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特表2023-502963リンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類
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  • 特表-リンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類 図1
  • 特表-リンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類 図2
  • 特表-リンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類 図3
  • 特表-リンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】リンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/12 20060101AFI20230119BHJP
   A41C 1/00 20060101ALI20230119BHJP
   A41D 31/18 20190101ALI20230119BHJP
【FI】
A41D13/12 136
A41C1/00 Z
A41D31/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528297
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 EP2020082222
(87)【国際公開番号】W WO2021099251
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】1912843
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516300874
【氏名又は名称】トゥアネ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100210697
【弁理士】
【氏名又は名称】日浅 里美
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン アギュー
(72)【発明者】
【氏名】ナタリー ギャリアン
(72)【発明者】
【氏名】ロランス リシャール
(72)【発明者】
【氏名】レスリー ジュマール
(72)【発明者】
【氏名】アンジェリク ファビエ
【テーマコード(参考)】
3B011
3B131
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AA05
3B011AB08
3B131AA29
(57)【要約】
【課題】圧迫テキスタイルで製造された本体(12)を含むリンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類(10)の提供。
【解決手段】衣類(10)は少なくとも第一の標的領域(30)を有し、そこでは衣類は補強テキスタイル(32)の少なくとも1つの層を含み、少なくとも第二の標的領域(36,38)を更に有し、そこでは衣類(10)はコンテンションテキスタイル(40)の少なくとも1つの層を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫テキスタイルで製造された本体(12)を含むリンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類(10)であって、圧迫テキスタイルが、伸長性の少なくとも1つの方向において厳密に70%を超える弾性を有し、ファブリックの弾性の測定に関する2005年6月のISO標準NF EN 14704-1に従って、圧迫テキスタイルが、伸長性の方向において、5番目の荷重曲線上での40%の伸びにおいて3.5N以上のモジュールを有し、
衣類(10)が少なくとも第一の標的領域(30)を有し、衣類は第一の標的領域(30)において補強テキスタイル(32)の少なくとも1つの層を含み、衣類(10)が、第一の標的領域(30)において圧迫テキスタイルのモジュールより大きいモジュールを有し、
衣類(10)が少なくとも第二の標的領域(36,38)を有し、そこでは衣類(10)はコンテンションテキスタイル(40)の少なくとも1つの層を含み、コンテンションテキスタイル(40)は、少なくとも1つの対象の方向において、衣類(10)の任意の通常の使用の範囲にわたって30N/(mmm)以上の剛性を有し、
対象の方向におけるコンテンションテキスタイル(40)の剛性は、衣類(10)の通常の使用の範囲にわたって対象の方向における本体(12)の剛性より厳密に大きく、
対象の方向におけるコンテンションテキスタイル(40)の剛性は、対象の方向での第一の標的領域(30)における衣類(10)の剛性より厳密に大きく、より詳しくは少なくとも100%大きい、リンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類(10)。
【請求項2】
圧迫テキスタイルの伸長性の方向及び/又は対象の方向が、衣類(10)の周囲方向に対応する、請求項1に記載の圧迫衣類。
【請求項3】
圧迫テキスタイルが、1番目の延伸サイクルにおいて40%の伸びを達成するのに7N以上の伸長性の方向における延伸力を必要とするように圧迫テキスタイルが提供される、請求項1又は2に記載の圧迫衣類。
【請求項4】
コンテンションテキスタイル(40)が、少なくとも使用者の恥部及び/又は使用者の内ももに対して延在することが意図される、請求項1~3のいずれか一項に記載の圧迫衣類。
【請求項5】
補強テキスタイル(32)が、少なくとも使用者の鼠径部、臀部のしわ、恥部、及び/又は臀部に対して延在することが意図される、請求項1~4のいずれか一項に記載の圧迫衣類。
【請求項6】
本体(12)が、第二の標的領域(36,38)、又はその各々、又はその少なくとも1つを除いて衣類(10)全体にわたって延在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の圧迫衣類。
【請求項7】
本体(12)は少なくとも第一の部分(14)及び第二の部分(16)を含み、第一の部分(14)及び第二の部分(16)は、各々平坦なパターンから切り取ることができ、第一の部分(14)及び第二の部分(16)は、各々接続端部(24,26)を含み、第一の部分(14)の接続端部(24)及び第二の部分(16)の接続端部(26)は互いに補完せず、第一の部分(14)の接続端部(24)は、クランプによって第二の部分(16)の接続端部(26)に接続されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の圧迫衣類。
【請求項8】
クランプが、少なくとも使用者の鼠径部及び/又は臀部のしわに対して延在することが意図される、請求項6又は7に記載の圧迫衣類。
【請求項9】
圧迫テキスタイル及び/又は補強テキスタイル(32)が、ポリアミド及びエラスタンを含み、より詳しくはこれからなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の圧迫衣類。
【請求項10】
少なくとも1つのパッド要素を取り出し可能に収容するように適合された少なくとも1つのポケット(42)を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の圧迫衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧迫テキスタイルで製造された本体を含むリンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション(contention)衣類に関する。
【発明の概要】
【0002】
リンパ浮腫治療用圧迫衣類は既に知られている。
【0003】
例えば、SIGVARIS(登録商標)からのCompreshorts(登録商標)圧迫ショーツモデルは、特に生殖器のリンパ浮腫の治療に適応しており、供給者によれば、圧迫クラスは10~15mmHgである。
【0004】
しかしながら、医療専門家及び患者は、生殖器、陰部及び/又は鼠径部領域などの主な浮腫局在領域における強度及び支持の不足のために、市場で入手可能な製品の効果の不足を批判する。
【0005】
したがって、本発明の目的は、リンパ浮腫治療に効果的な圧迫及び/又はコンテンション衣類を提案することである。
【0006】
この目的のために、本発明の目的は、圧迫テキスタイルで製造された本体を含むリンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類であって、圧迫テキスタイルが、伸長性の少なくとも1つの方向において厳密に70%を超える弾性を有し、ファブリックの弾性の測定に関する2005年6月のISO標準NF EN 14704-1に従って、圧迫テキスタイルが、伸長性の方向において、5番目の荷重曲線上での40%の伸びにおいて3.5N以上のモジュール(module)を有し、
衣類が少なくとも第一の標的領域を有し、衣類は第一の標的領域において補強テキスタイルの少なくとも1つの層を含み、衣類が、第一の標的領域において圧迫テキスタイルのモジュールより大きいモジュールを有し、
衣類が少なくとも第二の標的ゾーンを有し、そこでは衣類はコンテンションテキスタイルの少なくとも1つの層を含み、コンテンションテキスタイルは、少なくとも1つの対象の方向において、衣類の任意の通常の使用の範囲にわたって30N/(mmm)以上の剛性を有し、
対象の方向におけるコンテンションテキスタイルの剛性は、衣類の通常の使用の範囲にわたって対象の方向における本体の剛性より厳密に大きく、
対象の方向におけるコンテンションテキスタイルの剛性は、対象の方向における第一の標的領域における衣類の剛性より厳密に大きく、より詳しくは少なくとも100%大きい、リンパ浮腫治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類である。
【0007】
第一及び第二の標的領域は、それを含有していること、及び治療される領域の形態に適合することができることにより腫れた部位を排出するのを助けるように、及び/又はその部位を効果的に排出するために、これが重要でなければならない特定の位置で圧力を適用するように、種々の労力を適用することを可能にする。第一の標的領は、特に、標的領域の外部より大きい剛性によってより大きい支持を提供することを可能にする。第二の標的領域は、例えばリンパ浮腫の腫れの場合、部位の体積が最小値だけ増加するとすぐに大きな力を適用することを可能にする。
【0008】
圧迫及び/又はコンテンション衣類は、個々に、又は任意の技術的に可能な組み合わせにおいて考慮される以下の特徴の1つ又はそれより多くを更に有することができる:
-圧迫テキスタイルの伸長性の方向及び/又は対象の方向が、衣類の周囲方向に対応する、
-圧迫テキスタイルが、1番目の延伸サイクルにおいて40%の伸びを達成するのに7N以上の伸長性の方向における延伸力を必要とするように圧迫テキスタイルが提供される、
-コンテンションテキスタイルは、少なくとも使用者の恥部ユーザー及び/又は使用者の内ももに対して延在することが意図される、
-補強テキスタイルは、少なくとも使用者の鼠径部、臀部のしわ、恥部、及び/又は臀部に対して延在することが意図される、
-本体は、第二の標的領域、又はその各々、又はその少なくとも1つを除いて衣類全体にわたって延在する、
-本体は少なくとも第一の部分及び第二の部分を含み、第一の部分及び第二の部分は、各々平坦なパターンから切り取ることができ、第一の部分及び第二の部分は、各々接続端部を含み、第一の部分の接続端部及び第二の部分の接続端部は互いに補完せず、下側の第一の部分の接続端部は、クランプによって上側の第二の部分の接続端部に接続されている、
-クランプは、少なくとも鼠径部及び/又は使用者の臀部のしわに対して延在することが意図され、
-圧迫及び/又は補強テキスタイルは、ポリアミド及びエラスタンを含み、より詳しくはこれで構成され、かつ/または
-衣類は、少なくとも1つのパッド要素を取り出し可能に収容することができる少なくとも1つのポケットを有する。
【0009】
本発明の更なる特徴及び利点は、例としてのみ、図面を参照して与えられた本発明の実施態様の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の1つの実施態様による衣類の概略正面図である。
図2図2は、図1の衣類の背面の概略図である。
図3図3及び4は、図1及び2の衣類のパターン例の、それぞれ概略正面図及び背面図である。
図4図3及び4は、図1及び2の衣類のパターン例の、それぞれ概略正面図及び背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によるリンパ浮腫の治療用圧迫及び/又はコンテンション衣類10の1つの実施態様は、図1及び2に示される。
【0012】
ここでは衣類10は、生殖器及び/又は骨盤のリンパ浮腫を治療することが意図される。
【0013】
衣類10は、図示された例ではパンティーであり、すなわちももの下方へ延在するハイウェストパンティーである。
【0014】
衣類の各点では、周囲方向は、衣類を着用している使用者の横断面の周囲方向に対応することが意図されて規定される。
【0015】
衣類10は使用者の形態に適合される。例えば、衣類10は種々のサイズにおいて開発され、使用者に適合する衣類サイズは、使用者の骨盤の周囲の長さに基づいて選択される。
【0016】
衣類10は本体12を含む。
【0017】
1つの実施態様において、本体12は衣類10の表面全体わたって延在する。
【0018】
本体12は、使用者に対して少なくとも部分的に延在するように適合された内面、及び内面の反対側の外面を有する。
【0019】
本体12は圧迫テキスタイルで製造される。
【0020】
本体12は、ここでは単層又は圧迫テキスタイルの厚さを有する。
【0021】
圧迫テキスタイルは、ここでは双弾性ファブリック、すなわち、ファブリックの2つの平行ではない伸長方向、ここでは伸長性方向及び伸長性方向に垂直な方向に沿って弾性である。
【0022】
変形例において、圧迫テキスタイルは単一方向における弾性ファブリックである。
【0023】
変形例において、圧迫テキスタイルは双弾性編物ファブリックである。
【0024】
圧迫テキスタイルは、伸長性の少なくとも1つの方向において、厳密に70%より大きい弾性を有する。
【0025】
圧迫テキスタイルの伸長性の方向は、本体12全体にわたって周囲方向に対応する。
【0026】
圧迫テキスタイルは伸長性の方向においてモジュールを有する。
【0027】
モジュールは、ファブリックの弾性の測定に関する2005年6月のNF EN 14704-1標準に従って測定される。
【0028】
より具体的には、材料の小片が切り取られる。
【0029】
小片は、モジュールが測定される対象の方向、ここでは伸長性の方向に沿った2つの端部の間に延在する。
【0030】
小片は対象の方向に対して垂直に測定される所与の幅を有する。
【0031】
小片は少なくとも所与の数の延伸サイクルで延伸される;所与の数は5に等しい。
【0032】
各サイクルで、小片は既定の、例えば小片幅の1センチメートル当たり6Nに等しい力まで徐々に増加する力によって対象の方向に延伸される。例えば、小片は5センチメートルの幅を有し、したがって、30Nまで徐々に増加する力によって延伸される。
【0033】
小片は、ダイナモメーター(例えば小片の各端部はそれぞれのクランプによって保持され、一方は固定され、もう一方は例えば軸に沿って前後に行き来することにより引張/緩和サイクルを実施する)を用いて延伸される。
【0034】
適用された力に応じた小片の伸びが測定される。
【0035】
次いで、バンドの延伸は、初期位置への漸進的な戻り、より詳しくはその初期位置に向かって移動するクランプの戻りによって減少する。次いで、新しい延伸サイクルを始めることができる。
【0036】
ここではモジュールは、徐々に力を増加させるフェーズ中の5番目のサイクルを通じての40%の伸びに対応する力である。
【0037】
圧迫テキスタイルは、5センチメートル幅の小片について3.5N以上の伸長性の方向におけるモジュールを有する。
【0038】
さらに、圧迫テキスタイルは、1番目の延伸サイクルは別として、種々のサイクル中に適用された力に応じた伸びを示す曲線が、2番目と5番目を含めたサイクルの間に少なくともサイクル間で5%以内に重ね合わされるようなものである。
【0039】
これにより、長期にわたって安定な製品を製造することが可能となる。
【0040】
さらに、1番目の延伸サイクル中に、圧迫テキスタイルは、5センチメートル幅の小片の40%の伸びを得るのに7N以上の伸長性の方向における延伸力を要求する。
【0041】
これにより、わずかな延伸量で所望の力を達成することが可能となる。したがって、衣類は、有利には衣類を着用している使用者のものに近い寸法を有し、着用をより容易にする。
【0042】
圧迫テキスタイルはポリアミド及びエラスタンを含み、例えばより詳しくはこれからなる。ここで、コンテンションテキスタイルは、例えば、40%~50%、より詳しくは48%のエラスタン及び50%~60%、より詳しくは52%のポリアミドを含む。
【0043】
図示された実施態様において、本体12は第一の部分14及び第二の部分16を含み、より詳しくはこれからなる。
【0044】
第一の部分14は下側部分に対応し、第二の部分16は上側部分に対応する。
【0045】
下側部分14は、ここでは使用者のもものまわりに延在することが意図された2つの部分18、20で形成される。上側部分16は、使用者の骨盤のまわりに延在し、かつ、下側部分14の2つの部分18、20を接続するように提供される。
【0046】
下側部分14及び上側部分16は、図3及び4において見ることができる平坦なパターンから各々切り取ることができる。
【0047】
より詳しくは、下側部分14の各部分18、20は平坦なテキスタイル片から製造され、平坦な片の2つの端部は、例えば略管状の形状を形成するように合わされ、縫い合わされることができる。
【0048】
上側部分16は、平坦なテキスタイル片から製造され、片の2つの端部22は、(例えば、より詳しくは衣類10の前面で)合わされ、縫い合わされることができる。
【0049】
下側部分14及び上側部分16は各々接続端部を含む。
【0050】
より詳しくは、下側部分14の各部分18、20は接続端部24、26を有し、前記接続端部24、26は、下側部分14の接続端部をともに形成する。
【0051】
下側部分14の接続端部24、26は、上側部分16の接続端部28に接続される。
【0052】
より詳しくは、下側部分14の接続端部24、26及び上側部分16の接続端部28は、シーム29で互いに縫われる。
【0053】
下側部分14の接続端部24、26及び上側部分16の接続端部28は、互いを補完しない。
【0054】
次いで、接続端部24、26、28における下側部分14及び上側部分16間の接続は、衣類のクランプを形成する。
【0055】
特に、これにより、体の形態にそうことが可能となる。
【0056】
クランプは、少なくとも使用者の鼠径部及び/又は臀部のしわに対して、より詳しくは使用者の鼠径部及び臀部のしわに対して延在することが意図される。
【0057】
接続端部24、26、28が使用者の鼠径部及び臀部のしわにおいて延在するように、下側部分及び上側部分のそれぞれのパターンが提供される。
【0058】
使用者の形態に適合されることを可能にする本体12の任意の他の実施態様が考えられる。
【0059】
例えば、クランプは本体の別の位置に位置する。
【0060】
変形例において、本体12が使用者に適応するように、パターンは1つの片において切り取られる。例えば、男性モデルについては、生殖器を包含することが意図されたシェルパターンが提供される。
【0061】
衣類10は、少なくとも第一の標的領域30、より詳しくは単一の第一の標的領域を有する。
【0062】
図示された例において、第一の標的領域30全体において、衣類は、補強テキスタイル32の少なくとも1つの層を含む。
【0063】
より詳しくは、ここでは本体12、より詳しくはその外側は、補強テキスタイル32の層で被覆される。
【0064】
補強テキスタイル32は使用者に対して直接延在しないように構成される。
【0065】
図示されない1つの実施態様において、補強テキスタイル32は、第一の標的領域30全体にわたって延在するのではなく、第一の標的領域の一部に対してのみ延在する。
【0066】
補強テキスタイル32は弾性で、50%より大きい最大伸びを有する、すなわち、損傷を受けずに、少なくとも50%伸びることができる。
【0067】
材料の最大伸びは、所与の幅(ここでは5センチメートル)の小片を幅寸法に垂直な対象の方向において、(ここでは5に等しい)所与の数の延伸サイクルで延伸することによりここでは測定される。各サイクルについて、小片は、小片の幅の1センチメートル当たり6Nに等しい、ここでは30Nまでなどの既定の力まで漸進的に増加する力によって延伸される。ここで最大伸びは、最後の延伸サイクル中の既定の力における伸び、ここでは5番目の延伸サイクルでの30Nにおける伸びである。
【0068】
衣類が使用者によって着用される場合、補強テキスタイルの最大伸びは、第一の標的領域30の伸びより厳密に大きい。
【0069】
補強テキスタイル32のモジュールが大きいほど、その圧迫補強作用は大きい。
【0070】
衣類は、第一の標的領域30において、コンテンションテキスタイルのモジュールより高いモジュールを有する。
【0071】
1つの実施態様によれば、補強テキスタイル32は圧迫テキスタイルより高いモジュールを有する。
【0072】
本発明の別の実施態様によれば、補強テキスタイルのモジュールは、圧迫テキスタイルのモジュール以下である。
【0073】
補強テキスタイル32は、少なくとも使用者の鼠径部及び/又は臀部に対して延在することが意図される。
【0074】
より詳しくは、第一の標的領域30は、少なくとも臀部全体、臀部のしわ、恥部及び鼠径部のくぼみに対して延在することが意図された衣類の部分にわたって延在する。
【0075】
図示された例において、第一の標的領域30は、臀部全体、臀部のしわ、恥部及び鼠径部くぼみの反対側にのみ延在する。
【0076】
異なる実施態様において、第一の標的領域30は、更に内ももにわたって延在する。
【0077】
ここでは第一の標的領域30は1つの連続領域として形成される。
【0078】
例えば、補強テキスタイル32は、第一の標的領域の全周にわたって延在する、オーバーラップしているシーム34で本体12上に、又は本体12に縫いつけられる。
【0079】
シーム34は、衣類の使用の意図される範囲にわたって、それらが本体12及び第一の標的領域30の延伸を制限しないようなものである。
【0080】
例えば、補強テキスタイル32は、ポリアミド及びエラスタンを含み、より詳しくはこれからなる。ここで、補強テキスタイル32は、40%~50、より詳しくは48%のエラスタン、及び50%~60%、より詳しくは52%のポリアミドを含む。
【0081】
補強テキスタイル32は、ここでは双弾性ファブリック、すなわち、2つの平行ではない組織伸長方向、ここでは伸長性の方向、及び伸長性の方向に垂直な方向の2つに沿って弾性である。
【0082】
変形例において、補強テキスタイル32は圧迫テキスタイルと同一である。
【0083】
衣類10は少なくとも第二の標的領域を有する。
【0084】
図示された例において、衣類10は第二の標的領域36、38を有する。
【0085】
より詳しくは、第二の標的領域36、38全体、又は各第二の標的領域36、38に、衣類はコンテンションテキスタイル40の層を含む。
【0086】
図示された例において、本体12(より詳しくはその内側)はコンテンションテキスタイル40の層で被覆される。
【0087】
コンテンションテキスタイルは、浮腫腫れを収容するようにそれが被覆する領域を硬くすることができる。
【0088】
衣類を用いる場合、コンテンションテキスタイルはその延伸範囲にわたって対象の少なくとも1つの方向において硬い。対象の少なくとも1つの方向は、ここでは周方向である。
【0089】
「NF S 97-115 2011年12月-Medical compression and contention textile strips」標準によれば、剛性Rは、「ある点で適用された力Fとその点で生じる伸びの変化の比例の関係によって得られる圧力変化の特性」であり、以下のように計算される:
【0090】
【数1】
式中、
A1及びA2は剛性が規定される材料の伸びであり、ミリメートル(mm)で表され、
F1及びF2は、それぞれ伸びA1及びA2にて材料を延伸する引張力であり、1メートル当たりのニュートン(N/m)で表され、伸びA1及びA2にそれぞれ対応する。
【0091】
ここで、伸びA1及びA2は、衣類の推奨される使用範囲に収まるように選択される。
【0092】
例えば、コンテンションテキスタイルは、衣類の通常の使用に対応する範囲にわたって、対象の方向において30N/(mmm)以上、より詳しくは30~75N/(mmm)の剛性を有する。
【0093】
対象の方向に垂直な方向におけるコンテンションテキスタイルの剛性は、衣類の通常の使用に対応する範囲にわたって、対象の方向におけるコンテンションテキスタイルの剛性より厳密に低い。これにより、衣類を着用している使用者の快適さを増加させることが特に可能となる。
【0094】
対象の方向におけるコンテンションテキスタイルの剛性は、衣類の通常の使用に対応する範囲にわたって、対象の方向における本体の剛性より厳密に大きく、より詳しくは少なくとも100%大きい。
【0095】
対象の方向におけるコンテンションテキスタイルの剛性は、衣類の通常の使用に対応する範囲にわたって、対象の方向での第一の標的領域における衣類の剛性より厳密に大きく、より詳しくは少なくとも100%大きい。
【0096】
例えば、コンテンションテキスタイルは、衣類の通常の使用に対応する範囲にわたって、対象の方向において、衣類の残り部分の剛性より厳密に大きい剛性を有する。
【0097】
下側の第二の標的領域36と呼ばれる、その、又はある第二の標的領域は、内ももに対して延在することが意図される。ここでは下側の第二の標的領域36は股で、及び内ももに対してのみ延在する。
【0098】
下側の第二の標的領域36のコンテンションテキスタイルは、ここでは少なくとも下側の第二の標的領域36の周囲全体のまわりで、例えば縫うことにより、本体12に取り付けられる。
【0099】
上側の第二の標的領域38と呼ばれる第二の標的領域の他方は、使用者の恥部に対して延在することが意図される。
【0100】
1つの実施態様において、上側の第二の標的領域38は恥部に対してのみ延在する。
【0101】
変形例において、上側の第二の標的領域38は恥部及び鼠径部に対してのみ延在する。
【0102】
ここでは、上側の第二の標的領域38において、衣類が補強テキスタイル層及びコンテンションテキスタイル層を含むように、上側の第二の標的領域38は第一の標的領域30に含まれる。
【0103】
上側の第二の標的領域38において、コンテンションテキスタイルは、ここでは下側の第二の標的領域38の周囲の一部だけを例えば縫うことによって本体12に取り付けられ、コンテンションテキスタイルは本体12とともにポケット42を形成する。
【0104】
ここで、パッド要素が、ポケット42に挿入される。パッド要素は、ポケット42から取り出し可能である。
【0105】
ポケットは、有利には、テキスタイルの性質及び着用された際のその剛性によるコンテンション、並びにパッド要素による支持を提供し、衣類を着用しているときの使用者の生活の快適さを改善する。
【0106】
例えば、パッド要素は、特に毛管効果によって、液体を捕捉することにより皮膚からリンパ流を排出することができる。
【0107】
例えば、パッド要素はポリアミドで製造される。これにより、パッド要素が迅速に乾くことが可能となる。
【0108】
パッド要素は、例えばポリアミドテキスタイルによって両側が被覆された小さいスタッドを含むThuasne(コピーライト)からのモビダーム(コピーライト)ストリップである。
【0109】
ポケットは、使用者による製品の使用中にパッドデバイスが正確に位置し続けることを可能にし、その使用中の使用者の生活の質を改善する。
【0110】
特に、衣類のデザインは、浮腫の部位を、それを収容すること、及び治療される領域の形態に適合することができることにより排出するのを助けること、並びに/又は効果的に部位を排出するのにより大きいことが必要とされる特定領域において圧力を適用することに種々の労力が適用されることを可能にする。
【0111】
第一の標的領域は、特に、標的領域の外部よりも大きい剛性によってより多くの支持を提供することを可能にする。
【0112】
第二の標的領域は、例えばリンパ浮腫腫れの場合に、リンパ浮腫を形成する腫れを効果的に排出するように、部位の体積が最小量で増加するとすぐに、大きな力が適用されることを可能にする。
【0113】
1つの代替の実施態様において、本体12は、少なくとも1つの開放領域を除いて、より詳しくは1つの第二の標的領域のみ又は複数の第二の標的領域を除いて衣類10の表面全体にわたって延在する。前に記載された実施態様との違いだけが次に記載される。
【0114】
ここで、第二の標的領域36、38のそれ又は各々のコンテンションテキスタイルは、対応する第二の標的領域36、38の周囲のまわりで、例えば縫うことによって本体12に接続される。
【0115】
より詳しくは、下側の第二の標的領域36のコンテンションテキスタイルは、本体12に接する下側の第二の標的領域36の周囲全体にわたって本体12に接続される。
【0116】
ここで、上側の第二の標的領域コンテンションテキスタイル38は、下側の第二の標的領域38の周囲の一部だけに対して、例えば縫うことによって本体12に接続される。
【0117】
第二の標的領域に面する第一の標的領域の部分において、補強テキスタイルはしたがって本体を被覆しない。補強テキスタイルは、コンテンションテキスタイルに対して直接延在する。
【0118】
コンテンションテキスタイルは、第二の標的領域に面する第一の標的領域の部分において、補強テキスタイルの内側に対して延在する。
【0119】
コンテンションテキスタイルは、上に記載されたコンテンションテキスタイルと本体の間のものと同様のポケットを補強テキスタイルとともに形成する。
【0120】
補強テキスタイルはその表面領域全体にわたって使用者に対して直接延在しないように構成される。
【実施例
【0121】
例1
衣類は、例えば具体的な体型及び各モデルの種々のサイズを収容するように、男性のモデル及び女性のモデルで設計される。
【0122】
男性及び女性のモデル用のサイズチャートは、衣類が使用者の形態に適合するように骨盤周囲長によって規定される:
【0123】
【表1】
【0124】
各モデル及びサイズについて、平均骨盤周囲長まで衣類を延伸するのに必要な力は、幅(幅は周囲方向に垂直である)の1センチメートル当たりのNで適用される力が、ヘクトパスカルで適用された圧力に、力が適用される半径をかけたものを100で割ったものに等しいと述べる圧迫圧のラプラスの法則を用いて計算される。
【0125】
112cmに等しい平均骨盤周囲長及び15mmHgの目標圧力について、以下の計算が得られる:
【0126】
【数2】
【0127】
例えば、圧迫テキスタイル、補強テキスタイル及びコンテンションテキスタイル材料の各々について、小片は、小片の幅1センチメートル当たり6Nに等しい延伸力値まで、上記のように漸進的に増加する力を少なくとも5回のサイクルにわたって適用することにより延伸される。
【0128】
各材料について、1番目のサイクルでの力を増加させることによる材料の延伸に対応する曲線におけるこの力を有する材料のパーセンテージが注目される。
【0129】
ここで、幅が5センチメートルの小片については、17.83Nの力に対応する材料の延伸が、各材料について注目される。
【0130】
次いで、平均骨盤周囲長に等しい(この例において平均サイズ4の周囲長に等しい)骨盤周囲長を持った人によって衣類が着用される場合に各材料がこのパーセンテージで延伸されるように、本体、補強テキスタイル及びコンテンションテキスタイルについてのパターンが設計される。
【0131】
したがって、骨盤周囲長が平均周囲長に等しく(この例においてサイズ4に等しい)、規定サイズに従って衣類を着用している使用者には、15mmHgの力が適用されている。
【0132】
例2
第一の例に記載されたように、衣類は設計される。
【0133】
骨盤周囲長に対応する各々の範囲の端部に達するのに必要な衣類延伸は、延伸されていない衣類のパターンを知ることにより計算される。
【0134】
次いで、幅1センチメートル当たり係る伸びを達成するのに必要な力は、上記の1番目のサイクルで力を増加させることによる各材料の延伸に対応する曲線から差し引かれる。
【0135】
次いで、ラプラスの法則は、骨盤周囲長に対応する各範囲の各端部について、衣類によって適用される圧力を計算するのに用いられる。
【0136】
【数3】
【0137】
したがって、衣類は使用者に12mmHg~18mmHgの平均圧力を適用し、それは、衣類は効果を有するが、圧力は使用者に許容されるリンパ浮腫治療における従来の値の範囲に対応する。
【0138】
例3
性別及び骨盤周囲長測定に対応する衣類は、使用者によって着用され、MICROLAB(登録商標)によってPicoPress(登録商標)として販売される圧力センサは、種々の領域(陰部、鼠径部、各脚の側面及び臀部)にて衣類と使用者の間に配置される。
【0139】
衣類は使用者に種々の位置で7mmHg~21mmHgの圧力を適用し、それは、衣類は効果を有するが、圧力は使用者に許容されるリンパ浮腫治療における従来の値の範囲に対応する。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】