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特表2023-502817領域熱度予測モデルを確立する方法、領域熱度予測の方法、及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】領域熱度予測モデルを確立する方法、領域熱度予測の方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20230119BHJP
   G06N 3/08 20230101ALN20230119BHJP
【FI】
G06N20/00
G06N3/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576943
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(85)【翻訳文提出日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2021097892
(87)【国際公開番号】W WO2022088677
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202011155016.1
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フアン、ジジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ハイフェン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ミアオ
(72)【発明者】
【氏名】スン、イボ
(57)【要約】
本開示は、ビッグデータ技術の分野に関する領域熱度予測モデルを確立する方法、領域熱度予測の方法、及び装置を開示する。具体的な実現方案は、第1の履歴領域熱度データを使用して、時系列予測モデルを事前トレーニングし、第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、前記第2のサポートサンプルを使用して前記時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整して前記領域熱度予測モデルを取得し、前記領域熱度予測モデルは、第2のクエリサンプルを予測するために使用され、前記第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含む。当該方式は、第2の履歴領域熱度データが代表する分布データが少ない場合にも、当該分布データを効果的に学習することができ、領域熱度予測の精度を向上させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
領域熱度予測モデルを確立する方法であって、
第1の履歴領域熱度データを使用して、時系列予測モデルを事前トレーニングするステップと、
第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、前記第2のサポートサンプルを使用して前記時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整して前記領域熱度予測モデルを取得するステップと、を含み、
前記領域熱度予測モデルは、第2のクエリサンプルを予測するために使用され、前記第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含む、
領域熱度予測モデルを確立する方法。
【請求項2】
前記第1の履歴領域熱度データは、第1の履歴期間における各時点での領域の特徴データ及び領域熱度を含み、
前記第2の履歴領域熱度データは、第2の履歴期間における各時点での前記領域の特徴データ及び領域熱度を含む、
請求項1に記載の領域熱度予測モデルを確立する方法。
【請求項3】
前記特徴データは、
前記領域に含まれる関心ポイントPOIの数、ユーザ訪問時間分布データ、訪問したユーザの外出方式分布データ、及び訪問したユーザの外出距離分布データのうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の領域熱度予測モデルを確立する方法。
【請求項4】
前記時系列予測モデルのトレーニングターゲットは、予測結果と期待値との間の差を最小化することを含み、前記予測結果は、前記時系列予測モデルが時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び領域熱度を使用して時間ウィンドウT後のτ個の時点の領域熱度を予測した結果であり、前記期待値は、時間ウィンドウT後のτ個の時点の対応するサンプルにおける領域熱度であり、
前記時間ウィンドウTは、前記第1の履歴期間より長さが小さく、前記第2の履歴期間より長さが小さく、τは、正の整数である、
請求項2に記載の領域熱度予測モデルを確立する方法。
【請求項5】
前記第1の履歴領域熱度データを使用して、時系列予測モデルを事前トレーニングするステップと、
前記第1の履歴領域熱度データを使用して、少なくとも1つのメタトレーニングタスクを構築するステップと、
メタトレーニングタスクにおける第1のサポートサンプル及び第1のクエリサンプルに基づいて、メタ学習メカニズムを使用して前記時系列予測モデルをトレーニングするステップと、を含み、
前記第1のサポートサンプルと第1のクエリサンプルは、それぞれ前記第2のサポートサンプルと第2のクエリサンプルと時間の長さが一致する、
請求項1に記載の領域熱度予測モデルを確立する方法。
【請求項6】
前記メタ学習メカニズムを使用して前記時系列予測モデルをトレーニングするステップは、各メタ学習タスクに対して、前記第1のサポートサンプルにおいて損失関数の勾配を計算し、メタパラメータを更新し、すべてのメタ学習タスクの第1のクエリサンプルにおける損失関数勾配を決定してモデルパラメータを更新するために使用するステップを含み、
前記第2のサポートサンプルを使用して前記時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整するステップは、前記第2のサポートサンプルにおいて損失関数勾配を計算してモデルパラメータを更新するために使用するステップを含む、
請求項5に記載の領域熱度予測モデルを確立する方法。
【請求項7】
前記損失関数は、前記時系列予測モデルによって時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び領域熱度を使用して時間ウィンドウT後のτ個の時点の領域熱度を予測した後、予測結果と時間ウィンドウT後のτ個の時点の対応するサンプルにおける領域熱度との間の差を使用して構築して取得され、
前記時間ウィンドウTの長さは、前記第1のサポートサンプルの時間の長さより小さく、前記第1のクエリサンプルの時間の長さより小さく、τは、正の整数である、
請求項6に記載の領域熱度予測モデルを確立する方法。
【請求項8】
領域熱度予測の方法であって、
領域熱度予測モデルを使用して第2のクエリサンプルを予測するステップを含み、前記第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含み、
前記領域熱度予測モデルは、第1の履歴領域熱度データを使用して時系列予測モデルを事前トレーニングした後、第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、前記第2のサポートサンプルを使用して前記時系列予測モデルをさらにトレーニングして取得される、
領域熱度予測の方法。
【請求項9】
前記第1の履歴領域熱度データは、第1の履歴期間における各時点での領域の特徴データ及び領域熱度を含み、
前記第2の履歴領域熱度データは、第2の履歴期間における各時点での前記領域の特徴データ及び領域熱度を含む、
請求項8に記載の領域熱度予測の方法。
【請求項10】
前記領域熱度予測モデルを使用して第2のクエリサンプルを予測するステップは、
前記予測待ち時間の前の時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び領域熱度を使用して、前記予測待ち時間の領域熱度を予測するステップを含み、
前記時間ウィンドウTは、前記第1の履歴期間より長さが小さく、前記第2の履歴期間より長さが小さい、
請求項9に記載の領域熱度予測の方法。
【請求項11】
領域熱度予測モデルを確立する装置であって、
第1の履歴領域熱度データを使用して、時系列予測モデルを事前トレーニングするための事前トレーニングモジュールと、
第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、前記第2のサポートサンプルを使用して前記時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整して前記領域熱度予測モデルを取得するための微調整モジュールと、を含み、
前記領域熱度予測モデルは、第2のクエリサンプルを予測するために使用され、前記第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含む、
領域熱度予測モデルを確立する装置。
【請求項12】
前記第1の履歴領域熱度データは、第1の履歴期間における各時点での領域の特徴データ及び領域熱度を含み、
前記第2の履歴領域熱度データは、第2の履歴期間における各時点での前記領域の特徴データ及び領域熱度を含む、
請求項11に記載の領域熱度予測モデルを確立する装置。
【請求項13】
前記特徴データは、
前記領域に含まれる関心ポイントPOIの数、ユーザ訪問時間分布データ、訪問したユーザの外出方式分布データ、及び訪問したユーザの外出距離分布データのうちの少なくとも1つを含む、
請求項12に記載の領域熱度予測モデルを確立する装置。
【請求項14】
前記時系列予測モデルのトレーニングターゲットは、予測結果と期待値との間の差を最小化することを含み、前記予測結果は、前記時系列予測モデルが時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び領域熱度を使用して時間ウィンドウT後のτ個の時点の領域熱度を予測した結果であり、前記期待値は、時間ウィンドウT後のτ個の時点の対応するサンプルにおける領域熱度であり、
前記時間ウィンドウTは、前記第1の履歴期間より長さが小さく、前記第2の履歴期間より長さより小さく、τは、正の整数である、
請求項12に記載の領域熱度予測モデルを確立する装置。
【請求項15】
前記事前トレーニングモジュールは、具体的には、
前記第1の履歴領域熱度データを使用して、少なくとも1つのメタトレーニングタスクを構築し、
メタトレーニングタスクにおける第1のサポートサンプル及び第1のクエリサンプルに基づいて、メタ学習メカニズムを使用して前記時系列予測モデルをトレーニングするために使用され、
前記第1のサポートサンプルと第1のクエリサンプルは、それぞれ前記第2のサポートサンプルと第2のクエリサンプルと時間の長さが一致する、
請求項11に記載の領域熱度予測モデルを確立する装置。
【請求項16】
前記事前トレーニングモジュールがメタ学習メカニズムを使用して前記時系列予測モデルをトレーニングする時、具体的には、各メタ学習タスクに対して、前記第1のサポートサンプルにおいて損失関数の勾配を計算し、メタパラメータを更新し、すべてのメタ学習タスクの第1のクエリサンプルにおける損失関数勾配を決定してモデルパラメータを更新するために使用され、
前記微調整モジュールは、具体的には、前記第2のサポートサンプルにおいて損失関数勾配を計算してモデルパラメータを更新するために使用するためのものである、
請求項15に記載の領域熱度予測モデルを確立する装置。
【請求項17】
前記損失関数は、前記時系列予測モデルによって時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び領域熱度を使用して時間ウィンドウT後のτ個の時点の領域熱度を予測した後、予測結果と時間ウィンドウT後のτ個の時点の対応するサンプルにおける領域熱度との間の差を使用して構築して取得され、
前記時間ウィンドウTの長さは、前記第1のサポートサンプルの時間の長さより小さく、前記第1のクエリサンプルの時間の長さより小さく、τは、正の整数である、
請求項16に記載の領域熱度予測モデルを確立する装置。
【請求項18】
領域熱度予測の装置であって、
領域熱度予測モデルを使用して第2のクエリサンプルを予測するために使用される予測モジュールを含み、前記第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含み、
前記領域熱度予測モデルは、第1の履歴領域熱度データを使用して時系列予測モデルを事前トレーニングした後、第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、前記第2のサポートサンプルを使用して前記時系列予測モデルをさらにトレーニングして取得される、
領域熱度予測の装置。
【請求項19】
前記第1の履歴領域熱度データは、第1の履歴期間における各時点での領域の特徴データ及び領域熱度を含み、
前記第2の履歴領域熱度データは、第2の履歴期間における各時点での前記領域の特徴データ及び領域熱度を含む、
請求項18に記載の領域熱度予測の装置。
【請求項20】
前記予測モジュールは、具体的には、前記予測待ち時間の前の時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び領域熱度を使用して、前記予測待ち時間の領域熱度を予測するために使用され、
前記時間ウィンドウTは、前記第1の履歴期間より長さが小さく、前記第2の履歴期間より長さが小さい、
請求項19に記載の領域熱度予測の装置。
【請求項21】
電子機器であって、
少なくとも一つのプロセッサと、
前記少なくとも一つのプロセッサに通信接続されたメモリと、を含み、
前記メモリに前記少なくとも一つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも一つのプロセッサが請求項1~7のいずれか一つに記載の領域熱度予測モデルを確立する方法を実行する、
電子機器。
【請求項22】
電子機器であって、
少なくとも一つのプロセッサと、
前記少なくとも一つのプロセッサに通信接続されたメモリと、を含み、
前記メモリに前記少なくとも一つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも一つのプロセッサが請求項8~10のいずれか一つに記載の領域熱度予測の方法を実行する、
電子機器。
【請求項23】
コンピュータ命令が記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令は、コンピュータに請求項1~7のいずれか一つに記載の領域熱度予測モデルを確立する方法を実行させる、
コンピュータ命令が記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項24】
コンピュータ命令が記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令は、コンピュータに請求項8~10のいずれか一つに記載の領域熱度予測の方法を実行させる、
コンピュータ命令が記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項25】
コンピュータに請求項1~7のいずれか一つに記載の領域熱度予測モデルを確立する方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項26】
コンピュータに請求項8~10のいずれか一つに記載の領域熱度予測の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータアプリケーション技術の分野に関し、特に、ビッグデータ技術の分野での領域熱度予測モデルを確立する方法、領域熱度予測の方法、及び装置に関する。
[優先権情報]
本開示は、出願日が2020年10月26日であり、出願番号が2020111550161であり、発明の名称が「領域熱度予測モデルを確立する方法、領域熱度予測の方法、及び装置」である中国特許出願の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
領域熱度予測は、大きな価値を持っており、政府、機構、及び個人がより効果的にリソース配置を最適化し、発展傾向を事前に判定し、さらに交通外出の観点からも参考または提案を提供することができる。領域熱度予測とは、指定時間における予測領域の人の流量を指し、例えば、ある商圏の指定時間における客の流量を予測し、ある駅の指定時間における客の流量を予測するなどである。
【0003】
領域熱度予測は、本質的に時間系列の予測問題であり、既存の時間系列予測アルゴリズムは、特徴工学、ニューラルネットワークフィッティングなどのアルゴリズムを含む。しかし、既存の時間系列予測アルゴリズムは、大量のラベル付けデータに高度な依存性があり、長い定常性系列の履歴記録のデータに対してトレーニングした後にのみ、より高い予測精度を持つことができ。しかし、いくつかの小さな確率的事件が発生した場合に領域熱度にたいして影響を与えることで、一定時間内の領域熱度が通常より激しい変動を引き起こす。しかし、このような小さな確率的事件の履歴データが少なく、従来の方法を使用するとこれについて効果的に学習することができず、小さな確率的事件が発生する場合の領域熱度予測精度が悪いことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本開示は、上記の技術問題を解決するために領域熱度予測モデルを確立する方法、領域熱度予測の方法、及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の側面では、本開示は、領域熱度予測モデルを確立する方法を提供し、
第1の履歴領域熱度データを使用して、時系列予測モデルを事前トレーニングするステップと、
第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、前記第2のサポートサンプルを使用して前記時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整して前記領域熱度予測モデルを取得するステップと、を含み、
前記領域熱度予測モデルは、第2のクエリサンプルを予測するために使用され、前記第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含む。
【0006】
第2の側面では、本開示は、領域熱度予測の方法を提供し、
領域熱度予測モデルを使用して第2のクエリサンプルを予測するステップを含み、前記第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含み、
前記領域熱度予測モデルは、第1の履歴領域熱度データを使用して時系列予測モデルを事前トレーニングした後、第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、前記第2のサポートサンプルを使用して前記時系列予測モデルをさらにトレーニングして取得される。
【0007】
第3の側面では、本開示は、領域熱度予測モデルを確立する装置を提供し、
第1の履歴領域熱度データを使用して、時系列予測モデルを事前トレーニングするための事前トレーニングモジュールと、
第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、前記第2のサポートサンプルを使用して前記時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整して前記領域熱度予測モデルを取得するための微調整モジュールと、を含み、
前記領域熱度予測モデルは、第2のクエリサンプルを予測するために使用され、前記第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含む。
【0008】
第4の側面では、本開示は、領域熱度予測の装置を提供し、
領域熱度予測モデルを使用して第2のクエリサンプルを予測するために使用される予測モジュールを含み、前記第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含み、
前記領域熱度予測モデルは、第1の履歴領域熱度データを使用して時系列予測モデルを事前トレーニングした後、第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、前記第2のサポートサンプルを使用して前記時系列予測モデルをさらにトレーニングして取得される。
【0009】
第5の側面では、本開示は、電子機器を提供し、
少なくとも一つのプロセッサと、
前記少なくとも一つのプロセッサと通信接続されたメモリと、を含み、
前記メモリに前記少なくとも一つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも一つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも一つのプロセッサが上記の方法を実行させる。
【0010】
第6の側面では、本開示は、コンピュータ命令が記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータ命令は、前記コンピュータに上記の方法を実行させる。
【0011】
上記の技術案により分かるように、本開示は、第1の履歴領域熱度データを使用して事前トレーニングして取得された時系列予測モデルに基づいて、第2の履歴領域熱度データをサポートサンプルとして時系列予測モデルを微調整することによって、第2のクエリサンプルにおける予測待ち時間の領域熱度を予測できる領域熱度予測モデルを確立する。当該方式は、第2の履歴領域熱度データが代表する分布データが少ない場合にも、当該分布データを効果的に学習することができ、領域熱度予測の精度を向上させることができる。
【0012】
上記の選択可能な方式が備える他の効果は、以下で具体的な実施例を組み合わせて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本開示をより良く理解するためのものであり、本開示を限定しない。
図1】本開示の実施例1により提供される主な方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施例1により提供される時系列予測モデルの概略構造図である。
図3】本開示の実施例1により提供される商圏熱度予測のデータ例図である。
図4】本開示の実施例2により提供される商圏熱度予測のデータ例図である。
図5】本開示の実施例により提供される領域熱度予測モデルを確立する装置の構造図である。
図6】本開示の実施例により提供される領域熱度予測の装置の構造図である。
図7】本開示の実施例を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本開示の例示の実施例を説明する。理解を容易にするために、本開示の実施例の様々な詳細が含まれており、それらは単なる例示と見なされるべきである。従って、当業者は、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態に対して様々な変更及び修正を行うことができることを認識するはずである。同様に、簡明のために、以下の説明では、よく知られた機能と構造の説明は省略される。
【0015】
本開示の実施例では、小さいサンプルに基づく学習技術(Few-shot Learning)を使用し、小さいサンプルに基づく学習技術は、大量の通常的に分布された履歴データを使用して小さいサンプルに基づく時間系列予測モデルをトレーニングすることができ、次に、トレーニングされたモデルに少量の通常的に分布されていない履歴データを組み合わせることで、少量の通常的に分布されていないデータで満足できる予測精度を取得することができ、従来の監督学習アルゴリズムよりも理想的な効果がある。
【0016】
Few-shot Learningのデータは、サポートサンプル(Support Set)及びクエリサンプル(Query Set)で構成される。Support Setには既知のカテゴリのインスタンスが含まれ、Query Setには1つ以上のラベル付けていないカテゴリのデータが含まれ、Few-shot Learningのタスクは、Query Set内のデータカテゴリを予測することである。
【0017】
実施例1
上記の理論に基づいて、図1は本開示の実施例1により提供される主な方法のフローチャートを示し、以下のようなステップを含むことができる。
101では、第1の履歴領域熱度データを使用して、時系列予測モデルを事前トレーニングする。
【0018】
102では、第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、第2のサポートサンプルを使用して時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整して領域熱度予測モデルを取得する。
【0019】
本開示の実施例では、第1の履歴領域熱度データは、第1の履歴期間における各時点での領域の特徴データ及び領域熱度を含むことができる。第2の履歴領域熱度データは、第2の履歴期間における各時点での領域の特徴データ及び領域熱度を含むことができる。
【0020】
その中、本開示の実施例に関する領域は、地理的位置におけるAOI(Area of Interest、関心の分野)、ROI(Regin of Interest、関心領域)であってもよく、複数のPOI(Point Of Interest、関心ポイント)、AOI、ROIなどによって形成された領域であってもよい。例えば、商圏、キャンパス、科学技術パークなどであってもよい。
【0021】
特徴データは、領域に含まれる関心ポイントPOIの数、ユーザ訪問時間分布データ、訪問したユーザの外出方式分布データ、及び訪問したユーザの外出距離分布データ中の少なくとも1つを含むことができる。領域熱度が大きく反映されるのは、当該領域を訪問するユーザの量である。
【0022】
さらに、トレーニング領域熱度予測モデルを取得した後、トレーニングによって取得された領域熱度予測モデルを使用してステップ103を実行することができ、すなわち領域熱度予測モデルを使用して第2のクエリサンプルを予測し、第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含む。
【0023】
実施形態として、上記の第1の履歴領域熱度データは、一般的に分布された履歴領域熱度データであってもよい。第2の履歴領域熱度データは、一般的に分布されていない履歴領域熱度データであってもよい。
【0024】
以下は、商圏の熱度予測を例として、2つの実施例を組み合わせて本開示により提供される上記の方法を詳細に説明する。
【0025】
実施例2
現在の予測タスクが、既知の履歴期間Tにおける特定の商圏の各時点の領域熱度データであると仮定すると、その中、当該商圏は、当該履歴期間Tにおける特徴は、1つの特徴系列X=(x,x,…,x)で表すことができ、その中、xは、当該商圏の時点tでの特徴ベクトルを表す。これに対応して、商圏の履歴期間Tにおける客の流量、すなわち熱度は、Y=(y,y,…,y)で表すことができ、yは、当該商圏在時点tの熱度を表す。既知のX及びYの後に、予測タスクは、未来のτ個の時点の客の流量
【数1】
である。
【0026】
その中、xは、商圏に含まれるPOIの数、ユーザ訪問時間分布データ、訪問したユーザの外出方式分布データ、及び訪問したユーザの外出距離分布データなどの特徴データで取得することができる。各特徴は、すべて1つのone-hot(ワンホット)ベクトルに変換され、これらのベクトルはスプライスした後に1つのn個の次元を有する特徴ベクトルxを構成し、nは、正の整数である。
【0027】
例を挙げると
ある商圏はいくつかの商業場所類のPOIで構成され、そうすると、当該商圏のPOIを含む数は1つの1次元ベクトルを構成することができる。
【0028】
当該商圏の訪問時間分布は、毎日24時間の訪問ユーザ数を使用して表すことができ、すなわち1つの24次元のベクトルを構成する。
【0029】
当該商圏の訪問したユーザの外出方式分布データは、様々な交通手段を使用して外出する訪問者の数で表すことができ、交通手段は公共交通、自転車、自家用車、及び歩行を使用すると仮定すると、当該特徴は、1つの4次元のベクトルに表すことができる。
【0030】
当該商圏の訪問したユーザの外出距離分布データは、出発してから目的地の商圏に達する異なる外出距離の数を使用して表すことができる。外出距離を10レベルに離散化した場合、すなわち、<0.25km、 0.25km-0.5km、 0.5km-1km、 1km-2km、 2km-5km、 5km-6km、 6km-10km、 10km-15km、 15km-30km、>30kmであり、そうすると、当該ベクトルは、1つの10次元のベクトルに表すことができる。
【0031】
その後、各ベクトルをスプライスした後、1つの39次元の特徴ベクトルxを取得することができる。上記の特徴で取得された特徴ベクトルは、商圏の特定の時点での反映された客の流量の状況を十分に反映することができ、後続の商圏熱度に対する予測をより正確にすることができる。
【0032】
その中の1つの実現方式として、本実施例により使用される時系列予測モデルは、循環ニューラルネットワークに基づくことができる。モデル構造は、図2に示すようにすることができる。
【0033】
予測タスクにとって、与えられた入力の特徴系列X=(x,x,…,x)について、循環ニューラルネットワークを使用して各時点の特徴を1つのm次元の隠れた状態ベクトルhにマッピングし、以下に表すことができ、
=F(x,ht-1) (1)
その中、Fは、1つの非線形の関数であり、LSTM(Long Short-Term Memory、長短期記憶ネットワーク)またはGRU(Gated Recurrent Unit、ゲート付き回帰型ユニット)などのモデル化系列能力を有する循環ニューラルネットワークであってもよい。
【0034】
履歴期間T内の最後の1つの時刻の隠れた状態ベクトルhをフィードフォワードニューラルネットワークに送信して、予測出力
【数2】
を取得し、以下で表し、
【数3】
その中、W及びbは、モデルパラメータであり、その中、Wは、m×τ次元のベクトルであり、bは、τ次元のベクトルである。
【0035】
上記の時系列予測モデルのトレーニングを行う時、まず、当該商圏の第1の履歴期間T1における各時点での特徴データ及び商圏熱度を使用して事前トレーニングを行う。その後、当該商圏の第2の履歴期間T2における各時点での特徴データ及び商圏熱度を使用して事前トレーニングして取得された時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整する。
【0036】
その中、当該商圏の第1の履歴期間T1における各時点での特徴データ及び商圏熱度を使用して事前トレーニングを行うプロセスに、第1の履歴期間T1における各時点での特徴データ及び商圏熱度を使用してトレーニングサンプルを構築することができる。1つの時間ウィンドウTを使用し、Tの長さがT1の時間の長さより小さく、T2の時間の長さより小さいものを使用することができ、当該時間ウィンドウTの長さは、上記の予測タスク内の履歴期間Tの時間の長さと一致する。通常、T1の時間の長さ及びT2の時間の長さよりはるかに小さく、例えば、5個の時点の時間の長さを時間ウィンドウTとして選択する。トレーニングサンプルを構築する時、時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び商圏熱度と当該時間ウィンドウT後のτ個の時点の商圏熱度を使用して1つのトレーニングサンプルを構築する。時間ウィンドウTを第1の履歴期間T1にスライドすると、Nトレーニングサンプルを生成することができ、Nは、正の整数である。
【0037】
トレーニングプロセスに、時系列予測モデルは、時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び商圏熱度を使用して時間ウィンドウT後のτ個の時点の商圏熱度を予測し、トレーニングターゲットは、予測結果とトレーニングサンプルにおける時間ウィンドウT後のτ個の時点の商圏熱度との間の差を最小化する。損失関数は、上記のトレーニングターゲットを使用して構築することができ、すなわち予測結果とトレーニングサンプルにおける時間ウィンドウT後のτ個の時点の商圏熱度との間の差を使用して構築する。例えば、予測結果及びトレーニングサンプルにおける時間ウィンドウT後のτ個の時点の商圏熱度を使用して平均二乗誤差損失関数を構築することができ、トレーニング終了条件に達するまで、損失関数の値を使用して逆伝播を行って時系列予測モデルのパラメータを最適化する。例えば、損失関数の値が予め設定された損失関数の閾値以下であるか、または、反復回数が予め設定された回数の閾値に達するなどである。
【0038】
例えば、損失関数Lは、以下のような式を使用することができ、
【数4】
その中、Nは、トレーニングサンプルの数であり、
【数5】
は、時系列予測モデルが第i個のトレーニングサンプルにおける時間ウィンドウT後のτ個の時点の商圏熱度に対する予測値であり、Yは、第i個のトレーニングサンプルにおける時間ウィンドウT後のτ個の時点の商圏熱度値である。
【0039】
時系列予測モデルを事前トレーニングした後、第2の履歴期間T2における各時点での特徴データ及び商圏熱度(すなわち第2のサポートサンプル)を使用して事前トレーニングして取得された時系列予測モデルをさらにトレーニングして時、同様に上記の時間ウィンドウの方式を使用してトレーニングサンプルを構築し、違いは、事前トレーニングして取得された時系列予測モデルのモデルパラメータに基づいて、モデルパラメータに対してさらに最適化調整を行う。
【0040】
上記の事前トレーニング及び調整後の時系列予測モデルは、第2のクエリサンプルにおける一部の時点の商圏熱度に対する予測のために使用される。その中、前記一部の時点は、予測待ち時間を指し、当該予測待ち時間の時間の長さは、上記のτ以下である。予測する時、予測待ち時間の前の時間段Tにおける各時点での特徴データ及び商圏熱度を時系列予測モデルに入力し、時系列予測モデルによって出力された予測待ち時間の領域熱度を取得することができる。予測方式は、すなわち上記の式(1)及び(2)を使用する。
【0041】
例を挙げると、図3に示すように、2018年と2019年のある商圏の各週の熱度データを第1の履歴商圏熱度データとすることができ、すなわち、2018年と2019年のある商圏の各週の熱度データを1つのトレーニングタスクとして使用してトレーニングサンプルを構築し、時系列予測モデルに対して事前トレーニングを行うことができる。2020年に周知の小さな確率事件が発生したため、2020年1~8週間の熱度データを第2の履歴商圏熱度データとして、時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整することができる。調整後に領域熱度予測モデルを取得して、2020年第9~26週間(すなわち第2のクエリサンプル)の予測待ち時間の領域熱度を予測するために使用される。
【0042】
実施例3
本実施例は、実施例2に基づいてさらに改善し、メタ学習の方法を使用して時系列予測モデルに対して事前トレーニングを行うことで、第2のサポートサンプルに迅速にフィッティングできるモデルパラメータを取得することができる。
【0043】
本実施例では、事前トレーニングをする前、第1の履歴領域熱度データを使用して少なくとも1つのメタトレーニングタスクを構築する。各メタトレーニングタスクには、すべての第1のサポートサンプル及び第1のクエリサンプルが含まれ、メタ学習メカニズムを使用して時系列予測モデルをトレーニングする。
【0044】
例を挙げると、図4に示すように、2018年の商圏熱度データを使用して1つのメタトレーニングタスクを構築し、2019年の商圏熱度データを使用して別のメタトレーニングタスクを構築する。その中、各トレーニングタスクは、すべてサポートサンプル及びクエリサンプルの分割を行う。微調整タスク及び予測タスクにおけるサポートサンプル及びクエリサンプルを区分するために、本開示の実施例では、事前トレーニングタスクにおけるサポートサンプル及びクエリサンプルを「第1のサポートサンプル」及び「第1のクエリサンプル」と呼び、後続の微調整タスクにおけるサポートサンプルを「第2のサポートサンプル」と呼び、予測タスクにおけるクエリサンプルを「第2のクエリサンプル」と呼ぶ。その中、「第1」及び「第2」は、数量及び順序の意味を持たず、名前を区分するためにのみ使用される。また、本実施例では、トレーニングタスクは、実際には、メタ学習メカニズム内のメタトレーニング(meta-train)プロセスに対応し、微調整タスク及び予測タスクは、実際には、メタ学習メカニズム内のメタテスト(meta-test)プロセスに対応する。
【0045】
第1のサポートサンプル及び第1のクエリサンプルのそれぞれは、第2のサポートサンプルと第2のクエリサンプルの時間の長さと一致する。図4に示すように、2018年内の第1~8週間の商圏熱度データを第1の个メタトレーニングタスクにおける第1のサポートサンプルとし、第9~26週間の商圏熱度データを第1のクエリサンプルとする。2019年内の第1~8週間の商圏熱度データを第2の个メタトレーニングタスクにおける第1のサポートサンプルとし、第9~26週間の商圏熱度データを第1のクエリサンプルとする。
【0046】
実施例2との違いは、meta-trainプロセスでは、各メタ学習タスクについて、第1のサポートサンプルで勾配を計算してメタパラメータを更新し、トレーニング終了条件に達するまで、すべてのメタ学習タスクの第1のクエリサンプルにおける損失関数勾配を計算してモデルパラメータを更新するために使用される。例えば、損失関数の値が予め設定された損失関数の閾値以下であるか、または、反復回数が予め設定された回数の閾値に達するなどである。これで事前トレーニングを完了し、事前トレーニング後の時系列予測モデルを取得する。
【0047】
その後、事前トレーニングして取得された時系列予測モデルで第2のサポートサンプルを使用して(例えば、図4の2020年末の1~8週間の商圏熱度データ)時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整する。このプロセスでは、第2のサポートサンプルでの損失関数勾配を計算してモデルパラメータを更新するために使用される。当該調整プロセスと後続の第2のクエリサンプルにおける予測待ち時間の領域熱度に対する予測プロセスは、実施例2と類似し、詳細には説明しない。
【0048】
上記のトレーニングプロセスでは、実施例2と類似する方式を使用してトレーニングサンプルを構築し、すなわち時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び商圏熱度と当該時間ウィンドウT後のτ個の時点の商圏熱度を使用して1つのトレーニングサンプルを構築する。時間ウィンドウTを対応する第1のサポートサンプル、第1のクエリサンプル、第2のサポートサンプルにスライドすると、対応する複数のトレーニングサンプルを生成することができる。本実施例では、時間ウィンドウTの長さは、第1のサポートサンプルの時間の長さより小さく、第1のクエリサンプルの時間の長さより小さい。トレーニングターゲット及び構築された損失関数は、実施例2の関連記載を参照し、ここでは詳細には説明しない。
【0049】
上記の実施例の方式により、小さな確率事件が発生した場合、小さな確率事件が領域に与える持続的な影響をモデルがよく理解するのに役立ち、領域熱度をより正確に予測することで、ユーザがリソース配置をより的確に最適化するのに役立ち、発展傾向を事前に判定することができる。
【0050】
上記の予測待ち時間の領域熱度予測を実現した後、予測結果を表示し、特定のフォーマットの記憶をすることができ、さらに分析などの処理を行うことができる。ユーザ端末の要求に主動的に応答することもでき、予測結果をユーザ端末に送信することができる。
【0051】
以上は、本開示により提供される方法を詳細に説明し、以下は、実施例を組み合わせて本開示により提供される装置を詳細に説明する。
【0052】
実施例4
図5は本開示の実施例により提供される領域熱度予測モデルを確立する装置の構造図である。当該装置は、サーバ側のアプリケーションに位置するか、またはサーバ側のアプリケーション内のプラグインまたはソフトウェア開発キット(Software Development Kit、SDK)などの機能ユニットに位置することもできるか、または、コンピュータ端末に位置することもでき、本発明の実施例は、これについて特に限定しない。図5に示すように、当該装置は、事前トレーニングモジュール01と微調整モジュール02を含むことができる。各構成ユニットの主な機能は、以下のようになる。
事前トレーニングモジュール01は、第1の履歴領域熱度データを使用して、時系列予測モデルを事前トレーニングするために使用される。
【0053】
微調整モジュール02は、第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、第2のサポートサンプルを使用して時系列予測モデルをさらにトレーニングして、モデルパラメータを調整して領域熱度予測モデルを取得するために使用される。
【0054】
領域熱度予測モデルは、第2のクエリサンプルを予測するために使用され、第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含む。
【0055】
好ましい実施形態として、第1の履歴領域熱度データは、第1の履歴期間における各時点での領域の特徴データ及び領域熱度を含み、
第2の履歴領域熱度データは、第2の履歴期間における各時点での領域の特徴データ及び領域熱度を含む。
【0056】
その中、特徴データは、関心ポイントPOIを含む領域の数、ユーザ訪問時間分布データ、訪問したユーザの外出方式分布データ、及び訪問したユーザの外出距離分布データ中少なくとも1つを含む。
【0057】
その中、時系列予測モデルのトレーニングターゲットは、予測結果と期待値との間の差を最小化することを含み、予測結果は、時系列モデルが時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び領域熱度を使用して時間ウィンドウT後のτ個の時点の領域熱度を予測した結果であり、期待値は、時間ウィンドウT後のτ個の時点の対応するサンプルにおける領域熱度であり、時間ウィンドウTは、第1の履歴期間の長さより小さく、第2の履歴期間の長さより小さく、τは、正の整数である。
【0058】
好ましい実施形態として、事前トレーニングモジュール01は、第1の履歴領域熱度データを使用して、少なくとも1つのメタトレーニングタスクを構築し、メタトレーニングタスクにおける第1のサポートサンプル及び第1のクエリサンプルに基づいて、メタ学習メカニズムを使用して時系列予測モデルをトレーニングすることができ、第1のサポートサンプルと第1のクエリサンプルは、それぞれ第2のサポートサンプルと第2のクエリサンプルの時間の長さと一致する。
【0059】
その中、事前トレーニングモジュール01は、メタ学習メカニズムを使用して時系列予測モデルをトレーニングする時、各メタ学習タスクに対して、第1のサポートサンプルにおいて損失関数の勾配を計算し、メタパラメータを更新し、すべてのメタ学習タスクの第1のクエリサンプルにおける損失関数勾配を決定してモデルパラメータを更新するために使用されることができ、
微調整モジュール02は、具体的には、第2のサポートサンプルにおける損失関数勾配を計算してモデルパラメータを更新するために使用される。
【0060】
その中、損失関数は、時系列モデルによって時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び領域熱度を使用して時間ウィンドウT後のτ個の時点の領域熱度を予測した後、予測結果と時間ウィンドウT後のτ個の時点の対応するサンプルにおける領域熱度との間の差を使用して構築して取得することができ、
その中、時間ウィンドウTの長さは、第1のサポートサンプルの時間の長さより小さく、第1のクエリサンプルの時間の長さより小さく、τは、正の整数である。
【0061】
実施例5
図6は本開示の実施例により提供される領域熱度予測の装置の構造図である。当該装置は、サーバ側のアプリケーションに位置するか、またはサーバ側のアプリケーション内のプラグインまたはソフトウェア開発キット(Software Development Kit、SDK)などの機能ユニットに位置することもできるか、または、コンピュータ端末に位置することもでき、本発明の実施例は、これについて特に限定しない。図6に示すように、当該装置は、予測モジュール11を含むことができ、
予測モジュール11は、領域熱度予測モデルを使用して第2のクエリサンプルを予測するために使用され、第2のクエリサンプルは、予測待ち時間の領域熱度を含む。
【0062】
領域熱度予測モデルは、第1の履歴領域熱度データを使用して時系列予測モデルを事前トレーニングした後、第2の履歴領域熱度データを第2のサポートサンプルとして、第2のサポートサンプルを使用して時系列予測モデルをさらにトレーニングして取得する。すなわち図5に示す装置を使用して予めトレーニングして取得する。
【0063】
第1の履歴領域熱度データは、第1の履歴期間における各時点での領域の特徴データ及び領域熱度を含み、
第2の履歴領域熱度データは、第2の履歴期間における各時点での領域の特徴データ及び領域熱度を含む。
【0064】
好ましい実施形態として、予測モジュール11は、予測待ち時間の前の時間ウィンドウT内の各時点での特徴データ及び領域熱度を使用して、予測待ち時間の領域熱度を予測することができ、時間ウィンドウTは、第1の履歴期間の長さより小さく、第2の履歴期間の長さより小さい。
【0065】
上記の時間ウィンドウTは、実際には、実施例4の時系列予測モデルをトレーニングするプロセスで使用される時間ウィンドウTの長さと一致し、予測待ち時間の合計時間の長さは、時系列予測モデルをトレーニングするプロセスで使用されるτの時間の長さ以下である必要がある。
【0066】
本開示の実施例によれば、本開示は、電子機器及び読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0067】
図7に示すように、本開示の実施例の領域熱度予測モデルを確立する方法または領域熱度予測の方法を実現するための電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、大型コンピュータ、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形式のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子機器は、パーソナルデジタル処理、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、他の同様のコンピューティングデバイスなどの様々な形式のモバイルデバイスを表すこともできる。本明細書で示されるコンポーネント、それらの接続と関係、及びそれらの機能は単なる例であり、本明細書の説明及び/又は要求される本開示の実現を制限することを意図したものではない。
【0068】
図7に示すように、当該電子機器は、一つ又は複数のプロセッサ701と、メモリ702と、高速インターフェースと低速インターフェースを含む各コンポーネントを接続するためのインターフェースと、を含む。各コンポーネントは、異なるバスで相互に接続され、共通のマザーボードに取り付けられるか、又は必要に基づいて他の方式で取り付けることができる。プロセッサは、外部入力/出力装置(インターフェースに結合されたディスプレイデバイスなど)にGUIの図形情報をディスプレイするためにメモリに記憶されている命令を含む、電子機器内に実行される命令を処理することができる。他の実施方式では、必要であれば、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、複数のメモリと複数のメモリとともに使用することができる。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各電子機器は、部分的な必要な操作(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ、又はマルチプロセッサシステムとする)を提供することができる。図7では、一つのプロセッサ701を例とする。
【0069】
メモリ702は、本開示により提供される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。その中、前記メモリには、少なくとも一つのプロセッサによって実行される命令を記憶して、前記少なくとも一つのプロセッサが本開示により提供される領域熱度予測モデルを確立する方法または領域熱度予測の方法を実行することができるようにする。本開示の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータが本開示により提供される領域熱度予測モデルを確立する方法または領域熱度予測の方法を実行するためのコンピュータ命令を記憶する。
【0070】
メモリ702は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、本開示の実施例における領域熱度予測モデルを確立する方法または領域熱度予測の方法に対応するプログラム命令/モジュールように、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶するために用いられる。プロセッサ701は、メモリ702に記憶されている非一時的なソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することによって、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち上記の方法の実施例における領域熱度予測モデルを確立する方法または領域熱度予測の方法を実現する。
【0071】
メモリ702は、ストレージプログラム領域とストレージデータ領域とを含むことができ、その中、ストレージプログラム領域は、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、ストレージデータ領域は、当該電子機器の使用によって作成されたデータなどを記憶することができる。また、メモリ702は、高速ランダム存取メモリを含むことができ、非一時的なメモリをさらに含むことができ、例えば、少なくとも一つのディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスである。いくつかの実施例では、メモリ702は、プロセッサ701に対して遠隔に設置されたメモリを含むことができ、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して当該電子機器に接続されることができる。上記のネットワークの例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びその組み合わせを含むが、これらに限定しない。
【0072】
当該電子機器は、入力装置703と出力装置704とをさらに含むことができる。プロセッサ701、メモリ702、入力装置703、及び出力装置704は、バス又は他の方式を介して接続することができ、図7では、バスを介して接続することを例とする。
【0073】
入力装置703は、入力された数字又は文字情報を受信することができ、及び当該電子機器のユーザ設置及び機能制御に関するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、指示杆、一つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置704は、ディスプレイデバイス、補助照明デバイス(例えば、LED)、及び触覚フィードバックデバイス(例えば、振動モータ)などを含むことができる。当該ディスプレイデバイスは、LCD(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオード)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定しない。いくつかの実施方式では、ディスプレイデバイスは、タッチスクリーンであってもよい。
【0074】
本明細書で説明されるシステムと技術の様々な実施方式は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施方式は、一つ又は複数のコンピュータプログラムで実施されることを含むことができ、当該一つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも一つのプログラマブルプロセッサを含むプログラム可能なシステムで実行及び/又は解釈されることができ、当該プログラマブルプロセッサは、特定用途向け又は汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、ストレージシステム、少なくとも一つの入力装置、及び少なくとも一つの出力装置からデータ及び命令を受信し、データ及び命令を当該ストレージシステム、当該少なくとも一つの入力装置、及び当該少なくとも一つの出力装置に伝送することができる。
【0075】
これらのコンピューティングプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令、高レベルのプロセス及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語でこれらのコンピューティングプログラムを実施することを含む。本明細書に使用されるように、用語「機械読み取り可能な媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、PLD(プログラマブルロジックデバイス))を指し、機械読み取り可能な信号である機械命令を受信する機械読み取り可能な媒体を含む。用語「機械読み取り可能な信号」は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0076】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータ上でここで説明されているシステム及び技術を実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有し、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによって入力をコンピュータに提供することができる。他の種類の装置は、ユーザとのインタラクションを提供するために用いられることもでき、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、任意の形式(音響入力と、音声入力と、触覚入力とを含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0077】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、又はミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバー)、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータ、ユーザは、当該グラフィカルユーザインタフェース又は当該ウェブブラウザによってここで説明されるシステム及び技術の実施方式とインタラクションする)、又はこのようなバックエンドコンポーネントと、ミドルウェアコンポーネントと、フロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実施することができる。任意の形式又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互に接続されることができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、ワイドエリアネットワーク(WAN)と、インターネットと、ブロックチェーンネットワークと、を含む。
【0078】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含むことができる。クライアントとサーバは、一般に、互いに離れており、通常に通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによってクライアントとサーバとの関係が生成される。
【0079】
上記に示される様々な形式のフローを使用して、ステップを並べ替え、追加、又は削除することができることを理解されたい。例えば、本開示に記載されている各ステップは、並列に実行されてもよいし、順次的に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよいが、本開示で開示されている技術案が所望の結果を実現することができれば、本明細書では限定されない。
【0080】
上記の具体的な実施方式は、本開示に対する保護範囲の制限を構成するものではない。当業者は、設計要求と他の要因に基づいて、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション、及び代替を行うことができる。任意の本開示の精神と原則内で行われる修正、同等の置換、及び改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】