(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】失禁・胃瘢痕の芳香パッチ
(51)【国際特許分類】
A61L 9/12 20060101AFI20230118BHJP
A61F 13/84 20060101ALI20230118BHJP
A61F 5/441 20060101ALI20230118BHJP
A61L 15/12 20060101ALI20230118BHJP
A61L 15/14 20060101ALI20230118BHJP
A61L 15/24 20060101ALI20230118BHJP
A61L 15/26 20060101ALI20230118BHJP
A61L 15/46 20060101ALI20230118BHJP
A61L 15/18 20060101ALI20230118BHJP
A61L 15/58 20060101ALI20230118BHJP
A61L 15/20 20060101ALI20230118BHJP
A45D 34/02 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
A61L9/12
A61F13/84
A61F5/441
A61L15/12
A61L15/14
A61L15/24 100
A61L15/26 100
A61L15/46 100
A61L15/18 100
A61L15/58 100
A61L15/20 100
A45D34/02 510A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529785
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2019082321
(87)【国際公開番号】W WO2021098976
(87)【国際公開日】2021-05-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522200292
【氏名又は名称】レンダ, ニコラ
【氏名又は名称原語表記】RENDA, Nicola
【住所又は居所原語表記】Schleifetobelweg 22, 8810 Horgen Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】レンダ, ニコラ
【テーマコード(参考)】
3B200
4C081
4C098
4C180
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BB25
3B200DF20
4C081AA03
4C081AA12
4C081AC04
4C081BB01
4C081BB04
4C081BB07
4C081BB08
4C081BC02
4C081BC03
4C081CA021
4C081CA081
4C081CA161
4C081CA211
4C081CA231
4C081CB041
4C081CE11
4C081CG08
4C081DA02
4C081DA04
4C081DA05
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4C081DC04
4C081DC06
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4C098DD10
4C098DD24
4C098DD28
4C180AA13
4C180CA07
4C180CA08
4C180EB02X
4C180EB06X
4C180EB06Y
4C180EB07X
4C180EB08X
4C180EB12X
4C180EB24Y
4C180EB30Y
4C180EB34Y
4C180MM03
4C180MM06
(57)【要約】
本発明は、芳香剤、特に芳香パッチを放出することができる接着装置に関する。本発明は更に、失禁又は回腸造瘻術に関連する副作用の処置におけるその製造及びその使用に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッキング層(2)、接着層(3)、吸収パッド(4)、及び任意に1つ以上の保護ライナー(5)を含む芳香パッチ(1)であって、
前記バッキング層(2)は、引張強さ>25 N/cmを有する生地層であり、
前記接着層(3)は、エタノール/エタノール組成物に耐性のあるポリマー層であり、
前記吸収パッド(4)は、芳香組成物(42)を含み、20g/100cm2を超える前記芳香組成物(42)の吸収容量を有する不織布パッド(43)を含み、
前記吸収パッド(4)は、任意に、前記接着層(3)の反対に接着防止層(41)を含み、
前記保護ライナー(5)は、100ミクロン未満の厚さを有するフィルムである、
ことを特徴とする芳香パッチ(1)。
【請求項2】
前記バッキング層(2)が、65%綿-35%ポリアミドブレンド布帛などの綿-ポリアミドブレンド布帛である、請求項1に記載の芳香パッチ。
【請求項3】
前記接着層(3)がアクリル系ポリマー層である、請求項1に記載の芳香パッチ。
【請求項4】
前記吸収パッド(4)が、前記芳香組成物(42)を含む不織布ビスコース-ポリエステルパッド(43)を含む、請求項1に記載の芳香パッチ。
【請求項5】
前記芳香組成物(42)が、エタノール又はエタノール/水の中の芳香分子の溶液である、請求項1に記載の芳香パッチ。
【請求項6】
前記芳香組成物(42)が、エステル、アルコール、シクロアルケン、ベンゾピロン、及びテルペンからなる群から選択される1つ以上の芳香剤を含む、請求項1に記載の芳香パッチ。
【請求項7】
前記接着防止層(41)が、PEネットなどのポリオレフィンネットである、請求項1に記載の芳香パッチ。
【請求項8】
前記保護ライナー(5)が、シリコーン処理されたPEフィルムなどのシリコーン処理されたポリオレフィンフィルムである、請求項1に記載の芳香パッチ。
【請求項9】
1~60cm2、好ましくは16~36cm2の総表面積を有し、
前記吸収パッドが前記接着層によって完全に囲まれ、及び/又は、
最大厚さは0.5~5mmである、請求項1に記載の芳香パッチ。
【請求項10】
前記保護ライナー(5)の取り外し、
前記パッチを人間の衣服、又は人間に近い物品、特におむつ又はおむつインレイに接着し、
前記パッチをその位置に少なくとも2~4時間保持する、ステップを含む請求項1~9のいずれかに記載の芳香パッチの使用。
【請求項11】
匂い袋(6)に包装され、好ましくは2つの密封可能な複合フィルム(61)を含み、前記フィルムがPET-接着剤-アルミニウム-接着剤-PEの層を含む、請求項1~9のいずれかに記載の芳香パッチ。
【請求項12】
請求項11に記載の多数の前記パッチと、請求項10に記載の使用説明書と、を含むキット(7)。
【請求項13】
回腸造瘻術の副作用を処置/軽減するための、請求項1~9のいずれかに記載の芳香パッチの使用。
【請求項14】
失禁の副作用を処置/軽減するための、請求項1~9のいずれかに記載の芳香パッチの使用。
【請求項15】
バッキング層(2)を設け、続いて、
好ましくは前記接着層を接着バッキング層からバッキング層(2)に転写することによって、接着層(3)で前記バッキング層をコーティングし、続いて、
前記接着層上の所定の位置に吸収パッド(4)を固定し、続いて、
このようにして得られた中間製品を保護ライナー(5)で覆い、
このようにして得られた製品を所望のサイズ及び形状に切断し、それによって本発明の芳香パッチ(1)を得て、
好ましくは2枚の複合フィルム(61)の間に前記芳香パッチを封止することによって、任意選択で、このようにして得られた前記芳香パッチを匂い袋(6)に詰め、
必要に応じて、パックされた多数の前記芳香パッチ及びキット(7)に使用するための説明書を纏める、
ステップを含む請求項1~9のいずれかに記載の芳香パッチの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤を放出することができる接着装置に関する。このような装置は、芳香パッチ、芳香ストリップ、及び香味ステッカーとしても知られている。更に本発明は、その製造、及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の接着装置はそれ自体公知であり、例えば特許文献1に記載されている。適切ではあるが、公知の芳香パッチは、不十分な放出プロフィール及び貯蔵寿命を示す。更に、それを必要とする人による受け入れが制限されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、それを必要とする人に改善された治療を可能にする改善されたパッチを提供する必要がある。従って、本発明の目的は、最新技術のこれらの欠点の少なくともいくつかを軽減することである。特に、本発明の目的は、改善された芳香パッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの目的は、請求項1に記載の芳香パッチによって達成される。本発明の更なる態様は、明細書及び独立請求項に開示されており、好ましい実施形態は、明細書及び従属請求項に開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】(左)は、本発明の芳香パッチの上面図、側面図、及び底面図を概略的に示し、(右)は、吸収パッドの拡大断面を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で使用されるように、用語「a」、「an」、「the」、及び本発明の文脈(特に特許請求の範囲の文脈)で使用される同様の用語は、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書で使用されるように、用語「含む(including、containing、及びcomprising)」は、本明細書では、それらのオープンで非限定的な意味で使用される。
【0008】
本発明は、図面を参照することによってより良く理解されるであろう。
【0009】
より一般的には、第1の態様において、本発明は、改良された芳香パッチ、特に失禁及び胃瘢痕芳香パッチに関する。本発明の当該態様は、以下の図面及び実施例も参照して、以下に更に詳細に説明される。
【0010】
公知のパッチと比較して、本発明のパッチは、芳香剤の改善された分布プロフィールを示す。特に、長く持続する連続的な解放が保証される。更に、パッチの改善された貯蔵寿命を達成することができた。最後に、それを必要とする人による全体的な受け入れを改善することができる。理論に束縛されるものではないが、これらの有益な効果は、請求項1に記載の特徴の組み合わせによって達成されると考えられる。
【0011】
大まかに言えば、本発明は、バッキング層(2)、接着層(3)、吸収パッド(4)、及び任意に1つ以上の保護ライナー(5)を含む芳香パッチ(1)を提供し、ここで、吸収パッド(4)は、芳香組成物(42)を含む支持材(43)を含み、支持材(43)は、接着層(3)の反対側の接着防止層(41)で補完される。
【0012】
当該パッチ及びそれを構成する要素の有利な実施形態を以下に説明する。
【0013】
バッキング層(2):バッキング層は、当該分野で公知であり、好適なものは、引張強度>25N/cmを有する生地層である。
本発明の実施形態では、バッキング層(2)は、65%綿-35%混紡布などの綿-ポリアミド混紡布である。
本発明の実施形態では、バッキング層(2)は白色である。これは、一見すると、設計選択の単純な問題であるように思われるが、芳香パッチの受け入れは、従来の茶色がかったパッチと比較すると、実質的に増加する。
【0014】
接着層(3):接着層は、当該分野で公知であり、適切な接着層は、アルコール性組成物、特にエタノール(「エタノール性組成物」)を含有する(すなわち、エタノール性組成物を含むか、又はエタノール性組成物からなる)組成物に対して耐性がある。
接着層の材料は、広範囲の公知の材料、好ましくはポリマーから選択することができる。本発明の芳香パッチは皮膚に適用されないので、広範囲の接着剤を使用することができる。従って、従来のパッチの制限は適用されない。
本発明の実施形態では、接着層(3)はアクリルポリマー層である。
【0015】
吸収パッド(4):吸収パットは、本発明の芳香パッチの重要な要素である。それは、支持材(43)、芳香組成物(42)、及び任意に接着防止層(41)を含む。支持材は、支持材(43)によって形成された複数の小さな流体の貯蔵容量(44)を含む。
【0016】
支持材(43):支持材は、当該分野で公知であり、適切なものは、不織布パッドであり、これらのパッドは、芳香組成物(42)を含む。典型的には、不織布パッドは、20g/100cm2を超える前記芳香組成物(42)の吸収容量を有する。このような吸収容量は、一旦適用されると、芳香パッチの長期間持続する効果を可能にする。本発明によれば、支持材は、適応的に形成された構造化弾性材料である。例えば、歩く、座る、又はベッドで回転する物理的な動きの際に、支持材(43)と接着層(3)との間のパッチに張力が生じ、その結果、貯蔵容量(44)の突出部の間に短期間の小さな開口部が生じる。
本発明の実施形態では、支持材は、支持材(43)と貯蔵容量(44)との間に配置された弾性長手方向繊維を含む。この実施形態では、その容積の長させん断を小さく保つことができ、突起間の開放時間が短い。これは、芳香分子の長期間の連続放出を可能にする。
本発明の実施形態では、支持材(43)は、特に、非織ビスコース-ポリエステルパッドを含む。
【0017】
接着防止層(41):支持材(43)は、片側に接着防止層で補完されていてもよいし、されていなくてもよい。有利には、吸収パッド(4)は、支持材(43)及び接着防止層(41)を含む。本発明の芳香パッチ内では、接着防止層(41)は、接着層(3)に対向して配置される。
本発明の実施形態では、接着防止層(41)は、PEネットなどのポリオレフィンネットである。
【0018】
芳香組成物(42):芳香組成物は、当該分野で公知である。その芳香は、特定のニーズに応じて選択することができ、好みは意図される市場である。芳香分子は、個々の化合物として、芳香組成物(「オイル」)として、又は溶解形態のいずれかで、市販品である。適切には、芳香組成物(42)は、アルコール又はアルコール/水などのアルコール又はアルコール/水の中の芳香分子の溶液である。
本発明の実施形態では、芳香組成物(42)は、エステル、アルコール、シクロアルケン、ベンゾピロン、及びテルペンからなる群から選択される芳香分子を含む。エステルには、とりわけ、安息香酸ベンジル及びサリチル酸ベンジルが含まれる。アルコールには、とりわけ、ベンジルアルコールが含まれる。ベンゾピロンには、アモント他、キュマリンが含まれる。テルペンには、とりわけ、シトラール、シトロネロール、ゲラニオール、リモネンが含まれる。芳香剤組成物は、1つ以上の異なる芳香剤分子、好ましくは5~20の異なる芳香剤モルデクルの組み合わせを含み得る。本発明の芳香パッチはヒトの皮膚と直接接触しないので、皮膚刺激又はアレルギー反応は軽微な問題である。これは、広範囲の芳香分子及び比較的高用量の芳香分子の選択を可能にする。適切な用量は、オーデコロン(4~8重量%の芳香オイル)、オードトワレ(8~12重量%の芳香オイル)、オーデパフューム(8~15重量%の芳香オイル)、香水(15~30重量%の芳香オイル)及びそれよりも高いことが一般に知られている。
【0019】
保護ライナー(5):保護ライナーは、当該分野で公知であり、適切なものは、100ミクロン未満の厚さを有するフィルムである。保護ライナーは、部分的に重なり合うライナーとして、又は整合する幾何学的形状で配置することができる。
本発明の実施形態では、保護ライナー(5)は、シリコーン処理されたPEフィルムなどのシリコーン処理されたポリオレフィンフィルムである。
【0020】
芳香パッチ(1):本発明の芳香パッチの寸法及び形状は、広い範囲にわたって変化し得る。
本発明の実施形態では、芳香パッチは、2~60cm2、好ましくは16~36cm2の合計表面積を有する。例えば、以下の寸法が適切である: 10×6cm、10×4cm、6×6cm、6×5cm、6×4cm、5×5cm、5×4cm、4×4cm。
本発明の実施形態では、吸収パッド(4)は、1~45cm2、好ましくは9~25cm2の総表面積を有する。適切なものは、例えば、以下のおおよその寸法:9×5cm、9×3cm、5×5cm、5×4cm、5×3cm、4×4cm、4×3cm、3×3cm及び3.6×2cmである。
本発明の実施形態では、芳香パッチは、1~2mmなど、0.5~5mmの間の最大厚さを有する。このような薄く、それにもかかわらず長持ちする芳香パッチを提供することが有利であると考えられる。
本発明の実施形態では、芳香パッチは、長方形又は円形であり、好ましくは、丸い縁部を有する長方形である。
本発明の実施形態では、吸収パッド(4)は、
図1に示すように、接着層(3)によって完全に取り囲まれている。この配置は、例えばおむつ/おむつインレイへの確実な接着を可能にする。
【0021】
匂い袋(6):本発明の芳香パッチは、当技術分野で知られているように、匂い袋(6)に包装することができる。このような匂い袋は、本発明の芳香パッチの主要なパッケージである。好適な匂い袋は、好ましくは、2つの密封可能な複合フィルム(61)を含む。再び、このようなフィルムは公知であり、典型的には以下の層を含む: PET-接着剤-アルミニウム-接着剤-PE。
本明細書に記載の匂い袋は、本発明の芳香パッチに適した一次パッケージである。匂い袋と芳香パッチの特定の組み合わせは、単純な使用と長期の貯蔵寿命の両方を可能にする。本発明の実施形態では、5年の貯蔵寿命が観察される。
適切な匂い袋は、2つの密封可能な複合積層体(61)、特に密封可能なアルミニウム積層体を含む。このようなラミネートは、一方の側にPETコーティングを、アルミニウムラミネートの反対側の部位にPEコーティングを含むことができる。このような複合積層体は、それ自体公知である。典型的には、接着剤層は、複合積層体(61)中のアルミニウム層へのPE及びPETコーティングの信頼性のある結合を可能にする。1つの匂い袋(6)内に1つの芳香パッチ(1)を含むことが好ましい。
【0022】
キット(7):本発明の芳香パッチは、キットの形式で使用者に配達することができる。このようなキット(7)は、多数の芳香パッチ、好ましくは、上記のような一次パッケージにパックされた芳香パッチ、及びパッチを使用するための説明書を含む。従って、このようなキットは、二次パッケージと考えることができる。
【0023】
第2の態様では、本発明は、本明細書に記載されるような芳香パッチの使用に関する。
本発明の当該態様は、以下で更に詳細に説明される:
【0024】
上記で概説したように、本発明の芳香パッチは、環境への芳香分子の長期にわたるほぼ連続的な放出を可能にする。本発明の芳香パッチは、医薬パッチ(経皮デバイスとも呼ばれる)とは基本的に異なる。医薬パッチは、患者の皮膚に適用される。それらは、パッチから皮膚を通ってヒト循環系に薬学的に活性な成分を放出するように適合される。反対に、本発明の芳香パッチは、患者の皮膚に適用されない。むしろ、それらは、人/患者が身体の近くに着用している人の衣服又は装置上に置かれる。このようなデバイスには、おむつ、おむつインレイ等が含まれる。更に、本発明の芳香パッチは、パッチから芳香剤を人から環境中に放出するように適合される。
【0025】
本発明の芳香パッチは、使用が容易であり、それによって影響を受けた人及び看護スタッフによる受け入れを増加させる。本発明のパッチは、パッチから保護ライナー(5)を除去し、このようにして得られたパッチを、人間または人間に近い物品(特におむつ又はおむつインレイ)の衣服に接着し、パッチをその位置に少なくとも2~4時間保持することによって適用/使用することができる。このようにパッチを適用することにより、看護スタッフは最小限の労力しか必要とせず、そのようなパッチを受ける人は全く影響を受けない。これは、重要な利点と考えられ、受け入れを明らかに増加させる。
【0026】
その有益な効果のために、本発明はまた、回腸造瘻術の副作用を処置/軽減するための、本明細書中に記載されるような芳香パッチの使用を提供する。回腸造瘻術とは、小腸の末端又はループを皮膚の表面上に出すことによって形成される外科的開口部のことである。これは重症疾患の場合にのみ行われる。本発明の芳香パッチは、このような基礎をなす重篤な疾患に対処しないことは明らかである。むしろ、それは、このような重篤な疾患に罹患している人々が、正常な社会生活に参加すること、又は少なくとも親族及び看護スタッフを歓迎することを助ける。従って、芳香パッチは、ストーマ芳香パッチと呼ばれることもある。
【0027】
その有益な効果のために、本発明はまた、失禁の副作用を処置/軽減するために、本明細書に記載されるような芳香パッチの使用を提供する。芳香パッチは失禁自体を治療しないことは明らかである。しかし、この病気にかかった人が普通の社会生活に参加するのに役立ちます。従って、芳香パッチは、失禁芳香パッチとも呼ばれる。
【0028】
第3の態様では、本発明は、本明細書に記載の芳香パッチの製造に関する。本発明のこの態様は、以下で更に詳細に説明される:
【0029】
製造のために、公知の技術を本発明の芳香パッチに適用することができる。このような芳香パッチの個々の成分(芳香組成物、保護ライナー、バッキング層、接着層など)は、市販品であるか、又は少なくとも公知の手順に従って入手可能である。
【0030】
本発明を更に説明するために、以下の実施例を提供する。この実施例は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0031】
本明細書に記載の芳香パッチの一連のテスト(
図1)は、以下のように準備及び試験される。
【0032】
1 パッチはそれぞれ6×4cmであり、白色CD弾性布、アクリル接着剤、及び白色吸収パッドを含む。バッキング層は、弾性繊維65%綿、35%ポリアミン化物(MD引張強さ>30N/cm、重量80100g/m2)からなる。接着剤は、55~65g/cm2のアクリルポリマーであり、エタノールに対して抵抗性である。吸収パッドは、芳香組成物と、2×3.6cmの接着防止層としてのポリエチレンネットとを含む白色ビスコース及びポリエステル不織材料である。芳香組成物は、テルペン、エステル、アルコール、ベンゾピロロン、及びシクロアルカンを含むエタノール溶液である。パッチは、保護ライナーとして72~88ミクロンの2枚のシリコーン処理されたLDPEフィルムで補完され、複合材料(PET-接着剤-アルミニウム-接着剤-PE)の密封された匂い袋に詰められる。
2 上記のパッチは、光から遠く離れた涼しく乾燥した状態で保管された場合、5年の貯蔵寿命がある。
3 上記のパッチは、日常的なルーチンの間、高齢者のためのケアセンターにおいて使用された。特定の状況に応じて、パッチは、人のおむつ/おむつインレイに1日に1回、2回、又は3回適用された。
4 看護職員は、次の事項を観察した:
・本発明の芳香パッチは、不快な臭いを首尾よく中和し、このような不快な臭いは、おむつ又はインレイを着用するときにこれまで不可避であった。
・本発明の芳香パッチは、使用において単純かつ信頼性があり、それによって、看護スタッフ、親族、及び罹患した人の両方に対する受け入れを増加させることが見出された。
・驚くべきことに、この単純な手段は、罹患した人々の生命及び幸福に対する欲求を有意に増大させた。
【符号の説明】
【0033】
1 芳香パッチ
2 バッキング層
3 接着層
4 吸収パッド
5 保護ライナー
41 接着防止層
42 芳香組成物
43 支持材
44 貯蔵容量
【国際調査報告】