(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-25
(54)【発明の名称】組織インターフェースコンポーネントを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 9/20 20060101AFI20230118BHJP
【FI】
A61K9/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529829
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2020082967
(87)【国際公開番号】W WO2021099608
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】503146324
【氏名又は名称】ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】The Brigham and Women’s Hospital, Inc.
(71)【出願人】
【識別番号】596113096
【氏名又は名称】ノボ・ノルデイスク・エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トラバーソ, カルロ ジョバンニ
(72)【発明者】
【氏名】フレズレクスン, モーデン レヴズゴード
(72)【発明者】
【氏名】ウォーター, ヨリット イェロン
【テーマコード(参考)】
4C076
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC50
4C076FF05
4C076FF68
4C076GG11
(57)【要約】
1つ以上の治療薬を含む中実針などの組織インターフェースコンポーネントを製造する方法が、開示される。いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントを製造するための方法は、金型の金型キャビティ内で粒状治療薬を圧縮して、中実の組織インターフェースコンポーネントを形成することを含む。金型キャビティは、金型キャビティの開口部から金型キャビティの遠位端まで長手方向軸に沿って延在する長尺形状を画定し得、粒状治療薬は、金型パンチを遠位端に向けて長手方向軸に沿って移動させることによって、圧縮され得る。粒状治療薬を圧縮して、中実の組織インターフェースコンポーネントを形成した後、金型から組織インターフェースコンポーネントは、取り出されて、続いて、組織に挿入されて、治療薬を対象に送達し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織インターフェースコンポーネントを形成する方法であって、
金型の金型キャビティ中に第1の粒状治療薬を堆積させることであって、前記金型キャビティが、前記金型キャビティの開口部から前記金型内の前記金型キャビティの遠位端における遠位先端まで長手方向軸に沿って延在する長尺形状を画定し、前記遠位先端が、組織への挿入を容易にするようにサイズ決めおよび成形されている、堆積させることと、
前記遠位端に向けて配向された方向に沿って、前記金型内で前記第1の粒状治療薬を圧縮することと、
少なくとも部分的に前記金型内での前記第1の粒状治療薬の圧縮によって、前記第1の粒状治療薬から組織インターフェースコンポーネントを形成することと、
前記金型キャビティから前記組織インターフェースコンポーネントを取り出すことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の粒状治療薬を圧縮することが、
前記金型キャビティの前記開口部に金型パンチを挿入することと、
前記金型パンチを、前記金型キャビティの前記遠位端に向けて前記長手方向軸に沿って移動させることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金型が、前記金型キャビティを形成するように互いに選択的に結合可能な第1の金型部分および第2の金型部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金型が、前記金型キャビティを形成するように互いに結合可能である少なくとも3つの金型部分を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記金型キャビティから前記組織インターフェースコンポーネントを取り出すことが、前記第1および第2の金型部分を分離することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1および第2の金型部分を分離することが、前記第1および第2の金型部分を、前記金型キャビティの前記長手方向軸に平行な分離面に沿って分離することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2の金型セクションが互いに結合されると、前記金型キャビティの前記遠位先端が、前記分離面上に位置付けられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2の金型部分が、前記第1および第2の金型部分が互いに結合されると前記金型キャビティを画定する対応する壁部分を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記第1および第2の金型部分が互いに結合されると、前記壁部分の各々が、前記金型キャビティの前記開口部から前記金型キャビティの前記遠位先端まで延在する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記金型キャビティが、ブラインドキャビティである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記金型キャビティの前記遠位先端が、前記金型キャビティの前記遠位端において尖頭先端または鋭利な縁部を画定する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記長手方向軸が、垂直方向と整列し、前記第1の粒状治療薬を前記金型キャビティ中に堆積させることが、前記第1の粒状治療薬を前記垂直方向に沿って堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の粒状治療薬を前記金型キャビティ中に堆積させた後、前記金型キャビティ中に第2の粒状材料を堆積させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記金型内で前記第1の粒状治療薬を圧縮することが、前記金型内で前記第1の粒状治療薬および前記第2の粒状材料を一緒に圧縮することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記組織インターフェースコンポーネントが、前記第1の粒状治療薬から形成された遠位部分と、前記第2の粒状材料から形成された近位部分と、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記金型から前記組織インターフェースコンポーネントを取り出すことが、前記金型から前記組織インターフェースコンポーネントを排出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
組織インターフェースコンポーネントを形成する方法であって、
金型中に第1の粒状治療薬を堆積させることと、
前記第1の粒状治療薬の少なくとも一部分に20MPa以上の圧力を印加して、前記第1の粒状治療薬を圧縮し、前記組織インターフェースコンポーネントを形成することと、を含み、
前記治療薬が、前記組織インターフェースコンポーネントの総重量の80重量%以上を含み、
前記組織インターフェースコンポーネントが、5N以下の力でヒト胃腸粘膜組織を少なくとも1mm貫通するように構成されている、方法。
【請求項18】
前記第1の粒状治療薬に前記圧力を印加することが、
前記金型の金型キャビティの開口部に金型パンチを挿入することと、
前記金型パンチを、前記金型キャビティの遠位端に向けて前記金型キャビティの長手方向軸に沿って移動させることと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記組織インターフェースコンポーネントが、組織への挿入を容易にするようにサイズ決めおよび成形された遠位先端を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記組織インターフェースコンポーネントが、0.5mm以上の平均断面寸法を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記組織インターフェースコンポーネントが、針である、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の粒状治療薬を前記金型中に堆積させた後、前記金型中に第2の粒状材料を堆積させることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記金型内で前記第1の粒状治療薬に前記圧力を印加することが、前記金型内で前記第1の粒状治療薬および前記第2の粒状材料に一緒に前記圧力を印加することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記金型の第1および第2の部分を、前記金型の金型キャビティの長手方向軸に平行な平面に沿って分離することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の粒状治療薬が、前記組織インターフェースコンポーネントの総重量の20重量%以下を含む結合剤と混合される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、1つ以上の治療薬を含む針などの、組織インターフェースコンポーネントを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消化(GI)管は、患者を診断および治療するための素晴らしい機会を提供する。これを可能にするスマート投与システムおよび物品の開発は、過去10年間で大幅な成長を示した。送達、および粘膜との相互作用を最大化する上での最も重要な課題のうちの1つは、物品および/または投薬システムと消化粘膜との並置を確保することである。このことを行う以前の試みは、粘膜付着剤の導入、ならびに両面システムの片面のテクスチャリングを含んでいた。経口摂取された薬物は、一般に、血流に入るために消化管組織壁を通して拡散する。典型的な摂取された錠剤または物品は、それらのカーゴをランダムに消化管内に放出し、カーゴが対流および拡散により組織壁に移動することを可能にする。しかしながら、インスリンなどの多くの生物学的薬物は、固形製剤に収容されていても、例えば酵素によって分解されるため、消化管内の液体中を移動することができない。
【0003】
加えて、市場に出回っている多くの調合薬製剤は、多数のワクチン、RNA、およびペプチドを含む、注入による投与を必要とする。注入は、従来、中空の針を通過し、かつ静脈内的または筋肉内的に体内に入る液体製剤の使用を伴う。しかしながら、これらの液体製剤は、医薬品有効成分(API)を不安定にする可能性があり、したがって、必要な希釈のために冷蔵が必要になり、および/または投与量の大部分が大幅に増加し得る。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、組織インターフェースコンポーネントを形成する方法は、第1の粒状治療薬を金型の金型キャビティ中に堆積させることを含む。金型キャビティは、金型キャビティの開口部から金型内の金型キャビティの遠位端における遠位先端まで長手方向軸に沿って延在する長尺形状を画定し、遠位先端は、組織への挿入を容易にするようにサイズ決めおよび成形されている。この方法は、遠位端に向けて配向された方向に沿って、金型内で第1の粒状治療薬を圧縮することと、少なくとも部分的に金型内での第1の粒状治療薬の圧縮によって、第1の粒状治療薬から組織インターフェースコンポーネントを形成することと、金型キャビティから組織インターフェースコンポーネントを取り出すことと、をさらに含む。
【0005】
別の実施形態では、組織インターフェースコンポーネントを形成する方法は、金型内に第1の粒状治療薬を型に堆積させることと、第1の粒状治療薬の少なくとも一部分に20MPa以上の圧力を印加して、第1の粒状治療薬を圧縮し、組織インターフェースコンポーネントを形成することと、を含む。治療薬は、組織インターフェースコンポーネントの総重量の80重量%以上を含み、組織インターフェースコンポーネントは、5N以下の力でヒト胃腸粘膜組織を少なくとも1mm貫通するように構成されている。
【0006】
前述の概念、および以下で考察される追加の概念は、任意の好適な組み合わせで配置され得、本開示はこの点に関して限定されないことを理解されたい。さらに、本開示の他の利点および新規な特徴は、添付の図と併せて検討するとき、様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書、および参照により組み込まれる文書が矛盾するおよび/または一貫しない開示を含む場合、本明細書が優先するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の非限定的な実施形態を、概略的であり、かつ縮尺通りに描かれることを意図されない添付の図を参照して、例示として記載する。図では、例示される各同一またはほぼ同一の構成要素は、通常、単一の数字で表される。明確にするために、あらゆる構成要素があらゆる図でラベル付けされているわけではなく、当業者が本発明を理解することを可能にするために例示図が必要でない場合、本発明の各実施形態のあらゆる構成要素が示されるわけでもない。図において、
【
図1】いくつかの実施形態による、組織インターフェースコンポーネントを形成するための金型の概略図である。
【
図2】金型内に堆積された粒状治療薬をさらに例示する、
図1の金型の概略図である。
【
図3】金型に受容された金型パンチおよび粒状治療薬をさらに例示する、
図1の金型の概略図である。
【
図4】組織インターフェースコンポーネントを取り出すための金型部分の分離をさらに例示する、
図1の金型の概略図である。
【
図5】2つの粒状材料が金型に受容された、
図1の金型の概略図である。
【
図6A】いくつかの実施形態による、組織インターフェースコンポーネントを形成するための金型の斜視図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、組織インターフェースコンポーネントを投与するための物品の概略図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、組織インターフェースコンポーネントを投与するための物品の概略断面図である。
【
図9】いくつかの実施形態による、組織インターフェースコンポーネントを投与するための物品の投与の概略例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者らは、医薬品有効成分(API)、または組織に注射または他の方法で物理的に挿入され得る他の治療薬を含む組織インターフェースコンポーネントと関連付けられた多くの利点を認識および評価した。例えば、いくつかの生物学的治療製品(例えば、ペプチドまたはより大きな分子)は、胃腔から十分に吸収されない場合がある(例えば、経口摂取後)。このような製品の吸収を増加させるために、治療薬を、粘膜組織(例えば、胃の周囲)または他の好適な組織中に物理的に堆積させ得る。したがって、本発明者らは、組織(例えば、粘膜組織)に挿入され、続いて吸収のためにAPIを組織に放出するように構築および配置されたAPIを含有する組織インターフェースコンポーネントを製造するための方法と関連付けられた多くの利点を認識および評価した。本明細書で使用される場合、「治療薬」という用語(「薬物」、「医薬品有効成分」、または同様の用語とも呼ばれる)は、疾患、障害、または他の臨床的に認識される異常を治療するために、または予防目的で、対象に投与され、かつ疾患、障害、または異常を治療および/または予防するための対象の身体に対する臨床的に有意な効果を有する薬剤を指す。さらに、これらの用語は、様々な実施形態において交換可能に使用され得、本開示は、特定のタイプの治療薬に限定されない。
【0009】
いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、長尺構造(例えば、長尺の円筒形または角柱状構造)として構成され得、組織インターフェースコンポーネントは、尖頭遠位先端を有し得、これは、粘膜組織または他の好適な組織などの組織への組織インターフェースコンポーネントの貫通を容易にし得る。したがって、いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、組織に注射され得る針または同様の長尺構造として本明細書に記載される場合があり、注射後、針は、少なくとも部分的に溶解し、1つ以上のAPIおよび/または他の治療薬を組織中に放出し得る。
【0010】
いくつかの態様によれば、組織インターフェースコンポーネントを製造するための方法は、金型内で粒状材料を圧縮することを含み得る。例えば、粒状治療薬および/または他の粒状材料(例えば、粉末状APIまたは薬物または他の好適な粉末状または粒状材料)は、金型の金型キャビティ中に堆積または他の方法で装填され得る。金型キャビティは、金型キャビティの開口部から金型キャビティの遠位端に位置付けられた遠位先端まで延在する長手方向軸を画定することができ、金型キャビティの遠位先端は、金型内で閉じられ得る。したがって、金型キャビティは、本明細書ではブラインドホールドまたはブラインドキャビティと呼ばれることがある。粒状治療薬を装填した後、粒状治療薬を、実質的に長手方向軸に沿って遠位先端に向けて配向された方向に沿って金型キャビティ内で圧縮し、組織インターフェースコンポーネントとし得る。中実の、または実質的に中実の組織インターフェースコンポーネントは、少なくとも部分的に、粒状治療薬の圧縮によって、金型キャビティ内に形成され得る。いくつかの実施形態では、粒状治療薬のこのような圧縮は、金型パンチを用いて達成され得る。例えば、金型パンチを金型キャビティの開口部に挿入することができ、金型パンチを金型キャビティの遠位端に向けて移動させて、金型キャビティ内の粒状治療薬を圧縮および圧縮成型し、中実の組織インターフェースコンポーネントを形成することができる。このようにして、粒状治療薬から組織インターフェースコンポーネントを形成するために金型パンチによって印加される圧縮力は、組織インターフェースコンポーネントの長手方向軸に実質的に沿って方向付けられ得る。例えば、上記に述べたように、いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントを針として形成することができ、したがって、金型パンチによって印加される圧縮力は、針先端に向けて針の長手方向軸に沿って印加され得る。
【0011】
いくつかの事例では金型中で治療薬を圧縮し、それによって、組織インターフェースコンポーネントを形成した後、組織インターフェースコンポーネントを金型から取り出され得る。いくつかの実施形態では、金型は、組織インターフェースコンポーネントのこのような取り出しを容易にするように構築および配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、金型は、金型キャビティを形成するために互いに結合され得る、対応する第1および第2の金型部分から形成され得る。例えば、各金型部分は、金型部分が結合されると金型キャビティを画定する壁部分を含み得る。いくつかの実施形態では、金型部分は、組織インターフェースコンポーネントの長手方向軸に実質的に平行である平面に沿って分離可能であり得る。例えば、各金型部分の壁部分は、金型部分が、結果として生じる形成された組織インターフェースコンポーネントの幾何学形状と適切に整列されて、金型部分を分離することを可能にし、かつ組織インターフェースコンポーネントの取り出しを可能にする分割線で互いに結合されると、組織インターフェースコンポーネントのおよそ半分を画定するように構成され得る。
【0012】
本明細書で使用される場合、粒状材料は、一般に、圧縮および圧縮成型されて実質的に中実の塊を形成し得る複数の別個の中実の粒状体または粒子を含む粉末材料などの材料を指す。例えば、粒状治療薬は、金型内で圧縮成型されて中実の薬物含有コンポーネントを形成し得る、粉末状薬物または他の粉末状APIを含み得る。
【0013】
上記に述べたように、いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、尖頭遠位先端を有する針または他の長尺構造として形成され得る。いくつかの実施形態では、金型キャビティは、粒状治療薬が金型キャビティ内で圧縮されるとこのような特徴を形成するように構成され得る。例えば、金型キャビティの開口部の反対側の金型キャビティの遠位端は、所望の幾何学形状に対応する形状を有し得る。粒状治療薬が金型パンチで圧縮されると、粒状治療薬は、金型キャビティの幾何学形状に形状追従して、組織への挿入を容易にするように構成された所望の遠位先端幾何学形状(例えば、尖頭先端または他の好適な幾何学形状)を有する中実の組織インターフェースコンポーネントを形成し得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数の粒状材料を金型キャビティに堆積させて、組織インターフェースコンポーネントを形成し得る。例えば、第1の粒状材料(例えば、粒状治療薬)を、最初に金型キャビティ中に堆積させて、組織インターフェースコンポーネントの遠位部分を形成することができ、第2の粒状材料(例えば、第2の粒状治療薬または他の粒状材料)を、続いて金型中に堆積させて、組織インターフェースコンポーネントの近位部分を形成することができる。第1および第2の粒状材料は、金型パンチで圧縮されて、第1および第2の粒状材料を圧縮成型および固化し、それによって、組織インターフェースコンポーネントを形成することができる。しかしながら、本開示はそのようには限定されず、第1および第2の粒状材料が別々の圧縮ステップで圧縮される実施形態もまた企図される。いくつかの実施形態では、このような配置は、組織に注入または他の方法で挿入された後の溶解のために、所望の治療薬を組織インターフェースコンポーネントの遠位部分に局在化させることを可能とすることができ、第2の粒状材料は、組織インターフェースコンポーネントに、組織への挿入を容易にするための構造的支持を提供することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、比較的高装填の医薬品有効成分(例えば、薬物または他の治療薬)を含み得る。特定の実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、治療薬が組織インターフェースコンポーネントの重量の約100%を含むように、完全に治療薬(例えば、API)から形成され得る。多の実施形態では、組織インターフェースコンポーネントが形成される粒状治療薬は、固形治療薬(例えば、固形API)と、任意選択的に、固形治療薬が組織インターフェースコンポーネントの総重量に対して、比較的高量(例えば、80重量%以上)でコンポーネント中に存在するように支持材料(例えば、ポリマーなどの結合剤)と、を含む。治療薬が高装填されたこのような組織インターフェースコンポーネントは、(例えば、対象への)API用量の送達に有用であり得る。有利なことに、いくつかの実施形態では、液体製剤と比較して所望のAPI用量を送達するための体積の減少は、多様な箇所/組織(例えば、舌、消化粘膜組織、皮膚)における多種多様な薬物のための中実針送達システムの作成を許容し得る。開示された構造はまた、針の小さな開口部を通して薬液を注入するために、外力の印加を低減および/または排除し得る。いくつかの場合では、生理学的に適切な用量が、単一の組織インターフェースコンポーネント中に存在し得る(例えば、比較的高いAPI装填を有する)。
【0016】
特定の実施形態に応じて、金型パンチ、および関連付けられた作動システム、または他の適切なシステムを構築および配置して、任意の好適な量の圧力を印加して、粒状治療薬を圧縮および圧縮成型して、中実の組織インターフェースコンポーネントを形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、少なくとも1MPaの圧力、少なくとも2MPaの圧力、少なくとも3MPaの圧力、少なくとも5MPaの圧力、少なくとも7MPaの圧力、少なくとも10MPaの圧力、少なくとも12MPaの圧力、少なくとも15MPaの圧力、少なくとも20MPaの圧力、少なくとも25MPaの圧力、少なくとも30MPaの圧力、少なくとも40MPaの圧力、少なくとも50MPaの圧力、少なくとも75MPaの圧力、少なくとも150MPaの圧力、少なくとも300MPaの圧力、少なくとも600MPaの圧力、少なくとも900MPaの圧力、少なくとも1GPaの圧力、または少なくとも1.2GPa圧力を使用して形成される。いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、1.4GPa以下の圧力、1.2GPa以下の圧力、1GPa以下の圧力、900MPa以下の圧力、600MPa以下の圧力、300MPa以下の圧力、150MPa以下の圧力、100MPa以下の圧力、75MPa以下の圧力、50MPa以下の圧力、40MPa以下の圧力、30MPa以下の圧力、25MPa以下の圧力、20MPa以下の圧力、15MPa以下の圧力、12MPa以下の圧力、10MPa以下の圧力、7MPa以下の圧力、5MPa以下の圧力、3MPa以下の圧力、または2MPa以下の圧力を使用して形成される。上記に言及した範囲の組み合わせもまた、可能である(例えば、少なくとも1MPaの圧力かつ100MPa以下の圧力、および少なくとも20MPaの圧力かつ100MPa以下の圧力、少なくとも100MPaかつ1.4GPa以下の圧力)。いくつかの実施形態では、印加される圧力は、約25MPa~約1000MPaであり得る。他の範囲もまた、可能である。
【0017】
いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、特定の最大寸法(例えば、長さ)を有する。特定の実施形態では、組織インターフェースコンポーネントの長さは、約1mm~約10mm(例えば、約1.5mm~約8mm)であり得る。いくつかの実施形態では、長さは、1mm以上、2mm以上、3mm以上、5mm以上、7mm以上、または10mm以上である。いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントの最大寸法は、10mm以下、7mm以下、5mm以下、3mm以下、2mm以下、または1.5mm以下である。上記に言及した範囲の組み合わせもまた、可能であり、最も、上記に述べたものよりも大きい寸法および小さい寸法の両方もまた、企図される。
【0018】
特定の実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、約0.5mm~約2mm(例えば、約0.8mm~1.6mm)の構成要素の最大寸法(例えば、直径)に対して垂直である平均断面寸法を有する。いくつかの実施形態では、直径は、0.5mm以上、0.6mm以上、0.7mm以上、0.8mm以上、0.9mm以上、1mm以上、1.1mm以上、1.2mm以上、1.3mm以上、1.4mm以上、1.6mm以上、または1.8mm以上であり得る。いくつかの実施形態では、組織界面コンポーネントは、2.0mm以下、1.9mm以下、1.7mm以下、1.5mm以下、1.4mm以下、1.3mm以下、1.2mm以下、1.1mm以下、1mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.6以下、または0.5mm以下の平均断面寸法を有する。上記に言及した範囲の組み合わせもまた、可能である(例えば、0.5mm以上および2.0mm以下)。他の範囲もまた、可能である。
【0019】
本開示のいくつかの態様によれば、本明細書に記載される方法を使用して製造された組織インターフェースコンポーネントは、患者が摂取することができるデバイスを介して投与され得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、物品が表面(例えば、対象の組織の表面)に対して物品自体を配向させ得るように構成され得る、自己回復物品であり得る。本明細書に記載される自己回復物品は、表面(例えば、対象の組織の表面)と係合する(例えば、とインターフェースする、に注入する、を留止する)ように構成された1つ以上の組織係合表面を含み得る。例えば、自己回復物品は、表面に近接する任意の配向で置かれ得、自己回復物品は、組織係合表面が表面と接触する(例えば、直接接触する)ように自己回復物品自体を(再)配向する。いくつかの実施形態では、自己回復物品は、例えば、物品の自己回復挙動を可能にする特定の形状および/または密度(または質量)の分布を有し得る。いくつかのこのような実施形態では、自己回復物品を包含するカプセルは、対象に投与され得る(例えば、消化管などの対象の体内の場所への自己回復物品の送達のために)。いくつかの実施形態では、自己回復は、組織インターフェースコンポーネントおよび/または医薬品を含み得る(例えば、対象の体内の場所への活性医薬品の送達のために)。いくつかの場合では、自己回復物品は、組織が物品の組織係合表面と接触すると1つ以上の組織インターフェースコンポーネントを解放するように、構成され得る。いくつかの場合では、組織インターフェースコンポーネントは、自己作動コンポーネントと関連付けられている。例えば、自己回復物品は、流体への曝露時に、組織インターフェースコンポーネントを自己回復物品から解放するように構成された自己作動コンポーネントを含み得る。いくつかの場合では、組織インターフェースコンポーネントは、医薬品を包含し、および/または医薬品と関連付けられ得る(例えば、対象の体内の場所への送達のために)。
【0020】
いくつかの場合では、組織インターフェースコンポーネントは、特定の力でヒト胃腸粘膜組織内への特定の深さを貫通するように構成され得る。例えば、組織インターフェースコンポーネントは、30N以下(例えば、30N以下、20N以下、10N以下、または5N以下の力で、1mm以上(例えば、2mm以上、3mm以上、4mm以上、または5mm以上)を貫通するように構成され得る。特定の実施形態では、貫通力は、約6N~約30Nの間であり得る。もちろん、本開示はそのようには限定されず、上記に述べたものよりも大きい貫通深さおよび力と小さい貫通深さおよび力との両方もまた、企図される。
【0021】
いくつかの場合では、組織インターフェースコンポーネントは、対象の組織の1平方センチメートル当たり特定の量の活性医薬品を送達するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、組織インターフェースコンポーネントの貫通場所に近接する対象の組織の1平方センチメートル当たり、0.01μg以上、0.05μg以上、0.1μg以上、0.2μg以上、0.5μg以上、0.7μg以上、1μg以上、2μg以上、5μg以上、または10μg以上の医薬品を送達するように構成されている。特定の実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、組織の1平方センチメートル当たり、20μg以下、5μg以下、2μg以下、1μg以下、0.7μg以下、0.5μg以下、0.2μg以下、0.1μg以下、または0.05μg以下の医薬品を送達するように構成されている。上記に言及した範囲の組み合わせもまた、可能である(例えば、1μg以上および20μg以下)。いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、任意の好適な期間にわたって(例えば、0.1秒以上で、0.5秒以上で、1秒以上で、5秒以上で、30秒以上で、1分以上で、5分以上で、10分以上で、30分以上で、1時間以上で、4時間以上で、24時間以上で、48時間以上で、72時間以上で、96時間以上で、120時間以上で、144時間以上で、168時間以上で)、対象の組織の1平方センチメートル当たり1μg以上の薬剤を送達するように構成されている。もちろん、本開示はいかなる特定の用量および/または期間にも限定されず、上記に述べたものとは異なる超過期間の、上記に述べたものよりも多い用量と少ない用量との両方の送達もまた、企図される。
【0022】
いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、結合剤を含む。好適な結合剤の非限定的な例には、ソルビトールおよびスクロースなどの糖、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリカプロラクトン(PCL)、およびポリビニルピロリドン(PVP)などのポリマー、ならびにエタノールまたは他のクラス3の有機溶媒(例、酢酸、ヘプタン、アセトン、ギ酸、酢酸イソブチルなど)を含むポリマーが挙げられる。
【0023】
例示的な実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、物品の総重量に対して80重量%以上の固形活性医薬品を含む。特定の実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、1mg以上の活性医薬品を含む。いくつかの実施形態によれば、医薬品は、バクテリオファージ、DNA、mRNA、インスリン、ヒト成長ホルモン、モノクローナル抗体、アダリムマブ、エピネフリン、およびオンダンセトロンからなる群から選択される。特定の例示的な実施形態では、活性医薬品を金型に流し込んで、組織インターフェースコンポーネントを形成する。いくつかの実施形態では、金型は、遠心分離される。特定の実施形態によれば、組織インターフェースコンポーネントは、結合剤をさらに含む。特定の実施形態では、結合剤は、ソルビトールまたはスクロースなどの糖、ゼラチン、PVA、PEG、PCL、PVA、またはPVPなどのポリマー、および/またはエタノールを含む。特定の実施形態によれば、組織インターフェースコンポーネントは、100MPa以上のヤングの弾性率を有する。いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、20mN以下の力でヒト胃腸粘膜組織に少なくとも1mm貫通するように構成されている。特定の実施形態によれば、組織インターフェースコンポーネントは、対象の組織の1平方センチメートル当たり少なくとも1mgの医薬品を送達するように構成されており、および/または組織インターフェースコンポーネントは、1平方センチメートル当たり1mg以上の活性医薬品を含む。
【0024】
特定の非限定的な一実施形態では、組織インターフェースコンポーネントを形成する方法は、金型に、組成物の総重量に対して80重量%超の固形医薬品を含む組成物を導入することと、組成物に1MPa以上の圧力を印加し、組成物を、少なくとも1分間、少なくとも70℃の温度まで加熱することと、を含む。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載される方法は、薬物、栄養素、微生物、インビボセンサー、およびトレーサーなどの1つ以上の治療薬と適合性がある。いくつかの実施形態では、治療薬は、薬剤、生物剤、ニュートラシューティカル剤、予防薬、診断用薬、造影剤(すなわち、イメージング用)、または対象の体内に注射され得る任意の他の適切な薬剤である。明細書の多くは、医薬品有効成分の使用について記載しているが、本開示はそのようには限定されず、任意の適切な用途のための任意の所望の治療薬が使用され得ることを理解されたい。
【0026】
治療薬は、対象(例えば、ヒトまたは非ヒト動物)に投与されると、局所的および/または全身的作用による、所望の薬理学的、免疫原性、および/または生理学的効果を誘導する、任意の合成または天然に存在する生物学的に活性な化合物または物質の組成物を含むことができるが、これらに限定されない。例えば、特定の実施形態の文脈内で有用または潜在的に有用であるのは、薬物、ワクチン、および生物医薬品と従来見なされている化合物または化学物質であり、特定のこのような薬剤は、医学的または獣医学的治療、予防、診断、および/または疾患または病気の緩和(例えば、ロスバスタチンのようなHMG co-Aレダクターゼ阻害剤(スタチン)、メロキシカムのような非ステロイド性抗炎症薬、エシタロプラムのような選択的セロトニン再取り込み阻害剤、クロピドグレルのような血液希釈剤、プレドニゾンのようなステロイド、アリピプラゾールおよびリスペリドンのような抗精神病薬、ブプレノルフィンのような鎮痛薬、ナロキソン、モンテルカスト、およびメマンチンのような拮抗薬、ジゴキシンのような強心配糖体、タムスロシンのようなアルファブロッカー、エゼチミベのようなコレステロール吸収阻害剤、コルチのような代謝産物、ロラタジンおよびセチリジンなどの抗ヒスタミン薬、ロペラミドなどのオピオイド、オメプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬、エンテカビル、ドルテグラビル、リルピビリン、およびカボテグラビルなどの抗(レトロ)ウイルス薬、ドキシサイクリン、シプロフロキサシン、アジスロマイシンなどの抗生物質、抗マラリア薬、およびシントロイド/レボチロキシン);薬物乱用治療(例えば、メタドンおよびバレニクリン);家族計画(例えば、ホルモン避妊薬);パフォーマンス向上(例えば、カフェインのような覚醒剤);および栄養およびサプリメント(例えば、タンパク質、葉酸、カルシウム、ヨウ素、鉄、亜鉛、チアミン、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンD、および他のビタミンまたはミネラルサプリメント)を含むがこれらに限定されない、治療、診断、および/または増強領域での使用のための、タンパク質、ペプチド、ホルモン、核酸、遺伝子構築物などの分子を含み得る。
【0027】
特定の実施形態では、本明細書で使用される場合、「治療薬」という、または「薬物」もしくは「医薬品有効成分」とも呼ばれる用語は、疾患、障害、または他の臨床的に認識される異常を治療するために、または予防目的で、対象に投与され、かつ疾患、障害、または異常を治療および/または予防するための対象の身体に対する臨床的に有意な効果を有する薬剤を指す。知られている治療薬の例のリストは、例えば、United States Pharmacopeia(USP),Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,10th Ed.,McGraw Hill,2001、Katzung,B.(ed.)Basic and Clinical Pharmacology,McGraw-Hill/Appleton&Lange;8th edition(September 21,2000)、Physician’s Desk Reference(Thomson Publishing)、および/またはThe Merck Manual of Diagnosis and Therapy,17th ed.(1999)またはその刊行後のthe 18th ed(2006),Mark H.Beers and Robert Berkow(eds.),Merck Publishing Group,または、動物の場合では、The Merck Veterinary Manual,9th ed.,Kahn,C.A.(ed.),Merck Publishing Group,2005、および“Approved Drug Products with Therapeutic Equivalence and Evaluations,”published by the United States Food and Drug Administration(F.D.A.)(the“Orange Book”)に見出すことができる。ヒトの使用に承認された医薬品の例は、参照により本明細書に組み込まれる、21C.F.R.§§330.5、331~361、および440~460の下で、FDAによって列挙されており、獣医学的使用の薬物は、参照により本明細書に組み込まれる、21C.F.R.§§500~589の下で、FDAによって列挙されている。特定の実施形態では、治療薬は、小分子である。治療薬の例示的なクラスには、鎮痛薬、抗鎮痛薬、抗炎症薬、抗発熱薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗精神病薬、神経保護薬、抗癌剤、抗ヒスタミン薬、抗片頭痛薬などの抗増殖薬、ホルモン、プロスタグランジン、抗菌薬(抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗寄生虫薬を含む)、抗ムスカリン薬、抗炎症薬、静菌薬、免疫抑制薬、鎮静薬、催眠薬、抗精神病薬、気管支拡張薬、抗喘息薬、心臓血管薬、麻酔薬酵素、抗凝血薬、酵素阻害剤、ステロイド剤、ステロイド性または非ステロイド性抗炎症剤、コルチコステロイド、ドーパミン作動薬、電解質、胃腸薬、筋弛緩薬、栄養剤、ビタミン、副交感神経刺激薬、刺激薬、食欲抑制薬、および抗催眠薬が含まれるが、これらに限定されない。栄養補助剤を、薬物送達デバイスに組み込むこともできる。これらは、ビタミン、カルシウムもしくはビオチンなどのサプリメント、または植物抽出物または植物ホルモンなどの天然成分であり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、治療薬は、1つ以上の抗マラリア薬である。例示的な抗マラリア薬には、キニーネ、ルメファントリン、クロロキン、アモジアキン、ピリメタミン、プログアニル、クロルプログアニル-ダプソン、スルファドキシンおよびスルファメトキシピリダジンなどのスルホンアミド、メフロキン、アトバコン、プリマキン、ハロフェントリン、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、アルテミシニン、およびアルテミシニン誘導体が挙げられる。いくつかの実施形態では、抗マラリア薬は、アルテミシニンまたはアルテミシニンの誘導体である。例示的なアルテミシニン誘導体には、アルテメテル、ジヒドロアルテミシニン、アルテエーテル、およびアルテスネートが挙げられる。特定の実施形態では、アルテミシニン誘導体は、アルテスネートである。
【0029】
別の実施形態では、治療薬は、免疫抑制剤である。例示的な免疫抑制剤には、グルココルチコイド、細胞抑制剤(アルキル化剤、代謝産物、および細胞毒性抗体など)、抗体(T細胞受容体またはIl-2受容体に対して対象とされるものなど)、イムノフィリンに作用する薬物(シクロスポリン、タクロリムス、およびシロリムスなど)、および他の薬物(インターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、ミコフェノール酸、およびフィンゴリモドなどの他の小分子など)が挙げられる。
【0030】
特定の実施形態では、治療薬は、ホルモンまたはホルモンの誘導体である。ホルモンの非限定的な例には、インスリン、成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン)、バソプレシン、メラトニン、チロキシン、チロトロピン放出ホルモン、糖タンパク質ホルモン(例えば、黄体形成ホルモン、濾胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン)、エイコサノイド、エストロゲン、プロゲスチン、テストステロン、エストラジオール、コルチゾール、アドレナリン、および他のステロイドが挙げられる。
【0031】
いくつかの実施形態では、治療薬は、約2500ダルトン未満、約2000ダルトン未満、約1500ダルトン未満、約1000ダルトン未満、約750ダルトン未満、約500ダルトン未満、約400ダルトン未満の分子量を有する小分子薬物である。いくつかの場合では、治療薬は、200ダルトン~400ダルトン、400ダルトン~1000ダルトン、または500ダルトン~2500ダルトンの分子量を有する小分子薬物である。
【0032】
いくつかの実施形態では、治療薬は、インスリン、核酸、ペプチド、バクテリオファージ、DNA、mRNA、ヒト成長ホルモン、モノクローナル抗体、アダリムマブ、エピネフリン、GLP-1受容体アゴイニスト、セマグルチド、リラグルチド、デュラグリチド、エクセナチド、第VIII因子、小分子薬物、プログルスチン、ワクチン、サブユニットワクチン、組み換えワクチン、多糖類ワクチン、および抱合型ワクチン、トキソイドワクチン、インフルエンザワクチン、シングルワクチン、前肺炎ワクチン、mmrワクチン、破傷風ワクチン、肝炎ワクチン、HIVワクチンAd4-envクレードC、HIVワクチンAd4-mGag、DNAワクチン、RNAワクチン、エタネルセプト、インフリキシマブ、フィルガストリム、酢酸グラチラマー、リツキシマブ、ベバシズマブ、ナノ粒子にカプセル化された任意の分子、エピネフリン、リゾチーム、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、他の酵素、セルトリズマブペゴル、ウステキヌマブ、イケキズマブ、ゴリムマブ、ブロダルマブ、グセル、ab、セシキヌマブ、オマリズマブ、TNF-アルファ阻害剤、インターロイキン阻害剤、ベドリズマブ、オクトレオチド、テリペラチド、crispr cas9、インスリングラルギン、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、ヒトインスリン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびオンダンセトロンなどの活性医薬品からなる群から選択される。
【0033】
例示的な実施形態では、治療薬は、インスリンである。
【0034】
特定の実施形態では、治療薬は、組織インターフェースコンポーネントからの放出時に、治療薬が治療応答を誘発するような濃度で、組織インターフェースコンポーネント中に存在する。
【0035】
いくつかの場合では、治療薬は、活性な治療薬と一般に関連付けられた最小濃度よりも低い濃度で(例えば、マイクロドーズ濃度で)存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、比較的低用量の第1の治療薬(例えば、ステロイド)を含む(例えば、理論に拘束されることを望まないが、ステロイドなどの低用量の治療薬は、対象の体内の場所での異物反応(複数可)(例えば、組織インターフェースコンポーネントによる接触への反応)を仲介し得る。いくつかの実施形態では、治療薬の濃度は、100μgおよび/または30nMol以下のマイクロドーズである。しかしながら、他の実施形態では、治療薬は、マイクロドーズで提供されず、上記に列挙された1回以上の量で存在する。
【0036】
いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、対象に(例えば、経口的に)投与される。特定の実施形態では、物品は、経口的に、直腸に、経膣的に、経鼻的に、または尿道に投与され得る。特定の実施形態では、組織インターフェースコンポーネント(例えば、および/または組織インターフェースコンポーネント中に包含されるAPI)は、対象の皮膚をコンポーネントと接触させることによって投与される。例示的な実施形態では、組織インターフェースコンポーネント(例えば、および/または組織インターフェースコンポーネント中に包含されるAPI)は、対象の頬組織(例えば、唇、口蓋領域、頬、舌下、舌)をコンポーネントと接触させることによって投与される。さらに別の例示的な実施形態では、組織界面コンポーネントは、経口的に投与され、対象の体内の場所(例えば、結腸、十二指腸、回腸、空腸、胃、頬腔、食道などの消化管)に到達すると、組織界面コンポーネントは、対象の体内の場所で対象の組織とインターフェースし(例えば、接触する)、組織を少なくとも部分的に貫通する。特定の実施形態では、組織インターフェースコンポーネントの少なくとも一部分が、対象の組織を貫通し、支持材料および/または活性医薬品の少なくとも一部分が対象の組織に溶解する。
【0037】
有利なことに、消化管へのAPIの比較的高装填を有する組織インターフェースコンポーネントの投与は、従来の方法と比較して、APIのより効果的な送達を許容し得る。例えば、理論に縛られることを望まないが、注入を介して消化管に薬物を送達することは、他の方法と比較してより高いバイオアベイラビリティを有することが示されている。
【0038】
本明細書で使用される場合、「対象」は、哺乳動物(例えば、ヒト)などの任意の動物を指す。対象の非限定的な例には、ヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコもしくはマウス、ラット、ハムスターなどのげっ歯類、鳥、魚、またはモルモットが挙げられる。一般に、本発明は、ヒトでの使用を対象とする。いくつかの実施形態では、対象は、例えば自己回復物品の投与時に、健康上の利益を実証し得る。
【0039】
ここで図に目を向け、特定の非限定的な実施形態について、さらに詳細に記載する。本開示が本明細書に記載の特定の実施形態のみに限定されないので、これらの実施形態に関連して記載される様々なシステム、構成要素、特徴、および方法は、個別におよび/または任意の所望の組み合わせで使用できることを理解されたい。
【0040】
図1は、いくつかの実施形態による、組織インターフェースコンポーネントを形成するために使用され得る金型10の概略側面図である。金型は、第1の金型部分12および第2の金型部分14を含み、これらは、2つの金型部分の間に配設された金型キャビティ16を画定するように互いに結合可能である。金型キャビティは、長手方向軸22に沿って、金型キャビティの開口部18から金型キャビティの遠位端20まで延在する。金型キャビティの遠位端は、組織への挿入を容易にするように成形およびサイズ決定された、結果として生じる組織インターフェースコンポーネントの遠位先端を成形するように構成されている遠位先端幾何学形状を有し得る。例えば、図に例示されるように、金型キャビティの遠位端20は、金型10の内部に配置され得、遠位端は、金型キャビティの遠位先端を画定し得、これは、尖頭先端、または本明細書に記載されている他の好適な幾何学形状として構成され得る。
【0041】
図1~4を参照すると、
図2に例示されるように、粒状材料30(例えば、粒状治療薬)が、金型キャビティ16中に堆積され得る。例えば、長手方向軸22は、垂直方向と整列し得、粒状材料30は、この方向に沿って(例えば、重力フィードを介して、または他の方法で粒状材料を垂直方向に沿って金型キャビティ16中に注ぐかまたは分注することによって)金型に堆積され得る。キャビティ内に配置されると、その後、
図4に例示されるように、金型パンチ40を用いるなどして、粒状材料が、金型キャビティ内で圧縮され得る。例えば、金型パンチ40は、金型キャビティ16の開口18に受容されるように構成されている部分を有し得、金型パンチは、方向42に沿って移動され得、方向42は、金型キャビティ16の遠位端20に向かう長手方向軸22に沿った金型パンチ40の移動に対応し得る。このようにして、金型パンチは、粒状材料30に圧縮力を印加して、粒状材料を圧縮および圧縮成型し、それによって、金型キャビティ16の遠位部分に対応する形状を有する中実の組織インターフェースコンポーネント50を形成することができる。
【0042】
続いて、組織インターフェースコンポーネント50は、金型キャビティ16から取り出され得る。例えば、
図4に例示されるように、いくつかの実施形態では、第1および第2の金型部分12および14は、分離可能であり得、組織インターフェースコンポーネントの取り出しを容易にするために、それぞれ方向44および46に沿って互いに離れるように移動され得る。いくつかのこのような実施形態では、第1および第1および第2の金型部分12および14の各々は、金型部分が互いに結合されると金型キャビティ16を形成するように構成された壁部分24および26を含み得る。例示されるように、壁部分24および26は、金型キャビティ16の開口部18から金型キャビティの遠位端20まで延在し得る。さらに、いくつかの実施形態では、金型部分は、手動で分離され得、および/または金型部分は、開放および戻りピン、油圧、空気圧、および/もしくは電気アクチュエータ、ならびに/または任意の他の適切な金型開放機構などの自動金型開放機構を使用して、成形プロセス中に自動的に分離され得る。金型はまた、いくつかの事例では、成形された組織インターフェースコンポーネントの取り出しを支援するための排出ピンを含み得る。
【0043】
2つの金型部分を含む金型が
図1~4に描示されているが、金型キャビティを形成するために互いに結合可能な3つ以上の金型部分から形成される金型などの他の配置が好適であり得ることを理解されたい。したがって、本開示は、特定の数の金型部分を含む金型に限定されないことを理解されたい。
【0044】
上記で考察されるように、いくつかの実施形態では、組織インターフェースコンポーネントは、単一の粒状材料(例えば、粒状治療薬)、または複数の粒状材料から形成され得る。例えば、
図5は、2つの異なる粒状材料が金型キャビティ16中に堆積される金型10の実施形態を描示している。特に、第1の粒状材料32(例えば、第1の粒状治療薬)を、最初に金型キャビティ中に堆積させて、組織インターフェースコンポーネントの遠位部分を形成し得、第2の粒状材料34(例えば、第2の粒状治療薬または他の好適な粒状材料)を、続いて金型中に堆積させて、組織インターフェースコンポーネントの近位部分を形成し得る。2つの粒状材料が
図5に描示されているが、任意の好適な数の粒状材料を、任意の好適な比率で堆積させて、対応する数の異なる組成を有する複数の連続して配置された部分を有する組織インターフェースコンポーネントを形成し得ることを理解されたい。
【0045】
ここで
図6A~6Bを参照して、組織インターフェースコンポーネントを形成するための金型500の別の実施形態について、より詳細に記載する。上述した実施形態と同様に、金型500は、金型キャビティ508を画定するように互いに結合可能である第1および第2の金型部分502および504を含み、金型パンチ506は、粒状治療薬を圧縮し、組織インターフェースコンポーネント520を形成するように、金型キャビティ中に挿入可能である。この実施形態では、金型部分の各々は、金型部分の整列を支援するための整列特徴を含む。特に、各金型部分は、突起510および凹部512を含む。金型部分を一体に結合すると、一方の金型部分上の突起510は、他方の金型部分の対応する凹部512に受容される。この実施形態における整列特徴は、円筒形の突起および対応する円形の凹部として描示されているが、本開示は、整列特徴のいかなる特定の幾何学形状または配置にも限定されないことを理解されたい。
【0046】
ここで
図7~9を参照して、粒状治療薬から形成された中実針などの組織インターフェースコンポーネントを投与するための物品の例示的な実施形態について、より詳細に記載する。しかしながら、本開示の組織インターフェースコンポーネントは、任意の適切な展開デバイスを使用して展開され得、
図7~9の実施形態で開示されるデバイスのみとともに使用されることには限定されないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、このような物品は、組織インターフェースコンポーネントと、組織インターフェースコンポーネントと関連付けられた自己作動コンポーネント(例えば、ばねおよび/または支持材料を含む)と、を含み得る。
図7に例示されるように、いくつかの実施形態では、システム100(例えば、自己回復物品)は、組織係合表面150を含む。本明細書に記載される実施形態は、単一の組織インターフェース表面に言及するが、いくつかの実施形態では、2つ以上の組織インターフェース表面が、存在し得る。特定の実施形態では、自己回復物品は、組織係合表面が表面(例えば、対象の胃の表面などの対象の体内の場所にある組織の表面)に接触するように設計および構成され得る。いくつかの実施形態では、システム100は、組織係合表面150が表面に接触するように、自己回復する(例えば、自己回復物品に印加される外力の必要性または使用なしで配向する)。特定の実施形態では、自己回復物品は、組織係合表面に本質的に垂直な軸が重力の方向に平行に優先的に整列するように構成されている。自己回復物品は、組織係合表面に本質的に垂直な軸が、外部から印加されたトルクの下で垂直から20度以下の配向を維持することができるように、構成され得る。いくつかの実施形態では、自己回復物品は、組織インターフェースコンポーネントが、自己回復時に垂直から15度以内に配向された最長の縦軸を有するように、構成されている。
【0047】
理論に拘束されることを望まないが、自己回復物品は、自己回復物品内の密度(および/または質量)の分布の結果として自己回復するように設計され得る。例えば、いくつかの実施形態では、システム100(例えば、自己回復物品)は、第1の部分110および第2の部分115を含み、第1の部分と第2の部分とは、異なる密度および/または異なる質量を有する。特定の実施形態では、自己回復物品は、自己回復挙動を可能にする特定の形状を有し得る。例えば、
図7に例示されるように、システム100は、システム100の外面170によって示されるようなモノスタティック形状(例えば、モノ-モノスタティック形状、ゴムボック型形状)を含む。本明細書で使用される「モノスタティック」という用語は、当技術分野でその通常の意味を与えられ、一般に、単一の安定した静止位置(例えば、平衡点)を有する3次元形状を指す。本明細書で使用される「モノ-モノスタティック」という用語は、当技術分野でその通常の意味を与えられ、一般に、単一の安定した静止位置および単一の不安定な静止位置を有する3次元形状を指す。例として、理論に拘束されることを望まないが、重心が幾何学的中心からシフトした球は、一般に、モノ-モノスタティック形状と見なされる。本明細書で使用される「ゴムボック」という用語は、当技術分野でその通常の意味を与えられ、一般に、平坦な表面上に載置されたときに、単一の安定平衡点(または配向)および単一の不安定な平衡点(または配向)を有する凸3次元形状を指す。例えば、理論に拘束されることを望まないが、ゴムボック型形状は、形状の単一の安定した配向以外の任意の配向で表面上に載置されたときには、形状は、ゴムボック型形状の単一の安定した配向に再配向する傾向がある。
【0048】
図8は、例示的なシステム102の断面説明図を示す。いくつかの実施形態では、システム102は、自己作動コンポーネント120を含む。自己作動コンポーネント120は、例えば、特定の流体への曝露時に、自己作動コンポーネント120と関連付けられた組織インターフェースコンポーネント130をシステム102から解放するように、構成され得る。例えば、いくつかの場合では、自己作動コンポーネント120は、自己作動コンポーネントの作動時に、ばね125が、膨張して、組織インターフェースコンポーネント130を、孔140(組織係合表面150と関連付けられる)を通してシステム102から押し出すように、ばね125を含む。いくつかの場合では、ばね125は、圧縮下(例えば、少なくとも5%の圧縮ひずみ下)でばね125を維持する支持材料160を含む。いくつかの場合では、支持材料160および/またはばね125の流体への曝露時に、ばねは、ばねの蓄積された圧縮エネルギー(例えば、組織インターフェースコンポーネント130が、システムの開口部から解放および展開されるように)の、少なくとも10%(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%であって、それらの中の任意のパーセンテージを含む)を放出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ばねは、支持材料と関連付けられている(例えば、支持材料と直接接触して、支持材料によって少なくとも部分的にカプセル化されている)。
【0049】
いくつかの実施形態では、孔(例えば、
図8の孔140)は、流体ゲート(例えば、プラグ、コーティング、膜、または他の適切なバリア)を含み得る。いくつかの場合では、流体ゲートは、流体(例えば、システムの外部の流体)が所望の時間まで孔でシステムに入るのを防止し得る。特定の実施形態では、流体ゲートは、バリア材料を含む。好適なバリア材料の非限定的な例には、ポリカプロラクトンの箔、熱可塑性エラストマー、セルロース、およびシリコーンが含まれる。バリア材料は、1つ以上の疎水性材料を含み得る。特定の実施形態では、バリア材料は、1つ以上の親水性材料(例えば、糖、PEG)を含み得る。これらのコーティングのための可能な加工方法には、スプレーコーティング、ディップコーティング、ラッピング、堆積、または他の製造方法が含まれる。代替的に、流体ゲートは、システムの他の構成要素と組み立てられる別個に形成された膜またはフィルムであり得る。当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、バリア材料として好適な疎水性材料および親水性材料を選択することができるであろう。
【0050】
特定の実施形態では、組織インターフェースコンポーネント130は、活性医薬品を含む。いくつかの実施形態では、活性医薬品は、比較的高量(例えば、組織インターフェースコンポーネントの総重量に対して、10重量%以上、80重量%以上、または90重量%以上のAPI)で、組織インターフェースコンポーネント中に存在し得る。本明細書に記載される自己回復物品は、いくつかの場合では、例えば、医薬品が対象に送達されるように、対象に投与され得る。例えば、いくつかの場合では、物品は、対象に投与され得、医薬品は、対象の体内の場所で物品から放出される。
【0051】
いくつかの実施形態では、システムは、対象に(例えば、経口的に)投与される。特定の実施形態では、システムは、経口的に、直腸に、経膣的に、経鼻的に、または尿道に投与され得る。特定の実施形態では、対象の体内の場所(例えば、消化管)に到達すると、ばねが伸長し、および/または組織インターフェースコンポーネントが対象の体内に位置する組織とインターフェースする(例えば、接触する、貫通する)ように、支持材料の少なくとも一部分が分解する。いくつかの実施形態では、対象の体内の場所は、結腸、十二指腸、回腸、空腸、胃、または食道である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、対象の体内に位置する組織の貫通中および/または貫通後に放出され得る。
【0052】
例として、このような実施形態の例示的なセットによって制限されることを望まないが、システムは、経口的に対象に投与され得、この場合に、いくつかの場合では、システムは、対象の胃に移動し、対象の胃の下部に沈下し、システムは、システムの組織係合表面が胃組織に接触する(例えば、システムは、胃組織によって少なくとも部分的に支持される)ように、自己回復する。例えば、
図9に概略的に例示されるように、例示的なシステム100は、システム100が対象の消化器系198に入るように、(例えば、経口的に)対象に投与され得る。システム100は、対象の胃199に到達するまで、消化器系198を通って移動し得る(システム100a)。いくつかの実施形態では、システム100は、システム100が胃199の表面に接触するように、胃199の下部(システム100b)に沈下し得る。特定の実施形態では、システム100は、システム100の組織係合表面150が胃199の表面に接触するように、自己回復し(システム100c)、システム100は、組織インターフェースコンポーネント130が対象の体内の場所(例えば、胃の表面199)にある組織とインターフェースするように、自己作動する。
図9は、組織インターフェースコンポーネントと胃199の表面とのインターフェースを例示しているが、当業者であれば、本明細書の教示に基づいて、組織インターフェースコンポーネントが、例えば、粘膜層、粘膜下層、および/または筋肉組織層(複数可)を含む、胃の表面の下(または対象の体内の他の場所)にある1つ以上の層に接触し得ることを理解するであろう。
【0053】
いくつかの場合では、本明細書に記載されるように、システム100の自己回復は、重力によって駆動され得る(例えば、システム100の重心に作用する)。所望の期間の後、いくつかの実施形態では、システム100は、係合解除され(例えば、組織インターフェースコンポーネント130が溶解しおよび/または解放され)、胃199を出る(システム100d)。上記の説明は、限定することを意味するものではなく、当業者であれば、本明細書に記載されるように、システムと対象の消化器系との間の他の相互作用も可能であることを理解するであろう。組織インターフェースコンポーネントを投与するために使用され得る自己回復物品の追加の多様は、“SELF-RIGHTING SYSTEMS AND RELATED COMPONENTS AND METHODS”と題された国際特許出願公開第WO2018/213600号に記載されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
本開示のいくつかの実施形態が本明細書に記載および例示されているが、当業者は、機能を実行し、および/または結果を取得するための様々な他の手段および/または構造、および/または本明細書に記載される利点のうちの1つ以上を容易に想定するであろうし、このような変形および/または修正の各々は、本開示の範囲内であると見なされる。より一般には、当業者は、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であることを意図し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、本発明の教示が使用される特定の用途または複数の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、単なる定型の実験を使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は、単なる例として提示されており、添付の特許請求の範囲およびそれに対する均等物の範囲内で、本開示は、具体的に記載および特許請求される以外の方法で実施され得ることを理解されたい。本開示は、本明細書に記載される各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。加えて、このような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせは、本開示の範囲内に含まれる。
【0055】
本明細書において、および特許請求の範囲において、本明細書で使用される不定冠詞「a」および「an」は、対照的に明示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されたい。
【0056】
本明細書において、および特許請求の範囲において、本明細書で使用される「および/または」という句は、そのように結合された要素、すなわち、いくつかの場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素の「いずれか一方または両方」を意味すると理解されたい。「および/または」節によって具体的に識別される要素以外の他の要素は、対照的に明示されない限り、具体的に識別されるそれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」などのオープンエンドの言葉と組み合わせて使用される場合、一実施形態では、BのないA(任意選択的にB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、AのないB(任意選択的にA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意選択的に他の要素を含む)を指すことなどができる。
【0057】
本明細書において、および特許請求の範囲において、本明細書で使用される場合、「または」は、上記で定義されたような「および/または」と同じ意味を有すると理解されたい。例えば、列挙内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は包括的である、すなわち、いくつかの要素または要素の列挙、および、任意選択的に、追加の列挙されない項目のうちの、少なくとも1つを含むが、複数も含むものと解釈されるものとする。「のうちの1つのみ」もしくは「のうちの正確に1つ」、または特許請求の範囲で使用される場合の「からなる」などの対照的に明示される、唯一の用語は、いくつかの要素または要素の列挙のうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「いずれか一方」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」、または「のうちの正確に1つ」などの排他性の用語が先行する場合、排他的な代替物(すなわち、「一方または他方であるが、両方ではない」)を示すとのみ解釈されるものとする。「本質的にからなる」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0058】
本明細書において、および特許請求の範囲において、本明細書で使用される場合、1つ以上の要素の列挙に関連する「少なくとも1つ」という句は、要素の列挙における要素のうちの任意の1つ以上から選択される少なくとも1つを意味するが、要素の列挙内に具体的に列挙された各要素およびあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、かつ要素の列挙における要素の任意の組み合わせを除外しないと理解されたい。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が参照する要素の列挙内で具体的に識別される要素以外の要素が、具体的に識別されるそれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず、任意選択的に存在し得ることを許容する。したがって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または、等価的に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または等価的に「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在せず、少なくとも1つの、任意選択的に2つ以上のAを含む(および任意選択的にB以外の要素を含む)を指し、別の実施形態では、Aが存在せず、少なくとも1つの、任意選択的に2つのB以上を含む(および任意選択的にA以外の要素を含む)を指し、さらに別の実施形態では、少なくとも1つの、任意選択的に2つ以上のA、および少なくとも1つの、任意選択的に2つ以上のB(および任意選択的に他の要素を含む)などを指し得る。
【0059】
特許請求の範囲において、ならびに上記の本明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「運ぶ」、「有する」、「包含する」、「伴う」、「保持する」などのすべての移行句は、オープンエンドである、すなわち、含むがこれに限定されないことを意味する、と理解されたい。米国特許庁の特許審査手続マニュアルのセクション2111.03に述べられているように、「からなる」および「本質的にからなる」という移行句のみが、それぞれクローズドまたはセミクローズド移行句であるものとする。
【0060】
例えば、1つ以上の物品、構造、力、場、流れ、方向/軌道、ならびに/またはそれらのサブコンポーネントおよび/もしくはそれらの組み合わせの、またはそれらの間の、形状、配向、整列、および/または幾何学的関係に関連して本明細書で使用される用語、ならびに/またはこのような用語による特徴付けに適した、上記に列挙されない他の有形または無形の要素は、別段定義または示されない限り、このような用語の数学的定義への絶対的な準拠を必要としないと理解するものとするが、むしろ、このような主題に最も密接に関連する当業者によって理解されるであろうように特徴付けられる主題について可能な範囲でこのような用語の数学的定義への準拠を示すことを理解するものとする。形状、配向、および/または幾何学的関係に関連するこのような用語の例には、丸形、正方形、ゴムボック、円形の/円形、矩形の/矩形、三角形の/三角形、円柱形の/円柱、楕円形の/楕円、(n)多角形の/(n)多角形などの形状、垂直な、直交する、平行の、垂直の、水平の、同一線上のなどの角度配向、平面/平面状の、共面の、半球の、半半球の、線/線状の、双曲線の、放物線の、平坦な、湾曲した、直線状の、弧状の、正弦の、正接/正接のなどの輪郭および/または軌道、北、南、東、西などの方向、平滑な、反射の、透過性の、透明な、不透明な、剛性の、不浸透性の、均一な(均一に)、不活性な、非湿潤性の、不溶性の、定常の、不変の、一定の、均質ななどの表面および/またはバルク材料特性および/または空間/時間分解能および/または分布、ならびに関連する技術の当業者には明らかであろう多くの他のものを記述する用語が含まれるが、これらに限定されない。一例として、本明細書で「正方形」であると記載される加工物品は、完全に平面状または線状であり、かつ正確に90度の角度で交差する面または辺を有するような物品は必要ない(実際、このような物品は、数学的抽象物としてのみ存在し得る)が、むしろ、このような物品の形状は、当業者によって理解されるであろうように、または具体的に記載されるように、挙げられた加工技術に対して典型的に達成可能であり、かつ達成される程度に数学的に定義された「正方形」に近似するものとして解釈されたい。別の例として、本明細書で「整列」していると記載される2つ以上の加工物品は、完全に整列した面または辺を有するような物品は必要ない(実際、このような物品は、数学的抽象物としてのみ存在し得る)が、このような物品の配置は、当業者によって理解されるであろうように、または具体的に記載されるように、挙げられた加工技術に対して典型的に達成可能であり、かつ達成される程度に数学的に定義された「整列」に近似するものとして解釈されたい。
【国際調査報告】