(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】コネクタアセンブリ及び保持装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/405 20060101AFI20230118BHJP
H01R 13/24 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
H01R13/405
H01R13/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529587
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2020130357
(87)【国際公開番号】W WO2021098815
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】201922030727.5
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522199332
【氏名又は名称】費森尤斯▲カ▼比(南昌)医▲療▼器械有限公司
【氏名又は名称原語表記】FRESENIUS KABI (NANCHANG) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Qing Lan Road Nanchang Economic & Technological Development Zone Nanchang, Jiangxi, China
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】夏 ▲寧▼波
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲堅▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲発▼杰
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087FF03
5E087GG01
5E087MM08
5E087RR06
(57)【要約】
本開示は、コネクタアセンブリ及び保持装置に関する。コネクタアセンブリは、輸液ポンプと保持装置とを接続するために使用され、コネクタアセンブリは、ピンコネクタと、ピンコネクタの周囲に配置されてピンコネクタを保持するハウジングとを備え、ハウジングの上部は、ピンコネクタの下方移動を制限する環状の段差部を備え、段差部の上端部が半径方向内側方向に延びて固定部を形成し、固定部がピンコネクタに押し付けられ、したがってピンコネクタをハウジング内にしっかりと固定する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液ポンプと保持装置とを電気的又は信号的に接続するコネクタアセンブリであって、該コネクタアセンブリが、
前記輸液ポンプに電気的又は信号的に接続されるように構成された一方の端部と半径方向に延びるフランジが設けられた他方の端部とを有するピンコネクタと、
前記ピンコネクタの周囲に配置されて前記ピンコネクタを保持するハウジングであって、前記ハウジングの一方の端部に環状の段差部が設けられており、前記環状の段差部と前記ピンコネクタの前記フランジとが協働して、前記ピンコネクタの前記他方の端部が一方向に移動することを制限する、ハウジングと、
を備え、
前記段差部の上端部が、固定部を備えて半径方向内側方向に延びており、前記固定部が前記ピンコネクタに押し付けられて、前記ハウジングに対する前記ピンコネクタの前記他方の端部の相対的な移動を制限する、
ことを特徴とする、コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記ピンコネクタが、
前記ピンコネクタの前記一方の端部に位置し、前記輸液ポンプに電気的又は信号的に接続されるように構成されている、接続ピンと、
前記ピンコネクタの前記他方の端部に位置し、前記保持装置に電気的又は信号的に接続されるように構成されている、上部カバーと、
前記接続ピンと前記上部カバーとの間に配置され、前記接続ピンにばね力及び関連する接続を付与するばねと、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記上部カバーは、上部カバー本体と、前記上部カバー本体の頂部から半径方向外側に延びる前記フランジとを備える、請求項2に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記固定部の下面が前記フランジの上面に押し付けられる、請求項3に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記上部カバー本体には、半径方向外側方向における環状の突出リングが設けられ、前記突出リングが前記ハウジングの内周面の溝に嵌まる、請求項3に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記ピンコネクタの数が2つ又は5つであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記ピンコネクタのそれぞれが、複数の前記固定部によって押圧されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記固定部が、前記ピンコネクタの外周に沿って均等に分布することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項9】
保持装置であって、請求項1~8に記載のコネクタアセンブリが設けられる、保持装置。
【請求項10】
前記保持装置に回路基板が配置され、前記回路基板は前記ピンコネクタの前記他方の端部に電気的又は信号的に接続される、請求項9に記載の保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年11月20日に中国国家知識産権局に出願され、「CONNECTOR ASSEMBLY AND HOLDING DEVICE(コネクタアセンブリ及び保持装置)」と題された、中国特許出願第201922030727.5号の優先権を主張する。この特許出願は、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、医療器具の分野に関し、特に、輸液ポンプと保持装置とを接続するコネクタアセンブリと、コネクタアセンブリを含む保持装置とに関する。
【背景技術】
【0003】
輸液ポンプは、病院又はその他の医療機関で一般的に使用されている栄養剤や医薬品の輸液システムの一種であり、ポンプチューブ及びその付属品が経鼻胃管又は胃腸管を介して接続され、輸液速度、投与量、総輸液量等がマイクロコンピュータによって正確に制御される。輸液ポンプには、一般的には保持装置を使用して電力又は信号が供給される。輸液ポンプと保持装置とは、通常ではピンコネクタアセンブリを介して電気的に接続される、又は信号的に接続される。ピンコネクタアセンブリは、ピンコネクタと、ピンコネクタを囲むプラスチックハウジングとを含む。ピンコネクタは環状の突出リングを備えており、突出リングとプラスチックハウジングの内壁との間の締まり嵌めによって、ピンコネクタがプラスチックハウジングの内側に固定される。しかしながら、実際の使用においては、ピンコネクタは上記の締まり嵌めによって保持されているのみであり、ピンコネクタとプラスチックハウジングとの間に緩みが生じるおそれがあり、したがって輸液ポンプと保持装置との接続に接触不良が生じるおそれがある。
【0004】
したがって、輸液ポンプと保持装置との間の確実な電気接続又は信号接続を可能にするコネクタアセンブリが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の1つ以上の実施形態の目的は、輸液ポンプと保持装置との間の確実な電気接続又は信号接続を可能にするコネクタアセンブリを提供することである。
【0006】
本開示の1つ以上の実施形態の別の目的は、コネクタアセンブリを含む保持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、コネクタアセンブリが提供され、コネクタアセンブリは、輸液ポンプに電気的又は信号的に接続されるように構成された一方の端部と半径方向に延びるフランジが設けられた他方の端部とを有するピンコネクタと、ピンコネクタの周囲に配置されてピンコネクタを保持するハウジングであって、ハウジングの一方の端部に環状の段差部が設けられており、環状の段差部とピンコネクタのフランジとが協働して、ピンコネクタの他方の端部が一方向に移動することを制限する、ハウジングとを備え、段差部の上端部が、固定部を備えて半径方向内側方向に延びており、固定部がピンコネクタに押し付けられて、ハウジングに対するピンコネクタの他方の端部の相対的な移動を制限する。
【0008】
好ましくは、ピンコネクタは、ピンコネクタの一方の端部に位置し、輸液ポンプに電気的又は信号的に接続されるように構成されている、接続ピンと、ピンコネクタの他方の端部に位置し、保持装置に電気的又は信号的に接続されるように構成されている、上部カバーと、接続ピンと上部カバーとの間に配置され、接続ピンにばね力及び関連する接続を付与して輸液ポンプと保持装置とを接続するばねとを備える。
【0009】
好ましくは、上部カバーは、上部カバー本体と、上部カバー本体の頂部から半径方向外側に延びるフランジとを備える。
【0010】
好ましくは、固定部の下面がフランジの上面に押し付けられ、上部カバーがハウジングの固定部の下にしっかりと固定される。
【0011】
好ましくは、上部カバー本体には、半径方向外側方向における環状の突出リングが設けられ、この突出リングは、ハウジングの内周面に嵌って、締まり嵌めによって上部カバーがばねにより押し出されないようにする。
【0012】
好ましくは、ピンコネクタの数は2つ又は5つである。
【0013】
好ましくは、ピンコネクタのそれぞれは、複数の固定部によって押圧される。
【0014】
好ましくは、ピンコネクタに均一な圧力を与えるために、固定部はピンコネクタの外周に沿って均等に分布する。
【0015】
本開示の別の態様によれば、保持装置が更に提供され、この保持装置には、上述したコネクタアセンブリが設けられる。
【0016】
好ましくは、保持装置内に回路基板が配置され、回路基板はピンコネクタの他方の端部に電気的又は信号的に接続される。
【0017】
本開示の1つ以上の実施形態の特徴及び利点は、図面を参照しながら以下の説明を読み進めることによって、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】輸液ポンプと、本開示の第1の実施形態に係る保持装置とが接続されている状態を示す断面図である。
【
図2】
図1における輸液ポンプと保持装置との接続部分を示す部分拡大図である。
【
図3】本開示の第1の実施形態に係るコネクタアセンブリを示す上面図である。
【
図4】本開示の第1の実施形態に係るコネクタアセンブリを示す正面図である。
【
図5】
図4の線A-Aに沿ったコネクタアセンブリの断面図である。
【
図6】
図5におけるコネクタアセンブリを示す部分拡大図である。
【
図7】比較例のコネクタアセンブリを示す断面図である。
【
図8】本開示の第2の実施形態に係るコネクタアセンブリを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好ましい実施形態に関する以下の説明は、単なる例示にすぎず、本開示、その適用又は使用を限定することを意図するものではない。
【0020】
図1は、輸液ポンプと、本開示の第1の実施形態に係る保持装置とが接続された状態を示す断面図である。輸液ポンプ10と保持装置20とは、コネクタアセンブリ100を介して着脱可能に電気的又は信号的に接続される。保持装置20は、ねじ付きハンドル30によって患者のベッドサイド又は輸液スタンドに固定されてもよく、それによって輸液ポンプ10を機械的に支持しながら輸液ポンプ10に電力を供給し、輸液ポンプ10と通信する。
図2は、
図1における輸液ポンプ10と保持装置20との接続部分を示す部分拡大図である。輸液ポンプ10には、接続ポート11が設けられる。保持装置20には回路基板21が配置される。保持装置20にはコネクタアセンブリ100が配置される。コネクタアセンブリ100は、5つのピンコネクタ200と、ピンコネクタを囲むハウジング300とを含む。コネクタ200の一方の端部(
図2に示す左側の端部)は、輸液ポンプ10における接続ポート11に電気的又は信号的に接続される。ピンコネクタ200の他方の端部(
図2に示す右側の端部)は、保持装置20における回路基板21に電気的又は信号的に接続される。
【0021】
図3及び
図4は、それぞれ、本開示の第1の実施形態に係るコネクタアセンブリ100を示す上面図及び正面図である。ピンコネクタアセンブリ100は、隔置された5つのピンコネクタ200と、5つのピンコネクタ200を囲んでピンコネクタ200を保持するハウジング300とから構成される。好ましくは、ハウジング300はプラスチック製である。
図5は、
図4の線A-Aに沿ったコネクタアセンブリ100の断面図である。ピンコネクタ200は、輸液ポンプ10の接続ポート11に電気的又は信号的に接続されるように構成された接続ピン201と、接続ピン201とは反対側の端部に配置され、保持装置20の回路基板21に電気的又は信号的に接続されるように構成された上部カバー202と、接続ピン201と上部カバー202との間に配置され、接続ピン201と上部カバー202との間にばね力を加えて接続し、輸液ポンプ10への確実な電気的接続又は信号接続を確保するばね203とを含む。好ましくは、上部カバー202は金属製である。ハウジング300は、接続ピン201、上部カバー202、及びばね203の周囲に配置され、接続ピン201、上部カバー202、及びばね203を保持する。
【0022】
図6は、
図5におけるコネクタアセンブリ100を示す部分拡大図である。上部カバー202は、上部カバー本体2021と、上部カバー本体2021の上端部から半径方向外側に延びるフランジ2022と、フランジ2022の上方に配置されたロッド部2023とを含む。ハウジング300の上部には、環状段差部301が設けられる。フランジ2022の下面が、段差部301の内側の水平面3011に押し付けられて、上部カバー202の下方への移動が制限される。段差部301の上端部は、少なくとも1つの固定部302を備えて半径方向内側に延びており、固定部302の下面がフランジ2022の上面に押し付けられて、上部カバー202がハウジング300の内側に確実に固定される。好ましくは、固定部302の上面の面積は、段差部301の残りの部分の上面の面積よりも小さく、したがってハウジング300の段差部301のうち固定部302以外の部分が、保持装置20の回路基板21(図示せず)を支持して位置付けるために依然として使用され得る。好ましくは、
図4に示すように、ピンコネクタ200のそれぞれは、複数の固定部302によって押圧される。好ましくは、
図4に示すように、ピンコネクタ200に均一な圧力を与えるために、固定部302はピンコネクタ200の外周に沿って均等に分布する。
【0023】
本開示の第1の実施形態に係るコネクタアセンブリ100の固定部302は、ハウジング300の上部の段差部301の上端部における複数の小面積部分をホットメルトマシン等の加熱工具によって同時に溶融させ、その溶融部分によって半径方向内側に延びる固定部302を形成し、これを上部カバー202のフランジ2022に押し当てて上部カバー202をハウジング300の内側に確実に固定するという処理工程によって実現される。
【0024】
さらに、
図6に示すように、上部カバー本体2021には、半径方向外側方向における連続的な環状の突出リング2024が設けられる。この突出リング2024は、ハウジング300の内周面における対応する溝部に嵌まって、締まり嵌めによって上部カバー202がばね203により押し出されないようにする。
【0025】
図7は、比較例のピンコネクタアセンブリ100を示す断面図である。この比較例では、コネクタアセンブリには、上部カバー202の上部カバー本体2021の半径方向外側方向にのみ環状の突出リング2024が設けられている。この突出リング2024は、ハウジング300の内周面における溝に嵌まって、締まり嵌めによって上部カバー202がばね203により押し出されないようにする。しかしながら、実際の使用においては、上部カバー202は上述した締まり嵌めによってのみ保持されており、上部カバー202とプラスチック製のハウジング300との間に緩みが生じるおそれがある。上部カバー202とハウジング300とが緩むと、ばね203が弛緩状態となり、接続ピン201が押し出される力が弱まり、ポンプ10の接続ポート11から外れやすくなるので、輸液ポンプ10と保持装置20との接触不良が生じるおそれがある。
【0026】
図7の比較例のピンコネクタアセンブリ100と比較すると、本開示では、固定部302及び突出リング2024を有する二重設計を通じて、上部カバー202がハウジング300にしっかりと保持されており、したがって上部カバー202の下部のばね203が圧縮状態にあり、ばね203の下部の接続ピン201を押し出すのに十分なばね力が接続ピン201に付与され、したがって接続ピン201がポンプ10の接続ポート11にしっかりと接続され、これにより輸液ポンプ10が保持装置20にしっかりと接続される。
【0027】
図8は、本開示の第2の実施形態に係るコネクタアセンブリ100を示す上面図である。コネクタアセンブリ100は、2つのピンコネクタ200と、2つのピンコネクタ200を囲んでピンコネクタ200を保持するハウジング300とから構成される。この実施形態におけるコネクタアセンブリ200の残りの構造は、第1の実施形態における対応する構造と同じである。コネクタアセンブリ100は、実際の設計上の必要性に応じて、2つ又は5つ以外の数の複数のピンコネクタ200を含むことができる。
【0028】
ここまで本開示の様々な実施形態について詳細に説明してきたが、本開示は、本明細書に詳細に説明及び図示されている特定の実施形態に限定されず、当業者は本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の変形形態及び修正形態を考案できることを理解されたい。そのような変形形態及び修正形態の全ては、本開示の範囲内に入るものと意図されている。さらに、本明細書に記載されている部材の全ては、技術的に同等な別の部材に置き換えることができる。
【国際調査報告】