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▶ ブルーイン、バイオメトリクス、リミテッド、ライアビリティー、カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】超音波撮像
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20230119BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
A61B8/14
A61B5/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528159
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 US2020060062
(87)【国際公開番号】W WO2021096992
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】62/935,635
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/108,627
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512286037
【氏名又は名称】ブルーイン、バイオメトリクス、リミテッド、ライアビリティー、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRUIN BIOMETRICS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100213654
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 晃樹
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、エフ.バーンズ
【テーマコード(参考)】
4C117
4C601
【Fターム(参考)】
4C117XB01
4C117XB04
4C117XC02
4C117XE46
4C117XJ13
4C601EE30
4C601HH06
4C601JC05
4C601JC06
4C601JC11
4C601JC13
4C601JC18
(57)【要約】
本開示は、損傷組織または治癒中の組織における組織構造を評価する方法および装置を提供する。また、本開示は、褥瘡のリスクが発生した患者または褥瘡の発症リスクがある患者を識別するとともに、音波エコー特性の数に基づいて選択された生体構造固有の臨床的介入により患者を治療する方法を提供する。また、本開示は、創傷発生のリスクに基づいて患者のグループを層別化する方法と、医療介護施設における組織損傷の発生率を低減する方法と、を提供する。また、本開示は、音波エコー特性の傾向を分析して、視認可能となる前に組織損傷を検出する方法と、左右対称な音波エコー特性を比較して、損傷組織を識別する方法と、提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の無傷の皮膚の下側の組織の音波エコー画像を生成する装置であって、
a.起動された場合に、およそ10MHzの中間周波数で音波を放出するように構成された放出器と、
b.戻り音波の振動を受信し、前記振動を電気パルスに変換するように構成された受信器と、
c.前記受信器に結合され、
i.前記受信器から電気パルスを受信することと、
ii.前記音波が戻る時間の長さを決定することと、
iii.前記戻り音波の強度を決定することと、
iv.音波エコー画像を生成することと、
を行うように構成されたプロセッサと、
を備えた、装置。
【請求項2】
前記音波エコー画像を受信するとともに、前記音波エコー画像を提供するように構成されたディスプレイをさらに備えた、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
患者の無傷の皮膚の下側の組織中の音波エコー特性を評価する方法であって、
a.音波を第1の箇所で前記患者の皮膚中に放出するステップと、
b.前記組織から反響した戻り音波の一部を受信するステップと、
c.前記音波が戻る時間の長さを決定するステップと、
d.前記戻り音波の強度を決定するステップと、
e.音波エコー画像を生成するステップと、
f.前記音波エコー画像を取得するステップと、
g.1つまたは複数の音波エコー特性の数および種類を取得するステップと、
を含む、方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数の音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
医療介護施設に入れられた患者の創傷発生の発生率を低減する方法であって、
a.前記医療介護施設への入所に際して、組織損傷のリスクについて患者を評価するステップであり、
i.創傷発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所で前記患者の音波エコー画像を取得することと、
ii.前記音波エコー画像に存在する組織損傷の音波エコー特性の数を決定することと、
を含む、ステップと、
b.前記存在する音波エコー特性の数が第1の閾値以下である場合、レベル0の介入を実施するステップと、
c.前記存在する音波エコー特性の数が前記第1の閾値を超える場合、レベルN(Nは1以上の整数)の介入を実施するステップと、
を含む、方法。
【請求項6】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記音波エコー特性が、低エコー病変である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記音波エコー特性が、不均一低エコー域である、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記創傷が、褥瘡、糖尿病性足部潰瘍、深部組織傷害、血管性潰瘍、および熱傷から成る群から選択される、請求項5~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
創傷発生のリスクがある前記1つまたは複数の身体箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、請求項5~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
創傷発生のリスクがある前記1つまたは複数の身体箇所が、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む、請求項5~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
創傷発生のリスクがある前記1つまたは複数の身体箇所が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される、請求項5~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記レベルNの介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、請求項5~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
医療介護レベルに基づいて、医療介護施設の複数人の患者を層別化する方法であって、
a.モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で前記複数人の患者のうちの1人の音波エコー画像を取得するステップと、
b.組織損傷の音波エコー特性が前記音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、
c.N個の医療介護レベルのうち、存在する音波エコー特性の数および種類に対応する医療介護レベルを決定するステップと、
d.ステップ(c)に基づいて、前記医療介護レベルを前記患者に割り当てるステップと、
e.前記患者に割り当てた医療介護レベルに基づいて、前記複数人の患者のうちの前記患者をグループに配置するステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記1つまたは複数の身体箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数の身体箇所が、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記1つまたは複数の身体箇所が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
医療介護レベルを前記患者に割り当てるステップが、筋膜途絶の有無に基づく、請求項16~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
医療介護レベルを前記患者に割り当てるステップが、2週間にわたる不鮮明層状構造の存在の変化に基づく、請求項16~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
適当な医療介護レベルを識別して医療介護施設の患者に提供する方法であって、
a.1つまたは複数の身体箇所で前記患者の複数の音波エコー画像を取得するステップと、
b.組織損傷の音波エコー特性が前記複数の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、
c.ステップ(b)における音波エコー特性の有無に基づいて、1つまたは複数の生体構造固有の介入を与えるステップと、
d.音波エコー特性の数の増加に基づいて、生体構造固有の介入のレベルを高くするステップと、
e.音波エコー特性の数の減少に基づいて、生体構造固有の介入のレベルを低くするステップと、
を含む、方法。
【請求項25】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、請求項24または25に記載の方法。
【請求項28】
前記1つまたは複数の身体箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記1つまたは複数の身体箇所が、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む、請求項24~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記1つまたは複数の身体箇所が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される、請求項24~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記生体構造固有の介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記生体構造固有の介入のレベルが、前記音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合に上げられる、請求項24~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記生体構造固有の介入のレベルが、前記音波エコー特性の数が第2の閾値を下回る場合に下げられる、請求項24~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
医療介護施設の患者を複数のリスク・カテゴリから選択される1つのリスク・カテゴリに割り当てる方法であって、
a.モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で前記患者の複数の初期音波エコー画像を取得するステップと、
b.音波エコー特性が前記複数の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、
c.ステップ(b)における音波エコー特性の有無に部分的に基づいて、前記患者を前記複数のリスク・カテゴリから選択される1つのリスク・カテゴリに割り当てるステップと、
を含む、方法。
【請求項35】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、請求項34または35に記載の方法。
【請求項38】
モニタリング用に選択された前記1つまたは複数の身体箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、請求項34~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
モニタリング用に選択された前記1つまたは複数の身体箇所が、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む、請求項34~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
モニタリング用に選択された前記1つまたは複数の身体箇所が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
医療介護施設の患者の医療介護を管理する方法であって、
a.医療介護施設への入所に際して、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で前記患者の複数の第1の音波エコー画像を取得するステップと、
b.音波エコー特性が前記複数の第1の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、
c.存在する音波エコー特性の数が第1の閾値を上回る場合、介入レベルをN=1に設定するステップと、
d.音波エコー特性の数が前記第1の閾値を上回って存在する前記1つまたは複数の身体箇所ごとにレベルNの介入を実施するステップと、
e.レベルNの頻度で前記1つまたは複数の身体箇所それぞれにおける複数の後続音波エコー画像を取得するステップと、
f.新たな音波エコー特性が前記複数の後続音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、
を含む、方法。
【請求項42】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、請求項41または42に記載の方法。
【請求項45】
モニタリング用に選択された前記身体箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、請求項41~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
モニタリング用に選択された前記身体箇所が、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む、請求項41~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
モニタリング用に選択された前記身体箇所が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される、請求項41~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記レベルNの介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、請求項41~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
組織損傷のリスクがある患者を識別して治療する方法であって、
a.医療介護施設への入所に際して、組織損傷のリスクについて患者を評価するステップであり、
i.前記患者の第1の複数の音波エコー画像を取得することと、
ii.前記第1の複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第1の数を決定することと、
を含む、ステップと、
b.前記存在する音波エコー特性の第1の数が第1の閾値以下である場合、レベル0の第1の介入を実施するステップと、
c.前記存在する音波エコー特性の第1の数が前記第1の閾値を上回る場合、レベルN(Nは1以上の整数)の第1の介入を実施するステップと、
を含む、方法。
【請求項50】
a.前記実施した介入レベルに対応する第1の所定の頻度で前記患者の第2の複数の音波エコー画像を取得するステップと、
b.前記第2の複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第2の数を決定するステップと、
c.前記音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超えるかを判定するステップと、
d.前記存在する音波エコー特性の第2の数が前記第2の閾値を超えない場合、前記第1の介入を実施し続けるステップと、
e.前記存在する音波エコー特性の第2の数が前記第2の閾値を超えない場合、前記第1の所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、
f.前記存在する音波エコー特性の第2の数が前記第2の閾値を超える場合、レベルM(MはNより大きな整数)の第2の介入を実施するステップと、
g.前記存在する音波エコー特性の第2の数が前記第2の閾値を超える場合、レベルMに対応する所定の頻度で第3の複数の音波エコー画像を取得するステップと、
をさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
a.前記存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以下であるかを判定するステップと、
b.前記存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以上である場合、前記第1の介入を実施し続けるステップと、
c.前記存在する音波エコー特性の第2の数が前記第3の閾値以上である場合、前記第1の所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、
d.前記存在する音波エコー特性の第2の数が前記第3の閾値未満であり、前記第1の介入がレベル0でない場合、レベルL(LはNより小さい整数)の第3の介入を実施するステップと、
e.前記存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値未満である場合、レベルLに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、
をさらに含む、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記レベルNの第1の介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、請求項49~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記レベルMの第2の介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、請求項50~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記レベルLの第3の介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、請求項51~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項49~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項49~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、請求項49~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記第1の複数の音波エコー画像が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される、請求項49~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記第1の複数の音波エコー画像が、医療機器と長期接触する解剖学的部位またはその周囲で取得される、請求項49~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記第1の複数の音波エコー画像が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される、請求項49~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
必要とする患者の皮膚および組織損傷の進行を遅らせる方法であって、
a.前記患者が受ける現在のレベルKの介入を識別するステップと、
b.前記患者の複数の音波エコー画像を取得するステップと、
c.前記複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、
d.前記複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第1の数を決定するステップと、
e.前記音波エコー特性の第1の数が第1の閾値以下である場合、前記現在のレベルKの介入を実施し続けるステップと、
f.前記音波エコー特性の第1の数が前記第1の閾値以下である場合、レベルKに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、
g.前記音波エコー特性の数が前記第1の閾値を超える場合、新たなレベルN(NはKより大きな値)の介入を実施するステップと、
h.前記音波エコー特性の数が前記第1の閾値を超える場合、レベルNに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、
を含む、方法。
【請求項62】
a.前記存在する音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満であるかを判定するステップと、
b.前記音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満である場合、レベルL(LはKより小さい非負値)の介入を実施するステップと、
c.前記音波エコー特性の第1の数が前記第2の閾値未満である場合、レベルLに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、
をさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項61または62に記載の方法。
【請求項64】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項65】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項66】
前記音波エコー特性が、低エコー病変である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項67】
前記音波エコー特性が、不均一低エコー域である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項68】
前記複数の音波エコー画像が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される、請求項61~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記複数の音波エコー画像が、医療機器と長期接触する解剖学的部位またはその周囲で取得される、請求項61~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記複数の音波エコー画像が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される、請求項61~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
介入を必要とする患者を識別して治療する方法であって、
a.前記患者の解剖学的部位で複数の音波エコー画像を取得するステップと、
b.前記複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、
c.前記複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、
d.前記音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、
e.前記音波エコー特性の数が前記閾値を超える場合、前記介入を前記解剖学的部位に実施するステップと、
f.前記音波エコー特性の数が前記閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、
を含む、方法。
【請求項72】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記音波エコー特性が、低エコー病変である、請求項71または72に記載の方法。
【請求項74】
前記解剖学的部位が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、請求項71~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、請求項71~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
損傷組織を識別する方法であって、
a.患者の皮膚上の第1の箇所から第1の音波エコー画像を取得するステップと、
b.前記第1の箇所に対して左右対称の第2の箇所から第2の音波エコー画像を取得するステップと、
c.前記第1の音波エコー画像および第2の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、
d.前記第1の音波エコー画像および第2の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、
e.第1の音波エコー画像と第2の音波エコー画像との間の音波エコー特性の数の差分を決定するステップと、
f.前記第1の音波エコー画像と前記第2の音波エコー画像との間の音波エコー特性の数の差分が閾値を超える場合、前記第1の箇所または前記第2の箇所に組織損傷が存在するものと判定するステップと、
を含む、方法。
【請求項77】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項76または77に記載の方法。
【請求項79】
前記箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、請求項76~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、
a.単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、
b.前記複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、
c.前記複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、
d.音波エコー特性の最新の数と音波エコー特性の直前の数との間の傾きを計算するステップと、
e.前記傾きを閾値と比較するステップと、
f.前記傾きが前記閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、
を含む、方法。
【請求項81】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項80または81に記載の方法。
【請求項83】
前記箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、請求項80~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、
a.単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、
b.前記複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、
c.前記複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、
d.時間差ごとに音波エコー特性の最大数および音波エコー特性の最小数の差分値を計算するステップと、
e.前記差分値の時間に対する導関数を計算するステップと、
f.前記導関数を閾値と比較するステップと、
g.前記導関数が前記閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、
を含む、方法。
【請求項85】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項84または85に記載の方法。
【請求項87】
前記箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、請求項84~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、
a.単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、
b.前記複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、
c.前記複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、
d.時間差ごとに音波エコー特性の最大数および音波エコー特性の最小数の差分値を計算するステップと、
e.所定数の直近差分値に対して曲線をフィッティングするステップと、
f.前記フィッティングした曲線の曲率を計算するステップと、
g.前記曲率を閾値と比較するステップと、
h.前記曲率が前記閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、
を含む、方法。
【請求項89】
前記音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記音波エコー特性が、筋膜途絶である、請求項88または89に記載の方法。
【請求項91】
前記箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、請求項88~90のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年11月14日に出願された米国仮特許出願第62/935,635号および2020年11月2日に出願された米国仮特許出願第63/108,627号の優先権の利益を主張するものであり、それぞれのすべての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、損傷組織または治癒中の組織における組織構造を評価する方法および装置を提供する。また、本開示は、褥瘡のリスクが発生した患者または褥瘡の発症リスクがある患者を識別するとともに、特定の超音波エコー特性に基づいて選択された生体構造固有の臨床的介入により患者を治療する方法を提供する。また、本開示は、創傷発生のリスクに基づいて患者のグループを層別化する方法と、医療介護施設に入れられた患者の組織損傷の発生率または重症度を低減する方法と、を提供する。また、本開示は、組織損傷が患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
皮膚は、人体における最大の器官である。さまざまな種類の損傷および傷害に曝されやすい。皮膚の損傷および傷害は、皮膚およびその周辺組織が外圧および機械的な力を再分配できない場合に生じ、潰瘍が形成される場合もある。仰臥位患者の体重によって背側皮膚表面に生成される圧力のように、適度な圧力であっても、長時間にわたり継続的に曝されると、褥瘡を引き起こす可能性がある。糖尿病により誘発され得る神経障害および末梢組織の脆弱化等、他の損傷がある場合は、適度なレベルの圧力およびストレスに定期的に曝されるだけでも、潰瘍(たとえば、足部潰瘍)につながる可能性がある。
【0004】
褥瘡は、米国で年間約250万人、欧州連合でも同数の人が発症する。長期の救命環境では、高齢で動きの少ない患者の最大25%が褥瘡を発症する。褥瘡による感染症および他の合併症によって、米国では、年間約60,000人の患者が死亡する。
【0005】
ほとんどの褥瘡は、圧迫する組織が少なく、血管網内の圧力勾配が変化する骨突出部上に発生する。褥瘡は、現在認識されている最初期の段階(皮膚は無傷ながら骨突出部上に赤く見える段階)(ステージ1)から、組織が破壊されて骨、腱、または筋肉が曝される段階(ステージ4)、非ブランチ性の深紅、マルーン、または紫の変色を示す深部組織の圧力障害の段階、そして最後に、厚さ方向全体にわたる不明瞭な皮膚および組織の欠損(判定不能)に至るまでの6段階のうちの1つに分類される。皮膚が破れる前に褥瘡を検出し、治療して後期段階への進行を防ぐことは、主要経済圏の政策立案者や医療介護供給業者の目標となっている。ほとんどの褥瘡は予防可能であり、潰瘍形成の第1段階の前に識別された場合は、その下の組織の悪化に歯止めがかけられる。
【0006】
皮膚が破れる前に組織の損傷を検出し、適当な療法で介入することによって、その下の組織がさらに悪化するのを回避することは、患者のみならず社会にとっても望ましい。圧力による損傷の治療費は、視認可能な最初期の兆候(ステージ1の潰瘍)では平均2,000ドル程度であるものの、筋肉または骨を露出させるほど深い潰瘍(ステージ4の潰瘍)の場合は、129,000ドルまで上昇する。たとえば、Brem,H.他(2010).High Cost of Stage IV Pressure Ulcers.Am.J.Surg.Oct;200(4):473-477を参照されたい。現在、患者は一般的に、褥瘡の汎用予防を受けているが、これは、この予防が、特定の解剖学的部位を対象としないことを意味する。患者が対象を定めた局所的な潰瘍の治療を受けるのは、視覚的評価により識別され得る程度に褥瘡が進行してからである。褥瘡を検出する現在の基準は視覚的検査によるため、主観的で信頼性に欠け、時期尚早で特異性に欠ける。たとえば、Pancorbo-Hidalgo P.他(2006).Risk assessment scales for pressure ulcer prevention:a systematic review.Journal of Advanced Nursing,54,94-110およびGarcia-Fernandez,F.P(2014).Predictive Capacity of Risk Assessment Scales and Clinical Judgment for Pressure Ulcers:A Meta-analysis.Journal of wound,Ostomy and Continence Nursing 41,24-34を参照されたい。そのため、患者は、潰瘍発症の前兆である皮膚の炎症を患っていても、発症した潰瘍を対象とした局所的な治療を受けることはない。それどころか、炎症はますます進行して、本格的な潰瘍になってしまう。
【0007】
皮膚の損傷および傷害は、手術エリアまたはその周辺の血管を切断するある種の外科手術(たとえば、皮弁を伴う再建手術)の結果とも考えられる。損傷した組織または分離した組織の治癒は、損傷エリア全体にわたる適切な血流の回復に依存する。組織エリアの治癒、すなわち、組織を通る血流が正常なレベルまで増加しているかの判断は、視覚的検査では難しい。既存の機器では、血液の酸素濃度等の特定の属性を測定可能であるが、血流の間接的な尺度に過ぎない。
【0008】
超音波は、人間の可聴域上限を超える周波数の音波を含む。超音波撮像(または、医療音波エコー)は、20kHzから数ギガヘルツまでの周波数を用いて、組織構造の非侵襲的画像(または、ソノグラフ)を提供する。超音波撮像用プローブが患者の皮膚を伝搬する音波を送ると、反射特性の異なる組織で反響して、リアルタイムに画像として記録・表示される。
【0009】
他の一般的な撮像方法と異なり、超音波デバイスは、可搬式であるため、ベッドサイドに持ち込まれ得る。また、有害な電離放射線の使用を伴わない。これは、便利で費用対効果に優れた撮像診断技術である。トレーニングを受けた専門家は、超音波撮像により得られたソノグラフを評価・解釈することができる。
【発明の概要】
【0010】
非侵襲的で客観的な測定により、視認可能な皮膚の損傷が起こる前に褥瘡のリスクの発生を識別した後、特定の生体構造に個別の介入を実施する体系的な方法が提供される。また、非侵襲的で客観的な測定により、視認可能な皮膚の損傷が起こる前に褥瘡の発生を識別した後、特定の生体構造に個別の介入を実施する体系的な方法が提供される。創傷治癒の進行および介入遵守の一貫性をモニタリングする方法がさらに提供される。
【0011】
一態様において、本開示は、患者の無傷の皮膚の下側の組織の音波エコー画像を生成する装置であって、起動された場合に、およそ10MHzの中間周波数で音波を放出するように構成された放出器と、戻り音波の振動を受信し、振動を電気パルスに変換するように構成された受信器と、受信器に結合されたプロセッサと、を備えた、装置を提供および包含する。一態様において、プロセッサは、受信器から電気パルスを受信することと、音波が戻る時間の長さを決定することと、戻り音波の強度を決定することと、音波エコー画像を生成することと、を行うように構成されている。一態様において、この装置は、音波エコー画像を受信するとともに、音波エコー画像を提供するように構成されたディスプレイをさらに備える。
【0012】
一態様において、本開示は、患者の無傷の皮膚の下側の組織中の音波エコー特性を評価する方法であって、音波を第1の箇所で患者の皮膚中に放出するステップと、組織から反響した戻り音波の一部を受信するステップと、音波が戻る時間の長さを決定するステップと、戻り音波の強度を決定するステップと、音波エコー画像を生成するステップと、音波エコー画像を取得するステップと、1つまたは複数の音波エコー特性の数および種類を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、1つまたは複数の音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。
【0013】
一態様において、本開示は、医療介護施設に入れられた患者の創傷発生の発生率を低減する方法であって、医療介護施設への入所に際して、組織損傷のリスクについて患者を評価するステップと、存在する音波エコー特性の数が第1の閾値以下である場合、レベル0の介入を実施するステップと、存在する音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合、レベルN(Nは1以上の整数)の介入を実施するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、評価するステップは、創傷発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所で患者の音波エコー画像を取得することと、音波エコー画像に存在する組織損傷の音波エコー特性の数を決定することと、を含む。
【0014】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造である。一態様において、音波エコー特性は、低エコー病変である。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、音波エコー特性は、不均一低エコー域である。一態様において、創傷は、褥瘡、糖尿病性足部潰瘍、深部組織傷害、血管性潰瘍、および熱傷から成る群から選択される。
【0015】
一態様において、創傷発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。一態様において、創傷発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所は、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む。一態様において、創傷発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所は、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される。一態様において、レベルNの介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。
【0016】
一態様において、本開示は、医療介護レベルに基づいて、医療介護施設の複数人の患者を層別化する方法であって、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で複数人の患者のうちの1人の音波エコー画像を取得するステップと、組織損傷の音波エコー特性が音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、N個の医療介護レベルのうち、存在する音波エコー特性の数および種類に対応する医療介護レベルを決定するステップと、先行ステップに基づいて、医療介護レベルを患者に割り当てるステップと、患者に割り当てた医療介護レベルに基づいて、複数人の患者のうちの上記患者をグループに配置するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0017】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、1つまたは複数の身体箇所は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。一態様において、1つまたは複数の身体箇所は、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む。一態様において、1つまたは複数の身体箇所は、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される。一態様において、医療介護レベルを患者に割り当てるステップは、筋膜途絶の有無に基づく。一態様において、医療介護レベルを患者に割り当てるステップは、2週間にわたる不鮮明層状構造の存在の変化に基づく。
【0018】
一態様において、本開示は、適当な医療介護レベルを識別して医療介護施設の患者に提供する方法であって、1つまたは複数の身体箇所で患者の複数の音波エコー画像を取得するステップと、組織損傷の音波エコー特性が複数の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、先行ステップにおける音波エコー特性の有無に基づいて、1つまたは複数の生体構造固有の介入を与えるステップと、音波エコー特性の数の増加に基づいて、生体構造固有の介入のレベルを高くするステップと、音波エコー特性の数の減少に基づいて、生体構造固有の介入のレベルを低くするステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0019】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造である。一態様において、1つまたは複数の身体箇所は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。一態様において、1つまたは複数の身体箇所は、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む。一態様において、1つまたは複数の身体箇所は、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される。
【0020】
一態様において、生体構造固有の介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。一態様において、生体構造固有の介入のレベルは、音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合に高くなる。一態様において、生体構造固有の介入のレベルは、音波エコー特性の数が第2の閾値を下回る場合に低くなる。
【0021】
一態様において、本開示は、医療介護施設の患者を複数のリスク・カテゴリから選択される1つのリスク・カテゴリに割り当てる方法であって、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で患者の複数の初期音波エコー画像を取得するステップと、音波エコー特性が複数の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、先行ステップにおける音波エコー特性の有無に部分的に基づいて、患者を複数のリスク・カテゴリから選択される1つのリスク・カテゴリに割り当てるステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0022】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造である。一態様において、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。一態様において、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所は、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む。一態様において、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所は、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される。
【0023】
一態様において、本開示は、医療介護施設の患者の医療介護を管理する方法であって、医療介護施設への入所に際して、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で患者の複数の第1の音波エコー画像を取得するステップと、音波エコー特性が複数の第1の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、存在する音波エコー特性の数が第1の閾値を上回る場合、介入レベルをN=1に設定するステップと、音波エコー特性の数が第1の閾値を上回って存在する1つまたは複数の身体箇所ごとにレベルNの介入を実施するステップと、レベルNの頻度で1つまたは複数の身体箇所それぞれにおける複数の後続音波エコー画像を取得するステップと、新たな音波エコー特性が複数の後続音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0024】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造である。一態様において、モニタリング用に選択された身体箇所は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。一態様において、モニタリング用に選択された身体箇所は、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む。一態様において、モニタリング用に選択された身体箇所は、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される。
【0025】
一態様において、レベルNの介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。
【0026】
一態様において、本開示は、組織損傷のリスクがある患者を識別して治療する方法であって、医療介護施設への入所に際して、組織損傷のリスクについて患者を評価するステップと、存在する音波エコー特性の第1の数が第1の閾値以下である場合、レベル0の第1の介入を実施するステップと、存在する音波エコー特性の第1の数が第1の閾値を上回る場合、レベルN(Nは1以上の整数)の第1の介入を実施するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、評価するステップは、患者の第1の複数の音波エコー画像を取得することと、第1の複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第1の数を決定することと、を含む。
【0027】
一態様において、この方法は、実施した介入レベルに対応する第1の所定の頻度で患者の第2の複数の音波エコー画像を取得するステップと、第2の複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第2の数を決定するステップと、音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超えるかを判定するステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超えない場合、第1の介入を実施し続けるステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超えない場合、第1の所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超える場合、レベルM(MはNより大きな整数)の第2の介入を実施するステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超える場合、レベルMに対応する所定の頻度で第3の複数の音波エコー画像を取得するステップと、をさらに含む。
【0028】
一態様において、この方法は、存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以下であるかを判定するステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以上である場合、第1の介入を実施し続けるステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以上である場合、第1の所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値未満であり、第1の介入がレベル0でない場合、レベルL(LはNより小さい整数)の第3の介入を実施するステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値未満である場合、レベルLに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、をさらに含む。
【0029】
一態様において、レベルNの第1の介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。一態様において、レベルMの第2の介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。一態様において、レベルLの第3の介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。
【0030】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造である。
【0031】
一態様において、第1の複数の音波エコー画像は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される。一態様において、第1の複数の音波エコー画像は、医療機器と長期接触する解剖学的部位またはその周囲で取得される。一態様において、第1の複数の音波エコー画像は、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される。
【0032】
一態様において、本開示は、必要とする患者の皮膚および組織損傷の進行を遅らせる方法であって、患者が受ける現在のレベルKの介入を識別するステップと、患者の複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第1の数を決定するステップと、音波エコー特性の第1の数が第1の閾値以下である場合、現在のレベルKの介入を実施し続けるステップと、音波エコー特性の第1の数が第1の閾値以下である場合、レベルKに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合、新たなレベルN(NはKより大きな値)の介入を実施するステップと、音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合、レベルNに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0033】
一態様において、この方法は、存在する音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満であるかを判定するステップと、音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満である場合、レベルL(LはKより小さい非負値)の介入を実施するステップと、音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満である場合、レベルLに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、をさらに含む。
【0034】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造である。一態様において、音波エコー特性は、低エコー病変である。一態様において、音波エコー特性は、不均一低エコー域である。
【0035】
一態様において、複数の音波エコー画像は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される。一態様において、複数の音波エコー画像は、医療機器と長期接触する解剖学的部位またはその周囲で取得される。一態様において、複数の音波エコー画像は、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される。
【0036】
一態様において、本開示は、介入を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の解剖学的部位で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、介入を解剖学的部位に実施するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0037】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、低エコー病変である。一態様において、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。一態様において、介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。
【0038】
一態様において、本開示は、損傷組織を識別する方法であって、患者の皮膚上の第1の箇所から第1の音波エコー画像を取得するステップと、第1の箇所に対して左右対称の第2の箇所から第2の音波エコー画像を取得するステップと、第1の音波エコー画像および第2の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、第1の音波エコー画像および第2の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、第1の音波エコー画像と第2の音波エコー画像との間の音波エコー特性の数の差分を決定するステップと、第1の音波エコー画像と第2の音波エコー画像との間の音波エコー特性の数の差分が閾値を超える場合、第1の箇所または第2の箇所に組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0039】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、上記箇所は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0040】
一態様において、本開示は、患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の最新の数と音波エコー特性の直前の数との間の傾きを計算するステップと、傾きを閾値と比較するステップと、傾きが閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0041】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、上記箇所は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0042】
一態様において、本開示は、患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、時間差ごとに音波エコー特性の最大数および音波エコー特性の最小数の差分値を計算するステップと、差分値の時間に対する導関数を計算するステップと、導関数を閾値と比較するステップと、導関数が閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0043】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、上記箇所は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0044】
一態様において、本開示は、患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、時間差ごとに音波エコー特性の最大数および音波エコー特性の最小数の差分値を計算するステップと、所定数の直近差分値に対して曲線をフィッティングするステップと、フィッティングした曲線の曲率を計算するステップと、曲率を閾値と比較するステップと、曲率が閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0045】
一態様において、音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。一態様において、音波エコー特性は、筋膜途絶である。一態様において、上記箇所は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0046】
添付の図面を参照しつつ本開示の態様が本明細書に記載されるが、これらは一例に過ぎない。ここで図面を詳細に参照して、図示の特定事項は一例であり、本開示の態様の例解を目的としたものであることが強調される。この点、本明細書および図面は、単独および一体的な考慮により、本開示の態様の実施可能な方法を当業者に対して明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A】リスク評価および視覚的評価の組み合わせを用いた入院患者の褥瘡予防のための現在推奨されている治療決定経路の一例を示した図である。
図1B】いくつかの医療介護施設で現在実施されている褥瘡予防のための現在の拡張治療決定経路の一例を示した図である。
図2】本開示に係る、褥瘡を予防する独立プロセスにおいて、患者の皮膚の下側の組織の音波エコー特性を評価するための装置が使用され得る方法の例示的なフローチャートである。
図3】本開示に係る、図1Bの拡張治療決定経路をさらに改良するための補助として、患者の皮膚の下側の組織の音波エコー特性を評価するための装置が使用され得る方法の例示的なフローチャートである。
図4A】本開示に係る、仙骨領域上の一対の左右対称箇所の一例を示した図である。
図4B】本開示に係る、両足の底面上の一対の左右対称箇所の一例を示した図である。
図4C】本開示に係る、両足の側面および裏面上の一対の左右対称箇所の一例を示した図である。
図5A】本開示に係る、音波エコー撮像のための左右足上の箇所を示した図である。
図5B】本開示に係る、左右対称箇所を識別するための既知の相対箇所と関連付けられた音波エコー特性の数のプロット図である。
図6】本開示に係る、音波エコー画像の測定、評価、格納、および転送のための統合システムを示した図である。
図7A】さまざまな位置における患者の身体上の種々の圧力点を示した図である。
図7B】さまざまな位置における患者の身体上の種々の圧力点を示した図である。
図7C】さまざまな位置における患者の身体上の種々の圧力点を示した図である。
図7D】さまざまな位置における患者の身体上の種々の圧力点を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本明細書は、本開示が実施され得るすべての異なる方法または本開示に追加され得るすべての特徴の詳細なカタログとなることが意図されない。たとえば、ある実施形態に関して例示された特徴が他の実施形態に組み込まれる場合もあれば、特定の実施形態に関して例示された特徴が当該実施形態から削除される場合もある。したがって、本開示は、そのいくつかの実施形態において、本明細書に示される任意の特徴または特徴の組み合わせが除外または省略され得ることを想定する。また、当業者には、本開示に照らして、本開示から逸脱することなく、本明細書に提案される種々実施形態に対する多数の変形および追加が明らかとなるであろう。他の例では、本発明を不必要に不明瞭化しないように、周知の構造、インターフェース、およびプロセスが詳細に示されていない。本明細書の如何なる部分も、本発明の全範囲の如何なる部分をも否定しないものと解釈されることが意図される。したがって、以下の説明は、本開示のいくつかの特定の実施形態を説明するためのものであり、そのすべての順列、組み合わせ、および変形を網羅的に指定することは意図されない。
【0049】
別段の定めのない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術の当業者により通常理解される通りの同じ意味を有する。本開示の本明細書において使用される専門用語は、特定の態様または実施形態の説明を目的としているに過ぎず、本開示の制限となることは意図されない。
【0050】
本明細書において引用されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、当該参考文献が提示された文および/または段落に関連する教示内容について、それぞれのすべての内容が参照により組み込まれる。本明細書において採用される技術の言及は、当業者に明らかとなる当該技術の変形または同等技術の代用等、当技術分野において通常理解される通りの技術を表すことが意図される。
【0051】
文脈上の別段の指定のない限り、本明細書に記載される本開示のさまざまな特徴が任意の組み合わせで使用され得ることが明確に意図される。さらに、本開示は、そのいくつかの実施形態において、本明細書に示される任意の特徴または特徴の組み合わせが除外または省略され得ることを想定する。
【0052】
本明細書に開示される方法は、当該記載される方法を実現するための1つまたは複数のステップまたは動作を包含および網羅する。これらの方法のステップおよび/または動作は、本開示の範囲から逸脱することなく、互いに入れ替えられるようになっていてもよい。言い換えると、実施形態の適正な動作にステップまたは動作の特定の順序が必要とされない場合、特定のステップおよび/または動作の順序および/または使用は、本開示の範囲から逸脱することなく変更されるようになっていてもよい。
【0053】
本開示の明細書および添付の特許請求の範囲において使用される通り、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上の別段の明確な指定のない限り、複数形も同様に含むことが意図される。
【0054】
本明細書において使用される通り、「および/または(and/or)」は、関連するリスト項目のうちの1つまたは複数の考え得るすべての組み合わせのほか、選択肢(「または(or)」)として解釈される場合の組み合わせの除外を表すとともに網羅する。
【0055】
本明細書において使用される通り、長さ、周波数、または測定値等の測定可能な値を表す場合の用語「およそ(about)」および「約(approximately)」は、規定値の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、あるいは±0.1%の変形を網羅することが意図される。
【0056】
本明細書において使用される通り、「XとYとの間(between X and Y)」および「およそXとYとの間(between about X and Y)」等の表現は、XおよびYを含むように解釈されるものとする。本明細書において使用される通り、「およそXとYとの間(between about X and Y)」等の表現は、「およそXとおよそYとの間」を意味し、「およそX~Y(from about X to Y)」等の表現は、「およそX~およそY」を意味する。
【0057】
本明細書において使用される通り、用語「例示的(exemplary)」は、例、事例、または実例としての役割を果たすことを意味するように使用される。「例示的(exemplary)」として記載される如何なる実施形態も態様も、他の実施形態または態様よりも好適または有利なものとして必ずしも解釈されず、また、当業者に知られる同等の構造および技術を除外することも意図されない。むしろ、例示的(exemplary)という用語の使用は、概念を具体的に提示することが意図され、開示の主題は、このような例によって制限されない。
【0058】
本明細書において使用される通り、用語「患者(patient)」は、人間および動物の両者の対象を含む。
【0059】
本明細書において使用される通り、用語「皮膚(skin)」は、患者の身体の表面を示す。
【0060】
本明細書において使用される通り、用語「組織(tissue)」は、一体的に特定の機能を実行する同じ起源の類似細胞およびそれぞれの細胞外マトリックスの集合体を表す。いくつかの態様において、組織は、角質層から始まり、表皮、真皮、および血管を含む深部組織の一部等の付加的な深部構造を含む患者の身体の複数の層を含む。一態様において、組織は、角質層を含まない。
【0061】
本明細書において使用される通り、用語「創傷(wound)」は、損傷組織または傷害組織を表し、皮膚の表面に見える場合もあるし、見えない場合もある。創傷は、開いた場合もあるし、閉じた場合もある。創傷は、外科手術によって生じる場合がある。創傷は、熱傷であってもよい。一態様において、創傷は、褥瘡である。別の態様において、褥瘡は、皮下である。一態様において、褥瘡は、たとえばマスク、管類、またはストラップ等の医療機器の長期間の使用の結果としての褥瘡である。一態様において、創傷は、糖尿病性足部潰瘍である。一態様において、創傷は、血管性潰瘍である。
【0062】
本明細書において使用される通り、「組織バイオキャパシタンス(tissue biocapacitance)」は、間質腔中に蓄積される液体のレベルの増加に基づいて初期の組織損傷を検出する生物物理学的マーカを表す。理論に囚われることなく、組織中の流体含有量が多いほど、バイオキャパシタンス値は高くなる。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、組織のバイオキャパシタンスを測定するステップを含む。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、皮膚のバイオキャパシタンスを測定するステップを含む。
【0063】
本明細書において使用される通り、用語「時間差(time delta)」は、異なる時間に対象から得られた測定結果に由来する2つの値の間で計算された差を表す。一態様において、2つの値はそれぞれ、略同じ時間に得られた測定結果から計算された平均値である。一態様において、2つの値はそれぞれ、略同じ時間に得られた測定結果から計算された合計値である。一態様において、略同じ時間(およそ10時間以下、およそ8時間以下、およそ6時間以下、およそ5時間以下、およそ4時間以下、およそ3時間以下、およそ2時間以下、またはおよそ1時間以下の差)で2つの測定結果が得られる。
【0064】
本明細書において使用される通り、変数「K」、「L」、「M」、および「N」は、非負整数である。
【0065】
本明細書において使用される通り、用語「生体構造固有(anatomy-specific)」は、特定の音波エコー画像が取得された同じ箇所への臨床的介入の適用を表す。
【0066】
本明細書において使用される通り、「システム(system)」は、互いに有線または無線で連通した機器の一群であってもよい。
【0067】
本明細書において使用される通り、「左右対称(bisymmetric)」は、対称線から略等距離にある一対の箇所を表す。
【0068】
本明細書において使用される通り、用語「音波エコー(sonography)」、「超音波エコー(ultrasonography)」、「超音波スキャナ(ultrasound scanner)」、「超音波デバイス(ultrasound device)」、「超音波イメージャ(ultrasound imager)」、または「スキャナ(scanner)」は、音波を用いて画像を生成する任意の方法または機器を含む。一態様において、超音波スキャナは、2次元の画像を生成可能である。一態様において、超音波スキャナは、3次元の画像を生成可能である。一態様において、超音波スキャナは、パルス状音波を放出するとともに収集する。一態様において、超音波スキャナは、連続音波を放出するとともに収集する。一態様において、超音波スキャナは、可搬式である。一態様において、超音波スキャナは、手持ち式である。一態様において、超音波スキャナは、プローブを備える。一態様において、超音波スキャナは、トランスデューサを備える。一態様において、超音波スキャナは、取得された画像を表示するように構成されたディスプレイを備える。
【0069】
本明細書において使用される通り、用語「音波(sound wave)」は、周波数が20kHz以上の音響波として伝播するエネルギーを意味する。理論に囚われることなく、超音波画像中の特徴の解像度は、超音波デバイスにより放出された音波の波長(または、周波数)によって決まる。一態様において、超音波デバイスは、20kHzよりも高い音波を使用する。一態様において、超音波デバイスは、20kHzよりも高い音波を使用する。一態様において、超音波デバイスは、20MHzよりも高い音波を使用する。一態様において、超音波デバイスは、3GHzよりも高い音波を使用する。
【0070】
本明細書において、音の波長および周波数は、一意に関連付けられるため、特定の波長を有するものとしての音の識別は、その音が特定の周波数を有するものとして識別することと同じ意味である。音の周波数の言及は、同じ音の波長の言及と同等であり、入れ替え可能と考えられる。
【0071】
本明細書において使用される通り、用語「方法(method)」は、一連の動作(たとえば、ステップ)を含む。特定の実施形態においては、ステップが特定の順序で実行される必要がある一方、他の実施形態においては、一連の動作が入れ替えられるようになっていてもよい。「方法(method)」は、「プロセス(process)」と同等であり、入れ替え可能と考えられる。特定の実施形態においては、1つまたは複数の開示ステップが省略される。
【0072】
音波エコー撮像および音波エコー特性の評価のための装置および方法
一態様において、本開示は、患者の無傷の皮膚の下側の組織の音波エコー画像を生成する装置であって、起動された場合に、およそ10MHzの中間周波数で音波を放出するように構成された放出器と、戻り音波の振動を受信し、振動を電気パルスに変換するように構成された受信器と、受信器に結合され、受信器から電気パルスを受信することと、音波が戻る時間の長さを決定することと、戻り音波の強度を決定することと、音波エコー画像を生成することと、を行うように構成されたプロセッサと、を備えた、装置を提供する。一態様において、この装置は、音波エコー画像を受信するとともに、音波エコー画像を提供するように構成されたディスプレイをさらに備える。
【0073】
一態様において、本開示は、患者の無傷の皮膚の下側の組織中の音波エコー特性を評価する方法であって、音波を第1の箇所で患者の皮膚中に放出するステップと、組織から反響した戻り音波の一部を受信するステップと、音波が戻る時間の長さを決定するステップと、戻り音波の強度を決定するステップと、音波エコー画像を生成するステップと、音波エコー画像を取得するステップと、1つまたは複数の音波エコー特性の数および種類を取得するステップと、を含む、方法を提供する。
【0074】
一態様において、1つまたは複数の音波エコー特性は、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される。理論に囚われることなく、褥瘡と関連付けられた深部組織傷害は、音波エコーにより視覚化され得る。たとえば、Aoi他、Plast.Reconstr.Surg.,124(2):540-50(2009)を参照されたい。深部組織傷害は、超音波エコーに特有の4種類の異常兆候(不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域)により特徴付けられる。一態様において、不鮮明層状構造は、ソノグラムにおいて、皮下脂肪層、表層筋膜、深部筋膜、筋層、滑液包、および骨等の明確な層状構造を示さない。一態様において、不鮮明層状構造は、コントラストが低く、解像度が粗いため、ソノグラムにおいて霧がかかったように見えるエリアである。一態様において、低エコー病変は、音波エコーにより視覚化される通り、正常な組織よりも高密度または硬質の身体の組織である。一態様において、低エコー病変は、エコー輝度が低く、ソノグラムにおいて周囲の組織よりも暗く見える。一態様において、筋膜途絶は、ソノグラム上で遮断された高信号線であり、表層筋膜または深部筋膜に対応する。一態様において、不均一低エコー域は、ソノグラムにおいて広がる境界を有する。
【0075】
一態様において、音波エコー・スキャンは、患者の皮膚上の単一の箇所で音波エコー画像を取得することを含む。一態様において、音波エコー・スキャンは、患者の皮膚上の複数の箇所で音波エコー画像を取得することを含む。一態様において、音波エコー・スキャンは、患者の皮膚上の複数の箇所で複数の音波エコー画像を取得することを含む。一態様において、患者を評価することは、1つまたは複数の身体箇所において患者の音波エコー画像を取得することを含む。一態様において、患者を評価することは、音波エコー画像に存在する音波エコー特性の数を決定することを含む。一態様において、患者を評価することは、複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の数を決定することを含む。
【0076】
一態様において、ある箇所における音波エコー特性の平均数は、当該箇所で取得された2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、あるいは11個以上の音波エコー画像から求められる。一態様において、音波エコー特性の数の第1の差分は、中心線に関して2つの左右対称箇所で取得された測定結果に由来する音波エコー特性の数の間の差分により決定される。
【0077】
一態様において、音波エコー特性の数は、本明細書に開示される複数の方法において、特定の箇所または特定の箇所の周囲のごく近くで作成された複数の音波エコー画像により決定されるようになっていてもよい。一態様において、皮膚上の所定のパターンにて複数の音波エコー画像が作成される。一態様において、皮膚上の所定のパターンにて複数の音波エコー画像が作成され、音波エコー特性の数は、パターン内の所定の位置で取得された音波エコー画像により決定される。一態様において、音波エコー特性の数は、取得された複数の音波エコー画像の一部または部分集合により決定される。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の平均数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の最大数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の中位数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の最頻数である。
【0078】
音波エコー特性を用いて創傷発生の発生率を低減する方法
一態様において、本開示は、医療介護施設に入れられた患者の創傷発生の発生率を低減する方法であって、医療介護施設への入所に際して、組織損傷のリスクについて患者を評価するステップと、存在する音波エコー特性の数が第1の閾値以下である場合、レベル0の介入を実施するステップと、存在する音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合、レベルN(Nは1以上の整数)の介入を実施するステップと、を含み、評価するステップが、創傷発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所で患者の音波エコー画像を取得することと、音波エコー画像に存在する組織損傷の音波エコー特性の数を決定することと、を含む、方法を提供する。
【0079】
一態様において、創傷は、褥瘡である。一態様において、褥瘡は、たとえばマスク、管類、またはストラップ等の医療機器の長期間の使用の結果としての褥瘡である。一態様において、創傷は、糖尿病性足部潰瘍である。一態様において、創傷は、血管性潰瘍である。一態様において、創傷は、熱傷である。
【0080】
一態様において、医療介護施設の患者の潰瘍の発生率は、100人中の1人未満、200人中の1人未満、300人中の1人未満、400人中の1人未満、500人中の1人未満、600人中の1人未満、700人中の1人未満、800人中の1人未満、900人中の1人未満、1000人中の1人未満まで低減される。
【0081】
一態様において、医療介護施設は、病院、回復施設、生活補助施設、居宅医療介護施設、老人ホーム、長期医療介護施設、継続医療介護コミュニティ、および独立生活コミュニティから成る群から選択される。一態様において、医療介護施設は、患者の自宅または他の住居であってもよく、その場合、「入所」ステップは、看護師または他の介護士による患者の自宅での第1の評価となる。一態様において、自宅環境において使用される介入および評価間隔のスケジュールは、病院で使用される対応する介入および間隔と異なっていてもよい。
【0082】
一態様において、本明細書に開示される方法は、組織損傷のリスクについて、新たに入れられた患者を評価することを含む。一態様において、患者を評価することは、視覚的評価を実行することを含む。一態様において、視覚的評価は、全米褥瘡諮問委員会(NPUAP)のガイダンスに従って実行される。
【0083】
一態様において、患者を評価することは、リスク評価を実行することを含む。一態様において、リスク評価は、ブレーデン・スケール、ゴスネル・スケール、ノートン・スケール、およびウォーターロー・スケールから成る群から選択されるテストに従って実行される。一態様において、患者を評価することは、表皮下水分、バイオインピーダンス、血液灌流、バイオキャパシタンス、血液酸素化、圧力測定、毛細管圧、磁気共鳴撮像、PET撮像、赤外線撮像、スペクトル撮像、経皮水分損失、ならびに1つもしくは複数の関心解剖学的部位におけるインターロイキン-1アルファの存在の検出から成る群より選択される1つまたは複数の客観的測定を用いて評価を実行することをさらに含む。
【0084】
図7A図7Dは、さまざまな位置における患者の組織傷害リスクの箇所を円で示している。一態様において、圧力傷害の発生リスクがある1つまたは複数の身体箇所は、後頭部、肩、脊椎底部(base of spine)、臀部、踵、足先、肘、耳、腰、大腿、脚、胸郭、および膝から成る群から選択される。一態様において、組織傷害発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0085】
一態様において、新たに入れられた患者は、患者の皮膚の一部の視覚的検査、栄養、運動、身体活動、体力、およびコミュニケーション能力のうちの1つもしくは複数を評価するリスク評価プロトコルの少なくとも一部の完了のうちの1つまたは複数を含む受け入れ評価を受け、患者の皮膚上の1つまたは複数の箇所において、音波エコー画像が取得される。一態様において、音波エコー・スキャンは、患者の皮膚上の単一の「箇所」で複数の音波エコー画像を取得することを含んでいてもよい。一態様において、「箇所」は、当該箇所内の空間的に分離された点で音波エコー画像が作成され得るように、単一の点ではなくエリアと考えられる。たとえば、「踵」の箇所は、踵周辺の内面、外面、および後面のほか、その足の裏面の後部を含む。一態様において、音波エコー・スキャンは、患者の皮膚上の単一の箇所で音波エコー画像を取得することを含む。一態様において、音波エコー・スキャンは、患者の皮膚上の複数の箇所で音波エコー画像を取得することを含む。一態様において、音波エコー・スキャンは、患者の皮膚上の複数の箇所で複数の音波エコー画像を取得することを含む。一態様において、患者を評価することは、音波エコー画像中の音波エコー特性の数を決定することを含む。一態様において、患者を評価することは、複数の音波エコー画像中の音波エコー特性の平均数を決定することを含む。
【0086】
一態様において、評価ステップが完了すると、患者の測定値が異常であるか、すなわち、患者が創傷組織の別の損傷を有するか、または、その発生のリスクがあることを評価のさまざまな要素の結果の組み合わせが示すかについての判定がなされる。評価の各要素は、リスクのレベルに関する個々の基準(たとえば、許容範囲外のリスクを示す閾値を伴うスコアリングシステム)を有していてもよい。一態様において、基準の組み合わせによって、介入のレベルの選択に使用され得る複合パラメータを生成するプロトコルが存在する。
【0087】
一態様において、存在する音波エコー特性の数が第1の閾値以下である場合は、レベル0の介入が実施される。一態様において、存在する音波エコー特性の数が第1の閾値を上回る場合は、レベルNの介入が実施される。一態様において、第1の閾値は、およそ0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。一態様において、閾値は、0.1~8.0(0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5等)の範囲であってもよい。一態様において、閾値は、本明細書において与えられる値に基づいて、係数または倍数によりスケーリングされ得る。閾値は設計により制約されるのではなく、むしろ、当業者が所定の値を選定可能となることが了解される。一態様において、本開示の閾値は、測定が行われている患者の身体の特定の部分、または、年齢、身長、体重、家族歴、民族、および他の身体的特徴もしくは病状等、患者の1つもしくは複数の特性に従って変更される。
【0088】
一態様において、患者が許容範囲のリスク・レベルにあるものと判定された場合は、本明細書において「レベル・ゼロ」または「レベル0」と指定される最低レベルの介入が実施され、レベル0と関連付けられた周波数(または逆に、時間間隔)で少なくとも音波エコー撮像プロトコルを用いて患者が再評価されることになる。一態様において、存在する音波エコー特性の数が閾値以下である場合は、レベル0の介入が実施される。
【0089】
一態様において、第1の閾値を上回る音波エコー特性の数は、褥瘡または組織損傷の発生のリスクがある患者を示す。
【0090】
一態様において、患者が異常な測定値を有するものと判定された場合は、より高いレベルの介入が実施される。一態様において、各レベルがその下のレベルよりも強い介入を実施する介入レベルの階層が規定されている。また、一態様において、各レベルは、一組の音波エコー画像が作成されるべき頻度を示すモニタリング間隔または頻度が規定されており、一般的には高いレベルほど間隔が短くなる。一態様において、プロセスはこの時点で、病院または他の管理組織により、1段階上のレベル1の介入を行うように規定されている。別の態様においては、レベル2以上のレベルの介入が実施され得る。プロセスはここで新たなループに入り、患者がレベルN(Nは1~n(nは介入およびモニタリングの最も高い規定レベル)の範囲)の頻度でモニタリングされることになる。一態様において、音波エコー特性の数が閾値を上回る場合は、レベルNの介入が実施される。一態様において、レベルNの介入は、生体構造固有である。
【0091】
一態様において、初期の一組の音波エコー画像において考え得る損傷を有するものとして識別された身体箇所の音波エコー画像が第1の時間間隔で取得される。一態様において、モニタリング用に選択されたその他すべての身体箇所の音波エコー画像が第1の時間間隔よりも長い第2の時間間隔で取得される。一態様において、第1および第2の時間間隔の値は、患者が割り当てられたリスク・カテゴリによって異なる。たとえば、高リスクの患者は、第1の時間間隔が4時間、第2の時間間隔が1日となる一方、有リスクの患者は、第1の時間間隔が1日、第2の時間間隔が1週間となる。一態様において、時間間隔は、時間に厳密に基づくのではなく、イベントベース(たとえば、担当職員またはシフトの変更ベース)であってもよい。一般的には、モニタリングされる一方で過去の音波エコー撮像セッションにおける音波エコー特性がほとんどない(または、まったくない)身体箇所によりも、音波エコー特性の数が多い身体箇所の方が高頻度にスキャンされる。
【0092】
一態様において、音波エコー画像が取得される間隔は、先行する音波エコー撮像セッションによる音波エコー特性の数によって決定される。たとえば、過去の撮像セッションにおいて音波エコー特性の数が第1の閾値以上であった身体箇所は、第1の時間間隔で音波エコー撮像が実行される一方、ある身体箇所における音波エコー特性の先行数が第1の閾値よりも高い第2の閾値以上であった場合には、第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で音波エコー撮像が実行される。
【0093】
患者をリスク・カテゴリに割り当てる方法
一態様において、本開示は、医療介護施設の患者を複数のリスク・カテゴリから選択される1つのリスク・カテゴリに割り当てる方法であって、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で患者の複数の初期音波エコー画像を取得するステップと、音波エコー特性が複数の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、先行ステップにおける音波エコー特性の有無に部分的に基づいて、患者を複数のリスク・カテゴリから選択される1つのリスク・カテゴリに割り当てるステップと、を含む、方法を提供する。
【0094】
一態様において、患者のリスク・レベルは、音波エコー撮像によって完全に決定される。一態様において、患者のリスク・レベルは、患者の視覚的検査によって完全に決定される。一態様において、患者のリスク・レベルは、リスク評価プロトコルの患者に対する実行によって完全に決定される。一態様において、患者のリスク・レベルは、患者の音波エコー撮像および視覚的検査によって決定される。一態様において、患者のリスク・レベルは、リスク評価プロトコルの患者に対する実行および患者の視覚的検査によって決定される。一態様において、患者のリスク・レベルは、音波エコー撮像およびリスク評価プロトコルの患者に対する実行によって決定される。一態様において、患者のリスク・レベルは、音波エコー撮像、リスク評価プロトコルの患者に対する実行、および患者の視覚的検査によって決定される。一態様において、基準の組み合わせによって、介入のレベルの選択に使用され得る複合パラメータを生成するプロトコルが存在する。
【0095】
一態様において、患者は、複数のリスク・カテゴリから選択される1つのリスク・カテゴリに割り当てられる。一態様において、リスク・カテゴリは、有リスク・カテゴリおよび高リスク・カテゴリを含む。一態様において、リスク・カテゴリは、低リスク・カテゴリおよび高リスク・カテゴリを含む。一態様において、リスク・カテゴリは、低リスク・カテゴリ、有リスク・カテゴリ、および高リスク・カテゴリを含む。一態様において、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10個のリスク・カテゴリが存在する。一態様において、リスク・カテゴリは、対応する医療介護レベルと関連付けられている。一態様において、リスク・カテゴリは、対応する介入レベルと関連付けられている。一態様において、リスク・カテゴリは、後続の音波エコー撮像の対応する頻度と関連付けられている。
【0096】
一態様において、患者は、音波エコー特性の数に基づいて、リスク・カテゴリに割り当てられる。一態様において、患者は、閾値に対する音波エコー特性の数の比較により、リスク・カテゴリに割り当てられる。一態様において、患者は、音波エコー特性の最大数に対する音波エコー特性の数の比較により、リスク・カテゴリに割り当てられる。一態様において、割り当ては、初期の音波エコー撮像スキャン中に見つけられた音波エコー特性の初期最大数のみに基づく。
【0097】
患者を医療介護レベルおよび介入レベルに割り当てる方法
一態様において、本開示は、医療介護レベルに基づいて、医療介護施設の複数人の患者を層別化する方法であって、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で複数人の患者のうちの1人の音波エコー画像を取得するステップと、組織損傷の音波エコー特性が音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、N個の医療介護レベルのうち、存在する音波エコー特性の数および種類に対応する医療介護レベルを決定するステップと、先行ステップに基づいて、医療介護レベルを患者に割り当てるステップと、患者に割り当てた医療介護レベルに基づいて、複数人の患者のうちの上記患者をグループに配置するステップと、を含む、方法を提供する。
【0098】
一態様において、患者は、音波エコー特性の数に基づいて、医療介護レベルに割り当てられる。一態様において、患者は、N個の医療介護レベルのうち、音波エコー特性の数に対応する医療介護レベルに割り当てられる。一態様において、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10個の医療介護レベルが存在する。一態様において、N個の医療介護レベルはそれぞれ、ある範囲の音波エコー特性の数に対応する。一態様において、医療介護レベルは、対応する介入レベルと関連付けられている。一態様において、医療介護レベルは、後続の音波エコー撮像の対応する頻度と関連付けられている。一態様において、複数人の患者がそれぞれの割り当てられた医療介護レベルに従ってグループ化され、配置されている。一態様において、あるグループ内の患者が同じ医療介護レベルに割り当てられるように、複数人の患者がグループ化されている。一態様において、あるグループ内の患者に同じ介入が与えられるように、複数人の患者がグループ化されている。
【0099】
一態様において、本開示は、適当な医療介護レベルを識別して医療介護施設の患者に提供する方法であって、1つまたは複数の身体箇所で患者の複数の音波エコー画像を取得するステップと、組織損傷の音波エコー特性が複数の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、先行ステップにおける音波エコー特性の有無に基づいて、1つまたは複数の生体構造固有の介入を与えるステップと、音波エコー特性の数の増加に基づいて、生体構造固有の介入のレベルを高くするステップと、音波エコー特性の数の減少に基づいて、生体構造固有の介入のレベルを低くするステップと、を含む、方法を提供する。
【0100】
一態様において、患者は、音波エコー特性の数に基づいて、医療介護レベルに割り当てられる。一態様において、患者は、N個の医療介護レベルのうち、音波エコー特性の数に対応する医療介護レベルに割り当てられる。一態様において、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10個の医療介護レベルが存在する。一態様において、N個の医療介護レベルはそれぞれ、ある範囲の音波エコー特性の数に対応する。一態様において、医療介護レベルは、対応する介入レベルと関連付けられている。一態様において、医療介護レベルは、後続の音波エコー撮像の対応する頻度と関連付けられている。
【0101】
一態様において、患者の状態が改善しているかを判定するため、患者の来歴が評価される。たとえば、存在する音波エコー特性の数の減少から明らかなように、患者の状態が改善している場合は、介入レベルが下げられる。一態様において、現在の介入レベルは、音波エコー特性の数が閾値を下回るまで実施され続ける。一態様において、音波エコー特性の数が減少傾向にある場合は、音波エコー特性の数の大きさに基づいて、介入のレベルが下げられるようになっていてもよい。たとえば、音波エコー特性の数の増加から明らかなように、患者の状態が悪化している場合は、介入レベルが上げられる。一態様において、現在の介入レベルは、音波エコー特性の数が閾値を上回るまで実施され続ける。一態様において、音波エコー特性の数が増加傾向にある場合は、音波エコー特性の数の大きさに基づいて、介入のレベルが上げられるようになっていてもよい。
【0102】
一態様において、患者が改善を示していない場合は、皮膚が破壊されていないこと、すなわち、開放創傷が発生していないことを前提として、プロセスが介入レベルの上昇へと分岐する。開放創傷が発生している場合は、炎症または他の創傷拡大の前兆をマッピングするため、開放創傷の周りで音波エコー撮像が行われることになる。開放創傷それ自体は治療され、創傷が閉じるまでその周囲がモニタリングされる。
【0103】
一態様において、生体構造固有の介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。
【0104】
一態様において、特定の身体部位に対する介入または高性能マットレス等の一般的な介入を実施する決定は、音波エコー撮像スキャンにおいて当該部位に見つけられた音波エコー特性の数に基づく。音波エコー特性の数が所定の閾値未満である場合は、介入が必要とされない。音波エコー特性の数が所定の閾値よりも多い場合は、身体箇所および当該身体箇所の音波エコー特性の数にそれぞれ部分的に基づいて、介入が選択・実施される。介入を選択・実施するか否かの所定の閾値は、当該身体箇所に損傷が存在する可能性があるとの判定の閾値より高くてもよいし、低くてもよい。
【0105】
医療介護を管理する方法
一態様において、本開示は、医療介護施設の患者の医療介護を管理する方法であって、医療介護施設への入所に際して、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で患者の複数の第1の音波エコー画像を取得するステップと、音波エコー特性が複数の第1の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、存在する音波エコー特性の数が第1の閾値を上回る場合、介入レベルをN=1に設定するステップと、音波エコー特性の数が第1の閾値を上回って存在する1つまたは複数の身体箇所ごとにレベルNの介入を実施するステップと、レベルNの頻度で1つまたは複数の身体箇所それぞれにおける複数の後続音波エコー画像を取得するステップと、新たな音波エコー特性が複数の後続音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0106】
一態様において、第1の閾値は、およそ0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。一態様において、第1の閾値は、0.1~8.0(0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5等)の範囲であってもよい。一態様において、第1の閾値は、本明細書において与えられる値に基づいて、係数または倍数によりスケーリングされ得る。閾値は設計により制約されるのではなく、むしろ、音波エコー特性の所与の単位に基づいて、当業者が所定の値を選定可能となることが了解される。一態様において、本開示の閾値は、測定が行われている患者の身体の特定の部分、または、年齢、身長、体重、家族歴、民族、および他の身体的特徴もしくは病状等、患者の1つもしくは複数の特性に従って変更される。
【0107】
一態様において、Nの範囲は、1~50(1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~15、1~20、1~25、1~30、1~35、1~40、または1~45等)である。一態様において、Nは、音波エコー特性の数が第1の閾値を超える量によって決定される。一態様において、レベルNの介入は、ある範囲の音波エコー特性の数に対応する。一態様において、レベルNの介入は、対応する生体構造固有の介入と関連付けられている。一態様において、レベルNの介入は、後続の音波エコー撮像の対応する頻度と関連付けられている。一態様において、レベルNの介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。
【0108】
一態様において、患者の医療介護は、医療介護施設からの退院または転院である。一態様において、退院または転院に際しての患者の状態が文書化される。一態様において、退院または転院の前に、患者の身体上の1つまたは複数の箇所における最終的な一組の音波エコー画像が取得される。一態様において、患者の身体上の1つまたは複数の箇所における最終的な一組の音波エコー画像が作成される。一態様において、これらの箇所は、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所である。一態様において、これらの箇所は、介入を受けていなかったエリアおよび過去にリスクとして識別されなかったエリアを含む。一態様において、この情報は、受け入れ側の医療介護者に提供される。
【0109】
組織損傷のリスクがある患者を識別して治療する方法
図7A図7Dは、さまざまな位置における患者の組織傷害リスクの箇所を円で示している。一態様において、第1の複数の音波エコー画像は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される。一態様において、第1の複数の音波エコー画像は、医療機器と長期接触する1つまたは複数の解剖学的部位およびその周囲で取得され、解剖学的部位は、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される。一態様において、第1の複数の音波エコー画像は、測定結果が得られる大略箇所に基づいて、分析のためのサブグループに分離される。一態様において、音波エコー特性の数は、第1の複数の音波エコー画像の部分集合により決定される。一態様において、第1の複数の音波エコー画像は、解剖学的部位を中心とする1つまたは複数の同心円上の箇所で取得される。一態様において、第1の複数の音波エコー画像は、解剖学的部位から略等距離の直線上の箇所で取得される。
【0110】
一態様において、音波エコー特性の数は、本明細書に開示される複数の方法において、特定の箇所または特定の箇所の周囲のごく近くで作成された複数の音波エコー画像により決定されるようになっていてもよい。一態様において、皮膚上の所定のパターンにて複数の音波エコー画像が作成される。一態様において、皮膚上の所定のパターンにて複数の音波エコー画像が作成され、音波エコー特性の数は、パターン内の所定の位置で取得された複数の音波エコー画像により決定される。一態様において、音波エコー特性の数は、取得された複数の音波エコー画像の一部または部分集合により決定される。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の平均数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の最大数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の中位数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の最頻数である。
【0111】
一態様において、Nの範囲は、1~50(1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~15、1~20、1~25、1~30、1~35、1~40、または1~45等)である。
【0112】
一態様において、Nは、音波エコー特性の第1の数が第1の閾値を超える量によって決定される。一態様において、(N+1)に対して定められた閾値が第1の閾値を超える量は、Nに対して定められた閾値が第1の閾値を超える量よりも大きい。一態様において、(N-1)に対して定められた閾値が第1の閾値を超える量は、Nに対して定められた閾値が第1の閾値を超える量よりも小さい。一態様において、(N+1)に対して定められた閾値は、Nに対して定められた閾値よりも大きい。一態様において、Nに対して定められた閾値は、(N-1)に対して定められた閾値よりも大きい。
【0113】
介入レベルの選択
一態様において、閾値を超える音波エコー特性の数が閾値の100%以下(閾値の95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下等)である患者にレベル1(N=1)の介入が適用される。一態様において、測定が行われた箇所にレベル1の介入が適用される。
【0114】
一態様において、閾値を超える音波エコー特性の数が閾値の150%以下(閾値の145%以下、140%以下、135%以下、130%以下、125%以下、120%以下、115%以下、110%以下、100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下等)である患者にレベル2(N=2)の介入が適用される。一態様において、測定が行われた箇所にレベル2の介入が適用される。
【0115】
一態様において、閾値を超える音波エコー特性の数が閾値の200%以下(閾値の195%以下、190%以下、185%以下、180%以下、175%以下、170%以下、165%以下、160%以下、155%以下、150%以下、145%以下、140%以下、135%以下、130%以下、125%以下、120%以下、115%以下、110%以下、100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下等)である患者にレベル3(N=3)の介入が適用される。一態様において、測定が行われた箇所にレベル3の介入が適用される。
【0116】
一態様において、閾値を超える音波エコー特性の数が閾値の250%以下(閾値の245%以下、240%以下、235%以下、230%以下、225%以下、220%以下、215%以下、210%以下、205%以下、200%以下、195%以下、190%以下、185%以下、180%以下、175%以下、170%以下、165%以下、160%以下、155%以下、150%以下、145%以下、140%以下、135%以下、130%以下、125%以下、120%以下、115%以下、110%以下、100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下等)である患者にレベル4(N=4)の介入が適用される。一態様において、測定が行われた箇所にレベル4の介入が適用される。
【0117】
一態様において、閾値を超える音波エコー特性の数が閾値の300%以下(閾値の295%以下、290%以下、285%以下、280%以下、275%以下、270%以下、265%以下、260%以下、255%以下、250%以下、245%以下、240%以下、235%以下、230%以下、225%以下、220%以下、215%以下、210%以下、205%以下、200%以下、195%以下、190%以下、185%以下、180%以下、175%以下、170%以下、165%以下、160%以下、155%以下、150%以下、145%以下、140%以下、135%以下、130%以下、125%以下、120%以下、115%以下、110%以下、100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下等)である患者にレベル5(N=5)の介入が適用される。一態様において、測定が行われた箇所にレベル5の介入が適用される。
【0118】
一態様において、閾値を超える音波エコー特性の数が閾値の350%以下(閾値の345%以下、340%以下、335%以下、330%以下、325%以下、320%以下、315%以下、310%以下、305%以下、300%以下、295%以下、290%以下、285%以下、280%以下、275%以下、270%以下、265%以下、260%以下、255%以下、250%以下、245%以下、240%以下、235%以下、230%以下、225%以下、220%以下、215%以下、210%以下、205%以下、200%以下、195%以下、190%以下、185%以下、180%以下、175%以下、170%以下、165%以下、160%以下、155%以下、150%以下、145%以下、140%以下、135%以下、130%以下、125%以下、120%以下、115%以下、110%以下、100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下等)である患者にレベル6(N=6)の介入が適用される。一態様において、測定が行われた箇所にレベル6の介入が適用される。
【0119】
一態様において、閾値を超える音波エコー特性の数が閾値の400%以下(閾値の395%以下、390%以下、385%以下、380%以下、375%以下、370%以下、365%以下、360%以下、355%以下、350%以下、345%以下、340%以下、335%以下、330%以下、325%以下、320%以下、315%以下、310%以下、305%以下、300%以下、295%以下、290%以下、285%以下、280%以下、275%以下、270%以下、265%以下、260%以下、255%以下、250%以下、245%以下、240%以下、235%以下、230%以下、225%以下、220%以下、215%以下、210%以下、205%以下、200%以下、195%以下、190%以下、185%以下、180%以下、175%以下、170%以下、165%以下、160%以下、155%以下、150%以下、145%以下、140%以下、135%以下、130%以下、125%以下、120%以下、115%以下、110%以下、100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下等)である患者にレベル7(N=7)の介入が適用される。一態様において、測定が行われた箇所にレベル7の介入が適用される。
【0120】
一態様において、閾値を超える音波エコー特性の数が閾値の450%以下(閾値の445%以下、440%以下、435%以下、430%以下、425%以下、420%以下、415%以下、410%以下、405%以下、400%以下、395%以下、390%以下、385%以下、380%以下、375%以下、370%以下、365%以下、360%以下、355%以下、350%以下、345%以下、340%以下、335%以下、330%以下、325%以下、320%以下、315%以下、310%以下、305%以下、300%以下、295%以下、290%以下、285%以下、280%以下、275%以下、270%以下、265%以下、260%以下、255%以下、250%以下、245%以下、240%以下、235%以下、230%以下、225%以下、220%以下、215%以下、210%以下、205%以下、200%以下、195%以下、190%以下、185%以下、180%以下、175%以下、170%以下、165%以下、160%以下、155%以下、150%以下、145%以下、140%以下、135%以下、130%以下、125%以下、120%以下、115%以下、110%以下、100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下等)である患者にレベル8(N=8)の介入が適用される。一態様において、測定が行われた箇所にレベル8の介入が適用される。
【0121】
一態様において、閾値を超える音波エコー特性の数が閾値の500%以下(閾値の495%以下、490%以下、485%以下、480%以下、475%以下、470%以下、465%以下、460%以下、455%以下、450%以下、445%以下、440%以下、435%以下、430%以下、425%以下、420%以下、415%以下、410%以下、405%以下、400%以下、395%以下、390%以下、385%以下、380%以下、375%以下、370%以下、365%以下、360%以下、355%以下、350%以下、345%以下、340%以下、335%以下、330%以下、325%以下、320%以下、315%以下、310%以下、305%以下、300%以下、295%以下、290%以下、285%以下、280%以下、275%以下、270%以下、265%以下、260%以下、255%以下、250%以下、245%以下、240%以下、235%以下、230%以下、225%以下、220%以下、215%以下、210%以下、205%以下、200%以下、195%以下、190%以下、185%以下、180%以下、175%以下、170%以下、165%以下、160%以下、155%以下、150%以下、145%以下、140%以下、135%以下、130%以下、125%以下、120%以下、115%以下、110%以下、100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下等)である患者にレベル9(N=9)の介入が適用される。一態様において、測定が行われた箇所にレベル9の介入が適用される。
【0122】
一態様において、閾値を超える音波エコー特性の数が閾値の550%以下(閾値の545%以下、540%以下、535%以下、530%以下、525%以下、520%以下、515%以下、510%以下、505%以下、500%以下、495%以下、490%以下、485%以下、480%以下、475%以下、470%以下、465%以下、460%以下、455%以下、450%以下、445%以下、440%以下、435%以下、430%以下、425%以下、420%以下、415%以下、410%以下、405%以下、400%以下、395%以下、390%以下、385%以下、380%以下、375%以下、370%以下、365%以下、360%以下、355%以下、350%以下、345%以下、340%以下、335%以下、330%以下、325%以下、320%以下、315%以下、310%以下、305%以下、300%以下、295%以下、290%以下、285%以下、280%以下、275%以下、270%以下、265%以下、260%以下、255%以下、250%以下、245%以下、240%以下、235%以下、230%以下、225%以下、220%以下、215%以下、210%以下、205%以下、200%以下、195%以下、190%以下、185%以下、180%以下、175%以下、170%以下、165%以下、160%以下、155%以下、150%以下、145%以下、140%以下、135%以下、130%以下、125%以下、120%以下、115%以下、110%以下、100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下等)である患者にレベル10(N=10)の介入が適用される。一態様において、測定が行われた箇所にレベル10の介入が適用される。
【0123】
一態様において、レベルNの介入は、レベル0の介入よりも強い。一態様において、レベル(N+1)の介入は、レベルNの介入よりも強い。一態様において、レベル(N-1)の介入は、レベルNの介入よりも弱い。
【0124】
組織損傷のリスクがある患者を識別して治療する方法(後続の撮像)
一態様において、本開示は、実施した介入レベルに対応する第1の所定の頻度で患者の第2の複数の音波エコー画像を取得するステップと、第2の複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第2の数を決定するステップと、音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超えるかを判定するステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超えない場合、第1の介入を実施し続けるステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超えない場合、第1の所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超える場合、レベルM(MはNより大きな整数)の第2の介入を実施するステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超える場合、レベルMに対応する所定の頻度で第3の複数の音波エコー画像を取得するステップと、をさらに提供および包含する。
【0125】
一態様において、所定の頻度は、少なくとも72時間ごとに1回、少なくとも48時間ごとに1回、少なくとも24時間ごとに1回、少なくとも12時間ごとに1回、少なくとも8時間ごとに1回、少なくとも6時間ごとに1回、少なくとも4時間ごとに1回、少なくとも3時間ごとに1回、少なくとも2時間ごとに1回、少なくとも1時間ごとに1回、および少なくとも半時間ごとに1回から成る群から選択される。
【0126】
一態様において、第2の複数の音波エコー画像は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される。一態様において、第2の複数の音波エコー画像は、医療機器と長期接触する1つまたは複数の解剖学的部位およびその周囲で取得され、解剖学的部位は、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される。一態様において、第2の複数の音波エコー画像は、測定結果が得られる大略箇所に基づいて、分析のためのサブグループに分離される。一態様において、音波エコー特性の第2の数は、第2の複数の音波エコー画像の部分集合により決定される。一態様において、第2の複数の音波エコー画像は、解剖学的部位を中心とする1つまたは複数の同心円上の箇所で取得される。一態様において、第2の複数の音波エコー画像は、解剖学的部位から略等距離の直線上の箇所で取得される。
【0127】
一態様において、音波エコー特性の第2の数は、本明細書に開示される複数の方法において、特定の箇所または特定の箇所の周囲のごく近くで作成された第2の複数の音波エコー画像により決定されるようになっていてもよい。一態様において、皮膚上の所定のパターンにて第2の複数の音波エコー画像が作成される。一態様において、皮膚上の所定のパターンにて第2の複数の音波エコー画像が作成され、音波エコー特性の第2の数は、パターン内の所定の位置で決定される。一態様において、音波エコー特性の第2の数は、取得された第2の複数の音波エコー画像の一部または部分集合により決定される。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の第2の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の平均数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の第2の数は、当該箇所において取得された第2の複数の画像における音波エコー特性の最大数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の第2の数は、当該箇所において取得された第2の複数の画像における音波エコー特性の中位数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の第2の数は、当該箇所において取得された第2の複数の画像における音波エコー特性の最頻数である。
【0128】
一態様において、第1の複数の音波エコー画像が取得されたのと同じ箇所で第2の複数の音波エコー画像が作成される。一態様において、第1の複数の音波エコー画像が取得されたのと同じ箇所のうちの一部で第2の複数の音波エコー画像が作成される。一態様において、第1の複数の音波エコー画像が取得された箇所の近くで第2の複数の音波エコー画像が作成される。一態様において、第1の複数の音波エコー画像が取得されたのと異なる箇所で第2の複数の音波エコー画像が作成される。
【0129】
一態様において、第2の閾値は、およそ0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。一態様において、第2の閾値は、0.1~8.0(0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5等)の範囲であってもよい。一態様において、第2の閾値は、本明細書において与えられる値に基づいて、係数または倍数によりスケーリングされ得る。一態様において、第2の閾値としては、第1の閾値と同じものが可能である。一態様において、第2の閾値としては、第1の閾値より大きなものが可能である。一態様において、第2の閾値としては、第1の閾値より小さなものが可能である。
【0130】
一態様において、音波エコー特性の第2の数としては、第2の閾値の0.1~99.5%(第2の閾値の0.1~1%、0.1~5%、1~5%、5~15%、10~20%、15~25%、20~30%、25~35%、30~40%、35~45%、40~50%、0.1~25%、15~35%、25~50%、25~75%、45~55%、50~60%、55~65%、60~70%、65~75%、40~55%、50~75%、50~99.5%、70~80%、75%~85%、80~90%、85~95%、90~99.5%、65~85%、または75~99.5%等)が可能である。
【0131】
一態様において、Mの範囲は、2~50(2~3、2~4、2~5、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、2~15、2~20、2~25、2~30、2~35、2~40、または2~45等)である。
【0132】
一態様において、Mは、音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超える量によって決定される。一態様において、(M+1)に対して定められた閾値が第2の閾値を超える量は、Nに対して定められた閾値が第2の閾値を超える量よりも大きい。一態様において、(M-1)に対して定められた閾値が第2の閾値を超える量は、Mに対して定められた閾値が第2の閾値を超える量よりも小さい。一態様において、(M+1)に対して定められた閾値は、Mに対して定められた閾値よりも大きい。一態様において、Mに対して定められた閾値は、(M-1)に対して定められた閾値よりも大きい。
【0133】
一態様において、本開示の上記「介入レベルの選択」のNをMで置き換えたものに従って、レベルMの介入が選定される。
【0134】
一態様において、本開示は、存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以下であるかを判定するステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以上である場合、第1の介入を実施し続けるステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以上である場合、第1の所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値未満であり、第1の介入がレベル0でない場合、レベルL(LはNより小さい整数)の第3の介入を実施するステップと、存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値未満である場合、レベルLに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、をさらに提供および包含する。
【0135】
一態様において、Lの範囲は、0~50(0~3、0~4、0~5、0~6、0~7、0~8、0~9、0~10、0~15、0~20、0~25、0~30、0~35、0~40、または0~45等)である。
【0136】
一態様において、Lは、音波エコー特性の数が第3の閾値を下回る量によって決定される。一態様において、(L-1)に対して定められた閾値が第3の閾値を下回る量は、Lに対して定められた閾値が第3の閾値を下回る量よりも大きい。一態様において、(L+1)に対して定められた閾値が第3の閾値を下回る量は、Lに対して定められた閾値が第3の閾値を下回る量よりも小さい。一態様において、(L+1)に対して定められた閾値は、Lに対して定められた閾値よりも大きい。一態様において、Lに対して定められた閾値は、(L-1)に対して定められた閾値よりも大きい。
【0137】
一態様において、第3の閾値は、およそ0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。一態様において、第3の閾値は、0.1~8.0(0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5等)の範囲であってもよい。一態様において、第3の閾値は、本明細書において与えられる値に基づいて、係数または倍数によりスケーリングされ得る。一態様において、第3の閾値としては、第2の閾値に等しいものが可能である。一態様において、第3の閾値としては、第2の閾値より大きなものが可能である。一態様において、第3の閾値としては、第2の閾値より小さなものが可能である。一態様において、第3の閾値としては、第1の閾値と同じものが可能である。一態様において、第3の閾値は、第1の閾値に等しい。一態様において、第3の閾値としては、第1の閾値より大きなものが可能である。一態様において、第3の閾値としては、第1の閾値より小さなものが可能である。
【0138】
一態様において、音波エコー特性の第2の数としては、第3の閾値の0.1~99.5%(第3の閾値の0.1~1%、0.1~5%、1~5%、5~15%、10~20%、15~25%、20~30%、25~35%、30~40%、35~45%、40~50%、0.1~25%、15~35%、25~50%、25~75%、45~55%、50~60%、55~65%、60~70%、65~75%、40~55%、50~75%、50~99.5%、70~80%、75%~85%、80~90%、85~95%、90~99.5%、65~85%、または75~99.5%等)が可能である。
【0139】
一態様において、本開示の上記「介入レベルの選択」のNをLで置き換えたものに従って、レベルLの介入が選定される。
【0140】
一態様において、レベルNの介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。一態様において、レベルMの介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。一態様において、レベルLの介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。
【0141】
皮膚および組織損傷の進行を遅らせる方法
一態様において、本開示は、必要とする患者の皮膚および組織損傷の進行を遅らせる方法であって、患者の複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第1の数を決定するステップと、音波エコー特性の第1の数が第1の閾値以下である場合、現在のレベルKの介入を実施し続けるステップと、音波エコー特性の第1の数が第1の閾値以下である場合、レベルKに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合、新たなレベルN(NはKより大きな値)の介入を実施するステップと、音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合、レベルNに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0142】
一態様において、必要とする患者は、医療介護の変化、移動の変化、栄養の変化、感覚の変化、またはそれらの組み合わせを経験する患者である。一態様において、必要とする患者は、開放創傷が発生した患者である。一態様において、必要とする患者は、開放創傷が回復した患者である。一態様において、必要とする患者は、手術を受ける患者である。一態様において、必要とする患者は、手術から回復した患者である。一態様において、必要とする患者は、手術中に脊髄鎮痛剤または仙骨鎮痛剤を受ける患者である。一態様において、必要とする患者は、4時間以上(5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、11時間以上、または12時間以上等)の継続時間にわたって手術を受ける患者である。一態様において、手術の継続時間は、1時間以上(2時間以上または3時間以上等)である。
【0143】
一態様において、複数の音波エコー画像は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される。一態様において、複数の音波エコー画像は、医療機器と長期接触する1つまたは複数の解剖学的部位およびその周囲で取得され、解剖学的部位は、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される。一態様において、複数の音波エコー画像は、測定結果が得られる大略箇所に基づいて、分析のためのサブグループに分離される。一態様において、音波エコー特性の第1の数は、複数の音波エコー画像の部分集合により決定される。一態様において、複数の音波エコー画像は、解剖学的部位を中心とする1つまたは複数の同心円上の箇所で取得される。一態様において、複数の音波エコー画像は、解剖学的部位から略等距離の直線上の箇所で取得される。
【0144】
一態様において、音波エコー特性の第1の数は、複数の方法において、特定の箇所または特定の箇所の周囲のごく近くで作成された複数の音波エコー画像により決定されるようになっていてもよい。一態様において、皮膚上の所定のパターンにて複数の音波エコー画像が作成される。一態様において、皮膚上の所定のパターンにて複数の音波エコー画像が作成され、音波エコー特性の第1の数は、パターン内の所定の位置で決定される。一態様において、音波エコー特性の第1の数は、取得された複数の音波エコー画像の一部または部分集合により決定される。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の第1の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の平均数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の第1の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の最大数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の第1の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の中位数である。一態様において、ある箇所における音波エコー特性の第1の数は、当該箇所において取得された複数の画像における音波エコー特性の最頻数である。
【0145】
一態様において、第1の閾値は、およそ0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。一態様において、第1の閾値は、0.1~8.0(0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5等)の範囲であってもよい。一態様において、第1の閾値は、本明細書において与えられる値に基づいて、係数または倍数によりスケーリングされ得る。
【0146】
一態様において、Kの範囲は、2~50(2~3、2~4、2~5、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、2~15、2~20、2~25、2~30、2~35、2~40、または2~45等)である。
【0147】
一態様において、Kは、音波エコー特性の数が閾値を超える量によって決定される。一態様において、音波エコー特性の数が(K+1)に対して定められた閾値を超える量は、音波エコー特性の数がKに対して定められた閾値を超える量よりも大きい。一態様において、音波エコー特性の数が(K-1)に対して定められた閾値を超える量は、音波エコー特性の数がKに対して定められた閾値を超える量よりも小さい。
【0148】
一態様において、本開示の上記「介入レベルの選択」のNをKで置き換えたものに従って、レベルKの介入が選定される。
【0149】
一態様において、本開示は、存在する音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満であるかを判定するステップと、音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満である場合、レベルL(LはKより小さい非負値)の介入を実施するステップと、音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満である場合、レベルLに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、をさらに提供および包含する。
【0150】
一態様において、第2の閾値は、第1の閾値に等しい。一態様において、第2の閾値は、およそ0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。一態様において、第2の閾値は、0.1~8.0(0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5等)の範囲であってもよい。一態様において、第2の閾値は、本明細書において与えられる値に基づいて、係数または倍数によりスケーリングされ得る。一態様において、第2の閾値は、第1の閾値に等しい。一態様において、第2の閾値としては、第1の閾値より大きなものが可能である。一態様において、第2の閾値としては、第1の閾値より小さなものが可能である。
【0151】
一態様において、Lとしては、K-1、K-2、K-3、K-4、K-5、K-6、K-7、K-8、K-9、またはK-10が可能である。一態様において、音波エコー特性の数が第2の閾値の90~99.5%(第2の閾値の90~95%、91~96%、92~97%、93~98%、94~99%、または95~99.5%等)である場合は、LがK-1であるが、K-1が0未満の場合は除く(この場合、Lは0となる)。一態様において、音波エコー特性の数が第2の閾値の80~89.9%(第2の閾値の80~85%、81~86%、82~87%、83~88%、84~89%、または85~89.9%等)である場合は、LがK-2であるが、K-2が0未満の場合は除く(この場合、Lは0となる)。一態様において、音波エコー特性の数が第2の閾値の70~79.9%(第2の閾値の70~75%、71~76%、72~77%、73~78%、74~79%、または75~79.9%等)である場合は、LがK-3であるが、K-3が0未満の場合は除く(この場合、Lは0となる)。一態様において、音波エコー特性の数が第2の閾値の60~69.9%(第2の閾値の60~65%、61~66%、62~67%、63~68%、64~69%、または65~69.9%等)である場合は、LがK-4であるが、K-4が0未満の場合は除く(この場合、Lは0となる)。一態様において、音波エコー特性の数が第2の閾値の50~59.9%(第2の閾値の50~55%、51~56%、52~57%、53~58%、54~59%、または55~59.9%等)である場合は、LがK-5であるが、K-5が0未満の場合は除く(この場合、Lは0となる)。一態様において、音波エコー特性の数が第2の閾値の40~49.9%(第2の閾値の40~45%、41~46%、42~47%、43~48%、44~49%、または45~49.9%等)である場合は、LがK-6であるが、K-6が0未満の場合は除く(この場合、Lは0となる)。一態様において、音波エコー特性の数が第2の閾値の30~39.9%(第2の閾値の30~35%、31~36%、32~37%、33~38%、34~39%、または35~39.9%等)である場合は、LがK-7であるが、K-7が0未満の場合は除く(この場合、Lは0となる)。一態様において、音波エコー特性の数が第2の閾値の20~29.9%(第2の閾値の20~25%、21~26%、22~27%、23~28%、24~29%、または25~29.9%等)である場合は、LがK-8であるが、K-8が0未満の場合は除く(この場合、Lは0となる)。一態様において、音波エコー特性の数が第2の閾値の10~19.9%(第2の閾値の10~15%、11~16%、12~17%、13~18%、14~19%、または15~19.9%等)である場合は、LがK-9であるが、K-9が0未満の場合は除く(この場合、Lは0となる)。一態様において、音波エコー特性の数が第2の閾値の0.1~9.9%(第2の閾値の0.1~5%、1~6%、2~7%、3~8%、4~9%、または5~9.9%等)である場合は、LがK-10であるが、K-10が0未満の場合は除く(この場合、Lは0となる)。
【0152】
褥瘡に対する介入を必要とする患者を識別して治療する方法
一態様において、本開示は、介入を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の解剖学的部位で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、介入を解剖学的部位に実施するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0153】
一態様において、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0154】
一態様において、褥瘡に対する介入は、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される。
【0155】
一態様において、本開示は、患者の踵へのバリア・クリームの塗布を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の踵で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、バリア・クリームを踵に塗布するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、音波エコー特性の数が閾値を超える場合は、少なくとも1時間に1回または少なくとも半時間に1回、複数の音波エコー画像が作成される。
【0156】
一態様において、本開示は、患者の踵への神経筋刺激の適用を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の踵で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、神経筋刺激を踵に適用するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、1時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、音波エコー特性の数が閾値を超える場合は、少なくとも1時間に1回または少なくとも半時間に1回、複数の音波エコー画像が作成される。
【0157】
一態様において、本開示は、患者の踵への外用クリームの塗布を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の踵で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、外用クリームを踵に塗布するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、半時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0158】
一態様において、本開示は、患者の踵へのヒール・ブーツの適用を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の踵で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、ヒール・ブーツを踵に適用するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、10時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0159】
一態様において、本開示は、患者の仙骨へのバリア・クリームの塗布を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の仙骨で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、バリア・クリームを仙骨に塗布するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、6時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、音波エコー特性の数が閾値を超える場合は、少なくとも4時間に1回、少なくとも3時間に1回、少なくとも2時間に1回、少なくとも1時間に1回、または少なくとも半時間に1回、複数の音波エコー画像が作成される。
【0160】
一態様において、本開示は、患者の仙骨への神経筋刺激の適用を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の仙骨で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、神経筋刺激を仙骨に適用するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、4時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、音波エコー特性の数が閾値を超える場合は、少なくとも3時間に1回、少なくとも2時間に1回、少なくとも1時間に1回、または少なくとも半時間に1回、複数の音波エコー画像が作成される。
【0161】
一態様において、本開示は、患者の仙骨への外用クリームの塗布を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の仙骨で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、外用クリームを仙骨に塗布するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、音波エコー特性の数が閾値を超える場合は、少なくとも1時間に1回または少なくとも半時間に1回、複数の音波エコー画像が作成される。
【0162】
一態様において、本開示は、超音波療法の適用を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の解剖学的部位で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、超音波療法を解剖学的部位に実施するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0163】
一態様において、本開示は、衝撃波療法の適用を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の解剖学的部位で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、衝撃波療法を解剖学的部位に実施するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。一態様において、衝撃波療法は、電磁パルスまたは加圧空気により提供される。
【0164】
一態様において、本開示は、30度ウェッジの適用を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の解剖学的部位で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、30度ウェッジを解剖学的部位に実施するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0165】
一態様において、本開示は、複合ドレッシングの適用を必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の解剖学的部位で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、複合ドレッシングを解剖学的部位に実施するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0166】
一態様において、本開示は、ハイブリッド・マットレスを必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の解剖学的部位で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、ハイブリッド・マットレスを解剖学的部位に適用するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0167】
一態様において、本開示は、ダイナミック・マットレスを必要とする患者を識別して治療する方法であって、患者の解剖学的部位で複数の音波エコー画像を取得するステップと、複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、ダイナミック・マットレスを解剖学的部位に適用するステップと、音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法を提供および包含する。一態様において、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される。
【0168】
一態様において、本開示は、必要とする寝たきり患者を識別して移動させる方法であって、加速度計およびジャイロ・センサを備えた移動センサを用意するステップと、患者の移動の頻度および範囲をモニタリングするステップと、移動センサが指定の期間にわたって1/4回転以上の動きを検知しない場合に警報を与えるステップと、警報により患者を移動させるステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0169】
一態様において、本開示は、視覚的評価および音波エコー画像の組み合わせにより損傷を受けているものとして識別された患者の解剖学的部位に生体構造固有の介入を与えるステップをさらに提供および包含する。一態様において、生体構造固有の介入は、足先、踵、仙骨、脊椎、肘、肩甲骨、後頭部、および座骨結節から成る群から選択される創傷発生の一般的部位に与えられる。一態様において、生体構造固有の介入は、足先、踵、仙骨、脊椎、肘、肩甲骨、後頭部、および座骨結節から成る群から選択される創傷発生の第2の一般的部位にも同時に与えられる。一態様において、生体構造固有の介入を受ける第1の部位は、第2の部位における創傷の発生の原因となることが知られている。
【0170】
左右対称の音波エコー画像の比較による損傷組織の識別
一態様において、本開示は、損傷組織を識別する方法であって、患者の皮膚上の第1の箇所から第1の音波エコー画像を取得するステップと、第1の箇所に対して左右対称の第2の箇所から第2の音波エコー画像を取得するステップと、第1の音波エコー画像および第2の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、第1の音波エコー画像および第2の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、第1の音波エコー画像と第2の音波エコー画像との間の音波エコー特性の数の差分を決定するステップと、第1の音波エコー画像と第2の音波エコー画像との間の音波エコー特性の数の差分が閾値を超える場合、第1の箇所または第2の箇所に組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0171】
図4Aは、患者410の背中の仙骨領域を示している。背中の中心に対称線412が引かれることにより、背中を左右の鏡像に分割可能である。箇所414は、対称線412から略同じ距離かつ略同じ高さにあるため、患者410の背中の左右対称箇所であると考えられる。
【0172】
図4Bは、患者410がベッド(図示せず)の上に仰向けに横たわり、観察者がベッドの足元に立っている場合に見られる患者410の左足420Lおよび右足420Rを示している。足420Lおよび420Rの裏面422Lおよび422Rに関して、箇所424Lおよび424Rは、略同等の箇所(たとえば、後面すなわち踵から同じ距離かつ各足420Lまたは420Rの内側から同じ距離)にあり、左右対称の箇所と考えられる。
【0173】
図4Cは、足420Lおよび420Rの側面に位置付けられた追加の例示的な左右対称箇所432Lおよび432Rと、足420Lおよび420Rの各裏面422Lおよび422Rに位置付けられた左右対称箇所434Lおよび434Rと、を示している。一態様において、箇所432Rおよび430Rは、足420Lを参照せずに単独で考えられる場合、足420Rに関して左右対称と考えられる。
【0174】
特定の理論に限定されることなく、左右対称箇所で取得された音波エコー画像の比較は、特定の患者の測定値の患者母集団からのオフセットを補償可能である。たとえば、測定が行われている特定の日に患者が脱水状態となっている場合がある。脱水状態における同じ患者の健常組織の音波エコー特性の数の比較は、患者が十分な吸水状態にある場合の同じ箇所での同じ組織の音波エコー特性の数からずれている場合がある。ある箇所の組織が健常である一方、左右対称箇所の組織が損傷を受けている場合、左右対称箇所で取得された測定値の比較では、両箇所における脱水の変動の「共通モード」効果を除外して、一方の箇所で組織が損傷を受けていることをより確実に示すことになる。
【0175】
複数の箇所での測定(たとえば、第1の箇所での第1の測定および第1の箇所に対して左右対称の第2の箇所での第2の測定)には、図6に示されるような音波エコー撮像装置600が用いられるようになっていてもよい。一態様において、装置600は、非一過性コンピュータ可読媒体に格納された命令によって、複数の箇所で取得された測定結果または測定結果と関連付けられたパラメータもしくは測定結果に由来するパラメータの特性(たとえば、複数の測定結果により決定された音波エコー特性の数の差分のうちの1つまたは複数)を決定するように構成され得るプロセッサを備える。一態様において、装置600は、測定結果と関連付けられた1つまたは複数のパラメータ(たとえば、2つの左右対称箇所で取得された音波エコー撮像により決定された音波エコー特性の数の差分)を表示するように構成されたディスプレイを備える。
【0176】
一態様において、音波エコー特性の数が決定され、所定の閾値を超える数は、対応する音波エコー画像が取得された箇所のうちの1つにおける組織損傷を示す。一態様において、各左右対称箇所で取得された音波エコー特性の数が決定・比較される。一態様において、各左右対称箇所で取得された音波エコー特性の数の中央値または最頻値が決定・比較される。一態様において、損傷は、音波エコー特性のより大きな数と関連付けられた箇所となることが示される。一態様において、損傷は、音波エコー特性のより小さな数と関連付けられた箇所となることが示される。一態様において、組織損傷が存在するかの判定には、1つもしくは複数の所定の範囲もしくは閾値に対する音波エコー特性の個々の数の比較ならびに1つもしくは複数の所定の範囲もしくは閾値に対する差分の比較のうちの1つまたは複数を含む。一態様において、所定の範囲は、0.1~8.0(0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5等)であってもよい。一態様において、所定の範囲は、0.1~4.0(0.5~4.0、0.1~3.5、1.0~3.5、1.5~4.0、1.5~3.5、2.0~4.0、2.5~3.5、2.0~3.0、2.0~2.5、または2.5~3.0等)であってもよい。一態様において、所定の範囲は、4.1~8.0(4.5~8.0、4.1~7.5、5.0~7.5、5.5~7.0、5.5~7.5、6.0~8.0、6.5~7.5、6.0~7.0、6.0~6.5、または6.5~7.0等)であってもよい。一態様において、所定の閾値は、およそ0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。一態様において、所定の閾値は、0.1~8.0(0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5等)の範囲であってもよい。一態様において、所定の範囲または閾値は、本明細書において与えられる値に基づいて、係数または倍数によりスケーリングされ得る。所定の値は設計により制約されるのではなく、むしろ、当業者が所定の値を選定可能となることが了解される。一態様において、本開示の範囲および閾値は、特定の左右対称箇所、測定が行われている患者の身体の部分、または年齢、身長、体重、家族歴、民族、および他の身体的特徴もしくは病状等、患者の1つもしくは複数の特性に従って変更される。
【0177】
身体の1つまたは複数の領域が規定されるようになっていてもよい。一態様において、ある領域内で行われた測定は、互いに比較可能と考えられる。内部の任意の点で測定結果が取得され得る身体の皮膚上のエリアとして領域が規定されるようになっていてもよい。一態様において、領域は、解剖学的領域(たとえば、踵、足首、腰)に対応する。一態様において、測定結果がそこでしか取得されない解剖学的特徴に対する2つ以上の特定の点の集合として領域が規定されるようになっていてもよい。一態様において、領域には、身体上の複数の不連続領域を含んでいてもよい。一態様において、一組の特定の箇所には、複数の不連続エリア中の点を含んでいてもよい。
【0178】
一態様において、領域が表面積により規定される。一態様において、領域は、たとえば5~200cm、5~100cm、5~50cm、10~50cm、10~25cm、または5~25cmであってもよい。
【0179】
一態様において、特定のパターンまたはその一部において、測定が行われるようになっていてもよい。一態様において、測定値のパターンは、関心対象エリアを中心としたパターンにて構成される。一態様において、サイズが大小いずれかに変化する1つもしくは複数の円形パターン、T字状パターン、一組の特定の箇所、または組織もしくは領域のランダム横断にて測定が行われる。一態様において、解剖学的特徴に対してパターンの第1の測定箇所を規定し、パターンのその他の測定箇所を第1の測定位置からのオフセットとして定義することにより、パターンが身体上に位置付けられるようになっていてもよい。
【0180】
一態様において、本開示の音波エコー測定機器は、受信器それぞれと同じ平面上で受信器を囲むことにより当該装置を皮膚表面と完全に接触させる複数の接触センサをさらに備えていてもよい。複数の接触センサは、複数の圧力センサ、複数の光センサ、複数の温度センサ、複数のpHセンサ、複数の発汗センサ、複数の超音波センサ、複数の骨成長促進センサ、またはこれらの複数の組み合わせであってもよい。一態様において、複数の接触センサは、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10個以上の接触センサを含んでいてもよい。
【0181】
図5Aおよび図5Bは、本開示に係る、既知の相対箇所における測定結果と関連付けられた音波エコー特性の数の比較によって左右対称箇所を識別可能な方法の一例を示している。本例においては、右足の接触エリア502R(たとえば、図4Cの420R)を横切り、図5Aにおいて「A」~「H」とマーキングされた非重畳箇所に音波エコー測定機器630が示されている。各箇所で測定された音波エコー特性の数が図5Bのグラフにプロットされている。本例において、箇所「A」および「H」における音波エコー特性の数は、少数またはゼロであり、これらの箇所において音波エコー測定機器630が接触エリア502Rと重なっていないことを反映している。箇所「B」および「G」と関連付けられた音波エコー特性の数が多数であるのは、これらの位置において音波エコー測定機器630が接触エリア502Rの一部に重なるためである。箇所C-D-E-Fの音波エコー特性の数は多数で、本例においては略同じであり、これらの箇所において音波エコー測定機器630が完全に接触エリア502R内であることを示している。一態様において、音波エコー測定機器630等の音波エコー測定装置は、特定の箇所(たとえば、箇所「C」および「F」)が右足420Rの中心線504Rに関して左右対称であるものと判定するようにしてもよい。一態様において、左足420Lの箇所A’~H’において同様の一組の測定が行われた場合は、各足420Lおよび420R上の箇所(たとえば、箇所EおよびE’)が略左右対称と判定されるようになっていてもよい。
【0182】
図6は、本開示に係る、音波エコー画像の測定、評価、格納、および転送のための統合システム600の模式図である。本例において、システム600は、Wi-Fiアクセスポイント610と無線通信可能な音波エコー測定機器630を備える。音波エコー測定機器630は、サーバ650上で動作する音波エコー撮像アプリケーション、ラップトップ・コンピュータ620、スマート・フォン640、または他のデジタル機器上で動作するアプリケーションのうちの1つまたは複数と通信する。一態様において、ラップトップ・コンピュータ620およびスマート・フォン640は、音波エコー測定機器630のユーザ(たとえば、看護師)により運ばれ、アプリケーションがフィードバックおよび情報をユーザに提供する。一態様において、音波エコー測定機器630から受信された患者の情報は、データベース660に格納される。一態様において、音波エコー測定機器630から受信された情報は、ネットワーク655を介して、情報の一部を患者の電子医療記録(EMR)670に格納する別のサーバ680に転送される。一態様において、音波エコー測定機器630からの情報またはデータベース660もしくはEMR670から読み出された情報は、外部サーバ690に転送された後、コンピュータ695(たとえば、患者に医療介護を提供する医師のオフィスにあるコンピュータ)に転送される。
【0183】
視認可能となる前に組織損傷を検出する方法
一態様において、本開示は、患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、音波エコー特性の最新の数と音波エコー特性の直前の数との間の傾きを計算するステップと、傾きを閾値と比較するステップと、傾きが閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0184】
一態様において、音波エコー特性の最新の数と音波エコー特性の直前の数との間の傾きは、組織損傷を示す。一態様において、音波エコー特性の最新の数と音波エコー特性の直前の数との間の正の傾きは、組織損傷の悪化を示す。一態様において、音波エコー特性の最新の数と音波エコー特性の直前の数との間の正の傾きは、褥瘡の形成を示す。
【0185】
一態様において、本開示は、患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、時間差ごとに音波エコー特性の最大数および音波エコー特性の最小数の差分値を計算するステップと、差分値の時間に対する導関数を計算するステップと、導関数を閾値と比較するステップと、導関数が閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0186】
一態様において、時間ごとの音波エコー特性の最大数および音波エコー特性の最小数の差分値は、組織損傷を示す。一態様において、時間に対する差分値の導関数は、2つの異なる時間から計算される。一態様において、時間に対する差分値の導関数は、2つの最新の差分値から計算される。一態様において、時間に対する差分値の導関数は、2つの連続する時点に測定された差分値から計算される。一態様において、時間に対する差分値の導関数は、2つの連続しない時点に測定された差分値から計算される。一態様において、正の導関数は、組織損傷の悪化を示す。一態様において、正の導関数は、褥瘡の形成を示す。
【0187】
一態様において、本開示は、患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、時間差ごとに音波エコー特性の最大数および音波エコー特性の最小数の差分値を計算するステップと、所定数の直近差分値に対して曲線をフィッティングするステップと、フィッティングした曲線の曲率を計算するステップと、曲率を閾値と比較するステップと、曲率が閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法を提供および包含する。
【0188】
一態様において、経時的な差分値のフィッティング曲線の曲率は、組織損傷を示す。一態様において、経時的な差分値のフィッティング曲線の曲率の増大は、組織損傷の悪化を示す。一態様において、経時的な差分値のフィッティング曲線の曲率の増大は、褥瘡の形成を示す。
【0189】
一態様において、複数の音波エコー画像が時間差で取得される。一態様において、時間差は、およそ1秒ごとに1回、およそ15秒ごとに1回、およそ30秒ごとに1回、およそ1分ごとに1回、およそ10分ごとに1回、およそ15分ごとに1回、およそ30分ごとに1回、およそ1時間ごとに1回、およそ2時間ごとに1回、およそ3時間ごとに1回、およそ4時間ごとに1回、およそ6時間ごとに1回、およそ12時間ごとに1回、およそ24時間ごとに1回、およそ1日ごとに1回、およそ2日ごとに1回、およそ3日ごとに1回、およそ4日ごとに1回、およそ5日ごとに1回、およそ6日ごとに1回、およそ7日ごとに1回、およそ8日ごとに1回、およそ9日ごとに1回、およそ10日ごとに1回である。
【0190】
一態様において、閾値は、およそ0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。一態様において、閾値は、0.1~8.0(0.1~1.0、1.1~2.0、2.1~3.0、3.1~4.0、4.1~5.0、5.1~6.0、6.1~7.0、7.1~8.0、0.1~7.5、0.5~8.0、1.0~7.0、1.5~6.5、2.0~6.0、3.0~5.5、3.5~5.0、または4.0~4.5等)の範囲であってもよい。一態様において、閾値は、本明細書において与えられる値に基づいて、係数または倍数によりスケーリングされ得る。閾値は設計により制約されるのではなく、むしろ、当業者が所定の値を選定可能となることが了解される。一態様において、本開示の閾値は、測定が行われている患者の身体の特定の部分、または、年齢、身長、体重、家族歴、民族、および他の身体的特徴もしくは病状等、患者の1つもしくは複数の特性に従って変更される。
【0191】
一態様において、所定の閾値を上回る音波エコー特性の数は、褥瘡につながる可能性のある表皮化損傷を示す。音波エコー特性の数が最初にこの閾値以上となるタイミングと褥瘡の目に見える症状の発生との間の時間間隔は、音波エコー特性の数が直線的に増加する第1の継続時間の可能性がある。第1の継続時間は、5日以上(6日以上、7日以上、8日以上、9日以上、または10日以上)であってもよい。
【0192】
別の態様において、経時的な音波エコー特性の数のプロットが直線的な進行よりも上向きの曲率または他の偏差を示す場合、目に見える症状は、より短い時間内に(たとえば、2~3日、1~4日、1~3日、1~2日、または2~4日)現れる可能性がある。これらの音波エコー特性値の数が追跡され、音波エコー特性値の数の傾向、すなわちこれらの音波エコー特性値の数を結ぶ曲線の傾きおよび曲率が分析される。一態様において、音波エコー特性の増分数が音波エコー特性の先行数に基づく線形予測を上回る量が所定の閾値と比較される。一態様において、音波エコー特性の増分数が音波エコー特性の最新の先行数を上回る量が所定の閾値と比較される。一態様において、音波エコー特性の直近数のうちの所定数に適合されたベストフィット曲線の曲率が所定の閾値と比較される。一態様において、所定の閾値を超える音波エコー特性の連番数が測定回数閾値と比較される。これらの態様それぞれにおいて、音波エコー撮像スキャナは、比較パラメータが各閾値を超えるタイミングを通知する。
【0193】
一態様において、傾向分析では、音波エコー特性の先行数および後続数がともに閾値を上回る場合、閾値を下回る単一の音波エコー特性値の数を無視するようにしてもよい。
【0194】
一態様において、音波エコー特性の数の傾向曲線は、点間の直線接続である。一態様において、この傾向曲線は、音波エコー特性の数に適合されたベストフィット曲線である。一態様において、適合曲線は、音波エコー特性の直近数と交差することが求められる。
【0195】
以上、本発明を大略説明したが、例示目的で提供され、指定のない限り本開示の限定が意図されない以下の実施例を参照することによって、同じことがより容易に理解されるであろう。
【実施例
【0196】
実施例1:踵の褥瘡を治療するための介入レベル
【0197】
踵の褥瘡のリスクがあると識別された対象は、以下のスキームに従って治療される。
【0198】
踵における患者の1つまたは複数の音波エコー画像が取得される。音波エコー特性の数が決定される。表1に示されるように、患者には、閾値と比較された音波エコー特性の数に基づいて、介入レベルが割り当てられる。割り当てられた介入レベルに対応する適当な介入が実行される。また、割り当てられた介入レベルによって決められた頻度で、後続の音波エコー撮像が実行される。患者の割り当てられた介入レベルは、後続の測定の音波エコー特性の数に応じて、変更(上下いずれか)がなされるようになっていてもよいし、同一に保たれるようになっていてもよい。
【0199】
【表1】
【0200】
実施例2:仙骨の褥瘡を治療するための介入レベル
【0201】
仙骨の褥瘡のリスクがあると識別された対象は、以下のスキームに従って治療される。
【0202】
仙骨における患者の1つまたは複数の音波エコー画像が取得される。音波エコー特性の数が決定される。表2に示されるように、患者には、閾値と比較された音波エコー特性の数に基づいて、介入レベルが割り当てられる。割り当てられた介入レベルに対応する適当な介入が仙骨において実行される。また、割り当てられた介入レベルによって決められた頻度で、後続の音波エコー撮像が実行される。患者の割り当てられた介入レベルは、後続の測定の音波エコー特性の数に応じて、変更(上下いずれか)がなされるようになっていてもよいし、同一に保たれるようになっていてもよい。
【0203】
【表2】
【0204】
実施例3:患者を層別化して適当な治療を提供するための治療決定経路
【0205】
褥瘡は、ステージ1~ステージ4として分類され、ステージ1の重症度が最も低い。全米褥瘡諮問委員会(NPUAP)は、無傷の皮膚に局所的な非白化性紅斑があるものと、ステージ1の潰瘍を定義している。紅斑(皮膚の表層の赤み)は、押されて白くなる場合は「白化性(blanchable)」、押されても赤いままの場合は「非白化性(non-blanchable)」であり、血管の外側の赤血球の存在(溢血)が原因と考えられる。一部の患者においては、白化性紅斑または感覚、温度、もしくは硬さの変化が視覚的変化に先立つ場合もある。すべての患者が潜在的にリスクを抱えているが、褥瘡は、重病の患者または神経疾患、運動障害、栄養障害、不良姿勢、もしくは変形部のある患者でより発生しやすい。
【0206】
現在は、視覚的皮膚評価(VSA)が褥瘡を識別する方法である。訓練を受けた医療従事者が皮膚の外観を視覚的および触覚的に評価して、赤みまたは組織の硬さ、組織の温度、もしくは水分の変化を調べる。
【0207】
図1Aは、英国立医療技術評価機構(NICE)により2014年4月23日に発行された臨床ガイドライン「Pressure ulcers:prevention and management」で提示された入院患者の褥瘡を予防するための現在推奨されている治療決定経路の概要を示している。これらのガイドラインでは、医療介護施設に入れられたすべての患者について、著しく制限された移動、著しい感覚の喪失、過去もしくは現在の褥瘡、栄養不足、自己体位変換能力の欠如、または著しい認知障害等の1つまたは複数のリスク因子を示すリスク分析が実行されることを推奨する。リスク評価は一般的に、特定のリスク因子の重症度を評価するブレーデン・スケール等のスコア付きチェックリストを用いて行われる。たとえば、Bergstrom他、Nurs Res,,36(4):205-210(1987)を参照されたい。このスケールは、感覚、皮膚の水分、活動、移動、摩擦および剪断、ならびに栄養状態を反映する6つのサブスケールで構成されている。
【0208】
リスク評価によって、患者は、(i)褥瘡の発生リスクが低い、(ii)褥瘡の発生リスクがある、または(iii)褥瘡の発生リスクが高い、ものとして識別される。患者は、分類されるリスクのレベルに応じて、さまざまな順序の治療および視覚的評価による追跡評価を受ける。
【0209】
患者は、褥瘡発生のリスクが低いものと識別された場合、単に臨床状態の変化(たとえば、手術等のイベント、基礎疾患の悪化、移動の変化)がモニタリングされる。車椅子を使用する患者または長時間座る患者には、高性能のフォーム・チェア・クッションまたは同等の体圧分散クッションが提供されるようになっていてもよい。臨床状態に変化がない場合、低リスクの患者は、この一組のガイドラインの下で再評価されることはなく、医療介護施設を退院するまで同じ治療・評価経路の中に留まることになる。
【0210】
患者は、褥瘡発生のリスクがあるものと識別された場合、6時間ごとの体位変換、すなわち「ラウンド」が行われるようにスケジューリングされることになる。低リスクの患者と同様に、患者が車椅子を使用する場合または長時間座る場合は、高性能のフォーム・チェア・クッションが提供されるようになっていてもよい。NICEガイドラインによれば、それ以外のモニタリングまたは介入は推奨されない。
【0211】
患者は、褥瘡発生のリスクが高いものと識別された場合、予防策として高性能のフォーム・マットレスを受け取るか、または、車椅子を使用している場合または長時間座る場合は、高性能のチェア・クッションが提供される。また、患者は、4時間ごとに体位が変更されることになる。患者は、身体のすべてのエリアについて、VSAを毎日受けることになる。あるエリアに非白化性紅斑が見られた場合は、適当な介入が実施され、当該エリアが2時間ごとにVSAで再チェックされることになる。非白化性紅斑を示していないエリアは、VSAで毎日再チェックされる。高リスクの各患者には、個別の医療介護プランが策定されることになる。
【0212】
このフローチャート(図1A)は、医療介護者がその時間の大半を高リスクの患者に費やすことを示している。これが適当とも考えられるが、有リスクの患者がモニタリングされずに放置されることから、医療介護者による状態の検出の前にステージ1の潰瘍を発症してしまう可能性もある。さらに、問題を検出するためにVSAに依拠することは必然的に、介入が選択または実施される前に患者がステージ1の潰瘍を発症することを意味する。損傷がステージ1まで進行するころには、介入しても皮膚が破れてステージ2の潰瘍になる可能性が高い。介入によって表皮下損傷がステージ1以降に進行するのを防げるように、組織障害を早期に発見することが明らかに必要である。
【0213】
図1Bは、いくつかの医療介護施設で現在実施されている褥瘡予防のための拡張治療決定経路の一例である。拡張経路は、有リスクおよび低リスクの両経路にモニタリング・ステップを追加する。低リスクの患者は、リスク評価(たとえば、ブレーデン・スケール評価の完了)を毎週受けている。有リスクの患者は、予防策として高性能のフォーム・マットレスを受け取るとともに、VSAで毎日評価されることになる。有リスクの患者をモニタリング・治療するための医療介護プランが策定されることになる。高リスクの患者の医療介護に変更はない。
【0214】
この拡張プランには、すべての患者の褥瘡の基本的なモニタリングを提供できる利点があります。ただし、これらの付加的なステップは、職員数の増加または既存職員の負担の増加によって、追加の時間を要することになる。図1Bの医療介護経路は、図1Aの推奨される医療介護経路よりも優れているが、より多くのリソースを必要とし、VSAが損傷を識別する前に患者がステージ1の潰瘍を発症している必要がある、という制限を依然として抱える。
【0215】
異なる病院および医療介護施設は、異なる数のリスク・カテゴリを使用する。これらは、2つのカテゴリ(低リスクおよび有リスク)から4つ以上のカテゴリの範囲であり、図1Bの例に示されるカテゴリに対して、「非常に高リスク」等のカテゴリが追加となっている。患者は、初期リスク評価の結果に基づいて、さまざまなカテゴリに割り当てられる。
【0216】
図2は、本開示に係る、褥瘡を予防する独立プロセスにおいて、患者の皮膚の下側の組織の音波エコー画像を評価するための装置が使用され得る方法の例示的なフローチャートである。すべての来院患者は、モニタリング用に選択されたすべての身体箇所の完全な音波エコー撮像評価を受ける。これらの選択箇所には、仙骨および踵等、音波エコー撮像装置の使用説明書(IFU)にて推奨されたエリアを含んでいてもよい。病院により付加的な箇所が識別され、それぞれの院内実務に組み込まれるようになっていてもよい。互いに空間的に異なる位置において、複数の音波エコー画像が各身体箇所およびその周囲で取得される。一組の測定結果により、各箇所の音波エコー特性が当該箇所およびその周囲で決定される。そして、患者を分類するため、音波エコー特性の数が1つまたは複数の閾値と比較される。
【0217】
本例において、患者は、2つのリスク・カテゴリ(低リスクおよび有リスク)の一方に割り当てられる。低リスクの患者は、モニタリング用に選択されたすべての身体箇所の音波エコー撮像を毎週受ける。これは低コストながら、毎週の音波エコー撮像スキャンによって、VSAで視認可能となる前に組織損傷を検出できる可能性が高くなるため、最も健康な患者にとっても有益となる。
【0218】
図1Aおよび図1Bの現在の医療介護経路において高リスクと識別される患者を含むことになる有リスクの患者は、閾値を上回る音波エコー特性の数を示す身体箇所に基づく専門的な医療介護を受けることになる。たとえば、仙骨の音波エコー特性の数が閾値を上回る場合、患者は、6時間ごとに体位を変更され、さらに仙骨の音波エコー撮像を毎日受ける一方、踵等の他の身体箇所は音波エコー撮像を毎週受けることになる。
【0219】
図3は、本開示に係る、図1Bの拡張治療決定経路をさらに改良するための補助として、患者の皮膚の下側の組織を音波エコー撮像するための装置が使用され得る方法のフローチャートである。来院患者は、リスク評価およびモニタリング用に病院により識別されたすべての身体箇所の音波エコー撮像スキャンの両者を受けるが、患者のリスク・カテゴリへの割り当ては、リスク評価および音波エコー撮像スキャンの結果に部分的に基づく。閾値より大きな音波エコー特性の初期数は、当該身体箇所に損傷が存在する可能性を示す。
【0220】
介入(たとえば、第1の間隔での患者の体位変換)を実施するか否かの決定は現在、皮膚の下側に初期段階の損傷が存在するかが不明であるにも関わらず、VSAおよびリスク評価に基づく。ただし、図3に示されるような拡張治療決定経路の補助として音波エコー撮像が使用される場合、特定の身体箇所での介入または高性能マットレス等の一般的な介入を実施する決定は、音波エコー撮像スキャンにおいて当該部位に見つけられた音波エコー特性の数に基づく。音波エコー特性の数が所定の閾値未満である場合は、介入が必要とされない。音波エコー特性の数が所定の閾値よりも多い場合は、身体箇所および当該身体箇所の音波エコー特性の数にそれぞれ部分的に基づいて、介入が選択・実施される。介入を選択・実施するか否かの所定の閾値は、当該身体箇所に損傷が存在する可能性があるとの判定の閾値より高くてもよいし、低くてもよい。
【0221】
図1A図1B図2、および図3の医療介護経路を提供した場合のコストの比較から、音波エコー撮像装置を利用して患者をモニタリングすることの利点のうちの1つが明らかとなる。ただし、本明細書において引用されるコストは、褥瘡を有しても発症もしていない患者に対するものであり、この場合、推定される治療コストは、ステージ1の潰瘍に関して2000ドルまで跳ね上がる。
【0222】
この比較の基準は、褥瘡の発生率を低減しようと努力する病院に対して現在の「ベスト・プラクティス」を表す図1Bの拡張現行方式である。低リスク医療介護経路の医療介護の提供では、平均5.6日の入院で患者当たり平均26ドルのコストが予想される一方、有リスクの患者の医療介護は平均121ドル、高リスクの患者の医療介護は165ドルのコストが予想される。現在の医療介護経路はすべて、褥瘡の検出をVSAに依拠しており、それ以外は、特定の患者の状態ではなく「典型的な」患者の経過に基づいて、介入を実施する。
【0223】
図3に示されるように、音波エコー撮像装置を現在の「ベスト・プラクティス」ワークフローに組み込んでも、作業要素が除外されているわけではないため、いずれの医療介護経路のコストも下げることにはならない。ただし、その利点は、最小限の増分コストで組織損傷を早期に検出できることにある。音波エコー撮像スキャンを低リスク医療介護経路に追加する増分コストは2ドルであり、約26ドルから28ドルにコストを上昇させる。音波エコー特性の数が増えない有リスク患者、すなわち表皮下組織の損傷がない有リスク患者の医療介護の予想コストも2ドルだけ増加となる。ただし、有リスク患者の音波エコー特性の数が増えていることが発見された場合、その患者は、高リスク・カテゴリに引き上げられ、医療介護の予想コストが165ドルから169ドルへと増える。これは、低リスクおよび有リスクの患者における組織損傷の早期検出の利点に対して、追加コストはわずかであることを表す。
【0224】
図2は、通常のVSAを使用せず、患者のモニタリングを音波エコー撮像装置にのみ依拠する例示的なワークフローを表している。低リスクの患者の予防医療介護の予想コストは、図3の統合低リスク医療介護経路を使用したコスト28ドルに対して、音波エコー撮像のみの使用により4ドルである。図2に示されるように、音波エコー撮像のみを使用する有リスクの患者の場合は、図3の統合医療介護経路の有リスクおよび高リスクの患者のコスト123ドル~169ドルに対して、予想コストが97ドルである。
【0225】
実施例4:音波エコー特性の数に基づくリスク・レベル
【0226】
褥瘡のリスクがあると識別された対象は、以下のスキームに従って治療される。
【0227】
1つまたは複数の対象身体箇所における患者の1つまたは複数の音波エコー画像が取得される。スキャンされた各身体箇所について、音波エコー特性の数が決定される。圧力傷害の有無を問わない多くの患者のさまざまな身体箇所における音波エコー特性の数が過去に取得され、音波エコー特性の数のヒストグラムの構成に使用されている。表3に示されるように、音波エコー特性の数が3つ未満の患者は、リスク・レベル0に割り当てられる。音波エコー特性の数が3つ以上で10個未満の患者は、リスク・レベル1に割り当てられる。音波エコー特性の数が10個以上の患者は、リスク・レベル2に割り当てられる。割り当てられたリスク・レベルに対応する適当な介入が実行される。また、割り当てられた介入レベルによって決められた頻度で、後続の音波エコー撮像が実行される。患者の割り当てられた介入レベルは、後続の測定の音波エコー特性の数に応じて、変更(上下いずれか)がなされるようになっていてもよいし、同一に保たれるようになっていてもよい。
【0228】
【表3】
【0229】
以上から、当然のことながら、本発明は、以下を非限定的に含むさまざまな様態で具現化され得る。
【0230】
実施形態1.患者の無傷の皮膚の下側の組織の音波エコー画像を生成する装置であって、(a)起動された場合に、およそ10MHzの中間周波数で音波を放出するように構成された放出器と、(b)戻り音波の振動を受信し、振動を電気パルスに変換するように構成された受信器と、(c)受信器に結合され、(i)受信器から電気パルスを受信することと、(ii)音波が戻る時間の長さを決定することと、(iii)戻り音波の強度を決定することと、(iv)音波エコー画像を生成することと、を行うように構成されたプロセッサと、を備えた、装置。
【0231】
実施形態2.音波エコー画像を受信するとともに、音波エコー画像を提供するように構成されたディスプレイをさらに備えた、実施形態1に記載の装置。
【0232】
実施形態3.患者の無傷の皮膚の下側の組織中の音波エコー特性を評価する方法であって、(a)音波を第1の箇所で患者の皮膚中に放出するステップと、(b)組織から反響した戻り音波の一部を受信するステップと、(c)音波が戻る時間の長さを決定するステップと、(d)戻り音波の強度を決定するステップと、(e)音波エコー画像を生成するステップと、(f)音波エコー画像を取得するステップと、(g)1つまたは複数の音波エコー特性の数および種類を取得するステップと、を含む、方法。
【0233】
実施形態4.1つまたは複数の音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態3に記載の方法。
【0234】
実施形態5.医療介護施設に入れられた患者の創傷発生の発生率を低減する方法であって、(a)医療介護施設への入所に際して、組織損傷のリスクについて患者を評価するステップであり、(i)創傷発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所で患者の音波エコー画像を取得することと、(ii)音波エコー画像に存在する組織損傷の音波エコー特性の数を決定することと、を含む、ステップと、(b)存在する音波エコー特性の数が第1の閾値以下である場合、レベル0の介入を実施するステップと、(c)存在する音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合、レベルN(Nは1以上の整数)の介入を実施するステップと、を含む、方法。
【0235】
実施形態6.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態5に記載の方法。
【0236】
実施形態7.音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、実施形態5に記載の方法。
【0237】
実施形態8.音波エコー特性が、低エコー病変である、実施形態5に記載の方法。
【0238】
実施形態9.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態5に記載の方法。
【0239】
実施形態10.音波エコー特性が、不均一低エコー域である、実施形態5に記載の方法。
【0240】
実施形態11.創傷が、褥瘡、糖尿病性足部潰瘍、深部組織傷害、血管性潰瘍、および熱傷から成る群から選択される、実施形態5~10のいずれか1つに記載の方法。
【0241】
実施形態12.創傷発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、実施形態5~11のいずれか1つに記載の方法。
【0242】
実施形態13.創傷発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所が、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む、実施形態5~12のいずれか1つに記載の方法。
【0243】
実施形態14.創傷発生のリスクがある1つまたは複数の身体箇所が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される、実施形態5~13のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
実施形態15.レベルNの介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、実施形態5~14のいずれか1つに記載の方法。
【0245】
実施形態16.医療介護レベルに基づいて、医療介護施設の複数人の患者を層別化する方法であって、(a)モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で複数人の患者のうちの1人の音波エコー画像を取得するステップと、(b)組織損傷の音波エコー特性が音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、(c)N個の医療介護レベルのうち、存在する音波エコー特性の数および種類に対応する医療介護レベルを決定するステップと、(d)ステップ(c)に基づいて、医療介護レベルを患者に割り当てるステップと、(e)患者に割り当てた医療介護レベルに基づいて、複数人の患者のうちの上記患者をグループに配置するステップと、を含む、方法。
【0246】
実施形態17.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態16に記載の方法。
【0247】
実施形態18.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態16または17に記載の方法。
【0248】
実施形態19.1つまたは複数の身体箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、実施形態16~18のいずれか1つに記載の方法。
【0249】
実施形態20.1つまたは複数の身体箇所が、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む、実施形態16~19のいずれか1つに記載の方法。
【0250】
実施形態21.1つまたは複数の身体箇所が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される、実施形態16~20のいずれか1つに記載の方法。
【0251】
実施形態22.医療介護レベルを患者に割り当てるステップが、筋膜途絶の有無に基づく、実施形態16~21のいずれか1つに記載の方法。
【0252】
実施形態23.医療介護レベルを患者に割り当てるステップが、2週間にわたる不鮮明層状構造の存在の変化に基づく、実施形態16~22のいずれか1つに記載の方法。
【0253】
実施形態24.適当な医療介護レベルを識別して医療介護施設の患者に提供する方法であって、(a)1つまたは複数の身体箇所で患者の複数の音波エコー画像を取得するステップと、(b)組織損傷の音波エコー特性が複数の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、(c)ステップ(b)における音波エコー特性の有無に基づいて、1つまたは複数の生体構造固有の介入を与えるステップと、(d)音波エコー特性の数の増加に基づいて、生体構造固有の介入のレベルを高くするステップと、(e)音波エコー特性の数の減少に基づいて、生体構造固有の介入のレベルを低くするステップと、を含む、方法。
【0254】
実施形態25.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態24に記載の方法。
【0255】
実施形態26.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態24または25に記載の方法。
【0256】
実施形態27.音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、実施形態24または25に記載の方法。
【0257】
実施形態28.1つまたは複数の身体箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、実施形態24~27のいずれか1つに記載の方法。
【0258】
実施形態29.1つまたは複数の身体箇所が、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む、実施形態24~28のいずれか1つに記載の方法。
【0259】
実施形態30.1つまたは複数の身体箇所が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される、実施形態24~29のいずれか1つに記載の方法。
【0260】
実施形態31.生体構造固有の介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、実施形態24~30のいずれか1つに記載の方法。
【0261】
実施形態32.生体構造固有の介入のレベルが、音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合に上げられる、実施形態24~31のいずれか1つに記載の方法。
【0262】
実施形態33.生体構造固有の介入のレベルが、音波エコー特性の数が第2の閾値を下回る場合に下げられる、実施形態24~32のいずれか1つに記載の方法。
【0263】
実施形態34.医療介護施設の患者を複数のリスク・カテゴリから選択される1つのリスク・カテゴリに割り当てる方法であって、(a)モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で患者の複数の初期音波エコー画像を取得するステップと、(b)音波エコー特性が複数の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、(c)ステップ(b)における音波エコー特性の有無に部分的に基づいて、患者を複数のリスク・カテゴリから選択される1つのリスク・カテゴリに割り当てるステップと、を含む、方法。
【0264】
実施形態35.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態34に記載の方法。
【0265】
実施形態36.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態34または35に記載の方法。
【0266】
実施形態37.音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、実施形態34または35に記載の方法。
【0267】
実施形態38.モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、実施形態34~37のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
実施形態39.モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所が、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む、実施形態34~38のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
実施形態40.モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される、実施形態34~39のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
実施形態41.医療介護施設の患者の医療介護を管理する方法であって、(a)医療介護施設への入所に際して、モニタリング用に選択された1つまたは複数の身体箇所で患者の複数の第1の音波エコー画像を取得するステップと、(b)音波エコー特性が複数の第1の音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、(c)存在する音波エコー特性の数が第1の閾値を上回る場合、介入レベルをN=1に設定するステップと、(d)音波エコー特性の数が第1の閾値を上回って存在する1つまたは複数の身体箇所ごとにレベルNの介入を実施するステップと、(e)レベルNの頻度で1つまたは複数の身体箇所それぞれにおける複数の後続音波エコー画像を取得するステップと、(f)新たな音波エコー特性が複数の後続音波エコー画像に存在するかを判定するステップと、を含む、方法。
【0271】
実施形態42.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態41に記載の方法。
【0272】
実施形態43.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態41または42に記載の方法。
【0273】
実施形態44.音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、実施形態41または42に記載の方法。
【0274】
実施形態45.モニタリング用に選択された身体箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、実施形態41~44のいずれか1つに記載の方法。
【0275】
実施形態46.モニタリング用に選択された身体箇所が、医療機器と長期接触する解剖学的部位を含む、実施形態41~45のいずれか1つに記載の方法。
【0276】
実施形態47.モニタリング用に選択された身体箇所が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される、実施形態41~46のいずれか1つに記載の方法。
【0277】
実施形態48.レベルNの介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、実施形態41~47のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
実施形態49.組織損傷のリスクがある患者を識別して治療する方法であって、(a)医療介護施設への入所に際して、組織損傷のリスクについて患者を評価するステップであり、(i)患者の第1の複数の音波エコー画像を取得することと、(ii)第1の複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第1の数を決定することと、を含む、ステップと、(b)存在する音波エコー特性の第1の数が第1の閾値以下である場合、レベル0の第1の介入を実施するステップと、(c)存在する音波エコー特性の第1の数が第1の閾値を上回る場合、レベルN(Nは1以上の整数)の第1の介入を実施するステップと、を含む、方法。
【0279】
実施形態50.(a)実施した介入レベルに対応する第1の所定の頻度で患者の第2の複数の音波エコー画像を取得するステップと、(b)第2の複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第2の数を決定するステップと、(c)音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超えるかを判定するステップと、(d)存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超えない場合、第1の介入を実施し続けるステップと、(e)存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超えない場合、第1の所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、(f)存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超える場合、レベルM(MはNより大きな整数)の第2の介入を実施するステップと、(g)存在する音波エコー特性の第2の数が第2の閾値を超える場合、レベルMに対応する所定の頻度で第3の複数の音波エコー画像を取得するステップと、をさらに含む、実施形態49に記載の方法。
【0280】
実施形態51.(a)存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以下であるかを判定するステップと、(b)存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以上である場合、第1の介入を実施し続けるステップと、(c)存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値以上である場合、第1の所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、(d)存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値未満であり、第1の介入がレベル0でない場合、レベルL(LはNより小さい整数)の第3の介入を実施するステップと、(e)存在する音波エコー特性の第2の数が第3の閾値未満である場合、レベルLに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、をさらに含む、実施形態49または50に記載の方法。
【0281】
実施形態52.レベルNの第1の介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、実施形態49~51のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
実施形態53.レベルMの第2の介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、実施形態50~52のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
実施形態54.レベルLの第3の介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、実施形態51~53のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
実施形態55.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態49~54のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
実施形態56.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態49~55のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
実施形態57.音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、実施形態49~55のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
実施形態58.第1の複数の音波エコー画像が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される、実施形態49~57のいずれか1つに記載の方法。
【0288】
実施形態59.第1の複数の音波エコー画像が、医療機器と長期接触する解剖学的部位またはその周囲で取得される、実施形態49~58のいずれか1つに記載の方法。
【0289】
実施形態60.第1の複数の音波エコー画像が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される、実施形態49~59のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
実施形態61.必要とする患者の皮膚および組織損傷の進行を遅らせる方法であって、(a)患者が受ける現在のレベルKの介入を識別するステップと、(b)患者の複数の音波エコー画像を取得するステップと、(c)複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、(d)複数の音波エコー画像に存在する音波エコー特性の第1の数を決定するステップと、(e)音波エコー特性の第1の数が第1の閾値以下である場合、現在のレベルKの介入を実施し続けるステップと、(f)音波エコー特性の第1の数が第1の閾値以下である場合、レベルKに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得し続けるステップと、(g)音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合、新たなレベルN(NはKより大きな値)の介入を実施するステップと、(h)音波エコー特性の数が第1の閾値を超える場合、レベルNに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法。
【0291】
実施形態62.(a)存在する音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満であるかを判定するステップと、(b)音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満である場合、レベルL(LはKより小さい非負値)の介入を実施するステップと、(c)音波エコー特性の第1の数が第2の閾値未満である場合、レベルLに対応する所定の頻度で複数の音波エコー画像を取得するステップと、をさらに含む、実施形態61に記載の方法。
【0292】
実施形態63.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態61または62に記載の方法。
【0293】
実施形態64.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態61または62に記載の方法。
【0294】
実施形態65.音波エコー特性が、不鮮明層状構造である、実施形態61または62に記載の方法。
【0295】
実施形態66.音波エコー特性が、低エコー病変である、実施形態61または62に記載の方法。
【0296】
実施形態67.音波エコー特性が、不均一低エコー域である、実施形態61または62に記載の方法。
【0297】
実施形態68.複数の音波エコー画像が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される、実施形態61~67のいずれか1つに記載の方法。
【0298】
実施形態69.複数の音波エコー画像が、医療機器と長期接触する解剖学的部位またはその周囲で取得される、実施形態61~68のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
実施形態70.複数の音波エコー画像が、頬、鼻、胸部、胃、および下腹部から成る群から選択される1つまたは複数の身体箇所またはその周囲で取得される、実施形態61~69のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
実施形態71.介入を必要とする患者を識別して治療する方法であって、(a)患者の解剖学的部位で複数の音波エコー画像を取得するステップと、(b)複数の音波エコー画像において音波エコー特性を識別するステップと、(c)複数の音波エコー画像からの音波エコー特性の数を決定するステップと、(d)音波エコー特性の数がレベルN(Nは2以上)に対応する閾値を超えるかを判定するステップと、(e)音波エコー特性の数が閾値を超える場合、介入を解剖学的部位に実施するステップと、(f)音波エコー特性の数が閾値を超える場合、2時間ごとに複数の音波エコー画像を取得するステップと、を含む、方法。
【0301】
実施形態72.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態71に記載の方法。
【0302】
実施形態73.音波エコー特性が、低エコー病変である、実施形態71または72に記載の方法。
【0303】
実施形態74.解剖学的部位が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、実施形態71~73のいずれか1つに記載の方法。
【0304】
実施形態75.介入が、ヒール・ブーツ、バリア・クリーム、神経筋刺激、外用クリーム、超音波療法、衝撃波療法、30度ウェッジ、複合ドレッシング、ハイブリッド・マットレス、ダイナミック・マットレス、支持面、シリコン・パッド、低摩擦シート・カバー、および低摩擦パッド付きマットレス表面から成る群から選択される、実施形態71~74のいずれか1つに記載の方法。
【0305】
実施形態76.損傷組織を識別する方法であって、(a)患者の皮膚上の第1の箇所から第1の音波エコー画像を取得するステップと、(b)第1の箇所に対して左右対称の第2の箇所から第2の音波エコー画像を取得するステップと、(c)第1の音波エコー画像および第2の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、(d)第1の音波エコー画像および第2の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、(e)第1の音波エコー画像と第2の音波エコー画像との間の音波エコー特性の数の差分を決定するステップと、(f)第1の音波エコー画像と第2の音波エコー画像との間の音波エコー特性の数の差分が閾値を超える場合、第1の箇所または第2の箇所に組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法。
【0306】
実施形態77.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態76に記載の方法。
【0307】
実施形態78.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態76または77に記載の方法。
【0308】
実施形態79.上記箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、実施形態76~78のいずれか1つに記載の方法。
【0309】
実施形態80.患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、(a)単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、(b)複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、(c)複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、(d)音波エコー特性の最新の数と音波エコー特性の直前の数との間の傾きを計算するステップと、(e)傾きを閾値と比較するステップと、(f)傾きが閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法。
【0310】
実施形態81.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態80に記載の方法。
【0311】
実施形態82.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態80または81に記載の方法。
【0312】
実施形態83.上記箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、実施形態80~82のいずれか1つに記載の方法。
【0313】
実施形態84.患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、(a)単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、(b)複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、(c)複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、(d)時間差ごとに音波エコー特性の最大数および音波エコー特性の最小数の差分値を計算するステップと、(e)差分値の時間に対する導関数を計算するステップと、(f)導関数を閾値と比較するステップと、(g)導関数が閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法。
【0314】
実施形態85.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態84に記載の方法。
【0315】
実施形態86.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態84または85に記載の方法。
【0316】
実施形態87.上記箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、実施形態84~86のいずれか1つに記載の方法。
【0317】
実施形態88.患者の皮膚上で視認可能となる前に組織損傷を検出する方法であって、(a)単一の箇所で複数の音波エコー画像を時間差で取得するステップと、(b)複数の音波エコー画像それぞれにおいて音波エコー特性を識別するステップと、(c)複数の音波エコー画像それぞれからの音波エコー特性の数を決定するステップと、(d)時間差ごとに音波エコー特性の最大数および音波エコー特性の最小数の差分値を計算するステップと、(e)所定数の直近差分値に対して曲線をフィッティングするステップと、(f)フィッティングした曲線の曲率を計算するステップと、(g)曲率を閾値と比較するステップと、(h)曲率が閾値を超える場合、組織損傷が存在するものと判定するステップと、を含む、方法。
【0318】
実施形態89.音波エコー特性が、不鮮明層状構造、低エコー病変、筋膜途絶、および不均一低エコー域から成る群から選択される、実施形態88に記載の方法。
【0319】
実施形態90.音波エコー特性が、筋膜途絶である、実施形態88または89に記載の方法。
【0320】
実施形態91.上記箇所が、胸骨、仙骨、踵、肩甲骨(os latum scapularum)、肘、耳、および患者の骨突出部上の他の肉質組織から成る群から選択される、実施形態88~90のいずれか1つに記載の方法。
【0321】
以上、特定の態様を参照しつつ本発明を説明したが、当業者によれば、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更がなされ得ること、および、同等物がその要素に代用され得ることが了解される。また、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の教示内容に合わせて、特定の状況または材料に対する多くの改良がなされ得る。したがって、本発明は、開示された特定の態様に限定されず、添付の特許請求の範囲およびその趣旨に含まれるすべての態様を含むことが意図される。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
【国際調査報告】