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特表2023-502682取り外し可能なトルクアプリケータを備えた頭部安定化装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】取り外し可能なトルクアプリケータを備えた頭部安定化装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/14 20160101AFI20230118BHJP
【FI】
A61B90/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529431
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 IB2020000982
(87)【国際公開番号】W WO2021099843
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/939,053
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520051861
【氏名又は名称】プロ メッド インストゥルメンツ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】フォースト、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】カルハ、デイビッド、デヴラン
(72)【発明者】
【氏名】ウィレッシュ、マルコ、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】シューエル、マティアス、エドガー
(72)【発明者】
【氏名】エッサー、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】メルテンス、ヤン、ヘイコ
(57)【要約】
【要約】 頭部安定化装置は、安定化機能が患者の頭部に加える力の量を制御するための安定化アセンブリおよびアプリケータを含む。前記アプリケータには、使用中に必要なトルク設定が超えないようにするトルク制御機能が含まれている。前記アプリケータをシステムの残りの部分から取り外して、トルク制御機能または構造を接続しなくても前記頭部安定化装置を使用できるようにすることができる。あるバージョンの前記アプリケータは、前記アプリケータ内で伸びる一対のアームの曲げ長さを調整することによってトルクを制御する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療処置中に患者の頭部を安定させるための装置であって、
(a)前記患者の頭部を受容するように構成された頭部固定装置と、
(b)前記頭部固定装置と接続された安定化アセンブリであって、前記患者の頭部に接触するように構成された安定化機構を受容するように構成されており、
(i)回転部材と、
(ii)並進部材と
を有する、前記安定化アセンブリと、
(c)前記安定化アセンブリの前記回転部材を回転させるように構成されたアプリケータであって、前記並進部材は、前記回転部材の回転に応答して並進するように構成されているものである、前記アプリケータと
を有する、装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記回転部材と前記並進部材との間に、長手方向の並進が前記並進部材の移動の唯一の自由度となるような形状適合性が存在する、装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記並進部材は、前記回転部材にねじ可能に係合する、装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、前記安定化アセンブリから取り外し可能であり、前記回転部材および前記並進部材は、前記アプリケータが前記安定化アセンブリから取り外された場合、前記安定化アセンブリと共にとどまる、装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記並進部材は、前記安定化機構を受容するように構成され、前記並進部材を並進が、前記安定化機構の回転を伴わずに前記安定化機構の対応する並進をさせる、装置。
【請求項6】
請求項1または5のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、請求項37から50のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の機器から構成される、装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、所定のトルク量を超えることなく前記安定化アセンブリにトルクを伝達するように構成され、前記アプリケータは、(i)第1の部材と、(ii)第2の部材とを有し、第1の条件下で、前記第1および第2の部材との間の相互作用が前記第1の部材に曲げ応力が加わる、装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置において、第2の条件下で前記第1の部材は、前記第1の部材に前記曲げ応力がかかっていない弛緩状態にある、装置。
【請求項9】
請求項7記載の装置において、第2の条件下で前記第1および第2の部材との間の前記相互作用は、前記第1の部材に曲げ応力を付与し、前記第2の条件における前記曲げ応力は、前記第1の条件における前記曲げ応力と程度が異なる、装置。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、さらに、
前記所定のトルク量を調整可能に設定するように構成された第3の部材を有するものであり、前記第3の部材は、前記設定された所定のトルク量に基づいて前記第1の部材の長手方向に沿って異なる位置で前記第1の部材に接触し、前記第3の部材と前記第1の部材との間の接触により、前記第1の部材の曲げ長さが決定され、前記曲げ長さは、前記所定のトルク量に対応する、装置。
【請求項11】
請求項7から10のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記第1部材は、前記アプリケータに対して長手方向に延びる少なくとも1つのアームを有する、装置。
【請求項12】
請求項7から11のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記第1部材は、前記アプリケータに対して長手方向に延びる1対のアームを有し、前記第2の部材は、前記1対のアームの間に配置され、前記1対のアームは、前記第2の部材の外面に選択的に接触するように構成される、装置。
【請求項13】
請求項7から12のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記第2の部材は、1対のフック機構を有し、前記第1の部材は、前記フック機構に選択的に接触するように構成される、装置。
【請求項14】
請求項7から13のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化アセンブリに加えられたトルクが前記所定のトルクより小さい場合、前記第1の部材が前記第2の部材の外面に対して結合するように動作可能であり、したがって前記アプリケータの回転が前記第2の部材の対応する回転を引き起こし、前記安定化アセンブリに加えられたトルクが前記所定のトルク以上である場合、前記第1の部材は前記第2の部材を越えてスライドするように動作可能であり、したがって前記アプリケータの回転により前記第2の部材がとどまって前記安定化アセンブリをさらに締め付ける、装置。
【請求項15】
請求項7から14のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、さらに、
前記安定化アセンブリと係合するように構成されたビットを有し、
前記第2の部材は前記ビットと接続し、前記第2の部材と前記ビットは、一体となって回転するように構成されるものである、装置。
【請求項16】
医療処置中に患者の頭部を安定させるための装置であって、当該装置は、
(a)前記患者の頭部を受容するように構成された頭部固定装置と、
(b)前記頭部固定装置と接続される安定化アセンブリであって、前記患者の頭部に接触するように構成された安定化機構を受容するように構成されているものである、前記安定化アセンブリと、
(c)前記安定化アセンブリに接続自在なアプリケータであって、所定のトルク量を超えることなく前記安定化アセンブリにトルクを伝達するように構成されており、
(i)第1の部材と、
(ii)第2の部材であって、第1の条件下で前記第1の部材と当該第2の部材との間の相互作用により、前記第1の部材に曲げ応力が加わるものである、前記第2の部材と
を有する前記アプリケータと
を有する、装置。
【請求項17】
請求項16記載の装置において、第2の条件下で前記第1の部材は、前記第1の部材に前記曲げ応力がかかっていない弛緩状態にある、装置。
【請求項18】
請求項16記載の装置において、第2の条件下で、前記第1の部材と第2の部材との間の前記相互作用により、前記第1の部材に曲げ応力が付与され、前記第2の条件における前記曲げ応力は、前記第1の条件における前記曲げ応力と程度が異なる、装置。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、さらに、
前記所定のトルク量を調整可能に設定するように構成された第3の部材を有するものである、装置
【請求項20】
請求項19記載の装置において、前記第3の部材は、前記設定された所定のトルク量に基づいて前記第1の部材の長手方向に沿って異なる位置で前記第1の部材に接触する、装置。
【請求項21】
請求項19から20のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記第3の部材と前記第1の部材との間の接触により、前記第1の部材の曲げ長さが決定され、前記曲げ長さは、前記所定のトルク量に対応する、装置。
【請求項22】
請求項16から21のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記第1の部材は、前記アプリケータに対して長手方向に延びる少なくとも1つのアームを有する、装置。
【請求項23】
請求項22記載の装置において、前記第1の部材は、前記アプリケータに対して長手方向に延びる1対のアームを有する、装置。
【請求項24】
請求項23記載の装置において、前記第2の部材は、前記1対のアーム間に配置され、前記1対のアームは、前記第2の部材の外面に選択的に接触するように構成される、装置。
【請求項25】
請求項16から24のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記第2の部材は、1対のフック機構を有し、前記第1の部材は、前記フック機構に選択的に接触するように構成される、装置。
【請求項26】
請求項16から25のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化アセンブリに加えられるトルクが前記所定のトルクより小さい場合、前記第1の部材が前記第2の部材の外面に対して結合するように動作可能であり、したがって前記アプリケータの回転が前記第2の部材の対応する回転を引き起こす、装置。
【請求項27】
請求項16から26のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化アセンブリに加えられるトルクが前記所定のトルク以上である場合、前記第1の部材は、前記第2の部材を越えてスライドするように動作可能であり、したがって前記アプリケータの回転時に前記第2の部材を静止させ、前記安定化アセンブリをさらに強固にする、装置。
【請求項28】
請求項16から27のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、さらに、
前記安定化アセンブリと係合するように構成されたビットを有するものであり、
前記第2の部材が前記ビットと接続し、前記第2の部材および前記ビットが一体となって回転するように構成される、装置。
【請求項29】
請求項16から28のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化アセンブリは、前記安定化機構の回転なしに前記安定化機構を並進させるように構成される、装置。
【請求項30】
請求項16から29のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータが回転軸を定義し、前記安定化アセンブリは、前記安定化機構が前記回転軸と同軸に配向されるように前記安定化機構を受容するように構成される、装置。
【請求項31】
請求項16から30のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、前記所定のトルク量を表示するインジケータ機構を有する、装置。
【請求項32】
請求項16から31のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化機構は、頭蓋骨ピンを有する、装置。
【請求項33】
請求項16から32のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、ハウジングを有し、前記第1の部材は、前記ハウジングと一体となって回転するように構成される、装置。
【請求項34】
請求項16から33のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、前記安定化アセンブリに着脱可能に接続自在である、装置。
【請求項35】
請求項16から34のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化アセンブリは、請求項1から5のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の前記安定化アセンブリを有する、装置。
【請求項36】
請求項16から35のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、請求項37から50のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置を有する、装置。
【請求項37】
トルク量を設定し、対象物にトルクを加える装置であって、
(a)前記対象物にトルクを加えるために使用中に回転するように構成されたハウジングと、
(b)前記ハウジングから延びるビットであって、当該ビットは前記対象物によって受容されるように構成されているものである、前記ビットと、
(c)前記トルク量を設定するように構成された、アクチュエータと、
(d)前記ハウジング内で長手方向に延びる1若しくはそれ以上のアームであって、前記アクチュエータの操作により前記1若しくはそれ以上のアームの曲げ長さが変化するものであり、前記装置によって加えられる前記トルク量が前記1若しくはそれ以上のアームの前記曲げ長さに相関するものである、前記1若しくはそれ以上のアームと
を有する、装置。
【請求項38】
請求項37記載の装置において、前記アクチュエータは前記ハウジングからアクセス可能である、装置。
【請求項39】
請求項37および38のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、さらに、
本体を有するものであり、
前記アクチュエータは、前記1若しくはそれ以上のアームに対する前記本体の位置を調整するように構成され、前記1若しくはそれ以上のアームに対する前記本体の位置を調整することにより、前記1若しくはそれ以上のアームの前記曲げ長さが変更され、前記装置によって加えられる前記トルクは、前記1若しくはそれ以上のアームの前記曲げ長さに相関している、装置。
【請求項40】
請求項37から39のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アクチュエータは、前記トルク量を調整および設定するために回転可能である、装置。
【請求項41】
請求項40記載の装置において、前記アクチュエータを回転が、前記本体の長手方向の並進を引き起こす、装置。
【請求項42】
請求項37から39のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アクチュエータは、前記トルク量を調整および設定するためにスライド可能である、装置。
【請求項43】
請求項42記載の装置について、前記アクチュエータをスライドさせることが、前記本体の長手方向の並進を引き起こす、装置。
【請求項44】
請求項37から43のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、さらに、
前記アプリケータが加える前記トルク量を調整するように構成された較正機構を有するものである、装置。
【請求項45】
請求項37から44のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記ビットは、回転軸を定義し、前記対象物の少なくとも一部によって受容するように構成される、装置。
【請求項46】
請求項37から45のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記トルク量を設定するために前記装置を使用する場合、ユーザが受容する抵抗が、前記トルク量の設定値に関係なく一定である、装置。
【請求項47】
請求項37から46のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記トルク量を設定するために前記装置を使用する場合、ユーザーが受容する抵抗は、前記装置の可動部分間の摩擦力のみ克服するように構成される、装置。
【請求項48】
請求項37から47のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記曲げ長さは、前記トルク量を設定するために前記装置が使われる場合、前記ユーザが受容する抵抗に影響を与えない、装置。
【請求項49】
請求項37から48のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記装置は、正のトルクを設定するように構成され、同時に、前記1若しくはそれ以上のアームが曲げ応力を受けないように構成される、装置。
【請求項50】
請求項37から49のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記装置は、さらに、
前記ビットと一体に回転するように構成されたノブを有するものであり、
前記1若しくはそれ以上のアームは、前記ハウジングを回転させる場合、前記ノブに接触するように構成され、前記ノブの接触は、前記1若しくはそれ以上のアームに曲げ応力を加え、前記ノブとビットは、第1の条件下で静止しており、前記ノブとビットは、第2の条件下で回転する、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
この出願は、2019年11月22日に出願された「取り外し可能なトルクアプリケータを備えた頭部安定化装置」と題された米国仮特許出願第62/939、053号の優先権を主張し、その開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
開示される装置および方法は、患者の安定化、特に、頭部固定装置(以下、「HFDs」または単数形で「HFD」と呼ぶ)とも呼ばれる頭部安定化装置として知られる安定化装置を使用する頭頸部安定化に関する。HFDsは、様々な外科手術やその他の医療処置、例えば、患者の頭を特定の位置にしっかりと保持することが望ましい頭や首の手術や検査中に使用されることがある。患者の頭を安定させる場合、技術には侵襲的および非侵襲的な設定が含まれる。侵襲的な設定では、患者の頭、特に頭蓋骨に接触するピンの形で安定化機能を使用できる。非侵襲的な設定では、皮膚に浸透することなく、患者の頭に接触するように構成されているパッドやその他の構造の形で安定化機能を使用できる。侵襲的および非侵襲的設定で使用されるHFDには、1つ若しくはそれ以上の安定化機能を保持および配置するように構成された構造またはアセンブリが含まれる。
【0003】
HFDsは、様々な頭部のサイズを持つ患者に対応するためにサイズを調整する機能も備えている。HFDで患者を安定させる場合、1つ若しくはそれ以上の安定化機能を制御された方法で締めて、患者の頭部に必要な量の力を加えて、許容できる安定化を実現できる。本明細書の装置および方法はまた、1つ若しくはそれ以上の安定化機能によって加えられるこの力を調整することにも関係する。様々な頭部安定化装置が製造および使用されてきたが、本発明者の前の誰も本明細書に記載の発明を製造または使用していないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書は、本発明を特に指摘し、明確に主張する特許請求の範囲で終了するが、本発明は、添付の図面と併せて取られた特定の実施例の以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
図1図1は、取り外し可能なトルクアプリケータを有する安定化アセンブリを備えた頭蓋骨クランプを示す例示的な患者頭部支持システムの斜視図を示している。
図2図2は、図1の前記患者頭部支持システムの斜視図を示しており、前記安定化アセンブリから取り外された前記トルクアプリケータを示している。
図3図3は、図1の前記トルクアプリケータの斜視図を示している。
図4図4は、図1の前記トルクアプリケータの別の斜視図を示している。
図5図5は、図1の前記トルクアプリケータの側面図を示している。
図6A図6Aは、図1の前記トルクアプリケータの断面図を示しており、図5の線6~6に沿って取られ、第1のトルク設定での前記アプリケータと共に示されている。
図6B図6Bは、図1のトルクアプリケータの断面図を示しており、図5の線6~6に沿って取られ、第2のトルク設定での前記アプリケータと共に示されている。
図7図7は、図1の前記トルクアプリケータの別の側面図を示しており、前記トルクアプリケータは、図5の側面図からその長手方向軸を中心に90度回転している。
図8A図8Aは、図1の前記トルクアプリケータの断面図を示しており、図7の線8~8に沿って取られ、前記第1のトルク設定での前記アプリケータと共に示されている。
図8B図8Bは、図1の前記トルクアプリケータの断面図を示しており、図7の線8~8に沿って取られ、前記第2のトルク設定での前記アプリケータと共に示されている。
図9図9は、図1の前記トルクアプリケータの断面図を示しており、図5の線9-9に沿って取られている。
図10図10A~10Cは、図1の前記トルクアプリケータの断面図を示しており、図5の線10-10に沿って取られ、使用中の前記トルクアプリケータの構成要素の位置を示している。
図11図11は、図1の前記トルクアプリケータの断面図を示しており、図5の線11~11に沿って取られている。
図12図12は、図1の前記トルクアプリケータの例示的な継ぎ手スリーブの部分斜視図を示している。
図13図13は、図1の前記頭蓋骨クランプの前記安定化アセンブリの部分の断面図を示しており、前記安定化アセンブリとの前記継ぎ手スリーブ接続を示している。
図14図14は、前記頭蓋骨クランプのアーム内の前記安定化アセンブリの正面図を示しており、前記安定化機能が取り外されて示されている。
図15図15は、別の取り外し可能なトルクアプリケータを有する別の安定化アセンブリを備えている図1の前記頭蓋骨クランプを示す別の例示的な患者頭部支持システムの斜視図を示している。
図16図16は、図15の線16~16に沿って取られた図15の前記安定化アセンブリおよび取り外し可能なトルクアプリケータの断面図を示している。
図17図17は、図15の線17~17に沿って取られた図15の前記安定化アセンブリおよび取り外し可能なトルクアプリケータの断面図を示している。 図面は、いかなる方法でも限定することを意図するものではなく、本発明の様々な実施形態は、必ずしも図面に描かれていないものを含む、他の様々な方法で実施されることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を示しており、説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つが、本発明は、示された正確な配置に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の特定の例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態、および利点は、本発明を実施するために企図される最良のモードの1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。実現されるように、本発明は、すべて本発明から逸脱することなく、他の異なる明白な態様が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものではない。
【0006】
1.例示的な患者の頭のサポートシステム
図1および2は、頭蓋骨クランプ(100)およびトルクアプリケータ(200)の形態のHFDを有する例示的な患者頭部支持システム(10)を示している。頭蓋骨クランプ(100)は、直立部分(104)および側方部分(106)を規定するアーム(102)を含む。頭蓋骨クランプ(100)は、さらに、直立部分(110)および側面部分(112)を規定するアーム(108)を含む。示されるように、側面部分(106、112)は、選択的に調整可能な方法で一緒に接続するように構成される。この構成により、直立部分(104、110)間の間隔を変更して、様々な頭のサイズを有する患者に対応することができる。
【0007】
頭蓋骨クランプ(100)の各直立部分(104、110)は、一端にボアを含み、前記ボアは安定化アセンブリを受け入れるように構成されている。この例では、直立部分(104)は安定化アセンブリ(114)を備えて示され、直立部分(110)は安定化アセンブリ(116)を備えて示されている。安定化アセンブリ(114)は、2つの安定化機構(250)を保持することができるロッカーアセンブリ(118)で構成される。安定化アセンブリ(116)は、単一の安定化機構(250)を保持できるボアで構成されている。あるバージョンでは、安定化アセンブリ(114、116)によって保持される安定化機構(250)は頭蓋骨ピンである。ただし、他のバージョンでは、安定化アセンブリ(114、116)によって保持される安定化機構(250)は、パッドまたはピンとパッドの組み合わせである。このようにして、システム(10)は、使用される安定化機構のタイプまたはスタイルに応じて、侵襲的または非侵襲的構成のいずれかになる。
【0008】
頭蓋骨クランプ(100)はまた、安定化アセンブリ(116)およびトルクアプリケータ(200)の継ぎ手スリーブ(230)を介して頭蓋骨クランプ(100)と選択的に接続するように構成されたトルクアプリケータ(200)を含む。この選択的な接続は、図1図2を比較するとわかり、ここで、トルクアプリケータ(200)は図1の頭蓋骨クランプ(100)に接続し、図2に示すように頭蓋骨クランプ(100)から取り外し可能である。以下に示され、説明されるように、トルクアプリケータ(200)は、トルクアプリケータ(200)が安定化アセンブリ(116)と安全かつ選択的に接続し、ユーザーによる所定の位置に保持されることなく接続されたままであることを可能にする継ぎ手スリーブ(230)(図12も参照)を含む。継ぎ手スリーブ(230)を作動させて、トルクアプリケータ(200)を頭蓋骨クランプ(100)の安定化アセンブリ(116)から取り去るまたは取り外したりすることができる。この場合も、前記継ぎ手スリーブの詳細については、図12を参照して以下に示す。
【0009】
使用中、患者の頭部は、頭蓋骨クランプ(100)の直立部分(104、110)の間の頭部支持システム(10)の空間内に配置される。次に、頭蓋骨クランプ(100)を調整して、安定化アセンブリ(114、116)の安定化機構(250)が前記患者の頭部にほぼ接触するか、またはちょうど接触するまで、アーム(102、108)の直立部分(104、110)を互いに近づける。次に、トルクアプリケータ(200)を使用して、安定化機構(250)が前記患者の頭部に加える力の量を調整する。これは、トルクアプリケータ(200)を使用して、前記患者の頭部に所定量の力を加えて、前記患者の頭部に外傷を引き起こす可能性のある過度の力を加えることなく安定化を得ることによって達成される。このように、トルクアプリケータ(200)は、トルクアプリケータ(200)を使用して設定された前記所定量よりも多くのトルクをトルクアプリケータ(200)が加えないようにする機能を備えている。
【0010】
トルクを加える際、トルクアプリケータ(200)は、安定化アセンブリ(116)に接続された安定化機構(250)に前記所定の力を加える。安定化アセンブリ(114)は、一般的に、安定化アセンブリ(116)と反対であり、安定化アセンブリ(114)は、その安定化機構(250)が患者の頭に接触すると固定される。このようにして、正反対の安定化アセンブリ(114、116)によって等しく反対の力が加えられる。しかしながら、安定化機構(250)の数、各安定化機構(250)の位置、および各安定化機構(250)が患者の頭部となす角度は、加えられる安定化力の方向および大きさに影響を与える。したがって、すべての個々の安定化機構(250)が必ずしも同じ大きさまたは方向の力を患者の頭部に加えるわけではない。次のセクションでは、さらに、トルクアプリケータ(200)およびその使用に関する詳細について説明する。
【0011】
2.回転可能なアクチュエータを備えた例示的な取り外し可能なトルクアプリケータ
図3~11は、例示的なトルクアプリケータ(200)を示している。トルクアプリケータ(200)は、本明細書では単にアプリケータ(200)と呼ばれることがある。図3~5、および7では、アプリケータ(200)はハウジング(120)を含む。ハウジング(120)は、アプリケータ(200)の近位端からアプリケータ(200)の遠位端まで長手方向に延びる。ハウジング(120)は、さらに、一般的に、アプリケータ(200)の外周を規定する。前記遠位端において、ハウジング(120)は、細長ビット(130)が延びる開口部(122)を含む。アプリケータ(200)は縦軸(LA)を規定する。縦軸(LA)は、細長ビット(130)およびアプリケータ(200)の他の構成要素が回転することができる回転軸を規定する。この例では、細長ビット(130)の遠位端は6点の星形をしており、しかしながら、他のバージョンでは、細長ビット(130)の遠位端は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかである、とりわけ、溝付き、十字形、四角形などの他の形状を有することができる。
【0012】
図4に見られるように、ハウジング(120)の前記近位端には、別の開口部(124)、および開口部(124)内に適合するカバー(140)がある。一部のバージョンでは、カバー(140)はハウジング(120)とスナップ適合を有するが、他のバージョンでは、カバー(140)は、ハウジング(120)とカバー(140)を貫通できるピンによってハウジング(120)に固定できる。いくつかのバージョンでは、カバー(140)は、ハウジング(120)内の視覚的アクセスを提供する複数のスロットを含む。カバー(140)の中心には、キャリブレーションアセンブリまたは機能の一部であるキャリブレーションスリーブ(180)を受け入れるように構成された開口部(142)がある。図4に示されるように、細長ビット(130)の近位端は、キャリブレーションスリーブ(180)内に受け入れられる。いくつかのバージョンでは、キャリブレーションスリーブ(180)は、キャリブレーションプロセスを説明するときに以下でさらに詳細に説明されるように、キャリブレーションスリーブ(180)を回転させるためのツールを受け入れるように構成された一対の開口部を含む。
【0013】
引き続き図3および4を参照すると、ハウジング(120)はまた、横方向の開口部(121、123)を含む。開口部(121、123)は、ハウジング(120)の反対側にある。この例では、開口部(122、123)もまた、一般的に、ハウジング(120)の遠位端に向かって配置されている。開口部(121、123)は、アクチュエータ(150)へのアクセスを提供し、アクチュエータ(150)は、以下でより詳細に説明するように、アプリケータ(200)のトルク設定を調整するために使用できる。ハウジング(120)の外面に沿って、長手方向に延びる細長いディボット(125)がある。この例では、ディボット(125)は、前記ハウジング(120)の周囲に間隔を置いて配置されている。このように、ディボット(125)は、トルクアプリケータ(200)を把持するときの把持能力を改善するための把持機能として構成される。いくつかのバージョンでは、アクチュエータ(150)は、長手方向に延び、前記アクチュエータ(150)の周囲の周りに間隔を置いて配置されたディボットを含むことができる。このように、このようなディボットは、アクチュエータ(150)を把持してアクチュエータ(150)を回転させてアプリケータ(200)のトルク設定を調整する際の把持能力を向上させる把持機能として構成することができる。
【0014】
ハウジング(120)の2つのディボット(125)は、細長いスロット(126)を含む。この例では、細長いスロット(126)は、ハウジング(120)の反対側にある。各細長いスロット(126)内には、それぞれのスロット(126)内で並進するように構成されたピン(161)がある。以下でより詳細に議論されるように、これらのピン(161)は、アクチュエータ(150)がトルク設定を調整するために回転されるときに並進する。一部のバージョンでは、細長いスロット(126)に隣接して、ハウジング(120)の外面にマークされているトルク設定の目盛りがある。このようなバージョンでは、ピン(161)は、前記目盛りを指すか、目盛りに関連付けることによる力のインジケーターである。一部のバージョンでは、前記目盛りは数値にすることができるが、他のバージョンでは、前記目盛りは相対的な表示を提供できる。限定ではなく単なる例として、相対的な表示は、ある色が許容可能なトルク設定を示し、別の色が低すぎるまたは高すぎるトルク設定を示すことができる色分けされたグラフィックを含むことができる。本明細書の教示を考慮すると、トルク設定のフィードバックまたは表示を提供する他の方法は、当業者には明らかであろう。
【0015】
いくつかのバージョンでは、前記近位端近くのハウジング(120)の周囲に沿って、ハウジング(120)内に横方向に延び、前記ハウジング(120)の周囲に等間隔に配置された複数のボアがあってよい。そのようなボアは、位置決めねじ(162)を受け入れるように構成することができる(図8Aおよび8Bを参照)。以下でより詳細に説明するように、位置決めねじ(162)は、トルクアプリケータ(200)の較正設定を固定するように構成される。いくつかのバージョンでは、上記のように、ハウジング(120)でカバー(140)を固定するためのピンを受け入れるように構成することができる追加のボアもある。
【0016】
いくつかのバージョンでは、ハウジング(120)の遠位端またはその近くに、二股部材(170)(図6Aおよび6Bを参照)をハウジング(120)に固定するように構成されたピンを受け入れるように構成された横方向ボアがあってもよい。二股部材(170)は、以下でより詳細に説明されるように、トルクアプリケータ(200)によって加えられるトルクを変更するための制御機能である。ハウジング(120)とのこの例示的なピン接続により、二股部材(170)は、以下でさらに説明されるように、ハウジング(120)と一致して回転する。他のいくつかのバージョンでは、そのようなピン接続は、グラブねじなどの別の留め具類に置き換えることができる。
【0017】
図5~11を参照して、トルクアプリケータ(200)の内部コンポーネントの詳細を、トルクアプリケータ(200)の操作上の特徴とともに説明する。図5~6Bから始めて、アクチュエータ(150)は、内部空間(153)を有し、遠位開口部(154)および近位開口部(155)を有する管状構造として示されている。内部空間(153)内に配置され、アクチュエータ(150)の近位端(155)から延びるのはスリーブ(190)である。スリーブ(190)はまた、内部空間(192)を有し、遠位開口部(193)および近位開口部(194)を有する管状構造として示されている。
【0018】
アクチュエータ(150)は、スリーブ(190)のねじ部分(191)とねじ可能に係合するねじ部分(152)を含む。このように、アクチュエータ(150)の回転は、これらの構成要素間の前記ねじの係合のために、スリーブ(190)の並進を引き起こす。スリーブ(190)の前記並進方向は、前記アクチュエータ(150)の回転方向に依存する。本バージョンでは、近位端からアプリケータ(200)を見るときにアクチュエータ(150)を時計回りに回転させると、スリーブ(190)が図6Aと比較した場合の図6Bに見られるように近位方向に並進する。反対の方法で、近位端からアプリケータ(200)を見るときに反時計回りにアクチュエータ(150)を回転させると、スリーブ(190)が遠位に並進する。この例では、スリーブ(190)は、アプリケータ(200)の一端のカバー(140)から、アプリケータ(200)の他端の二股部材(170)のへり部(173)までに及ぶ距離にわたって並進するように構成される。他のバージョンでは、本明細書の教示に照らして当業者に明らかであるように、アクチュエータ(150)およびスリーブ(190)は、直前で説明したのとは逆の方法で、またはより少ない程度で並進距離に関してスリーブ(190)の並進を引き起こすように構成することができる。さらに、アクチュエータ(150)は、図5図11に示される回転管状構造に加えて、様々な構造および形態を有することができる。例えば、アクチュエータ(150)は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかである他の構造形態の中でもとりわけ、サムホイール、回転スリーブまたは管状本体、並進するように構成されたスライダーとして構造化することができる。
【0019】
スリーブ(190)は、上述のように、その近位端にピン(161)を含む。アクチュエータ(150)の回転に基づいてスリーブ(190)が並進するとき、ピン(161)はハウジング(120)の溝部(126)に沿ってスリーブ(190)と共に移動する。上述したように、ピン(161)は、以下の説明からより明確に理解されるように、設定トルクを示すことによって力インジケータとして作用するようにこのように構成される。ピン(161)は、ハウジング(120)の溝部(126)内に延びるので、ハウジング(120)の回転は、ピン(161)、したがってスリーブ(190)および接続されたアクチュエータ(150)の対応する回転を引き起こす。このアクチュエータ(150)とスリーブ(190)のハウジング(120)との回転は、アクチュエータ(150)に対するスリーブ(190)の相対位置を変更することなく行われる。
【0020】
スリーブ(190)はまた、その側壁内に横方向の開口部(196)を有するように構成される。開口部(196)は、質量を減らすために構成され、また、洗浄、観察などのために内部空間(192)へのアクセスを提供する。いくつかのバージョンでは、側方開口部(196)の数は、本実施例で図示されたものよりも多くても少なくてもよい。スリーブ(190)は、内部空間(192)を画定する内面(198)を含む。内面(198)は一般的にスリーブ(190)の近位端から遠位端まで先細りになっているが、スリーブ(190)の部分(197)は直線状または先細りでない。
【0021】
二股部材(170)は、アクチュエータ(150)の内部空間(153)を通って延び、遠位開口部(154)から延びる。二股部材(170)は、遠位本体部分(171)および本体部分(171)から近位に延びる1対のアーム(172)を含む。本体部分(171)は、へり部(173)を含む。アクチュエータ(150)と組み立てられたとき、へり部(173)は、二股部材(170)がアクチュエータ(150)の遠位開口部(154)を通過できないように、アクチュエータ(150)の遠位開口部(154)より大きい直径を有する。いくつかの他のバージョンでは、二股部材(170)はまた、ピンによってハウジング(120)とピン結合されてもよい。この方法では、アクチュエータ(150)は、二股部材(170)のへり部(173)を越えて近位に移動できないので、ハウジング(120)に対してその長手方向の位置に維持される。同様に、アクチュエータ(150)の遠位端は、ハウジング(120)の内側遠位フランジ(129)に接するか又はすぐ隣にあり、これは、アクチュエータ(150)がハウジング(120)に対して遠位に動くのを防止する。
【0022】
図8Aおよび図8Bに示されるように、細長ビット(130)は、二股部材(170)の本体部分(171)を通って延び、最終的にハウジング(120)の遠位端から出現している。細長ビット(130)および二股部材(170)の本体部分(171)は、二股部材(170)および細長ビット(130)が互いに独立して回転できるように構成される。以下でさらに説明するように、このような独立した回転は、トルク設定または限界に達し、二股部材(170)は回転するが細長ビット(130)はさらなるハウジング(120)の回転と共に回転しないときに生じる。それでも、ある条件下では、細長ビット(130)および二股部材(170)は、一体となって回転することができる。後述もするように、これは、トルク設定または限界にまだ達しておらず、細長ビット(130)が二股部材(170)と一体となって回転する場合である可能性がある。本実施例では、アプリケータ(200)は、二股部材(170)の本体部分(171)と細長ビット(130)との間に配置されているピン(164)を含む。ピン(164)は、アプリケータ(200)の使用中の条件に基づいて細長ビット(130)とフォーク部材(170)の間の回転を可能にするように構成される。いくつかのバージョンでは、複数のピン(164)がビット(130)と二股部材(170)の間で使用されてもよい。
【0023】
図7、8A及び8Bを参照して、スリーブ(190)と二股部材(170)との間の相互作用を説明し、所定または規定量のトルクを設定することを説明する。上述したように、二股部材(170)は、本体部分(171)から近位に延びる一対のアーム(172)を含む。近位端において、アーム(172)は、ノブ(210)に選択的に接触するように構成される。ある条件下で前記アーム(172)の近位端がノブ(210)に接触すると、アーム(172)は、そのような接触に応答して長手方向軸(LA)から離れるように曲がるかまたは偏向する。このような条件下でのアーム(172)とノブ(210)との間の接触に基づき、アーム(172)に曲げ応力が付与される。少なくともいくつかの実施例では、この曲げ応力は、前記力の方向が前記アーム(172)の長手方向軸または長さと平行でない前記力がアーム(172)に一般的に及ぼされるときに生じる。全ての例ではないが、いくつかの例では、前記力の方向は、前記アーム(172)の長手方向軸または長さに直交していてもよい。そのような力の結果は、その中立位置または状態からアーム(172)を曲げたり偏向させたりすることである。しかしながら、アーム(172)の近位端は、アーム(172)が長手方向軸(LA)から離れて曲がったり偏向することのない他の条件下でノブ(210)に接触することができる。
【0024】
図8および9を参照すると、ノブ(210)は、ビット(130)がノブ(210)を通って延びるように細長ビット(130)に対して位置決めされる。さらに、ノブ(210)は、平坦な側面(212)を有する遠位開口部(211)を含む。細長ビット(130)は、細長ビット(130)が開口部(211)を通過する位置において、その長さに沿って平坦な側面(131)を有する外形を含む。前記ビット(130)の対応する平坦な側面(131、212)とノブ(210)の開口部(211)とは、細長ビット(130)とノブ(210)との間に締まりばめを生じさせる。この締まりばめにより、ノブ(210)と細長ビット(130)は一体となって回転する。したがって、ノブ(210)が回転すると、それに対応して細長ビット(130)が回転する。
【0025】
図10A~10Cを参照すると、ノブ(210)は、1対の湾曲したフック機構(213)を含む。示されるように、アーム(172)の近位端は、アプリケータ(200)をその近位端から見たときに二股部材(170)が反時計回りに回転されるとき、それぞれのフック機構(213)に接触するように構成される。これは、図10Aにおいて、前記回転方向を示す矢印(A1)によって示されている。この態様において、二股部材(170)の反時計回りの回転は、ノブ(210)および細長ビット(130)の反時計回りの対応する回転を引き起こす。さらに、この方法におけるアーム(172)とノブ(210)のフック機構(213)との間の前記接触は、アーム(172)の長手方向軸(LA)から離れた曲げまたは偏向を引き起こすことなく生じる。また、アーム(172)の近位端は、カバー(140)のそれぞれのスロット(143)内に受容される。溝部(143)は、アーム(172)がたわまないように、すなわち、アーム(172)の近位端がノブ(210)のフック機構(213)に接触するときに、アーム(172)の前記位置を維持する。先に述べたように、二股部材(170)は、二股部材(170)がハウジング(120)と一体に回転するように、ピンまたは他の構造によってハウジング(120)に固定されることができる。その結果、アプリケータ(200)をその近位端から見たときのハウジング(120)の反時計回りの回転は、細長ビット(130)の同じ方向への対応する回転を生じさせる。この反時計回りの回転は、トルクアプリケータ(200)の使用の1つの条件と考えることができる。少なくともいくつかの実施形態において、この方法での回転は、安定化アセンブリ(116)の安定化機構(250)の患者の頭部との接触または係合を緩めるかまたは減少させる。
【0026】
ここで、前記近位端から見た場合のハウジング(120)の時計回りの回転を考えると、二股部材(170)は、上記の理由により、ハウジング(120)と一体となって回転することになる。図10A~10Cを参照すると、この時計回りの回転は、アーム(172)を同じように移動させ、これは、矢印(A2)の方向によって示されている。アーム(172)間の距離は、その最大点でのフック機構(213)を横切るノブ(210)の直径よりも小さい。その結果、アーム(172)が前記矢印(A2)の方向に回転すると、アーム(172)の近位端は、フック機構(213)の外側湾曲面(214)に接触するかまたは係合することになる。さらに、アーム(172)の前記近位端の間の距離は、フック機構(213)の最大直径点よりも小さいので、前記アーム(172)の近位端がフック機構(213)の外側湾曲面(214)と接触すると、図10Bおよび10Cに示されるようにアーム(172)が曲がった位置またはたわんだ状態を採用するようにさせる。図9図10Cに示されるように、カバー(140)の溝部(143)は、アプリケータ(200)がこのように使用されているとき、長手方向軸(LA)から離れるアーム(172)の近位端の偏向を可能にするように細長くされる。
【0027】
アーム(172)のためのこの曲がったまたは偏向した構成で、アーム(172)は、ノブ(210)のフック機構(213)に内側に向けられた力を発揮する。これは、アーム(172)がノブ(210)を保持するか、または圧迫する影響を生じる。アーム(172)によって加えられる力が、細長ビット(130)に加えられる抵抗力よりも高い場合、安定化アセンブリ(116)との係合および患者の頭部との安定化機構(250)の接触に基づいて、ハウジング(120)の回転および二股部材(170)のアーム(172)が、アーム(172)と一体にノブ(210)と連結した細長ビット(130)を回転させるのに十分な力でノブ(210)を持つことができるようになる。この態様において、前記アプリケータ(200)の近位端から見たときに、ハウジング(120)を時計回りに回転させることによって、安定化アセンブリ(116)の安定化機構(250)を締め付けることができる。
【0028】
細長ビット(130)に加えられる前記抵抗力が、安定化アセンブリ(116)との係合および患者の頭部との安定化機構(250)の接触に基づいて、アーム(172)がノブ(210)に加える前記力より高いとき、アーム(172)は、ノブ(210)のフック機構(213)を越えてスライドするかまたは滑ることになる。アーム(172)が十分にスライドまたは滑ると、アーム(172)が弾力的に跳ね返るかまたはその弛緩状態に戻ることによって、図10Aに示されるような位置に到達する。この中立または弛緩状態において、アーム(172)は、もはや長手方向軸(LA)から外側に曲がったり偏向することはない。したがって、アーム(172)および接続されたハウジング(120)は、回転したが、ノブ(210)および細長ビット(130)の対応する回転はないであろう。そのため、ハウジング(120)および二股部材(170)にさらなる締め付け力または回転力が加わっているかもしれないが、かかるさらなる締め付け力または回転力はノブ(210)および細長ビット(130)に伝わらず、したがって細長ビット(130)が接続されている安定化アセンブリ(116)もさらなる締め付け力または回転力を受けず、そのため細長ビット(130)は、ノブ(210)および細長ビット(130)に対して回転しない。このノブ(210)が回転する時計回りの回転は、トルクアプリケータ(200)の別の使用条件と考えることができ、同様にノブ(210)が回転しない時計回りの回転は、トルクアプリケータ(200)の別の使用条件と考えることができる。
【0029】
トルクアプリケータ(200)の本実施例では、アーム(172)によってノブ(210)に及ぼされるまたは適用される力の量は、アーム(172)の曲げ長さの関数である。例えば、図8Aおよび図8Bを参照すると、アーム(172)は、異なる曲げ長さを有することが示されている。さらに、アプリケータ(200)は、アーム(172)の前記曲げ長さが調節可能であるように構成される。この調節は、二股部材(170)のスリーブ(190)とアーム(172)との間の相互作用によって達成される。
【0030】
スリーブ(190)は、アーム(172)と並んで位置決めされる部分(197)を含む。図8Aおよび図8Bを比較したときに示されるように、部分(197)は、図8Bと比較して図8Aではさらに遠位に位置している。前記曲げ長さは、スリーブ(190)の部分(197)から近位に延びるアーム(172)がノブ(210)の遠位部分と並んでいる点までの長さとして定義される。したがって、図8Aは、図8Bに示される別の状態の第2の曲げ長さよりも大きい第1の曲げ長さを有する状態を示している。上述したように、アクチュエータ(150)の回転は、スリーブ(190)の並進を引き起こし、その結果、アーム(172)のための前記異なる曲げ長さを提供する。このように、二股部材(170)のアーム(172)の前記曲げ長さは、アクチュエータ(150)の回転によって制御される。以下にさらに説明するように、アーム(172)の前記曲げ長さは、ノブ(210)の遠位部分がアーム(172)に対して移動される較正工程によっても影響される。しかしながら、この方法での較正は、別の較正プロセスとして構成され、使用中のトルクを制御するために前記曲げ長さを調整することに取って代わるようには構成されていない。
【0031】
トルク設定に関係することとして、曲げ長さが小さいほど、曲げ力が大きいことに関連する。すなわち、アーム(172)の前記曲げ長さが短くなると、アーム(172)を曲げるために、より大きな力が必要となる。同様に、より大きな力は、アーム(172)によってフック機構(213)に適用されるであろう。したがって、本バージョンにおいて、アーム(172)の最も短い曲げ長さ、したがって、最大のトルク設定は、スリーブ(190)がその最も近位位置に並進されるときであろう。同様に、アーム(172)の前記最も長い曲げ長さ、したがって前記最も小さいトルク設定は、スリーブ(190)がその最も遠位位置に並進されるときであろう。
【0032】
本バージョンでは、ノブ(210)とアーム(172)の間の相互作用に基づいて前記曲げ力が適用される。より具体的には、ここでの前記相互作用は、ノブ(210)のフック機構(213)とアーム(172)の間である。例えば、スリーブ(190)の位置に基づいて、アーム(172)の曲げ長さが短いかまたは小さいと、ハウジング(120)が時計回りに回転されるとき、アーム(172)がノブ(210)のフック機構(213)を越えてスライド又は滑る点までアーム(172)を曲げさせるために、より大きな力が必要とされる。言い換えれば、アプリケータ(200)は、締め付けるときに、より大きなトルクを安定化アセンブリ(116)に適用することができる。逆の態様で、アーム(172)の前記曲げ長さが長いかまたは大きければ大きいほど、再びスリーブ(190)の前記位置に基づいて、ハウジング(120)が時計回りに回転されるとき、アーム(172)がノブ(210)のフック機構(213)を越えてスライドまたは滑る点までアーム(172)を曲げさせるために、より少ない力が必要となる。言い換えれば、アプリケータ(200)は、締め付けるときに、安定化アセンブリ(116)に対してより少ないトルクを加える。
【0033】
限定ではなく例としてのみ、1つの例示的な使用において、アプリケータ(200)は、前記トルクインジケータが60ニュートンメートルを読み取るようにアクチュエータ(150)の回転によって調整される。頭部支持システム(10)は、患者の頭部が頭蓋骨クランプ(100)内に配置され、頭蓋骨クランプ(100)が、安定化機構(250)として頭蓋骨ピンで構成された安定化アセンブリ(114、116)を有するように構成される。頭蓋骨クランプ(100)は、頭蓋骨ピンが前記患者の頭部に接触するように、アーム(102,108)を動かすように調整される。アプリケータ(200)は、安定化アセンブリ(116)と接続し、細長ビット(130)は、安定化アセンブリ(116)の星形凹部(221)と係合する。アプリケータのハウジング(120)は、次に、その近位端から見たとき、時計回りの方法で回転される。前記ハウジング(120)の回転は、二股部材(170)、および上記のようなカバー(140)の対応する回転を引き起こす。二股部材(170)のアーム(172)は、ノブ(210)の周りを回転し、最終的に、例えば図10Bに示すように、フック機構(213)の外側湾曲面(214)に接触する。
【0034】
安定化アセンブリ(116)の安定化機構(250)はまだ締め付けられていないので、それらを締め付けるために60ニュートンメートル未満の力を必要とする。その結果、アプリケータのハウジング(120)を回転させると、安定化アセンブリ(116)に接続された頭蓋骨ピン安定化機構(250)が締め付けられる。これは、アーム(172)の前記近位端がノブのフック機構(213)に係合または接触し、ノブ(210)およびそれを通して延びる細長ビット(130)を保持し回転させるのに十分な力をノブ(210)に適用するために起こる。図10Cは、ノブ(210)および細長ビット(130)が、アーム(172)が前述のようにノブ(210)のフック機構(213)に加える前記力に基づいて回転させられた図を示している。
【0035】
ある程度の締め付けの後、安定化アセンブリ(116)の安定化機構(250)は、さらなる締め付けのために60ニュートンメートルより大きい力を必要とする。この時点で、ハウジング(120)の更なる時計回りの回転は、再び二股部材(170)のアーム(172)を回転させる。しかしながら、アーム(172)がフック機構(213)の外側湾曲面(214)に沿ってスライドするまたは滑る前記点まで長手方向軸(LA)から離れてアーム(172)を曲げるために必要な前記力は、60ニュートンメートルに設定される。言及されたように、アプリケータ(200)上のトルク設定は、安定化機構(250)をさらに締め付けるために60ニュートンメートルより大きいことが必要である。この例では前記トルク設定が60ニュートンメートルであるので、ハウジング(120)を回転させると、アーム(172)が今度はフック機構(213)を越えてスライドまたは滑ることになる。例として、これは、例えば図10Cに示されるようなアーム(172)がフック機構(213)を越えてスライドし、例えば図10Aに示される前記位置を採用するときに、連続図に示される。これが起こるとき、アーム(172)は、アーム(172)に対する前記曲げまたは偏向力が取り除かれるように、アーム(172)がフック機構(213)をクリアすると、図10Aに示された前記位置にスナップまたはクリックで戻る。このスナップまたはクリックは、安定化機構(250)を締め付けるときに、トルク限界に達したことをユーザに知らせるアプリケータ(200)のフィードバック機能を提供する。この動作により、ノブ(210)および細長ビット(130)は、これらの条件下でハウジング(120)および二股部材(170)の前記回転と共に回転しない。
【0036】
患者頭部支持システム(10)のユーザが、より大きなクランプ圧力が望まれると決定した場合、前記トルク設定は、アクチュエータ(150)の回転によって、例えば、100ニュートンメートルまで増加される。その後、アプリケータ(200)のハウジング(120)のさらなる回転は、アーム(172)の近位端がフック機構(213)の外側曲面(214)に接触し、ノブ(210)およびその中を延びる細長ビット(130)の回転を引き起こすのに十分な力でノブ(210)のフック機構(213)に結合するようにアーム(172)を回転させる。安定化アセンブリ(116)の安定化機構(250)が、安定化機構(250)をさらに締め付けるために100ニュートンメートルより大きい力を必要とする点まで締め付けられると、アプリケータ(200)のハウジング(120)の回転は、再びアーム(172)を回転するが、細長ビット(130)およびノブ(210)は、アーム(172)が曲がり、ノブ(210)を把持して回転する代わりに、ノブ(210)のフック機構(213)を越えてスライドまたは滑るように、十分な曲げ力がアーム(172)に適用される。
【0037】
前記安定化機構を緩め、場合によっては患者の頭部を頭蓋骨クランプ(100)から取り外す時が来ると、アプリケータ(200)は凹部(221)と係合し、前記アプリケータ(200)の近位端から見るとアプリケータ(200)は反時計回りに回転される。アーム(172)およびノブ(210)の前記構成により、前記安定化機構を緩める前に、アクチュエータ(150)およびスリーブ(190)によるトルク設定調整は不要である。上述のように、前記反時計回りの回転で、アーム(172)の近位端は、フック機構(213)の先端領域(215)に接触し、それによって、スリーブ(190)と共にアーム(172)の前記曲げ長さ構成に関係なくノブ(210)および細長ビット(130)を回転させることが可能である。上記の記述された例は、単に例示的なものである。本明細書の教示を考慮すると、当業者であれば、所望のクランプ力を超えることなく既知のクランプ力で患者の頭部を確実に安定させるために本明細書に示され説明された前記装置及びシステムを使用する他の方法を理解するであろう。
【0038】
上述したアーム(172)上の前記曲げ力、およびアーム(172)がノブ(210)を回転させるかまたはノブ(210)の機構を過ぎて滑るためにノブ(210)を把持または力を加えることに及ぼす前記影響に加えて、摩擦力もアプリケータ(200)のトルク設定および適用に影響を与える。例えば、摩擦力は、アーム(172)の近位端がノブ(210)のフック機構(213)に接触するところに存在する。したがって、アーム(172)がフック機構(213)に沿って、およびフック機構(213)を過ぎてスライドするかまたは滑る前記トルク限界における閾値は、アーム(172)に加えられる前記曲げ力およびアーム(172)とノブ(210)のフック機構(213)の間の摩擦力の関数である。いくつかの実施態様において、アーム(172)および/またはノブ(210)の構造の装置は、これらの構成要素間でより大きいまたはより小さい摩擦を提供するように構成または修正され得る。本明細書の教示を考慮すると、アーム(172)とノブ(210)のフック機構(213)との間の前記力の相互作用を制御および修正する他の方法は、当業者にとって明らかであろう。
【0039】
図6A、6B、8A、8B、および11は、そのトルク設定能力に関してアプリケータ(200)を較正するように構成されたアプリケータ(200)の機構を示している。示されるように、アプリケータ(200)は、較正スリーブ(180)を含む。上述したように、較正スリーブ(180)は、前記アプリケータ(200)の近位端に配置されている。較正スリーブ(180)は、カバー(140)の開口部内に位置し、アプリケータ(200)のハウジング(120)内で遠位に延びる。いくつかのバージョンにおいて、較正スリーブ(180)の近位部分は、較正スリーブ(180)を回転させ、それによって調整するためのツールを受け入れるように構成された一対の開口部を含むことができる。他のバージョンでは、較正スリーブ(180)は、カバー(140)及び/またはハウジング(120)がアプリケータ(200)から分解されるときに、手または他のツールによって回転可能であり、それによって調整のために較正スリーブ(180)へのアクセスを提供する。較正スリーブ(180)の遠位部分は、ねじ切り部分(182)を含む。
【0040】
較正スリーブ(180)のネジ付き部分(182)は、ノブ(210)のネジ付き部分(216)と係合する。図6A、6B、8Aおよび8Bに示されるように、ノブ(210)は、その近位端からその遠位端までノブ(210)を通って延びる開口部(217)を含む。ねじ切り部分(216)は、開口部(217)の内面に沿って配置されている。さらに、前記較正スリーブ(180)の遠位部分は、ノブ(210)の開口部(217)内に、ねじ山部分(182、216)がねじ可能に係合するように構成されている。このようにして、較正スリーブ(180)が回転されるときに、ノブ(210)は、前記較正スリーブ(180)の回転方向に応じて遠位または近位に並進する。
【0041】
図8Aおよび8Bに最もよく見られるように、ノブ(210)の遠位部分は、二股部材(170)のアーム(172)の内側表面に沿って位置決めされる。較正スリーブ(180)の回転に基づくノブ(210)の移動は、前記ノブ(210)の遠位部分をアーム(172)の内表面に沿って移動させる。前記ノブ(210)の遠位部分が前記アーム(172)の内面に重なる量に基づいて、前記アーム(172)の曲げ長さが調節可能である。この点で、前記曲げ長さを制御することは、前記トルク設定を較正する方法を提供する。
【0042】
例示的な較正順序において、最初のステップは、前記アプリケータ(200)の近位端からカバー(140)、次いで位置決めネジ(162)を取り外すことである。図11に示すように、位置決めねじ(162)は、較正スリーブ(180)を細長ビット(130)と接続するように構成される。細長ビット(130)は、示されるように、この場所に沿ってスポーク状の外形を含む。位置決めねじ(162)が取り付けられると、前記位置決めねじの先端は、細長ビット(130)のスポーク状外形の2つのスポーク(132)の間の空間内に受け入れられる。位置決めねじ(162)を取り外すことによって、較正スリーブ(180)は次に回転させることができる。上述したように、較正スリーブ(180)のこの回転は、較正スリーブ(180)とのそのねじ係合に基づいて、ノブ(210)の対応する並進を引き起こす。この点で、位置決めねじ(162)は、ノブ(210)が較正スリーブ(180)の回転に応答して並進できるように、細長ビット(130)との接触から除去される。上述したように、図9に示された細長ビット(130)およびノブ(210)の前記平坦な側面(131、212)の配置は、位置決めねじ(162)が細長ビット(130)に係合した状態で、較正スリーブ(180)の回転が細長ビット(130)の回転を引き起こし、それがノブ(210)の対応する回転を引き起こすことを提供している。したがって、較正のためにノブ(210)を並進させるために較正スリーブ(180)を回転させるとき、細長ビット(130)が静止したままになるように、位置決めねじ(162)は細長ビット(130)から取り外される。
【0043】
較正工程の間、アプリケータ(200)は、既知のトルクを有する基準装置に対してチェックされるか、またはトルク測定装置と共に使用されることができる。例えば、トルク測定装置と接続されるか、または80ニュートンメートルの既知のトルクを有する基準装置と使用される場合、アプリケータ(200)は、ピン(161)が80ニュートンメートルのトルク設定を示すようにアクチュエータ(150)の回転によって調整されることが可能である。アプリケータ(200)は、次に、アプリケータが80ニュートンメートルの前記トルク設定点を提供しているかどうかを見るために、80ニュートンメートルの前記既知のトルクで前記トルク測定装置または基準装置と共に使用されることができる。アプリケータ(200)によって提供される前記実際のトルクが、80ニュートンメートル設定と比較して低いかまたは高いならば、ノブ(210)が、この例において80ニュートンメートルを達成するためにアプリケータ(200)の前記トルク出力の調整を提供するように、較正スリーブ(180)を調整することが可能である。
【0044】
アプリケータ(200)が前記トルクの設定値に一致するトルク出力を提供するように較正が完了すると、次に、位置決めねじ(162)が完全に挿入されて、ノブ(210)、較正スリーブ(180)、および細長ビット(130)の相対位置に修正されるか、または固定される。いくつかの他のバージョンでは、アプリケータ(200)は、ハウジング(120)から長手方向軸(LA)に向かって横方向に延びる複数のボアを含む。1つのそのようなバージョンでは、アプリケータ(200)の周囲に等間隔で配置された6つのそのようなボアが存在してもよい。このようなバージョンでは、較正後に位置決めねじ(162)を挿入するときに、較正スリーブ(180)のねじ付きボア(183)は、前記ボアの1つと整列し、位置決めねじ(162)はその後、前記ボア内およびねじ付きボア(183)に挿入されて固定されることができる。ハウジング(120)にこれらのボアを有する1つのそのような例では、6つのそのようなボアがあるかもしれず、アプリケータ(200)は、少なくとも6つの増分で、またはアプリケータ(200)の円周について60度ごとに、較正を提供する。他のバージョンにおいて、アプリケータ(200)は、較正のために位置決めねじ(162)を受け入れるためのより多いまたはより少ないそのようなボアを有するかもしれず、したがって較正の異なる増分を有する。そのようなボアのない本図示例では、前記較正増分は、細長ビット(130)のスポーク(132)間のスペースの数によって規定される。例えば、3本スポーク構成で、較正は、3つの増分で、またはアプリケータの円周について120度ごとに行うことができる。上記のトルク較正構造および工程は、例示的なものである。本明細書の教示を考慮すると、アプリケータ(200)のトルク設定を較正するための他の構造および技術は、当業者にとって明らかであろう。
【0045】
図12および図13は、アプリケータ(200)と共に使用可能な継ぎ手スリーブ(230)の近景を描いている。継ぎ手スリーブ(230)は、アプリケータ(200)と接続し、さらに、安定化アセンブリ(116)と選択的に接続するように構成される。本実施例では、継ぎ手スリーブ(230)は、アプリケータ(200)のハウジング(120)から遠位に延びる二股部材(170)の延長部である。他のバージョンでは、継ぎ手スリーブ(230)は、二股部材(170)から分離していてもよく、本明細書の教示を考慮すると当業者には明らかである他の方法でアプリケータ(200)と接続することができる。これらの接続により、アプリケータ(200)は、頭蓋骨クランプ(100)の安定化アセンブリ(116)から選択的に接続自在および着脱可能である。
【0046】
継ぎ手スリーブ(230)は、カラー(232)と、カラー(232)と接続し、そこから遠位に延びる一対の取り付け機構(233)とを含む。取り付け機構(233)は、長手方向軸(LA)に対して内側に向けられたラッチ部材(234)を有する細長い角度付き本体として構成される。取り付け機構(233)は、さらに、取り付け機構(233)に力が加えられる方向に応じて、取り付け機構(233)が長手方向軸(LA)に向かってまたはそこから離れる方向に偏向可能であるように、弾性部材として構成される。
【0047】
図13は、継ぎ手スリーブ(230)を選択的に受容するように構成された安定化アセンブリ(116)を示す。安定化アセンブリ(116)は、頭蓋骨クランプ(100)の直立部分(110)内の前記ボア内に適合するように構成されたブッシング(222)を含む。いくつかのバージョンにおいて、Oリングは、ブッシング(222)の外周の周りに、前記直立部分(110)のボアとブッシング(222)との間に位置決めされる。遠位キャップ(224)は、ピン止め接続によってブッシング(222)と接続される。キャップ(224)は、ボアを含み、前記ボア内に延びるのは、頭蓋骨ピンのような安定化機構を受け入れるように構成されたホルダー(225)である。
【0048】
安定化アセンブリ(116)の近位側には、星形凹部(221)を有する本体(226)がある。本体(226)は、ブッシング(222)内のねじ切り部分(228)とねじ切り可能に係合するねじ切り部分(227)を有する。いくつかのバージョンでは、Oリングが、ブッシング(222)の外周と本体(226)との間に配置されることができる。アプリケータ(200)の細長ビット(130)は、本体(226)の凹部(221)と係合し、本体(226)がブッシング(222)とのそのねじ接続に基づいて長手方向に並進するように、本体(226)を回転させることが可能である。本体(226)は、さらに、ホルダー(225)を受け入れるように構成される。図示されたバージョンでは、ホルダー(225)は、本体(226)の延長機構(240)を受け入れるように構成された開放近位端部を有する。留め具(229)は、延長機構(240)を介してホルダー(225)を本体(226)と接続する。いくつかのバージョンでは、ホルダ(225)と本体(226)の間に、スペーサが使用されてもよい。前述のように、ホルダ(225)は、頭蓋骨ピンのような安定化機構を受容するように構成される。さらに、ホルダ(225)は、本体(226)の回転によって遠位に駆動されると、前記取り付けられた安定化機構が頭蓋骨クランプ(100)内に支持された患者の頭部に向かって遠位に前進するように、キャップ(224)と相対的に並進するように構成されている。
【0049】
本体(226)は、その近位端にヘリ部(242)を有する。ヘリ部(242)は、継ぎ手スリーブ(230)の取り付け機構(233)のラッチ部材(234)と選択的に係合するように構成されている。例えば、ラッチ部材(234)は、ラッチ部材(234)が本体(226)の近位最表面に接触しているときに継ぎ手スリーブ(230)を遠位に前進させると、取り付け機構(233)が偏向するように傾斜した表面で構成される。この偏向は、ラッチ部材(234)がヘリ部(242)を越えて移動し、そしてヘリ部(242)を過ぎると偏向していない状態に戻り、継ぎ手スリーブ(230)と本体(226)との間の選択的でありながら安全な接続を行うことを可能にする。継ぎ手スリーブ(230)がアプリケータ(200)と取り付け可能であることにより、アプリケータ(200)は、継ぎ手スリーブ(230)を介して、本体(226)と取り付け可能である。
【0050】
接続された継ぎ手スリーブ(230)を有するアプリケータ(200)は、さらに、上記のように、安定化アセンブリ(116)から取り外し可能または脱着可能である。例えば、前記取り付け機構(233)の弾性により、取り付けられた継ぎ手スリーブ(230)を有するアプリケータ(200)を近位に動かすと、ヘリ部(242)の角度のある表面がラッチ部材(234)および取り付け機構(233)に接触し、長手方向軸(LA)から外側に偏向させることになる。さらなる近位移動が起こると、ラッチ部材(234)は、取り付け機構(233)が本体(226)ともはや接続されなくなるまでヘリ部(242)上を移動する。図13に示されるように、本体(226)のヘリ部(242)は、本体(226)がある距離を越えて遠位に並進することを防止するための停止部として機能するように構成される。これは、ヘリ部(242)が最終的にブッシング(222)の近位面に接触するためである。いくつかの他のバージョンにおいて、ブッシング(222)は、その近位端に凹部を含み、ここでこの凹部は、ヘリ部(242)に一致する性質を有する。この態様において、本体(226)は、ヘリ部(242)がブッシング(222)のこの凹部内に適合する点を越えて遠位に前進することができない。
【0051】
アプリケータ(200)および頭蓋骨クランプ(100)のためのこの例示的な選択的に取り外し可能な構成では、頭蓋骨クランプ(100)に残る装置が少なく、これは、重量、障害物、および造影能力の点で有益である。さらに、前記所望のトルクを設定するための構成要素および機構を有するアプリケータ(200)を有すること、それらの構成要素および機構が前記安定化アセンブリまたは頭蓋骨クランプと統合されるのとは対照的に、アプリケータ(200)が頭蓋骨クランプ(100)の安定化アセンブリ(116)から取り外し可能であると、患者の頭を固定した後に頭蓋骨クランプ(100)に残る装置が少なく、これにより再び少なくとも重量、障害物および造影能力の点で利点がもたらされる。本明細書の教示を考慮すると、アプリケータ(200)が頭蓋骨クランプ(100)の安定化アセンブリ(116)から選択的に取り外し可能であるようにアプリケータ(200)を修正または構成する他の方法は、当業者にとって明らかであろう。
【0052】
図14は、安定化機構(250)が省略された状態で示された安定化アセンブリ(116)の正面図を示している。他の図から示され理解されるように、安定化機構(250)は、ホルダー(225)により受け取られる。本実施例では、安定化機構(250)は、ホルダー(225)によって摺動可能に受け取られる。このようにして、安定化機構(250)は、他の物体が安定化機構(250)へのアクセスを妨げないとき、ホルダー(225)の中へおよび外へ自由にスライドすることが可能である。他のバージョンでは、安定化機構(250)は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかであるように、ねじ係合、締まりばめ、または他の係合タイプによってホルダー(225)内に受容される。
【0053】
上述したように、アプリケータ(200)の時計回りの回転は、安定化アセンブリ(116)の本体(226)を時計回りに回転させ、最終的に安定化機構(250)によって患者の頭部に加えられる前記トルクを制限するかまたは増大させるために使用される。本体(226)がブッシング(222)とする前記ねじ係合は、本体(226)が回転するにつれて長手方向に並進するようにする。ホルダー(225)は、ボディ(226)に隣接して配置され、留め具(229)は、本体(226)とホルダー(225)の部分の間に接触または締まりばめを生じる。ホルダー(225)と本体(226)との間のこの接続または接触は、ホルダー(225)が回転せずに、ホルダー(225)を遠位に押しながら、本体(226)がブッシング(222)に対して遠位に回転および並進できるように構成される。このようにして、本体(226)が回転するとき、本体(226)の拡張機構(240)が本体(226)の回転に伴ってホルダー(225)に沿ってスライドする一方で、ホルダー(225)の前記近位端は、回転しない。
【0054】
図14を参照すると、本実施例における安定化アセンブリ(116)構成要素は、長手方向の並進がホルダー(225)の唯一の移動自由度であるように、キャップ(224)とホルダー(225)との間の形状適合性を用いて構成される。1つのそのような実施例において、安定化アセンブリ(116)構成要素は、ホルダー(225)および関連する安定化機構(250)が回転せずに長手方向に並進するこの作用を促進するために、いくつかの領域で平坦な側面を接触させて構成される。使用において、これは、安定化中に患者が安定化接触部位で経験する可能性のある組織及び構造の外傷を減らすことができるため有益である。図14に示すように、ホルダー(225)は、少なくとも1つの平坦な側面(235)を有し、本実施例では、一対の平坦な側面(235)を有する。さらに、キャップ(224)は、少なくとも1つの平坦な側面(236)、本実施例では一対の平坦な側面(236)を有する。ホルダー(225)とキャップ(224)の平坦な側面(235、236)は、隣接し、接触している。さらに、上述したように、キャップ(224)は、キャップ(224)が静止するように、静止ブッシュ(222)とピン結合されている。前記平坦な側面(235、236)の配置により、ホルダー(225)は、回転する本体(226)との接触にもかかわらず、回転を防止される。このようにして、前記平坦な側面(235、236)間の接触は、本体(226)が回転すると、その拡張機構(240)が、ホルダー(225)の回転を引き起こすことなくホルダー(225)の前記近位部分に沿ってスライドすることを確実にする。
【0055】
図14にも見られるように、キャップ(224)およびブッシング(222)はまた、同様に接触する平坦な側面を有する。本明細書の教示に鑑みて、安定化機構(250)が締め付けられるときに回転せずに並進するように安定化アセンブリ(116)を構成する他の方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであろう。さらに、他のバージョンでは、安定化アセンブリ(116)は、締め付け中に安定化機構(250)の回転を可能にするように構成される。再び、安定化アセンブリ(116)に対するそのような修正は、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【0056】
あるバージョンでは、頭蓋骨クランプ(100)および安定化アセンブリ(114、116)は、放射線透過性の装置から作られる。そのようなバージョンでは、アプリケータ(200)も同様に放射線透過性装置で作られるが、いくつかの他のバージョンでは、アプリケータ(200)は、放射線透過性でない少なくともいくつかの装置で作られる。アプリケータ(200)の着脱性により、想像力は、アプリケータ(200)のための構造の前記装置によって損なわれることはない。アプリケータ(200)が、頭蓋骨クランプ(100)および安定化アセンブリ(116)以外の装置と共に使用可能であることが、さらに、本明細書において企図される。例えば、アプリケータ(200)は、アプリケータ(200)によって提供されるように構成された前記トルクの範囲内で前記留め具にトルクを適用することを必要とする他の留め具と共に使用するように適合される。
【0057】
アプリケータ(200)を使用する場合、頭蓋骨クランプ(100)または他の構造のいずれであっても、アプリケータ(200)を使用して前記所定のトルク量を設定するときにユーザが経験する抵抗は、前記所定のトルク量の値に関係なく一定である。例えば、アプリケータ(200)を使用して所望のトルクを設定する場合、前記ユーザが経験する抵抗は、ユーザが前記トルクを50ニュートンメートルまたは100ニュートンメートルのいずれに設定しても同じである。これは、トルクの設定と範囲を確立するためにスプリングを使用するトルク機器とは異なる。同様に、アプリケータ(200)を使用して前記所定量のトルクを設定する場合、前記ユーザが経験する抵抗は、前記装置の可動部分の間の摩擦力に打ち勝つことのみを含む。例えば、アーム(172)に沿ってスリーブ(190)を並進させるためにアクチュエータ(150)を回転させるときに摩擦力がある。異なるトルクを設定することができ、そうすることで前記設定されているトルクの値に関係なく、同じ程度の摩擦力をユーザは経験することができる。
【0058】
上述したように、トルクは、前記アーム(172)の曲げ長さを変化させることによって制御される。さらに、前記曲げ長さは、アプリケータ(200)を使用して前記所定量のトルクを設定する場合、前記ユーザが経験する抵抗に影響を与えない。さらに、アプリケータ(200)が正のトルク設定で構成される場合、同時にアプリケータ(200)は、アーム(172)が曲げ力を受けないように構成される。これは、アプリケータ(200)が、前記アプリケータ(200)の内部構成要素に歪みを生じさせることなく、正の所定トルク設定値で記憶された状態を維持できることを意味する。ここでも、これは、1若しくはそれ以上のばねを使用してトルクを制御するトルク機器とは異なる。ばね制御機構を使用するそれらの装置では、前記装置は、次にトルクに影響を与える経時的な前記ばねのひずみを避けるために、ゼロトルク設定で記憶されなければならない。本明細書に記載される本バージョンでは、アプリケータ(200)は、内部構成要素を緊張させることなく正のトルクで設定される。より具体的には、これは、細長ビット(130)を静止させたままハウジング(120)を回転させて、アーム(172)が上記のようにフック部分(213)を越えてスライドするようにすることによって達成される。この配向では、アーム(172)に対するいかなる曲げ力が除去される。
【0059】
III.スライディングアクチュエータを備えた着脱式トルクアプリケータの一例
図15図17は、トルクアプリケータ(200)および安定化アセンブリ(116)の代わりに頭部支持システム(10)と共に使用することができる別の例示的なトルクアプリケータ(1200)および安定化アセンブリ(1116)を示す図である。トルクアプリケータ(1200)は、本明細書において単にアプリケータ(1200)と呼ばれることもある。アプリケータ(1200)は、ハウジング(1120)を含む。ハウジング(1120)は、アプリケータ(1200)の近位端からアプリケータ(1200)の遠位端まで長手方向に延びる。ハウジング(1120)は、さらに、アプリケータ(1200)の外周を概ね画定する。遠位端において、ハウジング(1120)は、細長ビット(1130)が延びる開口部を含む。アプリケータ(1200)は、長手方向軸(LA1)を画定する。長手方向軸(LA1)は、細長ビット(1130)およびアプリケータ(1200)の他の構成要素が回転することができる回転軸を画定している。本実施例では、細長ビット(1130)の遠位端は、6点星形を有するが、他のバージョンでは、細長ビット(1130)の遠位端は、例えば、穴のある、十字形、四角形等の他の形状を有することが可能であり、本明細書の教示に照らして当業者に明らかであろう。
【0060】
ハウジング(1120)の近位端には、ハウジング(1120)の近位開口部内に適合するカバー(1140)がある。いくつかのバージョンでは、カバー(1140)は、ハウジング(1120)とのスナップ適合を有し、一方、いくつかの他のバージョンでは、カバー(1140)は、ハウジング(1120)およびカバー(1140)を通って延びるピンによってハウジング(1120)に固定される。いくつかのバージョンでは、カバー(1140)は、ハウジング(1120)内の視覚的アクセスを提供する複数のスロットを含む。細長ビット(1130)の近位端は、カバー(1140)内に受容される。
【0061】
ハウジング(1120)はまた、横方向開口部(1121、1123)を含む。開口部(1121、1123)は、ハウジング(1120)の対向する側面に配置されている。開口部(1121、1123)は、以下でより詳細に説明されるように、アプリケータ(1200)のトルク設定を調整するために使用されるアクチュエータ(1150)にアクセスすることを提供する。ハウジング(1120)の外面に沿って、トルクアプリケータ(1200)を把持する場合、グリップ能力を改善するためのグリップ機構として機能する他の開口部または細長いくぼみがあってもよい。
【0062】
本実施例におけるアクチュエータ(1150)は、ハウジング(1120)の反対側に位置する1対の摺動部材(1151)からなり、一方の摺動部材(1151)は開口部(1121)内に、他方の摺動部材(1151)は開口部(1123)内に配置される。摺動部材(1151)は、くぼんだ状態の場合に摺動可能であり、くぼんでいない場合に静止しているくぼみ機構として構成される。各摺動部材(1151)上には、トルク設定を調整するために摺動部材(1151)が動かされる場合、前記摺動部材(1151)と共に動くインジケータ(1161)がある。いくつかのバージョンでは、1つまたは両方の開口部(1121、1123)に隣接して、前記ハウジング(1120)の外面にマークされたトルク設定の目盛りがある。そのようなバージョンでは、インジケータ(1161)は、前記目盛りを指し示すか、または前記目盛りに関連付けることによって、力のインジケータとなる。いくつかのバージョンでは、前記目盛りは数値であることができ、他のバージョンでは、前記目盛りは相対的な表示を提供することができる。限定ではなく例として、相対的な表示は、1つの色が許容可能なトルク設定を示す一方で、別の色または複数の色が低すぎるまたは高すぎるトルク設定のいずれかを示す、色分けされたグラフィックを含むことができる。本明細書の教示を考慮すると、トルク設定のフィードバックまたは指示を提供する他の方法は、当業者には明らかであろう。
【0063】
いくつかのバージョンにおいて、前記ハウジング(1120)の遠位端またはその近くには、二股部材(1170)をハウジング(1120)と固定するように構成されたピン(1122)をそれぞれ受容するように構成された1若しくはそれ以上の横方向ボアがある。二股部材(1170)は、以下でより詳細に説明されるように、アプリケータ(1200)によって適用される前記トルクを変更するための制御機構である。ハウジング(1120)とのこの例示的なピン接続により、フォーク部材(1170)は、また以下でさらに説明されるように、ハウジング(1120)と一体に回転する。
【0064】
アクチュエータ(1150)は、上述したように、前記1対の摺動部材(1151)を含む。さらに、アクチュエータ(1150)は、摺動部材(1151)と接続し、摺動部材(1151)の摺動運動を可能にするために摺動部材(1151)を押し下げることができるばね(1152)などの弾力的機構から構成される。ハウジング(1120)内に配置されるのは、スリーブ(1190)である。スリーブ(1190)は、管状構造として示され、1若しくはそれ以上のピン(1153)を介して摺動部材(1151)と接続する。このようにして、スリーブ(1190)は、摺動部材(1151)と一体に動く。
【0065】
アクチュエータ(1150)の摺動部材(1151)がそれぞれの開口部(1121、1123)内に配置され、スリーブ(1190)が摺動部材(1151)と連結されている上述の構成により、ハウジング(1120)を回転させるとアクチュエータ(1150)とスリーブ(1190)が対応する回転を起こす。さらに、二股部材(1170)がハウジング(1120)と接続された状態で、ハウジング(1120)を回転させると、二股部材の対応する回転が生じる。
【0066】
二股部材(1170)は、ハウジング(1120)内に延び、遠位本体部分(1171)および本体部分(1171)から近位に延びる1対のアーム(1172)を含む。細長ビット(1130)は、二股部材(1170)の本体部分(1171)を通って延び、最終的にハウジング(1120)の遠位端から出現する。細長ビット(1130)および二股部材(1170)の本体部分(1171)は、二股部材(1170)および細長ビット(1130)が互いに独立して回転するように構成される。以下でさらに説明するように、このような独立した回転は、トルク設定または限界に達し、二股部材(1170)は回転するが細長ビット(1130)はさらなるハウジング(1120)の回転とともに回転しない場合に生じる。それでも、ある条件下では、細長ビット(1130)および二股部材(1170)は、一体となって回転することができる。後述もするように、これは、トルク設定または限界にまだ達しておらず、細長ビット(1130)が二股部材(1170)と一体となって回転する場合である可能性がある。本実施例では、アプリケータ(1200)は、二股部材(1170)の本体部分(1171)と細長ビット(1130)間に配置される1若しくはそれ以上のピン(1164)を含む。ピン(1164)は、アプリケータ(1200)の使用中の条件に基づいて細長ビット(1130)と二股部材(1170)間の回転を可能にするように構成される。
【0067】
上述したように、二股部材(1170)は、本体部分(1171)から近位に延びる1対のアーム(1172)を含む。近位端において、アーム(1172)は、ノブ(1210)に選択的に接触するように構成される。ある条件下で前記アーム(1172)の近位端がノブ(1210)に接触すると、アーム(1172)は、そのような接触に応答して長手方向軸(LA1)から離れるように曲がるかまたは偏向する。しかしながら、アーム(1172)の近位端は、アーム(1172)が長手方向軸線(LA1)から離れて曲がるかまたは偏向しない他の条件下でノブ(1210)に接触することが可能である。
【0068】
ノブ(1210)は、ビット(1130)がノブ(1210)を通って延びるように細長ビット(1130)に対して位置決めされる。さらに、ノブ(1210)と細長ビット(1130)は、ピン(1131)により接続される。この接続は、ノブ(1210)および細長ビット(1130)が一体となって回転することを提供する。したがって、ノブ(1210)が回転する場合、細長ビット(1130)の対応する回転が生じる。
【0069】
ノブ(1210)はまた、1対の湾曲したフック機構(1213)を含む。アーム(1172)の近位端は、アプリケータ(1200)をその近位端から見た場合に、二股部材(1170)が反時計回りに回転される場合、それぞれのフック機構(1213)に接触するように構成される。これは、アプリケータ(200)に関する図10Aの図解と同様である。この態様において、二股部材(1170)の反時計回りの回転は、ノブ(1210)および細長ビット(1130)の反時計回りの対応する回転を引き起こすであろう。さらに、この方法でのアーム(1172)とノブ(1210)のフック機構(1213)間の前記接触は、長手方向軸(LA1)から離れるアーム(1172)の曲げまたは偏向を引き起こすことなく生じる。また、アーム(1172)の近位端は、カバー(1140)のそれぞれのスロット(1143)内に受容される。スロット(1143)は、アーム(1172)が偏向しないように、すなわち、アーム(1172)の近位端がノブ(1210)のフック機構(1213)に接触した場合に前記アーム(1172)の位置を維持する。上記の説明に基づいて、アプリケータ(1200)をその近位端から見た場合のハウジング(1120)の反時計回りの回転は、細長ビット(1130)の同じ方向への対応する回転を生じる。この反時計回りの回転は、トルクアプリケータ(1200)の使用条件の1つと考えることができる。少なくともいくつかの例では、この方法での回転は、安定化アセンブリ(1116)の安定化機構(250)の患者の頭部との接触または係合を緩めるかまたは減少させる。
【0070】
ここで、前記近位端から見たときのハウジング(1120)の時計回りの回転を考えると、二股部材(1170)は、上記の理由により、ハウジング(1120)と一体となって回転することになる。この時計回りの回転により、アーム(1172)も同じように移動する。前記アーム(1172)間の距離は、その最大点でのフック機構(1213)を横切る前記ノブ(1210)の直径よりも小さい。その結果、アーム(1172)がこのように回転すると、アーム(1172)の近位端は、フック機構(1213)の外側湾曲面(1214)に接触するか、または係合することになる。さらに、前記アーム(1172)の近位端の間の距離は、フック機構(1213)の最大直径点よりも小さいので、前記アーム(1172)の近位端がフック機構(1213)の外側曲面(1214)と接触すると、アーム(1172)が、アプリケータ(200)に関して図10Bおよび10Cに示されるのと同様の曲がった位置または偏向した状態を採用するようにさせる。カバー(1140)の溝部(1143)は、アプリケータ(1200)がこのように使用されている場合に、長手方向軸(LA1)から離れるアーム(1172)の近位端の偏向を可能にするように細長くされている。
【0071】
アーム(1172)のためのこの曲がったまたは偏向した構成で、アーム(1172)は、ノブ(1210)のフック機構(1213)に対して内側に向けられた力を及ぼす。これは、アーム(1172)がノブ(1210)を保持するか、または圧迫する影響を作り出す。アーム(1172)によって加えられる力が、細長ビット(1130)に加えられる前記抵抗力よりも高い場合、安定化アセンブリ(1116)との係合および患者の頭部との安定化機構(250)の接触に基づいて、ハウジング(1120)の回転および二股部材(1170)のアーム(1172)は、ノブ(1210)および連結した細長ビット(1130)をアーム(1172)と一体に回転するのに十分な力をもってアーム(1172)を保持できるようにする。この態様において、前記アプリケータ(1200)の近位端から見た場合に、ハウジング(1120)を時計回りに回転させることによって、安定化アセンブリ(1116)の安定化機構(250)を締め付けることができる。
【0072】
前記細長ビット(1130)に適用される抵抗力が、安定化アセンブリ(1116)との係合および患者の頭部との安定化機構(250)の接触に基づいて、アーム(1172)がノブ(1210)に適用している力より高い場合、アーム(1172)は、ノブ(1210)のフック機構(1213)を越えてスライドまたは滑る。アーム(1172)が十分にスライドするかまたは滑ると、それらは、弾力的に跳ね返るかまたはそれらの弛緩した状態または偏向していない状態に戻る。この中立または弛緩した状態において、アーム(1172)は、もはや、長手方向軸(LA1)から外側に曲げられるかまたは偏向されることはない。アーム(1172)および接続されたハウジング(1120)は回転したが、ノブ(1210)および細長ビット(1130)の対応する回転はなかったことになる。したがって、ハウジング(1120)および二股部材(1170)にさらなる締め付けまたは回転力が加わっているかもしれないが、そのようなさらなる締め付けまたは回転力は、ノブ(1210)および細長ビット(1130)に伝達されず、したがって細長ビット(1130)が接続されている安定化アセンブリ(1116)も、さらなる締め付けまたは回転力を受けず、このようになる。ノブ(1210)が回転するこの時計回りの回転は、トルクアプリケータ(1200)の別の使用条件と考えることができ、同様にノブ(1210)が回転しない時計回りの回転は、トルクアプリケータ(1200)の別の使用条件と考えることができる。
【0073】
トルクアプリケータ(1200)の本実施例では、アーム(1172)によってノブ(1210)に及ぼされるまたは適用される前記力の量は、アーム(1172)の曲げ長さの関数である。例えば、アーム(1172)は、曲げ長さを有することが示されている。さらに、アプリケータ(1200)は、前記アーム(1172)の曲げ長さが調節可能であるように構成される。この調整は、二股部材(1170)のスリーブ(1190)とアーム(1172)間の相互作用によって達成される。
【0074】
スリーブ(1190)は、アーム(1172)と並んで位置決めされる部分(1197)を含む。前記曲げ長さは、スリーブ(1190)の部分(1197)から近位に延び、アーム(1172)がノブ(1210)の遠位部分と並んでいる点までの前記アーム(1172)の長さとして定義することができる。上述のように、アクチュエータ(1150)の摺動部材(1151)の並進または摺動は、スリーブ(1190)の並進を引き起こし、これは、次に、アーム(1172)のための異なる曲げ長さを提供する。したがって、前記フォーク部材(1170)のアーム(1172)の曲げ長さは、アクチュエータ(1150)の摺動運動によって制御される。
【0075】
トルク設定に関係することとして、曲げ長さが小さいほど、より大きな曲げ力が必要とされる。言い換えれば、前記アーム(1172)の曲げ長さが短くなるにつれて、アーム(1172)を曲げるために、より大きな力が必要とされる。同様に、アーム(1172)によってフック機構(1213)に加えられる前記力はより大きくなる。それに応じて、本バージョンにおいて、前記アーム(1172)の最も短い曲げ長さ、従って、最大のトルク設定は、スリーブ(1190)がその最も近位位置に並進される場合であろう。同様に、前記アーム(1172)の最も長い曲げ長さ、したがって最も小さいトルク設定は、スリーブ(1190)がその最も遠位の位置に並進される場合であろう。
【0076】
本バージョンでは、前記ノブ(1210)とアーム(1172)間の相互作用に基づいて曲げ力が適用される。より具体的には、ここでの前記相互作用は、ノブ(1210)のフック機構(1213)とアーム(1172)との間である。例えば、前記スリーブ(1190)の位置に基づいて、アーム(1172)の曲げ長さが短いかまたは小さいと、ハウジング(1120)が時計回りに回転した場合に、アーム(1172)がノブ(1210)のフック機構(1213)を越えてスライドまたは滑る点までアーム(1172)を曲げさせるために、より大きな力が必要とされるであろう。言い換えれば、アプリケータ(1200)は、締め付ける場合に、安定化アセンブリ(1116)により大きなトルクを加えることができる。逆の態様で、前記アーム(1172)の曲げ長さが長いかまたは大きければ大きいほど、再び前記スリーブ(1190)の位置に基づいて、ハウジング(1120)が時計回りに回転される場合にアーム(1172)がノブ(1210)のフック機構(1213)を越えてスライドまたは滑る点までアーム(1172)を曲げさせるために、より少ない力が必要になるであろう。言い換えれば、アプリケータ(1200)は、締め付ける場合に、安定化アセンブリ(1116)に対してより少ないトルクを加える。
【0077】
限定ではなく例として、1つの例示的な使用において、アプリケータ(1200)は、前記トルクインジケータが60ニュートンメートルを読み取るようにアクチュエータ(1150)のスライドによって調整されることができる。頭部支持システム(10)は、患者の頭部が頭蓋骨クランプ(100)内に配置され、頭蓋骨クランプ(100)が、安定化機構(250)として頭蓋骨ピンで構成された安定化アセンブリ(114、1116)を有するように構成される。頭蓋骨クランプ(100)は、頭蓋骨ピンが患者の頭部に接触するように、アーム(102、108)を移動させるように調整される。アプリケーター(1200)は、安定化アセンブリ(1116)と接続し、細長ビット(1130)は、安定化アセンブリ(1116)の星形の凹み(1221)と係合する。アプリケータのハウジング(1120)は、次に、その近位端から見た場合に時計回りの方法で回転される。前記ハウジング(1120)の回転は、上記のように、二股部材(1170)およびカバー(1140)の対応する回転を引き起こす。二股部材(1170)のアーム(1172)は、ノブ(1210)の周りで回転し、最終的にフック機構(1213)の外側湾曲表面(1214)に接触する。
【0078】
安定化アセンブリ(1116)の安定化機構(250)はまだ締め付けられていないので、それらを締め付けるために60ニュートンメートル未満の力を必要とする。その結果、アプリケータのハウジング(1120)を回転させると、安定化アセンブリ(1116)と接続された前記頭蓋骨ピン安定化機構(250)を締め付けることになる。これは、前記アーム(1172)の近位端がノブのフック機構(1213)と係合または接触し、ノブ(1210)およびその中を延びる細長ビット(1130)を保持し回転させるのに十分な力をノブに加えるために発生する。
【0079】
ある程度の締め付けの後、安定化アセンブリ(1116)の安定化機構(250)は、さらなる締め付けのために60ニュートンメートルより大きい力を必要とする。この時点で、ハウジング(1120)の更なる時計回りの回転は、再び二股部材(1170)のアーム(1172)を回転させる。しかしながら、アーム(1172)がフック機構(1213)の外側湾曲面(1214)に沿ってスライド又は滑る点まで長手方向軸(LA1)から離れてアーム(1172)を曲げるために必要な力は、60ニュートンメートルに設定される。言及されたように、アプリケータ(1200)上のトルク設定は、安定化機構(250)をさらに締め付けるために60ニュートンメートルより大きいことが必要である。この例ではトルク設定が60ニュートンメートルであるので、ハウジング(1120)を回転させると、アーム(1172)が今度はフック機構(1213)を越えてスライドまたは滑ることになる。これが起こるとき、アーム(1172)は、アーム(1172)上の曲げまたは偏向力が取り除かれるように、アーム(1172)がフック機構(1213)をクリアすると、スナップまたはクリックで、中立の偏向していない位置に戻るだろう。このスナップまたはクリックは、安定化機構(250)を締め付ける場合に、トルク限界に達したことをユーザに知らせるアプリケータ(1200)のフィードバック機構を提供する。この動作により、ノブ(1210)および細長ビット(1130)は、これらの条件下で、前記ハウジング(1120)およびフォーク部材(1170)の回転とともに回転しない。
【0080】
患者頭部支持システム(10)のユーザが、より大きなクランプ圧が望まれると判断した場合、アクチュエータ(1150)の摺動部材(1151)をさらに移動させて、例えば100ニュートンメートルまで前記トルク設定を増加させることができる。その後、アプリケータ(1200)のハウジング(1120)のさらなる回転は、アーム(1172)の近位端がフック機構(1213)の外側曲面(1214)に接触し、ノブ(1210)およびその中を延びる細長ビット(1130)の回転を引き起こすのに十分な力でノブ(1210)のフック機構(1213)に結合するように、アーム(1172)を回転させる。安定化アセンブリ(1116)の安定化機構(250)が、安定化機構(250)をさらに締め付けるために1100ニュートンメートルより大きい力を必要とするポイントまで締め付けられると、アプリケータ(1200)のハウジング(1120)の回転は、再びアーム(1172)を回転させることになる。しかし、細長ビット(1130)およびノブ(1210)は、アーム(1172)が曲がり、ノブ(1210)を掴んで回転させる代わりに、ノブ(1210)のフック機構(1213)を越えて滑るか、または滑るように、十分な曲げ力をアーム(1172)に適用することになる。
【0081】
前記安定化機構を緩め、場合によっては患者の頭部を頭蓋骨クランプ(100)から取り外すときが来ると、アプリケータ(1200)は凹部(1221)と係合し、前記アプリケータ(1200)の近位端から見るとアプリケータ(1200)は反時計回りに回転される。前記アーム(1172)およびノブ(1210)の構成では、前記安定化機構を緩める前に、アクチュエータ(1150)およびスリーブ(1190)によるトルク設定調節は必要ない。上述のように、前記反時計回りの回転で、アーム(1172)の近位端は、フック機構(1213)の先端領域に接触し、それによって、スリーブ(1190)と共にアーム(1172)の前記曲げ長さ構成に関係なくノブ(1210)と細長ビット(1130)を回転させることが可能である。上記の記述された例は、単に例示的なものである。本明細書の教示を考慮すると、当業者であれば、所望のクランプ力を超えることなく既知のクランプ力で患者の頭部を確実に安定させるために本明細書に示され説明された装置及びシステムを使用する他の方法を理解するであろう。
【0082】
上述したアーム(1172)上の前記曲げ力、およびアーム(1172)がノブ(1210)を回転させるかノブ(1210)の機構を過ぎて滑るかのいずれかのためにノブ(1210)を掴むか力を加えることに及ぼす影響に加えて、摩擦力はアプリケータ(1200)のトルク設定および適用にも影響する。例えば、アーム(1172)の近位端がノブ(1210)のフック機構(1213)に接触するところには、摩擦力が存在する。したがって、前記アーム(1172)がフック機構(1213)に沿って、およびフック機構(1213)を過ぎてスライドまたは滑るトルク限界における閾値は、アーム(1172)に加えられる曲げ力およびアーム(1172)とノブ(1210)のフック機構(1213)間の前記摩擦力の関数である。いくつかの実施態様において、アーム(1172)および/またはノブ(1210)の前記構造の装置は、これらの構成要素の間でより大きいまたはより小さい摩擦を提供するように構成または修正される。本明細書の教示を考慮すると、アーム(1172)とノブ(1210)のフック機構(1213)間の前記力の相互作用を制御及び修正する他の方法は、当業者にとって明らかであろう。
【0083】
アプリケータ(1200)は、さらに、アプリケータ(1200)を安定化アセンブリ(1116)と接続するように構成された継ぎ手スリーブ(1230)を含む。本実施例では、継ぎ手スリーブ(1230)は、アプリケータ(1200)のハウジング(1120)と接続し、そこから遠位方向に延びる。継ぎ手スリーブ(1230)は、長手方向軸(LA1)から離れて外側に向けられたラッチ部材(1234)を有する細長い本体として構成される1対の取り付け機構(1233)を含む。アタッチメント機構(1233)は、さらに、アタッチメント機構(1233)に力が加えられる方向に応じて、アタッチメント機構(1233)が長手方向軸(LA1)に向かってまたは離れて偏向可能であるように、弾力性部材として構成される。
【0084】
前述のように、安定化アセンブリ(1116)は、継ぎ手スリーブ(1230)を選択的に受容するように構成される。安定化アセンブリ(1116)は、頭蓋骨クランプ(100)の直立部分(110)のボア内に適合するように構成されたブッシング(1222)を含む。ブッシング(1222)は、遠位ボアを含み、前記ボア内に延びるのは、頭蓋骨ピンのような安定化機構を受容するように構成されたホルダ(1225)である。
【0085】
安定化アセンブリ(1116)の近位側には、本体(1226、1229)がある。本体(1226)は、星形凹部(1221)を含む。本体(1226)は、ブッシング(1222)内に延び、本体(1226)は、ホルダー(1225)のねじ切り部分(1228)とねじ切り可能に係合するねじ切り部分(1227)を含む。本体(1226)は回転するように構成され、本体(1226)が回転すると、ホルダ(1225)は、本体(1226)とのねじ係合に基づいて回転せずに長手方向に並進する。
【0086】
本体(1229)は、本体(1226)の星形凹部(1221)が本体(1229)を通してアクセス可能であるような開口部を含む。本体(1229)は、さらに、ブッシング(1222)とねじ可能に係合する。本体(1229)は、それによってアプリケータ(1200)を安定化アセンブリ(1116)と接続するために、継ぎ手スリーブ(1230)の取り付け機構(1233)を選択的に受け取るように構成された内部凹部(1231)を含む。例えば、取り付け機構(1233)は、アプリケータ(1200)を安定化アセンブリ(1116)の本体(1229)の方へ動かす場合に本体(1229)に接触する角度の付いた表面を含む。この接触は、アプリケータ(1200)を安定化アセンブリ(1116)に選択的に固定するために、それらが本体(1229)の内部凹部(1231)内に位置することができるように、取り付け機構(1233)を偏向させる。アプリケータ(1200)は、さらに、上記のように、安定化アセンブリ(1116)から取り外し可能または脱着可能である。例えば、その弾力的な性質により、アタッチメント機構(1233)は、長手方向軸(LA1)に向かって内側に押し下げられることができる。これは、本体(1229)に対して近位に自由に移動することができ、したがって本体から分離することができるように、凹部(1231)内に取り付け機構(1233)を位置付ける。
【0087】
アプリケータ(1200)および頭蓋骨クランプ(100)のためのこの例示的な選択的に取り外し可能な構成では、頭蓋骨クランプ(100)に残る装置が少なく、これは、重量、障害物、および造影能力の点で有益である。さらに、所望のトルクを設定するための前記構成要素および機構を有するアプリケータ(1200)を有すること、それらの構成要素および機構が前記安定化アセンブリまたは頭蓋骨クランプと一体化されるのとは対照的に、およびアプリケータ(1200)が頭蓋骨クランプ(100)の安定化アセンブリ(1116)から取り外せることで、患者の頭部の固定後に頭蓋骨クランプ(100)により残る装置が少なく、これにより再び少なくとも重量、障害物および造影能力の点で利点がもたらされる。本明細書の教示を考慮すると、アプリケータ(1200)が頭蓋骨クランプ(100)の安定化アセンブリ(1116)から選択的に取り外し可能であるようにアプリケータ(1200)を修正または構成する他の方法は、当業者には明らかであろう。
【0088】
前述のように、ホルダ(1225)は、本体(1226)とねじ可能に係合し、また、安定化機構(250)を受容するように構成されている。本実施例では、安定化機構(250)は、ホルダ(225)によって摺動可能に受けられる。このようにして、安定化機構(250)は、他の物体が安定化機構(250)へのアクセスを妨げない場合、ホルダー(225)に自由にスライドして出入りすることが可能である。他のバージョンでは、安定化機構(250)は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかになるように、ねじ係合、締まりばめ、または他の係合タイプによってホルダー(225)内に受容される。
【0089】
安定化アセンブリ(1116)構成要素は、本実施例では、ブッシング(1222)とホルダー(1225)間の形状適合性を用いて、長手方向の並進がホルダ(1225)の唯一の移動自由度であるように構成される。そのような1例として、安定化アセンブリ(1116)構成要素は、ホルダ(1225)および関連する安定化機構(250)が回転せずに長手方向に並進するこの作用を促進するために、いくつかの領域で平坦な側面を接触させて構成される。使用において、これは、安定化中に患者が安定化接触部位で経験する可能性のある組織および構造の外傷を減らすことができるので、有益である。例として、ホルダ(1225)は、少なくとも1つの平坦な側面(1235)、本実施例では1対の平坦な側面(1235)を有する。さらに、ブッシング(1222)の遠位開口部は、少なくとも1つの平坦な側面(1236)、本実施例では1対の平坦な側面(1236)を有している。ホルダー(1225)およびブッシング(1222)の平坦な側面(1235、1236)は、隣接し、接触している。前記平坦な側面(1235、1236)の配置により、ホルダ(1225)は、回転体(1226)と接触しているにもかかわらず、回転を防止される。このようにして、前記平坦な側面(1235、1236)間の接触は、本体(1226)が回転すると、ホルダ(1225)がボディ(1226)とのホルダのねじ係合に基づいて回転せずに並進することを確実にする。
【0090】
本明細書の教示に鑑みて、安定化機構(250)が締め付けられる際に回転せずに並進するように安定化アセンブリ(1116)を構成する他の方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであろう。さらに、他のバージョンでは、安定化アセンブリ(1116)は、締め付け中に安定化機構(250)の回転を可能にするように構成される。再び、安定化アセンブリ(1116)に対するそのような修正は、本明細書の教示に照らして、当業者には明らかであろう。さらに、アプリケータ(1200)に対する他の修正は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。限定ではなく例としてのみ、いくつかのバージョンでは、アプリケータ(1200)は、さらに、アプリケータ(200)に関して上述したような較正機能を組み込んでよい。
【0091】
あるバージョンでは、頭蓋骨クランプ(100)および安定化アセンブリ(114、1116)は、放射線透過性材料から作られる。そのようなバージョンでは、アプリケータ(1200)も放射線透過性材料で作られるが、いくつかの他のバージョンでは、アプリケータ(1200)は、放射線透過性でない少なくともいくつかの材料で作られる。前記アプリケータ(1200)の着脱性により、想像力は、前記アプリケータ(1200)のための構造の材料によって損なわれることはない。アプリケータ(1200)が、頭蓋骨クランプ(100)および安定化アセンブリ(1116)以外の装置と共に使用可能であることが、本明細書においてさらに企図される。例えば、アプリケータ(1200)は、アプリケータ(1200)によって提供されるように構成されたトルクの範囲内で留め具にトルクを加えることを必要とする他の留め具と共に使用するように適合される。
【0092】
アプリケータ(1200)を使用する場合、頭蓋骨クランプ(100)であろうと他の構造であろうと、アプリケータ(1200)を使用して前記所定のトルク量を設定する場合にユーザが経験する抵抗は、前記所定のトルク量の値に関係なく一定である。例えば、アプリケータ(1200)を使用して所望のトルクを設定する場合にユーザが経験する抵抗は、ユーザがトルクを50ニュートンメートルに設定しても100ニュートンメートルに設定しても同じである。これは、トルク設定および範囲を確立するためにばねを使用するトルク機器とは異なる。同様に、前記所定のトルク量を設定するためにアプリケータ(1200)を使用する場合にユーザによって経験される前記抵抗は、前記装置の可動部分の間の摩擦力に打ち勝つことのみを含む。例えば、アーム(1172)に沿ってスリーブ(1190)を並進させるためにアクチュエータ(1150)を動かす際に摩擦力が存在する。異なるトルクを設定することができ、そうすることでユーザは、前記設定されているトルクの値に関係なく、同じ程度の摩擦力を経験することができる。
【0093】
上述したように、トルクは、前記アーム(1172)の曲げ長さを変化させることによって制御される。さらに、前記曲げ長さは、アプリケータ(1200)を使用して前記所定量のトルクを設定する場合に、前記ユーザが経験する抵抗に影響を与えない。さらに、アプリケータ(1200)が正のトルク設定で構成される場合、同時にアプリケータ(1200)は、アーム(1172)が曲げ力を受けないように構成される。これは、アプリケータ(1200)が、前記アプリケータ(1200)の内部構成要素に歪みを生じさせることなく、正の所定トルク設定値で記憶されたままであることができることを意味する。ここでも、これは、1若しくはそれ以上のばねを使用してトルクを制御するトルク装置とは異なる。ばね制御機構を使用するそれらの装置では、前記装置は、次に前記トルクに影響を与える前記経時的なばねのひずみを避けるために、ゼロトルク設定で記憶されなければならない。本明細書に記載される本バージョンでは、アプリケータ(1200)は、内部構成要素を緊張させることなく正のトルクで設定することができる。より具体的には、これは、細長ビット(1130)を静止状態に維持しながらハウジング(1120)を回転させて、アーム(1172)が上述のようにフック部分(1213)を越えてスライドするようにすることによって達成される。この配向では、アーム(1172)に対するいかなる曲げ力も除去される。
【0094】
IV.模範的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせたり適用したりすることができる様々な非網羅的な方法に関するものである。以下の実施例は、本出願または本出願の後続出願においていつでも提示される任意の請求項の範囲を制限することを意図していないことが理解されるべきである。免責事項はない。以下の実施例は、単に例示的な目的以外の何ものでもなく提供されている。本明細書における様々な教示は、多数の他の方法で配置および適用され得ることが企図される。また、いくつかの変形例は、以下の実施例で言及される特定の特徴を省略することができることが企図される。したがって、以下に言及する側面または特徴のいずれも、発明者または発明者の利益継承者によって後日そのように明示的に示されない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願または本出願に関連する後続の出願において、以下に言及されたものを超える追加の特徴を含む請求項が提示された場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由によっても追加されたと推定されないものとする。
【0095】
実施例1
医療処置中に患者の頭部を安定させるための装置であって、当該装置は、(a)前記患者の頭部を受容するように構成された頭部固定装置と、(b)前記頭部固定装置と接続される安定化アセンブリであって、前記患者の頭部に接触するように構成された安定化機構を受容するように構成されているものである、前記安定化アセンブリと、(c)前記安定化アセンブリに接続自在なアプリケータであって、所定のトルク量を超えることなく前記安定化アセンブリにトルクを伝達するように構成されているものである、前記アプリケータとを有する。前記アプリケータは、(i)第1の部材と、(ii)第2の部材であって、第1の条件下で前記第1の部材と当該第2の部材との間の相互作用により、前記第1の部材に曲げ応力が加わるものである、前記第2の部材とを有する。
【0096】
実施例2
実施例1記載の装置において、第2の条件下で前記第1の部材は、前記第1の部材に前記曲げ応力がかかっていない弛緩状態にある。
【0097】
実施例3
実施例1記載の装置において、第2の条件下で、前記第1の部材と第2の部材との間の前記相互作用により、前記第1の部材に曲げ応力が付与され、前記第2の条件における前記曲げ応力は、前記第1の条件における前記曲げ応力と程度が異なる。
【0098】
実施例4
実施例1から3のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、さらに、前記所定のトルク量を調整可能に設定するように構成された第3の部材を有する。
【0099】
実施例5
実施例4記載の装置において、前記第3の部材は、前記設定された所定のトルク量に基づいて前記第1の部材の長手方向に沿って異なる位置で前記第1の部材に接触する。
【0100】
実施例6
実施例4から5のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記第3の部材と前記第1の部材との間の接触により、前記第1の部材の曲げ長さが決定され、前記曲げ長さは、前記所定のトルク量に対応する。
【0101】
実施例7
実施例1から6のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記第1の部材は、前記アプリケータに対して長手方向に延びる少なくとも1つのアームを有する。
【0102】
実施例8
実施例7記載の装置において、前記第1の部材は、前記アプリケータに対して長手方向に延びる1対のアームを有する。
【0103】
実施例9
実施例8記載の装置において、前記第2の部材は、前記1対のアーム間に配置され、前記1対のアームは、前記第2の部材の外面に選択的に接触するように構成される。
【0104】
実施例10
実施例1から9のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記第2の部材は、1対のフック機構を有し、前記第1の部材は、前記フック機構に選択的に接触するように構成される。
【0105】
実施例11
実施例1から10のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化アセンブリに加えられるトルクが前記所定のトルクより小さい場合、前記第1の部材が前記第2の部材の外面に対して結合するように動作可能であり、したがって前記アプリケータの回転が前記第2の部材の対応する回転を引き起こす。
【0106】
実施例12
実施例1から11のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化アセンブリに加えられるトルクが前記所定のトルク以上である場合、前記第1の部材は、前記第2の部材を越えてスライドするように動作可能であり、したがって前記アプリケータの回転時に前記第2の部材を静止させ、前記安定化アセンブリをさらに強固にする。
【0107】
実施例13
請求項16から27のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、さらに、前記安定化アセンブリと係合するように構成されたビットを有するものであり、前記第2の部材が前記ビットと接続し、前記第2の部材および前記ビットが一体となって回転するように構成される。
【0108】
実施例14
実施例1から13のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化アセンブリは、前記安定化機構の回転なしに前記安定化機構を並進させるように構成される。
【0109】
実施例15
実施例1から14のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータが回転軸を定義し、前記安定化アセンブリは、前記安定化機構が前記回転軸と同軸に配向されるように前記安定化機構を受容するように構成される
【0110】
実施例16
実施例1から15のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、前記所定のトルク量を表示するインジケータ機構を有する。
【0111】
実施例17
実施例1から16のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化機構は、頭蓋骨ピンを有する。
【0112】
実施例18
実施例1から17のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、ハウジングを有し、前記第1の部材は、前記ハウジングと一体となって回転するように構成される。
【0113】
実施例19
実施例1から18のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、前記安定化アセンブリに着脱可能に接続自在である。
【0114】
実施例20
実施例1から19のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記安定化アセンブリは、実施例22から27のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の前記安定化アセンブリを有する。
【0115】
実施例21
実施例1から20のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、実施例28から41のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置を有する。
【0116】
実施例22
医療処置中に患者の頭部を安定させるための装置であって、(a)前記患者の頭部を受容するように構成された頭部固定装置と、(b)前記頭部固定装置と接続された安定化アセンブリであって、前記患者の頭部に接触するように構成された安定化機構を受容するように構成されている、前記安定化アセンブリとを有する。前記安定化アセンブリは、(i)回転部材と、(ii)並進部材とを有する。前記安定化アセンブリは、さらに、(c)前記安定化アセンブリの前記回転部材を回転させるように構成されたアプリケータであって、前記並進部材は、前記回転部材の回転に応答して並進するように構成されているものである、前記アプリケータを有する。
【0117】
実施例23
実施例22記載の装置において、前記回転部材と前記並進部材との間に、長手方向の並進が前記並進部材の移動の唯一の自由度となるような形状適合性が存在する。
【0118】
実施例24
実施例22または23のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記並進部材は、前記回転部材にねじ可能に係合する。
【0119】
実施例25
実施例22から24のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、前記安定化アセンブリから取り外し可能であり、前記回転部材および前記並進部材は、前記アプリケータが前記安定化アセンブリから取り外された場合、前記安定化アセンブリと共にとどまる。
【0120】
実施例26
実施例22から25のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記並進部材は、前記安定化機構を受容するように構成され、前記並進部材を並進が、前記安定化機構の回転を伴わずに前記安定化機構の対応する並進をさせる。
【0121】
実施例27
実施例22から26のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アプリケータは、請求項28から41のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の機器から構成される。
【0122】
実施例28
トルク量を設定し、対象物にトルクを加える装置であって、(a)前記対象物にトルクを加えるために使用中に回転するように構成されたハウジングと、(b)前記ハウジングから延びるビットであって、当該ビットは前記対象物によって受容されるように構成されているものである、前記ビットと、(c)前記トルク量を設定するように構成された、アクチュエータと、(d)前記ハウジング内で長手方向に延びる1若しくはそれ以上のアームとを有する。さらに、前記アクチュエータの操作により前記1若しくはそれ以上のアームの曲げ長さが変化するものであり、前記装置によって加えられる前記トルク量が前記1若しくはそれ以上のアームの前記曲げ長さに相関する。
【0123】
実施例29
実施例28記載の装置において、前記アクチュエータは前記ハウジングからアクセス可能である。
【0124】
実施例30
実施例28および29のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、さらに、本体を有するものであり、前記アクチュエータは、前記1若しくはそれ以上のアームに対する前記本体の位置を調整するように構成され、前記1若しくはそれ以上のアームに対する前記本体の位置を調整することにより、前記1若しくはそれ以上のアームの前記曲げ長さが変更され、前記装置によって加えられる前記トルクは、前記1若しくはそれ以上のアームの前記曲げ長さに相関している。
【0125】
実施例31
実施例28から30のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アクチュエータは、前記トルク量を調整および設定するために回転可能である。
【0126】
実施例32
実施例31記載の装置において、前記アクチュエータを回転が、前記本体の長手方向の並進を引き起こす。
【0127】
実施例33
実施例28から30のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アクチュエータは、前記トルク量を調整および設定するためにスライド可能である。
【0128】
実施例34
実施例33記載の装置について、前記アクチュエータをスライドさせることが、前記本体の長手方向の並進を引き起こす。
【0129】
実施例35
実施例28から34のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、さらに、前記アプリケータが加える前記トルク量を調整するように構成された較正機構を有するものである。
【0130】
実施例36
実施例28から35のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記ビットは、回転軸を定義し、前記対象物の少なくとも一部によって受容するように構成される。
【0131】
実施例37
実施例28から36のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記トルク量を設定するために前記装置を使用する場合、ユーザが受容する抵抗が、前記トルク量の設定値に関係なく一定である。
【0132】
実施例38
実施例28から37のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記トルク量を設定するために前記装置を使用する場合、ユーザーが受容する抵抗は、前記装置の可動部分間の摩擦力のみ克服するように構成される。
【0133】
実施例39
実施例28から38のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記曲げ長さは、前記トルク量を設定するために前記装置が使われる場合、前記ユーザが受容する抵抗に影響を与えない。
【0134】
実施例40
実施例28から39のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記装置は、正のトルクを設定するように構成され、同時に、前記1若しくはそれ以上のアームが曲げ応力を受けないように構成される。
【0135】
実施例41
実施例28から40のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記装置は、さらに、前記ビットと一体に回転するように構成されたノブを有するものであり、前記1若しくはそれ以上のアームは、前記ハウジングを回転させる場合、前記ノブに接触するように構成され、前記ノブの接触は、前記1若しくはそれ以上のアームに曲げ応力を加え、前記ノブとビットは、第1の条件下で静止しており、前記ノブとビットは、第2の条件下で回転する。
【0136】
その他
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つまたは複数を、本明細書に記載される他の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つまたは複数に組み合わせることができることを理解されたい。したがって、以下に説明する教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに相対的に分離して見るべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には容易に明らかであろう。このような修正および変形は、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【0137】
本発明の様々な実施形態を示し、説明してきたが、本明細書に記載された方法およびシステムのさらなる適応は、本発明の範囲を逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。そのような潜在的な修正のいくつかが言及され、他のものも当業者には明らかであろう。例えば、上述した例、実施形態、幾何学、材料、寸法、比率、ステップなどは例示であり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の請求項の観点から検討されるべきであり、明細書および図面に示され、説明された構造および動作の細部に限定されないと理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】