(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】低減衰ロール可能な光ファイバリボン
(51)【国際特許分類】
C03C 25/1065 20180101AFI20230119BHJP
C03C 25/6226 20180101ALI20230119BHJP
C03C 25/16 20060101ALI20230119BHJP
C03C 25/26 20180101ALI20230119BHJP
C03C 25/50 20060101ALI20230119BHJP
G02B 6/44 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
C03C25/1065
C03C25/6226
C03C25/16
C03C25/26
C03C25/50
G02B6/44 391
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525611
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 US2019059817
(87)【国際公開番号】W WO2021091536
(87)【国際公開日】2021-05-14
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509094034
【氏名又は名称】オーエフエス ファイテル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】ガーナー,ハリー,デー.
(72)【発明者】
【氏名】コンスタディニディス,カリオフィリス
(72)【発明者】
【氏名】リ,ヘン
【テーマコード(参考)】
2H201
4G060
【Fターム(参考)】
2H201BB03
2H201BB12
2H201BB23
2H201DD04
2H201DD06
2H201DD14
2H201KK02
2H201MM03
2H201MM18
2H201MM34
4G060AA01
4G060AA03
4G060AC15
4G060AD22
4G060AD43
4G060CB01
(57)【要約】
ロール可能な光ファイバリボンのマトリクス材料を硬化させる際、紫外線は、各ファイバの1次コーティングのさらなる硬化を回避するために、選択された波長範囲に集中され得る。リボンは、少なくとも1次コーティングを有するファイバをリボン状に整列させ、リボン状ファイバ群に沿って断続的に分散された部分にマトリクス材料を塗布し、リボン状ファイバ群および塗布されたマトリクス材料に、1次コーティングよりもマトリクス材料に吸収される波長の範囲に集中した紫外線を照射することによって作製することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リボン形状のファイバ群を形成するように、各光ファイバが紫外線(UV)硬化性の1次コーティングを有する複数の光ファイバを互いに平行に隣接して整列させる工程と、
UV硬化性のマトリクス材料を、前記リボン状のファイバ群に沿った隣接するファイバの各対の間の断続的に分布した部分に接触させて塗布する工程と、
前記1次コーティングよりも前記マトリクス材料に多く吸収される第2の波長範囲に集中し、かつ、前記マトリクス材料よりも前記1次コーティングに多く吸収される第1の波長範囲に集中しないUV光を、前記リボン状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料に照射する工程とを含む光ファイバリボンの製造方法。
【請求項2】
前記リボン形状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料にUV光を照射する工程は、前記リボン形状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料に、発光ダイオード(LED)によって放射されたUV光を照射する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リボン形状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料にUV光を照射する工程は、前記リボン形状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料に、LEDによって集束レンズを通して放出されるUV光を照射する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記リボン形状のファイバ群及び塗布されたマトリクス材料にUV光を照射する工程は、前記リボン形状のファイバ群及び塗布されたマトリクス材料に、LEDによって放出され、反射器によって反射されたUV光を照射する工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記リボン形状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料にUV光を照射する工程は、前記リボン形状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料に、バンドパスフィルタを通してバルブによって放出されるUV光を照射する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バンドパスフィルタは管状をなし、前記リボン形状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料を囲み、
前記リボン形状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料にUV光を照射する工程は、前記管状バンドパスフィルタを通過する前記UV光を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の光ファイバを整列させる工程の前に、
各光ファイバの1次コーティング上にUV硬化性2次コーティングを塗布する工程と、
1次コーティングよりも2次コーティングに多く吸収される波長の範囲に集中し、2次コーティングより1次コーティングに多く吸収される波長の範囲には集中しないUV光を、各光ファイバおよび塗布された2次コーティングに照射する工程とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
各光ファイバおよび塗布された2次コーティングにUV光を照射する工程は、各光ファイバおよび塗布された2次コーティングに発光ダイオード(LED)によって放出されるUV光を照射する工程を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各光ファイバおよび塗布された2次コーティングにUV光を照射する工程は、LEDによって集束レンズを通して放出されるUV光を各光ファイバおよび塗布された2次コーティングに照射する工程を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
各光ファイバおよび塗布された2次コーティングにUV光を照射する工程は、LEDによって放出され、反射器によって反射されるUV光を、各光ファイバおよび塗布された2次コーティングに照射する工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
各光ファイバおよび塗布された2次コーティングにUV光を照射する工程は、バンドパスフィルタを通してバルブによって放出されるUV光を、各光ファイバおよび塗布された2次コーティングに照射する工程を含む、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光ファイバ製造プロセスでは、プリフォームとして知られる大径ガラス構造体からファイバが線引きされる。ファイバは、ドロータワーとして知られる概ね垂直の構造を通して線引きされる。炉またはトーチは、ドロータワーの上部でプリフォームの一部分を加熱することができる。プリフォームからの溶融ガラスは下方に延び、ファイバ形状を形成する。ファイバは、ヘリウムなどの不活性ガスで満たされた冷却管を通過してもよい。ファイバは、ドロータワーを通って進むにつれて冷却され、固化する。このようにして製造されたファイバは、リボン、ケーブルなどが形成され得る後続の製造プロセスで使用するために巻き取りリールに巻き取られ得る。
【0002】
1つ以上のコーティングがファイバに塗布されてもよい。二重コーティングファイバは、裸ファイバ上の1次コーティングと、1次コーティング上の2次コーティングとを有する。コーティングは、通常、コーティング中の光開始剤を活性化する紫外線(UV)光を照射することによって硬化される。一般に「ウェットオンドライ」と呼ばれるデュアルコーティングプロセスの一例では、1次コーティングがドロータワー内で塗布され、UV硬化され、次いで2次コーティングが1次コーティング上に塗布され、ドロータワー内でUV硬化される。デュアルコーティングプロセスの別の例では、一般に「ウェット・オン・ウェット」と呼ばれ、1次コーティングがドロータワー内の裸ファイバ上に塗布され、次いで2次コーティングが1次コーティング上に直ちに塗布され、両方のコーティングがドロータワー内で同時にUV硬化される。1次コーティングは透明であってもよく、2次コーティングは顔料または着色剤を含有してもよい。あるいは、カラーコーティングは、ポストドロータワーまたは「オフライン」プロセスにおいて他のコーティングの上に塗布されてもよい。
【0003】
コーティング材料の特性は、マイクロベンディングの望ましくない影響を軽減するのに役立つように注意深く選択することができる。1次(内側)コーティング材料は、通常、クッション効果を提供するために低い弾性率(ヤング率とも呼ばれる)を有し、マイクロベンド損失を生じるファイバ軸に対する機械的摂動を低減し得る低い横方向剛性を有する。そのような低モジュラスコーティング材料は、ファイバおよびケーブルの製造に関連する通常の取扱い中に容易に損傷され得るため、2次(外側)コーティング材料は、一般に、高い曲げ剛性を有する高いモジュラスを有し、ファイバおよびケーブルの製造に関連する通常の取扱い中に損傷に対する抵抗を促進しながらマイクロベンド感度を最小限に抑えるのに役立つ。
【0004】
光開始剤を通して硬化反応を開始するために、1次コーティングおよび2次コーティングの光開始剤のUV吸光度を最大にすることが望ましい。1次コーティングおよび2次コーティングは、互いに同じ波長範囲で、または異なる範囲で最大UV吸光度を示し得る。例えば、互いに同じ波長範囲で吸収する1次コーティングおよび2次コーティングが使用され得るが、代わりに、例えば、一方のコーティング材料が他方のコーティング材料よりも経済的であり得ることを含む理由で、異なる範囲で吸収する1次コーティングおよび2次コーティングが使用され得る。例えば、360~410nmの範囲で吸収する1次コーティングおよび300~360nmの範囲で吸収する2次コーティングを使用することができる。1次コーティングおよび2次コーティングの両方の充分かつ迅速な硬化を促進するために、ウェットオンウェットコーティングプロセスで使用されるUV硬化ランプは、広域スペクトル水銀アークまたはマイクロ波ランプであり得る。特定のコーティング硬化プロセスのためにUV発光ダイオード(LED)を使用することも知られている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、ロール可能な光ファイバリボンを作製するための方法およびシステムに関する。ロール可能な光ファイバリボンのマトリクス材料の硬化において、UV光は、個々のファイバの1次コーティング材料のさらなる硬化を回避するために、選択された波長範囲に集中され得る。
【0006】
例示的な光ファイバリボンは、リボン形状の光ファイバ群とマトリクス材料とを含み得る。リボン状の光ファイバ群は、互いに平行に隣接して整列された複数の光ファイバを含んでもよい。各光ファイバは、0.5メガパスカル(MPa)未満のその場(in-situ)のヤング率を有するUV硬化性1次コーティングを有し得る。UV硬化性マトリクス材料は、リボン形状のファイバ群に沿った隣接するファイバの各対の間の部分およびこれと接触する部分に断続的に分布させることができる。
【0007】
光ファイバリボンを作製する例示的な方法は、複数の光ファイバを互いに平行かつ隣接して整列させて、それぞれが少なくとも1次コーティングを有するリボン形状のファイバ群を形成する工程を含み得る。本方法は、リボン形状のファイバ群に沿った隣接するファイバの各対の間の断続的に分散した部分において、かつそれらと接触してマトリクス材料を塗布する工程をさらに含み得る。前記方法は、マトリクス材料よりも1次コーティングに多く吸収される波長の範囲に集中した紫外線(UV)光をリボン形状のファイバ群及び塗布されたマトリクス材料に照射する工程をさらに含み得る。
【0008】
光ファイバリボンを作製するための例示的なシステムは、ファイバアライナと、マトリクスアプリケータと、チューブと、少なくとも1つの狭帯域UV光源とを含み得る。ファイバアライナは、複数の光ファイバを互いに平行かつ隣接して整列させて、それぞれが少なくとも1次コーティングを有するリボン形状のファイバ群を形成するように構成される。マトリクス塗布機は、リボン形状のファイバ群に沿った隣接するファイバの各対の間の、かつそれらと接触する断続的に分散された部分にマトリクス材料を塗布するように構成される。チューブは、リボン形状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料を取り囲む。狭帯域UV光源は、リボン状のファイバ群および塗布されたマトリクス材料を囲むチューブに向かって配向される。狭帯域UV光源は、マトリクス材料によって1次コーティングによってより多く吸収される第2の波長範囲に集中し、マトリクス材料によってよりも1次コーティングによってより多く吸収される第1の波長範囲に集中しないUV光を放出するように構成される。
【0009】
他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図および詳細な説明を検討すると、当業者に明白となるであろう。すべてのそのような追加のシステム、方法、特徴、および利点は、この説明内に含まれ、本明細書の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0010】
本発明は、以下の図面を参照してより良く理解することができる。図面中の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理を明確に示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】例示的な実施形態におけるロール可能な光ファイバリボンを作製するためのシステムの概略図である。
【
図4】例示的な実施形態におけるロール可能な光ファイバリボンの一部分の上面図である。
【
図5】例示的な実施形態における狭帯域硬化ランプユニットの一部の断面図である。
【
図6】例示的な実施形態における別の狭帯域硬化ランプユニットの一部の断面図である。
【
図7】例示的な実施形態におけるさらに別の狭帯域硬化ランプユニットの一部分の断面図である。
【
図8】例示的な実施形態におけるロール可能な光ファイバリボンを作製するための方法を示す流れ図である。
【
図9】例示的な実施形態におけるロール可能な光ファイバリボンを作製するための別の方法を示す別の流れ図である。
【
図10】光ファイバを作製するための方法を示す流れ図である。
【
図11】ある波長範囲にわたるマトリクス材料および1次コーティング吸光度のプロットの例である。
【
図12】ある波長範囲にわたるマトリクス材料および1次コーティング吸光度のプロットの別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
光ファイバリボンは、その長さに沿って互いに接合された2つ以上の平行な光ファイバを含む。一般にマトリクスと呼ばれる材料は、複数のファイバを互いに接着する。「平坦な」(「封入された」とも呼ばれる)タイプの光ファイバリボンでは、ファイバはマトリクス材料内に完全に封入され得る。封入された光ファイバリボンの剛性は、ケーブルにおける高いファイバ充填密度を達成することに課題を提示する。ケーブルにおいて高いファイバ充填密度を達成するために、いわゆる「ロール可能な」光ファイバリボンが開発されている。ロール可能なリボンでは、マトリクス材料は、ファイバに沿って断続的に(例えば、パッチ状に)分配され、リボンをファイバに平行な軸の周りにロールアップするか、またはリボンをほぼ円筒形の形状を有するファイバ束に圧縮するのに充分な可撓性を提供する。「ロール可能なリボン」という用語は、本開示において、マトリクス材料がファイバに沿って断続的に分散される光ファイバリボンを意味するために使用される。
【0013】
ロール可能なリボンの製造において、UV光は、ファイバに沿って断続的に分配されたマトリクス材料を硬化させてそれらを互いに接着させるために使用される。この追加の硬化ステップは、マトリクス材料を硬化させるだけでなく、各個々のファイバの1次コーティングをさらに硬化させることができ、1次コーティングの弾性率の増加をもたらす。1次コーティングの弾性率の増加は、ファイバをマイクロベンド損失に対してより敏感にする。さらなる硬化(すなわち、過剰硬化)から生じる1次コーティングの増加した弾性率は、ロール可能なリボンが平坦なリボンよりも大きな信号減衰を通常有する理由を説明すると考えられる。マトリクス材料は平坦なリボンの製造において同様に硬化されるが、平坦なリボンでは、ファイバを封入する比較的大量のマトリクス材料がUV光の大部分を吸収するので、このような硬化は一般に1次コーティングを過剰に硬化させない。この問題に対処し、従来のロール可能なリボンよりも低い減衰を有するロール可能なリボンが製造されることを可能にする方法およびシステムが以下に記載される。
【0014】
図1に示すように、従来の光ファイバドロータワー100は、線引き炉102と、冷却器104と、1次コーティング塗布器106と、2次コーティング塗布器108と、広域スペクトル紫外線(UV)硬化ユニット110とを含み得る。ガラスプリフォーム112は、ドロータワー100の入口または頂部に提供される。ドロータワー100は垂直に配向され、ファイバ線引きプロセスはドロータワー100内で上部から下部へと進むので、便宜上、ドロータワー100内の別の要素の下の要素は、他の要素に続くと称され得る。ドロータワー100の上部において、線引き炉102はガラスプリフォーム112の一部を加熱し、溶融ガラスは下方に向けられてファイバ114を形成する。冷却器104は、ファイバ114の冷却を助ける。1次コーティング塗布器106は、ファイバ114上に液体の1次コーティングを塗布する。次いで、2次コーティング塗布器108は、いわゆる「ウェット・オン・ウェット」コーティングプロセスにおいて液体1次コーティング上に直接に液体の2次コーティングを塗布する。(あるいは、「ウェットオンドライ」プロセスにおいて、別の広域スペクトルUV硬化ユニットを1次コーティング塗布器106と2次コーティング塗布器108との間に含めることができる。)ファイバ116は、次いで、UV硬化ユニット110を通って進み、ファイバ116を広域スペクトルUV放射線に曝露し、ウェットオンウェットプロセスにおいて1次コーティングおよび2次コーティングの両方を硬化させる。
【0015】
1次および2次コーティングはそれぞれ、特定の範囲のUV放射線に曝露されるとフリーラジカルに分解することによってUV硬化を開始する光開始剤を含有する。1次コーティングは、第1の範囲のUV光を(第2の範囲よりも大きな程度まで)吸収する第1の光開始剤を含み、2次コーティングは、第2の範囲のUV光を(第1の範囲よりも大きな程度まで)吸収する第2の光開始剤を含む。第1および第2の光開始剤の各々は、広域スペクトルUV硬化ユニット110によって放出される波長範囲と比較して、比較的狭い波長範囲において最大UV吸光度を示す。第1および第2の波長範囲はUVスペクトル内の任意の値を有し得るが、一例では、第1の範囲は360~410nmであり、第2の範囲は300~360nmである。硬化ユニット110は、第1および第2の波長範囲の両方を包含するスペクトルにわたって光を放出する。1次コーティングが360~410nmの範囲のUV光を吸収し、2次コーティングが300~360nmの範囲のUV光を吸収する例では、広スペクトル光へのこの曝露、すなわち第1および第2の範囲の両方にわたる曝露は、1次コーティングおよび2次コーティングの両方を少なくとも部分的に硬化させる。(リボンの製造中などにファイバに後にUV光を照射する場合、追加の硬化が起こり得る。)デュアルコーティングされた硬化ファイバ118は、ドロータワー100を下向き方向120に出て、次いで、以下で説明するようにさらなる処理のために巻き取りリール(図示せず)に向け直され、巻き取られ得る。
【0016】
従来の広域スペクトル硬化ユニット200を
図2に断面図で示す。広域スペクトル硬化ユニット200は、広域スペクトル硬化ユニット110(
図1は、線A-Aに沿った断面図)の一例であり得る。広域スペクトル硬化ユニット200は、管状のUVバルブ202と、一対の湾曲1次反射器204と、UVバルブ202に平行な石英管206と、一対の湾曲2次反射器208とを含み得る。一対の湾曲1次反射器204は共に、UVバルブ202が概ねその焦点にある、概ねトラフ形状の(例えば、放物線状の)反射器ユニットを形成する。同様に、一対の湾曲2次反射器208は共に、石英管206の中心が概ねその焦点にある、概ねトラフ形状の(例えば、放物線状の)反射器ユニットを形成する。概して連続的なプロセスにおいて、デュアルコーティングされたファイバ116は、広域スペクトル硬化ユニット200の上部に入り、石英管206を通って延び、上述のデュアルコーティングされた硬化ファイバ118(
図1)の形態で広域スペクトルコーティング硬化ユニット200の底部に現れる。
【0017】
図3に示すように、本開示によるロール可能なリボンを製造するためのシステム300は、アライナ302と、マトリクス塗布機304と、狭帯域UV硬化ユニット306とを含み得る。概して連続的なプロセスでは、2つ以上の個々のファイバ308がアライナ302に供給されてもよく、これは、それらを互いに平行に隣接して整列させてリボン形状のファイバ構造310を形成する。アライナ302の内部構造は明確にするために
図3には示されていないが、この構造は当業者に周知であり、個々のファイバ308を受け入れて案内する複数の収束溝を含み得る。上記で参照したデュアルコーティングされた硬化ファイバ118(
図1)の一部は、各個々のファイバ308の例であり得る。
図3に示す例では、8本のファイバ308が存在するが、本開示によるロール可能なリボンは、任意の数のファイバを有し得る。
【0018】
マトリクス塗布機304は、マトリクス材料をリボン形状のファイバ構造310に塗布する。
図4に示すように、マトリクス材料は、リボン形状のファイバ構造310に沿って隣接するファイバ308の各対の間に、かつそれらと接触して断続的に分散された部分312に塗布され、狭帯域UV硬化ユニット306に入るファイバ構造314を形成する。当業者によって理解されるように、ロール可能なリボンを特徴付けるマトリクス材料の断続的に分散された部分は、任意のパターンを形成し得る。
図4に示されるパターンは、例としてのみ意図される。
【0019】
1次コーティングおよび2次コーティングと同様に、マトリクス材料は、UV硬化を開始する光開始剤を含有する。光開始剤は、例えば、第2の波長範囲において(第1の波長範囲においてではなく)最大UV吸光度を示し得る。すなわち、マトリクス材料は、例えば、2次コーティングと同じ波長範囲の光を吸収し得る。
【0020】
以下でさらに詳細に説明するように、狭帯域UV硬化ユニット306は、上述の広域スペクトル硬化ユニット110(
図1)よりも狭い波長帯域または範囲のUV光を放出する。波長帯域は、1次コーティングよりもマトリクス材料により多く吸収される波長の帯域または範囲に集中する。
【0021】
図11に示すように、マトリクス材料吸光度の例1102および1次コーティング吸光度の例1104は、395nm付近に集中した範囲のUV発光1106の例に対してプロットされている。マトリクス材料吸光度1102は、一般に「Range B」と呼ばれる約360~410nmの範囲の最大吸光度を示す光開始剤を含有するマトリクス材料の特性を有し得る。Range B光開始剤の市販の例は、LUCIRIN TPO(登録商標)である。1次コーティング吸光度1104は、一般に「Range A」と呼ばれる約300~360nmの範囲の最大吸光度を示す光開始剤を含有する1次コーティングの特定を有し得る。Range A光開始剤の市販の例は、IRGACURE 184(登録商標)である。「最大吸光度」という用語は、必ずしもピークを指すのではなく、一般的に利用可能なUV硬化単位(例えば、約300~450nm)のUVスペクトル内の曲線下面積を指す。
【0022】
図11に示す例では、1次コーティングはRange A(300~360nm)のUV光を吸収し、マトリクス材料はRange B(360~410nm)のUV光を吸収する。狭帯域UV硬化ユニット306(
図3)によって放出される波長の範囲は、Range A(300~360nm)ではなくRange B(360~410nm)に集中し得る。
図11において、発光1106とマトリクス材料吸光度1102(すなわち、2つの曲線の下の面積の交点によって定義される面積である)との間の重複領域(強調のためにクロスハッチングで示す)は、発光1106と1次コーティング吸光度1104との間の重複領域よりもはるかに大きいことに留意されたい。実際、1次コーティング吸光度が約380nmより上でほぼゼロであるので、この例における発光1106と1次コーティング吸光度1104との間の重複領域はほぼゼロである。発光1106とマトリクス材料吸光度1102との間の重複面積は、発光1106と1次コーティング吸光度1104との間の重複面積の少なくとも4倍であり得る。より一般的には、光開始剤の吸光度を表す曲線下面積と放射光を表す曲線下面積との交差または重複は、その光開始剤によるその光の吸収の程度を定義する。2つの異なる光開始剤についての吸光度曲線を比較することによって、ある波長(または狭い波長帯域)の光が、一方の光開始剤によって他方の光開始剤よりも多く吸収されるかどうかを決定することができる。
【0023】
図11に示される例において、狭帯域硬化ユニット306によって放出されるUV光は、1次コーティングよりもマトリクス材料において少なくとも4倍多く吸収され、狭帯域硬化ユニット306によって放出されるUV光は、マトリクス材料を硬化させるが、個々のファイバ308の1次コーティング材料を実質的にさらに硬化させない。これは、1次コーティングの弾性率を増加させ、マイクロベンド損失に対するファイバ308の付随する感度を増加させ得る。したがって、システム300によって製造されるロール可能なリボン316は、広スペクトル光によって硬化されたマトリクス材料を有する従来のロール可能なリボンよりも低い減衰を有利に有することができる。
【0024】
図12に示すように、マトリクス材料吸光度1202の別の例および1次コーティング吸光度1204の別の例は、約330nmに集中した範囲のUV発光1206の例に対してプロットされている。マトリクス材料吸光度1202は、Range Aにおいて最大吸光度を示す光開始剤を含有するマトリクス材料の特性であってもよく、1次コーティング吸光度1204は、Range Bにおいて最大吸光度を示す光開始剤を含有するマトリクス材料の特性であってもよい。
図12に示す例では、発光1206とマトリクス材料吸光度1202との間の重なり面積(すなわち、2つの曲線の下の面積の交差)は、発光1206と1次コーティング吸光度1204との間の重なり面積よりも大きい。例えば、発光1206とマトリクス材料吸光度1202との間の重なり面積は、発光1206と1次コーティング吸光度1204との間の重なり面積の4倍以上であり得る。当業者によって理解されるように、約340nm未満の1次コーティング吸光度1204によって示される急勾配は、バルクコーティング吸収に起因し、光開始剤に起因せず、したがって、発光1206と約340nm未満の1次コーティング吸光度1204との間の大きい重なり面積にもかかわらず、硬化に寄与しない。コーティングは、特定の波長未満では効果的に不透明である。光開始剤に起因する1次コーティング吸光度1204とバルクコーティング吸収に起因する1次コーティング吸光度1204との間のカットオフは、明確にするために
図12に破線で示される。
【0025】
本開示による方法およびシステムを使用して製造されるロール可能なリボン316(
図3)の各光ファイバ308の1次コーティングのヤング率は、0.5メガパスカル(MPa)未満であり得る。以下の方法を使用して、ロール可能なリボン316の光ファイバ308の1次コーティングのヤング率を決定することができる。ロール可能なリボン316から得られる光ファイバ308上の1次コーティングのヤング率測定は、その場弾性率(ISM)測定と呼ばれ得る。ファイバ1次コーティングのISMを決定するための原理は周知であり、以下の方法は、そのような原理がどのように適用され得るかの一例にすぎないことが意図される。
【0026】
ファイバの1次コーティングのISMは、2液エポキシを用いて不動基板上にファイバの一端の1cmのセクションを接着し、エポキシが完全に硬化するのを約1時間待って、ファイバの自由端に重りを取り付け、光学顕微鏡を用いてファイバ変位を測定することによって決定することができる。10~70グラムの範囲の重量を有する5回の測定を行い、各試料に対して繰り返してもよい(例えば、2回)。当技術分野で理解されているように(およびガラス線引きの寄与を無視して)、剪断弾性率は、G=(s/2πl)*ln(R2/R1)によって与えられ、式中、R2およびR1は1次の外半径および内半径であり、lはゲージ長であり、sは力対変位曲線の回帰勾配である。ゴム状ポアソン比1/2が推定され、引張弾性率E(すなわち、in-situ弾性率)は、せん断弾性率Gの3倍として報告される。ロール可能なリボン中のファイバのISMを測定するために、ファイバをリボンから剥離することができ、マトリクスを実質的に含まないファイバの1cmのセクションをエポキシに埋め込むことができる(したがってゲージ長を形成する)。統計的に有意な数のファイバの1cm切片(例えば、12以上の切片)は、上記の様式で測定されてもよく、測定の中央値は、本開示による方法およびシステムを使用して製造されるロール可能なリボンについて0.5MPa未満である。
【0027】
図5に狭帯域UV硬化ユニット500の断面を示す。狭帯域UV硬化ユニット500は、狭帯域UV硬化ユニット306(
図3は、B-B線に沿った断面図)の一例であり得る。狭帯域UV硬化ユニット500は、管状UVバルブ502と、一対の湾曲1次反射器504と、石英管506と、管状バンドパスフィルタ508と、一対の湾曲2次反射器510とを含み得る。石英管506は、管状バンドパスフィルタ508内に同心円状に配置され、管状UVバルブ502と平行である。一対の湾曲1次反射器504は共に、UVバルブ502が概ねその焦点にある、概ねトラフ形状の(例えば、放物線状)反射器ユニットを形成する。同様に、一対の湾曲2次反射器510は共に、石英管506の中心が概ねその焦点にある、概ねトラフ形状の(例えば、放物線状)反射器ユニットを形成する。UVバルブ502は、1次コーティングがマトリクス材料よりも実質的に多くのUV光を吸収する第1の範囲(例えば、360~410nm)と第2の範囲(例えば、300~360nm)の両方を包含するスペクトルなど、広いスペクトルにわたってUV光を放出することができる。その上で、マトリクス材料は、1次コーティングよりも実質的に多くのUV光を吸収する。
【0028】
管状バンドパスフィルタ508は、マトリクス材料が最大UV吸光度(例えば、300~360nmの範囲の波長である)を示し、1次コーティングがそれ自体の最大UV吸光度よりも実質的に低いUV吸光度を示す波長をほぼ中心とする通過帯域を有する。石英管506は、UVバルブ502によって放射される光の全スペクトルに対して実質的に透明である。すなわち、石英管506は、1次コーティングがマトリクス材料よりも実質的に多くのUV光を吸収する第1の範囲(例えば、360~410nm)と、マトリクス材料が1次コーティングよりも実質的に多くのUV光を吸収する第2の範囲(例えば、300~360nm)との両方を包含する光に対して実質的に透明である。
【0029】
概して連続的なプロセスでは、上述のファイバ構造314(
図3)は、狭帯域UV硬化ユニット500の一端に入り、石英管506を通って延び、上述のロール可能なリボン316(
図3)の形態で狭帯域UV硬化ユニット500の他端に現れる。1対の湾曲1次反射器504は、UVバルブ502によって放射されたUV光を石英管506、管状バンドパスフィルタ508、および1対の湾曲2次反射器510に向ける。湾曲2次反射器510の対はさらに、石英管506および管状バンドパスフィルタ508内のファイバ構造314上にUV光を集束させる。ファイバ構造314が狭帯域UV硬化ユニット500を通って移動するにつれて、管状バンドパスフィルタ508は、UVバルブ502によって放射されたUV光をフィルタリングし、したがって、ファイバ構造314に衝突する光は、第1の範囲(例えば、360~410nm)ではなく、第2の範囲(例えば、300~360nm)に集中し得る。結果として、狭帯域UV硬化ユニット500によって放出されるUV光は、マトリクス材料を硬化させるが、1次コーティングを実質的にさらに硬化させない。
【0030】
別の狭帯域UV硬化ユニット600を
図6の断面図に示す。狭帯域UV硬化ユニット600は、狭帯域UV硬化ユニット306(
図3は、B-B線に沿った断面図)の一例であり得る。狭帯域UV硬化ユニット600は、UV LED(チップ)602と、石英管604と、一対の湾曲反射器606とを含むことができる。石英管604は、UV LED602の放射面の反対側に配置される。一対の湾曲反射器606は共に、石英管604の中心が概ねその焦点にある、概ねトラフ形状の(例えば、放物線状)反射器ユニットを形成する。
【0031】
概して連続的なプロセスでは、上述のファイバ構造314(
図3)は、狭帯域UV硬化ユニット600の一端に入り、石英管604を通って延び、上述のロール可能なリボン316(
図3)の形態で狭帯域UV硬化ユニット600の他端に現れる。UV LED602は、マトリクス材料がその最大吸光度(例えば、300~360nmの範囲の波長)を示し、1次コーティングがそれ自体の最大吸光度よりも実質的に低い吸光度を示す波長をほぼ中心とする範囲に集中した光を放出する。石英管604は、UV LED602によって放射される光(例えば、300~360nm)に対して実質的に透明であり得る。一対の湾曲した反射器606は、UV LED602によって放射されたUV光を石英管604内のファイバ構造314上に集束させる。ファイバ構造314が狭帯域UV硬化ユニット600を通って移動するにつれて、UV LED602によって放出される光、したがってファイバ構造314に衝突する光は、第1の範囲(例えば、360~410nm)ではなく、第2の範囲(例えば、300~360nm)に集中し得る。その結果、狭帯域硬化ユニット600によって放出されるUV光は、マトリクス材料を硬化させるが、1次コーティングを実質的にさらに硬化させない。
【0032】
さらに別の狭帯域UV硬化ユニット700を
図7の断面図に示す。狭帯域UV硬化ユニット700は、狭帯域UV硬化ユニット306(
図3は、B-B線に沿った断面図)の一例であり得る。狭帯域UV硬化ユニット700は、1つまたは複数のUV LED(チップ)702A、702Bなど、関連する集束レンズ704A、704Bなど、および石英管706を含むことができる。石英管706は、UV LED702A、702B等の放射面の反対側又はその間に位置付けられ、UV LED702A、702B等の関連するものと石英管706との間に集束レンズ704A、704B等が位置付けられる。石英管706の中心は、概して、レンズ704A、704B等のそれぞれの焦点にある。
【0033】
概して連続的なプロセスでは、上述のファイバ構造314(
図3)は、狭帯域UV硬化ユニット700の一端に入り、石英管706を通って延び、上述のロール可能なリボン316(
図3)の形態で狭帯域UV硬化ユニット700の他端に現れる。UV LED702A、702Bなどは、マトリクス材料がその最大吸光度(例えば、300~360nmの範囲の波長)を示し、1次コーティングがそれ自体の最大吸光度よりも実質的に低い吸光度を示す波長にほぼ集中した範囲に集中した光を放出する。石英管706は、UV LED702A、702Bなどによって放射される光(例えば、300~360nm)に対して実質的に透明であり得る。集束レンズ704A、704Bなどは、関連するUV LED702A、702Bなどによって放射されたUV光を石英管706内のファイバ構造314上に集束させる。ファイバ構造314が狭帯域UV硬化ユニット700を通って移動するにつれて、UV LED702A、702Bなどによって放出される光、したがってファイバ構造314に照射される光は、第1の範囲(例えば、360~410nm)ではなく、第2の範囲(例えば、300~360nm)に集中し得る。その結果、狭帯域硬化ユニット700によって放出されるUV光は、マトリクス材料を硬化させるが、1次コーティングを実質的にさらに硬化させない。
【0034】
光ファイバリボンを製造する方法800は、
図8にフロー図の形式で示されている。ブロック802によって(および
図3~
図4をさらに参照して)示されるように、複数の光ファイバ308(
図3)は、リボン形状のファイバ構造310(
図3)を形成するために、互いに平行に隣接して位置合わせされる。各光ファイバは1次コーティングを有する。各光ファイバは、1次コーティングの上に2次コーティングをさらに有してもよい。次いで、ブロック804によって示されるように、マトリクス材料が、リボン形状のファイバ構造310に沿って隣接するファイバ308の各対の間でそれらと接触する断続的に分散された部分312(
図4)に塗布される。ブロック806によって示されるように、塗布されたマトリクス材料を有する結果として生じるファイバ構造314(
図3)は、1次コーティングによってよりもマトリクス材料によって吸収される波長の範囲に集中したUV光が照射される。ファイバ構造314に照射される光は、例えば、
図6~7に関して上述された方法で選択され提供される波長範囲を有するUV LED、または代替的に、
図5に関して上述された方法で選択され提供される波長範囲を有する光バンドパスフィルタと組み合わせたUVバルブによって生成され得る。
【0035】
光ファイバリボンを製造する方法900は、
図9にフロー図形式で示されている。方法900によれば、マトリクス材料だけでなく2次コーティングも、それらに狭帯域UV光を照射することによって硬化させることができる。狭帯域UV光はまた、1次コーティングによってよりも2次コーティングによってより多く吸収され得るが、2次コーティングに対する有害な影響はない。ブロック902および904によって示されるように、ドロータワーにおいて、1次コーティングがファイバに塗布され、次いでコーティングされたファイバに広域スペクトルUV光が照射される。あるいは、1次コーティングは、1次コーティングによって充分に吸収されて完全に硬化する波長範囲の狭帯域UV光が照射され得る。
【0036】
ブロック906によって示されるように、2次コーティングが、(硬化された)1次コーティングを覆って塗布されてもよい。ブロック908によって示されるように、(硬化された)1次コーティングおよび(未だ硬化されていない)2次コーティングを有するファイバは、次いで、1次コーティングよりも2次コーティングによってより多く吸収される波長の範囲内に集中される狭帯域UV光が照射されてもよい。ファイバに照射される光は、例えば、
図6~
図7に関して上述したように選択され提供される波長範囲を有するUV LEDを有する狭帯域UV硬化ユニットによって、または代替的に生成され得る。UVバルブを、波長範囲を有する光学バンドパスフィルタと組み合わせて有することは、
図5に関して上述した方法で選択され提供される。
【0037】
方法900のブロック910、912、914は、それぞれ上述の方法800(
図8)のブロック802、804、806と同様であり得る。複数のファイバの各ファイバは、ブロック902~908に関して上述した方法で提供することができる。次いで、ブロック910によって示されるように、複数のファイバを互いに整列させてリボン形状のファイバ構造を形成する。次いで、ブロック912によって示されるように、マトリクス材料がリボン形状のファイバ構造に塗布される。次いで、ブロック914によって示されるように、リボン形状のファイバ構造および塗布されたマトリクス材料は、1次コーティングよりもマトリクス材料に多く吸収される波長の範囲に濃縮されたUV光が照射される。ファイバ構造及び塗布されたマトリクス材料に照射される光は、例えば、
図6~
図7に関して上述したように選択され提供される波長範囲を有するUV LEDを有する狭帯域UV硬化ユニットによって、又は代替的に生成され得る。UVバルブを、波長範囲を有する光学バンドパスフィルタと組み合わせて有することは、
図5に関して上述した方法で選択され提供される。
【0038】
光ファイバを作製するための方法1000が、
図10にフロー図形式で示されている。ブロック1002、1004、1006、1008は、それぞれ
図9のブロック902、904、906、908と同様である。ブロック1010によって示されるように、方法1000は、オフライン(すなわち、ポストドロータワー)プロセスにおいて2次コーティング上にカラーコーティングを塗布することをさらに含む。カラーコーティングは、染料または顔料だけでなく、上記と同じ種類の光開始剤も含有する。ブロック1012によって示されるように、次いで、カラーコーティングは、1次コーティングによってよりもカラーコーティングによってはるかに多く吸収される波長の範囲に集中したUV光をコーティングされたファイバに照射することによって硬化され得る。コーティングされたファイバに照射される光は、例えば、
図6~
図7に関して上述した方法で選択され提供される波長範囲を有するUV LEDを有する狭帯域UV硬化ユニットによって、または代替的に生成され得る。UVバルブを、波長範囲を有する光学バンドパスフィルタと組み合わせて有することは、
図5に関して上述した方法で選択され提供される。ブロック1010および1012を含む方法は、従来製造された二重コーティングファイバに塗布され得ることに留意されたい。方法1000に従って製造されたファイバは、ロール可能なリボンを製造するために上述の方法800(
図8)において使用され得ることにも留意されたい。
【0039】
以上、本発明の1つまたは複数の例示的または例示的な実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義され、記載される特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。
【国際調査報告】