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  • 特表-走行経路を承認するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】走行経路を承認するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20230118BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
G01C21/28
G08G1/09 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528147
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(85)【翻訳文提出日】2022-05-13
(86)【国際出願番号】 EP2020077132
(87)【国際公開番号】W WO2021094029
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】102019007861.6
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100176946
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 智恵
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】アレクシッチ マリオ
(72)【発明者】
【氏名】マイセンバッハー ステファン
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB15
2F129BB18
2F129BB33
2F129DD13
2F129DD21
2F129DD29
2F129EE52
2F129EE69
2F129EE78
2F129GG03
2F129GG04
2F129GG05
2F129GG06
5H181AA01
5H181FF04
5H181FF07
5H181FF27
5H181LL09
5H181MB02
(57)【要約】
【課題】走行経路を承認するための方法
【解決手段】本発明は、車両(1)の自動走行運転のために走行経路(F)を承認するための方法に関する。本発明によれば、車両(1)の前方の走行経路(F)は、車両(1)の自動走行運転のために、自動走行運転中に車両(1)のランドマークベースの位置測位のために考慮されるデジタル地図(3)を使用して、走行経路(F)のコースに応じて規定されている要求事項を満たすランドマーク(L)が、車両(1)の縦方向位置測位及び横方向位置測位に対するその適合性に関して、走行経路(F)に沿って利用可能であることが決定されている場合、承認される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)の自動走行運転のために走行経路(F)を承認するための方法であって、
前記車両(1)の前方の走行経路(F)は、前記車両(1)の自動走行運転のために、前記自動走行運転中に前記車両(1)のランドマークベースの位置測位のために考慮されるデジタル地図(3)を使用して、前記走行経路(F)のコースに応じて規定されている要求事項を満たすランドマーク(L)が、前記車両(1)の縦方向位置測位及び横方向位置測位に対するその適合性に関して、前記走行経路(F)に沿って利用可能であることが決定されている場合、承認されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記走行経路(F)に関する情報は、前記デジタル地図(3)に基づいて決定され、この情報に基づいて前記走行経路(F)の直線経路区間(S1)及び曲線経路区間(S2)への細分化が行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記走行経路(F)に沿って存在する前記ランドマーク(L)は、更なる情報として前記デジタル地図(3)に基づいて決定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ランドマーク(L)は、前記車両(1)の前記縦方向位置測位及び前記横方向位置測位に対するその適合性に関して分析されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記車両(1)の前記自動走行運転は、直線経路区間(S1)に対して、前記車両(1)の前記横方向位置測位に適している規定の数の前記ランドマーク(L)が前記直線経路区間(S1)に沿って存在していることが決定される場合、承認されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記車両(1)の前記自動走行運転は、曲線経路区間(S2)に対して、前記車両(1)の前記横方向位置測位及び前記縦方向位置測位に適している規定の数の前記ランドマーク(L)が前記曲線経路区間(S2)に沿って存在していることが決定される場合、承認されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記車両(1)の横方向位置測位のための前記ランドマーク(L)として、少なくとも1つの車線区分線(M)及び/又は道路照明システムの照明装置が検出されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記車両(1)の縦方向位置測位のための前記ランドマーク(L)として、車線を横切る少なくとも1つの無橋脚橋及び/又は道路照明システムの照明装置が検出されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記車両(1)の位置測位精度に基づき、前記経路区間(S1、S2)に応じて、前記自動走行運転のための前記車両(1)の最大走行速度が規定されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の自動走行運転のために走行経路を承認するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許公開第2011/0118979A1号により、車両追跡システムを動作させるための方法が公知であり、当該方法では、車両追跡システムが規定の性能基準を十分に満たすことができないとき、警告が適時出力される。当該方法は、衛星ベースの位置推定の決定、推測航法用位置推定の決定、衛星ベースの位置推定と推測航法用位置推定との組み合わせによる現在地推定の決定、マップ適合位置の決定、及びテスト統計の比較による現在地特定の整合性の決定を含む。テスト統計は、マップ適合位置及び位置推定の評価によって算出され、規定の位置推定精度基準に基づいて決定閾値が規定されている。テスト統計が決定閾値を上回る場合、車両追跡システムは、位置推定の整合性が規定の位置推定精度基準を満足しないという表示を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、車両の自動走行運転のために走行経路を承認する、先行技術に対して改善された方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本課題は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴によって解決される。
【0005】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0006】
車両の自動走行運転のために走行経路を承認するための方法は、本発明によれば、車両の前方の走行経路が、車両の自動走行運転のために、自動走行運転中に車両のランドマークベースの位置測位のために考慮されるデジタル地図を使用して、走行経路のコースに応じて規定されている要求事項を満たすランドマークが、車両の縦方向位置測位及び横方向位置測位に対するその適合性に関して、走行経路に沿って利用可能であることが決定されている場合、承認されることが企図されている。
【0007】
本方法を使用して、例えば、直線経路区間で路側が比較的良好にマーキングされている場合、及び十分な数のランドマークが車両の横方向位置測位のために利用可能である場合、車両の自動走行運転が可能である。
【0008】
本方法の一実施形態は、走行経路に関する情報がデジタル地図に基づいて決定され、この情報に基づいて走行経路の直線経路区間及び曲線経路区間への細分化が行われる。特に、直線経路区間及び曲線経路区間への細分化が行われるのは、ランドマークに基づいて、これらの経路区間が縦方向位置測位若しくは横方向位置測位に適しているか、又は、両方に適しているかが区別されるためである。
【0009】
本方法の更なる実施形態では、走行経路に沿って存在するランドマークは、更なる情報としてデジタル地図に基づいて決定される。特に、ランドマークは、更なる情報として決定されるため、走行経路又は少なくとも経路区間が車両の自動走行運転に適しているかどうかを決定することができる。
【0010】
そのために、発展形態では、ランドマークは、車両の縦方向位置測位及び横方向位置測位に対するその適合性に関して分析され、その分析を使用して、車両の安全な自動走行運転が、対応するランドマークを有する走行経路又は少なくとも1つの経路区間で可能であるかが決定される。そのために、例えば、個々のランドマーク間の距離もまた決定されてもよい。
【0011】
本方法の一実施形態は、車両の横方向位置測位に適している規定の数のランドマークが、直線経路区間に沿って存在することが決定され、その結果、車両の安全な自動走行運転がこの直線経路区間で可能である場合に、車両の自動走行運転が直線経路区間に対して承認される。
【0012】
更なる実施形態では、車両の自動走行運転は、自動走行運転を車両に対して承認するために、車両の横方向位置測位及び縦方向位置測位に適している規定の数のランドマークが、曲線経路区間に沿って存在することが決定される場合に、曲線経路区間に対して承認される。
【0013】
特に、本方法の可能な発展形態において、車両の横方向位置測位のためのランドマークとして、少なくとも1つの車線路側構造物が検出され、走行経路には、特定の数の路側構造物が自動走行運転を承認するために利用可能である必要がある。
【0014】
本方法の可能な更なる実施形態は、車両の縦方向位置測位のためのランドマークとして、車線を横切る少なくとも1つの無橋脚橋が検出されることを企図している。その際、このようなランドマークは、特に更なる情報として、対応する経路区間で車両の自動走行運転を承認するために、デジタル地図を使用して決定される。
【0015】
車両の位置測位精度に基づき、経路区間に応じて、更なる発展形態では、車両の最大走行速度を、承認された自動走行運転に対して規定することができる。これにより、承認された自動走行運転中、車両が経路区間に適した走行速度で走行することを、可能な限り最大限確実にすることができる。したがって、承認された自動走行運転中、車両が、それ自体に対する危険及び車両の直近付近の交通参加者に対する危険を及ぼさないことを、可能な限り最大限確実にすることができる。
【0016】
以下に図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は車両及び車両の前方の走行経路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
唯一の図において、車両1はごく簡略化されており、車両1の前方の走行経路Fが示されている。
【0019】
車両1は、自動走行運転のための支援システム2を装備しており、自動走行運転では、車両1の運転操作が車両1によって十分に実施されることによって、車両使用者、すなわち運転者は、自動走行運転中、他の作業に専念することができる。
【0020】
自動化された、特に高度自動化された運転のためには、車両1の正確な位置特定が必要であり、そのために衛星ベースの位置特定装置が車両1に配置されている。しかしながら、衛星からの位置特定信号は、自動走行運転の実施のためには十分でない。
【0021】
車両1の自動走行運転のために走行経路Fを承認するために、以下に記載されている方法が企図されている。
【0022】
走行経路Fは、ランドマークLが、車両1のランドマークベースの位置測位のために使用されるデジタル地図3において、走行経路Fに沿って保存されており、車両1の縦方向位置測位及び横方向位置測位に対するその適合性に関して特定の要求事項を満足する場合、車両1の自動走行運転のために承認される。
【0023】
これらの要求事項が、走行経路Fのコースに応じて規定されるのは、直線経路区間S1及び曲線経路区間S2に対する車両1の縦方向位置測位及び横方向位置測位の精度において異なる要求事項が存在するためである。
【0024】
このために、車両1で利用可能なデジタル地図3に基づき、走行経路Fに関する情報が決定され、この情報を使用して、走行経路Fは、直線経路区間S1及び曲線経路区間S2へと細分化される。
【0025】
更に、デジタル地図3からは、走行経路Fに沿って存在するランドマークLに関する更なる情報が読み取られる。特に、デジタル地図3では、走行レーンマーキング及び路側構造物が、ランドマークLとして記録される。
【0026】
ランドマークLが認識されている場合、ランドマークLは、車両1の縦方向位置測位及び横方向位置測位に対するその適合性に関して分析される。路側に引かれた車線区分線Mは、例えば、横方向位置測位、すなわち車両1の横方向位置特定にのみ適している。
【0027】
それとは対照的に、走行経路Fを、特に車線を横切る橋は、ランドマークLとして車両1の縦方向位置測位のためのみに適している。
【0028】
走行経路FがランドマークLに関して分析されている場合、自動走行運転は、承認されるか、又は承認されない。
【0029】
特に、車両1の横方向位置測位に適しており、かつ十分な数が直線経路区間S1に沿って利用可能なランドマークLが直線経路区間S1に沿って存在する場合、自動走行運転は、車両1に対して承認される。
【0030】
更に、車両1の縦方向位置測位及び横方向位置測位に適しており、かつ縦方向位置測位及び横方向位置測位のために十分な数が曲線経路区間S2に沿って利用可能であるランドマークLが、曲線経路区間S2に沿って存在する場合、自動走行運転は、車両1に対して承認される。特に、意図せずに車両1が自動走行運転中に車線を逸脱することを可能な限り最大限排除するために、曲線経路区間S2では、ランドマークLが車両1の縦方向位置測位に必要である。
【0031】
本方法を使用して、車両1の横方向位置測位のためにランドマークLが十分な数で利用可能な場合に限り、車両1の自動走行運転が、路側に比較的良好な車線区分線Mを有する直線経路区間S1で承認されることが可能である。
【0032】
想定すべき位置測位精度は、位置測位対象物としての新規ランドマークLがない走行区間の長さに応じて低下する。例えば、曲線経路区間S2から比較的短い距離で離れた道路照明システムの街灯柱が利用可能である場合、曲線経路区間S2の範囲内で更なるランドマークLが利用可能ではなくても、曲線経路区間S2を自動で走行することができる。
【0033】
また、位置測位精度に基づき、経路区間S1、S2に応じて、快適に運転可能な最大走行速度を、車両1の自動走行運転に対して導出して規定することができる。
【0034】
車両1が、車両1の縦方向位置測位のためのランドマークLなしで比較的すいている直線経路区間S1を走行し、曲線経路区間S2が続く場合、カーブは、走行速度を低減して通過することが可能であり、この走行速度は、カーブの曲率によってもまた左右される。その走行速度は、手動運転時にカーブを通過する走行速度よりも大幅に低くならないため、車両1のその走行速度は、曲線経路区間S2の比較的短い区分で許容可能である。
【0035】
許容可能な、すなわち低減された走行速度では走行することができない走行経路Fの曲線経路区間S2の区分では、そこでの車両1の自動走行運転を可能にするために、ランドマークLとしてのポストが、路側構造物として路側に位置付けられてもよく、特に、形成されてもよい。
図1
【国際調査報告】