(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】核酸を逐次検出するための方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6813 20180101AFI20230118BHJP
C12Q 1/6841 20180101ALI20230118BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20230118BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20230118BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
C12Q1/6813 Z
C12Q1/6841 Z
C12M1/00 A
C12M1/34 Z
C12N15/11 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529322
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 US2020061467
(87)【国際公開番号】W WO2021102237
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521361338
【氏名又は名称】アドヴァンスド セル ダイアグノスティクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リ-チョン
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ハン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ピンチン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リ
(72)【発明者】
【氏名】ヅォン,ヘイリン
(72)【発明者】
【氏名】マ,シャオ-チュン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA08
4B029AA23
4B029BB11
4B029CC01
4B029FA15
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4B063QR08
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4B063QS03
4B063QS34
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4B063QS39
4B063QX02
(57)【要約】
本発明は、試料を酸試薬と接触させて、結合した核酸検出システムを除去し、それによって同じ検出システムを再び使用することを可能にし、異なる標的核酸を検出し、より高いレベルのマルチプレックスを提供することによる、複数の標的核酸のマルチプレックス検出方法に関する。本発明はまた、酸試薬、及び任意選択で標的核酸の検出のためのプローブを含むキットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞内の核酸に結合したプローブの結合を破壊するための方法であって、前記細胞を酸試薬と接触させることを含み、前記細胞が、前記細胞内の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした第1のプローブを含み、前記酸試薬が、前記第1のプローブと前記第1の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する、前記方法。
【請求項2】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記細胞から前記第1のプローブを除去することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記細胞を第2のプローブと接触させるステップをさらに含み、前記第2のプローブが、前記細胞内の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションし、前記第2の標的核酸が、前記第1の標的核酸と同一であるか、または異なる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記細胞を前記酸試薬と接触させるステップをさらに含み、前記酸試薬が、前記第2のプローブと前記第2の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記細胞から前記第2のプローブを除去するステップをさらに含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
細胞内の核酸に結合したプローブの結合を破壊するための方法であって、前記細胞を酸試薬と接触させることを含み、前記細胞が、前記細胞内の1つ以上の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした1つ以上の第1のプローブを含み、前記酸試薬が、前記1つ以上の第1のプローブと前記1つ以上の第1の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する、前記方法。
【請求項9】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記細胞から前記1つ以上の第1のプローブを除去することをさらに含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記細胞が、2つ以上の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした2つ以上の第1のプローブを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の標的核酸の各々が、前記第1のプローブへのハイブリダイゼーションによって標識され、各第1の標的核酸上の前記標識が、前記第1のプローブにハイブリダイゼーションした他の第1の標的核酸(複数可)上の前記標識から区別可能である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記細胞を1つ以上の第2のプローブと接触させるステップをさらに含み、前記1つ以上の第2のプローブが、前記細胞内の1つ以上の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションし、前記1つ以上の第2の標的核酸が、前記1つ以上の第1の標的核酸と同一であるか、または異なる、請求項8~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記細胞が、2つ以上の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションした2つ以上の第2のプローブを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の標的核酸の各々が、前記第2のプローブへのハイブリダイゼーションによって標識され、各第2の標的核酸上の前記標識が、前記第2のプローブにハイブリダイゼーションした他の第2の標的核酸(複数可)上の前記標識から区別可能である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記細胞を前記酸試薬と接触させるステップをさらに含み、前記酸試薬が、前記第2のプローブと前記1つ以上の第2の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記細胞から前記第2のプローブを除去するステップをさらに含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
細胞内の複数の標的核酸のマルチプレックス検出のための方法であって、
(A)複数の標的核酸を含む細胞を含む試料を、1つ以上の標的核酸に特異的なプローブのセットと接触させることであって、標的核酸に対する前記プローブが、
(a)標的プローブのセットであって、前記標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む、前記標的プローブのセットと、
(b)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記前増幅剤が、前記標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(c)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、前記増幅剤が、前記前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(d)標識プローブのセットであって、前記標識プローブのセットの前記標識プローブが各々、前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、前記標識プローブのセットと、を含む、前記接触させることと、
(B)それぞれの標的核酸に結合した検出可能な標識を検出することと、
(C)前記試料を酸試薬と接触させて、それによって前記標的核酸に結合した前記プローブの結合を破壊することと、を含む、前記方法。
【請求項20】
細胞内の複数の標的核酸のマルチプレックス検出のための方法であって、
(A)複数の標的核酸を含む細胞を含む試料を、1つ以上の標的核酸に特異的なプローブのセットと接触させることであって、標的核酸に対する前記プローブが、
(a)標的プローブのセットであって、前記標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む、前記標的プローブのセットと、
(b)前-前増幅剤(pre-pre-amplifier)のセットであって、前記前-前増幅剤のセットが、1つ以上の前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、標的プローブの前記1つ以上の対に対する結合部位を含む、前記前-前増幅剤のセットと、
(c)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記前増幅剤が、前記前-前増幅剤に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(d)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、前記増幅剤が、前記前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(e)標識プローブのセットであって、前記標識プローブのセットの前記標識プローブが各々、前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、前記標識プローブのセットと、を含む、前記接触させることと、
(B)それぞれの標的核酸に結合した検出可能な標識を検出することと、
(C)前記試料を酸試薬と接触させて、それによって前記標的核酸に結合した前記プローブの結合を破壊することと、を含む、前記方法。
【請求項21】
細胞内の複数の標的核酸のマルチプレックス検出のための方法であって、
(A)複数の標的核酸を含む細胞を含む試料を、1つ以上の標的核酸に特異的なプローブのセットと接触させることであって、標的核酸に対する前記プローブが、
(a)標的プローブのセットであって、前記標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む、前記標的プローブのセットと、
(b)前-前増幅剤のセットであって、前記前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の1つ以上の対を含み、前記前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤が、前記標的プローブの対の前記標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含む、前記前-前増幅剤のセットと、
(c)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記前増幅剤が、前記前-前増幅剤の対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(d)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、前記増幅剤が、前記前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(e)標識プローブのセットであって、前記標識プローブのセットの前記標識プローブが各々、前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、前記標識プローブのセットと、を含む、前記接触させることと、
(B)それぞれの標的核酸に結合した検出可能な標識を検出することと、
(C)前記試料を酸試薬と接触させて、それによって前記標的核酸に結合した前記プローブの結合を破壊することと、を含む、前記方法。
【請求項22】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項19~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
1回以上、ステップ(A)及び(B)を繰り返すこと、またはステップ(A)、(B)、及び(C)を繰り返すことをさらに含む、請求項19~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
複数の標的核酸を検出する方法であって、
(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、前記接触させることと、
(B)前記試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記複数の前増幅剤が、各標的プローブのセットに特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前記標的プローブのセットのうちの1つの前記標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(C)前記試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、前記増幅剤のセットが、各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前記前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(D)前記試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第1のセットが、前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(E)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第1のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第1のサブセットを検出することと、
(F)前記標的核酸の第1のサブセットに結合した前記標識プローブの第1のセットから前記標識を切断することと、
(G)前記試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、任意選択で切断可能であり、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(H)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第2のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、前記検出することと、
(I)前記試料を酸試薬と接触させて、それによって前記標的核酸に結合した前記プローブの結合を破壊することと、を含む、前記方法。
【請求項25】
前記方法が、ステップ(I)の前に、
(J)前記標的核酸の第2のサブセットに結合した前記標識プローブの第2のセットから前記標識を切断することと、
(K)前記試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、任意選択で切断可能であり、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(L)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第3のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ステップ(J)~(L)を1回以上繰り返すことを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項24~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(H)、(J)~(L)及び(I)を1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項24~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
ステップ(A)~(H)またはステップ(A)~(H)及び(J)~(L)を繰り返すことをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
複数の標的核酸を検出する方法であって、
(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、前記接触させることと、
(B)前記試料を、前-前増幅剤のセットと接触させることであって、前記前-前増幅剤のセットが、複数の前-前増幅剤を含み、前記複数の前-前増幅剤が、各標的プローブのセットに特異的な前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、前記標的プローブのセットのうちの1つの前記標的プローブの対に対する結合部位及び前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(C)前記試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前記前増幅剤のセットが、各前-前増幅剤に特異的な前増幅剤の複数のサブセットを含み、前増幅剤の各サブセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤のサブセットの前記前増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前記前-前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(D)前記試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、前記増幅剤のセットが、前増幅剤の各サブセットに特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、前記前増幅剤のサブセットのうちの1つの前記前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(E)前記試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第1のセットが、前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(F)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第1のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第1のサブセットを検出することと、
(G)前記標的核酸の第1のサブセットに結合した前記標識プローブの第1のセットから前記標識を切断することと、
(H)前記試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、任意選択で切断可能であり、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(I)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第2のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、前記検出することと、
(J)前記試料を酸試薬と接触させて、それによって前記標的核酸に結合した前記プローブの結合を破壊することと、を含む、前記方法。
【請求項31】
前記方法が、ステップ(J)の前に、
(K)前記標的核酸の第2のサブセットに結合した前記標識プローブの第2のセットから前記標識を切断することと、
(L)前記試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、任意選択で切断可能であり、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(M)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第3のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ステップ(K)~(M)を1回以上繰り返すことを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項30~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
ステップ(A)~(J)またはステップ(A)~(I)、(K)~(M)及び(J)を1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項30~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(I)及び(K)~(M)を繰り返すことをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
複数の核酸を検出する方法であって、
(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、前記接触させることと、
(B)前記試料を、前-前増幅剤のセットと接触させることであって、前記前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の複数の対を含み、前記前-前増幅剤のセットが、前記標的プローブのセットの標的プローブの前記対の各々に特異的な前-前増幅剤の対を含み、前記前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤は、標的プローブのセットの標的プローブの前記対の前記標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含み、前記前-前増幅剤が、前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(C)前記試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記複数の前増幅剤が、前-前増幅剤の各対に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前記前-前増幅剤のセットの前-前増幅剤の前記対のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(D)前記試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、前記増幅剤のセットが、前-前増幅剤の各対に特異的な各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、前-前増幅剤の対に特異的な前記前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(E)前記試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第1のセットが、前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(F)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第1のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第1のサブセットを検出することと、
(G)前記標的核酸の第1のサブセットに結合した前記標識プローブの第1のセットから前記標識を切断することと、
(H)前記試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、任意選択で切断可能であり、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(I)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第2のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、前記検出することと、
(J)前記試料を酸試薬と接触させて、それによって前記標的核酸に結合した前記プローブの結合を破壊することと、を含む、前記方法。
【請求項37】
前記方法が、ステップ(J)の前に、
(K)前記標的核酸の第2のサブセットに結合した前記標識プローブの第2のセットから前記標識を切断することと、
(L)前記試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、任意選択で切断可能であり、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(M)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第3のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ステップ(K)~(M)を1回以上繰り返すことを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項36~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
ステップ(A)~(J)またはステップ(A)~(I)、(K)~(M)及び(J)を1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項36~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(I)及び(K)~(M)を繰り返すことをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
複数の標的核酸を検出する方法であって、
(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、前記接触させることと、
(B)前記試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記複数の前増幅剤が、各標的プローブのセットに特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前記標的プローブのセットのうちの1つの前記標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(C)前記試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、前記増幅剤のセットが、各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前記前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(D)前記試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第1のセットが、前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(E)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第1のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第1のサブセットを検出することと、
(F)前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ前記標的プローブ、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度を下回る温度で前記試料をインキュベートし、それによって前記標的核酸の第1のサブセットに結合した前記標識プローブの第1のセットから前記標識を除去することと、
(G)前記試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(H)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第2のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、前記検出することと、
(I)前記試料を酸試薬と接触させて、それによって前記標的核酸に結合した前記プローブの結合を破壊することと、を含む、前記方法。
【請求項43】
前記方法が、ステップ(I)の前に、
(J)前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ前記標的プローブ、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度を下回る温度で前記試料をインキュベートし、それによって前記標的核酸の第2のサブセットに結合した前記標識プローブの第2のセットから前記標識を除去することと、
(K)前記試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(L)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第3のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
ステップ(J)~(L)を1回以上繰り返すことを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項42~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(H)、(J)~(L)及び(I)を1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項42~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
ステップ(A)~(H)またはステップ(A)~(H)及び(J)~(L)を繰り返すことをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
複数の標的核酸を検出する方法であって、
(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、前記接触させることと、
(B)前記試料を、前-前増幅剤のセットと接触させることであって、前記前-前増幅剤のセットが、複数の前-前増幅剤を含み、前記複数の前-前増幅剤が、各標的プローブのセットに特異的な前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、前記標的プローブのセットのうちの1つの前記標的プローブの対に対する結合部位及び前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(C)前記試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前記前増幅剤のセットが、各前-前増幅剤に特異的な前増幅剤の複数のサブセットを含み、前増幅剤の各サブセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤のサブセットの前記前増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前記前-前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(D)前記試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、前記増幅剤のセットが、前増幅剤の各サブセットに特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、前記前増幅剤のサブセットのうちの1つの前記前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(E)前記試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第1のセットが、前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(F)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第1のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第1のサブセットを検出することと、
(G)前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度を下回る温度で前記試料をインキュベートし、それによって前記標的核酸の第1のサブセットに結合した前記標識プローブの第1のセットから前記標識を除去することと、
(H)前記試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(I)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第2のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、前記検出することと、
(J)前記試料を酸試薬と接触させて、それによって前記標的核酸に結合した前記プローブの結合を破壊することと、を含む、前記方法。
【請求項49】
前記方法が、ステップ(J)の前に、
(K)前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度を下回る温度で前記試料をインキュベートし、それによって前記標的核酸の第2のサブセットに結合した前記標識プローブの第2のセットから前記標識を除去することと、
(L)前記試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(M)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第3のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
ステップ(K)~(M)を1回以上繰り返すことを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項48~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
ステップ(A)~(J)またはステップ(A)~(I)、(K)~(M)及び(J)を1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項48~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(I)及び(K)~(M)を繰り返すことをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
複数の核酸を検出する方法であって、
(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、前記接触させることと、
(B)前記試料を、前-前増幅剤のセットと接触させることであって、前記前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の複数の対を含み、前記前-前増幅剤のセットが、前記標的プローブのセットの標的プローブの前記対の各々に特異的な前-前増幅剤の対を含み、前記前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤は、標的プローブのセットの標的プローブの前記対の前記標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含み、前記前-前増幅剤が、前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(C)前記試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記複数の前増幅剤が、前-前増幅剤の各対に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前記前-前増幅剤のセットの前-前増幅剤の前記対のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(D)前記試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、前記増幅剤のセットが、前-前増幅剤の各対に特異的な各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、前-前増幅剤の対に特異的な前記前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記接触させることと、
(E)前記試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第1のセットが、前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(F)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第1のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第1のサブセットを検出することと、
(G)前記標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ前記標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度を下回る温度で試料をインキュベートし、それによって前記標的核酸の第1のサブセットに結合した前記標識プローブの第1のセットから前記標識を除去することと、
(H)前記試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(I)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第2のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、前記検出することと、
(J)前記試料を酸試薬と接触させて、それによって前記標的核酸に結合した前記プローブの結合を破壊することと、を含む、前記方法。
【請求項55】
前記方法が、ステップ(J)の前に、
(K)前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度を下回る温度で前記試料をインキュベートし、それによって前記標的核酸の第2のサブセットに結合した前記標識プローブの第2のセットから前記標識を除去することと、
(L)前記試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる前記複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、前記接触させることと、
(M)前記標的核酸に結合した前記標識プローブの第3のセットの前記標識プローブを検出し、それによって前記標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
ステップ(K)~(M)を1回以上繰り返すことを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項54~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
ステップ(A)~(J)またはステップ(A)~(I)、(K)~(M)及び(J)を1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項54~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(I)及び(K)~(M)を繰り返すことをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
各標的プローブのセットが、同じ標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの2つ以上の対を含む、請求項24~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記酸試薬が、5~40%または20~30%の酸を含む、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記酸が、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、及びクエン酸からなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記酸試薬が、塩を含む、請求項1~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記酸試薬が、SSCを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記酸試薬が、1倍~13倍のSSCまたは3.2倍~12.8倍のSSCを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記標的核酸が独立して、DNAまたはRNAである、請求項1~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
RNAである前記標的核酸が独立して、メッセンジャーRNA(mRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボソームRNA(rRNA)、ミトコンドリアRNA、及び非コードRNAからなる群から選択される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記試料が、組織標本であるか、または組織標本に由来する、請求項1~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記試料が、血液試料であるか、または血液試料に由来する、請求項1~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記試料が、細胞診試料であるか、または細胞診試料に由来する、請求項1~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
1つ以上の核酸標的に特異的な1つ以上のプローブと、請求項1~70のいずれか1項に記載の方法を実施するための説明書と、を含む、キット。
【請求項72】
細胞内の核酸に結合したプローブの結合を破壊するための方法で使用するための酸試薬を含むキットであって、前記方法が、前記細胞を前記酸試薬と接触させることを含み、前記細胞が、前記細胞内の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした第1のプローブを含み、前記酸試薬が、前記第1のプローブと前記第1の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する、前記キット。
【請求項73】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項72に記載のキット。
【請求項74】
前記細胞から前記第1のプローブを除去することをさらに含む、請求項72または73に記載のキット。
【請求項75】
前記細胞を第2のプローブと接触させるステップをさらに含み、前記第2のプローブが、前記細胞内の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションし、前記第2の標的核酸が、前記第1の標的核酸と同一であるか、または異なる、請求項74に記載のキット。
【請求項76】
前記細胞を前記酸試薬と接触させるステップをさらに含み、前記酸試薬が、前記第2のプローブと前記第2の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する、請求項75に記載のキット。
【請求項77】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項76に記載のキット。
【請求項78】
前記細胞から前記第2のプローブを除去するステップをさらに含む、請求項76または77に記載のキット。
【請求項79】
細胞内の核酸に結合したプローブの結合を破壊するための方法で使用するための酸試薬を含むキットであって、前記方法が、前記細胞を前記酸試薬と接触させることを含み、前記細胞が、前記細胞内の1つ以上の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした1つ以上の第1のプローブを含み、前記酸試薬が、前記1つ以上の第1のプローブと前記1つ以上の第1の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する、前記キット。
【請求項80】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項79に記載のキット。
【請求項81】
前記細胞から前記1つ以上の第1のプローブを除去することをさらに含む、請求項79または80に記載のキット。
【請求項82】
前記細胞が、2つ以上の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした2つ以上の第1のプローブを含む、請求項79または80に記載のキット。
【請求項83】
前記第1の標的核酸の各々が、前記第1のプローブへのハイブリダイゼーションによって標識され、各第1の標的核酸上の前記標識が、前記第1のプローブにハイブリダイゼーションした他の第1の標的核酸(複数可)上の前記標識から区別可能である、請求項82に記載のキット。
【請求項84】
前記細胞を1つ以上の第2のプローブと接触させるステップをさらに含み、前記1つ以上の第2のプローブが、前記細胞内の1つ以上の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションし、前記1つ以上の第2の標的核酸が、前記1つ以上の第1の標的核酸と同一であるか、または異なる、請求項79~83のいずれか1項に記載のキット。
【請求項85】
前記細胞が、2つ以上の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションした2つ以上の第2のプローブを含む、請求項84に記載のキット。
【請求項86】
前記第2の標的核酸の各々が、前記第2のプローブへのハイブリダイゼーションによって標識され、各第2の標的核酸上の前記標識が、前記第2のプローブにハイブリダイゼーションした他の第2の標的核酸(複数可)上の前記標識から区別可能である、請求項85に記載のキット。
【請求項87】
前記細胞を前記酸試薬と接触させるステップをさらに含み、前記酸試薬が、前記第2のプローブと前記1つ以上の第2の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する、請求項84~86のいずれか1項に記載のキット。
【請求項88】
前記細胞を前記酸試薬と接触させることが、1回以上繰り返される、請求項87に記載のキット。
【請求項89】
前記細胞から前記第2のプローブを除去するステップをさらに含む、請求項87または88に記載のキット。
【請求項90】
標的核酸のin situ検出のためのキットであって、
(A)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記前増幅剤が、標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(B)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、前記増幅剤が、前記前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(C)標識プローブのセットであって、前記標識プローブのセットの前記標識プローブが各々、前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、前記標識プローブのセットと、
(D)酸試薬であって、前記酸試薬が、前記標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、前記酸試薬と、を含む、前記キット。
【請求項91】
前記キットが、標的プローブのセットを含み、前記標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む、請求項90に記載のキット。
【請求項92】
標的核酸のin situ検出のためのキットであって、
(A)前-前増幅剤のセットであって、前記前-前増幅剤のセットが、1つ以上の前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、標的プローブの1つ以上の対に対する結合部位を含む、前記前-前増幅剤のセットと、
(B)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記前増幅剤が、前記前-前増幅剤に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(C)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、前記増幅剤が、前記前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(D)標識プローブのセットであって、前記標識プローブのセットの前記標識プローブが各々、前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、前記標識プローブのセットと、
(E)酸試薬であって、前記酸試薬が、前記標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、前記酸試薬と、を含む、前記キット。
【請求項93】
前記キットが、標的プローブのセットを含み、前記標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む、請求項92に記載のキット。
【請求項94】
標的核酸のin situ検出のためのキットであって、
(A)前-前増幅剤のセットであって、前記前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の1つ以上の対を含み、前記前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤が、標的プローブの対の前記標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含む、前記前-前増幅剤のセットと、
(B)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記前増幅剤が、前記前-前増幅剤の対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(C)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、前記増幅剤が、前記前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(D)標識プローブのセットであって、前記標識プローブのセットの前記標識プローブが各々、前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、前記標識プローブのセットと、
(E)酸試薬であって、前記酸試薬が、前記標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、前記酸試薬と、を含む、前記キット。
【請求項95】
前記キットが、標的プローブのセットを含み、前記標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む、請求項94に記載のキット。
【請求項96】
標的核酸のin situ検出のためのキットであって、
(A)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記複数の前増幅剤が、1つ以上の標的プローブのセットの各々に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前記標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(B)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前記前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(C)標識プローブの第1のセットであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第1のセットと、
(D)標識プローブの第2のセットであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第2のセットと、
(E)酸試薬であって、前記酸試薬が、前記標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、前記酸試薬と、を含む、前記キット。
【請求項97】
標識プローブの第3のセットをさらに含み、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる、請求項96に記載のキット。
【請求項98】
標的核酸のin situ検出のためのキットであって、
(A)前-前増幅剤のセットであって、前記前-前増幅剤のセットが、複数の前-前増幅剤を含み、前記複数の前-前増幅剤が、1つ以上の標的プローブのセットの各々に特異的な前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、前記標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前-前増幅剤のセットと、
(B)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、各前-前増幅剤に特異的な前増幅剤の複数のサブセットを含み、前増幅剤の各サブセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤のサブセットの前記前増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前記前-前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(C)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、前増幅剤の各サブセットに特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、前記前増幅剤のサブセットのうちの1つの前記前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(D)標識プローブの第1のセットであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第1のセットと、
(E)標識プローブの第2のセットであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第2のセットと、
(F)酸試薬であって、前記酸試薬が、前記標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、前記酸試薬と、を含む、前記キット。
【請求項99】
標識プローブの第3のセットをさらに含み、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる、請求項98に記載のキット。
【請求項100】
標的核酸のin situ検出のためのキットであって、
(A)前-前増幅剤のセットであって、前記前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の複数の対を含み、前記前-前増幅剤のセットが、1つ以上の標的プローブのセットの標的プローブの対の各標的プローブに特異的な前-前増幅剤の対を含み、前記前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤は、標的プローブのセットの標的プローブの対の前記標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含み、前記前-前増幅剤が、前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前-前増幅剤のセットと、
(B)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記複数の前増幅剤が、前-前増幅剤の各対に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前記前-前増幅剤のセットの前-前増幅剤の前記対のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(C)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、前-前増幅剤の各対に特異的な各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、前-前増幅剤の対に特異的な前記前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(D)標識プローブの第1のセットであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第1のセットと、
(E)標識プローブの第2のセットであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第2のセットと、
(F)酸試薬であって、前記酸試薬が、前記標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、前記酸試薬と、を含む、前記キット。
【請求項101】
標識プローブの第3のセットをさらに含み、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる、請求項100に記載のキット。
【請求項102】
前記キットが、前記切断可能な標識を前記標識プローブから切断するための切断剤を含む、請求項96~101のいずれか1項に記載のキット。
【請求項103】
標的核酸のin situ検出のためのキットであって、
(A)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記複数の前増幅剤が、1つ以上の標的プローブのセットの各々に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前記標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(B)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前記前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(C)標識プローブの第1のセットであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第1のセットと、
(D)標識プローブの第2のセットであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第2のセットと、
(E)酸試薬であって、前記酸試薬が、前記標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、前記酸試薬と、を含む、前記キット。
【請求項104】
標識プローブの第3のセットをさらに含み、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる、請求項103に記載のキット。
【請求項105】
標的核酸のin situ検出のためのキットであって、
(A)前-前増幅剤のセットであって、前記前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の複数の対を含み、前記前-前増幅剤のセットが、1つ以上の標的プローブのセットの標的プローブの対の各々に特異的な前-前増幅剤の対を含み、前記前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤は、標的プローブのセットの標的プローブの対の前記標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含み、前記前-前増幅剤が、前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前-前増幅剤のセットと、
(B)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前記複数の前増幅剤が、前-前増幅剤の各対に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前記前-前増幅剤のセットの前-前増幅剤の前記対のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(C)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、前-前増幅剤の各対に特異的な各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、前-前増幅剤の対に特異的な前記前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(D)標識プローブの第1のセットであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第1のセットと、
(E)標識プローブの第2のセットであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、前記標識が、切断可能であり、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第2のセットと、
(F)酸試薬であって、前記酸試薬が、前記標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、前記酸試薬と、を含む、前記キット。
【請求項106】
標識プローブの第3のセットをさらに含み、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる、請求項105に記載のキット。
【請求項107】
標的核酸のin situ検出のためのキットであって、
(A)前-前増幅剤のセットであって、前記前-前増幅剤のセットが、複数の前-前増幅剤を含み、前記複数の前-前増幅剤が、1つ以上の標的プローブのセットの各々に特異的な前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、前記標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前-前増幅剤のセットと、
(B)前増幅剤のセットであって、前記前増幅剤のセットが、各前-前増幅剤に特異的な前増幅剤の複数のサブセットを含み、前増幅剤の各サブセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤のサブセットの前記前増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前記前-前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前記前増幅剤のセットと、
(C)増幅剤のセットであって、前記増幅剤のセットが、前増幅剤の各サブセットに特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの前記増幅剤が、前記前増幅剤のサブセットのうちの1つの前記前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、前記増幅剤のセットと、
(D)標識プローブの第1のセットであって、前記標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々における前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第1のセットと、
(E)標識プローブの第2のセットであって、前記標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第2のサブセットが、前記標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第2のセットが、前記標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、前記標識プローブの第2のセットと、
(F)酸試薬であって、前記酸試薬が、前記標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、前記酸試薬と、を含む、前記キット。
【請求項108】
標識プローブの第3のセットをさらに含み、前記標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に特異的であり、前記標識プローブの第3のサブセットが、前記標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、前記標識プローブのサブセットの各々の前記標識プローブが、前記増幅剤のサブセットのうちの1つの前記増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける前記標識が、前記標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、前記標識プローブと前記増幅剤との間の融解温度が、前記標的プローブ、前記前-前増幅剤、前記前増幅剤、及び前記増幅剤の間の融解温度よりも低く、前記標識プローブの第3のセットが、前記標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる、請求項107に記載のキット。
【請求項109】
前記キットが、1つ以上の標的プローブのセットを含み、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、請求項96~108のいずれか1項に記載のキット。
【請求項110】
各標的プローブのセットが、同じ標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションすることができる標的プローブの2つ以上の対を含む、請求項109に記載のキット。
【請求項111】
前記キットが、細胞を固定及び/または透過処理するための少なくとも1つの試薬を含む、請求項96~110のいずれか1項に記載のキット。
【請求項112】
前記酸試薬が、5~40%または20~30%の酸を含む、請求項71~111のいずれか1項に記載のキット。
【請求項113】
前記酸が、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、及びクエン酸からなる群から選択される、請求項112に記載のキット。
【請求項114】
前記酸試薬が、塩を含む、請求項71~113のいずれか1項に記載のキット。
【請求項115】
前記酸試薬が、SSCを含む、請求項114に記載のキット。
【請求項116】
前記酸試薬が、1倍~13倍のSSCまたは3.2倍~12.8倍のSSCを含む、請求項115に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月20日に出願された米国仮特許出願第62/938,138号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
〔背景技術〕
本発明は、概して、核酸の検出に関し、より具体的には、核酸のマルチプレックス検出に関する。
【0003】
RNA in situハイブリダイゼーション(ISH)は、特定のRNA配列、例えば、循環腫瘍細胞(CTC)または組織切片などの細胞内のメッセンジャーRNA(mRNA)、長鎖非コードRNA(lncRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)を、細胞及び組織コンテキストを保持しながら測定及び局在化するために広く使用される分子生物学的技術である。したがって、RNA ISHは、細胞及び組織内の遺伝子発現の時空間可視化ならびに定量化を提供する。それは、研究及び診断における幅広い応用を有する(Hu et al.,Biomark.Res.2(1):1-13,doi:10.1186/2050-7771-2-3(2014)、Ratan et al.,Cureus 9(6):e1325.doi:10.7759/cureus.1325(2017)、Weier et al.,Expert Rev.Mol.Diagn.2(2):109-119 (2002))。蛍光RNA ISHは、それぞれ、RNA標識及び検出のための蛍光色素及び蛍光顕微鏡を利用する。蛍光RNA ISHは、典型的には、4~5個の標的配列の限定的なマルチプレックス化を提供する。限定的なマルチプレックス能力は、蛍光顕微鏡の光学系によって区別することができるスペクトル的に別個の蛍光色素の数が少ないことに大きく起因する。複雑な生物学的系を理解するための細胞及び組織マップの生成などの領域では、特にヒトの健康及び疾患において、より高いレベルのマルチプレックスが非常に望ましい。
【0004】
ハイブリダイゼーション、イメージング、標識の除去、及び別個の標的への再ハイブリダイゼーションの連続ラウンドを利用するいくつかのアプローチが導入されており、理論的には、同じ細胞または組織切片内の4~5個の標的の複数のイメージングを提供する(Shah et al.,Neuron 92(2):342-357(2016)、Codeluppi et al.,Nature Methods 15(11):932-935(2018)、Kishi et al.,Nat.Methods 16:533-544(2019))。しかしながら、実際には、前述の逐次的な蛍光ISH(FISH)法は、連続したラウンドのハイブリダイゼーション及び検出において、核酸検出感受性、特にRNA検出感受性、及び細胞形態の実質的な損失をもたらし得る。
【0005】
酵素DNAse Iは、例えば、標的プローブの除去及びハイブリダイゼーション連鎖反応に基づくシグナル増幅システムに一般的に使用される(Shah et al.,上記,2016)。しかしながら、DNAse I消化は、核アーキテクチャならびに細胞形態を損傷し、したがって、その後の画像レジストレーション及び分析ステップを妨げ得る。酵素エキソヌクレアーゼIは、長いDNAのコンカテマーに基づく増幅システムを剥離することも報告されている(Kishi et al.,上記,2019)。しかしながら、この方法では、酵素活性を直接測定及び制御することはできず、手順は、比較的多量の酵素、より高い温度でのより長いインキュベーション時間、固定後及び広範な洗浄ステップを必要とする。
【0006】
したがって、標的プローブの除去、及びRNA完全性などの細胞核酸の完全性にも最小限の影響を与えるシグナル増幅システムのため単純で、信頼性のある効果的な方法論、ならびにハイブリダイゼーションの複数回のラウンドを達成するため形態の必要性が存在する。本発明は、この必要性を満たし、関連する利点もまた提供する。
【0007】
〔発明の概要〕
本発明は、細胞内の核酸に結合したプローブを除去する方法を提供し、方法は、細胞を酸試薬と接触させることであって、細胞は、細胞内の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした第1のプローブを含み、酸試薬は、第1のプローブと第1の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する、接触させることと、細胞から第1のプローブを除去することと、を含む。任意選択で、ステップは、細胞内の核酸のマルチプレックス検出の逐次的なラウンドを提供するために繰り返され得る。
【0008】
〔図面の簡単な説明〕
〔
図1〕マルチプレックスアッセイ(RNAscope(登録商標)HiPlexア
ッセイワークフロー)のワークフローの概略図を示す。N標的配列を標的プローブ(ダブルZプローブとして示される)にハイブリダイゼーションし、RNAscope(登録商標)などの増幅システムにより同時にシグナルを増幅する。示される実施形態では、最初の4つの標的は、4つの非スペクトル重複蛍光色素共役オリゴ(標識プローブ)を介して検出され、従来の蛍光顕微鏡またはスキャナーを使用して画像化される。次いで、フルオロフォアを標識プローブから切断し、次の4つの標的を、同じ方法を使用して標識し、画像化する。それぞれ4つの標的のLラウンドの検出後、画像レジストレーションソフトウェアアルゴリズムを使用して画像をレジストレーションし、単一細胞解像度で重ね合わせた画像の最終合成を作成する。
〔
図2A〕標的プローブを除去するための酸試薬を使用する核酸プローブの逐次的な
ハイブリダイゼーションの概略図を示す。逐次的なハイブリダイゼーションのための標的核酸(複数可)に結合したプローブ(複数可)の酸処理及び除去の概略図を示す。N標的プローブを、例えば、in situハイブリダイゼーションアッセイで、標的核酸にハイブリダイゼーションする。図式は、標的核酸にハイブリダイゼーションした標的プローブの任意のシグナル増幅を示す。細胞は、細胞の可視化を促進するために対比染色され得、例えば、核は、4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)で染色され得る。標的プローブ及び対比染色された細胞は、例えば、イメージングによって可視化され、それによって標的核酸を検出し、イメージングする。RNAscope(登録商標)アッセイを使用する場合、RNAscope(登録商標)ダブルZプローブ及びシグナルは、RNAscope(登録商標)増幅システムにより同時に増幅される。酸処理ステップを実行して、それぞれの標的(複数可)に結合した標的プローブ(複数可)を除去する。N標的核酸の1つ以上の追加のセットは、1回以上のラウンドのためにNプレックスワークフロー全体を繰り返すことによって検出され得る。全ての標的が検出された後、画像レジストレーションソフトウェアアルゴリズムを使用して画像をレジストレーションし、単一細胞解像度で重ね合わせた画像の最終合成を作成する。この方法で利用可能なマルチプレックスの総レベルは、ラウンド当たりのN標的(複数可)×Nプレキシング(plexing)のKラウンドである。一般に、N=1以上であり、酸除去ステップを含む場合、K=2以上である。
図2Aに示される図式において、K=1の場合、標的プローブのハイブリダイゼーション及びイメージングの1回のラウンドのみを行う必要があるため、酸除去ステップは必要とされない。
〔
図2B〕標的プローブを除去するための酸試薬を使用する核酸プローブの逐次的な
ハイブリダイゼーションの概略図を示す。逐次的なハイブリダイゼーションのための標的核酸に結合したプローブの酸処理及び除去の概略図を示す。N標的プローブを、例えば、RNAscope(登録商標)HiPlexアッセイなどのin situハイブリダイゼーションアッセイで、標的核酸にハイブリダイゼーションする。例えば、RNAscope(登録商標)ダブルZプローブを使用して、N標的プローブを標的配列にハイブリダイゼーションし、例えば、RNAscope(登録商標)増幅システムにより、同時にシグナルを増幅する。図式は、標的核酸にハイブリダイゼーションした標的プローブの任意のシグナル増幅を示す。細胞は、細胞の可視化を促進するために対比染色され得、例えば、核は、4′,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)で染色され得る。N標的核酸は、標識、例えば、蛍光標識、イメージング、及び検出可能な標識の切断、例えば、蛍光標識の切断の反復的なラウンドにより検出される。図式において、N標的核酸をN標的プローブにハイブリダイゼーションし、反復して検出することにより、N標的のサブセット(N標的
サブセット1)を標識して検出し、標識を標識された核酸のサブセットから切断し(Lラウンドの標識プローブハイブリダイゼーション、L=1)、次いで、N標的の第2のサブセット(N標的
サブセット2)を標識して検出し、標識を標識された核酸のサブセットから切断する(Lラウンドの標識プローブハイブリダイゼーション、L=2)など、N標的核酸の全てが検出されるまで続く。全てのN標的核酸が所望の数の標識の数(L=所望の標識ラウンド)で検出された後、ハイブリダイゼーションしたN標的プローブ(ZZプローブシグナル生成複合体など)を除去するために酸処理ステップを行う。N標的核酸(例えば、N’標的核酸、N’‘標的核酸など)の1つ以上の追加のセットは、1つ以上のラウンドのためにNプレックスワークフロー全体を繰り返すことによって検出され得る。全ての標的が検出された後、画像レジストレーションソフトウェアアルゴリズムを使用して画像をレジストレーションし、単一細胞解像度で重ね合わせた画像の最終合成を作成する。この方法で利用可能なマルチプレックスの総レベルは、ラウンド当たりN標的核酸×N-プレキシングのKラウンド(「N-プレキシング」は、「N標的プローブのハイブリダイゼーション」から「プローブ及び増幅剤の酸性除去」または最終ラウンドでは最後の「対比染色及びイメージング」ステップへのフローを指す)である。一般に、N=1以上であり、酸除去ステップを含む場合、K=2以上である。
図2Bに示される図式において、K=1の場合、Lラウンドの標識プローブハイブリダイゼーション、イメージング、及びフルオロフォア切断のみを行う必要があるため、プローブ及び増幅剤の酸除去ステップは必要とされない。
〔
図3A〕標的核酸の検出の逐次的なラウンドのための酸処理を示す。酸処理が、新
鮮な凍結マウスの脳における標的プローブ及び増幅複合体を効果的に除去したことを示す。新鮮な凍結切片として調製したマウスの脳におけるグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(Gapdh)、ホスホグリセリン酸キナーゼ1(Pgk1)、塩基性ヘリックスループヘリックスファミリーメンバーE22(Bhlhe22)、及びコンプレキシン2(Cplx2)の4つの高度に発現された陽性対照遺伝子の検出を示す。4つの遺伝子の標的プローブ(ZZプローブ)を一緒にハイブリダイゼーションし、RNAscope(登録商標)HiPlex増幅システムを使用してシグナルを一緒に増幅した。4つの遺伝子を、これらの4つの標的プローブに割り当てられたシグナル増幅システムに対応する蛍光標識プローブを使用して、反復的な検出の1回目のラウンドで検出した。Alexa 488、ATTO 550、ATTO 647N、及びAlexa 750フルオロフォアを、それぞれ、Gapdh、Pgk1、Bhlhe22、及びCplx2を検出するために使用し、核を青色のDAPI(4′,6-ジアミジノ-2-フェニルインドリン)で染色した(上部パネル)。シグナル検出後、組織切片を酸性溶液(20%の酢酸、6.4倍のSSC)で5分間、室温(RT)で処理し、酸処理をさらに2回繰り返した。次いで、切片を、標的プローブを添加することなく、ハイブリダイゼーション及び増幅の2回目のラウンドに使用した。酸処理後の2回目のラウンドではシグナルはほとんどから全く検出されず(下部パネル)、したがって、以前ハイブリダイゼーションした標的プローブ及びシグナル増幅成分の完全な除去を示した。
〔
図3B〕標的核酸の検出の逐次的なラウンドのための酸処理を示す。酸処理が新鮮
な凍結マウスの脳の細胞RNA及び組織形態に最小限の影響を与えたことを示す。
図3A(上部パネル)に記載されるように、新鮮な凍結切片として調製されたマウスの脳において、4つの陽性対照遺伝子(Gapdh、Pgk1、Bhlhe22、及びCplx2)を検出した。シグナル検出後、酸処理を2回ではなく4回繰り返したことを除いて、切片を
図3Aに記載されるように酸溶液で処理した。次いで、処理した切片を、ハイブリダイゼーション及び増幅の2回目のラウンドに使用して、同じ4つの遺伝子を検出した。ハイブリダイゼーションの2回目のラウンド(下部パネル)で検出されたシグナルを、ハイブリダイゼーションの1回目のラウンド(上部パネル)で検出されたシグナルと比較すると、標的プローブのハイブリダイゼーション及びシグナル増幅の2回のラウンドは、同様の発現パターンをもたらし、繰り返された酸処理からのRNAの最小限の損失を示す。
〔
図4〕2回のラウンドの酸処理及び逐次的なハイブリダイゼーション後の良好な形
態及びシグナル検出を示す。
図4において、上部パネルは、
図2Bに概説されるワークフローに示されるように実質的に行った、標的プローブのハイブリダイゼーションの1回目のラウンド(k=1)及び反復的な検出の3回目のラウンド(l=3)での、新鮮な凍結マウスの脳切片における、4つの陽性対照遺伝子である、RNAポリメラーゼIIサブユニットA(Polr2A)、ペプチジルプロリルイソメラーゼB(Ppib)、ユビキチンC(Ubc)、及びヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1(Hprt1)の検出を示す。12個の標的プローブ(RNAscope(登録商標)HiPlex 12プレックスマウス陽性対照)を、RNAscope(登録商標)Hiplexアッセイを使用して同時にハイブリダイゼーションし、増幅した。Alexa 488、ATTO 550、ATTO 647N、及びAlexa 750フルオロフォアを用いて1回目のラウンドで4つの遺伝子を検出し、フルオロフォアをイメージング後に切断した。次の4つの遺伝子を、同じ4つのフルオロフォアを使用して検出の2回目のラウンドで検出し、イメージング後にフルオロフォアを切断した。反復的な検出の3回目のラウンドを
図4の上部パネルに示す。Alexa 488、ATTO 550、ATTO 647N、及びAlexa 750フルオロフォアを、それぞれ、Polr2a、Ppib、Ubc、及びHprt1を検出するために使用し、核を青色のDAPIで染色した。
図4において、下部パネルは、標的プローブのハイブリダイゼーション及び増幅の3回目のラウンド(k=3)ならびに反復的な検出の1回目のラウンド(l=1)での、マウスの脳の線条体領域における、4つの異なる低発現標的である、5-ヒドロキシトリプタミン受容体7(Htr7)、プロトカドヘリン8(Pcdh8)、溶質担体ファミリー32メンバー1(Slc32a1)、及びチロシンヒドロキシラーゼ(Th)の検出を示す。酸処理、標的ハイブリダイゼーション及び増幅ステップを、
図3Aに記載されるように、ラウンド1及びラウンド2の標的ハイブリダイゼーション後に行った。標的プローブのハイブリダイゼーション及び増幅の2回目のラウンドを酸処理後に実施した。標的プローブを含まず、代わりにプローブ希釈剤を使用した。標的プローブのハイブリダイゼーション及び増幅の3回目のラウンドを、12個の異なる標的プローブを使用して、2回目の酸処理後に実施した。12個の標的プローブのうちの4個を、下部パネルに示されるように、検出の1回目のラウンドで最初に検出した。
〔
図5〕A~Cは、シグナル生成複合体(SGC)を用いた核酸標的の前述の検出方法
の概略図を示す。PPA、前-前増幅剤(pre-pre-amplifier);PA、前増幅剤;AMP、増幅剤;LP、標識プローブ。
〔
図6A〕標的核酸の直交標識の概略図を示す。RNAscope(登録商標)アッ
セイに基づく標的核酸の直交標識が
図6Aに示される。それぞれのシグナル生成複合体(SGC)を用いた3つの例示的な標的核酸の標識が
図6Aに示される。標的プローブ対1(TP1a及びTP1b)の標的核酸1への結合を示す。前増幅剤(PA1)が、標的プローブ対(TP1a及びTP1b)に結合していることが示される。複数の増幅剤(AMP1)がPA1に結合していることが示される。増幅剤に結合した複数の標識プローブ(LP1)を示す。それぞれの標的の各々に特異的なSGCの構成成分(標的プローブ、前増幅剤、増幅剤、標識プローブ)を有する標的2及び3についての同様の構成を示す。
〔
図6B〕標的核酸の直交標識の概略図を示す。
図6Aに示される構成の修正を示す
。それぞれのシグナル生成複合体(SGC)を用いた2つの例示的な標的核酸の標識が
図6Bに示される。標的プローブ対1(TP1a及びTP1b)の標的核酸1への結合を示す。前-前増幅剤(PPA1)が、標的プローブ対(TP1a及びTP1b)に結合していることが示される。複数の前増幅剤(PA1)がPPA1に結合していることが示される。複数の増幅剤(AMP1)がPA1に結合していることが示される。簡単にするために、増幅剤が1つの前増幅剤に結合しているように示されているが、増幅剤は全ての増幅剤に結合され得ることを理解されたい。増幅剤に結合した複数の標識プローブ(LP1)を示す。それぞれの標的の各々に特異的なSGCの構成成分(標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、増幅剤、標識プローブ)を有する標的2についての同様の構成を示す。
〔
図6C〕標的核酸の直交標識の概略図を示す。Basescope(商標)アッセ
イに基づく標的核酸の直交標識が
図6Cに示される。それぞれのシグナル生成複合体(SGC)を用いた2つの例示的な標的核酸の標識が
図6Cに示される。標的プローブ対1(TP1a及びTP1b)の標的核酸1への結合を示す。前-前増幅剤(PPA1a及びPPA1b)の対が、それぞれの標的プローブ対(TP1a及びTP1b)に結合していることが示される。前増幅剤(PA1)が、前増幅剤対(PPA1a及びPPA1b)に結合していることが示される。複数の増幅剤(AMP1)がPA1に結合していることが示される。簡単にするために、増幅剤が1つの前増幅剤に結合しているように示されているが、増幅剤は全ての増幅剤に結合され得ることを理解されたい。増幅剤に結合した複数の標識プローブ(LP1)を示す。それぞれの標的の各々に特異的なSGCの構成成分(標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、増幅剤、標識プローブ)を有する標的2についての同様の構成を示す。
【0009】
〔発明を実施するための形態〕
本発明は、例えば、in situハイブリダイゼーションによる核酸の逐次的なマルチプレックス分析のための方法に関する。本発明の方法は、同じ試料内及び同じ細胞内の複数の標的核酸の検出を可能にする。
【0010】
細胞核酸または細胞形態にほとんど影響を与えないオリゴヌクレオチドプローブ及び分岐鎖DNA様シグナル増幅システムを迅速かつ効果的に除去することができる化学的方法が本明細書に記載される。これは、概して室温で、その間にほとんどまたは全く洗浄ステップなしで短時間に細胞または組織試料に適用される酸含有溶液を使用することによって達成される。本発明の方法は、より高いレベルのマルチプレックスを用いて核酸検出を行うことを可能にし、試料内及びさらには同じ細胞内の前述の核酸検出アッセイよりも多くの核酸の検出を達成する。
【0011】
核酸検出の1つの方法は、RNAscope(登録商標)と呼ばれるRNA ISH技術を利用し、これは、「ダブルZ」またはZZプローブと時に称される特別に設計されたオリゴヌクレオチドプローブを、分岐鎖DNA様シグナル増幅システムと組み合わせて使用して、標準的な明視野顕微鏡下で、単分子感受性で1キロ塩基と同じくらい小さなRNAを確実に検出する(Anderson et al.,J.Cell.Biochem.117(10):2201-2208(2016)、Wang et al.,J.Mol.Diagn.14(1):22-29(2012))。このようなプローブの設計は、各対の両方のプローブがそれらの意図された標的に結合する場合にのみ、シグナル増幅が生じ得るため、シグナル増幅の特異性を大幅に改善させる。RNAscope(登録商標)技術は、蛍光検出を使用して最大4個または5個のRNA標的を同時に区別することができる。
【0012】
最近記載された別の核酸検出方法(2019年2月15日に出願された米国仮出願第62/806,574号を参照されたい)は、I(I=2、3、4、...)標的の繰り返し蛍光標識のL(L=1、2、3、...)ラウンドを使用し、続いて、フルオロフォア切断として、
図1に示される、標識のイメージング及び切断を使用する。反復的な検出方法は、単一ラウンドのハイブリダイゼーション及び増幅ステップからのLxIの別個の標的配列(N)の同時可視化を提供する。
図1の「N」は、検出される標的の総数を示し、上記の「I」は、Lラウンドの各々の反復当たりの標的の総数を示す。一般に、標識の各反復ラウンドにおける標的の数(I)は、本明細書に開示されるように、単一のラウンドにおいて明確に標識され、検出され得る最大数で、2個以上、3個以上、4個以上などである。所望である場合、単一の標的核酸(I=1)をラウンドで検出することができる。いくつかの実施形態では、Iの標的の数は、各ラウンドで異なり得る。例えば、Iが、各それぞれのラウンドで4、4、及び1である3回のラウンドの検出では、合計9個の標的が検出される。したがって、標的の数はN=sum(i
1、i
2、i
3...i
L)であり、i
1、i
2、i
3は、各反復ラウンドで検出された標的の数であり、同一であっても異なっていてもよく、Lはラウンドの総数である。各ラウンドで数値「i」が同一である場合、N=LxIとなる。
【0013】
反復的な検出ステップを実行する能力を提供するために、蛍光色素などの標識は、切断可能であり、例えば、化学的に切断可能であり、1回目のラウンドと同じ標識を使用してその後のラウンドの検出を可能にする。ラウンド内では、従来の蛍光顕微鏡法を用いて分光分離され得る蛍光色素コンジュゲートが使用される。次いで、蛍光色素を切断する。1つの例示的な切断剤は、還元剤トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)である。蛍光色素などの検出可能な標識の切断後、その後の標的検出のラウンド及びイメージングが実施される。アッセイ戦略は、前のラウンドからの標識プローブを剥離する(残りの標的と関連付けられた既存のシグナル増幅複合体を破壊し得る)必要性を排除し、また、最大化された検出のために組織及びRNAの完全性を保持する。
【0014】
RNAscope(登録商標)プローブと同様に、各標的プローブは、標的核酸内の特定の配列に結合する標的結合セグメント(標的結合部位)を含む。プローブはまた、本明細書に記載されるように、シグナル増幅分子に結合する「テール」配列を含む。2つのプローブは、標的核酸配列における隣接部位に対として結合する。両方のプローブがそれぞれの標的部位に結合する場合にのみ、シグナル増幅分子の完全な結合部位(例えば、
図6Aの前増幅剤または
図6B及び6Cの前-前増幅剤)を形成し、シグナル増幅及び検出に成功することができる。同じラウンドで検出された異なる標的配列のプローブは、対応する直交増幅分子の独立した別個の結合配列を有するように設計される。そのような配列は、プローブのハイブリダイゼーション及び複数の標的のシグナル増幅を並行して達成するために、適切なアルゴリズムを使用して容易に設計することができる。標的は、各ラウンド内でスペクトル的に別個の、フルオロフォアなどの検出可能な標識を使用して、複数ラウンドで検出される。
【0015】
この検出戦略は、RNAscope(登録商標)と呼ばれるRNA ISH技術に適合させた。結果は、単一細胞解像度で複数の標的核酸配列の特異的かつ増幅された検出を同時に提供するRNAscope(登録商標)HiPlexと称されるアッセイである。これは、全ての標的配列の同時標的ハイブリダイゼーション及び増幅、続いて連続したラウンドにおける概して3~5個の核酸標的の反復的な検出によって達成される。このアッセイで検出され得る標的配列の数は、使用される直交RNAscope(登録商標)シグナル増幅システムの数によって制限される。
【0016】
検出システム、例えば、RNAscope(登録商標)シグナル増幅システム、及び共通のスペクトルプロファイルを有する蛍光色素を使用して、単一細胞解像度で、反復様式での2つ以上の標的核酸配列の特異的な検出を提供するアッセイ及び検出戦略が本明細書に記載される。追加の直交RNAscope(登録商標)シグナル増幅システムを必要とせずにマルチプレックスレベルを増加させる1つの方法は、全ての標的が検出され、イメージングされた後に、標的プローブ及びそれらの関連するシグナル増幅システムを完全に除去することである。次いで、同じ検出システムを、その後の標的プローブのハイブリダイゼーション及びシグナル増幅のラウンドのために再び使用することができる。
【0017】
本発明は、細胞における核酸配列の高感度かつ特異的な検出を可能にする方法に関する。本発明の方法は、研究及び診断における多数の実用的な用途を有する(Hu et al.,Biomark.Res.2(1):1-13,doi:10.1186/2050-7771-2-3(2014)、Ratan et al.,Cureus 9(6):e1325.doi:10.7759/cureus.1325(2017)、Weier et al.,Expert Rev.Mol.Diagn.2(2):109-119(2002))。本発明の方法は、例えば、神経系及び腫瘍微小環境などの高度に複合体化された組織における空間的組織のマッピング、既知の細胞型及び新しい細胞型の識別、細胞状態の識別、疾患細胞及び組織における改変された遺伝子発現の検出、特定の細胞型における改変された遺伝子発現の局在化、腫瘍不均一性の分析、がん診断及び予後または他の疾患状態のためのバイオマーカーの検出、コンパニオン診断のためのバイオマーカーの検出、ならびに病原体(例えば、細菌、ウイルス、真菌、微生物寄生虫)の検出及び識別のために使用することができる。
【0018】
本発明は、RNAscope(登録商標)技術のコアにおけるプローブ設計原理及び分岐鎖DNA様シグナル増幅(Wang et al.,上記,2012)を、同じ細胞及び/または組織切片内の複数の核酸標的(反復様式で検出される1つを超える標的核酸)の高感度かつ特異的な配列検出に拡張する。同じ反復アッセイ設計戦略を、短い配列を検出するために適用され得る、Basescope(商標)シグナル増幅システムとともに使用することができる(Baker et al.,Nat.Commun.8(1):1998,doi:10.1038/s41467-017-02295-5(2017))。方法は、複数の標的のDNA検出にも適用することができる。本発明の方法はまた、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)(Choi et al.,Development 145(12),pii:dev165753,doi:10.1242/dev.165753(2018))などの当該技術分野で既知の他のシグナル増幅方法にも適用することができる。最新バージョンのHCR(HCR v3.0)は、RNAscope(登録商標)(Choi et al.,上記,2018)と同様の対合したプローブ設計を用いる。本発明の方法が適用され得る他のシグナル増幅システムには、これらに限定されないが、ローリングサークル増幅(Larsson et al.,Nature Methods 7(5):395-397(2010))、clampFISH(Rouhanifard et al.,BioRxiv,222794(doi.org/10.1101/222794)(2018))、及びSABER(Kishi et al.,上記,2019)が含まれる。
【0019】
本発明の方法を使用して、単一細胞及び/または組織切片における複数の遺伝子標的を標識することができる。これは、組織微小環境の空間的状況における多数のバイオマーカーを蛍光検出するために、蛍光に基づく検出ならびにイメージングマスサイトメトリー(Schulz et al.,Cell Syst.6(1):25-36(2018))の両方とともに使用することができる。方法は、研究及び診断用途で使用することができる。
【0020】
酸処理を使用する本発明の方法は、様々な標的プローブ、及び使用される場合任意選択で増幅システムを除去し、マルチプレックスのレベルを増加させるためのハイブリダイゼーションの逐次的なラウンドを提供するために普遍的に使用され得る。本発明の方法は、ハイブリダイゼーション連鎖反応(Choi et al.,上記,2018)、ローリングサークル増幅(Larsson et al.,上記,2010)、clampFISH(Rouhanifard et al.,上記,2018)、及びSABER(Kishi et al.,上記,2019)などのオリゴヌクレオチドに基づくシグナル増幅方法に適用可能である。
【0021】
本発明の方法は、RNAscope(登録商標)HiPlexアッセイと組み合わせて使用して、単一細胞/組織切片において検出される遺伝子標的の数をさらに増加させることができる。本発明の方法は、既存のプローブ及び増幅剤を除去するために逐次的なハイブリダイゼーションを必要とする任意の他のDNAオリゴヌクレオチドに基づくISH検出とともに使用することもできる。方法は、例えば、組織微小環境の空間的状況における多数のバイオマーカーを蛍光検出するために使用することができる。
【0022】
一実施形態では、RNAscope(登録商標)HiPlexアッセイは、標的プローブのハイブリダイゼーション及びシグナル増幅のKラウンド、ならびに各イメージングラウンドごとにIのスペクトル的に別個のフルオロフォアを用いる反復的な検出を使用して、1つ以上のセットのN(例えば、12)標的を検出するために使用される(
図2Bを参照されたい)。
図2Bに示される実施形態では、K逐次的ラウンド(外側ループ)は、N標的の1つ以上のセットを検出するために使用され、L反復ラウンド(内側ループ)は、各KラウンドにおけるN標的のサブセットを検出するために使用される。最初のN標的を検出した後、酢酸などの酸及び塩の混合物を含む酸溶液を使用して、標的プローブ及びシグナル増幅システムを組織/細胞から除去する。酸処理は、信頼性が高く、速く、非常に効果的であり、細胞RNA及び組織形態を最小限に損傷する(実施例Iならびに
図3A及び3Bを参照されたい)。次いで、酸処理された組織試料は、例えば、RNAscope(登録商標)HiPlexアッセイを使用して、標的プローブの新しいセットで標識される準備ができている。このプロセスをK回繰り返して、同じ細胞または組織内のNの合計×K標的を検出することができる。実施例II及び
図4に示されるように、新鮮な凍結マウスの脳組織の酸処理後の逐次的なラウンドで2セットの標的を検出した。
【0023】
図1、5、及び6において、標的プローブは、例えば、米国特許第7,709,198号、米国公開2008/0038725及び2009/0081688、ならびにWO2007/001986及びWO2007/002006に記載されているように、「Z」構成で示されている。
図1、5、及び6に示されるZ構成は、標的プローブの前増幅剤(
図5A及び6A)または前-前増幅剤(
図5B、5C、6B、及び6C)結合部位に対する標的結合部位5’を有する。そのような構成は、
図1、5、及び6に示されるように、単なる例示であり、配向は逆であってもよく、すなわち、標的結合部位は、前増幅剤または前-前増幅剤結合部位に対して3’であり得ることを理解されたい。標的プローブ対は独立して、いずれかの配向にあり得ること、すなわち、標的プローブ対の1つのメンバーは、前増幅剤または前-前増幅剤結合部位に対する標的結合部位5’または3’を有することができ、前増幅剤または前-前増幅剤に対する結合部位5’または3’を有する第2のプローブと対合することができることを理解されたい。
【0024】
本明細書で使用される場合、「標識プローブ」という用語は、標的分子に直接または間接的に、一般に間接的に結合し、標的を検出することを可能にする実体を指す。標識プローブ(または「LP」)は、典型的には、検出可能なシグナルを直接または間接的に提供する1つ以上の標識を含む、一本鎖ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドである、核酸結合部分を含む。標識は、ポリヌクレオチドに共有結合され得るか、またはポリヌクレオチドは、標識に結合するように構成され得る。例えば、ビオチン化ポリヌクレオチドは、ストレプトアビジン関連標識に結合し得る。標識プローブは、例えば、標的核酸に直接ハイブリダイゼーションすることができる。一般に、標識プローブは、順に標的核酸にハイブリダイゼーションされる核酸、または標的核酸にハイブリダイズされる1つ以上の他の核酸にハイブリダイゼーションすることができる。したがって、標識プローブは、標的核酸のポリヌクレオチド配列、特に一部に相補的であるポリヌクレオチド配列を含むことができる。あるいは、標識プローブは、本明細書に記載されるような、増幅剤、前増幅剤、前-前増幅剤、シグナル生成複合体(SGC)などにおけるポリヌクレオチド配列に相補的である少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を含むことができる。一般に、本発明の実施形態では、標識プローブは、増幅剤に結合する。本明細書で使用される場合、酵素標識を含む標識プローブは、オリゴヌクレオチドなどの核酸結合部分と、核酸結合部分に結合される酵素とを含む標識プローブを指す。本明細書に開示されるように、核酸結合部分への酵素の結合は、共有結合であり得るか、またはビオチン/アビジンもしくは他の同様の高親和性結合分子などの高親和性結合相互作用を介するものであり得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、「標的プローブ」は、標的核酸にハイブリダイゼーションし、かつ標識プローブまたはシグナル生成複合体(SGC)構成成分、例えば、増幅剤、前増幅剤、または前-前増幅剤を、その標的核酸に捕捉または結合することができるポリヌクレオチドである。標的プローブは、標的プローブに直接ハイブリダイゼーションすることができるか、またはそれは順に標識プローブにハイブリダイゼーションする1つ以上の核酸にハイブリダイゼーションすることができ、例えば、標的プローブは、SGC内の増幅剤、前増幅剤、または前-前増幅剤にハイブリダイゼーションすることができる。したがって、標的プローブは、標的核酸のポリヌクレオチド配列に相補的である第1のポリヌクレオチド配列、及び標識プローブ、増幅剤、前増幅剤、前-前増幅剤などのポリヌクレオチド配列に相補的である第2のポリヌクレオチド配列を含む。一般に、本発明の実施形態では、標的プローブは、
図5A及び6Aのように前増幅剤に結合するか、または
図5B、5C、6B、及び6Cのように前-前増幅剤に結合する。相補配列が、対応する標的核酸、標識プローブ、増幅剤、前増幅剤、または前-前増幅剤とハイブリダイゼーションするのに利用可能となるように、標的プローブは、一般に一本鎖である。本発明の実施形態では、標的プローブは、対として提供される。
【0026】
本明細書で使用される場合、「増幅剤」は、複数の標識プローブにハイブリダイゼーションすることができる分子、典型的にはポリヌクレオチドである。典型的には、増幅剤は、複数の同一の標識プローブにハイブリダイゼーションする。増幅剤はまた、標的核酸に、標的プローブ対の少なくとも1つの標的プローブに、標的プローブ対の両方の標的プローブに、または増幅剤、前増幅剤、もしくは前-前増幅剤などの標的プローブに結合した核酸にハイブリダイゼーションすることもできる。例えば、増幅剤は、少なくとも1つの標的プローブに、及び複数の標識プローブに、または前増幅剤及び複数の標識プローブにハイブリダイゼーションすることができる。一般に、本発明の実施形態では、増幅剤は、前増幅剤にハイブリダイゼーションすることができる。増幅剤は、例えば、直鎖状、フォーク状、櫛状、または分岐状核酸であり得る。全てのポリヌクレオチドについて本明細書に記載されるように、増幅剤は、修飾ヌクレオチド及び/または非標準的なヌクレオチド間結合、ならびに標準的なデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、及び/またはホスホジエステル結合を含み得る。好適な増幅剤は、例えば、米国特許第5,635,352号、第5,124,246号、第5,710,264号、第5,849,481号、及び第7,709,198号、ならびに米国公開2008/0038725及び2009/0081688に記載されており、これらの各々は参照により組み込まれる。一般に、本発明の実施形態では、増幅剤は、前増幅剤及び標識プローブに結合する(
図5及び6を参照されたい)。
【0027】
本明細書で使用される場合、「前増幅剤」は、1つ以上の標的プローブと1つ以上の増幅剤との間の中間結合成分として機能する分子、典型的にはポリヌクレオチドである。典型的には、前増幅剤は、1つ以上の標的プローブ及び複数の増幅剤に同時にハイブリダイズする。例示的な前増幅剤は、例えば、米国特許第5,635,352号、第5,681,697号、及び第7,709,198号、ならびに米国公開2008/0038725、2009/0081688、及び2017/0101672に記載されており、これらの各々は参照により組み込まれる。一般に、本発明の実施形態では、前増幅剤は、標的プローブ対の両方のメンバー(
図5A及び6Aを参照されたい)に、標的プローブ対に結合することができる前-前増幅剤(
図5B及び6B)に、または標的プローブ対に結合することができる前-前増幅剤の対の両方のメンバー(
図5C及び6Cを参照されたい)に結合する。前増幅剤はまた、増幅剤に結合する(
図5及び6を参照されたい)。
【0028】
本明細書で使用される場合、「前-前増幅剤」は、1つ以上の標的プローブと1つ以上の前増幅剤との間の中間結合成分として機能する分子、典型的にはポリヌクレオチドである。典型的には、前-前増幅剤は、1つ以上の標的プローブ及び複数の前増幅剤に同時にハイブリダイズする。例示的な前-前増幅剤は、例えば、参照により組み込まれる2017/0101672に記載されている。一般に、本発明の実施形態では、前-前増幅剤は、標的プローブ対(
図5B及び6Bを参照されたい)に、または標的プローブ対のメンバー(
図5C及び6Cを参照されたい)に、及び前増幅剤に結合する。
【0029】
本明細書で使用される場合、「複数」という用語は、2つ以上を意味すると理解される。したがって、複数は、例えば、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上、23以上、24以上、25以上、26以上、27以上、28以上、29以上、30以上、31以上、32以上、33以上、34以上、35以上、36以上、37以上、38以上、39以上、40以上、41以上、42以上、43以上、44以上、45以上、46以上、47以上、48以上、49以上、50以上、55以上、60以上、65以上、70以上、75以上、80以上、85以上、90以上、95以上、100以上、110以上、120以上、130以上、140以上、150以上、160以上、170以上、180以上、190以上、200以上、300以上、400以上、500以上、600以上、700以上、800以上、900以上、もしくは1000以上、または特定の使用のために所望である場合、さらにより大きな数を指し得る。
【0030】
本明細書に記載されるように、本発明は、標的核酸のマルチプレックス検出に関し、方法は、以前に記載されたin situハイブリダイゼーションの方法よりも多い数の標的核酸の検出を提供する。方法は、プローブの酸除去、続いて標的プローブのハイブリダイゼーション及び検出の繰り返しラウンド(複数可)によるさらなるマルチプレックスと組み合わせて、検出の反復ラウンドにおいて複数の標的核酸を明確に検出するために直交増幅システムを用いることができる。
【0031】
図2Aは、逐次的なハイブリダイゼーションのための標的核酸(複数可)に結合したプローブ(複数可)の酸処理及び除去を使用する本発明の実施形態の概略図を示す。N標的プローブを、例えば、in situハイブリダイゼーションアッセイで、標的核酸にハイブリダイゼーションする。図式は、標的核酸にハイブリダイゼーションした標的プローブの任意のシグナル増幅を示す。細胞は、細胞の可視化を促進するために対比染色され得、例えば、核は、4′,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)で染色され得る。標的プローブ及び対比染色された細胞は、例えば、イメージングによって可視化され、それによって標的核酸を検出し、イメージングする。RNAscope(登録商標)アッセイを使用する場合、RNAscope(登録商標)ダブルZプローブ及びシグナルは、RNAscope(登録商標)増幅システムにより同時に増幅される。酸処理ステップを実行して、それぞれの標的(複数可)に結合した標的プローブ(複数可)を除去する。N標的核酸の1つ以上の追加のセットは、1つ以上のラウンドのためにNプレックスワークフロー全体を繰り返すことによって検出され得る。全ての標的が検出された後、画像レジストレーションソフトウェアアルゴリズムを使用して画像をレジストレーションし、単一細胞解像度で重ね合わせた画像の最終合成を作成する。この方法で利用可能なマルチプレックスの総レベルは、ラウンド当たりのN標的(複数可)×NプレキシングのKラウンドである。一般に、N=1以上であり、酸除去ステップを含む場合、K=2以上である。
図2Aに示される図式において、K=1の場合、標的プローブのハイブリダイゼーション及びイメージングの1ラウンドのみを行えば十分であるため、酸除去ステップは必要とされない。
【0032】
一実施形態では、本発明は、細胞内の核酸に結合したプローブの結合を破壊する方法を提供し、方法は、細胞を酸試薬と接触させることを含み、細胞は、細胞内の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした第1のプローブを含み、酸試薬は、第1のプローブと第1の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する。
【0033】
一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。一実施形態では、方法は、細胞から第1のプローブを除去することをさらに含む。
【0034】
一実施形態では、方法は、細胞を第2のプローブと接触させるステップをさらに含み、第2のプローブは、細胞内の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションし、第2の標的核酸は、第1の標的核酸と同一であるか、または異なる。一実施形態では、方法は、細胞を酸試薬と接触させるステップをさらに含み、酸試薬は、第2のプローブと第2の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する。一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。一実施形態では、方法は、細胞から第2のプローブを除去するステップをさらに含む。
【0035】
一実施形態では、本発明は、細胞内の核酸に結合したプローブの結合を破壊するための方法を提供し、方法は、細胞を酸試薬と接触させることを含み、細胞は、細胞内の1つ以上の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした1つ以上の第1のプローブを含み、酸試薬は、1つ以上の第1のプローブと1つ以上の第1の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する。
【0036】
一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。一実施形態では、方法は、細胞から1つ以上の第1のプローブを除去することをさらに含む。一実施形態では、細胞は、2つ以上の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした2つ以上の第1のプローブを含む。一実施形態では、第1の標的核酸の各々は、第1のプローブへのハイブリダイゼーションによって標識され、各第1の標的核酸上の標識は、第1のプローブにハイブリダイゼーションした他の第1の標的核酸(複数可)上の標識から区別可能である。
【0037】
一実施形態では、方法は、細胞を1つ以上の第2のプローブと接触させるステップをさらに含み、1つ以上の第2のプローブは、細胞内の1つ以上の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションし、1つ以上の第2の標的核酸は、1つ以上の第1の標的核酸と同一であるか、または異なる。一実施形態では、細胞は、2つ以上の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションした2つ以上の第2のプローブを含む。一実施形態では、第2の標的核酸の各々は、第2のプローブへのハイブリダイゼーションによって標識され、各第2の標的核酸上の標識は、第2のプローブにハイブリダイゼーションした他の第2の標的核酸(複数可)上の標識から区別可能である。
【0038】
一実施形態では、方法は、細胞を酸試薬と接触させるステップをさらに含み、酸試薬は、第2のプローブと1つ以上の第2の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する。一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。一実施形態では、方法は、細胞から第2のプローブを除去するステップをさらに含む。
【0039】
本発明は、酸試薬が細胞を含む試料に適用され得るという発見に基づいており、細胞は、核酸を検出するために使用されるプローブなどの1つ以上のプローブにハイブリダイゼーションした核酸を含み、それにより、酸試薬が核酸とプローブとの間のハイブリダイゼーションの破壊を引き起こす。細胞内の標的核酸に結合したプローブを除去するために、細胞内の核酸の完全性及び細胞の形態を依然として保持しながら、かつ細胞内の核酸のハイブリダイゼーション及び検出の繰り返しラウンドを可能にする酸試薬が使用され得ることは以前は認識されていなかった。核酸の完全性は、検出可能なプローブへのハイブリダイゼーションによって検出される核酸の能力を指す。本明細書で使用される場合、「酸試薬」は、核酸プローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらし、それによって標的核酸に結合したプローブ間の結合を破壊し、かつ使用される場合、細胞内のシグナル増幅剤分子間の結合を破壊し、それによってプローブならびに使用される場合、任意の構築済みシグナル増幅複合体を細胞から除去することを可能にする酸、及び任意選択で塩を含む溶液であり、酸試薬による細胞の処理は、標的核酸に対するプローブのハイブリダイゼーションの1つ以上の追加のラウンドが細胞に適用され得るように、細胞内の細胞の形態及び核酸の完全性を保持する。本発明は、本明細書に開示されるように、本発明の酸試薬を含む組成物を提供する。
【0040】
本明細書に記載されるように、本発明の方法は、標的核酸に結合したプローブの結合を破壊するために酸試薬を使用することによって、標的核酸のマルチプレックス検出を提供し、それによって、同じ検出システムを逐次的なラウンドの検出で使用することを可能にする。本明細書に記載されるように、核酸に結合したプローブは、概して、核酸である少なくともいくつかの構成成分を有するプローブを指し、それによって、当該技術分野で周知のような核酸ハイブリダイゼーションによって、標的核酸へのプロープの結合を提供する。標的核酸へのプロープの結合を破壊するために酸試薬を使用する本発明の方法は、ハイブリダイゼーションによって標的核酸に結合した任意のプローブに適用され得ることを理解されたい。酸試薬を使用してプローブと標的核酸との間の結合を破壊することができる標的核酸に結合しているプローブは、標的核酸に直接結合した単一の核酸であるプローブであり得るか、または複数の核酸成分の複合体であるプローブであり得ることがさらに理解されたい。したがって、本発明の酸試薬によって破壊される標的核酸へのプローブの結合は、標的核酸に直接結合したプローブ及び/または標的核酸に結合しているプローブ複合体の任意の構成成分の破壊であり得る。複数の核酸成分の複合体であるプローブの例には、本明細書に開示されるシグナル生成複合体(SGC)、ならびに標的核酸を検出するために使用され得る他の種類のプローブ及びプローブシステム(例えば、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)(Choi et al.,Development 145(12),pii:dev165753,doi:10.1242/dev.165753(2018)、ローリングサークル増幅(Larsson et al.,Nature Methods 7(5):395-397(2010)、clampFISH(Rouhanifard et al.,BioRxiv,222794(doi.org/10.1101/222794)(2018)、及びSABER(Kishi et al.,Nat.Methods 16:533-544(2019))が挙げられる。したがって、酸試薬を使用してプローブの標的核酸への結合を破壊する本発明の方法を使用して、標的核酸に結合した任意の所望のプローブまたはプローブシステムを破壊することができる。酸処理後、同じプローブまたはプローブシステムを再び使用して、同じまたは異なる標的核酸を検出することができる。
【0041】
本発明の酸試薬は、酸を含む。酸試薬での使用に好適な例示的な酸としては、これらに限定されないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。酸試薬は、一般に、約5~40%の酸濃度を含む。一実施形態では、酸試薬は、20~30%の酸を含む。例えば、酸試薬は、5~40%の酸、例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、または40%の酸(体積/体積%)を含み得る。特定の実施形態では、酸試薬は、5~40%の酢酸、例えば、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、もしくは40%の酢酸(体積/体積%)、またはその間の濃度を含む。
【0042】
任意選択で、酸試薬はまた、塩も含み得る。一実施形態では、酸試薬は、酸に加えて、生理食塩水クエン酸ナトリウム(SSC)を含み、ここで、20倍のSSCは、pH7.0で、3.0MのNaCl及び0.3Mのクエン酸ナトリウムに対応する(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,New York(2001)、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Baltimore,MD(1999)を参照されたい)。一実施形態では、酸試薬は、1倍のSSC~13倍のSSCを含む。例えば、酸試薬は、1倍、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.9倍、3倍、3.1倍、3.2倍、3.3倍、3.4倍、3.5倍、3.6倍、3.7倍、3.8倍、3.9倍、4倍、4.1倍、4.2倍、4.3倍、4.4倍、4.5倍、4.6倍、4.7倍、4.8倍、4.9倍、5倍、5.1倍、5.2倍、5.3倍、5.4倍、5.5倍、5.6倍、5.7倍、5.8倍、5.9倍、6倍、6.1倍、6.2倍、6.3倍、6.4倍、6.5倍、6.6倍、6.7倍、6.8倍、6.9倍、7倍、7.1倍、7.2倍、7.3倍、7.4倍、7.5倍、7.6倍、7.7倍、7.8倍、7.9倍、8倍、8.1倍、8.2倍、8.3倍、8.4倍、8.5倍、8.6倍、8.7倍、8.8倍、8.9倍、9倍、9.1倍、9.2倍、9.3倍、9.4倍、9.5倍、9.6倍、9.7倍、9.8倍、9.9倍、10倍、10.1倍、10.2倍、10.3倍、10.4倍、10.5倍、10.6倍、10.7倍、10.8倍、10.9倍、11倍、11.1倍、11.2倍、11.3倍、11.4倍、11.5倍、11.6倍、11.7倍、11.8倍、11.9倍、12倍、12.1倍、12.2倍、12.3倍、12.4倍、12.5倍、12.6倍、12.7倍、12.8倍、12.9倍、13倍など、またはその間の濃度のSSCを含み得る。
【0043】
別の実施形態では、酸試薬は、酸に加えて、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)(SSPE)を含み、pH7.4で、20倍のSSPEは、3.0Mの塩化ナトリウム、0.2Mのリン酸水素ナトリウム(NaH2PO4)、0.02 Mのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)に対応する(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,New York(2001)を参照されたい)。一実施形態では、酸試薬は、1倍のSSPE~13倍のSSPEを含む。例えば、酸試薬は、1倍、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.9倍、3倍、3.1倍、3.2倍、3.3倍、3.4倍、3.5倍、3.6倍、3.7倍、3.8倍、3.9倍、4倍、4.1倍、4.2倍、4.3倍、4.4倍、4.5倍、4.6倍、4.7倍、4.8倍、4.9倍、5倍、5.1倍、5.2倍、5.3倍、5.4倍、5.5倍、5.6倍、5.7倍、5.8倍、5.9倍、6倍、6.1倍、6.2倍、6.3倍、6.4倍、6.5倍、6.6倍、6.7倍、6.8倍、6.9倍、7倍、7.1倍、7.2倍、7.3倍、7.4倍、7.5倍、7.6倍、7.7倍、7.8倍、7.9倍、8倍、8.1倍、8.2倍、8.3倍、8.4倍、8.5倍、8.6倍、8.7倍、8.8倍、8.9倍、9倍、9.1倍、9.2倍、9.3倍、9.4倍、9.5倍、9.6倍、9.7倍、9.8倍、9.9倍、10倍、10.1倍、10.2倍、10.3倍、10.4倍、10.5倍、10.6倍、10.7倍、10.8倍、10.9倍、11倍、11.1倍、11.2倍、11.3倍、11.4倍、11.5倍、11.6倍、11.7倍、11.8倍、11.9倍、12倍、12.1倍、12.2倍、12.3倍、12.4倍、12.5倍、12.6倍、12.7倍、12.8倍、12.9倍、13倍など、またはその間の濃度のSSPEを含み得る。
【0044】
別の実施形態では、酸試薬は、酸に加えて、pH7.8、または任意選択で7~8のpH範囲の、10~500mMのリン酸ナトリウムを含む。例えば、酸試薬は、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM、60mM、70mM、80mM、90mM、100mM、110mM、120mM、130mM、140mM、150mM、160mM、170mM、180mM、190mM、200mM、210mM、220mM、230mM、240mM、250mM、260mM、270mM、280mM、290mM、300mM、310mM、320mM、330mM、340mM、350mM、360mM、370mM、380mM、390mM、400mM、410mM、420mM、430mM、440mM、450mM、460mM、470mM、480mM、490mM、500mMなど、またはその間の濃度のリン酸ナトリウムを含み得る。
【0045】
別の実施形態では、酸試薬は、酸に加えて、10mM~6Mの塩化ナトリウム(NaCl)を含む。例えば、酸試薬は、10mM、50mM、100mM、150mM、200mM、250mM、300mM、350mM、400mM、450mM、500mM、550mM、600mM、650mM、700mM、750mM、800mM、850mM、900mM、950mM、1M、1.1M、1.2M、1.3 M 1.4M、1.5M、1.6M、1.7M、1.8M、1.9M、2M、2.1M、2.2M、2.3M、2.4M、2.5M、2.6M、2.7M、2.8M、2.9M、3M、3.1M、3.2M、3.3M、3.4M、3.5M、3.6M、3.7M、3.8M、3.9M、4M、4.1M、4.2M、4.3M、4.4M、4.5M、4.6M、4.7M、4.8M、4.9M、5M、5.1M、5.2M、5.3M、5.4M、5.5M、5.6M、5.7M、5.8M、5.9M、6Mなど、またはその間の濃度の塩化ナトリウムを含み得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、酸試薬は、5~40%の酸及び1倍~12.8倍のSSCを含む。酸試薬は、本明細書に開示される酸及びSSCの濃度の組み合わせのうちのいずれかにおいて、独立して、5~40%の酸及び1倍~12.8倍SSCを含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、酸試薬は、本明細書で開示されるように、20~30%の酸及び3.2倍~12.8倍のSSC、または独立して、その間の酸及びSSCの増加を含む。いくつかの実施形態では、酸は、酢酸である。いくつかの実施形態では、酸は、ギ酸である。いくつかの実施形態では、酸試薬は、20%の酸及び3.2倍のSSCを含む。別の実施形態では、酸試薬は、20%の酸及び6.4倍のSSCを含む。別の特定の実施形態では、酸試薬は、20%の酸及び12.8倍のSSCを含む。別の特定の実施形態では、酸試薬は、30%の酸及び3.2倍のSSCを含む。別の特定の実施形態では、酸試薬は、30%の酸及び6.4倍のSSCを含む。別の特定の実施形態では、酸試薬は、30%の酸及び12.8倍のSSCを含む。特定の実施形態では、酸試薬は、20%の酢酸及び3.2倍のSSCを含む。別の特定の実施形態では、酸試薬は、20%の酢酸及び6.4倍のSSCを含む。別の特定の実施形態では、酸試薬は、20%の酢酸及び12.8倍のSSCを含む。別の特定の実施形態では、酸試薬は、30%の酢酸及び3.2倍のSSCを含む。別の特定の実施形態では、酸試薬は、30%の酢酸及び6.4倍のSSCを含む。別の特定の実施形態では、酸試薬は、30%の酢酸及び12.8倍のSSCを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、細胞内の標的核酸にハイブリダイゼーションしたプローブ間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらすために細胞に酸試薬を適用することに関する本発明の方法は、室温で実施される。他の実施形態では、酸試薬は、室温をちょうど下回るかまたは上回る温度で細胞に適用され得る。したがって、細胞内の標的核酸にハイブリダイゼーションしたプローブ間の破壊をもたらすために細胞に酸試薬を適用するための本発明の方法は、例えば、約4℃~約40℃の温度で実施され得る。例えば、方法は、4℃、5℃、6℃,7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、もしくは40℃の温度、またはその間の増加の温度で実施され得る。
【0048】
細胞内の標的核酸にハイブリダイゼーションしたプローブ間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらすために細胞に酸試薬を適用することに関する本発明の方法では、方法は、一定期間実施され、任意選択で繰り返される。酸試薬は、一般に、1~30分間、またはそれ以上細胞と接触させる。例えば、酸試薬は、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分、26分、27分、28分、29分、30分、もしくはそれ以上など、またはその間の増加の間、細胞と接触させる。いくつかの実施形態では、酸試薬処理は、1~10回繰り返される。例えば、酸試薬処理は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11回実施される(すなわち、最大10回繰り返される)。別の例では、酸試薬処理は、1、2、3、4、5、または6回実施される(すなわち、最大5回繰り返される)。いくつかの実施形態では、酸試薬は、酸試薬を除去することなく(例えば、細胞から酸試薬を吸引することによって)、または細胞を洗浄することなく(例えば、酸試薬の適用の間に細胞を洗浄することによって)、逐次的に細胞と接触させる。任意選択で、酸試薬は、例えば、細胞から酸試薬を吸引するか、または好適な緩衝液で細胞を洗浄することによって、細胞との接触から除去され得る。好適な洗浄緩衝液には、これらに限定されないが、in situハイブリダイゼーションアッセイで日常的に使用される緩衝液が含まれる。
【0049】
本明細書に開示されるように、細胞内の標的核酸に結合したプローブを除去するための条件は、本明細書に開示されるように、酸試薬の構成成分及び構成成分の濃度、細胞との酸試薬のインキュベーションの時間、ならびにインキュベーションを繰り返す回数に応じて容易に決定され得ることを理解されたい。細胞からのプローブの除去の有効性は、標的核酸を検出するために使用されるのと同じ方法を使用して細胞を分析し、残留プローブが検出され得るかどうかを確認することによって容易に決定され得る(実施例I及びIIを参照されたい)。残留プローブが依然として存在する場合、酸試薬処理は、以前に検出されたプローブが検出されなくなるか、または十分に低いレベルで検出されるまで単に繰り返され、その後のラウンドの標識において同じ標識を有する標的核酸の検出可能な標識を可能にする必要がある。同様に、核酸のその後の検出を可能にするために、細胞内の核酸の細胞形態及び完全性を保持しながら、細胞が酸試薬で処理され得る回数は、所与の酸試薬について細胞の酸試薬処理を繰り返し行い、所与の一連の条件下で、標的核酸が依然として検出され得るか否かを決定することによって、例えば、細胞内の陽性対照核酸を検出する能力を決定することによって、または細胞が酸試薬で1回以上処理された後に細胞内で同様の細胞形態が検出され得ることを決定することによって、容易に決定され得る(実施例I及びIIを参照されたい)。所与の酸試薬を適用するインキュベーション時間及び繰り返し数の一連の条件が決定されると、条件は、他の細胞試料に適用され得る。本明細書に開示されるように、ある範囲の酸試薬及び条件が試験され、標的核酸の新たなラウンドの検出が適用され得るように、細胞形態及び核酸の完全性を保持したプローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊するのに有効であることが示された(実施例IIIを参照されたい)。
【0050】
いくつかの実施形態では、各ラウンドで、単一の標的核酸を検出する。このような場合には、試料を、複数の標的核酸に対する複数の標的プローブのセットと接触させるのではなく、試料は、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションし得る標的プローブのセットと接触させる。他の実施形態では、本明細書に開示されるように、単一のラウンで複数の標的を検出する。
【0051】
したがって、本発明は、標的核酸のより高いマルチプレックス検出を達成するための、複数の核酸標的の独自の標識の使用及び標的核酸のサブセットの反復的な検出、続いて標的核酸のより高いマルチプレックス検出を達成するための、結合されたプローブを除去するための酸試薬処理に関する。反復的なラウンドで、標的核酸のマルチプレックス検出を行う本発明の方法の有効性は、実施例に記載されているように、本発明で実証されている。
【0052】
図1に示されるように、一実施形態では、本発明の方法では、標的核酸を検出するために、複数の標的核酸に対する標的プローブの同時ハイブリダイゼーションと、増幅システムを用いる。しかしながら、全ての標的核酸を一度に検出するのではなく、標的核酸の標識及び検出は、反復的なラウンドで行い、その際には、1回目のラウンドでは、標的プローブが結合した標的核酸サブセットのみを検出する。これは、標的1~4を1回目のラウンドで検出するものとして、
図1に概略的に示されている。切断可能な標識を用いることによって、1回目のラウンドで、標的核酸(
図1の標的1~4)に結合した検出可能な標識をイメージング後、標識を試料から除去する(
図1の「フルオロフォアの切断」)。1回目のラウンドで標的核酸に結合した標識を切断すると、概して、標的核酸の異なるサブセット(
図1に標的5~8として示される)を検出する標識の第2の群を付加することによって、2回目のラウンドの検出が適用される。1回目のラウンドの標識を標的核酸から切断することによって、1回目のラウンドと同じ検出可能な標識(
図1にフルオロフォアとして示される)を2回目のラウンドで使用することができる。標的核酸に結合した標識を切断し、標的核酸の新しいサブセットを検出するために標識を付加するこのようなサイクルは、以前に記載された方法よりも同じ試料及び同じ細胞内でのさらに多くの核酸標的の検出を可能にする。
図2Bに示されるように、マルチプレックスのさらなる層(複数可)は、
図1に示される方法の新しいラウンドが繰り返され得るように、標的プローブ及び増幅システム(例えば、SGC)を除去するための試料の酸処理によって達成され得る。
【0053】
図2Bは、逐次的なハイブリダイゼーションのための標的核酸に結合したプローブの酸処理及び除去の概略図を示す。N標的プローブを、例えば、RNAscope(登録商標)HiPlexアッセイなどのin situハイブリダイゼーションアッセイで、標的核酸にハイブリダイゼーションする。N標的プローブを、標的配列にハイブリダイゼーションし(例えば、RNAscope(登録商標)ダブルZプローブ)、同時にシグナルを増幅する(例えば、RNAscope(登録商標)増幅システム)。
図2Bの図式は、標的核酸にハイブリダイゼーションした標的プローブの任意のシグナル増幅を示す。細胞は、細胞の可視化を促進するために対比染色され得、例えば、核は、4′,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)で染色され得る。N標的核酸は、標識、例えば、蛍光標識、イメージング、及び検出可能な標識の切断、例えば、蛍光標識の切断の反復ラウンドにより検出される。図式において、N標的核酸をN標的プローブにハイブリダイゼーションし、反復して検出することにより、N標的のサブセット(N標的
サブセット1)を標識して検出し、標識を標識された核酸のサブセットから切断し(Lラウンドの標識プローブハイブリダイゼーション、L=1)、次いで、N標的の第2のサブセット(N標的
サブセット2)を標識して検出し、標識を標識された核酸のサブセットから切断する(Lラウンドの標識プローブハイブリダイゼーション、L=2)など、N標的核酸の全てが検出されるまで続く。全てのN標的核酸が所望の数の標識の数(L=所望の標識のラウンド)で検出された後、ハイブリダイゼーションしたN標的プローブを除去(例えば、本明細書に記載されるような、シグナル生成複合体(SGC)の除去)するために酸処理ステップを行う。N標的核酸(例えば、N’標的核酸、N’’標的核酸など)の1つ以上の追加のセットは、1つ以上のラウンドのためにNプレックスワークフロー全体を繰り返すことによって検出され得る。全ての標的が検出された後、画像レジストレーションソフトウェアアルゴリズムを使用して画像をレジストレーションし、単一細胞解像度で重ね合わせた画像の最終合成を作成する。この方法で利用可能なマルチプレックスの総レベルは、ラウンド当たりN標的核酸× N-プレキシングのKラウンド(「N-プレキシング」は、「N標的プローブのハイブリダイゼーション」から「プローブ及び増幅剤の酸性除去」または最終ラウンドでは最後の「対比染色及びイメージング」ステップへのフローを指す)である。一般に、N=1以上であり、酸除去ステップを含む場合、K=2以上である。
図2Bに示される図式において、K=1の場合、Lラウンドの標識プローブハイブリダイゼーション、イメージング、及びフルオロフォア切断のみを行う必要があるため、プローブ及び増幅剤の酸除去ステップは必要とされない。さらに、追加のN標的核酸が検出されないN標的核酸の検出の最終ラウンド(すなわち、K=N
最終であり、「N」はKラウンドの総数である)で、酸処理ステップを必要としないことを理解されたい。したがって、
図2Bに示される概略図において、全ての所望の標的核酸が検出及びイメージングされた後、さらなる標識切断ステップ及び/または酸処理ステップを必要とせずに、標的核酸の分析のために画像レジストレーションを行う。
【0054】
概して、標的核酸のマルチプレックス検出のために、別個かつ区別可能な標識を用いる場合には、同時に区別され得る別個の標識の数には制限がある。例えば、蛍光標識の場合には、複数の標識を同時に検出するには、フルオロフォアからの複数の発光のスペクトルを分離して、蛍光顕微鏡が、フルオロフォアを同時に区別できるようにしなければならない。フルオロフォアからの発光のスペクトルを分離する必要性により、同時に可視化できるフルオロフォアの数が制限される。本発明は、逐次的なラウンドで、同じフルオロフォアを使用して、標的核酸を検出できるように、標識を反復的に検出することによって、この制限を解消する。
【0055】
本発明の方法で使用され得る検出システムの直交性を
図6に示す。
図6Aは、3つの例示的な標的核酸及びそれぞれの直交検出システム(本発明では、シグナル生成複合体(SGC)とも称される)を用いた一実施形態を示す。
図6Aに示されるように、各標的核酸は、特異的な標的プローブ対(TP1a及びTP1b、TP2a及びTP2b、TP3a及びTP3b)にハイブリダイゼーションし、続いて、それぞれの特異的な前増幅剤(PA1、PA2、PA3)にハイブリダイゼーションし、その次に、それぞれの特異的な複数の増幅剤(AMP1、AMP2、AMP3)にハイブリダイゼーションし、その後、それぞれの特異的な複数の標識プローブ(LP1、LP2、LP3)にハイブリダイゼーションする。
図6Bは、2つの例示的な標的核酸及びそれぞれの直交検出システムを用いた別の実施形態を示す。
図6Bに示されるように、各標的核酸は、特異的な標的プローブ対(TP1a及びTP1b、TP2a及びTP2b)にハイブリダイゼーションし、続いて、それぞれの特異的な前-前増幅剤(PPA1、PPA2)にハイブリダイゼーションし、その次に、それぞれの特異的な複数の前増幅剤(PA1、PA2)にハイブリダイゼーションし、その後、それぞれの特異的な複数の増幅剤(AMP1、AMP2)にハイブリダイゼーションした後、それぞれの特異的な複数の標識プローブ(LP1、LP2)にハイブリダイゼーションする。
図6Cは、2つの例示的な標的核酸及びそれぞれの直交検出システムを用いた別の実施形態を示す。
図6Cに示されるように、各標的核酸は、特異的な標的プローブ対(TP1a及びTP1b、TP2a及びTP2b)にハイブリダイゼーションし、続いて、それぞれの特異的な前-前増幅剤の対(PPA1a及びPPA1b、PPA2a及びPPA2b)にハイブリダイゼーションし、その次に、両方の前-前増幅剤が、それぞれの特異的な前増幅剤(PA1及びPA2)にハイブリダイゼーションし、その後、それぞれの特異的な増幅剤(AMP1及びAMP2)にハイブリダイゼーションした後、それぞれの特異的な標識プローブ(LP1及びLP2)にハイブリダイゼーションする。簡単にするために、複数の増幅剤が、前増幅剤のうちの1つに結合しているように示されているが、増幅剤は前増幅剤の各々に結合し得ることを理解されたい。
図6に示されるように、各核酸標的は、特異的な検出システムを有し、そのシステムの構成成分の結合は、1つの特異的な複合体には結合させるが、他の複合体には結合させない固有の結合部位によって媒介される。SGCの構成成分が、特異的な標的核酸にハイブリダイゼーションするためのこのような固有の結合部位は、当該技術分野で周知であるように、かつ本明細書に記載されているように、所望の特異性が得られるように、結合部位(核酸配列)を設計することによって達成され得る。各標的が独自に標識されるこの直交検出システムにより、同じ試料内の複数の標的核酸を検出することが可能になる。
【0056】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、方法は、複数の標的核酸が同じ試料内、及びさらに同じ細胞内で分析され得るように、直交増幅システムを利用して標的核酸を独自に標識する。本発明では、特定の標的核酸に特異的であるシグナル生成複合体(SGC)の構築を利用して、各標的核酸を独自に特定できるようにする。一実施形態では、試料は、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションすることができる標的プローブの対を含む標的プローブのセットと接触させる。試料は、各標的プローブのセットに特異的な前増幅剤を含むとともに、それぞれの標的核酸にハイブリダイゼーションする標的プローブ対にハイブリダイゼーションできる前増幅剤セットとも接触させる。このような実施形態を、
図6Aに概略的に示す。試料は、増幅剤とも接触させ、その増幅剤は、標的核酸に特異的である標的プローブ対に特異的である各前増幅剤に特異的な増幅剤のサブセットを含む。すなわち、各標的核酸は、標的核酸間の判別を行う、SGCの固有の成分、すなわち、標的プローブ対(複数可)、前増幅剤、及び増幅剤からなるアセンブリを有する。追加の実施形態では、前-前増幅剤が、標的プローブ対及び前増幅剤の間の追加の増幅層として、標的プローブ対に結合し得る(
図5B及び6Bを参照されたい)。
【0057】
別の実施形態では、試料は、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションすることができる標的プローブの対を含む標的プローブのセットと接触させる。試料は、各標的プローブのセットに特異的な前-前増幅剤の対を含むとともに、それぞれの標的核酸にハイブリダイゼーションする標的プローブ対にハイブリダイゼーションすることができる前-前増幅剤のセットとも接触させる。このような実施形態を、
図6Cに概略的に示す。試料は、標的に特異的である標的プローブの対に特異的である前-前増幅剤の両方の対に特異的に結合することができる前増幅剤を含む前増幅剤のセットとも接触させる。試料は、増幅剤とも接触させ、その増幅剤は、標的核酸に特異的である標的プローブ対に特異的である前-前増幅剤の対に特異的である各前増幅剤に特異的な増幅剤のサブセットを含む。すなわち、各標的核酸は、標的核酸間の判別を行う、SGCの固有の成分、すなわち、標的プローブ対、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤からなるアセンブリを有する。
【0058】
標的核酸を検出するために、標識プローブのセットを試料と接触させる。試料を、全ての標的核酸を検出することができる標識プローブと接触させる代わりに、試料は、標的核酸のサブセットを検出することができる標識プローブのセットと接触させる。したがって、全ての標的核酸を一度に検出するのではなく、反復的な検出ラウンドで、標的核酸を検出する。1回のラウンド内では、1回目のラウンドの適用標識プローブと関連付けられた全ての標的核酸が同時に検出され得るように、それぞれの標的核酸に特異的な標識プローブは、互いに区別可能なものである。
【0059】
1回のラウンドで同時に検出できる標的核酸の数は、標識プローブで用いられる標識の種類と、その標識が区別され得る方法によって決まることになる。例えば、蛍光標識を使用する場合には、1回のラウンドで使用されるフルオロフォアは、区別可能である必要があるため、フルオロフォアの発光のスペクトル分離がされなければならない。同時に区別され得るフルオロフォアの数は、検出システム、ならびに重複する発光を持つフルオロフォアを区別するために使用され得るフィルター及び/またはソフトウェアの可用性に応じて、最大10個であり、当該技術分野において周知であるように、それらを区別できる場合には、スペクトル分離があるとみなされる。複数の蛍光標識を検出するためのイメージングシステムは、当該技術分野で周知である(例えば、Vectra Polaris、Perkin Elmer、Waltham MA)。
【0060】
一実施形態では、本発明の方法は、ラウンド当たり1つ以上の標的核酸の検出に適用され、例えば、各ラウンドで、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれ以上の標的核酸が検出される。本明細書で開示されるように、当業者は、試料内で所望の数の標的核酸が検出可能になるように、好適な別個の標識及び好適な回数のラウンドの検出を選択することができる。
【0061】
1回目のラウンドの検出で使用された標識の区別可能な特徴を、その後のラウンドで利用するために、いくつかの実施形態では、標識プローブ上の標識は、切断可能である。したがって、標的核酸のサブセットを検出する1回目のラウンドを実施すると、標的核酸に結合した標識を切断して、標的核酸の第1のサブセットから標識を除去する。標識プローブに対する標識の例示的な切断可能なコンジュゲートは、本明細書に記載されている。標識が切断されると、試料を、概して1回目のラウンドで検出された標的核酸とは異なる標的核酸に特異的な標識プローブの第2のセットと接触させることによって、2回目のラウンドの検出を実施する。1回目のラウンドの標識は、それぞれの標的核酸から切断されているため、2回目のラウンドの検出の標識プローブでも、同じ区別可能な標識が使用され得る。本明細書に記載されるように、上記のステップが、標的核酸の異なるセットを検出するために繰り返され得るように、結合プローブ及び増幅システム(例えば、SGC)を除去するために、試料の酸処理によって、さらなるマルチプレックスが達成され得る。標的核酸のサブセットの反復的な検出ラウンドにおいて、同じ標識が使用され得るが、その後の検出ラウンドでは、同じラウンドで使用される標識が区別可能である限りは、同じ標識を使用する必要はないことを理解されたい。
【0062】
2回目のラウンドの標的核酸のサブセットの検出が実施されると、任意選択で、1回以上の追加のラウンドの切断、標識、及び検出が試料に適用され得る。例えば、標的核酸の第2のサブセットの検出後、標的核酸の第2のサブセット上にアセンブリしたSGCから、標識が切断され得、3回目のラウンドの標識及び検出を実施して、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは別個の標的核酸の第3のサブセットを検出することができる。標的核酸のこのような反復的なラウンドの検出は、検出の反復を所望の回数行うことを利用して、複数の標的核酸を所望の数、検出する目的で実施することができる。本明細書に記載されるように、上記のステップが、所望の数の標的核酸を検出するために、標的核酸の同じまたは異なるセットを検出するために繰り返され得るように、結合プローブ及び増幅システム(例えば、SGC)を除去するために、試料の酸処理によって、さらなるマルチプレックスが達成され得る。最後の反復的な検出ラウンドでは、標識プローブは、さらなる検出ラウンドを実施することはないため、切断可能な標識を含む必要はないことを理解されたい。したがって、最後の反復的な検出ラウンドでは、切断可能な標識を含む標識プローブを使用することは任意であり、すなわち、標識プローブは、切断可能な標識を含むことも、含まないこともできる。概して、検出ラウンドは、各ラウンドで異なる標的核酸が検出されるように実施される。しかしながら、その後のラウンドの検出は、同じ標的核酸または重複する標的核酸が1つ以上の逐次的なラウンドで検出されるように、以前のラウンドと重複する1つ以上の標的核酸(複数可)(以前のラウンドにおける最大全ての核酸を含む)の検出を含み得ることを理解されたい。このように、逐次的なラウンドでの同じ標的核酸または重複する標的核酸の検出を使用して、各ラウンドで、所定の色配列で、同じ標的核酸が検出された時に、各標的核酸に対して一時的なバーコードを生成することができる。このような方法は、例えば、逐次的バーコード蛍光in situハイブリダイゼーション(seqFISH)として以前に説明されている(Shah et al.,Neuron 92(2):342-357(2016)を参照されたい)。したがって、細胞内の標的核酸に結合したプローブを除去するために酸試薬を使用する本発明の方法は、seqFISHなどの方法に適用して、より高いレベルのマルチプレックスのためのバーコードを生成するために複数回のラウンドのハイブリダイゼーションを行うための効率的な方法を提供することができる。
【0063】
一実施形態では、本発明は、細胞内の複数の標的核酸のマルチプレックス検出のための方法を提供し、方法は、(A)複数の標的核酸を含む細胞を含む試料を、1つ以上の標的核酸に特異的なプローブのセットと接触させることであって、標的核酸に対するプローブが、(a)標的プローブのセットであって、標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む、標的プローブのセットと、(b)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤が、標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(c)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤が、前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(d)標識プローブのセットであって、標識プローブのセットの標識プローブが各々、増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、標識プローブのセットと、を含む、接触させることと、(B)それぞれの標的核酸に結合した検出可能な標識を検出することと、(C)試料を酸試薬と接触させて、それによって標的核酸に結合したプローブの結合を破壊することと、を含む(
図2A及び6Aを参照されたい)。
【0064】
一実施形態では、本発明は、細胞内の複数の標的核酸のマルチプレックス検出のための方法を提供し、方法は、(A)複数の標的核酸を含む細胞を含む試料を、1つ以上の標的核酸に特異的なプローブのセットと接触させることであって、標的核酸に対するプローブが、(a)標的プローブのセットであって、標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む、標的プローブのセットと、(b)前-前増幅剤のセットであって、前-前増幅剤のセットが、1つ以上の前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、標的プローブの1つ以上の対に対する結合部位を含む、前-前増幅剤のセットと、(c)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤が、前-前増幅剤に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(d)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤が、前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(e)標識プローブのセットであって、標識プローブのセットの標識プローブが各々、増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、標識プローブのセットと、を含む、接触させることと、(B)それぞれの標的核酸に結合した検出可能な標識を検出することと、(C)試料を酸試薬と接触させて、それによって標的核酸に結合したプローブの結合を破壊することと、を含む(例えば、
図2A及び6Bを参照されたい)。
【0065】
一実施形態では、本発明は、細胞内の複数の標的核酸のマルチプレックス検出のための方法を提供し、方法は、(A)複数の標的核酸を含む細胞を含む試料を、1つ以上の標的核酸に特異的なプローブのセットと接触させることであって、標的核酸に対するプローブが、(a)標的プローブのセットであって、標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む、標的プローブのセットと、(b)前-前増幅剤のセットであって、前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の1つ以上の対を含み、前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤が、標的プローブの対の標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含む、前-前増幅剤のセットと、(c)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤が、前-前増幅剤の対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(d)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤が、前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(e)標識プローブのセットであって、標識プローブのセットの標識プローブが各々、増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、標識プローブのセットと、を含む、接触させることと、(B)それぞれの標的核酸に結合した検出可能な標識を検出することと、(C)試料を酸試薬と接触させて、それによって標的核酸に結合したプローブの結合を破壊することと、を含む(例えば、
図2A及び6Cを参照されたい)。
【0066】
一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。一実施形態では、方法は、1回以上、ステップ(A)及び(B)を繰り返すこと、またはステップ(A)、(B)、及び(C)を繰り返すことをさらに含む。
【0067】
一実施形態では、本発明は、複数の標的核酸を検出する方法を提供し、方法は、(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、接触させることと、(B)試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、複数の前増幅剤が、各標的プローブのセットに特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(C)試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、増幅剤のセットが、各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(D)試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識が切断可能であり、標識プローブの第1のセットが、複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(E)標的核酸に結合した標識プローブの第1のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第1のサブセットを検出することと、(F)標的核酸の第1のサブセットに結合した標識プローブの第1のセットから標識を切断することと、(G)試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、標識が、任意選択で切断可能であり、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(H)標的核酸に結合した標識プローブの第2のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、検出することと、(I)試料を酸試薬と接触させて、それによって標的核酸に結合したプローブの結合を破壊することと、を含む(例えば、
図2B及び6A(L=2であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。
【0068】
そのような方法の一実施形態では、方法は、ステップ(I)の前に、(J)標的核酸の第2のサブセットに結合した標識プローブの第2のセットから標識を切断することと、(K)試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、標識が、任意選択で切断可能であり、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(L)標的核酸に結合した標識プローブの第3のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む(例えば、
図2B及び6A(L=3であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。
【0069】
一実施形態では、方法は、ステップ(J)~(L)を1回以上繰り返すことを含む(例えば、
図2B及び6A(L=4+であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。
【0070】
任意選択で、本発明の方法では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。
【0071】
一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(H)、(J)~(L)及び(I)を1回以上繰り返すことをさらに含む(例えば、
図2B及び6A(K=2+であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。そのような方法の一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(H)またはステップ(A)~(H)及び(J)~(L)を繰り返すことをさらに含む。
【0072】
一実施形態では、本発明は、複数の標的核酸を検出する方法を提供し、方法は、(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、接触させることと、(B)試料を、前-前増幅剤のセットと接触させることであって、前-前増幅剤のセットが、複数の前-前増幅剤を含み、複数の前-前増幅剤が、各標的プローブのセットに特異的な前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(C)試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前増幅剤のセットが、各前-前増幅剤に特異的な前増幅剤の複数のサブセットを含み、前増幅剤の各サブセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤のサブセットの前増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前-前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(D)試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、増幅剤のセットが、前増幅剤の各サブセットに特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、前増幅剤のサブセットのうちの1つの前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(E)試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識が切断可能であり、標識プローブの第1のセットが、複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(F)標的核酸に結合した標識プローブの第1のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第1のサブセットを検出することと、(G)標的核酸の第1のサブセットに結合した標識プローブの第1のセットから標識を切断することと、(H)試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、標識が、任意選択で切断可能であり、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(I)標的核酸に結合した標識プローブの第2のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、検出することと、(J)試料を酸試薬と接触させて、それによって標的核酸に結合したプローブの結合を破壊することと、を含む(例えば、
図2B及び6B(L=2であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。
【0073】
一実施形態では、方法は、ステップ(J)の前に、(K)標的核酸の第2のサブセットに結合した標識プローブの第2のセットから標識を切断することと、(L)試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、標識が、任意選択で切断可能であり、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(M)標的核酸に結合した標識プローブの第3のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む(例えば、
図2B及び6B(L=3であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。
【0074】
一実施形態では、方法は、ステップ(K)~(M)を1回以上繰り返すことを含む(例えば、
図2B及び6B(L=4+であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。
【0075】
一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。
【0076】
一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(J)またはステップ(A)~(I)、(K)~(M)及び(J)を1回以上繰り返すことをさらに含む(例えば、
図2B及び6B(K=2+であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。そのような方法の一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(I)及び(K)~(M)を繰り返すことをさらに含む。
【0077】
一実施形態では、本発明は、複数の核酸を検出する方法を提供し、方法は、(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、接触させることと、(B)試料を、前-前増幅剤のセットと接触させることであって、前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の複数の対を含み、前-前増幅剤のセットが、標的プローブのセットの標的プローブの対の各々に特異的な前-前増幅剤の対を含み、前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤は、標的プローブのセットの標的プローブの対の標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含み、前-前増幅剤が、前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(C)試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、複数の前増幅剤が、前-前増幅剤の各対に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前-前増幅剤のセットの前-前増幅剤の対のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(D)試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、増幅剤のセットが、前-前増幅剤の各対に特異的な各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、前-前増幅剤の対に特異的な前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(E)試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識が切断可能であり、標識プローブの第1のセットが、複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(F)標的核酸に結合した標識プローブの第1のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第1のサブセットを検出することと、(G)標的核酸の第1のサブセットに結合した標識プローブの第1のセットから標識を切断することと、(H)試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、標識が、任意選択で切断可能であり、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(I)標的核酸に結合した標識プローブの第2のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、検出することと、(J)試料を酸試薬と接触させて、それによって標的核酸に結合したプローブの結合を破壊することと、を含む(例えば、
図2B及び6C(L=2であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。
【0078】
一実施形態では、方法は、ステップ(J)の前に、(K)標的核酸の第2のサブセットに結合した標識プローブの第2のセットから標識を切断することと、(L)試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、標識が、任意選択で切断可能であり、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(M)標的核酸に結合した標識プローブの第3のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む(例えば、
図2B及び6C(L=3であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。
【0079】
一実施形態では、方法は、ステップ(K)~(M)を1回以上繰り返すことを含む(例えば、
図2B及び6C(L=4であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。
【0080】
一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。
【0081】
一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(J)またはステップ(A)~(I)、(K)~(M)及び(J)を1回以上繰り返すことをさらに含む(例えば、
図2B及び6C(K=2+であり、標識がSGCから切断される)を参照されたい)。そのような方法の一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(I)及び(K)~(M)を繰り返すことをさらに含む。
【0082】
一実施形態では、本発明は、複数の標的核酸を検出する方法を提供し、方法は、(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、接触させることと、(B)試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、複数の前増幅剤が、各標的プローブのセットに特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(C)試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、増幅剤のセットが、各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(D)試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第1のセットが、複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(E)標的核酸に結合した標識プローブの第1のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第1のサブセットを検出することと、(F)標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ標的プローブ、前増幅剤及び増幅剤の間の融解温度を下回る温度で試料をインキュベートし、それによって標的核酸の第1のサブセットに結合した標識プローブの第1のセットから標識を除去することと、(G)試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前増幅剤及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(H)標的核酸に結合した標識プローブの第2のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、検出することと、(I)試料を酸試薬と接触させて、それによって標的核酸に結合したプローブの結合を破壊することと、を含む(例えば、
図2B及び6A(L=2であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。
【0083】
一実施形態では、方法は、ステップ(I)の前に、(J)標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ標的プローブ、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度を下回る温度で試料をインキュベートし、それによって標的核酸の第2のサブセットに結合した標識プローブの第2のセットから標識を除去することと、(K)試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(L)標的核酸に結合した標識プローブの第3のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む(例えば、
図2B及び6A(L=3であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。
【0084】
一実施形態では、方法は、ステップ(J)~(L)を1回以上繰り返すことを含む(例えば、
図2B及び6A(L=4+であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。
【0085】
一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。
【0086】
一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(H)、(J)~(L)及び(J)を1回以上繰り返すことをさらに含む(例えば、
図2B及び6A(K=2+であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。そのような方法の一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(H)またはステップ(A)~(H)及び(J)~(L)を繰り返すことをさらに含む。
【0087】
一実施形態では、本発明は、複数の標的核酸を検出する方法を提供し、方法は、(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、接触させることと、(B)試料を、前-前増幅剤のセットと接触させることであって、前-前増幅剤のセットが、複数の前-前増幅剤を含み、複数の前-前増幅剤が、各標的プローブのセットに特異的な前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(C)試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前増幅剤のセットが、各前-前増幅剤に特異的な前増幅剤の複数のサブセットを含み、前増幅剤の各サブセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤のサブセットの前増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前-前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(D)試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、増幅剤のセットが、前増幅剤の各サブセットに特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、前増幅剤のサブセットのうちの1つの前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(E)試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第1のセットが、複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(F)標的核酸に結合した標識プローブの第1のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第1のサブセットを検出することと、(G)標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度を下回る温度で試料をインキュベートし、それによって標的核酸の第1のサブセットに結合した標識プローブの第1のセットから標識を除去することと、(H)試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(I)標的核酸に結合した標識プローブの第2のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、検出することと、(J)試料を酸試薬と接触させて、それによって標的核酸に結合したプローブの結合を破壊することと、を含む(例えば、
図2B及び6B(L=2であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。
【0088】
一実施形態では、方法は、ステップ(J)の前に、(K)標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤及び増幅剤の間の融解温度を下回る温度で試料をインキュベートし、それによって標的核酸の第2のサブセットに結合した標識プローブの第2のセットから標識を除去することと、(L)試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(M)標的核酸に結合した標識プローブの第3のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む(例えば、
図2B及び6B(L=3であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。
【0089】
一実施形態では、方法は、ステップ(K)~(M)を1回以上繰り返すことを含む(例えば、
図2B及び6B(L=4+であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。
【0090】
一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。
【0091】
一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(J)またはステップ(A)~(I)、(K)~(M)及び(J)を1回以上繰り返すことをさらに含む(例えば、
図2B及び6B(K=2+であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。そのような方法の実施形態の1つでは、方法は、ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(I)及び(K)~(M)を繰り返すことをさらに含む。
【0092】
一実施形態では、本発明は、複数の核酸を検出する方法を提供し、方法は、(A)複数の核酸を含む細胞を含む試料を、複数の標的プローブのセットと接触させることであって、各標的プローブのセットが、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む、接触させることと、(B)試料を、前-前増幅剤のセットと接触させることであって、前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の複数の対を含み、前-前増幅剤のセットが、標的プローブのセットの標的プローブの対の各々に特異的な前-前増幅剤の対を含み、前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤は、標的プローブのセットの標的プローブの対の標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含み、前-前増幅剤が、前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(C)試料を、前増幅剤のセットと接触させることであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、複数の前増幅剤が、前-前増幅剤の各対に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前-前増幅剤のセットの前-前増幅剤の対のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(D)試料を、増幅剤のセットと接触させることであって、増幅剤のセットが、前-前増幅剤の各対に特異的な各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、前-前増幅剤の対に特異的な前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、接触させることと、(E)試料を、標識プローブの第1のセットと接触させることであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第1のセットが、複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(F)標的核酸に結合した標識プローブの第1のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第1のサブセットを検出することと、(G)標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度を下回る温度で試料をインキュベートし、それによって標的核酸の第1のサブセットに結合した標識プローブの第1のセットから標識を除去することと、(H)試料を、標識プローブの第2のセットと接触させることであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(I)標的核酸に結合した標識プローブの第2のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第2のサブセットを検出することであって、複数の標的核酸が検出される、検出することと、(J)試料を酸試薬と接触させて、それによって標的核酸に結合したプローブの結合を破壊することと、を含む(例えば、
図2B及び6C(L=2であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。
【0093】
一実施形態では、方法は、ステップ(J)の前に、(K)標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつ標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤及び増幅剤の間の融解温度を下回る温度で試料をインキュベートし、それによって標的核酸の第2のサブセットに結合した標識プローブの第2のセットから標識を除去することと、(L)試料を、標識プローブの第3のセットと接触させることであって、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、任意選択で、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる複数の標的プローブのセットにハイブリダイゼーションした標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識する、接触させることと、(M)標的核酸に結合した標識プローブの第3のセットの標識プローブを検出し、それによって標的核酸の第3のサブセットを検出することと、を含む(例えば、
図2B及び6C(L=3であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。
【0094】
一実施形態では、方法は、ステップ(K)~(M)を1回以上繰り返すことを含む(例えば、
図2B及び6C(L=4+であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。
【0095】
一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。
【0096】
一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(J)またはステップ(A)~(I)、(K)~(M)及び(J)を1回以上繰り返すことをさらに含む(例えば、
図2B及び6C(K=2+であり、標識をSGCから切断するのではなく、標識プローブは、標識プローブと増幅剤との間の融解温度を上回り、かつSGCの他の構成成分間の融解温度を下回る温度を使用してSGCから除去される)を参照されたい)。そのような方法の一実施形態では、方法は、ステップ(A)~(I)またはステップ(A)~(I)及び(K)~(M)を繰り返すことをさらに含む。
【0097】
標的プローブのセットを使用する本発明の方法のいくつかの実施形態では、各標的プローブのセットは、同じ標的核酸に特異的にハイブリダイズする標的プローブの2つ以上の対を含む。
【0098】
本発明の方法のいくつかの実施形態では、酸試薬は、5~40%もしくは20~30%の酸、または本明細書に開示される他の濃度を含む。一実施形態では、酸は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、及びクエン酸からなる群から選択される。
【0099】
いくつかの実施形態では、酸試薬は、塩を含む。一実施形態では、酸試薬は、SSCを含む。一実施形態では、酸試薬は、1倍~13倍のSSCまたは3.2倍~12.8倍のSSCを含む。
【0100】
本発明の方法のいくつかの実施形態では、標的核酸は独立して、DNAまたはRNAである。一実施形態では、RNAである標的核酸は独立して、メッセンジャーRNA(mRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボソームRNA(rRNA)、ミトコンドリアRNA、及び非コードRNAからなる群から選択される。
【0101】
本発明の方法のいくつかの実施形態では、試料は、組織標本であるか、または組織標本に由来する。本発明の方法のいくつかの実施形態では、試料は、血液試料であるか、または血液試料に由来する。本発明の方法のいくつかの実施形態では、試料は、細胞診試料であるか、または細胞診試料に由来する。
【0102】
本発明の方法は、標的核酸のマルチプレックス検出に適用される。本明細書に開示されるように、本発明の方法は、標的核酸のサブセットの反復的な検出ラウンドで実施される。また、本明細書に開示されように、1回のラウンドで検出され得る標的核酸の数は、使用されている標識プローブの種類と、同時に検出する際に、異なる標的核酸に特異的な標識プローブを区別する能力に依存する。より高いレベルのマルチプレックスは、反復的なラウンドの検出及び酸処理によって達成される。例えば、
図1に示される例示的な実施形態では、1回のラウンドの標識及び検出により、4個の標的核酸が検出され、2回目のラウンドの標識及び検出により、8個の標的核酸が検出され、3回目のラウンドの標識及び検出により、12個の標的核酸が検出される。酸処理ステップを含むことにより、標的核酸の追加のセットを検出することができ、この特定の実施例では、同じ試料中の合計24個の標的核酸に対して、最大12個の追加の標的核酸を検出することができる。当業者は、本発明のアッセイで検出する標的核酸の所望の数を容易に判定できる。いくつかの実施形態では、本発明の方法において、2回のラウンドの標識及び検出が使用される。いくつかの実施形態では、3回のラウンドの標識及び検出が使用される。いくつかの実施形態では、各標的核酸を独自に標識及び検出するのに十分な数のSGCがあり、かつSGCが、標的核酸を検出するためのアッセイ条件の間、標的核酸に十分に結合したままである限り、4、5、6、7、8、9、または10回以上のラウンドの標識及び検出を使用することができる。当業者は、本発明の方法で適用され得る標識及び検出のラウンドの回数を容易に判定することができ、各ラウンドで、標的核酸が検出され得る。
【0103】
その後のラウンドの検出が試料に適用されるため、その後に得られた、標的核酸の検出を、以前に検出されたラウンド(複数可)の標的核酸の検出に登録することができ、それにより同じ試料内及びさらに同じ細胞内で検出された全ての標的核酸の発現を判定することができる(
図1、2A及び2Bを参照されたい)。標的核酸の検出のラウンドのレジストレーションは、異なるラウンドで検出された標的核酸の画像を重ね合わせる画像解析ソフトウェアを使用して達成され得る。複数の画像のアライメント及び重ね合わせのためのそのようなレジストレーションアルゴリズムは、当該技術分野において周知であり、例えば、Scale-Invariant Feature Transform(SIFT)アルゴリズム(Lowe”Distinctive Image Features from Scale-Invariant Keypoints”,Internat.J.Computer Vision 60(2):91-110(2004))である。本質的に、これらのアルゴリズムは、入力画像と参照画像を比較して、移動及び回転に対応するための変換マトリックスを生成する。例えば、ImageJには、このタスクを自動的に実行できるツールが存在する(imagej.net/Registration)(Schneider et al.,Nature Methods 9(7):671-675(2012)、Schindelin et al.,Mol.Reprod.Dev.82(7-8):518-529(2015))。
【0104】
同じSSGであるが、異なる標的核酸に対する異なる標的プローブのセットを含むSGCアセンブリを利用することによって、追加のマルチプレックスを達成することができる。このような場合には、標的核酸のサブセットを標識する反復的なラウンドで検出されたSGC複合体を有する標的核酸の最初のセットを検出した後、SGCの標的核酸へのハイブリダイゼーションを変性させるのに適切な条件を用いて、SGC複合体をその標的核酸から除去することができる。SGC複合体が試料から除去されると、同じ前増幅剤/増幅剤/標識プローブ、または同じ前-前増幅剤/前増幅剤/増幅剤/標識プローブは、1回目のラウンドのSGC検出で検出された標的核酸の異なるセットに特異的となるように設計した標的プローブのセットとともに使用され得る。このようにして、追加の標的核酸の検出を達成することができる。本明細書に記載される場合、さらなるマルチプレックスは、試料を酸処理して、結合した標的プローブ及びSGCを除去し、次いで、任意選択で、同じSGCを再利用することによって達成することができるが、異なる標的核酸を標的とし、その後のラウンドで異なる標的核酸を標識する。
【0105】
さらに別の実施形態では、本発明の方法は、二本鎖核酸及び一本鎖核酸の同時検出、例えば、同じ試料内のDNA及びRNAの検出に適用できる。このような場合には、プローブは、RNAのような一本鎖核酸を検出するように(例えば、米国特許第7,709,198号、米国公開2008/0038725、2009/0081688、及び2017/0101672を参照されたい)、かつ二本鎖核酸を検出するように設計して、同じ試料内で、二本鎖核酸及び一本鎖核酸の両方(DNA及びRNAなど)を検出できるようにできる。
【0106】
いくつかの実施形態では、標的核酸に特異的である各標的プローブのセットは、同じ標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの2つ以上の対を含む。このような場合には、標的核酸に特異的な標的プローブのセットにおける標的プローブの対は、標的核酸の異なる非重複配列に結合する。同じ標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションできる標的プローブ対を2対以上有する標的プローブのセットを使用する場合には、それらの標的プローブ対に結合する分子、すなわち、前増幅剤(
図5A及び6Aを参照されたい)または前-前増幅剤(
図5B、5C、6B及び6Cを参照されたい)のいずれかは、同じ標的プローブのセットにおける標的プローブ対において、概ね同じである。したがって、同じ標的核酸に結合する標的プローブ対は、それらの標的プローブ対に結合する、SGCにおける上記分子、すなわち、前増幅剤または前-前増幅剤に対する同じ結合部位を含むように設計できる。標的核酸を検出するために、複数の標的プローブ対を使用することにより、同じ標的核酸上で、複数のSGCからなるアセンブリと関連付けられたさらに高度なシグナルが得られる。いくつかの実施形態では、同じ標的核酸に結合させるのに使用される標的プローブ対の数は、標的当たり1~10対、1~20対、1~30対、1~40対、1~50対、1~60対、1~70対、1~80対、1~90対、1~100対、1~110対、1~120対、1~130対、1~140対、1~150対、1~160対、1~170対、1~180対、1~190対、1~200対の範囲もしくはこれを上回る数の対であるか、またはこれらの間のいずれかの整数分の対、例えば、1対、2対、3対、4対、5対、6対、7対、8対、9対、10対、11対、12対、13対、14対、15対、16対、17対、18対、19対、20対、21対、22対、23対、24対、25対、26対、27対、28対、29対、30対、31対、32対、33対、34対、35対、36対、37対、38対、39対、40対、41対、42対、43対、44対、45対、46対、47対、48対、49対、50対、51対、52対、53対、54対、55対、56対、57対、58対、59対、60対、61対、62対、63対、64対、65対、66対、67対、68対、69対、70対、71対、72対、73対、74対、75対、76対、77対、78対、79対、80対、81対、82対、83対、84対、85対、86対、87対、88対、89対、90対、91対、92対、93対、94対、95対、96対、97対、98対、99対、100対、101対、102対、103対、104対、105対、106対、107対、108対、109対、110対、111対、112対、113対、114対、115対、116対、117対、118対、119対、120対、121対、122対、123対、124対、125対、126対、127対、128対、129対、130対、131対、132対、133対、134対、135対、136対、137対、138対、139対、140対、141対、142対、143対、144対、145対、146対、147対、148対、149対、150対、151対、152対、153対、154対、155対、156対、157対、158対、159対、160対、161対、162対、163対、164対、165対、166対、167対、168対、169対、170対、171対、172対、173対、174対、175対、176対、177対、178対、179対、180対、181対、182対、183対、184対、185対、186対、187対、188対、189対、190対、191対、192対、193対、194対、195対、196対、197対、198対、199対、200対などである。
【0107】
本発明の方法を利用して、所望の標的核酸の検出を達成することができる。一実施形態では、複数の標的プローブ対を用いて標的核酸を検出する。このような場合には、標的核酸への複数のSGCのアセンブリを可能にするように、標的プローブ対は、標的核酸の2つ以上の領域に結合するように設計される。複数の標的プローブ対が同じ標的核酸に結合するために使用されている場合、1つの標的プローブ対の標的結合部位は、別の標的プローブ対の標的結合部位と重複しないことを理解されたい。
【0108】
本発明の一実施形態では、本発明の方法によって検出される標的核酸は、これらに限定されないが、メッセンジャーRNA(mRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボソームRNA(rRNA)、ミトコンドリアRNA、非コードRNAなど、またはDNAなどを含むRNAを含む、細胞試料中に存在する任意の核酸であり得る。特定の実施形態では、核酸は、RNAである。核酸のマルチプレックス検出のための本発明の方法では、標的核酸は独立して、DNAまたはRNAであり得ることを理解されたい。言い換えると、検出される標的核酸は、同じ種類の核酸であることができるが、必ずしもそうではない。したがって、本発明のアッセイにおいて検出される標的核酸は、DNA及びRNAであり得る。標的核酸がRNAである場合には、標的核酸は独立して、メッセンジャーRNA(mRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボソームRNA(rRNA)、ミトコンドリアRNA、及び非コードRNAからなる群から選択され得ることを理解されたい。したがって、標的核酸は、独立して、DNAまたは任意の種類のRNAであり得る。
【0109】
本明細書に記載されるように、本発明の方法は、概して、標的核酸のin situ検出に関する。核酸のin situ検出のための方法は、当業者に周知である(例えば、US2008/0038725、US2009/0081688、Hicks et al.,J.Mol.Histol.35:595-601(2004)を参照されたい)。本明細書で使用される場合、「in situハイブリダイゼーション」または「ISH」とは、プローブなどの、直接または間接的に標識した相補的なDNA鎖またはRNA鎖を用いて、試料、特に、組織または細胞の一部または切片(in situ)におけるDNAまたはRNAなどの特定の核酸に結合して、その核酸を局在化するタイプのハイブリダイゼーションを指す。プローブの種類は、二本鎖DNA(dsDNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、一本鎖相補的RNA(sscRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボソームRNA、ミトコンドリアRNA及び/または合成オリゴヌクレオチドであり得る。「蛍光in situハイブリダイゼーション」または「FISH」という用語は、蛍光標識を利用するタイプのISHを指す。「発色in situハイブリダイゼーション」または「CISH」という用語は、発色標識を用いるタイプのISHを指す。ISH、FISH、及びCISH法は、当業者に周知である(例えば、Stoler,Clinics in Laboratory Medicine 10(1):215-236(1990);In situ hybridization.A practical approach,Wilkinson,ed.,IRL Press,Oxford(1992);Schwarzacher and Heslop-Harrison,Practical in situ hybridization,BIOS Scientific Publishers Ltd,Oxford(2000)を参照されたい)。
【0110】
これらに限定されないが、in situハイブリダイゼーションまたはフローサイトメトリーを含む、細胞内の核酸標的のin situ検出のための本発明の方法について、標的プローブのハイブリダイゼーション前に、細胞は、任意に固定及び/または透過処理される。細胞を固定及び透過処理することで、核酸標的が細胞内に留まるように促し、標的プローブ、標識プローブ、増幅剤、前増幅剤、前-前増幅剤などが細胞内に入って、標的核酸分子に到達することを可能にする。細胞を任意選択で洗浄して、核酸標的に捕捉されなかった物質を除去する。様々なステップのうちのいずれの後も、例えば、未結合の標的プローブを除去するために、標的プローブを核酸標的にハイブリダイゼーションした後、前-前増幅剤、前増幅剤、増幅剤、及び/または標識プローブを標的プローブにハイブリダイゼーションした後に、細胞を洗浄することができる。核酸のin situ検出のために、細胞を固定及び透過処理する方法、ならびに標的核酸をハイブリダイゼーション、洗浄、及び検出する方法もまた、当該技術分野で周知である(例えば、US2008/0038725、US2009/0081688、Hicks et al.,J.Mol.Histol.35:595-601(2004)、Stoler,Clinics in Laboratory Medicine 10(1):215-236(1990)、In situ hybridization.A practical approach,Wilkinson,ed.,IRL Press,Oxford(1992)、Schwarzacher and Heslop-Harrison,Practical in situ hybridization,BIOS Scientific Publishers Ltd,Oxford(2000)、Shapiro,Practical Flow Cytometry 3rd ed.,Wiley-Liss,New York(1995)、Ormerod,Flow Cytometry,2nd ed.,Springer(1999)を参照されたい)。例示的な固定剤としては、これらに限定されないが、アルデヒド(ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなど)、アセトン、アルコール(メタノール、エタノールなど)が挙げられる。例示的な浸透化剤としては、これらに限定されないが、アルコール(メタノール、エタノールなど)、酸(氷酢酸など)、洗浄剤(Triton、NP-40、Tween(商標)20など)、サポニン、ジギトニン、Leucoperm(商標)(BioRad,Hercules,CA)、ならびに酵素(例えば、リゾチーム、リパーゼ、プロテアーゼ及びペプチダーゼ)が挙げられる。透過処理は、組織薄切片におけるように、機械的破砕によって行うこともできる。
【0111】
二本鎖核酸のin situ検出について、概して、試料を処理して、試料中の二本鎖核酸を変性させ、標的プローブを到達可能にして、標的プローブが、ハイブリダイゼーションによって、標的二本鎖核酸のうちの一本鎖に結合するようにする。二本鎖核酸を変性させるための条件は、当該技術分野で周知であり、熱及び化学物質、例えば、塩基(NaOH)、ホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどによる変性を含む(Wang et al.,Environ.Health Toxicol.29:e2014007(doi:10.5620/eht.2014.29.e2014007)2014、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,New York(2001)、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Baltimore,MD(1999))。例えば、NaOH、LiOHもしくはKOH、またはその他の高pH緩衝剤(pH11超)を用いて、DNAのような二本鎖核酸を変性させることができる。加えて、熱による変性方法と、化学物質による変性方法は、組み合わせて使用され得る。
【0112】
このようなin situ検出方法は、ガラススライドに固定化した組織標本、血液試料から単離した末梢血単核細胞(PBMC)などの懸濁液中の単一細胞などに対して使用され得る。組織標本としては、例えば、組織生検試料が挙げられる。血液試料には、例えば、診断目的で採取した血液試料が含まれる。血液試料の場合、血液塗抹標本におけるように、血液を直接解析でき、あるいは、血液を処理して、例えば、赤血球細胞の溶解、PBMCまたは白血球の単離、標的細胞の単離などを行って、試料中の細胞のうち、本発明の方法によって解析する細胞が、血液試料中に存在するように、または血液試料から抽出されるようにできる。同様に、組織標本の処理を行うことができ、例えば、組織標本を細かく切断し、物理的または酵素的に処理して、組織を破壊して、個々の細胞または細胞クラスターの状態にすることができる。さらに、所望である場合、細胞診試料を処理して、細胞を単離するか、または細胞クラスターを破壊することができる。したがって、組織、血液、及び細胞診試料は、当該技術分野で周知の方法を使用して取得及び処理することができる。本発明の方法は、病態を示すバイオマーカーである核酸標的の有無に基づき、病的細胞の有無を特定する診断用途で使用され得る。
【0113】
本発明の方法を用いて標的核酸を検出するために、いずれかの数の好適な試料を使用することができることが、当業者には理解される。本発明の方法で使用するための試料は、概して、生体試料または組織試料となる。このような試料は、生体対象から得ることができ、個体または何らかの他の生体物質源(生検体、剖検体または鑑定物質など)から採取される生体組織または体液由来の試料が挙げられる。生体試料には、前がん細胞、がん細胞、前がん組織もしくはがん組織を含むか、またはその細胞もしくは組織を含む疑いのある、生体対象の領域からの試料、例えば、組織生検体(細針吸引物、血液試料または細胞診標本が挙げられる)も含まれる。このような試料は、これらに限定されないが、哺乳動物のような生物から単離した器官、組織、組織断片、及び/または細胞であり得る。例示的な生体試料としては、これらに限定されないが、細胞培養物(初代細胞培養物を含む)、細胞株、組織、器官、細胞小器官、生体液などが挙げられる。追加の生体試料としては、これらに限定されないが、皮膚試料、組織生検体(細針吸引物を含む)、細胞診試料、便、体液(血液及び/または血清の試料、唾液、精液を含む)などが挙げられる。このような試料は、医学または獣医学における診断目的で用いることができる。試料は、他の供給源、例えば、食物、土壌、物体表面など、及び標的核酸の検出が望まれるその他の物質から得ることができる。したがって、本発明の方法は、個体またはその他の供給源から採取した生体試料から、1つ以上の病原体(ウイルス、細菌、真菌、寄生虫のような単細胞生物など)を検出するのに用いることができる。
【0114】
本発明の方法による分析用の細胞診試料の採取は、当該技術分野で周知である(例えば、Dey,“Cytology Sample Procurement,Fixation and Processing”in Basic and Advanced Laboratory Techniques in Histopathology and Cytology pp.121-132,Springer,Singapore(2018)、“Non-Gynecological Cytology Practice Guideline”American Society of Cytopathology,Adopted by the ASC executive board March 2,2004を参照されたい)。子宮頸部組織の分析用に、試料(組織生検体及び細胞診試料を含む)を処理する方法は、当該技術分野で周知である(例えば、Cecil Textbook of Medicine,Bennett and Plum,eds.,20th ed.,WB Saunders,Philadelphia(1996)、Colposcopy and Treatment of Cervical Intraepithelial Neoplasia:A Beginner’s Manual,Sellors and Sankaranarayanan,eds.,International Agency for Research on Cancer,Lyon,France(2003)、Kalaf and Cooper,J.Clin.Pathol.60:449-455 (2007)、Brown and Trimble,Best Pract.Res.Clin.Obstet.Gynaecol.26:233-242(2012)、Waxman et al.,Obstet.Gynecol.120:1465-1471(2012)、Cervical Cytology Practice Guidelines TOC,Approved by the American Society of Cytopathology(ASC)Executive Board,November 10,2000)を参照されたい)。一実施形態では、細胞診試料は、子宮頸部試料、例えば、パップスメアである。一実施形態では、試料は、細針吸引物である。
【0115】
本発明の特定の実施形態では、試料は、組織標本であるか、または組織標本に由来する。本発明の別の特定の実施形態では、試料は、血液試料であるか、または血液試料に由来する。本発明のさらに他の特定の実施形態では、試料は、細胞診試料であるか、または細胞診試料に由来する。
【0116】
本発明は、標的核酸を検出可能な標識で標識するために、標的核酸間に複合体を構築することに基づく。このような複合体は、シグナル生成複合体(SGC、例えばUS20170101672を参照されたい)と称する場合がある。このような複合体、すなわちSGCは、標的核酸への多数の標識の結合を可能にする分子の層を構築することによって達成される。
【0117】
本発明の方法では、シグナル生成複合体(SGC)を用いることができ、SGCは、1つの分子ではなく、複数の分子を含む。このようなSGCは、検出可能なシグナルを増幅し、標的核酸のより高感度な検出を提供するために特に有用である。シグナルを増幅するためのそのような方法は、例えば、米国特許第5,635,352号、第5,124,246号、第5,710,264号、第5,849,481号、及び第7,709,198号、ならびに米国公開2008/0038725及び2009/0081688、ならびにWO2007/001986及びWO2012/054795に記載されており、これらの各々が参照により本明細書に組み込まれる。SGCの生成は、RNAscope(登録商標)アッセイの原理である(米国特許第7,709,198号、第8,658,361号、及び第9,315,854号、米国公開2008/0038725、2009/0081688、及び2016/0201117、ならびにWO2007/001986及びWO2012/054795を参照されたく、これらの各々が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0118】
基本的なシグナル生成複合体(SGC)は、
図5Aに示されている(参照により本明細書に組み込まれる、US2009/0081688もまた参照されたい)。「Z」の対として
図5に示される標的プローブの対は、「標的」と標識された相補滴な分子配列にハイブリダイゼーションする。各標的プローブは、前増幅剤分子(PA、緑色で示される)と相補的な追加の配列を含み、このPAは、安定して結合するためには、標的プローブ対の両方のメンバーに同時にハイブリダイゼーションしなければならない。前増幅剤分子は、各標的プローブにハイブリダイゼーションする領域を有する1つのドメインと、増幅剤分子(Amp、黒色で示される)上の配列とそれぞれ相補的な一連のヌクレオチド配列リピートを含む1つのドメインという2つのドメインから構成される。この配列において複数のリピートが存在することで、1つの前増幅剤に複数の増幅剤分子がハイブリダイゼーション可能になり、それにより、全体のシグナル増幅が増加する。各増幅剤分子は、前増幅剤にハイブリダイゼーションする領域を有する1つのドメインと、標識プローブ(LP、黄色で示される)上の配列とそれぞれ相補的な一連のヌクレオチド配列リピートを含む1つのドメインという2つのドメインから構成され、このことにより、複数の標識プローブが各増幅剤分子にハイブリダイゼーション可能になり、それにより、全体のシグナル増幅がさらに増大する。各標識プローブは、2つの構成成分を含む。1つの構成成分は、標識プローブをハイブリダイゼーションするように、増幅剤分子上のリピート配列と相補的なヌクレオチド配列から構成される。このヌクレオチド配列は、第2の構成成分に連結されており、この第2の構成成分は、本明細書に記載されるように、直接可視化するための蛍光標識もしくは発色標識、直接検出可能な金属同位体、または蛍光、発色、もしくは他の検出可能なシグナルを生成する化学反応を促進することができる酵素もしくは他の化学物質を含む、いずれかのシグナル生成物であり得る。
図5Aでは、標識プローブは、核酸成分を表す線と、シグナル生成成分を表す星印として描かれている。総称して、標的プローブから標識プローブまでのアセンブリは、シグナル生成複合体(SGC)と称される。
【0119】
図5Bは、増幅分子層、この場合では、前-前増幅剤分子(PPA、赤色で示される)を加えることによって増強されたSGCを示す。PPAは、一方のドメインでは、両方の標的プローブに結合し、もう一方のドメインでは、複数の前増幅剤(PA)に結合する。
【0120】
図5Cは、前増幅剤レベルで連携的ハイブリダイゼーションを利用する異なるSGC構造を示す(参照により本明細書に組み込まれる、US2017/0101672を参照されたい)。
図5A及び5Bで形成されるSGCと同様に、標的プローブの対は、標的分子配列にハイブリダイゼーションする。各標的プローブは、固有の前-前増幅剤分子(PPA-1、紫色で示される;PPA-2、赤色で示される)と相補的な追加の配列を含む。2つの独立した分子を使用することで、連携的ハイブリダイゼーションを必要とされ得る土台が確立される。各前-前増幅剤分子は、標的プローブのうちの1つにハイブリダイゼーションする領域を有する1つのドメインと、前増幅剤分子(PA、緑色で示される)内の配列と相補的な配列を両方がそれぞれ含む1連のヌクレオチド配列リピートを含む1つのドメイン配列という2つのドメイン、ならびにPPAとPAの結合効率を促進するスペーサー配列から構成される。成長しているSGCに安定して結合するように、各PAは、両方のPPA分子に同時にハイブリダイゼーションしなければならない。各前増幅剤分子は、ハイブリダイゼーションを可能にするように、両方の前-前増幅剤と相補的な配列を含む1つのドメインと、増幅剤分子(AMP、黒色で示される)上の配列とそれぞれ相補的な1連のヌクレオチド配列リピートを含む1つのドメインという2つのドメインから構成される。増幅剤ハイブリダイゼーション配列の複数の繰り返しにより、複数の増幅剤分子が各前増幅剤へのハイブリダイゼーションが可能になり、シグナル増幅がさらに増加する。図の簡略化のために、増幅剤分子は、1つの前増幅剤分子にハイブリダイゼーションするように示されているが、増幅剤が、各前増幅剤に結合できることが理解される。各増幅剤分子は、標識プローブ(LP、黄色で示される)内の配列と相補的な一連のヌクレオチド配列リピートを含み、これにより、数個の標識プローブが、各増幅剤分子へハイブリダイゼーションすることを可能にする。各標識プローブは、シグナルを検出させるためのシグナル生成エレメントを含む。
【0121】
上記のように、
図5A、5B、6A、もしくは6Bに示される構成、または
図5C及び6Cに示される構成を用いるかにかかわらず、SGCを構築するには、両方の標的プローブの結合が必要となるように、SGCの成分を設計する。
図5A、5B、6A、または6Bの構成の場合には、前増幅剤(または
図5B及び6Bの前-前増幅剤)は、安定な結合を実現させるには、標的プローブ対のメンバーの両方に結合しなければならない。このことは、標的プローブの両方と前増幅剤(または前-前増幅剤)との結合の融解温度(Tm)が、1つの標的プローブと前増幅剤(または前-前増幅剤)との結合のTmよりも高くなるように、かつ1つの標的プローブが結合している状態が、アッセイ条件下では不安定になるように、標的プローブと前増幅剤(または前-前増幅剤)との結合部位を設計することによって実現する。この設計は、例えば、米国特許第7,709,198号、米国公開2008/0038725及び2009/0081688、WO2007/001986、WO2007/002006、Wang et al.,上記,2012、Anderson et al.,上記,2016に以前に説明されている。SGCの構成成分をこの方法で構成することによって、両方の標的プローブが標的核酸及び前増幅剤に結合すると、SGCのアセンブルが行われ、それによって、SGCが偽陽性としてアセンブルされるのが最小限に抑えられることに起因して、バックグラウンドノイズが軽減される。
【0122】
図5C及び6Cの構成の場合、それぞれ標的プローブ対の両方のメンバーに逐次に結合している前-前増幅剤の両方に前増幅剤が結合することを必要とすることによって、標的プローブ対のメンバーの両方が標的核酸に結合した場合のみに、SGCが形成されなければならないという要件が実現する。両方の前-前増幅剤と前増幅剤との結合の融解温度(Tm)が、いずれかの前-前増幅剤単独の融解温度よりも高くなるように、かつ前-前増幅剤のうちの1つが前増幅剤に結合している状態が、アッセイ条件下では不安定になるように、前-前増幅剤と前増幅剤との結合部位を設計することによって、上記の要件が実現する。この設計は、例えば、US20170101672、WO2017/066211、及びBaker et al.,上記,2017に以前に説明されている。前増幅剤が、両方の前-前増幅剤に結合しない限り、増幅剤及び標識プローブは、標的核酸に結合したSGCにアセンブルできず、それによって、SGCが偽陽性としてアセンブルされるのが最小限に抑えられることに起因して、バックグラウンドノイズが軽減される。
【0123】
本明細書で開示されるように、方法は、細胞内の標的核酸の存在を検出するために、標的核酸に結合したシグナル生成複合体(SGC)を構築することに基づくことができる。核酸のハイブリダイゼーション反応を利用して、SGCの成分を標的核酸に結合させるように、SGCを構築するための構成成分は、概して、核酸を含む。適切な領域を選択して、標的核酸に結合する特異的かつ選択的な試薬、具体的には、標的核酸に特異的かつ選択的に結合するオリゴヌクレオチドまたはプローブ、またはSGCの他の構成成分を設計する方法は、当業者に周知である(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,New York(2001)、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Baltimore,MD(1999)を参照されたい)。標的プローブは、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションするように設計される。適切な選択の標的核酸領域、及び適切な長さの結合剤(オリゴヌクレオチドまたはプローブなど)を用いて、所望の特異性を実現でき、このような選択方法は、当業者に周知である。したがって、当業者は、1つの特定の標的核酸を、別の標的核酸に標的化するか、またはSGCの構成成分への結合を提供するのに使用され得る適切な試薬(オリゴヌクレオチドまたはプローブなど)を容易に把握し、容易に決定することができる。標的特異的SGCの所与の構成成分(例えば、標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、増幅剤、標識プローブ)が、それぞれの構成成分に結合して、SGCが、特異的標的には結合するように、固有配列の適切な選択を用いることによって、標的特異的SGCにおいて、同様の特異性が実現され得る(
図6を参照されたい)。
【0124】
本明細書に記載されるように、本発明の実施形態は、標的プローブ対の使用を含む。標的プローブ対が、同じ前増幅剤(
図5A及び6A)または前-前増幅剤(
図5B及び5B)に結合する場合には、「Z」構成と時に称されるプローブ構成が使用され得る。感度を上昇させ、バックグラウンドを軽減するためのこのような構成及びその利点は例えば、米国特許第7,709,198号、米国公開2008/0038725及び2009/0081688、ならびにWO2007/001986及びWO2007/002006で説明されており、これらの各々が参照により本明細書に組み込まれる。米国特許第7,709,198号、ならびに米国公開2008/0038725及び2009/0081688には、加えて、標的プローブ対のような標的プローブの特徴(長さ、配向、ハイブリダイゼーション条件などを含む)の選択に関する詳細が記載されている。当業者は、本明細書、ならびに例えば、米国特許第7,709,198号、米国公開2008/0038725、2009/0081688、WO2007/001986、及びWO2007/002006の教示に基づき、好適な構成を容易に特定できる。
【0125】
本明細書に記載されるように、標的プローブ対における標的プローブの標的結合部位は、いずれかの所望の配向及び組み合わせであることができる。例えば、標的プローブ対のメンバーの1つの標的結合部位は、前増幅剤または前-前増幅剤の結合部位の5’または3’側であることができ、標的プローブ対のもう一方のメンバーは独立して、前増幅剤または前-前増幅剤の結合部位の5’または3’側に標的結合部位を有する配向にできる。
【0126】
別の実施形態では、標的核酸の存在を検出するのに用いるSGCは、SGCの1つ以上の構成成分が連携的にハイブリダイゼーションすることに基づくものである(US20170101672及びWO2017/066211を参照されたく、それらの各々が参照により本明細書に組み込まれる)。このような連携的ハイブリダイゼーションは、本明細書ではBaseScope(商標)とも称される。連携的ハイブリダイゼーションの効果では、SGCの2つの構成成分間の結合は、2つの結合部位によって媒介され、その2つの部位が同時に結合した場合の融解温度は、1つの部位が単独で結合した場合の融解温度よりも高い(US20170101672及びWO2017/066211を参照されたい)。連携的ハイブリダイゼーションの効果は、US20170101672及びWO2017/066211に記載されているような標的プローブのセット構成によって増強され得る。
【0127】
本発明の方法及び関連する組成物では、連携的ハイブリダイゼーションを用いて、核酸標的のin situ検出(複雑な生理化学的環境及び圧倒的な数の非標的分子の存在により、ノイズが高くなり得る)において、特異性を向上させるとともに、バックグラウンドを軽減することができる。このような連携的ハイブリダイゼーション法を用いて、SGCが標的核酸に結合した場合のみに、標識プローブを結合させる。US20170101672及びWO2017/066211に記載され、その
図1に示されるように、方法は、SGCの1つ以上の構成成分における連携的ハイブリダイゼーションの回数を増加させることによって、所望のシグナルノイズ比を提供するように容易に修正され得る。
【0128】
別の実施形態では、連携的ハイブリダイゼーションは、SGCの様々な構成成分に適用できる。例えば、SGCの構成成分間の結合は、本明細書に記載されるように、安定な反応であり得、あるいは、結合は、本明細書にまた記載されるように、連携的ハイブリダイゼーションを必要とするように構成され得る。このような場合、連携的ハイブリダイゼーションが想定される結合構成成分は、別の構成成分に結合する2つのセグメントを含むように設計する。
【0129】
すなわち、標的核酸を検出する方法は、標的核酸に特異的に結合するSGCをもたらす検出システムにおける構成成分のいずれか1つまたは全部の結合反応に、連携的ハイブリダイゼーションを用いることができる。いくつの成分かつどの成分に連携的ハイブリダイゼーションを適用するかは、所望のアッセイ条件、アッセイする試料の種類、所望のアッセイ感度などに基づいて選択できる。連携的ハイブリダイゼーション結合反応のいずれか1つまたはそれらを組み合わせたものを使用して、アッセイの感度及び特異性を向上できる。本発明の実施形態では、連携的ハイブリダイゼーションは、前-前増幅剤及び前増幅剤の間、前増幅剤及び増幅剤の間、増幅剤及び標識プローブの間、またはこれらの組み合わせであることができる(例えば、US20170101672及びWO2017/066211を参照されたい)。
【0130】
本明細書に開示されるように、構成成分は、概して、互いに直接結合される。核酸含有成分の場合、結合反応は、概して、ハイブリダイゼーションによるものである。ハイブリダイゼーション反応の場合、構成成分間の結合は、直接的な結合である。所望である場合、ある1つの構成成分と別の構成成分との結合が間接的な結合になるように、中間構成成分を含めることができ、例えば、中間構成成分は、2つの他の成分を架橋するための相補的な結合部位を含む。
【0131】
本明細書に記載されるように、様々な構成成分の構成は、所望の安定的または連携的ハイブリダイゼーション結合反応をもたらすように選択できる(例えば、US20170101672を参照されたい)。本明細書において、結合反応が安定な反応として例示されていても、または連携的ハイブリダイゼーションにおけるように、不安定な反応として例示されていても、そのいずれの結合反応も、標的核酸が検出される限りは、所望に応じて改変できることを理解されたい。さらに、使用するアッセイ条件及びハイブリダイゼーション条件に応じて、構成を変更及び選択できることを理解されたい。概して、結合反応が安定的であることが望ましい場合には、構成成分間の相補的な核酸配列のセグメントは、概して、10~50ヌクレオチド、またはそれ以上、例えば、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、30ヌクレオチド、31ヌクレオチド、32ヌクレオチド、33ヌクレオチド、34ヌクレオチド、35ヌクレオチド、36ヌクレオチド、37ヌクレオチド、38ヌクレオチド、39ヌクレオチド、40ヌクレオチド、41ヌクレオチド、42ヌクレオチド、43ヌクレオチド、44ヌクレオチド、45ヌクレオチド、46ヌクレオチド、47ヌクレオチド、48ヌクレオチド、49ヌクレオチド、もしくは50ヌクレオチド、またはそれ以上など、16~30ヌクレオチドの範囲である。連携的ハイブリダイゼーション結合反応を用いる場合など、結合反応が、比較的不安定であることが望ましい場合には、構成成分間の相補的な核酸配列のセグメントは、概して、5~18ヌクレオチドの範囲、例えば、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、または18ヌクレオチドである。このヌクレオチド長は、安定または不安定なハイブリダイゼーションのためには、アッセイで用いる配列(例えばGC含有率)及び条件に応じて、上記よりも若干短いことも長いことも可能であることを理解されたい。さらに、本明細書で開示されるように、ロックト核酸(LNA)または架橋型核酸(BNA)のような修飾ヌクレオチドを用いて、修飾塩基において結合強度を向上させることによって、結合セグメントの長さを短縮させることができることを理解されたい。すなわち、他の核酸セグメントと相補的である核酸セグメントの長さについては、望ましい場合には、本明細書に記載されている長さをさらに短縮できることを理解されたい。当業者は、核酸成分間の相互作用が所望のものとなるように、長さ、修飾ヌクレオチドの存在などを含む適切なプローブデザインを容易に判断できる。
【0132】
相補的な配列を含む2つの核酸配列間の結合部位を設計する際には、相補的な配列は、任意選択で、融解温度差(dTm)が最大になるように設計され得る。これは、当該技術分野で既知である融解温度算出アルゴリズムを用いることによって行うことができる(例えば、SantaLucia,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.95:1460-1465(1998)を参照されたい)。加えて、ロックト核酸(LNA)または架橋型核酸(BNA)のような人工的な修飾塩基、及び天然の2’-O-メチルRNAは、相補対間の結合強度を高めることが知られている(Petersen and Wengel,Trends Biotechnol.21:74-81(2003)、Majlessi et al.,Nucl.Acids Res.26:2224-2229(1998))。これらの修飾塩基は戦略的に、所望に応じて、SGCの構成成分間の結合部位に導入され得る。
【0133】
アプローチの1つは、修飾ヌクレオチド(LNA、BNA、または2’-O-メチルRNA)を利用することである。各修飾塩基は、融解温度を上昇させることができるため、2つの核酸配列(すなわち、相補的な配列)間の結合領域の長さを実質的に短縮することができる。修飾塩基のその補体への結合強度はより強く、融解温度(dTm)の差が大きくなる。さらに別の実施形態は、例えば、ハイブリダイゼーションすることになるシグナル生成複合体(SGC)の核酸成分の相補的な配列内、または2つの核酸成分間で、3つの修飾塩基(例えば、3つのLNA、BNAもしくは2’-O-メチルRNA塩基、または2つもしくは3つの異なる修飾塩基を組み合わせたもの)を用いることである。このような構成成分は例えば、前-前増幅剤、前増幅剤、増幅剤、標識プローブ、または標的プローブの対であり得る。
【0134】
LNAまたはBNAのような修飾塩基は、SGCの選択された構成成分のセグメント、具体的には、核酸成分間の結合を媒介するセグメントで用いることができ、それにより、その塩基と、その相補的塩基との結合強度を向上して、その相補的なセグメントの長さを短縮可能にする(例えば、Petersen and Wengel,Trends Biotechnol.21:74-81(2003)、米国特許第7,399,845号を参照されたい)。人工的に拡張された遺伝子情報システム(AEGIS;Yang et al.,Nucl.Acids Res.34(21):6095-6101(2006))を、SGCの相互作用構成成分のうちの結合部位に組み込むことができる。これらの人工塩基は、この相互作用構成成分の特異性を向上でき、それは次いでより低ストリンジェントなハイブリダイゼーション反応を可能にして、より高度なシグナルを生成できる。
【0135】
標的プローブ対に関しては、標的核酸の直接隣接するセグメント、または標的プローブ対の標的プローブ結合部位の間に、1個から相当数の塩基を有するセグメントに結合するように、標的プローブ対を設計できる。概して、標的プローブ対は、標的核酸に結合して、概して、標的核酸上の結合部位間に、0~500塩基、例えば、5塩基、10塩基、15塩基、20塩基、25塩基、30塩基、35塩基、40塩基、45塩基、50塩基、60塩基、70塩基、80塩基、90塩基、100塩基、120塩基、140塩基、160塩基、180塩基、200塩基、220塩基、240塩基、260塩基、280塩基、300塩基、320塩基、340塩基、360塩基、380塩基、400塩基、420塩基、440塩基、460塩基、480塩基もしくは500塩基、またはこれらの間のいずれかの整数の塩基長が存在するように設計する。特定の実施形態では、標的プローブの対に対する結合部位は、0~100塩基長、0~200塩基長もしくは0~300塩基長、またはこれらの間のいずれかの整数の塩基長である。標的プローブのセットにおいて、2つ以上の標的プローブ対を用いて、RNAまたは一本鎖DNAである同じ標的核酸に結合し、かつ標的プローブ対の間において、結合部位にギャップがある場合には、異なる標的プローブ対の結合部位は重複しないことを理解されたい。DNAのような二本鎖核酸を検出する場合には、標的プローブ対が、二本鎖標的核酸のそれぞれの結合部位に同時に結合できる限りは、異なる標的プローブ対間で、ある程度重複し得る。
【0136】
SGCは、複数の標識プローブ(LP)も含む。各LPは、検出可能であるセグメントを含む。検出可能な構成成分は、LPに直接結合され得るか、またはLPは、検出可能な構成成分、すなわち、標識を含む別の核酸にハイブリダイゼーションすることができる。本明細書で使用される場合、「標識」は、分子の検出を促進する部分である。本発明の文脈における一般的な標識には、蛍光標識、発光標識、光散乱標識及び/または比色標識が含まれる。好適な標識としては、酵素部分、蛍光部分、発色部分、放射性核種、基質、補因子、阻害剤、化学発光部分、磁性粒子、希土類金属、金属同位体などが挙げられる。本発明の特定の実施形態では、標識は、酵素である。例示的な酵素標識としては、これらに限定されないが、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、β-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼなど、及び各種プロテアーゼが挙げられる。他の標識としては、これらに限定されないが、フルオロフォア、ジニトロフェニル(DNP)などが挙げられる。標識は、例えば、Hermanson,Bioconjugate Techniques,Academic Press,San Diego(1996)、ならびに米国特許第3,817,837号、第3,850,752号、第3,939,350号、第3,996,345号、第4,277,437号、第4,275,149号、及び第4,366,241号に記載されるように、当業者に周知である。検出可能な酵素/基質の組み合わせ(Pierce、Rockford IL;Santa Cruz Biotechnology、Dallas TX;Life Technologies、Carlsbad CA)を含む、多くの標識が市販されており、本発明の方法及びアッセイで使用され得る。本発明の特定の実施形態では、酵素は、発色基質または蛍光基質を利用して、本明細書に記載されるように、検出可能なシグナルを生成することができる。例示的な標識は、本明細書に記載される。
【0137】
酵素活性標識または非酵素標識が、それぞれ検出できるものである限りは、いずれの数の酵素標識または非酵素標識も使用できる。酵素は、検出可能なシグナルを生成し、そのシグナルを利用して、標的核酸を検出できる。特に有用である検出可能なシグナルは、発色シグナルまたは蛍光シグナルである。したがって、標識として用いるのに特に有用な酵素には、発色基質または蛍光基質が利用可能である酵素が含まれる。このような発色基質または蛍光基質を酵素反応によって容易に検出可能な発色生成物または蛍光生成物に変換し、この生成物は、顕微鏡法または分光法を用いて、容易に検出及び/または定量化することができる。このような酵素は、当業者に周知であり、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどが挙げられるが、これらに限らない(Hermanson,Bioconjugate Techniques,Academic Press,San Diego(1996)を参照されたい)。周知の発色基質または蛍光基質を有する他の酵素には、様々なペプチダーゼが含まれ、その発色ペプチド基質または蛍光ペプチド基質を用いて、タンパク質切断反応を検出できる。発色基質及び蛍光基質の利用は、細菌の診断でも周知であり、これらに限定されないが、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼ、6-ホスホ-β-D-ガラクトシド6-ホスホガラクトヒドロラーゼ、β-グルコシダーゼ、α-グルコシダーゼ、アミラーゼ、ノイラミニダーゼ、エステラーゼ、リパーゼなどの使用を含み(Manafi et al.,Microbiol.Rev.55:335-348(1991))、既知の発色基質または蛍光基質を有するこのような酵素は、本発明の方法で使用するために容易に適合させることができる。
【0138】
検出可能なシグナルを生成させるための様々な発色基質または蛍光基質は、当業者に周知であり、市販されている。検出可能なシグナルを生成させるのに利用できる例示的な基質としては、これらに限定されないが、西洋ワサビペルオキシダーゼに対する3,3’-ジアミノベンジジン(DAB)、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)、クロロナフトール(4-CN)(4-クロロ-1-ナフトール)、2,2’-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS)、o-フェニレンジアミン二塩酸塩(OPD)及び3-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC)、アルカリホスファターゼに対する5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-1-リン酸(BCIP)、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)、ファストレッド(ファストレッドTR/AS-MX)及びp-ニトロフェニルリン酸(PNPP)、β-ガラクトシダーゼに対する1-メチル-3-インドリル-β-D-ガラクトピラノシド及び2-メトキシ-4-(2-ニトロビニル)フェニルβ-D-ガラクトピラノシド、β-グルコシダーゼに対する2-メトキシ-4-(2-ニトロビニル)フェニルβ-D-グルコピラノシドなどが挙げられる。例示的な蛍光基質としては、これらに限定されないが、アルカリホスファターゼに対する4-(トリフルオロメチル)ウンベリフェリルリン酸、ホスファターゼに対する4-メチルウンベリフェリルリン酸ビス(2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール)、4-メチルウンベリフェリルリン酸ビス(シクロヘキシルアンモニウム)及び4-メチルウンベリフェリルリン酸、西洋ワサビペルオキシダーゼに対するQuantaBlu(商標)及びQuantaRed(商標)、β-ガラクトシダーゼに対する4-メチルウンベリフェリルβ-D-ガラクトピラノシド、フルオレセインジ(β-D-ガラクトピラノシド)及びナフトフルオレセインジ-(β-D-ガラクトピラノシド)、β-グルコシダーゼに対する3-アセチルウンベリフェリルβ-D-グルコピラノシド及び4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルコピラノシド、ならびにα-ガラクトシダーゼに対する4-メチルウンベリフェリル-α-D-ガラクトピラノシドが挙げられる。検出可能なシグナルを生成させる例示的な酵素及び基質は例えば、米国公開2012/0100540にも記載されている。発色基質または蛍光基質を含む様々な検出可能な酵素基質は、周知であり、市販されている(Pierce,Rockford IL、Santa Cruz Biotechnology,Dallas TX、Invitrogen,Carlsbad CA、42 Life Science、Biocare)。概して、基質は、標的核酸の部位で沈着する沈殿物を形成する生成物に変換される。他の例示的な基質としては、これらに限定されないが、HRP-Green(42 Life Science)、Betazoid DAB、Cardassian DAB、Romulin AEC、Bajoran Purple、Vina Green、Deep Space Black(商標)、Warp Red(商標)、Vulcan Fast Red、及びFerangi Blue(Biocareから)(Concord CA;biocare.net/products/detection/chromogens)が挙げられる。
【0139】
検出可能な標識として好適な例示的な希土類金属及び金属同位体としては、これらに限定されないが、141Pr、142Nd、143Nd、144Nd、145Nd、146Nd、147Sm、148Nd、149Sm、150Nd、151Eu、152Sm、153Eu、154Sm、155Gd、156Gd、158Gd、159Tb、160Gd、161Dy、162Dy、163Dy、164Dy、165Ho、166Er、167Er、168Er、169Tm、170Er、171Yb、172Yb、173Yb、174Yb、175Lu及び176Ybのようなランタニド(III)同位体が挙げられる。金属同位体は、例えば、飛行時間型質量分析(TOF-MS)(例えば、Fluidigm Helios及びHyperionシステム、fluidigm.com/systems、South San Francisco,CA)を使用して検出することができる。
【0140】
ビオチン-アビジン(またはビオチン-ストレプトアビジン)は、それらの2つの分子の相互の親和性が非常に高いことと、1つのアビジン/ストレプトアビジン分子が4つのビオチン分子と結合できるという事実に基づく周知のシグナル増幅システムである。抗体は、免疫組織化学及びISHでのシグナル増幅に広く使用される。チラミドシグナル増幅(TSA)は、ペルオキシダーゼ活性による多数のハプテン化チラミド分子の堆積に基づく。チラミンは、フェノール化合物である。固定化された西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)は、少量の過酸化水素の存在下で、標識基質を、極めて反応性の高い短命な中間体に変換する。続いて、活性化した基質分子は、ペルオキシダーゼ結合部位またはペルオキシダーゼ結合部位の近くで、電子の豊富なタンパク質部分(チロシンなど)と非常に速やかに反応して、その部分に共有結合する。このようにして、チラミドにコンジュゲートした多くのハプテン分子をハイブリダイゼーション部位で、in situに導入できる。その後、沈着したチラミド-ハプテン分子を直接または間接的に可視化することができる。このような検出システムは例えば、米国公開2012/0100540にさらに詳細に記載されている。
【0141】
本明細書に記載される実施形態では、酵素を利用して、適切な発色基質または蛍光基質を使用する検出可能なシグナルを生成することができる。あるいは、標識プローブは、標識プローブの核酸部分に直接結合した検出可能な標識を有し得ることを理解されたい。例示的な検出可能な標識は、当業者に周知であり、これらに限定されないが、発色標識または蛍光標識を含む(Hermanson,Bioconjugate Techniques,Academic Press,San Diego(1996)を参照されたい)。標識として有用な例示的なフルオロフォアには、これらに限定されないが、ローダミン誘導体、例えば、テトラメチルローダミン、ローダミンB、ローダミン6G、スルホルホダミンB、テキサスレッド(スルホダミン101)、ローダミン110、及びそれらの誘導体(テトラメチルローダミン-5-(または6)、リサミンローダミンBなど);7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール(NBD);フルオレセイン及びその誘導体;ナフタレン(ダンシル(5-ジメチルアミノナフタレン-1-スルホニル)など);クマリン誘導体(7-アミノ-4-メチルクマリン-3-酢酸(AMCA)、7-ジエチルアミノ-3-[(4’-(ヨードアセチル)アミノ)フェニル]-4-メチルクマリン(DCIA)、Alexa fluor色素(Molecular Probes)など);4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(BODIPY(商標))及びその誘導体(Molecular Probes、Eugene,OR);ピレン及びスルホン化ピレン(Cascade Blue(商標)及びその誘導体(8-メトキシピレン-1,3,6-トリスルホン酸などを含む);ピリジルオキサゾール誘導体及びダポキシル誘導体(Molecular Probes);ルシファーイエロー(3,6-ジスルホネート-4-アミノ-ナフタリミド)及びその誘導体;CyDye(商標)蛍光色素(Amersham/GE Healthcare Life Sciences、Piscataway NJ);ATTO 390、DyLight 395XL、ATTO 425、ATTO 465、ATTO 488、ATTO 490LS、ATTO 495、ATTO 514、ATTO 520、ATTO 532、ATTO Rho6G、ATTO 542、ATTO 550、ATTO 565、ATTO Rho3B、ATTO Rho11、ATTO Rho12、ATTO Thio12、ATTO Rho101、ATTO 590、ATTO 594、ATTO Rho13、ATTO 610、ATTO 620、ATTO Rho14、ATTO 633、ATTO 643、ATTO 647、ATTO 647N、ATTO 655、ATTO Oxa12、ATTO 665、ATTO 680、ATTO 700、ATTO 725、ATTO 740、Cyan 500 NHS-Ester(ATTO-TECH、Siegen,Germany)などが挙げられる。例示的な発色団としては、これらに限定されないが、フェノールフタレイン、マラカイトグリーン、芳香族ニトロ化合物(ニトロフェニルなど)、ジアゾ色素、ダブシル(4-ジメチルアミノアゾベンゼン-4’-スルホニル)などが挙げられる。
【0142】
本明細書で開示されるように、方法は、複数の標的核酸の同時検出を利用することができる。フルオロフォアを標識として使用する場合、複数の標的核酸の検出に使用されるフルオロフォアは、標的核酸の同時検出の場合に、各フルオロフォアが区別可能であり、フルオロフォアを蛍光顕微鏡で同時に検出できるように選択される。このようなフルオロフォアは、標的核酸の別個の標識を同時に検出できるように、発光線のスペクトルが分離されるように選択される。本発明の方法で使用するのに好適な区別可能なフルオロフォアを選択する方法は、当該技術分野で周知である(例えば、Johnson and Spence,“Molecular Probes Handbook,a Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologies,11th ed.,Life Technologies(2010)を参照されたい)。
【0143】
顕微鏡、サイトメトリー(例えば、マスサイトメトリー、飛行時間型サイトメトリー(CyTOF)、フローサイトメトリー)または分光法のような周知の方法を利用して、それぞれの標的核酸と関連する検出可能な発色シグナル、蛍光シグナルまたは金属シグナルを可視化することができる。概して、同じ試料内の核酸標的の検出に、1種類の計器を使用できるように、同じアッセイで、それぞれ異なる標識を使用する場合、特定のアッセイに合わせて、発色基質、蛍光基質、発色標識、蛍光標識または希土類金属同位体のいずれかを使用する。
【0144】
本明細書で開示されるように、標識プローブは、標識が任意選択で切断可能となるように設計され得る。本明細書で使用される場合、切断可能な標識とは、例えば、標的核酸を標識及び検出するその後のラウンドで、同じ標識を使用するために、標識をSGCから除去できるように、標識プローブに結合またはコンジュゲートされている標識を指す。概して、標識は、切断可能である化学リンカーによって、標識プローブにコンジュゲートされている。標識が切断可能となるように、標識を標識プローブにコンジュゲートする方法は、当業者に周知である(例えば、Hermanson,Bioconjugate Techniques,Academic Press,San Diego(1996)、Daniel et al.,BioTechniques 24(3):484-489(1998)を参照されたい)。オリゴヌクレオチドを標識する1つの特定のシステムは、FastTag(商標)システムである(Daniel et al.,上記,1998;Vector Laboratories、Burlinghame CA)。様々な切断可能な部分は、標識を標識プローブから切断できるようにリンカーに含まれ得る。このような切断可能な部分は、化学的、光化学的、または酵素的に切断され得る基を含む。切断可能な化学リンカーは、還元によって切断できるジスルフィド、過ヨウ素酸塩によって切断できるグリコールまたはジオール、亜ジチオン酸塩によって切断できるジアゾ結合、ヒドロキシルアミンによって切断できるエステル、塩基によって切断できるスルホンなどのような切断可能な化学的部分を含むことができる(Hermanson,上記,1996を参照されたい)。特に有用である切断可能なリンカーの1つは、ジスルフィド結合を還元することによって切断され得るジスルフィド結合を含むリンカーである。他の実施形態では、リンカーは、酵素による切断のための部位を含むことができる。例えば、リンカーは、タンパク質切断部位を含むことができる。概して、このような切断部位は、配列特異的プロテアーゼに対するものである。このようなプロテアーゼとしては、これらに限定されないが、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ(切断部位LEVLFQ/GP)、エンテロキナーゼ(切断部位DDDDK/)、第Xa因子(切断部位IEGR/)、タバコエッチウイルスプロテアーゼ(切断部位ENLYFQ/G)、及びトロンビン(切断部位LVPR/GS)が挙げられる(例えば、Oxford Genetics、Oxford,UKを参照されたい)。別の切断可能な部分は、例えば、ウラシル-DNAグリコシラーゼ(UNG)によって切断され得るウラシル-DNA(ウラシルを含むDNA)であり得る(例えば、Sidorenko et al.,FEBS Lett.582(3):410-404(2008)を参照されたい)。
【0145】
本発明は、いくつかの実施形態では、標的核酸に結合した標識を標的核酸から除去できるように、切断可能な標識を使用することに関するものである。切断可能な標識は、標識を切断し、その標識を標識プローブから解離する目的で、化学的な薬剤のような薬剤または光を適用することによって除去することができる。上で論じたように、化学的な切断に有用な切断剤としては、これらに限定されないが、還元剤、過ヨウ素酸、亜ジチオン酸塩、ヒドロキシルアミン、塩基などが挙げられる(Hermanson,上記,1996を参照されたい)。ジスルフィド結合を含むリンカーを切断するのに有用な方法の1つは、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の使用である(Moffitt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 113:11046-11051(2016)を参照されたい)。一実施形態では、TCEPは、標識を標識プローブから切断するための薬剤として使用される。
【0146】
別の実施形態では、切断可能な標識を用いる代わりに、標的核酸に結合したSGCを、標識プローブと増幅剤との結合配列のTmよりも高い温度に曝露することによって、SGCに結合した標識プローブを選択的に除去するか、または洗い流すことができる。SGCにおける標識プローブと増幅剤との間の結合を破壊するのに好適な温度及び条件を選択することによって、SGCにおいて増幅剤に結合した標識プローブを除去する方法のように、SGCの構成成分を選択的に除去する方法は、当該技術分野で周知であり、本明細書に開示されている。標識プローブをSGCから選択的に除去することを用いる場合には、SGCの成分の相互作用のうち、標識プローブと増幅剤との相互作用以外の相互作用が、標識プローブの増幅剤への結合を破壊する条件下でも、安定な状態を維持するように、SGCの構成成分を設計する。切断可能な標識を含む標識プローブを用いるのと同様に、最後の反復的な検出ラウンドでは、それ以上の検出ラウンドを行わないことから、標識プローブ及び増幅剤の間の融解温度を、標的プローブ、前-前増幅剤(使用する場合)、前増幅剤及び増幅剤の間の融解温度よりも低くする必要は必ずしもないことを理解されたい。したがって、最後の反復的な検出ラウンドでは、標識プローブ及び増幅剤の間の融解温度を、標的プローブ、前-前増幅剤(使用する場合)、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低くするかは任意であり、その結果、最後の反復的な検出ラウンドで、標識プローブと標識がSGCに結合したままとなる。
【0147】
本明細書に記載される本発明は、概して、試料内の複数の標的核酸の検出に関する。本発明の方法は、さらに、複数の標的核酸と、任意選択で、試料内、特に標的核酸と同じ細胞内の他の分子を検出することにも適用され得ることを理解されたい。例えば、複数の標的核酸を検出するのに加えて、細胞内で発現されたタンパク質もまた、標的核酸を検出するために明細書に記載される原理と同様の原理を用いて、同時に検出され得る。この場合には、1回以上ラウンドの複数の標的核酸の検出において、任意選択で、細胞内で発現された1つ以上のタンパク質は、例えば、タンパク質を検出するための検出可能な標識を使用することによって検出され得る。初期の標的核酸検出ラウンドで、タンパク質を検出している場合には、タンパク質は、標的核酸を検出するのに用いた切断可能な標識と同様に、切断可能な標識によって検出され得る。最後の検出ラウンドで、タンパク質を検出している場合には、標識は、切断可能である必要はない。例えば、標的核酸の検出用として、本明細書に記載されるシステムを含む周知の検出システムのうちのいずれかを用いて、タンパク質に特異的な抗体の結合を検出することによって、細胞内のタンパク質を検出することは、当業者には周知である。同じ細胞内の標的核酸及びタンパク質の検出が記載されている(Schulz et al.,Cell Syst.6(1):25-36(2018)もまた参照されたい)。
【0148】
本発明は、標的核酸が検出される限り、任意の所望の順序で実施され得ることを理解されたい。すなわち、本発明の方法では、標的核酸が検出される限りは、SGCをアセンブリするためにいずれかの構成成分と細胞を接触させるステップは、いずれの所望の順序でも行うことができ、逐次的にも実施することができ、もしくは同時に実施することができ、または標的核酸が検出される限り、所望に応じて、いくつかのステップは、逐次的に実施することができる一方で、他のステップが同時に行われる。さらに、各種の構成、構成成分のサイズ、アッセイ条件、アッセイ感度などを使用する目的で、所望に応じて、本明細書に開示されている実施形態は独立して、本明細書に開示されている他の実施形態と組み合わせることができることを理解されたい。
【0149】
本発明は、標的核酸の検出を提供するいずれの形式でも実施され得ることを理解されたい。本発明の実施は、概して、in situハイブリダイゼーションを使用して本明細書に記載されてきたが、本発明は、当該技術分野で周知であるように、他の形式での標的核酸の検出のため、特に細胞内の標的核酸の検出のために実施され得ることを理解されたい。細胞内の標的核酸を検出するために使用され得る1つの方法は、当該技術分野で周知であるフローサイトメトリーである(例えば、Shapiro,Practical Flow Cytometry 3rd ed.,Wiley-Liss,New York(1995)、Ormerod,Flow Cytometry,2nd ed.,Springer(1999)を参照されたい)。したがって、本発明の方法、試料及びキットは、in situハイブリダイゼーションアッセイの形式、またはフローサイトメトリーなどの別の形式で使用され得る。in situハイブリダイゼーションを含む核酸検出方法のフローサイトメトリーへの適用は、以前に記載されている(例えば、Hanley et al.,PLoS One,8(2):e57002.doi:10.1371/journal.pone.0057002(2013)、Baxter et al.,Nature Protocols 12(10):2029-2049(2017))。
【0150】
いくつかの場合では、アッセイのステップ数を減らすこと、例えば、ハイブリダイゼーション及び洗浄のステップ数を減らすことが望ましいことがある。アッセイのステップ数を減らす方法の1つは、細胞と接触させる前に、SGCの構成成分の一部または全部を事前アセンブリすることである。このように事前アセンブリは、標的核酸と接触させる前に、SGCの構成成分の一部または全部を一緒にハイブリダイゼーションすることによって行うことができる。
【0151】
本発明は、本明細書に開示されるように、酸試薬を含むキットをさらに提供する。酸試薬は、標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらし、細胞形態及び核酸の完全性を保持する。本発明のキットの構成成分は、任意選択で、容器に入っていることができ、任意選択で、キットを使用するための説明書が提供され得る。説明書は、例えば、本明細書に開示されるように、本発明の方法を実施するためのステップを説明し得る。任意選択で、キットは、本明細書に記載されるSGCの1つ以上の構成成分を含んでもよく、キットは標的核酸を含まない。このようなキットは、本明細書に開示されるように、前増幅剤(PA)、増幅剤(AMP)及び標識プローブ(LP)、ならびに任意に前-前増幅剤(PPA)を含み得る。任意選択で、キットは、特定の標的核酸、または複数の標的核酸を対象とする標的プローブ(TP)を含み得る。
【0152】
一実施形態では、本発明は、1つ以上の核酸標的に特異的な1つ以上のプローブと、本明細書に開示される本発明の方法を実施するための説明書とを含むキットを提供する。
【0153】
一実施形態では、本発明は、細胞内の核酸に結合したプローブの結合を破壊する方法で使用するための酸試薬を含むキットを提供し、方法は、細胞を酸試薬と接触させることを含み、細胞は、細胞内の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした第1のプローブを含み、酸試薬は、第1のプローブと第1の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する。
【0154】
そのようなキットの一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。
【0155】
そのようなキットの一実施形態では、方法は、細胞から第1のプローブを除去することをさらに含む。そのようなキットの一実施形態では、方法は、細胞を第2のプローブと接触させるステップをさらに含み、第2のプローブは、細胞内の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションし、第2の標的核酸は、第1の標的核酸と同一であるか、または異なる。そのようなキットの一実施形態では、方法は、細胞を酸試薬と接触させるステップをさらに含み、酸試薬は、第2のプローブと第2の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する。一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。そのようなキットの一実施形態では、方法は、細胞から第2のプローブを除去するステップをさらに含む。
【0156】
一実施形態では、本発明は、細胞内の核酸に結合したプローブの結合を破壊するための方法で使用するための酸試薬を含むキットを提供し、方法は、細胞を酸試薬と接触させることを含み、細胞は、細胞内の1つ以上の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした1つ以上の第1のプローブを含み、酸試薬は、1つ以上の第1のプローブと1つ以上の第1の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する。
【0157】
そのようなキットの一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。
【0158】
そのようなキットの一実施形態では、方法は、細胞から1つ以上の第1のプローブを除去することをさらに含む。そのようなキットの一実施形態では、細胞は、2つ以上の第1の標的核酸にハイブリダイゼーションした2つ以上の第1のプローブを含む。そのようなキットの一実施形態では、第1の標的核酸の各々は、第1のプローブへのハイブリダイゼーションによって標識され、各第1の標的核酸上の標識は、第1のプローブにハイブリダイゼーションした他の第1の標的核酸(複数可)上の標識から区別可能である。
【0159】
そのようなキットの一実施形態では、方法は、細胞を1つ以上の第2のプローブと接触させるステップをさらに含み、1つ以上の第2のプローブは、細胞内の1つ以上の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションし、1つ以上の第2の標的核酸は、1つ以上の第1の標的核酸と同一であるか、または異なる。一実施形態では、細胞は、2つ以上の第2の標的核酸にハイブリダイゼーションした2つ以上の第2のプローブを含む。
【0160】
そのようなキットの一実施形態では、第2の標的核酸の各々は、第2のプローブへのハイブリダイゼーションによって標識され、各第2の標的核酸上の標識は、第2のプローブにハイブリダイゼーションした他の第2の標的核酸(複数可)上の標識から区別可能である。そのようなキットの一実施形態では、方法は、細胞を酸試薬と接触させるステップをさらに含み、酸試薬は、第2のプローブと1つ以上の第2の標的核酸との間のハイブリダイゼーションを破壊する。一実施形態では、細胞を酸試薬と接触させることは、1回以上繰り返される。一実施形態では、そのような方法は、細胞から第2のプローブを除去するステップをさらに含む。
【0161】
一実施形態では、本発明は、(A)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤が、前-前増幅剤の対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(B)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤が、前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(C)標識プローブのセットであって、標識プローブのセットの標識プローブが各々、増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、標識プローブのセットと、(D)酸試薬であって、酸試薬が、標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、酸試薬と、を含む、標的核酸のin situ検出のためのキットを提供する(例えば、
図2A及び6Aを参照されたい)。一実施形態では、キットは、標的プローブのセットを含み、標的プローブのセットは、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む。
【0162】
一実施形態では、本発明は、(A)前-前増幅剤のセットであって、前-前増幅剤のセットが、1つ以上の前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、標的プローブの1つ以上の対に対する結合部位を含む、前-前増幅剤のセットと、(B)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤が、前-前増幅剤に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(C)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤が、前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(D)標識プローブのセットであって、標識プローブのセットの標識プローブが各々、増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、標識プローブのセットと、(E)酸試薬であって、酸試薬が、標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、酸試薬と、を含む、標的核酸のin situ検出のためのキットを提供する(例えば、
図2A及び6Bを参照されたい)。一実施形態では、キットは、標的プローブのセットを含み、標的プローブのセットは、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む。
【0163】
一実施形態では、本発明は、(A)前-前増幅剤のセットであって、前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の1つ以上の対を含み、前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤が、標的プローブの対の標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含む、前-前増幅剤のセットと、(B)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤が、前-前増幅剤の対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(C)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤が、前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(D)標識プローブのセットであって、標識プローブのセットの標識プローブが各々、増幅剤に対する標識及び結合部位を含む、標識プローブのセットと、(E)酸試薬であって、酸試薬が、標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、酸試薬と、を含む、標的核酸のin situ検出のためのキットを提供する(例えば、
図2A及び6Cを参照されたい)。一実施形態では、キットは、標的プローブのセットを含み、標的プローブのセットは、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの1つ以上の対を含む。
【0164】
一実施形態では、本発明は、標的核酸のin situ検出のためのキットを提供し、キットは、(A)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、複数の前増幅剤が、1つ以上の標的プローブのセットの各々に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(B)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(C)標識プローブの第1のセットであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識が、切断可能であり、標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第1のセットと、(D)標識プローブの第2のセットであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、標識が、切断可能であり、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第2のセットと、(E)酸試薬であって、酸試薬が、標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、酸試薬と、を含む(例えば、
図2B及び6Aを参照されたい)。
【0165】
一実施形態では、キットは、標識プローブの第3のセットをさらに含み、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、標識が、切断可能であり、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる。
【0166】
一実施形態では、本発明は、標的核酸のin situ検出のためのキットを提供し、キットは、(A)前-前増幅剤のセットであって、前-前増幅剤のセットが、複数の前-前増幅剤を含み、複数の前-前増幅剤が、1つ以上の標的プローブのセットの各々に特異的な前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前-前増幅剤のセットと、(B)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、各前-前増幅剤に特異的な前増幅剤の複数のサブセットを含み、前増幅剤の各サブセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤のサブセットの前増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前-前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(C)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、前増幅剤の各サブセットに特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、前増幅剤のサブセットのうちの1つの前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(D)標識プローブの第1のセットであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識が、切断可能であり、標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第1のセットと、(E)標識プローブの第2のセットであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、標識が、切断可能であり、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第2のセットと、(F)酸試薬であって、酸試薬が、標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、酸試薬と、を含む(例えば、
図2B及び6Bを参照されたい)。
【0167】
一実施形態では、キットは、標識プローブの第3のセットをさらに含み、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、標識が、切断可能であり、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる。
【0168】
一実施形態では、本発明は、標的核酸のin situ検出のためのキットを提供し、キットは、(A)前-前増幅剤のセットであって、前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の複数の対を含み、前-前増幅剤のセットが、1つ以上の標的プローブのセットの標的プローブの対の各標的プローブに特異的な前-前増幅剤の対を含み、前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤は、標的プローブのセットの標的プローブの対の標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含み、前-前増幅剤が、前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前-前増幅剤のセットと、(B)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、複数の前増幅剤が、前-前増幅剤の各対に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前-前増幅剤のセットの前-前増幅剤の対のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(C)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、前-前増幅剤の各対に特異的な各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、前-前増幅剤の対に特異的な前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(D)標識プローブの第1のセットであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識が、切断可能であり、標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第1のセットと、(E)標識プローブの第2のセットであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、標識が、切断可能であり、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第2のセットと、(F)酸試薬であって、酸試薬が、標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、酸試薬と、を含む(
図2B及び6Cを参照されたい)。
【0169】
一実施形態では、キットは、標識プローブの第3のセットをさらに含み、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、標識が、切断可能であり、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる。
【0170】
一実施形態では、切断可能な標識を含む本発明のキットは、標識プローブから切断可能な標識を切断するための切断剤を含む。
【0171】
一実施形態では、本発明は、標的核酸のin situ検出のためのキットを提供し、キットは、(A)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、複数の前増幅剤が、1つ以上の標的プローブのセットの各々に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(B)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(C)標識プローブの第1のセットであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前増幅剤及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第1のセットと、(D)標識プローブの第2のセットであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第2のセットと、(E)酸試薬であって、酸試薬が、標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、酸試薬と、を含む(例えば、
図2B及び6Aを参照されたい)。
【0172】
一実施形態では、キットは、標識プローブの第3のセットをさらに含み、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる。
【0173】
一実施形態では、本発明は、標的核酸のin situ検出のためのキットを提供し、キットは、(A)前-前増幅剤のセットであって、前-前増幅剤のセットが、前-前増幅剤の複数の対を含み、前-前増幅剤のセットが、1つ以上の標的プローブのセットの標的プローブの対の各々に特異的な前-前増幅剤の対を含み、前-前増幅剤の対の各前-前増幅剤は、標的プローブのセットの標的プローブの対の標的プローブのうちの1つに対する結合部位を含み、前-前増幅剤が、前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前-前増幅剤のセットと、(B)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、複数の前増幅剤を含み、複数の前増幅剤が、前-前増幅剤の各対に特異的な前増幅剤を含み、各前増幅剤が、前-前増幅剤のセットの前-前増幅剤の対のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(C)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、前-前増幅剤の各対に特異的な各前増幅剤に特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、前-前増幅剤の対に特異的な前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(D)標識プローブの第1のセットであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第1のセットと、(E)標識プローブの第2のセットであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、標識が、切断可能であり、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第2のセットと、(F)酸試薬であって、酸試薬が、標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、酸試薬と、を含む(例えば、
図2B及び6Cを参照されたい)。
【0174】
一実施形態では、キットは、標識プローブの第3のセットをさらに含み、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる。
【0175】
一実施形態では、本発明は、標的核酸のin situ検出のためのキットを提供し、キットは、(A)前-前増幅剤のセットであって、前-前増幅剤のセットが、複数の前-前増幅剤を含み、複数の前-前増幅剤が、1つ以上の標的プローブのセットの各々に特異的な前-前増幅剤を含み、各前-前増幅剤が、標的プローブのセットのうちの1つの標的プローブの対に対する結合部位及び前増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前-前増幅剤のセットと、(B)前増幅剤のセットであって、前増幅剤のセットが、各前-前増幅剤に特異的な前増幅剤の複数のサブセットを含み、前増幅剤の各サブセットが、複数の前増幅剤を含み、前増幅剤のサブセットの前増幅剤が、標的プローブのセットに特異的な前-前増幅剤のうちの1つに対する結合部位及び増幅剤に対する複数の結合部位を含む、前増幅剤のセットと、(C)増幅剤のセットであって、増幅剤のセットが、前増幅剤の各サブセットに特異的な増幅剤の複数のサブセットを含み、増幅剤の各サブセットが、複数の増幅剤を含み、増幅剤のサブセットの増幅剤が、前増幅剤のサブセットのうちの1つの前増幅剤に対する結合部位及び標識プローブに対する複数の結合部位を含む、増幅剤のセットと、(D)標識プローブの第1のセットであって、標識プローブの第1のセットが、標識プローブの複数の第1のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標的プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々における標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第1のサブセットにおける標識が、標識プローブの第1のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第1のセットが、標的核酸の第1のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第1のセットと、(E)標識プローブの第2のセットであって、標識プローブの第2のセットが、標識プローブの複数の第2のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第2のサブセットが、標識プローブの第1のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第2のサブセットにおける標識が、標識プローブの第2のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第2のセットが、標的核酸の第1のサブセットとは異なる標的核酸の第2のサブセットを特異的に標識することができる、標識プローブの第2のセットと、(F)酸試薬であって、酸試薬が、標的プローブとそれぞれの標的核酸との間のハイブリダイゼーションの破壊をもたらす、酸試薬と、を含む(例えば、
図2B及び6Bを参照されたい)。
【0176】
一実施形態では、キットは、標識プローブの第3のセットをさらに含み、標識プローブの第3のセットが、標識プローブの複数の第3のサブセットを含み、標識プローブの各サブセットが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に特異的であり、標識プローブの第3のサブセットが、標識プローブの第1及び第2のサブセットとは異なる増幅剤のサブセットの増幅剤に特異的であり、標識プローブの各サブセットが、複数の標識プローブを含み、標識プローブのサブセットの各々の標識プローブが、増幅剤のサブセットのうちの1つの増幅剤に対する標識及び結合部位を含み、標識プローブの各第3のサブセットにおける標識が、標識プローブの第3のサブセット間で区別可能であり、標識プローブと増幅剤との間の融解温度が、標的プローブ、前前増幅剤、前増幅剤、及び増幅剤の間の融解温度よりも低く、標識プローブの第3のセットが、標的核酸の第1及び第2のサブセットとは異なる標的核酸の第3のサブセットを特異的に標識することができる。
【0177】
標的プローブのセットを含む本発明のキットのいくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の標的プローブのセットを含み、各標的プローブのセットは、標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションする標的プローブの対を含む。一実施形態では、各標的プローブのセットは、同じ標的核酸に特異的にハイブリダイゼーションすることができる標的プローブの2つ以上の対を含む。
【0178】
本発明のキットのいくつかの実施形態では、キットは、細胞を固定及び/または透過処理するための少なくとも1つの試薬を含む。
【0179】
本発明のキットのいくつかの実施形態では、酸試薬は、5~40%もしくは20~30%の酸、または本明細書に開示される他の濃度を含む。一実施形態では、酸は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、及びクエン酸からなる群から選択される。
【0180】
本発明のキットのいくつかの実施形態では、酸試薬は、塩を含む。一実施形態では、酸試薬は、SSCを含む。一実施形態では、酸試薬は、1倍~13倍のSSCまたは3.2倍~12.8倍のSSCを含む。
【0181】
本発明はまた、細胞または複数の細胞を含む試料を提供し、酸試薬は、細胞に適用され、細胞上に存在する。細胞は、任意選択で固定され得る。細胞は、任意選択で、透過処理され得る。細胞の固定及び/または透過処理は、in situハイブリダイゼーションアッセイに特に適用可能である。任意選択で、細胞は、本明細書に開示されるプローブ構成のうちのいずれかに結合した1つ以上の標的核酸を含むことができる。
【0182】
本発明はさらに、細胞または複数の細胞を含むスライドを提供し、酸試薬は、スライド上の細胞に適用され、スライド上の細胞上に存在する。任意選択で、細胞は、スライドに固定される。任意選択で、細胞は、透過処理される。特定の実施形態では、スライド上の細胞は、in situアッセイのために固定及び/または透過処理される。任意選択で、スライド上の細胞は、本明細書に開示されるプローブ構成のうちのいずれかに結合した1つ以上の標的核酸を含むことができる。
【0183】
本明細書に示されている、本発明の定義内で、本発明の様々な実施形態の活性に実質的に影響を及ぼさない修正が行われることも理解されたい。したがって、以下の実施例は、例示するためのものであり、本発明を限定しないことが意図される。
【0184】
実施例I
酸処理は、標的核酸にハイブリダイゼーションしたプローブを効果的に除去し、細胞RNA及び組織形態に最小限の影響を与える
この実施例は、細胞内の標的核酸にハイブリダイゼーションしたプローブの効果的な除去と、細胞RNA及び組織形態の保持とを記載する。
【0185】
図3A及び3Bは、標的核酸の検出の逐次的なラウンドのための酸処理を示す。
図3Aは、酸処理が、新鮮な凍結マウスの脳における標的プローブ及び増幅複合体を効果的に除去したことを示す。新鮮な凍結切片として調製したマウスの脳におけるグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(Gapdh)、ホスホグリセリン酸キナーゼ1(Pgk1)、塩基性ヘリックスループヘリックスファミリーメンバーE22(Bhlhe22)、及びコンプレキシン2(Cplx2)の4つの高度に発現された陽性対照遺伝子の検出を示す。4つの遺伝子の標的プローブ(ZZプローブ)を一緒にハイブリダイゼーションし、RNAscope(登録商標)HiPlex増幅システムを使用してシグナルを一緒に増幅した。4つの遺伝子を、これらの4つの標的プローブに割り当てられたシグナル増幅システムに対応する蛍光標識プローブを使用して、反復的な検出の1回目のラウンドで検出した。Alexa 488、ATTO 550、ATTO 647N、及びAlexa 750フルオロフォアを、それぞれ、Gapdh、Pgk1、Bhlhe22、及びCplx2を検出するために使用した。核を青色のDAPI(4′,6-ジアミジノ-2-フェニルインドリン)で染色した(上部パネル)。シグナル検出後、組織切片を酸性溶液(20%の酢酸、6.4倍のSSC)で5分間、室温(RT)で処理し、酸処理をさらに2回繰り返した。次いで、切片を、標的プローブを添加することなく、ハイブリダイゼーション及び増幅の2回目のラウンドに使用した。酸処理後の2回目のラウンドではシグナルはほとんどから全く検出されず(下部パネル)、したがって、以前ハイブリダイゼーションした標的プローブ及びシグナル増幅成分の完全な除去を示した。
【0186】
図3Bは、酸処理が新鮮な凍結マウスの脳の細胞RNA及び組織形態に最小限の影響を与えたことを示す。
図3A(上部パネル)に記載されるように、新鮮な凍結切片として調製されたマウスの脳において、4つの陽性対照遺伝子(Gapdh、Pgk1、Bhlhe22、及びCplx2)を検出した。シグナル検出後、酸処理を2回ではなく4回繰り返したことを除いて、切片を
図3Aに記載されるように酸溶液で処理した。次いで、処理した切片を、ハイブリダイゼーション及び増幅の2回目のラウンドに使用して、同じ4つの遺伝子を検出した。ハイブリダイゼーションの2回目のラウンド(下部パネル)で検出されたシグナルを、ハイブリダイゼーションの1回目のラウンド(上部パネル)で検出されたシグナルと比較すると、標的プローブのハイブリダイゼーション及びシグナル増幅の2回目のラウンドは、同様の発現パターンをもたらし、酸処理からのRNAの最小限の損失を示す。
【0187】
これらの結果は、酸試薬による細胞の処理が、細胞内の標的核酸にハイブリダイゼーションしたプローブの効果的な除去と、細胞RNA及び組織形態の保持とに効果的であることを示す。
【0188】
実施例II
複数ラウンドの酸処理及び逐次的なラウンドのプローブハイブリダイゼーションは、細胞形態及び検出可能な核酸を保持する
この実施例は、標的核酸に結合したプローブを除去するために複数ラウンドの酸処理を細胞に適用することができ、酸処理後に標的核酸を検出することができることを説明する。
【0189】
実験は、実質的に、
図2Bに示されるように実施した。
図2Bに示されるように、「K」及び「L」という2つの「ラウンド」が示されており、Kは、N標的プローブハイブリダイゼーションの逐次的なラウンドを指し、Lは、各Kラウンド内の標識プローブハイブリダイゼーションの反復的なラウンドを指す。この実験では、3回の逐次的なラウンドの標的プローブハイブリダイゼーションを行い、各逐次的なラウンド内で、3回の反復的なラウンドの標識プローブハイブリダイゼーション及びイメージングを行った。この実験における実証目的のために、12個の標的プローブを各「K」ラウンドで使用した:ラウンドK=1の場合、RNAポリメラーゼIIサブユニットA(Polr2A)、ペプチジルプロリルイソメラーゼB(Ppib)、ユビキチンC(Ubc)、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1(Hprt1)、アクチンベータ(ActB)、チューブリンベータ3クラスIII(Tubb3)、架橋インテグレーター1(Bin1)、乳酸デヒドロゲナーゼA(Ldha)、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(Gapdh)、ホスホグリセリン酸キナーゼ1(Pgk1)、塩基性ヘリックスループヘリックスファミリーメンバーE22(Bhlhe22)、及びコンプレキシン2(Cplx2);ラウンドK=3の場合、5-ヒドロキシトリプタミン受容体7(Htr7)、プロトカドヘリン8(Pcdh8)、溶質担体ファミリー32メンバー1(Slc32a1)、チロシンヒドロキシラーゼ(Th)、シナプトポリン(synaptoporin)(Synpr)、クリスタリンミュー(Crym)、ウォルフラミンER膜貫通型糖タンパク質(Wfs1)、カルビンジン1(Calb1)、(Drd1a)、ドーパミン受容体D1(Drd2)、カンナビノイド受容体1(Cnr1)、フォークヘッドボックスP1(Foxp1)。
【0190】
12個の標的プローブのそれぞれの群を、逐次的なラウンド1及び3でそれぞれハイブリダイゼーションし、12個の「ダミー」標的プローブまたはブランクのプローブ緩衝液を、2回目の逐次的なラウンドで使用した。標的プローブハイブリダイゼーションの逐次的なラウンド(Kラウンド)の間に酸処理ステップを行った。
図4において、画像の上部パネルは、1回目の逐次的なラウンド(K=1)内の3回目の反復的な検出ラウンド(L=3)に対応する。
図4において、下部パネルの画像は、標的プローブハイブリダイゼーションの3回目の逐次的なラウンド(K=3)内の1回目のラウンドの反復的な検出(L=1)からであった。
【0191】
図4は、2回のラウンドの酸処理及び逐次的なハイブリダイゼーション後の良好な形態及びシグナル検出を示す。
図4において、上部パネルは、
図2Bに概説されるワークフローに示されるように実質的に行った、標的プローブのハイブリダイゼーションの1回目のラウンド(K=1)及び反復的な検出の3回目のラウンド(L=3)での、新鮮な凍結マウスの脳切片における、4つの陽性対照遺伝子である、Polr2A、Ppib、Ubc、及びHprt1の検出を示す。Alexa 488、ATTO 550、ATTO 647N、及びAlexa 750フルオロフォアを、それぞれ、Polr2a、Ppib、Ubc、及びHprt1を検出するために使用し、核を青色のDAPIで染色した。
図4において、下部パネルは、標的プローブのハイブリダイゼーション及び増幅の3回目のラウンド(K=3)ならびに反復的な検出の1回目のラウンド(L=1)での、マウスの脳の線条体領域における、4つの異なる低発現標的である、Htr7、Pcdh8、Slc32a、及びThの検出を示す。酸処理、標的ハイブリダイゼーション及び増幅ステップを、
図3Aに記載されるように、ラウンド1及びラウンド2の標的ハイブリダイゼーション後に行った。
【0192】
これらの結果は、複数ラウンドの酸処理を細胞に適用して、標的核酸に結合したプローブを除去することができることを示す。結果はまた、標的核酸が酸処理後に検出され得ることを示す。
【0193】
実施例III
例示的な酸処理試薬及び条件
この実施例では、様々な酸処理試薬及び条件を試験する実験を記載する。
【0194】
最適化された酸処理条件を探索するための一連の実験において、新鮮な凍結マウスの脳またはホルマリン固定パラフィン包埋HeLa細胞を、RNAscope(登録商標)HiPlexプロトコル(Advand Cell Diagnostics、Newark CA)を用いて様々な陽性対照遺伝子について染色した。イメージング後、スライドを、様々な条件で、酢酸で処理して、結合した標的プローブ及びシグナル生成複合体を除去した。酸処理後、RNAscope(登録商標)HiPlexシグナル増幅ステップを、以前のラウンドから残留結合標的プローブからの任意のシグナルを検出するために、任意の標的プローブを付加することなく行った。スライドを画像化し、視覚的に評価した。結果を表1に示す。
【表1】
【0195】
これらの結果は、細胞内の標的核酸に結合したプローブを除去するために様々な酸試薬を使用することができることを実証している。
【0196】
この出願の全体を通じて、様々な刊行物が参照されている。これらの刊行物の開示内容の全体は、参照により、本発明が属する分野の現状をさらに十分に説明する目的で、本明細書に組み込まれる。上記の実施例を参照しながら、本発明について説明してきたが、本発明の趣旨から逸脱することなく、様々な修正を加えることができることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【
図1】マルチプレックスアッセイ(RNAscope(登録商標)HiPlexアッセイワークフロー)のワークフローの概略図を示す。N標的配列を標的プローブ(ダブルZプローブとして示される)にハイブリダイゼーションし、RNAscope(登録商標)などの増幅システムにより同時にシグナルを増幅する。示される実施形態では、最初の4つの標的は、4つの非スペクトル重複蛍光色素共役オリゴ(標識プローブ)を介して検出され、従来の蛍光顕微鏡またはスキャナーを使用して画像化される。次いで、フルオロフォアを標識プローブから切断し、次の4つの標的を、同じ方法を使用して標識し、画像化する。それぞれ4つの標的のLラウンドの検出後、画像レジストレーションソフトウェアアルゴリズムを使用して画像をレジストレーションし、単一細胞解像度で重ね合わせた画像の最終合成を作成する。
【
図2A】標的プローブを除去するための酸試薬を使用する核酸プローブの逐次的なハイブリダイゼーションの概略図を示す。逐次的なハイブリダイゼーションのための標的核酸(複数可)に結合したプローブ(複数可)の酸処理及び除去の概略図を示す。N標的プローブを、例えば、in situハイブリダイゼーションアッセイで、標的核酸にハイブリダイゼーションする。図式は、標的核酸にハイブリダイゼーションした標的プローブの任意のシグナル増幅を示す。細胞は、細胞の可視化を促進するために対比染色され得、例えば、核は、4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)で染色され得る。標的プローブ及び対比染色された細胞は、例えば、イメージングによって可視化され、それによって標的核酸を検出し、イメージングする。RNAscope(登録商標)アッセイを使用する場合、RNAscope(登録商標)ダブルZプローブ及びシグナルは、RNAscope(登録商標)増幅システムにより同時に増幅される。酸処理ステップを実行して、それぞれの標的(複数可)に結合した標的プローブ(複数可)を除去する。N標的核酸の1つ以上の追加のセットは、1回以上のラウンドのためにNプレックスワークフロー全体を繰り返すことによって検出され得る。全ての標的が検出された後、画像レジストレーションソフトウェアアルゴリズムを使用して画像をレジストレーションし、単一細胞解像度で重ね合わせた画像の最終合成を作成する。この方法で利用可能なマルチプレックスの総レベルは、ラウンド当たりのN標的(複数可)×Nプレキシング(plexing)のKラウンドである。一般に、N=1以上であり、酸除去ステップを含む場合、K=2以上である。
図2Aに示される図式において、K=1の場合、標的プローブのハイブリダイゼーション及びイメージングの1回のラウンドのみを行う必要があるため、酸除去ステップは必要とされない。
【
図2B】標的プローブを除去するための酸試薬を使用する核酸プローブの逐次的なハイブリダイゼーションの概略図を示す。逐次的なハイブリダイゼーションのための標的核酸に結合したプローブの酸処理及び除去の概略図を示す。N標的プローブを、例えば、RNAscope(登録商標)HiPlexアッセイなどのin situハイブリダイゼーションアッセイで、標的核酸にハイブリダイゼーションする。例えば、RNAscope(登録商標)ダブルZプローブを使用して、N標的プローブを標的配列にハイブリダイゼーションし、例えば、RNAscope(登録商標)増幅システムにより、同時にシグナルを増幅する。図式は、標的核酸にハイブリダイゼーションした標的プローブの任意のシグナル増幅を示す。細胞は、細胞の可視化を促進するために対比染色され得、例えば、核は、4′,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)で染色され得る。N標的核酸は、標識、例えば、蛍光標識、イメージング、及び検出可能な標識の切断、例えば、蛍光標識の切断の反復的なラウンドにより検出される。図式において、N標的核酸をN標的プローブにハイブリダイゼーションし、反復して検出することにより、N標的のサブセット(N標的
サブセット1)を標識して検出し、標識を標識された核酸のサブセットから切断し(Lラウンドの標識プローブハイブリダイゼーション、L=1)、次いで、N標的の第2のサブセット(N標的
サブセット2)を標識して検出し、標識を標識された核酸のサブセットから切断する(Lラウンドの標識プローブハイブリダイゼーション、L=2)など、N標的核酸の全てが検出されるまで続く。全てのN標的核酸が所望の数の標識の数(L=所望の標識ラウンド)で検出された後、ハイブリダイゼーションしたN標的プローブ(ZZプローブシグナル生成複合体など)を除去するために酸処理ステップを行う。N標的核酸(例えば、N’標的核酸、N’‘標的核酸など)の1つ以上の追加のセットは、1つ以上のラウンドのためにNプレックスワークフロー全体を繰り返すことによって検出され得る。全ての標的が検出された後、画像レジストレーションソフトウェアアルゴリズムを使用して画像をレジストレーションし、単一細胞解像度で重ね合わせた画像の最終合成を作成する。この方法で利用可能なマルチプレックスの総レベルは、ラウンド当たりN標的核酸×N-プレキシングのKラウンド(「N-プレキシング」は、「N標的プローブのハイブリダイゼーション」から「プローブ及び増幅剤の酸性除去」または最終ラウンドでは最後の「対比染色及びイメージング」ステップへのフローを指す)である。一般に、N=1以上であり、酸除去ステップを含む場合、K=2以上である。
図2Bに示される図式において、K=1の場合、Lラウンドの標識プローブハイブリダイゼーション、イメージング、及びフルオロフォア切断のみを行う必要があるため、プローブ及び増幅剤の酸除去ステップは必要とされない。
【
図3A】標的核酸の検出の逐次的なラウンドのための酸処理を示す。酸処理が、新鮮な凍結マウスの脳における標的プローブ及び増幅複合体を効果的に除去したことを示す。新鮮な凍結切片として調製したマウスの脳におけるグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(Gapdh)、ホスホグリセリン酸キナーゼ1(Pgk1)、塩基性ヘリックスループヘリックスファミリーメンバーE22(Bhlhe22)、及びコンプレキシン2(Cplx2)の4つの高度に発現された陽性対照遺伝子の検出を示す。4つの遺伝子の標的プローブ(ZZプローブ)を一緒にハイブリダイゼーションし、RNAscope(登録商標)HiPlex増幅システムを使用してシグナルを一緒に増幅した。4つの遺伝子を、これらの4つの標的プローブに割り当てられたシグナル増幅システムに対応する蛍光標識プローブを使用して、反復的な検出の1回目のラウンドで検出した。Alexa 488、ATTO 550、ATTO 647N、及びAlexa 750フルオロフォアを、それぞれ、Gapdh、Pgk1、Bhlhe22、及びCplx2を検出するために使用し、核を青色のDAPI(4′,6-ジアミジノ-2-フェニルインドリン)で染色した(上部パネル)。シグナル検出後、組織切片を酸性溶液(20%の酢酸、6.4倍のSSC)で5分間、室温(RT)で処理し、酸処理をさらに2回繰り返した。次いで、切片を、標的プローブを添加することなく、ハイブリダイゼーション及び増幅の2回目のラウンドに使用した。酸処理後の2回目のラウンドではシグナルはほとんどから全く検出されず(下部パネル)、したがって、以前ハイブリダイゼーションした標的プローブ及びシグナル増幅成分の完全な除去を示した。
【
図3B】標的核酸の検出の逐次的なラウンドのための酸処理を示す。酸処理が新鮮な凍結マウスの脳の細胞RNA及び組織形態に最小限の影響を与えたことを示す。
図3A(上部パネル)に記載されるように、新鮮な凍結切片として調製されたマウスの脳において、4つの陽性対照遺伝子(Gapdh、Pgk1、Bhlhe22、及びCplx2)を検出した。シグナル検出後、酸処理を2回ではなく4回繰り返したことを除いて、切片を
図3Aに記載されるように酸溶液で処理した。次いで、処理した切片を、ハイブリダイゼーション及び増幅の2回目のラウンドに使用して、同じ4つの遺伝子を検出した。ハイブリダイゼーションの2回目のラウンド(下部パネル)で検出されたシグナルを、ハイブリダイゼーションの1回目のラウンド(上部パネル)で検出されたシグナルと比較すると、標的プローブのハイブリダイゼーション及びシグナル増幅の2回のラウンドは、同様の発現パターンをもたらし、繰り返された酸処理からのRNAの最小限の損失を示す。
【
図4】2回のラウンドの酸処理及び逐次的なハイブリダイゼーション後の良好な形態及びシグナル検出を示す。
図4において、上部パネルは、
図2Bに概説されるワークフローに示されるように実質的に行った、標的プローブのハイブリダイゼーションの1回目のラウンド(k=1)及び反復的な検出の3回目のラウンド(l=3)での、新鮮な凍結マウスの脳切片における、4つの陽性対照遺伝子である、RNAポリメラーゼIIサブユニットA(Polr2A)、ペプチジルプロリルイソメラーゼB(Ppib)、ユビキチンC(Ubc)、及びヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1(Hprt1)の検出を示す。12個の標的プローブ(RNAscope(登録商標)HiPlex 12プレックスマウス陽性対照)を、RNAscope(登録商標)Hiplexアッセイを使用して同時にハイブリダイゼーションし、増幅した。Alexa 488、ATTO 550、ATTO 647N、及びAlexa 750フルオロフォアを用いて1回目のラウンドで4つの遺伝子を検出し、フルオロフォアをイメージング後に切断した。次の4つの遺伝子を、同じ4つのフルオロフォアを使用して検出の2回目のラウンドで検出し、イメージング後にフルオロフォアを切断した。反復的な検出の3回目のラウンドを
図4の上部パネルに示す。Alexa 488、ATTO 550、ATTO 647N、及びAlexa 750フルオロフォアを、それぞれ、Polr2a、Ppib、Ubc、及びHprt1を検出するために使用し、核を青色のDAPIで染色した。
図4において、下部パネルは、標的プローブのハイブリダイゼーション及び増幅の3回目のラウンド(k=3)ならびに反復的な検出の1回目のラウンド(l=1)での、マウスの脳の線条体領域における、4つの異なる低発現標的である、5-ヒドロキシトリプタミン受容体7(Htr7)、プロトカドヘリン8(Pcdh8)、溶質担体ファミリー32メンバー1(Slc32a1)、及びチロシンヒドロキシラーゼ(Th)の検出を示す。酸処理、標的ハイブリダイゼーション及び増幅ステップを、
図3Aに記載されるように、ラウンド1及びラウンド2の標的ハイブリダイゼーション後に行った。標的プローブのハイブリダイゼーション及び増幅の2回目のラウンドを酸処理後に実施した。標的プローブを含まず、代わりにプローブ希釈剤を使用した。標的プローブのハイブリダイゼーション及び増幅の3回目のラウンドを、12個の異なる標的プローブを使用して、2回目の酸処理後に実施した。12個の標的プローブのうちの4個を、下部パネルに示されるように、検出の1回目のラウンドで最初に検出した。
【
図5】A~Cは、シグナル生成複合体(SGC)を用いた核酸標的の前述の検出方法の概略図を示す。PPA、前-前増幅剤(pre-pre-amplifier);PA、前増幅剤;AMP、増幅剤;LP、標識プローブ。
【
図6A】標的核酸の直交標識の概略図を示す。RNAscope(登録商標)アッセイに基づく標的核酸の直交標識が
図6Aに示される。それぞれのシグナル生成複合体(SGC)を用いた3つの例示的な標的核酸の標識が
図6Aに示される。標的プローブ対1(TP1a及びTP1b)の標的核酸1への結合を示す。前増幅剤(PA1)が、標的プローブ対(TP1a及びTP1b)に結合していることが示される。複数の増幅剤(AMP1)がPA1に結合していることが示される。増幅剤に結合した複数の標識プローブ(LP1)を示す。それぞれの標的の各々に特異的なSGCの構成成分(標的プローブ、前増幅剤、増幅剤、標識プローブ)を有する標的2及び3についての同様の構成を示す。
【
図6B】標的核酸の直交標識の概略図を示す。
図6Aに示される構成の修正を示す。それぞれのシグナル生成複合体(SGC)を用いた2つの例示的な標的核酸の標識が
図6Bに示される。標的プローブ対1(TP1a及びTP1b)の標的核酸1への結合を示す。前-前増幅剤(PPA1)が、標的プローブ対(TP1a及びTP1b)に結合していることが示される。複数の前増幅剤(PA1)がPPA1に結合していることが示される。複数の増幅剤(AMP1)がPA1に結合していることが示される。簡単にするために、増幅剤が1つの前増幅剤に結合しているように示されているが、増幅剤は全ての増幅剤に結合され得ることを理解されたい。増幅剤に結合した複数の標識プローブ(LP1)を示す。それぞれの標的の各々に特異的なSGCの構成成分(標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、増幅剤、標識プローブ)を有する標的2についての同様の構成を示す。
【
図6C】標的核酸の直交標識の概略図を示す。Basescope(商標)アッセイに基づく標的核酸の直交標識が
図6Cに示される。それぞれのシグナル生成複合体(SGC)を用いた2つの例示的な標的核酸の標識が
図6Cに示される。標的プローブ対1(TP1a及びTP1b)の標的核酸1への結合を示す。前-前増幅剤(PPA1a及びPPA1b)の対が、それぞれの標的プローブ対(TP1a及びTP1b)に結合していることが示される。前増幅剤(PA1)が、前増幅剤対(PPA1a及びPPA1b)に結合していることが示される。複数の増幅剤(AMP1)がPA1に結合していることが示される。簡単にするために、増幅剤が1つの前増幅剤に結合しているように示されているが、増幅剤は全ての増幅剤に結合され得ることを理解されたい。増幅剤に結合した複数の標識プローブ(LP1)を示す。それぞれの標的の各々に特異的なSGCの構成成分(標的プローブ、前-前増幅剤、前増幅剤、増幅剤、標識プローブ)を有する標的2についての同様の構成を示す。
【国際調査報告】