(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】ラテラルフローアッセイのデジタル読み取りのためのデバイス
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20230119BHJP
G01N 33/543 20060101ALI20230119BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20230119BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G01N35/04 E
G01N33/543 521
G01N33/483 C
G01N21/64 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527991
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-07-11
(86)【国際出願番号】 US2020060390
(87)【国際公開番号】W WO2021097193
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519446551
【氏名又は名称】アボット・ラピッド・ダイアグノスティクス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シューベルト,アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ガイスト,セーアン
【テーマコード(参考)】
2G043
2G045
2G058
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043BA16
2G043DA04
2G043EA01
2G045FA19
2G045FB03
2G045FB15
2G058CC09
2G058GA02
(57)【要約】
デジタルリーダ及びラテラルフローアッセイ(LFA)カートリッジを受容するためのデバイス、ならびにそれを組み込むシステムが提供される。デバイスの態様は、デジタルリーダを受容するように構成されたフレームを有する本体と、フレームによって画定された平面空間に対して固定された配向で1つ以上のLFAカートリッジを位置決めするための1つ以上のLFAカートリッジ受容位置を有するベースプレートとを含む。デバイスを使用して、試料中の分析物の存在または不在を示す結果を読み取るための方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルリーダ及びラテラルフローアッセイ(LFA)カートリッジを受容するためのデバイスであって、デバイスが、本体及びベースプレートを備え、
本体が、
空間を包囲する壁であって、壁が、上部分及び底部分を含む、壁、
壁の上部分に結合されたフレームであって、フレームが、デジタルリーダを受容するように構成された、フレーム、
壁の底部分によって画定された嵌合構造であって、嵌合構造が、ベースプレートに取り外し可能に結合するように構成されている、嵌合構造、を備え、
ベースプレートが、間に空間を画定する第1の表面及び第2の表面を備え、空間が、
第1のLFAカートリッジ受容部分を備え、
第1のLFAカートリッジ受容部分が、LFAカートリッジを実質的に固定された位置に受容及び保持する、実質的に平面の第1の支持表面を備え、
第1の支持表面が、フレームによって画定された平面空間に対して第1の固定された配向にある、デバイス。
【請求項2】
空間が、LFAカートリッジを受容及び保持する実質的に平面の第2の支持表面を備える第2のLFAカートリッジ受容部分をさらに備え、第2の支持表面が、フレームによって画定された平面空間に対して第2の固定された配向にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
第1及び第2の固定された配向が、異なる、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
第1及び第2の固定された配向が、同じである、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
第1の固定された配向が、平面表面から離れた第1の横縁の傾きとして測定された、+1度~+10度、または-1度~-10度の範囲の水平角度を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
第1の固定された配向が、平面表面に向かう第1の縦縁の傾きとして測定された、-15度~-1度、または+1度~+15度の範囲の垂直角度を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
第2の固定された配向が、平面表面から離れた第2の横縁の傾きとして測定された、+1度~+10度、または-10度~-1度の範囲の水平角度を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
第2の固定された角度が、平面表面に向かう第2の縦縁の傾きとして測定された、-15度~-1度、または+1度~+15度の範囲の垂直角度である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項9】
第1の表面が、嵌合構造にはまる突出部を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
デバイスが、不透明材料から製造されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
デバイスが、光吸収材料から製造されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
ベースプレートの第1の表面が、デバイスの内部に面し、光吸収材料を含むか、またはベースプレートの第2の表面が、デバイスの内部に面し、光吸収材料を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
嵌合構造、及びベースプレートの少なくとも一部分は、嵌合構造及びベースプレートが、嵌合構造及びベースプレートのうちの1つの回転によって、少なくとも2つの配向で結合され得るように、対称の線を有する形状を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
嵌合構造、及びベースプレートの少なくとも一部分が、矩形形状を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
嵌合構造、及びベースプレートの少なくとも一部分が、正方形形状を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
ベースプレートの第1の表面上に存在し、第1のLFAカートリッジ受容部分または第2のLFAカートリッジ受容部分に隣接する閾値強度線をさらに備える、請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
閾値強度線が、第1の表面上に直接配設されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
閾値強度線が、第1の表面に取り付けられた実質的に平坦な固体支持体上に配設されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
閾値強度線が、固体支持体の表面反射強度よりも少なくとも0.1~10%低い反射強度を有する、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
固体支持体が、セラミックシートを含む、請求項18または19に記載のデバイス。
【請求項21】
ラテラルフローアッセイ(LFA)カートリッジを読み取るためのシステムであって、システムが、
請求項1から20のいずれか一項に記載のデバイスと、
デジタルリーダと、
光学的に検出可能なアッセイ結果を含むアッセイ領域を含むLFAカートリッジであって、光学的に検出可能なアッセイ結果が、LFAカートリッジを、分析物を含むか、または含むことが疑われる試料と接触させることによって生成可能である、LFAカートリッジとを備える、システム。
【請求項22】
LFAカートリッジが、光学的に検出可能なマーキングを含む陽性対照領域を備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
少なくとも2つのLFAカートリッジを備える、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項24】
デジタルリーダが、カメラ、光源、及びタッチスクリーンを備えるコンピューティングデバイスを含む、請求項21から23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
デジタルリーダが、デジタルカメラである、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
デジタルリーダが、スマートフォンである、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
デジタルリーダが、命令を含むコンピュータ可読媒体を備えるか、またはそれと通信し、命令が、デジタルリーダ内に存在するプロセッサまたはデジタルリーダに接続されたプロセッサに、
デジタルリーダによって取り込まれた光学的に検出可能なアッセイ結果を含む画像を分析させ、
LFAカートリッジによってアッセイされた試料中の分析物の存在または不在を示させる、請求項21から26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
デジタルリーダが、命令を含むコンピュータ可読媒体を備えるか、またはそれと通信し、命令が、プロセッサに閾値強度線を検出させる、請求項21から27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
コンピュータ可読媒体が、プロセッサに、閾値強度線が検出されないときにエラーのインディケーションを提供するアルゴリズムを実行させる命令を含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
コンピュータ可読媒体が、プロセッサに、光学的に検出可能なアッセイ結果から検出された信号を、閾値強度線からの信号と比較させて、光学的に検出可能なアッセイ結果の有効性を判定させる命令を含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
LFAカートリッジのアッセイ領域が、分析物に特異的に結合する結合剤を備える、請求項21から30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
結合剤が、抗体である、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
分析物が、病原体、または病原体に対する抗体である、請求項21から32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
病原体が、ウイルス病原体、細菌病原体、真菌病原体、または寄生性病原体である、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
ウイルス病原体が、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)である、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
LFAカートリッジのアッセイ領域が、
組換えSARS-CoV-2抗原と、
抗ヒトIgG抗体と、
抗ヒトIgM抗体とを備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記抗ヒトIgG抗体が、モノクローナル抗体である、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記抗ヒトIgM抗体が、モノクローナル抗体である、請求項36または37に記載のシステム。
【請求項39】
前記組換えSARS-CoV-2抗原が、標識を含む、請求項36から38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記組換えSARS-CoV-2抗原が、金コロイド標識またはラテックスビーズ標識を含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
LFAカートリッジのアッセイ領域が、
第1の抗SARS-CoV-2抗体と、
第2の抗SARS-CoV-2抗体とを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1の抗SARS-CoV-2抗体が、固定化されている、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記第2の抗SARS-CoV-2抗体が、標識を含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記第1の抗SARS-CoV-2抗体及び前記第2の抗SARS-CoV-2抗体が、SARS-CoV-2の異なるエピトープを認識する、請求項41に記載のシステム。
【請求項45】
試料パッドが、前記第2の抗SARS-CoV-2抗体を含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項46】
検査線が、前記第1の抗SARS-CoV-2抗体を含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項47】
請求項21から46のいずれか一項に記載のシステムを用いて分析物を検出する方法であって、方法が、LFAカートリッジを、分析物を含むか、または含むことが疑われる試料と接触させることを含み、アッセイ領域が、分析物の存在または不在を示す光学的に検出可能なアッセイ結果を生成する、方法。
【請求項48】
分析物が、病原体、または病原体に対する抗体である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
病原体が、ウイルス病原体、細菌病原体、真菌病原体、または寄生性病原体である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
ウイルス病原体が、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)である、請求項49に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月15日出願の米国特許仮出願第62/936,279号の利益を主張し、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
序論
生体試料のサンプリング及び検査は、任意の数の生化学的または生理学的条件についてヒト、動物、及び植物を評価するために、ならびに生物の一般的な健康状態を判定するために一般的に使用される。例えば、ヒトの体液のサンプリング及び検査は、多くの場合、ポイントオブケア検査(「POCT」)のために実施される。POCTは、患者ケアの現場またはその近くにおける医療検査として定義される。POCTの背後にある精力的な観念は、検査を簡便に即座に患者に届けることである。これは、患者、医師、及びケアチームがより迅速に結果を受容する可能性を高め、このことは、即座に臨床管理の意思決定を行うことを可能にする。POCTの例としては、限定されるものではないが、血糖検査、ホルモン検査、心肺、消化器、泌尿器、皮膚、神経、小児科、外科、公衆衛生、バイオテロ、食品安全、獣医学及び植物病理学検査、代謝検査(例えば、甲状腺刺激ホルモン)、血液ガス及び電解質分析、急速凝固検査、急速心臓マーカ診断、薬物乱用スクリーニング、尿検査、妊娠検査、便潜血分析、食品病原菌スクリーニング、全血球計算(「CBC」)、ヘモグロビン診断、感染症検査、コレステロールスクリーニング癌検査(例えば、PSA)、ホルモン検査(hCG、LH、FSH)、心臓(トロポニン)、肺、胃腸(例えば、H.ピロリ抗体)、泌尿器科、皮膚科、神経科、小児科、外科、及び公衆衛生(エボラ、コレラ、HIV)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0003】
POCT及びより従来の検査によく用いられる1つの検査方法は、ラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイカセットの使用を伴う。ラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイカセットは、個体のいくつかの生化学的及び生理学的条件ならびに疾患状態に関連する様々な定性的結果を容易で迅速に得るために使用され得る。これらの種類の検査は、エンドユーザがカセットに試料を単純に添加し、次いで、数分後に結果を観察することを必要とする。そのような迅速で使い易い検査は、ユーザフレンドリであるため、プロ向け市場及び消費者市場の両方で非常に人気がある。そのような検査は、訓練された医療専門家へのアクセスが制限されているか、または適切な医療施設へのアクセスが制限されている地域(例えば、貧困地域、開発途上国、戦争地域など)でも非常に人気がある。
【0004】
ラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイ方法及びカートリッジは、広範囲に説明されている。例えば、Gordon及びPughの米国特許第4,956,302号;H.BuckらのWO90/06511;T.Wangの米国特許第6,764,825号;W.Brownらの米国特許第5,008,080号;Kuo及びMerittの米国特許第6,183,972号、EP00987551A3を参照されたい。そのようなアッセイは、リガンド及び受容体からなる特異的結合対のメンバーである分析物質の検出及び判定を伴う。リガンド及び受容体は、受容体がリガンドに特異的に結合し、特異的なリガンド(複数可)を同様の特徴を有する他の試料成分と区別することができるという点で関連している。抗体と抗原との間の反応を伴う免疫学的アッセイは、特異的結合アッセイのそのような一例である。他の例としては、ホルモン及び他の生物学的受容体を伴う、DNA及びRNAのハイブリダイゼーション反応及び結合反応が挙げられる。この技術の周知の商業的実施形態のうちの1つは、Clearblue One-Step Pregnancy Testである。「カートリッジ」及び「カセット」という用語は、本明細書で互いに交換可能に使用される。
【0005】
ラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイ検査カセットは、それらの使用の容易さ及び様々な分析物への広範な適用性を含む、いくつかの所望の特徴を有する。同様に、テストストリップ上で実施することができ、現場または医療検査研究所が容易に利用することができない他の場所で管理され得る、イムノアッセイ手順は、疾患の診断及び制御に大きな利益を提供している。しかしながら、現在、そのようなラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイ検査は、一般に、定性的結果を提供することしかできない。すなわち、現在利用可能なラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイ検査カセット及びカセットリーダ装置は、1つ以上の検査物質が所与の検出限界を上回って試料中に存在するか否かを実践者に伝えるのに特に好適であるが、それらは、定量的な結果を提供するのには不適切である。定量的な結果を提供するように設計されるシステムと共に、ラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイ検査の使い易さの特徴を組み合わせるデバイス及び方法に対する必要性が、当該技術で継続的に存在する。そのようなデバイス及び方法は、例えば、医師が、医療施設または検査室に縛られることなく、ポイントオブケア(例えば、椅子の傍、または本質的に世界のどこか)で様々な条件を診断することを可能にし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,956,302号明細書
【特許文献2】国際公開第90/006511号
【特許文献3】米国特許第6,764,825号明細書
【特許文献4】米国特許第5,008,080号明細書
【特許文献5】米国特許第6,183,972号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第00987551号
【発明の概要】
【0007】
デジタルリーダ及びラテラルフローアッセイ(LFA)カートリッジを受容するためのデバイス、ならびにそれを組み込むシステムが提供される。デバイスの態様は、デジタルリーダを受容するように構成されたフレームを有する本体と、フレームによって画定された平面空間に対して固定された配向で1つ以上のLFAカートリッジを位置決めするための1つ以上のLFAカートリッジ受容位置を有するベースプレートとを含む。デバイスを使用して、試料中の分析物の存在または不在を示す結果を読み取るための方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】デジタルリーダを受容するための本体と、ラテラルフローアッセイカートリッジを受容するためのベースとを有するデバイスの一実施形態を図示する。
【
図2A】ラテラルフローアッセイカートリッジの一実施形態の俯瞰図を図示する。
【
図2B】デジタルリーダに対して位置決めされたラテラルフローアッセイカートリッジの一実施形態の側面図を図示する。
【
図3】主題のデバイスの一実施形態の斜視図を図示する。
【
図4】主題のデバイスの一実施形態の第1の端の図を図示する。
【
図5】主題のデバイスの一実施形態の俯瞰図を図示する。
【
図6】主題のデバイスの一実施形態の側面図を図示する。
【
図7】主題のデバイスの一実施形態の底面図を図示する。
【
図8】主題のデバイスの一実施形態の第2の端の図を図示する。
【
図9A】デジタルリーダの表面に対する配向に位置決めされたラテラルフローアッセイカートリッジの一実施形態を図示する。
【
図9B】デジタルリーダの表面に対する配向に位置決めされたラテラルフローアッセイカートリッジの一実施形態を図示する。
【
図9C】デジタルリーダの表面に対する配向に位置決めされたラテラルフローアッセイカートリッジの一実施形態を図示する。
【
図10A】ラテラルフローアッセイカートリッジを収容するベースプレートの一実施形態の俯瞰図を図示する。
【
図10B】ベースプレートの受容部分の一実施形態を図示する。
【
図11】主題のデバイスの本体のフレームとベースプレートの受容部分の支持表面との間に形成された垂直角度を図示する。
【
図12】デバイスの本体のフレームとベースプレートの受容部分の支持表面との間に形成された水平角度を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
デジタルリーダ及びラテラルフローアッセイ(LFA)カートリッジを受容するためのデバイス、ならびにそれを組み込むシステムが提供される。デバイスの態様は、デジタルリーダを受容するように構成されたフレームを有する本体と、フレームによって画定された平面空間に対して固定された配向で1つ以上のLFAカートリッジを保持するための1つ以上のLFAカートリッジ受容位置を有するベースプレートとを含む。デバイスを使用して、試料中の分析物の存在または不在を示す結果を読み取るための方法も提供される。
【0010】
本発明の例示的な実施形態を説明される前に、本発明は、説明された特定の実施形態に限定されず、したがって、変化し得ることを理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0011】
値の範囲が提供される場合、文脈上別段の指示のない限り、その範囲の上限と下限との間の各介在値も、下限の単位の10分の1まで具体的に開示されていることを理解されたい。規定範囲における任意の規定値または介在値と、その規定範囲における任意の他の規定値または介在値との間のより小さい各範囲が、本発明に包含される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して範囲に含まれていても、除外されていてもよく、いずれか、どちらでもない、または両方の限定がより小さい範囲に含まれている各範囲も、記載されている範囲の中で任意の具体的に除外されている限定に従うことを条件として、本発明に包含される。記載された範囲が制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる制限のいずれかまたは両方を除く範囲も本発明に含まれる。
【0012】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術の当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に説明される方法及び材料と類似または同等の任意の方法及び材料は、本発明の実施または検査に使用することができるが、ここでは、いくつかの潜在的で例示的な方法及び材料が説明され得る。本明細書で言及される任意の及び全ての刊行物は、刊行物が引用される方法及び/または材料を開示及び説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾がある場合、本開示が、組み込まれた刊行物の任意の開示に優先することを理解されたい。
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「LFAカートリッジ」への言及は、複数のLFAカートリッジなどを含む。
【0014】
特許請求の範囲は、任意選択であり得る要素を除外するように起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、本明細書は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連して、「専ら」、「のみ」などの排他的用語を使用すること、または「否定的な」制限を使用することの先行的な根拠として機能することが意図される。
【0015】
本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日前に専らそれらの開示のために提供されている。本明細書のいかなる内容も、本発明が先行発明のために、そのような刊行物に先行する権利がないことの承認として解釈されるべきではない。さらに、提供された公開日は、独立して確認される必要がある可能性がある実際の公開日とは異なる場合がある。そのような刊行物は、本開示の明示的または暗黙的な定義と矛盾する用語の定義を提示し得る限り、本開示の定義が支配する。
【0016】
本開示を読むと当業者には明らかになるように、本明細書に説明及び例示される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、またはそれらと組み合わせられ得る個別の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙されたイベントの順序、または論理的に可能な任意の他の順序で実行することができる。
【0017】
定義
本技術の理解を容易にするために、いくつかの用語及び語句を以下に定義する。追加の定義は、詳細な説明全体を通して記載される。
【0018】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、文脈で別段に明示しない限り、以下の用語は、本明細書で明示的に関連付けられた意味をとる。本明細書で使用される場合、「一実施形態では」という語句は、必ずしも、同一の実施形態を参照するわけではないが、そうであってもよい。さらに、本明細書で使用される場合、「別の実施形態では」という用語は、必ずしも異なる実施形態を指すものではないが、そうであってもよい。したがって、以下に説明されるように、本発明の様々な実施形態は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、容易に組み合わせられ得る。
【0019】
加えて、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、包含的な「or」演算子であり、文脈において明確に別段の指示がない限り、「及び/または」という用語に相当する。「に基づく」という用語は、排他的ではなく、文脈が明確に他のことを指示しない限り、説明されていない追加の要因に基づくことを可能にする。「中に(in)」の意味には、「中に(in)」及び「上に(on)」が含まれる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「約」、「およそ」、「実質的に」、及び「著しく」という用語は、当業者によって理解され、それらが使用される文脈によってある程度変化することになる。これらの用語が、それらが使用される文脈を考慮すると当業者には明らかでない使用が存在する場合、「約」及び「およそ」は、特定の用語のプラスまたはマイナス10%以下を意味し、「実質的に」及び「著しく」は、特定の用語のプラスまたはマイナス10%より大きいを意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合、範囲の開示は、範囲について与えられたエンドポイント及びサブ範囲を含む、範囲全体内の全ての値及びさらに分割された範囲の開示を含む。
【0022】
本明細書で使用される場合、接尾辞「-フリー」は、「-フリー」が付加される単語の語基語根の特徴を省略する技術の一実施形態を指す。すなわち、本明細書で使用される「Xフリー」という用語は、「Xなし」を意味し、ここで、Xは、「Xフリー」技術において省略される技術の特徴である。例えば、「カルシウムフリー」組成物は、カルシウムを含まず、「混合フリー」方法は、混合ステップを含まないなどである。
【0023】
「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、様々なステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層、及び/またはセクションを説明するために本明細書で使用され得るが、これらのステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層、及び/またはセクションは、別途示されない限り、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つのステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層、及び/またはセクションを別のステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層、及び/またはセクションから区別するために使用される。本明細書で使用する場合、「第1の」、「第2の」、及び他の数値用語などの用語は、文脈によって明確に示されない限り、配列または順序を暗示しない。したがって、本明細書で論じられる第1のステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層、またはセクションは、技術から逸脱することなく、第2のステップ、要素、組成物、構成要素、領域、層、またはセクションと称され得る。
【0024】
本明細書で使用する場合、「存在」または「不在」(または、代替的に、「存在する」または「不在である」)という単語は、特定の実体(例えば、分析物)の量またはレベルを説明するために相対的な意味で使用される。例えば、分析物が検査試料中に「存在する」と言われる場合、それは、この分析物のレベルまたは量が所定の閾値を超えていることを意味し;逆に、分析物が検査試料中に「不在である」と言われる場合、それは、この分析物のレベルまたは量が所定の閾値を下回っていることを意味する。所定の閾値は、分析物または任意の他の閾値を検出するために使用される特定の検査と関連付けられた検出可能性のための閾値であり得る。分析物が試料中で「検出された」とき、分析物は試料中に「存在」し、分析物が「検出されなかった」とき、分析物は試料中に「不在である」。さらに、分析物が「検出される」、または分析物が「存在する」試料は、分析物に対して「陽性」である試料である。分析物が「検出されない」、または分析物が「不在である」試料は、分析物に対して「陰性」である試料である。
【0025】
本明細書で使用される場合、「増加」または「減少」は、それぞれ、変数の以前に測定された値に対して、事前に確立された値に対して、及び/または標準対照(control)の値に対して、検出可能な(例えば、測定された)正または負の変化を指す。増加は、変数の以前に測定された値、事前に確立された値、及び/または標準対照の値と比較して、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは50%、さらにより好ましくは2倍、さらにより好ましくは少なくとも5倍、最も好ましくは少なくとも10倍の正の変化である。同様に、減少は、変数の以前に測定された値、事前に確立された値、及び/または標準対照の値の、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは50%、さらにより好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の負の変化である。「より多い」または「より少ない」などの定量的変化または差異を示す他の用語は、本明細書では、上記と同じ形式で使用される。
【0026】
本明細書で使用される場合、「システム」は、共通の目的のために一緒に動作する複数の実在する及び/または抽象的な構成要素を指す。いくつかの実施形態では、「システム」は、ハードウェア及び/またはソフトウェア構成要素の統合された集合である。いくつかの実施形態では、システムの各構成要素は、1つ以上の他の構成要素と相互作用する、及び/または1つ以上の他の構成要素に関連する。いくつかの実施形態では、システムは、方法を制御及び指示するための構成要素及びソフトウェアの組み合わせを指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「分析物」という用語は、検出及び/または測定される化合物または組成物を指す。分析物は、例えば、結合剤(例えば、リガンド、受容体、酵素、抗体、抗原、アプタマー、または抗体模倣物)への特異的結合によって測定され得る。いくつかの実施形態では、分析物は、タンパク質または核酸である。いくつかの実施形態では、分析物は、抗原、抗体、及び/または受容体である。いくつかの実施形態では、分析物は、抗原、抗体、及び/または受容体の断片である。いくつかの実施形態では、分析物は、分析物類似体または分析物誘導体(例えば、化学的または生物学的方法によって変化した分析物)である。いくつかの実施形態では、分析物は、エピトープである。
【0028】
いくつかの実施形態では、「分析物」という用語は、ウイルス、細菌、真菌、または寄生性病原体などの病原体由来のタンパク質及び/または核酸を指す。いくつかの実施形態では、「分析物」という用語は、そのような病原体に対する抗体を指す。
【0029】
いくつかの実施形態では、「分析物」という用語は、SARS-CoV-2ウイルス由来のタンパク質及び/または核酸を指す。いくつかの実施形態では、分析物は、SARS-CoV-2ウイルス由来のタンパク質及び/または核酸の断片及び/またはエピトープである。
【0030】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、免疫グロブリン、免疫グロブリン誘導体、及び/または免疫グロブリン断片を指す。抗体は、別の分子の特定の空間的及び/または極性組織に特異的に結合する、その表面上または空洞内のエリアを含む。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであってもよく、例えば、宿主の免疫化、及び血清またはハイブリッド細胞系技術の収集などの当技術で周知である技術によって調製され得る。したがって、「抗体」という用語は、免疫グロブリン、特異的結合能力を維持するその誘導体、ならびに免疫グロブリン結合ドメインと相同であるか、または実質的及び/または効果的に相同である結合ドメインを有するタンパク質を指す。これらのタンパク質は、天然源に由来し得るか、または部分的もしくは完全に合成的に産生され得る。抗体は、ヒトクラス:IgG、IgM、IgA、IgD、及びIgEのうちのいずれかを含む任意の免疫グロブリンクラスのメンバーであってもよい。基本抗体構造単位は、四量体を含むことが知られている。各四量体は、2つの同一のポリペプチド鎖対で構成され、各対は、1つの「軽」(約25kDa)鎖及び1つの「重」鎖(約50~70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主に抗原認識を担う約100~110個以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主に担う定常領域を画定する。軽鎖は、カッパまたはラムダのいずれかに分類される。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンとして分類され、抗体アイソタイプは、それぞれ、IgG、IgM、IgA、IgD、またはIgEとして定義される。軽鎖及び重鎖内で、可変領域及び定常領域は、約12個以上のアミノ酸の「J」領域によって連結され、重鎖はまた、約10個以上のアミノ酸の「D」領域も含む。(概して、Fundamental Immunologyを参照されたい(例えば、Paul,Fundamental Immunology,3rd Ed.,1993,Raven Press,New Yorkを参照されたい)。各軽鎖/重鎖対の可変領域は、抗体結合部位を形成する。全ての鎖は、相補的に判定する領域またはCDRとも呼ばれる3つの超可変領域によって結合される比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の同じ一般的な構造を呈する。各対の2つの鎖からのCDRは、フレームワーク領域によって整列され、特定のエピトープへの結合を可能にする。CDR及びFR残基は、Kabat et al.(5th ed.,1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health publication 91-3242、参照によって本明細書に組み込まれる)の標準配列定義に従って記載される。代替の構造的定義は、Chothia et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901-917、(1989)Nature 342:878-883;及び(1989)J.Mol.Biol.186:651-663によって提案されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「抗体断片」という用語は、完全長抗体アミノ酸配列未満であるアミノ酸配列を含む抗体の任意の誘導体を指す。例示的な実施形態では、抗体断片は、全長抗体の特異的結合能の少なくとも相当部分を保持する。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、Fv、dsFv二重特異性抗体(diabody)、及びFd断片を含むが、これらに限定されない。抗体断片は、任意の手段によって産生され得る。例えば、抗体断片は、インタクト抗体の断片化によって酵素的または化学的に産生され得、部分的抗体配列をエンコードする遺伝子から組換え的に産生され得るか、または完全にもしくは部分的に合成的に産生され得る。例えば、いくつかの実施形態では、Fab断片という用語は、インタクト抗体のパパイン切断から生じる結合断片を指し得、Fab’及びF(ab’)2という用語は、ペプシン切断によって生成されるインタクト抗体の結合断片を指し得る。本明細書で使用される場合、「Fab」という用語は、抗原特異的結合に十分な少なくとも実質的に完全な軽鎖及び重鎖可変ドメイン、ならびに軽鎖及び重鎖の会合を維持するのに十分な軽鎖及び重鎖定常領域の一部を有するインタクト抗体の二重鎖結合断片を一般的に指すために使用される。通常、Fab断片は、全長または実質的に全長の軽鎖を、可変ドメイン及び少なくとも定常領域のCH1ドメインを含む重鎖と複合体化することによって形成される。抗体断片は、任意選択で一本鎖抗体断片であってもよい。あるいは、断片は、例えば、ジスルフィド結合によって一緒に連結された多数の鎖を含んでもよい。断片はまた、任意選択で、多分子複合体であってもよい。機能的抗体断片は、典型的には、少なくとも約50個のアミノ酸を含むことになり、より典型的には、少なくとも約200個のアミノ酸を含むことになる。
【0032】
本明細書で使用される場合、「に特異的に結合する」または「に特異的に免疫反応する」という用語は、例えば、抗体、抗体断片、抗原、または他の結合部分を指すとき、タンパク質及び/または他の生物学の不均一な集団の存在下における標的分析物の存在を判定する結合反応を指す。したがって、指定されたアッセイ条件下では、特定の結合部分は、特定の標的分析物に優先的に結合し、検査試料中に存在する他の成分には有意な量で結合しない。そのような条件下における標的抗原への特異的結合は、特定の標的分析物に対するその特異性について選択される結合部分を必要とし得る。様々なイムノアッセイフォーマットが、特定のタンパク質と特異的に免疫反応する抗体を選択するために使用され得る。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、抗原と特異的に免疫反応するモノクローナル抗体を選択するために日常的に使用される。特異的免疫反応性を判定するために使用され得るイムノアッセイフォーマット及び条件の説明については、Harlow and Lane(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Publications,New Yorkを参照されたい。典型的には、特異的または選択的反応は、バックグラウンド信号またはノイズの少なくとも2倍であり、より典型的には、バックグラウンドの10~100倍超である。抗体または他の結合剤と抗原との間の特異的結合は、一般に、少なくとも106M-1の結合親和性を意味する。好ましい結合剤は、少なくとも約107M-1、及び好ましくは108M-1~109M-1または1010M-1の親和性で結合する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「エピトープ」という用語は、抗体に特異的に結合することができる抗原判定因子を指す。エピトープは、通常、例えば、アミノ酸または糖の側鎖として、分子部分の化学的に活性な表面基を含み、通常、特異的な三次元構造特徴及び/または特異的な電荷特徴を有する。立体配座エピトープ及び非立体配座エピトープは、後者ではなく前者への結合が変性溶媒の存在下で失われるという点で区別される。エピトープは、非連続アミノ酸、及び連続アミノ酸を含み得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、分析物を含むか、または分析物を含むことが疑われる任意の試料を指す。したがって、「試料」という用語は、分析物、例えば、病原体、またはその一部もしくは構成要素の存在または量について検査される材料を指す。好ましくは、試料は、流体試料、好ましくは、液体試料である。例えば、試料は、血液、血清、血漿、眼液、尿、粘液、精液、鼻咽頭拭き取り液、喉拭き取り液、涙、汗、または唾液などの体液であってもよい。粘性液体、半固体、または固体試料が、試料となり得る液体溶液、溶出液、懸濁液、または抽出物を作製するために使用され得る。例えば、喉または生殖器綿棒は、試料を作製するために液体溶液中に懸濁され得る。
【0035】
本明細書で使用される場合、「テストストリップ」という用語は、1つ以上の吸水性または非吸水性材料を含み得る。テストストリップが2つ以上の材料を含む場合、1つ以上の材料は、好ましくは、流体連通している。テストストリップの1つの材料は、例えば、ニトロセルロース上に濾紙を重ねるなど、テストストリップの別の材料上に重ねられ得る。代替的または追加的に、テストストリップは、1つ以上の異なる材料を含む領域が続く1つ以上の材料を含む領域を含み得る。この場合、領域は,流体連通しており、互いに部分的に重複してもよく、または重複しなくてもよい。テストストリップに好適な材料としては、限定されるものではないが、セルロースに由来する材料、例えば、濾紙、クロマトグラフィー紙、ニトロセルロース、及び酢酸セルロース、ならびにガラス繊維、ナイロン、ダクロン、PVC、ポリアクリルアミド、架橋デキストラン、アガロース、ポリアクリレート、セラミック材料などから作製される材料が挙げられる。テストストリップの材料(複数可)は、任意選択で、処理されて、それらの毛細管流動特性または適用された試料の特性を修飾し得る。例えば、テストストリップの試料適用領域は、緩衝液で処理されて、適用された試料のpH、塩濃度、または比重を補正して、検査条件を最適化し得る。
【0036】
材料(複数可)は、ストリップに切断されたシートなどの単一構造であってもよく、または、例えば、薄層クロマトグラフィーで見出されるような支持体または固体表面に結合されたいくつかのストリップまたは粒子状材料であってもよく、不可欠な部分として、または液体接触のいずれかで吸収パッドを有し得る。材料はまた、上にレーンを有するシートであり得、レーン形成を誘発するためにスポットすることが可能であり、別個のアッセイが、各レーン内で行われ得る。材料は、毛管水移動による検査溶液の横断の少なくとも1つの方向が存在することを条件に、長方形、円形、楕円形、三角形、または他の形状を有することができる。検査溶液と中央に接触した楕円形または円形片などの他の横断方向が生じてもよい。しかしながら、所定の場所への少なくとも1つの流れの方向が存在することが主な考慮事項である。
【0037】
支持体が所望されるか、または必要とされるテストストリップの支持体は、通常、水不溶性であり、しばしば非多孔質、剛性であるが、弾性であってもよく、通常、疎水性であり、多孔質であり、通常、ストリップと同じ長さ及び幅になるが、より大きくてもより小さくてもよい。支持材料は、透明であってもよく、本技術の検査デバイスが組み立てられたときに、透明な支持材料が、検査デバイスの前面のアパーチャなどによって、外部環境に曝露され得るテストストリップ上に保護層を形成するように、ユーザによって視認され得るテストストリップの側面上にあってもよい。天然及び合成の両方の多種の非可動及び非可動材料、ならびにそれらの組み合わせが採用され得るが、ただし、支持体が材料(複数可)の毛細管作用と干渉しないか、またはアッセイ構成要素に非特異的に結合しないか、または信号生成システムと干渉しないことのみが条件である。例示的なポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリ(酪酸ビニル)、ガラス、セラミックス、金属などが挙げられる。弾性支持体は、ポリウレタン、ネオプレン、ラテックス、シリコーンゴムなどから作製され得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、「対照ゾーン」または「対照線」という用語は、アッセイが正しく行われたことを示すために、標識が場所をずらす、出現する、色を変化させる、または消失することが観察され得るテストストリップの領域である。対照ゾーン(例えば、対照線)の検出または観察は、標識の特定の選択に応じて、特に、限定されないが、例えば、視覚的に、蛍光的に、反射率によって、放射線写真的になど、任意の便利な手段によって行われ得る。説明されるように、標識は、使用される対照の設計に応じて、対照ゾーンに直接適用されてもよく、または適用されなくてもよい。
【0039】
本明細書で使用される場合、「標識」という用語は、検出可能な信号を生成することができる特定の結合メンバーに結合した任意の分子を指す。本発明では、標識は、不活性であってもよく、検出ゾーンに濃縮することによって信号を提供してもよく、信号生成システムのメンバーの結合部位としてのみ機能してもよく、または自発的に検出可能な信号を生成してもよく、または信号生成システムと併せて検出可能な信号を生成してもよい。標識は、同位体であってもよく、または非同位体であってもよい。いくつかの実施形態では、標識は、金コロイド、ラテックスビーズ、色素、蛍光部分、または他の検出可能な実体を含む。
【0040】
「近位端」は、検査デバイスの試料適用アパーチャ及び/またはテストストリップの試料適用ゾーンを含む検査デバイスまたはテストストリップの端を指す。
【0041】
本明細書で使用される場合、「試薬ゾーン」という用語は、試薬が提供されるテストストリップの領域を指す。試薬ゾーンは、試薬パッド、テストストリップ上に含まれる吸水性もしくは非吸水性材料の別個のセグメント上にあり得るか、または分析物検出ゾーンなどの他のゾーンも含むテストストリップの吸水性もしくは非吸収性材料の領域であり得る。試薬ゾーンは、検出可能な標識を担うことができ、これは、直接または間接標識であり得る。好ましくは、試薬は、乾燥状態では移動不能であり、湿潤状態では移動可能である形態で提供される。試薬は、テストストリップアッセイの機能に寄与する、特異的結合メンバー、分析物または分析物類似体、酵素、基質、インディケータ、信号生成システムの構成要素、緩衝剤、還元剤、キレート剤、界面活性剤などの化学物質または化合物であり得る。
【0042】
本明細書で使用される場合、「試料適用アパーチャ」という用語は、検査デバイスの開口部がテストストリップの試料適用ゾーンへのアクセスを提供する検査デバイスの部分を指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「試料適用ゾーン」という用語は、試料が適用されるテストストリップの部分である。いくつかの実施形態では、「試料パッド」は、試料適用ゾーンを含む。
【0044】
本明細書で使用される場合、「特異的結合メンバー」という用語は、特異的に結合する表面上または空洞内のエリアを有する2つの異なる分子のうちの1つを指し、それによって、他方の第2の分子の特定の空間的及び極性組織と相補的であると定義される。特異的結合対のメンバーは、リガンド及び受容体(アンチリガンド)と称される。これらは、通常、抗原-抗体などの免疫学的対のメンバーであり得るが、他の特異的結合対、例えば、ビオチン-アビジン、ホルモン-ホルモン受容体、核酸二本鎖、IgG-タンパク質A、DNA-DNA、DNA-RNAなどは、免疫学的対ではないが、定義に含まれる。アビジン-ビオチンなどの結合対の場合、試薬は、この対の1つのメンバーで標識され得、検出ゾーンは、捕捉タイプアッセイにおいて、この対の他のメンバーを含むことができる。アビジン-ビオチン対またはこのタイプの結合対を使用する他の一般的なタイプのアッセイは、当該技術分野で既知である。抗体(例えば、標識された抗体)は、そのような抗体と結合するか、または特異的に結合する抗原の検出のための試薬として使用され得る。抗原またはエピトープ(例えば、標識された抗原)は、そのような抗原もしくはエピトープと結合するか、または特異的に結合する抗体の検出のための試薬として使用され得る。
【0045】
本明細書で使用される場合、「検査結果ゾーン」という用語は、分析物の存在を示す検出可能な信号を提供するテストストリップの領域である。検査結果ゾーンは、分析物に特異的な固定化された結合試薬(「特異的結合メンバー」)及び/または分析物と反応する酵素を含み得る。検査結果ゾーンは、1つ以上の分析物検出ゾーン、例えば、「検査線」を含み得る。基質、緩衝液、塩などの分析物の検出を可能にするか、または強化し得る他の物質もまた、検査結果ゾーンに提供され得る。信号生成システムの1つ以上のメンバーは、検出ゾーンに直接または間接的に結合され得る。検査結果ゾーンは、任意選択で、検査が適切に行われていることのインディケーションを提供する1つ以上の制御ゾーン(例えば、「対照線」)を含み得る。
【0046】
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における「同一」またはパーセント「同一性」という用語は、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して、または目視検査によって測定される際に、最大の一致のために比較及び整列されたときに、同じであるか、または同じであるヌクレオチドもしくはアミノ酸残基の特定のパーセントを有する2つ以上の配列または部分配列を指す。2つの核酸の文脈における「実質的に同一」という語句は、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して、または目視検査によって測定される際に、最大の一致のために比較及び整列されたときに、少なくとも80%、好ましくは85%、最も好ましくは90~95%のヌクレオチド同一性を有する2つ以上の配列または部分配列を指す。アミノ酸配列に関して、「実質的に同一」は、以下の配列比較アルゴリズムのうちの1つを使用して、または目視検査によって測定される際に、最大の一致のために比較及び整列されたときに、少なくとも60%の同一性、好ましくは75%の同一性、より好ましくは90~95%の同一性を有する2つ以上の配列または部分配列を指す。好ましくは、実質的な同一性は、少なくとも約10個の残基の長さである核酸またはアミノ酸配列の領域にわたって存在し、より好ましくは少なくとも約20個の残基の領域にわたって存在し、最も好ましくは、配列は、少なくとも約100個の残基にわたって実質的に同一である。最も好ましい実施形態では、配列は、特定の領域(例えば、コーディング領域)の全長にわたって実質的に同一である。
【0047】
配列比較のために、典型的には、検査配列が比較される基準配列として1つの配列が作用する。配列比較アルゴリズムを使用するとき、検査及び基準配列がコンピュータに入力され、必要に応じて、部分配列座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、基準配列に対する検査配列(複数可)のパーセント配列同一性を計算する。比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)のローカルホモロジーアルゴリズムによって、Needleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)のホモロジーアライメントアルゴリズムによって、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA85:2444(1988)の類似性検索方法によってか、これらのアルゴリズムのコンピュータ実装(GAP,BESTFIT,FASTA,and TFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.)によってか、または目視検査(概して、Current Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.,eds.,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley&Sons,Inc.,(1995 Supplement)(Ausubel)を参照のこと)によって行われ得る。
【0048】
パーセント配列同一性及び配列類似性を判定するのに好適であるアルゴリズムの例は、それぞれ、Altschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-410、及びAltschuel et al.(1977)Nucleic Acids Res.25:3389-3402に説明されるBLAST及びBLAST2.0アルゴリズムである。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(www.ncbi.nlm.nih.gov)を通じて公開で入手可能である。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列内の同じ長さのワードと整列したときにいくつかの正の値の閾値スコアTに一致するか、またはそれを満たす、クエリ配列内の長さWの短いワードを識別することによって、高スコア配列対(HSP)を識別することを伴う。Tは、隣接ワード閾値と呼ばれる(Altschulら、前出)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含有するより長いHSPを見つけるための検索を開始するためのシードとして作用する。次いで、ワードヒットは、累積アライメントスコアが増加され得る限り、各配列に沿って両方向に拡張される。累積スコアは、ヌクレオチド配列について、パラメータM(一致する残基の対についてのリワードスコア;常に>0)及びN(ミスマッチする残基についてのペナルティスコア;常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列について、累積スコアを計算するためにスコアリングマトリックスが使用される。各方向のワードヒットの拡張は:累積アライメントスコアがその最大達成値から数量Xだけ低下したときか;1つ以上の負のスコアの残基アライメントの蓄積に起因して、累積スコアがゼロ以下になるときか;またはいずれかの配列の末端に到達したときに停止される。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、及びXは、アライメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、デフォルトとして、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=-4、及び両方のストランドの比較を使用する。アミノ酸配列について、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、3のワード長(W)、10の期待値(E)、及びBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff&Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:10915(1989)を参照されたい)を使用する。
【0049】
2つの核酸またはポリペプチドが実質的に同一であることのさらなるインディケーションは、以下に説明されるように、第1の核酸によってエンコードされるポリペプチドが、第2の核酸によってエンコードされるポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。したがって、ポリペプチドは、典型的には、第2のポリペプチドと実質的に同一であり、例えば、2つのペプチドは、保存的置換のみによって異なる。2つの核酸配列が実質的に同一である別のインディケーションは、以下に説明されるように、2つの分子が厳しい条件下で互いにハイブリダイズすることである。
【0050】
特定のポリヌクレオチド配列の「保存的に修飾された変異体」は、同一または本質的に同一のアミノ酸配列をエンコードするそれらのポリヌクレオチド、またはポリヌクレオチドが本質的に同一の配列に対してアミノ酸配列をエンコードしないポリヌクレオチドを指す。遺伝子コードの劣化のため、多数の機能的に同一の核酸は、任意の所与のポリペプチドをエンコードする。例えば、コドンCGU、CGC、CGA、CGG、AGA、及びAGGは、全て、アミノ酸アルギニンをエンコードする。したがって、アルギニンがコドンによって特定される全ての位置で、コドンは、エンコードされたポリペプチドを変更することなく、説明された対応するコドンのいずれかに変更され得る。そのような核酸変異体は、「保存的に修飾された変異体」の1つの種である、「サイレント置換」または「サイレント変異体」である。ポリペプチドをエンコードする本明細書に説明される全てのポリヌクレオチド配列は、別段に記載される場合を除き、全ての可能性のあるサイレント変異体も説明する。したがって、サイレント置換は、アミノ酸をエンコードする全ての核酸配列の暗黙の特徴である。当業者は、核酸中の各コドン(通常、メチオニンのための唯一のコドンであるAUG、トリプトファンのための唯一のコドンであるUGGを除く)が、標準的な技術によって機能的に同一の分子を得るように修飾され得ることを認識するであろう。いくつかの実施形態では、酵素をエンコードするヌクレオチド配列は、好ましくは、酵素を生成するために使用される特定の宿主細胞(例えば、酵母、哺乳動物、植物、真菌など)における発現のために最適化される。
【0051】
同様に、アミノ酸配列中の1つまたは数個のアミノ酸における「保存的アミノ酸置換」は、非常に類似した特性を有する異なるアミノ酸で置換され、特定のアミノ酸配列、またはアミノ酸をエンコードする特定の核酸配列に非常に類似していることも容易に識別される。任意の特定の配列のそのような保存的に置換された変異体は、本発明の特徴である。エンコードされた配列中の単一のアミノ酸またはアミノ酸の小さいパーセンテージ(典型的には5%未満、より典型的には1%未満)を変更、追加、または削除させる個々の置換、削除、または追加は、「保存的に修飾された変異」であり、変更は、化学的に類似のアミノ酸とのアミノ酸の置換を結果的にもたらす。機能的に類似のアミノ酸を提供する保存的置換テーブルは、当該技術で周知である。例えば、Creighton(1984)Proteins,W.H.Freeman and Companyを参照されたい。
【0052】
デバイス
デジタルリーダ及びラテラルフローアッセイ(LFA)カートリッジを受容するためのデバイスに関するデバイス、システム、及び方法が本明細書に説明される。ここで、デバイスの様々な態様が、以下により詳細に説明されることになる。
【0053】
デバイスの態様は、2つのモジュール:デジタルリーダを受容するように構成された本体と、LFAカートリッジを受容するように構成されたベースプレートとを含み得る。特定の実施形態では、デバイスは、LFAカートリッジのアッセイ領域及び/または制御領域をデジタルで読み取るために使用され得る。
【0054】
デバイスの本体は、デジタルリーダを受容するための任意の好適な構造を有し得る。本体は、空間を包囲する壁を含み得、壁は、上部分及び底部分を有する。壁は、任意の好適な寸法を有し得る。いくつかの場合、壁は、例えば、1インチ~6インチ、2インチ~5インチ、または3インチ~4インチなどの、0.5インチ~7インチの範囲の高さを有する。いくつかの場合、壁は、例えば、4インチ~9インチ、5インチ~8インチ、または5インチ~7インチなどの、3インチ~10インチの範囲の長さを有する空間を包囲する。いくつかの場合、壁は、例えば、2インチ~5インチ、2インチ~4インチ、または3インチ~4インチなどの、1インチ~6インチの範囲の幅を有する空間を包囲する。本体は、壁の上部分に結合されたフレームをさらに含み得、フレームが、デジタルリーダを受容するように構成されている。フレームは、例えば、スマートフォン、デジタルカメラなどを含む、様々なデジタルリーダを受容するための任意の好適な寸法を有し得る。いくつかの場合、フレームは、デジタルリーダの本体全体の周囲に、例えば、デジタルリーダの縁の周囲に延在する。いくつかの場合、フレームは、デジタルリーダの本体全体の周囲に延在するが、画面、電源ポート、及び/またはオン/オフスイッチが露出したままになる。いくつかの場合、フレームは、デジタルリーダの本体の一部分、例えば、デジタルリーダの本体の半分を受容するように寸法決めされる。デバイスの本体は、壁の底部分によって画定された嵌合構造をさらに含み得、嵌合構造が、ベースプレートに取り外し可能に結合するように構成されている。嵌合構造は、例えば、長方形形状、正方形形状、円形形状、三角形形状、五角形形状などの任意の好適な形状を有し得る。
【0055】
デバイスのベースプレートは、1つ以上のLFAカートリッジ、例えば、少なくとも2つのLFAカートリッジを受容するための任意の好適な構造を有し得る。ベースプレートは、間に空間を画定する第1の表面及び第2の表面を含み得、空間が、その中に第1のLFAカートリッジ受容部分及び/または第2のLFAカートリッジ受容部分を含む。いくつかの場合、第1のLFAカートリッジ受容部分が、解放可能な様式でLFAカートリッジを受容及び保持する、実質的に平面の第1の支持表面を備える。いくつかの場合、第2のLFAカートリッジ受容部分が、解放可能な様式でLFAカートリッジを受容及び保持する、実質的に平面の第2の支持表面を備える。いくつかの場合、第1の支持表面は、第1の固定された配向を有し、第2の支持表面は、デバイスの使用中にLFAカートリッジ上に存在する光学的に検出可能なマーキング(例えば、光学的に検出可能な線、光学的に検出可能なバンド)の検出を最適化するための第2の固定された配向を有する。いくつかの場合、第1及び第2の固定された配向は、異なる。いくつかの場合、第1及び第2の固定された配向は、同じである。特定の実施形態では、第1の表面は、例えば、本体の嵌合構造にはまる突出部などの、ベースプレートを本体に結合するための構造を含む。いくつかの場合、ベースプレートの少なくとも一部分は、本体の嵌合構造と嵌合するように形状決めされる。いくつかの場合、ベースプレートの少なくとも1つの部分は、例えば、長方形形状、正方形形状、円形形状、三角形形状、五角形形状などの任意の好適な形状を有し得る。いくつかの場合、ベースプレートは、三角形形状を有し、三角形配置で少なくとも3つの受容部分を備える。いくつかの場合、ベースプレートは、長方形または正方形形状を有し、長方形または正方形配置の少なくとも4つの受容部分を備える。いくつかの場合、ベースプレートは、五角形形状を有し、五角形配置の少なくとも5つの受容部分を備える。
【0056】
いくつかの場合、第1のLFAカートリッジ受容部分の第1の支持表面は、本体のフレームによって画定される平面空間に対して第1の固定された配向にある。いくつかの場合、第1の固定された配向は、フレームの平面表面に対して第1の固定された水平角度を含む。本明細書で使用される際、「水平角度」は、横方向に延在する平面表面と、第1の支持表面の平面との間の交点で形成される角度を指す。いくつかの場合、第1の固定された水平角度は、第1の支持表面の第1の縦縁が第2の縦縁よりも平面表面から遠ざかるように、フレームによって画定される平面表面から離れた受容部分の第1の支持表面の横縁の傾きによって生じた角度である。いくつかの場合、第1の固定された水平角度、例えば、その正または負の傾きは、カメラ位置に対する照明光源の正確な位置によって判定される。いくつかの場合、第1の固定された水平角度は、+1~+10度、+2~+8度、または+3~+6度の範囲である。いくつかの場合、第1の固定された水平角度は、-1~-10度、-2~-8度、または-3~-6度の範囲である。本明細書で使用される際、フレームによって画定される平面表面から離れた傾きは、正の角度を生成するとみなされ得、平面表面に向かう傾きは、負の角度を生成するとみなされ得る。いくつかの場合、第1の固定された配向は、フレームの平面表面に対して第1の固定された垂直角度を備える。本明細書で使用される際、「垂直角度」は、縦方向に延在する平面表面と、第1の支持表面の平面との間の交点で形成される角度を指す。いくつかの場合、第1の固定された垂直角度は、受容部分の第1の横縁が第2の横縁よりも平面表面に近づくように、フレームの平面表面に向かう受容部分の第1の支持表面の縦縁の傾きによって生じた角度である。いくつかの場合、第1の固定された垂直角度、例えば、その正または負の傾きは、カメラ位置に対する照明光源の正確な位置によって判定される。いくつかの場合、第1の固定された垂直角度は、-1~-15度、-3~-12度、または-5~-10度の範囲である。いくつかの場合、第1の固定された垂直角度は、+1~+15度、+3~+12度、または+5~+10度の範囲である。特定の実施形態では、第1の固定された水平角度及び/または第1の固定された垂直角度は、a)カメラレンズに直接反射される光が少なくなること、及び/またはb)LFAの結果エリアからの反射光の最も均質な強度分布を結果的にもたらす。
【0057】
いくつかの場合、第2のLFAカートリッジ受容部分の第2の支持表面は、本体のフレームによって画定される平面空間に対して第2の固定された配向にある。いくつかの場合、第2の固定された配向は、第1の固定された配向と同じであり、第1の固定された配向と同じ固定された水平角度及び固定された垂直角度を備え得る。特定の実施形態では、第2の固定された配向は、第2の支持表面がリーダ、例えば、スマートフォンの前に位置決めされるとき、第2の支持表面が、検出器の前に位置決めされたときに第1の支持表面と同じ配向を有するように、第1の固定された配向と同じであり得る。いくつかの場合、第2の固定された配向は、第1の固定された配向とは異なり、異なる固定された水平角度及び固定された垂直角度を備え得る。いくつかの場合、第2の固定された配向は、フレームの平面表面に対して第2の固定された水平角度を含む。いくつかの場合、第2の固定された水平角度、例えば、その正または負の傾きは、カメラ位置に対する照明光源の正確な位置によって判定される。いくつかの場合、第2の固定された水平角度は、+1~+10度、+2~+8度、または+3~+6度の範囲である。いくつかの場合、第2の固定された水平角度は、-1~-10度、-2~-8度、または-3~-6度の範囲である。いくつかの場合、第2の固定された配向は、フレームの平面表面に対して第2の固定された垂直角度を含む。いくつかの場合、第2の固定された垂直角度、例えば、その正または負の傾きは、カメラ位置に対する照明光源の正確な位置によって判定される。いくつかの場合、第2の固定された垂直角度は、-1~-15度、-3~-12度、または-5~-10度の範囲である。いくつかの場合、第2の固定された垂直角度は、+1~+15度、+3~+12度、または+5~+10度の範囲である。特定の実施形態では、第2の固定された水平角度及び/または第2の固定された垂直角度は、a)カメラレンズに直接反射される光が少なくなること、及び/またはb)LFAの結果エリアからの反射光の最も均質な強度分布を結果的にもたらす。
【0058】
特定の態様では、受容部分は、異なるサイズを有し得、例えば、第1の受容部分は、第2の受容部分に適合し得る第2のLFAカートリッジよりも大きいサイズを有する第1のLFAカートリッジを解放可能に保持し得るように、より大きくてもよい。
【0059】
いくつかの場合、本体及びベースプレートは、上記のように、本体によって画定される嵌合構造及びベースプレートの突出部によって結合される。いくつかの場合、デバイスの本体に対するベースプレートの配向は、調整可能であり得る。いくつかの場合、嵌合構造及びベースプレートの少なくとも一部分は、嵌合構造及びベースプレートが、嵌合構造及びベースプレートの一方の回転によって少なくとも2つの配向で結合され得るように、対称の線を有する形状を有する。いくつかの場合、回転は、第1の受容部分を、デバイスの本体に保持されるデジタルリーダの撮像装置の前に位置決めする。いくつかの場合、回転は、第2の受容部分を、デバイスの本体に保持されるデジタルリーダの撮像装置の前に位置決めする。
【0060】
デバイスは、任意の好適な材料から製作され得る。いくつかの場合、デバイスは、限定されるものではないが、プラスチック、金属、木材などを含む、不透明材料から製造される。特定の実施形態では、デバイスは、暗色塗料、プラスチック、紙、木材などを含む、ナノチューブ、暗色材料を含む、光吸収材料から製造される。いくつかの場合、ベースプレートの第1の表面は、デバイスの内部に面し、光吸収材料を備える。
【0061】
デバイスは、閾値強度線をさらに含み得る。閾値強度線は、内部強度標準として機能し得る。閾値強度線は、例えば、偽陰性結果をフラグ付けするために使用され得る。例えば、閾値強度線がデジタルリーダによって検出されない場合、LFAカートリッジが読み取られない可能性があるか、またはLFAカートリッジの読み取り結果が破棄され得る。いくつかの態様では、閾値強度線がデジタルリーダによって検出されない場合、デジタルリーダ上の設定が調整され得、例えば、デジタルリーダのフラッシュ機能がアクティブ化されて、デバイス内の照度を増加させ得る、及び/またはリーダのカメラの焦点平面が変化し得る。いくつかの態様では、閾値強度線がデジタルリーダによって検出されない場合、ユーザは、リーダのカメラレンズを清掃するように指示され得る。いくつかの場合、閾値強度線が、有効性スコアを計算し、アッセイ領域の有効及び無効な読み取りを区別するために使用され得る。
【0062】
いくつかの場合、閾値強度線の読み取りは、デジタルリーダ、例えば、スマートフォンカメラが適切に機能していることを判定するために使用され得るか、またはデバイスとの使用に好適なリーダを識別するために使用され得る。いくつかの場合、閾値強度線の検出は、様々な条件(例えば、周囲光強度、光学表面上の汚染の程度、デジタルリーダの自動焦点精度)下におけるアッセイ結果の有効性を判定するために使用される。いくつかの場合、デバイスは、2つ以上の閾値強度線を含む。
【0063】
いくつかの場合、デバイスのベースプレートは、第1の表面上に存在し、第1のLFAカートリッジ受容部分または第2のLFAカートリッジ受容部分に隣接して配設された閾値強度線を含む。いくつかの場合、デバイスは、ベースプレートの第1の表面上に存在し、第1のLFAカートリッジに隣接して配設された第1の閾値強度線と、ベースプレートの第1の表面上に存在し、第2のLFAカートリッジに隣接して配設された第2の閾値強度線とを含む。いくつかの場合、閾値強度線は、デジタルリーダによる画像の取り込みの間、LFAカートリッジのアッセイ領域と同じ平面に存在する。いくつかの場合、閾値強度線は、デジタルリーダによる画像の取り込みの間、アッセイ領域と同じ焦点経路内に存在する。いくつかの場合、閾値強度線は、デジタルリーダによる画像の取り込みの間、アッセイ領域とは異なる平面に存在する。
【0064】
いくつかの場合、閾値強度線は、実質的に平面の固体支持体上に存在する。固体支持体は、例えば、固体支持体を第1の表面に接着することによって、ベースプレートの第1の表面上に位置決めされ得る。いくつかの場合、固体支持体は、ベースプレート内に作成された空洞内に挿入され得、空洞は、第1の表面に開口する。固体支持体は、その従来の意味で使用され、閾値強度線が生成され得る表面を指す。固体支持体は、実質的に平面の基質として構成され得る。好適な固体支持体は、様々な形状、サイズ、形態、及び組成物を有し得、天然に存在する材料、合成修飾された天然に存在する材料、または合成材料に由来し得る。好適な固体支持体材料の非限定的な例としては、限定されるものではないが、ニトロセルロース、ガラス、シリカ、セラミックス、テフロン、金属(例えば、金、白金など)、または他の材料が挙げられる。固体支持材料の非限定的な例としては、プラスチック(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、及びそれらの混合物など)、アガロース及びデキストランなどの多糖類、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマーなどを含む、ポリマー材料が限定されるものではないが挙げられる。固体支持体は、例えば、固体支持体が、1つ以上の追加の異なるコーティング材料で表面上にコーティングされる第1のベース材料を含む、2つ以上の異なる材料の均質なまたは複合構造であってもよい。特定の実施形態では、固体支持体は、反射表面を有する材料から製作される。いくつかの場合、固体支持体は、ガラス基質である。いくつかの場合、固体支持体は、セラミックシートを含む。固体支持体は、実質的に平坦であり得る。固体支持体は、形状が実質的に円形、正方形、または長方形であってもよく、または不規則な形状を有してもよい。
【0065】
閾値強度線は、任意の好適な方法によって固体支持体上で生成され得る。閾値強度線を生成する手段の非限定的な例としては、蒸着被膜、スクラッチング(例えば、鋼またはダイヤモンド針による)、エッチング、フォトリソグラフィ、原子層堆積、レーザスクライビングまたはエッチング、レーザアブレーション、フレキソ印刷、及びインクジェット印刷が挙げられる。閾値強度線は、ラテラルフローアッセイにおける信号線と同様の幅の線であり得る。いくつかの場合、閾値強度線は、0.1mm~2mm、0.5mm~1.5mm、0.8mm~1.2mmの範囲の幅を有する。
【0066】
閾値強度線は、肉眼で視覚的に読み取り可能であることが必要とされる最小の検出強度に近い検出強度を有し得る。いくつかの場合、閾値強度線が、固体支持体の表面反射強度未満である反射強度を有する。いくつかの場合、閾値強度線は、固体支持体の表面反射強度よりも少なくとも0.01~30%、少なくとも0.03~20%、または少なくとも0.05~15%低い反射強度を有する。いくつかの場合、閾値強度線が、固体支持体の表面の表面反射強度よりも少なくとも0.1~10%低い反射強度を有する。いくつかの場合、デバイスは、1つ以上の閾値強度線を含み、閾値強度線の各々は、同じ強度を有する。いくつかの場合、デバイスは、1つ以上の閾値強度線を含み、閾値強度線の各々は、異なる強度を有する。
【0067】
いくつかの場合、閾値強度線は、画定された力及び画定された位置で適用される鋼またはダイヤモンド針を使用することによって表面に直線をスクラッチングすることによって、白色で着色されたセラミックシートで生成され、両方の領域のデジタル画像が、リーダ、例えば、スマートフォンで撮影されるときに、他の領域と比較して、この線領域で少なくとも0.1%低い強度を結果的にもたらす。
【0068】
いくつかの場合、閾値強度線は、画定された位置に焦点合わせされたレーザを適用することによって、表面でまたは内部本体で修飾されたガラス基質で生成され、両方の領域のデジタル画像が、リーダ、例えば、スマートフォンで撮影されるときに、他の領域と比較して、この線領域について少なくとも0.1%低いか、または高い強度を結果的にもたらす。
【0069】
いくつかの場合、閾値強度線は、金属蒸気によって堆積された線を得る、明るい色(例えば、白色)によって裏打ちされたガラス基質内で生成され(マスクを使用して線位置を画定する)、線強度を判定するために堆積時間を使用し、両方の領域のデジタル画像がリーダ、例えば、スマートフォンで撮影されるときに、他の領域と比較して、この線領域で少なくとも0.1%低い強度を結果的にもたらす。
【0070】
システム
本開示はまた、例えば、ラテラルフローアッセイカートリッジを読み取る際の使用を見出すシステムも提供した。システムは、上記に説明されるように、デジタルリーダ及びLFAカートリッジを受容するためのデバイスを含む。
【0071】
いくつかの場合、本開示のシステムは、1つ以上のLFAカートリッジを含む。典型的なLFAカートリッジは、テストストリップ、例えば、液体のラテラルフローを可能にする多孔質材料で積層されたプラスチックストリップまたはセラミックシートを収容する、ハウジングを含み得る。LFAカートリッジは、試料適用領域及び分析領域を含み得る。いくつかの場合、LFAカートリッジは、光学的に検出可能なアッセイ結果を備える領域を含む。いくつかの場合、1つ以上のLFAカートリッジは、少なくとも2つのLFAカートリッジ、少なくとも3つのLFAカートリッジ、少なくとも4つのLFAカートリッジ、少なくとも5つのLFAカートリッジ、または少なくとも6つのLFAカートリッジを含む。
【0072】
1つのタイプのLFAカートリッジでは、テストストリップは、4つの領域に分割され、1つの種類の材料のみまたは数種類の材料(例えば、最大4つの異なる種類の材料)で作製され得る。第1の領域は、試料添加のためのものである。それは、試料中の粘性及び粒子状物質を除去し、また、以下のドメイン内の反応のために試料溶液を調整するように機能する。第2のドメインは、色共役を有する移動相である。色共役は、可視色マーカ(例えば、着色ビーズ、コロイド状金、蛍光色素など)と検出抗体との間の共役から作製され得る。検出抗体は、試料中の特定の抗原(例えば、関心対象の分析物または陽性対照物質)に結合し、抗原色共役複合体を形成し得る。LFAカートリッジの第3の領域は、固定化された捕捉抗体を有する固相である。捕捉抗体は、抗原-色共役複合体の抗原を結合し、捕捉抗体-抗原-色共役複合体サンドイッチを形成し得る。第4の領域は、溶液吸収のためのものである。それは、試料溶液をそれに向かって連続的に引き込む。
【0073】
検査中、第1の領域に添加された試料は、第2の領域に流れる。抗原が試料中に存在する場合、それは、色共役に結合して抗原-色共役複合体を形成することになる。次いで、この複合体は、第3の領域に移行して捕捉抗体を結合し、捕捉抗体-抗原-色共役複合体サンドイッチを形成する。捕捉抗体は、第3の領域内に固定されているため、サンドイッチは、色素のタイプに応じて、捕捉抗体の部位に可視色信号または蛍光信号として示す。試料中に抗原が存在しない場合、サンドイッチを形成することができず、したがって、第3のドメインにおいて可視色信号を見ることができない。これは、信号の量が試料中の関心対象の分析物の濃度に直接比例する、いわゆる非競合イムノアッセイまたはサンドイッチアッセイである。
【0074】
いくつかの場合、関心対象の分析物(複数可)及び陽性対照は、様々なレポータを用いて、それぞれ、様々な標的線上で検出され得る。様々な標的線の各々のレポータは、同じであってもよく、または異なってもよい。好適なレポータの例としては、限定されるものではないが、可視及び蛍光色素、ラテックスビーズ、酵素、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、量子ドットなどが挙げられる。
【0075】
ラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイカセットは、競合イムノアッセイに適合させることもできる。競合イムノアッセイでは、未知の試料中の関心対象の分析物は、標識された分析物との抗体への結合に対して競合する。競合アッセイでは、標識された分析物は、既知の信号を提供することができる。アッセイでは、抗体に結合した標識された分析物の量が測定され、既知の信号の任意の低減は、試料中の分析物の存在に起因する。すなわち、この方法では、応答は、未知の分析物の濃度に反比例する。これは、応答が大きいほど、標識された抗原と競合するために利用可能であった未知の抗原が少なくなるためである。
【0076】
ラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイカセットは、いくつかの異なる分析物タイプをアッセイするために適合され得る。例えば、イムノアッセイカセットは、血糖検査、代謝検査(例えば、甲状腺刺激ホルモン)、血液ガス及び電解質分析、急速凝固検査、急速心臓マーカ診断、薬物乱用スクリーニング、尿検査、妊娠検査、糞便潜血分析、食品病原体スクリーニング、全血球計算(「CBC」)、ヘモグロビン診断、感染症検査、コレステロールスクリーニング、ホルモン検査、心肺、消化器科、泌尿器科、皮膚科、神経科、小児科、小児科、外科、公衆衛生、ならびに獣医及び植物病理検査、それらの組み合わせなどに適合されているか、または将来的に適合され得る。
【0077】
いくつかの場合、試料がラテラルフロークロマトグラフィーアッセイカートリッジの拡散ストリップに適用されるとき、試料中の液体は、関心対象の分析物をフロー方向に拡散ストリップを通じて分析ゾーンまで担持し、それは、捕捉リガンド線によって捕捉され得る。いくつかの場合、LFAカートリッジは、関心対象の第1の分析物を捕捉するための第1の捕捉リガンド線を含む。いくつかの場合、LFAカートリッジは、関心対象の第2の分析物を捕捉するための第2の捕捉リガンド線を含む。いくつかの場合、LFAカートリッジは、ある量の関心対象の分析物、またはラテラルフロークロマトグラフィーアッセイカートリッジの拡散ストリップに事前に結合した別の材料を有する、第1及び第2の捕捉リガンド線を含む。レポータは、各線に存在する結合リガンドの量に比例する量で捕捉リガンド線に結合することができる拡散性材料であり得る。光源による照明に応答して、線の各々に結合されたレポータは、較正曲線を計算し、次に、試料中の関心対象の分析物の濃度を判定するために使用され得る信号を提供する。
【0078】
いくつかの場合、システムの1つ以上のLFAカートリッジは、光学的に検出可能なアッセイ結果を生成するためのアッセイ領域を含む。いくつかの場合、システムの1つ以上のLFAカートリッジは、光学的に検出可能なマーキングを生成するためのアッセイ領域に加えて、陽性対照領域を含む。いくつかの場合、アッセイ領域は、アッセイが正しく行われたことを判定するための陽性対照線を含む。
【0079】
いくつかの場合、システムは、デジタルリーダを含む。対象デバイスと共に使用するのに好適なデジタルリーダとしては、限定されるものではないが、スマートフォン、デジタルカメラなどが挙げられる。いくつかの場合、デジタルリーダは、自動カメラ、光源、及びタッチスクリーンを備えるコンピューティングデバイスを含む。特定の実施形態では、デジタルリーダは、カメラ電話(例えば、AppleブランドのiPhone)である。特定の実施形態では、デジタルリーダは、本質的に任意のカメラ電話またはデジタルカメラであり得る。特定の実施形態では、デジタルカメラデバイスは、オンボード画像処理能力及びデータベースと無線で通信する能力を有するカメラ電話またはデジタルカメラである。
【0080】
いくつかの場合、本発明の1つ以上の実施形態は、モバイルコンシューマコンピューティングデバイスで実践され得る。モバイルコンシューマコンピューティングデバイス、またはより簡単には、モバイルコンシューマデバイスは、携帯性及び個人使用のために設計または最適化された広範囲のコンピューティングデバイスのいずれかであり得る。モバイルコンシューマデバイスは、より伝統的なノートブック及びネットブックコンピュータから、スマートフォン(例えば、APPLE IPHONE、ANDROIDフォン、WINDOWSフォン、SYMBIANフォン)、タブレットコンピュータ(例えば、APPLE IPAD、ANDROIDタブレット)、ゲーミングデバイス(例えば、NINTENDOまたはPLAYSTATIONポータブルゲーミングデバイス、APPLE IPOD)、マルチメディアデバイス(例えば、APPLE IPOD)、及びそれらの組み合わせを含む、新興の急速に成長する市場のハンドヘルドデバイスまで、様々な形態をとることができる。これらのデバイスの多くは、タッチまたは圧力感知ディスプレイ(例えば、静電容量または抵抗技術を使用する)、静止カメラ及びビデオカメラ、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信機、磁気コンパス、ジャイロスコープ、加速度計、光センサ、近接センサ、マイクロフォン、スピーカなどの、出力、入力、及び他の感覚デバイスの組み合わせを含むことによって、豊富なユーザ対話を可能にし得る。これらのデバイスはまた、セルラモデム(例えば、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)、コードディビジョンマルチアクセス(CDMA))、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)無線、Bluetooth無線、ニアフィールドコミュニケーション(NFC)デバイスなどの組み合わせなどの、様々な通信デバイスを含み得る。多くのモバイルコンシューマデバイスは、ユーザが、デバイスの製造中に存在しない新しいハードウェア及び機能を追加することができるように、拡張可能である。モバイルコンシューマデバイスの市場が拡大及び発展するにつれて、これらのデバイスの機能もまた、新しい及び改善されたユーザインタラクションデバイス及び通信デバイスを利用するように拡張することになることが理解されるであろう。本明細書に説明される実施形態は、広範囲であり、また、モバイルコンシューマデバイスの分野における任意の将来の開発を利用することができる。
【0081】
デジタルリーダは、コンピュータ可読媒体を備えるか、またはそれと通信し得る。いくつかの場合、デジタルリーダは、プロセッサに:閾値強度線を検出させ、閾値強度線の検出に成功したことを示させる命令を含むコンピュータ可読媒体を備えるか、またはそれと通信している。
【0082】
いくつかの場合、デジタルリーダは、プロセッサに、デジタルリーダによって取り込まれる光学的に検出可能なアッセイ結果を含む画像を分析させ、LFAカートリッジによってアッセイされる試料中の分析物の存在または不在を示させる命令を含むコンピュータ可読媒体を備えるか、またはそれと通信している。いくつかの場合、コンピュータ可読媒体は、視覚的読み出しを、少なくとも1つの捕捉リガンドとの少なくとも1つの関心対象の分析物の相互作用から、試料中に存在する少なくとも1つの関心対象の分析物の存在または量に関連する数値に変換するアルゴリズムを含む。
【0083】
いくつかの場合、コンピュータ可読媒体は、プロセッサに、閾値強度線が検出されたかどうかを判定して、光学的に検出可能なアッセイ結果の有効性を判定させる命令を含む。いくつかの場合、コンピュータ可読媒体が、プロセッサに、光学的に検出可能なアッセイ結果から検出された信号を、閾値強度線からの信号と比較させて、光学的に検出可能なアッセイ結果の有効性を判定させる命令を含む。いくつかの場合、コンピュータ可読媒体は、プロセッサに、閾値強度線が検出されないときにエラーのインディケーションを提供するアルゴリズムを実行させる命令を含む。
【0084】
一実施形態では、デジタルリーダは、命令を含むコンピュータ可読媒体をさらに含むか、またはそれと通信し、命令が、プロセッサに:(1)無線通信チャネルを介して電子カルテシステムと通信すること、(2)試料中に存在する少なくとも1つの分析物の量または濃度を電子カルテシステムにアップロードすること、または(3)対象における少なくとも1つの条件の診断を判定することのうちの少なくとも1つを行わせ、治療経過を示唆させる。
【0085】
本開示の実施形態は、以下でより詳細に論じられるように、例えば、1つ以上のプロセッサ及びシステムメモリなどのコンピュータハードウェアを含む専用または汎用コンピューティングデバイスを備えるか、または利用し得る。本発明の範囲内の実施形態はまた、コンピュータ実行可能命令及び/またはデータ構造を担持または記憶するための物理的、ならびに他のコンピュータ可読及び記録可能なタイプの媒体も含む。そのようなコンピュータ可読記録媒体は、汎用または専用コンピュータシステムによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体とすることができる。本発明によるコンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読媒体は、記録可能なタイプの記憶媒体、または単なる一時的搬送波から区別される他の物理的コンピュータ記憶媒体(デバイス)である。
【0086】
コンピュータ実行可能命令を担持するコンピュータ可読媒体は、伝送媒体である。したがって、限定ではなく例として、本発明の実施形態は、少なくとも2つの異なる種類のコンピュータ可読記録可能媒体:コンピュータ記憶媒体(デバイス)及び伝送媒体を含み得る。
【0087】
コンピュータ記憶媒体(デバイス)は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、またはコンピュータ実行可能命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を記憶するために使用され得、汎用もしくは専用コンピュータによってアクセスされ得、1つ以上の記録可能なタイプの媒体(デバイス)に記録される、任意の他の媒体を含む。
【0088】
「ネットワーク」は、コンピュータシステム及び/またはモジュール及び/または他の電子デバイス間の電子データの転送を可能にする1つ以上のデータリンクまたは通信チャネルとして定義される。情報がネットワークまたは別の通信接続もしくはチャネル(ハードワイヤ、ワイヤレス、またはハードワイヤもしくはワイヤレスの組み合わせのいずれか)上でコンピュータに転送または提供されるとき、コンピュータは、接続を伝送媒体として適切にみなす。伝送媒体は、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を担持するために使用され得、汎用または専用コンピュータによってアクセスされ得る、ネットワーク及び/またはデータリンクを含み得る。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0089】
さらに、様々なコンピュータシステム構成要素に到達すると、コンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形態のプログラムコード手段は、伝送媒体からコンピュータ記憶媒体(デバイス)に自動的に転送され得る(またはその逆も同様)。例えば、ネットワークまたはデータリンク上で受信されたコンピュータ実行可能命令またはデータ構造は、ネットワークインターフェースモジュール(例えば、「NIC」)内のRAM内でバッファリングされ、次いで、コンピュータシステムにおいてコンピュータシステムRAM及び/またはより揮発性の低いコンピュータ記憶媒体(デバイス)に最終的に転送され得る。したがって、コンピュータ記憶媒体(デバイス)は、伝送媒体も(または主にさえ)利用するコンピュータシステム構成要素に含まれることができることを理解されたい。
【0090】
コンピュータ実行可能命令は、例えば、プロセッサで実行されるときに、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または専用処理デバイスに特定の機能または機能群を行わせる命令及びデータを含む。コンピュータ実行可能命令は、例えば、バイナリ、アセンブリ言語などの中間フォーマット命令、またはソースコードであってさえもよい。主題は、構造的特徴及び/または方法論的作用に特有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも本明細書に説明される説明された特徴または作用に限定されないことを理解されたい。むしろ、説明される特徴及び行為は、特許請求の範囲を実装する例示的な形態として開示される。
【0091】
当業者は、本発明が、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ/ノートブックコンピュータ、メッセージプロセッサ、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブルコンシューマ用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、タブレット、携帯電話、PDA、ページャー、ルータ、スイッチなどを含む多くのタイプのコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実践され得ることを理解するであろう。本発明はまた、ネットワークを通してリンクされる(ハードワイヤデータリンク、ワイヤレスデータリンク、またはハードワイヤデータリンク及びワイヤレスデータリンクの組み合わせのいずれかによって)ローカル及びリモートコンピュータシステムが両方ともタスクを行う分散システム環境で実践されてもよい。分散システム環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモートメモリ記憶デバイスの両方に位置し得る。
【0092】
方法
本開示によって、主題のデバイスを使用する方法も提供される。ここで、方法の様々なステップ及び態様が、以下により詳細に説明されることになる。
【0093】
いくつかの場合、主題の方法は、試料中の分析物の存在または不在を示す結果を読み取るための方法を含む。方法は、上記に説明されたように、試料を第1のLFAカートリッジに適用することを含み得る。関心対象の試料は、体液及び生体試料などの生理学的試料を含み、試料は、唾液、尿涙、精液、痰、全血、血漿などであり得る。特に、デバイスは、特定の分析物の検出のために設計された好適なLFAカートリッジを使用して、薬物の乱用、ホルモン、タンパク質、病原体、血漿成分、抗体などの様々な分析物について検査するために使用され得る。例えば、デバイスは、分析物に特異的に結合する結合剤(例えば、検出抗体)を含むLFAカートリッジと共に使用される。
【0094】
いくつかの実施形態では、デバイスは、病原体または病原体に対する抗体を検出するために使用される。例えば、デバイスは、ウイルス、細菌、真菌、または寄生性病原体、またはそれらに対する抗体を検出するように設計された結合剤を収容するLFAカートリッジと組み合わせて使用され得る。
【0095】
デバイスでアッセイされ得る例示的なウイルスとしては、限定なしで、限定されるものではないがアデノウイルスなどのAdenoviridae;限定されるものではないがHerpes simplex1型、Herpes simplex2型、Varicella-zosterウイルス、Epstein-Barrウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヒトヘルペスウイルス8型などのHerpesviridae;限定されるものではないがヒトパピローマウイルスなどのPapillomaviridae;限定されるものではないがBKウイルス、及びJCウイルスなどのPolyomaviridae;限定されるものではないが天然痘などのPoxviridae;限定されるものではないがB型肝炎ウイルスなどのHepadnaviridae;限定されるものではないがパルボウイルスB19などのParvoviridae;限定されるものではないがノーウォークウイルスなどの限定されるものではないがCaliciviridaeなどのAstroviridae;限定されるものではないがコクサッキーウイルス、A型肝炎ウイルス、ポリオウイルス、及びライノウイルスなどのPicornaviridae;限定されるものではないが重症急性呼吸器症候群関連コロナウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス及び重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2を含む株などのCoronaviridae;限定されるものではないがC型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス、デングウイルス、West Nileウイルス、TBEウイルス、及びZikaウイルスなどのFlaviviridae;限定されるものではないが風疹ウイルスなどのMatonaviridae;限定されるものではないがE型肝炎ウイルスなどのHepeviridae;限定されるものではないがヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのRetroviridae;限定されるものではないがインフルエンザウイルスなどのOrthomyxoviridae;限定されるものではないがラッサウイルスなどのArenaviridae;限定されるものではないがCrimean-Congo出血熱ウイルス、HantaanウイルスなどのBunyaviridae;限定されるものではないがEbolaウイルス及びMarburgウイルスなどのFiloviridae;限定されるものではないが麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、及びパラインフルエンザウイルスなどのParamyxoviridae;限定されるものではないが呼吸器合胞体ウイルスなどのPneumoviridae;限定されるものではないが狂犬病ウイルスなどのRhabdoviridae;D型肝炎ウイルス;ならびに限定されるものではないがロタウイルス、オルビウイルス、コルティウイルス、及びバンナウイルスなどのReoviridaeが挙げられる。
【0096】
デバイスでアッセイされ得る例示的な病原性細菌としては、限定なしで、桿菌、細菌、球菌(coccus)、球菌(coccobacillus)、及びスピロヘータなどの、Gram-positive及びGram-negative細菌が挙げられ、限定されるものではないがBacillus anthracis及びBacillus cereusなどのBacillus;限定されるものではないがBartonella henselae及びBartonella quintanaなどのBartonella;限定されるものではないがBordetella pertussisなどのBordetella;限定されるものではないがBorrelia burgdorferi、Borrelia garinii、Borrelia afzelii、及びBorrelia recurrentisなどのBorrelia;限定されるものではないがBrucella abortus、Brucella canis、Brucella melitensis、及びBrucella suisなどのBrucella;限定されるものではないがChlamydia pneumoniae、Chlamydia trachomatis、及びChlamydophila psittaciなどのChlamydia及びChlamydophila;限定されるものではないがClostridium botulinum、Clostridium difficile、Clostridium perfringens、及びClostridium tetaniなどのClostridium;限定されるものではないがCorynebacterium diphtheriaeなどのCorynebacterium;限定されるものではないがEnterococcus faecalis及びEnterococcus faeciumなどのEnterococcus;限定されるものではないがEscherichia coilなどのEscherichia;限定されるものではないがFrancisella tularensisなどのFrancisella;限定されるものではないがHaemophilus influenzaeなどのHaemophilus;限定されるものではないがHelicobacter pyloriなどのHelicobacter;限定されるものではないがLegionella pneumophilaなどのLegionella、Leptospira interrogans、Leptospira santarosai、Leptospira weilii、及びLeptospira noguchiiなどのLeptospira;限定されるものではないがListeria monocytogenesなどのListeria;限定されるものではないがMycobacterium leprae、Mycobacterium tuberculosis、及びMycobacterium ulceransなどのMycobacterium;限定されるものではないがMycoplasma pneumoniaeなどのMycoplasma;限定されるものではないがNeisseria gonorrhoeae及びNeisseria meningitidisなどのNeisseria;限定されるものではないがPseudomonas aeruginosaなどのPseudomonas;限定されるものではないがRickettsia rickettsiiなどのRickettsia;限定されるものではないがSalmonella typhi及びSalmonella typhimuriumなどのSalmonella;限定されるものではないがShigella sonneiなどのShigella;限定されるものではないがStaphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、及びStaphylococcus saprophyticusなどのStaphylococcus;限定されるものではないがStreptococcus agalactiae、Streptococcus pneumoniae、及びStreptococcus pyogenesなどのStreptococcus;限定されるものではないがTreponema pallidumなどのTreponema;限定されるものではないがUreaplasma urealyticumなどのUreaplasma;限定されるものではないがVibrio choleraeなどのVibrio;限定されるものではないがYersinia pestis、Yersinia enterocolitica、及びYersinia pseudotuberculosisなどのYersiniaを含む。
【0097】
デバイスでアッセイされ得る例示的な寄生性病原体としては、エクトパラサイト及びエンドパラサイトが挙げられ、限定なしで、限定されるものではないが、Giardia intestinalis、Hexamita salmonis、Histomonas meleagridis、Trichonympha、Trichomonadida、Trypanosoma cruzi、Trypanosoma brucei rhodensiense、及びTrypanosoma brucei gambienseを含むExcavataなどの原虫;Entamoeba histolytica、Naeglaria、及びAcanthomoebaを含むAmoebozoa;Phytophthora infestans、Archaeplastida、Balantidium coli、Theileria parva、Theileria annulata、Phipicephalus appendiculatus、Spongospora subterranea、Mikrocytos mackini、及びPrototheca moriformisを含むSAR;ならびに限定されるものではないがEchinococcus、Hymenolepis、Taenia(例えば、T.multiceps、T.serialis、T.glomerata、及びT.brauni)などの条虫を含む寄生虫;限定されるものではないがNecator americanus、Ancylostoma duodenale、Wuchereria bancrofti、Brugia malayi、Onchocerca volvulus、Ascaris lumbricoides、Trichuris、Trichostrongylus spp.、Dracunculus medinensis、及びBaylisascarisなどの回虫/線虫、ならびに限定されるものではないがamphistomes、Clonorchis sinensis、Fasciolopsis buski、Fascioloides magna、Fasciola hepatica、Opisthorchis、Paragonimus、及びSchistosomaなどの吸虫(flukes/trematodes)を含む。
【0098】
デバイスでアッセイされ得る例示的な病原性真菌としては、限定なしで、限定されるものではないがCandida albicansなどのCandida;限定されるものではないがAspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、及びAspergillus clavatusなどのAspergillus;限定されるものではないがCryptococcus neoformans、Cryptococcus gattii、Cryptococcus laurentii、及びCryptococcus albidusなどのCryptococcus;限定されるものではないがHistoplasma capsulatumなどのHistoplasma;限定されるものではないがPneumocystis jiroveciiなどのPneumocystis;限定されるものではないがStachybotrys chartarumなどのStachybotrys;Blastomyces sp.;限定されるものではないがCoccidiodes immitis及びCoccidiodes posadasiiなどのCoccidiode;Fusarium sp.;Paecilomyces sp.;Paracoccidioides brasiliensis;Penicillium marneffei;Pseudallescheria boydii;限定されるものではないがScedosporium apiospermum及びScedosporium prolificansを含むScedosporium;Rhizopus sp.;Mucor sp.;Absidia sp.;Cunninghamella sp.;Trichoderma longibrachiatium;及びTrichosporon sp.が挙げられる。
【0099】
特に、デバイスは、試料中のSARS-CoV-2を検出するように設計されたLFAカートリッジと組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、LFAカートリッジは、試料中のSARS-CoV-2に対するSARS-CoV-2抗原または抗体(例えば、IgG及び/またはIgM)を検出するように設計される。例えば、LFAカートリッジは、試料中にあると疑われる分析物(例えば、SARS-CoV-2またはその一部分もしくは構成要素、抗SARS-CoV-2抗体(例えば、IgG及び/またはSARS-CoV-2に特異的なIgM)に対する特異的結合試薬(例えば、抗体)を有するテストストリップを含み得る。
【0100】
方法は、上記に説明されるように、陽性対照LFAカートリッジを、上記に説明されたように、デバイスの第1のLFAカートリッジ受容部分に配置することをさらに含み得る。方法は、デバイスのフレームにスマートリーダを配置することをさらに含み得る。スマートリーダは、上記に説明されたように、スマートフォン、デジタルカメラなどの任意のスマートリーダであり得る。方法は、例えば、上記に説明されたように、本体及びベースプレートによって提供される嵌合構造及び突出部によって、ベースプレートを本体と嵌合することをさらに含み得る。方法は、例えば、スマートフォンカメラによって、閾値強度線を含む表面の画像を取り込むことをさらに含み得る。方法は、画像を分析して、閾値強度線の検出を判定することをさらに含み得る。
【0101】
いくつかの場合、デジタルリーダは、コンピュータ可読媒体を備えるか、またはそれと通信し得る。いくつかの場合、デジタルリーダは、プロセッサに、閾値強度線を検出させ、閾値強度線の検出に成功したことを示させる命令を含むコンピュータ可読媒体を備えるか、またはそれと通信している。いくつかの場合、デジタルリーダは、プロセッサに、LFAカートリッジからの光学的に検出可能なアッセイ結果を検出させ、光学的に検出可能なアッセイ結果の検出に成功したことを示させる命令を含むコンピュータ可読媒体を備えるか、またはそれと通信している。いくつかの場合、コンピュータ可読媒体は、視覚的読み出しを、少なくとも1つのリガンドとの少なくとも1つの関心対象の分析物の相互作用から、試料中に存在する少なくとも1つの関心対象の分析物の存在または量に関連する数値に変換するアルゴリズムを含む。
【0102】
特定の実施形態では、デジタルリーダ、例えば、スマートフォンカメラなどの検出器が、LFAカートリッジのアッセイ領域(及び/または対照領域)及び/または閾値強度線を含む表面の画像を取り込むために使用されることになる。カメラのCCDは、画像を撮影し得る。この画像では、閾値強度線及びアッセイ領域(例えば、光学的に検出可能なアッセイ結果)の両方が存在し得る。閾値強度線の画像は、アッセイ領域の画像が取り込まれるか、または分析される前または後に、取り込まれ、分析され得る。いくつかの場合、閾値強度線の画像は、アッセイ領域の画像と同時に取り込まれ、分析される。次いで、デジタル画像は、選択されたデジタル処理アルゴリズムを用いてデジタル信号処理を受けて、閾値強度線及びアッセイ領域についての色バンドの代表的な画像を同時に生成し得る。次いで、デジタル処理アルゴリズムは、バンドの各々の中の所定のエリアに基づいて積分値をとり、これらの画素の各々の強度値を加算して、最終的な強度カウントを生成し得る。カウントの強度値は、7ビットの強度深度グレースケール画像について少なくとも0~128、8ビットの強度深度グレースケール画像について0~255の範囲内、またはカメラ撮像アルゴリズムに応じて強度深度グレースケール画像の任意の他の範囲内にあり得る。強度値はまた、7ビットの色強度深度を有する2色画像について0~16384の範囲内、8ビットの色強度深度を有する2色画像について0~65536の範囲内、8ビットの色強度深度を有する3色画像について0~16777216の範囲内にあり得る。強度値はまた、これらの値をカメラ撮像アルゴリズムまたはリーダプロセッサ上の後処理アルゴリズムのいずれかで処理することから結果的に生じる範囲内にあり得る。強度カウントは、検査結果の定性的または定量的評価のいずれかを可能にするために、様々な陽性及び陰性試料からのLFA撮像から得られる所定の標準曲線(または標準パラメータのセット)と比較され得る。
【0103】
単一のLFAカートリッジは、異なる色素で各々共役された多数のタイプの異なる抗体、及び異なる抗体で各々固定された多数の捕捉バンドを収容し得る。単一の光源は、全ての色素を同時に照射し得、検出器デバイスは、多数のバンドから放出された信号を同時に取り込み得る。
【0104】
光学的に検出可能なマーキングを含む表面の画像を取り込むことは、表面を照射することを含む。LFAカートリッジのマーキングに存在する様々なレポータ(例えば、色素)からの放射は、例えば、LED光源などのいくつかの光源によって励起され得る。光源による照射は、レポータからの放射(例えば、蛍光)、色、反射率、拡散散乱(すなわち、散乱及び吸光度)、弾性光散乱、化学発光、化学蛍光、透過、または吸光度のうちの少なくとも1つを含む光学的に検出可能な信号を生成し得る。レンズ(例えば、コリメーティングレンズ)及び検出器(例えば、CCDまたはCMOSカメラ)が、レポータからデータを収集するために使用され得る。コリメーティングレンズ及びCCDカメラは、放射された光を収集するために使用される。マーキングの各々の強度及び分析物の各々の濃度は、上記に説明されたように定量化され得る。
【0105】
光源は、カメラフラッシュ、カメラ上のオートフォーカス照明器、周囲光、太陽光、LED光、白熱灯、またはガス放電灯のうちの少なくとも1つを含み得る。例えば、光源は、ハウジングに含まれるマイクロLEDランプ由来であり得る。マイクロLEDは、1つ以上のアッセイ条件に適合される特定の波長を放射するように選択され得る。マイクロLEDは、デジタルカメラデバイスのバッテリから電力を引き出すことによって給電され得る。
【0106】
波長フィルタは、光源とラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイカートリッジとの間に介在され得る。例えば、アッセイが蛍光アッセイである場合、波長フィルタが、光源からの特定の波長の光をもたらして、アッセイシステムからの蛍光放射を励起するために使用され得る。同様に、特定の着色色素は、選択された波長の光によって励起されたときに、より良好な信号をもたらし得る。
【0107】
光源は、ラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイカセット上に光源を焦点合わせするための少なくとも1つの焦点合わせ装置(例えば、コリメーティングレンズ)を含み得る。例えば、焦点合わせ装置が、ラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイカセットの分析ゾーン上の入射光の量を増大させるために使用され得る。別の例では、焦点合わせ装置は、デジタルカメラデバイスがアッセイ出力の少なくとも1つの画像を取り込むことを可能にするために、ラテラルフロークロマトグラフィーイムノアッセイカセットの分析ゾーンに周囲光または太陽光を焦点合わせするために使用され得る。
【0108】
デジタルリーダは、プロセッサに:デジタルリーダによって取り込まれる光学的に検出可能なアッセイ結果を含む画像を分析させ;LFAカートリッジによってアッセイされる試料中の分析物の存在または不在を示させる命令を含むコンピュータ可読媒体を含み得るか、またはそれと通信し得る。
【0109】
コンピュータ可読媒体が、プロセッサに、光学的に検出可能なアッセイ結果から検出された信号を、閾値強度線からの信号と比較させて、光学的に検出可能なアッセイ結果の有効性を判定させる命令を含み得る。いくつかの場合、コンピュータ可読媒体は、プロセッサに、閾値強度線が検出されないときにエラーのインディケーションを提供するアルゴリズムを実行させる命令を含む。閾値強度線が検出されないとき、コンピュータ可読媒体は、プロセッサに、光学的に検出可能なアッセイ結果の画像分析が無効であることを判定させ、結果を破棄させる命令を含み得る。閾値強度線が検出されないとき、コンピュータ可読媒体は、プロセッサに、検出器、例えば、スマートフォンカメラの焦点を調整させ、光源、例えば、スマートフォンライトの明るさを調整させる命令を含み得る。いくつかの場合、閾値強度線が検出されないとき、コンピュータ可読媒体は、プロセッサに、例えば、画像の取り込みを繰り返す、リーダカメラを清掃する、リーダライトを調整する、及び/または検出器の焦点を調整するためのインディケーションなどの、閾値強度線の検出を容易にするための是正措置を行うためのインディケーションを提供させる命令を含み得る。
【0110】
命令は、プロセッサに、次のうちのいずれかを行わせ得る:(1)LFAカートリッジの視覚的信号読み出しを数値に変換するためのユーザ起動要求を受信すること、(2)要求に応答して、LFAカートリッジの少なくとも1つの視覚的信号読み出しを識別すること、(3)LFAカートリッジの少なくとも1つの視覚的信号読み出しの少なくとも1つのデジタル写真画像を取り込むこと、(4)少なくともデジタル写真画像を、イムノアッセイ装置の少なくとも1つの視覚的信号読み出しの少なくとも1つのデジタル写真画像の強度、密度、または画素数のうちの少なくとも1つに比例する少なくとも1つの数値に変換すること、及び(5)少なくとも1つの数値を使用して、試料中に存在する少なくとも1つの分析物の量または濃度を判定すること。次いで、この数値は、検出器デバイス上に位置する画面上に表示される、及び/またはデータベースに記憶、解釈、または送信され得る。いくつかの場合、命令は、プロセッサに、試料中に存在する少なくとも1つの分析物の存在または量に関連する数値を解釈するための方法を実装させる。
【0111】
閾値強度線が検出されるとき、方法は:デバイスの第1のLFAカートリッジ受容部分に第1のLFAカートリッジを配置することと;光学的に検出可能なアッセイ結果を含む表面の画像を取り込むことと;画像を分析し、LFAカートリッジによってアッセイされた試料中の分析物の存在または不在を示すこととをさらに含み得る。
【0112】
閾値強度線が検出されないとき、方法は:第1のLFAカートリッジの画像分析が無効であると判定すること、第1のLFAカートリッジの画像分析からの結果を破棄すること、及び/または閾値強度線が検出されないこと及び/またはアッセイ結果が無効であることのエラーのインディケーションを提供することをさらに含み得る。いくつかの場合、方法は、検出器、例えば、スマートフォンカメラの焦点を調整することと、光源、例えば、スマートフォンライトの明るさを調整することとをさらに含む。いくつかの場合、方法は、例えば、画像の取り込みを繰り返す、リーダカメラを清掃する、リーダライトを調整する、及び/または検出器の焦点を調整するためのインディケーションなどの、閾値強度線の検出を容易にするための是正措置を行うためのインディケーションを提供することをさらに含む。いくつかの場合、方法は:閾値強度線を含む表面の画像を取り込むことと;閾値強度線の検出を判定するために画像を分析することとをさらに含み得る。
【0113】
閾値強度線が検出されるとき、方法は:光学的に検出可能なアッセイ結果を含む第1のLFAカートリッジの表面の画像を取り込むことと、画像を分析し、LFAカートリッジによってアッセイされた試料中の分析物の存在または不在を示すこととをさらに含み得る。いくつかの場合、方法は、所与の状況下における光学的に検出可能なアッセイ結果(例えば、周囲光強度、光学表面上の埃/汚れの汚染の程度、カメラの自動焦点精度など)の画像分析のための「有効性スコア」を提供することをさらに含み得る。
【0114】
試料中の分析物の存在または不在を示す結果を読み取る方法は:上記に説明されたように、アッセイ領域及び陽性対照領域を含むLFAカートリッジに試料を適用すること、上記に説明されたように、LFAカートリッジをデバイスの第1のLFAカートリッジ受容部分または第2のLFAカートリッジ受容部分に配置すること、上記に説明されたように、デジタルリーダをデバイスのフレームに配置すること、本体をデバイスのベースプレートに嵌合すること、アッセイ領域及び陽性対照領域を含むLFAカートリッジの表面の画像を取り込むこと;閾値強度線の画像を取り込むこと:画像を分析して閾値強度線の検出を判定することを含み得る。
【0115】
閾値強度線が検出されるとき、方法は:画像を分析し、LFAカートリッジによってアッセイされた試料中の分析物の存在または不在を示すことをさらに含み得る。
【0116】
閾値強度線が検出されないとき、方法は:第1のLFAカートリッジの画像分析が無効であると判定すること、第1のLFAカートリッジの画像分析からの結果を破棄すること、及び/または閾値強度線が検出されないこと及び/またはアッセイ結果が無効であることのエラーのインディケーションを提供することをさらに含み得る。いくつかの場合、方法は、検出器、例えば、スマートフォンカメラの焦点を調整することと、光源、例えば、スマートフォンライトの明るさを調整することとをさらに含む。いくつかの場合、方法は、例えば、画像の取り込みを繰り返す、リーダカメラを清掃する、リーダライトを調整する、及び/または検出器の焦点を調整するためのインディケーションなどの、閾値強度線の検出を容易にするための是正措置を行うためのインディケーションを提供することをさらに含む。いくつかの場合、方法は:閾値強度線を含む表面の画像を取り込むことと;閾値強度線の検出を判定するために画像を分析することとをさらに含み得る。
【0117】
閾値強度線が検出されるとき、方法は、画像を分析し、LFAカートリッジによってアッセイされた試料中の分析物の存在または不在を示すことをさらに含み得る。
【0118】
例
上記に提供された開示から理解され得るように、本開示は、多種多様な用途を有する。したがって、以下の例は、本発明の作製及び使用のやり方の完全な開示及び説明を当業者に提供するために提示されるものであり、発明者が発明とみなす範囲を限定することを意図せず、また、以下の実験が行われる全てまたは唯一の実験であることを表すことを意図するものではない。当業者は、本質的に同様の結果を得るために変更または修正され得る様々な非重要なパラメータを容易に認識するであろう。したがって、以下の例は、本発明の作製及び使用のやり方の完全な開示及び説明を当業者に提供するために提示されるものであり、発明者が発明とみなす範囲を限定することを意図せず、また、以下の実験が行われる全てまたは唯一の実験であることを表すことを意図するものではない。使用される数字(例えば、量、寸法など)に対する正確性を確保する努力がなされているが、ある程度の実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。
【0119】
特定の実施形態
図1は、本開示のデバイスの概略図を提供する。デバイスは、スマートフォン100を受容するための本体101を含む。スマートフォン100の表面の大部分は、本体によってフレーム化されたタッチスクリーンを除いて、デバイスの本体101によって覆われている。本体は、スマートフォンが本体に保持されるときに、スマートフォン100に電源コードを取り付けるための開口部をさらに提供する。本体は、フレームの側面でスマートフォンのオン/オフスイッチにアクセスするための開口部107をさらに提供する。
図1は、ベースプレートの一端に存在する第1の受容部分103と、ベースプレートの反対側の端に存在する第2の受容部分105とを有する、ベースプレート104をさらに図示する。第1のLFAカートリッジ102は、スマートフォンの平面表面に対して第1の配向で第1の受容部分103に挿入され得、第2のFFAカートリッジ106は、スマートフォンの同じ平面表面に対して第2の配向で第2の受容部分に挿入され得る。
【0120】
図2Aは、アッセイ領域及び対照領域を有するベース201を有するラテラルフローアッセイカートリッジの一実施形態の上面図を示す。アッセイ領域及び対照領域は、同じ平面内に存在する。アッセイ領域は、迅速な診断検査アッセイを行うために、テストストリップ及び試薬を有する検査領域200に結合された試料堆積エリア204を含む。検査領域は、検査が適切に行われたことを示すための対照線(C)を含む。領域(1)及び(2)では、可変強度の線は、試料中に見出される標的に応じて示し得る。例えば、線(1)は、試料中のFlu A抗体の濃度に応じて強度を示し得るが、線(2)は、試料中のFlu B抗体の濃度に応じて強度を示す。耐久性のある材料プレート202上に配設された閾値強度線203が示される。対照線(C)強度は、感染の早期状態の場合、かなり低くなり得るため、アッセイ結果は、適切に解釈されなければならない。耐久性のある材料プレート上に同時に存在する閾値強度線などの比較的低い強度線を読み取り(または試料読み取りの直前、または少なくとも1日1回、または別の時間間隔内)、それを合格限界と比較することによって、光学経路及び解釈用のソフトウェアアルゴリズムが、解釈エラーを回避するために適切に動作することが保証され得る。
【0121】
図2Bは、カメラデバイス206(例えば、スマートフォン)の下に位置決めされたラテラルフローアッセイカートリッジ208の一実施形態の側面図を示す。LFAカートリッジは、LFAカートリッジの検査領域210と、耐久性のあるプレート材料209上に配設された閾値強度線とが、カメラデバイス206のカメラレンズ205の画像フィールド207内に収まるように位置決めされる。
【0122】
図3は、デバイスの一実施形態の斜視図を図示する。スマートフォンを受容するための本体は、1つ以上のLFAカートリッジを受容するためのベースプレートに取り付けられる。本体は、スマートフォンの側面の周囲に延在するフレームを含むが、タッチスクリーン及び充電ポートは、露出したままになる。
【0123】
図4は、主題のデバイスの一実施形態の第1の端の図を図示する。スマートフォンを受容するための本体は、1つ以上のLFAカートリッジを受容するためのベースプレートに取り付けられる。本体は、スマートフォンの側面の周囲に延在するフレームを含むが、タッチスクリーン及び充電ポートが露出したままになる。
【0124】
図5は、主題のデバイスの一実施形態の俯瞰図を図示する。本体は、スマートフォンの側面の周囲に延在するフレームを含むが、タッチスクリーン及び充電ポートは、露出したままになる。
【0125】
図6は、主題のデバイスの一実施形態の側面図を図示する。スマートフォンを受容するための本体は、1つ以上のLFAカートリッジを受容するためのベースプレートに取り付けられる。
【0126】
図7は、主題のデバイスのベースプレートの一実施形態の底面図を図示する。
【0127】
図8は、主題のデバイスの一実施形態の第2の端の図を図示する。スマートフォンを受容するための本体は、1つ以上のLFAカートリッジを受容するためのベースプレートに取り付けられる。
【0128】
図9Aは、カメラを有するスマートフォンの上部横縁に面する端からの本開示のデバイスの一実施形態の図を例示する。電源コード901は、本体の反対側の端にあるスマートフォンに結合されている。LFAカートリッジ902を受容するためのベースプレート903は、本体900に結合され得る。LFAカートリッジ902の上部横縁922は、スマートフォンを収容する本体900のフレームの平面表面923から3度離れた水平角度で傾く。
【0129】
図9Bは、本開示のデバイスの一実施形態の側面図を例示する。デバイスは、LFAカートリッジ906を受容するためのベースプレート907に結合され得る本体912を含む。本体912は、電源コード904に結合されるスマートフォンを収容する。LFAカートリッジ906の上部縦縁924は、スマートフォンを収容する本体912のフレームの平面表面905に向かって5度の垂直角度で傾く。
【0130】
図9Cは、充電ポートを有するスマートフォンの底部横縁に面する端からの本開示のデバイスの一実施形態の図を例示する。デバイスは、スマートフォンを収容するための本体908を含む。本体は、スマートフォンの表面を覆うが、タッチスクリーン921が露出されたままであるフレーム925を含む。電源コード909が、スマートフォンに結合される。デバイスは、本体908に結合され得るベースプレート910をさらに含む。ベースプレート911は、LFAカートリッジを受容し得る。
【0131】
図10Aは、LFAカートリッジを受容するためのベースプレート1000の一実施形態の俯瞰図を例示する。ベースプレートは、第1の受容部分1001及び第2の受容部分1004を有し、各々、少なくとも1つのLFAカートリッジを受容するためのものである。第1の受容部分1001は、1つのLFAカートリッジ1002を保持するように示されている。第1の受容部分は、縦縁1及び1’のセットと、横縁2及び2’のセットとを有する。
図10Bは、第1の受容部分1001の一実施形態の斜視図を例示する。縦縁及び横縁は、その間に支持表面3を形成する。
【0132】
図11は、スマートフォンを受容するための本体のフレームの平面表面1100と受容部分1102の支持表面3との間に形成された垂直角度1101を例示する。受容部分1102の縦縁1’に面する側面図が示される。平面表面1100は、長手方向に延在し、支持表面の平面と角度1101で交差する。縦縁1’と1との間の支持表面の平面は、横縁2が横縁2’よりも平面表面1100の近くに位置決めされるように、垂直角度1101で平面表面1100に向かって傾く。
【0133】
図12は、スマートフォンを受容するための本体のフレームの平面表面1103とベースプレートの受容部分1105との間に形成された水平角度1104の例を例示する。受容部分の横縁2に面する正面図が示される。平面表面1103は、横方向に延在し、支持表面の平面と角度1104で交差する。横縁2と2’との間の支持表面の平面oは、縦縁1’が縦縁1よりも平面表面1103から離れて位置決めされるように、平面表面1103から離れて傾いている。
【0134】
上記の発明は、明確な理解のために例示及び例としてある程度詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明の教示に照らして、ある特定の変更及び修正が行われてもよいことは、当業者には容易に明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。したがって、上記のものは、本発明の原理を例示するにすぎない。当業者であれば、本明細書に明示的に説明または示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが理解されよう。さらに、本明細書に列挙される全ての例及び条件付き言語は、主に、読者が本発明の原理及び当該技術をさらに進めるために発明者が寄与する概念を理解するのを助けることを意図しており、そのような具体的に列挙される例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、及び実施形態を列挙する本明細書における全ての記述、ならびにその具体例は、その構造的及び機能的等価物の両方を包含することが意図される。加えて、そのような等価物は、構造に関係なく、現在知られている等価物と将来開発される等価物の両方、すなわち、同じ機能を行うように開発された任意の要素を含むことが意図される。したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明される例示的な実施形態に限定されることを意図しない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。
【国際調査報告】