(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】遺伝子再集合インフルエンザウイルスを産生するための方法
(51)【国際特許分類】
C12N 7/02 20060101AFI20230118BHJP
C12N 7/04 20060101ALI20230118BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230118BHJP
A61K 39/00 20060101ALI20230118BHJP
A61K 39/145 20060101ALI20230118BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20230118BHJP
C12N 15/44 20060101ALN20230118BHJP
【FI】
C12N7/02 ZNA
C12N7/04
C12N5/10
A61K39/00 B
A61K39/145
A61P31/16
C12N15/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528622
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(85)【翻訳文提出日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2020082587
(87)【国際公開番号】W WO2021099419
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521011352
【氏名又は名称】セキラス ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロックマン, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】オン, チー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェリティ, エリン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C085
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA95X
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA45
4C085AA03
4C085BA55
4C085DD21
4C085DD62
4C085EE01
(57)【要約】
遺伝子再集合インフルエンザウイルスを産生するための方法が提供される。本方法に従って産生される遺伝子再集合インフルエンザウイルス、ならびに本遺伝子再集合インフルエンザウイルスをベースとしたワクチンも提供される。本発明は、遺伝子再集合インフルエンザウイルスの分野に含まれる。それは、遺伝子再集合インフルエンザウイルス、特にインフルエンザワクチンの製造に関連するシードウイルスとして使用できる遺伝子再集合ウイルスを作製する方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子再集合インフルエンザウイルスを生成するための方法であって、
(i)培養宿主を、第1の赤血球凝集素(HA)遺伝子及び第1のノイラミニダーゼ(NA)遺伝子を含む親インフルエンザウイルス株と接触させるステップと;
(ii)前記培養宿主に、1つ以上のインフルエンザ遺伝子を含む1つ以上の発現構築物を導入するステップであって、前記インフルエンザ遺伝子が、第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子を含む、前記ステップと;
(iii)遺伝子再集合ウイルスを産生するために前記培養宿主を培養するステップと;
(iv)前記第2のHA遺伝子または前記第2のNA遺伝子を含む遺伝子再集合ウイルスを選択するステップと;を含む、前記方法。
【請求項2】
前記第2のHA遺伝子または前記第2のNA遺伝子を含む遺伝子再集合インフルエンザウイルスを単離するステップ(v)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記単離された遺伝子再集合インフルエンザウイルスが、7:1の遺伝子再集合インフルエンザウイルスである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のインフルエンザ遺伝子が、第2のHA遺伝子及び第2のNA遺伝子を含み、ステップ(iv)が、前記第2のHA遺伝子及び/または前記第2のNA遺伝子を含む遺伝子再集合ウイルスを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(i)前記第2のHA遺伝子及び/または(ii)前記第2のNA遺伝子を含む遺伝子再集合インフルエンザウイルスを単離するステップ(v)をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記単離された遺伝子再集合インフルエンザウイルスが、6:2の遺伝子再集合インフルエンザウイルスである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上のインフルエンザ遺伝子が、第2のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNPを含み、ステップ(iv)が、前記第2のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子を含む遺伝子再集合ウイルスを選択することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
(i)前記第2のHA遺伝子及び/または(ii)前記第2のNA遺伝子、及び(iii)前記第2のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子を含む遺伝子再集合インフルエンザウイルスを単離するステップ(v)をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記単離された遺伝子再集合インフルエンザウイルスが、5:3の遺伝子再集合インフルエンザウイルスである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の発現構築物が、7つ、6つ、5つ、4つまたは3つ以下のインフルエンザ遺伝子を含む、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の発現構築物が、2つ以下のインフルエンザ遺伝子を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の発現構築物が、1つ以上のプラスミド、1つ以上の直鎖DNA分子、または1つ以上のRNA分子である、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の発現構築物が、合成核酸分子、例えば、合成DNA分子または合成RNA分子などを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の発現構築物が、双方向発現構築物であり、少なくとも1つの遺伝子が、上流のpol IIプロモーターと下流の非内因性pol Iプロモーターとの間に位置する、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記培養宿主が前記親インフルエンザウイルス株と接触されるのと同時に、前記1つ以上の発現構築物が前記培養宿主に導入される、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記培養宿主が前記親インフルエンザウイルス株と接触する前または後に、前記1つ以上の発現構築物が前記培養宿主に導入される、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
ステップ(iv)の前に、前記培養宿主から遺伝子再集合インフルエンザウイルスを分離するステップを含む、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
ステップ(iv)が、前記第1のHAに対する負の選択を含む、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記負の選択が、前記培養宿主または前記培養宿主から分離された前記遺伝子再集合インフルエンザウイルスを、前記第1のHAに特異的な1つ以上の抗体と接触させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記負の選択が、前記培養宿主を、前記第1のHAの転写及び/または翻訳を低減または防止する阻害剤と接触させることを含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(iv)が、前記第1のNAに対する負の選択を含む、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記負の選択が、前記培養宿主または前記培養宿主から分離された前記遺伝子再集合インフルエンザウイルスを、前記第1のNAに特異的な1つ以上の抗体と接触させることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記負の選択が、前記培養宿主を、前記第1のNAの転写及び/または翻訳を低減または防止する阻害剤と接触させることを含む、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
ステップ(iv)が、前記第2のHAまたは前記第2のNAに対する正の選択を含む、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記正の選択が、前記培養宿主または前記培養宿主から分離された前記遺伝子再集合インフルエンザウイルスを、前記第2のHAまたは前記第2のNAに特異的な1つ以上の抗体と接触させることを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ステップ(iv)が3つ以下の選択ステップを含む、請求項17~25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記遺伝子再集合ウイルスの前記単離が、限界希釈ステップ及び/またはプラーク単離ステップを含む、請求項2~3、5~6または8~26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
ステップ(v)で得られた前記ウイルスを精製するステップ(vi)をさらに含む、請求項2~3、5~6または8~27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記第2のHA遺伝子が、前記第2のHA遺伝子が由来する野生型インフルエンザウイルスと比較して、1つ以上の改変を含む、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記第2のHA遺伝子の前記改変が、多塩基性切断部位の欠失である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記産生または単離された遺伝子再集合インフルエンザウイルスが、前記第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子が由来する野生型インフルエンザウイルスよりも低毒性である、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記培養宿主が、発育鶏卵である、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記培養宿主が、哺乳動物細胞または鳥類細胞である、請求項1~31のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記培養宿主が、MDCK、Vero、PerC6、CEFまたはEB66細胞である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記細胞が接着により成長する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記細胞が浮遊により成長する、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記MDCK細胞が、細胞株MDCK33016(DSM ACC2219)の細胞である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記遺伝子再集合インフルエンザウイルスが、インフルエンザAウイルスまたはインフルエンザBウイルスである、先行請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
請求項1、4、7、10~26または29~32のいずれか1項に記載の方法によって産生される遺伝子再集合インフルエンザウイルスの集団。
【請求項40】
請求項2~3、5~6または8~38のいずれかの1項に記載の方法によって産生される、単離された遺伝子再集合インフルエンザウイルス。
【請求項41】
(a)請求項1~38のいずれか1項に記載の方法によって、遺伝子再集合インフルエンザウイルスを調製するステップと、(b)前記遺伝子再集合インフルエンザウイルスからワクチンを調製するステップと、を含む、ワクチンを調製する方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法によって産生されるワクチン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子再集合インフルエンザウイルスの分野に含まれる。それは、遺伝子再集合インフルエンザウイルス、特にインフルエンザワクチンの製造に関連するシードウイルスとして使用できる遺伝子再集合ウイルスを作製する方法に関する。本発明の方法によって産生される遺伝子再集合インフルエンザウイルス及びワクチンもまた、本発明の態様である。
【背景技術】
【0002】
遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、2つ以上の親インフルエンザ株に由来するセグメントを含むゲノムを有する。高成長インフルエンザ株の特性を利用して、流行株の赤血球凝集素(HA)及び/またはノイラミニダーゼ(NA)抗原(流行株のHA及び/またはNA抗原は、インフルエンザワクチンの典型的な成分である)の産生を増加させることができるため、このような遺伝子再集合ウイルスは、インフルエンザワクチンを製造するために有用である。ワクチン製造では、遺伝子再集合ウイルス(シードウイルスとも呼ばれ得る)には、典型的には、流行株のHA及びNAセグメント、及び高成長インフルエンザ株のバックボーンセグメント(すなわち、PB1、PB2、PA、M、NS及びNP)を含む。このシードウイルスは、インフルエンザワクチンの製造プロセスで使用される培養宿主プラットフォーム(卵または細胞など)内で低い成長特性を有し得る流行株を単に増殖させるよりも、HA及びNAを含むウイルスをより迅速に成長させるために使用できる。例えば、近年では、流行株のHA及びNA、ならびに高成長の親A/Puerto Rico/8/34(PR8)からの6つのバックボーン遺伝子を含む遺伝子再集合インフルエンザAウイルスが、ワクチン製造に好ましいシードウイルスであることが示された。これは、PR8バックボーンとの関連で流行株HAが高収量であるためである[1]。遺伝子再集合インフルエンザウイルスを生成するために2つの方法;古典的遺伝子再集合及び逆遺伝学が使用されている。
【0003】
古典的遺伝子再集合では、培養宿主(典型的には、鳥の卵)に両方の親株(すなわち、流行株及び高成長株)を接種する。次に、流行株のHA及び/またはNAを含む遺伝子再集合ウイルスは、高成長株のHA及び/またはNAに対する抗体の存在下で、培養宿主を成長させることによって選択される。所望のHA及びNA表面遺伝子を含む遺伝子再集合ウイルスを単離して、ワクチン製造のためのシードウイルスとして使用できる。
【0004】
しかし、古典的遺伝子再集合に関連する1つの欠点は、遺伝子配列の制御された操作ができないことであり、これは、高病原性インフルエンザウイルスから候補シードウイルスを生成しようとするときに、問題となり得る。例えば、一部のH5またはH7インフルエンザ株のHAには、古典的遺伝子再集合法では欠失させ得ない多塩基性切断部位の形態で、病原性決定因子が含まれている。古典的遺伝子再集合は、培養宿主に2つのインフルエンザ株が接種されているため、親株のそれぞれからの遺伝子配置比7:1、6:2、5:3、または4:4を有する遺伝子再集合ウイルスの混合物を産生できる。これは、16個の遺伝子が存在する(すなわち、各親株から8個)ことを意味する。結果として、ワクチン製造におけるシードウイルスとして使用するために所望の遺伝子再集合インフルエンザウイルスを単離するには、時間を要し得る。例えば、現在、新しいインフルエンザ株が到着してから、ワクチン製造でシードウイルスとして使用される最終的な高成長遺伝子再集合を得るまでほぼ35日を要する。
【0005】
逆遺伝学では、所望のインフルエンザウイルスを産生するために必要とされる遺伝情報が細胞に送達され、インフルエンザウイルスを生成できる。逆遺伝学では、当初、in vitroでのアセンブリと、ヘルパーウイルスに感染した細胞へのウイルスリボヌクレオプロテイン(RNP)のトランスフェクションが必要であった[2,3]。その後の技術では、ウイルスRNA(vRNA)のすべてをコードするRNAポリメラーゼIプラスミドを、ポリメラーゼ及びNP遺伝子のタンパク質発現構築物と共にトランスフェクトした[4]。さらに近年では、逆遺伝学法では、同じ鋳型からマイナス鎖vRNAとプラスmRNAの両方の発現が可能になる改変RNAポリメラーゼI系の使用が含まれる[5]。この方法では、所望の遺伝子のそれぞれが、pHW2000プラスミドにクローン化され、これは、RNAポリメラーゼIプロモーターと終結配列との間に挿入されたウイルスcDNAからなり、CMVプロモーター及びポリアデニル化シグナルが隣接する。8つのプラスミドを細胞にトランスフェクトした後、vRNA及びmRNAの両方の合成が生じ、その結果、ウイルスの産生がもたらされる。さらなる改良により、プラスミドの代わりに線形DNA発現構築物が使用される系の開発[6]、及び単一の発現構築物の使用[7]がもたらされた。
【0006】
古典的遺伝子再集合とは対照的に、逆遺伝学では、ウイルスを産生するために使用される遺伝子配列の操作が可能になる。したがって、細胞内の発現構築物のトランスフェクション前にウイルス遺伝子配列を操作して、弱毒化表現型を有するウイルスを産生することができるため、逆遺伝学を使用して、弱毒化生インフルエンザワクチンを産生するためのシードウイルスを生成できる。合成DNA配列を使用して、逆遺伝学でシードウイルスを産生してもよく、これにより、野生型パンデミックウイルスを取り扱う必要がなくなる[8]。逆遺伝学では、シードウイルスを4~7日で産生することも可能であり、これは、古典的遺伝子再集合によって提供されるよりも大幅に迅速である。
【0007】
しかし、逆遺伝学に関連する欠点は複数存在する。例えば、逆遺伝学では、発現構築物が作製されるときに各インフルエンザ遺伝子の配列が事前に決定される。これは、この手法では、古典的遺伝子再集合と比較して、より均質な遺伝子再集合ウイルスの集団が生成されることを意味する。これは、流行しているHA及びNAが、逆遺伝学における標準として使用されるバックボーン遺伝子との適合性が低く、そのため効果的に成長しない場合に問題となり得る。この状況では、HA及びNAは、バックボーン遺伝子の異なる配置でより効果的に成長し得るが、逆遺伝学において使用するためのより適切なバックボーン遺伝子を特定して試験するには時間を要する。これにより、バックボーンセグメント中に配列変異を有するウイルスの開発、及び好適な成長特性を有するシードウイルスの選択を可能にするために、逆遺伝学由来の遺伝子再集合インフルエンザウイルスの数回の継代を伴う可能性がある。一部の逆遺伝学系でのもう1つの問題は、必要な発現構築物を培養宿主に導入することが困難な場合があり(例えば、トランスフェクション効率が低いため)、これにより、逆遺伝学系が非効率となり得ることである。
古典的遺伝子再集合及び逆遺伝学の要素を組み合わせる、遺伝子再集合インフルエンザウイルスを産生する方法は、これまでに議論されてきた。例えば、宿主細胞が第1のインフルエンザ株に感染し、第2のインフルエンザ株からの少なくとも1つのセグメントをコードする1つ以上の発現構築物でトランスフェクトされる方法は、参考文献11で論じられている。この方法は、siRNAなどのインフルエンザウイルスセグメントの翻訳及び/または転写を阻害する剤を使用して、siRNAによって標的とされるセグメントが存在しない遺伝子再集合ウイルスを生成するという状況でのみ記載されている。
したがって、本発明の目的は、古典的遺伝子再集合法及び逆遺伝学法の両方に関連する欠点を克服する、遺伝子再集合体インフルエンザウイルスを生成する改善された方法を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2009/000891号
【特許文献2】国際公開第2011/012999号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Cobbin et al.(2013)J.Virol.87(10):5577-5585.
【非特許文献2】Luytjes et al.(1989)Cell 59(6):1107-1113.
【非特許文献3】Enami et al.(1990)PNAS 87(10):3802-3805.
【非特許文献4】Fodor et al.(1999)J. Virol.73(11):9679-9682.
【非特許文献5】Hoffmann et al.(2000)PNAS 97(11):6108-6113.
【非特許文献6】Verity et al.(2012)Influenza Other Respir.Viruses 6(2):101-109
【発明の概要】
【0010】
第1の態様では、本発明は、遺伝子再集合インフルエンザウイルスを生成するための方法を提供し、本方法は、(i)培養宿主を、第1の赤血球凝集素(HA)遺伝子及び第1のノイラミニダーゼ(NA)遺伝子を含む親インフルエンザウイルス株と接触させるステップと;(ii)培養宿主に1つ以上のインフルエンザ遺伝子を含む1つ以上の発現構築物を導入するステップであって、インフルエンザ遺伝子が、第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子を含むステップと;(iii)遺伝子再集合ウイルスを産生するために培養宿主を培養するステップと;(iv)第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子を含む遺伝子再集合ウイルスを選択するステップと;任意により、(v)第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子を含む遺伝子再集合インフルエンザウイルスを単離するステップと、を含む。
【0011】
本発明はまた、本発明の方法によって産生される遺伝子再集合インフルエンザウイルスの集団を提供する。
【0012】
本発明はまた、本発明の方法によって産生される単離された遺伝子再集合インフルエンザウイルスを提供する。
【0013】
第1のHA遺伝子及び第1のNA遺伝子を提供する親インフルエンザウイルス株は、不均質なビリオンの集団を含む(すなわち、配列バリアント/準種が存在する)ので、本発明の方法は有利である。これにより、培養宿主に送達されるバックボーンセグメント内に配列変動性が導入され、それにより、本発明の方法が、クローン発現構築物(複数可)(例えば、プラスミド)が利用される逆遺伝学技術よりも幅広い多様性の遺伝子再集合ウイルスを産生することが可能になる。配列変異を導入し、改善された特性を有するウイルスを選択するために最初にレスキューさせたウイルスを複数回継代させる必要があり得る逆遺伝学システムとは対照的に、本発明の方法では、配列バリアントを本発明の方法によって産生された遺伝子再集合ウイルス内に即座に存在させ得る(これは、親インフルエンザ株の増殖中に自然に蓄積された配列変異のためである)。この方法によって産生される遺伝子再集合ウイルスの多様性が高いことにより、1つ以上の特に望ましい特性(例えば、高いHA収量及び/または高い成長)を有する遺伝子再集合ウイルスが同定される可能性も高まる。
【0014】
本発明の方法の別の利点は、本方法が、そうでなければ非機能的遺伝子再集合ウイルスをもたらすであろう所望のHA及び/またはNAと低い適合性を有するウイルスゲノム中の任意の配列に対して本質的に選択を行うことである。これらの非機能的なウイルスは、培養宿主内で効果的に増殖せず、所望の高い増殖特性を有するバリアントによって排除されるであろう。これは、発現構築物が産生されて、培養宿主に送達された後にのみ配列の非適合性が特定され、所望の遺伝子再集合ウイルスの生成に問題がある逆遺伝学技術とは対照的である。関連する利点において、本発明の方法はまた、相乗作用して改善された成長特性をもたらす突然変異の組み合わせを含む遺伝子再集合ウイルスをより容易にかつより頻繁に特定できるようになる。実際に、逆遺伝学を使用しても、複数の突然変異をまったく特定できない場合がある。例えば、単一の突然変異が負の効果を有する状況では、このバリアントは、破棄される可能性があり、したがって、負の効果をレスキューし、組み合わせてさらなる利点を引き出し得るさらなる配列バリアントに関して試験が行われない可能性がある。
【0015】
本発明は、第2のインフルエンザウイルス株による感染の代わりに、第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子が、発現構築物の一部として培養宿主内に導入されるため、古典的遺伝子再集合とは区別される。発現構築物を使用して第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子を提供することは、HA遺伝子またはNA遺伝子を、古典的遺伝子再集合では不可能である方法で培養宿主に提供される前に操作できることを意味する。HA配列を操作するこの能力は、多塩基性切断部位など、病原性決定因子の欠失を可能にするため、パンデミックまたは潜在的パンデミック株(H5及びH7株など)の状況において特に有利である。発現構築物上にHA遺伝子またはNA遺伝子を送達する別の利点は、これにより、所定の配列を有する単一のHAまたはNAクローンの発現が可能になることである。これは、HA遺伝子及びNA遺伝子が複製ウイルスの状況で送達される方法(古典的再集合など)とは対照的であり、この方法では、複製中に突然変異がHA遺伝子またはNA遺伝子に導入される危険がある場合には、例えば、抗原性の低下をもたらし得る。
【0016】
したがって、この方法では、遺伝子再集合インフルエンザウイルス内に存在するHAセグメントまたはNAセグメントを制御できるが(逆遺伝学にあり得る)、同時に、親インフルエンザウイルス株による感染を介して、培養宿主へバックボーン遺伝子の集団を導入することによって、ある程度の変動性を備えたバックボーンセグメントのプールがもたらされる。これは、特に、逆遺伝学で典型的に使用されるバックボーン遺伝子(PR8など)が、流行株のHA及び/またはNAと再集合した場合に、最適ではない特性を提供する場合、ワクチン製造で使用するために最適化されたシードウイルスをより迅速に生成できるため、有利である。このような状況では、逆遺伝学実験において最初にレスキューされたウイルスは、ウイルスの成長を改善するために、培養宿主において複数回継代する必要がある。強力な成長特性を有する遺伝子再集合ウイルスが、この方法によって産生される遺伝子再集合ウイルスの多様なプールから選択できるので、本発明の方法においては、同じ複数の継代が必ずしも必要とされない。換言すれば、複製ウイルスの状況で生成された親株内でのバックボーン遺伝子の多様性が、生存不能または成長の遅い遺伝子再集合ウイルスに対する低レベルの選択及び排除と組み合わされて、高成長遺伝子再集合ウイルスのより効率的な生成が可能になる。
【0017】
本発明の方法によって産生される遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、インフルエンザワクチンの製造に特に有用であり得る。したがって、さらなる態様では、本発明は、(a)本発明の方法によって遺伝子再集合インフルエンザウイルスを調製するステップと、(b)遺伝子再集合インフルエンザウイルスからワクチンを調製するステップと、を含む、ワクチンを調製する方法を提供する。本発明の方法によって製造されたワクチンも提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】表1に示すように、古典的遺伝子再集合によって産生されたH1N1ウイルスと逆遺伝学によって産生されたウイルスのM1タンパク質中に存在する配列変異をグラフで表した図である。コンセンサスバックボーンの0%cf値は、コンセンサスバックボーン配列に対するその位置に存在する配列バリアントはないことを示す。逆遺伝学によって産生されたウイルスのM1タンパク質には配列変異はない。
【
図2】表2に示すように、古典的遺伝子再集合によって産生されたH1N1及びH3N2ウイルスと逆遺伝学によって産生されたウイルスのNPタンパク質中に存在する配列変異をグラフで表した図である。コンセンサスバックボーンの0%cf値は、その位置に存在する配列バリアントがないことを示す。古典的遺伝子再集合によって調製されたウイルスでは、NPタンパク質は、配列全体において変異を示す一方で、逆遺伝学によって得られたウイルスのNPタンパク質は、4つの配列位置においてのみ変異を示す。
【
図3】表3に示すように、古典的遺伝子再集合によって産生されたH1N1及びH3N2ウイルスと逆遺伝学によって産生されたウイルスのNS1タンパク質中に存在する配列変異をグラフで表した図である。コンセンサスバックボーンの0%cf値は、その位置に存在する配列バリアントがないことを示す。古典的遺伝子再集合によって調製されたウイルスでは、NS1タンパク質は、配列全体において変異を示す一方で、逆遺伝学によって得られたウイルスのNS1タンパク質は、3つの配列位置においてのみ変異を示す。
【
図4】表4に示すように、古典的遺伝子再集合によって産生されたH1N1及びH3N2ウイルスと逆遺伝学によって産生されたウイルスのPAタンパク質中に存在する配列変異をグラフで表した図である。コンセンサスバックボーンの0%cf値は、その位置に存在する配列バリアントがないことを示す。古典的遺伝子再集合によって調製されたウイルスでは、PAタンパク質は、配列全体において変異を示す一方で、逆遺伝学によって得られたウイルスのPAタンパク質は、2つの配列位置においてのみ変異を示す。
【
図5】表5に示すように、古典的遺伝子再集合によって産生されたH1N1及びH3N2ウイルスと逆遺伝学によって産生されたウイルスのPB2セグメント中に存在する配列変異をグラフで表した図である。コンセンサスバックボーンの0%cf値は、その位置に存在する配列バリアントがないことを示す。古典的遺伝子再集合によって調製されたウイルスでは、PB2タンパク質は、配列全体において変異を示す一方で、逆遺伝学によって得られたウイルスのPB2タンパク質は、8つの配列位置においてのみ変異を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
遺伝子再集合インフルエンザウイルス
インフルエンザウイルスは、セグメント化されたマイナス鎖RNAウイルスである。インフルエンザA及びBウイルスのゲノムには、8つの一本鎖ウイルスRNA(vRNA)セグメントが含まれている。インフルエンザA及びBウイルスの8つのゲノムセグメントは、サイズの順に、PB2、PB1、PA、HA、NP、NA、M、NSである。PB2、PB1、PA、NP、M、及びNSは、内部及び非構造タンパク質をコードし、バックボーンセグメントと呼ばれ得る。HA及びNAセグメントは、表面糖タンパク質をコードする。本発明の方法は、遺伝子再集合インフルエンザAウイルスを産生するために使用され得る。あるいは、本発明の方法は、遺伝子再集合インフルエンザBウイルスを産生するために使用され得る。
【0020】
インフルエンザAウイルスの場合、8つのゲノムセグメントは、次のように11のタンパク質をコードする:赤血球凝集素(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、2つのマトリックスタンパク質(M1及びM2)、ヘテロ三量体RNA依存性RNAポリメラーゼ(1つのポリメラーゼ酸性サブユニット(PA)及び2つのポリメラーゼ塩基性サブユニット(PB1及びPB2)で構成される)、核タンパク質(NP)、ならびに2つの非構造タンパク質(NS1及びNS2;NS2は核輸出タンパク質(NEP)としても知られている)。いくつかのインフルエンザAウイルスは、アポトーシス促進性ペプチドであるPB1-F2も発現する。PB2、PA、HA、NP、及びNAセグメントは、それぞれ単一の発現タンパク質をコードする。PB1、M、及びNSセグメントは、2つ以上のタンパク質をコードする。PB1セグメントは、PB1タンパク質及びPB1-F2タンパク質(PB1セグメント上の+1リーディングフレームにコードされている)をコードする。Mセグメントは、M1及びM2タンパク質をコードする。NSセグメントは、NS1及びNS2/NEPタンパク質をコードする。M2及びNS2/NEPタンパク質は、M及びNSセグメントからスプライシングされたmRNAから発現する。
【0021】
インフルエンザBウイルスの場合も、8つのゲノムセグメントが、11のタンパク質をコードするが、インフルエンザAウイルスとはいくつかの相違がある。インフルエンザAウイルスの場合、PB2、PA、HA、及びNPセグメントは、それぞれ単一の発現タンパク質をコードし、NSセグメントは、NS1及びNS2/NEPタンパク質をコードする。PB1-F2タンパク質はインフルエンザBウイルス中には存在しない。これは、PB1セグメントが、PB1タンパク質のみをコードすること意味する。NAタンパク質に加えて、インフルエンザBウイルス中のNAセグメントは、代替の-1リーディングフレーム内で、NBマトリックスタンパク質もコードする。NBマトリックスタンパク質は、インフルエンザA中のM2タンパク質に対応する。Mセグメントは、M1タンパク質をコードし、代替の+2リーディングフレーム内では、BM2タンパク質をコードする。
【0022】
遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、2つ以上の親インフルエンザウイルス株に由来するゲノムセグメントを含む。本発明の方法によって産生される遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、第1の親インフルエンザウイルス株(ドナー株)からの1つ以上の遺伝子セグメント、及び第2の親インフルエンザウイルス株(ワクチン株)からの1つ以上の遺伝子セグメントを含む。インフルエンザドナー株は、場合によっては、ウイルスのNAセグメントも提供し得るが、典型的には、遺伝子再集合インフルエンザウイルス内でバックボーンセグメントを提供する株である。ワクチン株は、HAまたはNAセグメントを提供するインフルエンザ株である。典型的には、遺伝子再集合インフルエンザウイルスのHAセグメント及びNAセグメントは、両方とも、ワクチン株に由来する。本発明の方法において、発現構築物の一部として培養宿主に導入される第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子は、ワクチン株に由来する。ワクチン株は、典型的には、流行株である。ワクチン株は、ドナー株とは異なる。
【0023】
遺伝子再集合ウイルス中に存在するゲノムセグメントは、各親インフルエンザウイルス株によって提供されるセグメントの数を示す遺伝子配置比を使用して記載できる。例えば、遺伝子再集合ウイルスが、2つの親インフルエンザウイルス株(ドナー株及びワクチン株など)由来のゲノムセグメントを含む場合、遺伝子配置比は、1:7、2:6、3:5、4:4、5:3、6:2、または7:1である。遺伝子再集合ウイルスは、存在する場合、3つの親インフルエンザウイルス株由来のゲノムセグメントを含んでもよい。これらの実施形態では、遺伝子再集合ウイルスは、1:1:6、1:2:5、1:3:4、1:4:3、1:5:2、1:6:1、2:1:5、2:2:4、2:3:3、2:4:2、2:5:1、3:1:2、3:2:1、4:1:3、4:2:2、4:3:1、5:1:2、5:2:1、または6:1:1の遺伝子配置比を有し得る。
【0024】
本発明によって産生される遺伝子再集合ウイルスのゲノムセグメントの大部分は、典型的にはドナー株に由来する。これは、ドナー株セグメントをワクチン株由来のセグメントと遺伝子再集合することによってドナー株の特性を利用することが望ましいためである。特定のそのような実施形態において、本発明の方法によって産生される遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、5:3、6:2、または7:1の遺伝子配置比を有し、この比の最初の数は、ドナー由来のセグメントの数を示し、この比の2番目の数字は、ワクチン株由来のセグメント数を示す。
【0025】
好ましい実施形態では、遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、6:2の遺伝子配置比を有する。これらの実施形態では、遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、ドナー株由来の6つのバックボーンセグメント(すなわちPB1、PB2、PA、NP、M及びNS)及びワクチン株由来の2つのセグメント(すなわち、HA及びNA)を含む。特に好ましい実施形態では、再集合インフルエンザウイルスは、遺伝子配置比6:2を有する遺伝子再集合インフルエンザAウイルスである。
【0026】
他の実施形態では、遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、遺伝子配置比7:1を有する。これらの実施形態のいくつかでは、遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、ドナー株由来の6つのバックボーンセグメント、ワクチン株由来のHAセグメント、及びドナー株由来のNAセグメントを含む。換言すれば、遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、ワクチン株由来のHAセグメント及び残りのドナー株由来の7つのセグメントを含む。他の実施形態では、遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、ドナー株由来の6つのバックボーンセグメント及びHAセグメント、ならびにワクチン株由来のNAセグメントを含む。換言すれば、遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、ワクチン株由来のNAセグメント及び残りのドナー株由来の7つのセグメントを含む。遺伝子再集合インフルエンザBウイルスには、遺伝子配置比7:1が好ましい。
【0027】
他の実施形態では、遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、遺伝子配置比5:3を有する。これらの実施形態では、遺伝子再集合ウイルスは、5つのバックボーンセグメント(すなわち、PB1、PB2、PA、NP、M、及びNSからなる群から選択される5つのセグメント)及びワクチン株からの3つのセグメントを含む。これらの実施形態では、ワクチン株由来の3つのセグメントは、HA、NA及び1つのバックボーンセグメント(すなわち、PB1、PB2、PA、NP、M及びNSからなる群から選択される1つのセグメント)である。好ましい実施形態では、ワクチン株由来の3つのセグメントは、HA、NA及びPB1であり、残りの5つのバックボーンセグメント(すなわち、PB2、PA、NP、M及びNS)は、ドナー株由来である。
【0028】
インフルエンザウイルス株
本発明の方法では、培養宿主が接触する親インフルエンザウイルス株は、ドナー株である。ドナー株は、複製可能である(すなわち、感染後培養宿主内でドナー株自身が増殖できる)。培養宿主をドナー株と接触させることにより、ウイルスが培養宿主に感染したときに、ドナー株のゲノムセグメントが培養宿主に送達される。
【0029】
一連の所望の特性を有する任意のインフルエンザウイルス株をドナー株として使用してもよい。特定の実施形態では、ドナー株は、細胞及び/または卵において良好な成長特性を有する株である。典型的には、良好な成長特性は、ウイルスが培養宿主中で増殖したときのHAの収量に応じて測定される。良好な成長特性を有するドナー株は、高成長親株(HGP株)と呼ばれ得る。したがって、特定の実施形態では、培養宿主を接触される親インフルエンザウイルス株は、高成長親株である。本発明の方法で使用することができる高成長親株の例は、A/Puerto Rico/8/1934(PR8)、A/Texas/1/1977、A/New York/55/2004、A/Ann Arbor/6/60、A/Leningrad/134/17/57、B/Ann Arbor/1/66、B/Florida/4/2006、B/Panama/45/1990及びB/Lee/1940である。好ましい実施形態では、A/Puerto Rico/8/1934は、インフルエンザAウイルスのドナー株である。高成長親株と比較して、同等またはより高いウイルス力価に成長する株は、ドナー株として使用され得る。
【0030】
本発明の方法においてドナー株として使用され得るインフルエンザ株は、典型的には、培養宿主に、均質ではないバックボーンセグメントの集団を提供する。これは、ドナー株が均質ではない(すなわち、配列バリアントが存在する)ビリオンの集団を含むためである。これらのバリアントバックボーンセグメントは、インフルエンザウイルスゲノム中の自然突然変異から生じ得る。突然変異率は、細胞感染あたりのヌクレオチドあたりの置換(s/n/c)として表すことができ、インフルエンザウイルスの場合は10-5~10-7の範囲であり得る。これは、ビリオンの集団中の約1000分の1のインフルエンザビリオンが、ゲノムセグメント中に突然変異を含むことを意味する。したがって、本発明の方法で使用することができるドナー株は、密接に関連する準種インフルエンザウイルスの集団を含む。「準種」という用語は、単一の発生源に由来するが、配列バリアントを含むインフルエンザウイルスを示すために使用される。これは、異なる発生源(別々の種と見なされる)由来のインフルエンザウイルス間の配列の相違とは異なる。したがって、本発明の方法は、培養宿主を、準種のインフルエンザウイルス(すなわち、単一の発生源由来の配列バリアントを有するインフルエンザウイルス)の集団を含むドナー株と接触させることを含む。このようにして、バリアントバックボーンセグメントの集団は、培養宿主に送達される。
【0031】
バックボーンセグメント(例えば、NPセグメント)の集団内の変異は、バックボーンセグメントの配列が整列されたときにバックボーンセグメントの集団内の2つの最も分岐した配列間で異なる配列位置の数に応じたパーセンテージとして表すことができる。配列の差は、置換、欠失、または挿入であり得る。集団内で最も分岐している2つの配列を特定するために、マルチプルアラインメントを実施してもよい。複数のタンパク質配列を整列させるための好適なツールが利用可能である(例えば、Maderia et al.Nucleic Acids Research 2019(47)doi:10.1093/nar/gkz268で言及されている、デフォルトパラメータを使用するClustal Omegaツール)。例えば、実施例5で論じるとおり、NPタンパク質は、498のアミノ酸の配列を有し、44の突然変異が、古典的遺伝子再集合によって産生されたH1N1ウイルスのNPタンパク質アミノ酸配列内で同定されている。これは、H1N1遺伝子再集合グループ内の2つの最も分岐したNPタンパク質配列を比較したときに、NPタンパク質で約9%の変異に相当する。バックボーンタンパク質での配列変異のパーセンテージは、次式を使用して計算され得る。
【数1】
【0032】
いくつかの実施形態では、ドナー株は、バックボーンセグメント1つ以上の中に、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも15%、または少なくとも20%のアミノ酸配列変異を含むインフルエンザウイルスの準種の集団を含む。準種のドナー株集団は、任意のバックボーンセグメント中に30%以下のアミノ酸配列変異を含み得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、ドナー株は、M1タンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異を含むインフルエンザウイルスの準種の集団を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、ドナー株は、NPタンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異を含むインフルエンザウイルスの準種の集団を含む。いくつかの実施形態では、ドナー株は、NPタンパク質中に少なくとも8%のアミノ酸配列変異を含むインフルエンザウイルスの準種の集団を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、ドナー株は、NS1タンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異を含むインフルエンザウイルスの準種の集団を含む。いくつかの実施形態では、ドナー株は、NS1タンパク質中に少なくとも15%のアミノ酸配列変異を含むインフルエンザウイルスの準種の集団を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、ドナー株は、PAタンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異を含むインフルエンザウイルスの準種の集団を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、ドナー株は、PB2タンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異を含むインフルエンザウイルスの準種の集団を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、ドナー株は、M1タンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異、NPタンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異、NS1タンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異、PAタンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異、及びPB2タンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異を含むインフルエンザウイルスの準種の集団を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、ドナー株は、M1タンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異、NPタンパク質中に少なくとも8%のアミノ酸配列変異、NS1タンパク質中に少なくとも15%のアミノ酸配列変異、PAタンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異、及びPB2タンパク質中に少なくとも5%のアミノ酸配列変異を含むインフルエンザウイルスの準種の集団を含む。
【0040】
本発明の方法で使用するために、他のドナー株を産生することができる。本発明の方法で使用するためのドナー株を産生するために、インフルエンザウイルス株を、本発明の方法で使用される培養宿主中で増殖させてもよい。本発明の方法で使用される培養宿主中でインフルエンザウイルス株を継代することにより、バリアント株が、それらが由来するインフルエンザウイルス株と比較して、(同時に及び同じ成長条件において)より高いウイルス力価に成長し得る配列変異を含むバリアントインフルエンザ株の生成がもたらされる。したがって、バリアントインフルエンザ株は、本発明の方法で使用される培養宿主において改善された成長特性を有し、好ましいドナー株である。例えば、A/Puerto Rico/8/1934インフルエンザ株を細胞培養で数回継代することにより、バリアントインフルエンザ株(PR8-X株)が産生され、このバリアントは、元のA/Puerto Rico/8/1934株と比較して、これらの細胞中でより高いウイルス力価に成長する。したがって、特定の実施形態では、PR8-X株は、ドナー株である。同様に、A/New Caledonia/20/1999株を細胞培養で数回継代することにより、同じ時間と同じ成長条件の下で、野生型A/New Caledonia/20/1999株と比較して、より高いウイルス力価に成長するバリアント株(105p30株)が産生された。
【0041】
PR8-Xの遺伝子セグメントは、配列番号1(PA)、配列番号2(PB1)、配列番号3(PB2)、配列番号4(NP)、配列番号5(M)、配列番号6(NS)、配列番号7(HA)または配列番号8(NA)のヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、PR8-Xの遺伝子セグメントと同じアミノ酸配列をコードする遺伝子セグメントを含むインフルエンザ株は、ドナー株として使用され得る。
【0042】
105p30の遺伝子セグメントは、配列番号9(PA)、配列番号10(PB1)、配列番号11(PB2)、配列番号12(NP)、配列番号13(M)、配列番号14(NS)、配列番号15(HA)または配列番号16(NA)のヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、105p30の遺伝子セグメントと同じアミノ酸配列をコードする遺伝子セグメントを含むインフルエンザ株は、ドナー株として使用され得る。
【0043】
本発明の方法での使用に好適であるドナー株は、典型的には、ドナー株が由来するインフルエンザ株で得られたウイルス力価と比較した場合、改善されたウイルス力価及び/または成長動態を達成するであろう。特定の実施形態では、ドナー株が由来するインフルエンザ株と同じ成長条件下で、同じ時間(例えば、12時間、24時間、48時間または72時間)で成長させた場合、ドナー株の改善されたウイルス力価は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも500%、または少なくとも1000%高い。
【0044】
特定の実施形態では、ドナー株は、ワクチン製造において使用するための規制当局の承認を有する株である。規制当局の承認を有するドナー株を使用することは、有利である。これは、本発明の方法によって生成された遺伝子再集合ウイルスは、ワクチンを調製するために使用してもよく、これは、ドナー株が既存の規制当局による承認を有さない場合よりも容易に販売できる可能性があるためである。
【0045】
本発明者らは、培養宿主が精製されたドナー株と接触したときに、遺伝子再集合インフルエンザの産生が増強されることを見出した。ドナー株の精製は、ドナー株が第2のHA遺伝子及び/または第2のNA遺伝子のトランスフェクションと同時に培養宿主に送達される場合に有利であり得る。これは、汚染卵タンパク質または細胞培養タンパク質(ドナー株の増殖後に存在し得る)が、培養宿主への発現構築物のトランスフェクションを妨げる可能性があるためである。したがって、いくつかの実施形態では、培養宿主は、精製されたドナー株と接触させる。特定のそのような実施形態において、培養宿主は、精製されたドナー株と接触され、第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子を含む1つ以上の発現構築物が、トランスフェクションによって培養宿主に導入される。
【0046】
ドナー株は、この方法で使用する前に、細胞培養及び/または卵中で増殖されていてもよい。いくつかの実施形態では、この方法は、細胞培養物または卵中でインフルエンザウイルス株を継代して、培養宿主に感染させるためのドナー株(例えば、ドナー株集団)を産生するステップを含む。前継代ステップ(または2つ以上の前継代ステップ)は、培養宿主に送達されるビリオンの集団中に存在する配列バリアントの数を増加させ得るため、有利であり得る。
【0047】
ドナー株は、標準方法を使用して、細胞培養培地または尿膜液から濃縮及び精製されてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、培養宿主がドナー株と接触される前に、ドナー株を精製するステップを含む。例えば、精製プロセスは、スクロース勾配溶液またはアフィニティークロマトグラフィー法を使用する遠心分離を含み得る。一実施形態では、ドナー株は、ろ過及び/または遠心分離によって精製される。一実施形態では、ドナー株を精製するステップは、ろ過ステップ及びその後の遠心分離ステップを含む。例えば、ドナー株を含む培養培地または尿膜液は、0.45μmフィルタでろ過し、その後遠心分離フィルタデバイスを使用して、例えば約1400xgで1時間遠心分離によって精製してもよい。精製後、ドナー株を、緩衝液、例えばPBSに懸濁することができ、これにより、本発明の方法で使用する前に、精製されたドナー株を保存及び輸送することができる。
【0048】
ヘルパーウイルスは、初期の逆遺伝学技術で使用され、発現構築物からのインフルエンザ遺伝子セグメントの発現を容易にした(例えば、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)またはウイルスゲノムの複製に関与する他のタンパク質などの成分を提供することによって)。典型的には、これらの初期の逆遺伝学系は、ウイルスセグメントをコードするRNA、精製されたRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質及びウイルス核タンパク質成分を含むリボ核タンパク質複合体の形態の発現構築物を使用した。これらのタンパク質成分は、RNAによってコードされるウイルスセグメントを複製するために必要な機構を培養宿主に送達した。リボ核タンパク質複合体のタンパク質成分(RdRp及びNP)は、ウイルスセグメントをコードするRNAを用いたin vitroアセンブリの前に、インフルエンザウイルスから精製する必要があった。培養宿主をRNP成分でトランスフェクトすることに加えて、ウイルスの効率的な生産のためにヘルパーウイルスが必要であった。しかし、ヘルパーウイルスの成分は、一般に、これらの逆遺伝学技術で産生された遺伝子再集合ウイルスへの組み込みを目的としていなかった。逆遺伝学系で使用される発現構築物のその後の開発は、後の発現構築物が、ウイルス粒子の産生に必要な成分をすべて提供できるため、RNPもヘルパーウイルス成分も不要であることを意味する。
【0049】
本発明の方法において培養宿主と接触する親インフルエンザウイルス株は、ヘルパーウイルスではない。これは、ウイルスゲノムの複製に関与する親インフルエンザウイルス株の成分を、本発明の方法によって産生される遺伝子再集合インフルエンザウイルスへ組み込むことを目的としているためである。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の方法は、ヘルパーウイルスを含まない。
【0050】
発現構築物
本発明の方法において、1つ以上のインフルエンザ遺伝子を含む1つ以上の発現構築物は、培養宿主に導入される。1つ以上の発現構築物は、既知の逆遺伝学技術からの発現構築物(複数可)を導入するための任意の方法を使用して、細胞培養物に導入され得る。
【0051】
本発明の方法は、外因的に添加されたRNPの使用を必要とせず、したがって、1つ以上の発現構築物と共に提供される追加のウイルスRNA指向性RNAポリメラーゼタンパク質及びウイルス核タンパク質を必要としない。したがって、本発明の文脈において、リボ核タンパク質複合体(例えば、精製されたRNA依存性RNAポリメラーゼタンパク質及びウイルス核タンパク質と複合体を形成したウイルスセグメントをコードするRNA)は、発現構築物ではない。本発明による発現構築物は、RNPを含まない。培養宿主に1つ以上の発現構築物を導入するステップは、培養宿主をリボ核タンパク質複合体と接触またはトランスフェクトすることなく(例えば、培養宿主をRNP複合体と同時にまたは別々に接触またはトランスフェクトすることなく)、培養宿主に1つ以上の発現構築物を送達することを含む。
【0052】
本発明の文脈において、インフルエンザビリオンは、発現構築物ではない。これは、培養宿主をインフルエンザ株と接触させることが、培養宿主に1つ以上の発現構築物を導入することにはならないことを意味する。換言すれば、培養宿主に1つ以上の発現構築物を導入するステップは、培養宿主にインフルエンザビリオンと接触または感染させない手段を用いて、1つ以上の発現構築物を培養宿主に送達することを含む。これは、インフルエンザ遺伝子のすべてが、親インフルエンザウイルス株による感染を介して培養宿主に送達される古典的遺伝子再集合とは異なる。
【0053】
本発明で使用するための発現構築物は、典型的には、組換えまたは合成核酸構築物であり、これは、in vitroでアセンブルされ得る(例えば、当業者に知られている組換え技術を使用して)。1つ以上の発現構築物を使用することは、インフルエンザウイルスの感染によって必要なインフルエンザ遺伝子が提供される場合(古典的遺伝子再集合方法論のような場合)には不可能な方法で、インフルエンザ遺伝子の配列を正確に操作できることを意味する。
【0054】
本発明の方法での使用に好適である発現構築物は、一方向または双方向の発現構築物であり得る。インフルエンザウイルスは、感染性のためにタンパク質を必要とするため、宿主細胞に必要な発現構築物の総数が減少するため、一般に双方向発現構築物を使用することが好ましい。したがって、本発明の方法は、少なくとも1つの遺伝子またはcDNAが上流のpol IIプロモーターと下流の非内因性pol Iプロモーターとの間に位置する、少なくとも1つの双方向発現構築物を利用し得る。pol IIプロモーターからの遺伝子またはcDNAの転写は、タンパク質に翻訳できるキャップされたプラス鎖ウイルスmRNAを産生し、その一方で、非内因性pol Iプロモーターからの転写は、マイナス鎖vRNAを産生する。双方向発現構築物は、双方向発現ベクターであり得る。
【0055】
双方向発現構築物は、同じ構築物から異なる方向(すなわち、5’から3’及び3’から5’の両方)で発現を駆動する少なくとも2つのプロモーターを含む。2つのプロモーターは、同じ二本鎖DNAの異なる鎖に作動可能に連結することができる。好ましくは、プロモーターのうちの1つは、pol Iプロモーターであり、他のプロモーターのうちの少なくとも1つは、pol IIプロモーターである。これは、pol Iプロモーターを使用してキャップのないvRNAを発現させることができ、その一方で、pol IIプロモーターを使用してmRNAを転写し、その後タンパク質に翻訳できるため、同じ構築物からRNA及びタンパク質を同時に発現できるために有用である。発現系内で2つ以上の発現構築物が使用される場合、プロモーターは、内因性及び非内因性プロモーターの混合物であり得る。
【0056】
発現構築物中で使用されるpol I及びpol IIプロモーターは、宿主細胞が由来するのと同じ分類学的目の生物に対して内因性であり得る。あるいは、プロモーターは、宿主細胞とは異なる分類学的目の生物から由来し得る。「目」という用語は、従来の分類学的階級を指し、目の例としては、霊長目、げっ歯目、食肉目、有袋目、クジラ目である。ヒト及びチンパンジーは、同じ分類学的目(霊長目)であるが、ヒト及びイヌは、異なる目である(霊長目対食肉目)。例えば、ヒトpol Iプロモーターは、イヌ細胞(例えば、MDCK細胞)中でウイルスセグメントを発現させるために使用できる[9]。
【0057】
発現構築物は、典型的には、RNA転写終結配列を含む。終結配列は、内因性終結配列または宿主細胞に対して内因性ではない終結配列であり得る。好適な終結配列は、当業者には明らかであり、これらに限定されないが、RNAポリメラーゼI転写終結配列、RNAポリメラーゼII転写終結配列、及びリボザイムが挙げられる。さらに、発現構築物は、特に、その発現がpol IIプロモーターによって制御される遺伝子の末端に、mRNAの1つ以上のポリアデニル化シグナルを含み得る。
【0058】
発現構築物は、プラスミドまたは他のエピソーム構築物などのベクターであり得る。そのようなベクターは、典型的には、少なくとも1つの細菌及び/または真核生物の複製起点を含むであろう。さらに、ベクターは、原核細胞及び/または真核細胞での選択を可能にする選択可能なマーカーを含み得る。このような選択可能なマーカーの例は、アンピシリンまたはカナマイシンなどの抗生物質に対する耐性を付与する遺伝子である。ベクターは、DNA配列のクローニングを容易にするために、1つ以上のクローニング部位をさらに含み得る。
【0059】
発現構築物は、線状発現構築物であり得る。そのような線状発現構築物は、典型的には、いかなる増幅及び/または選択配列を含まないであろう。しかしながら、そのような増幅及び/または選択配列を含む線形構築物もまた、本発明の範囲内である。参考文献6は、各ウイルスセグメントの個々の線状発現構築物について記載している線状発現構築物について記載している。同じ線状発現構築物上に2つ以上、例えば2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのウイルスセグメントを含めることも可能である。そのような系は、例えば、参考文献6に記載されている。
【0060】
発現構築物は、当技術分野で知られている方法を使用して生成することができる。そのような方法は、例えば、参考文献10に記載されている。発現構築物が線状発現構築物である場合、単一の制限酵素部位を利用して宿主細胞に導入する前にそれを線形化することが可能である。あるいは、少なくとも2つの制限酵素部位を使用して、ベクターから発現構築物を切り出すことが可能である。さらに、核酸増幅技術を使用して(例えば、PCRによって)、それを増幅することによって、線状発現構築物を得ることが可能である。
【0061】
本発明の方法で使用される発現構築物は、非細菌発現構築物であり得る。これは、その中でコードされたウイルスRNAセグメントの真核細胞での発現を駆動できることを意味するが、細菌内での構築物の増殖に必要であろう成分は含まれていない。したがって、構築物は、細菌の複製起点(ori)を含まず、通常、細菌選択マーカー(例えば、抗生物質耐性マーカー)を含まない。そのような発現構築物は、参考文献7に記載されている。
【0062】
発現構築物は、化学合成によって調製することができる。発現構築物は、化学合成によって全体または部分を調製することができる。化学合成によって発現構築物を調製するための好適な方法は、例えば、参考文献7に記載されている。したがって、特定の実施形態では、発現構築物は、合成核酸配列を含み得る。いくつかの実施形態では、発現構築物は、合成DNA配列を含み得る。いくつかの実施形態では、発現構築物は、合成RNA配列を含み得る。
【0063】
本発明の方法で使用される発現構築物は、当業者に知られている任意の技術を使用して宿主細胞に導入することができる。例えば、本発明の発現構築物は、エレクトロポレーション、DEAE-デキストラン、リン酸カルシウム沈殿、リポソーム、マイクロインジェクション、または微粒子銃(microparticle-bombardment)を用いて宿主細胞に導入することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、発現構築物は、裸の核酸の形態であり得る。裸の核酸は、インフルエンザウイルスから精製され得る。別の実施形態では、発現構築物は、転写RNAの形態であり得る。他の実施形態では、発現構築物は、1つ以上のシャトルベクターの形態であり得る。シャトルベクターの例としては、非インフルエンザウイルス及びレプリコン、例えば、アルファウイルスベースのレプリコンが挙げられる。
【0065】
発現構築物のヌクレオチド配列は、操作されてもよく、これにより、本発明の方法で産生される遺伝子再集合ウイルス中に存在するインフルエンザセグメントの配列を制御することができる。したがって、発現構築物によってコードされるインフルエンザHAは、野生型ウイルスに見られるような天然のHA、または改変HAを有し得る。例えば、ウイルスを高病原性にする決定因子(例えば、HA1/HA2切断部位の周りの高塩基性領域)を除去するためにHAを改変することが知られている。いくつかの実施形態では、HAは、多塩基性切断部位を除去するように改変される。特定のそのような実施形態では、HAは、H5またはH7インフルエンザ株由来であり、多塩基性切断部位を含まない。同様に、発現構築物によってコードされるインフルエンザNAは、野生型ウイルスに見られるようなNA、または改変NAを有し得る。例えば、ワクチン株NAが既存のノイラミニダーゼ阻害剤耐性突然変異を含む場合、NAを改変させて、抗ウイルス性ノイラミニダーゼ阻害剤に対する感受性を付与してもよい。インフルエンザ遺伝子(例えば、HA遺伝子またはNA遺伝子)を発現構築物上の培養宿主に導入することにより、培養宿主に導入する前に配列を改変することができる。
【0066】
HA配列及び/またはNA配列はまた、2つ以上のインフルエンザ株からの配列を含むキメラHA配列またはキメラNA配列を産生するように操作されてもよい。例えば、キメラHAまたはキメラNAは、1つの株からのHAまたはNAの細胞質部分、または細胞質及び膜貫通部分、ならびに別の株からのHAまたはNAの少なくとも細胞外抗原部分を含み得る。このアプローチは、未改変のHAセグメント及び/またはNAセグメントが低収量で産生され得る状況において、HAまたはNAの抗原性部分を含むインフルエンザウイルスを産生するための技術として以前に記載されている。しかし、本発明の方法は、インフルエンザウイルス株の感染によって培養宿主に送達されるビリオンの集団中に存在する配列バリアントが、非キメラHA及び/または非キメラNAを含む遺伝子再集合ウイルスの効率的な産生のための十分な変異をもたらし得るため、キメラHA及び/またはキメラNAセグメントの使用の必要性が回避され得る。
【0067】
したがって、いくつかの実施形態では、HA配列は、非キメラHA配列である。換言すれば、HA配列は、同じインフルエンザ株の細胞質、膜貫通、及び細胞外ドメインを含む。いくつかの実施形態では、NA配列は、非キメラNA配列である。換言すれば、NA配列は、同じインフルエンザ株の細胞質、膜貫通、及び細胞外ドメインを含む。特定のそのような実施形態では、HA配列及び/またはNA配列は非キメラ配列であるが、それは、本明細書に記載されるような他の改変を含み得る。例えば、非キメラHA配列は、ウイルスを高病原性にする決定因子(例えば、HA1/HA2切断部位の周りの高塩基性領域)を除去するように改変され得る。同様に、ワクチン株NAが既存のノイラミニダーゼ阻害剤耐性突然変異を含む場合、非キメラNA配列を改変させて、抗ウイルス性ノイラミニダーゼ阻害剤に対する感受性を付与してもよい。
【0068】
培養宿主に送達されるインフルエンザ遺伝子の数は、本発明の方法で制御することができる。特定の実施形態では、1つ以上の発現構築物は、7つ以下のインフルエンザ遺伝子を含む。7つ以下のインフルエンザ遺伝子を提供することは、古典的遺伝子再集合(8つのセグメントが、第2のインフルエンザウイルス株によって提供される)よりも少ないインフルエンザ遺伝子が培養宿主に提供されることを意味し、したがって本方法によって生成された遺伝子再集合ウイルス中に存在し得る遺伝子配置比の数を減少させるので、有利である。インフルエンザ遺伝子の数をさらに制限することにより、本方法によって生成される遺伝子再集合ウイルス中に存在し得る遺伝子配置比も制限される。したがって、特定の実施形態では、1つ以上の発現構築物は、6つ以下のインフルエンザ遺伝子を含む。他の実施形態では、1つ以上の発現構築物は、5つ以下のインフルエンザ遺伝子を含む。さらなる実施形態では、1つ以上の発現構築物は、4つ以下のインフルエンザ遺伝子を含む。
【0069】
特定の遺伝子配置比を有する遺伝子再集合ウイルスの産生を最大化しようとする場合、より少ないインフルエンザ遺伝子の提供が特に有利であり得る。例えば、1つ以上の発現構築物が、単一のHA遺伝子及び単一のNA遺伝子のみを含む場合、7:1及び6:2ウイルスを産生する可能性が高まる。これは、遺伝子再集合ウイルスの産生のために培養宿主中に存在する唯一のバックボーンセグメントがドナー株に由来するためである。したがって、好ましい実施形態では、1つ以上の発現構築物は、2つ以下のインフルエンザ遺伝子を含む。こうした特定の実施形態では、1つ以上の発現構築物は、1つのHA遺伝子及び1つのNA遺伝子を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、1つ以上の発現構築物は、3つ以下のインフルエンザ遺伝子を含む。これらの実施形態では、1つ以上の発現構築物は、1つのHA遺伝子及び1つのNA遺伝子及び1つのバックボーン遺伝子を含む。バックボーン遺伝子は、PB2、PB1、PA、NP、M、及びNSからなるグループから選択される。好ましくは、バックボーン遺伝子は、PB1である。単一のバックボーンセグメントをHA遺伝子及びNA遺伝子と培養宿主に導入することにより、5:3の遺伝子再集合ウイルスの産生が可能になる。これらの実施形態では、ドナー株からの対応するバックボーンセグメントに対する負の選択は、好ましくは、バックボーンセグメントの転写及び/または翻訳を阻害する剤を使用して実施することができる。特定の実施形態では、RNAi剤が使用される。転写及び/または翻訳を阻害する剤の使用は、バックボーンセグメントが、HA及びNAよりもインフルエンザビリオンの表面上での露出が少なく、したがって、バックボーンセグメントのためにまたはバックボーンセグメントに対する1つ以上の抗体を使用する選択にあまり適していないため、有利である。
【0071】
いくつかの実施形態では、1つ以上の発現構築物は、単一のインフルエンザ遺伝子のみを含む。特定のこのような実施形態では、単一のインフルエンザ遺伝子は、第2のHA遺伝子である。本発明のこの態様は、ドナー株からのNA遺伝子を有する遺伝子再集合ウイルスを産生することが望ましい状況において有用である。培養宿主中に単一の第2のHA遺伝子のみが存在するため、単一のHA遺伝のみを含む1つ以上の発現構築物を使用することにより、7:1の遺伝子再集合ウイルスの産生が増加する。他の実施形態では、単一のインフルエンザ遺伝子は、第2のNA遺伝子である。本発明のこの態様は、ドナー株からのHA遺伝子を有する遺伝子再集合ウイルスを産生することが望ましい状況において有用である。培養宿主中には単一の第2のNA遺伝子のみが存在するため、単一のNA遺伝子のみを含む1つ以上の発現構築物を使用することにより、7:1の遺伝子再集合ウイルスの産生が増加する。本発明のこれらの実施形態は、望ましい特性を有する遺伝子再集合インフルエンザBウイルスが、親インフルエンザB株のNAセグメントを含み得るので、遺伝子再集合インフルエンザBウイルスを産生しようとする場合に、特に有用であり得る。
【0072】
ある特定の実施形態では、培養宿主がドナー株と接触されると同時に、1つ以上の発現構築物が培養宿主に導入される。培養宿主がドナー株と接触されると同時に培養宿主に1つ以上の発現構築物を導入することは、同時送達として記載することもできる。本発明者らは、発現構築物の送達及びドナー株による感染を同時に行うことが、遺伝子再集合インフルエンザウイルスの産生を増強することを見出した。本発明の文脈において、同時とは、5分以内を意味する。結果として、培養宿主をドナー株と接触させ、その後最大5分後までに培養宿主に1つ以上の発現構築物を導入することは、同時に送達されると見なす。
【0073】
一実施形態では、1つ以上の発現構築物の同時送達及び培養宿主とドナー株との接触は、発現構築物及び精製されたドナー株の同時トランスフェクションを含む。特定のこのような実施形態では、1つ以上の発現構築物は、精製された親インフルエンザ株と混合され、当業者に知られている任意のトランスフェクション方法を使用して、宿主細胞に送達される。好適なトランスフェクション法としては、エレクトロポレーション、DEAE-デキストラン、リン酸カルシウム沈殿、リポソーム、マイクロインジェクション、微粒子銃、または他のトランスフェクション試薬が挙げられる。
【0074】
他の実施形態では、培養宿主がドナー株と接触される前に、1つ以上の発現構築物が培養宿主に導入される。他の実施形態では、培養宿主がドナー株と接触された後に、1つ以上の発現構築物が培養宿主に導入される。特定の実施形態では、培養宿主との接触と1つ以上の発現構築物の導入との間の時間差は、10分、20分、30分、40分、50分、60分、90分、120分または180分以下である。他の実施形態では、培養宿主との接触と1つ以上の発現構築物の導入との間の時間差は、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、10時間、12時間、18時間または24時間以下である。特定の実施形態では、培養宿主との接触と1つ以上の発現構築物の導入との間の時間差は、1時間~3時間である。このような時差送達は、同時送達が実用的でない状況では、有利であり得る。
【0075】
培養宿主に導入された1つ以上の発現構築物は、インフルエンザAウイルスHAサブタイプH1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15またはH16を含み得る。それらは、インフルエンザAウイルスNAサブタイプN1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8またはN9を含み得る。培養宿主に導入された1つ以上の発現構築物は、季節性インフルエンザ株からの1つ以上のインフルエンザ遺伝子を含み得る。これらの実施形態では、1つ以上の発現構築物(複数可)は、例えば、H1またはH3サブタイプを有するHAを含み得る。本発明の一実施形態では、1つ以上の発現構築物は、H1N1またはH3N2株であるワクチン株からのインフルエンザ遺伝子を含む。
【0076】
遺伝子再集合ウイルスの産生、選択、及び単離
ドナー株と接触した培養宿主を培養することにより産生され、第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子を含む1つ以上の発現構築物が導入された遺伝子再集合ウイルスは、ドナー株からのインフルエンザ遺伝子及び1つ以上の発現構築物によってコードされる第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子を含む。好ましい実施形態では、ドナー株と接触した培養宿主を培養することにより産生され、第2のHA遺伝子及び第2のNA遺伝子を含む1つ以上の発現構築物が導入された遺伝子再集合ウイルスは、ドナー株からのインフルエンザ遺伝子及び1つ以上の発現構築物によってコードされる第2のHA遺伝子及び第2のNA遺伝子を含む。さらなる実施形態では、ドナー株と接触した培養宿主を培養することにより産生され、第2のHA遺伝子、第2のNA遺伝子、及び第2のバックボーン遺伝子(すなわち、PB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子)を含む1つ以上の発現構築物が導入された遺伝子再集合ウイルスは、ドナー株からのインフルエンザ遺伝子及び1つ以上の発現構築物によってコードされる第2のHA遺伝子、第2のNA遺伝子、及び第2のバックボーン遺伝子を含む。
【0077】
本発明の方法はまた、第2のHA遺伝子(すなわち、ワクチン株のHA遺伝子)を含む遺伝子再集合ウイルスの産生を増強するための選択ステップをさらに含む。選択ステップは、ワクチン株(第2のHA遺伝子)に由来するHAを含む遺伝子再集合ウイルスの選択を向上させる任意の方法を含み得る。いくつかの実施形態では、選択ステップは、遺伝子再集合インフルエンザウイルスを産生するために、培養宿主が培養された後に実施される。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の方法は、以下のステップを含む;(i)培養宿主を、第1の赤血球凝集素(HA)遺伝子及び第1のノイラミニダーゼ(NA)遺伝子を含む親インフルエンザウイルス株と接触させるステップと;(ii)培養宿主に、1つ以上のインフルエンザ遺伝子を含む1つ以上の発現構築物を導入するステップであって、インフルエンザ遺伝子は、第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子を含む、導入するステップと;(iii)遺伝子再集合ウイルスを産生するために培養宿主を培養するステップと;その後、再集合ウイルスが産生された後、(iv)第2のHA遺伝子または第2のNA遺伝子を含む遺伝子再集合ウイルスを選択するステップと、を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、本方法は、選択ステップの前に、培養宿主から遺伝子再集合ウイルスを分離するステップを含む。例えば、特定の実施形態では、遺伝子再集合ウイルスを含む細胞培養上清が、培養宿主から分離され、選択ステップは、遺伝子再集合ウイルスを含む上清上で行われる。
【0079】
いくつかの実施形態では、選択ステップは、ドナー株からのHAを含む遺伝子再集合ウイルスに対する負の選択を含み得る。いくつかの実施形態では、選択ステップは、ワクチン株からのHAを含む遺伝子再集合ウイルスに対する正の選択を含み得る。いくつかの実施形態では、選択ステップは、1つ以上の負の選択ステップ及び1つ以上の正の選択ステップを含む。他の実施形態では、選択ステップは、1つ以上の負の選択ステップを含むが、正の選択ステップを含まない。他の実施形態では、選択ステップは、1つ以上の正の選択ステップを含むが、1つ以上の負の選択ステップを含まない。ワクチン株に由来するHAを含む遺伝子再集合ウイルスの産生を増強するために、1つ以上の負の選択ステップを使用してもよい。同様に、ワクチン株に由来するHAを含む遺伝子再集合ウイルスの産生を増強するために、1つ以上の正の選択ステップを使用してもよい。
【0080】
同様に、ワクチン株に由来する他のセグメントを含む遺伝子再集合ウイルスの産生を増強するために、負及び/または正の選択ステップを使用してもよい。特定の実施形態では、選択ステップは、ワクチン株(第2のNA遺伝子)に由来するNAを含む遺伝子再集合ウイルスの選択を向上させる。好ましい実施形態では、選択ステップは、ワクチン株に由来するHA及びNAを含む遺伝子再集合の選択を向上させる。さらなる実施形態では、選択ステップは、ワクチン株に由来するPB1、PB2、PA、M、NSまたはNPセグメントを含む遺伝子再集合の選択を向上させる。好ましい実施形態では、選択ステップは、ワクチン株のHA、NA、及びPB1、PB2、PA、M、NSまたはNPセグメントからなる群から選択されるバックボーンセグメントを含む再集合ウイルスの選択を向上させる。
【0081】
いくつかの実施形態では、負の選択は、培養宿主を第1のHAタンパク質に対する1つ以上の抗体と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、負の選択は、培養宿主から分離された遺伝子再集合ウイルスを、第1のHAタンパク質に対する1つ以上の抗体と接触させることを含む。特定の実施形態では、負の選択は、この方法によって産生された遺伝子再集合ウイルスを含む細胞培養上清を、第1のHAタンパク質に対する1つ以上の抗体と接触させることを含む。特定の実施形態では、抗体は、第1のHAタンパク質に対する抗血清中に存在する。他の実施形態では、第1のHAタンパク質に対する1つ以上のモノクローナル抗体が、負の選択ステップで使用される。
【0082】
負の選択はまた、ワクチン株のHA遺伝子またはタンパク質と比較して、ドナー株のHA遺伝子またはタンパク質の転写及び/または翻訳を優先的に減少させる阻害剤へ培養宿主を曝露することを含み得る。転写レベルまたは翻訳レベルのいずれかでのドナー株のHA遺伝子またはタンパク質レベルが優先的に減少することは、ワクチン株のHA遺伝子が組み込まれ、増殖する可能性が、それらの相対的な存在量が増加するにしたがって増加するため、ワクチン株のHAを含む遺伝子再集合インフルエンザウイルスの形成に有利に働く。好適な阻害剤は当業者に知られており、他で説明されている[11]。特定の実施形態では、ドナー株のHA遺伝子またはタンパク質の転写及び/または翻訳を優先的に減少させる阻害剤は、短鎖干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、または低分子干渉DNA(siDNA)からなる群から選択される(例えばホスホロチオエートオリゴマー(PSO)またはホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)など)。特定の実施形態では、ドナー株のHA遺伝子またはタンパク質の転写及び/または翻訳を優先的に減少させる2つ以上の阻害剤が使用される。
【0083】
いくつかの実施形態では、本方法は、ワクチン株のHA遺伝子またはタンパク質と比較して、ドナー株のHA遺伝子またはタンパク質の転写及び/または翻訳を優先的に減少させる阻害剤へ培養宿主を曝露することを含まない。
【0084】
好ましい実施形態では、1つ以上の発現構築物は、第2のHA遺伝子及び第2のNA遺伝子を含む。これらの実施形態では、選択ステップは、培養宿主を、第1のHAタンパク質に対する1つ以上の抗体及び/またはNAタンパク質に対する1つ以上の抗体と接触させることを含み得る。特に好ましい実施形態では、抗体は、第1のHA及び/またはNAタンパク質に対する抗血清中に存在する。他の実施形態では、第1のHAタンパク質に対する1つ以上のモノクローナル抗体及び/または第1のNAタンパク質に対する1つ以上のモノクローナル抗体は、負の選択ステップで使用される。
【0085】
特定の実施形態では、1つ以上の発現構築物は、第2のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子を含む。これらの実施形態では、追加のバックボーンセグメント(すなわち、PB1、PB2、PA、M、NSまたはNPセグメント)は、ワクチン株によって培養宿主に提供される。このような実施形態は、第2のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子セグメントを含む遺伝子再集合ウイルスの産生を増強するために、ドナー株の第1のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子に対する負の選択ステップを含み得る。ワクチン株のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子セグメントと比較してドナー株のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子セグメントの転写及び/または翻訳を優先的に減少させる阻害剤を使用した負の選択が好ましい。これは、バックボーンセグメントによってコードされるタンパク質が、HA及びNAタンパク質ほど容易にインフルエンザビリオンの表面の抗体にアクセスできないため、バックボーンセグメントの翻訳または転写を阻害することが、1つ以上の抗体への曝露よりも、負の選択ステップとしてより効果的であるためである。それにもかかわらず、第2のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子セグメントに対する1つ以上の抗体への培養宿主の曝露は、代替的にまたは追加的に、負の選択ステップとして使用され得る。いくつかの実施形態では、本方法は、ワクチン株のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子セグメントと比較して、ドナー株のPB1、PB2、PA、M、NSまたはNP遺伝子セグメントの転写及び/または翻訳を優先的に減少させる阻害剤へ培養宿主を曝露することを含まない。
【0086】
いくつかの実施形態では、正の選択ステップは、培養宿主を第2のHAタンパク質に特異的である1つ以上の抗体と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、正の選択ステップは、培養宿主から分離された遺伝子再集合ウイルスを、第2のHAタンパク質に特異的な1つ以上の抗体と接触させることを含む。特定の実施形態では、正の選択ステップは、この方法によって産生された遺伝子再集合ウイルスを含む細胞培養上清を、第2のHAタンパク質に特異的な1つ以上の抗体と接触させることを含む。このようにして、第2のHA遺伝子を含む遺伝子再集合ウイルスの培養宿主からの正の選択が可能である。好ましい実施形態では、正の選択に使用される1つ以上の抗体は、(例えば、磁気ビーズで)標識されている。標識は、第2のHA遺伝子を含む遺伝子再集合ウイルスのその後の単離を支援する。
【0087】
本発明の方法は、1つ以上の選択ステップを含み得る。例えば、遺伝子再集合ウイルスは、抗血清の存在下で複数回継代され得る。第2のHA遺伝子を含む遺伝子再集合インフルエンザウイルスの選択を向上させるために、複数の選択ステップが実施される。好ましい実施形態では、第2のHA遺伝子を含む遺伝子再集合インフルエンザウイルスの選択を向上させるために、複数の選択ステップが実施される。特定の実施形態では、本方法は、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの負の選択ステップを含む。好ましい実施形態では、本方法は、2つの負の選択ステップを含む。他の好ましい実施形態では、本方法は、3つの負の選択ステップを含む。
【0088】
本発明の方法における1つ以上の発現構築物の使用は、すべてのインフルエンザ遺伝子セグメントが親インフルエンザウイルス株によって提供される場合、培養宿主が、古典的遺伝子再集合において存在するよりも少ない望ましくない配列バリアントまたは準種を含むことを意味する。結果として、本方法は、典型的には、所望の遺伝子再集合ウイルスを産生するために必要とする選択ステップが少ない。選択ステップが少ないことは、古典的遺伝子再集合よりも迅速に遺伝子再集合ウイルスが産生され得ることを意味する。したがって、一実施形態では、本方法は、一つ以下の選択ステップを含む。別の実施形態では、本方法は、2つ以下の選択ステップを含む。さらなる実施形態では、本方法は、3つ以下の選択ステップを含む。選択ステップは、同時に(すなわち同じ時に)、または順次(すなわち次々に)実施されてもよい。
【0089】
選択ステップを使用して、特定の遺伝子配置比を有するウイルスを選択してもよい。例えば、単一の遺伝子の選択ステップはまたは単一の遺伝子に対する選択ステップは、7:1ウイルスの産生を増加させるためにのみ使用できる。特定の実施形態では、負の選択は、単一のインフルエンザセグメントに対するものである。特定の実施形態では、負の選択は、HA遺伝子のみに対するものである。他の実施形態では、負の選択は、NA遺伝子のみに対するものである。同様に、6:2の遺伝子再集合ウイルスの産生を増加させようとする場合、負の選択は、2つのインフルエンザセグメントに対するものである。これらの実施形態では、選択は、典型的には、ドナー株からのHA及びNAセグメントに対する負の選択である。
【0090】
いくつかの実施形態では、選択ステップは、本方法の第1のステップで使用されるのと同じ培養宿主中で実施される。他の実施形態では、選択ステップは、異なる培養宿主中で実施される。これらの実施形態では、本方法のステップ(iii)で産生されるウイルスは、第1の培養宿主から第2の培養宿主に移され、そこで1つ以上の負の選択ステップが実施される。第1の培養宿主及び第2の培養宿主は、同じであっても異なっていてもよい。一実施形態では、第1の培養宿主は、細胞であり、第2の培養宿主は、発育鶏卵である。
【0091】
本発明の方法は、特定のクラスの遺伝子再集合ウイルスを単離することができる遺伝子再集合ウイルスのプールを産生する。逆遺伝学技術では産生されるバリアントが少なくなり、ウイルスの多様性が低下するため、これにより、逆遺伝学によって提供されるよりも、ウイルスの特定の特性を選択する高い能力がもたらされる。特定の遺伝子再集合インフルエンザウイルスの単離は、有利な特性を有する遺伝子再集合ウイルスをさらなる処理のために選択できることを意味する。例えば、高い成長特性を有し、流行インフルエンザ株のHA及びNAを含む遺伝子再集合ウイルスを、ワクチン製造におけるシードウイルスとして使用するために単離することができる。したがって、本発明の方法は、第2のHA遺伝子及び第2のNA遺伝子を含む遺伝子再集合インフルエンザウイルスを単離するステップをさらに含み得る。
【0092】
特定の実施形態では、本方法は、遺伝子再集合インフルエンザAウイルスまたはインフルエンザA HAを有する遺伝子再集合ウイルスを産生する。いくつかの実施形態では、本方法は、遺伝子再集合インフルエンザAウイルスまたはインフルエンザA HA及びNAを有する遺伝子再集合ウイルスを産生する。ワクチンシードウイルスの分析では、インフルエンザAシードウイルスの95%が、遺伝子配置比6:2または5:3を有することを示している。したがって、本発明の方法は、制限された数のバックボーンセグメントを提供し、それによって6:2または5:3の遺伝子再集合ウイルスを生成する可能性を高めるので、インフルエンザAシードウイルスの生成に特に効果的である。
【0093】
本発明の方法によって産生される遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、インフルエンザAウイルスHAサブタイプH1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15またはH16を含み得る。これらの遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、インフルエンザAウイルスNAサブタイプN1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8またはN9を含み得る。本発明の遺伝子再集合インフルエンザウイルス中で使用されるワクチン株が、季節性インフルエンザ株である場合、ワクチン株は、H1またはH3サブタイプを有し得る。本発明の一態様では、ワクチン株は、H1N1またはH3N2株である。
【0094】
他の実施形態では、本方法は、遺伝子再集合インフルエンザBウイルスまたはインフルエンザB HAを有する遺伝子再集合ウイルスを生成する。いくつかの実施形態では、本方法は、遺伝子再集合インフルエンザBウイルスまたはインフルエンザB HA及びNAを有する遺伝子再集合ウイルスを産生する。インフルエンザBウイルス中の遺伝子配置比は、多様性が高く、予測が困難である。本発明の方法は、それらが遺伝子再集合インフルエンザBウイルスの遺伝子配置比の改善された制御を提供するので有利である。本発明の方法によって産生される遺伝子再集合インフルエンザウイルスは、インフルエンザB株のHAセグメントを含み得る。
【0095】
特定の実施形態では、本発明の方法は、パンデミック株または潜在的パンデミック株をベースにした遺伝子再集合インフルエンザウイルスを産生するために使用される。特定の実施形態では、遺伝子再集合ウイルスは、パンデミック株または潜在的パンデミック株からのHAを含む。パンデミックの発生を引き起こす可能性を与えるインフルエンザ株の特徴は、以下のとおりである:(a)現在流行しているヒト株の赤血球凝集素と比較して新しい赤血球凝集素を含む、すなわち、10年ヒト集団で明らかにされなかった(例えば、H2)、または以前はヒト集団でまったく見られなかった(例えば、H5、H6またはH9、これは一般にトリの集団中でのみ見られる)ため、ヒト集団は、免疫学的にこの株の赤血球凝集素に対してナイーブである;(b)ヒト集団中で水平に伝染され得る;(c)ヒトに対して病原性がある。特定の実施形態では、本発明の方法は、H5赤血球凝集素型を含む遺伝子再集合インフルエンザウイルスを産生する。H5N1株などのパンデミックインフルエンザに対する免疫のためのワクチン中に遺伝子再集合ウイルスが使用される場合、H5赤血球凝集素型が好ましい。他の可能性のある株としては、H5N3、H9N2、H2N2、H7N1、H7N7、及び他の新たに発生する可能性のあるパンデミック株が挙げられる。本発明は、非ヒト動物集団からヒトに広がる可能性がある、または広がった潜在的パンデミックウイルス株、例えばブタ由来のH1N1インフルエンザ株から保護するためのワクチン中で使用するための遺伝子再集合ウイルスを産生するのに好適である。
【0096】
培養宿主
本発明の方法で使用するための培養宿主は、発育鶏卵または細胞であり得る。好ましい実施形態では、培養宿主は、細胞培養物である。
【0097】
インフルエンザウイルスを成長させるための1つの方法は、特定病原体除去(SPF)発育鶏卵を使用し、卵の内容物(尿膜液)にウイルスを接種して成長させ、精製する。インフルエンザウイルスは、動物細胞培養中でも成長する可能性があり、複製の正確さ、速度、及び患者のアレルギーの理由から、この成長方法が好ましい。卵ベースのウイルス成長が使用される場合、1つ以上のアミノ酸がウイルスと一緒に卵の尿膜液に導入されてもよい[42]。
【0098】
細胞を使用する場合、本発明は典型的には、細胞株を使用するが、例えば、一次細胞を代替として使用してもよい。細胞は、典型的には、哺乳動物である。発生源の好適な哺乳動物細胞としては、これらに限定されないが、ハムスター、ウシ、霊長目(ヒト及びサルなど)及びイヌ細胞が挙げられる。腎臓細胞、線維芽細胞、網膜細胞、肺細胞など、様々な細胞型が使用され得る。好適なハムスター細胞の例は、BHK21またはHKCCという名前を有する細胞株である。好適なサル細胞は、例えば、アフリカミドリザル細胞(例えばVero細胞株のような腎細胞など)である[12-14]。好適なイヌの細胞は、例えば、CLDK及びMDCK細胞株のような腎臓細胞である。したがって、好適な細胞株は、これらに限定されないが、MDCK;CHO;293T;BHK;Vero;MRC-5;PER.C6;WI-38などが挙げられる。インフルエンザウイルスの成長に好ましい哺乳動物細胞株としては、マディンダービーイヌ腎臓由来のMDCK細胞[15-18];アフリカミドリザル(Cercopithecus aethiops)の腎臓由来のVero細胞[12-14];またはヒト胚性網膜芽細胞由来のPER.C6細胞[19]が挙げられる。これらの細胞株は、例えば、American Type Cell Culture(ATCC)Collection[20]、Coriell Cell Repositories[21]、またはEuropean Collection of Cell Cultures(ECACC)から広く入手可能である。例えば、ATCCは、カタログ番号CCL-81、CCL-81.2、CRL-1586、及びCRL-1587で、様々な異なるVero細胞を提供し、カタログ番号CCL-34でMDCK細胞を提供する。PER.C6は、ECACCから寄託番号96022940で入手可能である。哺乳動物細胞株の好適性の低い代替物として、ウイルスは、アヒル(例えば、アヒルの網膜)または鶏(例えば、ニワトリ胚線維芽細胞(CEF))などに由来する細胞株など、鳥類細胞株で成長させ得る[例えば、参考文献22-24]。例としては、鳥類の胚性幹細胞が挙げられ[22,25]、ニワトリ胚性幹細胞由来のEBx細胞株、EB45、EB14、及びEB14-074[26]が含まれる。EB66は、好ましい細胞株である。
【0099】
本発明で使用するのに特に好ましい細胞は、マディンダービーイヌ腎臓由来のMDCK細胞[15~1618]である。元のMDCK細胞は、ATCCからCCL-34として入手可能である。MDCK細胞の派生体も、使用され得る。例えば、参考文献15は、浮遊培養での成長に適合したMDCK細胞株(「MDCK 33016」、DSM ACC2219として寄託)を開示している。同様に、参考文献27は、無血清培養の浮遊状態で成長するMDCK由来細胞株(「B-702」、FERM BP-7449として寄託)を開示している。参考文献28は、「MDCK-S」(ATCC PTA-6500)、「MDCK-SF101」(ATCC PTA-6501)、「MDCK-SF102」(ATCC PTA-6502)及び「MDCK-SF103’(PTA-6503)」など、非腫瘍形成性MDCK細胞を開示している。参考文献29は、「MDCK.5F1」細胞(ATCC CRL-12042)など、感染に対して高い感受性を有するMDCK細胞株を開示している。これらのMDCK細胞株のいずれかが使用され得る。
【0100】
MDCK細胞などの細胞株での成長の場合、ウイルスは、浮遊培養中[15,30,31]または接着培養中の細胞で成長し得る。浮遊培養に好ましいMDCK細胞株の1つは、MDCK33016(DSM ACC 2219として寄託)である。代替として、マイクロキャリア培養を使用することができる。
【0101】
インフルエンザウイルスの複製を維持する細胞株は、無血清培地及び/または無タンパク質培地で成長させることが好ましい。培地は、ヒトまたは動物源の血清からの添加物を含まない場合、本発明の文脈では無血清培地と呼ばれる。無タンパク質とは、タンパク質、成長因子、他のタンパク質添加物、及び非血清タンパク質を含まず、細胞の増殖が起こる培養物を意味すると理解されるが、ウイルスの成長に必要であり得るトリプシンまたは他のプロテアーゼなどのタンパク質を任意で含めることができる。そのような培養中で成長する細胞は、自然にタンパク質自体を含む。
【0102】
インフルエンザウイルス複製を維持する細胞株は、例えばウイルス複製中に、好ましくは37℃未満で[33](例えば、30~36℃、または約30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃で)成長させる。
【0103】
ウイルスが細胞株上で成長する場合、成長培養物、及び培養を開始するために使用されるウイルス接種物は、好ましくは、単純ヘルペスウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザウイルス3、SARSコロナウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、レオウイルス、ポリオマウイルス、ビルナウイルス、サーコウイルス、及び/またはパルボウイルスを含まない(すなわち、混入について試験され、これによって陰性結果が得られる)[32]。
【0104】
ウイルスを哺乳動物細胞株上で成長させた場合、組成物は、有利には、卵タンパク質(例えば、卵白アルブミン及びオボムコイド)及びニワトリDNAを含まず、それによりアレルギー誘発性が低下する。アレルゲンの回避は、Th2応答を最小限に抑えるのに有用である。本発明の方法において細胞を培養宿主として使用する場合、細胞培養条件(例えば、温度、細胞密度、pH値など)は、用いられる細胞株及びインフルエンザウイルスによって広範囲にわたって変動し、用途の要件に適合させ得ることが知られている。したがって、以下の情報は、単なるガイドラインを示す。
【0105】
細胞の増殖は、当業者に知られている方法に従って実施することができる。例えば、細胞は、遠心分離またはろ過などの通常の支持方法を使用して、灌流システム内で培養させ得る。さらに、細胞は、感染前に流加培養システムにおいて本発明に従って増殖させ得る。本発明の文脈において、培養システムは、流加システムと呼ばれ、本システムでは、細胞が最初にバッチシステム内で培養され、培地中の栄養素(または栄養素の一部)の枯渇が、濃縮栄養素が制御して供給されることによって補償される。感染前の細胞の増殖中、培地のpH値をpH6.6~pH7.8の値、特にpH7.2~pH7.3の値に調整することが有利であり得る。細胞の培養は、30~40℃の温度で行うことが好ましい。インフルエンザウイルスに感染後、細胞は、好ましくは、30℃~36℃または32℃~34℃、または約33℃の温度で培養される。この温度範囲内で感染細胞をインキュベートすることにより、ウイルスが産生され、ワクチン中に配合された場合に有効性が向上することが示されているため、これは特に好ましい[33]。
【0106】
酸素分圧は、感染前の培養中に、好ましくは25%~95%の値で、特に35%~60%の値で調整することができる。本発明の文脈で記載されている酸素分圧の値は、空気の飽和に基づく。細胞の感染は、バッチシステムでは好ましくは約8~25x105細胞/mL、灌流システムでは好ましくは約5~20x106細胞/mLの細胞密度で起こる。細胞は、10-8~10、好ましくは0.0001~0.5のウイルス用量(MOI値、「感染多重度」、感染時の細胞あたりのウイルスユニット数に対応)で感染し得る。
【0107】
本発明による方法は、ウイルスまたはウイルスによって生成されるタンパク質の収集及び単離を含むことができる。ウイルスまたはタンパク質の単離中、細胞は、分離、ろ過、または限外ろ過などの標準方法によって培養培地から分離される。次に、ウイルスまたはタンパク質は、勾配遠心分離、ろ過、沈殿、クロマトグラフィーなどの当業者に知られている方法に従って濃縮され、次いで精製される。ウイルスは、精製中または精製後に不活化されることが好ましい。ウイルスの不活化は、例えば、精製プロセス内の任意の時点で、β-プロピオラクトンまたはホルムアルデヒドによって行い得る。
【0108】
宿主細胞のDNA
ウイルスが細胞株上で単離及び/または成長している場合、DNAの任意の潜在的な発がん活性を最小限に抑えるために、最終ワクチン中の残存細胞株DNAの量を最小限に抑えることが標準的な実施である。
【0109】
したがって、本発明に従って調製されたワクチン組成物は、微量の宿主細胞DNAが存在し得るが、好ましくは、用量あたり10ng未満(好ましくは1ng未満、より好ましくは100pg未満)の残存宿主細胞DNAを含む。
【0110】
任意の残存する宿主細胞DNAの平均長は、500bp未満、例えば、400bp未満、300bp未満、200bp未満、100bp未満などであることが好ましい。
【0111】
混入DNAは、クロマトグラフィーなどの標準的精製手順を使用して、ワクチン調製中に除去できる。残存宿主細胞DNAの除去は、例えば、DNaseを用いることによって、ヌクレアーゼ処理によって強化され得る。宿主細胞のDNA混入を減少させるための簡便な方法は、参考文献34及び35に開示されており、最初にウイルス成長中に使用され得るDNase(例えば、Benzonase)を使用し、次にビリオンの破壊中に使用され得るカチオン性洗浄剤(例えば、CTAB)を使用する2段階処理を伴う。β-プロピオラクトンなどのアルキル化剤による処理は、宿主細胞のDNAを除去するためにも使用でき、ビリオンを不活化するためにも有利に使用され得る[36]。
【0112】
ワクチン
本発明は、ワクチンを製造するための方法に従って製造されたウイルスを利用する。
インフルエンザワクチンは通常、生ウイルスまたは不活化ウイルスのいずれかに基づく。不活化ワクチンは、全ビリオン、「スプリット」ビリオン、または精製された表面抗原に基づいてもよい。抗原は、ビロソームの形態で提示され得る。本発明は、これらの種類のワクチンのいずれかを製造するために使用することができる。
【0113】
不活化インフルエンザウイルスが使用される場合、ワクチンは、全ビリオン、スプリットビリオン、または精製された表面抗原(赤血球凝集素を含み、通常、ノイラミニダーゼも含む)を含み得る。ウイルスを不活化するための化学的手段としては、有効量の次の剤の1つ以上による処理が挙げられる:洗浄剤、ホルムアルデヒド、β-プロピオラクトン、メチレンブルー、ソラレン、カルボキシフラーレン(C60)、二級エチルアミン、アセチルエチレンイミン、またはそれらの組み合わせ。例えば、UV光またはガンマ線照射など、ウイルス不活化の非化学的方法が、当技術分野で知られている。
【0114】
ビリオンは、様々な方法によって、尿膜液または細胞培養上清などのウイルス含有液から採取できる。例えば、精製プロセスには、線形ショ糖勾配溶液(任意によりビリオンを破壊するための洗浄剤を含む)を使用したゾーン遠心分離またはアフィニティークロマトグラフィー法を含んでもよい。次に、抗原は、任意の希釈後、透析ろ過によって精製され得る。
【0115】
スプリットビリオンは、精製ビリオンを洗浄剤(例えば、エチルエーテル、ポリソルベート80、デオキシコレート、リン酸トリ-N-ブチル、Triton(登録商標)X-100、Triton(登録商標)N101、臭化セチルトリメチルアンモニウム、Tergitol NP9など)で処理して、サブビリオン調製物を産生することによって得られる(「Tween(登録商標)エーテル」分割プロセスを含む)。例えば、インフルエンザウイルスを分割する方法は、当技術分野でよく知られている。例えば、参考文献37~42などを参照されたい。ウイルスの分割は、典型的には、感染性または非感染性にかかわらず、破壊可能な濃度の分割剤を用いて、ウイルス全体を破壊または断片化することによって行われる。このような破壊により、ウイルスタンパク質の完全または部分的な可溶化がもたらされ、ウイルスの完全性が変化する。好ましい分割剤は、非イオン性及びイオン性(例えば、カチオン性)界面活性剤、例えば、アルキルグリコシド、アルキルチオグリコシド、アシル糖、スルホベタイン、ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、N,N-ジアルキル-グルカミド、ヘカメグ、アルキルフェノキシ-ポリエトキシエタノール、NP9、第四級アンモニウム化合物、サルコシル、CTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)、トリ-N-ブチルホスフェート、セタブロン、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、リポフェクチン、リポフェクタミン、及びDOT-MA、オクチルまたはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、Triton(登録商標)X-100またはTriton(登録商標)N101などのTriton(登録商標)界面活性剤)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween(登録商標)界面活性剤)、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステルなどである。1つの有用な分割手順では、デオキシコール酸ナトリウム及びホルムアルデヒドの連続的効果を用いて、分割が、初期のビリオン精製中に(例えば、スクロース密度勾配溶液中で)生じ得る。したがって、分割プロセスには、ビリオン含有材料の清澄化(非ビリオン材料を除去するため)、回収したビリオンの濃縮(例えば、CaHPO4吸着などの吸着方法を使用)、非ビリオン材料からのビリオン全体の分離、密度勾配遠心分離ステップにおいて分割剤を使用するビリオンの分割(例えば、デオキシコール酸ナトリウムなどの分割剤を含むスクロース勾配を使用)、次にろ過(例えば、限外ろ過)を行って、不要材料を除去することが含まれる。スプリットビリオンは、リン酸ナトリウム緩衝等張塩化ナトリウム溶液に有効に再懸濁することができる。スプリットインフルエンザワクチンの例は、BEGRIVAC(商標)、FLUARIX(商標)、FLUZONE(商標)及びFLUSHIELD(商標)などの製品である。
【0116】
精製インフルエンザウイルス表面抗原ワクチンは、表面抗原である赤血球凝集素、及び典型的にはノイラミニダーゼも含む。これらのタンパク質を精製された形態で調製するためのプロセスは、当技術分野で周知である。FLUVIRIN(商標)、AGRIPPAL(商標)及びINFLUVAC(商標)製品は、インフルエンザサブユニットワクチンである。
【0117】
不活化抗原の別の形態は、ビロソーム[43](無核酸ウイルス様リポソーム粒子)である。ビロソームは、洗浄剤によるウイルスの可溶化後、ヌクレオカプシドを除去し、ウイルス糖タンパク質を含む膜を再構成することによって調製することができる。ビロソームを調製するための代替法は、ウイルス膜糖タンパク質を過剰量のリン脂質に加えて、それらの膜中にウイルスタンパク質を有するリポソームを得ることを含む。
【0118】
本発明の方法はまた、生ワクチンを産生するために使用され得る。このようなワクチンは通常、ビリオン含有液体からビリオンを精製することによって調製される。例えば、この液体は、遠心分離によって清澄化され、緩衝液(例えば、ショ糖、リン酸カリウム、及びグルタミン酸一ナトリウムを含む)で安定化され得る。現在、様々な形態のインフルエンザウイルスワクチンが利用可能である(例えば、参考文献44の第17章及び第18章を参照されたい)。生ウイルスワクチンには、MedImmuneのFLUMIST(商標)製品(3価の生ウイルスワクチン)が含まれる。
【0119】
ウイルスは、弱毒化され得る。ウイルスは、温度感受性であり得る。ウイルスは、低温適合性であり得る。これらの3つの機能は、生ウイルスを抗原として使用する場合に特に有用である。
【0120】
HAは、現在の不活化インフルエンザワクチンの主要な免疫原であり、ワクチン用量は、典型的には、SRIDによって測定されるHAレベルを参照することによって標準化される。既存のワクチンには、典型的には、株あたり約15μgのHAが含まれるが、例えば、小児、パンデミック状況、またはアジュバントを使用する場合は、より低用量が使用され得る。より高い用量(例えば、3倍または9倍の用量[45,46])と同様に、1/2(すなわち、株あたり7.5μgHA)、1/4及び1/8などの部分用量が使用されている。したがって、ワクチンには、インフルエンザ株あたり0.1~150μgのHA、好ましくは0.1~50μg、例えば、0.1~20μg、0.1~15μg、0.1~10μg、0.1~7.5μg、0.5~5μgなどが含まれ得る。特定の用量としては、株あたり約45、約30、約15、約10、約7.5、約5、約3.8、約3.75、約1.9、約1.5などが挙げられる。
【0121】
生ワクチンの場合、用量は、HA含有量ではなく組織培養感染量の中央値(TCID50)によって測定され、株あたり106~108(好ましくは106.5~107.5)のTCID50が一般的である。
【0122】
本発明の組成物は、パンデミック間期の株に対する免疫化に好適であり、かつ、パンデミック株またはパンデミックの可能性のある株に対する免疫化にも有用であり得る。本発明は、ヒトならびに非ヒト動物にワクチン接種するのに好適である。
【0123】
抗原を組成物中に有効に含めることができる他の株は、耐性パンデミック株[48]を含む、抗ウイルス療法に耐性のある(例えば、オセルタミビル[47]及び/またはザナミビルに耐性がある)株である。
【0124】
本発明の組成物(例えば、本発明に従って産生されたワクチン)は、インフルエンザAウイルス及び/またはインフルエンザBウイルスなど、1つ以上(例えば、1、2、3、4またはそれ以上)のインフルエンザウイルス株からの抗原(複数可)を含み得る。ワクチンにインフルエンザの2つ以上の株が含まれている場合、異なる株を別々に成長させてもよく、ウイルスを回収して抗原を調製した後に混合させる。したがって、本発明のプロセスは、2つ以上のインフルエンザ株からの抗原を混合するステップを含み得る。2つのインフルエンザAウイルス株及び1つのインフルエンザBウイルス株からの抗原など、3価ワクチンが典型的である。2つのインフルエンザAウイルス株及び2つのインフルエンザBウイルス株、または3つのインフルエンザAウイルス株及び1つのインフルエンザBウイルス株からの抗原など、4価ワクチンも有用である[49]。
【0125】
医薬組成物
本発明に従って製造されたワクチン組成物は、薬学的に許容される。それらは通常、抗原に加えて成分を含み、例えば、それらは典型的には、1つ以上の医薬担体及び/または賦形剤を含む。「薬学的に許容される担体」としては、それ自体が、組成物を受け取る個体に有害な抗体の産生を誘発しない任意の担体が含まれる。好適な担体は、典型的には、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸コポリマー、スクロース、トレハロース、ラクトース、及び脂質凝集体(油滴またはリポソームなど)などの大きく、ゆっくりと代謝される高分子である。そのような担体は、当業者によく知られている。組成物はまた、水、生理食塩水、グリセロールなどの薬学的に許容される希釈剤を含み得る。さらに、湿潤剤または乳化剤などの補助物質、pH緩衝物質などが存在し得る。滅菌パイロジェンフリー・リン酸緩衝生理食塩水が典型的な担体である(このような成分の詳細な説明は、参考文献50で入手可能である)。以下に記載のとおり、アジュバントも含まれ得る。
【0126】
ワクチン組成物は一般に、水性形態である。しかし、一部のワクチンは、例えば、注射可能な固形物またはパッチ上の乾燥または重合された調製物の形態などの乾燥形態であり得る。
【0127】
ワクチン組成物は、チオメルサールまたは2-フェノキシエタノールなどの防腐剤を含み得る。しかし、ワクチンは、水銀材料を実質的に含まない(すなわち5μg/ml未満)、例えばチオメルサール不含であることが好ましい[41,51]。水銀を含まないワクチンがより好ましい。コハク酸α-トコフェロールは、水銀化合物の代替として含めることができる[41]。防腐剤を含まないワクチンが特に好ましい。
【0128】
張性を制御するために、ナトリウム塩などの生理的塩を含めることが好ましい。塩化ナトリウム(NaCl)が好ましく、1~20mg/mlで存在し得る。存在し得る他の塩には、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二ナトリウム二水和物、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどが含まれる。
【0129】
ワクチン組成物は、概して、200mOsm/kg~400mOsm/kg、好ましくは240~360mOsm/kg、より好ましくは290~310mOsm/kgの範囲内の浸透圧を有する。浸透圧は、ワクチン接種によって引き起こされる痛みに影響を有さないことが以前に報告されているが[52]、それでも浸透圧をこの範囲に維持することが好ましい。
【0130】
ワクチン組成物は、1種以上の緩衝液を含み得る。典型的な緩衝液としては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液、コハク酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液(特に水酸化アルミニウムのアジュバントを含むもの)、またはクエン酸緩衝液が挙げられる。緩衝液は、典型的に、5~20mMの範囲で含まれる。
【0131】
ワクチン組成物のpHは概して、5.0~8.1、より典型的には6.0~8.0、例えば6.5~7.5、または7.0~7.8である。したがって、本発明のプロセスは、パッケージングする前にバルクワクチンのpHを調整するステップを含み得る。
【0132】
ワクチン組成物は、好ましくは無菌である。ワクチン組成物は、好ましくは非発熱性でもあり、例えば1用量当たり<1EU(エンドトキシン単位、標準規格)、例えば1用量当たり<0.1EUを含む。ワクチン組成物は、好ましくはグルテンを含まない。
【0133】
本発明のワクチン組成物は、特にスプリットまたは表面抗原ワクチンの場合、洗浄剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(「Tween(登録商標)」として知られる)、オクトキシノール(オクトキシノール-9(Triton(登録商標) X-100)またはt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(「CTAB」)、またはデオキシコール酸ナトリウムを含み得る。洗浄剤は、微量でのみ存在し得る。したがって、ワクチンには、オクトキシノール-10及びポリソルベート80のそれぞれが1mg/ml未満含まれていてもよい。微量の他の残留成分は、抗生物質(例えば、ネオマイシン、カナマイシン、ポリミキシンB)であり得る。
【0134】
ワクチン組成物は、単回免疫用の材料を含んでもよいし、または複数回免疫用の材料を含んでもよい(すなわち「複数用量」キット)。防腐剤の含有は、複数用量の構成で好ましい。複数用量組成物中に防腐剤を含めることの代替として(またはそれに加えて)、本組成物は、材料を取り出すための無菌アダプターを有する容器に収容されてもよい。
【0135】
インフルエンザワクチンは、典型的には約0.5mlの投与量で投与されるが、小児には半分の用量(すなわち約0.25ml)を投与してもよい。
【0136】
組成物及びキットは、好ましくは2℃~8℃で保存される。これらは凍結されてはならない。直射日光を避けることが理想的である。
【0137】
アジュバント
本発明の組成物(例えば、本発明に従って産生されたワクチン)は、組成物を受け取る対象において誘発される免疫応答(体液性及び/または細胞性)を増強するように機能し得るアジュバントを有利に含み得る。
【0138】
アジュバントは、インフルエンザ抗原とうまく作動することが示されているので、好ましくは水中油型エマルジョンアジュバントである。
【0139】
水中油型エマルジョンアジュバント
水中油型エマルジョンは、インフルエンザウイルスワクチンのアジュバント添加での使用に特に好適であることが見出されている。様々なそのようなエマルジョンが知られており、それらは典型的には、少なくとも1つの油及び少なくとも1つの界面活性剤を含み、油(複数可)及び界面活性剤(複数可)は、生分解性(代謝可能)及び生体適合性である。エマルジョン中の油滴は一般に直径5μm未満であり、サブミクロンの直径を有し得る。これらの小さいサイズは、安定したエマルジョンを提供するためにマイクロフルイダイザーで達成される。平均サイズが220nm未満の液滴は、フィルタ滅菌を行うことができるため、好ましい。
【0140】
好ましい実施形態では、水中油型エマルジョンは均一である。均一エマルジョンは、その中に分散された液滴(粒子)の大部分が指定されたサイズ範囲(例えば、直径)内にあることを特徴とする。好適な指定されたサイズ範囲は、例えば、50~220nm、50~180nm、80~180nm、100~175nm、120~185nm、130~190nm、135~175nm、150~175nmであり得る。いくつかの実施形態では、均一エマルジョンは、指定された直径の範囲外にある液滴(粒子)を10%以下の数で含む。いくつかの実施形態では、水中油型エマルジョン調製物中の油滴の平均粒子サイズは、動的光散乱によって測定される場合、135~175nm、例えば、155nm±20nmであり、そのような調製物は、光学粒子センシングによって測定される場合、調製物の1mLあたり1x107以下の大きい粒子を含む。本明細書で使用される「大きい粒子」とは、1.2μmより大きい、典型的には1.2~400μmである直径を有する粒子を意味する。好ましい実施形態では、均一なエマルジョンは、好ましいサイズ範囲外にある液滴を10%未満、5%未満、または3%未満含む。いくつかの実施形態では、水中油型エマルジョン調製物中の粒子の平均液滴サイズは、125~185nm、例えば、約130nm、約140nm、約150nm、約155nm、約160nm、約170nm、または約180nmであり、水中油型エマルジョンは、調製物中の液滴数の5%未満が125~185nmの範囲外にあるという点で均一である。
【0141】
本発明は、動物(魚など)または植物源からの油などの油と共に使用することができる。植物油の供給源としては、ナッツ、種子、及び穀物が挙げられる。ピーナッツ油、大豆油、ココナッツ油、及びオリーブ油は、最も一般的に入手可能であり、例としては、ナッツ油である。例えばホホバ豆から得られたホホバオイルを使用可能である。種子油としては、ベニバナ油、綿実油、ヒマワリ種子油、ゴマ種子油などが挙げられる。穀物群では、コーン油が最も容易に入手可能であるが、小麦、オート麦、ライ麦、米、テフ、ライコムギなどの他の穀物の油も使用できる。グリセロール及び1,2-プロパンジオールの6~10炭素脂肪酸エステルは、種子油中には自然に存在しないが、ナッツ油及び種子油から出発する適切な材料の加水分解、分離、及びエステル化によって調製され得る。哺乳動物の乳からの油脂は代謝可能であり、したがって本発明の実施に使用されてもよい。動物源から純粋な油を得るために必要な分離、精製、鹸化及び他の手段の手順は、当技術分野において周知である。ほとんどの魚には代謝可能な油が含まれており、これらは、容易に回収され得る。例えば、タラ肝油、サメ肝油、及び鯨蝋などの鯨油は、本明細書で使用され得る魚油のいくつかを例示している。複数の分岐鎖油は、5炭素イソプレンユニットで生化学的に合成され、一般にテルペノイドと呼ばれる。サメ肝油は、スクアレン、2,6,10,15,19,23-ヘキサメチル-2,6,10,14,18,22-テトラコサヘキサエンとして知られる分岐不飽和テルペノイドを含み、これは本明細書中で特に好ましい。スクアレンの飽和類似体であるスクアランも好ましい油である。スクアレン及びスクアランなどの魚油は、商業的供給源から容易に入手可能であるか、または当技術分野で知られている方法によって得ることができる。他の好ましい油は、トコフェロールである(下記参照)。油の混合物を使用することができる。
【0142】
界面活性剤は、「HLB」(親水性物質/親油性物質のバランス)によって分類できる。本発明の好ましい界面活性剤は、少なくとも10、好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも16のHLBを有する。本発明は、以下を含むがこれらに限定されない界面活性剤と共に使用することができる:ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(一般にTween(登録商標)と呼ばれる)、特にポリソルベート20及びポリソルベート80;DOWFAX(商標)の商品名で販売されているエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、及び/またはブチレンオキシド(BO)の共重合体、例えば、線状EO/POブロック共重合体;繰り返しエトキシ(オキシ-1,2-エタンジイル)基の数が異なり得るオクトキシノール、オクトキシノール-9(Triton(登録商標)X-100、またはt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)が特に重要である;(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA-630/NP-40);ホスファチジルコリン(レシチン)などのリン脂質;トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij30)などのラウリル、セチル、ステアリル及びオレイルアルコール(Brij界面活性剤として知られている)由来のポリオキシエチレン脂肪エーテル;及びソルビタントリオレエート(Span(登録商標)85)及びソルビタンモノラウレートなどのソルビタンエステル(一般にSPAN(登録商標)として知られている)。非イオン性界面活性剤が好ましい。エマルジョンに含めるのに好ましい界面活性剤は、Tween(登録商標)80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、Span(登録商標)85(ソルビタントリオレエート)、レシチン、及びTriton(登録商標)X-100である。
【0143】
界面活性剤の混合物、例えば、Tween(登録商標)80/Span(登録商標)85混合物を使用可能である。ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)などのポリオキシエチレンソルビタンエステルとt-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(Triton(登録商標)X-100)などのオクトキシノールの組み合わせも好適である。別の有用な組み合わせは、ラウレス9とポリオキシエチレンソルビタンエステル及び/またはオクトキシノールを含む。
界面活性剤の好ましい量(重量%)は、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween(登録商標)80など)0.01~1%、特に約0.1%;オクチルまたはノニルフェノキシポリオキシエタノール(Triton(登録商標) X-100、またはTriton(登録商標)シリーズの他の洗浄剤など)0.001~0.1%、特に0.005~0.02%;ポリオキシエチレンエーテル(ラウレス9など)0.1~20%、好ましくは0.1~10%、特に0.1~1%または約0.5%である。
【0144】
最も好ましい水中油型エマルジョンは、スクアレン含有水中油型エマルジョン、好ましくはサブミクロンスクアレン含有水中油型エマルジョンである。
【0145】
本発明で有用な特定の水中油型エマルジョンとしては、これらに限定されないが以下が挙げられ、これらのうち、スクアレン含有エマルジョンが好ましい:
【0146】
スクアレン、ポリソルベート80、及びソルビタントリオレエートのサブミクロンエマルジョン。エマルジョンは、水相にクエン酸イオン、例えば、10mMクエン酸ナトリウム緩衝液を含み得る。エマルジョンは、3.2~4.6mg/mlのスクアレン、4.1~5.3mg/mlのポリソルベート80、及び4.1~5.3mg/mlのソルビタントリオレエートを含み得る。エマルジョンの体積組成は、スクアレン約4.6%、ポリソルベート80約0.45%、及びソルビタントリオレエート約0.5%であり得る。「MF59」として知られるアジュバント[53,54,55]は、参考文献56の第10章及び参考文献57の第12章でより詳細に説明されている。スクアレン、ポリソルベート80、及びソルビタントリオレエートは、重量比9750:1175:1175で存在し得る。スクアレン約39mg/mL、ポリソルベート80約4.7mg/mL、及びソルビタントリオレエート約4.7mg/mLの濃度が典型的である。多分散度が0.2未満の、155~185nmのZ平均液滴サイズが好ましい。
【0147】
スクアレン、トコフェロール(特に、DL-α-トコフェロール)、及びポリソルベート80を含むエマルジョン。本エマルジョンは、リン酸緩衝生理食塩水を含み得る。これらのエマルジョンは、スクアレン2~10体積%、トコフェロール2~10体積%、及びポリソルベート80 0.3~3体積%を有し得、スクアレン:トコフェロールの重量比は、より安定したエマルジョンをもたらすことができるため、好ましくは<1(例えば、0.90)である。スクアレン及びポリソルベート80は、約5:2の体積比または約11:5の重量比で存在し得る。したがって、3つの成分(スクアレン、トコフェロール、ポリソルベート80)は、1068:1186:485または約55:61:25の重量比で存在し得る。このようなエマルジョン(「AS03」)の1つは、スクアレン4.3重量%、トコフェロール4.8重量%、及びポリソルベート80 2重量%を含む。スクアレン約42.7mg/mL、DL-α-トコフェロール約47.4mg/mL、及びポリソルベート80約19.4mg/mLの濃度が典型的である。140~170nmのZ平均液滴サイズが好ましい。本エマルジョンはまた、3-脱-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3d MPL)を含み得る。この型の別の有用なエマルジョンは、例えば、上に考察した比率で、ヒト用量あたり、スクアレン0.5~10mg、トコフェロール0.5~11mg、及びポリソルベート80 0.1~4mg[58]を含み得る。
【0148】
スクアレン、水性溶媒、ポリオキシエチレンアルキルエーテル親水性非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン(12)セトステアリルエーテル)及び疎水性非イオン性界面活性剤(例えば、ソルビタンエステル、またはマンニドエステル、例えば、ソルビタンモノレエートもしくは「スパン80」)を含むエマルジョン。本エマルジョンは、好ましくは熱可逆性であり、及び/または200nm未満のサイズを有する油滴を少なくとも90体積%有する[59]。本エマルジョンはまた、以下のうちの1つ以上を含み得る:アルジトール、凍結防止剤(例えば、ドデシルマルトシド及び/またはスクロースなどの糖);及び/またはアルキルポリグリコシド。本エマルジョンは、TLR4アゴニストを含んでもよい[60]。そのようなエマルジョンは凍結乾燥され得る。好ましいエマルジョンとしては、スクアレン、オレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル及びマンニトール(例えば、スクアレン32.5%、オレイン酸ソルビタン4.82%、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル6.18%及びマンニトール6%;重量%)が含まれ、平均液滴サイズは150nm未満である。スクアレン約49.6mg/mL、オレイン酸ソルビタン約7.6mg/mL、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル約9.6mg/mL、及びマンニトール9.2mg/mLの濃度が典型的である。
【0149】
スクアレン、ホスファチジルコリン、ポロキサマー188、グリセロール、及びリン酸アンモニウム緩衝液[61]を含み、任意により、α-トコフェロール(「SE」)も含むエマルジョン。
スクアレン、トコフェロール、及びTriton(登録商標)洗浄剤(Triton(登録商標) X-100など)のエマルジョン。本エマルジョンはまた、3d-MPLを含み得る(下記参照)。本エマルジョンは、リン酸緩衝液を含み得る。
【0150】
ポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)、Triton(登録商標)洗浄剤(例えば、Triton(登録商標)X-100)及びトコフェロール(例えば、α-トコフェロールコハク酸塩)を含むエマルジョン。本エマルジョンは、これらの3つの成分を約75:11:10の質量比で含み得(例えば、ポリソルベート80 750μg/ml、Triton(登録商標) X-100 110μg/ml、及びコハク酸α-トコフェロール100μg/ml)、これらの濃度は、抗原からのこれらの成分のあらゆる寄与を含める必要がある。本エマルジョンはまた、スクアレンを含み得る。水相は、リン酸緩衝液を含み得る。
【0151】
スクアラン、ポリソルベート80、ポロキサマー401のエマルジョン(「Pluronic(商標)L121」)。本エマルジョンは、リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4で配合され得る。このエマルジョンはムラミルジペプチドの有用な送達媒体であり、「SAF-1」アジュバント中のスレオニル-MDPと共に使用されている[62](Thr-MDP0.05~1%、スクアラン5%、PluronicL121 2.5%及びポリソルベート80 0.2%)。これは、「AF」アジュバント[63](5%スクアラン、1.25%Pluronic L121、及び0.2%ポリソルベート80)のように、Thr-MDPなしでも使用され得る。マイクロ流動化が好ましい。
【0152】
スクアレン、ポロキサマー105、Abil-Careのエマルジョン[64]。アジュバント添加ワクチン中のこれらの成分の最終濃度(重量)は、スクアレン5%、ポロキサマー105 4%(プルロニック(登録商標)ポリオール)及びAbil-Care 85 2%(Bis-PEG/PPG-16/16PEG/PPG-16/16ジメチコン;カプリル酸/カプリルトリグリセリド)である。
【0153】
油0.5~50%、リン脂質0.1~10%、及び非イオン性界面活性剤0.05~5%を含むエマルジョン。参考文献65に記載のとおり、好ましいリン脂質成分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、スフィンゴミエリン及びカルジオリピンである。サブミクロンの液滴サイズが有利である。
【0154】
非代謝性油(軽質鉱油など)及び少なくとも1つの界面活性剤(レシチン、Tween(登録商標)80、Span(登録商標)80など)のサブミクロン水中油型エマルジョン。QuilAサポニン、コレステロール、サポニン-親油性コンジュゲート(グルクロン酸のカルボキシル基を介してデサシルサポニンに脂肪族アミンを付加することによって産生されるGPI-0100など(参照文献66に記載))、臭化ジメチルイジオクタデシルアンモニウム、及び/またはN,N-ジオクタデシル-N、N-ビス(2-ヒドロキシエチル)プロパンジアミンなどの添加剤を含めることができる。
【0155】
サポニン(例えば、QuilAまたはQS21)及びステロール(例えば、コレステロール)がらせん状ミセルとして会合しているエマルジョン[67]。
【0156】
鉱油、非イオン性親油性エトキシル化脂肪アルコール、及び非イオン性親水性界面活性剤(例えば、エトキシル化脂肪アルコール及び/またはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー)を含むエマルジョン[68]。
【0157】
注射用ワクチンを作製するために、これらのエマルジョンは、一般に、水性免疫原調製物と混合される。この混合には、典型的には、水性形態のエマルジョンと水性形態の免疫原が1:1の体積比で含まれ、この場合、エマルジョンの成分の比率は、最終ワクチン中で半分になる。例えば、5体積%のスクアレンを含むエマルジョンを抗原溶液と1:1の比率で混合して、最終濃度が2.5体積%のワクチンを得ることができる。当然のことながら、他の混合比(例えば、5:1~1:5で混合するために2つの液体の体積比を使用すること)も可能である。したがって、ワクチン組成物中で、上記のエマルジョンの成分の濃度は、それらの比率が同じままである希釈によって(例えば、整数(2または3など)によって)変更され得る。例えば、小児用ワクチンは、より低濃度のアジュバント、例えば、4体積%、3.5体積%、3体積%、2.5体積%、2体積%、1.5体積%、または1体積%のスクアレンを含み得る。
【0158】
抗原及びアジュバントが混合された後、赤血球凝集素抗原は、一般に、水溶液中に残存するが、油/水界面の周りにそれ自体を分布させ得る。一般に、赤血球凝集素がエマルジョンの油相に入ることはほとんどない。
【0159】
組成物がトコフェロールを含む場合、α、β、γ、δ、εまたはξのトコフェロールのいずれかを使用することができるが、α-トコフェロールが好ましい。トコフェロールは、いくつかの形態、例えば、異なる塩及び/または異性体をとることができる。塩としては、コハク酸塩、酢酸塩、ニコチン酸塩などの有機塩が挙げられる。D-α-トコフェロール及びDL-α-トコフェロールの両方を使用できる。トコフェロールは、高齢患者(例えば、60歳以上)で使用するためのワクチンに有利に含まれている。その理由は、ビタミンEが、この患者群での免疫応答にプラスの効果を有することが報告されているためである[69]。これらは、またエマルジョンを安定させるのを補助し得る抗酸化特性を有する[70]。好ましいα-トコフェロールは、DL-α-トコフェロールであり、このトコフェロールの好ましい塩は、コハク酸塩である。コハク酸塩は、in vivoでTNF関連リガンドと協調することが判明している。さらに、コハク酸α-トコフェロールはインフルエンザワクチンと適合性があること、及び水銀化合物の代替として、有用な防腐剤であることが知られている[41]。防腐剤を含まないワクチンが特に好ましい。
【0160】
ワクチン組成物のパッケージング
本発明の組成物(またはキット構成要素)に好適な容器としては、バイアル、シリンジ(例えば、使い捨てシリンジ)、鼻スプレーなどが挙げられる。これらの容器は、滅菌されているべきである。
【0161】
組成物/成分がバイアル中にある場合、バイアルは、好ましくは、ガラスまたはプラスチック材料で作られている。バイアルは、組成物がそれに加えられる前に、好ましくは滅菌される。ラテックスに対して感度の高い患者の問題を回避するために、バイアルはラテックス非含有栓で密封することが好ましく、すべてのパッケージング材料中にラテックスが含まれていないことが好ましい。バイアルには、ワクチンの単回投与が含まれ得るか、または、2回以上投与(「複数回投与」バイアル)、例えば10投与量が含まれ得る。好ましいバイアルは、無色ガラスで作られている。
【0162】
バイアルは、キャップ(例えば、ルアーロック)を有し得、そのキャップに、事前に充填されているシリンジが挿入できるように適合されており、それにより、シリンジの内容物をバイアルに押し出すことができ(例えば、その中の凍結乾燥材料を再構成するために)、バイアルの内容物を、シリンジに戻すことができるようになる。シリンジをバイアルから取り出した後、針を取り付けることができ、組成物を患者に投与することができる。キャップは、キャップを使用する前にシールまたはカバーを取り外さなければならないように、シールまたはカバーの内部に置くことが好ましい。バイアルは、特に複数回投与バイアルの場合、内容物を無菌的に取り出せるキャップを有してもよい。
【0163】
成分がシリンジ中にパッケージされている場合、シリンジには針が取り付けられていてもよい。針が取り付けられていない場合は、組み立て及び使用のために別の針がシリンジに付属してもよい。そのような針は被覆されてもよい。安全針が好ましい。1インチの23ゲージ、1インチの25ゲージ、及び5/8インチの25ゲージの針が典型的である。シリンジには、記録保持を容易にするために、ロット番号、インフルエンザの時期、及び内容物の有効期限が印刷され得る剥離ラベルが提供されていてもよい。シリンジ内のプランジャは、吸引中にプランジャが誤って取り外されるのを防ぐために栓を有することが好ましい。シリンジは、ラテックスゴム製キャップ及び/またはプランジャを有し得る。使い捨てシリンジには、単回投与量のワクチンが含まれている。シリンジは、一般に、針の取り付け前に先端を密封するための先端キャップを有し、先端キャップは、好ましくは、ブチルゴムで作られている。シリンジ及び針が別々にパッケージングされている場合、針は、好ましくは、ブチルゴムシールドを備える。好ましいシリンジは、商品名「Tip-Lok」(商標)で販売されているものである。
【0164】
容器は、例えば、小児への送達を容易にするために、半分の用量の容量を示すようにマークすることができる。例えば、0.5mlの用量を含むシリンジには、0.25mlの容量を示すマークを有してもよい。
【0165】
ガラス容器(シリンジまたはバイアルなど)を使用する場合は、ソーダ石灰ガラスではなくホウケイ酸ガラスで作られた容器を使用することが好ましい。
【0166】
キットまたは組成物は、ワクチンの詳細(例えば、投与の指示、ワクチン内の抗原の詳細など)を含む説明書と共に(例えば、同じ箱中に)パッケージングされ得る。これらの指示はまた、例えば、ワクチン接種後のアナフィラキシー反応などの場合にすぐに利用可能なアドレナリン溶液を用意する等の警告を含み得る。
【0167】
治療の方法、及びワクチンの投与
本発明は、本発明に従って製造されたワクチンを提供する。これらのワクチン組成物は、ヒトまたはブタなどの非ヒト動物対象への投与に好適であり、本発明は、対象において免疫応答を高める方法を提供し、本方法は、本発明のワクチン組成物を対象に投与するステップを含む。本発明はまた、医薬品として使用するための本発明の組成物を提供し、対象において免疫応答を高めるための医薬品を製造するための本発明の組成物の使用を提供する。
【0168】
これらの方法及び使用によって高められる免疫応答には、一般に、抗体応答、好ましくは防御抗体応答が含まれる。インフルエンザウイルスワクチン接種後の抗体応答、中和能力及び防御を評価するための方法は、当技術分野でよく知られている。ヒトの研究では、ヒトインフルエンザウイルスの赤血球凝集素に対する抗体価が防御と相関していることが示されている(血清サンプルの赤血球凝集阻害力価が、約30~40である場合、相同ウイルスによる感染から約50%防御される)[71]。抗体応答は、典型的には、赤血球凝集阻害、マイクロ中和、単一放射状免疫拡散(SRID)、及び/または単一放射状溶血(SRH)によって測定される。これらのアッセイ技法は、当該技術分野で周知である。
【0169】
本発明の組成物は、様々な方法で投与できる。最も好ましい免疫化経路は、筋肉内注射(例えば、腕または脚への)によるが、他の利用可能な経路としては、皮下注射、鼻腔内[72-74]、経口[75]、皮内[76,77]、経皮的(transcutaneous)、経皮的(transdermal)[78]などが挙げられる。
【0170】
本発明に従って調製されたワクチンは、小児及び成人の両方を治療するために使用され得る。インフルエンザワクチンは、現在、6ヶ月齢から小児及び成人の免疫化のための使用が推奨されている。したがって、ヒト対象は、1歳未満、1~5歳、5~15歳、15~55歳、または少なくとも55歳であり得る。ワクチンを受けるための好ましい対象は、高齢者(例えば、≧50歳、≧60歳、好ましくは≧65歳)、若年(例えば、≦5歳)、入院対象、医療従事者、軍隊及び軍人、妊婦、慢性疾患、免疫不全対象、ワクチン接種前の7日間に抗ウイルス化合物(例えば、オセルタミビルまたはザナミビル化合物、以下を参照)を服用した対象、卵アレルギー保有者、海外旅行者である。しかし、ワクチンはこれらの群にのみ好適ではなく、集団中でより一般的に使用され得る。パンデミック株の場合、すべての年齢群への投与が好ましい。
【0171】
本発明の好ましい組成物は、有効性に関するCPMP基準1、2または3を満たす。成人(18~60歳)では、これらの基準は次のとおりである:(1)抗体保有≧70%;(2)セロコンバージョン≧40%;及び/または(3)GMTの2.5倍以上の増加。高齢者(>60歳)では、これらの基準は次のとおりである:(1)抗体保有≧60%;(2)セロコンバージョン≧30%;及び/または(3)GMTの2倍以上の増加。これらの基準は、少なくとも50人の患者を対象とした非盲検試験に基づく。
【0172】
治療は、単回投与スケジュールまたは複数回投与スケジュールで行うことができる。複数回投与は、一次免疫スケジュール及び/または追加免疫スケジュールで使用され得る。複数回投与スケジュールでは、様々な投与量が同じまたは異なる経路(例えば、非経口一次及び粘膜ブースト、粘膜一次及び非経口ブーストなど)で投与されてもよい。2回以上の投与(典型的には、2回投与)は、免疫学的にナイーブな患者、例えば、インフルエンザワクチンをこれまでに受けたことがない人、または新しいHAサブタイプに対するワクチン接種(パンデミックの発生など)において特に有用である。複数回投与は、典型的には、少なくとも1週間間隔で投与される(例えば、約2週間、約3週間、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約16週間など)。
【0173】
本発明によって産生されたワクチンは、他のワクチン、麻疹ワクチン、ムンプスワクチン、風疹ワクチン、MMRワクチン、水痘ワクチン、MMRVワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワクチン、百日咳ワクチン、DTPワクチン、結合型H.インフルエンザb型ワクチン、不活化ポリオウイルスワクチン、B型肝炎ウイルスワクチン、髄膜炎菌結合型ワクチン(四価AC-W135-Yワクチンなど)、呼吸器合胞体ウイルスワクチン、肺炎球菌結合型ワクチンなどと、例えば、実質的に同時に(例えば、同じ医療相談または医療専門家またはワクチン接種センターへの訪問中に)、患者に投与され得る。肺炎球菌ワクチン及び/または髄膜炎菌ワクチンと実質的に同時に投与することが、高齢者において特に有用である。
【0174】
同様に、本発明のワクチンは、抗ウイルス化合物、特にインフルエンザウイルスに対して活性な抗ウイルス化合物(例えば、オセルタミビル及び/またはザナミビル)と実質的に同時に(例えば、同じ医療相談または医療専門家への訪問中に)患者に投与され得る。これらの抗ウルス剤には、(3R,4R,5S)-4-アセチルアミノ-5-アミノ-3(1-エチルプロポキシ)-1-シクロヘキセン-1-カルボン酸または5-(アセチルアミノ)-4-[(アミノイミノメチル)-アミノ]-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-D-グリセロ-D-ガラクトノン-2-エノン酸などのノイラミニダーゼ阻害剤、そのエステル(例えば、エチルエステル)及びその塩(例えば、リン酸塩)が含まれる。好ましい抗ウイルス剤は、(3R,4R,5S)-4-アセチルアミノ-5-アミノ-3(1-エチルプロポキシ)-1-シクロヘキセン-1-カルボン酸、エチルエステル、リン酸(1:1)であり、オセルタミビルリン酸塩(TAMIFLU(商標))としても知られている。
【0175】
定義
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」及び「からなる(consisting)」を包含する。例えば、X「を含む」組成物は、Xのみからなる場合もあれば、何らかの追加要素を含む、例えばX+Yである場合もある。
【0176】
「実質的に」という用語は「完全に」を除外しない。例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まなくてもよい。必要に応じて、「実質的に」という用語は本発明の定義から省略されてもよい。
【0177】
数値xに関する「約」という用語は任意であり、例えば、x±10%を意味する。
【実施例】
【0178】
材料及び方法
特に明記しない限り、以下の実施例では、以下の材料及び方法を使用した。
【0179】
細胞、ウイルス、及び抗血清
293T細胞は、Melbourne Universityから入手し、10%FBS、1XGlutaMAX(Gibco)及び1X抗生物質/抗真菌剤(Gibco)を含むDMEM中で維持した。MDCK(WHO)細胞は、WHOから入手し、10%FBS、1XGlutaMAX(Gibco)及び1X抗生物質/抗真菌剤(Gibco)を含むDMEM中で維持した。MDCK33016PF細胞[79]は、化学的に定義された培地(Lonza)で維持した。
【0180】
A/Texas/1/1977高成長親(HGP)ウイルス(PR8との5:3遺伝子再集合体)は、D274(Seqirus)から入手した。PR8 HGPウイルスは、逆遺伝学を使用して生成した。ウイルスは、発育鶏卵中で増殖させた。
【0181】
A/PR/8/1934及びA/Texas/1/1977に対するトリプシン過ヨウ素酸塩処理ヒツジ抗血清は、Seqirusで生成した。
【0182】
プラスミド
PR8(H1N1)、A/Wyoming/3/2003(H3N2)、及びA/Indonesia/NIHRD11771/2011(H5N1)のHA及びNAをpHW2000ベクター[80]に含むプラスミドは、標準分子生物学技術を使用して生成した。H6N1の場合、H6(A/turkey/Massachusetts/3740/1965)及びN1(A/Brisbane/59/2007及びA/California/07/2009)をコードするプラスミドは、標準分子生物学技術を使用して生成した。
【0183】
HGPウイルスの精製
高成長の親ウイルス(PR8及びA/Texas/1/1977)は、培養宿主の感染前に精製した。各親インフルエンザウイルス株について、感染した尿膜液2mlを0.45μmフィルタでろ過し、Microsep 300K Omega遠心分離装置(PALL)を使用して約1400xgで1時間遠心分離することによって、精製した。保持されたウイルスをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)-で希釈し、きれいなMicrosep装置を使用して再度遠心分離した。保持されたウイルスをPBS-を使用して1mlまで希釈し、100μlのアリコートで-80℃で凍結した。
【0184】
培養宿主へのインフルエンザウイルス遺伝子の時差送達
遺伝子再集合インフルエンザウイルスを産生するためのインフルエンザ遺伝子の時差送達は、プラスミドDNAによる293T/MDCK共培養物のトランスフェクション、次いで、トランスフェクション1~24時間後のHGPによる感染によって行った。TransIT-293(Mirus)、Lipofectamine 2000(Invitrogen)、またはLipofectamine 3000(Invitrogen)トランスフェクション試薬を製造業者の指示に従って使用して、ウイルスHA及びNAを発現する1~2μgのプラスミドによる293T/MDCK細胞のトランスフェクションを行った。
【0185】
トランスフェクションの約3時間後、細胞をPBS-で洗浄し、上清を1ml/ウェルの新鮮なOptiMEMと交換した。次に、細胞をHGPに感染させた。TPCK-トリプシンは、トランスフェクション後1日目に添加した(1μg/ml)。トランスフェクション後3日目に上清を回収した。
【0186】
培養宿主へのインフルエンザウイルス遺伝子の共送達
293T細胞及びMDCK細胞(WHOまたはMDCK 33016PF、浮遊または接着)の共培養物に、精製HGPウイルス(10~20μl/トランスフェクション(6ウェルプレート)のニート精製HGPウイルス)と1~2μgのウイルスのHA及びNAをコードするプラスミドDNAのそれぞれと同時にトランスフェクトした。トランスフェクション試薬TransIT-293(Mirus)、Lipofectamine 2000(Invitrogen)、またはLipofectamine 3000(Invitrogen)は、製造業者の指示に従って使用した。TransIT-293を使用してトランスフェクトさせた細胞は、トランスフェクションの約3時間後に洗浄した。TPCK-トリプシン(1μg/ml)は、前述のとおりトランスフェクション後1日目、またはトランスフェクションの4~8時間後に添加した。トランスフェクション後3~6日目に上清を回収した。
【0187】
遺伝子再集合インフルエンザウイルスの選択
その後、トランスフェクション上清は、HGPウイルスに対して作成した抗血清の存在下で卵内で継代させた。簡潔に説明すると、1回目の抗血清継代では、発育卵に200μl/卵のニートトランスフェクション上清を接種し、1時間後に200μl/卵のトリプシン過ヨウ素酸塩処理抗血清(適宜、PR8またはA/Texas/1/1977に対して作成)を接種した。2回目の抗血清継代では、1回目の抗血清継代から回収した感染尿膜液を、HA力価に従って希釈し、等量の抗血清と共にRTで1時間インキュベート後、卵を200μl/卵で接種した。一部のトランスフェクションでは、限界希釈によってウイルスをクローン化した。
【0188】
遺伝子再集合体のHA及びNA遺伝子型は、遺伝子特異的プライマー(Geneworks)及びプローブ(Applied BiosystemsまたはSigma)を使用したリアルタイムPCRによって決定した。Taqman RT-PCR mastermix(Applied Biosystems)を使用して反応物を調製し、7500 Fast Real-Time PCRシステム(Applied Biosystems)を使用して、製造業者の指示に従ってPCRを実施した。
【0189】
実施例1-H5N1(A/Indonesia/NIHRD11771/2011)遺伝子再集合ウイルスの生成
H5N1遺伝子再集合ウイルスは、高成長親株(A/Texas/1/1977)と、A/Indonesia/NIHRD11771/2011のHA及びNA遺伝子をコードするプラスミドを使用して生成した。
【0190】
293T/MDCK(WHO)の共培養物は、A/Indonesia/NIHRD11771/2011のHA及びNA遺伝子をコードするプラスミドでトランスフェクトし、その後、高成長親株で感染させるか、またはHA-及びNA-コードプラスミド及び高成長親株で同時に共トランスフェクトした(表1)。
【表1】
【0191】
トランスフェクション後、細胞培養物を抗血清で処理した。1回目の抗血清継代後、両方の実験でHA力価が検出されたが、高成長親がプラスミドと同時に細胞培養に送達された場合、より高いHA力価が観察された。2回目の抗血清継代では、同時トランスフェクションと、高成長親株でトランスフェクションする前に細胞培養物にプラスミドをトランスフェクトした実験の両方で、同様のレベルのウイルス複製が示された。
【0192】
RT-PCRによるジェノタイピングでは、両方のウイルスが遺伝子再集合体であることが示された。
【0193】
実施例2-H1N1(A/PR/8/1934)遺伝子再集合ウイルスの生成
遺伝子再集合H1N1ウイルス(A/PR/8/1934)は、高成長親株(A/Texas/1/77)と、A/PR/8/1934のHA及びNA遺伝子をコードするプラスミドを使用して生成した。
【0194】
293T/MDCK(WHO)の共培養物は、HA及びNAコードプラスミド及びHGPで同時にトランスフェクトさせた(表2)。
【表2】
【0195】
ウイルスの単離を確認するために、3回目の抗血清継代を行い、2回目の抗血清法に関してはウイルスと抗血清のプレインキュベーションを行った。この3回目の抗血清継代後、子孫ウイルスのHA力価は、野生型A/PR/8/1934に典型的なレベルまで増加した。3回目の抗血清継代後のウイルスのジェノタイピングでは、A/PR/8/1934のHA及びNA遺伝子を示し、これは、6:2遺伝子再集合体の生成が成功したことを示している。
【0196】
実施例3-H3N1(A/Wyoming/3/2003)遺伝子再集合体ウイルスの生成
遺伝子再集合H3N1ウイルスは、H1N1 HGPウイルス(A/PR/8/1934)と、A/Wyoming/3/2003のHA及びNA遺伝子をコードするプラスミドを使用して生成した。
【0197】
293T/MDCK(WHO)の共培養物は、A/Wyoming/3/2003のHA及びNA遺伝子をコードするプラスミドでトランスフェクトされ、その後、トランスフェクションの約3.5時間後にHGPで感染させるか、またはHA-及びNAコードプラスミドならびにHGPを同時に共トランスフェクトさせた(表3)。
【表3】
【0198】
1回目の抗血清継代後、HA力価は、時差HGP遺伝子再集合体及び共送達HGP遺伝子再集合体の両方で検出された。2回目の抗血清継代では、2つのハイブリッド遺伝子再集合法で同様のレベルのウイルス複製が示された。リアルタイムPCRによるジェノタイピングでは、両方のウイルスが遺伝子再集合体であることを示した。
【0199】
実施例4-H6N1遺伝子再集合ウイルスの生成
遺伝子再集合H6N1ウイルスは、H3N2 HGPウイルス(A/Texas/1/1977)と、H6(A/turkey/Massachusetts/3740/1965)及びN1(A/Brisbane/59/2007及びA/California/07/2009)遺伝子をコードしているプラスミドを使用して生成した。
293T/接着MDCK 33016PF細胞の共培養物は、HA及びNAコードプラスミド及びHGPで同時にトランスフェクトさせた(表4)。
【表4】
【0200】
リアルタイムPCRによるジェノタイピングでは、両方のH6N1子孫ウイルスが遺伝子再集合体であることを示した。
【0201】
実施例5‐遺伝的多様性の評価
準種を産生するためにインフルエンザウイルスを複製する状況で発生し得る遺伝的多様性は、古典的遺伝子再集合または逆遺伝学(RG)によって得られたインフルエンザAウイルス中に存在する非表面インフルエンザタンパク質の配列を比較することによって評価した。10個のRGウイルスのプール(元はSeqirus、CDC、NIBSCによってレスキューされた)からのバックボーン遺伝子の核酸配列のシーケンシングを行い、次に翻訳してタンパク質配列を決定した。これらの配列は、古典的遺伝子再集合(Seqirus、NYMC、及びNIBSCによって生成された遺伝子再集合)によって得られた16のH1N1及び32のH3N2ウイルスの対応する配列と比較した。
【0202】
M1、NP、NS1、PA、及びPB2タンパク質配列の分析は、RGレスキューウイルスよりも遺伝子再集合ウイルス内に存在する配列変異のレベルが高いことを示した。各データセット内の配列の相違は、RGレスキューウイルスよりも遺伝子再集合ウイルスデータセットの方が一貫して大きかった。
【0203】
各バックボーンセグメントのアミノ酸配列変異を以下の表1~5に示す。指定された位置のアミノ酸の頻度は、各発生源について分析された配列の数のパーセンテージとして表す。同じデータが、
図1~5に提示されている。
【表1A】
【表2A-1】
【表2A-2】
【表2A-3】
【表2A-4】
【表2A-5】
【表3A-1】
【表3A-2】
【表3A-3】
【表3A-4】
【表3A-5】
【表4A-1】
【表4A-2】
【表4A-3】
【表4A-4】
【表4A-5】
【表5A-1】
【表5A-2】
【表5A-3】
【表5A-4】
【0204】
これらのデータは、準種が存在する親インフルエンザウイルス株と培養宿主が接触したときに培養宿主に送達されるバックボーン遺伝子セグメントの配列変動性を示している。これらのデータはまた、バックボーンセグメントが逆遺伝学技術で使用されるプラスミドなどの発現構築物で最初に送達されたウイルスに配列変動性が存在しないことを示している。
【0205】
古典的遺伝子再集合及び逆遺伝学によって産生されるウイルス中に存在する配列の多様性も、配列決定されたバックボーン遺伝子中に存在する突然変異の数を評価することによって分析した。これらの分析は、表6~10に示され、インフルエンザビリオンの集団への感染(例えば、古典的遺伝子再集合において)を介して、インフルエンザ遺伝子セグメントを培養宿主に送達することによって産生されるウイルスにおける、バックボーン遺伝子配列の多様性の増加を示している。本発明のハイブリッド遺伝子再集合法で使用される場合、RG遺伝子再集合体におけるものと比較して、同様に増強された程度の配列変異が、親インフルエンザウイルス株のバックボーン遺伝子セグメント中に生じることが予測され得る。
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
配列
配列番号1(PA、PR8-X)
AGCGAAAGCAGGTACTGATCCAAAATGGAAGATTTTGTGCGACAATGCTTCAATCCGATGATTGTCGAGCTTGCGGAAAAAACAATGAAAGAGTATGGGGAGGACCTGAAAATCGAAACAAACAAATTTGCAGCAATATGCACTCACTTGGAAGTATGCTTCATGTATTCAGATTTTCACTTCATCAATGAGCAAGGCGAGTCAATAATCGTAGAACTTGGTGATCCAAATGCACTTTTGAAGCACAGATTTGAAATAATCGAGGGAAGAGATCGCACAATGGCCTGGACAGTAGTAAACAGTATTTGCAACACTACAGGGGCTGAGAAACCAAAGTTTCTACCAGATTTGTATGATTACAAGGAGAATAGATTTATCGAAATTGGAGTAACAAGGAGAGAAGTTCACATATACTATCTGGAAAAGGCCAATAAAATTAAATCTGAGAAAACACACATCCACATTTTCTCGTTCACTGGGGAAGAAATGGCCACAAAGGCAGACTACACTCTCGATGAAGAAAGCAGGGCTAGGATCAAAACCAGACTATTCACCATAAGACAAGAAATGGCCAGCAGAGGCCTCTGGGATTCCTTTCGTCAGTCCGAGAGAGGAGAAGAGACAATTGAAGAAAGGTTTGAAATCACAGGAACAATGCGCAAGCTTGCCGACCAAAGTCTCCCGCCGAACTTCTCCAGCCTTGAAAATTTTAGAGCCTATGTGGATGGATTCGAACCGAACGGCTACATTGAGGGCAAGCTGTCTCAAATGTCCAAAGAAGTAAATGCTAGAATTGAACCTTTTTTGAAAACAACACCACGACCACTTAGACTTCCGAATGGGCCTCCCTGTTCTCAGCGGTCCAAATTCCTGCTGATGGATGCCTTAAAATTAAGCATTGAGGACCCAAGTCATGAAGGAGAGGGAATACCGCTATATGATGCAATCAAATGCATGAGAACATTCTTTGGATGGAAGGAACCCAATGTTGTTAAACCACACGAAAAGGGAATAAATCCAAATTATCTTCTGTCATGGAAGCAAGTACTGGCAGAACTGCAGGACATTGAGAATGAGGAGAAAATTCCAAAGACTAAAAATATGAAGAAAACAAGTCAGCTAAAGTGGGCACTTGGTGAGAACATGGCACCAGAAAAGGTAGACTTTGACGACTGTAAAGATGTAGGTGATTTGAAGCAATATGATAGTGATGAACCAGAATTGAGGTCGCTTGCAAGTTGGATTCAGAATGAGTTTAACAAGGCATGCGAACTGACAGATTCAAGCTGGATAGAGCTCGATGAGATTGGAGAAGATGTGGCTCCAATTGAACACATTGCAAGCATGAGAAGGAATTATTTCACATCAGAGGTGTCTCACTGCAGAGCCACAGAATACATAATGAAGGGGGTGTACATCAATACTGCCTTGCTTAATGCATCTTGTGCAGCAATGGATGATTTCCAATTAATTCCAATGATAAGCAAGTGTAGAACTAAGGAGGGAAGGCGAAAGACCAACTTGTATGGTTTCATCATAAAAGGAAGATCCCACTTAAGGAATGACACCGACGTGGTAAACTTTGTGAGCATGGAGTTTTCTCTCACTGACCCAAGACTTGAACCACATAAATGGGAGAAGTACTGTGTTCTTGAGATAGGAGATATGCTTATAAGAAGTGCCATAGGCCAGGTTTCAAGGCCCATGTTCTTGTATGTGAGAACAAATGGAACCTCAAAAATTAAAATGAAATGGGGAATGGAGATGAGGCGTTGCCTCCTCCAGTCACTTCAACAAATTGAGAGTATGATTGAAGCTGAGTCCTCTGTCAAAGAGAAAGACATGACCAAAGAGTTCTTTGAGAACAAATCAGAAACATGGCCCATTGGAGAGTCCCCCAAAGGAGTGGAGGAAAGTTCCATTGGGAAGGTCTGCAGGACTTTATTAGCAAAGTCGGTATTCAACAGCTTGTATGCATCTCCACAACTAGAAGGATTTTCAGCTGAATCAAGAAAACTGCTTCTTATCGTTCAGGCTCTTAGGGACAACCTTGAACCTGGGACCTTTGATCTTGGGGGGCTATATGAAGCAATTGAGGAGTGCCTGATTAATGATCCCTGGGTTTTGCTTAATGCTTCTTGGTTCAACTCCTTCCTTACACATGCATTGAGTTAGTTGTGGCAGTGCTACTATTTGCTATCCATACTGTCCAAAAAAGTACCTTGTTTCTACT
配列番号2(PB1、PR8-X)
AGCGAAAGCAGGCAAACCATTTGAATGGATGTCAATCCGACCTTACTTTTCTTAAAAGTGCCAACACAAAATGCTATAAGCACAACTTTCCCTTATACTGGAGACCCTCCTTACAGCCATGGGACAGGAACAGGATACACCATGGATACTGTCAACAGGACACATCAGTACTCAGAAAAGGGAAGATGGACAACAAACACCGAAACTGGAGCACCGCAACTCAACCCGATTGATGGGCCACTGCCAGAAGACAATGAACCAAGTGGTTATGCCCAAACAGATTGTGTATTGGAGGCGATGGCTTTCCTTGAGGAATCCCATCCTGGTATTTTTGAAAACTCGTGTATTGAAACGATGGAGGTTGTTCAGCAAACACGAGTAGACAAGCTGACACAAGGCCGACAGACCTATGACTGGACTCTAAATAGAAACCAACCTGCTGCAACAGCATTGGCCAACACAATAGAAGTGTTCAGATCAAATGGCCTCACGGCCAATGAGTCTGGAAGGCTCATAGACTTCCTTAAGGATGTAATGGAGTCAATGAACAAAGAAGAAATGGGGATCACAACTCATTTTCAGAGAAAGAGACGGGTGAGAGACAATATGACTAAGAAAATGATAACACAGAGAACAATGGGTAAAAAGAAGCAGAGATTGAACAAAAGGAGTTATCTAATTAGAGCATTGACCCTGAACACAATGACCAAAGATGCTGAGAGAGGGAAGCTAAAACGGAGAGCAATTGCAACCCCAGGGATGCAAATAAGGGGGTTTGTATACTTTGTTGAGACACTGGCAAGGAGTATATGTGAGAAACTTGAACAATCAGGGTTGCCAGTTGGAGGCAATGAGAAGAAAGCAAAGTTGGCAAATGTTGTAAGGAAGATGATGACCAATTCTCAGGACACCGAACTTTCTTTCACCATCACTGGAGATAACACCAAATGGAACGAAAATCAGAATCCTCGGATGTTTTTGGCCATGATCACATATATGACCAGAAATCAGCCCGAATGGTTCAGAAATGTTCTAAGTATTGCTCCAATAATGTTCTCAAACAAAATGGCGAGACTGGGAAAAGGGTATATGTTTGAGAGCAAGAGTATGAAACTTAGAACTCAAATACCTGCAGAAATGCTAGCAAGCATCGATTTGAAATATTTCAATGATTCAACAAGAAAGAAGATTGAAAAAATCCGACCGCTCTTAATAGAGGGGACTGCATCATTGAGCCCTGGAATGATGATGGGCATGTTCAATATGTTAAGCACTGTATTAGGCGTCTCCATCCTGAATCTTGGACAAAAGAGATACACCAAGACTACTTACTGGTGGGATGGTCTTCAATCCTCTGACGATTTTGCTCTGATTGTGAATGCACCCAATCATGAAGGGATTCAAGCCGGAGTCGACAGGTTTTATCGAACCTGTAAGCTACTTGGAATCAATATGAGCAAGAAAAAGTCTTACATAAACAGAACAGGTACATTTGAATTCACAAGTTTTTTCTATCGTTATGGGTTTGTTGCCAATTTCAGCATGGAGCTTCCCAGTTTTGGGGTGTCTGGGATCAACGAGTCAGCGGACATGAGTATTGGAGTTACTGTCATCAAAAACAATATGATAAACAATGATCTTGGTCCAGCAACAGCTCAAATGGCCCTTCAGTTGTTCATCAAAGATTACAGGTACACGTACCGATGCCATAGAGGTGACACACAAATACAAACCCGAAGATCATTTGAAATAAAGAAACTGTGGGAGCAAACCCGTTCCAAAGCTGGACTGCTGGTCTCCGACGGAGGCCCAAATTTATACAACATTAGAAATCTCCACATTCCTGAAGTCTGCCTAAAATGGGAATTGATGGATGAGGATTACCAGGGGCGTTTATGCAACCCACTGAACCCATTTGTCAGCCATAAAGAAATTGAATCAATGAACAATGCAGTGATGATGCCAGCACATGGTCCAGCCAAAAACATGGAGTATGATGCTGTTGCAACAACACACTCCTGGATCCCCAAAAGAAATCGATCCATCTTGAATACAAGTCAAAGAGGAGTACTTGAGGATGAACAAATGTACCAAAGGTGCTGCAATTTATTTGAAAAATTCTTCCCCAGCAGTTCATACAGAAGACCAGTCGGGATATCCAGTATGGTGGAGGCTATGGTTTCCAGAGCCCGAATTGATGCACGGATTGATTTCGAATCTGGAAGGATAAAGAAAGAAGAGTTCACTGAGATCATGAAGATCTGTTCCACCATTGAAGAGCTCAGACGGCAAAAATAGTGAATTTAGCTTGTCCTTCATGAAAAAATGCCTTGTTTCTACT
配列番号3(PB2、PR8-X)
AGCGAAAGCAGGTCAATTATATTCAATATGGAAAGAATAAAAGAACTAAGAAATCTAATGTCGCAGTCTCGCACCCGCGAGATACTCACAAAAACCACCGTGGACCATATGGCCATAATCAAGAAGTACACATCAGGAAGACAGGAGAAGAACCCAGCACTTAGGATGAAATGGATGATGGCAATGAAATATCCAATTACAGCAGACAAGAGGATAACGGAAATGATTCCTGAGAGAAATGAGCAAGGACAAACTTTATGGAGTAAAATGAATGATGCCGGATCAGACCGAGTGATGGTATCACCTCTGGCTGTGACATGGTGGAATAGGAATGGACCAATAACAAATACAGTTCATTATCCAAAAATCTACAAAACTTATTTTGAAAGAGTAGAAAGGCTAAAGCATGGAACCTTTGGCCCTGTCCATTTTAGAAACCAAGTCAAAATACGTCGGAGAGTTGACATAAATCCTGGTCATGCAGATCTCAGTGCCAAGGAGGCACAGGATGTAATCATGGAAGTTGTTTTCCCTAACGAAGTGGGAGCCAGGATACTAACATCGGAATCGCAACTAACGATAACCAAAGAGAAGAAAGAAGAACTCCAGGATTGCAAAATTTCTCCTTTGATGGTTGCATACATGTTGGAGAGAGAACTGGTCCGCAAAACGAGATTCCTCCCAGTGGCTGGTGGAACAAGCAGTGTGTACATTGAAGTGTTGCATTTGACTCAAGGAACATGCTGGGAACAGATGTATACTCCAGGAGGGGAAGTGAGGAATGATGATGTTGATCAAAGCTTGATTATTGCTGCTAGGAACATAGTGAGAAGAGCTGCAGTATCAGCAGATCCACTAGCATCTTTATTGGAGATGTGCCACAGCACACAGATTGGTGGAATTAGGATGGTAGACATCCTTAGGCAGAACCCAACAGAAGAGCAAGCCGTGGATATATGCAAGGCTGCAATGGGACTGAGAATTAGCTCATCCTTCAGTTTTGGTGGATTCACATTTAAGAGAACAAGCGGATCATCAGTCAAGAGAGAGGAAGAGGTGCTTACGGGAAATCTTCAAACATTGAAGATAAGAGTGCATGAGGGATATGAAGAGTTCACAATGGTTGGGAGAAGAGCAACAGCCATACTCAGAAAAGCAACCAGGAGATTGATTCAGCTGATAGTGAGTGGGAGAGACGAACAGTCGATTGCCGAAGCAATAATTGTGGCCATGGTATTTTCACAAGAGGATTGTATGATAAAAGCAGTCAGAGGTGATCTGAATTTCGTCAATAGGGCGAATCAGCGATTGAATCCTATGCATCAACTTTTAAGACATTTTCAGAAGGATGCGAGAGTGCTTTTTCAAAATTGGGGAGTTGAACCTATCGACAATGTGATGGGAATGATTGGGATATTGCCCGACATGACTCCAAGCATCGAGATGTCAATGAGAGGAGTGAGAATCAGCAAAATGGGTGTAGATGAGTACTCCAGCACGGAGAGGGTAGTGGTGAGCATTGACCGTTTTTTGAGAATCCGGGACCAACGAGGAAATGTACTACTGTCTCCCGAGGAGGTCAGTGAAACACAGGGAACAGAGAAACTGACAATAACTTACTCATCGTCAATGATGTGGGAGATTAATGGTCCTGAATCAGTATTGGTCAATACCTATCAATGGATCATCAGAAACTGGGAAACTGTTAAAATTCAGTGGTCCCAGAACCCTACAATGCTATACAATAAAATGGAATTTGAACCATTTCAGTCTTTAGTACCTAAGGCCATTAGAGGCCAATACAGTGGGTTTGTAAGAACTCTGTTCCAACAAATGAGGGATGTGCTTGGGACATTTGATACCGCACAGATAATAAAACTTCTTCCCTTCGCAGCCGCTCCACCAAAGCAAAGTAGAATGCAGTTCTCCTCATTTACTGTGAATGTGAGGGGATCAGGAATGAGAATACTTGTAAGGGGCAATTCTCCTGTATTCAACTATAACAAGGCCACGAAGAGACTCACAGTTCTCGGAAAGGATGCTGGCACTTTAACTGAAGACCCAGATGAAGGCACAGCTGGAGTGGAGTCCGCTGTTCTGAGGGGATTCCTCATTCTGGGCAAAGAAGACAAGAGATATGGGCCAGCACTAAGCATCAATGAACTGAGCAACCTTGCGAAAGGAGAGAAGGCTAATGTGCTAATTGGGCAAGGAGACGTGGTGTTGGTAATGAAACGGAAACGGGACTCTAGCATACTTACTGACAGCCAGACAGCGACCAAAAGAATTCGGATGGCCATCAATTAGTGTCGAATAGTTTAAAAACGACCTTGTTTCTACT
配列番号4(NP、PR8-X)
AGCAAAAGCAGGGTAGATAATCACTCACTGAGTGACATCAAAATCATGGCGTCTCAAGGCACCAAACGATCTTACGAACAGATGGAGACTGATGGAGAACGCCAGAATGCCACTGAAATCAGAGCATCCGTCGGAAAAATGATTGGTGGAATTGGACGATTCTACATCCAAATGTGCACCGAACTCAAACTCAGTGATTATGAGGGACGGTTGATCCAAAACAGCTTAACAATAGAGAGAATGGTGCTCTCTGCTTTTGACGAAAGGAGAAATAAATACCTTGAAGAACATCCCAGTGCGGGAAAAGATCCTAAGAAAACTGGAGGACCTATATACAGGAGAGTAAACGGAAAGTGGATGAGAGAACTCATCCTTTATGACAAAGAAGAAATAAGGCGAATCTGGCGCCAAGCTAATAATGGTGACGATGCAACGGCTGGTCTGACTCACATGATGATCTGGCATTCCAATTTGAATGATGCAACTTATCAGAGGACAAGAGCTCTTGTTCGCACCGGAATGGATCCCAGGATGTGCTCTCTGATGCAAGGTTCAACTCTCCCTAGGAGGTCTGGAGCCGCAGGTGCTGCAGTCAAAGGAGTTGGAACAATGGTGATGGAATTGGTCAGAATGATCAAACGTGGGATCAATGATCGGAACTTCTGGAGGGGTGAGAATGGACGAAAAACAAGAATTGCTTATGAAAGAATGTGCAACATTCTCAAAGGGAAATTTCAAACTGCTGCACAAAAAGCAATGATGGATCAAGTGAGAGAGAGCCGGAACCCAGGGAATGCTGAGTTCGAAGATCTCACTTTTCTAGCACGGTCTGCACTCATATTGAGAGGGTCGGTTGCTCACAAGTCCTGCCTGCCTGCCTGTGTGTATGGACCTGCCGTAGCCAGTGGGTACGACTTTGAAAGGGAGGGATACTCTCTAGTCGGAATAGACCCTTTCAGACTGCTTCAAAACAGCCAAGTGTACAGCCTAATCAGACCAAATGAGAATCCAGCACACAAGAGTCAACTGGTGTGGATGGCATGCCATTCTGCCGCATTTGAAGATCTAAGAGTATTAAGCTTCATCAAAGGGACGAAGGTGCTCCCAAGAGGGAAGCTTTCCACTAGAGGAGTTCAAATTGCTTCCAATGAAAATATGGAGACTATGGAATCAAGTACACTTGAACTGAGAAGCAGGTACTGGGCCATAAGGACCAGAAGTGGAGGAAACACCAATCAACAGAGGGCATCTGCGGGCCAAATCAGCATACAACCTACGTTCTCAGTACAGAGAAATCTCCCTTTTGACAGAACAACCATTATGGCAGCATTCAATGGGAATACAGAGGGGAGAACATCTGACATGAGGACCGAAATCATAAGGATGATGGAAAGTGCAAGACCAGAAGATGTGTCTTTCCAGGGGCGGGGAGTCTTCGAGCTCTCGGACGAAAAGGCAGCGAGCCCGATCGTGCCTTCCTTTGACATGAGTAATGAAGGATCTTATTTCTTCGGAGACAATGCAGAGGAGTACGACAATTAAAGAAAAATACCCTTGTTTCTACT
配列番号5(M、PR8-X)
AGCAAAAGCAGGTAGATATTGAAAGATGAGTCTTCTAACCGAGGTCGAAACGTACGTACTCTCTATCATCCCGTCAGGCCCCCTCAAAGCCGAGATCGCACAGAGACTTGAAGATGTCTTTGCAGGGAAGAACACCGATCTTGAGGTTCTCATGGAATGGCTAAAGACAAGACCAATCCTGTCACCTCTGACTAAGGGGATTTTAGGATTTGTGTTCACGCTCACCGTGCCCAGTGAGCGAGGACTGCAGCGTAGACGCTTTGTCCAAAATGCCCTTAATGGGAACGGGGATCCAAATAACATGGACAAAGCAGTTAAACTGTATAGGAAGCTCAAGAGGGAGATAACATTCCATGGGGCCAAAGAAATCTCACTCAGTTATTCTGCTGGTGCACTTGCCAGTTGTATGGGCCTCATATACAACAGGATGGGGGCTGTGACCACTGAAGTGGCATTTGGCCTGGTATGTGCAACCTGTGAACAGATTGCTGACTCCCAGCATCGGTCTCATAGGCAAATGGTGACAACAACCAATCCACTAATCAGACATGAGAACAGAATGGTTTTAGCCAGCACTACAGCTAAGGCTATGGAGCAAATGGCTGGATCGAGTGAGCAAGCAGCAGAGGCCATGGAGGTTGCTAGTCAGGCTAGACAAATGGTGCAAGCGATGAGAACCATTGGGACTCATCCTAGCTCCAGTGCTGGTCTGAAAAATGATCTTCTTGAAAATTTGCAGGCCTATCAGAAACGAATGGGGGTGCAGATGCAACGGTTCAAGTGATCCTCTCACTATTGCCGCAAATATCATTGGGATCTTGCACTTGACATTGTGGATTCTTGATCGTCTTTTTTTCAAATGCATTTACCGTCGCTTTAAATACGGACTGAAAGGAGGGCCTTCTACGGAAGGAGTGCCAAAGTCTATGAGGGAAGAATATCGAAAGGAACAGCAGAGTGCTGTGGATGCTGACGATGGTCATTTTGTCAGCATAGAGCTGGAGTAAAAAACTACCTTGTTTCTACT
配列番号6(NS、PR8-X)
AGCAAAAGCAGGGTGACAAAAACATAATGGATCCAAACACTGTGTCAAGCTTTCAGGTAGATTGCTTTCTTTGGCATGTCCGCAAACGAGTTGCAGACCAAGAACTAGGTGATGCCCCATTCCTTGATCGGCTTCGCCGAGATCAGAAATCCCTAAGAGGAAGGGGCAGTACTCTCGGTCTGGACATCAAGACAGCCACACGTGCTGGAAAGCAGATAGTGGAGCGGATTCTGAAAGAAGAATCCGATGAGGCACTTAAAATGACCATGGCCTCTGTACCTGCGTCGCGTTACCTAACTGACATGACTCTTGAGGAAATGTCAAGGGACTGGTCCATGCTCATACCCAAGCAGAAAGTGGCAGGCCCTCTTTGTATCAGAATGGACCAGGCGATCATGGATAAGAACATCATACTGAAAGCGAACTTCAGTGTGATTTTTGACCGGCTGGAGACTCTAATATTGCTAAGGGCTTTCACCGAAGAGGGAGCAATTGTTGGCGAAATTTCACCATTGCCTTCTCTTCCAGGACATACTGCTGAGGATGTCAAAAATGCAGTTGGAGTCCTCATCGGAGGACTTGAATGGAATGATAACACAGTTCGAGTCTCTGAAACTCTACAGAGATTCGCTTGGAGAAGCAGTAATGAGAATGGGAGACCTCCACTCACTCCAAAACAGAAACGAGAAATGGCGGGAACAATTAGGTCAGAAGTTTGAAGAAATAAGATGGTTGATTGAAGAAGTGAGACACAAACTGAAGATAACAGAGAATAGTTTTGAGCAAATAACATTTATGCAAGCCTTACATCTATTGCTTGAAGTGGAGCAAGAGATAAGAACTTTCTCGTTTCAGCTTATTTAGTACTAAAAAACACCCTTGTTTCTACT
配列番号7(HA、PR8-X)
AGCAAAAGCAGGGGAAAATAAAAACAACCAAAATGAAGGCAAACCTACTGGTCCTGTTATGTGCACTTGCAGCTGCAGATGCAGACACAATATGTATAGGCTACCATACGAACAATTCAACCGACACTGTTGACACAGTACTCGAGAAGAATGTGACAGTGACACACTCTGTTAACCTGCTCGAAGACAGCCACAACGGAAAACTATGTAGATTAAAAGGAATAGCCCCACTACAATTGGGGAAATGTAACATCGCCGGATGGCTCTTGGGAAACCCAGAATGCGACCCACTGCTTCCAGTGAGATCATGGTCCTACATTGTAGAAACACCAAACTCTGAGAATGGAATATGTTATCCAGGAGATTTCATCGACTATGAGGAGCTGAGGGAGCAATTGAGCTCAGTGTCATCATTCGAAAGATTCGAAATATTTCCCAAAGAAAGCTCATGGCCCAACCACAACACAAACGGAGTAACGGCAGCATGCTCCCATGAGGGGAAAAGCAGTTTTTACAGAAATTTGCTATGGCTGACGGAGAAGGAGGGCTCATACCCAAAGCTGAAAAATTCTTATGTGAACAAAAAAGGGAAAGAAGTCCTTGTACTGTGGGGTATTCATCACCCGCCTAACAGTAAGGAACAACAGAATCTCTATCAGAATGAAAATGCTTATGTCTCTGTAGTGACTTCAAATTATAACAGGAGATTTACCCCGGAAATAGCAGAAAGACCCAAAGTAAGAGATCAAGCTGGGAGGATGAACTATTACTGGACCTTGCTAAAACCCGGAGACACAATAATATTTGAGGCAAATGGAAATCTAATAGCACCAATGTATGCTTTCGCACTGAGTAGAGGCTTTGGGTCCGGCATCATCACCTCAAACGCATCAATGCATGAGTGTAACACGAAGTGTCAAACACCCCTGGGAGCTATAAACAGCAGTCTCCCTTACCAGAATATACACCCAGTCACAATAGGAGAGTGCCCAAAATACGTCAGGAGTGCCAAATTGAGGATGGTTACAGGACTAAGGAACATTCCGTCCATTCAATCCAGAGGTCTATTTGGAGCCATTGCCGGTTTTATTGAAGGGGGATGGACTGGAATGATAGATGGATGGTATGGTTATCATCATCAGAATGAACAGGGATCAGGCTATGCAGCGGATCAAAAAAGCACACAAAATGCCATTAACGGGATTACAAACAAGGTGAACACTGTTATCGAGAAAATGAACATTCAATTCACAGCTGTGGGTAAAGAATTCAACAAATTAGAAAAAAGGATGGAAAATTTAAATAAAAAAGTTGATGATGGATTTCTGGACATTTGGACATATAATGCAGAATTGTTAGTTCTACTGGAAAATGAAAGGACTCTGGAATTCCATGACTCAAATGTGAAGAATCTGTATGAGAAAGTAAAAAGCCAATTAAAGAATAATGCCAAAGAAATCGGAAATGGATGTTTTGAGTTCTACCACAAGTGTGACAATGAATGCATGGAAAGTGTAAGAAATGGGACTTATGATTATCCCAAATATTCAGAAGAGTCAAAGTTGAACAGGGAAAAGGTAGATGGAGTGAAATTGGAATCAATGGGGATCTATCAGATTCTGGCGATCTACTCAACTGTCGCCAGTTCACTGGTGCTTTTGGTCTCCCTGGGGGCAATCAGTTTCTGGATGTGTTCTAATGGATCTTTGCAGTGCAGAATATGCATCTGAGATTAGAATTTCAGAGATATGAGGAAAAACACCCTTGTTTCTACT
配列番号8(NA、PR8-X)
AGCAAAAGCAGGGGTTTAAAATGAATCCAAATCAGAAAATAATAACCATTGGATCAATCTGTCTGGTAGTCGGACTAATTAGCCTAATATTGCAAATAGGGAATATAATCTCAATATGGATTAGCCATTCAATTCAAACTGGAAGTCAAAACCATACTGGAATATGCAACCAAAACATCATTACCTATAAAAATAGCACCTGGGTAAAGGACACAACTTCAGTGATATTAACCGGCAATTCATCTCTTTGTCCCATCCGTGGGTGGGCTATATACAGCAAAGACAATAGCATAAGAATTGGTTCCAAAGGAGACGTTTTTGTCATAAGAGAGCCCTTTATTTCATGTTCTCACTTGGAATGCAGGACCTTTTTTCTGACCCAAGGTGCCTTACTGAATGACAAGCATTCAAGTGGGACTGTTAAGGACAGAAGCCCTTATAGGGCCTTAATGAGCTGCCCTGTCGGTGAAGCTCCGTCCCCGTACAATTCAAGATTTGAATCGGTTGCTTGGTCAGCAAGTGCATGTCATGATGGCATGGGCTGGCTAACAATCGGAATTTCAGGTCCAGATAATGGAGCAGTGGCTGTATTAAAATACAACGGCATAATAACTGAAACCATAAAAAGTTGGAGGAAGAAAATATTGAGGACACAAGAGTCTGAATGTGCCTGTGTAAATGGTTCATGTTTTACTATAATGACTGATGGCCCGAGTGATGGGCTGGCCTCGTACAAAATTTTCAAGATCGAAAAGGGGAAGGTTACTAAATCAATAGAGTTGAATGCACCTAATTCTCACTATGAGGAATGTTCCTGTTACCCTGATACCGACAAAGTGATGTGTGTGTGCAGAGACAATTGGCATGGTTCGAACCGGCCATGGGTGTCTTTCGATCAAAACCTGGATTATCAAATAGGATACATCTGCAGTGGGGTTTTCGGTGACAACCCGCGTCCCGAAGATGGAACAGGCAGCTGTGGTCCAGTGTATGTTGATGGAGCAAACGGAGTAAAGGGATTTTCATATAGGTATGGTAATGGTGTTTGGATAGGAAGGACCAAAAGTCACAGTTCCAGACATGGGTTTGAGATGATTTGGGATCCTAATGGATGGACAGAGACTGATAGTAAGTTCTCTGTGAGGCAAGATGTTGTGGCAATGACTGATTGGTCAGGGTATAGCGGAAGTTTCGTTCAACATCCTGAGCTGACAGGGCTAGACTGTATGAGGCCGTGCTTCTGGGTTGAATTAATCAGGGGACGACCTAAAGAAAAAACAATCTGGACTAGTGCGAGCAGCATTTCTTTTTGTGGCGTGAATAGTGATACTGTAGATTGGTCTTGGCCAGACGGTGCTGAGTTGCCATTCAGCATTGACAAGTAGTCTGTTCAAAAAACTCCTTGTTTCTACT
配列番号9(PA、105p30)
AGCGAAAGCAGGTACTGATTCGAAATGGAAGATTTTGTGCGACAATGCTTCAATCCGATGATTGTCGAGCTTGCGGAAAAGGCAATGAAAGAGTATGGAGAGGACCTGAAAATCGAAACAAACAAATTTGCAGCAATATGCACCCACTTGGAAGTATGCTTCATGTATTCAGATTTTCATTTCATCAATGAGCAAGGCGAATCAATAATAGTAGAGCCTGAGGACCCAAATGCACTTTTAAAACACAGATTTGAGATAATAGAGGGGCGAGATCGTACAATGGCATGGACAGTTGTAAACAGTATTTGCAACACCACAGGAGCTGAGAAACCAAAGTTTCTGCCAGATCTGTATGATTACAAAGAGAATAGGTTCATCGAAATTGGAGTGACAAGGAGAGAAGTTCACATATACTATCTGGAAAAGGCCAACAAAATTAAATCTGAGAAGACACATATTCACATTTTCTCATTTACTGGCGAAGAAATGGCCACAAAGGCCGATTACACTCTCGATGAAGAAAGCAGGGCTAGAATTAAAACCAGACTATTCACCATAAGGCAAGAAATGGCAAGCAGAGGTCTTTGGGACTCCTTTCGTCAGTCCGAAAGAGGCGAAGAGACAATTGAAGAAAGGTTTGAAATCACAGGGACAATGCGCAGGCTCGCTGATCAAAGCCTTCCGCCGAACTTCTCCTGCATTGAGAATTTTAGAGCCTATGTGGATGGATTTGAACCGAACGGCTACATTGAGGGCAAGCTTTCTCAAATGTCCAAAGAAGTAAATGCTAAAATTGAGCCTTTTTTGAAAACAACACCTCGACCAATTAGACTTCCGAATGGGCCTCCTTGTTTTCAGCGGTCAAAATTCCTGCTGATGGATTCTTTAAAATTAAGCATTGAGGATCCAAATCATGAAGGGGAGGGAATACCACTATATGATGCAATCAAGTGTATGAGAACATTCTTTGGATGGAAAGAACCCACTGTTGTCAAGCCACACGAGAAGGGAATAAATCCGAATTATCTGCTGTCGTGGAAGCAGGTGTTGGAAGAGCTGCAGGACATTGAGAGTGAGGAGAAGATTCCAAGAACAAAAAACATGAAAAAAACGAGTCAGTTAAAGTGGGCACTTGGTGAGAACATGGCACCAGAGAAGGTGGATTTTGATGACTGTAAAGATATAAGCGATTTGAAGCAATATGATAGTGACGAACCTGAATTAAGGTCATTTTCAAGTTGGATCCAGAATGAGTTCAACAAGGCATGCGAGCTGACCGATTCAATCTGGATAGAGCTCGATGAGATTGGAGAAGATGTGGCCCCGATTGAACACATTGCAAGCATGAGAAGAAATTACTTCACAGCTGAGGTGTCCCATTGCAGAGCCACTGAATATATAATGAAAGGGGTATACATTAATACTGCTTTGCTTAATGCATCCTGTGCAGCAATGGATGATTTCCAACTAATTCCTATGATAAGCAAATGTAGAACTAAAGAGGGAAGGAGAAAGACCAATTTGTACGGCTTCATCATAAAAGGAAGATCTCACTTAAGGAATGATACCGATGTGGTAAACTTTGTGAGCATGGAGTTTTCCCTCACTGACCCAAGACTTGAGCCACACAAATGGGAGAAGTACTGTGTTCTTGAGATAGGAGATATGCTTCTAAGGAGTGCAATAGGCCAAGTGTCAAGGCCCATGTTCTTGTATGTAAGAACAAATGGAACCTCAAAAATTAAAATGAAATGGGGAATGGAGATGAGGCGTTGCCTCCTCCAATCCCTCCAACAAATAGAGAGCATGATTGAAGCTGAGTCCTCTGTCAAGGAGAAAGACATGACAAAAGAGTTTTTTGAGAATAGATCAGAAACATGGCCCATTGGAGAGTCACCAAAAGGAGTGGAAGAAGGTTCCATTGGGAAAGTATGCAGGACACTATTGGCTAAATCAGTATTCAATAGTCTGTATGCATCTCCACAATTAGAAGGATTTTCAGCTGAGTCAAGAAAGTTGCTCCTTATTGTTCAGGCTCTTAGGGACAATCTGGAACCTGGGACCTTTGATCTTGGGGGACTATATGAAGCAATTGAGGAGTGCCTGATTAATGATCCCTGGGTTTTGCTTAATGCTTCTTGGTTCAACTCCTTCCTAAAACATGCATTGAGATAGCTGAGGCAATGCTACTATTTGTTATCCATACTGTCCAAAAAAGTA
配列番号10(PB1、105p30)
AGCGAAAGCAGGCAAACCATTTGAATGGATGTCAATCCGACATTACTTTTCTTAAAAGTGCCAGCACAAAATGCTATAAGCACAACTTTTCCTTATACTGGTGACCCTCCTTACAGCCATGGAACAGGAACAGGATACACCATGGATACAGTCAACAGGACACATCAGTACTCAGAAAGAGGAAGATGGACGAAAAATACCGAAACTGGAGCACCGCAACTCAACCCAATTGATGGGCCACTACCAGAAGACAATGAACCAAGTGGCTATGCCCAAACAGATTGTGTATTAGAGGCAATGGCTTTCCTTGAAGAATCCCATCCTGGTATTTTTGAAAACTCTTGTATTGAAACAATGGAGGTTGTTCAGCAAACAAGGGTGGACAAACTGACACAAGGCAGACAAACCTATGACTGGACTCTAAATAGGAACCAGCCTGCTGCCACAGCATTGGCAAACACCATAGAAGTATTCAGATCAAATGGCCTCATAGCAAATGAATCTGGAAGGCTAATAGACTTCCTTAAAGATGTAATGGAGTCGATGGACAGAGACGAAGTAGAGGTCACAACTCATTTTCAAAGAAAGAGGAGAGTGAGAGACAATGTAACTAAAAAAATGGTGACCCAAAGAACAATAGGAAAAAAGAAACATAAATTAGACAAAAGAAGTTACCTAATTAGGGCATTAACCCTGAACACAATGACCAAAGATGCTGAGAGGGGGAAACTAAAACGCAGAGCAATTGCAACCCCAGGAATGCAAATAAGGGGGTTTGTATACTTTGTTGAGACACTGGCAAGAAGCATATGTGAAAAGCTTGAACAATCAGGGTTGCCAGTTGGAGGAAATGAGAAGAAAGCAAAGTTAGCAAATGTTGTAAGGAAGATGATGACCAACTCCCAGGACACTGAAATTTCTTTTACCATCACTGGAGATAACACAAAATGGAACGAAAATCAAAACCCTAGAATGTTCTTGGCCATGATCACATATATAACCAAAGATCAGCCTGAATGGTTCAGAAATATTCTAAGTATTGCTCCAATAATGTTTTCAAACAAAATGGCGAGACTAGGTAGGGGGTATATGTTTGAAAGCAAGAGTATGAAACTGAGAACCCAAATACCTGCAGAGATGCTAGCCAACATAGATTTGAAATATTTCAATGATTCAACTAAAAAGAAAATTGAAAAAATTCGACCATTATTAATAGATGGAACTGCATCATTGAGTCCTGGAATGATGATGGGCATGTTCAATATGTTAAGCACCGTCTTGGGCGTTTCCATTCTGAATCTTGGGCAAAAAAGATACACCAAGACTACTTACTGGTGGGATGGTCTTCAATCGTCTGATGATTTTGCTTTGATTGTGAATGCACCCAATTATGCAGGAATTCAAGCTGGAGTTGACAGGTTTTATCGAACCTGTAAGCTGCTCGGAATTAATATGAGCAAAAAGAAGTCTTACATAAACAGAACAGGTACCTTTGAATTCACGAGCTTTTTCTATCGTTATGGGTTTGTTGCCAATTTCAGCATGGAGCTTCCTAGTTTTGGGGTGTCTGGGGTCAATGAATCTGCAGACATGAGTATTGGAGTCACTGTCATCAAAAACAATATGATAAACAATGACCTTGGCCCAGCAACTGCTCAAATGGCCCTTCAGTTATTTATAAAAGATTACAGGTACACTTATCGATGCCACAGAGGTGACACACAAATACAAACCCGGAGATCATTTGAAATAAAGAAACTATGGGACCAAACCCGCTCCAAAGCTGGGCTGTTGGTCTCTGATGGAGGCCCCAATTTATATAACATTAGGAATCTACATATTCCTGAAGTCTGCTTGAAATGGGAGTTGATGGATGAGGATTACCAGGGGCGTTTATGCAACCCATTGAACCCGTTTGTCAGCCATAAAGAGATTGAATCAGTGAACAATGCAGTGATAATGCCGGCACATGGTCCAGCCAAAAATATGGAGTATGACGCTGTTGCAACAACACACTCTTGGGTCCCCAAAAGAAATCGATCCATTTTAAACACGAGCCAAAGAGGGATACTTGAAGATGAGCAAATGTACCAAAGGTGCTGCAATTTATTTGAAAAATTCTTCCCAAGTAGCTCATACAGAAGACCAGTTGGAATATCCAGTATGGTAGAGGCTATGGTTTCAAGAGCCCGAATTGATGCACGGATTGATTTCGAATCTGGAAGGATAAAGAAAGAGGAATTCGCTGAGATCATGAAGACCTGTTCCACCATTGAAGACCTCAGACGGCAAAAATAGGGAATTTGGCTTGTCCTTCATGAAAAAATGCCTTGTTTCTACT
配列番号11(PB2、105p30)
AGCGAAAGCAGGTCAATTATATTCAATATGGAAAGAATAAAAGAGCTAAGGAATCTGATGTCACAATCTCGCACTCGCGAGATACTTACCAAAACTACTGTAGACCACATGGCCATAATAAAGAAATACACATCAGGAAGACAGGAGAAAAACCCATCACTTAGGATGAAATGGATGATGGCAATGAAATACCCAATTACAGCTGATAAAAGGATAACGGAAATGATTCCTGAAAGAAATGAGCAAGGACAGACACTATGGAGTAAAGTGAATGATGCCGGATCAGACCGAGTGATGATATCACCCCTAGCTGTGACATGGTGGAACAGAAATGGACCAGTGGCAAACACTATCCACTATCCAAAAATCTACAAAACTTACTTTGAAAAGGTTGAAAGGTTAAAACATGGAACCTTTGGCCCTGTACACTTTAGAAACCAAGTCAAAATACGCCGAAGAGTCGACATAAATCCTGGTCATGCAGACCTCAGCGCCAAGGAGGCACAGGATGTAATTATGGAAGTTGTTTTCCCTAATGAAGTGGGAGCCAGAATACTAACATCAGAATCGCAATTAACGATAACTAAGGAGAAAAAAGAGGAACTCCAGAATTGCAAAATTTCCCCTTTGATGGTTGCATACATGTTAGAGAGGGAACTTGTCCGCAAAACAAGATTTCTCCCGGTTGCAGGTGGAACAAGCAGTGTGTACATTGAAGTTTTGCATTTAACACAGGGGACATGCTGGGAGCAGATGTACACTCCAGGTGGGGAGGTGAGGAATGATGATGTTGATCAAAGCCTAATTATTGCTGCTAGGAACATAGTGAGAAGAGCTGCAGTATCAGCAGATCCACTAGCATCTTTATTAGAAATGTGCCATAGCACACAGATTGGTGGAACAAGGATGGTGGATATTCTCAGGCAAAATCCAACAGAAGAACAAGCTGTGGACATATGCAAAGCAGCAATGGGGCTGAGAATCAGTTCATCCTTCAGTTTTGGCGGATTCACATTTAAGAGAACAAGTGGATCGTCAGTCAAAAGGGAGGAAGAAGTGCTAACGGGCAATCTGCAAACATTGAAGCTAACTGTGCATGAGGGATATGAAGAATTCACAATAGTTGGGAAAAAGGCAACAGCTATACTCAGAAAAGCAACCAGGAGATTGATTCAACTAATAGTGAGTGGAAGAGACGAACAGTCAATAGTCGAAGCAATAGTTGTAGCAATGGTATTCTCACAAGAAGATTGCATGGTAAAAGCGGTTAGAGGTGATCTGAATTTCGTTAATAGAGCGAATCAGCGGTTGAATCCCATGCATCAACTTTTGAGACATTTTCAGAAGGATGCTAAAGTACTTTTCCTAAATTGGGGAATTGAACATATTGACAATGTGATGGGAATGATTGGGATATTACCTGATATGACTCCAAGTACCGAGATGTCAATGAGAGGAGTGAGAGTCAGCAAAATGGGTGTAGATGAATACTCCAATGCTGAAAGGGTAGTGGTAAGCATTGACCGTTTTTTGAGGGTCCGGGACCAAAGAGGAAATGTATTACTGTCTCCAGAGGAAGTCAGTGAAACACAAGGAACAGAGAAACTGACAATAACTTACTCTTCATCATTGATGTGGGAGATTAATGGCCCTGAGTCAGTGTTGATCAATACCTACCAATGGATCATCAGAAACTGGGAGACTGTTAAAATTCAGTGGTCTCAGAACCCTACAATGCTATACAATAAAATGGAATTTGAGCCATTTCAATCTCTAGTCCCCAAGGCCATTAGAGGCCAATACAGTGGGTTTGTTAGAACTCTATTTCAACAAATGAGGGATGTGCTCGGGACCTTTGACACAACTCAGATAATAAAACTTCTTCCCTTTGCAGCCGCTCCACCAAAGCAAAGTAGAATGCAATTCTCGTCATTAACTGTGAATGTGAGGGGATCAGGAATGAGAATACTTGTAAGGGGTAATTCTCCAGTATTCAACTACAACAAGACCACTAAGAGACTCACAATCCTCGGAAAGGATGCTGGCACTTTAACTGAAGACCCAGATGAAGGCACAGCTGGAGTGGAATCTGCTGTTTTAAGGGGATTCCTCATTCTAGGCAAAGAAGATAGAAGATATGGGCCAGCATTAAGCATCAGTGAATTGAGCAACCTTGCGAAAGGGGAGAAAGCTAATGTGCTAATTGGGCAAGGGGATGTAGTGTTGGTAATGAAACGAAAACGGGACTCTAGCATACTTACTGACAGCCAGACAGCGACCAAAAGAATTCGGATGGCCATCAATTAATTTCGAATAATTTAAAAACGACCTTGTTTCTACT
配列番号12(NP、105p30)
AGCAAAAGCAGGGTAGATAATCACTCACTGAGTGACATCAAAGTCATGGCGTCCCAAGGCACCAAACGGTCTTACGAACAGATGGAGACTGATGGGGAACGCCAGAATGCAACTGAAATCAGAGCATCCGTCGGAAGAATGATTGGGGGAATTGGGCGATTCTACATCCAAATGTGCACCGAGCTTAAGCTCAATGATTATGAGGGACGACTGATCCAGAACAGCTTAACAATAGAGAGAATGGTGCTTTCTGCTTTTGATGAGAGGAGAAATAAATATCTGGAAGAACATCCCAGCGCAGGGAAAGATCCTAAGAAAACTGGAGGACCCATATACAAGAGAGTAGATGGAAAGTGGGTGAGGGAACTCGTCCTTTATGACAAAGAAGAAATAAGGCGGATTTGGCGCCAAGCCAACAATGGTGATGATGCAACAGCTGGTTTGACTCACATTATGATCTGGCATTCTAATTTGAATGATACAACTTACCAGAGGACAAGAGCTCTTGTCCGCACCGGAATGGATCCCAGGATGTGCTCTTTGATGCAAGGTTCAACTCTCCCTAGAAGATCTGGAGCAGCAGGCGCTGCAGTCAAAGGAGTTGGGACAATGGTATTGGAGTTAATCAGGATGATCAAACGTGGGATCAACGACCGAAACTTCTGGAGGGGTGAGAATGGGAGAAAAACAAGGATTGCTTATGAGAGAATGTGCAACATTCTCAAAGGAAAATTTCAAACAGCTGCACAAAAAGCAATGATGGATCAAGTGAGAGAAAGCCGGAACCCAGGAAATGCTGAGATCGAAGATCTCACTTTTCTGGCACGGTCTGCACTCATATTGAGAGGATCAGTTGCTCACAAGTCTTGCCTGCCTGCTTGTGTGTATGGACCAGCCGTAGCCAGTGGGTATGACTTCGAAAAAGAGGGATACTCTTTGGTGGGAGTAGACCCTTTCAAACTGCTTCAAACCAGTCAGGTATACAGCCTAATTAGACCAAACGAGAATCCCGCACACAAGAGCCAGTTGGTGTGGATGGCATGCAATTCTGCTGCATTTGAAGATCTAAGAGTGTCAAGCTTCATCAGAGGGACAAGAGTACTTCCAAGGGGGAAGCTCTCCACTAGAGGAGTACAAATTGCTTCAAATGAAAACATGGATGCTATTGTCTCAAGTACTCTTGAACTGAGAAGCAGATACTGGGCCATAAGAACCAGAAGTGGAGGGAACACCAATCAACAAAGGGCCTCTGCGGGCCAAATCAGCACACAACCTACGTTTTCTGTGCAGAGAAACCTCCCATTTGACAAAACAACCATCATGGCAGCATTCACTGGGAATACAGAGGGAAGAACATCAGACATGCGGGCAGAAATCATAAAGATGATGGAAAGTGCAAGACCAGAAGAAGTGTCCTTCCAGGGACGGGGAGTCTTTGAGCTCTCGGACGAAAGGGCAACGAACCCGATCGTGCCCTCCTTTGACATGAGTAATGAAGGATCTTATTTCTTCGGAGACAATGCAGAGGAGTACGACAATTAATGAAAAATACCCTTGTTTCTACT
配列番号13(M、105p30)
AGCAAAAGCAGGTAGATATTGAAAGATGAGTCTTCTAACCGAGGTCGAAACGTACGTTCTCTCTATCGTCCCATCAGGCCCCCTCAAAGCCGAGATCGCACAGAGACTTGAAGATGTATTTGCTGGAAAGAATACCGATCTTGAGGCTCTCATGGAATGGCTAAAGACAAGACCAATCCTGTCACCTCTGACTAAGGGGATTTTAGGATTTGTGTTCACGCTCACCGTGCCCAGTGAGCGAGGACTGCAGCGTAGACGCTTTGTCCAAAATGCCCTTAATGGGAATGGGGATCCAAATAATATGGACAAGGCTGTCAAACTGTATCGAAAGCTTAAGAGGGAGATAACATTCCATGGGGCCAAAGAAATAGCACTCAGTTATTCTGCTGGAGCACTTGCCAGTTGTATGGGACTCATATACAACAGGATGGGGGCTGTGACCACCGAATCAGCATTTGGCCTTATATGTGCAACCTGTGAACAGATTGCCGACTCCCAGCATAAGTCTCATAGGCAAATGGTAACAACAACCAATCCATTAATAAGACATGAGAACAGAATGGTTCTGGCCAGCACTACAGCTAAGGCTATGGAGCAAATGGCTGGATCGAGTGAACAAGCAGCTGAGGCCATGGAGGTTGCTAGTCAGGCCAGGCAGATGGTGCAGGCAATGAGAGCCATTGGGACTCATCCTAGCTCTAGCACTGGTCTGAAAAATGATCTCCTTGAAAATTTGCAGGCCTATCAGAAACGAATGGGGGTGCAGATGCAACGATTCAAGTGATCCTCTTGTTGTTGCCGCAAGTATAATTGGGATTGTGCACCTGATATTGTGGATTATTGATCGCCTTTTTTCCAAAAGCATTTATCGTATTTTTAAACACGGTTTAAAAAGAGGGCCTTCTACGGAAGGAGTACCGGAGTCTATGAGGGAAGAATATCGAGAGGAACAGCAGAATGCTGTGGATGCTGACGATGGTCATTTTGTCAGCATAGAGCTAGAGTAAAAAACTACCTTGTTTCTACT
配列番号14(NS、105p30)
AGCAAAAGCAGGGTGGCAAAGACATAATGGATTCCCACACTGTGTCAAGCTTTCAGGTAGATTGTTTCCTTTGGCATGTCCGCAAACAAGTTGCAGACCAAGATCTAGGCGATGCCCCCTTCCTTGATCGGCTTCGCCGAGATCAGAAGTCTCTAAAGGGACGAGGCAACACTCTCGGTCTGAACATCGAAACAGCCACTTGTGTTGGAAAGCAAATAGTAGAGAGGATTCTGAAAGAAGAATCCGATGAGACATTTAGAATGACCATGGCCTCCGCACTTGCTTCGCGGTACCTAACTGACATGACTGTTGAAGAAATGTCAAGGGACTGGTTCATGCTCATGCCCAAGCAGAAAGTGGCTGGCCCTCTTTGTGTCAGAATGGACCAGGCGATAATGGATAAGAACATCATACTGAAAGCGAACTTCAGTGTGATTTTTGACCGGTTGGAGAATCTGACATTACTAAGGGCTTTCACCGAAGAGGGAGCAATTGTTGGCGAAATTTCACCATTGCCTTCTTTTCCAGGACATACTAATGAGGATGTCAAAAATGCAATTGGGGTCCTCATCGGGGGACTTGAATGGAATGATAACACAGTTCGAGTCTCTGAAGCTCTACAGAGATTCGCTTGGAGAAGCAGTAATGAGACTGGGGGACCTCCATTCACTACAACACAGAAACGGAAAATGGCGGGAACAATTAGGTCAGAAGTTTGAAGAAATAAGATGGCTGATTGAAGAAGTGAGGCATAAATTGAAGACGACAGAGAGTAGTTTTGAACAAATAACATTTATGCAAGCATTACAGCTATTGTTTGAAGTGGAACAAGAGATTAGAACGTTCTCGTTTCAGCTTATTTAATGATAAAAACACCCTTGTTTCTACT
配列番号15(HA、105p30)
AGCGAAAGCAGGGGAAAATAAAAGCAACCAAAATGAAAGTAAAACTACTGGTTCTGTTATGTACATTTACAGCTACATATGCAGACACAATATGTATAGGCTACCATGCCAACAACTCAACCGACACTGTTGACACAGTACTTGAGAAGAATGTAACAGTGACACACTCTGTCAACCTACTTGAGGACAGTCACAATGGAAAACTATGTCTACTAAAAGGAATAGCCCCACTACAATTGGGTAATTGCAGCGTTGCCGGATGGATCTTAGGAAACCCAGAATGCGAATTACTGATTTCCAAGGAATCATGGTCCTACATTGTAGAAACACCAAATCCTGAGAATGGAACATGTTACCCAGGGTATTTCGCCGACTATGAGGAACTGAGGGAGCAATTGAGTTCAGTATCTTCATTTGAAAGGTTCGAAATATTCCCCAAAGAGAGCTCATGGCCCAACCACACCGTAACCGGAGTATCAGCATCATGCTCCCATAACGGGAAAAGCAGTTTTTACAGAAATTTGCTATGGCTGACGGGGAAGAATGGTTTGTACCCAAACCTGAGCAAGTCCTATGCAAACAACAAAGAGAAAGAAGTCCTTGTACTATGGGGTGTTCATCACCCGCCTAACATAGGGGACCAAAGGGCCCTCTATCATACAGAAAATGCTTATGTCTCTGTAGTGTCTTCACATTATAGCAGAAGATTCACCCCAGAAATAGCCAAAAGACCCAAGGTGAGAGACCAGGAAGGAAGAATCAACTACTACTGGACTCTGCTGGAACCCGGGGATACAATAATATTTGAGGCAAATGGAAATCTAATAGCGCCAAGGTATGCTTTCGCACTGAGTAGAGGCTTGGGATCAGGAATCATCACCTCAAATGCACCAATGGATGAATGTGATGCAAAGTGTCAAACACCTCAGGGAGCTATAAACAGCAGTCTTCCTTTCCAGAATGTACACCCAGTCACAATAGGAGAGTGTCCAAAGTATGTCAGGAGTGCAAAATTAAGGATGGTTACAGGACTAAGGAACATCCCATCCATTCAATCCAGAGGTTTGTTTGGAGCAATTGCCGGTTTCATTGAAGGGGGGTGGACTGGAATGGTAGATGGTTGGTATGGTTATCATCATCAGAATGAGCAAGGATCTGGGTATGCTGCAGATCAAAAAAGCACACAAAATGCCATTAACGGGATTACAAACAAGGTGAATTCTGTAATTGAGAAAATGAACACTCAATTCACAGCTGTGGGCAAAGAATTCAACAAATTGGAAAGAAGGATGGAAAACTTAAATAAAAAAGTTGATGATGGGTTTCTAGACATTTGGACCTATAATGCAGAATTGTTGGTTCTACTGGAAAATGAAAGGACTTTGGATTTCCATGACTCCAACGTGAAGAATCTGTATGAGAAAGTAAAAAGCCAATTAAAGAATAATGCCAAAGAAATAGGAAACGGGTGTTTTGAATTCTATCACAAGTGTAACGATGAATGCATGGAGAGTGTGAAAAATGGAACTTATGACTATCCAAAATATTCCGAAGAATCAAAGTTAAACAGAGAGAAAATTGATGGAGTGAAATTGGAATCAATGGGAGTCTATCAGATTCTGGCGATCTACTCAACAGTCGCCAGTTCCCTGGTTCTTTTGGTCTCCCTGGGGGCAATCAGCTTCTGGATGTGTTCCAATGGGTCTTTGCAGTGTAGAATATGCATCTAAGACCAGAATTTCAGAAATATAAGGAAAAACACCCTTGTTTCTACT
配列番号16(NA、105p30)
AGCAAAAGCAGGAGTTTAAAATGAATCCAAATCAAAAAATAATAACCATTGGATCAATCAGTATAGCAATCGGAATAATTAGTCTAATGTTGCAAATAGGAAATATTATTTCAATATGGGCTAGTCACTCAATCCAAACTGGAAGTCAAAACCACACTGGAATATGCAACCAAAAAATCATCACATATGAAAACAGCACCTGGGTGAATCACACATATGTTAATATTAACAACACTAATGTTGTTGCTGGAAAGGACAAAACTTCAGTGACACTGGCCGGCAATTCATCTCTTTGTCCTATCAGTGGATGGGCTATATACACAAAAGACAACAGCATAAGAATTGGCTCCAAAGGAGATGTTTTTGTCATAAGAGAACCTTTCATATCATGTTCTCACTTGGAATGCAGAACCTTTTTTCTGACCCAAGGTGCTCTATTAAATGACAAACATTCAAATGGAACCGTTAAGGACAGAAGTCCTTATAGGGCCTTAATGAGCTGTCCTCTAGGTGAAGCCCCGTCACCATACAATTCAAAGTTTGAATCAGTTGCATGGTCAGCAAGCGCATGCCATGATGGCAAGGGCTGGTTAACAATCGGAATTTCTGGTCCAGACAATGGAGCTGTGGCTGTACTAAAATACAACGGAATAATAACTGAAACCATAAAAAGTTGGGAAAAGCGAATATTGAGAACACAAGAGTCTGAATGTGTTTGTGTGAACGGGTCATGTTTCACCATAATGACCGATGGCCCGAGTAATGGGGCCGCCTCGTACAAAATCTTCAAGATCGAAAAGGGGAAGGTTACTAAATCAACAGAGTTGAATGCACCCAATTTTCATTATGAGGAATGTTCCTGTTACCCAGACACTGGCACAGTGATGTGTGTATGCAGGGACAACTGGCATGGTTCAAATCGACCTTGGGTATCTTTTAATCAAAACTTGGATTATCAAATAGGATACATCTGCAGTGGAGTGTTCGGTGACAATCCGCGTCCCAAAGATGGGAAGGGCAGCTGTAATCCAGTGACTGTTGATGGAGCAGACGGAGTTAAGGGGTTTTCATACAAATATGGTAATGGTGTTTGGATAGGAAGGACTAAAAGTAACAGACTTAGAAAGGGGTTTGAGATGATTTGGGATCCTAATGGATGGACAGATACCGACAGTGATTTCTCAGTGAAACAGGATGTTGTGGCAATAACTGATTGGTCAGGGTACAGCGGAAGTTTCGTCCAACATCCTGAGTTAACAGGATTGGACTGTATAAGACCTTGCTTCTGGGTTGAGTTAGTCAGAGGACTGCCTAGAGAAAATACAACAATCTGGACTAGTGGGAGCAGCATTTCTTTTTGTGGCGTTGATAGTGATACTGCAAATTGGTCTTGGCCAGACGGTGCTGAGTTGCCGTTCACCATTGACAAGTAGCTCGTTGAAAAAAACTCCTTGTTTCTACT
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【配列表】
【国際調査報告】