細胞生存率を測定した。
図3Dは、TACC3ノックダウン時の乳がん細胞における有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷マーカーのウエスタンブロット分析を示す。GAPDHをタンパク質ローディング対照として使用した。
【
図3B】概して、TACC3阻害が有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷を誘導することを示す図である。
図3Aは、TACC3発現レベルに従って分離された、METABRIC患者における有糸分裂およびDNA修復関連遺伝子セットを用いて行われたGSEAからの濃縮プロットである。データの有意性は、正規化された濃縮スコア(NES)およびFDR(q)値として表されている。Nは、分析に使用された遺伝子の総数を示す。
図3Bは、乳がん細胞株におけるTACC3特異的siRNAのノックダウン効率を示すqRT-PCR試験を示す。TACC3に対する2つの異なるsiRNA 20nMを細胞にトランスフェクトし、トランスフェクションの48時間後にTACC3 mRNAレベルを調べた。グラフ上のパーセンテージは、ノックダウン効率を示す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図3Cは、2つの異なるsiRNAを用いたTACC3ノックダウン時の乳がん細胞の成長阻害を示すグラフである。TACC3を標的とするsiRNAを細胞にトランスフェクトし、トランスフェクションの72時間後に細胞生存率を測定した。
図3Dは、TACC3ノックダウン時の乳がん細胞における有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷マーカーのウエスタンブロット分析を示す。GAPDHをタンパク質ローディング対照として使用した。
【
図3C】概して、TACC3阻害が有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷を誘導することを示す図である。
図3Aは、TACC3発現レベルに従って分離された、METABRIC患者における有糸分裂およびDNA修復関連遺伝子セットを用いて行われたGSEAからの濃縮プロットである。データの有意性は、正規化された濃縮スコア(NES)およびFDR(q)値として表されている。Nは、分析に使用された遺伝子の総数を示す。
図3Bは、乳がん細胞株におけるTACC3特異的siRNAのノックダウン効率を示すqRT-PCR試験を示す。TACC3に対する2つの異なるsiRNA 20nMを細胞にトランスフェクトし、トランスフェクションの48時間後にTACC3 mRNAレベルを調べた。グラフ上のパーセンテージは、ノックダウン効率を示す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図3Cは、2つの異なるsiRNAを用いたTACC3ノックダウン時の乳がん細胞の成長阻害を示すグラフである。TACC3を標的とするsiRNAを細胞にトランスフェクトし、トランスフェクションの72時間後に細胞生存率を測定した。
図3Dは、TACC3ノックダウン時の乳がん細胞における有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷マーカーのウエスタンブロット分析を示す。GAPDHをタンパク質ローディング対照として使用した。
【
図3D】概して、TACC3阻害が有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷を誘導することを示す図である。
図3Aは、TACC3発現レベルに従って分離された、METABRIC患者における有糸分裂およびDNA修復関連遺伝子セットを用いて行われたGSEAからの濃縮プロットである。データの有意性は、正規化された濃縮スコア(NES)およびFDR(q)値として表されている。Nは、分析に使用された遺伝子の総数を示す。
図3Bは、乳がん細胞株におけるTACC3特異的siRNAのノックダウン効率を示すqRT-PCR試験を示す。TACC3に対する2つの異なるsiRNA 20nMを細胞にトランスフェクトし、トランスフェクションの48時間後にTACC3 mRNAレベルを調べた。グラフ上のパーセンテージは、ノックダウン効率を示す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図3Cは、2つの異なるsiRNAを用いたTACC3ノックダウン時の乳がん細胞の成長阻害を示すグラフである。TACC3を標的とするsiRNAを細胞にトランスフェクトし、トランスフェクションの72時間後に細胞生存率を測定した。
図3Dは、TACC3ノックダウン時の乳がん細胞における有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷マーカーのウエスタンブロット分析を示す。GAPDHをタンパク質ローディング対照として使用した。
【
図4A】概して、新規のTACC3阻害剤である化合物5が、TACC3に結合することを示す図である。
図4Aは、無傷のJIMT-1細胞におけるTACC3タンパク質への化合物5の標的エンゲージメントを示す。JIMT-1細胞をビヒクル、化合物5またはSPL-B(陽性対照として)(1μM)で6時間処置し、細胞を収集し、示された温度で加熱し、次いで溶解した。上清中の可溶性タンパク質をウエスタンブロットに供し、TACC3タンパク質レベルを検出した。ポンソー染色をローディング対照として使用した。CETSA曲線は、TACC3%相対バンド強度を示し、処置群間のシフトを示す。
図4Bは、等温滴定熱量計(ITC)を使用したTACC3と化合物5の相互作用の結合定数の決定を示すグラフである。上部のトレースは生データを示すが、下部のトレースはTACC3の化合物5への滴定からの統合データを示す。ITC200機器とともに提供されたOrigin7ソフトウェアを使用して、単一相互作用モデルのモデルフィッティングを適用した。
図4Cは、化合物5とTACC3との間の相互作用を確認するためにJIMT-1細胞タンパク質抽出物を使用したDARTSアッセイのウエスタンブロット結果を示す。CDK4は、処置群間でレベルが変化しない非標的タンパク質として使用された。10μMの薬物を使用した。SPL-Bを結合の陽性対照として使用した。
図4Dは、β-アクチンに正規化された処置群間のTACC3相対バンド強度の定量化を示すグラフであり、2つの独立した実験を代表している。データは、平均値±SDとして表されている。**p<0.01
【
図4B】概して、新規のTACC3阻害剤である化合物5が、TACC3に結合することを示す図である。
図4Aは、無傷のJIMT-1細胞におけるTACC3タンパク質への化合物5の標的エンゲージメントを示す。JIMT-1細胞をビヒクル、化合物5またはSPL-B(陽性対照として)(1μM)で6時間処置し、細胞を収集し、示された温度で加熱し、次いで溶解した。上清中の可溶性タンパク質をウエスタンブロットに供し、TACC3タンパク質レベルを検出した。ポンソー染色をローディング対照として使用した。CETSA曲線は、TACC3%相対バンド強度を示し、処置群間のシフトを示す。
図4Bは、等温滴定熱量計(ITC)を使用したTACC3と化合物5の相互作用の結合定数の決定を示すグラフである。上部のトレースは生データを示すが、下部のトレースはTACC3の化合物5への滴定からの統合データを示す。ITC200機器とともに提供されたOrigin7ソフトウェアを使用して、単一相互作用モデルのモデルフィッティングを適用した。
図4Cは、化合物5とTACC3との間の相互作用を確認するためにJIMT-1細胞タンパク質抽出物を使用したDARTSアッセイのウエスタンブロット結果を示す。CDK4は、処置群間でレベルが変化しない非標的タンパク質として使用された。10μMの薬物を使用した。SPL-Bを結合の陽性対照として使用した。
図4Dは、β-アクチンに正規化された処置群間のTACC3相対バンド強度の定量化を示すグラフであり、2つの独立した実験を代表している。データは、平均値±SDとして表されている。**p<0.01
【
図4C】概して、新規のTACC3阻害剤である化合物5が、TACC3に結合することを示す図である。
図4Aは、無傷のJIMT-1細胞におけるTACC3タンパク質への化合物5の標的エンゲージメントを示す。JIMT-1細胞をビヒクル、化合物5またはSPL-B(陽性対照として)(1μM)で6時間処置し、細胞を収集し、示された温度で加熱し、次いで溶解した。上清中の可溶性タンパク質をウエスタンブロットに供し、TACC3タンパク質レベルを検出した。ポンソー染色をローディング対照として使用した。CETSA曲線は、TACC3%相対バンド強度を示し、処置群間のシフトを示す。
図4Bは、等温滴定熱量計(ITC)を使用したTACC3と化合物5の相互作用の結合定数の決定を示すグラフである。上部のトレースは生データを示すが、下部のトレースはTACC3の化合物5への滴定からの統合データを示す。ITC200機器とともに提供されたOrigin7ソフトウェアを使用して、単一相互作用モデルのモデルフィッティングを適用した。
図4Cは、化合物5とTACC3との間の相互作用を確認するためにJIMT-1細胞タンパク質抽出物を使用したDARTSアッセイのウエスタンブロット結果を示す。CDK4は、処置群間でレベルが変化しない非標的タンパク質として使用された。10μMの薬物を使用した。SPL-Bを結合の陽性対照として使用した。
図4Dは、β-アクチンに正規化された処置群間のTACC3相対バンド強度の定量化を示すグラフであり、2つの独立した実験を代表している。データは、平均値±SDとして表されている。**p<0.01
【
図4D】概して、新規のTACC3阻害剤である化合物5が、TACC3に結合することを示す図である。
図4Aは、無傷のJIMT-1細胞におけるTACC3タンパク質への化合物5の標的エンゲージメントを示す。JIMT-1細胞をビヒクル、化合物5またはSPL-B(陽性対照として)(1μM)で6時間処置し、細胞を収集し、示された温度で加熱し、次いで溶解した。上清中の可溶性タンパク質をウエスタンブロットに供し、TACC3タンパク質レベルを検出した。ポンソー染色をローディング対照として使用した。CETSA曲線は、TACC3%相対バンド強度を示し、処置群間のシフトを示す。
図4Bは、等温滴定熱量計(ITC)を使用したTACC3と化合物5の相互作用の結合定数の決定を示すグラフである。上部のトレースは生データを示すが、下部のトレースはTACC3の化合物5への滴定からの統合データを示す。ITC200機器とともに提供されたOrigin7ソフトウェアを使用して、単一相互作用モデルのモデルフィッティングを適用した。
図4Cは、化合物5とTACC3との間の相互作用を確認するためにJIMT-1細胞タンパク質抽出物を使用したDARTSアッセイのウエスタンブロット結果を示す。CDK4は、処置群間でレベルが変化しない非標的タンパク質として使用された。10μMの薬物を使用した。SPL-Bを結合の陽性対照として使用した。
図4Dは、β-アクチンに正規化された処置群間のTACC3相対バンド強度の定量化を示すグラフであり、2つの独立した実験を代表している。データは、平均値±SDとして表されている。**p<0.01
【
図5A】概して、
図5は、化合物5が現在利用可能なTACC3阻害剤、SPL-BおよびKHS101よりも強力であることを示す図である。
図5Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および乳がん細胞株の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである(IC
50:阻害濃度50%)。細胞生存率は、以下のすべての細胞生存率実験において、スルホローダミンB(SRB)アッセイによって3連で測定した。
図5Bは、3つの異なるTACC3阻害剤で12日間処置されたJIMT-1細胞のコロニー形成アッセイを示す。コロニーはクリスタルバイオレットで染色した。コロニーの数を計数し、ImageJソフトウェアを使用して分析した(下のパネル)。データは、平均値±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図5Cは、有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーに対する用量反応の効果を試験するために、化合物5、SPL-BまたはKHS101で処置されたJIMT-1細胞のウエスタンブロット分析を示す。ウエスタンブロット実験では、同じ量のタンパク質および同じ曝露時間を使用して、これらのマーカーに対する3つの薬物の効果を比較した。
図5Dは、化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞のアネキシンV/PI染色を示すプロットである。アネキシンV/PI二重陽性細胞のパーセンテージをグラフに示す。
図5Eは、化合物5で処置されたJIMT-1細胞における異常な紡錘体形成の誘導を示す。細胞を2つの異なる用量の化合物5で12時間処置し、メタノールで固定し、次いで抗α-チューブリン(緑色)抗体で染色した。DNAは、DAPI(青)で染色した。スケールバー:10μm。
図5Fは、Dに見られるような紡錘体異常の定量化を示すグラフである。データは、3つの独立した実験(t検定)の平均値および標準偏差(SD)を表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。有意性は、ビヒクル群との比較によって決定した。
図5Gは、ビヒクル対化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞におけるSACマーカー、BubR1(赤色)およびα-チューブリン(緑色)の免疫蛍光染色を示す。
図5Hは、紡錘体チェックポイントキナーゼ(Mps1)阻害剤、TC Mps1で処置したときの化合物5で処置したJIMT-1細胞における有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーのウエスタンブロット分析を示す。JIMT-1細胞を200nMの化合物5で24時間処置した後、1μM TC Mps1で12時間処置した。GAPDHをローディング対照として使用した。
【
図5B】概して、
図5は、化合物5が現在利用可能なTACC3阻害剤、SPL-BおよびKHS101よりも強力であることを示す図である。
図5Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および乳がん細胞株の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである(IC
50:阻害濃度50%)。細胞生存率は、以下のすべての細胞生存率実験において、スルホローダミンB(SRB)アッセイによって3連で測定した。
図5Bは、3つの異なるTACC3阻害剤で12日間処置されたJIMT-1細胞のコロニー形成アッセイを示す。コロニーはクリスタルバイオレットで染色した。コロニーの数を計数し、ImageJソフトウェアを使用して分析した(下のパネル)。データは、平均値±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図5Cは、有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーに対する用量反応の効果を試験するために、化合物5、SPL-BまたはKHS101で処置されたJIMT-1細胞のウエスタンブロット分析を示す。ウエスタンブロット実験では、同じ量のタンパク質および同じ曝露時間を使用して、これらのマーカーに対する3つの薬物の効果を比較した。
図5Dは、化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞のアネキシンV/PI染色を示すプロットである。アネキシンV/PI二重陽性細胞のパーセンテージをグラフに示す。
図5Eは、化合物5で処置されたJIMT-1細胞における異常な紡錘体形成の誘導を示す。細胞を2つの異なる用量の化合物5で12時間処置し、メタノールで固定し、次いで抗α-チューブリン(緑色)抗体で染色した。DNAは、DAPI(青)で染色した。スケールバー:10μm。
図5Fは、Dに見られるような紡錘体異常の定量化を示すグラフである。データは、3つの独立した実験(t検定)の平均値および標準偏差(SD)を表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。有意性は、ビヒクル群との比較によって決定した。
図5Gは、ビヒクル対化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞におけるSACマーカー、BubR1(赤色)およびα-チューブリン(緑色)の免疫蛍光染色を示す。
図5Hは、紡錘体チェックポイントキナーゼ(Mps1)阻害剤、TC Mps1で処置したときの化合物5で処置したJIMT-1細胞における有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーのウエスタンブロット分析を示す。JIMT-1細胞を200nMの化合物5で24時間処置した後、1μM TC Mps1で12時間処置した。GAPDHをローディング対照として使用した。
【
図5C】概して、
図5は、化合物5が現在利用可能なTACC3阻害剤、SPL-BおよびKHS101よりも強力であることを示す図である。
図5Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および乳がん細胞株の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである(IC
50:阻害濃度50%)。細胞生存率は、以下のすべての細胞生存率実験において、スルホローダミンB(SRB)アッセイによって3連で測定した。
図5Bは、3つの異なるTACC3阻害剤で12日間処置されたJIMT-1細胞のコロニー形成アッセイを示す。コロニーはクリスタルバイオレットで染色した。コロニーの数を計数し、ImageJソフトウェアを使用して分析した(下のパネル)。データは、平均値±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図5Cは、有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーに対する用量反応の効果を試験するために、化合物5、SPL-BまたはKHS101で処置されたJIMT-1細胞のウエスタンブロット分析を示す。ウエスタンブロット実験では、同じ量のタンパク質および同じ曝露時間を使用して、これらのマーカーに対する3つの薬物の効果を比較した。
図5Dは、化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞のアネキシンV/PI染色を示すプロットである。アネキシンV/PI二重陽性細胞のパーセンテージをグラフに示す。
図5Eは、化合物5で処置されたJIMT-1細胞における異常な紡錘体形成の誘導を示す。細胞を2つの異なる用量の化合物5で12時間処置し、メタノールで固定し、次いで抗α-チューブリン(緑色)抗体で染色した。DNAは、DAPI(青)で染色した。スケールバー:10μm。
図5Fは、Dに見られるような紡錘体異常の定量化を示すグラフである。データは、3つの独立した実験(t検定)の平均値および標準偏差(SD)を表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。有意性は、ビヒクル群との比較によって決定した。
図5Gは、ビヒクル対化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞におけるSACマーカー、BubR1(赤色)およびα-チューブリン(緑色)の免疫蛍光染色を示す。
図5Hは、紡錘体チェックポイントキナーゼ(Mps1)阻害剤、TC Mps1で処置したときの化合物5で処置したJIMT-1細胞における有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーのウエスタンブロット分析を示す。JIMT-1細胞を200nMの化合物5で24時間処置した後、1μM TC Mps1で12時間処置した。GAPDHをローディング対照として使用した。
【
図5D】概して、
図5は、化合物5が現在利用可能なTACC3阻害剤、SPL-BおよびKHS101よりも強力であることを示す図である。
図5Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および乳がん細胞株の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである(IC
50:阻害濃度50%)。細胞生存率は、以下のすべての細胞生存率実験において、スルホローダミンB(SRB)アッセイによって3連で測定した。
図5Bは、3つの異なるTACC3阻害剤で12日間処置されたJIMT-1細胞のコロニー形成アッセイを示す。コロニーはクリスタルバイオレットで染色した。コロニーの数を計数し、ImageJソフトウェアを使用して分析した(下のパネル)。データは、平均値±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図5Cは、有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーに対する用量反応の効果を試験するために、化合物5、SPL-BまたはKHS101で処置されたJIMT-1細胞のウエスタンブロット分析を示す。ウエスタンブロット実験では、同じ量のタンパク質および同じ曝露時間を使用して、これらのマーカーに対する3つの薬物の効果を比較した。
図5Dは、化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞のアネキシンV/PI染色を示すプロットである。アネキシンV/PI二重陽性細胞のパーセンテージをグラフに示す。
図5Eは、化合物5で処置されたJIMT-1細胞における異常な紡錘体形成の誘導を示す。細胞を2つの異なる用量の化合物5で12時間処置し、メタノールで固定し、次いで抗α-チューブリン(緑色)抗体で染色した。DNAは、DAPI(青)で染色した。スケールバー:10μm。
図5Fは、Dに見られるような紡錘体異常の定量化を示すグラフである。データは、3つの独立した実験(t検定)の平均値および標準偏差(SD)を表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。有意性は、ビヒクル群との比較によって決定した。
図5Gは、ビヒクル対化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞におけるSACマーカー、BubR1(赤色)およびα-チューブリン(緑色)の免疫蛍光染色を示す。
図5Hは、紡錘体チェックポイントキナーゼ(Mps1)阻害剤、TC Mps1で処置したときの化合物5で処置したJIMT-1細胞における有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーのウエスタンブロット分析を示す。JIMT-1細胞を200nMの化合物5で24時間処置した後、1μM TC Mps1で12時間処置した。GAPDHをローディング対照として使用した。
【
図5E】概して、
図5は、化合物5が現在利用可能なTACC3阻害剤、SPL-BおよびKHS101よりも強力であることを示す図である。
図5Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および乳がん細胞株の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである(IC
50:阻害濃度50%)。細胞生存率は、以下のすべての細胞生存率実験において、スルホローダミンB(SRB)アッセイによって3連で測定した。
図5Bは、3つの異なるTACC3阻害剤で12日間処置されたJIMT-1細胞のコロニー形成アッセイを示す。コロニーはクリスタルバイオレットで染色した。コロニーの数を計数し、ImageJソフトウェアを使用して分析した(下のパネル)。データは、平均値±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図5Cは、有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーに対する用量反応の効果を試験するために、化合物5、SPL-BまたはKHS101で処置されたJIMT-1細胞のウエスタンブロット分析を示す。ウエスタンブロット実験では、同じ量のタンパク質および同じ曝露時間を使用して、これらのマーカーに対する3つの薬物の効果を比較した。
図5Dは、化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞のアネキシンV/PI染色を示すプロットである。アネキシンV/PI二重陽性細胞のパーセンテージをグラフに示す。
図5Eは、化合物5で処置されたJIMT-1細胞における異常な紡錘体形成の誘導を示す。細胞を2つの異なる用量の化合物5で12時間処置し、メタノールで固定し、次いで抗α-チューブリン(緑色)抗体で染色した。DNAは、DAPI(青)で染色した。スケールバー:10μm。
図5Fは、Dに見られるような紡錘体異常の定量化を示すグラフである。データは、3つの独立した実験(t検定)の平均値および標準偏差(SD)を表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。有意性は、ビヒクル群との比較によって決定した。
図5Gは、ビヒクル対化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞におけるSACマーカー、BubR1(赤色)およびα-チューブリン(緑色)の免疫蛍光染色を示す。
図5Hは、紡錘体チェックポイントキナーゼ(Mps1)阻害剤、TC Mps1で処置したときの化合物5で処置したJIMT-1細胞における有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーのウエスタンブロット分析を示す。JIMT-1細胞を200nMの化合物5で24時間処置した後、1μM TC Mps1で12時間処置した。GAPDHをローディング対照として使用した。
【
図5F】概して、
図5は、化合物5が現在利用可能なTACC3阻害剤、SPL-BおよびKHS101よりも強力であることを示す図である。
図5Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および乳がん細胞株の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである(IC
50:阻害濃度50%)。細胞生存率は、以下のすべての細胞生存率実験において、スルホローダミンB(SRB)アッセイによって3連で測定した。
図5Bは、3つの異なるTACC3阻害剤で12日間処置されたJIMT-1細胞のコロニー形成アッセイを示す。コロニーはクリスタルバイオレットで染色した。コロニーの数を計数し、ImageJソフトウェアを使用して分析した(下のパネル)。データは、平均値±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図5Cは、有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーに対する用量反応の効果を試験するために、化合物5、SPL-BまたはKHS101で処置されたJIMT-1細胞のウエスタンブロット分析を示す。ウエスタンブロット実験では、同じ量のタンパク質および同じ曝露時間を使用して、これらのマーカーに対する3つの薬物の効果を比較した。
図5Dは、化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞のアネキシンV/PI染色を示すプロットである。アネキシンV/PI二重陽性細胞のパーセンテージをグラフに示す。
図5Eは、化合物5で処置されたJIMT-1細胞における異常な紡錘体形成の誘導を示す。細胞を2つの異なる用量の化合物5で12時間処置し、メタノールで固定し、次いで抗α-チューブリン(緑色)抗体で染色した。DNAは、DAPI(青)で染色した。スケールバー:10μm。
図5Fは、Dに見られるような紡錘体異常の定量化を示すグラフである。データは、3つの独立した実験(t検定)の平均値および標準偏差(SD)を表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。有意性は、ビヒクル群との比較によって決定した。
図5Gは、ビヒクル対化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞におけるSACマーカー、BubR1(赤色)およびα-チューブリン(緑色)の免疫蛍光染色を示す。
図5Hは、紡錘体チェックポイントキナーゼ(Mps1)阻害剤、TC Mps1で処置したときの化合物5で処置したJIMT-1細胞における有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーのウエスタンブロット分析を示す。JIMT-1細胞を200nMの化合物5で24時間処置した後、1μM TC Mps1で12時間処置した。GAPDHをローディング対照として使用した。
【
図5G】概して、
図5は、化合物5が現在利用可能なTACC3阻害剤、SPL-BおよびKHS101よりも強力であることを示す図である。
図5Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および乳がん細胞株の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである(IC
50:阻害濃度50%)。細胞生存率は、以下のすべての細胞生存率実験において、スルホローダミンB(SRB)アッセイによって3連で測定した。
図5Bは、3つの異なるTACC3阻害剤で12日間処置されたJIMT-1細胞のコロニー形成アッセイを示す。コロニーはクリスタルバイオレットで染色した。コロニーの数を計数し、ImageJソフトウェアを使用して分析した(下のパネル)。データは、平均値±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図5Cは、有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーに対する用量反応の効果を試験するために、化合物5、SPL-BまたはKHS101で処置されたJIMT-1細胞のウエスタンブロット分析を示す。ウエスタンブロット実験では、同じ量のタンパク質および同じ曝露時間を使用して、これらのマーカーに対する3つの薬物の効果を比較した。
図5Dは、化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞のアネキシンV/PI染色を示すプロットである。アネキシンV/PI二重陽性細胞のパーセンテージをグラフに示す。
図5Eは、化合物5で処置されたJIMT-1細胞における異常な紡錘体形成の誘導を示す。細胞を2つの異なる用量の化合物5で12時間処置し、メタノールで固定し、次いで抗α-チューブリン(緑色)抗体で染色した。DNAは、DAPI(青)で染色した。スケールバー:10μm。
図5Fは、Dに見られるような紡錘体異常の定量化を示すグラフである。データは、3つの独立した実験(t検定)の平均値および標準偏差(SD)を表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。有意性は、ビヒクル群との比較によって決定した。
図5Gは、ビヒクル対化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞におけるSACマーカー、BubR1(赤色)およびα-チューブリン(緑色)の免疫蛍光染色を示す。
図5Hは、紡錘体チェックポイントキナーゼ(Mps1)阻害剤、TC Mps1で処置したときの化合物5で処置したJIMT-1細胞における有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーのウエスタンブロット分析を示す。JIMT-1細胞を200nMの化合物5で24時間処置した後、1μM TC Mps1で12時間処置した。GAPDHをローディング対照として使用した。
【
図5H】概して、
図5は、化合物5が現在利用可能なTACC3阻害剤、SPL-BおよびKHS101よりも強力であることを示す図である。
図5Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および乳がん細胞株の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである(IC
50:阻害濃度50%)。細胞生存率は、以下のすべての細胞生存率実験において、スルホローダミンB(SRB)アッセイによって3連で測定した。
図5Bは、3つの異なるTACC3阻害剤で12日間処置されたJIMT-1細胞のコロニー形成アッセイを示す。コロニーはクリスタルバイオレットで染色した。コロニーの数を計数し、ImageJソフトウェアを使用して分析した(下のパネル)。データは、平均値±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図5Cは、有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーに対する用量反応の効果を試験するために、化合物5、SPL-BまたはKHS101で処置されたJIMT-1細胞のウエスタンブロット分析を示す。ウエスタンブロット実験では、同じ量のタンパク質および同じ曝露時間を使用して、これらのマーカーに対する3つの薬物の効果を比較した。
図5Dは、化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞のアネキシンV/PI染色を示すプロットである。アネキシンV/PI二重陽性細胞のパーセンテージをグラフに示す。
図5Eは、化合物5で処置されたJIMT-1細胞における異常な紡錘体形成の誘導を示す。細胞を2つの異なる用量の化合物5で12時間処置し、メタノールで固定し、次いで抗α-チューブリン(緑色)抗体で染色した。DNAは、DAPI(青)で染色した。スケールバー:10μm。
図5Fは、Dに見られるような紡錘体異常の定量化を示すグラフである。データは、3つの独立した実験(t検定)の平均値および標準偏差(SD)を表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。有意性は、ビヒクル群との比較によって決定した。
図5Gは、ビヒクル対化合物5(500nM)で処置されたJIMT-1細胞におけるSACマーカー、BubR1(赤色)およびα-チューブリン(緑色)の免疫蛍光染色を示す。
図5Hは、紡錘体チェックポイントキナーゼ(Mps1)阻害剤、TC Mps1で処置したときの化合物5で処置したJIMT-1細胞における有糸分裂停止、DNA損傷およびアポトーシスマーカーのウエスタンブロット分析を示す。JIMT-1細胞を200nMの化合物5で24時間処置した後、1μM TC Mps1で12時間処置した。GAPDHをローディング対照として使用した。
【
図6A】概して、
図6は、化合物5が、FGFR3-TACC3融合タンパク質を有する細胞株およびNCI-60がん細胞株において顕著な抗がん活性を示す図である。
図6Aは、RT112およびRT4細胞におけるTACC3タンパク質レベルのウエスタンブロット分析を示す。β-アクチンをローディング対照として使用した。
図6Bは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、およびFGFR3-TACC3融合発現細胞株、RT112およびRT4の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである。細胞生存率は、3日間の薬物インキュベーションで試験し、SRBアッセイによって測定した。
図6Cは、3つの阻害剤で処置した後のSRB染色した代表的なウェルを示す画像である。
図6Dは、異なる用量のTACC3阻害剤で24時間処置した直後の、RT112細胞における有糸分裂停止マーカー、p-ヒストンH3ならびにERKリン酸化(Thr202/Tyr204)のウエスタンブロット分析を示す。
図6Eは、化合物5のNCI-60 5用量スクリーニングから決定された平均GI
50値(M)を示すグラフである。黒色点線は、1μM閾値を示す。
図6Fは、化合物5のGI
50値とDepMap.orgから得られたTACC3依存性スコアとの間の相関を示すグラフである。スコアが低いということは、TACC3が所与の細胞株に依存している可能性が高いことを意味する。
【
図6B】概して、
図6は、化合物5が、FGFR3-TACC3融合タンパク質を有する細胞株およびNCI-60がん細胞株において顕著な抗がん活性を示す図である。
図6Aは、RT112およびRT4細胞におけるTACC3タンパク質レベルのウエスタンブロット分析を示す。β-アクチンをローディング対照として使用した。
図6Bは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、およびFGFR3-TACC3融合発現細胞株、RT112およびRT4の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである。細胞生存率は、3日間の薬物インキュベーションで試験し、SRBアッセイによって測定した。
図6Cは、3つの阻害剤で処置した後のSRB染色した代表的なウェルを示す画像である。
図6Dは、異なる用量のTACC3阻害剤で24時間処置した直後の、RT112細胞における有糸分裂停止マーカー、p-ヒストンH3ならびにERKリン酸化(Thr202/Tyr204)のウエスタンブロット分析を示す。
図6Eは、化合物5のNCI-60 5用量スクリーニングから決定された平均GI
50値(M)を示すグラフである。黒色点線は、1μM閾値を示す。
図6Fは、化合物5のGI
50値とDepMap.orgから得られたTACC3依存性スコアとの間の相関を示すグラフである。スコアが低いということは、TACC3が所与の細胞株に依存している可能性が高いことを意味する。
【
図6C】概して、
図6は、化合物5が、FGFR3-TACC3融合タンパク質を有する細胞株およびNCI-60がん細胞株において顕著な抗がん活性を示す図である。
図6Aは、RT112およびRT4細胞におけるTACC3タンパク質レベルのウエスタンブロット分析を示す。β-アクチンをローディング対照として使用した。
図6Bは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、およびFGFR3-TACC3融合発現細胞株、RT112およびRT4の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである。細胞生存率は、3日間の薬物インキュベーションで試験し、SRBアッセイによって測定した。
図6Cは、3つの阻害剤で処置した後のSRB染色した代表的なウェルを示す画像である。
図6Dは、異なる用量のTACC3阻害剤で24時間処置した直後の、RT112細胞における有糸分裂停止マーカー、p-ヒストンH3ならびにERKリン酸化(Thr202/Tyr204)のウエスタンブロット分析を示す。
図6Eは、化合物5のNCI-60 5用量スクリーニングから決定された平均GI
50値(M)を示すグラフである。黒色点線は、1μM閾値を示す。
図6Fは、化合物5のGI
50値とDepMap.orgから得られたTACC3依存性スコアとの間の相関を示すグラフである。スコアが低いということは、TACC3が所与の細胞株に依存している可能性が高いことを意味する。
【
図6D】概して、
図6は、化合物5が、FGFR3-TACC3融合タンパク質を有する細胞株およびNCI-60がん細胞株において顕著な抗がん活性を示す図である。
図6Aは、RT112およびRT4細胞におけるTACC3タンパク質レベルのウエスタンブロット分析を示す。β-アクチンをローディング対照として使用した。
図6Bは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、およびFGFR3-TACC3融合発現細胞株、RT112およびRT4の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである。細胞生存率は、3日間の薬物インキュベーションで試験し、SRBアッセイによって測定した。
図6Cは、3つの阻害剤で処置した後のSRB染色した代表的なウェルを示す画像である。
図6Dは、異なる用量のTACC3阻害剤で24時間処置した直後の、RT112細胞における有糸分裂停止マーカー、p-ヒストンH3ならびにERKリン酸化(Thr202/Tyr204)のウエスタンブロット分析を示す。
図6Eは、化合物5のNCI-60 5用量スクリーニングから決定された平均GI
50値(M)を示すグラフである。黒色点線は、1μM閾値を示す。
図6Fは、化合物5のGI
50値とDepMap.orgから得られたTACC3依存性スコアとの間の相関を示すグラフである。スコアが低いということは、TACC3が所与の細胞株に依存している可能性が高いことを意味する。
【
図6E】概して、
図6は、化合物5が、FGFR3-TACC3融合タンパク質を有する細胞株およびNCI-60がん細胞株において顕著な抗がん活性を示す図である。
図6Aは、RT112およびRT4細胞におけるTACC3タンパク質レベルのウエスタンブロット分析を示す。β-アクチンをローディング対照として使用した。
図6Bは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、およびFGFR3-TACC3融合発現細胞株、RT112およびRT4の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである。細胞生存率は、3日間の薬物インキュベーションで試験し、SRBアッセイによって測定した。
図6Cは、3つの阻害剤で処置した後のSRB染色した代表的なウェルを示す画像である。
図6Dは、異なる用量のTACC3阻害剤で24時間処置した直後の、RT112細胞における有糸分裂停止マーカー、p-ヒストンH3ならびにERKリン酸化(Thr202/Tyr204)のウエスタンブロット分析を示す。
図6Eは、化合物5のNCI-60 5用量スクリーニングから決定された平均GI
50値(M)を示すグラフである。黒色点線は、1μM閾値を示す。
図6Fは、化合物5のGI
50値とDepMap.orgから得られたTACC3依存性スコアとの間の相関を示すグラフである。スコアが低いということは、TACC3が所与の細胞株に依存している可能性が高いことを意味する。
【
図6F】概して、
図6は、化合物5が、FGFR3-TACC3融合タンパク質を有する細胞株およびNCI-60がん細胞株において顕著な抗がん活性を示す図である。
図6Aは、RT112およびRT4細胞におけるTACC3タンパク質レベルのウエスタンブロット分析を示す。β-アクチンをローディング対照として使用した。
図6Bは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、およびFGFR3-TACC3融合発現細胞株、RT112およびRT4の細胞生存率に対するそれらの効果を示すグラフである。細胞生存率は、3日間の薬物インキュベーションで試験し、SRBアッセイによって測定した。
図6Cは、3つの阻害剤で処置した後のSRB染色した代表的なウェルを示す画像である。
図6Dは、異なる用量のTACC3阻害剤で24時間処置した直後の、RT112細胞における有糸分裂停止マーカー、p-ヒストンH3ならびにERKリン酸化(Thr202/Tyr204)のウエスタンブロット分析を示す。
図6Eは、化合物5のNCI-60 5用量スクリーニングから決定された平均GI
50値(M)を示すグラフである。黒色点線は、1μM閾値を示す。
図6Fは、化合物5のGI
50値とDepMap.orgから得られたTACC3依存性スコアとの間の相関を示すグラフである。スコアが低いということは、TACC3が所与の細胞株に依存している可能性が高いことを意味する。
【
図7A】概して、TACC3レベルが化合物5の反応にとって重要であることを示す図である。
図7Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および正常な乳房細胞株、MCF-12Aの細胞生存率に対するそれらの効果を示す。
図7Bは、化合物5 IC
50レベルの乳房正常上皮細胞株、MCF-12Aおよびがん細胞株が、それらのサブタイプに従って分離されたことを示す。
図7Cは、これらの細胞株のTACC3タンパク質レベルを示す。TACC3タンパク質レベルをウエスタンブロットにより分析した。GAPDHをローディング対照として使用した。
図7Dは、MCF-12A細胞のコロニー形成アッセイを示す。対照またはTACC3ベクター(250ng)のいずれかで48時間一過性に細胞をトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は、後で12ウェルプレートに播種した。12日後、細胞をクリスタルバイオレットで染色した。
図7Eは、コロニーの数が、ImageJソフトウェアを使用して計数および分析されたことを示す。データは、3回の独立した実験の平均±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。n.s:有意でない。
図7Fは、TACC3を過剰発現するMCF-12A細胞の化合物5処置時の細胞生存率アッセイを示すグラフである。
図7Gは、MCF-12Aおよび乳がん細胞株モデルの倍加時間評価を示す。細胞を低密度でプレーティングし、1週間成長させた。次に、細胞を毎日計数した。一元配置分散分析を使用した。
【
図7B】概して、TACC3レベルが化合物5の反応にとって重要であることを示す図である。
図7Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および正常な乳房細胞株、MCF-12Aの細胞生存率に対するそれらの効果を示す。
図7Bは、化合物5 IC
50レベルの乳房正常上皮細胞株、MCF-12Aおよびがん細胞株が、それらのサブタイプに従って分離されたことを示す。
図7Cは、これらの細胞株のTACC3タンパク質レベルを示す。TACC3タンパク質レベルをウエスタンブロットにより分析した。GAPDHをローディング対照として使用した。
図7Dは、MCF-12A細胞のコロニー形成アッセイを示す。対照またはTACC3ベクター(250ng)のいずれかで48時間一過性に細胞をトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は、後で12ウェルプレートに播種した。12日後、細胞をクリスタルバイオレットで染色した。
図7Eは、コロニーの数が、ImageJソフトウェアを使用して計数および分析されたことを示す。データは、3回の独立した実験の平均±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。n.s:有意でない。
図7Fは、TACC3を過剰発現するMCF-12A細胞の化合物5処置時の細胞生存率アッセイを示すグラフである。
図7Gは、MCF-12Aおよび乳がん細胞株モデルの倍加時間評価を示す。細胞を低密度でプレーティングし、1週間成長させた。次に、細胞を毎日計数した。一元配置分散分析を使用した。
【
図7C】概して、TACC3レベルが化合物5の反応にとって重要であることを示す図である。
図7Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および正常な乳房細胞株、MCF-12Aの細胞生存率に対するそれらの効果を示す。
図7Bは、化合物5 IC
50レベルの乳房正常上皮細胞株、MCF-12Aおよびがん細胞株が、それらのサブタイプに従って分離されたことを示す。
図7Cは、これらの細胞株のTACC3タンパク質レベルを示す。TACC3タンパク質レベルをウエスタンブロットにより分析した。GAPDHをローディング対照として使用した。
図7Dは、MCF-12A細胞のコロニー形成アッセイを示す。対照またはTACC3ベクター(250ng)のいずれかで48時間一過性に細胞をトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は、後で12ウェルプレートに播種した。12日後、細胞をクリスタルバイオレットで染色した。
図7Eは、コロニーの数が、ImageJソフトウェアを使用して計数および分析されたことを示す。データは、3回の独立した実験の平均±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。n.s:有意でない。
図7Fは、TACC3を過剰発現するMCF-12A細胞の化合物5処置時の細胞生存率アッセイを示すグラフである。
図7Gは、MCF-12Aおよび乳がん細胞株モデルの倍加時間評価を示す。細胞を低密度でプレーティングし、1週間成長させた。次に、細胞を毎日計数した。一元配置分散分析を使用した。
【
図7D】概して、TACC3レベルが化合物5の反応にとって重要であることを示す図である。
図7Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および正常な乳房細胞株、MCF-12Aの細胞生存率に対するそれらの効果を示す。
図7Bは、化合物5 IC
50レベルの乳房正常上皮細胞株、MCF-12Aおよびがん細胞株が、それらのサブタイプに従って分離されたことを示す。
図7Cは、これらの細胞株のTACC3タンパク質レベルを示す。TACC3タンパク質レベルをウエスタンブロットにより分析した。GAPDHをローディング対照として使用した。
図7Dは、MCF-12A細胞のコロニー形成アッセイを示す。対照またはTACC3ベクター(250ng)のいずれかで48時間一過性に細胞をトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は、後で12ウェルプレートに播種した。12日後、細胞をクリスタルバイオレットで染色した。
図7Eは、コロニーの数が、ImageJソフトウェアを使用して計数および分析されたことを示す。データは、3回の独立した実験の平均±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。n.s:有意でない。
図7Fは、TACC3を過剰発現するMCF-12A細胞の化合物5処置時の細胞生存率アッセイを示すグラフである。
図7Gは、MCF-12Aおよび乳がん細胞株モデルの倍加時間評価を示す。細胞を低密度でプレーティングし、1週間成長させた。次に、細胞を毎日計数した。一元配置分散分析を使用した。
【
図7E】概して、TACC3レベルが化合物5の反応にとって重要であることを示す図である。
図7Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および正常な乳房細胞株、MCF-12Aの細胞生存率に対するそれらの効果を示す。
図7Bは、化合物5 IC
50レベルの乳房正常上皮細胞株、MCF-12Aおよびがん細胞株が、それらのサブタイプに従って分離されたことを示す。
図7Cは、これらの細胞株のTACC3タンパク質レベルを示す。TACC3タンパク質レベルをウエスタンブロットにより分析した。GAPDHをローディング対照として使用した。
図7Dは、MCF-12A細胞のコロニー形成アッセイを示す。対照またはTACC3ベクター(250ng)のいずれかで48時間一過性に細胞をトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は、後で12ウェルプレートに播種した。12日後、細胞をクリスタルバイオレットで染色した。
図7Eは、コロニーの数が、ImageJソフトウェアを使用して計数および分析されたことを示す。データは、3回の独立した実験の平均±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。n.s:有意でない。
図7Fは、TACC3を過剰発現するMCF-12A細胞の化合物5処置時の細胞生存率アッセイを示すグラフである。
図7Gは、MCF-12Aおよび乳がん細胞株モデルの倍加時間評価を示す。細胞を低密度でプレーティングし、1週間成長させた。次に、細胞を毎日計数した。一元配置分散分析を使用した。
【
図7F】概して、TACC3レベルが化合物5の反応にとって重要であることを示す図である。
図7Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および正常な乳房細胞株、MCF-12Aの細胞生存率に対するそれらの効果を示す。
図7Bは、化合物5 IC
50レベルの乳房正常上皮細胞株、MCF-12Aおよびがん細胞株が、それらのサブタイプに従って分離されたことを示す。
図7Cは、これらの細胞株のTACC3タンパク質レベルを示す。TACC3タンパク質レベルをウエスタンブロットにより分析した。GAPDHをローディング対照として使用した。
図7Dは、MCF-12A細胞のコロニー形成アッセイを示す。対照またはTACC3ベクター(250ng)のいずれかで48時間一過性に細胞をトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は、後で12ウェルプレートに播種した。12日後、細胞をクリスタルバイオレットで染色した。
図7Eは、コロニーの数が、ImageJソフトウェアを使用して計数および分析されたことを示す。データは、3回の独立した実験の平均±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。n.s:有意でない。
図7Fは、TACC3を過剰発現するMCF-12A細胞の化合物5処置時の細胞生存率アッセイを示すグラフである。
図7Gは、MCF-12Aおよび乳がん細胞株モデルの倍加時間評価を示す。細胞を低密度でプレーティングし、1週間成長させた。次に、細胞を毎日計数した。一元配置分散分析を使用した。
【
図7G】概して、TACC3レベルが化合物5の反応にとって重要であることを示す図である。
図7Aは、3つの異なる阻害剤によるTACC3の薬理学的阻害、および正常な乳房細胞株、MCF-12Aの細胞生存率に対するそれらの効果を示す。
図7Bは、化合物5 IC
50レベルの乳房正常上皮細胞株、MCF-12Aおよびがん細胞株が、それらのサブタイプに従って分離されたことを示す。
図7Cは、これらの細胞株のTACC3タンパク質レベルを示す。TACC3タンパク質レベルをウエスタンブロットにより分析した。GAPDHをローディング対照として使用した。
図7Dは、MCF-12A細胞のコロニー形成アッセイを示す。対照またはTACC3ベクター(250ng)のいずれかで48時間一過性に細胞をトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は、後で12ウェルプレートに播種した。12日後、細胞をクリスタルバイオレットで染色した。
図7Eは、コロニーの数が、ImageJソフトウェアを使用して計数および分析されたことを示す。データは、3回の独立した実験の平均±SDとして表されている。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。n.s:有意でない。
図7Fは、TACC3を過剰発現するMCF-12A細胞の化合物5処置時の細胞生存率アッセイを示すグラフである。
図7Gは、MCF-12Aおよび乳がん細胞株モデルの倍加時間評価を示す。細胞を低密度でプレーティングし、1週間成長させた。次に、細胞を毎日計数した。一元配置分散分析を使用した。
【
図8A】概して、化合物5がSPL-Bよりも腫瘍成長を著しく損なうことを示す図である。
図8Aは、ビヒクル、5mg/kgの化合物5またはSPL-Bで30日間経口的に処置されたJIMT-1異種移植片の腫瘍体積変化を示す。腫瘍が90~100mm
3に達したときに処置を開始した。
図8Bは、30日間追跡されたJIMT-1異種移植片のパーセント体重変化を示す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001;n.s:有意でない。
【
図8B】概して、化合物5がSPL-Bよりも腫瘍成長を著しく損なうことを示す図である。
図8Aは、ビヒクル、5mg/kgの化合物5またはSPL-Bで30日間経口的に処置されたJIMT-1異種移植片の腫瘍体積変化を示す。腫瘍が90~100mm
3に達したときに処置を開始した。
図8Bは、30日間追跡されたJIMT-1異種移植片のパーセント体重変化を示す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001;n.s:有意でない。
【
図9A】概して、化合物5の異なる用量および投与経路が、マウスの体重に影響を与えることなく、インビボJIMT-1異種移植片における腫瘍成長を阻害することを示す図である。
図9Aは、異なる投与量および投与経路で化合物5の3群すべての適用後の腫瘍体積の変化を示す。
図9Bは、異なる投与量および投与方法での処置経過中のマウスの体重変化を示す。
図9Cは、雌のヌードマウスにおけるビヒクルまたは25mg/kgの化合物5での処置後のJIMT-1異種移植片の腫瘍体積変化を示す。腫瘍が90~100mm
3に達したときに処置を開始した。
図9Dは、ビヒクルまたは化合物5のいずれかで処置されたマウスの腫瘍重量を示す。
図9Eは、処置後のマウスの体重変化(%)を示す。
【
図9B】概して、化合物5の異なる用量および投与経路が、マウスの体重に影響を与えることなく、インビボJIMT-1異種移植片における腫瘍成長を阻害することを示す図である。
図9Aは、異なる投与量および投与経路で化合物5の3群すべての適用後の腫瘍体積の変化を示す。
図9Bは、異なる投与量および投与方法での処置経過中のマウスの体重変化を示す。
図9Cは、雌のヌードマウスにおけるビヒクルまたは25mg/kgの化合物5での処置後のJIMT-1異種移植片の腫瘍体積変化を示す。腫瘍が90~100mm
3に達したときに処置を開始した。
図9Dは、ビヒクルまたは化合物5のいずれかで処置されたマウスの腫瘍重量を示す。
図9Eは、処置後のマウスの体重変化(%)を示す。
【
図9C】概して、化合物5の異なる用量および投与経路が、マウスの体重に影響を与えることなく、インビボJIMT-1異種移植片における腫瘍成長を阻害することを示す図である。
図9Aは、異なる投与量および投与経路で化合物5の3群すべての適用後の腫瘍体積の変化を示す。
図9Bは、異なる投与量および投与方法での処置経過中のマウスの体重変化を示す。
図9Cは、雌のヌードマウスにおけるビヒクルまたは25mg/kgの化合物5での処置後のJIMT-1異種移植片の腫瘍体積変化を示す。腫瘍が90~100mm
3に達したときに処置を開始した。
図9Dは、ビヒクルまたは化合物5のいずれかで処置されたマウスの腫瘍重量を示す。
図9Eは、処置後のマウスの体重変化(%)を示す。
【
図9D】概して、化合物5の異なる用量および投与経路が、マウスの体重に影響を与えることなく、インビボJIMT-1異種移植片における腫瘍成長を阻害することを示す図である。
図9Aは、異なる投与量および投与経路で化合物5の3群すべての適用後の腫瘍体積の変化を示す。
図9Bは、異なる投与量および投与方法での処置経過中のマウスの体重変化を示す。
図9Cは、雌のヌードマウスにおけるビヒクルまたは25mg/kgの化合物5での処置後のJIMT-1異種移植片の腫瘍体積変化を示す。腫瘍が90~100mm
3に達したときに処置を開始した。
図9Dは、ビヒクルまたは化合物5のいずれかで処置されたマウスの腫瘍重量を示す。
図9Eは、処置後のマウスの体重変化(%)を示す。
【
図9E】概して、化合物5の異なる用量および投与経路が、マウスの体重に影響を与えることなく、インビボJIMT-1異種移植片における腫瘍成長を阻害することを示す図である。
図9Aは、異なる投与量および投与経路で化合物5の3群すべての適用後の腫瘍体積の変化を示す。
図9Bは、異なる投与量および投与方法での処置経過中のマウスの体重変化を示す。
図9Cは、雌のヌードマウスにおけるビヒクルまたは25mg/kgの化合物5での処置後のJIMT-1異種移植片の腫瘍体積変化を示す。腫瘍が90~100mm
3に達したときに処置を開始した。
図9Dは、ビヒクルまたは化合物5のいずれかで処置されたマウスの腫瘍重量を示す。
図9Eは、処置後のマウスの体重変化(%)を示す。
【
図10A】概して、化合物5が腫瘍成長を著しく損ない、免疫適格マウスの生存を改善することを示す図である。
図10Aは、非常に悪性度の高い同系マウス乳がんモデル、EMT6異種移植片に対する化合物5の効果の腫瘍体積評価を示す。有意性は、ビヒクル対照と比較して、各日の各データポイントに対して複数のt検定を使用して計算した。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図10Bは、ビヒクル(生存期間中央値14日)または化合物5(生存期間中央値22日)で処置されたEMT6異種移植片のKaplan-Meier生存曲線である。P値は、ログランク検定を使用して計算した。
図10Cは、処置後のEMT6異種移植片のパーセント体重変化を示す。
【
図10B】概して、化合物5が腫瘍成長を著しく損ない、免疫適格マウスの生存を改善することを示す図である。
図10Aは、非常に悪性度の高い同系マウス乳がんモデル、EMT6異種移植片に対する化合物5の効果の腫瘍体積評価を示す。有意性は、ビヒクル対照と比較して、各日の各データポイントに対して複数のt検定を使用して計算した。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図10Bは、ビヒクル(生存期間中央値14日)または化合物5(生存期間中央値22日)で処置されたEMT6異種移植片のKaplan-Meier生存曲線である。P値は、ログランク検定を使用して計算した。
図10Cは、処置後のEMT6異種移植片のパーセント体重変化を示す。
【
図10C】概して、化合物5が腫瘍成長を著しく損ない、免疫適格マウスの生存を改善することを示す図である。
図10Aは、非常に悪性度の高い同系マウス乳がんモデル、EMT6異種移植片に対する化合物5の効果の腫瘍体積評価を示す。有意性は、ビヒクル対照と比較して、各日の各データポイントに対して複数のt検定を使用して計算した。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。
図10Bは、ビヒクル(生存期間中央値14日)または化合物5(生存期間中央値22日)で処置されたEMT6異種移植片のKaplan-Meier生存曲線である。P値は、ログランク検定を使用して計算した。
図10Cは、処置後のEMT6異種移植片のパーセント体重変化を示す。
【
図11A】概して、TACC3を化合物5で標的とすると、結腸直腸がんマウスモデルにおいて腫瘍成長が著しく損なわれることを示す図である。
図11Aは、免疫無防備状態(HCT-116)および同系免疫適格性(CT-26)マウスモデルの結腸直腸がん異種移植片に対する化合物5の効果の腫瘍体積評価を示す。マウスをビヒクルまたは化合物5(25および/または50mg/kg)で毎日経口投与した。腫瘍体積が90~100mm
3に達したときに治療を開始した。有意性は、スチューデントのt検定を使用して計算した。*:p<0.05;**:p<0.01。
図11Bは、治療後のHCT-116およびCT-26異種移植片のパーセント体重変化を示す。
【
図11B】概して、TACC3を化合物5で標的とすると、結腸直腸がんマウスモデルにおいて腫瘍成長が著しく損なわれることを示す図である。
図11Aは、免疫無防備状態(HCT-116)および同系免疫適格性(CT-26)マウスモデルの結腸直腸がん異種移植片に対する化合物5の効果の腫瘍体積評価を示す。マウスをビヒクルまたは化合物5(25および/または50mg/kg)で毎日経口投与した。腫瘍体積が90~100mm
3に達したときに治療を開始した。有意性は、スチューデントのt検定を使用して計算した。*:p<0.05;**:p<0.01。
図11Bは、治療後のHCT-116およびCT-26異種移植片のパーセント体重変化を示す。
【
図12A】概して、4T1.luc2モデルの転移性増殖に対する化合物5によるTACC3標的とする効果を示す図である。
図12Aは、4T1.luc2細胞を尾静脈に注射したマウスの生物発光(BLI)画像を示す。肺において転移が確立された後、マウスをビヒクルまたは化合物5(50mg/kg)のいずれかで毎日経口的に処置した。転移性成長は、IVIS(インビボイメージングシステム)を用いて週に1回BLIによってモニターした。
図12Bは、ビヒクル(生存期間中央値19日)または化合物5(生存期間中央値28日)で処置された4T1.luc2同系モデルのKaplan-Meier生存曲線である。P値は、ログランク検定を使用して計算した。
【
図12B】概して、4T1.luc2モデルの転移性増殖に対する化合物5によるTACC3標的とする効果を示す図である。
図12Aは、4T1.luc2細胞を尾静脈に注射したマウスの生物発光(BLI)画像を示す。肺において転移が確立された後、マウスをビヒクルまたは化合物5(50mg/kg)のいずれかで毎日経口的に処置した。転移性成長は、IVIS(インビボイメージングシステム)を用いて週に1回BLIによってモニターした。
図12Bは、ビヒクル(生存期間中央値19日)または化合物5(生存期間中央値28日)で処置された4T1.luc2同系モデルのKaplan-Meier生存曲線である。P値は、ログランク検定を使用して計算した。
【
図13A】概して、マウスの体重および内臓に対する高用量化合物5の効果を示す図である。
図13Aは、100mg/kgの化合物5を7日間毎日経口投与した後のマウスの体重(g)を示す。
図13Bは、化合物5(500mg/kg)の単回投与後のマウスの体重(g)を示す。異なる日にマウスを犠牲にした。
図13Cは、ビヒクルまたは500mg/kgの化合物5のいずれかで処置されたマウスおよびそれらの臓器(下のパネル)の写真である。マウスは、薬物治療の48時間後に犠牲にした。
【
図13B】概して、マウスの体重および内臓に対する高用量化合物5の効果を示す図である。
図13Aは、100mg/kgの化合物5を7日間毎日経口投与した後のマウスの体重(g)を示す。
図13Bは、化合物5(500mg/kg)の単回投与後のマウスの体重(g)を示す。異なる日にマウスを犠牲にした。
図13Cは、ビヒクルまたは500mg/kgの化合物5のいずれかで処置されたマウスおよびそれらの臓器(下のパネル)の写真である。マウスは、薬物治療の48時間後に犠牲にした。
【
図13C】概して、マウスの体重および内臓に対する高用量化合物5の効果を示す図である。
図13Aは、100mg/kgの化合物5を7日間毎日経口投与した後のマウスの体重(g)を示す。
図13Bは、化合物5(500mg/kg)の単回投与後のマウスの体重(g)を示す。異なる日にマウスを犠牲にした。
図13Cは、ビヒクルまたは500mg/kgの化合物5のいずれかで処置されたマウスおよびそれらの臓器(下のパネル)の写真である。マウスは、薬物治療の48時間後に犠牲にした。
【
図14】化合物5の薬物特異的物理化学的性質の要約を示す。
a2時間後の25℃でpH7.4のリン酸ナトリウム緩衝液中の動態学的溶解度(Buttar et al.,2010)、
bLogD:オクタノール/リン酸ナトリウム緩衝液(50mM、pH7.4)での分配係数(Unger et al.,1978)、
cPPB:37℃でヒトにおける平衡透析によって評価された血漿タンパク質結合(Buttar et al.,2010)、
dT1/2:マウスおよびヒト肝ミクロソーム(それぞれMLMおよびHLM)の半減期(Kalvass et al.,2001)、
eClint:MLMおよびHLMにおける固有クリアランス(Kalvass et al.,2001)、
fCYP:HLMにおいて評価された化合物5によるシトクロムP450アイソザイム阻害(Bourrie et al.,1996)、
gPapp:Caco-2細胞単層におけるみかけの透過係数(Camenisch et al.,1998)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
TACC3レベルの上昇は多くの異なるがん型で観察されており、がん治療の非常に魅力的な標的となっている。TACC3は、微小管および中心体を調節し、紡錘体の安定性を維持する上で重要な役割を果たす(Schneider et al.,2007、Thakur et al.,2013)。
【0018】
異なる腫瘍型におけるTACC3レベルをさらに調べるために、本発明者らは、多くの異なるがん型およびそれらの正常組織対応物におけるTACC3レベルの分析を行った(
図1A)。TACC3は、乳がんを含む多くの異なるがん型で著しく過剰発現していることがわかった。次に、異なるデータベース(METABRICおよびKM Plotter)を使用した異なる患者生存データセットおよびデータセット(GSE31210およびTCGA)を分析した。高いTACC3レベルは、乳がん(
図1B-1)および胃がん(
図1B-2)において全生存率の悪化と有意に相関することがわかった。さらに、高いTACC3レベルは、肺がん患者の無再発生存率の悪化(
図1B-3)および前立腺がん患者の無病生存率(
図1B-4)と関連している。重要なことに、多変量Cox回帰分析は、TACC3発現が乳がんにおいて独立予後因子であることを示した(
図2)。まとめると、これらの結果は、TACC3が臨床的に関連する標的であり、いくつかの異なるがんにおいて強い予後であり、その発現レベルが疾患の重症度と患者の生存を定義する重要な要因であることを示す。したがって、TACC3機能の阻害は、乳がんおよびその他のがん患者の生存を改善するための有望な治療戦略である。
【0019】
Hela細胞におけるTACC3レベルの低下は、有糸分裂停止(Schneider et al.,2007)およびカスパーゼ依存性アポトーシス(Kimura et al.,2013)を引き起こすことが示されている。本開示において、高いTACC3レベルを発現する乳がん患者は、乳がん進展におけるTACC3の発がん性の役割を裏づける有糸分裂進行およびDNA修復遺伝子の促進を有することが見出された(
図3A)。次に、本発明者らは、異なる乳がん細胞株の細胞生存率に対するTACC3欠乏の影響を調べた。異なる分子サブタイプを有する4つの異なる乳がん細胞株モデルを利用した。HER2陽性乳がん細胞株であるJIMT-1、およびルミナルBサブタイプ乳がん細胞株であるBT-474 T-DM1R(T-DM1耐性)は、TACC3レベルが高いことが示された(Saatci et al.,2018)。一方、MDA-MB-436およびMDA-MB-157は、双方とも三種陰性乳がん(TNBC)細胞株である。本開示において、最初に、これらの細胞株におけるTACC3レベルを低下させるために、低分子干渉RNA(siRNA)を使用した。
図3Bは、すべての細胞株において48時間のsiRNA処置後に、全体的なTACC3レベルが約60~70%低下したことを示す。これと一致して、TACC3ノックダウンが乳がん細胞の著しい成長阻害をもたらすことが観察された(
図3C)。次に、TACC3ノックダウンが引き起こす可能性のある関連メカニズムを調べた。試験したすべての乳がん細胞株におけるsiRNAによるTACC3レベルの抑制は、有糸分裂停止、アポトーシス、およびDNA損傷を活性化した(
図3D)。
【0020】
本発明者らは、TACC3が異常に発現される乳がん細胞におけるそれらの抗増殖効果を試験することにより、一連の小分子の社内スクリーニングを行った(Ma et al.,2003、Song et al.,2018)。具体的には、JIMT-1細胞株は、他の試験された乳がん細胞株と比較してTACC3タンパク質レベルが高く、ならびにそのインビボ腫瘍形成能のため、細胞生存率における化合物の影響をスクリーニングするために選択した(Saatci et al.,2018、Tanner et al.,2004)(それぞれ
図7および8~9で説明する)。本発明者らは、培養細胞を用いた実験により、化合物5が細胞成長を抑制し(190nMのIC
50)、抗腫瘍効果を示すことを明らかにした。したがって、この化合物を抗がん剤の医薬品有効成分(API)として使用することにより、効果的な抗がん剤を開発することができる。したがって、高レベルのTACC3を発現するがん細胞に対して抗がん活性を有する新規の化合物を得るために、式(I)の基本構造を有する化合物を合成した。
【0021】
一態様では、本開示は、式(I)の化合物、
【化3】
またはその薬学的に許容される塩に関し、式中、
X
1は、NまたはCR
6であり、
X
2は、NまたはCR
3であり、
R
1は、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
2は、Hまたはアルキルであり、
R
3、R
4およびR
6は、各々独立してH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、またはスルホンアミドであり、
R
5は、ヘテロシクリル、アルキル、またはアミノである。
【0022】
特定の実施形態では、化合物は、
【化4】
ではない。
【0023】
特定の実施形態では、R1は、アリール(例えば、フェニル)である。他の実施形態では、R1は、ヘテロアリール(例えば、ベンゾジオキソール、ジヒドロベンゾフラン、ベンゾフラン、またはピリミジニル)である。
【0024】
特定の実施形態では、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキルスルホニル(例えばメチルスルホニル)またはスルホンアミドから選択される1つ以上の置換基で置換されている。特定の実施形態では、R1は、アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、フルオロエチル、またはトリフルオロメチル)、アルキルオキシ(例えば、メトキシ、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、エトキシ、またはプロピルオキシ)、アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、アラルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ)、ヒドロキシル、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)、またはアミノ(例えば、ジメチルアミノアルキル)で置換される。特定の好ましい実施形態では、R1は、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されている。特定の実施形態では、ハロ(例えば、F)は、イソオキサゾールに対してパラである。他の実施形態では、ハロ(例えば、F)は、イソオキサゾールに対してオルトである。他の実施形態では、ハロ(例えば、F)は、イソオキサゾールに対してメタである。特定の好ましい実施形態では、R1は、2つのハロ(例えば、F)で置換されている。特定の実施形態では、1つのハロ(例えば、F)は、イソオキサゾールに対してメタであり、1つのハロ(例えば、F)は、イソオキサゾールに対してオルトである。他の好ましい実施形態では、R1は、アルキルオキシ(例えば、メトキシ)で置換されている。特定の実施形態では、アルコキシ(例えば、メトキシ)は、イソオキサゾールに対してパラである。他の実施形態では、アルコキシ(例えば、メトキシ)は、イソオキサゾールに対してオルトである。特定の実施形態では、アルコキシ(例えば、メトキシ)は、イソオキサゾールのメタである。さらに他の好ましい実施形態では、R1は、アルキル(例えば、メチル、エチル、またはトリフルオロメチル)で置換されている。さらに他の好ましい実施形態では、R1は、ハロ(例えば、フルオロ)およびアルキルオキシ(例えば、メトキシ)で置換されている。さらに好ましい実施形態では、R1は、メトキシ部分および1つまたは2つのフルオロ部分で置換されている。最も好ましい実施形態では、R1は、メトキシ部分および2つのフルオロ部分で置換されている。特定の実施形態では、アルコキシ(例えば、メトキシ)は、イソオキサゾールに対してパラであり、Fは、イソオキサゾールに対してメタである。さらに他の修飾物では、アルコキシ(例えば、メトキシ)はイソオキサゾールに対してパラであり、Fはイソオキサゾールに対してオルトである。他の実施形態では、ハロ(例えば、F)はイソオキサゾールに対してパラであり、アルコキシ(例えば、メトキシ)はイソオキサゾールに対してメタである。さらに他の実施形態では、アルコキシ(例えば、メトキシ)は、イソオキサゾールに対してパラであり、1つのハロ(例えば、F)は、イソオキサゾールに対してメタであり、1つのハロ(例えば、F)はイソオキサゾールに対してオルトである。
【0025】
特定の実施形態では、R2は、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。特定の実施形態では、R2は、アミノ(例えば、ジメチルアミノまたはジエチルアミノ)、またはニトリルで置換されている。他の実施形態では、R2は、Hである。
【0026】
特定の実施形態では、X1は、Nである。他の実施形態では、X1は、CR6である。特定の実施形態では、R6は、Hである。
【0027】
特定の実施形態では、X2は、Nである。他の実施形態では、X2は、CR3である。特定の実施形態では、R3は、Hまたはハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。
【0028】
特定の実施形態では、R3は、Hまたはハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。
【0029】
特定の実施形態では、R4は、アルキル(例えば、メチル)である。
【0030】
特定の実施形態では、R5は、ヘテロシクリル(例えば、アゼチジニル、モルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、オキサアザビシクロオクタニル、オキサアザビシクロヘプトニル(oxaazabicycloheptnyl)、チオモルホリノ、チオモルホリノジオキシド、ヘキサヒドロフロピロリル、またはアザビシクロヘキサニル)である。特定の実施形態では、R5は、6員含有ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格は、1つの窒素を含有する。特定の実施形態では、R5は、6員含有ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格は、1つの窒素および1つの酸素を含有する。他の実施形態では、R5は、7員含有ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格は、1つの窒素を含有する。特定の実施形態では、R5は、7員含有ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格は、1つの窒素および1つの酸素を含有する。他の実施形態では、R5は、8員含有ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格は、1つの窒素を含有する。特定の実施形態では、R5は、8員含有ヘテロシクリルであり、サイクルの骨格は、1つの窒素および1つの酸素を含有する。特定の好ましい実施形態では、R5は、ヘテロシクリルを含有する窒素であり、窒素は、R4置換基を有するアリールまたはヘテロアリール環に直接結合している。特定の好ましい実施形態では、R5は、2,6-ジメチルモホリン(dimethylmopholine)、4-メチルピペリジン、または4-(トリフルオロメチル)ピペリジンである。
【0031】
特定の実施形態では、R5は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはスルホンアミドで置換されている。特定の実施形態では、R5は、エステル(例えば、エチルエステル)、カルボキシル、アルキル(例えば、メチルまたはトリフルオロメチル)、ヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシエチル)、ハロ(例えば、フルオロ)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピルまたはシクロブチル)、またはヘテロシクリル(例えば、オキセトニル(oxetnyl)またはテトラヒドロフラニル)で置換されている。特定の好ましい実施形態では、R5は、ハロ(例えば、フルオロ)で置換されている。特定の好ましい実施形態では、R5は、2つのアルキル部分で置換されている。さらに好ましい実施形態では、R5は、2つのメチル部分で置換されている。
【0032】
他の実施形態では、R5はアミノである。特定の実施形態では、R5は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、スルホンアミド、シクロアルキル、またはヘテロシクリル)で置換されている。特定の実施形態では、R5は、アルキル(例えば、ジフルオロエチル、またはイソブチル、アルキルオキシアルキル(例えば、メチルオキシエチル)、ヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシエチル)、シクロプロピル(例えば、シクロプロピル)、またはヘテロシクリル(例えば、ピラニル)で置換されている。
【0033】
特定の実施形態では、式Iの化合物は、式IIによって表される構造を有する:
【化5】
【0034】
本開示の抗がん剤は、一般式(I)によって表される化合物を含み、式中、
R1:非置換フェニル、またはo-、m-もしくはp-CH3、C2H5、CH(CH3)2、OCH3、OC2H5、OC3H7、SCH3、CF2CH3、CF3、OCF3、OCHF2、N(CH3)2、F、Cl、OH一置換もしくは二置換フェニル、ピリジル、ベンジルオキシもしくはピペロニル基;R2:H、CH3;R3:H、F、Cl;R4:H、CH3;X1:CH、N;R5:モルホリン、2,6-ジメチルモルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン1,1-ジオキシド、モルホリン-4-アミン、ピペリジン、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン、ピペリジン-1-アミン、4-フルオロピペリジン、4,4-ジフルオロピペリジン、4-メチルピペリジン、4-(トリフルオロメチル)ピペリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジン、ピロリジン、2-(4-ピペリジン)エタノール、2-(1-ピペラジニル)エタノール、4-ピペリジンカルボン酸、エチル4-ピペリジンカルボキシレート、(1R,4R)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、(1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンまたは8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン基。
【0035】
特定の実施形態では、R1は、フェニルである。他の実施形態では、R1は、ピリジルである。さらに他の実施形態では、R1は、ベンジルオキシである。さらに他の実施形態では、R1は、ピペロニルである。特定の実施形態では、R1は、CH3、C2H5、CH(CH3)2、OCH3、OC2H5、OC3H7、SCH3、CF2CH3、CF3、OCF3、OCHF2、N(CH3)2、F、Cl、またはOHで置換されている。特定の好ましい実施形態では、R1は、CH3で置換されている。他の好ましい実施形態では、R1は、OCH3で置換されている。特定の実施形態では、OCH3は、イソオキサゾールに対してパラである。特定の実施形態では、OCH3は、イソオキサゾールに対してオルトである。特定の実施形態では、OCH3は、イソオキサゾールに対してメタである。さらに他の好ましい実施形態では、R1は、Fで置換されている。特定の実施形態では、R1は、1つのFで置換されている。特定の実施形態では、Fは、イソオキサゾールに対してパラである。特定の実施形態では、Fは、イソオキサゾールに対してオルトである。特定の実施形態では、Fは、イソオキサゾールに対してメタである。特定の実施形態では、R1は、2つのFで置換されている。特定の実施形態では、第1のFは、イソオキサゾールに対してメタであり、第2のFは、イソオキサゾールに対してオルトである。さらに好ましい実施形態では、R1は、OCH3およびFで置換されている。特定の実施形態では、OCH3は、イソオキサゾールに対してパラであり、Fは、イソオキサゾールに対してメタである。特定の実施形態では、OCH3は、イソオキサゾールに対してパラであり、Fは、イソオキサゾールに対してオルトである。特定の実施形態では、Fは、イソオキサゾールに対してパラであり、OCH3は、イソオキサゾールに対してメタである。さらに好ましい実施形態では、R1は、OCH3および2つのFで置換されている。特定の実施形態では、OCH3は、イソオキサゾールに対してパラであり、両方のFは、イソオキサゾールに対してメタである。特定の実施形態では、OCH3は、イソオキサゾールに対してパラであり、1つのFは、イソオキサゾールに対してメタであり、1つのFはイソオキサゾールに対してオルトである。
【0036】
特定の実施形態では、R2は、Hである。他の実施形態では、R2は、CH3である。
【0037】
特定の実施形態では、R3は、Hである。他の実施形態では、R3は、Fである。さらに他の実施形態では、R3は、Clである。
【0038】
特定の好ましい実施形態では、R5は、モルホリンである。他の好ましい実施形態では、R5は、ピペリジンである。さらに他の好ましい実施形態では、R5は、4-フルオロピペリジンである。さらに他の好ましい実施形態では、R5は、4,4-ジフルオロピペリジンである。さらに他の好ましい実施形態では、R5は、3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンである。さらに他の好ましい実施形態では、R5は、8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタンである。さらに他の好ましい実施形態では、R5は、2,6-ジメチルモルホリンである。さらに他の好ましい実施形態では、R5は、4-メチルピペリジンである。さらに他の好ましい実施形態では、R5は、4-メチルピペリジンである。
【0039】
特定の実施形態では、X1は、Cである。他の実施形態では、X1は、Nである。
【0040】
本開示の特定の最終的な成分を以下に示す。
3-(3-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物6)
3-(2-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物7)
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-フェニルイソオキサゾール-5-アミン(化合物8)
3-(4-エトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物9)
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-(4-プロポキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物10)
3-(4-フルオロフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物11)
3-(4-クロロフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物12)
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-(p-トリル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物13)
3-(4-エチルフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物14)
3-(4-イソプロピルフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物15)
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物16)
3-(4-(1,1-ジフルオロエチル)フェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物17)
3-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物18)
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物19)
3-(4-(メチルチオ)フェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物20)
3-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物21)
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物22)
3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物23)
3-(3,4-ジメトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物24)
3-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物25)
3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物26)
3-(6-メトキシピリジン-3-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物27)
4-(5-((2-モルホリノピリミジン-4-イル)アミノ)イソオキサゾール-3-イル)フェノール(化合物30)
3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物32)
N-(2-((2R,6S)-2,6-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物33)
N-(2-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物34)
N-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物35)
N-(2-((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物36)
N-(2-((1R,4R)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物37)
N-(2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物38)
N-(2-(4,4-ジフルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物39)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-チオモルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物40)
4-(4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)チオモルホリン1,1-ジオキシド(化合物41)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物42)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物43)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物44)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物45)
2-(1-(4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イル)エタン-1-オール(化合物46)
2-(4-(4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(化合物47)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物48)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物49)
エチル1-(4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボキシレート(化合物50)
1-(4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸(化合物51)
N4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N2-モルホリノピリミジン-2,4-ジアミン(化合物52)
N4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N2-(ピペリジン-1-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(化合物53)
N4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(化合物54)
N-(5-クロロ-2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物59)
N-(5-フルオロ-2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物60)
N-(2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)-6-メチルピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物61)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物62)
3-(4-メトキシフェニル)-N-メチル-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物63)
3-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)-N-(2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物64)
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-フルオロピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物65)
N-(2-(3-オキサ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物66)
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物67)
3-(2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物69)
3-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物70)
N2-シクロプロピル-N4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(化合物71)
N2-イソブチル-N4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(化合物72)
N2-(2-メトキシエチル)-N4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(化合物73)
N1,N1-ジエチル-N2-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N2-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)エタン-1,2-ジアミン(化合物74)
N1-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N2,N2-ジメチル-N1-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)エタン-1,2-ジアミン(化合物75)
2-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)(2-モルホリノピリミジン-4-イル)アミノ)アセトニトリル(化合物76)
3-(5-メトキシピリジン-2-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物77)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物78)
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物79)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(4-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物80)
N2-(2,2-ジフルオロエチル)-N4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン(化合物81)
2-((4-((3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)エタン-1-オール(化合物82)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物83)
3-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物84)
3-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物85)
N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)-3-(3,4,5-トリメトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物86)
3-(ベンゾフラン-5-イル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物87)
3-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物88)
3-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-((2R、6S)-2,6-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物89)
N4-(3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル)-N2-メチルピリミジン-2,4-ジアミン(化合物90)
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物91)
3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物92)
N-(2-((2R、6S)-2,6-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物93)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物94)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物95)
N-(2-((2R,6S)-2,6-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物96)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(2,2,6,6-テトラメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物97)
N-(2-(3,3-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物98)
N-(2-(2,2-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物99)
N-(2-(3,5-ジメチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物100)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(2-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物101)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(3-メチルモルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物102)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(2-(トリフルオロメチル)モルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物103)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(テトラヒドロ-1H-フロ[3,4-c]ピロール-5(3H)-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物104)
N-(2-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物105)
N-(2-(7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物106)
N-(2-(4,4-ジメチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物107)
N-(2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物108)
N-(2-(1-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物109)
N-(2-(6-アザスピロ[2.5]オクタン-6-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物110)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(3-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物111)
N-(2-(2,2-ジフルオロモルホリノ)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物112)
N-(2-(2-オキサ-5-アザビシクロ¥[2.2.2]オクタン-5-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物113)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(3-(トリフルオロメチル)モルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物114)
N-(2-(6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物115)
N-(2-(2-オキサ-5-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-5-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物116)
N-(2-(4-オキサ-7-アザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物117)
N-(2-(7-オキサ-4-アザスピロ[2.5]オクタン-4-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物118)
N-(2-(2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物119)
N-(2-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物120)
N-(2-(2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物121)
N-(2-(2-オキサ-7-アザスピロ[4.4]ノナン-7-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物122)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(2,2,6,6-テトラフルオロモルホリノ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物123)
N-(2-(6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物124)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(3-メチル-6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物125)
N-(2-(3,5-ジメチルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物126)
3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-(4-イソプロピルピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物127)
N-(2-(4-(ジフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物128)
N-(2-(6-アザスピロ[3.5]ノナン-6-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物129)
N-(2-(2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物130)
3-(2-クロロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-モルホリノピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物131)
【0041】
本開示の各元の中間体を以下に示す。
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4a)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(3-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4b)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(2-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4c)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-フェニルイソオキサゾール-5-アミン(化合物4d)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-エトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4e)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-プロポキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4f)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-フルオロフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4g)
3-(4-クロロフェニル)-N-(2-クロロピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4h)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(p-トリル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4i)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-エチルフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4j)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-イソプロピルフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4k)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4l)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-(1,1-ジフルオロエチル)フェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4m)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4n)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4o)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-(メチルチオ)フェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4p)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(4-(ジメチルアミノ)フェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4r)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4s)
3-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-N-(2-クロロピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4t)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4u)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4v)
3-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-N-(2-クロロピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4y)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(6-メトキシピリジン-3-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物4z)
3-(4-メトキシフェニル)-N-(2-(メチルチオ)ピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物28)
4-(5-((2-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)イソオキサゾール-3-イル)フェノール(化合物29)
3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)-N-(2-クロロピリミジン-4-イル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物31)
N-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物55)
N-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物56)
N-(2-クロロ-6-メチルピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物57)
N-(2-クロロピリジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物58)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物132)
N-(2-クロロピリミジン-4-イル)-3-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)イソオキサゾール-5-アミン(化合物133)
【0042】
本開示の抗がん剤は、本開示の特定の最終化合物の以下の化学構造によって表される一般式(I)の化合物を含む。
【化6-1】
【化6-2】
【化6-3】
【化6-4】
【0043】
特定の実施形態では、化合物は、
【化7-1】
【化7-2】
【化7-3】
【化7-4】
またはその薬学的に許容される塩から選択される。
【0044】
上に示した化合物は、本発明者らによって合成された新規の化合物である。以下、これらの新規の化合物の合成方法について説明する。以下に記載する一般的な合成方法による本開示の代表的な化合物は、以下のスキームにおいてより具体的に示されている。スキームは例示であるため、開示は、表された化学反応および条件によって限定されると解釈されるべきではない。スキームで使用される様々な出発材料の調製は、当技術分野に精通した人の技能の範囲内である。以下のスキームで表される、式(I)の化合物またはその形態の置換基は、本明細書ですでに定義された通りである。
【0045】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0046】
さらに別の態様では、本開示は、請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、対象におけるTACC3媒介性疾患または障害を治療する方法を提供する。特定の実施形態では、TACC3媒介性疾患または障害は、がんである。特定の実施形態では、がんは、乳がん、結腸がん、メラノーマがん、肺がん、中枢神経系がん、卵巣がん、白血病がん、腎がんまたは前立腺がんである。特定の実施形態では、がんは、NCI-60パネルから選択されるがんである。
【0047】
さらに別の態様では、本開示は、請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、対象のがんを治療する方法を提供する。特定の実施形態では、がんは、乳がん、結腸がん、メラノーマがん、肺がん、中枢神経系がん、卵巣がん、白血病がん、腎がんまたは前立腺がんである。特定の実施形態では、がんは、NCI-60パネルから選択されるがんである。
【0048】
さらに別の態様では、本開示は、方法がスキームIによって表される本開示の化合物、
【化8】
またはその薬学的に許容される塩を作製する方法を提供し、式中、
X
1は、NまたはCR
6であり、
X
2は、NまたはCR
3であり、
R
1は、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
2は、Hまたはアルキルであり、
R
3、R
4およびR
6は、各々独立してH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アセチル、エステル、チオエステル、アルコキシ、ホスホリル、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、アジド、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、またはスルホンアミドであり、
R
5は、ヘテロシクリル、アルキル、またはアミノであり、
R
51は、ハロであり、
R
52は、ヘテロシクリルまたはアルキルであり、
X
10は、塩基であり、
X
11は、貴金属触媒であり、
X
12は、ホスフィンリガンドである。
【0049】
特定の実施形態では、塩基は、炭酸塩、酸化物、三級アミン、二級アミン、または水素化物である。特定の実施形態では、酸化物は、アルコキシド(例えば、tert-ブトキシド)である。特定の実施形態では、三級アミンは、三級アルキルアミン(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)である。特定の実施形態では、水素化物は、金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム)である。特定の実施形態では、炭酸塩は、金属炭酸塩(例えば、炭酸セシウム)である。
【0050】
特定の実施形態では、貴金属触媒は、パラジウム触媒(例えば、酢酸パラジウムII)である。
【0051】
特定の実施形態では、ホスフィン触媒は、アリールホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン)である。特定の実施形態では、ホスフィン触媒はキサントホスである。
【0052】
特定の実施形態では、この方法はさらに溶媒を含む。特定の実施形態では、溶媒は、三級ブタノール、ジメチルアセトアミド、またはジオキサンである。
【0053】
特定の実施形態では、この方法は、さらに加熱を含む。
【0054】
特定の実施形態では、この方法は、不活性雰囲気下で行われる。
【0055】
医薬組成物
本開示の組成物および方法は、治療を必要とする個体を治療するために利用することができる。特定の実施形態では、個体は、ヒトなどの哺乳動物、または非ヒト哺乳動物である。ヒトなどの動物に投与される場合、組成物または化合物は、好ましくは、例えば、本開示の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として投与される。薬学的に許容される担体は、当技術分野で周知であり、例えば、水もしくは生理学的に緩衝された生理食塩水もしくは他の溶媒などの水溶液、またはグリコール、グリセロールなどのビヒクル、オリーブ油などの油、または注射可能な有機エステルが含まれる。好ましい実施形態では、そのような医薬組成物がヒト投与用、特に侵襲的投与経路(すなわち、上皮バリアを介した輸送または拡散を回避する注射または移植などの経路)用である場合、水溶液はパイロジェンフリーか、または実質的にパイロジェンフリーである。賦形剤は、例えば、薬剤の遅延放出をもたらすように、または1つ以上の細胞、組織または臓器を選択的に標的化するように選択することができる。医薬組成物は、錠剤、カプセル剤(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを含む)、顆粒剤、再構成用の親液剤、散剤、液剤、シロップ剤、坐剤、注射剤などの投薬単位形態であり得る。組成物はまた、経皮送達システム、例えば、皮膚パッチ内に存在することができる。組成物はまた、ローション、クリーム、または軟膏などの局所投与に適した溶液中に存在することができる。
【0056】
薬学的に許容される担体は、例えば、本開示の化合物などの化合物の安定化、溶解度の増加、または吸収の増加に作用する生理学的に許容される薬剤を含むことができる。そのような生理学的に許容される薬剤には、例えば、グルコース、スクロースまたはデキストランなどの炭水化物、アスコルビン酸またはグルタチオンなどの抗酸化剤、キレート剤、低分子量タンパク質または他の安定剤もしくは賦形剤が含まれる。生理学的に許容される薬剤を含む、薬学的に許容される担体の選択は、例えば、組成物の投与経路に依存する。調製物または医薬組成物は、自己乳化型薬物送達システムまたは自己マイクロ乳化型薬物送達システムであり得る。医薬組成物(調製物)はまた、リポソームまたは他のポリマーマトリックスであり得、例えば、本開示の化合物をその中に組み込むことができる。例えば、リン脂質または他の脂質を含むリポソームは、無毒であり、生理学的に許容され、かつ代謝可能な担体であり、製造および投与が比較的容易である。
【0057】
「薬学的に許容される」という句は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題および合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適し、合理的な利益/リスク比に見合った化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すように本明細書で使用される。
【0058】
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という句は、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料などの薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に有害ではないという意味で「許容される」必要がある。薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例には、(1)乳糖、グルコース、およびショ糖などの糖、(2)トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン、(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体、(4)粉末トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)カカオバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤、(9)落花生油、綿実油、紅花油、胡麻油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油などの油、(10)プロピレングリコールなどのグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール、(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー水、(17)等張食塩水、(18)リンガー溶液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝溶液、ならびに(21)医薬製剤で使用される他の非毒性適合性物質が挙げられる。
【0059】
医薬組成物(調製物)は、例えば、経口(例えば、液剤もしくは非液剤もしくは懸濁剤、錠剤、カプセル剤(スプリンクルカプセル剤およびゼラチンカプセル剤を含む)のような水薬、舌に適用するためのボーラス剤、散剤、顆粒剤、ペースト剤);口腔粘膜を介した吸収(例えば、舌下);皮下;経皮的(例えば、皮膚に適用されるパッチ剤として);局所的(例えば、皮膚に塗布されるクリーム剤、軟膏またはスプレー剤として)を含むいくつかの投与経路のいずれかによって対象に投与することができる。化合物はまた、吸入用に調製され得る。特定の実施形態では、化合物は、滅菌水に単純に溶解または懸濁され得る。適切な投与経路およびそれに適した組成物の詳細は、例えば、米国特許第6,110,973号、第5,763,493号、第5,731,000号、第5,541,231号、第5,427,798号、第5,358,970号および第4,172,896号、ならびにそこに引用されている特許に記載されている。
【0060】
製剤は、単位剤形で都合よく提示することができ、薬局の分野でよく知られている任意の方法によって調製することができる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる有効成分の量は、治療される宿主、特定の投与様式に応じて変化する。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる有効成分の量は、一般に、治療効果を生じる化合物のその量である。一般に、100パーセントのうち、この量は、有効成分の約1パーセント~約99パーセント、好ましくは約5パーセント~約70パーセント、最も好ましくは約10パーセント~約30パーセントの範囲である。
【0061】
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本開示の化合物などの活性化合物を、担体および、任意選択で1つ以上の補助成分と結合させるステップを含む。一般に、製剤は、本開示の化合物を液体担体または細かく分割された固体担体、あるいはその両方と均一かつ密接に結合させ、次に必要に応じて生成物を成形することによって調製される。
【0062】
経口投与に適した本開示の製剤は、カプセル剤(スプリンクルカプセル剤およびゼラチンカプセル剤を含む)、カシェ剤、丸薬、錠剤、ロゼンジ剤(風味付けベース、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカントを使用)、親液剤、散剤、顆粒剤で、または水性もしくは非水性液体中の液剤または懸濁剤として、または水中油型もしくは油中水型乳剤として、または舐剤もしくはシロップ剤として、またはトローチ剤として(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなどの不活性塩基を使用)および/または口腔洗浄薬などの形態であり得、各々本開示の化合物の所定量を有効成分として含有する。組成物または化合物はまた、ボーラス剤、舐剤またはペースト剤として投与され得る。
【0063】
経口投与用の固形剤形(カプセル剤(スプリンクルカプセル剤およびゼラチンカプセル剤を含む)、錠剤、丸薬、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)を調製するために、有効成分を、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、および/または以下のいずれかなどの1つ以上の薬学的に許容される担体と混合する:(1)充填剤または増量剤、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸など、(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなど、(3)保湿剤、グリセロールなど、(4)崩壊剤、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカ澱粉、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなど、(5)溶解遅延剤、パラフィンなど、(6)吸収促進剤、四級アンモニウム化合物など、(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど、(8)吸収剤、カオリンおよびベントナイト粘土など、(9)潤滑剤、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物など、(10)錯化剤、修飾および非修飾シクロデキストリンなど、ならびに(11)着色剤。カプセル剤(スプリンクルカプセル剤およびゼラチンカプセル剤を含む)、錠剤および丸薬の場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含み得る。同様のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルの充填剤として使用することもできる。
【0064】
錠剤は、圧縮または成形によって、任意選択で1つ以上の補助成分を用いて作製することができる。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を使用して調製することができる。湿製錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって作製することができる。
【0065】
錠剤、および糖衣錠、カプセル剤(スプリンクルカプセル剤およびゼラチンカプセル剤を含む)、丸薬および顆粒剤などの医薬組成物の他の固形の剤形は、任意選択で、割線を入れるか、または腸溶コーティングおよび医薬製剤分野で知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。それらはまた、例えば、所望の放出プロファイルをもたらすように様々な比率でのキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを使用して、その中の活性成分の徐放または制御放出を提供するように調製され得る。それらは、例えば、細菌保持フィルターによるろ過によって、または使用直前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解することができる滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。これらの組成物はまた、任意選択で乳白剤を含み得、それらが活性成分のみ、または優先的に、消化管の特定の部分において、任意選択で、遅延様式で放出する組成物であり得る。使用できる埋め込み組成物の例には、高分子物質およびワックスが含まれる。有効成分はまた、適切な場合、上記の賦形剤のうちの1つ以上とともにマイクロカプセル化された形態であり得る。
【0066】
経口投与に有用な液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、再構成用の親液剤、マイクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。有効成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、シクロデキストリンおよびその誘導体、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ油、ゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などを含み得る。
【0067】
不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味料、着色剤、香料剤および保存剤などの補助剤を含むことができる。
【0068】
懸濁剤は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタヒドロキシアルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物などの懸濁化剤を含み得る。
【0069】
局所または経皮投与用の剤形には、散剤、スプレー剤、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、パッチ剤および吸入剤が含まれる。活性化合物は、無菌条件下で、薬学的に許容される担体、および任意の保存剤、緩衝剤、または必要とされ得る噴射剤と混合され得る。
【0070】
軟膏、ペースト剤、クリーム剤およびゲル剤は、活性化合物に加えて、動植および物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含有し得る。
【0071】
散剤およびスプレー剤は、活性化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。スプレー剤は、クロロフルオロ炭化水素などの通常の噴射剤および、ブタンやプロパンなどの揮発性の非置換炭化水素を追加で含有し得る。
【0072】
経皮パッチ剤は、本開示の化合物の身体への制御送達を提供するという追加の利点を有する。そのような剤形は、活性化合物を適切な媒体に溶解または分散させることによって作製することができる。吸収促進剤を使用して、皮膚を横切る化合物の流れを増加させることもできる。そのような流束の速度は、速度制御膜を提供するか、または化合物をポリマーマトリックスまたはゲルに分散させることによって制御することができる。
【0073】
本明細書で使用される「非経口投与」および「非経口的に投与される」という句は、通常は注射による経腸および局所投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内髄腔内、嚢胞内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内および胸骨内の注射および注入を含むがこれらに限定されない。非経口投与に適した医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される滅菌等張水溶液もしくは非水溶液、分散液、懸濁液もしくは乳濁液、または使用直前に滅菌注射液もしくは分散液に再構成され得、抗酸化剤、緩衝剤、静菌薬、目的のレシピエントの血液もしくは懸濁剤もしくは増粘剤と製剤を等張にする溶媒を含有し得る、滅菌粉末と組み合わせた1つ以上の活性化合物を含む。
【0074】
本開示の医薬組成物に使用することができる適切な水性および非水性担体の例には、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用、分散液の場合に必要とされる粒径の維持、および界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0075】
これらの組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などの補助剤を含み得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることによって確実にすることができる。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含めることも望ましいこともあり得る。さらに、注射可能な剤形の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を含めることによってもたらされ得る。
【0076】
場合によっては、薬物の効果を維持するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、水溶性が低い結晶性またはアモルファス材料の液体懸濁液を使用することによって達成することができる。次に、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、それは次に、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。
【0077】
注射可能なデポ形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマーで対象化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。ポリマーに対する薬物の比率、および使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポ注射可能な製剤はまた、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロ乳剤に薬物を閉じ込めることによって調製される。
【0078】
本開示の方法で使用するために、活性化合物は、それ自体で、または例えば、薬学的に許容される担体と組み合わせて0.1~99.5%(より好ましくは0.5~90%)の活性成分を含有する医薬組成物として与えることができる。
【0079】
導入の方法はまた、充電式または生分解性デバイスによって提供され得る。タンパク質性バイオ医薬品を含む薬物の制御された送達のために、近年、様々な徐放性ポリマーデバイスが開発され、インビボで試験されてきた。生分解性ポリマーおよび非分解性ポリマーの両方を含む、様々な生体適合性ポリマー(ヒドロゲルを含む)を使用して、特定の標的部位で化合物を持続放出するためのインプラントを形成することができる。
【0080】
医薬組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、特定の患者のための治療反応、組成物、および投与様式を、患者に毒性を及ぼすことなく達成するのに効果的な有効成分の量が得られるように変えることができる。
【0081】
選択される投与量レベルは、例えば、使用されている特定の化合物もしくは化合物の組み合わせ、またはそれらのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排出速度、治療期間、使用されている特定の化合物と組み合わせて用いられている他の薬物、化合物および/または物質、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康状態、および以前の病歴など、医療分野でよく知られている要因を含む様々な要因に依存する。
【0082】
当技術分野で通常の技能を有する医師または獣医は、必要とされる治療有効量の医薬組成物を容易に決定および処方することができる。例えば、医師または獣医は、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルよりも低いレベルで医薬組成物または化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで用量を徐々に増加させることができる。「治療有効量」とは、所望の治療効果を引き出すのに十分な化合物の濃度を意味する。有効量の化合物は、対象の体重、性別、年齢、および病歴によって異なることが一般的に理解されている。有効量に影響を与える他の要因には、患者の状態の重症度、治療される障害、化合物の安定性、および必要に応じて、本開示の化合物とともに投与される別のタイプの治療薬が挙げられるが、これらに限定されない。薬剤の複数回投与により、多くの総用量を送達することができる。有効性および投薬量を決定する方法は、当業者に知られている(Isselbacher et al.(1996)Harrison’s Principles of Internal Medicine 13 ed.,1814-1882、参照により本明細書に組み入れられる)。
【0083】
一般に、本開示の組成物および方法で使用される活性化合物の適切な1日量は、治療効果を生み出すのに有効な最低用量である化合物の量である。このような有効量は、一般に上記の要因に依存する。
【0084】
必要に応じて、活性化合物の有効な1日量は、1日を通して適切な間隔で、任意選択で、単位剤形で別々に投与される1、2、3、4、5、6またはそれ以上のサブ用量として投与され得る。本開示の特定の実施形態では、活性化合物は、1日2回または3回投与され得る。好ましい実施形態では、活性化合物は、1日1回投与される。
【0085】
この治療を受けている患者は、霊長類、特にヒト、およびウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ネコ、イヌなどの他の哺乳動物、家禽、ならびに一般的なペットを含む、治療を必要とするあらゆる動物である。
【0086】
特定の実施形態では、本開示の化合物は、単独で使用され得るか、または別のタイプの治療薬と併用して投与され得る。
【0087】
本開示は、本開示の組成物および方法における本開示の化合物の薬学的に許容される塩の使用を含む。特定の実施形態では、本開示の企図される塩には、アルキル、ジアルキル、トリアルキルまたはテトラアルキルアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本開示の企図される塩には、L-アルギニン、ベネンタミン、ベンザチン、ベタイン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、リチウム、L-リジン、マグネシウム、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、ピペラジン、カリウム、1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン、ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン、および亜鉛塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本開示の企図される塩には、Na、Ca、K、Mg、Znまたは他の金属塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本開示の企図される塩には、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、l-アスコルビン酸、l-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、(+)-カンフル酸、(+)-カンフル-10-スルホン酸、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリリン酸(オクタン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、d-グルコヘプトン酸、d-グルコン酸、d-グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、ヒプリン酸、臭化水素酸、塩酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、l-リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、l-ピログルタミン酸、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、l-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、およびウンデシレン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
薬学的に許容される酸付加塩はまた、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミドなどとの様々な溶媒和物として存在することができる。そのような溶媒和物の混合物も調製することができる。そのような溶媒和物の供給源は、結晶化溶媒から、調製または結晶化溶媒に固有のもの、またはそのような溶媒に不定のものであり得る。
【0089】
ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤および潤滑剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香味料および芳香剤、保存剤および抗酸化剤もまた、組成物中に存在し得る。
【0090】
薬学的に許容される抗酸化剤の例には、(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤、(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤、(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が挙げられる。
【0091】
定義
本明細書で別段の定義がない限り、本出願で使用される科学的および技術的用語は、当技術分野の通常の技術者によって一般的に理解される意味を有するものとする。一般に、本明細書に記載の化学、細胞および組織培養、分子生物学、細胞およびがん生物学、神経生物学、神経化学、ウイルス学、免疫学、微生物学、薬理学、遺伝学およびタンパク質および核酸化学に関連して使用される命名法、およびそれらの技術は、当技術分野で周知であり、一般的に使用されているものである。
【0092】
本開示の方法および技術は、通常、他に示されない限り、当技術分野で周知であり、本明細書全体で引用および考察される様々な一般的かつより具体的な参考文献に記載の従来の方法に従い、行われる。例えば、“Principles of Neural Science”,McGraw-Hill Medical,New York,N.Y.(2000)、Motulsky,“Intuitive Biostatistics”,Oxford University Press,Inc.(1995)、Lodish et al.,“Molecular Cell Biology,4th ed.”,W.H.Freeman & Co.,New York(2000)、Griffiths et al.,“Introduction to Genetic Analysis,7th ed.”,W.H.Freeman & Co.,N.Y.(1999)、およびGilbert et al.,“Developmental Biology,6th ed.”,Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA(2000)を参照されたい。
【0093】
本明細書で使用される化学用語は、本明細書で別段の定義がない限り、“The McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms”,Parker S.,Ed.,McGraw-Hill,San Francisco,C.A.(1985)に例示されるように、当技術分野での従来の使用法に従って使用される。
【0094】
上記のすべて、および本出願で言及されている他の刊行物、特許、および公開された特許出願は、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。矛盾する場合は、特定の定義を含む本明細書が優先される。
【0095】
「薬剤」という用語は、本明細書では、化合物(有機または無機化合物、化合物の混合物など)、生物学的高分子(核酸、抗体、その一部、ならびにヒト化、キメラおよびヒト抗体およびモノクローナル抗体、タンパク質またはその一部、例えば、ペプチド、脂質、炭水化物)、または細菌、植物、真菌、もしくは動物(特に哺乳動物)の細胞もしくは組織などの生物学的材料から作製された抽出物を示すために使用される。薬剤には、例えば、構造がわかっている薬剤および構造がわかっていない薬剤が含まれる。ARを阻害するかまたはAR分解を促進するそのような薬剤の能力は、それらを本開示の方法および組成物における「治療薬」として適切にし得る。
【0096】
「患者」、「対象」、または「個人」は互換的に使用され、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを指す。これらの用語には、ヒト、霊長類、家畜(ウシ、ブタなどを含む)、コンパニオンアニマル(イヌ、ネコなど)、およびげっ歯類(マウス、ラットなど)などの哺乳動物が含まれる。
【0097】
状態または患者を「治療すること」とは、臨床結果を含む有益なまたは望ましい結果を得るための措置を講じることを指す。本明細書で使用される場合、当技術分野でよく理解されているように、「治療」は、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。有益なまたは望ましい臨床結果には、検出可能または検出不可能にかかわらず、1つ以上の症状または状態の緩和または改善、疾患の程度の減少、疾患の安定した(すなわち悪化しない)状態、疾患の拡大の防止、疾患の進行の遅延または進行を遅らせること、病状の改善または一時的緩和、および寛解(部分的または全体的)が含まれ得るが、これらに限定されない。「治療」はまた、治療を受けていない場合に期待される生存と比較して生存を延長することを意味する場合がある。
【0098】
「予防する」という用語は、当技術分野で認識されており、局所再発(例えば、疼痛)、がんなどの疾患、心不全などの複合症候群、またはその他の病状などの状態に関連して使用される場合、当技術分野で十分に理解されており、組成物を受け取らない対象と比較して、対象における病状の症状の頻度を低減するか、または発症を遅らせる組成物の投与を含む。したがって、がんの予防には、例えば、未治療の対照集団と比較して予防的治療を受けている患者の集団における検出可能ながん性成長の数を低減すること、および/または未治療対照集団に対して治療集団における検出可能ながん性成長の出現を統計的および/または臨床的に有意な量によって遅らせることが含まれる。
【0099】
対象への物質、化合物または薬剤の「投与すること」または「投与」は、当技術分野で既知の様々な方法のうちの1つを使用して行うことができる。例えば、化合物または薬剤は、静脈内、動脈、皮内、筋肉内、腹腔内、皮下、眼、舌下、経口(摂取による)、鼻腔内(吸入による)、脊髄内、脳内、および経皮(吸収による、例えば、皮膚管を通して)に投与することができる。化合物または薬剤はまた、充電式もしくは生分解性ポリマーデバイスまたは他のデバイス、例えば、パッチおよびポンプ、または化合物または薬剤の持続、徐放または制御放出を提供する製剤によって適切に導入することができる。投与はまた、例えば、1回、複数回、および/または1期間以上の長期間にわたって行うことができる。
【0100】
物質、化合物または薬剤を対象に投与する適切な方法はまた、例えば、対象の年齢および/または身体的状態、ならびに化合物または薬剤の化学的および生物学的特性(例えば、溶解度、消化性、生物学的利用能、安定性および毒性)に依存する。いくつかの実施形態では、化合物または薬剤は、経口的に、例えば、摂取によって対象に投与される。いくつかの実施形態では、経口投与される化合物もしく薬剤は、持続放出または徐放性製剤であるか、またはそのような徐放性または持続放出のためのデバイスを使用して投与される。
【0101】
本明細書で使用される場合、「共同投与」という句は、以前に投与された治療薬が依然として体内で有効である間に第2の薬剤が投与されるような2つ以上の異なる治療薬の任意の形態の投与を指す(例えば、2つの薬剤は同時に患者に効果的であり、2つの薬剤の相乗効果が含まれ得る)。例えば、異なる治療用化合物は、同じ製剤で、または別々の製剤で、同時にまたは連続して投与することができる。したがって、そのような治療を受ける個人は、異なる治療薬の複合効果から恩恵を受けることができる。
【0102】
薬物または薬剤の「治療有効量」または「治療上有効な用量」は、対象に投与されたときに意図された治療効果を有する薬物または薬剤の量である。完全な治療効果は、必ずしも1回の投与で生じるわけではなく、一連の投与後にのみ生じ得る。したがって、治療有効量は、1回以上の投与で投与することができる。対象が必要とする正確な有効量は、例えば、対象のサイズ、健康および年齢、ならびにがんまたはMDSなどの治療されている状態の性質および程度に依存する。当業者は、日常的な実験によって、所与の状況に対する有効量を容易に決定できる。
【0103】
本明細書で使用される場合、「任意選択」または「任意選択で」という用語は、後に記載するイベントまたは状況が発生する可能性がある、または発生しない可能性があることを意味し、説明には、イベントまたは状況が発生する場合と発生しない場合が含まれる。例えば、「任意選択で置換されたアルキル」は、アルキルが置換され得る場合、ならびにアルキルが置換されていない場合を指す。
【0104】
本開示の化合物上の置換基および置換パターンは、容易に入手可能な出発物質から当技術分野で既知の技術、ならびに以下に記載の方法によって、容易に合成され得る化学的に安定な化合物をもたらすように、当業者によって選択され得る。置換基自体が複数の基で置換されている場合、安定した構造が得られる限り、これらの複数の基は、同じ炭素上または異なる炭素上にあり得ることが理解される。
【0105】
本明細書で使用される場合、「任意選択で置換される」という用語は、所与の構造中の1~6個の水素ラジカルを、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロゲン、アルキル、ニトロ、シリル、アシル、アシルオキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アミノ、アミノアルキル、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、-OCO-CH2-O-アルキル、-OP(O)(O-アルキル)2または-CH2-OP(O)(O-アルキル)2を含むがこれらに限定されない特定の置換基のラジカルで置換することを指す。好ましくは、「任意選択で置換された」とは、所与の構造中の1~4個の水素ラジカルを上記の置換基で置換することを指す。より好ましくは、1~3個の水素ラジカルは、上記の置換基によって置き換えられる。置換基をさらに置換することができることが理解される。
【0106】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、C1~C10直鎖アルキル基またはC1~C10分岐鎖アルキル基を含むがこれらに限定されない飽和脂肪族基を指す。好ましくは、「アルキル」基は、C1~C6直鎖アルキル基またはC1~C6分岐鎖アルキル基を指す。最も好ましくは、「アルキル」基は、C1~C4直鎖アルキル基またはC1~C4分岐鎖アルキル基を指す。「アルキル」の例には、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、ネオ-ペンチル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、1-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、1-オクチル、2-オクチル、3-オクチルまたは4-オクチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。「アルキル」基は、任意選択で置換することができる。
【0107】
「アシル」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式ヒドロカルビルC(O)-、好ましくはアルキルC(O)-によって表される基を指す。
【0108】
「アシルアミノ」という用語は、当技術分野で認識されており、アシル基で置換されたアミノ基を指し、例えば、式ヒドロカルビルC(O)NH-によって表すことができる。
【0109】
「アシルオキシ」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式ヒドロカルビルC(O)O-、好ましくはアルキルC(O)O-によって表される基を指す。
【0110】
「アルコキシ」という用語は、それに酸素が結合しているアルキル基を指す。代表的なアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert-ブトキシなどが挙げられる。
【0111】
「アルコキシアルキル」という用語は、アルコキシ基で置換されたアルキル基を指し、一般式アルキル-O-アルキルで表すことができる。
【0112】
「アルキル」という用語は、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族基を指す。特定の実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格中に30個以下(例えば、直鎖についてC1~C30、分岐鎖についてC3~C30)、より好ましくは20個以下の炭素原子を有する。
【0113】
さらに、本明細書、実施例、および特許請求の範囲全体で使用される「アルキル」という用語は、非置換および置換アルキル基の両方を含むことを意図し、後者は、炭化水素骨格の1つ以上の炭素上の水素を置換する置換基を有するアルキル部分を指し、トリフルオロメチルおよび2,2,2-トリフルオロエチルなどのハロアルキル基を含む。
【0114】
「Cx~y」または「Cx~Cy」という用語は、アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシなどの化学部分と組み合わせて使用される場合、鎖にx~y個の炭素を含有する基を含むことを意味する。C0アルキルは、基が末端位置にある水素を示し、内部の場合は結合を示す。例えば、C1~6アルキル基には、鎖に1~6個の炭素原子が含有されている。
【0115】
本明細書で使用される「アルキルアミノ」という用語は、少なくとも1つのアルキル基で置換されたアミノ基を指す。
【0116】
本明細書で使用される「アルキルチオ」という用語は、アルキル基で置換されたチオール基を指し、一般式アルキルS-で表すことができる。
【0117】
本明細書で使用される「アミド」という用語は、基
【化9】
を指し、
式中、R
9およびR
10は、各々独立して、水素またはヒドロカルビル基を表すか、またはR
9およびR
10は、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造に4~8個の原子を有する複素環を完成する。
【0118】
「アミン」および「アミノ」という用語は、当技術分野で認識されており、非置換および置換アミンの両方、その塩、例えば、式
【化10】
によって表され得る部分を指し、
を指し、式中、R
9、R
10、およびR
10‘は、各々独立して、水素またはヒドロカルビル基を表すか、またはR
9およびR
10は、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造に4~8個の原子を有する複素環を完成する。
【0119】
本明細書で使用される「アミノアルキル」という用語は、アミノ基で置換されたアルキル基を指す。
【0120】
「アラルキル」という用語は、当技術分野で認識されており、アリール基で置換されたアルキル基を指す。
【0121】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、環の各原子が炭素である置換または非置換の単一環芳香族基を含む。好ましくは、環は5~7員の環であり、より好ましくは6員の環である。「アリール」という用語には、2つ以上の環式環を有する多環式環系も含まれ、2つ以上の炭素は2つの隣接する環に共通であり、環の少なくとも1つは芳香族であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。アリール基には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリンなどが含まれる。
【0122】
「カルバメート」という用語は、当技術分野において認識されており、基
【化11】
を指し、
式中、R
9およびR
10は、独立して水素またはヒドロカルビル基を表す。
【0123】
本明細書で使用される「カルボシクリルアルキル」という用語は、炭素環基で置換されたアルキル基を指す。
【0124】
「炭素環」という用語には、5~7員の単環式および8~12員の二環式環が含まれる。二環式炭素環の各環は、飽和、不飽和、および芳香族環から選択することができる。炭素環には、1つ、2つ、または3つ以上の原子が2つの環の間で共有されている二環式分子が含まれる。「縮合炭素環」という用語は、各環が他の環と2つの隣接する原子を共有する二環式炭素環を指す。縮合炭素環の各環は、飽和、不飽和、および芳香族環から選択することができる。例示的な実施形態では、芳香環、例えば、フェニルは、飽和または不飽和環、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、またはシクロヘキセンに縮合され得る。原子価が許す限り、飽和、不飽和、および芳香族の二環式環の任意の組み合わせが、炭素環式の定義に含まれる。例示的な「炭素環」には、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5-シクロオクタジエン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタ-3-エン、ナフタレンおよびアダマンタンが含まれる。例示的な縮合炭素環には、デカリン、ナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタン、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インデンおよびビシクロ[4.1.0]ヘプト-3-エンが含まれる。「炭素環」は、水素原子を保持することができる任意の1つ以上の位置で置換することができる。
【0125】
本明細書で使用される「カルボシクリルアルキル」という用語は、炭素環基で置換されたアルキル基を指す。
【0126】
「炭酸塩」という用語は、当技術分野で認識されており、基-OCO2-を指す。
【0127】
本明細書で使用される「カルボキシ」という用語は、式-CO2Hによって表される基を指す。
【0128】
本明細書で使用される「エステル」という用語は、基-C(O)OR9を指し、式中、R9は、ヒドロカルビル基を表す。
【0129】
本明細書で使用される「エーテル」という用語は、酸素を介して別のヒドロカルビル基に結合したヒドロカルビル基を指す。したがって、ヒドロカルビル基のエーテル置換基は、ヒドロカルビル-O-であり得る。エーテルは、対称または非対称のいずれかであり得る。エーテルの例には、複素環-O-複素環およびアリール-O-複素環が含まれるが、これらに限定されない。エーテルには「アルコキシアルキル」基が含まれ、これは一般式アルキル-O-アルキルで表すことができる。
【0130】
本明細書で使用される「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、ハロゲンを意味し、クロロ、フルオロ、ブロモ、およびヨードを含む。
【0131】
本明細書で使用される「ヘタラルアルキル」および「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘタリール基で置換されたアルキル基を指す。
【0132】
「ヘテロアリール」および「ヘタリール」という用語は、置換または非置換芳香族単環構造、好ましくは5~7員環、より好ましくは5~6員環を含み、その環構造は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1または2個のヘテロ原子を含む。「ヘテロアリール」および「ヘタリール」という用語には、2個以上の環式環を有する多環式環系も含まれ、2つ以上の炭素は2つの隣接する環に共通であり、環の少なくとも1つは複素芳香族環であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。ヘテロアリール基には、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジンなどが含まれる。
【0133】
本明細書で使用される「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄である。
【0134】
本明細書で使用される「複素環式アルキル」という用語は、複素環基で置換されたアルキル基を指す。
【0135】
「ヘテロシクリル」、「複素環」、および「複素環式」という用語は、置換または非置換非芳香族環構造、好ましくは3~10員環、より好ましくは3~7員環を指し、その環構造は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1つまたは2つのヘテロ原子を含む。「ヘテロシクリル」および「複素環」という用語には、2つ以上の環式環を有する多環式環系も含まれ、2つ以上の炭素は2つの隣接する環に共通であり、環の少なくとも1つは芳香族であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリル基には、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタムなどが含まれる。
【0136】
本明細書で使用される「ヒドロカルビル」という用語は、=Oまたは=S置換基を有しない炭素原子を介して結合しており、典型的には少なくとも1つの炭素-水素結合および主に炭素骨格を有するが、任意選択でヘテロ原子を含めることができる基を指す。したがって、メチル、エトキシエチル、2-ピリジル、さらにはトリフルオロメチルなどの基は、本出願の目的ではヒドロカルビルとみなされるが、アセチル(結合炭素上に=O置換基を有する)およびエトキシ(炭素ではなく酸素を介して結合する)などの置換基ではない。ヒドロカルビル基には、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0137】
本明細書で使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基を指す。
【0138】
アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシなどの化学部分と組み合わせて使用される場合の「低級」という用語は、置換基に10個以下、好ましくは6個以下の原子が存在する基を含むことを意味する。例えば、「低級アルキル」は、10個以下、好ましくは6個以下の炭素原子を含むアルキル基を指す。特定の実施形態では、本明細書で定義されるアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ置換基は、例えば、引用においてヒドロキシアルキルおよびアラルキル(この場合、例えば、アルキル置換基の炭素原子を数えるときに、アリール基内の原子は数えられない)、それらが単独でまたは他の置換基と組み合わせて現れるかどうかにかかわらず、それぞれ低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、または低級アルコキシである。
【0139】
「ポリシクリル」、「ポリサイクル」、および「多環式」という用語は、2つ以上の原子が2つの隣接する環(例えば、環は「縮合環」である)に共通である、2つ以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリル)を指す。多環の各環は、置換または非置換され得る。特定の実施形態では、多環の各環は、環中に3~10個の原子、好ましくは5~7個の原子を含有する。
【0140】
「硫酸塩」という用語は、当技術分野で認識されており、基-OSO3H、またはその薬学的に許容される塩を指す。
【0141】
「スルホンアミド」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式
【化12】
で表される基を指し、
式中、R
9およびR
10は、独立して水素またはヒドロカルビルを表す。
【0142】
「スルホキシド」という用語は、当技術分野で認識されており、基-S(O)-を指す。
【0143】
「スルホン酸塩」という用語は、当技術分野で認識されており、基SO3H、またはその薬学的に許容される塩を指す。
【0144】
「スルホン」という用語は当技術分野で認識されており、基-S(O)2-を指す。
【0145】
「置換された」という用語は、骨格の1つ以上の炭素上の水素を置換する置換基を有する部分を指す。「置換」または「~で置換された」は、そのような置換が置換原子および置換基の許容原子価に従う、ならびに置換が、例えば、転位、環化、脱離などによるような変換を自発的に受けない、安定な化合物をもたらすという暗黙の条件を含むことが理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容される置換基を含むことが企図される。広範な態様では、許容される置換基には、有機化合物の非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基が含まれる。許容される置換基は、1つ以上であり、適切な有機化合物について同じであるか、または異なり得る。本開示の目的のために、窒素のようなヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載の有機化合物の水素置換基および/または任意の許容される置換基を有し得る。置換基は、本明細書に記載の任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含むことができる。炭化水素鎖上で置換された部分は、適切な場合、それ自体で置換され得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0146】
本明細書で使用される「チオアルキル」という用語は、チオール基で置換されたアルキル基を指す。
【0147】
本明細書で使用される「チオエステル」という用語は、基-C(O)SR9または-SC(O)R9を指し、
式中、R9は、ヒドロカルビルを表す。
【0148】
本明細書で使用される「チオエーテル」という用語は、酸素が硫黄で置き換えられているエーテルと同等である。
【0149】
「尿素」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式
【化13】
によって表すことができ、
式中、R
9およびR
10は、独立して水素またはヒドロカルビルを表す。
【0150】
本明細書で使用される「調節する」という用語は、機能または活性(細胞増殖など)の阻害または抑制、ならびに機能または活性の増強を含む。
【0151】
「薬学的に許容される」という句は、当技術分野で認められている。特定の実施形態では、この用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題および合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適し、合理的な利益/リスク比に見合った組成物、賦形剤、アジュバント、ポリマーおよび他の材料および/または剤形を含む。
【0152】
「薬学的に許容される塩」または「塩」は、本明細書では、患者の治療に適しているかまたは適合性がある酸付加塩または塩基性付加塩を指すために使用される。
【0153】
本明細書で使用される「薬学的に許容される酸付加塩」という用語は、式Iによって表される任意の塩基化合物の任意の非毒性有機または無機塩を意味する。適切な塩を形成する例示的な無機酸には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩およびリン酸塩、ならびにオルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムなどの金属塩が挙げられる。適切な塩を形成する例示的な有機酸には、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸およびサリチル酸などのモノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸、ならびにp-トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸などのスルホン酸が挙げられる。一酸塩または二酸塩のいずれかを形成することができ、そのような塩は、水和物、溶媒和、または実質的に無水の形態のいずれかで存在し得る。一般に、式Iの化合物の酸付加塩は、水および様々な親水性有機溶媒により可溶であり、一般に、それらの遊離塩基形態と比較してより高い融点を示す。適切な塩の選択は、当業者に知られている。他の非薬学的に許容される塩、例えばシュウ酸塩は、例えば、実験室での使用のための、またはその後の薬学的に許容される酸付加塩への変換のための式Iの化合物の単離において使用され得る。
【0154】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩基性付加塩」という用語は、式Iまたはそれらの中間体のいずれかによって表される任意の酸性化合物の任意の非毒性有機または無機塩基付加塩を意味する。適切な塩を形成する例示的な無機塩基には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、または水酸化バリウムが挙げられる。適切な塩を形成する例示的な有機塩基には、メチルアミン、トリメチルアミンおよびピコリンまたはアンモニアなどの脂肪族、脂環式、または芳香族有機アミンが挙げられる。適切な塩の選択は、当業者に知られている。
【0155】
本開示の方法および組成物に有用な化合物の多くは、それらの構造中に少なくとも1つの立体中心を有する。この立体中心は、RまたはS配置で存在することがあり、当該RおよびS表記は、Pure Appl.Chem.(1976),45,11-30に記載の規則に対応して使用される。本開示は、化合物、塩、プロドラッグまたはそれらの混合物(立体異性体のすべての可能な混合物を含む)のエナンチオマーおよびジアステレオ異性体形態などのすべての立体異性体形態を企図する。例えば、WO01/062726を参照されたい。
【0156】
さらに、アルケニル基を含む特定の化合物は、Z(ツザメン)またはE(エントゲーゲン)異性体として存在する可能性がある。それぞれの場合において、本開示は、混合物および別個の個々の異性体の両方を含む。
【0157】
一部の化合物は、互変異性体の形態でも存在し得る。このような形態は、本明細書に記載の式には明示的に示されていないが、本開示の範囲内に含まれることを意図される。
【0158】
「プロドラッグ」または「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、投与後に宿主中で代謝され、例えば、加水分解または酸化されて、本開示の化合物(例えば、式Iの化合物)を形成する化合物を指す。プロドラッグの典型的な例には、活性化合物の機能的部分に生物学的に不安定または切断可能な(保護)基を有する化合物が含まれる。プロドラッグには、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、または脱リン酸化して活性化合物を生成することができる化合物が含まれる。生物学的に不安定または切断可能な(保護)基としてエステルまたはホスホロアミド酸を使用するプロドラッグの例は、米国特許第6,875,751号、第7,585,851号、および第7,964,580号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。本開示のプロドラッグは、代謝されて式Iの化合物を生成する。本開示は、その範囲内に、本明細書に記載の化合物のプロドラッグを含む。適切なプロドラッグの選択および調製のための従来の手順は、例えば、“Design of Prodrugs”Ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
【0159】
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という句は、薬用または治療用途の薬物を調製するのに有用な液体または固体のフィルター、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料などの薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクルを意味する。
【0160】
本明細書で使用される「溶解度の対数」、「LogS」または「logS」という用語は、化合物の水溶性を定量化するために当技術分野で使用されている。化合物の水溶性は、その吸収および分布特性に著しく影響する。溶解度が低いと、吸収が不十分になることがよくある。LogS値は、mol/リットルで測定された溶解度の単位ストリップ対数(10進数)である。
【実施例】
【0161】
ここで、本発明を一般的に説明するが、本発明の特定の態様および実施形態の例示目的だけのために含まれ、本開示を限定することを意図しない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解される。
【0162】
実施例1:開示の化合物の例示的な合成
式(I)においてR2、R3、およびR4がHであり、R5がモルホリンである場合のR1修飾を伴う誘導体
化合物5~27の合成方法をスキーム1に示す。これには、以下のプロセスステップが含まれる。
i)適切な酸誘導体を、SOCl
2(塩化チオニル)の存在下でEtOH(エタノール)中で還流することによりエステル化して、化合物1a~zを生成した。
ii)トルエン中の化合物1a-zの溶液を、NaH(水素化ナトリウム;60%鉱油中分散物)の存在下でアセトニトリルとともに還流して、β-ケトニトリル誘導体2a~zを得た。
iii)化合物2a~zを100℃のNaOH(水酸化ナトリウム)水溶液中のH
2N.OH HCl(塩酸ヒドロキシルアミン)と反応させて、イソオキサゾール-5-アミン類似体3a~zを得た。
iv)化合物3a~zを、t-BuOK(カリウム三級ブトキシド)の存在下、室温でt-BuOH(三級ブタノール)中の2,4-ジクロロピリミジンまたは4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン(化合物28のみ)と反応させて、化合物4a~zおよび化合物28を得た。
v)n-BuOH(ブタノール)中の化合物4a~zをモルホリンとともに還流して、化合物5~27を生成した。
【化14】
スキーム1.化合物5~28の合成。試薬および条件:(A)SOCl
2、EtOH、還流、3時間、(B)NaH、MeCN、トルエン、還流、2時間、(C)H
2N.OH HCl、NaOH、H
2O、還流、4時間、(D)t-BuOK、2,4-ジクロロピリミジン、t-BuOH、室温、24時間、(E)t-BuOK、4-クロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン、t-BuOH、室温、24時間、(F)モルホリン、n-BuOH、還流、5時間。
【0163】
化合物30の合成方法をスキーム2に示す。これには、以下のプロセスステップが含まれる。
i)BBr3(三臭化ホウ素)の存在下、0℃でDCM(ジクロロメタン)中で化合物4aの脱メチル化を行って、化合物29を得た。
ii)n-BuOH中の化合物29をモルホリンとともに還流して、化合物30を得た。
【0164】
化合物32の合成方法をスキーム2に示す。これには、以下のプロセスステップが含まれる。
i)DIAD(ジイソプロピルアゾジカルボキシレート)およびPPh
3(トリフェニルホスフィン)の存在下、0℃で乾燥THF(テトラヒドロフラン)中の化合物29とベンジルアルコールとの反応により、化合物31を生成した。
ii)n-BuOH中の化合物31をモルホリンとともに還流して、化合物32を得た。
【化15】
スキーム2.化合物30および32の合成。試薬および条件:(A)BBr
3、DCM、0℃、24時間、(B)ベンジルアルコール、DIAD、PPh
3、THF、0℃、24時間、(C)モルホリン、n-BuOH、還流、5時間。
【0165】
R1が4-メトキシフェニルであり、R2、R3およびR4は、式(I)においてHである場合のR5修飾を有する誘導体
R5修飾を有する誘導体の合成には、スキーム3に概要を述べる合成手順を利用した。したがって、化合物4aまたは化合物28を出発中間体として使用し、次に様々なアミン、例えば、これらに限定されないが、二級アミン誘導体としてモルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピペリジンおよびピロリジン、または一級アミンとしてアミノモルホリン、アミノピペリジンおよびアミノピラン誘導体で処置して、方法A、B、またはCにより最終化合物(33~54)をもたらした。アミン誘導体が、HCl塩の形態である場合、方法Bを使用した(化合物34~39の場合)。アミン誘導体が一級アミンの場合、方法Cを使用した(化合物52~54の場合)。
【0166】
化合物33~54の合成方法をスキーム3に示す。これには、以下のプロセスステップが含まれる。
i)化合物4aと、HCl(塩化水素)塩形態ではない適切なアミン誘導体とをBuOH中で還流して、化合物33、40~51(方法A)を得た。
・化合物49の場合、N-Boc保護ピペラジンを使用し、次にDCM中のTFA(トリフルオロ酢酸)で保護基を加水分解して、最終化合物49を得た。また、化合物50を、LiOH.H
2O(水酸化リチウム一水和物)の存在下、還流下でTHF:H
2O中で加水分解して、化合物51を得た。
ii)アミン誘導体が塩の形態である場合、アミンの適切なHCl塩をDIPEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン)の存在下でBuOHに溶解し、遊離アミンを得た。
iii)これを、次に、還流下で化合物4aと反応させて、最終化合物34~39(方法B)を得た。
iv)アミン誘導体が一級アミンの場合、化合物28を出発物質として使用し、最初にDCM中のm-CPBA(メタクロロ過安息香酸)で処置し、次に得られたスルホン中間体を対応するアミン誘導体と反応させて、最終化合物52~54(方法C)を得た。
【化16】
スキーム3.化合物33~54の合成。試薬および条件:(A)適切なアミン誘導体、n-BuOH、還流、5時間、(B)適切なアミン誘導体、DIPEA、n-BuOH、還流、5時間、(C)i)m-CPBA、DCM、0℃、2時間、ii)適切なアミン誘導体、n-BuOH、還流、5時間。
【0167】
式(I)において、R1が4-フェニルメトキシ、R2がH、R5がモルホリンまたは4-フルオロピペリジンである場合のピリミジン環(X、R3、R4置換)修飾を有する誘導体
ピリミジン環修飾を有する誘導体には、スキーム4に概要を述べる合成手順を利用した。化合物3aを出発物質として使用し、様々なピリミジン誘導体、例えば、2,4,5-トリクロロピリミジン、2,4-ジクロロ-5-フルオロピリミジン、2,4-ジクロロ-6-メチルピリミジン、または2,4-ジクロロピリジンとの求核芳香族置換反応を行い、最終化合物59~62を得た。
【0168】
化合物59~62の合成方法をスキーム4に示す。これには、以下のプロセスステップが含まれる。
i)化合物3aを、t-BuOKの存在下、室温で、t-BuOH中の適切なピリミジン誘導体と反応させて、化合物55~57(方法A)を得た。化合物3aを、NaHの存在下、室温で、DMA(N、N-ジメチルアセトアミド)中の2,4-ジクロロピリジンと反応させて、化合物58を得た(方法B)。
ii)化合物55~57を、DIPEAの存在下でn-BuOH中の4-フルオロピペリジンHClと反応させて、化合物59~61を生成した(方法C)。
iii)化合物58を、電子レンジ中100℃で30分間、キサントホス(4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン)、Cs
2CO
3(炭酸セシウム)およびPd(OAc)
2(パラジウム(II)アセテート)の存在下で、ジオキサン中のモルホリンで処置して、化合物62(方法D)を得た。
【化17】
スキーム4.化合物59~62の合成。試薬および条件:(A)適切なピリミジン誘導体、t-BuOK、t-BuOH、室温、24時間、(B)2,4-ジクロロピリジン、NaH、DMA、室温、24時間、(C)4-フルオロピペリジンHCl、DIPEA、n-BuOH、還流、5時間、(D)モルホリン、Cs
2CO
3、キサントホス、Pd(OAc)
2、ジオキサン、100℃、30分、電子レンジ。
【0169】
R1が4-メトキシフェニル、R3およびR4がH、R5がモルホリンの場合の「N」ブリッジメチル化(R2置換)
化合物63の合成には、スキーム5に概要を述べる合成手順を利用した。化合物5を出発物質として使用し、これをアルキル化してN-メチル化誘導体63を得た。
【0170】
化合物63の合成方法は、プロセスステップを含むスキーム5に示す。
i)化合物5をDMF(N、N-ジメチルホルムアミド)に溶解し、Cs
2CO
3の存在下、室温でCH
3I(ヨウ化メチル)と反応させて、化合物63を得た。
【化18】
スキーム5.化合物63の合成。試薬および条件:(A)CH
3I、Cs
2CO
3、DMF、室温、2時間。
【0171】
R2、R3およびR4がHである場合の式(I)におけるR1およびR5の異なる組み合わせを有する化合物の合成
細胞毒性試験から得られた結果によると、強力な活性を有すいくつかの化合物のR1およびR2が新しい分子に結合され、新しい化合物が得られた。ハイブリッド化合物の合成には、スキーム6に概要を述べる合成手順を利用した。
【0172】
化合物64~67の合成方法をスキーム6に示す。これには、以下のプロセスステップが含まれる。
i)化合物4rまたは4sおよびBuOH中の適切なアミン誘導体を還流して、最終化合物を得た。アミン誘導体が塩の形態である場合、アミンの適切なHCl塩を、DIPEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン)の存在下でBuOHに溶解して遊離アミンを得、これを還流下で化合物4rまたは4sと反応させて、最終化合物64~66(方法A)を得た。
ii)アミン誘導体がHCl塩の形態でない場合、化合物4sをn-BuOH中のアミン誘導体で処置して、最終化合物67を得た(方法B)。
【化19】
スキーム6.化合物の合成64~67。試薬および条件:(A)適切なアミン誘導体、DIPEA、n-BuOH、還流、5時間、(B)適切なアミン誘導体、n-BuOH、還流、5時間。
【0173】
本開示の実施形態は、一般式(I)の化合物の合成のために本明細書に記載のアミン誘導体と反応する元の中間化合物の化学構造を含み、表1に列挙した化合物から選択することができる。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0174】
本開示の実施形態は、表2に列挙した特徴的な
1H NMR/
13C NMR特性を有する化合物を含む。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【0175】
実施例2:例示的な生物学的結果
TACC3媒介性がん、または関連する症状もしくはその合併症を治療する本開示の化合物の能力を、以下の手順を使用して決定した。高レベルのTACC3を有する細胞株であるJIMT-1細胞株を使用して、本開示の化合物の細胞死誘導に対するそれらの活性について試験した。細胞増殖の50%最大阻害に必要な各化合物の濃度は、GraphPad Prism(GraphPad Software)によって計算した。以下の表3は、細胞成長に対する阻害効果の強さの順に化合物を示す。本開示の化合物5、9、13、14、20~24、26、33、34、37~40、42~45、59、60および63~67は、細胞成長に対して顕著な阻害効果を有すると決定した。
【表3-1】
【表3-2】
【0176】
本開示のこれらの化合物は、細胞成長阻害効果を示したので、医薬組成物において抗がん剤として使用された場合、腫瘍の成長を阻害することが期待できる。したがって、本発明者らは、細胞成長でのその活性、特にTACC3および細胞分裂に対するその効果、ならびに関連する動物モデルにおける腫瘍成長に対するそのインビボ阻害効果のさらに詳細な分析のために化合物5を選択した。
【0177】
化合物5が、TACC3を標的とするかどうかを決定するために、本開示では、温度上昇による薬物標的安定化(Martinez Molina et al.,2013)に基づく細胞熱シフトアッセイ(CETSA)を行った。この目的のために、ビヒクル、化合物5またはSPL-B(陽性対照として)を含むJIMT-1細胞を6時間インキュベートし、次に細胞溶解物を収集した。化合物5によるJIMT-1乳がん細胞の処置は、温度上昇時に細胞TACC3をかなり安定化し、化合物5がJIMT-1細胞においてTACC3と特異的に相互作用し得ることを示す(
図4A)。タンパク質の熱融解曲線は、ビヒクルおよび化合物5で処置されたバンド強度間の熱シフトも示す。この相互作用は、等温滴定熱量計(ITC)でも確認した。化合物5へのTACC3の滴定を行い、熱量測定変化および熱変化を記録することによってモニターした。
図4Bに示すように、25℃でTACC3に結合する化合物5の熱力学パラメータ(K
d:1.5nM;△H:4.929E7cal/mol;△S:1.65E5cal/mol/deg、N:0.704)は、これら2つの分子間の相互作用を示す。化合物5のTACC3への結合は、薬物親和性応答性標的安定性(DARTS法)で最後に確認した。DARTSは、小分子の潜在的な直接タンパク質標的を特定するためのラベルフリー戦略であり、小分子への結合直後の安定化および標的タンパク質のタンパク質分解からの保護に基づいている(Lomenick,Jung et al.2011、Pai,Lomenick et al.2015)。
図6Cに示すように、TACC3タンパク質は、プロナーゼの存在下で化合物5とのインキュベーション時に安定化した(
図4D)。
【0178】
その後、TACC3阻害剤である化合物5と利用可能なTACC3阻害剤KHS101およびSPL-Bの細胞生存率に対する相対的効果を比較した。JIMT-1、MDA-MB-436、MDA-MB-157およびBT-474 T-DM1R細胞株を、これら3つの薬物に対する反応に関して試験した。化合物5は、試験したすべての細胞株において、2つの利用可能なTACC3阻害剤よりも著しく低いIC
50値を有することが見出された(
図5A)。KHS101およびSPL-Bと比較して、化合物5で処置された様々ながん細胞株の細胞生存率におけるこの著しい減少は、JIMT-1細胞を使用したコロニー形成アッセイでも確認された。結果として、化合物5で処置されたJIMT-1細胞の平均コロニー数は、同じ用量で他の2つの阻害剤で処置されたものよりも著しく少なかった(
図5B)。したがって、SRBアッセイで検出された細胞生存率が低く、JIMT-1細胞のコロニー数が少ないことは、化合物5が他の2つのTACC3阻害剤であるKHS101およびSPL-Bよりもインビトロで、より効果的かつ強力であることを示す。乳がん細胞株におけるsiTACC3治療の場合のように有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷プロセスの誘導を、化合物5、SPL-BおよびKHS101処置直後にさらに試験した。化合物5を用いた分析結果は、siRNAを用いたTACC3発現の抑制に関する実験結果と非常に一致していることを示し、化合物5がTACC3を標的としていることがさらに示唆された。結果として、siTACC3に誘導される有糸分裂停止、DNA損傷、およびアポトーシスは、用量依存的に化合物5によって再現することができる(
図5C)。他方、SPL-BおよびKHS101処置によるこれらのマーカーの同様の誘導レベルは、化合物5で処置された細胞と比較してかなり高い用量で観察された。他の人(Campo&Breuer,2018)が使用したよりも高いKHS101用量が含まれていたが、これらのマーカーの誘導は、非常に高用量でのみ観察された。明らかに、これらの結果は、3つの阻害剤での処置を通じて得られた細胞生存率データおよびIC
50値と一致している(
図5Aを参照)。さらに、JIMT-1細胞を化合物5で72時間処置すると、アネキシンV/PI染色によって評価されるように、アポトーシス細胞の割合に顕著な増加(4.1%から45.6%へ)が誘導された(
図7D)。これらの結果により、1)nM範囲の作業用量に関する化合物5の高い効力、および2)siRNAを使用したTACC3下方制御によって得られた同様の分子変化に関する特異性がさらに確認される。
【0179】
次に、本発明者らは、TACC3阻害の結果としての有糸分裂紡錘体の潜在的な破壊を試験した。これは、重度の紡錘体欠損を引き起こすことが以前に実証された(Schneider,Essmann et al.2007)。化合物5によるTACC3の阻害は、用量依存的に異常な紡錘体構造の形成をもたらした(
図5E)。化合物5によるTACC3阻害時に見られた最も顕著な表現型は、JIMT-1細胞における中期プレートでの不適切に整列した染色体(最高用量での処置で73.4%の頻度)を特徴とする多極紡錘体の形成であった(
図5F)。紡錘体欠損が存在すると、紡錘体形成チェックポイント(SAC)が活性化され、さらに有糸分裂が停止して、紡錘体欠損を修復するために必要な時間が提供される(Musacchio and Salmon 2007)。TACC3阻害時のSAC活性化を実証するために、SAC活性化のマーカーであるBuBR1(Chen 2002)の免疫蛍光染色を行った。化合物5で処置したJIMT-1細胞において、化合物5処置直後に染色体へのBuBR1の局在が増加することが観察された(
図5G)。化合物5に誘導される有糸分裂停止、DNA損傷、細胞死への活性SACシグナル伝達の寄与をさらに試験するために、化合物5で処置された細胞において特定の阻害剤(TC Mps1(Choi,Min et al.2017))を使用してSACキナーゼMps1を阻害して、関連するマーカーの発現を分析した。
図5Hに示すように、Mps1キナーゼを阻害すると、有糸分裂停止、アポトーシスおよびDNA損傷の顕著な減少が引き起こされ、重度の紡錘体欠損の誘導時にSACが活性化することによって、化合物5が機能し、さらに長期の有糸分裂、アポトーシス細胞死およびDNA損傷につながり得ることを示唆する。
【0180】
FGFR3-TACC3発がん性融合タンパク質は、多数の固形腫瘍で検出され、融合を有するがんの選択的標的化を可能にする魅力的な治療標的として浮上している(Costa,Carneiro et al.2016)。化合物5処置が融合細胞株の成長を阻害できるかどうかを試験するために、FGFR3-TACC3融合タンパク質を有することが知られている2つのヒト膀胱がん細胞株RT112およびRT4を利用した(Williams,Hurst et al.2013)。TACC3のウエスタンブロット分析は、RT112細胞における低いIC50(
図6BおよびC)によって示されるように、化合物5に対する強い反応をさらに伴ったRT112細胞における高い発現(
図6A)を明らかにした。RT4細胞におけるTACC3阻害に対する感受性が比較的低いにもかかわらず(おそらくTACC3レベルが低いため)、化合物5は、SPL-BおよびKHS101と比較して両モデルにおいて最も低いIC50値を得、化合物5が、FGFR3-TACC3融合を有する腫瘍を標的とする非常に関連性の高い治療機会であり得ることを示唆している(
図6B)。さらに、化合物5は、他のTACC3阻害剤よりも少なくとも10倍低い用量で、強力な有糸分裂停止(
図6D)とともに活性化FGFRシグナル伝達のマーカーであるERK1/2リン酸化を減少させ、化合物5がFGFR3-TACC3融合タンパク質の機能を特異的に遮断することを示唆している。
【0181】
乳がん細胞株におけるこれらの有望な結果に続いて、化合物5を他のがん型においても試験した。したがって、NCI-60ヒト細胞株での抗増殖活性について化合物5をスクリーニングした。5用量スクリーンの分析から、ほとんどすべての細胞株が1μM未満の50%成長阻害(GI
50)値で化合物5処置に感受性であることが見出されたことが明らかになり、他のがん型におけるその可能な適用を示唆している(
図6E)。注目すべきことに、NCI-60細胞株のGI50値は、DepMap.org(McFarland,Ho et al.2018)から得られたTACC3依存性スコアと正の相関を示すことがわかった(
図6F)。これは、TACC3への依存度が高い、すなわちTACC3依存性スコアが低い細胞は、化合物5に対して感受性がより高いことを示す。まとめると、これらのデータは、化合物5の強力な抗がん活性を示しており、様々ながん型におけるその潜在的な用途に光を当てている。
【0182】
次に、正常細胞よりもがん細胞株に対する化合物5の特異性を試験した。したがって、正常な乳房上皮細胞、MCF-12A、および他のいくつかの乳がん細胞の化合物5に対する感受性を調べた。驚くべきことに、高用量の化合物5(5、10μM)での処置でも細胞の50%成長阻害には達しなかったが(
図7A)、化合物5は、ルミナル(MCF7、T47D、ZR75およびBT-474)乳がん細胞株と比較して、低用量で三種陰性(MDA-MB-231、MDA-MB-436、CAL51およびHCC1143)およびHER2陽性(JIMT-1およびHCC1954)の乳がん細胞株の生存度を阻害した(
図7B)。言い換えれば、化合物5は、腫瘍細胞を特異的に標的とするが、正常な乳房細胞では効果がない。
図6Cに示すように、化合物5に対してより応答する乳がん細胞株は、MCF-12Aよりも高いTACC3レベルを発現し、TACC3のがん特異的高発現をさらに裏づける。これは、化合物5に対する感受性ががん細胞における異常なTACC3発現レベルと相関していることを示す。加えて、TACC3レベルが低いことは、MCF-12A細胞が低用量でTACC3阻害剤のいずれにも反応しなかった理由を説明し得る。さらに、ルミナル細胞株と比較して、2つの最も悪性度の高い乳がんサブタイプであるTNBCおよびHER2陽性においてTACC3発現が増加する傾向が観察され、TACC3発現ががんの侵襲性と関連し得ることが示唆された。TACC3の形質転換能、および生存するためのTACC3への細胞の依存性を試験するために、TACC3を過剰発現させた後、MCF-12A細胞でクローン原性成長アッセイを行った。
図7Dおよび9Eに示すように、TACC3の過剰発現は、正常な乳房細胞株、MCF-12Aのコロニー形成能力を増加させた。重要なことに、MCF-12A細胞におけるTACC3の過剰発現により、該細胞は、化合物5の細胞毒性効果に対して感受性になり、さらに、該細胞のTACC3への依存性および化合物5の特異性が示される(
図7F)。観察されたがん細胞と正常細胞との相違がこれらの細胞の増殖速度の相違によるものである可能性を排除するために、細胞の倍加時間を計算した。
図7Gに示すように、MCF-12Aおよびがん細胞株の倍加時間の間に有意差はなく、化合物5に対する応答性が細胞分裂速度の増加によって決定されない可能性があることを示唆している。
【0183】
上記の結果は、高レベルのTACC3を発現する乳がん細胞が、新規の本開示TACC3阻害剤である化合物5に対してインビトロでより感受性が高いことを示した。したがって、腫瘍形成性の高い乳がん細胞株JIMT-1(Barok et al.,2007、Tanner et al.,2004)の腫瘍成長についてSPL-Bと比較した化合物5の効果を免疫不全マウスで試験した。この目的のために、雌のヌードマウスにJIMT-1細胞を乳腺脂肪パッド(MFP)に注射し、続いてビヒクルで処置したか、または5mg/kg(経口)化合物5もしくはSPL-Bを1日おきに30日間適用した。化合物5は、SPL-Bと比較して腫瘍成長の著しい減少を示し、マウスの体重に大きな影響はなかったと結論づけられた(
図8)。
【0184】
次に、JIMT-1異種移植片を使用して、低用量化合物5の様々な用量および投与経路を試験した。2mg/kg(経口または静脈内)または5mg/kg(経口)の用量の化合物5を2日ごとに30日間マウスに投与した(
図9)。3つの化合物5投与群すべての腫瘍成長率は、対照群と比較した場合、およびこれらの群の間で減少した(
図9A)。
図9Bには、化合物5の投与がマウスの体重に悪影響を及ぼさなかったことが示されている。さらに、より良い抗腫瘍効果を得て、その忍容性を試験する以前の実験と比較して、腫瘍成長に対する化合物5の高い用量の効果を試験するために、雌のヌードマウスにJIMT-1細胞を乳房脂肪パッド(MFP)に注射し、続いてビヒクルまたは化合物5(25mg/kg、経口)で23日間処置した。化合物5は、ビヒクル処置マウスと比較して、腫瘍成長の極めて著しい減少を示した(
図9C)。ビヒクル群のものと比較した場合、腫瘍重量は、著しく低かった(
図9D)。重要なことに、治療はマウスの体重に影響を及ぼさなかったので、化合物5は十分に許容された(
図9E)。また、TACC3阻害の効果を、免疫適格性マウスモデルを使用してインビボで試験した(
図10)。マウスの三種陰性乳がん(TNBC)細胞株であるEMT6は、急速に成長し、非常に悪性度の高いモデルであり(Yang,Yang et al.2017)、同系のBalb/cマウスのMFPに注入した。ビヒクル処置マウスと比較して、化合物5処置マウスにおいて、著しい腫瘍成長阻害(
図10A)および57.1%の寿命の延長(
図10B)が観察された。さらに、化合物5は、同系マウスモデルにおいて再び十分に許容された(
図10C)。
【0185】
乳がん異種移植モデルおよび同系モデルに加えて、結腸がん動物モデルで化合物5の抗腫瘍形成能を試験した(
図11)。雌のヌードマウスおよびBalb/cマウスに、それぞれヒト結腸がん細胞株HCT-116およびマウス結腸がん細胞株CT26をマウスの側面領域に注射した。ビヒクルまたは25~50mg/kgの化合物5のいずれかでマウスを毎日、経口的に処置した。乳がんモデルと同様に、化合物5は、腫瘍成長を著しく損ない(
図11A)、両方のモデルで十分に耐容された(
図11B)。
【0186】
次に、転移性成長でのTACC3阻害の効果を調べるために、悪性度の高いマウス乳腺腫瘍細胞である4T1-Luc2(ルシフェラーゼ標識)を免疫適格性の雌マウスに静脈内注射した。ここでの目的は、臨床的に関連する転移モデルを使用して、転移性増殖および肺コロニー形成に対する化合物5の効果を決定することであった。マウスが肺に転移性病変を示した場合、それらをビヒクルまたは50mg/kgの化合物5のいずれかで毎日処置した。転移性増殖は、生物発光を測定することにより、インビボイメージングシステム(IVIS)でモニターした。化合物5は、ビヒクルと比較して転移性成長を損なうことが見出され(
図12A)、マウスの全生存率を著しく改善した(
図12B)。
【0187】
最後に、最大耐用量を決定するために、雌のヌードマウスに100mg/kgの化合物5を7日間毎日投与し、体重を記録した(
図13A)。化合物5は、体重に影響を与えず、この高用量で観察可能な毒性を生じなかった。別の実験では、マウスに500mg/kgの化合物5を1回だけ投与し、1~3日間モニターした。化合物5を投与されたマウスは、薬物処置の24時間後に体重が10%減少したが、それらの全身状態は安定していた(
図13B)。実験の終わりに臓器を収集し、臓器毒性は観察されなかったが、化合物5が十分に耐容されたことを示した(
図13C)。
【0188】
全体的なプロファイルに基づいて、化合物5の物理化学的特性および代謝安定性を評価した。化合物5は、log D7.4が2.3の中程度の親油性を有し、ヒトおよびマウスの両方の肝ミクロソームにおいて低溶解性ならびに低安定性を示し、血漿タンパク結合が比較的高い(非結合割合1.13%)が、低い流出比で良好なCaco-2透過性(AB=190×10-6nm/秒、比=<2.0)(表1)を示した。それに応じて、潜在的な薬物間相互作用を評価するために、ヒト肝ミクロソームにおける化合物5によるシトクロムP450阻害も特徴付けた(Lin&Lu,1998)(表1)。したがって、化合物5は、CYP2C9(IC50=2.63μM)およびCYP3A(基質としてのテストステロン;IC50=8.59μM)の中程度の阻害剤であったが、CYP2CD6(IC50=18.46μM)およびCYP3A(IC50=基質としてのミダゾラム;30.04μM)は、弱いか、または阻害剤ではなく、化合物5が試験したP450チトクロームで低い活性を有することを示す。
【0189】
生物学的材料および方法
細胞培養および試薬
ヒト乳がん細胞株MDA-MB-436、MDA-MB-157、MDA-MB-231、BT-474、MCF-7、ZR-75-1およびT-47D、マウス乳がん細胞株EMT6および4T1、ヒト膀胱がん細胞株RT112およびRT4、マウス結腸がん細胞株CT-26、ならびに正常なヒト乳がん上皮細胞株MCF-12AをATCCから購入した。T-DM1耐性HER2陽性乳がん細胞株BT-474T-DM1Rは、以前に記載のように(Saatci et al.,2018)開発し、特性評価した。ヒト結腸がん細胞株HCT-116は、BilkentのSerkan Goktunaからの親切な贈り物であった。JIMT-1、HCC1954、CAL51、およびHCC1143は、Bilkent UniversityのAli Osmay Gureから提供された。細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS,Lonza)、1%非必須アミノ酸(NEAA)、2mM L-グルタミン(Sigma Aldrich、MO,USA)および50U/mlペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を補充したダルベッコ改変イーグル培地(Lonza、NJ,USA)で培養した。BT-474WTおよびT-DM1R細胞にも、0.1%インスリン(Sigma Aldrich)を補充した。さらに、MCF-12A細胞には、20ng/mlの上皮成長因子(EGF)および500ng/mlのヒドロコルチゾン含有培地を補充した。T-47DおよびMCF-7細胞は、10%FBS、1%NEAA、1%L-グルタミン、50U/mlのP/S、および0.1%インスリンを含むフェノールレッドフリーDMEM(Gibco、Carlsbad,CA)で培養した。EMT6、4T1、CT-26およびRT112細胞は、RPMI-1640(Biowest、Nuaille,France)中で維持したが、RT4およびHCT-116細胞は、FBS、NEAA、L-グルタミンおよびP/Sを補充したMcCoy5A(改変)(Gibco)培地で培養した。すべての細胞株は、MycoAlert Mycoplasma Detection Kit(Lonza)を使用して定期的に試験した。
【0190】
細胞熱シフトアッセイ(CETSA)
無傷の細胞における化合物5(5)とTACC3との間の相互作用を分析するために、CETSAをわずかな変更を加えて以前に記載のように(Martinez Molina et al.,2013)行った。簡単に説明すると、JIMT-1細胞をビヒクル、1μM化合物5(5)またはSPL-Bとともに6時間インキュベートした。処置後、細胞ペレットをプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤を含むトリス緩衝生理食塩水(TBS)に再懸濁した。細胞懸濁液を6本のPCRチューブに分割し、45、46、47、48、49、50℃に5分間加熱した。続いて、液体窒素を用いた凍結融解サイクルを3回繰り返して細胞を溶解した。可溶性タンパク質を20,000g、4℃で20分間の遠心分離で収集し、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)とそれに続くウエスタンブロット分析で分析した。
【0191】
等温滴定熱量計(ITC)
精製したTACC3組換えタンパク質(TP310754;Origene、MD,USA)および化合物5(5)を、25mM Tris.HCl、pH7.3、100mMグリシン、10%グリセロール溶液で調製した。化合物5(5)をサンプルセルに充填し、2連の実験で、TACC3タンパク質(シリンジ中で10倍高い濃度で)で滴定した。滴定は、Microcal200装置(GE Healthcare、Austria)を使用して25℃で行った。滴定ごとに、6分間隔で10回の注入を行った。基準出力を2μcal/秒に設定し、サンプルセルを500rpmで連続的に攪拌した。薬物とタンパク質との間の結合効率を評価するために、緩衝液のみに注入されたタンパク質によって得られたバックグラウンドデータを実験等温線から差し引いた。ITC200とともに提供されるOrigin7 Softwareを使用してデータを分析し、結合定数(Ka)、結合部位の数(N)、エンタルピー(ΔH)などの結合パラメータを計算した。
【0192】
薬物親和性応答性標的安定性(DARTS)
DARTSは、前述のように行った(26)。簡単に説明すると、JIMT-1細胞を70~80%集密度まで成長させ、SDSおよびデオキシコール酸ナトリウムを含まないRIPA溶解緩衝液に溶解した。タンパク質抽出物の濃度は、BCA Protein Assay Reagent Kit(Thermo Scientific、IL,USA)を使用して決定し、溶解緩衝液に4μg/μlで希釈した。細胞溶解物を99μlのアリコートに分割し、10uMの化合物5およびSPL-Bの100×濃縮溶液1μlと別々に混合した。細胞溶解物と薬物の混合物をシェーカー上で、室温で20分間インキュベートして結合させた。その後、20μlの各サンプルを2μlの8ng/μlプロナーゼ溶液(Sigma Aldrich)または緩衝液のみ(未消化)と混合し、室温で12分間インキュベートした。2μlの20×プロテアーゼ阻害剤(Roche、Switzerland)を添加し、氷上で10分間インキュベートすることにより、タンパク質の消化を停止した。次に、溶解物を8μlの4×SDS添加液と混合し、70℃で10分間加熱した。SDS-PAGEは、陰性対照として抗TACC3および抗CDK4抗体を用いて行った。
【0193】
阻害剤処置、細胞生存率アッセイ、およびアネキシンV/PI染色
KHS101(Sigma Aldrich)およびSPL-B(Axon MedChem、VA,USA)を100%DMSOに溶解して、50mMのストック濃度を得た。新たに合成した分子を100%DMSOに溶解し、10mMのストック濃度を得た。細胞生存率アッセイでは、JIMT-1(3×103細胞/ウェル)、BT-474WTおよびT-DM1R(6×103)、MDA-MB-436(4×103)、MDA-MB-157(3×103)、HCC1954(5×103)、CAL51(5×103)、HCC1143(4.5×103)、MDA-MB-231(4.5×103)、MCF-7(7×103)、T-47D(6×103)、RT112(6×103)、RT4(6×103)、およびMCF-12A(5×103)細胞を96ウェルプレートに播種し、細胞播種から24時間後に阻害剤処置を様々な濃度で行った。細胞生存率は、製造元が推奨するスルホローダミンB(SRB、Sigma Aldrich)アッセイで処置してから72時間後に測定した。ウエスタンブロッティングでは、異なる濃度のKHS101、SPL-B、または化合物5をJIMT-1(1.5×105)およびRT112(2×105)細胞に24時間与えた。アネキシンV/PI染色(Biolegend、USA)は、500nMの化合物5で48時間処置したJIMT-1細胞を使用して、製造元の指示に従って行った。
【0194】
siRNAおよび過剰発現ベクターによる一過性トランスフェクション
細胞生存率アッセイでは、JIMT-1(3×103細胞/ウェル)、BT-474 T-DM1R(6×103)、MDA-MB-436(4×103)およびMDA-MB-157(3×103)の細胞をP/Sフリー成長培地の96ウェルプレートに播種した。播種の24時間後、TACC3(Dharmacon、CO,USA)を標的とする2つの異なるsiRNAを最終濃度20nM(siTACC3#1:D-004155-03およびsiTACC3#2:D-004155-02)で、Lipofectamine 2000(商標)(Invitrogen、CA)トランスフェクション試薬を以前に記載のように(Mutlu et al.,2016)使用して細胞にランスフェクトした。トランスフェクションの72時間後、SRBアッセイを使用して細胞生存率を測定した。siRNAトランスフェクション直後のTACC3ノックダウンレベルを評価するために、JIMT-1(1.5×105)、BT-474 T-DM1R(2×105)、MDA-MB-436(1.5×105)およびMDA-MB-157(1.5×105)細胞に2つの異なるTACC3 siRNAを48時間トランスフェクトした。mRNAおよびタンパク質レベルでのノックダウン効率は、それぞれ定量的リアルタイムPCR(qRT-PCR)およびウエスタンブロッティングによって分析した。一過性のTACC3過剰発現のために、MCF-12A細胞に250ngの空またはTACC3ベクター(OHu21751;Genscript、NJ,USA)を48時間トランスフェクトした。
【0195】
コロニー形成アッセイ
単層培養では、JIMT-1細胞の単細胞懸濁液(3×103細胞/ウェル)を12ウェルプレートにプレーティングした。6時間のインキュベーション後、細胞を異なる用量の化合物5(5)、SPL-BおよびKHS101で処置した。TACC3過剰発現中のMCF-12A細胞のコロニー形成能を試験するために、MCF-12A細胞(2×105)を6ウェルプレートに播種し、翌日TACC3トランスフェクションを行った。トランスフェクションの48時間後、細胞を計数し、1×103細胞/ウェルを12ウェルプレートにプレーティングした。両実験設定で、培地を4日ごとに新たにし、細胞を12日間インキュベートした。次に、細胞を2%パラホルムアルデヒドで15分間固定し、1%クリスタルバイオレット(Merck、Darmstadt,Germany)で、室温で15分間染色した。生存コロニー(少なくとも50個の細胞で構成されている)をImageJソフトウェア(NIH)で計数した。
【0196】
倍加時間の評価
倍加時間を評価するために、正常な乳房上皮細胞株MCF-12Aおよび乳がん細胞株を6ウェルプレートにプレーティングした(3×10
4細胞/ウェル)。トリプシン処理により細胞を収集し、24時間ごとに1週間細胞数を計数した。これらの細胞の成長曲線は、播種後の日数に対する細胞数/cm
2として描いた。倍加時間は、以下の式を使用して計算した。
【数1】
式中、tは、細胞成長の対数期に費やされた時間であり、XeおよびXbは、それぞれ対数期の終了時および開始時の細胞数である。
【0197】
免疫蛍光
JIMT-1細胞の免疫蛍光染色は、以前に記載されたように行った(Cizmecioglu,Arnold et al.2010)。基本的に、6ウェルプレートのガラスカバースリップ上に1.5×105JIMT-1細胞/ウェルを播種した。翌日、細胞をビヒクル、200nMまたは500nM化合物5のいずれかで12時間処置した。次に、氷冷メタノールで、-20℃で10分間細胞を固定する。次に、細胞をPBS溶液中の3%BSAで、室温で1時間ブロックし、一次および二次抗体とともに室温で1時間インキュベートした。細胞をDAPIで5分間対比染色した(0.01μg/ml)。最後に、ImmunoHistomounth(Santa Cruz)を使用してカバースライドを取り付けた。DICプリズムを備えた直立蛍光顕微鏡(直立)で画像を撮影した。
【0198】
NCI-60がん細胞株パネルスクリーニング
9つの異なるがん型由来の60種のヒトがん細胞株からなる、ヒト腫瘍細胞株のNCI-60パネルでのスクリーニングのために、化合物5(5)をNational Cancer Instituteに提出した(NCI番号S807620)。最初に各細胞株で10μMの濃度の単一用量スクリーニングで化合物5(5)を試験した。単一用量アッセイの結果を得た後、Development Therapeutics Program(DTP)の分析を行い、所定の閾値阻害基準を満たす化合物5をNCIフルパネル5用量アッセイに選択した。次に、化合物5を10nM~100μMの範囲の用量で、5用量NCI-60スクリーニングで2回試験し、60種の細胞株のGI50(50%成長阻害)値、TGI(総成長阻害)値、およびLC50(50%の細胞死を誘発する致死量濃度)値を決定する。詳細なスクリーニング方法は、https://dtp.cancer.gov/discovery_development/nci-60/methodology.htm Webページからアクセスすることができる。簡単に説明すると、96ウェルプレートに細胞を播種してから24時間後、細胞を5logM濃度範囲の化合物で2日間処置した。細胞毒性はSRBアッセイを使用して評価した。図に示したデータは、両実験の平均値である。
【0199】
マウス実験
6~8週齢の雌の無胸腺ヌードまたはBalb/cマウスを、温度制御された12時間の明期/12時間の暗期サイクル環境で収容した。この試験は、Institutional Animal Care and Use Committee of Bilkent Universityに従って行い、施設のガイドラインおよび動物研究の原則に従って行った。ヌードマウスにおけるインビボ乳がん腫瘍成長のために、4×106JIMT-1細胞を150μlの1:1 DMEMおよびトリゲル(Corning、NY,USA)、v/vで調製し、雌のヌードマウスの乳腺脂肪体(MFP)に注射した。マウスの体重および腫瘍の体積は、キャリパーを使用して毎日測定した。腫瘍体積は、長さ×幅2×0.5として計算した。腫瘍体積が約90~100mm3に達したら、異種移植片をランダム化して群に分けた。動物をビヒクル(ddH2O中の0.05%HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)および2%Tween-80)、または化合物5(隔日(qod.)で異なる用量-経口または静脈内投与および投与方法-2または5mg/kg)で処置した。別の実験では、動物をより高用量の化合物5(25mg/kg)についても試験した。腫瘍成長に対する化合物5(5mg/kg、qod.、po.)の効果も、JIMT-1細胞を使用してSPL-B(5mg/kg、隔日、経口)と比較した。処置開始から20~30日後にマウスを犠牲にし、腫瘍を収集してその後の分析のために保存した。免疫適格性の雌のBalb/cマウスモデルで化合物5の効果を試験するために、悪性度の高いマウス乳がん細胞株を使用した。1×106個のEMT-6細胞をPBS中で調製し、マウスのMFPに注射した。同様に、腫瘍体積が90~100mm3に達すると、マウスを2群にランダム化し、ビヒクルまたは25mg/kgの化合物5のいずれかを毎日経口投与した。生存度は、1500mm3の事前定義された腫瘍体積カットオフを使用して計算した。
【0200】
さらに、化合物5は、肺転移の誘発直後に試験した。非常に悪性度の高くかつ転移性の4T1-Luc2(ルシフェラーゼ標識)細胞をPBS中で1×106細胞/マウスとして調製し、Balb/c雌マウスに静脈内注射した。転移発症は、インビボイメージングシステム(IVIS)を使用してモニターし、生物発光を定期的に定量化した。肺転移が発症すると、マウスをランダム化して2群に分け、ビヒクルまたは50mg/kgの化合物5のいずれかを毎日経口投与した。マウスが死亡したときの生存度を計算した。
【0201】
乳がんモデルに加えて、化合物5の抗腫瘍形成効果を、免疫不全ヌードマウス(HCT-116の場合)と同系免疫適格性Balb/cマウス(CT-26の場合)との両結腸がん動物モデルで試験した。4×106HCT-116および1×106細胞を、それぞれマトリゲル:PBS中またはPBS中のいずれかで調製し、マウスの脇腹領域に皮下注射した。同様に、腫瘍体積が90~100mm3に達したら、マウスを2群にランダム化し、ビヒクルまたは25~50mg/kgの化合物5を毎日20~25日間経口投与した。マウスの体重を定期的に測定した。
【0202】
毒性分析のために、ヌード雌マウスに100mg/kの化合物5を7日間投与するか、またはビヒクルもしくは500mg/kgの化合物5を1回経口投与した。マウスの体重を定期的に測定し、毒性の可能性を判断するために臓器を採取した。
【0203】
バイオインフォマティクス分析
異なる腫瘍組織と正常組織との間のTACC3差次的プロットは、The Cancer Genome Atlas(TCGA)患者(Akbani et al.,2014)を使用して作成し、データはhttp://firebrowse.org/からダウンロードした。TACC3の生存分析および予後の有意性については、様々な独立した公的に利用可能ながんデータセットを使用した。1つは、Molecular Taxonomy of Breast Cancer International Consortium(METABRIC)データセットである(Curtis、Shah et al.2012)。METABRIC Discovery and ValidationセットのTACC3発現レベルは、乳がん患者の全生存率に使用した。TACC3レベルの25番目および75番目の四分位数の患者を使用し、それぞれ低TACC3および高TACC3として定義した。TACC3発現と胃がん患者の全生存率との関連は、876人の胃がん患者の全生存率に関する情報を含むKaplan Meierプロッターデータベースを使用して分析した(Szasz et al.,2016)。122人の患者で構成される前立腺がん患者の無病生存データは、https://www.cancer.gov/tcgaを使用してThe Cancer Genome Atlas(TCGA)データベースから取得し、患者は25パーセンタイルおよび75パーセンタイルに基づいて分離した。最後に、肺がん患者の無再発生存データをGSE31210データセットから取得し、同様に、患者の25パーセンタイルおよび75パーセンタイルをこの分析に使用した(Okayama,Kohno et al.2012)。Broad InstituteのWebサイト(http://software.broadinstitute.org/gsea/index.jsp)で入手可能な有糸分裂およびDNA修復関連遺伝子セットの遺伝子セット濃縮分析(GSEA)分析は、乳がんを使用して行い、METABRIC Validationデータセット(n=995)では、TACC3の発現レベルに基づいて患者を2群(高対低)に分けた。NCI-60細胞株のTACC3依存性の分析には、https://depmap.org/portal/で入手可能なBroad Institute、Novartis and Marcotte et al.(13)のRNAiスクリーニングを組み合わせた依存性データを使用した。多変量Cox回帰分析は、SPSSソフトウェアのMETABRICデータセットを使用して行った。TACC3レベル、腫瘍グレード、腫瘍ステージ、ER、PR、およびHER2状態を共変量として選択した。TACC3発現は、25パーセンタイルに基づいて分離した。
【0204】
統計分析
GraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software,Inc)を使用してデータを分析し、特に明記されていない限り、3つの独立した実験からの平均±標準偏差として表した。2群比較の統計的有意性は、両側スチューデントのt検定によって決定した。異なる細胞株の倍加時間曲線を比較するために、一元配置分散分析を使用した。複数のt検定を使用して、EMT6異種移植片の腫瘍体積の処置群間のペアワイズ有意性を決定した。0.05未満のpおよび補正p(q)値は、統計的に有意であるとみなした。Kaplan-Meier生存曲線分析をログランク(Mantel-Cox)検定を使用して行った。
【0205】
実施例3:さらなる例示的な生物学的結果
【表4-1】
【表4-2】
【0206】
参照による組み込み
本明細書で言及するすべての刊行物および特許は、個々の刊行物または特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合は、本明細書の定義を含め、本出願が優先する。
【0207】
均等物
主題の開示の特定の実施形態を議論してきたが、上記の明細書は、例示的なものであり、限定的なものではない。本明細書および以下の特許請求の範囲を検討すると、本開示の多くの変形が当業者に明らかになるであろう。本開示の全範囲は、均等物の全範囲とともに特許請求の範囲、およびそのような変形とともに明細書を参照することによって決定されるべきである。
【国際調査報告】