(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】履物用のインソール
(51)【国際特許分類】
A43B 17/08 20060101AFI20230119BHJP
A43B 7/083 20220101ALI20230119BHJP
【FI】
A43B17/08
A43B7/083
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528292
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-06-21
(86)【国際出願番号】 IB2020060690
(87)【国際公開番号】W WO2021094991
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】102019000021222
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522189665
【氏名又は名称】ウルバーノ,エルネスト
【氏名又は名称原語表記】URBANO,Ernesto
【住所又は居所原語表記】Bjoernsongasse 29/RH9,1130 Wien,Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】ウルバーノ,エルネスト
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050DA03
4F050EA15
4F050EA16
4F050GA30
(57)【要約】
インソール(100)が説明される。インソール(100)は、上面(1U)を有する第1の本体(1)であって、上面(1U)が、上面(1U)の縁部の少なくとも一部に近接して延びる第1のチャネル(C1)と、上面(1U)の中央ゾーンと上面(1U)の縁部との間に延びる第2のチャネル(C2)とを備える第1の本体(1)と、第1および第2のチャネル(C1、C2)を閉じるために第1の本体(1)の上面(1U)と接触する第2の本体(2)であって、第1のチャネル(C1)に配置された少なくとも1つの第1の貫通開口部(21)と、第2のチャネル(C2)に配置された少なくとも1つの第2の貫通開口部(22)とを備える第2の本体(2)と、第1の本体(1)および第2の本体(2)に拘束されたアタッチメント(3)であって、第1のチャネル(C1)および外部環境と流体連通している少なくとも1つの第1の導管(D1)と、第2のチャネル(C2)および外部環境と流体連通している少なくとも1つの第2の導管(D2)とを備えるアタッチメント(3)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物用のインソール(100)であって、
上面(1U)を有する第1の本体(1)であって、前記上面(1U)が前記上面(1U)の縁部の少なくとも一部に近接して延びる第1のチャネル(C1)を規定する第1の溝と、前記上面(1U)の中央ゾーンと当該上面(1U)の縁部との間に延びる第2のチャネル(C2)を規定する少なくとも1つの第2の溝と、を備える第1の本体(1)と、
前記第1および第2のチャネル(C1、C2)を閉じるために前記第1の本体(1)の前記上面(1U)と接触する第1の下面(2D)と、第2の上面(2U)とを有する第2の本体(2)であって、使用時に、前記第1のチャネル(C1)の少なくとも一部に配置された少なくとも1つの第1の貫通開口部(21)と、使用時に、前記少なくとも1つの第2のチャネル(C2)の少なくとも一部に配置された少なくとも1つの第2の貫通開口部(22)とを備える第2の本体(2)と、
前記第1の本体(1)および第2の本体(2)に接続されたアタッチメント(3)であって、前記第1のチャネル(C1)および外部環境と流体連通している少なくとも1つの第1の導管(D1)と、前記少なくとも1つの第2のチャネル(C2)および前記外部環境と流体連通している少なくとも1つの第2の導管(D2)を備えるアタッチメント(3)と、を組み合わせて備えるインソール(100)。
【請求項2】
前記インソール(100)は、前記第2の本体(2)の前記第2の上面(2U)および前記アタッチメント(3)と接触する通気性のある被覆要素(4)を備える、請求項1に記載のインソール(100)。
【請求項3】
前記アタッチメント(3)は、前記インソール(100)のインナーゾーン(100X)において前記第1の本体(1)および前記第2の本体(2)に接続されている、請求項1または2に記載のインソール(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の導管(D1)は、前記外部環境との間の流体の前記第1のチャネル(C1)における循環のために、2つの導管、すなわち、入口導管(31)および出口導管(32)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のインソール(100)。
【請求項5】
前記アタッチメント(3)は、前記少なくとも1つの第1の導管(D1)および前記少なくとも1つの第2の導管(D2)を規定する複数の溝を有する下部(3D)と、前記少なくとも1つの第1の導管(D1)および少なくとも1つの第2の導管(D2)を覆うように構成された上部(3U)とを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のインソール(100)。
【請求項6】
前記アタッチメント(3)の前記下部(3D)と前記第1の本体(1)とが一体的に作られており、前記アタッチメント(3)の前記上部(3U)と前記第2の本体(2)とが一体に作られている、請求項5に記載のインソール(100)。
【請求項7】
前記アタッチメント(3)は主の展開軸(3X)を有し、前記アタッチメント(3)は前記主の展開軸(3X)に沿って1cmから40cmの間の長さにわたって延びる、請求項1から6のいずれか一項に記載のインソール(100)。
【請求項8】
前記インソール(100)は、前記第1のチャネル(C1)と第2のチャネル(C2)とのうちの少なくとも1つと作動可能に関連付けられた少なくとも1つのモータ(M)を備え、前記少なくとも1つのモータ(M)は、前記第1の本体(1)のシートに収容され且つ前記第1のチャネル(C1)と前記第2のチャネル(C2)とのうちの少なくとも1つにおいて流体を移動させるように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のインソール(100)。
【請求項9】
前記第1のチャネル(C1)は、前記インソール(100)の前記インナーゾーン(100X)内の前記入口導管(31)との接触領域と、前記インナーゾーン(100X)内の前記出口導管(32)との接触領域との間に延びており、前記インソール(100)のリアゾーン(100R)、アウターゾーン(100Y)、フロントゾーン(100F)、前記インナーゾーン(100X)を通過する通気経路を規定する、請求項1から8のいずれか一項および請求項3から4に記載のインソール(100)。
【請求項10】
通気システムを備えた履物製品(200)であって、
ユーザの足の上部を包み込むように構成されたアッパー(201)と、
前記アッパーに接続され且つ使用時に地面と接触するように設計されたソール(202)と、
前記ユーザの足の底と接触するように構成され且つ前記ソール(202)の上方で且つ前記アッパー(201)の内側に配置された、請求項1から9のいずれか一項に記載のインソール(100)と、を備える履物製品(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物製品用のインソールおよび当該インソールを含む履物製品に関する。
【0002】
特に、本発明は、履物製品によってアッパーによって囲まれたときに、使用中に足の効果的な通気を可能にするのに特に適した履物用のインソールに関する。
【背景技術】
【0003】
履物用のインソールは、その基本的な形態では、履物製品のソールの最上部に履物製品の内側に配置された一般に取り外し可能な要素である。
【0004】
使用中、すなわち、ユーザの足が履物製品の中に挿入されている場合、インソールは、ユーザのために履物の使用をより快適にするために、履物製品のソールとユーザの足の裏との間に配置されている。
【0005】
一般的に言えば、履物製品のソールは特に硬い素材でできており、主に平らな展開部を持っている。この主に平らな展開部は、ユーザの足の裏の形状にうまく適合しておらず、ひいては、サポートが足の裏に直接作用していると不快感を覚えることになる。
【0006】
履物製品をより快適に使用するために、インソールはソールの上に挿入され、その目的は、履物製品の内側に面する面において適切な形状でユーザの足の裏を受け入れることである。
【0007】
有利なことに、このインソールの形状は、最適な態様でユーザの足を受け入れるために、足の裏に対して鏡像である。
【0008】
インソールは通常、発泡ポリウレタン、レザー、ゲルまたはラテックスでできている。
【0009】
最も基本的な形態では、これらのインソールは、通気システムのない単一本体の構造を有する。
【0010】
この通気性の欠如は、特に足の裏とインソールとの間の接触点で、履物製品の内部の温度および湿度の上昇を引き起こし、その結果、ユーザに不快感を与える。
【0011】
足の通気性の向上を保証するために、足の裏とインソールとの間の接触ゾーンでの空気の交換を可能にするように通気構造を備えたインソールが設計されてきた。
【0012】
最も頻繁に使用される解決策の1つは、空気の交換を可能するために、履物製品のソールに形成された適切なチャネル、好ましくは半透過性の(すなわち、空気および水蒸気に対して透過性であるが水に対して不透過性である)チャネルと連動して作用する穴を有するインソールを使用することである。
【0013】
しかしながら、この解決策は、インソールの穴と履物製品のソールのチャネルとの間に一種の固有の関連があるので、インソールと他の履物との互換性および適合性を妨げるという欠点を有する。
【0014】
足の通気およびインソールといくつかの履物との適合性を同時に可能にする他の解決策が採用されてきた。
【0015】
特許文書US6006 447 Aは、複数の層であって、その層のうちの少なくとも1つが通気性のある発泡体(foam)でできている複数の層によって形成された多層の履物用のインソールと、履物製品の内部から外部環境に空気を抽出するための側部アタッチメントと、を示している。
【0016】
この解決策には、静的な条件下、つまり、ユーザが歩いていないときに適切な通気ができず、また、特別な接続穴を備えた特別なスポンジ要素が必要であるという欠点がある。
【0017】
特許文書US2009/0044431A1は、ヒールのゾーンから先端のゾーンまで延びる内部チャネルと、前記内部チャネルおよび外部環境に接続された抽出導管とからなる通気システムを備えた履物用のインソールを示している。
【0018】
しかしながら、これらの解決策は、ユーザの足の裏の下のゾーン全体での完全な交換を可能にすることなく、空気を抽出または導入するだけの単一の通気手段を提供する。
【0019】
これは、ユーザに対してただ部分的な通気と限られた快適さの感覚とをもたらし、ユーザは、通気システムの作用によって足の一部のゾーンのみ冷却される。
【発明の概要】
【0020】
本発明の目的は、従来技術の上記の欠点を克服し、履物製品のインソールにおいて空気を交換するためのプロセスを最適化することである。
【0021】
本発明の目的は、異なるタイプの履物と適合性があり且つインソールの可能な限り広い領域で空気の交換を可能にする通気システムを備えた履物用のインソールを提供することである。
【0022】
別の目的は、空気交換作用による影響を受けないゾーンなしに、足の裏全体に新鮮さと快適さの感覚をユーザに保証するインソールおよび履物製品を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、単純な製造構造を備え、したがって、また、安価に製造できるインソールを提供することである。
【0024】
本発明の技術的特徴は、添付の特許請求の範囲、特に請求項1の内容から容易に推測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の利点はまた、本発明の好ましい非限定的な例示的な実施形態を例示する添付の図面を参照して、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【
図1】本発明によるインソールの一部の斜視図である。
【
図2】本発明によるインソールの別の部分の斜視図である。
【
図3】本発明によるインソールの第1の実施形態の斜視図である。
【
図4】本発明によるインソールの第2の実施形態の斜視図である。
【
図5】本発明によるインソールの第3の実施形態の斜視図である。
【
図6】斜視分解図に従って
図4のインソールを備える同じく本発明による履物製品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付の図面を参照して、数字100は、履物用のインソールを示し、インソールは、以下、単にインソール100と呼ばれる。
【0027】
履物用のインソールは、その伝統的な形態では、ユーザ(履物製品の着用者であるユーザ)に快適なフィット感を保証するために、履物製品のソールと接触して実質的に安定した態様で挿入されるように形作られる。
【0028】
特に、インソールは、履物製品のソールの形状に沿うように形作られ、着用者の足の裏の形状により良く適応するために、その上面領域に起伏およびくぼみを持つ。
【0029】
例えば、インソールのくぼみは、足のトゥとヒールと接触するゾーンに存在し、一方、起伏領域は、ユーザの土踏まずをサポートするゾーンに存在する。
【0030】
添付の図面、特に
図1に示されているように、インソール100は、第1の本体1を備える。
【0031】
第1の本体1は、上面1Uおよび下面1Dを有する。
【0032】
使用時、前記下面1Dは、履物製品のソールと接触するように構成され、一方、上面1Uは、以下でより詳細に説明されるように、足裏と上面1Uとの間に直接接触はないが、インソール100が挿入された履物製品を着用するユーザの足の裏に面している。
【0033】
本発明の一態様によれば、上面1Uは、第1のチャネルC1を規定する第1の溝を備える。
【0034】
言い換えれば、前記第1の溝は、非貫通溝またはキャビティを表し、すなわち、全体として第1の本体を貫通しない。
【0035】
上記の溝は、第1の本体1の製造工程中に、好ましくは成形によって直接形成されてもよく、または第1の本体1から材料を除去することによって形成されてもよく、したがって、連続的な上面1Uを持つように製造されて、後で機械加工される。
【0036】
特に、前記第1のチャネルC1は、上面1Uの縁部の少なくとも一部に近接して、すなわち、前記上面1Uの周辺ゾーンに延びる。
【0037】
一実施形態によれば、例えば
図1に示されるように、前記第1のチャネルC1は、上面1Uの縁部の第1の開口部(opening)と同じく上面1Uの縁部の第2の開口部との間に開いた外周(circuit)を形成する。
【0038】
好ましくは、第1のチャネルC1は、上記の第1の開口部と第2の開口部との間で最長の軌道に沿って上面1Uの縁部に近接して延びる。
【0039】
代替の実施形態によれば、第1のチャネルC1は、上面1Uの縁部に近接して延びる閉じた経路と、閉じた経路と前記上面1Uの縁部の少なくとも1つの開口部との間に延びるサブチャネルとを備える。
【0040】
図示されていない変形実施形態によれば、第1のチャネルC1は、いくつかの部分に形成されてもよいことに留意されたい。すなわち、アタッチメント3から履物製品の内側に向かって空気の流れを供給するための第1の部分と、履物製品の内側からアタッチメント3に空気の流れを戻すための第2の部分とに形成されてもよい。
【0041】
2つの部分は、中断なしに接合されてもよいし、中断を持つように接合されてもよい。
【0042】
好ましくは、両方の部分の一部は、第1の部分に入る(アタッチメント3から入る)空気と(アタッチメント3から出る)第2の部分からの戻り空気との間に流れの連続性が存在し得るように、履物製品の同じゾーンを覆う。
【0043】
第1のチャネルc1(流れを供給するための第1の部分)は、複数の二次チャネルに分岐する。
【0044】
同様に、第1のチャネルc1(流れを戻すための第2の部分)は、複数の二次チャネルに分岐する。二次供給チャネルと二次戻りチャネルは、流れ交換エリアで近接している。二次チャネル(第1および第2)は、好ましくは、複数の開口部によって、上向きにのみ、すなわち、履物製品の内側にのみ開いている。流れの交換ゾーンでは、歩行時の足の動きによって押されて第1の供給部分の開口部から出た空気が、第2の戻り部分の二次チャネルに入る(対応する開口部を通って入る)。
【0045】
本発明の別の態様によれば、上面1Uは、少なくとも1つの第2のチャネルC2を規定する少なくとも1つの第2の溝を備える。
【0046】
第1の溝と同様に、第2の溝もまた、非貫通溝またはキャビティを表す、すなわち、全体として第1の本体を貫通しない。
【0047】
さらに、第2の溝はまた、第1の本体1の製造工程中に直接形成されてもよいし、または第1の本体1から材料を除去することによって形成されてもよい。
【0048】
第2のチャネルC2は、開口部において、上面1Uの表面の縁部と、上面1Uの中央ゾーン、すなわち、縁部に近接していないゾーンとの間に延びる。
【0049】
図1の実施形態によれば、第2のチャネルC2は、3つのサブチャネルを備え、これらは、「フォーク形状」の配置に従って上面1Uの縁部に近接して単一のチャネルに交わる。
【0050】
代替実施形態によれば、少なくとも第2のチャネルC2は、上面1Uの縁部と上面1Uの中央ゾーンの個々の点との間に延びる複数のチャネルを備えてもよい。
【0051】
一実施形態によれば、第1の本体1は発泡ポリウレタンでできている。
【0052】
別の実施形態によれば、第1の本体1はラテックスでできている。
【0053】
さらに別の実施形態によれば、第1の本体1はゲルでできている。
【0054】
さらなる実施形態によれば、第1の本体1はコルクでできている。
【0055】
本発明の一態様によれば、インソール100は、特に
図2に示されている第2の本体2を備える。
【0056】
第2の本体2は、第1の下面2Dおよび第2の上面2Uを有する。
【0057】
インソール100が組み立てられるとき、第1の表面2Dは、前記第1のチャネルC1および第2のチャネルC2を少なくとも部分的に覆うために第1の本体1の上面1Uと接触する。
【0058】
第2の表面2Uは、第1の表面2Dとは反対の第2の本体2の側に配置され、したがって、使用時、ユーザの足の裏に面する。
【0059】
一実施形態によれば、第2の表面2Uは、インソール100が挿入されている履物製品を使用する際にユーザの足の裏に直接接触する。
【0060】
代替実施形態によれば、他の要素がユーザの足の裏と第2の表面2Uとの間に挿入されており、したがって、これらは接触していない。
【0061】
特に、インソール100が組み立てられるとき、第1の本体1は第2の本体2と一体である。
【0062】
一実施形態によれば、第1の本体1と第2の本体2との間の拘束は、溶接、例えば超音波溶接によって達成されてもよい。
【0063】
別の実施形態によれば、第1の本体1と第2の本体2との間の拘束は、接続手段の使用、例えば接着剤によって達成されてもよい。
【0064】
本発明の一態様によれば、第2の本体2は、少なくとも1つの第1の貫通開口部21を備える。
【0065】
図2の実施形態によれば、第2の本体2は、(チャネルC1の展開方向に垂直な長手方向の展開を持つ)スロットを規定するために、チャネルC1の展開の少なくとも一部に沿って配置された複数の第1の開口部21(インソール100が組み立てられたときのチャネルC1に対する高さのオフセット)、より具体的には、20個の第1の開口部21を備える。
【0066】
代替実施形態によれば、少なくとも第1の開口部21は、数および形状の両方の点で、
図2の実施形態に関連したバリエーションを採用してもよい。
【0067】
使用時、すなわち、第1の本体1および第2の本体2が互いに接続されている場合、少なくとも1つの第1の開口部21は、第1のチャネルC1の少なくとも一部に配置される。
【0068】
このようにして、第1のチャネルC1は、第2の本体2の第2の表面2Uに面する環境と流体連通するように配置される。
【0069】
この明細書では、「環境間の流体連通」という用語は、流体を透過する開口部または壁によって、空気などの流体が、ある環境から別の環境に、またはその逆に通過する可能性を意味するために使用される。
【0070】
本発明のさらなる態様によれば、第2の本体2は、少なくとも1つの第2の貫通開口部22を備える。
【0071】
図2の実施形態によれば、第2の本体2は、可変の長方形の断面を有する複数の第2の開口部22を備える。
【0072】
代替実施形態によれば、少なくとも第2の開口部22は、数および形状の両方の点で、
図2の実施形態に関連したバリエーションを採用してもよい。
【0073】
使用時、すなわち、第1の本体1および第2の本体2が互いに接続されている場合、少なくとも1つの第2の開口部22は、第2のチャネルC2の少なくとも一部に配置される。
【0074】
このようにして、第2のチャネルC2は、第2の本体2の第2の表面2Dに面する環境と流体連通するように配置される。
【0075】
一実施形態によれば、第2の本体2は発泡ポリウレタンでできている。
【0076】
別の実施形態によれば、第2の本体2はラテックスでできている。
【0077】
さらに別の実施形態によれば、第2の本体2はゲルでできている。
【0078】
さらなる実施形態によれば、第2の本体2はコルクでできている。
【0079】
追加の実施形態によれば、第2の本体2は、レザーまたは合成繊維でできている。
【0080】
添付の図面に示されているように、インソール100は、アタッチメント3を備える。
【0081】
好ましくは、前記アタッチメント3は側方に配置される。
【0082】
有利なことに、このようにして、インソール100は、任意の履物製品に使用することができる。
【0083】
アタッチメント3は、インソール100が組み立てられるときに、第1の本体1および第2の本体2に接続される。
【0084】
好ましくは、アタッチメント3は、インソール100のインナーゾーン100X(好ましくは側方)、すなわち、使用時にインソール100を備えた履物製品を着用しているユーザの足の内側に近接したゾーンで、第1の本体1および第2の本体2に拘束される。
【0085】
アタッチメント3は、主の展開軸3Xを有し、これに沿って、アタッチメントは、第1の本体1および第2の本体2との接触ゾーンと自由端との間に延びる。
【0086】
より具体的には、アタッチメント3は、前記主の展開軸3Xに沿って、1cmから40cmの間の長さにわたって延びる。
【0087】
有利には、この長さは、使用時に、少なくともアタッチメント3の自由端が履物製品から出てくること、すなわち、ユーザの足首または脚に近接した履物製品のアッパーから出てくることを可能にする。
【0088】
本発明の一態様によれば、アタッチメント3は、第1のチャネルC1およびインソール100が取り付けられている履物製品の外部環境と流体連通する少なくとも1つの第1の導管D1を備える。
【0089】
アタッチメント3はまた、少なくとも1つの第2のチャネルC2および外部環境と流体連通する少なくとも1つの第2の導管D2を備える。
【0090】
一実施形態によれば、特に
図3および
図3Aの詳細に示されているように、アタッチメント3は、下部3Dおよび上部3Uを備える。
【0091】
図1に示される下部3Dは、少なくとも1つの第1の導管D1および少なくとも1つの第2の導管D2を規定する複数の溝を有する。
【0092】
第1の本体1に存在する溝と同様に、下部3Dに存在する溝もまた、非貫通溝またはキャビティを表す、すなわち、全体としてアタッチメント3の下部を貫通しない。
【0093】
溝は、下部3Dの製造中に直接形成されてもよいし、または材料を除去することによって形成されてもよい。
【0094】
図1に示される一実施形態によれば、第1の本体1およびアタッチメント3の下部3Dは、一体となって作られる。
【0095】
この明細書において、「一体となって作られる」という表現は、2つの要素が単一の要素を構成すること、すなわち、それらが単一の要素で作られることを意味する。
【0096】
図2に示される上部3Uは、前記少なくとも1つの第1の導管D1および少なくとも1つの第2の導管D2を覆うように構成される。
【0097】
好ましくは、
図2に示されるように、上部3Uは、第2の導管D2を上部3Uが面する外部環境と流体連通させるために、少なくとも1つの第2の導管D2の少なくとも一部に複数の貫通開口部を有する。
【0098】
図2に示される一実施形態によれば、第2の本体2およびアタッチメント3の上部3Uは、一体的に作られている。
【0099】
添付の図面に示されている実施形態によれば、少なくとも1つの第1の導管D1は、入口導管31および出口導管32を備える。
【0100】
入口導管31および出口導管32は、第1の開口部によって第1のチャネル31と流体連通しており、第2の開口部によって外部環境と流体連通している。
【0101】
入口導管31および出口導管32は、空気などの流体が第1のチャネルC1内と外部環境との間で循環するように構成される。
【0102】
この実施形態によれば、少なくとも1つの第2の導管D2は、第1の開口部によって第2のチャネルC2と流体連通し、第2の開口部によって外部環境と流体連通する単一の導管を備える。
【0103】
代替実施形態によれば、少なくとも1つの第1の導管D1または少なくとも1つの第2の導管D2は、それぞれ、第1のチャネルC1および少なくとも1つの第2のチャネルC2と流体接続された異なる数の導管を備えてもよい。
【0104】
好ましくは、インソール100は、第2の本体2の第2の上面2Uおよびアタッチメント3と接触する通気性のある被覆要素4を備える。
【0105】
使用時に、被覆要素4は、第2の本体2およびアタッチメント3が作製される材料とユーザの足の裏との接触を回避するために、したがって、ユーザの向上した快適さを保証するために、第2の本体2およびアタッチメント3を少なくとも部分的に覆う。
【0106】
被覆要素4は、使用時に、インソール100とユーザの足の裏との間の接触要素として構成される。
【0107】
被覆要素4の通気性により、第1のチャネルC1および少なくとも1つの第2のチャネルC2で循環している流体が、第2の本体2の第1の開口部21および第2の開口部22を通過し、且つ使用時にユーザの足が収容される履物製品内の環境と一致する、被覆要素4と接触する環境に触れることを可能にする。
【0108】
一実施形態によれば、被覆要素4は通気性のある生地でできている。
【0109】
別の実施形態によれば、被覆要素4は通気性のあるレザーでできている。
【0110】
さらに別の実施形態によれば、被覆要素4はコルクでできている。
【0111】
好ましくは、インソール100は、少なくとも1つのモータMを含む。
【0112】
モータMは、前記第1のチャネルC1または第2のチャネルC2のいずれかの少なくとも1つと動作可能に関連付けられている。
【0113】
好ましくは、前記モータMは、前記第1の本体1に存在するシートに収容される。
【0114】
モータMは、前記第1のチャネルC1または前記第2のチャネルC2のいずれかのうちの少なくとも1つの内部の流体を動かし、チャネル内の流体の流れを促進するように構成される。
【0115】
インソール100で使用されるモータMは、その一般的な形態では、流体を動かすためのアクチュエータと、前記アクチュエータに電力を供給するための電源要素とを備える。
【0116】
したがって、前記アクチュエータは、第1のチャネルC1と第2のチャネルC2の少なくとも1つに動作可能に接続され、好ましくは第1のチャネルC1と第2のチャネルC2の少なくとも1つの上に結合される。
【0117】
一実施形態によれば、アクチュエータは、インソール100の内部に含まれるように設計されたマイクロファンを備える。
【0118】
マイクロファンの動作により、当該マイクロファンが動作可能に接続されている1つまたは複数のチャネル内の流体が移動する。
【0119】
アクチュエータはまた、アクチュエータに電力を供給するための電源要素に動作可能に接続されている。
【0120】
一実施形態によれば、電源要素は電池を備える。
【0121】
好ましくは、電池は充電式タイプのものである。
【0122】
一実施形態によれば、電池は、インソール(plantar)が使用されていないときにケーブルまたは誘導結合(例えば、ドッキングステーション)によって再充電可能である。
【0123】
別の実施形態によれば、電源要素は、歩行する間にユーザによって放散される運動エネルギーをアクチュエータに電力を供給するために電気に変換して蓄積することができるデバイスを備える。
【0124】
この実施形態によれば、アクチュエータは、リアルタイムでさえ、すなわち、電気を蓄積することなく、電源要素によって電力を供給されてもよい。
【0125】
好ましくは、インソール100は、少なくとも1つのセンサSを備える。
【0126】
少なくとも1つのセンサSは、好ましくは、第1のチャネルC1と第2のチャネルC2との少なくとも1つに動作可能に接続されている。
【0127】
一実施形態によれば、少なくとも1つのセンサSは、インソール100が受ける加速度を測定するように構成された加速度計を備える。
【0128】
別の実施形態によれば、少なくとも1つのセンサSは、例えば第1のチャネルC1または第2のチャネルC2の内部の温度値を測定するように構成された温度センサを備える。
【0129】
さらに別の実施形態によれば、少なくとも1つのセンサSは、例えば第1のチャネルC1または第2のチャネルC2の内部の湿度値を測定するように構成された湿度センサを備える。
【0130】
少なくとも1つのセンサSは、内部電源要素によって、またはモータMの電源要素を介して電力を供給される。
【0131】
この場合も好ましくは、インソール100は、コマンドおよび制御ユニットUを備える。
【0132】
コマンドおよび制御ユニットUは、前記モータMまたは少なくとも1つのセンサSのいずれかの少なくとも1つに動作可能に接続されている。
【0133】
一実施形態によれば、コマンドおよび制御ユニットUは、少なくとも1つのセンサによって測定された値を受信するために、センサSに動作可能に接続されている。
【0134】
この値に基づいて、コマンドおよび制御ユニットUは、モータMの制御信号、好ましくは電気信号を処理する。
【0135】
コマンドおよび制御ユニットUは、内部電源要素またはモータMの電源要素を介して電力を供給される。
【0136】
添付の図面に示されている実施形態を以下に説明する。
【0137】
図示の実施形態によれば、インソール100は、単一の第1のチャネルC1と、インソールの内側領域に向かって3つのサブチャネルに分岐する第2のチャネルC2とを備える。
【0138】
この実施形態によれば、第1のチャネルC1は、インソール100のインナーゾーン100Xの入口導管31との接触領域と、同じインナーゾーン100Xの出口導管32との接触領域との間に延びる。
【0139】
第1のチャネルC1は、インソール100のリアゾーン100R、アウターゾーン100Y、フロントゾーン100F、およびインナーゾーン100Xの少なくとも一部を通過する通気経路を規定する。
【0140】
有利には、このタイプの形状により、第1のチャネルC1は、基本的に、入口導管31と出口導管32との接触ゾーンの間に介在する部分に接触せずに、上面1Uの縁部の大部分に接触することができる。
【0141】
第1のチャネル31が接触していない領域は、インソール100の安定性および使用の快適性に悪影響を与えることなく、上面1Uの大きな被覆を有するために、第2のチャネルC2によって部分的に接触されている。
【0142】
有利には、図示された実施形態の形状は、2つの通気モードの実現を可能にする。
【0143】
第1の方式、いわゆる「パッシブ通気」モードは、実質的に対流による、インソール100に存在するチャネルC1、C2および導管D1、D2内の空気のパッシブ交換からなる。
【0144】
ユーザがインソールに体重をかけない場合(例えば、座っている場合)、第1のチャネルC1と第2のチャネルC2は開いており、存在する熱風は、第1の導管D1および第2の導管D2、続いて外部環境に到達するまで自由に移動できる。
【0145】
第2の方式、いわゆる「アクティブ通気」モードは、特に第1のチャネルC1の内部に誘導された空気の流れを作り出すために、歩行中の負荷、つまりユーザの体重の分散からなる。
【0146】
通常、歩行中、ユーザは動的な態様で体重を分散し、最初は足のヒールに、したがってインソール100のリアゾーン100Rに負荷を集中させる。
【0147】
続いて、ユーザは、アウターゾーン100Yで、好ましくは足の側部部分で、体重をますます前方に再分配する。
【0148】
最後に、足を地面から離す前に、ユーザの体重はほぼ完全にフロントゾーン100Fに集中する。
【0149】
重量のこの動的な再分配は、特に第1のチャネルC1の局所的な弾性平坦化をもたらし、その結果、チャネル内の空気の誘導された動きをもたらす。
【0150】
有利には、第1のチャネルC1の形状および重量の動的な再分配により、第1のチャネルC1に存在する空気が出口導管32に向かって、したがって外部環境に向かって移動することが可能になる。
【0151】
その結果、蠕動ポンプの原理に従って、新鮮な空気が外部環境から入口導管31を通って第1のチャネルC1に引き込まれ、特に第1のチャネルC1のゾーンに引き込まれ、これらのゾーンは、弾性平坦化を受けた後、再び開かれる。
【0152】
第2のチャネルC2および第2の導管D2は、土踏まずと接触しているインソール100のゾーンに接触し、土踏まずでは通常、ユーザの体重は最小限の範囲でのみ解放される(discharged)。
【0153】
したがって、第2のチャネルC2は、実質的に開いたままであり、特定の弾性平坦化を受けず、パッシブ通気モードでほぼ常に作動する。
【0154】
本発明はまた、通気システムを備えた履物製品200に関し、履物製品は、以下、単に履物製品200と呼ばれる。
【0155】
図6に示されるように、履物製品は、製品200を着用するユーザの周りを足を包むように設計されたアッパー201を備える。
【0156】
特に、アッパー201は、履物製品200の内部に足を挿入するための開口部201Aを有する。
【0157】
一実施形態によれば、アッパー201はレザーでできている。
【0158】
別の実施形態によれば、アッパー201は生地でできている。
【0159】
好ましくは、アッパー201は、使用時に、履物製品200の内部にユーザの足を安定して維持するための閉鎖システム201Bを備える。
【0160】
一実施形態によれば、閉鎖システム201Bは、少なくとも1つの紐を備える。
【0161】
別の実施形態によれば、閉鎖システム201Bは、少なくとも1つのバックルまたはベルクロ(登録商標)ストラップを備える。
【0162】
本発明の一態様によれば、履物製品200は、使用時に、支持要素、例えば地面と接触するように設計されたソール202を備える。
【0163】
ソール202は、アッパー201に接続、特に拘束されている。
【0164】
図6に示されるように、ソール202は、好ましくは、場合によって異なる材料で作られた複数の層を備える。
【0165】
履物製品200はまた、上記の実施形態のうちの1つによるインソール100を備える。
【0166】
特に、
図6の実施形態によれば、インソール100は、インナーゾーン100Xに配置されたアタッチメント3であって、使用時に、当該アタッチメント3を使用者の足首に近接して、特にくるぶしとアキレス腱の間のゾーンに配置できるような位置に、アタッチメント3を有する。
【0167】
アタッチメント3はまた、アタッチメントの自由端が開口部201Aから出て、外部環境との空気の交換を容易にすることを可能にするような長さを有する。
【0168】
有利なことに、インソール100のこの形状は、履物製品200を着用するユーザが高レベルの快適さを知覚することを可能にする。なぜなら、アタッチメント3の説明された配置は、一般に使用中に不快感を引き起こさず、通気システムの効率を最大化するからである。
【0169】
本発明によるインソールは、従来技術の欠点を克服し、上記の目的を達成する。
【0170】
特に、説明された本発明は、インソールであって、当該インソールの広い領域での空気の交換を可能にする最適化された通気システムを備えた履物製品用のインソールを提供する。
【0171】
このようにして、ユーザは、空気交換作用の影響を受けないゾーンなく、足の裏全体に新鮮さと快適さの感覚を保証される。
【0172】
このインソールは、さまざまな種類の履物と適合性があり、互換的に使用可能である。
【0173】
インソールの構造は、製造プロセスが特に単純で安価なインソールを提供することを可能にする。
【0174】
本発明のさらなる利点は、履物製品を着用するユーザに最大の快適感を与えることができる通気システムを備えた履物製品を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0175】
【特許文献1】US6006 447 A
【特許文献2】US2009/0044431A1
【国際調査報告】