(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】食品包装体を認証する方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20230118BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230118BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
B65B57/00 A
G06T7/00 600
G06K7/14 017
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529458
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(85)【翻訳文提出日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 EP2020082474
(87)【国際公開番号】W WO2021099348
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】パオロ・スカラベッリ
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096FA69
5L096JA11
(57)【要約】
食品製品を保持する食品包装体(108)を認証する方法(300)。方法は、食品包装体(108)を描写するサンプル画像データ(126)を受信すること(302)と、食品包装体(108)のサンプル印字特徴サブセット(152)を特定すること(304)と、食品包装体(108)のサンプル幾何学的特徴サブセット(154)を特定すること(306)と、サンプル印字特徴サブセット(152)及びサンプル幾何学的特徴サブセット(154)に基づいてサンプル特徴セット(128)を生成すること(308)と、基準特徴セット(130)を受信すること(310)であって、基準特徴セット(130)は、基準画像データ(112)で特定された基準印字特徴サブセット(132)及び基準幾何学的特徴サブセット(134)に基づいて生成され、基準画像データ(112)は、食品包装体を生産するために配置された食品包装システム(102)において撮影される、受信することと、サンプル特徴セット(128)と基準特徴セット(130)とを比較(312)することと、一致した場合に、食品包装体(108)が真正であるという表示(172)を提供すること(314)とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品製品を保持する食品包装体(108)を認証する方法(300)であって、
前記食品包装体(108)を描写するサンプル画像データ(126)を受信すること(302)と、
前記食品包装体(108)のサンプル印字特徴サブセット(152)を特定すること(304)と、
前記食品包装体(108)のサンプル幾何学的特徴サブセット(154)を特定すること(306)と、
前記サンプル印字特徴サブセット(152)及び前記サンプル幾何学的特徴サブセット(154)に基づいてサンプル特徴セット(128)を生成すること(308)と、
基準特徴セット(130)を受信すること(310)であって、前記基準特徴セット(130)は、基準画像データ(112)で特定された基準印字特徴サブセット(132)及び基準幾何学的特徴サブセット(134)に基づいて生成され、前記基準画像データ(112)は、食品包装体を生産するために配置された食品包装システム(102)において撮影される、前記受信すること(310)と、
前記サンプル特徴セット(128)と前記基準特徴セット(130)とを比較すること(312)と、
一致した場合に、前記食品包装体(108)が真正であるという表示(172)を提供すること(314)と
を含む、方法(300)。
【請求項2】
前記サンプル印字特徴サブセット(152)及び前記基準印字特徴サブセット(132)は、前記食品包装システム(102)において前記食品包装体(108)に施された賞味期限印字(206)から特定された賞味期限データ(136、156)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプル印字特徴サブセット(152)及び前記基準印字特徴サブセット(132)は、前記食品包装システム(102)において前記包装体(108)に施された2次元コード印字(208)から特定された固有コード(138、158)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記サンプル印字特徴サブセット(152)及び前記基準印字特徴サブセット(132)は、印刷形態学的データ(140、160)を含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記サンプル印字特徴サブセット(132)及び前記基準印字特徴サブセット(132)は、前記食品包装体(218)の包装材料の装飾で特定されたグラフィック要素(218)についての位置データ(142、162)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記サンプル幾何学的特徴サブセット(154)及び前記基準幾何学的特徴サブセット(134)は、包装体頂部形態種別データ(144、164)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記サンプル幾何学的特徴サブセット(154)及び前記基準幾何学的特徴サブセット(134)は、縦方向及び/又は横方向封止部分(212、214)の位置データ(146、166)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプル幾何学的特徴サブセット(154)及び前記基準幾何学的特徴サブセット(134)は、ストロー孔(216)の位置データ(148、168)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記サンプル幾何学的特徴サブセット(154)及び前記基準幾何学的特徴サブセット(134)は、開封装置に関連する偏差点データ(150、170)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記基準画像データ(112)は、前記食品包装システム(102)における品質管理中に撮影される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記食品包装システムにおいて前記基準画像データを撮影する時間及び/又は場所を決定するための前記基準特徴セットに関連する基準識別番号(174)を受信すること(316)を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
食品製品を保持する食品包装体(108)を認証する装置(114)であって、
前記食品包装体(108)を描写するサンプル画像データ(126)を受信し、基準特徴セット(130)を受信し、前記食品包装体(180)が真正であるという表示(172)を送信するように構成されたデータ通信モジュール(120)と、
前記食品包装体(108)のサンプル印字特徴サブセット(152)を特定し、前記食品包装体(108)のサンプル幾何学的特徴サブセット(154)を特定し、前記サンプル印字特徴サブセット(152)及び前記サンプル幾何学的特徴サブセット(154)に基づいてサンプル特徴セット(128)を生成し、前記サンプル特徴セット(128)と前記基準特徴セット(130)とを比較し、一致した場合に、前記サンプル特徴セット(128)と前記基準特徴セット(130)とが一致した場合に前記食品包装体(108)が真正であるという前記表示(172)を提供するように構成されたプロセッサ(116)及びメモリ(118)と
を含み、
前記基準特徴セット(130)は、前記基準画像データ(112)で特定された基準印字特徴サブセット(132)及び基準幾何学的特徴サブセット(134)に基づいて生成され、前記基準画像データ(112)は、食品包装体を生産するために配置された食品包装システム(102)において撮影される、
装置(114)。
【請求項13】
前記サンプル印字特徴サブセット(152)及び前記基準印字特徴サブセット(132)は、前記食品包装システム(102)において前記食品包装体(108)に施された賞味期限印字(206)から特定された賞味期限データ(136、156)を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記サンプル印字特徴サブセット(152)及び前記基準印字特徴サブセット(132)は、前記食品包装システム(102)において前記包装体(108)に施された2次元コード印字(208)から特定された固有コード(138、158)を含む、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記サンプル幾何学的特徴サブセット(154)及び前記基準幾何学的特徴サブセット(134)は、縦方向及び/又は横方向封止部分(212、214)の位置データ(146、166)を含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して食品包装技術に関する。より詳細には、本発明は、食品包装体を認証する方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品製品が安全に消費可能であることを保証するために、製品は、望ましくない微生物を死滅させるか又は望ましくない微生物が製品に入り込むのを防止するように、管理された環境で加工される。その製品が安全に消費可能であることを保証することに加えて、そのような加工によって、製品の保存可能期間が延びる場合もある。食品製品が加工されて食品包装体へ充填された後に望ましくない微生物がこの食品製品に入り込まないことを保証するために、食品包装体は、多くの場合、酸素や光のみならず、望ましくない微生物も製品に接触することが妨げられるように作られる。食品の安全性を確保する方法で製品が加工されて包装されていることを消費者が知るために、包装体に情報が施され、これにより、消費者が意識的選択を行えるようになる。
【0003】
残念ながら、現在販売されている全ての食品製品が合法であるわけではなく、スーパーマーケットの棚にある周知の製品のように見えるものは、実際には偽造品である場合がある。結果として、製品に施された情報は必ずしも信頼できるとは限らない。食品製造業者及び食品小売店は一般に、偽造品を検知するための措置を講じているが、それにもかかわらず、問題がある。多くの偽造品は合法品と区別することが困難であり、したがって、消費者が合法品よりも偽造品を選択するリスクがある。大多数の国に食品の安全性に関する広範な法律があるので、これは合法的な食品製造業者の収益の損失という点で問題であるだけでなく、食品の安全性の問題でもある。偽造品の製造者が不明であるので、責任を負う者がおらず、結果として、設定された基準を偽造品の製造者が満たす現実の動機付けになるものがない。
【0004】
偽造食品製品の問題を解決する1つの方法は、包装体に固有コード、例えばQRコードを付すことである。これらの固有コードを有することによって、包装体が食品製造業者から消費者まで追跡される可能性があり、そうすることで、偽造品が消費者の手元に届くリスクが低減される。しかしながら、固有コードの使用は、食品製造業者にとってコストがかかる。加えて、コードはコピーされることがあり、結果として、偽造品が消費者の手元に届くリスクが依然としてある。
【0005】
偽造品が消費者の手元に届くリスクを低減するために利用可能な技術があるとしても、信頼性が高く且つコスト効率の高い技術を提供することによって、リスクを更に低減する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記で特定した先行技術の制限の1つ又は複数を少なくとも部分的に克服することである。特に、本目的は、より複雑な、ひいてはより高価な食品包装体を必要とせずに、食品包装体の真正性をどのように保証できるかについての解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、食品製品を保持する食品包装体を認証する方法が提供され、前記方法は、食品包装体を描写するサンプル画像データを受信することと、食品包装体のサンプル印字特徴サブセットを特定することと、食品包装体のサンプル幾何学的特徴サブセットを特定することと、サンプル印字特徴サブセット及びサンプル幾何学的特徴サブセットに基づいてサンプル特徴セットを生成することと、基準特徴セットを受信することであって、基準特徴セットは、基準画像データで特定された基準印字特徴サブセット及び基準幾何学的特徴サブセットに基づいて生成され、基準画像データは、食品包装体を生産するために配置された食品包装システムにおいて撮影される、受信することと、サンプル特徴セットと基準特徴セットとを比較することと、一致した場合に、食品包装体が真正であるという表示を提供することとを含む。
【0008】
「印字特徴サブセット」という用語は、ここでは、食品包装体に施された任意の印字、例えば、インクジェットプリンタ、デジタル印刷、及び/又は刷版に基づく印刷技術によって作成された印字に関連することができる特徴を意味する。
【0009】
「幾何学的特徴サブセット」という用語は、ここでは、食品包装体の幾何学的形状又は形状、例えば、食品包装体の長さ、高さ又は幅に関連することができる特徴を意味する。換言すれば、幾何学的特徴サブセットは、食品包装体の幾何学的外観に関連してもよい。
【0010】
サンプル特徴セットを生成するステップが異なる方法で実施されてもよいことに留意すべきである。1つの非限定的な例によれば、サンプル印字特徴サブセット及びサンプル幾何学的特徴サブセットは、サンプル特徴セット内の2つの異なるサブセットとして配置されてもよい。同じことが、基準印字特徴サブセット及び基準幾何学的特徴サブセットにも当てはまり得る。別の非限定的な例によれば、サンプル印字特徴サブセット及びサンプル幾何学的特徴サブセットは、サンプル特徴セットが、サンプル特徴セット内の2つの別個のサブセットとしてではなく、サンプル印字特徴サブセット及びサンプル幾何学的特徴サブセットを含み得るように統合されてもよい。同じことが、基準印字特徴サブセット及び基準幾何学的特徴サブセットにも当てはまり得る。
【0011】
サンプル特徴セットの配置に応じて、比較ステップが異なる方法で実施されてもよいことに留意すべきである。1つの非限定的な例によれば、比較ステップは、1つのサブステップが、サンプル印字特徴サブセットと基準印字特徴サブセットとの比較に関連してもよく、別のサブステップが、サンプル幾何学的特徴サブセットと基準幾何学的特徴サブセットとの比較に関連してもよく、2つの「サブステップ」を含み得る。別の非限定的な例によれば、サンプル印字特徴サブセットと基準印字特徴サブセットとの比較、及びサンプル幾何学的特徴サブセットと基準幾何学的特徴サブセットとの比較は、1回の比較のみが実施され得るように同時に実施されてもよい。これは、上記で説明したように2つのサブセットが統合される場合であり得る。
【0012】
印刷形態学的データを含み得る印字特徴サブセット、すなわち、印刷の形状に関連する情報、例えば、どの文字が印刷されるかではなく文字がどのように印刷されるかは、異なる種類の印刷に及びまた包装体の折り曲げにも関連してもよい。例えば、包装体への充填が行われ包装体が封止された後にインクジェットプリンタによって行われる印刷は、そのインクが使用されることと、インクを硬化させるために与えられる時間が制限されることに起因するばらつきを含んでもよい。これらのばらつきは、賞味期限に関連する数字及び/又は文字のずれを含んでもよい。別の可能性として、印刷されるようには意図されていないドット又は線などの、余計な印刷オブジェクトが印刷されることがあり得る。これらの印刷オブジェクトは、小さく、消費者に気付かれることはないが、識別の目的で使用されてもよい。
【0013】
印字特徴はまた、印刷と折り曲げとの組み合わせに関連してもよい。例えば、縦方向の封止を行う前に、第1の後面パネルと第2の後面パネルが僅かにずれるようにパッケージの折り曲げが行われる場合、これにより、縦方向の封止を越えて延びる装飾の例えば線が非連続部を含むという結果が生じ得る。このような相違は、印字特徴として使用されてもよい。
【0014】
更に、印字特徴セットと幾何学的特徴セットとの間に依存関係が生じる場合がある。例えば、縦方向の封止を行う前に、第1の後面パネルと第2の後面パネルがずれている場合、これにより、印字偏差と幾何学的偏差の両方がもたらされ、印字偏差と幾何学的偏差は、包装体を特定するのに有用であり得るとともに、サンプル印字特徴サブセット及びサンプル幾何学的特徴サブセットにそれぞれ反映されてもよい。これらの依存性は、サンプル画像データの品質を評価するのに有用であり得る。例えば、サンプル印字特徴サブセットは、縦方向の封止がずれており、このずれが幾何学的特徴サブセットに反映されていないことを示すデータを含む場合、これは、サンプル画像データが包装体を適切に描写していないという表示であり得る。依存性は、手動で設定されるか、又は複数の包装体から受信したサンプル画像データを使用して決定されてもよい。
【0015】
印字特徴サブセットと幾何学的特徴サブセットの両方を使用することによる利点は、食品包装体のより信頼性の高い認証が達成され得ることである。
【0016】
サンプル印字特徴サブセット及び基準印字特徴サブセットは、食品包装システムにおいて食品包装体に施された賞味期限印字から特定された賞味期限データを含んでもよい。
【0017】
サンプル印字特徴サブセット及び基準印字特徴サブセットは、食品包装システムにおいて包装体に施された2次元コード印字から特定された固有コードを含んでもよい。
【0018】
サンプル印字特徴サブセット及び基準印字特徴サブセットは、印刷形態学的データを含んでもよい。
【0019】
「形態学」という用語は、「形状の研究」を指すことができる。ここでは、「印刷形態学的データ」という用語は、包装体上の印刷の形状又は形態に関連する印刷データを意味する。非限定的な一例によれば、印刷形態学的データは、例えば、賞味期限印字又は2次元コード印字の形状又は形態に関連してもよい。
【0020】
サンプル印字特徴サブセット及び基準印字特徴サブセットは、食品包装体の包装材料の装飾で特定されたグラフィック要素についての位置データを含んでもよい。
【0021】
サンプル幾何学的特徴サブセット及び基準幾何学的特徴サブセットは、包装体頂部形態種別データを含んでもよい。
【0022】
サンプル幾何学的特徴サブセット及び基準幾何学的特徴サブセットは、縦方向及び/又は横方向封止部分の位置データを含んでもよい。
【0023】
サンプル幾何学的特徴サブセット及び基準幾何学的特徴サブセットは、ストロー孔の位置データを含んでもよい。
【0024】
サンプル幾何学的特徴サブセット及び基準幾何学的特徴サブセットは、開封装置に関連する偏差点データを含んでもよい。
【0025】
基準画像データは、食品包装システムにおける品質管理中に撮影されてもよい。
【0026】
方法は、食品包装システムにおいて基準画像データを撮影する時間及び/又は場所を決定するための基準特徴セットに関連する基準識別番号を受信することを更に含んでもよい。
【0027】
第2の態様によれば、食品製品を保持する食品包装体を認証する装置が提供され、前記装置は、
食品包装体を描写するサンプル画像データを受信し、基準特徴セットを受信し、食品包装体が真正であるという表示を送信するように構成されたデータ通信モジュールと、
食品包装体のサンプル印字特徴サブセットを特定し、食品包装体のサンプル幾何学的特徴サブセットを特定し、サンプル印字特徴サブセット及びサンプル幾何学的特徴サブセットに基づいてサンプル特徴セットを生成し、サンプル特徴セットと基準特徴セットとを比較し、一致した場合に、サンプル特徴セットと基準特徴セットとが一致した場合に食品包装体が真正であるという表示を提供するように構成されたプロセッサ及びメモリと、を含み、基準特徴セットは、基準画像データで特定された基準印字特徴サブセット及び基準幾何学的特徴サブセットに基づいて生成され、基準画像データは、食品包装体を生産するために配置された食品包装システムにおいて撮影される。
【0028】
サンプル印字特徴サブセット及び基準印字特徴サブセットは、食品包装システムにおいて食品包装体に施された賞味期限印字から特定された賞味期限データを含んでもよい。
【0029】
サンプル印字特徴サブセット及び基準印字特徴サブセットは、食品包装システムにおいて包装体に施された2次元コード印字から特定された固有コードを含んでもよい。
【0030】
サンプル幾何学的特徴サブセット及び基準幾何学的特徴サブセットは、縦方向及び/又は横方向封止部分の位置データを含んでもよい。
【0031】
第1の態様に関連して提示する特徴及び利点は、第2の態様にも当てはまる。
【0032】
本発明の更に他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【0033】
ここで、本発明の実施形態について、添付の概略図面を参照して、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】食品包装体を認証するシステムの概要図である。
【
図3】食品包装体を認証する方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、偽造食品製品が消費者の手元に届くリスクを低減するシステム100を例として示す。ロール供給式カートン包装機などの、包装システム102は、包装材料104、例えば、加工工場内で印刷されてリール上に巻かれたカートンベースの包装材料と、包装システム102によって形成された包装体108へ充填される製品106、例えばオレンジジュースを受け入れるように作製することができる。カメラ110を使用することによって、基準画像データ112を撮影することができる。基準画像データ112は、プロセッサ116と、メモリ118と、データ通信モジュール120とを含む装置114に転送することができる。装置114は、包装体108のその後の認証が場所に関して制限されないように様々な場所からアクセスできるリモートサーバとすることができる。更に、基準画像データ112が改ざんされないことを確実にするために、このデータは、例えばセキュアエレメントに、及び/又はこのデータが暗号化された形式で記憶される点で、安全に記憶されてもよい。その後の比較を効率的に行うことができるようにするために、基準画像データ112は、特有の特徴に変換されてもよい。これに関する利点は、比較を高速化できることと、必要とされる記憶領域が少なくて済むことである。
【0036】
カメラ110は、基準画像データ112を撮影するためにだけでなく、品質管理の目的にも使用することができる。換言すれば、画像データに描写された包装体108が設定閾値内にないという、カメラ110によって撮影された画像データの分析結果が届いた場合に、包装システム102が停止され且つ/又はオペレータに通知される。しかしながら、包装体108が装置114又は別個の品質管理専用装置によって閾値内にあると判定された場合に、画像データは、基準画像データ112として装置に記憶され、上記で説明したように、任意選択的に異なる形式に加工される。
【0037】
図1に示すように、包装体108の頂部分及び前面部分は、カメラ110によってカバーされてもよい。しかしながら、基準画像データ112は、包装体108の底部分及び/又は側面パネルもカバーしてもよい。包装体108のいくつかの部分をカバーするために、
図1に示す例が1つのカメラしか含まないにもかかわらず、複数のカメラが使用される場合がある。複数のカメラを使用する場合、これらのカメラは、いくつかのカメラからの画像データを特定の包装体に確実に関連付けることができるように、互いに接続されてもよい。
【0038】
基準画像データ112を撮影して装置114に転送した後、包装体108は、例えばトラック122を使用して、小売店に卸され、商品棚123に置かれる。食品包装体108が真正である、すなわち、要求されているように食品包装体が生産されていることを保証する目的で、サンプル画像データ126を撮影するために、カメラ付き装置124が使用され得る。撮影された後に、サンプル画像データ126は、このデータを基準画像データ112と比較できるように、装置114に転送することができる。
【0039】
サンプル画像データ126と基準画像データ112との比較は、サンプル画像データ126に基づいてサンプル特徴セット128が生成され、且つ基準画像データ112に基づいて基準特徴セット130が生成されることで行うことができる。次に、基準特徴セット130は、基準印字特徴サブセット132と、基準幾何学的特徴サブセット134とを含んでもよい。基準印字特徴サブセット132は、異なる包装体を互いに区別するために使用できる包装体108の印刷に関連する特徴を含むことができる。これらの特徴は、意図的に作成され得るか、又はありとあらゆる包装体が僅かな偏差を含む、すなわち意図せずに作成された結果であり得る。
【0040】
基準印字特徴サブセット132は、賞味期限データ136を含んでもよい。賞味期限データ136は、
図2に示すように包装体に施された賞味期限印字に基づいて、特定又は抽出されてもよい。賞味期限印字は、包装システム102と同じ場所に配置され得るインクジェットプリンタの使用によって施されてもよい。賞味期限印字は、製品の賞味期限である日付だけでなく、使用された充填機に関連する追加情報を含んでもよい。
【0041】
更に、基準印字特徴サブセット132は、包装体に施された、QRコードなどの、2次元コードから抽出される固有コード138を含んでもよい。
【0042】
なお更に、基準印字特徴サブセット132は、例えば賞味期限印字及び/又は2次元コード印字に基づいて抽出された印刷形態学的データ140を含んでもよい。形態学的データ140は、内容ではなく賞味期限印字及び/又は2次元コード印字の形態に関連することができる。例えば、偏差を含む賞味期限印字の数字は、形態学的データ140に反映されるが、偏差は、賞味期限データ136に反映されない。
【0043】
追加的に、基準印字特徴サブセット132は、包装材料104の装飾におけるグラフィック要素に関連する位置データ142を含んでもよい。装飾は、例えばデジタル印刷を使用してオンサイト印刷されてもよいが、現在ではより一般的であるように、装飾はまた、フレキソ印刷技術又は刷版に基づく他の印刷技術を適用することによって、いわゆる加工工場においてオフサイト印刷されてもよい。
【0044】
基準幾何学的特徴サブセット134は、包装体108の幾何学的外観に関連する。これは、包装体頂部形態種別データ144、すなわち、頂部の形状に関連するデータを含んでもよい。例えば、特定の包装体の頂部が上から見て菱形であるが、それにもかかわらず、品質基準閾値内にある場合、この頂部は、この特定の包装体を他の包装体と区別するために使用されてもよい。
【0045】
更に、基準幾何学的特徴サブセット134は、縦方向封止部分及び/又は横方向封止部分についての位置データ146を含んでもよい。縦方向部分と横方向封止部分とは、多くの場合、互いに垂直であるが、様々な事情により、2つの部分が、互いに全く垂直でないが、依然として品質基準の範囲内であることがあり得る。このようなばらつきは、位置データとして使用することができる。また、縦方向及び横方向封止部分の幅、長さ、形状なども、位置データ146として使用することができる。
【0046】
包装体108がストロー孔を備える場合、ストロー孔についての位置データ148は、基準幾何学的特徴サブセット134の一部であってもよい。
【0047】
更に、包装体上に配置された開封装置に関連する偏差点データ150は、基準幾何学的特徴サブセット134の一部であってもよい。開封装置は、例えばカートンボトル包装体の頂部、例えばTetra Top(商標)としての、射出成形された頂部分であってもよい。しかしながら、開封装置はまた、事前に取り付けられた開封装置、すなわち、包装体への充填が行われ包装体が密閉される前に取り付けられた開封装置、事後に取り付けられた開封装置、すなわち、包装体への充填が行われ包装体が密閉された後に取り付けられた開封装置、又は包装システム102内で包装体上に成形された射出成形された開封装置であってもよい。
【0048】
相応に、サンプル特徴セット128は、サンプル印字特徴サブセット152と、サンプル幾何学的特徴サブセット154とを含んでもよい。基準印字特徴サブセット132と一致して、サンプル印字特徴サブセット152は、賞味期限データ156と、固有コード158と、印刷形態学的データ160と、グラフィック要素についての位置データ162とを含んでもよい。同様に、サンプルの幾何学的特徴サブセット154は、頂部形態種別164と、縦方向及び/又は横方向封止部分についての位置データ166と、ストロー孔についての位置データ168と、偏差点データ170とを含んでもよい。
【0049】
包装体の種類、所要の信頼性レベル、ハードウェアの制約などに応じて、異なる特徴がどのように判定及び比較されるかの複雑さを調整することができる。更に、異なる特徴のサブセットのみを含むことも可能である。なお更に、多くの特徴を有するので、サンプル特徴セット128が正しい認証を行うことができるように基準特徴セット130における全ての特徴を判定する必要があるわけではない。
【0050】
少数の特徴が第1のステップで比較される多段階アプローチを使用することも可能である。この第1のステップでの比較に基づいて真正性に関する信頼性の高い判定を下すことができる場合には、更なるステップは行われないが、信頼性の高い判定を下すことができない場合には、追加の特徴が考慮され且つ/又はより詳細な比較が行われる第2のステップが実施される。
【0051】
サンプル特徴セット128を基準特徴セット130と比較した後に、真正性の表示172は、装置114から装置124に及び/又は真正性に関する情報を要求する他の装置に転送されてもよい。
【0052】
比較を更に容易にするために、基準識別番号174は、カメラ110から、又は基準画像データ112の形成に関わる他の設備から、装置114に転送されてもよい。基準識別番号174を用いて、装置114は、包装体108がいつ生産されたか及び/又は包装体108がどこで生産されたかを知ることが可能である。この情報は、サンプル画像データ126が撮影される場所から遠く離れて且つかなり以前に生産された包装体に関連する基準特徴セット130が省略され得るという点と、結果として、真正性を判定するのに必要な比較が少なくて済むという点において役立ち得る。
【0053】
図2は、食品包装体108の頂部分200を例として示す。包装体108に施された印刷を考慮すると、オフサイト印刷、例えばフレキソ印刷が施された第1の領域202と、オンサイト印刷、例えばインクジェット印刷が施された第2の領域204がある。第2の領域204は、賞味期限印字206及び/又は、QRコードなどの、2次元コード印字208を含み得る。賞味期限印字206と2次元コード印字210の両方は、基準及び/又はサンプル印字特徴サブセット132、152、より詳細には賞味期限データ136、156及び固有コード138、158を生成するために使用されてもよい。
【0054】
頂部分200の輪郭210は、基準及び/又はサンプル幾何学的特徴サブセット134、154、例えば頂部形態種別データ144、164に関連する特徴を生成するために使用されてもよい。
【0055】
縦方向封止部分212及び/又は横方向封止部分214は、縦方向部分及び/又は横方向封止部分についての位置データ146、166を生成するために使用されてもよい。これは、異なる方法で行われてもよい。例えば、縦方向封止部分の幅LS-D及び横方向封止部分の幅TS-Dが決定され、位置データを決定するための基準として使用されてもよい。
【0056】
ストロー孔216は、頂部分200に設けられてもよい。上記で説明したように、ストロー孔216の位置は、基準及び/又はサンプル幾何学的特徴サブセット132、152の一部として決定され使用されてもよい。
【0057】
頂部分の第1の領域202には、このグラフィック要素218の位置データ142、162を決定して、基準及び/又はサンプル印字特徴サブセット132、152における特徴の1つとして使用できるように、グラフィック要素218が施されてもよい。グラフィック要素218は、フレキソ印刷を使用して印刷されるが、包装体の一部に施されてもよい。これは、リールの回転方向に相前後して配置されたいくつかの刷版をリール上に有することによって且つグラフィック要素218が施された刷版の一部のみを用いて達成されてもよい。
【0058】
図3は、食品包装体108を認証する方法100を示すフローチャートを提示する。
【0059】
第1のステップ302では、食品包装体108を描写するサンプル画像データ126を受信することができる。次いで、第2のステップ304では、食品包装体108のサンプル印字特徴サブセット152を特定することができる。更に、第3のステップ306では、食品包装体108のサンプル幾何学的特徴サブセット154を特定することができる。第4のステップ308では、サンプル印字特徴サブセット152及びサンプル幾何学的特徴サブセット154に基づいて、サンプル特徴セット128を生成することができる。第5のステップ310では、基準特徴セット130を受信することができる。基準特徴セット130は、基準画像データ112で特定された基準印字特徴サブセット132及び基準幾何学的特徴サブセット134に基づいて生成することができ、基準画像データ112は、食品包装体を生産するために配置された食品包装システム102において撮影することができる。その後、第6のステップ312では、サンプル特徴セット128と基準特徴セット130とを比較することができる。次いで、一致した場合に、第7のステップ314では、食品包装体108が真正であるという表示172を提供することができる。
【0060】
任意選択的に、第8のステップ316では、食品包装システムにおいて基準画像データを撮影する時間及び/又は場所を決定するための基準特徴セットに関連する基準識別番号174を受信することができる。
【0061】
上記の説明から、本発明の様々な実施形態が説明され示されているが、本発明はそれらの実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲において定義される主題の範囲内で、他の方法で具体化することもできる。
【国際調査報告】