(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】尿カテーテル保持装置及びカテーテル保持装置組立体
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20230118BHJP
A61J 15/00 20060101ALI20230118BHJP
A61M 25/02 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
A61M1/00 160
A61J15/00 Z
A61M25/02 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529782
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(85)【翻訳文提出日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 ES2020070734
(87)【国際公開番号】W WO2021105539
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522200214
【氏名又は名称】リシンク メディカル エセエレ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルーク ゴンザレス、マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ルイス カナレス、ハイメ
【テーマコード(参考)】
4C047
4C077
4C267
【Fターム(参考)】
4C047NN13
4C047NN20
4C077AA19
4C077AA30
4C077DD21
4C077DD26
4C077KK30
4C267AA02
4C267AA03
4C267AA33
4C267BB19
4C267BB20
4C267BB33
4C267HH07
(57)【要約】
保持装置は、「T」形状の弁を有するタイプの尿カテーテル又は栄養カテーテルの外端部に結合されるように構成され、保持装置は、長手方向「X」に延在し、尿カテーテル又は栄養チューブの端部分を受けて収容するための内側凹部を有する第1の部分であり、第1の部分が、カテーテル又はカテーテルを連結するチューブの開端部の漏出防止要素を備える上方部分によって上方において閉じられている、第1の部分と、長手方向「X」と交差する第2の方向「Y」に延在する第2の部分であり、第2の部分が、横方向「Y」に沿って延在する内側凹部を備え、第2の部分が、その端部の一方では開いており、反対側の端部には開放防止壁を備える、第2の部分と、保持装置を使用者の身体の外部の要素に解除可能に締結するように構成された締結要素とを備える、本体を備える。これにより、カテーテルが支持体の内側に嵌合及び配置された状態で、思いがけない作動のいかなるリスクもなしに、使用者が任意のタイプのスポーツ活動を実施することが可能になる。本発明は、この保持装置及びカテーテルによって形成された組立体にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿カテーテル又は栄養カテーテルなどのカテーテルを、使用者の身体の外部の要素に、たとえばストラップ又は使用者の下着に、保持するように構成された保持装置(50)において、前記保持装置(50)が、
長手方向「X」に延在し、前記長手方向「X」に沿って延在する内側凹部(54)を備える第1の部分(51)であり、前記第1の部分(51)が、前記カテーテル又は前記カテーテル(10)を連結するチューブの開端部の漏出防止要素(56)を備える上方部分(55)によって上方において閉じられている、第1の部分(51)と、
前記長手方向「X」と交差する第2の方向「Y」に延在する第2の部分(52)であり、前記第2の部分(52)が、前記横方向「Y」に沿って延在する内側凹部(62)を備え、前記第2の部分(52)が、その端部の一方では開いており、反対側の端部には開放防止壁(57)を備える、第2の部分(52)と、
前記保持装置(50)を前記使用者の身体の外部の要素に解除可能に締結する締結要素(53)と
を備える、本体を備えることを特徴とする、保持装置(50)。
【請求項2】
前記締結要素(53)が、前記第1の部分(51)に配置されている、請求項1に記載のカテーテル用の保持装置(50)。
【請求項3】
前記締結要素(53)が、前記第1の部分(51)に一体化されている、請求項1又は2に記載のカテーテル用の保持装置(50)。
【請求項4】
前記締結要素(53)が、前記保持装置(50)の後面の上端部から出現するタブである、請求項1、2又は3に記載のカテーテル用の保持装置(50)。
【請求項5】
前記第1の部分(51)が、半円筒の形をとる細長い本体を有する、請求項1に記載のカテーテル用の保持装置(50)。
【請求項6】
前記漏出防止要素(56)が、前記第1の部分(51)の前記上方部分(55)の内側の突出要素によって構成されており、前記漏出防止要素(56)が、前記カテーテル又は前記カテーテル連結チューブの前記開端部の内側に完璧に嵌合するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル用の保持装置(50)。
【請求項7】
前記漏出防止要素(56)が、半球形の突出部である、請求項1又は6に記載のカテーテル用の保持装置(50)。
【請求項8】
前記第2の部分(52)が、細長い半円筒形状の本体を有し、前記内側凹部(62)が、カテーテルの摺動弁(71~72)の少なくとも一部を内側にぴったりと受けて収容するように作り出されている、請求項1に記載のカテーテル用の保持装置(50)。
【請求項9】
前記開放防止壁(57)が、開口(58)を備える、請求項1に記載のカテーテル用の保持装置(50)。
【請求項10】
前記第2の横方向部分(52)の前記本体が、中央下方部に「C」の形をとる開口(59)を備え、前記開口(59)が、前記第1の部分(51)の前記長手方向軸「X」に位置合わせされている、請求項1に記載のカテーテル用の保持装置(50)。
【請求項11】
モノブロックな本体を有する、請求項1に記載のカテーテル用の保持装置(50)。
【請求項12】
尿カテーテル(10)からなる組立体及び前記尿カテーテル(10)用の保持装置(50)において、
チューブ(74)を備える尿カテーテル(10)であって、前記チューブ(74)が、尿道を通して患者の膀胱へと前記チューブ(74)を導入するための導入部を一方の端部に有し、連結要素に連結するための連結部(70a~70b)を反対側の端部に有し、前記導入部を通して、前記尿道から前記連結部(70a~70b)へと流体を排出させることができ、閉じることができる弁(71~72)が、前記弁(71~72)が閉じられると流体が前記連結部(70a~70b)から出ないようにされ得るように前記導入部と前記連結部(70a~70b)との間に配置され、前記弁(71~72)が、摺動弁として構成され、3つの切替え位置を有し、閉位置では前記弁(71~72)が閉じられ、中央位置では前記弁(71-72)が空気透過性であり、解放位置では前記弁(71~72)が開かれる、尿カテーテル(10)、及び、
前記尿カテーテル(10)用の保持装置(50)であって、
長手方向「X」に延在し、前記長手方向「X」に沿って延在する内側凹部(54)を有する第1の部分(51)であり、前記第1の部分(51)が、前記カテーテル(10)又はカテーテル連結チューブの開端部の漏出防止要素(56)を備える上方部分(55)によって最上部において閉じられている、第1の部分(51)と、
前記長手方向「X」と交差する第2の方向「Y」に延在する第2の部分(52)であり、前記第2の部分(52)が、前記横方向「Y」に沿って延在する内側オリフィス(62)を有し、前記第2の部分(52)が、その端部の一方では開いており、反対側の端部には開放防止壁(57)を備える、第2の部分(52)と、
前記保持装置(50)を使用者の身体の外部の要素に解除可能に締結する締結要素(53)と
を備える、本体を備える、保持装置(50)
を備えることを特徴とする、尿カテーテル(10)からなる組立体及び前記尿カテーテル(10)用の保持装置(50)。
【請求項13】
前記締結要素(53)が、前記第1の部分(51)に配置されている、請求項12に記載の尿カテーテル組立体(10)及び保持装置(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルと、好ましくは尿カテーテルと、組み合わせて使用するのに適した取外し可能な保持装置に関し、保持装置は、使用者の身体の外部の部分にカテーテルを固定位置で保持することができ、これにより、カテーテル及び支持体を定位置に備えた状態で、思いがけない作動のいかなるリスクもなしに、使用者が任意のタイプのスポーツ活動を実施することが可能になる。尿カテーテルの代わりに、保持装置は、たとえば「T」弁を有するような、すなわち開、閉などの2つ以上の切替え位置を備えた摺動弁タイプの、栄養カテーテルと組み合わせて使用することもできる。
【0002】
第二に、本発明はこの保持装置及びカテーテルによって形成される組立体にも関する。
【背景技術】
【0003】
尿カテーテルに関しては、現在の技術水準では複数の構成及び類型を備えたものが知られている。こうした尿カテーテルは、たとえば、手術により、又は自身の年齢のために自身のベッドを離れることができなくなった使用者のために、病院で使用される。このタイプの尿カテーテルは、他の排尿障害でも使用される。
【0004】
尿カテーテルの中には経尿道カテーテルがあり、これには様々なタイプがある。たとえば、膀胱から一度排尿した後に尿道から再び取り外される使い捨てカテーテル、又は一般に2方向カテーテルとして構成されるパーマネント・カテーテルが存在し、2方向カテーテルでは、バルーンが尿カテーテルの先端に配置され、尿カテーテルは、尿を分岐させるためのチャネルと、尿カテーテルが挿入されたときにバルーンを充填させるためのチャネルとを有する。バルーンを使用して、次いで尿カテーテルは耐久性のある形で尿道に固定される。
【0005】
さらに、洗浄プローブと呼ばれる3方向プローブも知られている。2方向チューブとは異なり、こうした尿チューブは、洗浄溶液を膀胱へと導入することができる追加のチャネルも有する。前記3方向チューブは、たとえば、膀胱内で激しく出血している場合に、膀胱を洗浄することによって膀胱内の血液の開チャネルを防止するために使用される。
【0006】
同一所有者の欧州特許第EP2872194A1号には、可撓性チューブ(12)を呈する改善された尿カテーテル(10)が開示されており、可撓性チューブ(12)は、尿道を通して膀胱へと可撓性チューブ(12)を導入するための導入部(14)を有し、可撓性チューブ(12)は、反対側の端部に、連結要素を連結するための連結部(70a~70b)を有し、導入部(14)を通して、尿道から連結部(18)へと流体を排出させることができ、閉じることができる弁(71~72)が、弁(71~72)が閉じられると連結部(70a~70b)から流体が出ないようにされ得るように導入部(14)と連結部(70a~70b)との間に配置され、尿カテーテル(10)は、弁(71~72)が、摺動弁として構成され、3つの切替え位置を有し、閉位置では弁(71~72)が閉じられ、中央位置では弁(71~72)が空気透過性であり、解放位置では弁(71~72)が開かれることを特徴とする。弁が開位置にあるとき、弁は、患者のニーズに応じて患者が従来のトイレを使用するか又は一時的に若しくは永久的に装置を尿バッグに連結することを可能にし、弁が閉位置にあるとき、弁は膀胱反射が損なわれることを防止し、活動的及び健康的なライフスタイルと共にいかなる尿捕集バッグも使用せずカテーテルを携帯することができるという選択肢を患者に与え、弁が制御位置にあるとき、弁は、挿入している間、看護師が尿の流れを制御することを可能にして、尿がカテーテル・チューブの端部の弁に到達すると、看護師が「開位置」を選択してそうしようと決定しない限り、尿がカテーテルを出ることができないことを確実にする。
【0007】
これらの尿カテーテルの使用は、使用者の身体の外部の部分に配置された尿カテーテルが自由である、つまり固定部分に取り付けられていないので、尿カテーテルを着用しているときに尿カテーテルが使用者の身体的活動を著しく制限するという欠点を有する。加えて、欧州特許第EP2872194A1号に開示されている尿カテーテル(10)は、尿カテーテル(10)を損傷させる恐れのある起こり得る衝撃から尿カテーテル(10)を保護し、一般に使用者の外傷及び出血の原因となるカテーテルのチューブの引っ張りを防止するいかなるアクセサリ又は支持体も有しない。
【0008】
したがって、従来技術に見受けられる欠点を解決する、従来技術に含まれていない新しい設計を提供して、具体的には尿カテーテル又は栄養チューブ、たとえば欧州特許第EP2872194A1号に記載されているような尿カテーテルを保護し、同時に使用者が、カテーテルが閉位置にあり、いかなるタイプのリスク又は出血事故も伴わない状態で、たとえば立ったまま、快適に(スポーツ活動などの)身体的活動を実施することを可能にする保持装置を提供することが必要であり、これにより、使用者の生活の質が実質的に向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第1の目的は、尿カテーテル又は栄養チューブの外側を使用者の身体の外部の部分上に固定位置で保持するように構成された、上述の欠点を克服し、下記の利点を提示する保持装置を提供することである。
【0011】
本発明の第2の目的は、この保持装置、及び尿チューブ又は「T」形状の栄養チューブによって形成される組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様によれば、本発明は、尿カテーテル又は栄養カテーテルの端部外側部分に結合され、この端部外側部分を使用者の身体の外部の要素に保持するように構成された保持装置を提供し、保持装置は、
- 長手方向「X」に延在し、尿カテーテル又は栄養カテーテルの端部分を受けて収容するように構成された内部凹部を有する第1の部分と、
- 第1の部分に配置された締結要素であって、締結要素が、使用者の身体の外部の要素に保持装置を解除可能に締結するように構成されている、締結要素と
を有する本体を備えることを特徴とする。
【0013】
以降、カテーテルという用語は、尿カテーテル又は「T」形状の栄養カテーテルを指すために使用する。
【0014】
有利には、使用者の身体の外部にある要素を取り外し、配置するためのこの締結要素を提供することにより、カテーテルの、患者の身体の外部にある部分の端部分を保持装置の内側に収納することが可能になり、保持装置内に保持されている自由端部を使用者の身体の外部の要素に解除可能な形で締結することが可能になる。使用者の身体の外部のこの要素は、たとえば使用者の脚又は使用者の下着に配置された、伸縮性バンドでもよい。これにより、一方では、使用者が、使用中にカテーテルが被る恐れのある、起こり得る衝突又は衝撃からカテーテルを保護することが可能になり、他方では、たとえばカテーテルがその閉位置にあるとき、使用者の特有のニーズに応じてカテーテルの自由端部を快適に吊すことができる。たとえば、使用者は、カテーテルの端部分が上向きに保持装置に挿入された状態で、保持装置を下着の上縁部に吊してもよく、カテーテルの端部分が逆向き、すなわち下向きに挿入された状態で、保持装置を、使用者の脚を囲繞して配置された伸縮性バンドに吊してもよい。
【0015】
本発明の好ましい一実施例によれば、保持装置は尿チューブ又は栄養チューブなどのカテーテルを、使用者の身体の外部の要素に保持するように構成され、
- 長手方向「X」に延在し、長手方向「X」に沿って延在する内側凹部を備える第1の部分であり、長手方向内側凹部が、カテーテルの端部分を受けて収容するように構成され、第1の部分が、カテーテルの出口ポートを隔て、それによって流体出口を閉鎖するように構成された密封要素を備える上方部分によって上方において閉じられている、第1の部分と、
- 長手方向「X」と交差する第2の方向「Y」に延在する第2の部分であり、第2の部分が、横方向「Y」に沿って延在する内側凹部を備え、横方向内側凹部が、カテーテルの摺動弁の少なくとも一部を受けて収容するように構成され、第2の部分が、作動ボタンが位置付けられた摺動弁の一部が突出することが可能になるようにその端部の一方では開いており、反対側の端部には、細長い本体が、他方の端部からの圧力を受けることによって作動ボタンの摺動の止め具として機能すると同時にカテーテルの摺動弁が保持装置に挿入されているときはいつでもカテーテルの摺動弁を閉位置にとどめる開放防止壁を呈する、第2の部分と、
- 保持装置を使用者の身体の外部の要素に解除可能に締結するように構成された締結要素と
を備える、本体を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の保持装置は、好ましくは、欧州特許第EP2872194A1号に記載されているような、「T」形状のカテーテル、すなわち、チューブを備える尿カテーテルを有し、前記チューブは、尿道を通して膀胱へと導入するための導入部を一方の端部に呈し、連結要素に連結するための連結部を反対側の端部に呈し、導入部を通して尿道から連結部へと流体を排出させることができ、閉じることができる弁が、弁が閉じられると流体が連結部から出ないようにされ得るように導入部と連結部との間に配置され、弁は、好ましくは摺動弁として構成され、3つの切替え位置を有し、閉位置で弁は閉じられ、中央位置では弁は空気透過性であり、解放位置では弁は開かれる、「T」形状のカテーテルの端部に結合されるのに適している。しかし、この保持装置は、経尿道膀胱カテーテル、パーマネント・タイプのカテーテル、又は洗浄タイプのカテーテルなどの他のタイプの同様の尿カテーテルにおいても、また3つの位置を切り替える摺動弁以外の別のタイプの弁と併せても、完璧に使用することができる。また、この保持装置は、欧州特許第EP2872194A1号に示されるものに類似した弁を有する、すなわち2つ以上の切替え位置を備える「T」形状の弁を有するフィード・プローブと組み合わせて使用されてもよい。
【0017】
本発明のカテーテル用の保持装置は、剛性でもよく半剛性(すなわち一定の可撓性を有する)でもよい本体を有する。
【0018】
好ましくは、保持装置の本体はモノブロックであり(すなわち第1の部分及び第2の部分並びに把持要素が1つの同じ本体に一体化され)、これにより、使用者が尿カテーテルの端部分を圧力下で容易に保持装置に挿入し、保持装置の内側にきつく嵌合させられることにより動くことなく保持装置の内側に収められることが可能になり、同時に弁の端部分を起こり得る衝撃から保護することが可能になる。同様に、保持装置の本体が、使用者が弁の端部を保持装置の内側から取り出すことを可能にする一定の可撓性を有することにより、使用者は尿カテーテルの端部分を保持装置から容易に取り外すことができる。
【0019】
保持装置は、好ましくは熱可塑性ポリマーなどのポリマーで製作されるが、タブが思いがけずに動いて装置が作動させられることを防止する一定の剛性を提供する限り、他の様々な材料も利用することができる。
【0020】
締結要素は第2の部分にも配置することができるが、好ましくは、本発明の好ましい実施例は、固定された形で第1の部分に、より具体的にはその後方部に配置された締結要素を呈する。
【0021】
好ましくは、保持装置の締結要素は第1の部分に完全に一体化されて、モノブロックな本体を形成する。
【0022】
本発明の好ましい一実施例によれば、締結要素は、締結要素の後方に(すなわち第1の部分の長手方向内側凹部が位置付けられた場所とは反対側に)配置されたタブによって構成され、タブの固定された上端部が保持装置の第1の部分の上方部から出現し、これにより、使用者が保持装置を容易で快適にストラップ、ズボン、若しくは他の衣類又は装置などの外部の要素に連結及び解除することが保証され、したがってそこに挿入されたカテーテルを思いがけず引っ張ることが避けられる。しかし、本発明の本質を変更することなく、吊り下げタブと同等の他の従来の締結手段が可能な場合がある。
【0023】
本発明の好ましい一実施例によれば、第1の部分は半円筒の形を取る細長い本体を有し、これは半円筒の上方部を覆う上方部分によって上方において閉じられており、溝の内側に存在する長手方向の間隙は、尿カテーテルの連結部の端部分をぴったりと受けるような寸法を有する。この上方部分は漏出防止要素を支持する機能を有し、漏出防止要素の機能は、カテーテルの出口ポートを隔てることである。半分にされたロッド形状により、カテーテルの外端部分の長手方向ストリップが外方に突出することが可能になり、このことが、カテーテルの外端部分をこの第1の部分に簡単且つ便利に挿入する助けとなる。カテーテルの外端部は、円筒形の、又はわずかに円錐台状の断面を有してもよい。
【0024】
第1の半円筒封入部分の内側の形状は円錐台状でもよく、カテーテルの端部分の外側の形状に応じて、任意の他の考えられる構成を有してもよい。つまり、第1の部分は、第1の部分がそのために設計されたカテーテルの端部分と同じ形状及びサイズを有する内部空間を有することになる。
【0025】
好ましくは、第1の部分は、薄い壁が提供された中空の本体によって形成される。
【0026】
カテーテルの最外部を囲繞するこの緊密な構成は、保持装置の剛性又は半剛性の材料と共に、またカテーテルの最外部のより可撓性の材料と共に、使用者が、わずかな圧力を加え、容易に解除されることなくカテーテルの最外部を固定位置にとどめることにより、カテーテルの最外部を保持装置の内側に快適に配置することを可能にする。同様に、使用者は必要なときには保持装置の外端部を容易に取り外すことができる。
【0027】
好ましくは、漏出防止要素又は封止要素は、保持装置の第1の部分の上方部分の内側の突出要素によって構成され、漏出防止要素は、カテーテル又は尿カテーテル・チューブ連結部の端部開口の内側に完璧に嵌合するように構成され、それによって端部開口を封止し、いかなる液体も保持装置の外部に到達することを防止する。
【0028】
好ましくは、突出要素は、実質的に半球形の構成の凸形の突出部によって構成される。任意選択で、突出要素の最も突出した点でカテーテル端部止め具を受け止めるために、この突出部は保持装置の他の部分よりも可撓性の材料のものでもよい。
【0029】
本発明の好ましい実施例によれば、本発明の尿カテーテル保持装置は、第1の部分の長手方向「X」と交差する第2の方向「Y」に延在する第2の部分をさらに備え、第2の部分は、尿カテーテルの摺動弁の少なくとも一部分をぴったりと受けて収容する内側凹部を有する。
【0030】
好ましくは、第2の部分は、(尿カテーテルの端部分に垂直に通る)尿カテーテルの摺動弁の少なくとも一部をぴったりと受ける寸法を有する内側凹部を備えた、封入する細長い本体を備え、第2の部分は、細長い本体の一方の端部には、作動ボタンが位置付けられた摺動弁の一部が突出することができるように開口を有し、細長い本体の反対側の端部には、第2の部分のこの端部を覆い、他方の端部からの圧力を受けると作動ボタンの摺動の止め具として機能するように構成され、同時に、摺動弁が保持装置に挿入されている間は常に摺動弁を閉位置にとどめる開放防止壁を有する。この開放防止壁を提供することにより、思いがけず作動させることなく第2の部分が弁への圧力を受けることが可能になり、このことは優れた利点である。
【0031】
好ましくは、第2の横方向部分は、力が摺動弁のアクチュエータ・ボタンに加えられたときに摺動弁のアクチュエータ・ボタンの動きを妨げるような厚みの壁を備えた中空の本体を有し、したがって、壁の存在なしでは、アクチュエータ・ボタンは動くことになる。
【0032】
好ましくは、開放防止壁は小さい開口を備え、その機能は、視力が低下した人々に使用されるように構成された触知システム、たとえば装置が開位置にあるのかそれとも閉位置にあるのかを手触りによって認識することを可能にする小さい突出部を収納できるということである。この開口は開放防止壁の特定の方向に延在し、壁の総面積の半分未満を占める。この壁は様々な外部形状、たとえば弓形の外形及び第2の部分の本体の残りの部分の壁の厚みと同様の低減された厚みを有してもよい。
【0033】
好ましくは、第2の部分の本体は中央下部に開口を備え、下部開口は第1の部分に位置合わせされている。尿カテーテルの長手方向端部が第1の部分に到達するまで内部及び第2の部分を通過することができるように、この下部開口は必要である。この下部開口は、カテーテルの長手方向端部をぴったりと受けるのに必要な形状及びサイズを有し、すなわち、たとえば下部開口は円周の半分などの円弧の外形を有する。
【0034】
この第2の部分により、摺動弁の少なくとも一部を部分的に包むことが可能になり、それにより、その弁を備えたカテーテルが圧力保持装置の内側に完全に挿入され、この第2の部分は、他の機能に加えて、起こり得る衝突又は衝撃からの保護装置として機能する。
【0035】
第2の態様によれば、本発明は、尿カテーテルによって形成される組立体及び尿カテーテル保持装置であって、
- チューブを備える尿カテーテルであって、チューブが、尿道を通して膀胱へと導入するための導入部を一方の端部に呈し、連結要素に連結するための連結部を反対側の端部に呈し、導入部を通して、尿道から連結部へと流体を排出させることができ、閉じることができる弁が、弁が閉じられると流体が連結部から出ないようにされ得るように導入部と連結部との間に配置され、弁が、摺動弁として構成され、3つの切替え位置を有し、閉位置では弁が閉じられ、中央位置では弁が空気透過性であり、解放位置では弁が開かれる、尿カテーテル、及び、
- 尿カテーテル保持装置であって、
- 長手方向「X」に延在し、尿カテーテルの端部分を受けて収容するための内側凹部を有する第1の部分と、
- 第1の部分に配置され、保持装置を使用者の身体の外部の要素に解除可能に締結するように構成された締結要素と
を備える、本体を備える、尿カテーテル保持装置
を備える、尿カテーテルによって形成される組立体及び尿カテーテル保持装置を提供する。
【0036】
好ましい一実施例によれば、尿カテーテルによって形成される組立体及び尿カテーテル用の保持装置は、
- チューブを備える尿カテーテルであって、チューブが、尿道を通して患者の膀胱へと導入するための導入部を一方の端部に呈し、連結要素に連結するための連結部を反対側の端部に呈し、導入部を通して、尿道から連結部へと流体を排出させることができ、閉じることができる弁が、弁が閉じられると流体が連結部から出ないようにされ得るように導入部と連結部との間に配置され、弁が、摺動弁として構成され、3つの切替え位置を有し、閉位置では弁が閉じられ、中央位置では弁が空気透過性であり、解放位置では弁が開かれる、尿カテーテル、及び、
- 尿カテーテル保持装置であって、
- 長手方向「X」に延在し、カテーテルの端部分を受けて収容するように構成された長手方向「X」に沿って延在する内側凹部を備える第1の部分であり、第1の部分が、カテーテルの出口ポートを隔て、それによって流体出口を閉鎖するように構成された密封要素を備える上方部分によって上方において閉じられている、第1の部分と、
- 長手方向「X」と交差する第2の方向「Y」に延在する第2の部分であり、第2の部分が、カテーテル摺動弁の少なくとも一部を受けて収容する、横方向「Y」に沿って延在する内側凹部を備え、第2の部分が、作動ボタンが位置付けられたカテーテル摺動弁の一部が突出することができるようにその端部の一方では開いており、第2の部分が、細長い本体の反対側の端部では、他方の端部からの圧力を受けることによって作動ボタンの摺動の止め具として機能し、同時にカテーテル摺動弁が保持装置の内側に嵌合させられている間は常にカテーテル摺動弁を閉位置にとどめる開放防止壁を呈する、第2の部分と、
- 保持装置を使用者の身体の外部の要素に解除可能に締結するように構成された締結要素と
- を備える、本体を備える、尿カテーテル保持装置
を備えることを特徴とする。
【0037】
好ましくは、尿カテーテルに保持装置を加えた組立体では、クランプ要素は第1の部分に配置される。
【0038】
空気透過性のフィルタ及び/又は膜部分が、尿カテーテルの摺動弁に設けられる。
【0039】
好ましくは、連結部のその遠端の尿カテーテルは、ネラトン・スタイルに従って互いに向き合った少なくとも2つの開口を備える閉じた中空先端を有する。
【0040】
別法として、尿カテーテルは膀胱用の経尿道カテーテルである。
【0041】
別法として、尿カテーテルはパーマネント・タイプのカテーテルである。
【0042】
別法として、尿カテーテルは洗浄タイプのカテーテルである。
【0043】
有利には、尿カテーテルは、ゴム及び/又はラテックス及び/又はポリ塩化ビニルPVC及び/又はシリコーン又は同様の特性を有する他の材料で作成することができる。
【0044】
本明細書でなされる説明をよりよく理解するために1組の図面が提供されており、概略的に、且つ単なる非限定的な実例として、本発明の保持装置の実施例の実際的な事例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図7】保持装置の実施例の実例の後方斜視図である。
【
図8】保持装置の実施例の実例の左前方斜視図である。
【
図9】保持装置の実施例の実例の右前方斜視図である。
【
図10】尿カテーテルの自由端部分が挿入された
図1~
図9の保持装置の実施例の実例の右前方斜視図である。
【
図11】尿カテーテルの自由端部分が挿入された
図1~
図9の保持装置の実施例の実例の左前方斜視図である。
【
図12】尿カテーテルの自由端部分が挿入された
図1~
図9の保持装置の実施例の実例の後方斜視図である。
【
図13】尿カテーテルの自由端部分が挿入された
図1~
図9の保持装置の実施例の実例の左側面図である。
【
図14】尿カテーテルの自由端部分が挿入された
図1~
図9の保持装置の実施例の実例の右側面図である。
【
図15】尿カテーテルの自由端部分が挿入された
図1~
図9の保持装置の実施例の実例の正面図である。
【
図17】尿カテーテルの自由端部分が挿入され、使用者上の使用時位置にある状態の、すなわち、タブが、たとえば使用者の下着の最上部から吊されている、
図1~
図9の保持装置の実施例の左前方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1~
図17を参照して、本発明の実施例のいくつかの実例を以下に記載する。
【0047】
図1~
図9に示すように、本発明の考えられる実例によれば、尿カテーテルの自由端部に結合し、この自由端部を使用者の身体の外部の要素上に保持するように構成された保持装置(50)が提供され、保持装置(50)は、
- 長手方向「X」に延在し、尿カテーテルの端部分を受けて収容するための内側凹部(54)を有する第1の部分(51)であり、
- 第1の部分(51)の後方上端部から、使用者の身体の外部の要素に保持装置(50)を解除可能に締結するように構成されたタブ(53)が出現する、第1の部分(51)と、
- 第2の横方向の「Y」方向に延在する第2の部分(52)であり、第2の部分(52)が、尿カテーテルの摺動弁の少なくとも一部を受けて収容するための内部凹部(62)を有する、第2の部分(52)と
を備える、モノブロックな本体を有する剛性の本体によって形成される。
【0048】
この実施例では、タブ(53)は第1の部分(51)の最上端部から下向きに、第1の部分51のほぼ最下方部分へと延在する。タブ(53)の延在方向は長手方向「X」に対してわずかに傾いており、つまり、タブ(53)が下向きに延在するにつれて、タブ(53)は第1の部分(51)の表面からわずかに離れるように動く(
図3及び
図4を参照)。
【0049】
この実施例では、第1の部分(51)は(すなわち「C」形状の断面を有する)細長い半円筒の本体によって構成され、これはストップ部分(55)によって最上部において閉じられ、溝の内側の凹部(54)は、尿カテーテルの連結部(70a)の一部をぴったりと受けるような寸法を有する。最上部のこのストップ部分(55)は、カテーテルの出口ポートを隔てる漏出防止要素を支持する機能を有する。
図1に示すように、第1の部分(51)の幅は上方部から第2の部分(52)に結合する下方部へと狭まり、つまり、第1の部分(51)は円錐形の玉座セグメント(conical throne segment)の形をとる本体を有する。
【0050】
ストップ部分(55)は厚みの薄い平坦な要素によって形成され、これは、保持装置の第1の部分のストップ部分(55)の内側から突出する、凸形の表面を備えた漏出防止要素(56)の支持体として機能する(
図1、
図3、及び
図4を参照)。このストップ部分55は、たとえば円形の形状を有してもよい(
図5を参照)。
【0051】
好ましくは、漏出防止要素(56)又は封止要素は、保持装置の第1の部分(51)のストッパ部分(55)の内側の突出要素によって構成され、漏出防止要素(56)は、カテーテル又は尿カテーテル連結チューブの末端開口の内部に完璧に嵌合するように構成され、それによってその封止を生じさせ、それによっていかなる量の液体も保持装置の外側に出ることを防止する。
図16には、わずかに半円形の外形を備えた漏出防止要素(56)が、どのように開口を通って入り、どのようにカテーテル又は尿カテーテル連結チューブの端部に挿入されてマウントされるかが示される。
【0052】
実施例のこの実例では、第2の部分52は、横方向に延在するが第1の部分(51)より長さが短く、やはり半円筒として形状設定された(すなわち「C」形状の断面を有する(
図3を参照))細長い本体によって構成される。半分にされたロッド形状の表面の後方部は(61)によって示されており、内側凹部は(62)によって示されており、この「C」形状の部分の内側に作り出される内側凹部(62)は、(作動ボタン(72)が位置付けられた部分に対応する)尿カテーテルの摺動弁(71)の少なくとも一部を、圧力下で挿入されるとぴったりと受けるような寸法を有する。さらに、
図8~
図9において明確に見て取れるように、第2の部分(52)の横方向本体は、その端部の一方では開いて、開いた左側部分(60)を形成し、それにより、摺動弁(71)の一部は端部にある作動ボタン(72)と共に突出することができる。他方の端部では、第2の部分(52)の横方向本体は開放防止壁(57)によって閉じられ、開放防止壁(57)は内側面(57a)及び外側面(57b)を有し、その下部に小さい開口(58)を有し、この開口(58)は、視力が低下した人々が使用するための、カテーテルの位置の触知認識システムを収容するためのものである。加えて、第2の部分(52)は、その中央下方部に、カテーテルの下方連結部(70b)が通るための「C」形状の入口の形をとる開口(59)を有する。
図1には、中央開口(59)が第1の部分(51)の長手方向軸「X」に完全に位置合わせされていることが明確に示されている。
【0053】
図10~
図16を参照すると、そこには保持装置(50)のこれまでの図と同じ実例が示されているが、この場合、尿カテーテル(10)の自由端部分が保持装置(50)に好都合に挿入された状態で示されている。図示されている特定の場合においては、2方向カテーテルとして知られている尿カテーテル(10)が示されており、カテーテルの自由端部、及び可撓性チューブ(74)の一部のみが描かれており、可撓性チューブ(74)の残りの部分、及び
図17に示される尿道を通じた使用者の膀胱への導入部(14)は描かれていない。尿カテーテル(10)は、その自由端部又は連結端部に、横方向に配置された、シリンダの内側で動くプランジャの形をとる摺動弁として構成された弁(71~72)を有する。示される尿カテーテル(10)の場合、これは2方向タイプのカテーテルである。カテーテル(10)の
図10~
図16には接合部(73)も示され、接合部(73)は、チューブの2次チャネルを通ってバルーンが存在する導入端部へと進入する液体で膨張する、導入端部(図示せず)に配置されたバルーンに連結する。本体70aの端部には、尿バッグなどの(図には示されていない)連結要素を連結させることができる開口が形成される。このバルーンを使用して、尿カテーテル(10)をその所定の位置で膀胱に固定することができる。
【0054】
欧州特許第EP2872194A1号に記載したものと同じであるので、この報告では尿カテーテル(10)又は弁(71~72)の内部の機能については説明しない。
【0055】
具体的には、
図16にはカテーテル(10)の端部分の考えられる構成が示され、これは、直径が縮小する、ずらされた形態の中央オリフィス(76)が提供された端部を有し、口部(76a)において上方で終わる。この図では、凸形の隆起部(56)がどのように中央オリフィス(76)の上方口部(76a)の内部に完璧に嵌合しているのかが明確に理解される。
【0056】
図16には、弁(71~72)のボタンに対向する部分がどのように開放防止壁(57)の内側面(57a)に接触した状態で配置されているのかも示される。この位置では弁は閉じられており、つまり、中央オリフィス(76)の内側を通る流体の通過が防止されている。
【0057】
具体的には、
図17には、尿カテーテルの端部分が内部に挿入された状態の保持装置(50)が示され、タブを用いて使用者の下着(75)の最上部に上下反対に吊されている。チューブ(74)が、膀胱に到達するまでどのように下着の下に隠されているかが見て取れる。排出端部へと向かう尿の流れの方向も示されている。このように、チューブ(74)が不快でないように使用者の衣類の(75)ある箇所に固定されることにより、一般に使用者の外傷及び出血の原因となるチューブ(74)の望ましくない引っ張りを防止することが可能になり、使用者が完全に普通に且つ快適に身体的活動を実施することが可能になる。
【0058】
本発明の具体的な実施例を参照してきたが、記載した保持装置及び保持装置組立体は多くの変更及び修正が可能であり、添付の特許請求の範囲によって定義された保護範囲から逸脱しない限り言及されたあらゆる詳細を技術的に均等な他のものに交換してもよいことは、当業者には明白である。
【国際調査報告】