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特表2023-502665高電圧パルスによって誘発された高電力ノイズから電子コンポーネントを保護するためのシステム、装置、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】高電圧パルスによって誘発された高電力ノイズから電子コンポーネントを保護するためのシステム、装置、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/362 20060101AFI20230118BHJP
【FI】
A61N1/362
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529326
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 US2020061564
(87)【国際公開番号】W WO2021102297
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】16/689,967
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516193782
【氏名又は名称】ファラパルス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】パレ、マイケル アラン
(72)【発明者】
【氏名】サラフ、シャイレンダル
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB12
4C053BB35
4C053CC03
4C053JJ18
4C053JJ23
4C053KK02
4C053KK07
4C053KK10
(57)【要約】
心臓アブレーション処置中に、電極のセットから、電子回路、デバイス、および/または他のコンポーネントを絶縁するための、保護デバイスを用いる、エレクトロポレーションアブレーション治療のためのシステム、デバイス、および方法が、開示される。システムは、心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極の第1のセットと、患者の生体構造と接触して配置可能な電極の第2のセットとを含むことができる。システムは、パルス波形を発生させるように構成された信号発生器をさらに含むことができ、信号発生器は、電極の第1のセットに対して結合され、電極の第1のセットに対してパルス波形を繰り返し送達するように構成される。システムは、電極の第2のセットに対して電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成された、保護デバイスをさらに含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極の第1のセットと、
患者の生体構造と接触して配置された電極の第2のセットと、
パルス波形を発生させるように構成された信号発生器であって、前記信号発生器は、電極の前記第1のセットに対して結合され、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を繰り返し送達するように構成され、電極の前記第1のセットは、前記心臓組織をアブレーションするために、前記パルス波形の前記送達に応答して、パルス電界を発生させるように構成される、信号発生器と、
前記電極の前記第2のセットに対して電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成された保護デバイスと、
前記保護デバイスに対して結合され、電極の前記第1のセットに対する前記パルス波形の各送達の前に開始し、後に終了する、時間の間隔の間、電極の前記第2のセットから前記電子デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成された制御要素と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記制御要素は、制御信号によってアクティブ化されるように構成された回路、またはプロセッサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電子デバイスは、ペーシング信号を発生させるように構成された心臓刺激デバイスであり、前記心臓刺激デバイスは、心周期のセットのタイミングを制御するために、電極の前記第2のセットを介して、前記心臓に対して前記ペーシング信号を送達するように構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御要素は、
前記心臓刺激デバイスからトリガ信号を受け取る工程であって、各トリガ信号は、ペーシング信号が前記心臓に対して送達されたときを示し、前記制御要素は、各トリガ信号を受け取ったことに応答して、電極の前記第2のセットから前記心臓刺激デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成される、工程と、
前記心臓刺激デバイスが、前記心臓に対して後続のペーシング信号を送達することができるように、電極の前記第1のセットに対する前記パルス波形の各送達の後に、電極の前記第2のセットに対して前記心臓刺激デバイスを結合する工程と
を行うようにさらに構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記信号発生器は、前記心臓に対する各ペーシング信号の前記送達から時間遅延だけ間隔を空けて、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を送達するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記時間遅延は、第1の時間遅延であり、前記制御要素は、各ペーシング信号の前記送達から第2の時間遅延だけ後に、電極の前記第2のセットから前記心臓刺激デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成され、前記第2の時間遅延は、前記心臓刺激デバイスが、前記パルス波形の各送達の前に、電極の前記第2のセットから結合解除されるように、前記第1の時間遅延より小さい、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記電子デバイスは、
心臓電気活動のマップを生成させるように構成された電気解剖学的マッピング・システム、
心腔の解剖学的マップを生成させるように構成されたデバイス・トラッキングおよびナビゲーション・システム、または
心臓電気活動をモニタリングするように構成された心電図(ECG)システム
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
心周期のセットのうちの各心周期と関連付けられたR波を検出するように構成されたセンシング・デバイスをさらに備え、
前記信号発生器は、心周期の前記セットのうちの各心周期の間における、その心周期の前記R波の検出後、前記パルス波形を送達するように構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項9】
前記信号発生器は、心周期の前記セットのうちの各心周期の前記R波から時間遅延だけ間隔を空けて、前記パルス波形を送達するように構成され、前記時間遅延は、前記パルス波形の送達前に、前記電子デバイスが、電極の前記第2のセットから結合解除されることを可能にする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御要素は、
前記センシング・デバイスからトリガ信号を受け取る工程であって、各トリガ信号は、R波が検出されたときを示し、前記制御要素は、各トリガ信号を受け取ったことに応答して、電極の前記第2のセットから前記電子デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成される、工程と、
前記パルス波形の各送達の後に、電極の前記第2のセットに対して前記電子デバイスを結合する工程と
を行うようにさらに構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記保護デバイスは、前記信号発生器に統合される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項12】
前記制御要素は、電極の前記第1のセットに対する前記パルス波形の前記送達を、電極の前記第2のセットからの前記電子デバイスの前記結合解除と調整するようにさらに構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記保護デバイスは、前記電子デバイスが電極の前記第2のセットに対して結合された導電状態と、前記電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成された、スイッチ・コンポーネントを含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項14】
前記スイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記スイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、前記保護デバイスは、前記保護デバイスが電源オフのときに導電状態にあり、前記保護デバイスが電源オンのときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに含み、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記保護デバイスが、電源オフのときに、前記電子デバイスが、電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
前記保護デバイスは、コモン・モード・チョーク、差動モード・チョーク、またはフィルタ回路のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項13乃至15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記保護デバイスは、少なくとも、(i)1つもしくは複数のコンデンサ、または(ii)前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングを行う前記スイッチ・コンポーネントと関連付けられたエネルギーを吸収するように構成された、スイッチイン抵抗器をさらに含む、請求項13乃至16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記保護デバイスは、電極の複数の第2のセットに対して複数の電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成され、前記複数の電子デバイスは、前記電子デバイスを含み、電極の前記複数の第2のセットは、電極の前記第2のセットを含む、請求項1乃至17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極の第1のセットと、
電極の前記第1のセットに対して結合され、パルス波形を発生させるように構成された信号発生器と、
前記信号発生器に対して結合されたスイッチ・コンポーネントであって、前記スイッチ・コンポーネントは、電子デバイスが電極の第2のセットに対して結合された導電状態と、電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成され、電極の前記第2のセットは、電極の前記第1のセットの近くに配置可能である、スイッチ・コンポーネントと、
前記信号発生器および前記スイッチ・コンポーネントに対して結合された制御要素であって、プロセッサが、
トリガ信号を受け取る工程であって、各トリガ信号は、前記心臓の心周期と関連付けられる、工程と、
各トリガ信号を受け取ったことに応答して、
前記電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除されるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定する工程と、
電極の前記第1のセットがパルス電界を発生させるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定した後、前記信号発生器を介して、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を送達する工程と、
前記電子デバイスが電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記パルス波形を送達した後、前記スイッチ・コンポーネントを前記導電状態に設定する工程と
を行うように構成される、制御要素と
を備える装置。
【請求項20】
前記制御要素は、制御信号によってアクティブ化されるように構成された回路、またはプロセッサのうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記制御要素は、ペーシング信号を発生させるように構成された心臓刺激デバイスから、前記トリガ信号を受け取るように構成され、各トリガ信号は、前記心臓に対するペーシング信号の送達を示す、請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
前記制御要素は、前記心臓の前記心周期と関連付けられたR波を検出するように構成されたセンシング・デバイスから、前記トリガ信号を受け取るように構成され、各トリガ信号は、前記センシング・デバイスによって前記R波が検出されたことを示す、請求項19または20に記載の装置。
【請求項23】
前記スイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、請求項19乃至22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記スイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、前記装置は、電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに導電状態にあり、電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されているときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに備え、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、電力が、前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに、前記電子デバイスが、電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、請求項19乃至23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極の第1のセットと、
電極の前記第1のセットに対して結合され、パルス波形を発生させるように構成された信号発生器と、
前記信号発生器に対して結合されたスイッチ・コンポーネントであって、前記スイッチ・コンポーネントは、電子デバイスが電極の第2のセットに対して結合された導電状態と、電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成され、電極の前記第2のセットは、電極の前記第1のセットの近くに配置可能である、スイッチ・コンポーネントと、
前記信号発生器および前記スイッチ・コンポーネントに対して結合された制御要素であって、プロセッサが、
心周期のセットの間に、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を送達することを決定する工程と、
心周期の前記セットのうちの各心周期について、
前記電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除されるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定する工程と、
電極の前記第1のセットがパルス電界を発生させるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定した後、前記信号発生器を介して、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を送達する工程と、
前記電子デバイスが電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記パルス波形を送達した後、前記スイッチ・コンポーネントを前記導電状態に設定する工程と
を行うように構成される、制御要素と
を備える装置。
【請求項26】
前記スイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記スイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、前記装置は、電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに導電状態にあり、前記電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されているときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに備え、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記電力が、前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに、前記電子デバイスが、電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、請求項25または26に記載の装置。
【請求項28】
心臓の心臓組織に近接して電極の第1のセットを設置する工程と、
電子デバイスに対して接続された電極の第2のセットを、患者の生体構造と接触して配置されるように、位置付ける工程と、
電極の前記第2のセットが、前記電子デバイスから結合解除されるように、前記電子デバイスに対して選択的に結合可能なスイッチ・コンポーネントを、非導電状態にあるように設定する工程と、
電極の前記第1のセットが、前記心臓組織をアブレーションするためのパルス電界を発生させるように、前記スイッチ・コンポーネントを、前記非導電状態にあるように設定した後、電極の前記第1のセットに対してパルス波形を送達する工程と、
電極の前記第2のセットが、前記電子デバイスに対して結合されるように、前記パルス波形を送達した後、前記スイッチ・コンポーネントを、導電状態にあるように設定する工程と
を備える方法。
【請求項29】
前記電子デバイスは、
電気解剖学的マッピング・システム
デバイス・ナビゲーションおよびトラッキング・システム、または
ECGモニタリング・システム
のうちの少なくとも1つを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記電子デバイスは、ペーシング信号を発生させるように構成された心臓刺激デバイスであり、前記方法は、
患者の生体構造と接触して配置された電極の前記第2のセットによって、前記心臓に対してペーシング信号を送達する工程と、
前記スイッチ・コンポーネントが、各ペーシング信号の送達後に、前記非導電状態に設定される工程と
をさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極のセットと、
患者の生体構造の近くに配置可能なセンサのセットと、
パルス波形を発生させるように構成された信号発生器であって、前記信号発生器は、電極の前記セットに対して結合され、電極の前記セットに対して前記パルス波形を繰り返し送達するように構成され、電極の前記セットは、前記心臓組織をアブレーションするために、前記パルス波形の前記送達に応答して、パルス電界を発生させるように構成される、信号発生器と、
前記センサの前記セットに対して電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成された保護回路と、
前記保護回路に結合され、閉回路構成と開回路構成との間での移行を行うために、前記保護回路を制御するように構成されたプロセッサであって、前記閉回路構成にある前記保護回路は、センサの前記セットと前記電子デバイスとの間で、信号が送られることを可能にするために、センサの前記セットに対して前記電子デバイスを結合するように構成され、前記開回路構成にある前記保護回路は、前記電子デバイスがセンサの前記セットから電気的に絶縁されるように、センサの前記セットから前記電子デバイスを結合解除するように構成され、前記プロセッサは、前記電子デバイスが、電極の前記セットに対する前記パルス波形の前記送達に応答して誘発される、電圧および電流から絶縁されるように、電極の前記セットに対する前記パルス波形の各送達の前に開始し、後に終了する、時間の間隔の間、前記開回路構成に移行するために、保護デバイスを制御するように構成される、プロセッサと
を備えるシステム。
【請求項32】
前記プロセッサは、制御信号によってアクティブ化されるように構成された回路、またはプロセッサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記電子デバイスは、
心臓電気活動のマップを生成させるように構成された電気解剖学的マッピング・システム、
心腔の解剖学的マップを生成させるように構成されたデバイス・トラッキングおよびナビゲーション・システム、または
心臓電気活動をモニタリングするように構成された心電図(ECG)システム
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項34】
心周期のセットのうちの各心周期と関連付けられたR波を検出するように構成された信号検出器をさらに備え、
前記信号発生器は、心周期の前記セットのうちの各心周期の間における、その心周期の前記R波の検出後、前記パルス波形を送達するように構成される、請求項31乃至33のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項35】
前記信号発生器は、心周期の前記セットのうちの各心周期の前記R波から時間遅延だけ間隔を空けて、前記パルス波形を送達するように構成され、前記時間遅延は、前記パルス波形の送達前に、前記電子デバイスが、センサの前記セットから結合解除されることを可能にする、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記プロセッサは
前記信号検出器からトリガ信号を受け取る工程であって、各トリガ信号は、前記R波が検出されたときを示す、工程
を行うようにさらに構成され、
前記プロセッサは、各トリガ信号を受け取ったことに応答して、前記開回路構成に移行するために、前記保護回路を制御するように構成され、
前記プロセッサは、前記パルス波形の各送達の後に、前記閉回路構成に移行するために、前記保護回路を制御するように構成される、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
前記保護回路は、前記信号発生器に統合される、請求項31乃至36のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項38】
前記プロセッサは、電極の前記セットに対する前記パルス波形の前記送達を、前記開回路構成への前記保護回路の前記移行と調整するようにさらに構成される、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記保護回路は、前記電子デバイスがセンサの前記セットに対して結合された導電状態と、前記電子デバイスがセンサの前記セットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成された、少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントを含む、請求項31乃至37のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項40】
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、前記保護回路は、前記保護回路が電源オフのときに導電状態にあり、前記保護回路が電源オンのときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに含み、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記保護回路が、電源オフのときに、前記電子デバイスが、センサの前記セットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、請求項39または40に記載のシステム。
【請求項42】
前記保護回路は、コモン・モード・チョーク、差動モード・チョーク、またはフィルタ回路のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項39乃至41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
前記保護回路は、少なくとも、(i)1つもしくは複数のコンデンサ、または(ii)前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングを行う前記スイッチ・コンポーネントと関連付けられたエネルギーを吸収するように構成された、スイッチイン抵抗器をさらに含む、請求項39乃至42のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項44】
前記保護回路は、センサの複数のセットに対して複数の電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成され、前記複数の電子デバイスは、前記電子デバイスを含み、センサの前記複数のセットは、センサの前記セットを含む、請求項31乃至43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記保護デバイスは、前記電子デバイスと、センサの前記セットとの間に結合される、請求項31乃至36のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記電子デバイスは、前記心臓に対してペーシング信号を送達するように構成された、心臓刺激デバイスである、請求項31または32に記載のシステム。
【請求項47】
センサの前記セットのうちの少なくとも1つは、電極である、請求項31または32に記載のシステム。
【請求項48】
センサの前記セットのうちの少なくとも1つは、電磁トラッキングセンサである、請求項31または32に記載のシステム。
【請求項49】
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、リレースイッチである、請求項31乃至48のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項50】
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極のセットと、
電極の前記セットに対して結合され、パルス波形を発生させるように構成された信号発生器と、
患者の生体構造の近くに配置可能なセンサのセットと、
電子デバイスとセンサの前記セットとの間に結合された少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントであって、前記スイッチ・コンポーネントは、前記電子デバイスがセンサの前記セットに対して結合された導電状態と、前記電子デバイスがセンサの前記セットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成される、少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントと、
前記信号発生器および前記スイッチ・コンポーネントに対して結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記信号発生器からトリガ信号を受け取る工程と、
各トリガ信号を受け取ったことに応答して、
前記電子デバイスがセンサの前記セットから結合解除されるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定する工程と、
電極の前記セットがパルス電界を発生させるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定した後、前記信号発生器を介して、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達する工程と、
前記電子デバイスがセンサの前記セットに対して結合され、センサの前記セットに対して信号を送り、またはセンサの前記セットから信号を受け取ることができるように、前記パルス波形を送達した後、前記スイッチ・コンポーネントを前記導電状態に設定する工程と
を行うように構成される、プロセッサと
を備えるシステム。
【請求項51】
前記プロセッサは、ペーシング信号を発生させるように構成された心臓刺激デバイスから、前記トリガ信号を受け取るように構成され、各トリガ信号は、前記心臓に対するペーシング信号の送達を示す、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記プロセッサは、前記心臓の心周期と関連付けられたR波を検出するように構成された信号検出器から、前記トリガ信号を受け取るように構成され、各トリガ信号は、前記信号検出器によって前記R波が検出されたことを示す、請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、請求項50乃至52のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項54】
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、装置は、電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに導電状態にあり、前記電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されているときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに備え、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記電力が、前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに、前記電子デバイスが、センサの前記セットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、請求項50乃至53のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項55】
前記非導電状態にある前記スイッチ・コンポーネントは、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達したことに応答して、センサの前記セットにおいて誘発された電圧および電流から前記電子デバイスを保護するために、センサの前記セットから前記電子デバイスを絶縁する、請求項50乃至54のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項56】
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、リレースイッチである、請求項50乃至55のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項57】
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極のセットと、
電極の前記セットに対して結合され、パルス波形を発生させるように構成された信号発生器と、
患者の生体構造の近くに配置可能なセンサのセットと、
電子デバイスとセンサの前記セットとの間に結合された少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントであって、前記スイッチ・コンポーネントは、前記電子デバイスがセンサの前記セットに対して結合された導電状態と、前記電子デバイスがセンサの前記セットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成される、少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントと、
前記信号発生器および前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントに対して結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、
心周期のセットの間に、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達することを決定する工程と、
心周期の前記セットのうちの各心周期について、
前記電子デバイスがセンサの前記セットから結合解除されるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定する工程と、
電極の前記セットがパルス電界を発生させるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定した後、前記信号発生器を介して、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達する工程と、
前記電子デバイスがセンサの前記セットに対して結合され、センサの前記セットに対して信号を送り、またはセンサの前記セットから信号を受け取ることができるように、前記パルス波形を送達した後、前記スイッチ・コンポーネントを前記導電状態に設定する工程と
を行うように構成される、プロセッサと
を備えるシステム。
【請求項58】
前記スイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記スイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、装置は、電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに導電状態にあり、前記電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されているときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに備え、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記電力が、前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに、前記電子デバイスが、センサの前記セットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、請求項57または58に記載のシステム。
【請求項60】
前記非導電状態にある前記スイッチ・コンポーネントは、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達したことに応答して、センサの前記セットにおいて誘発された電圧および電流から前記電子デバイスを保護するために、センサの前記セットから前記電子デバイスを絶縁する、請求項57乃至59のいずれか1項に記載の装置。
【請求項61】
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極のセットと、
患者の生体構造の近くに配置可能なセンサのセットと、
パルス波形を発生させるように構成された信号発生器であって、前記信号発生器は、電極の前記セットに対して結合され、電極の前記セットに対して前記パルス波形を繰り返し送達するように構成され、電極の前記セットは、前記心臓組織をアブレーションするために、前記パルス波形の前記送達に応答して、パルス電界を発生させるように構成される、信号発生器と、
前記センサの前記セットに対して電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成された保護デバイスと、
前記保護デバイスに対して結合され、選択的に、センサの前記セットに対して前記電子デバイスを結合し、センサの前記セットから前記電子デバイスを結合解除するように前記保護デバイスを制御し、また
選択的に、前記電子デバイスに対する入力のセットを、共通ノードに対して結合し、共通ノードから結合解除すること、または
選択的に、前記共通ノードを、グランドに対して結合し、グランドから結合解除すること
のうちの少なくとも1つを行うように構成された制御要素と
を備えるシステム。
【請求項62】
前記制御要素は、センサの前記セットからの前記電子デバイスの結合解除、および電極の前記セットに対する前記パルス波形の前記送達の前に、前記共通ノードに対して入力の前記セットを結合する工程と、前記グランドに対して前記共通ノードを結合する工程とを、同時に行うように構成される、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記制御要素は、電極の前記セットに対する前記パルス波形の各送達の前に開始し、後に終了する、時間の間隔の間、センサの前記セットから前記電子デバイスを結合解除するように構成される、請求項61または62に記載のシステム。
【請求項64】
前記制御要素は、前記グランドに対して前記共通ノードを結合し、センサの前記セットから前記電子デバイスを結合解除し、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達する前に、前記共通ノードに対して入力の前記セットを結合するように構成される、請求項61に記載のシステム。
【請求項65】
前記制御要素は、前記センサのセットを、前記電子デバイスに対して結合する工程、および前記電子デバイスから結合解除する工程と、前記共通ノードを、前記グランドに対して結合する工程、および前記グランドから結合解除する工程とを、実質的に同時に行うように構成される、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記制御要素は、前記共通ノードが、前記グランドから結合解除されている間、センサの前記セットから前記電子デバイスを結合解除し、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達する前に、前記共通ノードに対して入力の前記セットを結合するよう構成される、請求項61に記載のシステム。
【請求項67】
前記信号発生器と前記グランドとの間に結合された第1のインダクタンス・フィルタ、または前記保護デバイスと前記グランドとの間に結合された第2のインダクタンス・フィルタのうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項61乃至66のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願明細書において説明される実施形態は、一般に、治療用電気エネルギー送達のための医療デバイスに関し、より詳細には、パルス電界アブレーション処置中に、電子コンポーネント(例えば、敏感な機器または回路)を保護するためのシステム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不可逆的エレクトロポレーションの生物物理学的メカニズムによって、アブレーションされた組織の局所領域を発生させるための、組織に対する短時間の超短高電圧パルスの適用が、組織内に高電界を発生させ得る。心臓に対する適用を含む、適用においては、高電圧パルスは、被験者の心周期と同期して、適用され得る。例えば、高電圧パルスは、心周期の特定の期間(例えば、心腔の不応周期)の間に、適用されることができ、それによって、心室細動などの誘発性不整脈のリスクを回避する。いくつかの適用においては、心周期とのパルス・フィールド・アブレーション・パルスの同期性を保証するために、明確に定義された時間期間を有する、周期的ペーシング信号の規則的なサイクルで、心腔をペーシングまたは刺激して、心臓の心電図(ECG)活動の周期性を確立するように、心臓刺激器が、使用されることができる。被験者の心周期をモニタリングし、または被験者の心臓活動を詳述するために、他のデバイス、例えば、センシングおよび/またはマッピング・システム、モニタリング機器またはデバイスも、使用されることができる。心臓刺激器は、処置の少なくとも一部の間、心腔における周期的および規則的な電気活動を維持するために、ペーシング機能が必要とされる、臨床処置においても使用され得る。心臓刺激器と、これらの他のデバイスは、心臓に対して信号を送達し、もしくは心臓から信号を受け取るために、1つまたは複数の心腔内に適切に位置付けられることができる、心臓内デバイス(例えば、カテーテル)、または患者表面ECG記録を記録するための、外部表面パッチまたは表面リード線を使用することができる。しかしながら、これらのデバイスが、パルス電界アブレーション処置中に、使用されるとき、それらは、高電圧に曝露されるようになることがあり得る。そのような曝露は、心臓カテーテルの電極またはリード線において誘発される、大きく一般に不平衡な電流、および/または接地に対する大きいコモン・モード電圧をもたらすことがあり得る。大きい不平衡電流および/または電圧は、周波数の帯域にまたがり、心臓刺激器および/またはこれらの他のデバイスの動作を混乱させ、したがって、ペーシング、センシング、マッピング、磁気センサ動作、および/またはパルス・フィールド・アブレーション機能を中断させ得る。この混乱は、電圧および電流に対するハードウェア応答に起因し、または安全上の理由で異常な信号について患者を能動的にモニタリングする機器に起因し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、この問題に対処するためのシステム、装置、および方法を有することは、望ましいことであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願明細書においては、パルス電界アブレーション処置中に、誘発された電流および高電圧の曝露から、電子コンポーネント(例えば、回路、デバイス、および/または他のコンポーネント)を保護するためのシステム、デバイス、および方法が、説明される。
【0005】
いくつかの実施形態においては、これらのシステムにおいて使用されるアブレーション・デバイスは、心臓に対する適用において、心外膜または心内膜に配備され得る。アブレーション・デバイスによって送達されるパルス波形は、事前決定されたパラメータを含み得、または信号発生器によって、自動的に発生させられ得る。
【0006】
いくつかの実施形態においては、システムは、電極の第1のセットと、電極の第2のセットとを含むことができる。一般に、電極の第2のセットは、心臓の心臓組織の近くに配置されることができ、またはそれらは、表面パッチの一部、もしくは同様の外部記録もしくはモニタリング・デバイスの一部であることができる。信号発生器は、パルス波形を発生させるように構成され得る。信号発生器は、電極の第1のセットに対して結合され得、いくつかの実施形態においては、心臓の心周期のセットと同期して、電極の第1のセットに対してパルス波形を繰り返し送達するように構成されることができる。他の実施形態においては、信号発生器は、心周期との同期が確立されることなく、電極の第1のセットに対してパルス波形を繰り返し送達するように構成されることができる。この後者のケースにおいて、他の電子コンポーネント(例えば、(一般にペーシング機能のために使用される)心臓刺激器、マッピング・システム、磁気トラッキング機器、イメージング機器などの、検査室機器)を保護することは、依然として有益なことがあり得る。電極の第1のセットは、心臓組織をアブレーションするために、パルス波形の送達に応答して、パルス電界を発生させるように構成され得る。保護デバイスは、電極の第2のセットに対して電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成され得る。制御要素(例えば、プロセッサ、スイッチ、制御信号)は、保護デバイスに対して結合され、電極の第1のセットに対するパルス波形の各送達の前に開始し、後に終了する、時間の間隔の間、電極の第2のセットから電子デバイスを結合解除するために、保護デバイスを制御するように構成され得る。
【0007】
いくつかの実施形態においては、装置は、心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極の第1のセットを含み得る。信号発生器は、電極の第1のセットに対して結合され、パルス波形を発生させるように構成され得る。スイッチ・コンポーネントは、信号発生器に対して結合され得る。スイッチ・コンポーネントは、電子デバイスが電極の第2のセットに対して結合された導電状態と、電子デバイスが電極の第2のセットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成され得る。電極の第2のセットは、電極の第1のセットの近くに、もしくは一般に、心腔もしくは生体腔内に配置され得、またはそれは、被験者の外表面上または外表面近くに配置され得る。プロセッサは、スイッチ・コンポーネントに対して結合され得る。プロセッサは、トリガ信号を受け取るように構成され得、各トリガ信号は、心臓の心周期と、または信号発生器からのアブレーション出力と関連付けられる。各トリガ信号を受け取ったのに応答して、プロセッサは、電子デバイスが、電極の第2のセットから結合解除されるように、スイッチ・コンポーネントを非導電状態に設定するように構成され得る。プロセッサは、電極の第1のセットが、パルス電界を発生させるように、信号発生器から、スイッチ・コンポーネントを非導電状態に設定した後、電極の第1のセットに対してパルス波形を送達するように構成され得る。プロセッサは、電子デバイスが、電極の第2のセットに対して結合されるように、パルス波形を送達した後、スイッチ・コンポーネントを導電状態に設定するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、スイッチ・コンポーネントに対して結合された制御信号は、上で説明された機能を実行するために、スイッチの状態を設定することができる。
【0008】
いくつかの実施形態においては、方法は、心臓の心臓組織の近くに位置付けられた電極の第2のセットによって、心臓に対してペーシング信号を送達するステップを含み得る。心臓に対する各ペーシング信号の送達後、電極の第2のセットが、電子デバイスから結合解除されるように、電子デバイスに対して選択的に結合することができるスイッチ・コンポーネントは、非導電状態になるように設定され得る。スイッチ・コンポーネントを非導電状態になるように設定した後、電極の第1のセットが、心臓組織をアブレーションするためのパルス電界を発生させるように、パルス波形が、心臓の心臓組織の近くに位置付けられた電極の第1のセットに送達され得る。パルス波形を送達した後、電極の第2のセットが、電子デバイスに対して結合されるように、スイッチ・コンポーネントは、導電状態になるように設定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態による、心臓内に配置された信号発生器および心臓刺激器のコンポーネントの概略図。
図2】実施形態による、心臓刺激器の保護のための受動フィルタリングを用いる、心臓内に配置された信号発生器および心臓刺激器のコンポーネントの概略図。
図3A】実施形態による、高電圧信号から電子コンポーネントを保護するためのシステムの概略図。
図3B】心臓刺激器、ECG記録システム、ECGまたは他の患者データ・モニタリング・システム、電気解剖学的マッピング・システム(electroanatomical mapping system)、デバイス・ナビゲーション/トラッキング・システム、他のモニタリング・システムおよびデバイス、ならびにそれらの組み合わせなどを含むが、それらに限定されない、様々な医療機器に対して接続され得る、外部および/または内部に配置された電極を含む、実施形態による、高電圧信号から電子コンポーネントを保護するためのシステムの概略図。
図4】実施形態による、医療電子機器の保護のための保護デバイスを伴った、心臓/心臓の生体構造内または患者表面上に配置された電極に対して接続された、信号発生器および1つまたは複数の医療電子機器のコンポーネントの概略図。
図5】実施形態による、高電圧信号から電子コンポーネントを保護するための保護デバイスの回路図。
図6A】実施形態による、高電圧信号から電子コンポーネントを保護するための方法を図示する図。
図6B】実施形態による、アブレーションの非同期送達のための高電圧信号から電子コンポーネントを保護するための方法を図示する図。
図7A】実施形態による、心臓ペーシング信号、エネルギー送達、およびデバイス絶縁の時間シーケンスを図示する図。
図7B】実施形態による、心臓ペーシング信号、心臓活動、エネルギー送達、およびデバイス絶縁の時間シーケンスを図示する図。
図8】実施形態による、高電圧信号から電気コンポーネントを保護するためのシステムの概略図。
図9】実施形態による、心臓ペーシング信号、心臓活動、エネルギー送達、およびデバイス絶縁の時間シーケンスを図示する図。
図10A】実施形態による、保護デバイスおよび高電圧発生器の代替的な配置のブロック図。
図10B】実施形態による、保護デバイスおよび高電圧発生器の代替的な配置のブロック図。
図10C】実施形態による、保護デバイスおよび高電圧発生器の代替的な配置のブロック図。
図10D】実施形態による、保護デバイスおよび高電圧発生器の代替的な配置のブロック図。
図10E】実施形態による、保護デバイスおよび高電圧発生器の代替的な配置のブロック図。
図11】実施形態による、高電圧曝露エリアにおいて動作する電子コンポーネント間の接続を制御するための保護デバイスの概略図。
図12】実施形態による、高電圧信号から電子コンポーネントを保護するためのシステムの概略図。
図13】実施形態による、心臓ペーシング信号、心臓活動、エネルギー送達、およびデバイス絶縁の時間シーケンスを図示する図。
図14】実施形態による、高電圧曝露エリアにおいて動作する電子コンポーネント間の接続を制御するための保護デバイスの概略図。
図15】実施形態による、高電圧曝露エリアにおいて動作する電子コンポーネント間の接続を制御するための保護デバイスの概略図。
図16】実施形態による、高電圧曝露エリアにおいて動作する電子コンポーネント間の接続を制御するための保護デバイスの概略図。
図17A】実施形態による、心臓ペーシング信号、心臓活動、エネルギー送達、およびデバイス絶縁の時間シーケンスを図示する図。
図17B】実施形態による、心臓ペーシング信号、心臓活動、エネルギー送達、およびデバイス絶縁の時間シーケンスを図示する図。
図18】実施形態による、高電圧曝露エリアにおいて動作する電子コンポーネント間の接続を制御するための保護デバイスの概略図。
図19】実施形態による、高電圧信号から電気コンポーネントを保護するためのシステムの概略図。
図20A】実施形態による、信号接続およびエネルギー送達の時間シーケンスを図示する図。
図20B】実施形態による、信号接続およびエネルギー送達の時間シーケンスを図示する図。
図20C】実施形態による、信号接続およびエネルギー送達の時間シーケンスを図示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願明細書においては、パルス電界アブレーション中に誘発された高電力ノイズから、回路を保護するためのシステム、デバイス、および方法が、説明される。パルス電界アブレーションは、不可逆的なエレクトロポレーションを介して、アブレーションされた組織の局所領域を発生させるために、超短高電圧パルスを使用して、望ましい関心領域において大きい電界を発生させる。心臓に対する適用を含む、ある適用においては、心周期と同期して、パルス電界アブレーションのためのパルスを発生させることは、望ましいことであり得る。アブレーション・エネルギー送達を心周期と同期させることは、心房および/または心室細動などの誘発性不整脈のリスクを低減させ得る。パルスの送達を同期させる1つの方法は、事前定義された時間期間を有する周期的なペーシング信号を用いて、1つまたは複数の心腔をペーシングまたは刺激することであることができる。例えば、患者の心臓リズムが、ペーシング・パルスと同期するように、1つまたは複数の心腔に対してペーシング・パルスを送達するために、心臓刺激器が、使用され得る。
【0011】
いくつかの実施形態においては、ペーシング・パルスは、腔内に適切に位置付けられた心臓カテーテルを介して、心腔に対して送達され得る。例えば、図1は、心臓(2)の腔内に適切に位置付けられた心臓カテーテル(30)に対して結合された、心臓刺激器(28)を描いている。カテーテル(30)は、心臓に対してペーシング信号を伝えるために使用される、1つまたは複数の電極(32、34)を有することができる。実施形態においては、カテーテル(30)上の電極のペア(例えば、最遠位電極(32)と、最遠位電極(32)のすぐ近位にある電極(34))は、ペーシング信号を送達するための双極ペアとして、使用されることができ、したがって、ペーシング信号のための順方向電流および戻り電流経路を提供する。心腔は、ペーシング・パルスと同期して、それのECG信号発生(例えば、QRS波形)のタイミングを取ることによって、ペーシング・パルスに応答する(本願明細書においては「ペーシング捕捉」と呼ばれる)。したがって、心臓のECG活動の周期性が、確立されることができる。そのような周期性が、ひとたび確立され、(例えば、様々な記録またはセンシング電極について獲得された、表示されたECG活動から)医師によって確認されると、パルス・フィールド・アブレーション・パルスの送達は、任意の事前決定されたオフセットを含めて、ペーシング・パルスと同期して開始するように、タイミングが取られることができ、送達は、ECG信号のQRS波形に後続する不応ウィンドウ内において、完了されることができる。
【0012】
心臓に対する適用においては、パルス・フィールド・アブレーション・エネルギーは、複数の電極を含むカスタマイズされたアブレーション・カテーテルを通して、送達されることができる。例えば、図1に描かれるように、信号発生器(22)(例えば、パルス・フィールド・アブレーション・パルス発生器)は、心臓(2)内に適切に配置される電極(12)を有する、アブレーション・カテーテル(10)に対して結合されることができる。パルス・フィールド・アブレーション電圧パルスの送達は、(60)によって示されるように、適切なオフセットを伴って、ペーシング信号の送達と同期させることができる。ペーシング・カテーテル(30)は、同じく、心臓環境内に(例えば、心臓(2)の同じ腔または近くの腔内に)置かれることができるので、心臓組織に対して適用される高電圧パルス波形は、ペーシング・カテーテル(30)に対して結合し、ペーシング・カテーテル(30)およびそれに対して結合されたデバイス(例えば、心臓刺激器(28))のうちの1つまたは複数において、電流を誘発し得る。
【0013】
ペーシング・パルスの通常の送達の間、ペーシング・カテーテル(30)の電極(32、34)の順方向電流および戻り電流は、均衡している(例えば、大きさが等しく、方向が逆である)。しかしながら、ペーシング・カテーテル(30)に対する高電圧アブレーション・エネルギーの電気的結合は、ペーシング・カテーテル(30)のリード線において、大きく一般に不平衡な電流、および/またはコモン・モード電圧を誘発し得る。これらの大きい不平衡電流および/または電圧は、周波数の帯域にまたがることができ、ペーシング・システムもしくは心臓刺激器(28)、またはそれらに対して結合された他の電子機器の動作を混乱させることがあり得る。例えば、大きい電圧に対するペーシング・カテーテル(30)の曝露は、心臓刺激器(28)のコモン・モード除去を超過し、システム障害、および/または(アブレーションの同期された送達のためにペーシングしている、もしくは他の医療理由のために心腔をペーシングしていることがあり得る)刺激器のリセットを引き起こし得る。誘発されたノイズと関連付けた高電圧レベルおよび高電流は、ノイズについての大きい電力レベルを暗示し、望まれない効果をもたらすことがあり得る。
【0014】
この高出力誘発ノイズは、抑制することが困難なことがあり得、したがって、パルス電界アブレーション・エネルギー送達適用において、付属デバイスにおける誘発電流を抑制するためのシステム、デバイス、および方法を有することは、望ましいことであり得る。いくつかの実施形態においては、パルス電界アブレーションによって誘発された電流は、その内容が全体として本願明細書に援用される、2018年5月7日に出願された、「パルス電界アブレーションによって誘発された高電圧ノイズをフィルタリングするためのシステム、装置、および方法(SYSTEMS, APPARATUSES, AND METHODS FOR FILTERING HIGH VOLTAGE NOISE INDUCED BY PULSED ELECTRIC FIELD ABLATION)」と題する、米国出願第62/667,887号において説明されているように、受動フィルタリング・システム、デバイス、および方法の実施を通して、抑制されることができる。図2は、受動フィルタリングを含む、システムの例を描いている。心臓刺激器(28’)は、複数の電極(32’、34’)を含む、ペーシング・カテーテル(30’)に対して結合されることができる。信号発生器(22’)は、複数の電極(12’)を含む、アブレーション・カテーテル(10’)に対して結合されることができる。ペーシング・カテーテル(30’)の電極(32’、34’)は、アブレーション・カテーテル(10’)の電極(12’)とともに、心臓(2’)内に配置されることができる。フィルタ要素(50’)は、心臓刺激器(28’)と、ペーシング・カテーテル(30’)との間に結合されることができる。フィルタ要素(50’)は、ペーシング・カテーテル(30’)からの信号を、それらの信号が心臓刺激器(28’)において受け取られる前に、受動的にフィルタリングすることができ、それによって、いくらかの誘発電流を抑制する。例えば、Aにおいては、長いワイヤが、高電圧をピックアップすることができるが、受動フィルタリングの後のBにおいては、残存電圧および電流が、心臓刺激器(28’)に渡ることができる。
【0015】
しかしながら、いくつかの事例においては、大きい振幅を有する結合されたノイズ(例えば、大きい電圧スパイク)は、受動フィルタリング技法を使用して、除去することが困難なことがあり得、したがって、心臓刺激器を含む機器の故障および/またはリセットが、依然として生起することがあり得る。市販の刺激器は、保護の1つのレベルが、刺激器の1つのタイプには十分であるが、刺激器の第2のタイプには不十分であり得るような、異なる設計パラメータも含むことができる。
【0016】
本願明細書において開示されるシステム、デバイス、および方法は、信号経路の能動的に駆動される素早いスイッチングを使用して、パルス電界アブレーション適用において、敏感な電子機器および補助デバイスに対する保護を提供する。いくつかの実施形態においては、アブレーション・システムの他の電子コンポーネントから、ペーシング・デバイスを能動的および選択的に電気的に絶縁するために、保護デバイスが、ペーシング・デバイスに対して結合され得る。特に、ペーシング・デバイスは、組織に対するパルス波形の送達に対応する、事前決定された時間期間の間、システムから電気的に絶縁され得る。高電圧エネルギー送達の期間の間に、ペーシング・デバイスの動作を可能にするために、電気的接続が、再確立され得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイスは、アブレーション・システムとペーシング・デバイスとの間に結合された、高速スイッチを含み得る。その結果、心臓刺激器などの、システムのコンポーネントは、アブレーション・デバイスによって適用された高電圧パルス波形によって、ペーシング・デバイスにおいて誘発され得る、電流から保護され得る。加えて、または代替として、保護デバイスは、さらに、受動的な回路保護を提供し得る。
【0017】
いくつかの実施形態においては、敏感な回路、または補助機器の一部(例えば、心臓刺激器、電気解剖学的マッピング・システム、ECG記録もしくはモニタリング・システムなど)は、そのような回路または機器を電気的に絶縁させることによって、被験者に存在する高電圧パルス・フィールド・アブレーション信号から、保護されることができる。電気的絶縁は、回路または機器と被験者との間の導線を切断することによって手動で実施されることができるが、手動手法は、ある事例においては、可能でないことがある。例えば、繰り返される機能を果たす、あるタイプの機器、例えば、パルス・フィールド・アブレーション処置中に、被験者の心臓の継続的なペーシングを提供することが意図された、心臓刺激器については、機器と被験者との間の物理的接続は、損なわれないままであることが必要である。これらの事例においては、電子コンポーネントを使用して、物理的切断を達成することが、望ましいことであり得る。例えば、その間は高電圧が存在する、ある時間間隔にわたって、被験者と保護される補助機器との間に、双方向開回路絶縁を提供し、他の時間間隔の間は、そうではなく、機器の意図された機能を可能にするように、接続を再確立するために、電子コンポーネントが、使用されることができる。
【0018】
本願明細書において使用される場合、「エレクトロポレーション」という用語は、細胞外環境に対する細胞膜の浸透性を変化させるための、細胞膜への電界の適用を指す。本願明細書において使用される場合、「可逆的エレクトロポレーション」という用語は、細胞外環境に対する細胞膜の浸透性を一時的に変化させるための、細胞膜への電界の適用を指す。例えば、可逆的エレクトロポレーションを受けている細胞は、それの細胞膜において、電界の排除時には閉じる、1つまたは複数の孔の一時的および/または断続的な形成を観察することができる。本願明細書において使用される場合、「不可逆的エレクトロポレーション」という用語は、細胞外環境に対する細胞膜の浸透性を永続的に変化させるための、細胞膜への電界の適用を指す。例えば、不可逆的エレクトロポレーションを受けている細胞は、それの細胞膜において、電界の排除時にも持続する、1つまたは複数の孔の形成を観察することができる。
【0019】
本願明細書において開示されるような、エレクトロポレーション・エネルギー送達のためのパルス波形は、不可逆的エレクトロポレーションと関連付けられた電界しきい値を低減させることによって、組織に対するエネルギー送達の安全性、効率、および有効性を高め得、したがって、送達される総エネルギーが低減された、より有効なアブレーション病変をもたらす。いくつかの実施形態においては、本願明細書において開示される電圧パルス波形は、階層的であり、入れ子構造を有し得る。例えば、パルス波形は、関連付けられたタイムスケールを有する、パルスの階層的なグループ化を含み得る。いくつかの実施形態においては、本願明細書において開示される方法、システム、およびデバイスは、それらの内容が全体として本願明細書に援用される、2019年7月25日に、「焦点アブレーションのためのシステム、デバイス、および方法(SYSTEMS、DEVICES AND METHODS FOR FOCAL ABLATION)」と題する、国際公開第WO/2019/143960号として公開された、2019年1月18日に出願された、国際出願第PCT/US2019/014226号において説明されている、方法、システム、およびデバイスのうちの1つまたは複数を備え得る。
システムおよびデバイス
本願明細書においては、組織アブレーションとの関連において、誘発電流を抑制するために構成された、システムおよびデバイスが、開示される。一般に、高電圧パルス波形を用いて組織をアブレーションするための、ここで説明されるシステムは、ペーシング・デバイスによって心臓に対して送達される、心臓ペーシング信号を発生させるための心臓刺激器を含み得る。心臓ペーシング信号は、信号発生器によって発生させられたパルス波形の送達を同期させるために、使用され、パルス波形は、1つまたは複数の電極を有するアブレーション・デバイスを使用して、送達される。別の実施形態においては、高電圧パルス波形を用いるアブレーションは、非同期的に(すなわち、心臓刺激と同期することなく)、実行されることができる。これらの実施形態においては、患者の内部もしくは患者の外部に設置される、または患者の表面に取り付けられる、デバイス電極(例えば、針電極、ペーシング・リード線など)を介して、患者に対して接続され得る、心臓刺激器、電気解剖学的マッピング・システム、デバイス・ナビゲーション/トラッキング・システム、ECG記録またはモニタリング・システムなど、他の電子機器も保護することが一般に望ましい。したがって、本開示において説明されるシステム、方法、および実施は、非同期アブレーション送達に対して適用される。さらに、本願明細書において説明されるように、システムおよびデバイスは、心房細動を治すために、心外膜および/または心内膜に配備され得る。電圧は、電極の選択されたサブセットに対して適用され得、陽極および陰極電極の選択について、独立したサブセット選択が、用いられる。
【0020】
図3Aは、統合された保護要素(1750)を含む、例となるシステム(1700)を図示している。保護要素(1750)は、電気コンポーネント(1730)と、標的エリア(TA)(例えば、患者の心臓)との間に、位置することができる。保護要素(1750)は、パルス電界アブレーション処置の患者側における、予想される曝露電圧に対応する、電圧定格を有するように構成されることができ、それは、数千ボルトであることができる。保護要素(1750)は、制御信号に基づいて、開回路構成に移行し、閉回路構成に戻るように構成された、絶縁コンポーネントとして機能することができる。保護要素(1750)は、保護要素(1750)が、高電圧曝露の持続時間にわたって、ある電気コンポーネント(1730)(例えば、モニタリング機器またはデバイス、心臓刺激器など)を電気的に絶縁するが、それ以外は、標的エリア(TA)に対してそれらの電気コンポーネントを接続することができるように、開回路デューティ・サイクルを低減させるために、迅速に応答する(例えば、それの開構成と閉構成との間で迅速にスイッチングする)ように構成される。
【0021】
適切な保護要素(1750)の例は、電気機械リレー(例えば、リード・リレー)、ソリッド・ステート・リレー、および/または高電圧金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイスを含む。リード・リレーは、そのようなリレーが、他のタイプの保護デバイスよりも遅く作動し、高電流への曝露中にスイッチングされた場合、損傷/接点溶断を被りやすいので、絶縁コンポーネント実施のためには、あまり適切でない選択肢であり得る。システム(1700)が、リード・リレーとして実施される保護要素(1750)とともに、使用されるとき、システム(1700)の調整およびタイミングは、そのようなリレーのより遅い反応時間を扱うように、調節される必要がある。保護要素(1750)の好ましい実施は、以下の図5を参照してさらに説明されるように、共通のソース端子を有する2つの背中合わせのMOSETを用いる。
【0022】
図3Bは、統合された保護要素(1805)を含む、例となるシステム(1800)を図示している。保護要素(1805)は、電気コンポーネント(1801)と患者の解剖学的構造(1808)との間に、位置することができる。保護要素(1805)は、パルス電界アブレーション処置の患者側における、予想される曝露電圧に対応する、電圧定格を有するように構成されることができ、それは、数千ボルトであることができる。そのような高電圧曝露は、(患者に対して)内部に設置されたデバイス電極もしくはセンサ(1819)、または外部に(患者表面に)設置された/取り付けられた電極もしくはセンサ(1821)を介して、生起することができる。そのような電極またはセンサは、一般に、臨床検査室または処置室において一般に使用することができる、電気解剖学的マッピング・システム、デバイス・ナビゲーション/トラッキング・システム、ECG記録/モニタリング・システム、およびそれらの組み合わせなどを含むが、それらに限定されない、様々な医療電子機器に対して接続することができる。本願明細書において説明される実施形態においては、センサは、専用の電磁センサ、ロケーション・トラッキング・システムによって発生させられた電圧信号を受け取るための電極、ネイティブな心臓電気活動をモニタリングするための電極、およびより一般には、様々なタイプの電気信号をセンシングするためのセンサを含む、汎用センサであることができる。保護要素(1805)は、制御信号(1812)に基づいて、開回路構成に移行し、閉回路構成に戻るように構成された、絶縁コンポーネントとして機能することができる。保護要素(1805)は、保護要素(1805)が、高電圧曝露の持続時間にわたって、上で説明されたものなどの電気コンポーネント(1801)を電気的に隔離するが、それ以外は、患者の生体構造(1808)に対してそれらの電気コンポーネントを接続することができるように、開回路デューティ・サイクルを低減させるために、迅速に応答する(例えば、それの開構成と閉構成との間で迅速にスイッチングする)ように構成される。
【0023】
適切な保護要素(1805)の例は、電気機械リレー(例えば、リード・リレー)、ソリッド・ステート・リレー、および/または高電圧金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイスを含む。リード・リレーは、そのようなリレーが、他のタイプの保護デバイスよりも遅く作動し、高電流への曝露中にスイッチングされた場合、損傷/接点溶断を被りやすいので、絶縁コンポーネント実施のためには、あまり適切でない選択肢であり得る。システム(1800)が、リード・リレーとして実施される保護要素(1805)とともに、使用されるとき、システム(1800)の調整およびタイミングは、そのようなリレーのより遅い反応時間を扱うように、調節される必要がある。いくつかの実施形態においては、保護要素(1805)は、以下の図5を参照してさらに説明されるように、共通のソース端子を有する2つの背中合わせのMOSFETを含むことができる。
【0024】
図4は、患者(200)の心臓(202)内に配置された、エレクトロポレーション・システムの概略図である。エレクトロポレーション・システムは、アブレーション・デバイス(210)と、信号発生器(222)と、電気コンポーネント(例えば、医療電子機器またはデバイス)(228)と、カテーテル・デバイス(230)と、保護デバイス(例えば、保護回路)(250)とを含み得る。いくつかの実施形態においては、電気コンポーネント(228)は、心臓ペーシング・システムとして、実施され得る。信号発生器(222)は、アブレーション・デバイス(210)に対して結合され、心臓ペーシング・システムによって発生させられた、ペーシング/同期化信号(260)を受け取るように構成され得る。信号発生器(222)は、アブレーション・デバイス(210)の電極(212)によって組織に対して送達される、アブレーション・パルス波形を発生させるように構成され得る。いくつかの実施形態においては、ペーシング・デバイス(230)として実施される、カテーテル・デバイス(230)は、それぞれのペーシング電極(232)および信号電極(234)を使用して、心臓をペーシングし、心臓活動を測定するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、電気コンポーネント(228)は、患者の生理学的データを測定するための1つまたは複数のセンサ(例えば、電極)(232、234、271)に対して結合されることができる、モニタリング機器またはデバイスとして、実施されることができる。いくつかの実施形態においては、センサ(例えば、電極(271))は、外部的に患者表面に設置され得る。保護デバイス(250)は、電気コンポーネント(228)と、カテーテル・デバイス(230)の電極(232、234)、または電極(271)との間に結合され得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(250)は、ペーシング・デバイス(230)の電気的絶縁を、アブレーション・デバイス(210)によるアブレーション・エネルギーの送達と同期させるように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態においては、アブレーション・デバイス(210)の遠位部分は、例えば、経中隔穿刺によって、心房中隔を通して、心臓(202)の心内膜空間(例えば、左心房)に対して導入され得る。アブレーション・デバイス(210)の遠位部分は、アブレーション・エネルギー(例えば、パルス電界エネルギー)を組織に対して送達するように構成された、電極のセット(212)を含み得る。例えば、アブレーション・デバイス(210)は、組織をアブレーションするためのパルス波形の送達のために、管腔の内径面(例えば、1つまたは複数の肺静脈口)(示されず)の近くに、位置付けられ得る。いくつかの実施形態においては、アブレーション・デバイス(216)の電極(212)は、独立してアドレス指定可能な電極のセットであり得る。各電極は、それの対応する絶縁体の誘電破壊なしに、少なくとも約700Vの電位を維持するように構成された、絶縁された電気リード線を含み得る。いくつかの実施形態においては、電気リード線の各々における絶縁体は、誘電破壊なしに、それの厚さにわたって、約200Vから約3000Vの電位差を維持し得る。いくつかの実施形態においては、電極のセットは、複数の電極を含み得る。複数の電極は、例えば、1つの陽極と1つの陰極とを含むサブセット、2つの陽極と2つの陰極とを含むサブセット、2つの陽極と1つの陰極とを含むサブセット、1つの陽極と2つの陰極とを含むサブセット、3つの陽極と1つの陰極とを含むサブセット、および/または3つの陽極と2つの陰極とを含むサブセットなど、1つまたは複数の陽極-陰極サブセットにグループ化され得る。
【0026】
信号発生器(222)は、例えば、肺静脈口などの組織の、不可逆的エレクトロポレーションのためのアブレーション・パルス波形を発生させるように構成され得る。例えば、信号発生器(222)は、電圧パルス波形発生器であり、アブレーション・デバイス(210)に対してパルス波形を送達し得る。
【0027】
いくつかの実施形態においては、信号発生器(222)は、ペーシング信号のインジケーションと同期して、(例えば、共通の不応ウィンドウ内において)アブレーション・パルス波形を発生させるように構成される。例えば、いくつかの実施形態においては、共通の不応ウィンドウは、心室ペーシング信号に続いて、実質的に直ちに(または非常に小さい遅延の後に)始まり、その後、近似的に250ミリ秒(ms)以下の持続時間にわたって、存続し得る。そのような実施形態においては、パルス波形全体が、この持続時間内において、送達され得る。
【0028】
保護デバイス(250)は、電気コンポーネント(228)と、カテーテル・デバイス(230)との間に結合され得る。本願明細書においてより詳細に説明されるように、保護デバイス(250)の動作を、信号発生器(222)によるパルス波形の発生と同期させるために、(本願明細書においては、保護信号とも呼ばれる)制御信号が、発生させられ得る。保護デバイス(250)は、カテーテル・デバイス(230)と電気コンポーネント(228)との間の電気的接続の状態を制御するために、制御信号を受け取るように構成され得る。例えば、保護デバイス(250)は、少なくとも、アブレーション・デバイス(210)によるアブレーション・エネルギーの送達の間、電気コンポーネント(228)とカテーテル・デバイス(230)との間に開回路を形成するように構成され得る。さもなければ、保護デバイス(250)は、ペーシング・デバイス(230)を、電気コンポーネント(228)と電気的に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(250)は、高エネルギー・アブレーション・エネルギー送達の間、双方向開回路絶縁を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(250)は、電気コンポーネント(228)および/またはカテーテル・デバイス(230)から分離して形成され得、他の実施形態においては、保護デバイス(250)は、1つまたは複数の電気コンポーネント(228)および/またはカテーテル・デバイス(230)に統合されることができる。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(250)は、内部電源(例えば、バッテリ)、および外部電源(例えば、医療グレード電力供給、壁面コンセント)に対して結合するための電力コネクタのうちの1つまたは複数を含み得る。内部電源は、グランド・ノイズ注入を低減させ得る。
【0029】
いくつかの実施形態においては、電気コンポーネント(228)、保護デバイス(250)、および/または信号発生器(220)は、例えば、パルス波形送達、ペーシング信号送達、および/または保護デバイス制御信号送達のタイミングを調整するために、互いに通信し得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(250)、および/または信号発生器(220)は、例えば、パルス波形送達、ペーシング信号送達、および/または保護デバイス制御信号送達のタイミングを調整するために、互いに通信し得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(250)は、信号発生器(222)とともに、単一のコンソールに統合され得る。
【0030】
いくつかの実施形態においては、電気コンポーネント(228)、保護デバイス(250)、および/または信号発生器(220)は、例えば、その各々が任意のタイプのネットワークであり得る、1つまたは複数のネットワークを介して、他のデバイス(示されず)と通信し得る。無線ネットワークは、いかなる種類のケーブルによっても接続されない、任意のタイプのデジタル・ネットワークを指し得る。しかしながら、無線ネットワークは、インターネット、他のキャリアの音声およびデータ・ネットワーク、ビジネス・ネットワーク、ならびにパーソナル・ネットワークとインターフェースするために、有線ネットワークに対して接続し得る。有線ネットワークは、一般に、銅ツイスト・ペア、同軸ケーブル、または光ファイバ・ケーブル上において、搬送される。ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、キャンパス・エリア・ネットワーク(CAN)、インターネットのようなグローバル・エリア・ネットワーク(GAN)、および仮想プライベート・ネットワーク(VPN)を含む、多くの異なるタイプの有線ネットワークが、存在する。これ以降、ネットワークは、統一されたネットワーキングおよび情報アクセス・ソリューションを提供するために、一般にインターネットを通して相互接続される、組み合わされた無線、有線、パブリック、およびプライベート・データ・ネットワークの任意の組み合わせを指す。システム(100)は、ディスプレイ、オーディオ・デバイス、タッチスクリーン、およびそれらの組み合わせなどの、1つまたは複数の出力デバイスをさらに備え得る。
【0031】
電気コンポーネント(228)、保護デバイス(250)、および/または信号発生器(220)は、命令またはコードのセットを実行および/または遂行するように構成された、任意の適切な処理デバイスであることができる、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。プロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはデジタル信号プロセッサ(DSP)などであり得る。プロセッサは、システムおよび/またはそれと関連付けられたネットワーク(示されず)と関連付けられた、アプリケーション・プロセス、ならびに/または他のモジュール、プロセス、および/もしくは機能を実行および/または遂行するように構成され得る。基礎となるデバイス技術は、様々なコンポーネント・タイプで、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)などの金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)技術、エミッタ結合論理(ECL)などのバイポーラ技術、ポリマ技術(例えば、シリコン共役ポリマおよび金属共役ポリマ金属構造)、ならびに/または混合アナログおよびデジタルなどで提供され得る。
【0032】
電気コンポーネント(228)、保護デバイス(250)、および/または信号発生器(220)は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、メモリ・バッファ、ハード・ドライブ、消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROM)、電気的消去可能リード・オンリ・メモリ(EEPROM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、フラッシュ・メモリなどであることができる、1つまたは複数のメモリまたは記憶デバイスを含むことができる。メモリは、電気コンポーネント(228)、保護デバイス(250)、および/または信号発生器(220)のいずれか1つのプロセッサに、パルス波形発生、絶縁/保護、および/または心臓ペーシングなどの、モジュール、プロセス、および/または機能を遂行させるための、命令を記憶し得る。
【0033】
図4は、信号発生器(220)から分離した電気コンポーネント(228)を含む、システムを描いているが、いくつかの実施形態においては、1つまたは複数の電気コンポーネント(228)は、信号発生器(222)の一部を形成し、および/または信号発生器(222)に統合され得る。いくつかの実施形態においては、1つまたは複数の電極(212、232、234)は、センシング電極として機能し得る。
【0034】
図5は、第1のMOSFET(310)と、第2のMOSFET(320)とを含む、保護デバイス(300)の回路図である。MOSFET(310、320)は、MOSFET(310、320)のボディダイオードが反対方向を向くように、共通のソース端子を有する背中合わせのMOSFETとして、配置されることができる。そのような配置は、正確なタイミング制御を有する、双方向絶縁を提供することができる。MOSFET(310、320)は、絶縁されたゲート駆動回路(330、340)によって、駆動されることができる。具体的には、第1のMOSFET(310)は、第1のゲート駆動器(330)に対して結合されることができ、第2のMOSFET(320)は、第2のゲート駆動器(340)に対して結合されることができる。第1および第2のゲート駆動器(330、340)は、制御信号352を受け取ることができる、結合(350)(例えば、絶縁/光結合)に対して結合され得る。保護デバイス(300)は、接続されたデバイスの高電圧結合を低減させるように構成され得る。例えば、保護デバイス(300)は、アブレーション・デバイスによって送達された、最大約3000Vの電圧に耐えるように構成され得る。保護デバイス(300)は、保護デバイス(300)が、高電圧アブレーション・エネルギー送達の持続時間にわたって、開回路構成にあり、他の時間には、例えば、ペーシング信号の送達を可能にするために、閉回路構成にあるように、受け取られた保護信号(352)(例えば、制御信号)に基づいて、閉回路構成と開回路構成との間で移行するように構成され得る。
【0035】
本願明細書において説明される保護デバイスは、分離した機器であることができ、または補助機器もしくはパルス・フィールド・アブレーション刺激器に統合されることができる。図10A図10Eは、他のシステム・コンポーネントと統合された保護デバイスと、他のシステム・コンポーネントから分離した保護デバイスの両方を含む、システムのセットのブロック図である。図10A図10Eにおいては、保護デバイスは、本願明細書において説明される他の保護デバイス(例えば、図3A図3B図4図5図8図11図12図14図16図18、および図19に描かれる保護デバイス)のいずれかと構造的および/または機能的に同様の、コンポーネントを含むことができる。図10Aは、それと統合された保護デバイス(810)を備える、(例えば、パルス電界アブレーションのための)信号発生器(800)を図示している。例えば、信号発生器(800)、保護デバイス(810)、電気コンポーネント(例えば、モニタリング機器、心臓刺激器などを含む、電気コンポーネント(228))、および信号分析器(例えば、信号検出器(670))のうちの1つまたは複数は、単一の筐体(例えば、ハウジング、信号発生器コンソール)に統合され得る。これは、敏感な電子回路が、同じ筐体内において、高電圧ノイズから保護されることを可能にし得る。外部の電気コンポーネント(例えば、補助機器)も、高電圧曝露ポイント(例えば、患者)からさらに下流のポイントにおいて、保護デバイス(810)に対してそのようなコンポーネントを結合することによって、同様に保護され得る。例えば、保護デバイス(810)が、潜在的な高電圧曝露の時間と一致するように、それのブランキング間隔のタイミングを取ることができるように、システムによって受け取られた信号を、それらの信号を患者に到達させる前に、保護デバイス(810)を通して転送することによって、外部機器は、保護されることができる。図10Aに描かれた統合構成を用いる場合、敏感な電子コンポーネントの絶縁(例えば、保護)についての必要な時間を示すために、デジタル「ブランキング」信号(例えば、制御信号)が、信号発生器(800)によって、保護デバイスに対して提供されることができる。「ブランキング」信号は、信号発生器(800)の内部および外部の電子コンポーネントのセットを電気的に絶縁するために、保護デバイスを制御するように構成され得、それによって、調整された堅牢な保護を提供する。
【0036】
いくつかの実施形態においては、手動で操作されるスイッチは、アブレーション誘発ノイズから電子コンポーネントまたは機器を保護するための、保護デバイスとなるように構成されることができる。
【0037】
いくつかの実施形態においては、信号発生器と保護デバイスは、(例えば、異なる筐体内に形成された)分離した機器であり得る。そのような実施形態においては、制御信号は、有線または無線通信を介して、信号発生器と保護デバイスとの間で送信されることができるが、しかしながら、有線制御信号は、より堅牢であり、無線通信とより頻繁に関連付けられる、遅延のリスクを回避することができる。外部のまたは分離した保護デバイスを用いる場合、保護デバイスは、バッテリ給電され、または例えば、医療グレード絶縁を使用して、壁面給電されることができるが、バッテリ給電される保護デバイスは、絶縁された壁面電力供給からの患者に対するグランド・ノイズ注入を低減させるために、より望ましいものであり得る。図10Bは、有線接続(820)(例えば、電源/データ・ケーブル)を介して、保護デバイス(810)に対して結合される、信号発生器(800)を図示している。図10Cは、無線接続を介して、保護デバイス(810)に対して結合される、信号発生器(800)を図示している。例えば、保護デバイス(810)は、(例えば、信号発生器(800)から送信された)制御信号を受け取るように構成された、無線送受信機(830)を備え得る。
【0038】
保護デバイスが、信号発生器(例えば、パルス・フィールド・アブレーション発生器)から独立して実施される、実施形態においては、保護デバイスは、それが、高電圧パルスの送達の間に、ある電子コンポーネントを効果的に絶縁することができるように、そのような送達と同期するための、メカニズムを必要とする。いくつかの実施形態においては、保護信号は、刺激器からのタイミングが取られたトリガ・パルス、(例えば、心臓捕捉のための刺激パルスの)刺激パルス・センシング、測定された心臓活動(例えば、R波検出、および/または(例えば、患者側における高電圧スパイクの検出時における、絶縁の素早い適用を伴った)高電圧センシングのうちの1つまたは複数に基づいて、ある電子コンポーネント(例えば、刺激器)の電気的絶縁を、組織に対するアブレーション・エネルギーの送達と同期させ得る。そのようなことは、図12を参照して、以下でさらに説明される。図10Dおよび図10Eは、同期を実施する2つの構成を図示している。そのような構成は、図7A図9に関して説明されるものと同様である。図10Dは、ともに心臓刺激器(840)から信号を受け取るように構成された、信号発生器(800)と、保護デバイス(810)とを図示している。心臓刺激器(840)は、信号発生器(800)および保護デバイス(810)に対するそれぞれの信号(例えば、トリガまたは制御信号)の出力を通して、信号発生器(800)によるアブレーション・エネルギー送達と、保護デバイス(810)による電気的絶縁とを同期させるように構成され得る。図10Eは、ともに患者(850)に対して結合され、測定されたデータ(例えば、心臓刺激またはペーシング・パルス、R波検出、高電圧検出)に基づいて、互いに同期して動作するように構成された、信号発生器(800)と、保護デバイス(810)とを図示している。刺激パルス検出に基づいて、同期を実施するとき、望ましくないことに、保護された電気コンポーネントの、患者からの絶縁および切断の、増加させられた生起をもたらすことがあり得る、偽陽性センシングの可能性を低減させるために、十分に高い事前決定されたしきい値(例えば、5V)が、設定されることができる。
【0039】
本願明細書において説明されるような保護デバイスは、高電圧および誘発電流から、複数の電気コンポーネント(例えば、敏感な回路または機器)を絶縁するように構成されることができる。図11は、患者(900)に対して結合されたシステム(910)のブロック図である。システム(910)の1つまたは複数のデバイス(例えば、ペーシング・デバイス、カテーテル、スタイレット、プローブ、電極など)は、患者(900)に対して結合され得、高電圧アブレーション・エネルギー送達からの誘発電流の影響を被りやすくあり得る。システム(910)のデバイスの各々は、保護デバイス(920)から下流に配置された電気コンポーネントを、心臓内に配置され、高電圧にさらされるデバイスのそれらの部分から、選択的に電気的に絶縁するように構成された、保護デバイス(920)に対して結合され得る。保護デバイス(920)は、本願明細書において説明される他の保護デバイス(例えば、図3A図3B図4図5図8図10A図10E図12図14図16図18、および図19に描かれた保護デバイス)のいずれかと構造的および/または機能的に同様の、コンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態においては、単一の保護信号(924)は、保護デバイス(920)を制御し、複数の電子コンポーネントの、例えば、複数のスイッチ(922)として実施される保護要素を通した、電気的絶縁を同時に提供するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、スイッチ(922)のうちの1つまたは複数は、電気機械リレー(例えば、リード・リレー)、ソリッド・ステート・リレー、および/またはMOSFETデバイスを含むことができる。例えば、スイッチ(922)のうちの1つまたは複数は、図5に描かれるような、共通のソース端子を有する2つの背中合わせのMOSFETを含むことができる。
【0040】
例えば、保護デバイスが、(例えば、パルス・フィールド・アブレーションのための)高電圧パルス発生器から通信された信号を用いない、独立したシステムとして実施される、いくつかの実施形態においては、保護デバイスの動作は、刺激パルス・センシング、心臓刺激器からのトリガ・パルス、R波センシング、または高電圧センシングに基づいて、同期させられることができる。図12は、アブレーション・デバイス(1010)と、信号発生器(1022)と、心臓刺激器(1028)と、ペーシング・デバイス(1030)と、保護デバイス(1050)とを含む、患者(1000)の心臓(1002)内に配置されたエレクトロポレーション・システムの概略図である。信号発生器(1022)は、アブレーション・デバイス(1010)に対して結合され得る。信号発生器(1022)は、アブレーションのためのパルス電界を発生させるための、アブレーション・デバイス(1010)の電極(1012)に対して送達される、パルス波形を発生させるように構成され得る。ペーシング・デバイス(1030)は、ペーシング電極(1032、1034)を使用して、心臓(1002)をペーシングし、および/または1つもしくは複数の電極(例えば、電極(1032、1034)、もしくは他の電極(描かれず))を使用して、心臓(1002)の心臓活動(例えば、心電図)を測定するように構成され得る。保護デバイス(1050)は、心臓刺激器(1028)と、ペーシング・デバイス(1030)との間に結合され得る。保護デバイス(1050)は、本願明細書において説明される他の保護デバイス(例えば、図3A図3B図4図5図8図10A図10E図11図14図16図18、および図19に描かれる保護デバイス)のいずれかと構造的および/または機能的に同様の、コンポーネントを含むことができる。
【0041】
いくつかの実施形態においては、保護デバイス(1050)は、1つまたは複数の信号に基づいて、心臓刺激器(1028)の電気的絶縁を、アブレーション・デバイス(1010)によるパルス波形送達と同期させるように構成され得る。保護デバイス(1050)は、信号発生器(1022)と同じ信号または信号の組み合わせに基づいて、または独立して、(信号発生器(1022)にも送られることができる)心臓刺激器(1028)からの刺激信号(1060)、測定されたデータ(例えば、刺激パルス検出信号(1070)、R波検出信号(1090)、および高電圧検出信号(1092))、ならびに信号発生器信号(1080)のうちの1つもしくは複数に基づいて、同期させられ得る。代替的な実施形態においては、保護デバイス(1050)および信号発生器(1022)は、異なる信号または信号の異なる組み合わせに基づいて、アクティブ化されることができる。例えば、保護デバイス(1050)は、心臓ペーシング信号(1060)に基づいて、制御され得、パルス波形送達は、検出されたR波信号(1090)に基づき得る。刺激パルス・センシングを使用する実施形態においては、心臓刺激器(1028)および/または他の保護される電子コンポーネントと、患者(1000)との間の切断の回数を増加させ得る、偽陽性を低減させるために、センシングは、事前決定されたしきい値(例えば、約5V)を用いて、実施されることができる。安全性の別のレイヤを提供するために、いずれかの外部電子コンポーネントのための保護デバイスは、給電されていないときは、保護される電子コンポーネントと患者との間に、低インピーダンス接続を提供するように構成されることができる。図14は、保護デバイス(1200)を介して、患者(1220)に対して結合された、(例えば、敏感な機器または回路を含む)電気コンポーネント(1210)のブロック図である。1つまたは複数の電気コンポーネント(1210)(例えば、本願明細書において説明されるいずれかのような、モニタリング機器、心臓刺激器)は、患者(1220)に対して結合され得、高電圧アブレーション・エネルギー送達からの誘発電流の影響を被りやすくあり得る。電気コンポーネント(1210)の各々は、患者(1220)の心臓内に配置されたデバイスから、それらのコンポーネントを選択的に電気的に絶縁するために、保護デバイス(1200)に対して結合され得る。保護デバイス(1200)は、本願明細書において説明される他の保護デバイス(例えば、図3A図3B図4図5図8図10A図10E図11図12図15図16図18、および図19に描かれた保護デバイス)のいずれかと構造的および/または機能的に同様の、コンポーネントを含むことができる。
【0042】
保護デバイス(1200)は、保護デバイス(1200)が、給電されていないときは、電気コンポーネント(1210)が、(例えば、低インピーダンス接続を通して)患者(1220)に対して電気的に結合されるように構成されることができる。この安全性特徴は、デフォルトでの患者接続を可能にし、保護デバイス(1200)に対する電力が失われた場合であっても、電気コンポーネント(1210)が、動作することを可能にし得る。例えば、電気コンポーネント(1210)に含まれる、心臓刺激器(例えば、心臓刺激器(28))は、保護デバイス(1200)が、電力オフにされているときに、患者(1220)に対してペーシングを提供し得る。
【0043】
第1の信号(1202)(例えば、制御信号)は、保護デバイス(1200)を制御し、本願明細書において説明されるように、第1のスイッチ(1206)を通して、電気的絶縁を提供するように構成され得る。第2の信号(1204)(例えば、電力信号)は、第2のスイッチ(1208)を通して、保護デバイス(1200)を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、第2のスイッチ(1208)は、絶縁/ブランキングのために使用される第1のスイッチ(1206)に並列して構成され、保護デバイス(1200)が給電されたときに、開にスイッチングするように構成された、リレー(例えば、リード・スイッチ、またはソリッド・ステート・タイプ・スイッチ)を備え得る。いくつかの実施形態においては、第1のスイッチ(1206)は、電気機械リレー(例えば、リード・リレー)、ソリッド・ステート・リレー、および/またはMOSFETデバイスを含むことができる。例えば、第1スイッチ(1206)は、図5に描かれるように、共通のソース端子を有する2つの背中合わせのMOSFETを含むことができる。第2のスイッチ(1208)を介して提供される第2の経路は、電気コンポーネント(1210)と患者(1220)との間に、低インピーダンス接続を提供するために、通常は、閉状態に設定されることができる。
【0044】
図15は、保護デバイス(1300)を含む、システムについての別の例となる実施形態を提供する。具体的には、図15は、保護デバイス(1300)を介して、患者(1320)に対して結合された、電気コンポーネント(1310)のブロック図である。1つまたは複数の電気コンポーネント(1310)(例えば、モニタリング機器、心臓刺激器)は、例えば、第1の信号(1302)を介して、患者(1320)の心臓内に配置されたデバイスから、それらの電気コンポーネント(1310)を選択的に電気的に絶縁するように構成された、保護デバイス(1300)を介して、患者(1320)に対して結合され得る。保護デバイス(1300)は、本願明細書において説明される他の保護デバイス(例えば、図3A図3B図4図5図8図10A図10E図11図12図14図16図18、および図19に描かれる保護デバイス)のいずれかと構造的および/または機能的に同様の、コンポーネントを含むことができる。図14に関して説明されたのと同様の方式で、電気コンポーネント(1310)は、ブランキング/保護コンポーネントに並列して配置された、通常は閉じられたスイッチを介して、保護デバイス(1300)が、給電されていないときは、患者(1320)に対して電気的に結合され得る。電力が、保護デバイス(1300)に対して提供されたとき、電力に対応する信号(1304)が、通常は閉じられたスイッチを開くことができる。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(1300)は、保護デバイス(1300)が、給電されていないときでさえ、および/または電気コンポーネント(1310)が、患者(1320)から絶縁されていないとき、高スルー・レートのピーク・ツー・ピーク電圧、および/または高電圧信号を低減させるように構成された、追加の回路保護およびフィルタリング機能性を含み得る。保護デバイス(1300)は、(図2を参照して上で説明されたような)受動フィルタ・デバイス(1330)、コモン・モード保護デバイス(1340)、および差動/高電圧保護デバイス(1350)のうちの1つまたは複数を含み得、それらは、フェライト/磁性体を使用する1つまたは複数のコモンおよび差動モード・チョーク、インダクタおよびコンデンサ・ベースのフィルタ、ならびに過渡電圧抑制(TVS)ダイオード/トランゾーブ、ガス放電管、およびサイリスタのうちの1つまたは複数を含む、差動高電圧および差動クランピング・コンポーネントを含み得る。いくつかの実施形態においては、本願明細書において開示される方法、システム、およびデバイスは、その全体が上で援用された、2018年5月7日に出願された、「パルス電界アブレーションによって誘発された高電圧ノイズをフィルタリングするためのシステム、装置、および方法(SYSTEMS, APPARATUSES, AND METHODS FOR FILTERING HIGH VOLTAGE NOISE INDUCED BY PULSED ELECTRIC FIELD ABLATION)」と題する、米国出願第62/667,887号において説明されている、方法、システム、およびデバイスのうちの1つまたは複数を備え得る。
【0045】
いくつかの心臓刺激器(例えば、電気生理学検査室刺激器システム)においては、患者接続は、切断をユーザに警告するために、高インピーダンスについてモニタリングされ得る。保護デバイスを使用中の(例えば、ブランキング間隔の間の)望ましくない警報を防止するために、固定された知られたインピーダンスが、(例えば、1キロオームなど、刺激器によって予期される範囲内の値を有する、固定抵抗器によって)刺激器に対する接続に対して提供されることができる。図16は、患者(1420)に対して結合された、電気コンポーネント(1410)のブロック図である。1つまたは複数の電気コンポーネント(1410)(例えば、モニタリング機器、心臓刺激器)は、信号(1402)を介して、患者(1420)の心臓内に配置されたデバイスから、そのようなコンポーネントを選択的に電気的に絶縁するように構成された、保護デバイス(1400)を介して、患者(1420)に対して結合され得る。保護デバイス(1400)は、本願明細書において説明される他の保護デバイス(例えば、図3A図3B図4図5図8図10A図10E図11図12図14図15図18、および図19に描かれる保護デバイス)のいずれかと構造的および/または機能的に同様の、コンポーネントを含むことができる。
【0046】
電気コンポーネント(1410)内に含まれる、心臓刺激器は、患者(1420)に対する電気接続を連続的にモニタリングし、切断(例えば、高インピーダンス)が検出されるとき、切断信号(例えば、ユーザに対するアラーム信号)を発生させ得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(1400)の保護間隔の間、システム(1410)による切断信号の発生を阻止するために、保護デバイス(1400)は、心臓刺激器に対して、刺激器が通常動作に対応することを予期する範囲内の、(例えば、約100オームから約10キロオームの間の)事前決定されたインピーダンス(1440)を提供し得る。例えば、保護間隔の間に動作する保護デバイス(1400)は、固定されたインピーダンス値をその後に提供することができる抵抗器(1440)と直列したスイッチを閉じるための信号を送り得る。「患者接続」と「固定抵抗器負荷を有する開回路」との間の迅速な移行は、心臓刺激器によるいずれの警報または警告も防止するために、十分に速いものであることができる。いくつかの実施形態においては、患者接続を切断する前の短い時間間隔(例えば、1usから100usのオーダ)の間、電気コンポーネントに対する負荷を最初にスイッチインすることは、有益なことであり得る。これが行われた場合、電気コンポーネントが開回路を見る少量の時間が、存在しない。患者接続は、その後、抵抗負荷が切断される前(例えば、直前)に、接続されることができる。別の実施の最適化は、実施において対称性が存在し、保護デバイスがどちらにでも差し込まれ得るように、両側に(患者側にも同じく)「負荷抵抗器」を提供することである。
【0047】
図16において実施されるような保護デバイスを有する、いくつかの事例においては、患者に対するスイッチング・アーチファクトおよび短い電圧スパイクの導入が、存在し得る。図17Aおよび図17Bは、心臓刺激(1510)チャネル、心電図(1520)チャネル、パルス・フィールド・アブレーション送達(1530)チャネル、および保護間隔(1540)チャネルの時間シーケンスの概略図であり、保護間隔が終了するとき、スイッチング・アーチファクト(1526)が、生起し得る。図17Aは、単一の心周期を図示しており、図17Bは、本願明細書においてより詳細に説明されるような、複数の心周期を図示している。刺激またはペーシング信号(1510)は、周期的であり得、約0.1msから約100msの間の幅を有する、長方形パルスを備え得る。いくつかの実施形態においては、ペーシング・パルス(1512)は、本願明細書において説明される、ペーシング・デバイス(例えば、ペーシング・デバイス(230、630、1030))のいずれかを使用して、送達され得る。ペーシング・パルス(1512)は、心室および心房の心臓ペーシングのうちの1つまたは複数に対応し得る。ペーシング・パルス(1512)に応答して、心臓の心周期は、ペーシング・パルス(1512)と同期し得る。例えば、図17Aおよび図17BにおけるQRS波形(1522)は、ペーシング・パルス(1512)と同期させられる。
【0048】
いくつかの実施形態においては、パルス波形(1532)および保護間隔(1542)は、上述の実施形態において説明されたように、(例えば、R波検出を介して)ペーシング信号(1512)および心周期のうちの1つまたは複数と同期し得る。例えば、パルス波形(1532)は、第1の長さを有し得、保護間隔(1542)は、第1の長さと少なくとも同じ長さの、第2の長さを有し得る。パルス波形(1532)は、心臓ペーシング・パルス(1512)の立ち下がりエッジ(1514)から第1の遅延(1534)だけ後に、送達され得る。第1の遅延(1534)は、事前決定された値であり得る。例えば、第1の遅延(1534)は、約1msから約20msの間であり得る。同じように、保護間隔(1542)は、第2の遅延(1544)の後、心臓ペーシング・パルス(1512)と同期し得る。この方式においては、心臓ペーシング信号(1512)は、パルス波形(1532)および保護間隔(1542)をトリガするように構成され得る。
【0049】
図16において実施されるような保護デバイスを含む、実施形態においては、スイッチング・アーチファクト(1526)(例えば、電圧スパイク)が、患者に対して導入され、(例えば、心電図記録システムを介して)心電図(1520)においてピックアップされ、それが、心臓活動の分析に干渉し得る。例えば、保護アーチファクト(1526)は、保護間隔(1542)の立ち下がりエッジ(1528)と一致し得る。図17Bは、保護間隔(1542)が、各心拍ごとに提供され、例えば、各保護間隔/心拍ごとにアーチファクト(1526)を発生させ得る、実施形態を図示している。保護デバイスの調整された制御があまり利用可能ではない、いくつかの実施形態においては、1つまたは複数の保護間隔(1542)は、対応するパルス波形(1532)なしに、提供され得る。これは、例えば、パルス波形(1530)および保護信号(1540)が、異なる信号を使用して、独立して同期させられる、実施形態において、生起し得る。
【0050】
アーチファクト(1526)が、十分に大きい大きさであるとき、それらは、心臓活動の臨床的な誤解釈を引き起こすことがあり得る。このリスクを軽減するために、いくつかの選択肢が、利用可能である。最初に、保護モジュールは、保護間隔(1542)が、対応するパルス波形(1532)が存在するときだけ、提供され、パルス波形(1532)が送達されないときは、提供されないように、信号発生器と統合されることができる。したがって、保護間隔(1542)は、高電圧パルス波形から、心臓刺激器、または他の保護される電気コンポーネント(例えば、モニタリング機器)を電気的に絶縁する必要があるときに、提供される。この実施を用いた場合、不必要な保護スイッチングが、生起せず、パルス波形とともに発生させられるアーチファクト(1526)については、アーチファクト(1526)が、問題を提示しないように、心臓組織に対して送達される高電圧アブレーション・エネルギーが、心拍を飽和させる。
【0051】
第2に、パルス・フィールド・アブレーション・デバイスとの調整された制御が、あまり可能ではない、独立した保護デバイスについては、スイッチング・アーチファクト(1526)は、保護デバイスにおいて、高周波局所スイッチング・エネルギーのいくらかを吸収するために、例えば、絶縁スイッチの両端または保護されたチャネルの間における、低い値のコンデンサの設置を使用して、低減させることができる。例えば、図2を参照すべき、先に説明された受動フィルタリング・コンポーネントの実施も、アーチファクト(1526)を低減させるために、実施されることができる。他の選択肢は、患者に対して再接続する前に、信号のペア(例えば、刺激器+/-と患者+/-)を一緒に一時的に短絡するための、追加のスイッチ/MOSFETを使用すること、ブランキング間隔の間に、患者側における抵抗負荷において、一時的にスイッチングを行うことなどを含む。
【0052】
図18は、アーチファクトを低減させるための1つまたは複数のコンデンサを含む、保護デバイス(1600)を介して、患者(1620)に対して結合された、電気コンポーネント(1610)のブロック図である。1つまたは複数の電気コンポーネント(1610)(例えば、モニタリング機器、心臓刺激器)は、患者(1620)の心臓内に配置されたデバイスから、そのようなコンポーネントを選択的に電気的に絶縁するように構成された、保護デバイス(1600)を介して、患者(1620)に対して結合され得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(1600)は、アーチファクト(例えば、アーチファクト(1526))の大きさを低減させるように構成され得る。保護デバイス(1600)は、本願明細書において説明される他の保護デバイス(例えば、図3A図3B図4図5図8図10A図10E図11図12図14図16、および図19に描かれる保護デバイス)のいずれかと構造的および/または機能的に同様の、コンポーネントを含むことができる。
【0053】
保護デバイス(1600)は、1つまたは複数の直列の保護スイッチ(1602)および抵抗器(1606)を含み得る。保護デバイス(1600)は、対応するスイッチ(1602)および抵抗器(1606)に対して並列に構成された、コンデンサ(1604)の1つまたは複数をさらに含み得る。コンデンサ(1604)は、保護デバイス(1600)のスイッチング動作によって発生させられた、任意の電圧スパイクの一部を受け取るように構成され得る。加えて、または代替として、保護デバイス(1600)は、スイッチング・アーチファクトを低減させるように構成された、図15において説明された1つまたは複数の回路コンポーネント(例えば、フィルタ・デバイス(1330)、コモン・モード保護デバイス(1340)、差動/高電圧保護デバイス(1350))を含み得る。
【0054】
抵抗器(1606)は、保護スイッチ(1602)のスイッチングによって生成されるアーチファクトを低減させるために、直列の保護スイッチ(1602)を閉じる前に、閉じるように構成されることができる、スイッチと直列に配置されることができる。例えば、抵抗器(1606)に対して直列のスイッチは、電気コンポーネント(1610)のうちの1つまたは複数および患者(1620)に対して一時的な経路を提供し、それによって、その後、負荷が切断されたときに、直列の保護スイッチ(1602)からのアーチファクトのリスクを低減させるために、直列の保護スイッチ(1602)が閉じる前に、閉じるように構成され得る。
【0055】
図19は、保護デバイス(1900)を含む、不可逆的エレクトロポレーションによるアブレーションのためのシステムの概略図である。システムは、信号発生器(1930)と、アブレーション・デバイス(1932)と、電子コンポーネント(1940)とを含み得る。いくつかの実施形態においては、電子コンポーネント(1940)は、例えば、患者(1920)の生理学的データをモニタリングするためのモニタリング機器など、信号検出器として、実施され得る。保護デバイス(1900)は、本願明細書において説明される他の保護デバイス(例えば、図3A図3B図4図5図8図10A図10E図11図12図14図16図18、および図19に描かれる保護デバイス)と構造的および/または機能的に同様の、コンポーネントを含むことができる。
【0056】
信号発生器(1930)は、アブレーション・デバイス(1932)の電極(示されず)によって組織に対して送達される、パルス波形を発生させるように構成され得る。いくつかの実施形態においては、信号発生器(1930)は、例えば、肺静脈口など、組織の不可逆的エレクトロポレーションのための高電圧アブレーション・パルス波形を発生させるように構成され得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(1900)は、患者接続(1924)のセットを介して、患者(1920)に対して電気的に結合され得る。例えば、1つまたは複数の電極および/またはセンサが、例えば、患者(1920)の生理学的データを測定するために、患者(1920)の外部および/または内部に設置され得る。保護デバイス(1900)は、患者(1920)と、電子コンポーネント(1940)との間に結合され得る。
【0057】
いくつかの実施形態においては、信号発生器(1922)は、ペーシング信号のインジケーションと同期して、および/または共通の不応ウィンドウ内において、パルス波形を発生させるように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態においては、共通の不応ウィンドウは、ペーシング信号に続いて実質的に直ちに(または非常に小さい遅延の後に)開始し、その後、近似的に250ミリ秒(ms)以下の持続時間にわたって、存続し得る。そのような実施形態においては、パルス波形全体が、この持続時間内において、送達され得る。
【0058】
いくつかの実施形態においては、電子コンポーネント(1940)、保護デバイス(1900)、および/または信号発生器(1930)は、例えば、パルス波形送達および/または保護デバイス制御信号送達のタイミングを調整するために、互いに通信し得る。例えば、信号発生器(1930)は、例えば、保護デバイス(1900)の1つまたは複数のコンポーネントの動作を、アブレーション・パルス波形の送達と同期させるために、信号発生器(1930)が、保護デバイス(1900)に対して、信号(例えば、同期信号(1912))を送達することができるように、保護デバイス(1900)に対して動作可能に結合されることができる。実施形態においては、信号発生器(1930)は、保護デバイス(1900)に対してパルス波形の送達タイミングを示す同期信号(1912)を、保護デバイス(1900)に対して、定期的に送達することができる。図19に描かれるように、信号発生器(1930)と保護デバイス(1900)は、分離したデバイスであることができる。代替として、いくつかの実施形態においては、保護デバイス(1900)は、信号発生器(1930)とともに、単一のコンソール内に統合され得る。
【0059】
保護デバイス(1900)は、少なくとも、アブレーション・デバイス(1932)によるアブレーション・エネルギーの送達の間、電子コンポーネント(1940)と、1つまたは複数の患者接続(1924)、例えば、アブレーションの部位の近くに配置されたセンサまたは電極との間に、開回路を形成するように構成され得る。患者接続(1924)は、電子コンポーネント1940が、患者(1920)の生理学的データをモニタリングすることを可能にすることができる。本願明細書において説明されるように、患者(1920)に対するパルス波形の送達は、患者接続(1924)において、高電圧および/または電流を誘発することができる。したがって、電子コンポーネント(1940)から、これらの接続(1924)を絶縁することによって、保護デバイス(1900)は、電子コンポーネント(1940)に対するそのような誘発電圧および/または電流の伝達を低減または防止することができ、それによって、そのようなコンポーネントに入る、および/またはそのようなコンポーネントを損傷する、ノイズ干渉を低減させる。パルス波形が、患者(1920)に対して送達されていないとき、例えば、電子コンポーネント(1940)が、患者(1920)の生理学的データをモニタリングし続けることを可能にするために、保護デバイス(1900)は、電子コンポーネント(1940)を、患者接続(1924)と電気的に結合するように構成され得る。
【0060】
保護デバイス(1900)は、患者接続(1924)と電子コンポーネント(1940)との間に開回路を形成するように構成された、1つまたは複数のスイッチ(例えば、直列のコンポーネント)(1902)のセットを備え得る。スイッチのセット(1902)は、電気機械リレー(例えば、リード・リレー)、ソリッド・ステート・リレー、および/またはMOSFETデバイスのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0061】
いくつかの実施形態においては、共通ノード(1906)に対して保護された患者信号を電気的に接続することができる、コンポーネントが、導入されることができる。保護デバイス(1900)は、例えば、各入力から電子コンポーネント(1940)内に延び、それらを共通ノード(1906)に接続する、チャネルを含むことができる。各チャネルは、スイッチ(1903)と、抵抗要素(1904)(例えば、抵抗器)とを含み得る。スイッチ(1903)が、閉じられるとき、チャネルは、電子コンポーネント(1940)に対する入力を、共通ノード(1906)に対して接続することができる。抵抗要素(1904)は、入力と共通ノード(1906)との間に結合され得る。抵抗要素(1904)は、共通ノード(1906)に対して入力を接続するとき、抵抗を低減させる、または最小化するように構成されることができる。パルス・フィールド・アブレーション(例えば、パルス波形の送達)の間、電子コンポーネント(1940)(例えば、モニタリング機器)の入力に存在するノイズを低減させるために、入力は、いずれの差動ノイズの振幅も低減させるように、一緒に短絡されることができる。スイッチ(1902)は、例えば、患者接続(1924)から電子コンポーネント(1940)を絶縁するために、開かれ得るが、パルス・フィールド・アブレーション送達中は、開回路直列コンポーネント(例えば、スイッチ(1902))を通して伝達される、またはピックアップされる、いずれの残存ノイズも、共通ノード(1908)に結び付けられることができ、電子コンポーネント(1940)において検出された(例えば、モニタリング機器によって測定された)、信号振幅は、低減される、または小さくされることができる。
【0062】
いくつかの実施形態においては、例えば、パルス・フィールド・アブレーション送達中に、電子コンポーネント(1940)に対する入力においてピックアップされることができるノイズをさらに低減させるために、グランド(1909)(例えば、シャーシまたは接地)に対して共通ノード(1906)を接続することができるコンポーネントが、導入されることができる。グランド接続に対して、(例えば、共通ノード(1906)を介して)電気的に一緒に結び付けられる入力を結合することによって、保護デバイス(1900)は、コモン・モード・ノイズの振幅を低減させ、接地を上回る大きいDC電圧が、電子コンポーネント(1940)(例えば、モニタリング・デバイスの入力増幅器)に伝達されることを、防止することができる。グランド(1909)に対して共通ノード(1906)を結合することは、電子コンポーネント(1940)に影響する、パルス・フィールド・アブレーション送達からの干渉の可能性も低減させることができる。
【0063】
いくつかの実施形態においては、信号発生器(1930)、および/または保護デバイス(1900)(もしくは他の保護回路)における、グランド接続(例えば、接地接続)上において、高周波信号をフィルタリングすることができる、コンポーネントが、導入されることができる。例えば、信号発生器(1930)は、インダクタンス・フィルタ(例えば、フェライト・クランプ、フェライト・トロイド、または直列インダクタ)(1914)を介して、グランドに対して結合され得る。加えて、または代替として、保護デバイス(1900)は、インダクタンス・フィルタ(例えば、フェライト)(1901)を介して、グランドに対して結合され得る。信号発生器(1930)によって、アブレーション送達時に作成されるノイズは、患者を通して、患者接続(1902)に伝えられることができるが、それは、信号発生器(1930)のグランド接続上にも、放出されることができる。グランドに対する信号発生器(1930)の接続によって引き起こされるノイズを低減させるために、フェライト・クランプ、フェライト・トロイド、または直列インダクタ(例えば、フィルタ(1914))などのコンポーネントが、これらの接続上の高周波ノイズをフィルタリングし、電子コンポーネント1940のグランド接続において測定される振幅を低減させるために、使用され得る。
【0064】
図20A図20Cは、パルス・フィールド・アブレーション送達中に、電子コンポーネント(1940)、共通ノード(1906)、およびグランド(1909)に対する入力または信号のうちの1つまたは複数の間に接続を確立する、時間シーケンスの概略図である。時間シーケンス(2012、2014、2016)は、共通ノード(1906)に対して、電子コンポーネント(1940)に対する入力を接続するタイミングを表し、時間シーケンス(2022、2024、2026)は、グランド(1909)に対して、共通ノード(1906)を接続するタイミングを表し、時間シーケンス(2032、2034、2036)は、直列のコンポーネントまたはスイッチ(1902)を使用して、患者接続(1924)と電子コンポーネント(1940)との間に開回路を形成するタイミングを表し、時間シーケンス(2042、2044、2046)は、(例えば、信号発生器(1930)を介した)パルス波形送達のタイミングを表す。
【0065】
図20Aは、(2012、2022)によって示されるように、共通ノード(1906)を介して、電子コンポーネント(1940)に対する入力を一緒に結び付け、同時に、接地(1909)に対して共通ノード(1906)を結び付ける、保護デバイス(1900)のコンポーネントを動作させるための、時間シーケンス(2010)を図示している。描かれるように、時間シーケンス(2010)は、電子コンポーネント(1940)が、アブレーション送達処置の間にわたって、(例えば、患者接続(1924)からの)それの入力の間に、低インピーダンス負荷を見続けることを可能にし、コモン・モードDCレベルが低いことを保証する。時間シーケンス(2010)は、(例えば、患者接続(1924)からの)電子コンポーネントに対する入力が、大きいノイズピックアップを望ましくないことに可能にし得る、高インピーダンスでないことを保証する。電子コンポーネント(1940)に対する入力が、一緒に結び付けられ、またグランド(1909)に対して結ばれた後、直列のコンポーネントは、患者接続(1924)と、電子コンポーネント(1940)との間に、(2032)によって示されるように、患者(1920)から電子コンポーネント(1940)を絶縁する、開回路を形成することができる(例えば、スイッチ(1902)は、開状態に設定されることができる)。開回路が、確立された後、(2042)によって示されるように、パルス波形が、組織をアブレーションするために、送達され得る。アブレーション処置が、完了し、パルス波形が、もはや患者(1920)に対して送達されなくなった後、直列のコンポーネントは、電子機器(1940)に対して、患者(1920)を再接続することができる。次に、それに続いて、電子コンポーネント(1940)に対する入力は、それらの共通ノードおよびグランド接続から解放されることができ(例えば、スイッチ(1903)は、開状態に設定されることができ)、電子コンポーネント(1940)は、再び、いかなるパルス・フィールド・アブレーション干渉もなしに、患者接続(1924)からデータ(例えば、生理学的データ)を受け取るように構成されることができる。
【0066】
図20Bは、保護デバイス(1900)のコンポーネントを動作させるための別の時間シーケンス(2020)を描いている。図20Bの時間シーケンス(2020)は、グランド(1909)に対する共通ノード(1906)の接続が、共通ノード(1906)に対する電子コンポーネント(1940)の入力の接続と同時に生起しないことを除いて、図20Aの時間シーケンス(2010)と同様である。いくつかの実施形態においては、グランド(1909)に対する共通ノード(1906)の接続(例えば、スイッチ(1908)の閉状態へのスイッチング)は、(2024、2034)によって示されるように、保護デバイス(1900)の直列のコンポーネントが、開回路構成に移行したとき(例えば、スイッチ(1902)が、開状態に移行したとき)、生起し得る。これは、電子コンポーネント1940に対する入力が、共通ノード(1906)に対して接続された後であるが、直列のコンポーネントが、まだ開状態に移行していないとき、患者(1920)が、一時的に接地されていない(すなわち、患者接続(1924)が、接地(1909)に対して結合されていない)ことを保証することができる。患者(1920)を一時的に接地させないことによって、システム内のいかなる残存電流も、患者(1920)を通過する、接地に対する経路を有さない。次に、患者信号が、ひとたび開回路になると(例えば、スイッチ(1902)が、開状態に移行すると)、エネルギー(例えば、アブレーション・パルス波形)が、患者(1920)に対して送達され得、エネルギー送達の完了時には、接地接続の解放(例えば、スイッチ(1908)が、以前の開状態にスイッチングする)と同時に、患者信号が、再接続される(例えば、スイッチ(1902)が、以前の閉状態に移行する)ことができる。これらのイベントに続いて、電子コンポーネント1940が、アブレーション・エネルギー送達からの干渉またはノイズなしに、患者接続(1924)を介して、患者信号を再び測定することを可能にするために、電子コンポーネント(1940)に対する入力は、共通ノード(1906)から解放されることができる。
【0067】
図20Cは、保護デバイス(1900)のコンポーネントを動作させるための別の時間シーケンス(2030)を描いている。図20Cの時間シーケンス(2030)は、共通ノード(1906)が、フローティングのままであるように、シーケンス中のいかなるポイントにおいても、共通ノードとグランドとの間に、接続が形成されないことを除いて、図20Aおよび図20Bの時間シーケンス(2010、2020)と同様である。これは、接地(1909)入力接続が、電子コンポーネント(1940)の入力と干渉しないことを保証し得る。上で説明されたように、アブレーション処置中、高周波信号は、信号発生器(1030)および/またはシステムの他のコンポーネントから、接地(1909)に対して伝わり得る。そのため、グランド(1909)との接続を確立することは、そのような信号が、例えば、ノイズを発生させることによって、電子コンポーネント(1940)の動作と干渉することを引き起こすことがあり得る。上で説明されたインダクタンス・フィルタ(1901、1914)が、これらの高周波信号のいくらかを低減させるために、使用されることができるが、そのようなインダクタンス・フィルタ(1901、1914)は、システムの様々なコンポーネントが、開状態にあるか、それとも閉状態にあるかに基づいて、調節される必要があり得、したがって、高周波信号のフィルタリングにおいて、不完全であり得る。時間シーケンス(2010、2020)と同様に、直列のコンポーネントは、開回路状態にスイッチングされることができ、直列のコンポーネントが、開回路状態にある間、アブレーション・エネルギーが、送達されることができる。アブレーション・エネルギーの送達に続いて、直列のコンポーネントは、以前の閉回路状態にスイッチングし、電子コンポーネント(1940)に対して、患者接続(1924)を再接続することができ、電子コンポーネント1940に対する入力は、共通ノード(1906)接続から解放されることができる。
方法
本願明細書において説明されたシステムおよびデバイスを使用して、1つまたは複数の心臓腔において実行される、組織アブレーションプロセス中に、誘発電流および電圧から電子回路を保護するための方法も、ここで説明される。実施形態においては、心臓腔は、左心房腔であり、それの関連付けられた肺静脈を含み得る。一般に、ここで説明される方法は、1つまたは複数の心臓腔と接触して、ペーシング・デバイス(例えば、ペーシング・デバイス(230))を導入および配置することを含む。ペーシング・デバイスは、心臓刺激器(例えば、心臓刺激器(28、28’))を使用して、心臓に対するペーシング信号を送達し、および/または心臓活動を測定し得る。アブレーション・デバイス(例えば、アブレーション・デバイス(210))は、1つまたは複数の肺静脈口または腔領域と接触して、導入および配置され得る。パルス波形が、組織をアブレーションするために、アブレーション・デバイスの1つまたは複数の電極(例えば、電極(212))によって、送達され得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(例えば、保護デバイス(250))は、パルス波形の送達中に、1つまたは複数の敏感な電気コンポーネント(例えば、心臓刺激器、モニタリング機器)を絶縁するために、開回路構成にあることができる。そのような電気コンポーネントは、そうでなければ、ペーシング・デバイスに対して電気的に結合され、心臓に対してペーシング信号を送達し、および/または心臓活動測定値を受け取るように構成され得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイスの開回路間隔(例えば、保護間隔)を制御するために、制御信号が、発生させられ得る。制御信号は、心臓ペーシング信号、パルス波形信号(例えば、信号発生器信号)、測定された心臓活動(例えば、R波検出)、およびそれらの組み合わせなどのうちの1つまたは複数に基づき得る。
【0068】
加えて、または代替として、パルス波形は、例えば、本願明細書に援用される、2019年5月7日に出願された、「組織に対するアブレーション・エネルギーの送達のためのシステム、装置、および方法(SYSTEMS, APPARATUSES AND METHODS FOR DELIVERY OF ABLATIVE ENERGY TO TISSUE)」と題する、国際出願第PCT/US2019/031135号において説明されているように、総エネルギー送達を低減させるために、複数のレベルの階層を含み得る。
【0069】
いくつかの実施形態においては、本願明細書において説明されるアブレーション・デバイス(例えば、アブレーション・デバイス(210))は、心外膜および/または心内膜アブレーションのために使用され得る。適切なアブレーション・カテーテルの例は、上で援用された、国際出願第PCT/US2019/014226号において説明されている。
【0070】
図6Aは、アブレーション・エネルギーが、心臓ペーシングと同期して送達される、組織アブレーションの例となる方法(400)である。いくつかの実施形態においては、心臓の洞調律の崩壊を回避するために、本願明細書において説明される電圧パルス波形が、心周期の不応期中に適用され得る。方法(400)は、(402)において、ペーシング・デバイス(例えば、ペーシング・デバイス(230))の、例えば、右心室の心内膜空間に対する導入を含む。ペーシング・デバイスは、(404)において、心臓組織と接触して配置されることに、進められ得る。例えば、センサ電極は、心臓活動測定(例えば、ECG信号)のために構成され得、ペーシング電極は、ペーシング信号を送達するために構成され得、例えば、右心室において、内側の心内膜表面と接触して配置され得る。アブレーション・デバイス(例えば、アブレーション・デバイス(210))は、(406)において、例えば、左心房の心内膜空間に対して導入され得る。アブレーション・デバイスは、(408)において、肺静脈口と接触して配置されることに、進められ得る。いくつかの実施形態においては、ペーシング信号が、(410)において、心臓の心臓刺激のために、心臓刺激器(例えば、心臓刺激器(28、28’))によって、発生させられ得る。次に、ペーシング信号が、(412)において、ペーシング・デバイスのペーシング電極を使用して、心臓に対して適用され得る。例えば、心臓は、心周期の周期性および予測可能性を確立するために、ペーシング捕捉を保証するペーシング信号を用いて、電気的にペーシングされ得る。心房および心室ペーシングのうちの1つまたは複数が、適用され得る。患者の心臓活動に関連する、適用されるペーシング信号の例は、本願明細書、例えば、図7Bにおいて、より詳細に説明される。
【0071】
いくつかの実施形態においては、ペーシング捕捉は、信号発生器(例えば、信号発生器(222))、心臓刺激器、またはシステムの1つもしくは複数のコンポーネントに動作可能に結合された他のプロセッサのうちの1つまたは複数によって、自動的に確認され得る。いくつかの実施形態においては、ペーシング捕捉は、ユーザによって、確認されることができる。例えば、ユーザは、ユーザ・インタフェース(例えば、タッチ・スクリーン・モニタまたは他のタイプのモニタなどの入出力デバイス)を使用して、測定された心臓活動信号に基づいて、ペーシング捕捉を確認し得る。信号発生器、プロセッサ、および/または表示された心拍出量を見ているユーザが、ペーシング捕捉が存在しないと決定した場合、パルス波形発生は、禁止され得、ユーザは、例えば、組織との接触具合を改善するために、ペーシング・デバイスを再配置し、および/またはペーシング信号パラメータ(例えば、パルス幅、パルス振幅、パルス周波数など)を変更することによって、システム・パラメータを調節するように促され得る。
【0072】
いくつかの実施形態においては、ペーシング・デバイスは、(414)において、心臓の電気的心臓活動に対応する、心臓活動(例えば、ECG信号)を測定し得る。例えば、測定された心臓活動は、測定された心臓ペーシング・パルス、R波などを含み得る。
【0073】
制御信号または保護信号が、心臓ペーシング信号、パルス波形信号(例えば、信号発生器から受け取られた信号)、測定された心臓活動(例えば、R波検出、事前決定された電圧しきい値)、およびそれらの組み合わせなどのうちの1つまたは複数に基づいて、発生させられ、(418)において、保護デバイスに対して適用され得る。例えば、保護信号は、心臓刺激器(例えば、心臓刺激器(28))から受け取られた心臓ペーシング信号、またはペーシング・デバイス(例えば、ペーシング・デバイス(230))によって測定されたECG信号に基づいて、発生させられ得る。別の例として、保護信号は、信号発生器(例えば、信号発生器(222))から受け取られたパルス波形信号に少なくとも部分的に基づいて、発生させられ得る。保護信号は、事前決定された時間期間および長さを有し得る。心臓刺激器および/または他の電子コンポーネントは、(418)において、保護信号に応答して、保護間隔にわたって、電気的に絶縁され得る。例えば、ペーシング・デバイスに対して結合された保護デバイスは、受け取られた保護信号に基づいて、アブレーション・システム(例えば、信号発生器(222)、アブレーション・デバイス(210)など)によって送達された高電圧パルス電界アブレーション信号から、心臓刺激器を電気的に絶縁し得る。
【0074】
いくつかの実施形態においては、保護信号は、心臓刺激器の電気的絶縁を、組織に対するアブレーション・エネルギーの送達と同期させ得る。例えば、保護信号は、本願明細書で詳細に説明されるように、心臓ペーシング信号、測定された心臓活動、および信号発生器信号のうちの1つまたは複数に基づいて、発生させられ得る。加えて、または代替として、保護デバイスは、パルス電界アブレーション処置中に、心臓刺激器が、ペーシング信号を能動的に送達していないときであっても、保護信号を発生させ得る。これは、例えば、素早い心臓ペーシングを必要とする医療緊急事態のケースにおいて、有益であり得る。そのような保護は、臨床処置室にしばしば存在する電子コンポーネント(例えば、ECG記録またはモニタリング機器、電気解剖学的マッピング・システム、デバイス・ナビゲーション/トラッキング・システムなどを含むが、それらに限定されない、アブレーション・デバイス以外の医療電子機器)を絶縁するためにも、有益であることがあり得る。アブレーション・パルスのセットの送達の後、医療デバイス電極と、それぞれの電子コンポーネント(例えば、医療電子機器、心臓刺激器、電気解剖学的マッピング・システム、ECG記録またはモニタリング・システム、デバイス・ナビゲーション/トラッキング・システムなど)との間において、接続が回復されるように、保護デバイスが、非アクティブ化(424)されることに留意することが重要である。
【0075】
信号発生器(例えば、信号発生器(222)、またはそれと関連付けられた任意のプロセッサは、例えば、事前決定された基準に基づいて、(420)において、保護間隔と同期して、パルス波形を発生させるように構成され得る。例えば、パルス波形は、保護間隔の後に始まり、前に終了する、不応時間期間中に、発生させられ得る。不応時間期間は、ペーシング信号の後に続き得る。例えば、共通の不応時間期間は、心房不応時間ウィンドウと心室不応時間ウィンドウの両方の間にあり得る。電圧パルス波形は、共通の不応時間期間において、適用され得る。いくつかの実施形態においては、パルス波形および/または保護信号は、ペーシング信号のインジケーションに対して、時間オフセットを伴って、発生させられ得る。例えば、不応時間期間の始まりは、時間オフセットだけ、ペーシング信号からずらされ得る。電圧パルス波形は、対応する共通の不応時間期間にわたって、一連の心拍に対して適用され得る。いくつかの実施形態においては、パルス波形および保護信号は、同じまたは異なる信号または情報(例えば、ペーシング信号、センシングされたR波)に基づいて、発生させられ得る。
【0076】
アブレーション・デバイスは、(422)において、パルス波形の受け取りに応答して、組織に対して送達される電界(例えば、パルス電界)を発生させることができる。
いくつかの実施形態においては、本願明細書において説明されるような、入れ子構造を有する階層的な電圧パルス波形、および時間間隔の階層は、不可逆的エレクトロポレーションのために有益であり得、異なる組織タイプにおいて、制御および選択性を提供する。例えば、パルス波形は、信号発生器(例えば、信号発生器(222))によって、発生させられ得、階層内に複数のレベルを含み得る。様々な階層的な波形が、本願明細書において開示されるような信号発生器を用いて、発生させられ得る。例えば、パルス波形は、パルスの第1のセットを含む、パルスの波形の階層の第1のレベルを含み得る。各パルスは、パルス時間持続時間と、連続するパルスを分離する第1の時間間隔とを有する。パルス波形の階層の第2のレベルは、パルスの第2のセットとして、パルスの複数の第1のセットを含み得る。第2の時間間隔は、パルスの連続する第1のセットを分離し得る。第2の時間間隔は、第1の時間間隔の少なくとも3倍の持続時間であり得る。パルス波形の階層の第3のレベルは、パルスの第3のセットとして、パルスの複数の第2のセットを含み得る。第3の時間間隔は、パルスの連続する第2のセットを分離し得る。第3の時間間隔は、第2のレベルの時間間隔の少なくとも30倍の持続時間であり得る。
【0077】
いくつかの実施形態においては、パルス波形は、アブレーション・デバイス(例えば、アブレーション・デバイス(210))のスプラインのセットを介して、患者の肺静脈口に対して、または心臓の生体構造における、もしくはより一般的に患者の解剖学構造の他の部分における、任意のロケーションに配置されたデバイスに対して送達され得る。いくつかの実施形態においては、本願明細書において説明されるような電圧パルス波形は、肺静脈のアブレーションおよび絶縁のための陽極-陰極サブセットなどの、電極サブセットに対して選択的に送達され得る。例えば、電極のグループのうちの第1の電極は、陽極として構成され得、電極のグループのうちの第2の電極は、陰極として構成され得る。これらの工程は、アブレーションされた望まれる数の肺静脈口または腔領域(例えば、1つ、2つ、3つ、または4つの口)のために、繰り返され得る。アブレーション・デバイスおよび方法の適切な例は、上で援用された、国際出願第PCT/US2019/014226号において、説明されている。
【0078】
図6Bは、アブレーション・エネルギーが、(心臓ペーシングを用いずに)非同期的に送達される、組織アブレーションの例となる方法(1900)である。アブレーション・デバイスが、(1905)において、患者の生体構造に対して導入され、アブレーションすることが望まれる関心領域に、例えば、心臓の生体構造におけるロケーションに位置付けられる。保護デバイスは、(1909)において、例えば、ハードウェアのスイッチングされる絶縁回路に対して、またはスイッチングされる絶縁回路を制御するプロセッサに対して直接的に結合され得る、適切な制御信号によって、アクティブ化され得る。本願明細書において使用される場合、制御要素は、制御信号、プロセッサ、およびスイッチ回路(例えば、スイッチングされる絶縁回路)のうちの1つまたは複数を指し得る。したがって、保護される電子コンポーネントまたは機器は、絶縁時間間隔にわたって、アブレーション・パルスの可能なピックアップから絶縁される。パルス波形が、(1913)において、発生させられ、(1917)において、絶縁時間間隔内において、組織に対して送達される。(1917)におけるアブレーション・パルスの送達の後、保護デバイスは、(1920)において、電子コンポーネントまたは機器と、任意の関連する患者接触電極との間に電気的接続を回復するために、非アクティブ化される。そのような保護された電子機器は、1つまたは複数の心臓刺激器、電気解剖学的マッピング・システム、ECG記録/モニタリング・システム、デバイス・ナビゲーション/トラッキング・システムなどを含むことができる。
【0079】
例えば、心臓刺激器が、パルス電界アブレーション処置の一部にわたって、心臓をペーシングするために使用される、実施形態においては、心臓刺激器と心臓との間の患者接続は、ペーシングまたは刺激パルスの持続時間にわたって、損なわれないままであることが必要である。そのような実施形態においては、保護信号(例えば、保護デバイスをアクティブ化するための制御信号)は、心臓刺激器の電気的絶縁を、アブレーション・エネルギーの組織に対する送達と同期させることができる。図7Aは、心臓刺激(510)チャネル、パルス電界アブレーション送達(530)チャネル、および保護間隔(540)(例えば、ブランキングまたは開回路)チャネルの時間シーケンスの概略図である。図7Bは、心臓刺激(510)チャネル、心電図(520)チャネル、パルス電界アブレーション送達(530)チャネル、および保護間隔(540)チャネルの時間シーケンスの概略図である。心臓刺激(510)は、周期的なペーシング・パルス(512)のセットを備え得る。各ペーシング・パルス(512)は、約0.1msから約20msの間の幅を有する、長方形パルスを備え得る。ペーシング・パルス(512)は、刺激器(例えば、刺激器(28、28’))によって発生させられ、ペーシング・デバイス(例えば、ペーシング・デバイス(230))を使用して、心臓組織に対して送達され得る。ペーシング・パルス(512)は、心室および心房の心臓ペーシングのうちの1つまたは複数に対応し得る。ペーシング・パルス(512)に応答して、心臓の心周期は、ペーシング・パルス(512)と同期し得る。例えば、図7BにおけるQRS波形(522)は、それぞれのペーシング・パルス(512)と同期させられる。QRS波形(522)に続くT波(524)は、心筋細胞において生起する、再分極の始まりに対応する。いくつかの実施形態においては、心電図(520)は、ペーシング・デバイスを使用して、測定され得る。
【0080】
いくつかの実施形態においては、パルス電界アブレーション処置の高電圧適用は、図7Aおよび図7Bに描かれるように、心周期と同期させられることができる。ペーシングは、いくつかの方法で、高電圧適用に同期させられることができる。例えば、心房ペーシング、心室ペーシング、または多腔ペーシングが、実行されることができる。心室は、それの再分極(例えば、T波)期間中に、刺激された場合、不整脈(例えば、心室頻拍、心室細動)をより引き起こしがちなので、心室ペーシングを実施することが、望ましいことであり得る。刺激パルスが、適用されたとき、パルス電界アブレーションの高電圧出力は、ペーシングと同時に、または刺激パルスから事前決定された遅延だけ後に、生起することができる。
【0081】
いくつかの実施形態においては、パルス波形(532)の送達は、各ペーシング・パルス(512)の立ち下がりエッジ(514)から第1の遅延(534)(例えば、時間間隔または期間)だけ後に、開始し得る。各パルス波形(532)は、間隔(532)の間、適用されることができる。いくつかの実施形態においては、第1の遅延(534)は、(例えば、ユーザによって入力された)事前決定された値であり得る。例えば、第1の遅延(534)は、約1msから約100msの間であり得る。第2のパルス遅延(536)は、パルス波形(532)送達の終了と、T波の始まりとを分離することができる。上で説明されたように、心周期と関連付けられた不応期中に、パルス波形を送達することは、望ましいことであり得る。したがって、この第2のパルス遅延(536)は、パルス波形(532)とT波(524)との間の安全マージンを表す。
【0082】
ブランキング間隔または保護間隔(542)は、各ペーシング・パルス(512)の後直ちに、または間もなく、始まるように構成されることができる。保護間隔(542)は、パルス波形(532)がその間に送達される持続時間を包含するように構成されることができる。例えば、保護間隔(542)は、ペーシング・パルス(512)の立ち下がりエッジ(514)から第3の遅延(544)だけ後に、開始することができ、第3の遅延(544)は、パルス波形(532)の第1の遅延(534)よりも小さい。例えば、第3の遅延(544)は、約5ms未満であり得る。刺激器およびペーシング・デバイスが、ペーシング・パルス(512)を送達するためには、閉回路接続が必要であるので、保護間隔(542)(例えば、開回路状態、ブランキング間隔)が、ペーシング・パルス(512)に重ならないように、第3の遅延(544)は、ゼロに近いが、非ゼロであることができる。いくつかの実施形態においては、保護間隔(542)が、少なくともパルス波形(532)全体に重なる(例えば、それを包含する)ように、保護間隔(542)は、パルス波形(532)の第1の長さに少なくとも等しく、好ましくは、それよりも大きい。図7Aおよび図7Bにおいては、パルス波形(532)および保護間隔(542)の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ(550)は、保護間隔(542)がパルス波形(532)より長くなるようなものである。
【0083】
(例えば、心臓刺激器のペーシングまたは刺激パルスに対して)パルス電界アブレーションの高電圧適用のタイミングが、知られている場合、絶縁保護が高電圧適用間隔を包含することを保証するために、保護間隔(542)は、高電圧適用の持続時間の周辺に合わされることができる。高電圧適用のための信号発生器は、刺激パルス(例えば、ペーシング・パルス(512))と、患者に対する高電圧適用の開始(例えば、パルス波形(532)の立ち上がりエッジ(550))との間に、事前決定された量の遅延(例えば、第1の遅延(534))を有するように構成されることができる。この遅延は、保護要素が、それの絶縁状態(例えば、開回路状態または構成)に移行し、保護間隔(542)を始めるのに十分な時間を提供することができる。その後、保護間隔(542)は、高電圧適用間隔よりも長い持続時間にわたって継続する。保護間隔(542)およびパルス波形(532)のタイミングは、各心臓周期ごとに、繰り返されることができる。
【0084】
いくつかの実施形態においては、例えば、R波(例えば、心室脱分極/収縮)についての心臓センシングまたはモニタリングが、組織に対するアブレーション・エネルギーの送達を、心周期に同期させるために、使用されることができる。例えば、患者の固有R波が、センシングされ、アブレーション・エネルギー送達および電気的絶縁のうちの1つまたは複数に対するトリガとして、使用されることができる。いくつかの実施形態においては、心臓をペーシングする代わりに、このR波センシングが、使用されることができる。代替的な実施形態においては、R波センシングは、ペーシングとともに、使用されることができる。例えば、ペーシングが、心房または心室のどちらかにおいて、実行されることができ、捕捉された拍動のR波応答が、センシングされ、同期のために、使用されることができる。図8は、患者(600)の心臓(602)内に配置された、エレクトロポレーション・システムの概略図である。エレクトロポレーション・システムは、アブレーション・デバイス(610)と、信号発生器(622)(例えば、パルス・フィールド・アブレーション発生器)と、心臓刺激器(628)と、ペーシング・デバイス(630)と、保護デバイス(650)と、1つまたは複数の信号検出器(670、672)とを含み得る。図8には、2つの信号検出器(670、672)が、描かれているが、2つの独立した検出器ではなく、単一の信号検出器が、本願明細書において説明される方法を達成するために、使用されることができることが理解されることができる。
【0085】
信号発生器(622)は、アブレーション・デバイス(610)と、信号検出器(672)とに対して結合され得る。信号発生器(622)は、例えば、心臓(602)に対してアブレーション・エネルギーを送達するために、アブレーション・デバイス(610)の電極(612)に対して送達されるパルス波形を発生させるように構成され得る。ペーシング・デバイス(630)は、ペーシング・デバイス(630)のペーシング電極(632)を使用して、心臓をペーシングするように構成され得る。1つまたは複数の診断デバイス(636)は、例えば、外部に設置された電極パッド、または心臓内電極(634)を使用して、心臓(600)の心臓活動(例えば、心電図)を測定するように構成され得る。代替として、いくつかの実施形態においては、ペーシング・デバイス(630)および/またはアブレーション・デバイス(610)の1つまたは複数の電極は、心周期の成分のさらなる検出および/または分析のために、プロセッサ(例えば、信号検出器(670、672))に対して接続することができる、センシング電極として、使用されることができる。
【0086】
保護デバイス(650)は、心臓刺激器(628)と、ペーシング・デバイス(630)との間に結合され得る。いくつかの実施形態においては、保護デバイス(650)は、心臓刺激器(628)の電気的絶縁を、アブレーション・デバイス(610)によるアブレーション・エネルギーの送達と同期させるように構成され得る。1つまたは複数の信号検出器(670、672)は、信号発生器(622)、ペーシング・デバイス(630)、保護デバイス(650)、および心臓刺激器(628)のうちの1つまたは複数に対して結合され得る。図8に示されるように、第1の信号検出器(670)は、保護デバイス(650)に結合され、第2の信号検出器(672)は、信号発生器(622)に対して結合される。しかしながら、代替的な実施形態においては、単一の信号検出器が、保護デバイス(650)と信号発生器(622)の両方に対して結合されることができる。
【0087】
各信号検出器(670、672)は、患者(600)に対して結合された、それぞれの診断デバイス(636)に対して結合され得る。代替として、信号検出器(670、672)は、信号発生器(622)、ペーシング・デバイス(630)、保護デバイス(650)、および心臓刺激器(628)のうちの1つまたは複数と統合され得る。信号分析器(670)は、1つまたは複数のR波を検出するために、心電図信号を受け取り、分析するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、R波は、ノイズについてのいくつかの排斥基準と一緒に、R波振幅しきい値を使用して、検出され得る。R波が検出されるとき、信号検出器(670、672)は、保護デバイス(650)および信号発生器(622)に対して、信号を出力するよう構成されることができる。具体的には、信号発生器(622)に対して結合された信号検出器(672)は、R波を検出すると、R波のタイミングを示すために、信号を信号発生器(622)に送り、したがって、パルス電界アブレーションをいつ送達するかについて、信号発生器(622)に対して通知することができる。保護デバイス(650)に対して結合された信号検出器(670)は、R波を検出すると、R波のタイミングを示すために、保護デバイス(650)に対して、信号(例えば、上で説明されたような制御信号)を送り、したがって、図9を参照してさらに説明されるように、保護またはブランキング間隔をいつ開始するかを、保護デバイス(650)に対して通知することができる。
【0088】
図9は、心臓刺激(710)チャネル、心電図(720)チャネル、パルス・フィールド・アブレーション送達(730)チャネル、および保護間隔(740)チャネルの時間シーケンスの概略図である。図9に描かれた時間シーケンスは、図7Bに描かれた時間シーケンスと同様の態様を含むことができる。例えば、図8に描かれるような心臓刺激器(628)による心臓刺激(710)は、患者(例えば、患者(600))に対して、任意選択の、および/または周期的な刺激パルス(712)を提供することができる。実施形態においては、刺激パルスは、周期的であり得、約1msから約5msの間の幅を有する、長方形パルスを含み得る。いくつかの実施形態においては、ペーシング・パルス(712)は、本願明細書において説明されるペーシング・デバイス(例えば、ペーシング・デバイス(630))のいずれかを使用して、送達され得る。ペーシング・パルス(712)は、心室および心房の心臓ペーシングのうちの1つまたは複数に対応し得る。心電図(720)は、1つまたは複数のP波(721)、QRS波形(722)、およびT波(724)を含むことができる。P波(721)は、心房脱分極に対応する。QRS波形(722)に続くT波(724)は、心筋細胞において生起する、再分極の始まりに対応する。いくつかの実施形態においては、パルス波形(732)の送達は、例えば、R波検出時に直ちに、または第1の遅延(734)の後に、R波(726)検出と同期させられ得る。パルス電界アブレーション送達中に、患者から、ある電子コンポーネントを絶縁するために、保護デバイス(例えば、保護デバイス(650))が使用される、実施形態においては、R波検出の後、パルス電界アブレーション送達の前に、保護デバイスが、そのような電子コンポーネントを絶縁するのに十分な時間が存在するように、事前決定された遅延を実施することが、望ましいことであり得る。いくつかの実施形態においては、第1の遅延(734)は、事前決定された値であり得る。例えば、第1の遅延(734)は、約1msから約5msの間であり得る。いくつかの実施形態においては、パルス波形(732)は、例えば、安全マージンを提供するために、第2の遅延(736)によって、T波(724)から分離され得る。
【0089】
いくつかの実施形態においては、保護間隔(742)(例えば、開回路またはブランキング間隔)を実施する、保護デバイス(例えば、保護デバイス(650))は、同期のために、R波(726)検出を使用することができる。保護デバイスは、R波(726)から第3の遅延(744)だけ後に、保護間隔(742)を始めることができる。第3の遅延(744)は、第1の遅延(734)よりも小さいものであり得る。第3の遅延(744)は、約5ms未満であり得る。保護デバイスが、心臓刺激とともに使用されるとき、保護間隔(742)(例えば、開回路状態、ブランキング間隔)は、刺激またはペーシング・パルス(712)に重ならないように構成され得る。保護間隔(742)は、保護間隔(742)が、少なくともパルス波形(732)全体に重なる(例えば、それを包含する)ように、パルス波形(732)の長さに少なくとも等しく、好ましくは、それよりも大きいものであり得る。いくつかの実施形態においては、パルス波形(732)と保護間隔(742)は、(例えば、分離したR波検出器(670、672)を用いて)独立して、または(例えば、単一のR波検出器(670)を用いて)同時に、実施されることができる。R波(726)検出の後直ちに、または間もなく、保護間隔(742)を始め、予期されるパルス・フィールド・アブレーション送達持続時間よりも長く、それを継続させることによって、保護間隔(742)は、パルス・フィールド・アブレーション処置中に、心臓内ペーシングが、能動的に使用されていないときであっても、電子コンポーネント(例えば、心臓刺激器などの敏感な機器)を保護することができる。素早いペーシングまたは他のタイプのペーシングを必要とし得、したがって、そのような電子コンポーネントが、処置中にわたって、機能し、接続され、いつでも使用することができることを許容する、医療緊急事態の場合には、心臓刺激器など、そのような電子コンポーネントを保護することは、アブレーション処置中に、そのような機器が、能動的に使用されていない場合であっても、重要なことであることができる。
【0090】
高電圧間隔の間の、ある電子コンポーネントの保護または絶縁カバレッジは、最も長い予期されるアブレーション間隔をカバーする、持続時間の十分に長い固定されたブランキング間隔、または(例えば、ユーザもしくはシステムが、予期されるパルス・フィールド・アブレーション時間に基づいた値に、それを設定することができる)調節可能もしくは設定可能なブランキング間隔を使用して、実施されることができる。図13は、心臓刺激(1110)チャネル、心電図(1120)チャネル、パルス・フィールド・アブレーション送達(1130)チャネル、および保護間隔(1140)チャネルの時間シーケンスの概略図である。心臓刺激(1110)チャネルは、任意選択で、周期的であり得、約0.1msから約100msの間の幅を有する長方形パルスを備え得る、ペーシングまたは刺激信号(1112)を含むことができる。いくつかの実施形態においては、ペーシング・パルス(1112)は、本願明細書において説明される、ペーシング・デバイス(例えば、ペーシング・デバイス(230、630、1030))のいずれかを使用して、送達され得る。ペーシング・パルス(1112)は、心室および心房の心臓ペーシングのうちの1つまたは複数に対応し得る。ペーシング・パルス(1112)に応答して、心臓の心周期は、ペーシング・パルス(1112)と同期し得る。例えば、図13におけるP波(1121)、QRS波形(1122)、およびT波(1124)は、ペーシング・パルス(1112)と同期させられることができる。P波(1121)は、心房脱分極に対応し、QRS波形(1122)に続くT波(1124)は、心筋細胞において生起する、再分極の始まりに対応する。
【0091】
いくつかの実施形態においては、パルス波形(1132)と保護間隔(1142)は、ペーシングまたは刺激パルス・センシング(1144)、およびR波検出(1124)のうちの1つまたは複数に基づいて、同期し得る。パルス波形(1132)は、第1の長さ、または持続時間(1134)を有し得、保護間隔(1142)は、パルス波形(1132)の持続時間と少なくとも同じ長さの、第2の長さ、または持続時間(1148)を有し得る。保護間隔(1142)の持続時間(1148)は、固定されること、または調節可能であることができる。パルス波形(1134)は、(例えば、心臓刺激器によってシグナリングされ、または検出されるような)心臓ペーシング・パルス(1112)の立ち下がりエッジ(1114)から第1の遅延(1136)だけ後に、送達され得る。第1の遅延(1136)は、事前決定された値であり得る。例えば、第1の遅延(1136)は、約1msから約5msの間であり得る。同じように、保護間隔(1142)は、第2の遅延(1144)の後、(例えば、心臓刺激器によってシグナリングされ、または検出されるような)心臓ペーシング・パルス(1112)と同期し得る。この方式においては、心臓ペーシング信号(1112)は、保護間隔(1142)をトリガするように構成され得る。保護間隔(1142)(例えば、開回路状態、ブランキング間隔)は、パルス波形(1132)全体に重なることができる。
【0092】
いくつかの実施形態においては、パルス波形(1132)および保護間隔(1142)は、例えば、それぞれの第3遅延(1138)および第4遅延(1146)の後、R波検出(1124)と同期することができる。この方式においては、R波検出(1124)は、保護間隔(1142)をトリガするように構成され得る。R波検出は、本願明細書において説明されるような、システムのいずれかを使用して、実施されることができる。第3の遅延(1138)は、事前決定された値であり得る。例えば、第3の遅延(1138)は、約1msから約20msの間であり得る。いくつかの実施形態においては、パルス波形(1132)および保護間隔(1142)は、R波検出(1124)と実質的に同時に、開始し得る。
【0093】
いくつかの実施形態においては、第2の遅延(1144)および第4の遅延(1146)の一方または両方は、保護間隔(1142)が、調節可能な持続時間(1148)を有することができるように、調節可能であることができる。
【0094】
本開示における例および図示は、例示的な目的に役立ち、電極、センサ、およびデバイスの数などの逸脱および変化は、本発明の範囲から逸脱することなく、本願明細書の教示に従って、もたらされ、展開されることができることが理解されるべきである。特に、高電圧パルス波形を有するアブレーション・エネルギーが、心臓ペーシングと同期して送達されるか、それとも非同期で(例えば、心臓ペーシングなしで)送達されるかにかかわらず、本願明細書において開示されるシステム、デバイス、および方法は、心臓刺激器、電気解剖学的マッピング・システム、ECG記録システム、ECGモニタリング・システム、デバイス・ナビゲーションまたはトラッキング・システムなどを含むが、それらに限定されない、多種多様な医療電子機器を保護するように構成されることができる。本願明細書において説明される、保護デバイスの実施形態は、そのような電子機器に対して接続され得る、複数のデバイス電極またはデバイス電極の複数のセットを保護することができる、マルチ・チャネル形式で実施されることができることが理解されるべきである。例えば、保護デバイスは、2、4、6、8、64、256、または512の保護のチャネルを組み込むことができる。さらに、保護デバイスのアクティブ化のために使用される制御信号は、複数のそのようなデバイスに対して出力されることができ、したがって、保護のチャネルの数が、モジュール方式で拡張されることができる、拡張可能な保護デバイスを提供する。
【0095】
本願明細書において使用される場合、数値および/または範囲と併せて使用されるときの、「約」および/または「近似的に」という用語は、一般に、言及された数値および/または範囲に近い、それらの数値および/または範囲を指す。いくつかの実施態様においては、「約」および「近似的に」という用語は、言及された値の±10%以内を意味し得る。例えば、いくつかの例においては、「約100[単位]」は、100の±10%以内(例えば、90から110まで)を意味し得る。「約」および「近似的に」という用語は、交換可能に使用され得る。
【0096】
本願明細書において説明される、いくつかの実施形態は、様々なコンピュータ実施される動作を実行するための命令またはコンピュータ・コードをその上に有する、(非一時的プロセッサ可読媒体と呼ばれることもある)非一時的コンピュータ可読媒体を伴った、コンピュータ記憶製品に関する。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、それが、一時的な伝搬する信号自体(例えば、空間またはケーブルなどの送信媒体上において情報を搬送する伝搬する電磁波)を含まないという意味で、非一時的である。媒体、および(コードまたはアルゴリズムと呼ばれることもある)コンピュータ・コードは、1つまたは複数の特定の目的のために、設計および構築されたものであり得る。非一時的コンピュータ可読媒体の例は、ハード・ディスク、フロッピ・ディスク、および磁気テープなどの、磁気記憶媒体、コンパクト・ディスク/デジタル・ビデオ・ディスク(CD/DVD)、コンパクト・ディスク・リード・オンリ・メモリ(CD-ROM)、およびホログラム・デバイスなどの、光記憶媒体、光ディスクなどの光磁気記憶媒体、搬送波信号処理モジュール、ならびに特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、およびランダム・アクセス・メモリ(RAM)デバイスなどの、プログラム・コードを記憶および遂行するように特別に構成されたハードウェア・デバイスを含むが、それらに限定されない。本願明細書において説明される、他の実施形態は、例えば、本願明細書において開示される、命令および/またはコンピュータ・コードを含み得る、コンピュータ・プログラム製品に関する。
【0097】
本願明細書において説明されるシステム、デバイス、および/または方法は、(ハードウェア上において遂行される)ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせによって、実行され得る。ハードウェア・モジュールは、例えば、汎用プロセッサ(もしくはマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る。(ハードウェア上において遂行される)ソフトウェア・モジュールは、C、C++、Java(登録商標)、Ruby、Visual Basic(登録商標)、および/または他のオブジェクト指向、手続き型、もしくは他のプログラミング言語および開発ツールを含む、様々なソフトウェア言語(例えば、コンピュータ・コード)で表現され得る。コンピュータ・コードの例は、マイクロコードまたはマイクロ命令、コンパイラによって生成されるような機械命令、ウェブ・サービスを生成するために使用されるコード、およびインタープリタを使用してコンピュータによって遂行される、より高いレベルの命令を格納したファイルを含むが、それらに限定されない。コンピュータ・コードの追加の例は、制御信号、暗号化されたコード、および圧縮されたコードを含むが、それらに限定されない。
【0098】
本願明細書における特定の例および説明は、本質的に例示的なものであり、実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、本願明細書において教示される材料に基づいて、当業者によって、開発され得る。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20A
図20B
図20C
【手続補正書】
【提出日】2022-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極の第1のセットと、
患者の生体構造と接触して配置された電極の第2のセットと、
パルス波形を発生させるように構成された信号発生器であって、前記信号発生器は、電極の前記第1のセットに対して結合され、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を繰り返し送達するように構成され、電極の前記第1のセットは、前記心臓組織をアブレーションするために、前記パルス波形の前記送達に応答して、パルス電界を発生させるように構成される、信号発生器と、
前記電極の前記第2のセットに対して電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成された保護デバイスと、
前記保護デバイスに対して結合され、電極の前記第1のセットに対する前記パルス波形の各送達の前に開始し、後に終了する、時間の間隔の間、電極の前記第2のセットから前記電子デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成された制御要素と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記電子デバイスは、ペーシング信号を発生させるように構成された心臓刺激デバイスであり、前記心臓刺激デバイスは、心周期のセットのタイミングを制御するために、電極の前記第2のセットを介して、前記心臓に対して前記ペーシング信号を送達するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御要素は、
前記心臓刺激デバイスからトリガ信号を受け取る工程であって、各トリガ信号は、ペーシング信号が前記心臓に対して送達されたときを示し、前記制御要素は、各トリガ信号を受け取ったことに応答して、電極の前記第2のセットから前記心臓刺激デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成される、工程と、
前記心臓刺激デバイスが、前記心臓に対して後続のペーシング信号を送達することができるように、電極の前記第1のセットに対する前記パルス波形の各送達の後に、電極の前記第2のセットに対して前記心臓刺激デバイスを結合する工程と
を行うようにさらに構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記信号発生器は、前記心臓に対する各ペーシング信号の前記送達から時間遅延だけ間隔を空けて、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を送達するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記時間遅延は、第1の時間遅延であり、前記制御要素は、各ペーシング信号の前記送達から第2の時間遅延だけ後に、電極の前記第2のセットから前記心臓刺激デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成され、前記第2の時間遅延は、前記心臓刺激デバイスが、前記パルス波形の各送達の前に、電極の前記第2のセットから結合解除されるように、前記第1の時間遅延より小さい、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記電子デバイスは、
心臓電気活動のマップを生成させるように構成された電気解剖学的マッピング・システム、
心腔の解剖学的マップを生成させるように構成されたデバイス・トラッキングおよびナビゲーション・システム、または
心臓電気活動をモニタリングするように構成された心電図(ECG)システム
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
心周期のセットのうちの各心周期と関連付けられたR波を検出するように構成されたセンシング・デバイスをさらに備え、
前記信号発生器は、心周期の前記セットのうちの各心周期の間において心周期の前記セットのうちの各心周期の前記R波から時間遅延だけ間隔を空けて、前記パルス波形を送達するように構成され、前記時間遅延は、前記パルス波形の送達前に、前記電子デバイスが、電極の前記第2のセットから結合解除されることを可能にする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御要素は、
前記センシング・デバイスからトリガ信号を受け取る工程であって、各トリガ信号は、R波が検出されたときを示し、前記制御要素は、各トリガ信号を受け取ったことに応答して、電極の前記第2のセットから前記電子デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成される、工程と、
前記パルス波形の各送達の後に、電極の前記第2のセットに対して前記電子デバイスを結合する工程と
を行うようにさらに構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記保護デバイスは、前記信号発生器に統合されるとともに前記制御要素は、電極の前記第1のセットに対する前記パルス波形の前記送達を、電極の前記第2のセットからの前記電子デバイスの前記結合解除と調整するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記保護デバイスは、前記電子デバイスが電極の前記第2のセットに対して結合された導電状態と、前記電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成された、スイッチ・コンポーネントを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記スイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記スイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、前記保護デバイスは、前記保護デバイスが電源オフのときに導電状態にあり、前記保護デバイスが電源オンのときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに含み、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記保護デバイスが、電源オフのときに、前記電子デバイスが、電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記保護デバイスは、コモン・モード・チョーク、差動モード・チョーク、またはフィルタ回路のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項10乃至12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記保護デバイスは、少なくとも、(i)1つもしくは複数のコンデンサ、または(ii)前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングを行う前記スイッチ・コンポーネントと関連付けられたエネルギーを吸収するように構成された、スイッチイン抵抗器をさらに含む、請求項10乃至13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記保護デバイスは、電極の複数の第2のセットに対して複数の電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成され、前記複数の電子デバイスは、前記電子デバイスを含み、電極の前記複数の第2のセットは、電極の前記第2のセットを含む、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
本願明細書における特定の例および説明は、本質的に例示的なものであり、実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、本願明細書において教示される材料に基づいて、当業者によって、開発され得る。
本開示に含まれる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極の第1のセットと、
患者の生体構造と接触して配置された電極の第2のセットと、
パルス波形を発生させるように構成された信号発生器であって、前記信号発生器は、電極の前記第1のセットに対して結合され、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を繰り返し送達するように構成され、電極の前記第1のセットは、前記心臓組織をアブレーションするために、前記パルス波形の前記送達に応答して、パルス電界を発生させるように構成される、信号発生器と、
前記電極の前記第2のセットに対して電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成された保護デバイスと、
前記保護デバイスに対して結合され、電極の前記第1のセットに対する前記パルス波形の各送達の前に開始し、後に終了する、時間の間隔の間、電極の前記第2のセットから前記電子デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成された制御要素と
を備えるシステム。
(付記2)
前記制御要素は、制御信号によってアクティブ化されるように構成された回路、またはプロセッサのうちの少なくとも1つを含む、付記1に記載のシステム。
(付記3)
前記電子デバイスは、ペーシング信号を発生させるように構成された心臓刺激デバイスであり、前記心臓刺激デバイスは、心周期のセットのタイミングを制御するために、電極の前記第2のセットを介して、前記心臓に対して前記ペーシング信号を送達するように構成される、付記1または2に記載のシステム。
(付記4)
前記制御要素は、
前記心臓刺激デバイスからトリガ信号を受け取る工程であって、各トリガ信号は、ペーシング信号が前記心臓に対して送達されたときを示し、前記制御要素は、各トリガ信号を受け取ったことに応答して、電極の前記第2のセットから前記心臓刺激デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成される、工程と、
前記心臓刺激デバイスが、前記心臓に対して後続のペーシング信号を送達することができるように、電極の前記第1のセットに対する前記パルス波形の各送達の後に、電極の前記第2のセットに対して前記心臓刺激デバイスを結合する工程と
を行うようにさらに構成される、付記3に記載のシステム。
(付記5)
前記信号発生器は、前記心臓に対する各ペーシング信号の前記送達から時間遅延だけ間隔を空けて、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を送達するように構成される、付記3に記載のシステム。
(付記6)
前記時間遅延は、第1の時間遅延であり、前記制御要素は、各ペーシング信号の前記送達から第2の時間遅延だけ後に、電極の前記第2のセットから前記心臓刺激デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成され、前記第2の時間遅延は、前記心臓刺激デバイスが、前記パルス波形の各送達の前に、電極の前記第2のセットから結合解除されるように、前記第1の時間遅延より小さい、付記5に記載のシステム。
(付記7)
前記電子デバイスは、
心臓電気活動のマップを生成させるように構成された電気解剖学的マッピング・システム、
心腔の解剖学的マップを生成させるように構成されたデバイス・トラッキングおよびナビゲーション・システム、または
心臓電気活動をモニタリングするように構成された心電図(ECG)システム
のうちの少なくとも1つを含む、付記1に記載のシステム。
(付記8)
心周期のセットのうちの各心周期と関連付けられたR波を検出するように構成されたセンシング・デバイスをさらに備え、
前記信号発生器は、心周期の前記セットのうちの各心周期の間における、その心周期の前記R波の検出後、前記パルス波形を送達するように構成される、付記1または2に記載のシステム。
(付記9)
前記信号発生器は、心周期の前記セットのうちの各心周期の前記R波から時間遅延だけ間隔を空けて、前記パルス波形を送達するように構成され、前記時間遅延は、前記パルス波形の送達前に、前記電子デバイスが、電極の前記第2のセットから結合解除されることを可能にする、付記8に記載のシステム。
(付記10)
前記制御要素は、
前記センシング・デバイスからトリガ信号を受け取る工程であって、各トリガ信号は、R波が検出されたときを示し、前記制御要素は、各トリガ信号を受け取ったことに応答して、電極の前記第2のセットから前記電子デバイスを結合解除するために、前記保護デバイスを制御するように構成される、工程と、
前記パルス波形の各送達の後に、電極の前記第2のセットに対して前記電子デバイスを結合する工程と
を行うようにさらに構成される、付記8に記載のシステム。
(付記11)
前記保護デバイスは、前記信号発生器に統合される、付記1または2に記載のシステム。
(付記12)
前記制御要素は、電極の前記第1のセットに対する前記パルス波形の前記送達を、電極の前記第2のセットからの前記電子デバイスの前記結合解除と調整するようにさらに構成される、付記11に記載のシステム。
(付記13)
前記保護デバイスは、前記電子デバイスが電極の前記第2のセットに対して結合された導電状態と、前記電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成された、スイッチ・コンポーネントを含む、付記1または2に記載のシステム。
(付記14)
前記スイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、付記13に記載のシステム。
(付記15)
前記スイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、前記保護デバイスは、前記保護デバイスが電源オフのときに導電状態にあり、前記保護デバイスが電源オンのときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに含み、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記保護デバイスが、電源オフのときに、前記電子デバイスが、電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、付記13または14に記載のシステム。
(付記16)
前記保護デバイスは、コモン・モード・チョーク、差動モード・チョーク、またはフィルタ回路のうちの1つまたは複数をさらに含む、付記13乃至15のいずれか1項に記載のシステム。
(付記17)
前記保護デバイスは、少なくとも、(i)1つもしくは複数のコンデンサ、または(ii)前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングを行う前記スイッチ・コンポーネントと関連付けられたエネルギーを吸収するように構成された、スイッチイン抵抗器をさらに含む、付記13乃至16のいずれか1項に記載のシステム。
(付記18)
前記保護デバイスは、電極の複数の第2のセットに対して複数の電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成され、前記複数の電子デバイスは、前記電子デバイスを含み、電極の前記複数の第2のセットは、電極の前記第2のセットを含む、付記1乃至17のいずれか1項に記載のシステム。
(付記19)
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極の第1のセットと、
電極の前記第1のセットに対して結合され、パルス波形を発生させるように構成された信号発生器と、
前記信号発生器に対して結合されたスイッチ・コンポーネントであって、前記スイッチ・コンポーネントは、電子デバイスが電極の第2のセットに対して結合された導電状態と、電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成され、電極の前記第2のセットは、電極の前記第1のセットの近くに配置可能である、スイッチ・コンポーネントと、
前記信号発生器および前記スイッチ・コンポーネントに対して結合された制御要素であって、プロセッサが、
トリガ信号を受け取る工程であって、各トリガ信号は、前記心臓の心周期と関連付けられる、工程と、
各トリガ信号を受け取ったことに応答して、
前記電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除されるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定する工程と、
電極の前記第1のセットがパルス電界を発生させるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定した後、前記信号発生器を介して、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を送達する工程と、
前記電子デバイスが電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記パルス波形を送達した後、前記スイッチ・コンポーネントを前記導電状態に設定する工程と
を行うように構成される、制御要素と
を備える装置。
(付記20)
前記制御要素は、制御信号によってアクティブ化されるように構成された回路、またはプロセッサのうちの少なくとも1つを含む、付記19に記載の装置。
(付記21)
前記制御要素は、ペーシング信号を発生させるように構成された心臓刺激デバイスから、前記トリガ信号を受け取るように構成され、各トリガ信号は、前記心臓に対するペーシング信号の送達を示す、付記19または20に記載の装置。
(付記22)
前記制御要素は、前記心臓の前記心周期と関連付けられたR波を検出するように構成されたセンシング・デバイスから、前記トリガ信号を受け取るように構成され、各トリガ信号は、前記センシング・デバイスによって前記R波が検出されたことを示す、付記19または20に記載の装置。
(付記23)
前記スイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、付記19乃至22のいずれか1項に記載の装置。
(付記24)
前記スイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、前記装置は、電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに導電状態にあり、電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されているときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに備え、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、電力が、前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに、前記電子デバイスが、電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、付記19乃至23のいずれか1項に記載の装置。
(付記25)
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極の第1のセットと、
電極の前記第1のセットに対して結合され、パルス波形を発生させるように構成された信号発生器と、
前記信号発生器に対して結合されたスイッチ・コンポーネントであって、前記スイッチ・コンポーネントは、電子デバイスが電極の第2のセットに対して結合された導電状態と、電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成され、電極の前記第2のセットは、電極の前記第1のセットの近くに配置可能である、スイッチ・コンポーネントと、
前記信号発生器および前記スイッチ・コンポーネントに対して結合された制御要素であって、プロセッサが、
心周期のセットの間に、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を送達することを決定する工程と、
心周期の前記セットのうちの各心周期について、
前記電子デバイスが電極の前記第2のセットから結合解除されるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定する工程と、
電極の前記第1のセットがパルス電界を発生させるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定した後、前記信号発生器を介して、電極の前記第1のセットに対して前記パルス波形を送達する工程と、
前記電子デバイスが電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記パルス波形を送達した後、前記スイッチ・コンポーネントを前記導電状態に設定する工程と
を行うように構成される、制御要素と
を備える装置。
(付記26)
前記スイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、付記25に記載の装置。
(付記27)
前記スイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、前記装置は、電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに導電状態にあり、前記電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されているときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに備え、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記電力が、前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに、前記電子デバイスが、電極の前記第2のセットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、付記25または26に記載の装置。
(付記28)
心臓の心臓組織に近接して電極の第1のセットを設置する工程と、
電子デバイスに対して接続された電極の第2のセットを、患者の生体構造と接触して配置されるように、位置付ける工程と、
電極の前記第2のセットが、前記電子デバイスから結合解除されるように、前記電子デバイスに対して選択的に結合可能なスイッチ・コンポーネントを、非導電状態にあるように設定する工程と、
電極の前記第1のセットが、前記心臓組織をアブレーションするためのパルス電界を発生させるように、前記スイッチ・コンポーネントを、前記非導電状態にあるように設定した後、電極の前記第1のセットに対してパルス波形を送達する工程と、
電極の前記第2のセットが、前記電子デバイスに対して結合されるように、前記パルス波形を送達した後、前記スイッチ・コンポーネントを、導電状態にあるように設定する工程と
を備える方法。
(付記29)
前記電子デバイスは、
電気解剖学的マッピング・システム
デバイス・ナビゲーションおよびトラッキング・システム、または
ECGモニタリング・システム
のうちの少なくとも1つを含む、付記28に記載の方法。
(付記30)
前記電子デバイスは、ペーシング信号を発生させるように構成された心臓刺激デバイスであり、前記方法は、
患者の生体構造と接触して配置された電極の前記第2のセットによって、前記心臓に対してペーシング信号を送達する工程と、
前記スイッチ・コンポーネントが、各ペーシング信号の送達後に、前記非導電状態に設定される工程と
をさらに備える、付記28に記載の方法。
(付記31)
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極のセットと、
患者の生体構造の近くに配置可能なセンサのセットと、
パルス波形を発生させるように構成された信号発生器であって、前記信号発生器は、電極の前記セットに対して結合され、電極の前記セットに対して前記パルス波形を繰り返し送達するように構成され、電極の前記セットは、前記心臓組織をアブレーションするために、前記パルス波形の前記送達に応答して、パルス電界を発生させるように構成される、信号発生器と、
前記センサの前記セットに対して電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成された保護回路と、
前記保護回路に結合され、閉回路構成と開回路構成との間での移行を行うために、前記保護回路を制御するように構成されたプロセッサであって、前記閉回路構成にある前記保護回路は、センサの前記セットと前記電子デバイスとの間で、信号が送られることを可能にするために、センサの前記セットに対して前記電子デバイスを結合するように構成され、前記開回路構成にある前記保護回路は、前記電子デバイスがセンサの前記セットから電気的に絶縁されるように、センサの前記セットから前記電子デバイスを結合解除するように構成され、前記プロセッサは、前記電子デバイスが、電極の前記セットに対する前記パルス波形の前記送達に応答して誘発される、電圧および電流から絶縁されるように、電極の前記セットに対する前記パルス波形の各送達の前に開始し、後に終了する、時間の間隔の間、前記開回路構成に移行するために、保護デバイスを制御するように構成される、プロセッサと
を備えるシステム。
(付記32)
前記プロセッサは、制御信号によってアクティブ化されるように構成された回路、またはプロセッサのうちの少なくとも1つを含む、付記1に記載のシステム。
(付記33)
前記電子デバイスは、
心臓電気活動のマップを生成させるように構成された電気解剖学的マッピング・システム、
心腔の解剖学的マップを生成させるように構成されたデバイス・トラッキングおよびナビゲーション・システム、または
心臓電気活動をモニタリングするように構成された心電図(ECG)システム
のうちの少なくとも1つを含む、付記1または2に記載のシステム。
(付記34)
心周期のセットのうちの各心周期と関連付けられたR波を検出するように構成された信号検出器をさらに備え、
前記信号発生器は、心周期の前記セットのうちの各心周期の間における、その心周期の前記R波の検出後、前記パルス波形を送達するように構成される、付記31乃至33のいずれか1項に記載のシステム。
(付記35)
前記信号発生器は、心周期の前記セットのうちの各心周期の前記R波から時間遅延だけ間隔を空けて、前記パルス波形を送達するように構成され、前記時間遅延は、前記パルス波形の送達前に、前記電子デバイスが、センサの前記セットから結合解除されることを可能にする、付記34に記載のシステム。
(付記36)
前記プロセッサは
前記信号検出器からトリガ信号を受け取る工程であって、各トリガ信号は、前記R波が検出されたときを示す、工程
を行うようにさらに構成され、
前記プロセッサは、各トリガ信号を受け取ったことに応答して、前記開回路構成に移行するために、前記保護回路を制御するように構成され、
前記プロセッサは、前記パルス波形の各送達の後に、前記閉回路構成に移行するために、前記保護回路を制御するように構成される、付記34に記載のシステム。
(付記37)
前記保護回路は、前記信号発生器に統合される、付記31乃至36のいずれか1項に記載のシステム。
(付記38)
前記プロセッサは、電極の前記セットに対する前記パルス波形の前記送達を、前記開回路構成への前記保護回路の前記移行と調整するようにさらに構成される、付記37に記載のシステム。
(付記39)
前記保護回路は、前記電子デバイスがセンサの前記セットに対して結合された導電状態と、前記電子デバイスがセンサの前記セットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成された、少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントを含む、付記31乃至37のいずれか1項に記載のシステム。
(付記40)
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、付記39に記載のシステム。
(付記41)
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、前記保護回路は、前記保護回路が電源オフのときに導電状態にあり、前記保護回路が電源オンのときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに含み、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記保護回路が、電源オフのときに、前記電子デバイスが、センサの前記セットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、付記39または40に記載のシステム。
(付記42)
前記保護回路は、コモン・モード・チョーク、差動モード・チョーク、またはフィルタ回路のうちの1つまたは複数をさらに含む、付記39乃至41のいずれか1項に記載のシステム。
(付記43)
前記保護回路は、少なくとも、(i)1つもしくは複数のコンデンサ、または(ii)前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングを行う前記スイッチ・コンポーネントと関連付けられたエネルギーを吸収するように構成された、スイッチイン抵抗器をさらに含む、付記39乃至42のいずれか1項に記載のシステム。
(付記44)
前記保護回路は、センサの複数のセットに対して複数の電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成され、前記複数の電子デバイスは、前記電子デバイスを含み、センサの前記複数のセットは、センサの前記セットを含む、付記31乃至43のいずれか1項に記載のシステム。
(付記45)
前記保護デバイスは、前記電子デバイスと、センサの前記セットとの間に結合される、付記31乃至36のいずれか1項に記載のシステム。
(付記46)
前記電子デバイスは、前記心臓に対してペーシング信号を送達するように構成された、心臓刺激デバイスである、付記31または32に記載のシステム。
(付記47)
センサの前記セットのうちの少なくとも1つは、電極である、付記31または32に記載のシステム。
(付記48)
センサの前記セットのうちの少なくとも1つは、電磁トラッキングセンサである、付記31または32に記載のシステム。
(付記49)
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、リレースイッチである、付記31乃至48のいずれか1項に記載のシステム。
(付記50)
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極のセットと、
電極の前記セットに対して結合され、パルス波形を発生させるように構成された信号発生器と、
患者の生体構造の近くに配置可能なセンサのセットと、
電子デバイスとセンサの前記セットとの間に結合された少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントであって、前記スイッチ・コンポーネントは、前記電子デバイスがセンサの前記セットに対して結合された導電状態と、前記電子デバイスがセンサの前記セットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成される、少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントと、
前記信号発生器および前記スイッチ・コンポーネントに対して結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記信号発生器からトリガ信号を受け取る工程と、
各トリガ信号を受け取ったことに応答して、
前記電子デバイスがセンサの前記セットから結合解除されるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定する工程と、
電極の前記セットがパルス電界を発生させるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定した後、前記信号発生器を介して、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達する工程と、
前記電子デバイスがセンサの前記セットに対して結合され、センサの前記セットに対して信号を送り、またはセンサの前記セットから信号を受け取ることができるように、前記パルス波形を送達した後、前記スイッチ・コンポーネントを前記導電状態に設定する工程と
を行うように構成される、プロセッサと
を備えるシステム。
(付記51)
前記プロセッサは、ペーシング信号を発生させるように構成された心臓刺激デバイスから、前記トリガ信号を受け取るように構成され、各トリガ信号は、前記心臓に対するペーシング信号の送達を示す、付記50に記載のシステム。
(付記52)
前記プロセッサは、前記心臓の心周期と関連付けられたR波を検出するように構成された信号検出器から、前記トリガ信号を受け取るように構成され、各トリガ信号は、前記信号検出器によって前記R波が検出されたことを示す、付記50に記載のシステム。
(付記53)
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、付記50乃至52のいずれか1項に記載のシステム。
(付記54)
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、装置は、電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに導電状態にあり、前記電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されているときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに備え、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記電力が、前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに、前記電子デバイスが、センサの前記セットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、付記50乃至53のいずれか1項に記載のシステム。
(付記55)
前記非導電状態にある前記スイッチ・コンポーネントは、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達したことに応答して、センサの前記セットにおいて誘発された電圧および電流から前記電子デバイスを保護するために、センサの前記セットから前記電子デバイスを絶縁する、付記50乃至54のいずれか1項に記載のシステム。
(付記56)
前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントは、リレースイッチである、付記50乃至55のいずれか1項に記載のシステム。
(付記57)
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極のセットと、
電極の前記セットに対して結合され、パルス波形を発生させるように構成された信号発生器と、
患者の生体構造の近くに配置可能なセンサのセットと、
電子デバイスとセンサの前記セットとの間に結合された少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントであって、前記スイッチ・コンポーネントは、前記電子デバイスがセンサの前記セットに対して結合された導電状態と、前記電子デバイスがセンサの前記セットから結合解除された非導電状態との間で、スイッチングを行うように構成される、少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントと、
前記信号発生器および前記少なくとも1つのスイッチ・コンポーネントに対して結合されたプロセッサであって、前記プロセッサは、
心周期のセットの間に、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達することを決定する工程と、
心周期の前記セットのうちの各心周期について、
前記電子デバイスがセンサの前記セットから結合解除されるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定する工程と、
電極の前記セットがパルス電界を発生させるように、前記スイッチ・コンポーネントを前記非導電状態に設定した後、前記信号発生器を介して、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達する工程と、
前記電子デバイスがセンサの前記セットに対して結合され、センサの前記セットに対して信号を送り、またはセンサの前記セットから信号を受け取ることができるように、前記パルス波形を送達した後、前記スイッチ・コンポーネントを前記導電状態に設定する工程と
を行うように構成される、プロセッサと
を備えるシステム。
(付記58)
前記スイッチ・コンポーネントは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のペアを含み、
MOSFETの前記ペアは、共通のソース端子と、1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路に対して結合されたゲート端子とを有し、MOSFETの前記ペアを、前記導電状態と前記非導電状態との間でスイッチングするために、前記1つまたは複数の絶縁されたゲート駆動回路は、前記ゲート端子に対して制御信号を送達するように構成される、付記57に記載のシステム。
(付記59)
前記スイッチ・コンポーネントは、第1のスイッチ・コンポーネントであり、装置は、電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに導電状態にあり、前記電力が前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されているときに非導電状態にあるように構成された、第2のスイッチ・コンポーネントをさらに備え、前記第2のスイッチ・コンポーネントは、前記電力が、前記第1のスイッチ・コンポーネントに対して送達されていないときに、前記電子デバイスが、センサの前記セットに対して結合されるように、前記第1のスイッチ・コンポーネントと並列して配置される、付記57または58に記載のシステム。
(付記60)
前記非導電状態にある前記スイッチ・コンポーネントは、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達したことに応答して、センサの前記セットにおいて誘発された電圧および電流から前記電子デバイスを保護するために、センサの前記セットから前記電子デバイスを絶縁する、付記57乃至59のいずれか1項に記載の装置。
(付記61)
心臓の心臓組織の近くに配置可能な電極のセットと、
患者の生体構造の近くに配置可能なセンサのセットと、
パルス波形を発生させるように構成された信号発生器であって、前記信号発生器は、電極の前記セットに対して結合され、電極の前記セットに対して前記パルス波形を繰り返し送達するように構成され、電極の前記セットは、前記心臓組織をアブレーションするために、前記パルス波形の前記送達に応答して、パルス電界を発生させるように構成される、信号発生器と、
前記センサの前記セットに対して電子デバイスを選択的に結合および結合解除するように構成された保護デバイスと、
前記保護デバイスに対して結合され、選択的に、センサの前記セットに対して前記電子デバイスを結合し、センサの前記セットから前記電子デバイスを結合解除するように前記保護デバイスを制御し、また
選択的に、前記電子デバイスに対する入力のセットを、共通ノードに対して結合し、共通ノードから結合解除すること、または
選択的に、前記共通ノードを、グランドに対して結合し、グランドから結合解除すること
のうちの少なくとも1つを行うように構成された制御要素と
を備えるシステム。
(付記62)
前記制御要素は、センサの前記セットからの前記電子デバイスの結合解除、および電極の前記セットに対する前記パルス波形の前記送達の前に、前記共通ノードに対して入力の前記セットを結合する工程と、前記グランドに対して前記共通ノードを結合する工程とを、同時に行うように構成される、付記61に記載のシステム。
(付記63)
前記制御要素は、電極の前記セットに対する前記パルス波形の各送達の前に開始し、後に終了する、時間の間隔の間、センサの前記セットから前記電子デバイスを結合解除するように構成される、付記61または62に記載のシステム。
(付記64)
前記制御要素は、前記グランドに対して前記共通ノードを結合し、センサの前記セットから前記電子デバイスを結合解除し、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達する前に、前記共通ノードに対して入力の前記セットを結合するように構成される、付記61に記載のシステム。
(付記65)
前記制御要素は、前記センサのセットを、前記電子デバイスに対して結合する工程、および前記電子デバイスから結合解除する工程と、前記共通ノードを、前記グランドに対して結合する工程、および前記グランドから結合解除する工程とを、実質的に同時に行うように構成される、付記64に記載のシステム。
(付記66)
前記制御要素は、前記共通ノードが、前記グランドから結合解除されている間、センサの前記セットから前記電子デバイスを結合解除し、電極の前記セットに対して前記パルス波形を送達する前に、前記共通ノードに対して入力の前記セットを結合するよう構成される、付記61に記載のシステム。
(付記67)
前記信号発生器と前記グランドとの間に結合された第1のインダクタンス・フィルタ、または前記保護デバイスと前記グランドとの間に結合された第2のインダクタンス・フィルタのうちの少なくとも1つをさらに備える、付記61乃至66のいずれか1項に記載のシステム。
【国際調査報告】