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特表2023-502831長時間露光画像を捕捉するためのデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】長時間露光画像を捕捉するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   G02B 23/12 20060101AFI20230119BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230119BHJP
   G02B 21/00 20060101ALI20230119BHJP
   G02B 23/00 20060101ALN20230119BHJP
   G01N 21/64 20060101ALN20230119BHJP
【FI】
G02B23/12
G03B15/00 S
G03B15/00 P
G02B21/00
G02B23/00
G01N21/64 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512453
(86)(22)【出願日】2020-08-15
(85)【翻訳文提出日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 RU2020050190
(87)【国際公開番号】W WO2021045652
(87)【国際公開日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】2019127675
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522069356
【氏名又は名称】パシュコフスキー,ウラジーミル エリッチ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パシュコフスキー,ウラジーミル エリッチ
【テーマコード(参考)】
2G043
2H039
2H052
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043EA01
2G043FA02
2G043HA01
2G043LA03
2H039AA01
2H039AC06
2H052AD26
2H052AF01
2H052AF14
(57)【要約】
本発明は、例えば不鮮明な物体を撮影するときなど、画像の長時間露光を必要とする分野に関する。本デバイスは、画像構成ユニット、画像捕捉ユニット、及びシャッターを備える。デバイスは、制御ユニットを介して少なくとも1つのノイズ検出器に接続された追加のシャッターを、さらに備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像構成ユニット、画像捕捉ユニット、一次シャッター、及び制御ユニットを介して少なくとも1つの障害検出器に接続された二次シャッター、を備える、長時間露光画像を捕捉するためのデバイス。
【請求項2】
前記二次シャッターは、前記画像構成ユニットと前記画像捕捉ユニットとの間に設定される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記二次シャッターは、前記画像構成ユニットと一体化される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記二次シャッターは、前記画像構成ユニットの前部に設定される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記二次シャッターは高速シャッターである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記障害検出器は振動検出器である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記障害検出器は、画像を歪めることができる物体を監視するための検出器である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記障害検出器は、衛星軌道を追跡するためのデバイスである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記障害検出器は、パルス光源と同期するための検出器である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記制御ユニットは、前記一次シャッター及び前記二次シャッターの両方を制御するよう構成される、請求項1のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば不鮮明な物体を撮影するときなど、長時間露光を必要とする画像を捕捉する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
画像の捕捉に長時間露光が必要な、いくつかの分野が存在する。例えば、天文において画像を得ることは、数百秒の露光を必要とし得る。長時間露光は、顕微鏡検査においても必要とされる。特に、蛍光顕微鏡検査で不鮮明な蛍光物体を撮影する場合、数十秒の露光の使用を必要とし得る。
【0003】
現在、不鮮明な物体の画像を捕捉することは、詳細にはCCD(電荷結合素子)技術に基づいた感光性アレイを使用して実施される。感光性アレイは、露光中に電荷を統合する電子デバイスである。統合プロセスが終了したとき、蓄積された電荷は低下する。次の露光は、たとえ短時間後でも、当初レベルから電荷統合プロセスを開始することを意味し、そのため感光性アレイの動作は、全体の露光時間中に干渉されてはならない。
【0004】
画像を得る際の障害による影響のリスクは、長時間露光中に増す。障害は様々な性質であり得る。それらは、例えば地震の地盤振動など、地面の微動による、画像捕捉デバイスすなわち光学デバイスの動揺または振動に関連し得る。それらは、例えばパルス照明デバイスによる光害、または望遠鏡の視野に移動する明るい物体である人工衛星による光害などに、関連し得る。
【0005】
このような光学デバイスの一次シャッターは、障害の除去を促さない。通常、それは速いシャッターではなく、むしろ捕捉プロセスの開始及び終了において、対応した画像捕捉ユニットの開閉が意図される。上述のように、それは障害の除去のための、感光性アレイの動作に干渉する目的にかなっていない。なぜなら統合された電荷が失われることになるからである。
【0006】
出願者の調査は、この課題のためのソリューションを含んだ、いかなる源も明らかにしなかった。しかし以下の取り組みが、当技術分野で公知である。
【0007】
2018年7月31日に公開された、ロシア国特許発明第2662907号明細書(RU2662907)IPC G02B 23/00は、屋外照明デバイスの光による、天文デバイスの光害を軽減させる方法を開示している。この方法は、天文デバイス及び照明デバイスにおける動作周期のタイムセパレーションを含む。パルス光束は、300~1000Hzの周波数及び2~10のデューティー比で形成され、天文デバイスの感光性アレイへの光束に干渉することは、周波数によって整合されたパルスモードにおいて、及び形成された光束を用いて逆フェーズにおいて、実施される。
【0008】
1995年1月27日に公開された、ロシア国特許出願公開第93005699号明細書(RU93005699)IPC G01J 1/44は、レンズと、このレンズの背後に設定されたビーム分割器とを備えた、「光の干渉に対して受光装置を防護するためのデバイス(Device for protection of photo-receiver against light interferences)」を開示している。ビーム分割器は、各々が受光装置を備えた2つの光学チャネルの動作を保証する。デバイスは、ビーム分割器と受光装置との間におけるチャネルの一方に設定された、光学要素を特徴とする。この光学要素は、可変減衰比を有し、制御電極で作られた格子メッシュを備える。他方のチャネルは、ビーム分割器と受光装置との間における、中性の光学光フィルタを備える。受光装置は、アダプタデバイスを介してプロセッサに接続される。制御ユニットは、同じプロセッサに接続され得る。制御ユニットは、可変減衰比を有する光学要素に連結される。デバイスは、航空学、天文学、測地学、航行学など、科学及び技術における様々な領域で使用され得る。
【0009】
2012年3月26日に公開された、ウクライナ国実用新案第68352号明細書(UA68352U)IPC G02B 023/00は、人工衛星位置を判断するための、受信機チャネルにおける小型レーザ望遠鏡を開示している。この望遠鏡は、全てが光学的に接続された、コリメータ、第1の収束レンズ、障害フィルタ、第2の収束レンズ、プロペラシャッター、及び光電子増倍管デバイス、を含む。4つの中性フィルタを有するディスクは、障害フィルタと第2の収束レンズとの間に位置される。このディスクは、ディスク回転機構及び位置センサに接続される。中性フィルタは、25%、50%、75%、及び100%に中から選択された、透過率を有する。
【0010】
1995年8月8日に公開された、ロシア国特許第2042155号明細書(RU2042155)IPC G01S 17/00は、例えば人工地球同期衛星の発見を提供する、「背後に恒星を伴う物体を発見するためのデバイス(Device for discovering object with stellar background)」を開示している。このデバイスは、受光望遠鏡、制御ユニットが装備された空間光変調器、コヒーレント光源、偏光ビーム分割器、レンズ、及び伝送テレビジョンカメラを含み、この分割器、レンズ、及びカメラは光学的に接続される。さらにデバイスは、比較デバイス、閾値デバイス、及び映像監視デバイスを含み、この比較器、閾値デバイス、及びモニタは連続して接続される。さらにデバイスは、制御及び計算ユニットを含む。デバイスは追加で、電気光学シャッターを備える。電気光学シャッターには、制御ユニットが装備され、かつコヒーレント光源と偏光ビーム分割器との間に位置される。空間光変調器は、連続して適用された、第1の透明電極、誘電体ミラー、光屈折結晶、及び第2の透明電極を有する、電気光学変換器である。
【0011】
上述のソリューションは、画像捕捉プロセスに干渉せずに、障害の存在下で、長時間露光画像を捕捉するためのデバイスの動作を保証する課題を解決しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】ロシア国特許発明第2662907号明細書
【特許文献2】ロシア国特許出願公開第93005699号明細書
【特許文献3】ウクライナ国実用新案第68352号明細書
【特許文献4】ロシア国特許発明第2042155号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって本発明の技術的結果は、画像統合プロセスに干渉せずに、様々な障害の存在下で、長時間露光画像を捕捉するためのデバイスの動作を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つの態様において、長時間露光画像を捕捉するためのデバイスは、画像構成ユニット、画像捕捉ユニット、一次シャッター、及び制御ユニットを介して少なくとも1つの障害検出器に接続された二次シャッター、を含む。二次シャッターは、画像構成ユニットと、画像捕捉ユニットとの間に設定され得る。さらに、二次シャッターは、画像構成ユニットの内側に設定されるか、または画像構成ユニットに一体化され得る。
【0015】
二次シャッターも、画像構成ユニットの前部に設定され得る。二次シャッターは、高速シャッターの形態で提供され得る。障害検出器は、振動検出器の形態で提供され得る。障害検出器は、画像を歪めることができる物体を監視するための検出器の形態で、提供され得る。
【0016】
障害検出器は、衛星軌道を監視するためのデバイスの形態でも、提供され得る。
【0017】
加えて、障害検出器は、パルス光源との同期をもたらす検出器の形態で、提供され得る。制御ユニットは、二次シャッターを制御するよう構成され得る。制御ユニットは、一次シャッター及び二次シャッターの両方を制御するよう構成され得る。言及した検出器の例は、このデバイスの実施形態を制限しない。その発生が二次シャッターを閉じることを要する、他の障害が存在し得る。
【0018】
本発明の追加の特徴及び利点は、以下の説明に記載される。一部はその説明で明白となり、または本発明の実行によって教示され得る。本発明の利点は、記載される説明及び特許請求の範囲、ならびに添付の図面で詳細に指摘される構造によって、実現かつ達成されることになる。
【0019】
前述の一般的な説明、及び以下の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、請求のように、本発明のさらなる説明の提供を意図することを、理解されたい。
【0020】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、説明と共に本発明の原理を解説する役割を担う。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】二次シャッターを有する、長時間露光画像を捕捉するためのデバイスの概略図である。
図2】望遠鏡に取り付けられた二次シャッターの動作を例示する図である。
図3】望遠鏡の例において例示した、障害検出器を使用して二次シャッターを制御する、概略図である。
図4】制御ユニットが、一次シャッター、二次シャッター、及び画像捕捉ユニットを制御する、長時間露光画像を捕捉するためのデバイスの、概略図である。
図5】二次シャッターを伴うデバイスのための、動作時間を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の好ましい実施形態を詳細に参照する。その例は、添付の図面に例示される。
【0023】
長時間露光画像を捕捉するためのデバイス(図1)は、例えばレンズなどの画像構成ユニット(1);例えば検出器などの画像捕捉ユニット(2);及び画像捕捉ユニット(2)において統合モードの開始及び終了を提供する一次シャッターなどのシャッター(3)、を含む。画像捕捉ユニット(2)は、詳細にはCCDマトリクス技術に基づいた、感光性アレイに基づいて実装され得る。
【0024】
通常、長時間露光画像を捕捉するためのデバイスは、電子式、機械式、電気機械式、または電子光学式シャッターとして実装された、一次シャッター(3)を使用する。一般的に一次シャッター(3)は、振動の衝撃、電磁放射、熱、及び画像捕捉ユニットの動作における高速デバイスに関連した負の要因を排除することができる、低速シャッター(例えばフォーカルプレーンシャッター)である。代替として、それらは長時間露光画像を捕捉するためのデバイスの中に埋め込まれた電子シャッターとし得る。ここで、閉鎖状態への移行は、感光性アレイが露光される電磁エネルギーの入力フローを遮るだけではなく、そのエネルギーの統合も無効にして、さらには統合されたエネルギーを損失させる。
【0025】
本発明による長時間露光画像を捕捉するためのデバイスは、二次シャッター(4)も備え、それは制御ユニット(5)を介して障害検出器(6)に接続される。二次シャッター(4)は、画像捕捉ユニット(2)の上流のどこにでも位置付けられ得る。例えば二次シャッター(4)は、画像構成ユニット(1)(すなわちレンズ)の前部に位置付けられるか、もしくは画像構成ユニット(1)に埋め込まれるか、または画像構成ユニット(1)の背後に位置付けられ得る。詳細には、二次シャッター(4)は、画像捕捉ユニット(2)から距離を置いて位置付けられる場合がある。それによって、二次シャッター(4)の機械振動、ならびに二次シャッター(4)によって放射される熱及び電磁エネルギーは、いかなる大きい負の影響も、画像捕捉ユニット(2)に及ぼさない。
【0026】
長時間露光画像を捕捉するためのデバイスは、特に不鮮明な物体の光放射範囲において、電磁放射を捕捉する必要のある分野で使用され得る。これらの分野は、天文、及び微視的撮影(顕微鏡検査)、特に蛍光顕微鏡検査に関する。
【0027】
図3は、二次シャッター(4)、及び望遠鏡(12)のための障害検出器(6)を有する、制御ユニット(5)の例を示す。この実装例を例示する図面は、図2に提供される。ときとして、望遠鏡(12)に取り付けられたカメラによって画像を捕捉することへの障害が、フレームに捕らえられた人工衛星(14)、または例えばロシア国特許発明第2662907号明細書(RU2662907)で言及されたシステムなどの、屋外のパルス照明システム(15)の光パルスによって生じる。または、地震によって発生した地震波(13)が、望遠鏡(12)及び画像捕捉ユニット(2)(検出器)を妨害し、それによって望遠鏡の画像捕捉ユニットにおける宇宙物体の投射画像にずれを生じさせる。
【0028】
二次シャッター(4)は、切り替え中の露光の損失を軽減させるために、高速シャッターとし、現出する突然かつ短い障害に対する迅速な応答を提供するものとする。すなわち二次シャッター(4)は、数ミリ秒またはそれよりも速く、開閉状態間における繰り返しの切り替えができるものとする。二次シャッター(4)は、機械式もしくは電気機械式デバイス(フォーカルプレーンシャッター、ラメラシャッター、回転シャッターなど)として、もしくは電子光学式デバイス(液晶ベースの光学式タッチパネルなど)として、または別の好適なデバイスとして、提供され得る。
【0029】
地震の振動、ならびに例えば顕微鏡などの任意のデバイスの基部における他の振動のための、障害検出器(8)は、振動検出器として提供され得る。風荷重検出器(11)も、振動検出器として提供され得る。
【0030】
移動する衛星の光のための障害検出器(9)は、物体追跡検出器として提供され得る。例えばそれは、衛星軌道を調査するためのデバイスとして提供され得る。
【0031】
パルス光源による光害のための障害検出器(10)は、パルス光源と同期するための検出器として提供され得る。
【0032】
制御ユニット(7)、すなわちシャッター及び画像捕捉ユニットを制御するためのユニット(図4)は、一次シャッター、二次シャッター、及び画像捕捉ユニットの検出器を、制御するよう構成され得る。この場合、制御ユニット(7)は、画像捕捉ユニット(2)におけるオン及びオフの、全ての切り替えを制御する。
【0033】
一次シャッター(3)は、感光性アレイの中に埋め込まれた電子スイッチであってもよく、それは、アレイにおけるオン及びオフの切り替えが、一次シャッターにおけるオン及びオフを同時に切り替えることを意味する。
【0034】
図1に表わされた図による、長時間露光画像を捕捉するためのデバイスは、以下のように動作する。
【0035】
初めに、二次シャッター(4)は、開放状態にある。それは、命令が任意の障害検出器(8、9、10、11)から来るまで保たれる。
【0036】
さらに、画像捕捉ユニット(2)の感光性アレイが作動される(図2図4図5)。感光性アレイは、画像捕捉デバイスが動作中に、たとえデバイスが外部の障害に曝されたときでも、作動し続ける。言及したように、アレイの作動停止は、統合された光エネルギーの損失を生じさせ、このプロセスは、まさに開始時点から始まることになる。したがって、画像を捕捉するプロセスは、時間Tの間一次シャッター(3)を開放することによって開始する(図5(A))。通常、一次シャッター(3)は、このようなデバイスにおいて速いシャッターではない。障害が発生した場合、対応した検出器が始動する。例えば、地震の振動検出器(8)(図5(B))、衛星追跡検出器(9)(図5(C))、または屋外照明システム検出器(10)(図5(D))であってよい。任意のこれらの検出器の始動は、二次シャッター(4)の閉鎖を生じさせ(図5(E))、それによって乱れるか、またはずれた画像の統合はブロックされる。画像捕捉ユニット(2)の感光性アレイは、作動を保つ。一次シャッター(3)は、開放を保つ。さらに、障害が終わったとき、対応した障害検出器(ユニット8、9、または10)は、二次シャッター(4)を開放するための命令を生成する信号を、制御ユニット(5)に送信する。二次シャッター(4)は開放され、次の障害が発生するまで、すなわち次の閉鎖命令が制御ユニット(5)から来るまで、露光を再開する。一次シャッター(3)は、障害の発生に関わらず、露光の最後まで開放を保つ。
【0037】
図5(F)は、不鮮明な物体のための、画像捕捉ユニット(2)の感光性アレイによる、電荷統合の長いプロセスを示す。曲線(16)は、撮影された物体の光が一定であり、かつ発生した障害が抑えられたときの、感光性アレイによる電荷統合のプロセスを示す。曲線(17)は、障害のない場合を示し、そのため統合は干渉されない。曲線(16)及び(17)の比較は、障害が発生した際に、撮影される物体の一定の光の、感光性アレイによる電荷統合のプロセスが、より時間を必要とすることを示す。
【0038】
図4における図によるデバイスの実装は、必要な露光を保証するため、かつ所望の品質の画像を得るために、任意の障害が発生した際に、二次シャッター(4)をオフに切り替えるために損失した時間を、補償する可能性を提供する。この場合、障害検出ユニット(6)は、シャッター制御ユニットでもある、画像捕捉ユニット(2)の制御ユニット(7)に接続される。障害検出ユニット(6)は、二次シャッター(4)の干渉時間を含んだ信号を、制御ユニット(7)へ送信する。このように制御ユニット(7)は、画像捕捉ユニット(2)の露光時間を延ばすこと、及び二次シャッター(4)が閉鎖された間に損失した時間を補償すること、を可能にする。
【0039】
特定のフレームの捕捉品質が下がるのを防止するために、露光時間は、Tcomp=(T1+T2+T3+・・・)だけ延長されることになる。ここで、T1、T2、及びT3は、障害発生時に二次シャッター(4)が閉鎖されるときの時間間隔である。
【0040】
図4に表わされた図による制御ユニット(7)は、Tcompの長さだけ時間T(一次シャッター(3)の開放時間)を延長させる。このように実装されたとき、制御ユニット(7)は、画像捕捉ユニット(2)を制御することができる。
【0041】
デバイスの振動障害検出器に加えて、不注意に切り替えられた照明のための障害検出器が使用され得る。それは、本質的に照明同期検出器である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、商業的に適用可能な様々なデバイス、同様に新たに開発されたデバイスに実装され得る。
【0043】
そのために、好ましい実施形態を説明したが、当業者には、説明した方法及び装置の特定の利点が実現されたことが、明確であろう。様々な変更、適応、及びそれらの代替の実施形態が、本発明の範囲及び趣旨内で成され得ることも、理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長時間露光画像を捕捉するためのデバイスであって、
画像構成ユニットと、
画像捕捉ユニットと、
一次シャッターと、
二次シャッターと、
前記二次シャッターに接続され、少なくとも1つの障害検出器から受信した信号に依存して、前記二次シャッターを開閉するよう構成された、制御ユニットと、
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記二次シャッターは、前記画像構成ユニットの前部にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記二次シャッターは、前記画像構成ユニットと前記画像捕捉ユニットとの間にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記二次シャッターは、前記画像構成ユニットと一体化される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記二次シャッターは前記一次シャッターよりも速い、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
少なくとも1つの前記障害検出器を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記障害検出器は振動検出器である、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記障害検出器は、パルス光源の検出器である、請求項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記障害検出器は、衛星を追跡するためのデバイスである、請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記障害検出器は、画像を歪めることができる物体を監視するためのデバイスである、請求項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記制御ユニットは、前記一次シャッター及び前記二次シャッターの両方を制御するよう構成される、請求項1に記載のデバイス。
【国際調査報告】