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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】熱感受性が向上した突然変異UDG
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/55 20060101AFI20230119BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230119BHJP
   C12N 9/24 20060101ALI20230119BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20230119BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230119BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230119BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230119BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
C12N15/55
C12N15/63 Z ZNA
C12N9/24
C12Q1/686 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021506733
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(85)【翻訳文提出日】2021-02-08
(86)【国際出願番号】 KR2020014468
(87)【国際公開番号】W WO2022085818
(87)【国際公開日】2022-04-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515195738
【氏名又は名称】エンジノミクス カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】509272698
【氏名又は名称】大邱慶北科學技術院
【氏名又は名称原語表記】DAEGU GYEONGBUK INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】シン ヨンゴル
(72)【発明者】
【氏名】ユン ジョンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ナム ギフン
(72)【発明者】
【氏名】イム スルギ
(72)【発明者】
【氏名】ユ ウギョン
(72)【発明者】
【氏名】バク ソンジュン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジュファン
(72)【発明者】
【氏名】ギム サンヨル
(72)【発明者】
【氏名】ガン ムソク
(72)【発明者】
【氏名】ソ ミンゼ
【テーマコード(参考)】
4B050
4B063
4B065
【Fターム(参考)】
4B050CC04
4B050DD02
4B050FF01
4B050FF03E
4B050FF14E
4B050LL03
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR15
4B063QR42
4B063QS25
4B063QX02
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA31
4B065CA46
(57)【要約】
本願は、野生型対比熱感受性が増加した突然変異UDGを開示する。本願に係る突然変異UDGは、高い熱感受性でPCR反応の阻害効果がなくてPCR/qPCR PreMIXの開発はもちろん、特に低いmelting及びamplification stepが必要な実験により適したUDG適用PCR診断キット開発を可能にする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1の配列で表される大腸菌由来の野生型UDG(Uracil DNA Glycosylase)タンパク質にE4A、W7A、E13A、q16A、Y19A、D43X、F48A、F50A、E52A、H67A、K57A、q71A、H73A、P87A、L96A、E112A、L121A、H134A、E142A、F144A、R156A、F161A、L162A、W164A、H180A、L183A、H202A、G214E、G214W、G214R、W220A、及びL224Aで構成される群から選択されるアミノ酸置換が導入された、野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質であって、
前記アミノ酸置換を示す各数字はアミノ酸残基の位置を示し、アルファベットはアミノ酸残基を示し、野生型残基は左側に示し、置換された残基は右側に示し、前記Xは、任意のアミノ酸残基を示すものである、野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質。
【請求項2】
前記D43XのXはA、C、G、K、H、I、P、R、VまたはWアミノ酸残基のうちのいずれかである、請求項1に記載の野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質。
【請求項3】
前記突然変異UDGタンパク質は、D43A、D43C、D43H、D43R、D43V、D43WまたはK57Aの中の一つ以上を含むものである、請求項1に記載の野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質。
【請求項4】
前記突然変異UDGタンパク質は、E157AまたはE215Aアミノ酸置換をさらに含むものである、請求項2に記載の野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質。
【請求項5】
前記突然変異UDGタンパク質は、二つ以上の置換の組み合わせを含み、該組み合わせはD43A/K57A、D43A/E157A、D43A/E215A、D43A/K57A/E157A、D43A/E157A/E215A、または、D43A/K57A/E157A/E215Aの置換から選択される二つ以上の置換の組み合わせである、請求項1に記載の野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の突然変異UDGタンパク質を含むRT、PCRまたはRT-PCR反応で反応物中の核酸汚染除去用キット。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の突然変異UDGタンパク質、PCR重合酵素及びPCR反応に必要な緩衝液を含む、PCRプレミックス組成物。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の突然変異UDGタンパク質、RT(Reverse Transcription)酵素及びRT反応に必要な緩衝液を含む、RTプレミックス組成物。
【請求項9】
請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の突然変異UDGタンパク質、RT酵素、PCR重合酵素及びRT-PCR反応に必要な緩衝液を含む、RT-PCRプレミックス組成物。
【請求項10】
請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の突然変異UDGタンパク質を、核酸を含む反応物の中で5乃至55℃で反応させる段階を含む、分析対象サンプルで核酸汚染除去方法。
【請求項11】
前記反応物は、RT、PCRまたはRT-PCR反応に用いられるものである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の突然変異UDGタンパク質をコードする核酸。
【請求項13】
請求項12に記載の突然変異UDGタンパク質をコードする核酸を含むベクター。
【請求項14】
請求項13に記載のベクターを含む原核細胞。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱感受性が向上した突然変異UDG及びその用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PCR(Polymerase Chain Reaction)は、特定核酸を増幅する方法で生物学、生化学及び医学分野で最も広く用いられる方法の一つである(Yamamoto,Y.Clin.Diagn.Lab.ImMunol.2002,9(3),508-514)。
【0003】
しかし、PCRは非常に高感度で迅速な分子診断検査法であるが、検出しようとする対象とPCRによって増幅された産物がDNAで、互いに同じであるため、偽陽性の問題が生じる可能性が高い。特に、以前の反応で増幅されたPCR産物や検体の処理過程中発生したキャリーオーバー汚染(carry-over contamination)により偽陽性増幅が起きることがある。実際PCR診断検査を実施する診断実験室の場合、同じプライマーを使用するPCR増幅実験を数千から数万回繰り返し行うため、以前の反応で増幅されたPCR産物がエアロゾルなどの形態で空気中を漂って次回の反応チューブに混入されて偽陽性増幅を起こすとの例は多く報告されてきている。
【0004】
このようなPCR増幅産物のキャリーオーバー汚染は、一度発生すると、増幅産物の量が極めて大量に増加するので(初期DNA対比約1013倍)、通常の洗浄(cleaning)方法では汚染を除去しにくい問題点がある。キャリーオーバー汚染は、感染病や遺伝疾患を診断するに当たり感染しなかったヒトを患者と誤診して重大な問題を起こすことがある。以前に別の患者を診断する際に増幅されたDNAが感染しない新しいヒトのサンプルを検査する際に混入されて正常なヒトを患者と判定してしまい、その結果誤った処方と治療につながることがある。
【0005】
このようなキャリーオーバー汚染を解決するため、現在最も広く用いられる方法は、Uracil DNA Glycosylaseを利用した方法である。UDG処理法ではまず、PCR反応液にdTTP/dUTPの混合物を添加してPCRを行うことによってTとUが混合された増幅産物を作る。以後の反応からはPCR反応を行う際にUDG酵素をPCR反応液に添加して37~50℃、5~30分の先行反応を含ませてPCR診断を行う。このような過程を介してCarryover contaminationが発生する場合、汚染されたDNAはdUを含むことになり、これらはUDGによってU baseが除去される。UDGが処理されてベースがなくなったDNAは、不安定であるためPCR過程中に熱によって短い断片に切られてしまい、従ってこれらはこれ以上鋳型DNAとして用いられることができない。
【0006】
UDG処理法は、必要な試薬(UDG酵素、dUTP)をPCR反応液に含まれたまま使用することができ、通常のPCRプログラムに1stepだけ追加すれば良いので、単一反応/単一過程でキャリーオーバー汚染を容易に防止できるという長所がある。
【0007】
しかし現在広く用いられるUDG酵素は、多くは大腸菌から由来して熱的安定性が高く、しかもPCR過程が終了した後にも活性が生きている場合がある。このため、増幅産物を直ちにアガロースゲルで分析しなければ増幅産物自体が分解される現象が起きる問題点がある。
【0008】
さらには、複雑なMultiplex Realtime PCRの場合、TaqManプローブ配列設計の限界があるため、比較的低い温度(約50℃)でアニーリング(annealing)反応を行わなければならない場合がある。この時、大腸菌由来のUDG酵素の場合、該当温度で活性を保有しているので、適切に増幅された産物でさえ分解して全体的なPCRの感受度を阻害させる(Ct valueのdelay)問題が生じる。これは、PCR診断キットの性能を低下させる原因として作用する。
【0009】
比較的低い温度で最適活性を支援する低温性微生物由来のUDGの例で、海洋微生物BMTU 3346菌株から由来したmarine UDGがある(Jaeger,S,Molecular cloning、sequency,and expression of the heat-labile uracil-DNA glycosylase from a marine psychropHilic bacterium,strain BMTU3346.ExtremopHiles.2000,4(2):115-122)。しかし、これは本来菌株でない大腸菌から組換え形態で発現させるので、E.coli UDGに比べて発現率及び溶解度が低く、単位酵素当たり精製費用が高く、精製過程が相対的に複雑な短所がある。
【0010】
従って、熱感受性が高くてPCRなどといった反応過程中に熱によって不活性化され易く、一度不活性化されたら再活性化されないUDGの開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
熱感受性が高くてPCR過程中に熱によって不活性化され易く、一度不活性化されたら再活性化が起こりにくい新しい熱感受性突然変異UDGを提供しようする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一様態において、本願は配列番号1の配列で表される大腸菌由来の野生型UDG(Uracil DNA Glycosylase)タンパク質にE4A、W7A、E13A、q16A、Y19A、D43X、F48A、F50A、E52A、H67A、K57A、q71A、H73A、P87A、L96A、E112A、L121A、H134A、E142A、F144A、R156A、F161A、L162A、W164A、H180A、L183A、H202A、G214E、G214W、G214R、W220A、及びL224Aで構成される群から選択されるアミノ酸置換が導入された、野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質を提供し、前記各数字は、アミノ酸残基の位置を示して、アルファベットはアミノ酸残基を示して野生型残基は左側に、置換された残基は右側に示して、前記Xは任意のアミノ酸残基を示す。
【0013】
一実現例において、本願に係る突然変異UDGは、43番位置に置換を含み、前記置換は、A、C、G、H、I、K、P、R、VまたはWアミノ酸残基のうちのいずれかである。
【0014】
本願において、43番位置で置換されたアミノ酸と本願明細書に記載された表2を基に、非常に保存されたアミノ酸、相当保存されたアミノ酸及び保存されたアミノ酸を考慮すると、43番目の位置には前記置換されたアミノ酸を含むA、C、G、K、H、I、P、R、V、W、S、T、N、q、E、Y、L、M、またはFで置換可能であり、本願に係る効果をもたらせることを当業者なら分かるであろう。
【0015】
一実現例において、野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質は、D43A、D43C、D43H、D43R、D43V、D43WまたはK57Aの中の一つ以上を含み、別の実現例において、前記野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質は、E157AまたはE215Aアミノ酸置換をさらに含むことができる。
【0016】
一実現例において、本願に係る突然変異タンパク質は、置換の組み合わせを含み、これはD43A/K57A、D43A/E157A、D43A/E215A、D43A/K57A/E157A、D43A/E157A/E215A、または、D43A/K57A/E157A/E215Aから選択される二つの以上の置換の組み合わせを含む。
【0017】
別の様態において、本願は、本願に係る突然変異UDGタンパク質を含むRT、PCRまたはRT-PCR反応で反応物中の核酸汚染除去用キットを提供する。
【0018】
さらに別の様態において、本願は本願に係る突然変異UDGタンパク質、PCR重合酵素及びPCR反応に必要な緩衝液を含む、PCRプレミックス組成物を提供する。
【0019】
また別の様態において、本願は、本願に係る突然変異UDGタンパク質、RT(Reverse Transcription)酵素及びRT反応に必要な緩衝液を含む、RTプレミックス組成物を提供する。
【0020】
さらに別の様態において、本願は、本願に係る突然変異UDGタンパク質、RT酵素、PCR重合酵素及びRT-PCR反応に必要な緩衝液を含む、RT-PCRプレミックス組成物を提供する。
【0021】
さらに別の様態において、本願は、本願に係る突然変異UDGタンパク質を核酸を含む反応物の中で約5乃至55℃で反応させる段階を含む、分析対象サンプルで核酸汚染除去方法を提供する。
【0022】
一実現例において、前記反応物は、RT、PCRまたはRT-PCR反応に用いられる。
【0023】
別の様態において、本願は、さらに本願に係る突然変異UDGタンパク質をコードする核酸、前記核酸を含むベクター、前記ベクターで形質転換された細胞を含む。
【発明の効果】
【0024】
本願に係る突然変異UDGは、野生型または既存の市販中のUDGと比較して高い熱感受性を持って、続くPCR反応で効果的に不活性化される。従って、PCR反応を阻害しないため、RT(Reverse Transcription、逆転写)、PCR(Polymerase Chain Reaction)、RT-PCRまたは定量PCR(qPCR)のプレミックス(PreMIX)の開発はもちろん、特に低い温度のメルティング及び増幅段階が必要な実験により適したUDG適用PCR診断キット開発を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本願の一実現例により熱感受性アミノ酸残基を選別するため、分子動力学から求めた相互作用エネルギーネットワークグラフである。
図2】本願の一実現例により製造された突然変異を持つUDGタンパク質をコードする遺伝子を含むベクターで形質転換された大腸菌で各目的タンパク質が発現するのをSDS-PAGEで分析した結果である。
図3】本願の一実現例よって製造された突然変異を持つUDGタンパク質の熱感受度をテストするために用いたイン・ビトロUDG活性アッセイの原理を模式的に示した図である。
図4図3の原理に係る分析物を変性PAGE分析を介して確認した結果で切断された一本鎖だけを特異的に分析可能である。
図5】本願の一実現例よって製造された突然変異を持つUDGタンパク質の熱感受度を図3及び図4の方法により測定した結果である。
図6図5で選別されたD43A、K57A、E157A及びE215A突然変異UDGの熱感受度を図3及び図4の方法により測定した結果である。D43AとK57Aクローンで野生型よりも約3~5倍以上活性を失い(0.2ng基準)。E157AとE215Aの場合にも、野生型に比べて熱による活性低下が約30%程度より大きいことが分かった。
図7】D43A突然変異の熱感受度を、放射性同位元素を利用して測定した結果である。野生型の場合、約50%の活性が減少するのに約15分かかったが、D43Aクローンの場合、最初2分熱処理によって70%以上活性が減少して、5分からは90%以上活性が減少するのを確認することができる。このような結果から突然変異UDGの熱感受度が野生型に比べて大幅に高いことを確認することができる。
図8】野生型とD43A突然変異UDGのmelting temperatureの差を測定するため、J-815 CD spectrometer(Jasco,Japan)を利用して円偏光二色性(CD)分析を実施した結果で、WTのTmは約44℃、D43A突然変異のTmは約39℃で測定された。この結果は、D43A突然変異が野生型よりも酵素の三次元的構造安定性が低いことを意味して、従って突然変異の高い熱感受性を裏付ける結果である。
図9】突然変異と野生型UDGの様々な生化学的特性を様々なバッファー条件で測定した結果で、pHを6.6から9まで異にしてUDGの活性変化を測定した結果、D43A突然変異と野生型で共に酵素活性に大きい影響を与えないと確認された。
図10】突然変異と野生型UDG 塩濃度に応じた活性影響度を評価するため、NaCl濃度を20から250mMまで異にして活性を測定した結果で、野生型と突然変異UDG共に低いsalt濃度で高い活性を示し、salt濃度が高いほど活性が阻害されることが示された。特に、200mM以上では20mMでのUDG活性の20%程度だけを示すと明らかになったが、このような塩による活性阻害効果は、野生型と突然変異共に類似することが確認された。
図11】突然変異と野生型UDGの2価金属イオンの濃度に応じた酵素の活性変化を測定した。これのために、MgCl、CaCl、ZnCl、CoCl、MnClを0.01から1mMまで様々な濃度で用いた。実験結果、野生型と突然変異UDG共に2価金属イオンの濃度が増加するほど活性が略阻害されることが示されたが、突然変異と野生型UDGとの間のdivalentmetal ion濃度に応じた活性阻害度の差は殆どないことが示された。
図12】突然変異と野生型UDGのZnClとCoClの濃度に応じた酵素の活性変化を測定した結果である。ZnClとCoClの場合には、各々0.05mMと0.2mMで95%以上酵素の活性が抑制されることが示された。
図13】野生型と突然変異UDGの最適反応温度を確認するために、5~95℃まで5℃間隔で酵素の活性を測定した。実験結果野生型と突然変異共に45℃で最適活性を示すことが確認された。しかし、熱感受性が高いと確認されたD43A突然変異の場合、35℃での活性が55℃活性の約3倍程度で測定されて(野生型の場合、略同じ)、全般的な最適活性温度が野生型に比べて低い側に偏っていることを示す。このような結果は、D43A突然変異の熱感受性が野生型に比べて高いから現れたものと判断される。
図14】Realtime PCRで突然変異と野生型UDGによるPCR効率阻害効果を分析した結果である。野生型UDGを用いた場合、反応に添加したUDG量に比例してCt(Cycle threshold)値が増加し、これはUDG反応過程以後の前変性段階で野生型UDGが完全に不活性化されずに、以後のPCR増幅段階で増幅された産物を分解していることを意味する。しかし、本願の突然変異UDGは、野生型に比べて高い熱感受性を示し、特にD43AとK57A突然変異の場合、PCR過程中に存在する95℃反応条件で速く不活性化されて、添加したUDGの量に応じたCt値の変化が殆どないことを確認することができた。
図15】本願の一実現例により製造された、D43位置がC、G、K、H、I、P、R、V、Wアミノ酸で置換された突然変異UDGを発現、精製した結果である。前記突然変異に対するIn vitro UDG activity assay結果は図15及び図16に記載されている。
図16図15で製造された突然変異UDGの熱感受度をIn vitro UDG activity assayで分析した結果である。D43位置を各々H、R、V、Wに変更させた際に野生型対比各々53、52、32、65倍熱感受度が増加することが示され、D43Aの場合、既存実験結果と類似して熱感受度が約8倍増加し、残りのC、G、K、I、P突然変異も程度の差はあるものの野生型対比約3~15倍程度熱感受度が増加することが示された。
図17図16の結果を野生型と比較して熱感受度増加倍数で示したものである。
図18】D43A、E157A、E215A、L162A、L183A、K57A及びK171A番目残基から選択される二つ以上の突然変異を含むUDGの熱感受度を測定した結果である。D43A/K57A、D43A/E157A、D43A/E215A、D43A/K57A/E157A、D43A/E157A/E215A、D43A/K57A/E157A/E215A突然変異で共に野生型より2倍以上増加した熱感受性を示すのを確認することができた。しかしD43Aを含まない組み合わせ突然変異の場合、熱感受性増大効果が1.5倍以内であることが示された。このような結果は、D43位置の突然変異がE.coli UDGの熱的安定性決定に重要であることを示す。
図19】本願の一実現例により製造されたE4、W7、Y19、F48、E52、H67、q71、H73、F77、R80、P87、L96、E112、L121、F144、F161、G214位置をアラニン、グルタミン酸、アルギニンまたはトリプトファンで変化させた合計19種の突然変異UDGの熱感受度の測定結果である。W7A、E52A、G214W突然変異酵素の場合、野生型対比各々6.9倍、14.2倍、9.3倍熱感受度が増加するのを確認することができる。この他にY19A、F48A、q71A、H73A、E112A、F144A、F161A、G214R突然変異の場合にも熱感受性が約2倍以上増加することが示された。
図20】本願に係るD43A、D43C、D43H、D43R、D43V、D43W UDGと野生型UDGの熱感受度及び不活性化後再活性化の可否を測定した結果である。野生型UDGの場合、55℃熱処理後にも22%の活性を保有すると確認されたが、本願に係るUDGは45℃で90%以上不活性化されるのを確認することができる。さらに野生型UDGの場合、65℃と75℃で完全に不活性化されたが、85℃と95℃熱処理後には一部活性が残っていること(再活性化)を確認することができたが、本願に係るUDGは、このような現象が現れなかった。これは、本願のUDGが高い熱感受性によって最も効果的に不活性化されて再活性化されずRTはもちろんPCR反応に使用時PCRを阻害しなくてその効率を最も効果的に高めることができることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願は、大腸菌UDG (Uracil DNA glycosylases)の特定残基に突然変異を導入して熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質の開発に基づいたものである。
【0027】
PCRのような増幅反応では、実際の鋳型でない、すでに一度増幅された産物が検体に汚染されて増幅される場合が頻繁に発生して、これによって偽陽性(false positive)がもたらされる。これを防止するために、通常、増幅されたDNAはdUTPを含むようにして、新しい増幅反応で増幅されたDNAの汚染物は、反応初期にUDGによって除去されて、その後UDGは不活性化されるか、熱感受度が低い場合、不活性化されずに残ってPCRの増幅効率を減少させる問題がある。
【0028】
本願においては、大腸菌由来UDGの特定残基に置換突然変異を導入した結果、野生型と比較して熱感受度が向上して相対的に低い温度で行われた後に続くPCR反応でも不活性化されるので、PCRの増幅効率を減少させる従来の問題を解決した。
【0029】
そこで、一様態において、本願は、配列番号1の配列で表される大腸菌由来の野生型UDGタンパク質にE4A、W7A、E13A、q16A、Y19A、D43X、F48A、F50A、E52A、H67A、K57A、q71A、H73A、P87A、L96A、E112A、L121A、H134A、E142A、F144A、R156A、F161A、L162A、W164A、H180A、L183A、H202A、G214E、G214W、G214R、W220A、及びL224Aで構成される群から選択される一つ以上のアミノ酸置換が導入された、野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質に関する。
【0030】
本願において、アミノ酸残基は、当業界に公知されたアルファベットの単文字で示し、野生型残基は、残基位置を示す数字の左側に、置換された残基は、右側に示して、前記Xは、任意のアミノ酸残基を示す。アルファベットの単文字は次のアミノ酸を示す:
A、アラニンAlanine;R、アルギニンArginine;N、アスパラギンAsparagine;D、アスパラギン酸Aspartic acid;C、システインCysteine;E、グルタミン酸Glutamic acid;Q、グルタミンGlutamine;G、グリシンGlycine;H、ヒスチジンHistidine;I、イソロイシンIsoleucine;L、ロイシンLeucine;K、リシンLysine;M、メチオニンMethionine;F、フェニルアラニンPhenylalanine;P、プロリンProline;S、セリンSerine;T、スレオニンThreonine;W、トリプトファンTryptophan;Y、チロシンTyrosine;V、バリンValine;X、任意のアミノ酸。
【0031】
本願で用いられた用語“ウラシルDNAグリコシラーゼ(Uracil DNA glycosylases,UDG)”は、DNA合成中にdUTPが組み込まれて入る場合、塩基ウラシルと糖であるデオキシリボースとの間のグリコシド(glycosidic)結合を切断する酵素を称し、UDGは、自由dUTP、自由デオキシウリジン、またはRNAには作用しない。
【0032】
一実現例において、本願に係る突然変異UDGペプチドは、配列番号1の配列を基準に43番目位置にアミノ酸置換を含む。これのため、E.coli UDGと構造的類似性が高い様々な酵素を多重配列整列及び常用ウェブサーバーを利用した安定性分析を介してD43位置に突然変異を誘発した際に最も熱安定性を減少させると計算された8種のアミノ酸残基を選別した。本願では、野生型アスパラギン酸残基(D)をA、C、G、K、H、I、P、R、VまたはWのいずれか一つで置き換えた場合、野生型対比熱感受性が向上した突然変異UDGタンパク質を収得し、前記様々な残基は、いくつかの化学的性質でグルーピングされ得る20個のアミノ酸残基を代表することができ、そこで、43番目残基で野生型であるDを除いた任意のアミノ酸で置換された突然変異UDGを含む。
【0033】
別の実現例において、本願に係る突然変異UDGペプチドは、57番目位置にアミノ酸置換を含む。一実現例において、野生型57番目位置にはリシン(K)残基はアラニンまたはこれと大きさ的化学的側面で類似のグリシン(G)で置換されたものである。
【0034】
本願で構築された突然変異UDGのアミノ酸配列に該当する配列番号は以下の表のとおりである。
【0035】
【表1】
【0036】
別の実現例において、本願に係る突然変異UDGは、二つ以上の突然変異の組み合わせを含む。
【0037】
一実現例において、二つ以上の突然変異の組み合わせを含む場合、43番位置での突然変異を含み、これに追加してK57A、E157AまたはE215Aの組み合わせを含む。
【0038】
一実現例においては、D43A/K57A、D43A/E157A、D43A/E215A、D43A/K57A/E157A、D43A/E157A/E215A、または、D43A/K57A/E157A/E215Aであるが、これに制限されない。
【0039】
本願に係る突然変異UDGペプチドは、上のような配列で限定されず、これの生物学的均等物(biological equivalents)を含む。生物学的均等物とは、本願に開示されたアミノ酸配列に追加的な変形を加えたが、本願に係るポリペプチドと実質的に同じ活性を持つもので、このような変形は、例えばアミノ酸配列残基の欠失、挿入及び/または置換を含む。
【0040】
一実現例においては、本願に係る突然変異UDGペプチドに保存的アミノ酸置換が起きたものを含む。保存的アミノ酸置換(conservative amino acid substitution)とは、特定ポリペプチドが持つ活性を実質的に影響を及ぼしたり減少させない置換を意味する。
【0041】
保存的アミノ酸置換は、当業界に知らされており、例えばBlosum(BLOcks SUbstitution Matrix)に基づいた表2に記載されたとおりであり、Creighton(1984) Proteins.W.H.Freeman and Company(Eds);及びHenikoff,S.;Henikoff,J.G.(1992).“Amino Acid Substitution Matrices from Protein Blocks”.PNAS 89(22):10915-10919.doi:10.1073/pnas.89.22.10915;WO2009012175 A1等に記載されたのを参照することができる。
【0042】
【表2】
【0043】
さらに、上述したような生物学的均等活性を持つ変移を考慮するならば、本願に開示されたアミノ酸配列または後述するようにこれをコードするポリヌクレオチドは、本願に開示されたのと実質的同一性を持つのも含まれる。実質的同一性とは、本願に開示された配列と任意の他の配列を最大限対応するようにアラインし、当業界で通常利用されるアルゴリズムを利用してアラインされた配列を分析した場合に、最小61%の相同性、より好ましくは70%の相同性、さらに好ましくは80%の相同性、最も好ましくは90%の相同性を示す配列を意味する。配列比較のためのアライメント方法は、当業界に公知されている。例えば、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.(1981)2:482;Needleman and Wunsch,J.Mol.Bio.(1970)48:443;Pearson and Lipman,Methods in Mol.Biol.(1988)24:307-31;Higgins and Sharp,Gene(1988)73:237-44;Higgins and Sharp,CABIOS(1989)5:151-3;Corpet et al.,Nuc.Acids Res.(1988)16:10881-90;Huang et al.,Comp.Appl.BioSci.(1992)8:155-65及びPearson et al.,Meth.Mol.Biol.(1994)24:307-31に開示されている。NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)(Altschul et al.,J.Mol.Biol.(1990)215:403-10)は、NBCIなどで接近可能で、blast、blastp、blasm、blastx、tblastn及びtblastxのような配列分析プログラムと連動されて利用することができる。BLSATは、www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/で接続可能で、このプログラムを利用した配列相同性比較方法は、www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/blast_helphtmlで確認することができる。
【0044】
本願に係る突然変異UDGは、RT、PCRまたはRT-PCR反応前に用いられて、特に核酸のキャリーオーバー汚染を除去する。
【0045】
本願で用いられた用語RT(Reverse Transcription、逆転写)は、mRNAから相補性DNA(cDNA)を合成する反応である。これのために、逆転写酵素(Reverse Transcriptase)が用いられて、反応条件は一般に約42~60℃で約30分間行われる。逆転写酵素は、市販で購入することができる。逆転写反応で合成されたcDNAは、PCR反応の鋳型(template)として用いられるので、RT反応で汚染を除去することが重要で、さらに続くPCR反応を妨げないことがまた重要である。特に一つの試験管で行われるワンステップRT-PCRで有利に作用することができる。RT-PCRにおいて本願に係るUDGとRT-PCR反応物を15~55℃で約10分間反応した後、約42~60℃で約30分間RT反応を行って、以後連結して92~95℃で~0.5分(変性denaturation)、50~65℃で~1分(アニーリングannealing)、70~74℃で~1分/kbを1サイクルにして25~40サイクル行うことができる。従来のUDGの場合は、UDGとRTの反応温度が重なるので、RT-PCRに使用できなかったが、本願に係るUDGは、RT反応の温度で(例えば42℃)で相当部分不活性化されてRT-PCRに使用可能になり得る。
【0046】
本願で用いられた用語PCR(Polymerase Chain Reaction)とは、特定核酸を増幅する方法で、生物学、生化学及び医学分野で最も広く用いられる方法の一つである(Yamamoto,Y.Clin.Diagn.Lab.Immunol.2002,9(3),508-514)。PCRは、変性、プライマー結合及び伸長で構成される三つの段階を一つのサイクルにして多数のサイクルで繰り返されて、各段階はこれに適した温度で行われる。PCRに最も広く用いられる酵素は、Thermus aquaticus由来のTaqDNA重合酵素であり、高い温度で熱安定により効率的かつ安定したPCRを可能にする。特定核酸の存在の有無を確認する定性分析PCR、特定核酸の量を測定する定量PCR及びPCR過程をリアルタイムで追跡して定性及び定量分析を可能にするリアルタイムPCRをともに含む概念である。
【0047】
そこで、他の側面で本願は、本願に係る突然変異UDGタンパク質を含むRT、RT-PCRまたはPCR反応で反応物の核酸汚染除去用キットまたは組成物に関する。
【0048】
さらに他の側面で本願は、本願に係る突然変異UDGタンパク質を含むRT、RT-PCRまたはPCR反応用キットまたは組成物に関する。
【0049】
本願に係る組成物は、プレミックスの形態で提供され得る。プレミックスとは、RT(Reverse Transcription、逆転写)、PCR(Polymerase Chain Reaction)、RT-PCRまたは定量PCR(qPCR)等に本願に係るUDGまたはこれを含む組成物が用いられる場合、前記各反応に必要な各構成要素が製造段階ですでに混合されて濃縮された形態で使用者に供給される試薬で、このようなプレミックスを利用する場合、使用者は、例えばPCRの場合、プレミックスは本願に係るUDGに追加してPCR反応に必要な耐熱性重合酵素、dNTP及び緩衝溶液(バッファー)を含み、使用者は鋳型DNA、プライマー及び精製水だけ追加で添加して使用することができる。PCRプラミクスは、本願に係るUDG、Taq重合酵素、dNTP、Mg2+またはMn2+のような二価陽イオン、塩、緩衝液、保存剤及び/または添加剤を含むことができる。前記成分中、塩の例としては、KCl、NaCl、AmMonium sulfate、緩衝液の例としては、Tris-HCl、Sodium-/Potasium phosphate、保存剤の例としては、Glycerol、添加剤の例としては、DMSOが挙げられ、特にそれらに制限されない。具体的使用目的や用途に応じて本願に係る組成物はさらに他の活性を有する酵素と共に混合でき、例えば、Pfu DNA polymerase、dUTPase、Pyrophosphatase、Reverse Transcriptase、DNAse/RNase Inhibitorと共に使用されてもよく、この場合、該当酵素の活性を示すために必要な組成物が追加で使用できたり、変更されることができる。
【0050】
さらに別の側面で本願は、本願に係るUDGタンパク質を利用したRT(Reverse Transcription、逆転写)、PCR(Polymerase Chain Reaction)、RT-PCRまたは定量PCR(qPCR)の反応で核酸汚染除去方法またはPCR方法に関する。
【0051】
本願に係るUDGは野生型よりも最適反応温度及び不活性化温度が約5乃至10℃程度低く、適切な量の酵素を用いる場合、通常42~50℃で行うRT反応と結合したOne-step RT-PCR/RT-qPCRに効果的に利用され得る。また、低いメルティング及び増幅が一つの段階で行われるPCR反応に有利に使用され得る。
【0052】
本願に係る方法において、本願に係るUDGを利用した核酸汚染除去反応は、15℃乃至55℃、または35乃至45℃、特に40℃で行われることができる。
【0053】
本願に係る突然変異UDGは、RT反応で不活性化されることができる。RT反応は、通常に42℃進行され、場合によって60℃まででも行われる。特に、一実現例においてD43A、D43C、D43H、D43R、D43V、D43Wは、45℃で活性が100%減少したので(図20)、42℃で進行されるRT反応以前に不活性化が始まるので、RT反応を阻害しなくてRT-PCRに適用時特に有利になる。
【0054】
本願に係る突然変異UDGは、PCRに用いられる温度で不活性化される。PCRは、変性/プライマー結合(アニーリング)/伸長の各段階に特定温度が必要であるが、特に多数個セットのプライマーを利用するMultiplex Realtime PCRの場合、TaqManプローブ配列設計の限界のため、比較的低い温度(約50℃以下)でアニーリング(annealing)反応を行わなければならない場合がある。この時、大腸菌由来UDG酵素の場合、該当温度で活性を示し、熱処理(最初変性温度)以後にも活性を示すため、PCRの増幅効率を顕著に低くする。本願に係るUDGは、本願図14に記載されたように、特に約50℃以下のアニーリング反応が行われるPCRに有用に使用することができる。
【0055】
一実現例において本願に係るUDGを用いるPCR方法は、約50℃以下、例えば約45℃乃至約50℃で行われるアニーリング反応を含むPCR反応に使用することができる。また、アニーリングとDNA合成が一つの段階で進行されるツーステップPCRにも有用である。
【0056】
一実現例においてPCRでPCR反応開示前に用いられて、反応物の核酸汚染を除去する。例えば、約15~55℃で約10分間本願に係るUDGで処理して反応物の汚染を除去して、続いて約92~95℃で約0.5分(変性)処理でUDGを完全に不活性化させて、鋳型を変性して、約50~65℃で約1分(アニーリング)、約70~74℃で約1分/kbを1サイクルとして25~40サイクルを行う。
【0057】
別の実現例においてワンステップRT-PCRに用いられて、約15~55℃で約10分間UDGで処理して反応物の核酸汚染を除去して、続いて約42~60℃で約30分間RT反応を行うことができ、このようなRT温度で本願に係るUDGは、相当部分不活性化されてワンステップRT-PCRに効果的に使用可能である。以後連結して約92~95℃で約0.5分(変性)、約50~65℃で約1分(アニーリング)、約70~74℃で約1分/kbを1サイクルとて25~40サイクル行う。
【0058】
さらに別の実現例においては、RTまたはRT-PCR反応でUDG反応段階が省略される。例えば、常温で前記反応のためのプレミックスを準備する間、常温でUDG反応が起きることがあり、本願に係るUDGは後に続いた反応で効果的に不活性される。
【0059】
他の側面で本願は、さらに上述した本願に係るポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含む組換えベクター及び前記組換えベクターが導入された細胞に関するものである。ポリヌクレオチド配列は、タンパク質配列が決定される場合、公示された、20個のアミノ酸をコードするコドン配列から容易に決定されることができる。一つのアミノ酸をコードする複数個のコドンが存在する場合、生物の種に応じて選好して用いられるコドンの種類も知られており、本願では大腸菌で選好されるコドンを用いてポリヌクレオチド配列を導き出すことができる。
【0060】
本願に係るポリヌクレオチドは、様々な目的、例えば生産のために適切なベクターに導入されて用いられることができる。例えば、適した宿主内で目的タンパク質を発現させることができるように適した調節配列、例えば転写を開始できるプロモーター、そのような転写を調節するための任意のオペレーター配列、適したmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、及び転写及び翻訳の終結を調節する配列に作動可能に連結されて用いられることができる。このような本願に係るポリヌクレオチドが導入されることができるベクターまたはプラスミドは、宿主で複製できるのであれば特に制限されず、具体的な目的に合わせて公知された任意のベクターが用いられ、天然、または組換えプラスミド、ファージミド、コスミド、ウイルス及びバクテリオファージが挙げられる。例えば、ファージベクターまたはコスミドベクターとして、pWE15、M13、λMBL3、λMBL4、λIXII、λASHII、λAPII、λT10、λT11、Charon4A、及びCHARON21Aなどを用いることができ、プラスミドベクターとしてpBR系統、pUC系、pBluescriptII系、pGEM系、pTZ系、pCL系及びpET系ベクター、例えばpACYC177、pACYC184、pCL、pECCG117、pUC19、pBR322、pMW118、pCC1BAC、pET-21a、pET-32aベクターなどを用いることができる。
【0061】
本願に係るポリヌクレオチドを含むベクターは、適当な宿主内に導入されて用いられ、宿主ゲノムと関係なく複製されたり機能したりすることができ、ゲノムそれ自体に統合されることができる。
【0062】
本願に係るポリヌクレオチドまたはこれを含むベクターを含む細胞は、特に原核細胞を含む。例えば、特にこれに制限されないが、大腸菌、ストレプトミセス、サルモネラ・ティフィムリウムなどのバクテリア細胞を含む。
【0063】
本願に係るポリヌクレオチドは、DNA及びRNAを含み、宿主細胞内に導入されて発現のために様々な形態で導入されることができる。例えば、前記ポリヌクレオチドは、自ら発現するのに必要なすべての要素を含む遺伝子構造体である発現カセット(Expression cassette)の形態で宿主細胞に導入されることができる。前記発現カセットは通常前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されているプロモーター(promoter)、転写終結言号、リボソーム結合部位及び翻訳終結言号を含む。前記発現カセットは、自ら複製が可能な発現ベクター形態であり得る。さらに、前記ポリヌクレオチドはそれ自体の形態で宿主細胞に導入されて、宿主細胞で発現に必要な配列と作動可能に連結されているものであってもよい。
【0064】
さらに別の側面で本願はさらに前記組換え細胞を培養して培養物を収得する段階;及び前記培養された細胞または培養物から前記ポリペプチドを回収する段階を含む本願に係る突然変異UDGタンパク質の産生方法に関する。
【0065】
本発明において、前記組換え細胞を培養する段階は、特にこれに制限されないが、公知されたバッチ培養方法、連続培養方法、流加培養方法などにより行われることが好ましく、培養条件は特にこれに制限されないが、塩基性化合物(例:水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニア)または酸性化合物(例:リン酸または硫酸)を用いて適正pH(pH5乃至9、好ましくはpH6乃至8、最も好ましくはpH6.8)を調節することができ、酸素または酸素-含有ガス混合物を培養物に導入させて好気性条件を維持することができ、培養温度は20乃至45℃、好ましくは25乃至40℃を維持することができ、約10乃至160時間培養することが好ましい。前記培養によって産生された前記ポリペプチドは、培地中に分泌されたり細胞内に残留したりすることができる。
【0066】
本発明において、用いられる培養用培地は、炭素供給源としては、糖及び炭水化物(例:グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、モラセス、デンプン及びセルロース)、油脂及び脂肪(例:大豆油、ひまわり油、ピーナツ油及びココナッツ油)、脂肪酸(例:パルミチン酸、ステアリン酸及びリノール酸)、アルコール(例:グリセロール及びエタノール)及び有機酸(例:酢酸)等を個別的に使用するかまたは混合して使用でき;窒素供給源としては窒素-含有有機化合物(例:ペプトン、酵母抽出液、肉汁、麦芽抽出液、とうもろこし浸漬液、大豆粕粉及びウレア)、または無機化合物(例:硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウム)等を個別的に使用するかまたは混合して使用でき;リン供給源としてリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、これに相応するナトリウム含有塩などを個別的に使用するかまたは混合して使用でき;その他金属塩(例:硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄)、アミノ酸及びビタミンといった必須成長-促進物質を含むことができる。
【0067】
本発明の前記培養段階で産生されたポリペプチドを回収する方法は、培養方法、例えばバッチ、連続または流加培養方法などにより当分野公知された適した方法を利用して培養液から目的するポリペプチドを収集することができる。
【0068】
本発明は特に言及しない限り、分子生物学、DNA組換え技術の技術水準内である通常の技術を用いて実施されることができる。また、通常の技術に関するより詳しい説明は、下記の本及び文献を参照することができる。分子生物学及び生化学に関する通常の方法に関しては、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd Ed.(Sambrook et al.,Cold Spring Harbor Laboratory Press 2001);Short Protocols in Molecular Biology,4th Ed.(Ausubel et al.eds.,John Wiley & Sons1999);DNA Cloning,Volumes I and II(Glover ed.,1985);Oligonucleotide Synthesis(Gait ed.,1984);Nucleic Acid Hybridization(Hames and Higgins eds.1984);Transcription And Translation(Hames and Higgins eds.1984);Culture Of Animal Cells(Freshney and Alan,Liss、Inc.,1987);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(Miller and Calos,eds.);Current Protocols in Molecular Biology and Short Protocols in Molecular Biology,3rd Edition(Ausubel et al.,eds.);及びRecombinant DNA Methodology(Wu,ed.,Academic Press)等を参照することができる。
【0069】
以下、本発明の理解を助けるために実施例を提示する。しかし、下記の実施例は、本発明をより理解しやすくするために提供されるだけで、本発明が下記の実施例に限定されるのではない。
【実施例
【0070】
実施例1.UDG構造分析を介した熱感受性アミノ酸残基選別
XRD実験で明らかになったE.coli由来UDGタンパク質の三次元構造を(PDB code:2EUG)スーパーコンピューティングを利用して分子動力学シミュレーションを行った(分子動力学シミュレーションはすでに与えられたforce fieldを距離に対して微分してタンパク質を構成するすべての原子間のカを求めて、ニュートンの法則を利用して分子の運動を記述するシミュレーションである。(F=ma=-dU/dx))。AMBER force-fieldを利用して与えられた温度でタンパク質の構造の集合を分子動力学シミュレーションで求めて、これからタンパク質を構成するアミノ酸残基の間のすべての相互作用エネルギー、即ちエネルギーネットワークを計算した。
【0071】
図1は、シミュレーションから抽出されたアミノ酸残基の間のエネルギーネットワークを示して、これに対してLaplacian network clustering分析を行ってエネルギーネットワークのハブを求めて、下記のように構造安定性に重要なアミノ酸リストを選別した:E13、q16、D43、F50、K57、I60、E97、N107、H134、E142、R156、E157、L162、W164、K171、q178、R179、H180、L183、H202、E215、W220、L224.Laplacian network clustereingは与えられたネットワークでi、jが接続できていれば、weightを付与してそうでなければ0の値を持つ隣接行列(Aij、Adjacency Matrix)と、行列の対角成分i、iがノードiと連結されたweightの合計であり、残りの非対角成分は、全0であるDegree Matrix(Dij)を求める。なおラプラシアン行列Lij=Dij-Aijで定義する。なおラプラシアン行列の性質を利用してクラスタリングをしてハブを求める(Lijを対角化してnonzero lowest eigenvalueに該当する固有ベクトルの値が同じ成分がグループを示して、a few largest eigenvalueに該当する固有ベクトルで値が大きい成分がhubと定義する。)。
【0072】
実施例2.熱感受性誘発候補突然変異UDGクローニング及びタンパク質発現
実施例1で選別された残基が各々アラニンで置換されたUDG遺伝子を下記のように製造した。
これのために野生型E.coli UDG遺伝子(配列番号2)にEZchange Site-directed Mutagenesis Kit(Enzynomics)及び表3のプライマーを使用者の指示のとおり用いて選別された残基に人為的に点突然変異を導入した。正しい突然変異が導入されたのか配列分析で確認した(ゼノテックまたはバイオニックス)。
【0073】
【表3】
【0074】
続いて前記の通りに製造された24種の突然変異UDGタンパク質を下記のように発現した。前記24種の熱感受性UDG候補遺伝子を含む発現ベクターを各々BL21(DE3)RIL菌株にカルシウムクロリド熱ショック形質転換をした。引き続き前記形質転換された単一大腸菌コロニーを37℃でOD600=0.5~1になるように培養した後、1mM IPTGを添加して4時間培養してタンパク質を発現させた。引き続き遠心分離を介して細胞ペレットを確保してソニケーションを介して細胞を破砕した後、再度遠心分離して可溶性分画と不溶性分画をSDS-PAGE方法で分析した。
【0075】
その結果図2に示された通り、野生型を含んで合計25種の試料で目的タンパク質が発現するのを確認した。
【0076】
実施例3.候補突然変異UDGの熱感受度測定
続いて実施例2で発現したUDGタンパク質24種の中で熱感受度が増加した突然変異があるか確認するために、In vitro UDG activity assayを行った。該当実験は5’端の部分に、FAM蛍光物質が標識されており、中ほどにdUを一つ含んでいる完全に相補的な二本鎖DNAを基質として用いる実験方法である(図3及び図4参照)。
【0077】
これのために合計20ulの反応液に10X USE Reaction buffer(EZ USE Enzyme,Enzynomics)、Endonuclease VIII(Enzynomics)100ng、二本鎖蛍光dU基質20pmolを混合して準備した。ここに95℃で5~15分間熱処理または熱処理をしなかった野生型及び突然変異UDGを入れて37℃で15分間反応させると、UDGによってdUのuracil塩基が切れてabasic siteが形成される。次に、過量のEndonuclease VIIIによって非塩基部位が切断されて添加したUDGの活性に比例して二本鎖DNAの一方の鎖が切断される(図3)。該当反応液を変性PAGE分析を介して確認すると切断された一本鎖だけを特異的に分析可能である(図4)。
【0078】
前記のようなIn vitro UDG activity assay方法で不溶性タンパク質を産生する突然変異クローンを除いた23種の候補突然変異UDGと野生型UDGに対する熱感受度テストを行った。分析には発現した可溶性分画を精製過程なしに定量だけして用いた。
【0079】
熱感受性増加率は次のような数式で計算した;
[熱処理以後50%基質を切断するために必要な酵素の量]/[熱処理以前の50%基質を切断するために必要な酵素の量]。
【0080】
結果は図5に記載されている。これに示されたとおり、D43AとK57A突然変異が各々野生型対比50%以上の熱感受性が増加して、H134A、E142A、W164A、H180A、L183A、H202A、L224Aも野生型対比10%以上熱感受性が増加したのを確認することができた。各突然変異UDGの特異的活性度はW164Aクローンを除くと野生型対比50%以内で測定されてPCR実験適用に適したことが確認された(Data not shown)。
【0081】
実施例4.突然変異UDG精製及び熱感受度測定
(1)精製
In vitro UDG activity assay方法を介した熱感受性評価実験を基に今後追加開発及び評価のために50%以上の熱感受性増加が確認されたD43AとK57A、そして野生型と類似の熱感受性を持つものと評価されたE157AとE215A及び野生型UDG合計5種のタンパク質に対する精製作業を行った。約50mgの発現したUDGが含まれた可溶性抽出物を1mlのNi-NTA resin(Qiagen)と混合して4℃低温条件で3時間overhead rotationしてUDGとNi-NTA resinの結合を誘導した。以後gravity column(Bio-rad)で混合液を移した後、20column volumeのW1 buffer(CB2000+5mM IDZ)、20column bufferのW2(D.W)、10column volumeのW3(2M NaCl+40%エチレングリコール)、10column volumeのW4 buffer(CB300+20mM IDZ)で順次洗浄した。最終的に60mM IDZが含まれたW4 bufferと250mM IDZが含まれたElution bufferを使用してタンパク質を溶出した。
【0082】
これにより、野生型UDGと突然変異UDG4種が含まれた合計5種のUDG酵素を精製した。野生型UDGの場合、最高1.37mg/ml(137,000unit/ml)、D43Aの場合、最高1.51mg/ml(151,000unit/ml)、K57Aの場合、最高2.32mg/ml(232,000unit/ml)、E157Aの場合、最高1.67mg/ml(167,000unit/ml)、E215Aの場合、最高1.63mg/ml(163,000unit/ml)の濃度を確保した。確保されたUDGの平均純度はSDS-PAGE実験結果、約90~95%範囲であることを確認することができた。
【0083】
(2)In vitro UDG活性分析を利用した熱感受度測定
候補突然変異UDGの熱感受性をより正確に測定するために、精製された突然変異UDGを使用してIn vitro UDG activity assayを行った。図3及び図4と同じ方法で実験を進めて添加されたUDGの量は0.2、1、2、5ng順に増加させて用いた。結果は、図6に記載されている。これに示された通り、熱処理以前には野生型と突然変異UDGに関係なく全0.2ngと1ngとの間で用いられた基質を98%以上切断するのを確認した。しかし、95℃で15分間熱処理過程を先に進めた場合には、D43AとK57Aクローンで野生型よりも約3~5倍以上活性をさらに多く低下させるのを確認することができた(0.2ng基準)。E157AとE215Aの場合にも、野生型に比べて熱による活性低下が約30%程度より大きいことが観察された(0.2ng基準)。
【0084】
(3)放射性同位元素を利用した熱感受度測定
突然変異UDGの熱感受性増加度をより直接的に確認するために、放射性同位元素を活用した活性測定実験を行った。これのために最初に、放射性同位元素で標識された基質を準備した。基質準備のために用いられたDNAの配列は次のとおりである。基質1:5’-GGA ACA ATT CUG CGG CTT TAG-3’(配列番号160)、基質2:5’-CTA AAG CCG CAG AAT TGT TCC-3’(配列番号161)。まず基質1オリゴヌクレオチド20pmolを8.25pmolの[γ-32P]ATPとpolynucleotide kinase(Enzynomics)を利用して標識した。EDTAを入れて反応を中断させた後、基質2オリゴヌクレオチドを20pmolだけさらに添加した。該当反応液を最終1X Annealing buffer[125mM NaCl、25mM Tris-HCl(pH7.5)]条件で混合してPCR装置を利用して二つの一本鎖DNAを二本鎖DNAで混成化させた。最終的に10% SDS-PAGE及びゲル精製を介して純粋に分離した。
【0085】
このように準備した基質を利用して野生型と突然変異UDGの熱処理以前と以後の活性を評価した。まず200fmol/ulで準備された精製された野生型及びD43A突然変異酵素を95℃で0、2、5、10、20分間熱処理した。以後、それら各々1ulずつ用いて合計20ulの反応液で(20mM Tris-HCl(pH7.8)、0.1mM DTT、1mM EDTA)15fmolの基質と反応させた。反応は、25℃で10分間進行され、その後同じ体積の2X stop solutionを添加して反応を中断した。反応物を沸騰水で20分間処理した後3M HClを2ul添加して塩濃度を中和した。最後に反応物8ulを15%変性ゲルに1X TBEを入れて35Wで30分間電気永動して分離した。最終電気永動産物を85℃で2.5時間3MM(Whatman)紙の上に真空で乾燥した後phosphoimager及びX-rayフィルムを利用して分析した。
【0086】
結果は、図7に記載されている。これに示された通り野生型の場合、約50%の活性が減少するのに15分近く掛かったが、D43Aクローンの場合、最初2分熱処理によって70%以上活性が減少して5分からは90%以上活性が減少するのを確認することができた。このような結果から突然変異UDGの熱感受度が野生型に比べて大幅に高いことを確認することができた。
【0087】
実施例5.突然変異UDGの野生型と比較したTm分析
実施例4で精製されたタンパク質を利用して野生型とD43A突然変異UDGの融解温度を分析した。これのためにJ-815 CD spectrometer(Jasco、Japan)を製造者の方法のとおり利用して円偏光二色性(CD)分析を実施した。25℃から95℃まで温度を増加させながら2℃単位で222nmの楕円率を測定した。結果は、図8に記載されている。これに示された通りWTのTmは約44℃、D43A突然変異のTmは約39℃と測定されて突然変異UDGのTmが約5℃程度低いことが確認された。この結果は、D43A突然変異が野生型よりも酵素の三次元的構造安定性が低いことを意味し、従って突然変異の高い熱感受性を裏付ける結果である。
【0088】
実施例6.突然変異UDGの野生型と比較したpH、塩、2価カチオンによる活性差分析
実施例4で精製されたタンパク質を利用して野生型とD43A突然変異UDGの様々な生化学的特性を様々なバッファー条件で測定した。まずpHを6.6から9まで異にしてUDGの活性変化を測定した結果、D43A突然変異と野生型で共に酵素活性に大きい影響を与えないことが確認された(図9参照)。
【0089】
塩濃度に応じた活性影響度を評価するために、NaCl濃度を20から250mMまで異にして活性を測定した。野生型と突然変異UDG共に低い塩濃度で高い活性を示し塩濃度が高くなるほど活性が阻害されるのを確認することができた。特に、200mM以上では、20mMでのUDG活性の20%程度だけを示すことが明らかになり、このような塩による活性阻害効果は、野生型と突然変異共に類似することが確認された(図10参照)。
【0090】
最後に、2価金属イオンの濃度に応じた酵素の活性変化を測定した。2価金属イオンは、MgCl、CaCl、ZnCl、CoCl、MnClを0.01で1mMまで様々な濃度で用いた。実験結果、野生型と突然変異UDG共に2価金属イオンの濃度が増加するほど活性が略阻害されるのを確認することができた(図11及び図12参照)。特に、ZnClとCoClの場合には、各々0.05mMと0.2mMで95%以上酵素の活性が抑制されるのを確認することができた(図12)。しかし、突然変異と野生型UDGとの間の2価金属イオン濃度に応じた活性阻害度の差は殆どないことが確認された。
【0091】
実施例7.突然変異UDGの最適反応温度分析
実施例4で精製されたタンパク質を利用して野生型とD43A突然変異UDGの最適反応温度を分析した。これのために5~95℃まで5℃間隔で酵素の活性を測定した。結果は、図13に記載されている。実験結果、野生型と突然変異共に45℃で最適活性を示すと確認された。しかし、熱感受性が高いと確認されたD43A突然変異の場合、35℃での活性が55℃活性の約3倍程度で測定されて(野生型の場合、略同じ)全般的な最適活性温度が野生型に比べて低い方に偏向していることが分かった(図13)。このような結果は、D43A突然変異の熱感受性が野生型に比べて高いため、現れたものと判断される。
【0092】
実施例8.突然変異UDGのRealtime PCRでUDGによる阻害効果減少実験
最も広く用いられる大腸菌由来UDGの場合、Realtime PCRに適用した時PCR過程中に完全に不活性化されることなくPCR増幅産物を一部分解することによってRealtime PCRの効率を減少させる副作用があると観察されている。
【0093】
本願で開発された熱感受性UDG突然変異の場合、PCR過程中に速く不活性化されて、このような副作用がないことと予測した。これを実験的に検証するために、下記のような実験を行った。ヒトcDNA 10ngを鋳型にしてGAPDH遺伝子を標的DNAに増幅するために、Forward(5’-ACGGATTTGGTCGTATTGGGC-3’)(配列番号157)、Reverse(5’-TTGACGGTGCCATGGAATTTG-3’)(配列番号158)プライマーと蛍光TaqManプローブ(5’FAM-CCTGGTCACCAGGGCTGCTTTTAA-TAMRA 3’)(配列番号159)を用いた(ゼノテック、韓国)。遺伝子増幅のために標準PCR緩衝液(10mM Tris-HCl/pH8.3、1.5MgCl2、50mM KCl、0.2mM dNTP)に野生型Taqポリメラーゼ1unit(50ng/unit)と野生型または突然変異UDGを0、1、2、5、10ngを混合して用いた。PCR反応は、リアルタイムPCR装備(CFX96、Bio-Rad)を用いて、50℃で4分UDG反応段階、95℃で15分間前変性段階を経た後、95℃で10秒、50℃で40秒、60℃で20秒を1サイクルにして合計50サイクルを行った。相対的蛍光値はサイクル毎の50℃、40秒反応後で測定して示した。
【0094】
結果は、図14に記載されている。これに示されたように、野生型UDGを用いた場合、反応に添加したUDG量に比例してCt(Cycle threshold)値が増加するのを確認することができた。これは、UDG反応過程以後の前変性段階で野生型UDGが完全に不活性化されることなく以後のPCR増幅段階で増幅された産物を分解していることを意味する。しかし、D43AとK57A突然変異の場合、PCR過程中に存在する95℃反応条件で速く不活性化されて添加したUDGの量に応じたCt値の変化が殆どないことを確認することができた。程度の差はあるものの、E157AとE215A突然変異の場合にも野生型よりも低いCt値増加を示すことを確認することができ、これは該当突然変異が野生型UDGに比べて高い熱感受性を示すことを意味する。
【0095】
実施例9.43番目残基でアラニン以外の様々なアミノ酸への突然変異製造及び熱感受性分析
より熱感受性が増加した突然変異を探すために、選別された残基を様々なアミノ酸に変化させては実験を行った。これのために、E.coli UDGと構造的類似性が高い様々な酵素を分子動力学シミュレーションを利用した自由エネルギー計算、多重配列整列及び常用ウェブサーバーを利用した安定性分析を介してD43位置に突然変異を誘発した時、最も熱安定性を減少させると計算された8種のアミノ酸残基を選別した。これらは各々C、G、K、H、I、P、R、V、Wであり、実施例2、3と同様に部位特異的突然変異導入後タンパク質発現及び精製を介して突然変異UDG 8種を確保した。これに用いられたプライマーセットは表3に開示されている。
【0096】
これらの突然変異UDGを発現した結果は図15に記載されている。
【0097】
これらを利用してIn vitro UDG activity assayを行った結果を図16、17に示した。実験結果、D43位置を各々H、R、V、Wに変更させた時、野生型対比各々53、52、32、65倍熱感受度が増加することが分かった。D43Aの場合、既存実験結果と似ているように熱感受度が約8倍増加するのを確認することができた。残りのC、G、K、I、P突然変異も程度の差はあるものの、野生型対比約3~15倍程度熱感受度が増加する結果を得ることができた。このような結果から予測されたD43位置にAでない他のアミノ酸を導入しても、野生型対比熱感受性が増加するのを確認でき、特にH、R、V、W突然変異の場合、Aより4~8倍増加した熱感受性を示した。
【0098】
実施例10.組み合わせ突然変異製造及び熱感受性分析
次に前で確認された突然変異を互いに組み合わせた時、熱感受性がさらに増大するか確認するために、組み合わせ突然変異を製作した。一次に選別されたアミノ酸残基を組み合わせてsingle、double、triple、quadruple突然変異を製作して、新しい候補突然変異を追加して合計17種の突然変異UDGに対して、In vitro UDG activity assayを行った。結果は、図18に記載されており、実験結果、D43Aと組合わせたD43A/K57A、D43A/E157A、D43A/E215A、D43A/K57A/E157A、D43A/E157A/E215A、D43A/K57A/E157A/E215A突然変異で共に野生型より2倍以上増加した熱感受性を示すのを確認することができた。しかし、D43Aを含まない組み合わせ突然変異の場合、熱感受性増大効果が1.5倍以内であることを確認した。このような結果をまとめてみると、D43位置の突然変異がE.coli UDGの熱的安定性維持に重要な役割をすることを確認することができた。
【0099】
実施例11.様々な突然変異UDG製造及び熱感受度分析
より様々な熱感受性UDGを選別するために、E4、W7、Y19、F48、E52、H67、q71、H73、F77、R80、P87、L96、E112、L121、F144、F161、G214位置をアラニン、グルタミン酸、アルギニンまたはトリプトファンに変化させた突然変異UDGを製作した。選択された残基は、以前の実験と似ているように構造を基に自由エネルギー計算によって予測された。
【0100】
結果は、図19に記載されている。これに示された通り精製された合計19種の突然変異UDGの熱感受性を既に確認されたD43A突然変異と比較/測定した結果、W7A、E52A、G214W突然変異酵素の場合、野生型対比各々6.9倍、14.2倍、9.3倍熱感受度が増加するのを確認することができた。この他にY19A、F48A、q71A、H73A、E112A、F144A、F161A、G214R突然変異の場合にも熱感受性が約2倍以上増加するのを観察することができた。
【0101】
実施例12.本願の突然変異UDGと野生型UDGの不活性化温度及び再活性化の有無分析
本願に係る突然変異UDG中でD43A、D43C、D43H、D43R、D43V、D43Wを対象に比較実験を行った。
【0102】
野生型UDG及び本願のUDGは、事前実験を行って同等な量の基質を切断する濃度を決めた後、35℃から95℃まで10℃間隔で温度を異にして5分間熱処理した後、35℃、15分反応を介してUDGの活性を測定した。
【0103】
結果は図20に記載されている。これに示された通り、55℃以上では野生型UDGを除いたすべてのUDGが不活性化されるのを確認した。野生型UDGの場合、55℃熱処理以後22%の活性を保有すると確認されたが、本願のD43A、D43C、D43H、D43R、D43V、D43Wの場合、該当温度で完全に不活性化されるのを確認できて、熱感受性が高いことを確認することができた。
【0104】
これに加えて、D43Aは45℃から、D43RとD43Vは35℃から不活性化が開始するのを確認できて、熱感受性が相当高いことを確認することができた。これは、また42℃で進行されるRT(Reverse Transcription、逆転写)反応以前に不活性化が始まるので、RT反応を阻害しないことを示す。
【0105】
追加して、野生型UDGの場合、65℃と75℃で完全に不活性化されたが、85℃と95℃熱処理以後には一部活性が残っていること(再活性化)を確認することができたが、本願に係るUDGはこのような現象が現れなかった。
【0106】
これは本願のD43A、D43C、D43H、D43R、D43V、D43Wが高い熱感受性により効果的に不活性化されて再活性化されることなくPCR反応に使用時PCRを阻害しなくてその効率を最も効果的に高める可能性があることを示す。
【0107】
以上、本願の例示的な実施例について詳細に説明したが、本願の権利範囲はこれらに限定されるのではなく、次の請求範囲で定義している本願の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態も本願の権利範囲に属する。
【0108】
本発明で用いられるすべての技術用語は、特に定義されない限り、本発明の関連分野で通常の当業者が一般的に理解するのと同様の意味で用いられる。本明細書に参考文献として記載されるすべての刊行物の内容は本発明に導入される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【配列表】
2023502800000001.app
【手続補正書】
【提出日】2021-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図1】本願の一実現例により熱感受性アミノ酸残基を選別するため、分子動力学から求めた相互作用エネルギーネットワークグラフである。
図2A-F】本願の一実現例により製造された突然変異を持つUDGタンパク質をコードする遺伝子を含むベクターで形質転換された大腸菌で各目的タンパク質が発現するのをSDS-PAGEで分析した結果である。
図3】本願の一実現例よって製造された突然変異を持つUDGタンパク質の熱感受度をテストするために用いたイン・ビトロUDG活性アッセイの原理を模式的に示した図である。
図4図3の原理に係る分析物をDenaturing PAGE分析を介して確認した結果で切断された一本鎖だけを特異的に分析可能である。
図5】本願の一実現例よって製造された突然変異を持つUDGタンパク質の熱感受度を図3及び図4の方法により測定した結果である。
図6図5で選別されたD43A、K57A、E157A及びE215A突然変異UDGの熱感受度を図3及び図4の方法により測定した結果である。D43AとK57Aクローンで野生型よりも約3~5倍以上活性を失い(0.2ng基準)。E157AとE215Aの場合にも、野生型に比べて熱による活性低下が約30%程度より大きいことが分かった。
図7】D43A突然変異の熱感受度を、放射性同位元素を利用して測定した結果である。野生型の場合、約50%の活性が減少するのに約15分かかったが、D43Aクローンの場合、最初2分熱処理によって70%以上活性が減少して、5分からは90%以上活性が減少するのを確認することができる。このような結果から突然変異UDGの熱感受度が野生型に比べて大幅に高いことを確認することができる。
図8】野生型とD43A突然変異UDGのmelting temperatureの差を測定するため、J-815 CD spectrometer(Jasco,Japan)を利用してcircular dichroism(CD)分析を実施した結果で、WTのTmは約44℃、D43A突然変異のTmは約39℃で測定された。この結果は、D43A突然変異が野生型よりも酵素の三次元的構造安定性が低いことを意味して、従って突然変異の高い熱感受性を裏付ける結果である。
図9】突然変異と野生型UDGの様々な生化学的特性を様々なバッファー条件で測定した結果で、pHを6.6から9まで異にしてUDGの活性変化を測定した結果、D43A突然変異と野生型で共に酵素活性に大きい影響を与えないと確認された。
図10】突然変異と野生型UDG Salt濃度に応じた活性影響度を評価するため、NaCl濃度を20から250mMまで異にして活性を測定した結果で、野生型と突然変異UDG共に低いsalt濃度で高い活性を示し、salt濃度が高いほど活性が阻害されることが示された。特に、200mM以上では20mMでのUDG活性の20%程度だけを示すと明らかになったが、このような塩による活性阻害効果は、野生型と突然変異共に類似することが確認された。
図11】突然変異と野生型UDGの2価金属イオンの濃度に応じた酵素の活性変化を測定した。これのために、MgCl、CaCl、ZnCl、CoCl、MnClを0.01から1mMまで様々な濃度で用いた。実験結果、野生型と突然変異UDG共に2価金属イオンの濃度が増加するほど活性が略阻害されることが示されたが、突然変異と野生型UDGとの間のdivalentmetal ion濃度に応じた活性阻害度の差は殆どないことが示された。
図12】突然変異と野生型UDGのZnClとCoClの濃度に応じた酵素の活性変化を測定した結果である。ZnClとCoClの場合には、各々0.05mMと0.2mMで95%以上酵素の活性が抑制されることが示された。
図13】野生型と突然変異UDGの最適反応温度を確認するために、5~95℃まで5℃間隔で酵素の活性を測定した。実験結果野生型と突然変異共に45℃で最適活性を示すことが確認された。しかし、熱感受性が高いと確認されたD43A突然変異の場合、35℃での活性が55℃活性の約3倍程度で測定されて(野生型の場合、略同じ)、全般的な最適活性温度が野生型に比べて低い側に偏っていることを示す。このような結果は、D43A突然変異の熱感受性が野生型に比べて高いから現れたものと判断される。
図14】Realtime PCRで突然変異と野生型UDGによるPCR効率阻害効果を分析した結果である。野生型UDGを用いた場合、反応に添加したUDG量に比例してCt(Cycle threshold)値が増加し、これはUDG反応過程以後の前変性段階で野生型UDGが完全に不活性化されずに、以後のPCR増幅段階で増幅された産物を分解していることを意味する。しかし、本願の突然変異UDGは、野生型に比べて高い熱感受性を示し、特にD43AとK57A突然変異の場合、PCR過程中に存在する95℃反応条件で速く不活性化されて、添加したUDGの量に応じたCt値の変化が殆どないことを確認することができた。
図15】本願の一実現例により製造された、D43位置がC、G、K、H、I、P、R、V、Wアミノ酸で置換された突然変異UDGを発現、精製した結果である。前記突然変異に対するIn vitro UDG activity assay結果は図15及び図16に記載されている。
図16図15で製造された突然変異UDGの熱感受度をIn vitro UDG activity assayで分析した結果である。D43位置を各々H、R、V、Wに変更させた際に野生型対比各々53、52、32、65倍熱感受度が増加することが示され、D43Aの場合、既存実験結果と類似して熱感受度が約8倍増加し、残りのC、G、K、I、P突然変異も程度の差はあるものの野生型対比約3~15倍程度熱感受度が増加することが示された。
図17図16の結果を野生型と比較して熱感受度増加倍数で示したものである。
図18】D43A、E157A、E215A、L162A、L183A、K57A及びK171A番目残基から選択される二つ以上の突然変異を含むUDGの熱感受度を測定した結果である。D43A/K57A、D43A/E157A、D43A/E215A、D43A/K57A/E157A、D43A/E157A/E215A、D43A/K57A/E157A/E215A突然変異で共に野生型より2倍以上増加した熱感受性を示すのを確認することができた。しかしD43Aを含まない組み合わせ突然変異の場合、熱感受性増大効果が1.5倍以内であることが示された。このような結果は、D43位置の突然変異がE.coli UDGの熱的安定性決定に重要であることを示す。
図19】本願の一実現例により製造されたE4、W7、Y19、F48、E52、H67、q71、H73、F77、R80、P87、L96、E112、L121、F144、F161、G214位置をアラニン、グルタミン酸、アルギニンまたはトリプトファンで変化させた合計19種の突然変異UDGの熱感受度の測定結果である。W7A、E52A、G214W突然変異酵素の場合、野生型対比各々6.9倍、14.2倍、9.3倍熱感受度が増加するのを確認することができる。この他にY19A、F48A、q71A、H73A、E112A、F144A、F161A、G214R突然変異の場合にも熱感受性が約2倍以上増加することが示された。
図20】本願に係るD43A、D43C、D43H、D43R、D43V、D43W UDGと野生型UDGの熱感受度及び不活性化後再活性化の可否を測定した結果である。野生型UDGの場合、55℃熱処理後にも22%の活性を保有すると確認されたが、本願に係るUDGは45℃で90%以上不活性化されるのを確認することができる。さらに野生型UDGの場合、65℃と75℃で完全に不活性化されたが、85℃と95℃熱処理後には一部活性が残っていること(再活性化)を確認することができたが、本願に係るUDGは、このような現象が現れなかった。これは、本願のUDGが高い熱感受性によって最も効果的に不活性化されて再活性化されずRTはもちろんPCR反応に使用時PCRを阻害しなくてその効率を最も効果的に高めることができることを示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
その結果図2A-Fに示された通り、野生型を含んで合計25種の試料で目的タンパク質が発現するのを確認した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】