IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェムテック リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-充填部材を製造するための金型 図1
  • 特表-充填部材を製造するための金型 図2A
  • 特表-充填部材を製造するための金型 図2B
  • 特表-充填部材を製造するための金型 図3A
  • 特表-充填部材を製造するための金型 図3B
  • 特表-充填部材を製造するための金型 図4A
  • 特表-充填部材を製造するための金型 図4B
  • 特表-充填部材を製造するための金型 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】充填部材を製造するための金型
(51)【国際特許分類】
   B28B 3/26 20060101AFI20230118BHJP
   B01J 32/00 20060101ALI20230118BHJP
   B01J 37/00 20060101ALI20230118BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
B28B3/26 Z
B01J32/00
B01J37/00 C
B01J37/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529417
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2022-06-27
(86)【国際出願番号】 GB2020052953
(87)【国際公開番号】W WO2021099788
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】1916891.3
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521100807
【氏名又は名称】ジェムテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】スタッキー マーク
(72)【発明者】
【氏名】スタッキー ジャスティン
【テーマコード(参考)】
4G054
4G169
【Fターム(参考)】
4G054AA06
4G054AA11
4G054BD14
4G169AA01
4G169AA08
4G169BA01A
4G169BA02A
4G169BA03A
4G169BA04A
4G169BA05A
4G169BA06A
4G169BA13A
4G169BA13C
4G169BB06A
4G169BC09A
4G169DA05
4G169FA01
4G169FB30
4G169FB70
4G169FC02
(57)【要約】
液体セラミック組成物から充填部材を製造するための金型であって、金型は、第1の部品及び第2の部品を含み、第1及び/又は第2の金型部品は弾性的に変形可能であり、第1の部品及び/又は第2の部品は複数の開放金型キャビティを含み、第1及び第2の部品は、閉鎖金型キャビティを形成するために係合するように作動可能であり、金型は、第1及び第2の部品が金型部品の変形により部分的に離間され及びその位置で金型キャビティが開く開位置から、金型部品の変形を低減することにより、その位置で金型キャビティの一部が閉じる部分的閉位置へ、次いで、金型部品の変形を更に低減することにより、その位置で金型キャビティが閉じるように第1及び第2の部品が係合される閉位置へ動くように、作動可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体セラミック組成物から充填部材を製造するための金型であって、前記金型は第1の部品及び第2の部品を含み、前記第1及び/又は第2の金型部品は弾性的に変形可能であり、前記第1の部品及び/又は前記第2の部品は複数の開放金型キャビティを含み、前記第1及び第2の部品は、閉鎖金型キャビティを形成するために係合するように作動可能であり、前記金型は、前記第1及び第2の金型部品が金型部品の変形によって部分的に離間され及びその位置で金型キャビティが開く開位置から、前記金型部品の前記変形を低減することにより、その位置で前記金型キャビティの一部が閉鎖する部分的閉位置へ、次いで、前記金型部品の前記変形を更に低減することにより、且つその位置で前記金型キャビティが閉鎖するように前記第1及び第2の部品が係合される閉位置へ動くように作動可能である、金型。
【請求項2】
前記第1及び第2の金型部品は、それぞれが複数の開放金型キャビティを含む、請求項1に記載の金型。
【請求項3】
前記第1及び第2の金型部品の前記金型キャビティは、開放部分的金型キャビティであり、前記金型の前記第1及び第2の部品は、前記第1の部品の前記部分的金型キャビティが、閉鎖拡大金型キャビティを形成するために前記第2の部品の前記部分的金型キャビティと整合するように、係合するために作動可能である、請求項2に記載の金型。
【請求項4】
金型キャビティは、前記充填部材上に表面構造を生成するために作動可能なテクスチャ加工を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の金型。
【請求項5】
前記変形可能な金型部品は、シリコンなどの重合体材料から形成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の金型。
【請求項6】
前記変形可能な金型部品は、シリコン樹脂及び硬化剤又は触媒を含む、2部型シリコン組成物から形成される、請求項5に記載の金型。
【請求項7】
前記第1及び/又は第2の金型部品を形成する材料は、少なくとも5、例えば少なくとも10のショア硬度を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の金型。
【請求項8】
前記第1及び/又は第2の金型部品を形成する材料は、少なくとも15、例えば少なくとも20のショア硬度を有する、請求項7に記載の金型。
【請求項9】
前記第1及び/又は第2の金型部品を形成する材料は、40以下、例えば35以下のショア硬度を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の金型。
【請求項10】
前記第1及び/又は第2の金型部品を形成する材料は、32以下、例えば30以下のショア硬度を有する、請求項9に記載の金型。
【請求項11】
前記金型は貯蔵器形成部材を更に含み、前記開位置では、前記第1及び第2の部品は、前記貯蔵器形成部材が貯蔵器キャビティを形成するように離間されて作動可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の金型。
【請求項12】
前記部分的閉位置では、前記貯蔵器キャビティの場所は、金型キャビティに関連して動くように作動可能であり、及び/又は前記貯蔵器キャビティの容積は低減されている、請求項11に記載の金型。
【請求項13】
前記第1及び/又は第2の金型部品を形成する材料は、1%以下の収縮率を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の金型。
【請求項14】
前記金型部品は、前記金型部品の整合を維持するために役立つように作動可能な、共同保持部材を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の金型。
【請求項15】
金型部品は補強部材を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の金型。
【請求項16】
前記補強部材は、ガイド部材を提供するために前記金型部品から突出する、請求項15に記載の金型。
【請求項17】
液体セラミック組成物から充填部材を生成する際に使用するための成形装置であって、前記成形装置は、請求項1~16のいずれか一項に記載の金型と、前記開位置に前記金型を配置するように作動可能なガイド部材とを含む、成形装置。
【請求項18】
前記ガイド部材は、前記金型部品の一部が当接し及び前記金型部品の一部が離間される開位置に、好ましくは前記金型が前記金型の上に配置された投与部材から成形組成物の一部を受領するために作動可能な前記開位置に、前記金型を配置するために作動可能である、請求項17に記載の成形装置。
【請求項19】
充填層に使用するための充填部材を生成するための方法であって、
a.第1の部品及び第2の部品を含む金型を配置するステップであって、前記第1の部品及び/又は前記第2の部品は弾性的に変形可能であり、前記第1の部品及び/又は前記第2の部品は複数の開放金型キャビティを含み、開位置では、前記第1及び第2の部品は、金型キャビティが開くように、金型部品を変形することによって部分的に離間され、前記金型は、請求項1~16のいずれか一項に記載の金型、又は請求項17若しくは18のいずれか一項に記載の金型装置であってもよい、配置するステップと、
b.前記金型部品を液体セラミック組成物と接触させるステップ、適切には、前記第1及び第2の部品が、好ましくは前記金型の上から投与することにより、当接する、前記金型の一部に接触させるステップと、
c.前記金型キャビティの一部が閉じ、前記液体セラミック組成物の一部が前記閉鎖金型キャビティ内に保持されるように、前記金型部品の前記変形を低減することにより前記金型を部分的閉鎖位置に動かすステップと、
d.前記第1及び第2の部品が、更なる金型キャビティを閉じるように係合され、前記液体セラミック組成物の更なる部分が、成形体を生成するために前記更なる閉鎖金型キャビティ内に維持されるように、前記金型部品の前記変形を更に低減することにより前記金型を閉鎖位置に動かすステップと、
e.任意選択で前記成形体を加熱するステップと、
f.前記成形体を脱型するステップと、
g.任意選択で、充填部材を生成するために前記成形体を焼成するステップとを含む、方法。
【請求項20】
請求項1~16のいずれか一項に記載の金型内に、請求項17若しくは18に記載の金型装置内に、又は請求項19に記載の方法により、液体セラミック組成物を成形することによって入手可能な、充填層内で使用するための、好ましくは充填層反応器内で触媒担体として使用するための、充填部材。
【請求項21】
前記充填部材は、キャスト成形組成物又はスリップ、例えば粘土若しくは非粘土キャスタブル組成物、液体セメント又はゲルキャスト組成物から形成される、請求項19又は20に記載の充填部材又は方法。
【請求項22】
前記充填部材はゲルキャスト組成物から形成される、請求項21に記載の充填部材又は方法。
【請求項23】
前記ゲルキャスト組成物は、セラミック材料、有機結合成分及び任意選択で孔形成成分を含む、請求項22に記載の充填部材又は方法。
【請求項24】
前記有機結合成分は、好ましくは重合性モノマ及び架橋部材を含む重合性成分を含み、前記結合成分は(共)重合体を形成するために重合化させるように作動可能である、請求項23に記載の充填部材又は方法。
【請求項25】
前記重合性モノマは、1つ又は複数の種類のエチレン性不飽和モノマ、例えばアクリル系モノマ若しくはその誘導体、例えばアクリルアミドモノマ、及び/若しくはビニルモノマ、例えばメタクリルアミド(MAM)、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(hMAM)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(hEAM)及び/若しくはN-ビニル-2-ピロリジノン(NVP)の1つ又は複数から選択されたモノマを含む、請求項24に記載の充填部材又は方法。好ましくは、前記重合性モノマは、1つ又は複数のアクリルアミドモノマ、より好ましくは、メタクリルアミド(MAM)、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(hMAM)及びヒドロキシエチルアクリルアミド(hEAM)の1つ又は複数から選択されたモノマを含む。最も好ましくは、前記重合性モノマはMAMを含む。
【請求項26】
架橋部材は、1つ又は複数のジエチレン性不飽和モノマ、例えばジアクリルモノマ又はその誘導体、例えばジアクリルアミドモノマ、アクリル塩及び/又はポリエチレングリコール置換アクリル系モノマから選択される、請求項23~25のいずれか一項に記載の充填部材又は方法。
【請求項27】
前記セラミック材料は、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウム、ジルコニア、シリカ、チタン酸塩、炭素及び/又は酸化マグネシウムを含む、請求項23~26のいずれか一項に記載の充填部材又は方法。
【請求項28】
触媒層を含む反応器であって、前記触媒層は、請求項20~27のいずれか一項に記載の充填部材を含む、反応器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填層のための充填部材の製造に使用する金型、具体的には触媒のための担体及び担体触媒に関する。より詳細には、本発明は、水蒸気改質及び直接還元鉄の生成などのプロセスで使用するための、セラミック触媒担体及び担体触媒の製造に使用する金型に関する。
【背景技術】
【0002】
水蒸気改質及び直接還元鉄の生成などの工業プロセスで使用される金属触媒は、微粒子に分割して金属表面積を増加した場合に、より活性が高くなる。このような反応の間は、耐火性担体を横切って金属粒子を広げることにより、大きい金属表面積を維持することができる。このようなプロセスで触媒担体を使用する別の利点は、大量の豊富で安価な担体材料上に分散するために必要な、より高価な触媒金属は少量だけで済むので、商業規模で必要な触媒材料の費用がかなり低減することである。
【0003】
多くのこのようなプロセスでは、触媒を必要とする反応は非常に速く、且つペレット面に限定される。反応は従って、担体触媒の幾何形状の表面積に依存する。更に、低い内部表面積(BET)及び非常に小さい内部孔の容積を有する担体触媒は、このようなプロセスで概して活性が低いことに悩まされる。担体触媒を装着、作動及び開放する間の破損が、活性を低減し、遅延及び費用を増加する可能性があるので、担体の強度も重要である。例えば直接還元鉄(DRI)のためのMidrexプロセスでは、触媒は、水蒸気改質触媒でそうであるように、高レベルの機械処理及び熱循環を受ける可能性がある。更に、担体触媒は圧力損失を低く維持する一方で、良好な伝熱特性を提供するべきである。
【0004】
このような工業プロセスにおける触媒用の担体は、典型的には、セラミック粉末の押出成形、ペレット成形又は造粒成形に続いて、成形体の焼成によって作成される。
【0005】
しかし、このような方法は、供給できる担体の幾何形状及び物理的特性が制限されることが分かった。例えばこのような担体は、幾何形状の表面積が低く多孔性が乏しいという犠牲を伴わなければ、高い強度を達成し得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、経済的に生成可能な、望ましい特性の良好な組み合わせを有する触媒のために、改良された担体が必要とされる。従って、本発明の態様の目的は、1つ又は複数の上記又は他の問題に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、液体セラミック組成物から充填部材を製造するための金型が提供され、金型は第1の部品及び第2の部品を含み、第1及び/又は第2の金型部品は弾性的に変形可能であり、第1の部品及び/又は第2の部品は複数の開放金型キャビティを含み、第1及び第2の部品は、閉鎖金型キャビティを形成するために係合するように作動可能であり、金型は、第1及び第2の部品が金型部品の変形によって部分的に離間され及びその位置で金型キャビティが開く開位置から、金型部品の変形を低減することにより、その位置で金型キャビティの一部が閉鎖する部分的閉位置へ、次いで、金型部品の変形を更に低減することにより、その位置で金型キャビティが閉鎖するように第1及び第2の部品が係合される閉位置へ動くように作動可能である。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、
a.第1の部品及び第2の部品を含む金型を配置するステップであって、第1の部品及び/又は第2の部品は弾性的に変形可能であり、第1の部品及び/又は第2の部品は複数の開放金型キャビティを含み、開位置では、第1及び第2の部品は、金型キャビティが開くように、金型部品を変形することによって部分的に離間される、配置するステップと、
b.適切には第1及び第2の部品が当接する金型の一部に接触するステップにより、金型部品を液体セラミック組成物と接触させるステップと、
c.金型キャビティの一部が閉じ、液体セラミック組成物の一部が閉鎖金型キャビティ内に保持されるように、金型部品の変形を低減することにより金型を部分的閉鎖位置に動かすステップと、
d.第1及び第2の部品が、更なる金型キャビティを閉じるように係合され、液体セラミック組成物の更なる部分が、成形体を生成するために更なる閉鎖金型キャビティ内に保持されるように、金型部品の変形を更に低減することにより金型を閉鎖位置に動かすステップと、
e.任意選択で成形体を加熱するステップと、
f.成形体を脱型するステップと、
g.任意選択で充填部材を生成するために成形体を焼成するステップとを含む、充填層に使用するための充填部材を生成するためのプロセスが提供される。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、液体セラミック組成物から充填部材の生成に使用するための成形装置、適切には本発明の第2の態様のプロセスに使用するための成形装置が提供され、成形装置は、本発明の第1の態様による金型及び開位置に金型を配置するように作動可能なガイド部材を含む。
【0010】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様による金型内に液体セラミック組成物を成形することにより、本発明の第2の態様によるプロセスにより、及び/又は本発明の第3の態様による金型装置内に入手可能な、充填層に使用するための、好ましくは充填層反応器内で触媒担体として使用するための充填部材が提供される。
【0011】
第1及び第2の部品は、それぞれが複数の開放金型キャビティを含んでもよい。適切には、第1及び第2の部品の金型キャビティは、開放部分的金型キャビティであってもよく、金型の第1及び第2の部品は、第1の部品の部分的金型キャビティが、閉鎖拡大金型キャビティを形成するために第2の部品の部分的金型キャビティと整合するように、係合するように作動可能である。「開放」金型キャビティは、本明細書で使用する時に、充填部材又は成形体若しくはその一部が、それを通って液体セラミック組成物が金型キャビティの中に導かれる、同じ孔を介して金型キャビティから取り外されるように作動可能であることを意味することがある。「閉鎖」金型キャビティは、本明細書で使用する時に、液体セラミック組成物が金型キャビティから外れることができないように金型キャビティ内に保持されることを意味することがある。
【0012】
金型キャビティは、充填部材上に表面構造を生成するように作動可能なテクスチャ加工を含んでもよい。適切には、成形中に液体セラミック組成物に接触するように作動可能な金型キャビティの面は、テクスチャ加工を含んでもよい。
【0013】
金型キャビティは、充填部材を通って延在する穴などの充填部材内に穴を形成するように作動可能なピンを含んでもよい。適切には、金型キャビティは、少なくとも2つのピン、例えば少なくとも3つ又は少なくとも4つのピンを含んでもよい。ピンは、金型キャビティの底面上に配置され、金型キャビティの開口に向かって上方に延在してもよい。ピンは、金型キャビティの底面上に実質的に中心に配置されてもよい。ピンは、円柱形であってもよい。
【0014】
適切には、第1及び/又は変形可能な第2の金型部品は、シリコンなどの重合体材料から形成されてもよい。シリコンは、シリコン樹脂及び硬化剤又は触媒を含む、2部型シリコン組成物から形成されてもよい。
【0015】
第1及び/又は第2の金型部品を形成する材料は、少なくとも5、例えば少なくとも10、又は少なくとも15、例えば少なくとも20のショア硬度を有してもよい。第1及び/又は第2の金型部品を形成する材料は、40以下、例えば35以下、又は32以下、例えば30以下のショア硬度を有してもよい。第1及び/又は第2の金型部品を形成する材料は、5~40、例えば10~35、又は15~32、例えば20~30のショア硬度を有してもよい。好都合なことに、上述の範囲内のショア硬度を有する材料は、本発明による有効な成形ができるように可撓性を有する金型を提供する一方で、十分な形状及び剛性を維持することが分かった。本明細書に記載されたように、ショア硬度は、ASTM D2240タイプAを使用して測定した。
【0016】
第1及び/又は第2の金型部品を形成する材料は、1%以下、例えば0.5%以下、又は0.4%以下、例えば0.3%以下の収縮率を有してもよい。好都合なことに、上述の範囲内の収縮率を有する材料は、金型部品の間に改良された整合を有する金型を提供することが分かった。本明細書に記載されたように、収縮率は、適切には1週間、例えば1か月間又は3か月間にわたる寸法変化の量を指すことがある。
【0017】
金型は、貯蔵器を形成する部材を更に含んでもよい。開位置では、第1及び第2の部品は、貯蔵器部材が貯蔵器キャビティを形成するように離間されてもよい。部分的閉位置では、貯蔵器キャビティの場所は、金型キャビティに関連して動いてもよく、及び/又は貯蔵器キャビティの容積は低減されてもよい。
【0018】
貯蔵器部材は、液体セラミック組成物を受領して保持することができる貯蔵器キャビティを形成するように作動可能であってもよい。貯蔵器キャビティは、閉位置では貯蔵器キャビティが組成物の一部を保持し、又は成形された製品を形成するように、実質的に作動可能ではないような成形キャビティでなくてもよい。
【0019】
貯蔵器部材は、第1の金型部品上に配置された第1の貯蔵器部材、及び第2の金型部品上に配置された第2の貯蔵器部材を含んでもよく、第1及び第2の貯蔵器部材は、貯蔵器キャビティを形成するように共同して係合するように作動可能である。適切には、第1及び第2の貯蔵器部材は、貯蔵器キャビティを形成するために雄貯蔵器部材が雌貯蔵器部材の中に受領されるように作動可能であるような、雄及び雌貯蔵器部材であってもよい。雄貯蔵器部材は、舌の形であってもよく、雌貯蔵器部材は、溝の形であってもよい。適切には、雄及び雌貯蔵器部材は、係合された時に緊密な嵌合を形成するために作動可能であってもよい。「緊密な嵌合」とは、本明細書では、液体セラミック組成物が係合された貯蔵器部材を通過するのを防ぐように作動可能な嵌合を意味する。
【0020】
第1及び/又は第2の金型部品は、貯蔵器部材、適切には金型部品の金型キャビティの両側に沿って延在する舌又は溝、適切には長手方向に延在する貯蔵器部材を含んでもよい。適切には、第1及び第2の金型部品は、それぞれが金型キャビティを含んでもよく、第1の貯蔵器部材は、金型部品の金型キャビティの両側に沿って延在する舌を含み、第2の貯蔵器部材は、金型部品の金型キャビティの両側に沿って延在する溝を含む。金型部品の貯蔵器部材は、側部貯蔵器部材の間に延在する基部貯蔵器部材を更に含んでもよい。基部貯蔵器部材は、金型部品に沿って横方向に延在してもよい。基部部材は、金型部品の金型キャビティの下に配置されてもよい。適切には、第1の貯蔵器部材は、両側の舌の間に延在する基部舌を含んでもよく、及び/又は第2の貯蔵器部材は、両側の溝の間に延在する基部溝を含んでもよい。このような貯蔵器部材構成は、U字形であってもよく、側部貯蔵器部材は、金型部品に沿って長手方向に延在し、基部貯蔵器部材は、側部貯蔵器部材の間で金型部品に沿って横方向に延在する。基部貯蔵器部材は、使用中に貯蔵器キャビティの底内面又は基部を提供してもよい。側部貯蔵器部材は、使用中に貯蔵器キャビティの側面を提供してもよい。金型キャビティも含有することがある側部貯蔵器部材の間に延在する金型部品の表面は、貯蔵器キャビティの前面及び後面を提供してもよい。典型的には、貯蔵器キャビティは口を含む。口は、基部貯蔵器部材に連結されない側部貯蔵器部材の端部の間に延在してもよい。適切には、貯蔵器キャビティの口は、金型部品を横切って横方向に、典型的には基部貯蔵器部材と実質的に平行に延在してもよい。
【0021】
適切には、第1及び/又は第2の金型部品は、群内に複数の金型キャビティを含んでもよい。側部貯蔵器部材は、群の両側に沿って延在するように配置されてもよい。基部部材は、群の下に延在するように配置されてもよい。
【0022】
金型部品の貯蔵器部材は、金型キャビティと同じ面上に配置されてもよい。金型部品の貯蔵器部材は、貯蔵器部材の係合が、閉位置で拡大金型キャビティを形成するために金型部品上に金型キャビティの一部を整合するように作動可能であるように配置されてもよい。
【0023】
その結果、金型が開位置にある時、貯蔵器部材は、貯蔵器キャビティの口を通して液体セラミック組成物を受領し、次いで貯蔵器キャビティ内に液体セラミック組成物を保持するように作動可能な、貯蔵器キャビティを形成するために係合するように作動可能であり得る。適切には、金型キャビティは、金型が開位置にある時に、最初の貯蔵器キャビティ内に配置されてもよい。また金型キャビティは、金型が開位置にある時に、最初の貯蔵器キャビティの外側にも配置されてもよい。金型は開位置から部分的閉位置に、次いで閉位置に動かされる際に、金型部品の貯蔵器部材は、貯蔵器キャビティが、最初の貯蔵器キャビティ内で今は充填された金型キャビティを閉じ、残りの組成物を再配置された貯蔵器キャビティの中、及び新しい金型キャビティの中に移送するために、金型キャビティの群に沿って動くように、更に係合するように作動可能であってもよい。この動きは、適切には金型キャビティの上で金型部品の間の係合によって、金型キャビティが閉じるように、貯蔵器部材が完全に係合するまで続いてもよい。典型的には、貯蔵器キャビティは、金型の金型キャビティを組み合わせた容積より小さい容積を有する。
【0024】
金型部品は、金型部品の整合の維持を支援するように作動可能な保持部材を含んでもよい。金型部品は、液体セラミック組成物を金型の中に投与する間、金型部品の整合の維持を支援するように作動可能な保持部材を含んでもよい。投与保持部材は、金型キャビティ及び/又は貯蔵器キャビティから離間され、例えば貯蔵器キャビティの内面を提供しなくてもよい。典型的には、投与保持部材は、貯蔵器部材に直接取り付けられない。投与保持部材は、第1及び第2の金型部品上に配置された協同部材を含んでもよい。適切には、協同投与保持部材は、金型部品の整合を支援するために雄保持部材を雌保持部材の中に受領することができるような雄及び雌であってもよい。雄保持部材は舌であってもよく、雌整合部材は溝であってもよい。金型部品の保持部材は、金型キャビティの下、適切には貯蔵器キャビティの基部の下に長手方向に配置されてもよい。保持部材は、金型部品に沿って横方向に、実質的には貯蔵器キャビティの基部又は基部貯蔵器部材と平行に延在してもよい。好都合なことに、投与保持部材の使用により、より大きい最初の貯蔵器キャビティを形成する一方で、金型部品の良好な整合を保持することができる。
【0025】
金型部品は、液体セラミック組成物の投与後、金型キャビティの整合の保持を支援するように作動可能な投与後保持部材を含んでもよい。投与後保持部材は、例えば貯蔵器キャビティの内面を提供しないように、貯蔵器キャビティの外側に配置されてもよい。投与後保持部材は、第1及び第2の金型部品上に配置された協同部材を含んでもよい。適切には、協同投与後保持部材は、金型部品の整合の保持を支援するために雄保持部材を雌保持部材の中に受領することができるような雄及び雌であってもよい。雄保持部材は舌であってもよく、雌整合部材は溝であってもよい。投与後保持部材は、金型キャビティの群に隣接して横方向に配置されてもよい。保持部材は、金型部品に沿って横方向に延在してもよい。投与後保持部材は、金型キャビティの群の各側面上に、適切には金型キャビティの群に隣接して横方向に配置された複数の保持部材を1組含んでもよい。保持部材の組は、それぞれが金型部品に沿って長手方向に離間した少なくとも2つの保持部材、例えば少なくとも3つの保持部材を含んでもよい。好都合なことに、投与後保持部材の使用により、組成物の投与後に金型部品の間の整合の改良された保持が可能になる。
【0026】
金型部品は、金型キャビティの上、適切には金型キャビティの群及び/又は貯蔵器キャビティの口の上に配置された凹部を含んでもよい。典型的には、凹部は細長く、貯蔵器キャビティの基部又は基部貯蔵器部材と実質的に平行に延在してもよい。凹部は、金型部品が閉位置に達した時に、貯蔵器キャビティ内に含有されたあらゆる過剰な組成物を受領するように作動可能であってもよい。
【0027】
金型部品はガイド部材を含んでもよい。適切には、ガイド部材は、金型部品から外方に延在してもよい。金型部品は、金型部品の2つの対向する面、適切には金型部品の2つの対向する側面のそれぞれの上に配置されたガイド部材を含んでもよい。金型部品は、金型部品の2つの対向する面のそれぞれの上に少なくとも3つのガイド部材、例えば少なくとも4つ、少なくとも5つ又は少なくとも6つのガイド部材を含んでもよい。金型部品の面は、面の対向する端部に向かって配置されたガイド部材、及び端部ガイド部材の間に配置された中間ガイド部材を含んでもよい。
【0028】
金型部品は補強部材を含んでもよく、適切には補強部材は、金型部品の本体より剛性であってもよい。補強部材は、金型部品本体内に少なくとも一部が配置されてもよい。補強部材は、金型部品本体の一端から別の端部に、例えば対向する端部に実質的に延在してもよい。補強部材は、ガイド部材を提供するために金型部品から突出してもよい。適切には、補強部材は、金型部品の対向する側面上にガイド部材を提供するために、金型部品の対向する側面上に突出してもよい。その結果、ガイド部材は、突出補強部材によって提供されてもよい。
【0029】
充填部材は、キャスト成形組成物又はスリップ、例えば粘土若しくは非粘土キャスタブル組成物、液体セメント又はゲルキャスト組成物から形成されてもよい。その結果、液体セラミック組成物は、ゲルキャスト組成物であってもよく、適切には、組成物は、セラミック材料、有機結合成分及び任意選択で孔形成成分を含んでもよい。
【0030】
有機結合成分は、充填部材の成形後に充填部材から実質的に取り除かれるように、好ましくは熱処理で、より好ましくは充填部材の焼成中に取り除かれるように作動可能であってもよい。
【0031】
有機結合成分は、重合性成分を含んでもよく、適切には、重合性成分は、重合性モノマ及び架橋部材を含んでもよく、結合成分は(共)重合体を形成するために重合化させるように作動可能である。
【0032】
重合性モノマは、1つ又は複数の種類のエチレン性不飽和モノマ、例えばアクリル系モノマ若しくはその誘導体、例えばアクリルアミドモノマ、及び/若しくはビニルモノマ、例えばメタクリルアミド(MAM)、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(hMAM)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(hEAM)及び/若しくはN-ビニル-2-ピロリジノン(NVP)の1つ又は複数から選択されたモノマを含んでもよい。好ましくは、重合性モノマは、1つ又は複数のアクリルアミドモノマ、より好ましくは、メタクリルアミド(MAM)、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(hMAM)及びヒドロキシエチルアクリルアミド(hEAM)の1つ又は複数から選択されたモノマを含む。最も好ましくは、重合性モノマはMAMを含む。
【0033】
架橋部材は、1つ又は複数のジエチレン性不飽和モノマ、例えばジアクリルモノマ又はその誘導体、例えばジアクリルアミドモノマ、アクリル塩及び/又はポリエチレングリコール置換アクリル系モノマから選択されてもよい。架橋部材は、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリル酸(PEGDMA)、N,N’-メチレンビス(アクリルアミド)(BIS)、アクリル酸アンモニウム及びPEGメチルエチルメタクル酸(PEGMEM)の1つ又は複数から、好ましくは、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリル酸(PEGDMA)、及びN,N’-メチレンビス(アクリルアミド)(BIS)の1つ又は複数から選択されてもよい。
【0034】
有機結合成分は、重合性モノマの40~95wt%及び架橋部材の60~5wt%、例えば重合性モノマの50~90wt%及び架橋部材の50~10wt%、又は重合性モノマの55~85wt%及び架橋部材の45~15wt%、又は重合性モノマの60~80wt%及び架橋部材の40~20wt%、例えば重合性モノマの65~75wt%及び架橋部材の35~25wt%から形成されてもよい。
【0035】
組成物は、結合成分の重合化を促進するように作動可能な重合促進剤を更に含んでもよい。重合促進剤は、あらゆる適切な促進剤であってもよい。例えば促進剤は、テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)であってもよい。
【0036】
組成物は、結合成分の重合化を開始するように作動可能な開始剤を更に含んでもよい。開始剤は、あらゆる適切な開始剤であってもよい。開始剤は、フリーラジカル開始剤であってもよい。例えば開始剤は、過硫酸アンモニウム及び/又は過硫酸カリウムであってもよい。
【0037】
孔形成材料は、充填部材の成形後に充填部材から、好ましくは熱処理で、より好ましくは充填部材の焼成中に取り除かれるように作動可能であってもよい。孔形成材料は、マイクロビーズ、デンプン、シード及び/又はセルロースの1つ又は複数から選択されてもよい。
【0038】
孔形成材料は、D10が5~100μm、好ましくは10~75μm、より好ましくは15~50μm、最も好ましくは20~40μmである、粒径分布を有してもよい。孔形成材料のD50は、50~200μm、好ましくは75~175μm、より好ましくは90~160μm、最も好ましくは100~150μmであってもよい。孔形成材料のD90は、120~300μm、好ましくは150~270μm、より好ましくは170~250μm、最も好ましくは185~235μmであってもよい。
【0039】
セラミック材料は、耐火性セラミック材料であってもよい。セラミック材料は、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウム、ジルコニア、シリカ、チタン酸塩、炭素及び/又は酸化マグネシウムを含んでもよい。
【0040】
セラミック材料は、D10が0.1~20μm、好ましくは0.5~10μm、より好ましくは1~5μm、最も好ましくは1.5~3μmである、粒径分布を有してもよい。孔形成材料のD50は、0.5~30μm、好ましくは1~25μm、より好ましくは1.5~20μm、最も好ましくは2~15μmであってもよい。孔形成材料のD90は、10~100μm、好ましくは15~80μm、より好ましくは20~70μm、最も好ましくは25~60μmであってもよい。
【0041】
セラミック材料は、セラミック粉末であってもよい。セラミック粉末は、ボール粉砕又は噴霧乾燥されてもよい。好都合なことに、ボール粉砕又は粉末乾燥したセラミック粉末は、より容易なキャスト成形挙動を提供することが分かった。
【0042】
組成物又は充填部材は、主反応の反応性を増加し、及び/又は望ましくない副反応を低減するように作動可能なプロモータを含んでもよい。プロモータは、ランタン、銅、マグネシウム、マンガン、カリウム、カルシウム、ジルコニウム、バリウム、セリウム、ナトリウム、リチウム、モリブデン、イットリウム、コバルト、及びクロミウムの酸化物の1つ又は複数から選択されてもよい。
【0043】
組成物は、担体、例えば水性担体を更に含んでもよい。適切には、組成物は、水性セラミックスラリであってもよい。
【0044】
組成物は、更なる添加剤を含んでもよい。例えば組成物は、高分子塩などの分散剤、例えばポリアクリル酸の塩、好ましくはポリアクリル酸のアンモニウム塩を含んでもよい。適切な分散剤は、Ecodis P90、Narlex LD42及びDispex A40の1つ又は複数から選択されてもよい。
【0045】
組成物は、組成物の乾燥重量で重合性モノマの0.1~10%、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは1~6wt%、例えば1.5~5wt%、最も好ましくは2~4wt%を含んでもよい。
【0046】
組成物は、組成物の乾燥重量で架橋部材の0.1~10%、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは0.75~6wt%、例えば1~5wt%、最も好ましくは1~4wt%を含んでもよい。
【0047】
組成物は、組成物の乾燥重量でセラミック材料の50~95%、好ましくは50~90wt%、より好ましくは55~85wt%、最も好ましくは60~80wt%を含んでもよい。充填部材は、組成物の乾燥重量でセラミック材料の少なくとも75%、好ましくは少なくとも85wt%、より好ましくは少なくとも90wt%、例えば少なくとも95wt%、最も好ましくは少なくとも97wt%のセラミック材料を含んでもよい。
【0048】
組成物は、組成物の乾燥重量で孔形成部材の>0~40%、好ましくは0.5~30wt%、より好ましくは2~25wt%、例えば3~20wt%、最も好ましくは4~15wt%を含んでもよい。
【0049】
組成物は、組成物の乾燥重量で開始剤の0.1~5%、好ましくは0.5~4wt%、より好ましくは0.75~3.5wt%、最も好ましくは1~3wt%を含んでもよい。
【0050】
組成物は、組成物の乾燥重量で促進剤の5%以下、好ましくは3wt%以下、より好ましくは2wt%以下、最も好ましくは1.5wt%以下を含んでもよい。
【0051】
組成物は、組成物の乾燥重量で分散剤の0.1~10%、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは0.75~6wt%、最も好ましくは1~5wt%を含んでもよい。
【0052】
組成物は、組成物の総重量の45~99%、例えば50~95wt%、好ましくは55~90wt%、最も好ましくは60~85wt%の固形分を有してもよい。
【0053】
組成物は、予備形成された水性結合成分をセラミック組成物と組み合わせることによって形成されてもよい。適切には、水性結合成分は、重合性モノマ、架橋部材及び水を含んでもよい。
【0054】
液体セラミック組成物が金型と接触する前に、組成物は、開始剤と、任意選択で重合化促進剤と接触してもよい。
【0055】
本発明の充填部材は、不活性充填部材であってもよい。その結果、不活性充填部材は、触媒材料が実質的になくてもよい。好都合なことに、触媒層内で本発明による不活性充填部材を使用することにより、改良された伝熱及び気体の乱流を提供し、これは反応媒体が更に反応器に沿って所望の反応に適切な温度になるのを助ける。
【0056】
本発明の充填部材又は担体は、触媒材料を含んだ担体触媒であってもよい。触媒材料は、それに担体触媒が適用される所望のプロセスで触媒活性を提供するように作動可能であってもよい。
【0057】
触媒材料は、1つ又は複数の遷移金属、適切には遷移金属酸化物、及び/又は貴金属、適切にはその合金から選択された金属を含んでもよい。触媒材料は、鉄、ニッケル、銀、金、白金、ルテニウム、バナジウム、モリブデン、及びコバルトの1つ又は複数から選択された金属を含んでもよい。
【0058】
組成物は、均質なスラリを形成するために金型内に配置する前に、適切には開始剤及び任意選択で促進剤を追加する前に、混合されてもよい。組成物は、均質なスラリを形成するために、開始剤及び任意選択で促進剤を追加した後に混合されてもよい。
【0059】
金型は、好ましくはキャスト金型である。金型は、成形体上に表面構造を形成するように作動可能であってもよい。
【0060】
ステップ(c)によって生成された成形体は、成形体を≧40℃、例えば≧50℃、又は≧55℃、又は≧60℃で焼くことによって乾燥されてもよい。適切には、成形体は、≧10時間、例えば≧15時間、又は≧20時間、例えば≧24時間焼かれてもよい。
【0061】
成形体は、≧1000℃、好ましくは≧1200℃、より好ましくは≧1400℃、最も好ましくは≧1500℃で焼成されてもよい。適切には、成形体は、結合剤及び孔形成組成物の実質的に全てが、担体又は担体触媒から取り外されるまで燃焼されてもよい。
【0062】
充填部材は、充填部材を触媒材料の溶液の中に漬けることにより触媒材料を含浸されてもよい。漬けた充填部材は、漬けた後に乾燥されてもよい。
【0063】
好都合なことに、本発明は、依然として比較的弾性のある形である間に、成形担体又は担体触媒本体を金型から取り外すことができ、より容易に取り扱うことができる。これにより、他の種類のキャスト技法より低いスクラップ率をもたらす。
【0064】
本発明の装置のガイド部材は、金型部品を変形することにより、適切には金型のガイド部材を受領することにより、金型を開構成に案内するように作動可能であってもよい。適切には、ガイド部材は、金型を閉位置、又は少なくとも部分的閉位置に配置するように作動可能な部分、及びそこで金型部品が開位置で少なくとも部分的に離間される位置に金型を配置するように作動可能な部分を含んでもよい。金型は、ガイド部材内でガイド部材の閉鎖部分からガイド部材の離間部分に動くように作動可能であってもよい。典型的には、ガイド部材は、金型部品の一部が当接し、金型部品の一部が離間する開位置に、適切には、そこで投与保持部材が係合される一方で、金型キャビティが開き、貯蔵器キャビティが形成される位置に、金型を配置するように作動可能である。ガイド部材は、そこで投与保持部材が係合され、及び/又は金型部品の一部が当接する一方で、金型キャビティが開き、貯蔵器キャビティが形成される位置に、金型を配置するように作動可能であってもよく、開放金型キャビティ及び/又は貯蔵器キャビティは、係合された投与保持部材及び/又は金型部品の当接部の上に配置される。ガイド部材は、ガイド部材のガイド部を通して金型を動かすように作動可能な駆動部材を更に含んでもよい。
【0065】
成形装置は、液体セラミック組成物を金型の中に分注するように作動可能な投与部材を更に含んでもよい。適切には、投与部材は、ガイド部材のガイド部の上に配置されてもよい。
【0066】
充填部材は触媒担体、適切にはセラミック触媒担体であってもよい。充填部材は、担体触媒であってもよい。
【0067】
本発明の充填部材は、キャスト充填部材、例えばゲルキャスト充填部材であってもよい。
【0068】
充填部材は、≧0.7cm/cmの単位体積当たりの幾何学的表面積(GSA)、及び≧250kgfの側面破壊強度、例えば≧1cm/cmのGSA、好ましくは≧1.2cm/cmのGSA、より好ましくは≧1.3cm/cmのGSA、最も好ましくは≧1.4cm/cmのGSAを有してもよい。充填部材は、≧275kgf、好ましくは≧300kgf、より好ましくは≧325kgf、最も好ましくは≧350kgfの側面破壊強度を有してもよい。
【0069】
充填部材は、≧1.5cm/cmのGSA、及び≧150kgfの側面破壊強度、例えば≧1.7cm/cmのGSA、好ましくは≧1.9cm/cmのGSA、より好ましくは≧2.1cm/cmのGSA、最も好ましくは≧2.3cm/cmのGSAを有してもよい。充填部材は、≧170kgf、好ましくは≧185kgf、より好ましくは≧200kgf、最も好ましくは≧215kgfの側面破壊強度を有してもよい。
【0070】
充填部材は、≧3cm/cmのGSA、及び≧60kgfの側面破壊強度、例えば≧3.3cm/cmのGSA、好ましくは≧3.6cm/cmのGSA、より好ましくは≧3.9cm/cmのGSA、最も好ましくは≧4.2cm/cmのGSAを有してもよい。充填部材は、≧70kgf、好ましくは≧80kgf、より好ましくは≧90kgf、最も好ましくは≧100kgfの側面破壊強度を有してもよい。
【0071】
GSAは、本明細書では全てのマクロ構造及び表面構造特徴を含む充填部材の外部寸法を測定すること、並びに表面積を計算することによって計算される。次いで計算された表面積を充填部材の計算された体積で割る。適切な3Dモデリング・ソフトウェアは、これらの計算を迅速に正確に提供するために使用することができる。
【0072】
側面破壊強度は、本明細書では値をkgfで表される。これは、最小径80mmの2つの平行な、平坦な、硬化鋼板の間で圧縮され粉砕された時に、試料の破損点で記録された最大荷重である。一方の板は、ロードセル及び記録装置に固定され、他方は5mm/分の制御された速度で動くラムに取り付けられる。初期試用試験は、充填部材が最も弱い寸法を決定するために実行される。次いで側面破壊試験は、最も弱い方向に実行される。
【0073】
充填部材は、≧6%、好ましくは≧15%、より好ましくは≧20%、最も好ましくは≧25%の多孔性を有してもよい。充填部材は、6~50%、好ましくは15~40%、より好ましくは20~35%、最も好ましくは25~30%の多孔性を有してもよい。適切には、担体は、≧15%、より好ましくは≧20%、最も好ましくは≧25%の多孔性を有してもよい。担体は、15~50%、より好ましくは20~40%、最も好ましくは25~35%の多孔性を有してもよい。
【0074】
多孔性は、本明細書ではASTM D4284-12(2017)e1、Standard Test Method for Determining Pore Volume Distribution of Catalysts and Catalyst Carriers by Mercury Intrusion Porosimetryを使用して、水銀圧入法によって測定される。
【0075】
充填部材は、マクロ構造及びマクロ組織の外面上の表面構造を有してもよい。典型的には、充填部材の表面構造は、充填部材の成形ステップ、すなわち充填部材の成形体が、適切には金型キャビティ内で適切なテクスチャ加工によって形成されるステップの間に形成される。その結果好ましくは、表面構造は、充填部材の成形体の成形後に後加工されない。
【0076】
マクロ構造は、例えばトリローブ、クアドラローブ若しくはペンタローブのマルチローブ、輪、球、立方体、直方体、円柱、又はコグの形であってもよい。
【0077】
コグのマクロ構造は、半径方向外方に延在する複数のキャスタレーションを含む。コグのマクロ構造は、キャスタレーションを排除した時に、実質的に円形、三角形、正方形又は長方形、その他を含む、横方向断面を有してもよい。キャスタレーションの少なくとも一部、好ましくは全てが、キャスタレーションの深さ及び/又は幅に沿って先細、好ましくは、各キャスタレーションは、コグの他のキャスタレーションと同じ方向に先細であってもよく、適切には、キャスタレーションの最も広い幅及び最も深い深さは、キャスタレーションの同じ端部に向かってもよい。
【0078】
マクロ構造は、窪んだ上面及び/又は下面を有してもよく、適切には、上面及び/又は下面の少なくとも30%、例えば少なくとも40%又は少なくとも50%が窪んでもよい。マクロ構造を通って延在する穴は、本発明による上面及び/又は下面における窪みではないことが認識されよう。
【0079】
好都合なことに、先細キャスタレーション及び/又は窪んだ上面又は下面を有するコグのマクロ構造は、低減した連動と組み合わせて改良された充填密度を提供することが分かった。
【0080】
球状マクロ構造は、マクロ構造の外面上の少なくとも1つの線形谷、例えば少なくとも2つ、少なくとも3つ又は少なくとも4つの線形谷を含んでもよい。好ましくは、球状マクロ構造は、少なくとも2つ、例えば少なくとも3つ又は少なくとも4つの線形の平行な谷を含む。好ましくは、谷は、実質的に半球の横方向断面である。
【0081】
マクロ構造は、モノリスであってもよく、又はマクロ構造を通って延在する1つ若しくは複数の穴を含んでもよい。好ましくは、充填部材は、マクロ構造を通って延在する少なくとも1つの穴を含み、より好ましくは、マクロ構造は少なくとも3つの穴を含む。マクロ構造は、ハニカム構造であってもよい。マクロ構造の穴は、真っ直ぐに切断されてもよく、又はファセット加工されてもよい。
【0082】
充填部材は、複数の表面構造、適切には、複数の反復する表面構造を含んでもよい。好ましくは、充填部材は、少なくとも5個の表面構造、適切には、反復する表面構造の部分、より好ましくは少なくとも10個、例えば少なくとも15個、又は少なくとも20個、最も好ましくは少なくとも25個を含む。
【0083】
表面構造とは、その高さが充填部材のマクロ構造の幅/直径より実質的に小さい、担体上の隆起した及び/又は窪んだ部分を意味する。このような表面構造は、充填部材のマクロ構造の上に表面をテクスチャ加工するとみなされてもよい。表面構造は、微視的表面粗さを含まないとみなされてもよい。例えば、充填部材は、32mmの幅及び50mmの長さを有する立方体状マクロ構造からなってもよい。この充填部材の外面は、複数の反復する同一の離散した山の形の複数の表面構造を含んでもよく、各山は2mmの高さを有する。コグの複数のキャスタレーション又はマルチローブのローブなどの、マクロ構造の通常の特徴は、本発明による表面構造であるとみなされないことが認識されよう。
【0084】
表面構造は、リッジ及び/又は山の形であってもよい。
【0085】
リッジは、環状リッジの形であってもよく、前記環状リッジは円形形状に限定されない。環状リッジは、実質的に円形形状、又は三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、若しくは十角形などの規則的な凸状多角形の形であってもよい。好ましくは、環状リッジは、規則的な凸状多角形、より好ましくは五角形、六角形、又は七角形、最も好ましくは六角形の形である。環状リッジの間に延在する表面構造の部分は、平ら、斜め及び/又は湾曲していてもよい。例えば環状リッジの間に延在する表面構造の部分は、反転した角錐の形であってもよい。表面構造は、複数の取り付けられた環状リッジ構造、適切には、少なくとも第1の環状表面構造のリッジが第2の環状表面構造の部品を形成するように、相互連結した環状リッジ構造を含んでもよい。
【0086】
山の形の表面構造は、マクロ構造の中に窪んでもよく、又はマクロ構造から外方に突起してもよい。山は、湾曲した、角錐の及び/又は段のある山であってもよい。段のある山は、2~10段、例えば3~8段を含んでもよい。山は、隣接した山が当接し又は一緒に融合するように相互連結してもよい。
【0087】
充填部材の表面構造の中央平均高さは、10mm以下、好ましくは7mm以下、より好ましくは6mm以下、最も好ましくは5mm以下であってもよい。
【0088】
充填部材の表面構造の中央平均高さは、少なくとも0.1mm、例えば少なくとも0.3mm、好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも0.7mm、最も好ましくは少なくとも0.8mmであってもよい。表面構造の高さは、本明細書では深さ測定機能を備えたキャリパを使用して測定される。
【0089】
充填部材は、1000mm以下、例えば750mm以下、又は500mm以下、好ましくは400mm以下の最大寸法を有してもよい。充填部材は、500mm以下、例えば300mm以下、又は200mm以下、好ましくは150mm以下、より好ましくは100m以下、最も好ましくは50mm以下の幅/直径を含んでもよい。
【0090】
充填部材の表面構造の中央平均高さは、充填部材の幅/直径の40%以下、例えば30%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下であってもよい。
【0091】
表面構造は、充填部材の少なくとも2面、例えば少なくとも側面並びに上面及び/又は底面の上に延在してもよい。
【0092】
表面構造は、充填部材の側面の少なくとも50%、例えば少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも85%の上に延在してもよい。表面構造は、充填部材の外面の少なくとも50%、例えば少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも85%の上に延在してもよい。表面構造が反復する連続のリッジ、例えば環状リッジを含むところでは、リッジの間に延在する表面は、表面が実質的に平坦であっても、又はリッジが相互連結しないところであっても、この計算のために表面構造の一部として含まれる。
【0093】
好都合なことに、本発明の金型及びプロセスは、改良された幾何学的表面積を有する一方で、依然として優れた強度を提供する充填部材を経済的に実行可能な生成を可能にする。更に本発明を使用して効率的に生成することができる充填部材の強度及び/又は多孔性は、同じ形状を保ちながら修正でき、それによって再設計の必要性及び費用を低減する。更に、充填部材は、高い多孔性担体を提供し得る一方で、依然として優れた強度を提供する。最も好都合なことに、充填部材は、優れた強度及び高レベルの多孔性と組み合わせた、改良された幾何学的表面積を提供できる。充填部材の改良された幾何学的表面積は、触媒反応が表面で行われる用途に特に好都合である。
【0094】
充填部材は、他の改良された特性、例えば改良された充填と組み合わせた高い熱伝達係数も提供することができる。
【0095】
また充填部材は、低い圧力降下で優れた充填特性を提供するためにも使用され得る。充填部材は、改良された充填密度を提供する一方で、最適な気体流を維持することができる。
【0096】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第1~第3の態様のいずれかによる金型を生成するための方法が提供され、方法は、
a.任意選択で金型のネガ型のデジタルモデルを生成するステップと、
b.付加製造法、好ましくは3Dプリンタでの印刷を使用するモデルにより、ネガ型を生成するステップと、
c.ネガ型から金型を形成するステップとを含む。
【0097】
本発明の第6の態様によれば、充填部材、例えば触媒のための担体又は担体触媒を生成するための方法が提供され、充填部材は、本発明の第4の態様による充填部材であってもよく、方法は、
a.任意選択で本発明の第1~第3の態様のいずれかによる金型のネガ型のデジタルモデルを生成するステップと、
b.付加製造法、好ましくは3Dプリンタでの印刷を使用するモデルにより、ネガ型を生成するステップと、
c.ネガ型から金型を形成するステップと、
d.充填部材又は担体触媒を形成するために、適切には、本発明の第2の態様のプロセスに従って、金型組成物、適切には、本発明の第4の態様に関して画定されたような金型組成物をキャスト成形するステップとを含む。
【0098】
本発明の第7態様によれば、触媒層を含む反応器が提供され、触媒層は、本発明の第4の態様による充填部材を含む。
【0099】
本発明の第8態様によれば、触媒層を含む反応媒体が提供され、触媒層は、本発明の第4の態様による充填部材を含む。
【0100】
適切には、反応器又は反応媒体は、アンモニア、メタノール、水素、過酸化水素水及び/又はオキソアルコールなどの合成ガスの生成、鉄の直接還元(DRI)、吸熱ガスの発生、接触部分酸化、又はオートサーマル改質のためであってもよい。
【0101】
本発明の第9態様によれば、触媒担体などの本発明の第4の態様による充填部材の使用が提供される。
【0102】
本発明の第10態様によれば、触媒層を含む反応器の使用を含む、アンモニア、メタノール、水素、過酸化水素水及び/又はオキソアルコールなどの合成ガスを生成するための方法が提供され、触媒層は、合成ガスを生成するために本発明の第4の態様による充填部材を含む。
【0103】
本発明の第11態様によれば、触媒層を含む反応器の使用を含む、直接還元鉄を生成するための方法が提供され、触媒層は、本発明の第4の態様による充填部材を含む。
【0104】
本発明の第12態様によれば、触媒層を含む反応器の使用を含む、吸熱ガスを発生するための方法が提供され、触媒層は、本発明の第4の態様による充填部材を含む。
【0105】
本発明の第13態様によれば、触媒層を含む反応器の使用を含む、接触部分酸化のための方法が提供され、触媒層は、本発明の第4の態様による充填部材を含む。
【0106】
本発明の第14態様によれば、触媒層を含む反応器の使用を含む、オートサーマル改質のための方法が提供され、触媒層は、本発明の第4の態様による充填部材を含む。
【0107】
本明細書に列挙されたあらゆる数の範囲は、本明細書に取り入れられた全ての部分範囲を含むことが意図される。単数は複数を包含し、逆も同様である。例えば本明細書では「a」first part(第1の部品)及び「a」second part(第2の部品)、「an」open mould cavity(開放金型キャビティ)、「a」reservoir forming member(貯蔵器形成部材)、及び同種のものに言及しているが、1つ又は複数のこれら及びあらゆる他の構成要素のそれぞれを使用することができる。本明細書で使用する場合、用語「重合体(polymer)」は、オリゴマ並びに単独重合体及び共重合体の両方を指し、接頭辞「ポリ(poly)」は複数を指す。
【0108】
本明細書において「金型」の使用は、固形に硬化する際に液体組成物に形状を与えるために使用される、中空部を有する容器を指すことが意図される。金型は、例えばキャスト、ダイ又は型であってもよい。
【0109】
本明細書において「長手方向」及び「横方向」の使用は、長手方向がキャビティの口及び基部を実質的に通って延在する軸を指し、「横方向」が長手方向軸に実質的に垂直に延在する軸を指すような貯蔵器キャビティに関する。
【0110】
本明細書に含有された特徴の全ては、あらゆる上記の態様のあらゆる組み合わせと組み合わせてもよい。
【0111】
本発明をより良く理解するため、及び本発明の実施形態を有効に実行し得る方法を示すために、次に例として以下の図面を参照する。
【0112】
次に本発明は、添付図面を例のみとして、添付図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0113】
図1】本発明による金型の第1の実施形態の上面斜視図を示す。
図2】本発明による金型の第2の実施形態の上面図を示す。
図3A】開位置における第2の実施形態による金型から形成される、金型装置の第1の実施形態の上面斜視図を示す。
図3B図3Aの金型装置の上面図を示す。
図4A】金型が部分的閉位置にある、図3Aの金型装置の上面斜視図を示す。
図4B図4Aの金型装置の上面図を示す。
図5】本発明による充填部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0114】
図1は、本発明の第1の実施形態による金型10を示す。金型10は、実質的に立方体状であり、第1の金型部品100及び第2の金型部品200から形成される。第1の金型部品100及び第2の金型部品200は、それぞれが金型10の質量の約半分を含有し、それぞれは弾性的に変形可能な2部型シリコン系ゴムから形成される。
【0115】
第1の金型部品100は、実質的に立方体状本体102から形成される。本体102は、長方形内面及び長方形外面を有する。金型部品が係合された時に、内面は金型の内面を形成し、外面は金型の外面を形成する。本体102は、長方形前面、後面、及び2つの側面も有する。
【0116】
本体102の内面は、キャビティの成形表面上に表面のテクスチャ加工を含有する、12個の離散した概ね半球の部分的金型キャビティ104の群を有する。金型キャビティは、1列当たり3個のキャビティ104を備えた4列の群に配置される。部分的キャビティ104は、内面上に横方向に中央に置かれた格子状群の配置を形成するために、隣接した金型キャビティから等距離に離間される。第1の列は、本体102の前面に隣接した内面の縁部の近位に、縁部に平行だが縁部から離間して置かれ、最後の(第4の)列は、後面に隣接した内面の縁部の近位に、縁部に平行だが縁部から離間して置かれる。第1の列は、それぞれの前述の縁部に対して、最後の列より、その前述の縁部に近い。部分的キャビティ104の格子状群の両側に沿って延在する側部貯蔵器部材の舌106a及び106bは、突出する。側部貯蔵器部材の舌106a、106bは、凸状上面を備えた概して立方体形状であり、前面に隣接した縁部から部分的キャビティ104の最後の列のすぐ後まで内面に沿って長手方向に延在する。側部貯蔵器部材106a、106bは、基部貯蔵器部材の舌106cを介して底端部(すなわち本体102の後面に近位の端部)で連結される。基部貯蔵器部材106cは、側部貯蔵器部材106a及び106bと同じ高さであり、基部貯蔵器部材106cは、貯蔵器部材106a及び106bを連結するために内面を横切って横方向に延在する。貯蔵器部材106a、106bは、部分的キャビティ104の格子状群を両側及び底部(すなわち本体102の後面に近位の端部)で包囲する概ねU字形エンクロージャを形成するために、基部貯蔵器部材106cの各端部で一体的に連結される。このエンクロージャは、貯蔵器キャビティ108の一部を形成し、その中に部分的キャビティ104が置かれる。貯蔵器キャビティは、基部貯蔵器部材に連結されない側部貯蔵器部材の端部の間に延在する開放端の形の横方向に延在する口を有する。その結果、口は部分的キャビティの第1の列と、本体102の前面に隣接した内面の縁部との間に配置される。
【0117】
金型部品100は、2つの側面上に内面及び側部貯蔵器部材と一体形成された、2組の3つの投与後の立方体形状の保持部材110a、bを更に有する。投与後の保持部材のそれぞれは、内面及び側部貯蔵器から外方に延在する。第1の組の保持部材110aは、側部貯蔵器部材106aの外側面(貯蔵器キャビティに対して)に沿って配置され、第2の組の保持部材110bは、側部貯蔵器部材106bの外側面上に第1の組の反対側に配置される。各組110a及びbの3つの保持部材は、組の隣接した保持部材から内面に長手方向に等距離に離間され、各保持部材は、対向する側部貯蔵器部材上で対応する保持部材の正反対にある。
【0118】
本体102の内面は、基部貯蔵器部材106cから離間して、基部貯蔵器部材106cの下に置かれ、基部貯蔵器部材106cと平行に延在し、後面に隣接した内面の縁部の近位に、縁部と平行に延在するが、縁部から離間する、投与保持舌部材112から形成される。投与保持部材112は、概して立方体状突出部であり、本体102を横切って横方向に延在し、側縁部から離間する。
【0119】
細長い凹部114は、貯蔵器キャビティ108の口の間に、本体102の前面に隣接した内面の縁部の近位だが縁部から離間して内面上に置かれる。凹部114は、本体102の側縁部の間に、側縁部から離間して内面上に中央に比較的横方向に位置付けられる。凹部114は、概ね楕円形状である。凹部114は、貯蔵器キャビティの口の幅と概ね同一延長にある。
【0120】
第1の金型部品100は、本体102に沿って3つの異なる点で一方の側面から本体102の重心を通って他方の側面に横方向に延在する、3つの円筒形の離間した補強ロッド116も有する。ロッド116は、ガイド部材として作用するために第1の金型部品100の両側に3つの突出が存在するように、側面から両側に突出する。ロッド116は、本体102の長手方向長さに沿って等距離に離間する。
【0121】
第2の金型部品200(図示せず)は、第1の金型部品100と同じであるが、貯蔵器部材及び保持部材の内方に延在する雌等価物を有する。その結果、第2の金型部品200は、第1の金型部品100の貯蔵器部材を受領するのに適切な本体202(図示せず)内の立方体状溝である、対応する雌保持器部材206(図示せず)を有し、雄保持部材110、112が係合されるようにその中に嵌合し、第1及び第2の金型部品100、200を整合して維持することができる、雌保持部材210(図示せず)及び212(図示せず)も有する。第1の金型キャビティ100及び第2の金型部品キャビティ200が一緒に係合されると、部分的キャビティ104、204は、閉じて拡大した概ね球状の金型キャビティ304(図示せず)を形成する。
【0122】
使用中、金型10は開位置に配置され、第1の金型部品100及び第2の金型部品200は、投与保持部材112、212が第1及び第2の金型部品100、200を整合して維持するように共同して係合されるように、金型部品を変形して離間される。この構成では、金型部品の前面は離間され、金型部品の後面は離間されない。
【0123】
この最初の構成では、金型部品が当接する点は、液体セラミック組成物を受領することができる。これは、液体組成物を金型部品の離間した前面の上から貯蔵器キャビティ108の口の中に注ぐことによって行われる。受領された液体組成物はキャビティ108内に維持され、最初の貯蔵器キャビティ内にある金型キャビティ104、204にも入って充填する。
【0124】
次いで金型10は、金型部品が金型をより高く当接させるために金型部品の変形を徐々に低減することにより、部分的閉位置に動くことができる。この行為は、側部貯蔵器部材106、206を基部貯蔵器部材から貯蔵器キャビティの口に向かって上方に更に係合させる。これにより、最初の貯蔵器キャビティが閉じ、これは現在充填された金型キャビティの一部を閉じるが、金型部品を更に係合することにより、貯蔵器キャビティは、金型10を金型部品の前面に向かって更に動かされる。最初に充填された金型キャビティによって取り込まれなかったあらゆる残りの組成物は、以前の空の開放金型キャビティの中にキャビティ部材の群により上方に移送される。
【0125】
金型部品100、200は、次いで金型部品を完全に係合するために、金型部品の変形を更に低減することにより閉位置に動くことができ、それによって貯蔵器キャビティを閉じ、液体セラミック組成物が閉鎖金型キャビティ304内に維持されるように、金型キャビティの全ても閉じる。あらゆる過剰の組成物は、凹部114内に捕捉される。
【0126】
組成物は、成形体が生成されるまで、任意選択で成形体を加熱して金型キャビティ304内に保持される。
【0127】
成形体は、次いで脱型することができ、充填部材を生成するために成形体を焼成する。
【0128】
図2A及び図2Bは、本発明による金型20の第2の実施形態を示す。金型20は、実質的に立方体状であり、図2A及び図2Bに示されたように第1の金型部品300及び第2の金型部品400を有する。第1の金型部品300及び第2の金型部品400は、第1の実施形態の第1の金型部品100及び第2の金型部品200と大部分が構造的に同じであり、具体的にはどちらも弾性的に変形可能である。金型20は、以下に別段の明記がない限り、第1の実施形態に記載されたような特徴の全てを有する。
【0129】
第1及び第2の金型部品300及び400は、それぞれより多い数の部分的キャビティ305及び405を含む。1列当たり15個のキャビティを11の線形の共端子で平行な列の部分的キャビティ305、405が存在する。
【0130】
側部貯蔵器部材の舌306a及び306bは、第1の金型部品300上に置かれ、内面に沿って部分的キャビティ305の最後の列の直後から本体302の前面に隣接する内面の縁部に長手方向に延在する。側部貯蔵器部材の舌306a及び306b、並びに基部貯蔵器部材の舌306cは、それによって部分的キャビティ305及び本体302の内面上に置かれた細長い凹部314を閉囲する。側部貯蔵器部材406a及び406bは、同様に第2の金型部品400上に置かれる。
【0131】
2側面上に内面及び側部貯蔵器部材306a、bと一体形成された、投与後の立方体形状の保持部材310a、bの数は、第1の実施形態に比べて、各側面に7個まで増加している。第2の金型部品400上にも7個の対応する雌保持部材410a、bが存在する。第1の実施形態と同様に各金型部品の重心を通って横方向に延在する、8個の均一に離間した補強ロッド316が存在する。
【0132】
図3及び図4は、本発明による金型装置の第1の実施形態を示す。金型装置は、上記の第2の実施形態による金型及び2つのガイド部材450から形成される。ガイド部材450は、垂直方向に固定される。各ガイド部材450は、2つの溝452の間の距離が、ガイド部材450の上部よりガイド部材450の底部が小さいように、わずかに傾斜してガイド部材を長手方向に走る2つの立方体形状の溝452を有する。各ガイド部材の溝は、他方のガイド部材の対応する溝に向かって、正対するように配置される。
【0133】
補強ロッド316、416は、金型部品300及び400の前面が上方に向き、後面が下方を向くように、金型20を溝に沿って進めて、垂直に維持できるように、金型部品のそれぞれの側面上で溝452の中に嵌合できる。
【0134】
使用中、金型20は、ロッド316及び416がガイド部材の底部で溝452に入り、金型部品300及び400の前面がガイド部材450の上部に向かうまで(図3A)、金型がガイド部材450を動いて上がることにより、開位置に配置される。金型部品300及び400がガイド部材450を上に動かされると、金型部品300及び400は、開位置を与えるために金型部品が上端で離間するように変形する。この位置では、投与保持部材312、412は、第1及び第2の金型部品300、400を整合して維持するために、金型の下端で共同して係合される。
【0135】
開位置では、金型は、金型部品の離間した前面の上に配置された投与部材から貯蔵器キャビティ308の口454の中に液体組成物を落とすことによって、液体セラミック成形組成物を受領することができる。受領された液体組成物は、最初の貯蔵器キャビティ308内に維持され、最初の貯蔵器キャビティ内のあらゆる金型キャビティ305、405を充填する。
【0136】
次いで金型20は、側部貯蔵器部材306、406、及び金型部品の内面を基部貯蔵器部材から貯蔵器キャビティの口に向かって上方に段階的に更に係合するために、金型部品の変形を低減するように金型が溝に沿ってガイド部材を下に動くことにより、図4A及び図4Bに示されたように部分的閉位置に動くことができる。部分的閉位置では、側部貯蔵器部材及び内部金型面は、貯蔵器キャビティが金型20を金型部品の前面に向かって更に上に動くために更に係合される。この行為は、最初の貯蔵器キャビティを閉鎖し、それによって最初の貯蔵器キャビティ内に配置された、充填された金型キャビティも閉鎖する。再配置された貯蔵器キャビティは、最初の充填された金型キャビティによって取り込まれなかったあらゆる残りの組成物を運ぶ。これは、液体セラミック組成物の一部をキャビティ部材の群のより上方に移送し、それによって組成物を再配置された貯蔵器キャビティ308から、今は再配置された貯蔵器キャビティ308内に落ちている、以前は空の開放金型の中に動かすことができるという効果がある。再配置された貯蔵器キャビティは、投与部材から追加の組成物を受領することもできる。部分的閉鎖位置では、貯蔵器キャビティの基部は、金型部品の変形が低減するにつれて、金型部品の内面の当接によって最終的に形成される。
【0137】
次いで金型部品300、400は、金型部品が完全に係合するまで金型部品の変形を更に低減することにより、閉位置に動くことができ、それによって貯蔵器キャビティ308を閉鎖し、閉鎖金型キャビティ内に液体セラミック組成物を維持するために、金型キャビティの全ても閉鎖する。あらゆる過剰組成物は、凹部314、414内に捕捉される。
【0138】
例として、担体触媒は、金型装置30を使用して生成され、成形組成物は、以下の方法を使用して下に提供された成分を混合することによって形成された。
【0139】
アルミナ粉末、孔形成剤及び分散剤を混合して粉末混合物を形成した。鎖形成モノマ、鎖架橋性モノマ及び水を含有する水性モノマ溶液を粉末混合物に加えて、水性スラリを形成した。次いで触媒及び開始剤を水性スラリに加えた。得られたスラリ内の各成分の量は以下の通りであった。

アルミナ粉末 475
孔形成剤 60g
分散剤 12.25g
重合性モノマ 16.3g
架橋性部材 8.2
触媒 3ml
開始剤 8ml
水 135g
【0140】
次いで金型20が開位置にある間に、金型20の上に配置された投与部材から金型20の貯蔵器キャビティの中に得られた水性スラリを投じた。次いで更に水性スラリを追加して、金型20を開位置から部分的閉位置に徐々に動かした。次いで金型20を閉位置に配置した。一旦スラリが閉鎖拡大金型キャビティ内で複数の固体の成形体にゲル化されると、次いで成形体を脱型した。この時点で成形体は、ゴムのようなゼリー状の一貫性を有した。次いで成形体を室温で24時間乾燥させた。次いで乾燥した成形体を1450℃に燃焼し、その時点で結合剤及び孔形成剤は燃え尽きて、固体の多孔性充填部材が残った。
【0141】
次いで充填部材は、触媒材料Ni(NOを含有する水溶液に漬けた後、500℃で乾燥させた。この触媒材料の飽和ステップを更に2回繰り返して担体触媒を生成した。
【0142】
生成された担体触媒は、図5の担体触媒500に示されたようなマクロ構造及び表面構造を有した。担体触媒500は、円筒形コグ形状のマクロ構造を有し、複数の穴(合計5個)が担体の長手方向長さを通して延在し、複数の離間した長手方向に配向されたキャスタレーション(合計10個)が担体から半径方向外方に突起する。担体触媒500のマクロ構造は、担体500の上面に窪み502を更に有する。コグのキャスタレーションのそれぞれは、担体触媒500が基部における最大外側幅F(38.0mm)から担体触媒500の上面における最小外側幅E(35.1mm)を有するように深さに先細である。各キャスタレーションは、担体触媒500の基部における最大幅点から担体触媒500の上面における最小幅に更に幅に先細である。
【0143】
担体触媒500は、担体触媒500の実質的に外面全体の上に延在する表面構造を有する。表面構造は、概して内部連結した六角形形状のリッジ502の形である。
【0144】
この手法で、改良された特性を有する充填部材は、経済的に実行可能な生成を達成するために必要な期間に必要な高品質で開口垂直充填を使用して製造され得る。
【0145】
本出願に関する本明細書と同時に又は先行して出願し、本明細書と共に一般に公開される全ての文書及び文献に注意を払い、全ての文書及び文献の内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【0146】
本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された全ての特徴、並びに/又はそのように開示されたあらゆる方法若しくはプロセスのステップの全ては、このような特徴並びに/又はステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、あらゆる組み合わせで組み合わされてもよい。
【0147】
本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された各特徴は、別段の明記がない限り、同じ、同等の又は類似の目的を果たす代替特徴に置換されてもよい。こうして別段の明記がない限り、開示された各特徴は、一般的な一連の同等の又は類似の特徴の一例に過ぎない。
【0148】
本発明は、上記の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された特徴のあらゆる新規のもの又はあらゆる新規の組み合わせに、或いはそのように開示されたあらゆる方法若しくはプロセスのステップのあらゆる新規のもの又はあらゆる新規の組み合わせに拡大する。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】