(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】インドシアニン化合物の結晶
(51)【国際特許分類】
C08B 37/16 20060101AFI20230119BHJP
C09B 23/01 20060101ALI20230119BHJP
C09B 67/48 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
C08B37/16
C09B23/01 CSP
C09B67/48 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524243
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(85)【翻訳文提出日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 IB2020061111
(87)【国際公開番号】W WO2021105888
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000006677
【氏名又は名称】アステラス製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100126985
【氏名又は名称】中村 充利
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 浩司
(72)【発明者】
【氏名】山下 博之
【テーマコード(参考)】
4C090
【Fターム(参考)】
4C090AA02
4C090BA10
4C090BB53
4C090BB77
4C090CA18
4C090CA50
4C090DA25
4C090DA31
4C090DA40
(57)【要約】
本発明は、3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の結晶である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の結晶。
【請求項2】
線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、6.1付近、6.3付近、7.0付近、7.7付近、9.6付近、12.4付近、12.5付近、12.7付近、18.5付近、及び18.8付近にピークを示す、請求項1に記載の結晶。
【請求項3】
線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.9付近、7.3付近、9.6付近、11.0付近、12.5付近、14.6付近、16.5付近、18.5付近、18.7付近、及び19.0付近にピークを示す、請求項1に記載の結晶。
【請求項4】
線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、7.7付近、9.2付近、9.8付近、10.4付近、11.1付近、12.3付近、12.9付近、13.3付近、14.4付近、及び18.7付近にピークを示す、請求項1に記載の結晶。
【請求項5】
線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、4.3付近、4.8付近、5.4付近、6.3付近、7.7付近、10.9付近、12.3付近、18.4付近、及び19.4付近にピークを示す、請求項1に記載の結晶。
【請求項6】
線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、4.3付近、4.8付近、5.4付近、9.5付近、10.9付近、16.2付近、18.4付近、18.6付近、及び19.4付近にピークを示す、請求項1に記載の結晶。
【請求項7】
線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.0付近、3.7付近、4.1付近、4.5付近、5.7付近、6.1付近、7.2付近、7.8付近、17.2付近、及び17.6付近にピークを示すことを特徴とする、請求項1に記載の結晶。
【請求項8】
線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、4.8付近、5.4付近、6.1付近、6.3付近、9.0付近、9.9付近、10.3付近、12.4付近、18.5付近、及び19.5付近にピークを示す、請求項1に記載の結晶。
【請求項9】
3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の結晶を調製する方法であって、
3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の水溶液を40μL~100μL添加することを含む、上記方法。
【請求項10】
水の量が、50mgの3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物あたり40μL~100μLである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法の温度が0℃から5℃である、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法の温度が4℃である、請求項9または10に記載の方法。
【請求項13】
3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の結晶を調製する方法であって、
相対湿度40%から相対湿度95%の条件で行われる、上記方法。
【請求項14】
前記条件が、相対湿度40%から相対湿度90%である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の結晶であって、10~45モルの水分子を有する、上記結晶。
【請求項16】
17~45モルの水分子を有する、請求項15に記載の結晶。
【請求項17】
17~38モルの水分子を有する、請求項15または16に記載の結晶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、医療診断技術、医療外科手術技術、科学測定分析技術、印刷技術、筆記技術、塗装技術、染料技術、染色技術に有用な緑色色素であり、かつ近赤外蛍光を発する性質を有するインドシアニン化合物の新規結晶に関する。さらに詳しくは、近赤外蛍光を発する性質を有する環状糖鎖シクロデキストリン結合インドシアニン化合物の結晶、その製造法およびその精製法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
[0002] 当該インドシアニン化合物は、特許文献1に化合物(19)または(20)として記載されている。化合物(20)は、包接型化合物として得られ、緑色固体である。化合物(20)は、非特許文献1にTK-1と記載されており、アモルファスである。
【0003】
【0004】
【0005】
[0005] 特許文献2において化合物(19)または化合物(20)のカウンターアニオンは塩化物イオンである。
[0006] 下式(I)に示される塩化物(以下、化合物Aという)
【0006】
【0007】
[0007] 化合物名
[0008] 3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第10086090号
【特許文献2】米国特許第10350310号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】J. Biomedical Optics(2016) 21(8)、086009-1-086009-11
【発明の概要】
【0010】
[0009] 化合物(19)または化合物(20)の結晶を得るために鋭意研究した結果、本発明者らは塩化物でこれらの化合物の結晶を得た。
[0010] また、本発明者らは、新たなプロファイルの結晶や、結晶の取得方法を見出した。さらに、本発明者らは、化合物Aを結晶化するために湿度の制御が極めて重要であることを発見した。
【0011】
[0011] また、本発明者らは、結晶型の状態が水(H2O)分子の量に関係することを見出した。
[0012] 具体的には、以下のとおりである。
【0012】
[0013] [1] 3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の結晶。
【0013】
[0014] [2] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、6.1付近、6.3付近、7.0付近、7.7付近、9.6付近、12.4付近、12.5付近、12.7付近、18.5付近、及び18.8付近にピークを示す、上記[1]に記載の結晶。
【0014】
[0015] [3] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.9付近、7.3付近、9.6付近、11.0付近、12.5付近、14.6付近、16.5付近、18.5付近、18.7付近、及び19.0付近にピークを示す、上記[1]に記載の結晶。
【0015】
[0016] [4] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、7.7付近、9.2付近、9.8付近、10.4付近、11.1付近、12.3付近、12.9付近、13.3付近、14.4付近、及び18.7付近にピークを示す、上記[1]に記載の結晶。
【0016】
[0017] [5] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、4.3付近、4.8付近、5.4付近、6.3付近、7.7付近、10.9付近、12.3付近、18.4付近、及び19.4付近にピークを示す、上記[1]に記載の結晶。
【0017】
[0018] [6] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、4.3付近、4.8付近、5.4付近、9.5付近、10.9付近、16.2付近、18.4付近、18.6付近、及び19.4付近にピークを示す、上記[1]に記載の結晶。
【0018】
[0019] [7] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.0付近、3.7付近、4.1付近、4.5付近、5.7付近、6.1付近、7.2付近、7.8付近、17.2付近、及び17.6付近にピークを示す、上記[1]に記載の結晶。
【0019】
[0020] [8] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、4.8付近、5.4付近、6.1付近、6.3付近、9.0付近、9.9付近、10.3付近、12.4付近、18.5付近、及び19.5付近にピークを示す、上記[1]に記載の結晶。
【0020】
[0021] [9] 3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の結晶を調製する方法であって、
[0022] 3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の水溶液を40μL~100μL添加することを含む、上記方法。
【0021】
[0023] [10] 水の量が、50mgの3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物あたり40μL~100μLである、[9]に記載の方法。
【0022】
[0024] [11] 前記方法の温度が0℃から5℃である、[9]または[10]に記載の方法。
[0025] [12] 前記方法の温度が4℃である、[9]または[10]に記載の方法。
[0026] このデータは、測定条件に依存するため厳格に考えるべきではない。したがって、このデータは、好ましくは4℃付近で表されたものである。
【0023】
[0027] [13] 3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の結晶を調製する方法であって、
[0028] 相対湿度40%から相対湿度95%の条件で行われる、上記方法。
[0029] [14] 前記条件が、相対湿度40%から相対湿度90%である、[13]に記載の方法。
【0024】
[0030] [15] 3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物の結晶であって、10~45モルの水分子を有する、上記結晶。
【0025】
[0031] [16] 17~45モルの水分子を有する、[15]に記載の結晶。
[0032] [17] 17~38モルの水分子を有する、[15]または[16]に記載の結晶。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】[0033]
図1は、製造例3で得られた緑色固体のX線回折図である。
【
図2】[0034]
図2は、50%MeCNaqを用いた場合の化合物AのX線回折図である。
【
図3】[0035]
図3は、50%EtOHaqを用いた場合の化合物AのX線回折図である。
【
図4】[0036]
図4は、50%アセトンaqを用いた場合の化合物AのX線回折図である。
【
図5】[0037]
図5は、50%プロピレングリコールaqを用いた場合の化合物AのX線回折測定による回折斑点である。
【
図6】[0038]
図6は、50%プロピレングリコールaqを用いた場合の化合物Aの偏光顕微鏡写真である。
【
図7】[0039]
図7は、飽和水蒸気下で静置することで得られた化合物AのX線回折図である。
【
図8】[0040]
図8は、飽和水蒸気下で静置することで得られた化合物Aの偏光顕微鏡写真である。
【
図9】[0041]
図9は、20%MeOHaqを用いた場合の化合物AのX線回折図である
【
図10】[0042]
図10は、20%EtOHaqを用いた場合の化合物AのX線回折図である。
【
図11】[0043]
図11は、水を用いた場合の化合物AのX線回折図である。
【
図12】[0044]
図12は、高湿度処理をした化合物AのX線回折図である。
【
図13】[0045]
図13は、アモルファル形態にある化合物AのX線回折図である。
【
図14】[0046]
図14は、純水100μL中の化合物AのX線回折図である。
【
図15】[0047]
図15は、純水40μL中の化合物AのX線回折図である。
【
図16】[0048]
図16は、湿度下における化合物AのX線回折図である。
【
図17】[0049]
図17は、湿度下における化合物Aの重量変化である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
産業上の利用可能性
[0050] 本発明の化合物Aの結晶は、医薬品における有効成分、医薬品の製造工程における中間体として有用な化合物であり得る。
【0028】
[0051] 本発明の結晶は、医薬物質として、本発明の結晶の1種以上と、製薬学的に許容される担体や賦形剤などと組み合わせて、医薬品の製造に使用することができる。医薬品の製造は、当分野にて通常使用されている方法によって行うことができる。
【0029】
[0052] 本発明の結晶を含有する医薬品としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、溶液剤などの経口投与用の製剤、関節内、静脈内、筋肉内などの注射剤、坐剤、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤などの非経口投与用の製剤のいずれの形態であってもよい。
【0030】
[0053] 本発明の結晶は、診断に使用し得る。本診断用組成物は従来から用いられているインドシアニングリーンを含有する診断用組成物を代替することが可能である。本発明の用途としては、例えば、肝機能検査薬、循環機能検査薬などが挙げられる。さらに、本発明の組成物は、体内、例えば血管、リンパ管、脳、眼、胃、乳、食道、皮膚、腎臓、尿管、膀胱、尿道、肺、心臓またはその他の部位に投与して生成する近赤外蛍光を観察することによる医療手術および医療診断に適用できる。本発明の診断用組成物に含まれる色素は生体との結合性が少なく、長時間にわたって必要な部位を標識させることが可能である。
【実施例】
【0031】
[0054] 合成例1
[0055] J.Biomedical Optics(2016) 21(8)、086009-1-086009-11に記載の合成例に従い化合物(20)を得ることができた。
【0032】
[0056] 合成例2
[0057] 米国特許第10086090公報又は国際公開公報WO2011093098中の化合物(19)または化合物(20)で表される化合物を、記載の方法で取得した。
【0033】
[0058] 化学式(18)で示される化合物0.02g、化学式14で示される化合物0.081g、WSC0.016g、HOBt0.011g、ピリジン0.3mL、N,N-ジメチルホルムアミド0.2mLの混合物を、暗所において0℃で6時間撹拌した。その後、アセトン5mLを加え、析出物を減圧濾過し、析出物を0.1%トリフルオロ酢酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。1mM塩酸を含む水およびメタノールの混合液を溶出液に使用し、化学式(19)で示される化合物を溶出した。溶出液を減圧濃縮し、緑色固体の化学式(20)で示される包接型化合物0.045gを得た(溶出液を減圧濃縮すると、濃縮の最後は水の含有量が高いので生成物は包接型となる)。
【0034】
[0059] 以下の略号を用いる。
[0060] HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、WSC:水溶性カルボジイミド(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)
【0035】
【0036】
【0037】
[0061] 合成例3
[0062] まず、メタノール58kg、ジメチルスルホキシド2.6kg、水19kg、3-(2-カルボキシエチル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(2-カルボキシエチル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物5.26kg及び21-O-(3-アミノプロピル)シクロマルトヘプタオース23.7kg(純分 21.5kg)を内温約20℃で混合した。次に、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(DMT-MM)4.68kg(純分 3.98kg)を加え、メタノール水溶液(メタノール6.8kgおよび水2.1kg)で洗いこみ、内温約20℃にて約2時間攪拌した。その後、DMT-MM2.34kg(純分 1.99kg)およびN-メチルモルホリン0.726kgを加え、内温約20℃にて約2時間攪拌した。その後、DMT-MM2.34kg(純分 1.99kg)を内温約20℃で加えた。その後、メタノール84kgを約1時間かけて滴下し、内温約20℃で、約16時間攪拌した。次いで、アセトン250kgを2時間かけて滴下し、生じた懸濁液を内温約20℃で、約19時間攪拌した。濾過を行い、濾物をアセトン-メタノール混合液(アセトン58kgおよびメタノール28kg)で洗浄後、さらにアセトン84kgで2回洗浄した。外温設定約30℃で減圧乾燥を行い、緑色固体24.68kgを取得した。これを5mM塩酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィー(ODS130kg、移動相:5mM塩酸水溶液→30%メタノール水溶液(v/v)→40%メタノール水溶液(v/v)→80%メタノール水溶液(v/v))で精製した。目的物を集め減圧下、メタノールを留去し濃縮液を得た。次に、濃縮液全量をHP20SSカラムクロマトグラフィーに吸着させ、(HP20SS130kg、移動相:60%メタノール水溶液(v/v)→80%メタノール水溶液(v/v))で流した活性部を集めた。活性部を減圧濃縮後、清澄濾過を行った後、凍結乾燥を行い、緑色固体8.62kgを得た。このうち4.9kgを1mM塩酸水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィー(ODS150kg、移動相:1mM塩酸水溶液→30%メタノール水溶液(v/v)→40%メタノール水溶液(v/v))で精製した。目的物を集め減圧下、メタノールを留去し濃縮液を得た。次に濃縮液全量をHP20SSカラムクロマトグラフィーに吸着させ、(HP20SS67.8kg、移動相:60%メタノール水溶液(v/v)→80%メタノール水溶液(v/v))で流した活性部を集め減圧濃縮し、濃縮液を得た。活性炭を加え攪拌し、内温約20℃で約2時間攪拌した。ラジオライトでプレコートした濾過器を用い、活性炭を除去し、さらに清澄濾過を行った後、凍結乾燥を行い、3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-2-{(1E)-2-[(3E)-3-{(2E)-2-[3-(3-{[3-(シクロマルトヘプタオース-21-O-イル)プロピル]アミノ}-3-オキソプロピル)-1,1-ジメチル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e]インドール-2-イリデン]エチリデン}-2-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル]エテン-1-イル}-1,1-ジメチル-1H-ベンゾ[e]インドール-3-イウム 塩化物(「化合物A」)1.88kgを緑色固体として得た。
【0038】
[0063] 得られた化合物の理化学的性質は以下の通りである。
【0039】
【0040】
【0041】
[0067]
図1のデータより、化合物Aの緑色固体は、アモルファスであった。
【0042】
[0068] 以下の実施例において、化合物Aの結晶を取得した。
[0069] 結晶化プロセスにおいて、特段の記載のない限り、室温で結晶を得ることができた。
【0043】
[0070] 文中の記号は以下のとおりである。
[0071] MeOH:メタノール、EtOH:エタノール、MeCN:アセトニトリル、aq:水溶液。
【0044】
[0072] 実施例1
[0073] 化合物A(100mg)を50%MeCN水溶液(0.5ml)に溶解させ、1日間静置させた後、得られた固体を、カプトンフィルムをセットした透過測定用ホルダーにサンプリングし、PANalytical社Empyreanを用いて銅X線管(管電圧45kV、管電流40mA)でX線回折測定を行い、回折ピークを確認した(
図2)。
【0045】
[0074] 当該回折の特徴的ピークは、以下のとおりである。
[0075] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、4.3付近、4.8付近、5.4付近、9.5付近、10.9付近、16.2付近、18.4付近、18.6付近、及び19.4付近にピークを示す。
【0046】
[0076] 実施例2
[0077] 化合物A(100mg)を50%EtOH水溶液(0.4ml)に溶解させ、1日間静置させた後、得られた固体を、カプトンフィルムをセットした透過測定用ホルダーにサンプリングし、PANalytical社Empyreanを用いて銅X線管(管電圧45kV、管電流40mA)でX線回折測定を行い、回折ピークを確認した(
図3)。
【0047】
[0078] 当該回折の特徴的ピークは、以下のとおりである。
[0079] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、4.3付近、4.8付近、5.4付近、6.3付近、7.7付近、10.9付近、12.3付近、18.4付近、及び19.4付近にピークを示す。
【0048】
[0080] 実施例3
[0081] 化合物A(100mg)を50%アセトン水溶液(0.2ml)に溶解させ、5日後に化合物Aの種晶を加えた。この溶液を7日間静置し、得られた固体を、カプトンフィルムをセットした透過測定用ホルダーにサンプリングし、PANalytical社Empyreanを用いて銅X線管(管電圧45kV、管電流40mA)でX線回折測定を行い、回折ピークを確認した(
図4)。
【0049】
[0082] 当該回折の特徴的ピークは、以下のとおりである。
線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.0付近、3.7付近、4.1付近、4.5付近、5.7付近、6.1付近、7.2付近、7.8付近、17.2付近、及び17.6付近にピークを示す。
【0050】
[0083] 実施例4
[0084] 化合物A(100mg)を50%プロピレングリコール水溶液(0.2ml)に溶解させ、5日後に化合物Aの種晶を加えた。この溶液を1日間静置した後、得られた固体から単結晶を取り出し、リガク社XtaLAB P200を用いて銅ターゲット(管電圧40kV、管電流30mA)でX線回折測定を行い、回折斑点を確認した(
図5)。
[0085] また、その固体の偏光顕微鏡写真を撮影した(
図6)。
【0051】
[0086] 実施例5
[0087] 化合物A(10mg)を飽和水蒸気下で1日間静置した後、得られた固体を、カプトンフィルムにセットした透過測定用ホルダーにサンプリングし、PANalytical社Empyreanを用いて銅X線管(管電圧45kV、管電流40mA)でX線回折測定を行い、回折ピークを確認した。(
図7)
[0088] 当該回折の特徴的ピークは、以下のとおりである。
【0052】
[0089] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、4.8付近、5.4付近、6.1付近、6.3付近、9.0付近、9.9付近、10.3付近、12.4付近、18.5付近、及び19.5付近にピークを示す。
[0090] その固体の偏光顕微鏡写真を撮影した(
図8)。
【0053】
[0091] 実施例6
[0092] 化合物A(39.1mg)を20%MeOH水溶液(0.195ml)に溶解させ、4℃で56日間静置した後、得られた固体を、カプトンフィルムにセットした透過測定用ホルダーにサンプリングし、PANalytical社Empyreanを用いて銅X線管(管電圧45kV、管電流40mA)でX線回折測定を行い、回折ピークを確認した(
図9)。
【0054】
[0093] 当該回折の特徴的ピークは、以下のとおりである。
[0094] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.7付近、6.1付近、6.3付近、7.0付近、7.7付近、9.6付近、12.4付近、12.5付近、12.7付近、18.5付近、及び18.8付近にピークを示す。
【0055】
[0095] 実施例7
[0096] 化合物A(36.3mg)を20%EtOH水溶液(0.181ml)に溶解させ、4℃で56日間静置した後、得られた固体を、カプトンフィルムにセットした透過測定用ホルダーにサンプリングし、PANalytical社Empyreanを用いて銅X線管(管電圧45kV、管電流40mA)でX線回折測定を行い、回折ピークを確認した(
図10)。
【0056】
[0097] 当該回折の特徴的ピークは、以下のとおりである。
[0098] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.9付近、7.3付近、9.6付近、11.0付近、12.5付近、14.6付近、16.5付近、18.5付近、18.7付近、及び19.0付近にピークを示す。
【0057】
[0099] 実施例8
[0100] 化合物A(28.5mg)を水(0.087ml)に溶解させ、4℃で56日間静置した後、得られた固体を、カプトンフィルムにセットした透過法測定用のホルダーにサンプリングして、PANalytical社Empyreanを用いて銅X線管(管電圧45kV、管電流40mA)でX線回折測定を行い、回折ピークを確認した(
図11)。
【0058】
[0101] 当該回折の特徴的ピークは、以下のとおりである。
[0102] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、7.7付近、9.2付近、9.8付近、10.4付近、11.1付近、12.3付近、12.9付近、13.3付近、14.4付近、及び18.7付近にピークを示す。
【0059】
[0103] 実施例9
[0104] 結晶化試験
[0105] 化合物Aを含む3つのバイアル(9-1,9-2,9-3参照)を室温で9日間保管した後、4℃で45~47日間保管した。得られた固体をHPLCとX線回折測定に供し、化合物Aの純度と物理的状態を確認した。X線回折測定は、PANalytical社Empyreanを用いて銅X線管(管電圧45kV、管電流40mA)で行った。
【0060】
[0106] 9-1 高湿度での保管: 化合物A(52.0mg)を飽和水蒸気下で室温にて9日間保管した後、バイアルを4℃で45日間保管した。
[0107] 9-2 水溶液保管: 化合物A(19.8mg)を5mlの純水に室温で9日間溶解させた後、バイアルを4℃で45日間保管した。
[0108] 9-3 粉末として化合物A(28.0 mg)を室温で9日間保管した後、バイアルを4℃で47日間保管した。
【0061】
[0109] 結果を表3に示す。
【0062】
[0110] 9-1において、化合物Aの結晶が得られた(表3および
図12)。
[0111] 当該回折における9-1に特徴的なピークは、以下のとおりである。
[0112] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.9付近、5.8付近、7.3付近、9.5付近、11.1付近、12.4付近、12.5付近、18.7付近、19.0付近、及び19.5付近にピークを示す。
【0063】
[0113] 9-3において、化合物Aはまだアモルファスであった(表3および
図13)。
【0064】
【0065】
[0114] 実施例10
[0115] 水での結晶化範囲を確認する試験
[0116] 化合物Aを含む5つのバイアル(10-1から10-5参照)を4℃で45日間保管した。得られた固体をHPLCとX線回折測定に供し、化合物Aの純度と物理的状態を確認した。X線回折測定は、PANalytical社Empyreanを用いて銅X線管(管電圧45kV、管電流40mA)で行った。
【0066】
[0117] 10-1 純水100μL中の化合物A(50mg)
[0118] 10-2 純水10μL中の化合物A(50mg)
[0119] 10-3 純水20μL中の化合物A(50mg)
[0120] 10-4 純水30μL中の化合物A(50mg)
[0121] 10-5 純水40μL中の化合物A(50mg)
[0122] 結果を表4に示す。
【0067】
[0123] 10-1において、化合物Aの結晶が得られた(表4および
図14)。
[0124] 当該回折における特徴的なピークは、以下のとおりである。
[0125] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、3.9付近、7.3付近、9.6付近、11.1付近、12.5付近、18.5付近、18.7付近、19.0付近、19.5付近、及び21.2付近にピークを示す。
【0068】
[0126] 10-5において、化合物Aの結晶が得られた(表4および
図15)。
[0127] 当該回折における特徴的なピークは、以下のとおりである。
[0128] 線源としてCuを用いた粉末X線回折において、2θ(°)が、4.0付近、5.8付近、6.1付近、7.3付近、9.5付近、10.4付近、12.6付近、18.5付近、18.8付近、及び19.0付近にピークを示す。
【0069】
[0129] 結果として、40~100μLの純水中の化合物A(50mg)が結晶を形成すると考えられた。
【0070】
【0071】
[0130] 実施例11
[0131] 調湿条件下での結晶性の観察
[0132] 調湿条件下においてX線回折測定は、Anton Paar社のMHC-trans chamberを用いてPANalytical社Empyreanによって行った。銅X線管を用いて、管電圧と管電流は、それぞれ45kVと40mAとした。化合物Aをこの測定用の特殊ホルダーにサンプリングし、100%RH(相対湿度)、室温にて1日間保管した。得られた固体をX線回折測定に供したが、サンプルチャンバーの相対湿度を90%RHから40%RH、次いで、40%RHから90%RHへ10%RHずつ変化させ(それぞれの相対湿度で測定前に15分間保持)、チャンバーの温度は25℃に維持した。
【0072】
[0133] 湿度を低くすると結晶性は低下した。
[0134] その後、湿度を再び高くすると結晶性は回復した(
図16)。
[0135]
図16に示す結果によれば、結晶形を維持できる湿度範囲は、相対湿度が40%から相対湿度が90%までであった。
【0073】
[0136] 実施例12
[0137] 湿度下での結晶の分子量試験
[0138] 化合物Aの水吸着等温線(5%RHから95%RH、25℃)を、TA Instruments Q5000SAを用いて動的水蒸気吸着測定によって得た。
【0074】
[0139] 潮解は観察されず、化合物Aは、25℃で5%RHから95%RHまでに26重量%変化した(
図17)。
[0140] 水の吸着量は、40%RHと95%RHのそれぞれにおいて約10重量%と約44重量%であり、これらの吸着量は、化合物Aの分子量(3079.44)に基づいて水分子17モルおよび44モルに等しい。
【0075】
[0141] 上記の結果と実施例11の結果から、17モル超の水分子が結晶形成に必要であった。
【国際調査報告】