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特表2023-502743折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造
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  • 特表-折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20230118BHJP
【FI】
A61F9/007 120
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529825
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2020088430
(87)【国際公開番号】W WO2021098155
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】201911148108.4
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522201107
【氏名又は名称】廣州衛視博生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU VESBER BIOTECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】高前應
(57)【要約】
折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造(10)であって、眼球の筋膜内に設けられるように構成されるバルーン本体(100)と、自己閉鎖可能なドレナージ部材(200)とを含み、バルーン本体(100)は、生理食塩水または空気が充填されるバルーンキャビティを有し、バルーン本体(100)は、平面状を呈する第1表面(110)と、曲面状を呈する第2表面(120)と、を有し、バルーン本体(100)は、第1表面(110)に沿う高さが0.2cm~2.0cmであり、ドレナージ部材(200)は、バルーン本体(100)の第2表面(120)に接続され、且つバルーンキャビティに連通する。当該折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造(10)は、眼球の筋膜下で埋め込まれ、バルーン本体(100)の内部に媒体を充填することで裂孔をトッププレスして密閉する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼球の筋膜内に設けられるように構成されるバルーン本体と、自己閉鎖可能なドレナージ部材とを含み、前記バルーン本体は、生理食塩水または空気が充填されるバルーンキャビティを有し、前記バルーン本体は、平面状を呈する第1表面と、曲面状を呈する第2表面と、を有し、前記バルーン本体は、前記第1表面に沿う高さが0.2cm~2.0cmであり、前記ドレナージ部材は、前記バルーン本体の第2表面に接続され、且つ前記バルーンキャビティに連通する、
ことを特徴とする折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造。
【請求項2】
前記ドレナージ部材における一表面は、前記第1表面と共面である、
ことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造。
【請求項3】
前記ドレナージ部材は、ドレナージ管及びドレナージ弁を含み、前記ドレナージ弁は、前記ドレナージ管を介してバルーン本体に接続され、且つ前記バルーンキャビティに連通する、
ことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造。
【請求項4】
前記ドレナージ弁の外面は曲面状を呈する、
ことを特徴とする請求項3に記載の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造。
【請求項5】
前記ドレナージ弁は筒状構造を呈し、且つ、前記ドレナージ弁は、径方向サイズが前記ドレナージ管に接続された一端から対向する他端へ徐々に減少している、
ことを特徴とする請求項4に記載の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造。
【請求項6】
前記ドレナージ弁は最大径方向サイズが0.1cm~1.0cmであり、最小径方向サイズが0.1cm~1.0cmである、
ことを特徴とする請求項5に記載の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造。
【請求項7】
前記ドレナージ管の管径は、前記ドレナージ弁の最小径方向サイズよりも小さい、
ことを特徴とする請求項3に記載の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造。
【請求項8】
固定体をさらに含み、前記固定体は、前記バルーン本体の第2表面に接続され、前記固定体の外向きの端部は丸みを帯びている、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造。
【請求項9】
前記固定体の数は、少なくとも2つである、
ことを特徴とする請求項8に記載の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造。
【請求項10】
少なくとも一対の前記固定体は、対向位置で配置される、
ことを特徴とする請求項9に記載の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚的修復の分野に関し、特に折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造に関する。
【背景技術】
【0002】
網膜剥離は視力に深刻な影響を与える疾患であり、起因により裂孔原性網膜剥離、滲出性網膜剥離及び牽引性網膜剥離に分類される。網膜剥離が一旦黄斑領域に病変すると、患者の視力に非常に直観的に影響し、さらに失明させる。現在、臨床的に網膜剥離を治療する従来方法として、強膜バックリング手術及び硝子体切除術が知られている。新しい、単一の明確な位置を有する裂孔には、強膜バックリング手術を選択することができる。手術中、裂孔の位置を正確に位置決めし、眼球壁にバックルでシリカゲルパッドを固定して内向きにトッププレスして裂孔を密閉することにより、治療効果が実現される。この方法による眼球への損傷がより小さい。異なる部位に複数の裂孔が同時に現れる患者については、硝子体切除術を採用して内部から治療を行って、複数の裂孔を密閉する必要がある。しかし、この方法による眼球の内部への損傷が大きいため、手術後、治癒するまで眼内に媒体を充填する必要がある。また、この2種類の方法は、患者の病状の重症度に応じて異なる選択肢であり、強膜バックリング手術によって正常に治癒できない場合、硝子体切除術を選択して引き続き治癒することができるが、硝子体切除術の手術結果は不可逆的である。
【0003】
従来技術では、米国特許出願公開第2010/305694号明細書では、強膜バックルが記載されている。当該バックルの設計は手術過程における複数の部位の縫合の問題を重点的に解決したが、その治療のアイデアがバックルの概念を突破できず、手術の手法がより最適化されたに過ぎないため、バックル手術の欠陥が解決されていない。米国特許出願公開第2018/185288号明細書では、物質及び当該物質を眼球の硝子体腔内に注入する装置が記載されている。この物質は、硝子体腔内液の流動速度を遅くし、内液の粘度を増加させ、浸出液を自動的に吸収させ、治療効果を達成することができる。しかし、この物質の作用する部位はねらいがはっきりしておらず、この物質は硝子体腔内の代謝バランスに作用し、且つ、その手術は眼内硝子体に関し、外科手術による人間の目の自然な硝子体へのあらゆる介入は不可逆的であるため、この手術による患者の硝子体への損傷も甚大となる。
【発明の概要】
【0004】
これに基づいて、手術の切開範囲を小さくし、眼外筋を伸ばさず、患者の手術後の不快感がなく、手術の操作が簡単で、難易度が低く、手術に必要な時間が短い折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造を提供する必要がある。
【0005】
折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造であって、眼球の筋膜内に設けられるように構成されるバルーン本体と、自己閉鎖可能なドレナージ部材とを含み、前記バルーン本体は、生理食塩水または空気が充填されるバルーンキャビティを有し、前記バルーン本体は、平面状を呈する第1表面と、曲面状を呈する第2表面と、を有し、前記バルーン本体は、前記第1表面に沿う高さが0.2cm~2.0cmであり、前記ドレナージ部材は、前記バルーン本体の第2表面に接続され、且つ前記バルーンキャビティに連通する。
【0006】
一実施例において、前記ドレナージ部材における一表面は、前記第1表面と共面である。
【0007】
一実施例において、前記ドレナージ部材は、ドレナージ管及びドレナージ弁を含み、前記ドレナージ弁は、前記ドレナージ管を介してバルーン本体に接続され、且つ前記バルーンキャビティに連通する。
【0008】
一実施例において、前記ドレナージ弁の外面は曲面状を呈する。
【0009】
一実施例において、前記ドレナージ弁は筒状構造を呈し、且つ、前記ドレナージ弁は、径方向サイズが前記ドレナージ管に接続された一端から対向する他端へ徐々に減少している。
【0010】
一実施例において、前記ドレナージ弁は、最大径方向サイズが0.1cm~1.0cmであり、最小径方向サイズが0.1cm~1.0cmである。
【0011】
一実施例において、前記ドレナージ管の管径は、前記ドレナージ弁の最小径方向サイズよりも小さい。
【0012】
一実施例において、固定体をさらに含み、前記固定体は、前記バルーン本体の第2表面に接続され、前記固定体の外向きの端部は丸みを帯びている。
【0013】
一実施例において、前記固定体の数は少なくとも2つである。
【0014】
一実施例において、少なくとも一対の前記固定体は、対向位置で配置される。
【0015】
本発明の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造は下記の有益な效果を有する。
(1)本発明の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造では、バルーン本体は、平面状を呈する第1表面と、曲面状を呈する第2表面とを有し、バルーン本体は、前記第1表面に沿う高さが0.2cm~2.0cmであるため、眼球の筋膜の下への埋め込みにより適し、従来技術のように硝子体腔内に埋め込まれる必要がない。眼球の筋膜の下への埋め込みの役割は、より柔軟であるトッププレス物として、外力で剥離した網膜と剥離部位を貼り合わせ、さらにレーザー又は凝縮により裂孔を密閉して、治療の効果を奏することである。
(2)バルーンキャビティの内部充填物は従来技術と異なり、従来技術の充填物質はシリコーンオイルであり、シリコーンオイル分子の直径はバルーン表面の細孔よりも大きいため、シリコーンオイルは滲出することなく、眼内に永久的に保存することができる一方、本発明のバルーンキャビティの内部充填物は生理食塩水又は空気であり、水分子及びガス分子の孔径はバルーン表面の細孔よりも小さいため、徐々に浸透し、埋め込み部位でのバルーンのトッププレス作用は、術後の患者の回復状況に伴って徐々に低下し、患者の術後癒合に至ったら、バルーンを穿刺し、内部の充填媒体を排出し、又は当該バルーンを直接取り出す。
(3)前記ドレナージ弁は、筒状構造を呈し、且つ前記ドレナージ弁の径方向サイズは前記ドレナージ管に接続された一端から対向する他端へ徐々に減少している。ドレナージ弁を円台構造に設計することにより、ドレナージ弁の体積を効果的に縮小して、バルーンを球筋膜下への埋め込みにより適したものにする。
(4)本発明では、バルーン本体の両側に固定体が追加され、当該固定体の作用は、バルーン本体を固定し、バルーン本体の変位を防止し、折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造の安定性を向上させ、治療効果を向上させることである。
(5)本発明では、バルーン本体が眼球の筋膜下で埋め込まれ、バルーン本体の内部に媒体を充填することで裂孔をトッププレスして密閉する。従来技術における強膜バックルと比較すると、本発明ではバックルを固定する必要がなく、ドレナージ部材の部位を縫合して固定して、変位を防止すればいいため、手術中の切開範囲を小さくすることができる。また、バックル固定の必要がないため、眼外筋を伸ばさず、患者の手術後の不快感がない。しかも、手術の操作が簡単で、難易度が低いため、手術に必要な時間が大幅に短縮される。さらに、本発明の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造は、埋め込み時に硝子体内腔の操作に関しないため、人間の目の自然な硝子体に対して干渉を有さず、患者の本来の自然な硝子体が保留される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施例の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造の概略図である。
図2図2は、図1に示す折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造のドレナージ部材の概略図である。
図3図3は、図1に示す折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造の取付部位を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の理解を容易にするために、以下、関連図面を参照して本発明をより全面的に説明する。図面には、本発明の好ましい実施例が与えられる。しかし、本発明は多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載される実施例に限定されるものではない。逆に、これらの実施例を提供する目的としては、本発明の開示内容をより徹底的且つ包括的に理解することである。
【0018】
なお、素子は他方の素子「に固定される」と呼ばれる場合に、他方の素子に直接固定されてもよく、又は中間素子が存在してもよい。一方の素子は、他方の素子に「接続される」と考えられる場合に、他方の素子に直接接続されてもよく、又は中間素子が同時に存在する可能性がある。一方の素子は、他方の素子に「取付られる」と考えられる場合に、他方の素子に直接取り付けられてもよく、又は中間素子が同時に存在する可能性がある。一方の素子は、他方の素子に「設けられる」と考えられる場合に、他方の素子に直接設けられてもよく、又は中間素子が同時に存在する可能性がある。
【0019】
特別な定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学的用語は当業者が一般的に理解する意味と同じである。本発明の明細書に使用される用語は具体的な実施例を説明する目的であるに過ぎなく、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される用語「及び/又は」は一つ又は複数の関連する列挙された項目の任意又は全ての組み合わせを含む。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施例では、眼球の筋膜内に設けられるように構成されるバルーン本体100と、自己閉鎖可能なドレナージ部材200を含む折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造10が提供される。
【0021】
バルーン本体100は、生理食塩水または空気が充填されるバルーンキャビティを有する。バルーンキャビティの内部充填物は従来技術と異なり、従来技術の充填物質はシリコーンオイルであり、シリコーンオイル分子の直径はバルーン表面の細孔よりも大きいため、シリコーンオイルは滲出することなく、眼内に永久的に保存することができる一方、本発明のバルーンキャビティの内部充填物は生理食塩水又は空気であり、水分子及びガス分子の孔径はバルーン表面の細孔よりも小さいため、徐々に浸透し、埋め込み部位でのバルーンのトッププレス作用は、術後の患者の回復状況に伴って徐々に低下し、患者の術後癒合に至ったら、バルーンを穿刺し、内部の充填媒体を排出し、又は当該バルーンを直接取り出す。
【0022】
バルーン本体100は、平面状を呈する第1表面110と、曲面状を呈する第2表面120とを有する。バルーン本体100は、第1表面110に沿う高さが0.2cm~2.0cmであり、ドレナージ部材200は、バルーン本体100の第2表面120に固定接続され、且つバルーンキャビティに連通する。本発明の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造10では、バルーン本体100は、平面状を呈する第1表面110と、曲面状を呈する第2表面120とを有し、バルーン本体100は、第1表面110に沿う高さが0.2cm~2.0cmであるため、眼球の筋膜の下への埋め込みにより適し、従来技術のように硝子体腔内に埋め込まれる必要がない。眼球の筋膜の下への埋め込みの役割は、より柔軟であるトッププレス物として、外力で剥離した網膜と剥離部位を貼り合わせ、さらにレーザー又は凝縮により裂孔を密閉して、治療の効果を奏することである。
【0023】
好ましくは、第2表面120は球面状を呈する。このように、バルーン本体100は球冠構造を呈するようになる。球冠構造のバルーン本体100は、眼球の筋膜下の部位に最大限に適応し、図3に示すように、眼部の異物感を低減することができる。
【0024】
さらに、ドレナージ部材200における一表面は、第1表面110と共面である。
【0025】
さらに、ドレナージ部材200は、ドレナージ管220及びドレナージ弁210を含み、ドレナージ弁210は、ドレナージ管220を介してバルーン本体110に接続され、且つバルーンキャビティに連通する。
【0026】
好ましくは、ドレナージ弁210の外面は曲面状を呈する。
【0027】
他の実施例において、ドレナージ弁210は筒状構造を呈する。ドレナージ弁210は、円筒状構造を呈し、且つ、流体排出弁210の径方向サイズがドレナージ管220に接続された一端から対向する他端へ徐々に減少していることが好ましくい。ドレナージ弁210は、筒状構造を呈し、且つ流体排出弁210の径方向サイズはドレナージ管220に接続された一端から対向する他端へ徐々に減少しているように、ドレナージ弁210を円台構造に設計することにより、ドレナージ弁210の体積を効果的に縮小して、バルーンを球筋膜下への埋め込みにより適したものにする。
【0028】
さらに、ドレナージ弁210は、最大径方向サイズが0.1cm~1.0cmであり、最小径方向サイズが0.1cm~1.0cmである。
【0029】
さらに、ドレナージ管220の管径は、ドレナージ弁210の最小径方向サイズよりも小さい。
【0030】
他の実施例において、本発明の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造10は、固定体300をさらに含む。固定体300は、バルーン本体100の第2表面120に取り付けられている。本発明では、バルーン本体100の両側に固定体300が追加され、当該固定体300の作用は、バルーン本体100を固定し、バルーン本体100の変位を防止し、折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造10の安定性を向上させ、治療効果を向上させることである。
【0031】
好ましくは、固定体300の数は少なくとも2つである。少なくとも一対の固定体は、対向位置で配置される。図1を参照すると、固定体300の数は2つ示されたが、他の実施例において、固定体300の数は、他の数、例えば3つ、4つ等であってもよい。
【0032】
さらに、固定体300は、長尺状を呈し、固定体300の外向きの端部は丸みを帯びている。丸みを帯びた端部は、固定体300が眼球に埋め込まれた後の異物感を低減し、治療効果を向上させることができる。
【0033】
本発明では、バルーン本体100が眼球の筋膜下で埋め込まれ、バルーン本体100の内部に媒体を充填することで裂孔をトッププレスして密閉する。従来技術における強膜バックルと比較すると、本発明ではバックルを固定する必要がなく、ドレナージ部材200の部位を縫合して固定して、変位を防止すればいいため、手術中の切開範囲を小さくすることができる。また、バックル固定の必要がないため、眼外筋を伸ばさず、患者の手術後の不快感がなく、手術の操作が簡単で、難易度が低く、手術に必要な時間が大幅に短縮される。さらに、本発明の折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造10は、埋め込み時に硝子体内腔の操作に関しないため、人間の目の自然な硝子体に対して干渉を有さず、患者の本来の自然な硝子体が保留される。
【0034】
上記実施例の折り畳み可能なトッププレス式バルーンは、眼球の筋膜の下への埋め込みに使用され、、外路の裂孔原性網膜剥離を治療するための手術に用いられる。この手術は既に多くの例で実施され、手術後にいずれも裂孔原性網膜剥離を治療する効果を達成したことにより、本発明の折り畳み可能なトッププレス式バルーンの裂孔原性網膜剥離の治療への新たな用途が効果的であると証明される。
【0035】
上記の実施例の各技術的特徴は任意の組み合わせを行うことができる。説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴のすべての可能な組み合わせについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載の範囲であると考えられるべきである。
【0036】
上記の実施例は本発明のいくつかの実施形態のみを示し、その説明は具体的且つ詳細であるが、これによって本発明の特許範囲を限定するものと理解すべきではない。なお、当業者にとって、本発明の構想から逸脱することなく、いくつかの変形及び改良を行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。したがって、本発明の保護範囲は添付する特許請求の範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0037】
10 折り畳み可能なトッププレス式バルーン構造
100 バルーン本体
110 第1表面
120 第2表面
200 ドレナージ部材
210 ドレナージ弁
220 ドレナージ管
300 固定体
図1
図2
図3
【国際調査報告】