(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】直接電力変換器
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
H02M3/28 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022528337
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(85)【翻訳文提出日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2020080027
(87)【国際公開番号】W WO2021094077
(87)【国際公開日】2021-05-20
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522190373
【氏名又は名称】ディフェレンシャル パワー,エス.エル.
【氏名又は名称原語表記】DIFFERENTIAL POWER, S.L.
【住所又は居所原語表記】Bahia de Almeria, 14 D, bajo A, 28042 Madrid (ES)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】コボス マルキエス,ホセ アントニオ
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB23
5H730BB26
5H730BB57
5H730BB86
5H730BB88
5H730CC01
5H730FG05
5H730FG07
(57)【要約】
変圧器又は単巻変圧器を備える、DC又はACエネルギー源を含む一次ポートを、DC又はAC負荷を含む二次ポートに接続する、直流電力変換器、DPX、2つの電力端子及び第1の制御端子を有する2つのノード間の第1の電力スイッチ、及び2つの電力端子を有する他の2つの異なるノード間の第2の電力スイッチ、並びに変圧器又はオートトランスフィーマーを介して、一次ポートエネルギー源を二次ポート負荷に接続するように構成される、第2の制御端子。上記第1及び第2の電力スイッチは導通状態を提供する論理制御信号の作用下で同時に動作されるように構成され、すべての電力スイッチは同時にオン状態にあり、又はすべての電力スイッチは同時にオフ状態にあり、前記変圧器を前記一次ポート及び前記二次ポートに同時に接続又は切断する。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次ポートと二次ポートとを接続するように構成された電力変換器(2)であって、前記一次ポートはDCエネルギー源又はACエネルギー源を含み、前記二次ポートはDC負荷又はAC負荷を含み、前記電力変換器は、
-前記電力変換器の複数のノードに接続された、変圧器又は単巻変圧器及び任意選択のキャパシタ、インダクタ又は抵抗の受動ネットワークと、
-複数のノードのうちの2つのノード(31a、31b)間の第1の電力スイッチ(31)であって、前記第1の電力スイッチ(31)は2つの電力端子及び少なくとも1つの第1の制御端子(101)を有する、該第1の電力スイッチと、
-前記複数のノードの別の異なる2つのノード(32a、32b)間の少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)であって、前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)は2つの電力端子及び少なくとも1つの第2の制御端子(102)を有する、該第2の電力スイッチと、
を含み、
前記第1の電力スイッチ(31)及び前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)は前記一次ポートのエネルギー源を前記二次ポートの負荷に前記変圧器又は単巻変圧器を介して接続するよう構成され、
前記第1及び第2の電力スイッチ(31、32)の前記少なくとも第1の制御端子及び第2の制御端子(101、102)は異なる端子又は単一の端子(100)であり、
前記第1及び前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は論理制御信号(100a)の作用の下で同時に動作するように構成されて、すべての前記電力スイッチ(31、32)が同時にオン状態又はオフ状態になる導通状態を提供し、前記変圧器又は単巻変圧器を前記一次ポート及び前記二次ポートに同時に接続又は切断して直接電力変換器(DPX)を形成するよう構成され、
前記電力スイッチ(31、32)が同時にアクティベートされる所定の期間において、すべての前記電力スイッチ(31、32)のオン状態の時間がすべての前記電力スイッチ(31、32)において50%よりもさらに高い導通デューティサイクルを提供し、それによって所定の平均変換器出力電流に対して前記電力スイッチ(31、32)を介して流れる電流のRMS値を低減することを特徴とする、電力変換器。
【請求項2】
前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は3つの電力端子(11、12、13)の単一構造内に集積され、前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は共通ノードにおいて一緒に接続されて3電力端子電力スイッチデバイス(1)を提供し、前記3電力端子電力スイッチデバイス(1)の単一の制御端子(100)は前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)の制御端子(101、102)を置換し、前記論理制御信号(100a)は前記デバイス(1)の前記単一の制御端子(100)に印加される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項3】
スイッチング損失を減少させるために、前記オン状態とオフ状態との間の電力スイッチ遷移の間に前記電力スイッチ(31、32)の各々に印加される論理制御信号(100a)の前進又は遅延を可能にする追加のタイミング制御を提供するように構成された制御手段をさらに含む、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの第1の電力スイッチ及び第2の電力スイッチ(31、32)は、すべてがトランジスタで実装される制御スイッチであるか、又は、トランジスタで実装される少なくとも1つの制御スイッチとダイオードで実装される少なくとも1つの非制御スイッチを有する、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項5】
前記電力スイッチ(31、32)の前記オン状態の時間は、定常状態に達する変圧器又は単巻変圧器の二次巻線を通る電流を提供するのに十分に長く、それによって、変換器の利得はこのオン状態の時間の特定の持続時間に依存しない、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項6】
前記電力変換装置(2)は、接合又はヘテロ接合、ヘテロ構造、圧電構造、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ゲートターンオフサイリスタ、若しくはそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数を含み、ケイ素、窒化ガリウム、シリコンカーバイド又は他の半導体から選択される半導体技術を使用して実施される、請求項1又は2に記載の電力変換装置(2)。
【請求項7】
前記第1の電力スイッチ又は少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は、変圧器又は単巻変圧器又はそれらの一部の巻線に挿入される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項8】
少なくとも2つの電力スイッチ(31、32)のうち少なくとも1つの電力スイッチ(31)がそれ自体の電圧が0に近づくか等しくなるとオンになるように論理制御信号(100a)を調節することによって全ての前記電力スイッチのオフ時間を設定するように適合された制御手段を含む、請求項1~6のいずれかに記載の電力変換器(2)。
【請求項9】
前記第2の電力スイッチ(32)がそれ自体の電流が0に近づくか等しくなるとオフにされるような方法で、第1の電力スイッチ(31)に対していくらかの遅延を伴って少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)がオフにされるように論理制御信号(100a)を調節することによって全ての電力スイッチのオン時間を設定するように適合された制御手段を含む、請求項1~8のいずれかに記載の電力変換器(2)。
【請求項10】
前記電力スイッチのデューティサイクルを調整して、所定の制約のもとで前記電力スイッチ(31、32)のピーク電圧を維持するように適合された制御手段を含む、請求項1~9のいずれかに記載の電力変換器(2)。
【請求項11】
前記制御手段が、前記電力スイッチのデューティサイクルを変更すること及び/又は周波数をスイッチングすることによって前記電力変換器の利得が調節されるように適合するように構成された直列の追加インダクタンス又は前記電力変圧器又は単巻変圧器の漏れインダクタンスを有し、前記スイッチの前記オン時間がスイッチングサイクル内で前記電力スイッチ(31、32)を介して流れる電流の定常状態に達するのに十分でない、請求項1~10のいずれかに記載の電力変換器(2)。
【請求項12】
3ポートバック-DPX(4)調整DC-DC-DC変換器を形成するバック変換器の集積をさらに含み、前記DPX変換器の磁化インダクタンスが前記バック変換器のインダクタンスとして動作し、入出力ポートの間の前記変換器の利得が前記ディーティサイクルを変更すること及び/又は前記周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は、前記3つのポートのうち少なくとも1つのポートから他の残りのポートの少なくとも1つに流れ得る、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項13】
3ポートバック-DPX(4)調整AC-DC-DC変換器を形成する電力スイッチ(33)を含むバック変換器の集積をさらに含み、前記DPX変換器(2)の磁化インダクタンスが前記バック変換器(3)のインダクタンスとして動作し、入出力ポートの間の前記変換器の利得が前記ディーティサイクルを変更すること及び/又は前記周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は、前記3つのポートのうち少なくとも1つのポートから他の残りのポートの少なくとも1つに流れ得る、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項14】
前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の前記電力スイッチ(33)は前記3ポートバック-DPX(4)を準静的DC-DCセルとして動作させるように構成され、第1のDC入力ポート(201)は整流された高力率AC電圧からDC準静的電圧を受け取り、第2のDC出力ポート(202)はエネルギーバッファとして働くように構成され、第3のDC出力ポート(203)は厳しいDC電圧調整を有するように構成される、請求項13に記載の電力変換器(2)。
【請求項15】
A AC入力ポート(201)から電力が前記第1のDC出力ポート(202)及び前記第2のDC出力ポート(203)に流れ、
B AC入力ポート(201)及び前記第1のDC出力ポート(202)から電力が前記第2のDC出力ポート(203)に通って流れ、
C 前記第1のDC出力ポート(202)から電力が前記第2のDC出力ポート(203)に流れる、
という3つの動作電力経路に従う電力の流れを提供するために、前記3ポートバック-DPX(4)の前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の電力スイッチ(33)のスイッチング周波数及びデューティサイクルの制御手段を含む、請求項14に記載の電力変換器(2)。
【請求項16】
前記エネルギーバッファは、前記入力電圧のRMS値に関連する電圧平均値を有する間接電力を最小化するように動的に調整されるように構成された少なくとも1つのキャパシタを含む、請求項14又は15に記載の電力変換器(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は第1の態様において、1次ポートと2次ポートとを接続する変圧器(又は、トランスフォーマー/transformer)又は単巻変圧器(又は、オートトランスフォーマー/autotransformer)を含む電力変換器(又は、電気パワー変換器/electric power converter)を指し、1次ポートはDC(直流)エネルギー源又はAC(交流)エネルギー源を含み、2次ポートはDC負荷又はAC負荷を含む。
【0002】
したがって、本発明はDC又はACの入力エネルギー源からの電力をDC又はACの負荷出力に処理する電力変換器の分野にあり、ここで、電力は、エネルギー源と負荷とを交換するだけで双方向に流れ得る。
【0003】
DC/DC電力変換セルは、DC/AC、AC/AC及びAC/DC電力変換器を実装するために使用されてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、以下の定義に従って、電力変換器における性能指数の概念が使用される。
【0005】
高密度電力変換器の典型的な性能指数(FOM/Figure of Merit)は、「電力損失」×「体積」である。高電流変換器のためのより具体的なFOMは、「電力スイッチ(又は、パワースイッチ/power switch)における伝導電力損失」と「電力スイッチのフットプリント」との積である。DC-DC変換器のdcポート内のすべての電源が同じ領域にあると仮定すると、簡易FOM
*
portは次のようにFOM
portとして正規化される。
【0006】
そのDCポート(反転電力スイッチ又は整流電力スイッチのいずれか)内の各電力スイッチについてjを計数し、ij_rmsは各電力スイッチを流れる電流のRMS値(又は、実効値)であり、及びIportは各DCポートに流入又は流出する平均値である。
【0007】
本発明は、さらに第2の態様において、複数の電力変換器トポロジーに適した3電力端子電力スイッチデバイス(3PTPS)に言及する。
【0008】
本発明は3つの電力端子電力スイッチに言及するが、4つ又はそれ以上の追加の電力端子を含む追加の電力スイッチの実施形態も本明細書に包含される。
【0009】
1966年、E.T.Moore及びT.G.Wilsonは、「DCからDCへの変換ネットワークのための基本的考察」と題する基本論文を発表した。1969年に、マサチューセッツ工科大学のDan Holden Wolaver博士は、博士論文「DCからDCへの変換システムの基本的研究」を公衆に利用可能にした。両研究がスイッチモードDC-DC変換器において、「ac」又は「間接」電力を生成する少なくとも1つの電力スイッチと、「ac」電力を再び「DC」電力に整流する少なくとも1つの電力スイッチとが存在することが知られていることを示している。当時、電力スイッチは可変抵抗として表現された。「Rac」及び「Rdc」とは、反転電源スイッチ及び整流電源スイッチをいう。
【0010】
これらの電力スイッチは交互にオン状態とオフ状態にあり、これは、電力スイッチのうちの少なくとも1つが50%未満又は50%のデューティサイクルで動作することを意味する。
【0011】
電力変換器の典型的なスイッチモード電源トポロジーはバック(Buck)、ブースト、バックブースト、セピック/キューク、ゼータ、フライバック及び2つの電力スイッチフライバック、アクティブクランプ/単一電力スイッチ/2つの電力スイッチフォワード(又は、前進/forward)、プッシュプル、ワインベルグ(又は、ワインバーグ/Weinberg)、ハーフブリッジ、フルブリッジ、位相シフトフルブリッジ、共振LLC、及び多くの他の最先端でより洗練された変換器である。
【0012】
人工知能集積回路を含むマイクロプロセッサ、CPU、GPU及びXPU全般、ならびにサービス家電、電気自動車、通信その他の電気設備としての高度な負荷によって要求される高電力のため、小型、高性能及び効率的な電力変換器に対する現在の必要性は増大している。
【0013】
準静的DC-DCセルを有するDC-AC、AC-DC及びac-ac電力変換器を含むスイッチングモードDC-DC電力変換器は、2つ又はそれ以上の電力スイッチを含む。電力スイッチには、パワートランジスタ(制御可能デバイス)とパワーダイオード(制御不可能デバイス)ある。電力スイッチ(制御可能デバイス)の1つは、電圧(又は電流)利得調整を実装するために必要な「間接電力」とも呼ばれる「交流電力」を生成する。第2の電力スイッチ(一方向電力変換器のトランジスタ又はダイオード、又は双方向変換器のトランジスタ)はその「交流」又は「間接」電力を整流し、それを出力ポートに供給することが求められる。
【0014】
DC-DC電力変換器の基本セルはBuck(又は、降圧型/step-down)である。Boost(又は、昇圧/step-up)とBuck-boost(又は、昇降圧/step-up/down)であり、その2つの電源スイッチは同時に伝導しない。
【0015】
デューティサイクル「d」は、スイッチング周期(T)に対する、電源スイッチがオンになっている時間(ton)の割合(d=ton/T)として定義される。両方の電力スイッチが交互にオンであり、同時にオンではないので、電力スイッチのうちの少なくとも1つのデューティサイクルは、50%以下又は50%である。
【0016】
同時パッケージ化された(又は、共同パッケージ型/co-packaged)多種多様な2電力端子電力スイッチが市販されている。これらの電力スイッチは独立して駆動され、交互に電源で駆動される。
【0017】
場合によっては、2つのオルタネートスイッチがそれらのオン状態及びオフ状態が相補論理によって決定されるので、単一の論理制御信号で駆動される。
【0018】
他のいくつかの場合では、2つの電力スイッチが並列に接続され、単一の電力スイッチよりも優れた性能(すなわちオン抵抗)を有する単一の2電力端子電力スイッチとして実行される。
【0019】
本発明は本発明の3電源端子電力スイッチの実施形態と比較して、
図2Bに示す既知のデュアル電力スイッチの構成とは関係ない。何故ならば、電力変換器のこの最後の全ての電力スイッチが単一の論理制御信号(100a)の作用下で同時にオン状態及び同時にオフ状態で作動されるように構成されているからであり、すなわち、全ての異なる電力スイッチが同時にオン状態又はオフ状態にあるからである。
【0020】
米国特許出願公開第2003/090237号明細書、特開2011-130552号公報、欧州特許出願公開第1115203号明細書及び米国特許出願公開第2013/181723号明細書には、全ての電力スイッチが同時にはオン状態又はオフ状態で操作されない3電源端子電源スイッチ装置が開示されている。
【0021】
米国特許出願公開第2003/090237号明細書では、スイッチ128及び130(
図1参照)が位相がずれて、すなわち1つの論理制御信号、例えば単一のゲートドライバによって交互に動作される。これは、スイッチ128及び130が異なるタイプ(Nチャネル及びPチャネル)であり、一方のスイッチ128が高論理レベルでスイッチオンされ、他方のスイッチ130が低論理レベルでスイッチオンされるために可能である。
【0022】
米国特許第4561046号明細書及び米国特許第5521807号明細書において、変圧器の「共振リセット」のための戦略が実施されている。いずれの場合も、回路が動作するためには、本発明と比較した付加的な回路が必要である。米国特許第4561046号明細書では、ACエネルギーを蓄積し、送達し、電圧調整を容易にする少なくともLC出力フィルタとダイオードがある。米国特許第5521807号明細書では、変圧器の消磁を担当する「フライバック」接続に少なくとも補助巻線がある。
【0023】
現状では、dacとddcが基本セルの交互スイッチ(alternate switch)の電力スイッチのデューティサイクルであれば、dac+ddc≦1が必ず適用される。なぜなら、電源スイッチは同時には動作せず、交互に動作するからである。
【0024】
従来技術の電力トポロジーは交互の電力スイッチを使用し、したがって、入力ポート及び出力ポート内の電力スイッチの最適なFOM(低い方がよい)は、独立して選択することができない。
図3Cはデューティサイクルの高い値(すなわち、90%)(点B)に対して最良のFOMが得られることを示す。従来技術のコンバータでは、ポート(入力又は出力)のうちの1つに対して高いデューティサイクルが選択される場合、他のポート(出力又は入力)はより悪い(より高い)FOM(点A)を有する低いデューティサイクル(すなわち、10%)で動作される。
【0025】
それどころか、本発明では、両方のスイッチが同時にオン状態にあり、同時にオフ状態にあるので、入力ポート及び出力ポートのスイッチは両方とも良いFOM(d>50%、すなわち90%)で動作することができる。
【0026】
本発明では、共振リセット消磁が磁化インダクタンスと寄生(又は追加)キャパシタンスとの間で行われ、上記の余分な回路のいずれも必要としない。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は一次ポートを二次ポートに接続するように構成された電力変換器に関し、上記技術では、一次ポートはDCエネルギー源又はACエネルギー源を含み、二次ポートはDC負荷又はAC負荷を含み、したがって、
-変圧器又は単巻変圧器、及び任意選択で、電力変換器の複数のノードに接続されたコンデンサ、インダクタ、又は抵抗器の受動ネットワーク;
-前記複数のノードのうちの2つのノード間の第1の電力スイッチ(前記第1の電力スイッチは、2つの電力端子と、少なくとも1つの第1の制御端子とを有する)
-前記複数のノードのうちの別の2つの異なるノード間の少なくとも第2の電力スイッチ(前記少なくとも第2の電力スイッチは、2つの電力端子と、少なくとも第2の制御端子とを有する)
を含み、
前記第1の電力スイッチ及び前記少なくとも第2の電力スイッチは上記複数のノードを相互接続するように構成され、
前記第1及び第2の電力スイッチの前記少なくとも第1及び第2の制御端子は異なる端子又は単一の端子である。
【0028】
本発明によれば、上記第1及び少なくとも第2の電力スイッチは入力DC又はACポート、エネルギー源を、変圧器又は単巻変圧器を介して出力DC又はAC負荷に接続し、電力変換を調整するために「AC電力」の生成及び非蓄積を伴わずに、DC経路を通してのみ電力伝達を提供し、これらの電力スイッチは論理制御信号の作用下で動作するように構成され、すべての電力スイッチがオン状態に同時にあるか、又はすべての電力スイッチがオフ状態に同時にある状態で、変圧器又は単巻変圧器を前記一次ポート及び前記二次ポートに同時に接続又は切断し、直接電力変換器、DPXを形成する。
【0029】
電力スイッチが同時に起動される所定の期間におけるこれらの条件下では、すべての電力スイッチのオン状態時間がすべての電力スイッチにおいて50パーセントよりもさらに高い導通デューティサイクルを提供し、それによって、所定の平均コンバータ入出力電流に対して電力スイッチを流れる電流のRMS値を低減する。
【0030】
一実施形態では参照される第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチが3つの電力端子の単一構造内に集積され、第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチは共通ノードにおいて一緒に接続される。引用された構造は、第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチの制御端子を置換する3電力端子電力スイッチデバイスの単一の制御端子を備えた3電力端子電力スイッチデバイスを提供する。論理制御信号は、装置の前記単一の制御端子に印加される。
【0031】
トランジスタ又はダイオードのいずれかの追加の電力スイッチを含み、変圧器を含むことができる電力段の回路トポロジーには、非常に多様性(diversity)がある。一般的な回路トポロジーは、「フライバック」、「フォワード」、「プッシュプル」、「ハーフブリッジ」、及び「フルブリッジ」である。これらの回路トポロジーの「電流給電」バージョンと、同じもの「共振バージョン」もある。また、Cフィルタ、LCフィルタ、及び「電流ダブラ」を含む、出力フィルタの多様性もある。ソフトスイッチング(ゼロ電圧スイッチング又はゼロ電流スイッチング)を実現するために、いくつかの追加のアクティブ又はパッシブネットワークが追加されることがある。場合によっては、いくつかの基本セルがセピック(Sepic)、キュー(Cuk)又はゼータ(Zeta)コンバータのような、いくつかの冗長な電力スイッチを排除することによって相互接続され、単純化される。それらはまた、それらの構造に変圧器を含んでもよい。
【0032】
それらの全ての共通の特徴は、それらがd>50%で全ての電力スイッチを動作させないことである。d>50%ですべてのマイナス1のスイッチングを行う場合でも、d<50%で動作する少なくとも1つの電源スイッチがある。1つのリミットケースは、すべての電源スイッチを50%で動作させることである。電源トポロジーのすべての電源スイッチに対してd>50%のスイッチモードの電力コンバータはない。
【0033】
本提案の発明では、DC-DC変換を提供するためにAC電力を必要としないため(
図3A参照)、反転及び整流電力スイッチは存在しない。
【0034】
反対に、電力は磁気構成要素を介して入力から出力に直接流れ、電圧変換はAC経路(
図1参照)ではなく、
図3AのDC経路の両方の電力スイッチを介して入力ポート及び出力ポートに同時に接続される、変圧器又は単巻変圧器巻比(turns ratio)によって実施される。
【0035】
このようにして、DC経路を通る電力伝達を提供する同時起動される関係する全ての電力スイッチは、デューティサイクルが50%より高い状態で動作され得る。オン状態の間の変圧器又は単巻変圧器の磁化は、変圧器又は単巻変圧器の磁化インダクタンスと電力スイッチの寄生(又は並列に加えられた)キャパシタンスとの間の共鳴の手段によってオフ状態の間にリセットされる。
【0036】
一実施形態では、電力変換器がスイッチングロスを低減するために、前記オン状態とオフ状態との間の電力スイッチ遷移中に、電力スイッチの各々に印加されるロジック制御信号に対して物理的な駆動信号を進める又は遅らせることを可能にする追加のタイミング制御を提供するように構成された追加の制御手段を含む。
【0037】
一実施形態では、第1又は少なくとも第2の電力スイッチが変圧器又は単巻変圧器又はそれらの一部の巻線に挿入され、同じ磁気構成要素に結合される。
【0038】
電力変換器の参照される少なくとも2つの第1及び第2の電力スイッチは、トランジスタで実施されるすべての制御スイッチであるか、又はトランジスタで実施される少なくとも1つの制御スイッチと、ダイオードで実施される少なくとも1つの非制御スイッチとを備える。
【0039】
あるいは、少なくとも2つの第1及び第2の電力スイッチが電気機械デバイスで実施される。
【0040】
さらに、電力変換器の電力スイッチのオン状態時間は定常状態に達する変圧器又は単巻変圧器の二次巻線を通る電流を提供するのに十分に長くなければならず、それによって、変換器利得はこのオン状態時間の特定の持続時間に依存しない。
【0041】
しかしながら、代替実施形態では電力変換器の利得が電力変圧器又は単巻変圧器の漏れインダクタンス、又は直列の追加インダクタンスを使用することによって調整することができ、それによって、電力スイッチのデューティサイクル及び/又はスイッチング周波数を変更し、スイッチのオン時間はスイッチングサイクル内に電力スイッチを通って流れる電流の定常状態に達するのに十分ではない。
【0042】
本発明の電力コンバータ及び参照される3電力端子電力スイッチデバイスは、接合又はヘテロ接合、ヘテロ構造、圧電構造、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ゲートターンオフサイリスタ、若しくはそれらの組合せのうちの1つ又は複数を含み、シリコン、窒化ガリウム、シリコンカーバイド又は他の半導体の中から選択される半導体技術を使用して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
以下、本発明の他の特徴について詳細に説明する。
【
図1】DCエネルギー源と負荷との間の電力伝達の概念を概略的に示し、より具体的には、2つの電力スイッチ、すなわち、反転電力スイッチとして作用する第1の電力スイッチと、整流電力スイッチとして作用する第2の電力スイッチとを含む、スイッチモード電源(SMPS)による従来の電力コンバータであり、動作中、一方の電力スイッチはオン状態にあり、他方はオフ状態にあるか、又はその逆である。
【
図2A】2つの電力スイッチを備えた従来技術の電力装置の一実施形態を示す図である。
【
図2B】デュアル電力スイッチ構成を有する、
図2Aの1つに類似した電力デバイスの実施形態を示す図である。
【
図3A】本発明の電力変換器、すなわち直接電力変換器DPXを用いた電力伝達の概念を概略的に示す図であり、電力変換を実現するためのAC電力の発生なしに、同時にアクティベート(又は、起動)されてDC経路を通じての電力伝達のみを提供する関係する電力スイッチを示す図である。
【
図3B】同時にアクティベートされる関係する電力スイッチのデューティサイクルを示す。
【
図3C】電力スイッチの反転及び整流組み合わせの性能指数を、それらのデューティサイクルの関数として示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態を示しており、この実施形態では電力スイッチが同時に両方ともオン状態又は両方ともオフ状態にあり、第1及び第2の電力スイッチは3つの電力端子を含む単一の構造に一体化され、3電力端子電力スイッチ(3PTPS)を形成する。
【
図5A】本発明の3電源端子電力スイッチの電気的シンボルを示す図である。
【
図5B】オン状態の3電源端子電力スイッチのこの電気的シンボルを示す。
【
図5C】オフ状態の3電源端子電力スイッチのこの電気的シンボルを示す。
【
図6】点線で示される、3電力端子電力スイッチを有するか、又はより多くの電力スイッチを含む、本発明による電力変換器の回路を示す。
【
図7A】本発明による、同時に動作するように構成された2つの電力スイッチを含む変圧器を備えた電力変換装置の回路の一実施形態を示す図である。
【
図7B】電源スイッチに3PTPSを使用しており
図7Aと同等である。
【
図8A】本発明による、同時に動作するように構成された2つの電力スイッチを含む単巻変圧器を備えた一実施形態の回路を示す図である。
【
図8B】単巻変圧器を備えた別の配置の
図8Aの回路を示す図である。
【
図8C】
図8Cは、3電源端子電力スイッチ装置(3PTPS)を用いた
図8Bの回路に対応する。
【
図9】本発明による、同時に動作するように構成された2つの電力スイッチを含む単巻変圧器を備えた回路の別の実施形態である。
【
図10】トランジスタを実装した1つの制御スイッチと、ダイオードを実装した1つの非制御スイッチとを含む実施形態である。
【
図11A】本発明による、同時に動作するように構成された2つの電力スイッチを含む単巻変圧器を有する別の実施形態を示し、1つの電力スイッチは、同じ磁気構造に結合された単巻変圧器の巻線又は巻線の一部の間に含まれる。
【
図12A】
図9の回路の同じ実施形態を示し、単巻変圧器は本発明に従って同時に作動するように構成されるが、エネルギーが逆方向に流れる2つの電力スイッチを含み、電力変換器の双方向性の特徴を証明する。
【
図13A】本発明による、同時に動作するように構成された2つの電力スイッチを含む、変圧器及び複数の出力を有する回路を示す図である。
【
図14】同時に動作するように構成された2つの電力スイッチと、電力変換器の寄生素子又は追加素子とを含む、本発明の電力変換器の等価回路を示す。
【
図15】ゼロ電圧スイッチング(ZVS)を詳細に示す、本発明の電力変換装置の挙動を示すグラフである。
【
図16】ゼロ電流スイッチング(ZCS)を詳細に示す、本発明の電力変換装置の挙動を示すグラフである。
【
図17】コンバータの利得を調整することを可能にする漏れインダクタンスを直列に追加した
図10における実施形態である。
【
図19】異なる寄生容量の異なる値の影響に応じて、変圧器又は単巻変圧器における電流対時間のいくつかの曲線を示すグラフであって、電圧利得が充電制御、したがって電圧調整を提供するのに十分なほど調整されない、又は短くなるように、オン時間が十分に長くなり得ることを示すグラフ。寄生インダクタンスの異なる値の影響に応じて、他の曲線を得ることができる。
【
図20】本発明のDPX変換器とバック変換器を一体化し、3ポートのバックDPX調整変換器を形成することを含む電力コンバータを示す。
【
図21】本発明のDPX変換器とバック変換器を一体化し、3ポートバックDPX調整変換器(three port Buck-DPX regulated converter)を形成することを含む電力コンバータを示す。
【
図22】ポート2がエネルギーバッファであり、ポート1が整流されたAC電圧であり、ポート3がDC負荷である「エネルギーバッファ型AC-DC電力コンバータ」として動作する3ポートバック-DPXコンバータを示す。
【
図23A】整流されたAC電圧(DCポート1)からエネルギーバッファ(DCポート2)及びDC負荷(DCポート3)への電力潮流を示す、
図22の3ポート電力変換器を示す。
【
図23B】整流されたAC電圧(DCポート1)及びエネルギーバッファ(DCポート2)からDC負荷(DCポート3)への電力の流れを示す、
図22の3ポート電力変換器を示す
【
図23C】エネルギーバッファ(DCポート2)からDC負荷(DCポート3)への電力フローを示す、
図22の3ポート電力コンバータを示す
【
図24】
図24は整流されたAC(DCポート1)内の電圧(破線)及び入力電流の例示的な波形、並びに、結果として生じる脈動入力電力(破線)を示し、これらは、DCポート3内の図示の一定のDC電力にバッファされ、変換される。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明は一次ポートを二次ポートに接続するように構成された電力変換器に関し、一次ポートはDCエネルギー源又はACエネルギー源を含み、二次ポートはDC負荷又はAC負荷を含み、当技術分野で知られているように、
-変圧器又は単巻変圧器、及び任意選択で、電力変換器の複数のノードに接続されたキャパシタ、インダクタ又は抵抗の受動ネットワークと、
-前記複数のノードのうちの2つのノード間の第1の電力スイッチであって、前記第1の電力スイッチは、2つの電力端子と、少なくとも1つの第1の制御端子とを有する、該第1の電力スイッチと、
-前記複数のノードの他の2つの異なるノード間の少なくとも第2の電力スイッチであって、前記少なくとも第2の電力スイッチは2つの電力端子と少なくとも1つの第2の制御端子とを有する、該第2の電力スイッチと、
を含み、前記第1の電力スイッチ及び前記少なくとも第2の電力スイッチは、上記複数のノードを相互接続するように構成される。
【0045】
本発明はいくつかのトポロジーから生じ、第1及び少なくとも第2の電力スイッチ31、32が論理制御信号100aの作用下で同時に動作するように構成されて、すべての電力スイッチ31、32が同時にオン状態にあるか、又はすべての電力スイッチがオフ状態にある導通状態を提供し、前記変圧器又は単巻変圧器を前記一次ポート及び前記二次ポートに同時に接続し又は切断し、直接電力変換器DPXを形成する電力変換器2を提供する全く異なるアプローチを提案する。
【0046】
このようにして、前記電力スイッチ31、32が同時にアクティベートされる所定の期間において、すべての電力スイッチ31、32のオン状態の時間はすべての電力スイッチ31、32において50パーセントよりもさらに高い導通デューティサイクルを提供し、それによって、所定の平均変換器出力電流に対して電力スイッチ31、32を通って流れる電流のRMS値を低減する。
【0047】
提案した電力変換器2は2つ又はそれ以上の電力スイッチ31、32を含み、これらは、それらの間で直列、並列、又は直列と並列の組み合わせによって接続される。
【0048】
実施形態において、第1及び第2の電力スイッチ31、32は3つの電力端子11、12、13の単一の構造に集積され(
図4を参照)、デバイス100の単一の制御ゲートは第1及び第2の電力スイッチ101、102の制御ゲート(
図2A及び
図2Bの従来技術の実施形態を参照)を代替し、同時に両方の電力スイッチ31、32を動作させ、その結果、第1及び第2の電力スイッチ31、32は、デバイス100の単一の制御ゲートに印加される単一の論理制御信号100aの作用の下で、異なるノードを接続し又は切断することで同時にオン又はオフにされて3電力端子電力スイッチデバイス1が得られる。
【0049】
3つの電力端子における電圧及び電流は正又は負であり、これは電圧及び電流の双方向性を意味し、したがって、電力はデバイスの入力ポートから出力ポートへ、又はその逆に流れることができる。
【0050】
本発明の提案による3電力端子電力スイッチデバイス1ではデバイス100の単一の制御ゲートに印加される単一の論理制御信号100Aの作用の下で同時にターンオン又はターンオフされる少なくとも2つの第1及び第2の電力スイッチ31、32は直列又は並列接続で一緒に接続される。
【0051】
開示した3電力端子電力スイッチ装置の実施形態では、少なくとも2つの第1及び第2の電力スイッチ31、32は互いに接続されていない。
【0052】
本発明は、3つの電力端子電力スイッチ装置1が、少なくとも2つの第1及び第2の電力スイッチ31、32のターンオン又はターンオフの同時作用によって最適化された性能指数を有することを更に特徴とする。
【0053】
先に示したように、提案した電力変換器には、スイッチング損失を低減するために、前記共通のオン及びオフ状態の間の電力スイッチ移行中に電力スイッチの各々に印加される論理制御信号を進めるか又は遅延させることを可能にする追加のタイミング制御を提供するように構成された追加の制御手段が提供される。
【0054】
本発明の電力変換器2の利得は変圧器又は単巻変圧器を通るエネルギー伝達に基づいており(
図6参照)、電力変換器2は調整(regulation)の有無にかかわらず、電圧及び電流の利得を有する。
【0055】
図3Aに示されるように、提案した電力変換器2において電力は、入力から出力へ、単巻変圧器(auto-transformer)を介して直接流れてもよい。
【0056】
さらに、本発明による3電力端子電力スイッチ1は、2つ又はそれ以上の電力スイッチを含む準静的DC-DCセルから構成される準静的な方法で動作するように構成される。
【0057】
提案した電力変換器は、以下に適合される制御手段をさらに含むことができる。
-少なくとも2つの電力スイッチのうち少なくとも1つの電力スイッチがそれ自体の電圧が0に近づくか等しくなるとターンオンされるように、参照される論理制御信号を調整することによって、全ての電力スイッチのオフ時間を設定する、
-第2の電力スイッチ(32)がそれ自体の電流が0に近づくか等しくなるとターンオフされるように(少なくとも第2の電力スイッチ(32)が第1の電力スイッチ(31)に対していくらかの遅延を伴ってオフにされるように)参照される論理制御信号を調節することによって、全ての電力スイッチのオンタイムを設定する、
-所定の制約下で電力スイッチのピーク電圧を維持するように電力スイッチのデューティサイクルを調整する。
【0058】
一実施形態では、述べられた制御手段が電力スイッチのデューティサイクルを変更することによって、及び/又は周波数をスイッチングすることによって、電力変換器の利得が調整されるように適合させるように構成された、電力変圧器又は単巻変圧器又は直列の追加インダクタンスの漏れインダクタンス(
図17参照)をさらに含み、スイッチのオン時間がスイッチングサイクル内に電力スイッチ(31、32)を通って流れる電流の定常状態に達するのに十分でない。
【0059】
ZVSゼロ電圧スイッチング
本発明の電力変換器では、単一の論理制御信号100aが、電力スイッチ32の電圧が0に近づく又は等しくなると、少なくとも2つの電力スイッチデバイス31、32のうち少なくとも1つの電力スイッチ31がターンオンされる(ゼロ電圧スイッチング(ZVS))ように調節され、ここで、タイミングシーケンスを実施するよう電力スイッチ32の電圧又は電流が感知され又は計算され、それに従い、電力スイッチ31のオン時間中に磁化電流が増加し、オフ時間中に共振が発生し、磁化インダクタンスに蓄えられたエネルギーがキャパシタC1及びC2に伝達され、共振的に、それらの電圧が最大値に増加し0に戻り、ここで、第1の電力スイッチ31及び第2の電力スイッチ32のオフ時間は、電圧を「感知し」又は第1の電力スイッチ31及び第2の電力スイッチ32の電圧を他の手段で計算すると決定される。このタイミングシーケンスを実施するために、電力スイッチ又は同等物内の電圧又は電流(又は、電力スイッチ内の電圧又は電流又は同等物)を感知し又は計算することができる。
【0060】
ZVSがどのように達成されるかを理解するために、
図14に見られるように回路を単純化する。電力スイッチが同時に開くと、変圧器は寄生キャパシタを介して共振的に消磁される。
【0061】
この共振は、磁化インダクタンスと寄生キャパシタによって引き起こされるので、一次側に対し二次側を形成する電力スイッチの容量を参照すると次の式で表すことができる。
【0062】
図15のグラフでは、このZVSタイミングをより詳細に見ることができる。
【0063】
磁気コンポーネントの磁化インダクタンスと、寄生又は意図的に電力スイッチに並列に加えられたキャパシタンスとの間に共振が生じ、この等価回路が
図14に示されている。
-S1及びS2のオン時間には、磁化電流が増加する。
-オフ時間の間、共振が発生し、そこでは磁化インダクタンスのエネルギーがキャパシタンスC1及びC2に伝達され、共振的に、それらの電圧を最大に増加させ、ゼロに戻る。
【0064】
スイッチS1及びS2は、それらの電力端子間の電圧が「ゼロ電圧スイッチング」として文献で知られているゼロ近傍に減少すると、オンにされる。
【0065】
S1及びS2におけるオフ時間は、電圧を「感知」するか、S1及び/又はS2における電圧を他の手段によって「推定」又は計算すると決定される。
【0066】
ZCSゼロ電流スイッチング
図16は本発明の電力変換器2のこの動作モードを示しており、電流がゼロに近づくか等しくなると、1つの電力スイッチ32がオフにされるような方法で、1つの電力スイッチ31が別の電力スイッチ32に対してある程度の遅延を伴ってオフにされ(ゼロ電流スイッチング(ZCS))、電力スイッチ31内の電圧又は電流が感知又は計算されて、タイミングシーケンスが実施され、それに従い、第1の電力スイッチ31がオフ状態にされ、第1の電力スイッチ31がオフにされた後の第2の電力スイッチ32を通って流れる電流がゼロ電流スイッチング(ZCS)として文献で知られているゼロの近傍に減少するまでのある遅延時間t
delayの間、第2の電力スイッチ32がオン状態に維持される。第1の電力スイッチ31のターンオフと第2の電力スイッチ32のターンオフとの間の時間遅延t
delayは、電流を感知するか、又は第2の電力スイッチ32の電流を他の手段によって計算することによって決定される。
【0067】
言い換えれば、電流がゼロに近づくかゼロになるとオフにされるような方法で、一方の電源スイッチは他方に対してある程度の遅延を伴ってオフにされ(ゼロ電流スイッチング(ZCS))、また、電力スイッチ又は同等物内の電圧又は電流(又は、電力スイッチ内の電圧又は電流又は同等物)を感知して、このタイミングシーケンスを実施してもよい。
【0068】
ゼロ電流スイッチングZCSは、一次電力スイッチを二次電力スイッチより少し早くオフにするだけの簡単な方法で得ることができる。
【0069】
図15に示すように、この短時間で二次側に電流が流れるのが止まるため、二次側の電力スイッチはそこを通る高出力電流でオフにならない。
【0070】
S1の論理制御信号がオフ状態になると、電流i1及びi2は減少し始める。
【0071】
S2の論理制御信号は、S1がオフにされた後、電力スイッチS2を介して流れる電流がゼロ電流スイッチング(ZCS)として文献で知られているゼロの近傍に減少するまで、ある程度の遅延時間tdelayの間、オン状態に維持される。
【0072】
S1がオフになってからS2がオフになるまでの時間遅延tdelayは、電流を「感知」するか他の手段によってS2内の電流を「計算」するかによって決定される。
【0073】
本発明の原理によって実施される既知のトポロジーにおける結果についての詳細を以下に詳述する。
【0074】
表1は、DC-DC変換器の入力ポート、FOM
port、最高電圧及びデューティサイクルの範囲のための典型的な電力トポロジーを示す。
【0075】
表2は、DC-DC変換器の出力ポート、FOM
port、最高電圧及びデューティサイクルの範囲のための典型的な電力トポロジーを示す。
【0076】
本発明の一実施形態において、本発明の電力変換器2、DPXはさらに、
図21に示す3ポートバック-DPX4調整DC-DC-DC変換器を得るバック変換器3の集積(
図20参照)を含み、ここで、DPX変換器2の磁化インダクタンスはバック変換器3のインダクタンスとして動作し、入出力ポート間の変換器の利得はデューティサイクルを変更すること及び/又は周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は前記3つのポートのうち少なくとも1つから他の残りのポートのうち少なくとも1つに流れることができる。
【0077】
代替の実施形態では、
図22の3ポートバック-DPX4は調整されたAC-DC-DC変換器である。
【0078】
図21及び
図22の引用された実施形態に関して、DPX2の電力スイッチ31及びバック変換器3の電力スイッチ33は準静的DC-DCセルとして3ポートバック-DPX4を動作させるように構成され、第1のDC入力ポート201は整流された高力率(rectified high power factor)AC電圧源からDC準静的電圧を受け取り、第2のDC出力ポート202はエネルギーバッファとして作用するように構成され、第3のDC出力ポート203はタイトな(又は、厳しい/緊密な)DC電圧調整を有するように構成される。
【0079】
また、
図21及び
図22の引用された実施形態に関して、本発明は、下記の3つの異なった動作電力経路に従って電力の流れを提供するために、3ポートバック-DPX4のDPX2の前記電力スイッチ31及びバック変換器3の電力スイッチ33のスイッチング周波数及びデューティサイクルの制御手段を提案する。
A AC入力ポート201から、電力は、第1のDC出力ポート202及び第2のDC出力ポート203を通って流れる(
図23A参照)。
B AC入力ポート201及び第1のDC出力ポート202から、電力は、第2のDC出力ポート203に流れる(
図23B参照)。
C 第1のDC出力ポート202から、電力は、第2のDC出力ポート203に流れる(
図23C参照)。
【0080】
3ポートバック-DPX4におけるさらなる実施形態では、エネルギーバッファが入力電圧のRMS値に関連して電圧平均値を有する間接電力を最小化するように動的に調整されるように構成された1つ又は複数のキャパシタを含む。
図24は、ユニバーサル入力電圧(85~264Vac)の高電圧範囲のACライン電圧を示す。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次ポートと二次ポートとを接続するように構成された電力変換器(2)であって、前記一次ポートはDCエネルギー源又はACエネルギー源を含み、前記二次ポートはDC負荷を含み、前記電力変換器は、
-前記電力変換器の複数のノードに接続された、変圧器又は単巻変圧器及び任意選択のキャパシタ、インダクタ又は抵抗の受動ネットワークと、
-複数のノードのうちの2つのノード(31a、31b)間の第1の電力スイッチ(31)であって、前記第1の電力スイッチ(31)は2つの電力端子及び少なくとも1つの第1の制御端子(101)及び並列のキャパシタを有する、該第1の電力スイッチと、
-前記複数のノードの別の異なる2つのノード(32a、32b)間の少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)であって、前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)は2つの電力端子及び少なくとも1つの第2の制御端子(102)及び並列のキャパシタを有する、該第2の電力スイッチと、
を含み、
前記第1の電力スイッチ(31)は、前記変圧器又は前記単巻変圧器の一次側に配置され、前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)は、前記変圧器又は前記単巻変圧器の二次側に配置され、前記第1及び第2の電力スイッチは、前記一次ポートのエネルギー源を前記二次ポートの負荷に前記変圧器又は単巻変圧器を介して接続するよう構成され、
前記第1及び第2の電力スイッチ(31、32)の前記少なくとも第1の制御端子及び第2の制御端子(101、102)は異なる端子又は単一の端子(100)であり、
前記第1及び前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は論理制御信号(100a)の作用の下で同時に動作するように構成されて、すべての前記電力スイッチ(31、32)が同時にオン状態又はオフ状態になる導通状態を提供し、前記変圧器又は単巻変圧器を前記一次ポート及び前記二次ポートに同時に接続又は切断して直接電力変換器(DPX)を形成するよう構成され、
前記電力スイッチ(31、32)が同時にアクティベートされる所定の期間において、すべての前記電力スイッチ(31、32)のオン状態の時間が前記電力スイッチ(31、32)において50%よりも高い導通デューティサイクル範囲を伴う前記変換器を通るエネルギー源から負荷への直接電力経路を提供し、それによって所定の平均変換器出力電流に対して前記電力スイッチ(31、32)を介して流れる電流のRMS値を低減し、
すべての前記電力スイッチ(31、32)の前記導通デューティサイクルが所定の制約のもとで前記電力スイッチ(31、32)のピーク電圧を維持するように調整され、
それにより、前記変圧器又は前記単巻変圧器の磁化インダクタンスと前記電力スイッチの寄生又は並列に追加されたキャパシタンスの間の共振により、前記変圧器又は前記単巻変圧器のオン状態の間の磁化がオフ状態の間にリセットされることを特徴とする、電力変換器。
【請求項2】
前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は3つの電力端子(11、12、13)の単一構造内に集積され、前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は共通ノードにおいて一緒に接続されて3電力端子電力スイッチデバイス(1)を提供し、前記3電力端子電力スイッチデバイス(1)の単一の制御端子(100)は前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)の制御端子(101、102)を置換し、前記論理制御信号(100a)は前記デバイス(1)の前記単一の制御端子(100)に印加される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項3】
スイッチング損失を減少させるために、前記オン状態とオフ状態との間の電力スイッチ遷移の間に前記電力スイッチ(31、32)の各々に印加される論理制御信号(100a)の前進又は遅延を可能にする追加のタイミング制御を提供するように構成された制御手段をさらに含む、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの第1の電力スイッチ及び第2の電力スイッチ(31、32)は、すべてがトランジスタで実装される制御スイッチであるか、又は、トランジスタで実装される少なくとも1つの制御スイッチとダイオードで実装される少なくとも1つの非制御スイッチを有する、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項5】
前記電力スイッチ(31、32)の前記オン状態の時間は、定常状態に達する変圧器又は単巻変圧器の二次巻線を通る電流を提供するのに十分に長く、それによって、変換器の利得はこのオン状態の時間の特定の持続時間に依存しない、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項6】
前記電力変換装置(2)は、接合又はヘテロ接合、ヘテロ構造、圧電構造、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ゲートターンオフサイリスタ、若しくはそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数を含み、ケイ素、窒化ガリウム、シリコンカーバイド又は他の半導体から選択される半導体技術を使用して実施される、請求項1又は2に記載の電力変換装置(2)。
【請求項7】
前記第1の電力スイッチ又は少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は、変圧器又は単巻変圧器又はそれらの一部の巻線に挿入される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項8】
少なくとも2つの電力スイッチ(31、32)のうち少なくとも1つの電力スイッチ(31)がそれ自体の電圧が0に近づくか等しくなるとオンになるように論理制御信号(100a)を調節することによって全ての前記電力スイッチのオフ時間を設定するように適合された制御手段を含む、請求項1~6のいずれかに記載の電力変換器(2)。
【請求項9】
前記第2の電力スイッチ(32)がそれ自体の電流が0に近づくか等しくなるとオフにされ、及び/又は、前記変換器により電流が運ばれることの指示に対していくらかの遅延を伴ってオンにされるような方法で、第1の電力スイッチ(31)に対していくらかの遅延を伴って少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)がオフにされるように論理制御信号(100a)を調節することによって全ての電力スイッチのオン時間を設定するように適合された制御手段を含む、請求項1~8のいずれかに記載の電力変換器(2)。
【請求項10】
前記制御手段が、前記電力スイッチのデューティサイクル及び/又その遅延及び/又スイッチング周波数を変更することによって電流が前記変換器によって運ばれるように指示するように構成された直列の追加インダクタンス又は前記電力変圧器又は単巻変圧器の漏れインダクタンスを有する、請求項9に記載の電力変換器(2)。
【請求項11】
3ポートバック-DPX(4)調整DC-DC-DC変換器を形成するバック変換器の集積をさらに含み、前記DPX変換器の磁化インダクタンスが前記バック変換器のインダクタンスとして動作し、入出力ポートの間の前記変換器の利得が前記ディーティサイクルを変更すること及び/又は前記周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は、前記3つのポートのうち少なくとも1つのポートから他の残りのポートの少なくとも1つに流れ得る、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項12】
3ポートバック-DPX(4)調整AC-DC-DC変換器を形成する電力スイッチ(33)を含むバック変換器の集積をさらに含み、前記DPX変換器(2)の磁化インダクタンスが前記バック変換器(3)のインダクタンスとして動作し、入出力ポートの間の前記変換器の利得が前記ディーティサイクルを変更すること及び/又は前記周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は、前記3つのポートのうち少なくとも1つのポートから他の残りのポートの少なくとも1つに流れ得る、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項13】
前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の前記電力スイッチ(33)は前記3ポートバック-DPX(4)を準静的DC-DCセルとして動作させるように構成され、第1のDC入力ポート(201)は整流された高力率AC電圧からDC準静的電圧を受け取り、第2のDC出力ポート(202)はエネルギーバッファとして働くように構成され、第3のDC出力ポート(203)は厳しいDC電圧調整を有するように構成される、請求項12に記載の電力変換器(2)。
【請求項14】
前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の前記電力スイッチ(33)は前記3ポートバック-DPX(4)を準静的DC-DCセルとして動作させるように構成され、第1のDC入力ポート(201)は整流された高力率AC電圧からDC準静的電圧を受け取り、第2のDC出力ポート(202)はエネルギーバッファとして働くように構成され、第3のDC出力ポート(203)は厳しいDC電圧調整を有するように構成され、
A AC入力ポート(201)から電力が前記第1のDC出力ポート(202)及び前記第2のDC出力ポート(203)に流れ、
B AC入力ポート(201)及び前記第1のDC出力ポート(202)から電力が前記第2のDC出力ポート(203)に通って流れ、
C 前記第1のDC出力ポート(202)から電力が前記第2のDC出力ポート(203)に流れる、
という3つの動作電力経路に従う電力の流れを提供するために、前記3ポートバック-DPX(4)の前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の電力スイッチ(33)のスイッチング周波数及びデューティサイクルの制御手段を含む、請求項14に記載の電力変換器(2)。
【請求項15】
前記エネルギーバッファは、前記入力電圧のRMS値に関連する電圧平均値を有する間接電力を最小化するように動的に調整されるように構成された少なくとも1つのキャパシタを含む、請求項13又は14に記載の電力変換器(2)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
3ポートバック-DPX4におけるさらなる実施形態では、エネルギーバッファが入力電圧のRMS値に関連して電圧平均値を有する間接電力を最小化するように動的に調整されるように構成された1つ又は複数のキャパシタを含む。
図24は、ユニバーサル入力電圧(85~264Vac)の高電圧範囲のACライン電圧を示す。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
一次ポートと二次ポートとを接続するように構成された電力変換器(2)であって、前記一次ポートはDCエネルギー源又はACエネルギー源を含み、前記二次ポートはDC負荷又はAC負荷を含み、前記電力変換器は、
-前記電力変換器の複数のノードに接続された、変圧器又は単巻変圧器及び任意選択のキャパシタ、インダクタ又は抵抗の受動ネットワークと、
-複数のノードのうちの2つのノード(31a、31b)間の第1の電力スイッチ(31)であって、前記第1の電力スイッチ(31)は2つの電力端子及び少なくとも1つの第1の制御端子(101)を有する、該第1の電力スイッチと、
-前記複数のノードの別の異なる2つのノード(32a、32b)間の少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)であって、前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)は2つの電力端子及び少なくとも1つの第2の制御端子(102)を有する、該第2の電力スイッチと、
を含み、
前記第1の電力スイッチ(31)及び前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)は前記一次ポートのエネルギー源を前記二次ポートの負荷に前記変圧器又は単巻変圧器を介して接続するよう構成され、
前記第1及び第2の電力スイッチ(31、32)の前記少なくとも第1の制御端子及び第2の制御端子(101、102)は異なる端子又は単一の端子(100)であり、
前記第1及び前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は論理制御信号(100a)の作用の下で同時に動作するように構成されて、すべての前記電力スイッチ(31、32)が同時にオン状態又はオフ状態になる導通状態を提供し、前記変圧器又は単巻変圧器を前記一次ポート及び前記二次ポートに同時に接続又は切断して直接電力変換器(DPX)を形成するよう構成され、
前記電力スイッチ(31、32)が同時にアクティベートされる所定の期間において、すべての前記電力スイッチ(31、32)のオン状態の時間がすべての前記電力スイッチ(31、32)において50%よりもさらに高い導通デューティサイクルを提供し、それによって所定の平均変換器出力電流に対して前記電力スイッチ(31、32)を介して流れる電流のRMS値を低減することを特徴とする、電力変換器。
<請求項2>
前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は3つの電力端子(11、12、13)の単一構造内に集積され、前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は共通ノードにおいて一緒に接続されて3電力端子電力スイッチデバイス(1)を提供し、前記3電力端子電力スイッチデバイス(1)の単一の制御端子(100)は前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)の制御端子(101、102)を置換し、前記論理制御信号(100a)は前記デバイス(1)の前記単一の制御端子(100)に印加される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項3>
スイッチング損失を減少させるために、前記オン状態とオフ状態との間の電力スイッチ遷移の間に前記電力スイッチ(31、32)の各々に印加される論理制御信号(100a)の前進又は遅延を可能にする追加のタイミング制御を提供するように構成された制御手段をさらに含む、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項4>
前記少なくとも2つの第1の電力スイッチ及び第2の電力スイッチ(31、32)は、すべてがトランジスタで実装される制御スイッチであるか、又は、トランジスタで実装される少なくとも1つの制御スイッチとダイオードで実装される少なくとも1つの非制御スイッチを有する、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項5>
前記電力スイッチ(31、32)の前記オン状態の時間は、定常状態に達する変圧器又は単巻変圧器の二次巻線を通る電流を提供するのに十分に長く、それによって、変換器の利得はこのオン状態の時間の特定の持続時間に依存しない、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項6>
前記電力変換装置(2)は、接合又はヘテロ接合、ヘテロ構造、圧電構造、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ゲートターンオフサイリスタ、若しくはそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数を含み、ケイ素、窒化ガリウム、シリコンカーバイド又は他の半導体から選択される半導体技術を使用して実施される、請求項1又は2に記載の電力変換装置(2)。
<請求項7>
前記第1の電力スイッチ又は少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は、変圧器又は単巻変圧器又はそれらの一部の巻線に挿入される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項8>
少なくとも2つの電力スイッチ(31、32)のうち少なくとも1つの電力スイッチ(31)がそれ自体の電圧が0に近づくか等しくなるとオンになるように論理制御信号(100a)を調節することによって全ての前記電力スイッチのオフ時間を設定するように適合された制御手段を含む、請求項1~6のいずれかに記載の電力変換器(2)。
<請求項9>
前記第2の電力スイッチ(32)がそれ自体の電流が0に近づくか等しくなるとオフにされるような方法で、第1の電力スイッチ(31)に対していくらかの遅延を伴って少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)がオフにされるように論理制御信号(100a)を調節することによって全ての電力スイッチのオン時間を設定するように適合された制御手段を含む、請求項1~8のいずれかに記載の電力変換器(2)。
<請求項10>
前記電力スイッチのデューティサイクルを調整して、所定の制約のもとで前記電力スイッチ(31、32)のピーク電圧を維持するように適合された制御手段を含む、請求項1~9のいずれかに記載の電力変換器(2)。
<請求項11>
前記制御手段が、前記電力スイッチのデューティサイクルを変更すること及び/又は周波数をスイッチングすることによって前記電力変換器の利得が調節されるように適合するように構成された直列の追加インダクタンス又は前記電力変圧器又は単巻変圧器の漏れインダクタンスを有し、前記スイッチの前記オン時間がスイッチングサイクル内で前記電力スイッチ(31、32)を介して流れる電流の定常状態に達するのに十分でない、請求項1~10のいずれかに記載の電力変換器(2)。
<請求項12>
3ポートバック-DPX(4)調整DC-DC-DC変換器を形成するバック変換器の集積をさらに含み、前記DPX変換器の磁化インダクタンスが前記バック変換器のインダクタンスとして動作し、入出力ポートの間の前記変換器の利得が前記ディーティサイクルを変更すること及び/又は前記周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は、前記3つのポートのうち少なくとも1つのポートから他の残りのポートの少なくとも1つに流れ得る、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項13>
3ポートバック-DPX(4)調整AC-DC-DC変換器を形成する電力スイッチ(33)を含むバック変換器の集積をさらに含み、前記DPX変換器(2)の磁化インダクタンスが前記バック変換器(3)のインダクタンスとして動作し、入出力ポートの間の前記変換器の利得が前記ディーティサイクルを変更すること及び/又は前記周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は、前記3つのポートのうち少なくとも1つのポートから他の残りのポートの少なくとも1つに流れ得る、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項14>
前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の前記電力スイッチ(33)は前記3ポートバック-DPX(4)を準静的DC-DCセルとして動作させるように構成され、第1のDC入力ポート(201)は整流された高力率AC電圧からDC準静的電圧を受け取り、第2のDC出力ポート(202)はエネルギーバッファとして働くように構成され、第3のDC出力ポート(203)は厳しいDC電圧調整を有するように構成される、請求項13に記載の電力変換器(2)。
<請求項15>
A AC入力ポート(201)から電力が前記第1のDC出力ポート(202)及び前記第2のDC出力ポート(203)に流れ、
B AC入力ポート(201)及び前記第1のDC出力ポート(202)から電力が前記第2のDC出力ポート(203)に通って流れ、
C 前記第1のDC出力ポート(202)から電力が前記第2のDC出力ポート(203)に流れる、
という3つの動作電力経路に従う電力の流れを提供するために、前記3ポートバック-DPX(4)の前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の電力スイッチ(33)のスイッチング周波数及びデューティサイクルの制御手段を含む、請求項14に記載の電力変換器(2)。
<請求項16>
前記エネルギーバッファは、前記入力電圧のRMS値に関連する電圧平均値を有する間接電力を最小化するように動的に調整されるように構成された少なくとも1つのキャパシタを含む、請求項14又は15に記載の電力変換器(2)。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次ポートと二次ポートとを接続するように構成された電力変換器(2)であって、前記一次ポートはDCエネルギー源又はACエネルギー源を含み、前記二次ポートはDC負荷を含み、前記電力変換器は、
-前記電力変換器の複数のノードに接続された、変圧器又は単巻変圧器及び任意選択のキャパシタ、インダクタ又は抵抗の受動ネットワークと、
-複数のノードのうちの2つのノード(31a、31b)間の第1の電力スイッチ(31)であって、前記第1の電力スイッチ(31)は2つの電力端子及び少なくとも1つの第1の制御端子(101)及び並列のキャパシタを有する、該第1の電力スイッチと、
-前記複数のノードの別の異なる2つのノード(32a、32b)間の少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)であって、前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)は2つの電力端子及び少なくとも1つの第2の制御端子(102)及び並列のキャパシタを有する、該第2の電力スイッチと、
を含み、
前記第1の電力スイッチ(31)は、前記変圧器又は前記単巻変圧器の一次側に配置され、前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)は、前記変圧器又は前記単巻変圧器の二次側に配置され、前記第1及び第2の電力スイッチは、前記一次ポートのエネルギー源を前記二次ポートの負荷に前記変圧器又は単巻変圧器を介して接続するよう構成され、
前記第1及び第2の電力スイッチ(31、32)の前記少なくとも第1の制御端子及び第2の制御端子(101、102)は異なる端子又は単一の端子(100)であり、
前記第1及び前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は論理制御信号(100a)の作用の下で同時に動作するように構成されて、すべての前記電力スイッチ(31、32)が同時にオン状態又はオフ状態になる導通状態を提供し、前記変圧器又は単巻変圧器を前記一次ポート及び前記二次ポートに同時に接続又は切断して直接電力変換器(DPX)を形成するよう構成され、
前記電力スイッチ(31、32)が同時にアクティベートされる所定の期間において、すべての前記電力スイッチ(31、32)のオン状態の時間が前記電力スイッチ(31、32)において50%よりも高い導通デューティサイクル範囲を伴う前記変圧器を通るエネルギー源から負荷への直接電力経路を提供し、それによって所定の平均変換器出力電流に対して前記電力スイッチ(31、32)を介して流れる電流のRMS値を低減し、
すべての前記電力スイッチ(31、32)の前記導通デューティサイクルが所定の制約のもとで前記電力スイッチ(31、32)のピーク電圧を維持するように調整され、
それにより、前記変圧器又は前記単巻変圧器の磁化インダクタンスと前記電力スイッチの寄生又は並列に追加されたキャパシタンスの間の共振により、前記変圧器又は前記単巻変圧器のオン状態の間の磁化がオフ状態の間にリセットされることを特徴とする、電力変換器。
【請求項2】
前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は3つの電力端子(11、12、13)の単一構造内に集積され、前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は共通ノードにおいて一緒に接続されて3電力端子電力スイッチデバイス(1)を提供し、前記3電力端子電力スイッチデバイス(1)の単一の制御端子(100)は前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)の制御端子(101、102)を置換し、前記論理制御信号(100a)は前記デバイス(1)の前記単一の制御端子(100)に印加される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項3】
スイッチング損失を減少させるために、前記オン状態とオフ状態との間の電力スイッチ遷移の間に前記電力スイッチ(31、32)の各々に印加される論理制御信号(100a)の前進又は遅延を可能にする追加のタイミング制御を提供するように構成された制御手段をさらに含む、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの第1の電力スイッチ及び第2の電力スイッチ(31、32)は、すべてがトランジスタで実装される制御スイッチであるか、又は、トランジスタで実装される少なくとも1つの制御スイッチとダイオードで実装される少なくとも1つの非制御スイッチを有する、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項5】
前記電力スイッチ(31、32)の前記オン状態の時間は、定常状態に達する変圧器又は単巻変圧器の二次巻線を通る電流を提供するのに十分に長く、それによって、変換器の利得はこのオン状態の時間の特定の持続時間に依存しない、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項6】
前記電力変換装置(2)は、接合又はヘテロ接合、ヘテロ構造、圧電構造、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ゲートターンオフサイリスタ、若しくはそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数を含み、ケイ素、窒化ガリウム、シリコンカーバイド又は他の半導体から選択される半導体技術を使用して実施される、請求項1又は2に記載の電力変換装置(2)。
【請求項7】
前記第1の電力スイッチ又は少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は、変圧器又は単巻変圧器又はそれらの一部の巻線に挿入される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項8】
少なくとも2つの電力スイッチ(31、32)のうち少なくとも1つの電力スイッチ(31)がそれ自体の電圧が0に近づくか等しくなるとオンになるように論理制御信号(100a)を調節することによって全ての前記電力スイッチのオフ時間を設定するように適合された制御手段を含む、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項9】
前記第2の電力スイッチ(32)がそれ自体の電流が0に近づくか等しくなるとオフにされ、及び/又は、前記変圧器により電流が運ばれることの指示に対していくらかの遅延を伴ってオンにされるような方法で、第1の電力スイッチ(31)に対していくらかの遅延を伴って少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)がオフにされるように論理制御信号(100a)を調節することによって全ての電力スイッチのオン時間を設定するように適合された制御手段を含む、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項10】
前記制御手段が、前記電力スイッチのデューティサイクル及び/又その遅延及び/又スイッチング周波数を変更することによって電流が前記変圧器によって運ばれるように指示するように構成された直列の追加インダクタンス又は前記電力変圧器又は単巻変圧器の漏れインダクタンスをさらに有する、請求項9に記載の電力変換器(2)。
【請求項11】
3ポートバック-DPX(4)調整DC-DC-DC変換器を形成するバック変換器の集積をさらに含み、前記DPX変換器の磁化インダクタンスが前記バック変換器のインダクタンスとして動作し、入出力ポートの間の前記変換器の利得が前記ディーティサイクルを変更すること及び/又は前記周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は、前記3つのポートのうち少なくとも1つのポートから他の残りのポートの少なくとも1つに流れ得る、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項12】
3ポートバック-DPX(4)調整AC-DC-DC変換器を形成する電力スイッチ(33)を含むバック変換器の集積をさらに含み、前記DPX変換器(2)の磁化インダクタンスが前記バック変換器(3)のインダクタンスとして動作し、入出力ポートの間の前記変換器の利得が前記ディーティサイクルを変更すること及び/又は前記周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は、前記3つのポートのうち少なくとも1つのポートから他の残りのポートの少なくとも1つに流れ得る、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【請求項13】
前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の電力スイッチ(33)は前記3ポートバック-DPX(4)を準静的DC-DCセルとして動作させるように構成され、第1のDC入力ポート(201)は整流された高力率AC電圧からDC準静的電圧を受け取り、第2のDC出力ポート(202)はエネルギーバッファとして働くように構成され、第3のDC出力ポート(203)は厳しいDC電圧調整を有するように構成される、請求項12に記載の電力変換器(2)。
【請求項14】
前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の電力スイッチ(33)は前記3ポートバック-DPX(4)を準静的DC-DCセルとして動作させるように構成され、第1のDC入力ポート(201)は整流された高力率AC電圧からDC準静的電圧を受け取り、第2のDC出力ポート(202)はエネルギーバッファとして働くように構成され、第3のDC出力ポート(203)は厳しいDC電圧調整を有するように構成され、
A AC入力ポート(201)から電力が前記第1のDC出力ポート(202)及び前記第2のDC出力ポート(203)に流れ、
B AC入力ポート(201)及び前記第1のDC出力ポート(202)から電力が前記第2のDC出力ポート(203)に通って流れ、
C 前記第1のDC出力ポート(202)から電力が前記第2のDC出力ポート(203)に流れる、
という3つの動作電力経路に従う電力の流れを提供するために、前記3ポートバック-DPX(4)の前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の電力スイッチ(33)のスイッチング周波数及びデューティサイクルの制御手段を含む、請求項12に記載の電力変換器(2)。
【請求項15】
前記エネルギーバッファは、前記入力電圧のRMS値に関連する電圧平均値を有する間接電力を最小化するように動的に調整されるように構成された少なくとも1つのキャパシタを含む、請求項13又は14に記載の電力変換器(2)。
【請求項16】
前記DCエネルギー源又は前記DC負荷は、AC電圧エネルギー源又はAC負荷を形成する準静的DC電圧である、請求項13に記載の電力変換器(2)。
【請求項17】
前記第1および第2の電力スイッチ(31,32)のピーク電圧をアクティブクランプによって調整するための制御手段を含み、それにより、前記電力スイッチ(31、32)のピーク電圧、ターンオンとターンオフの遅延及びスイッチング周波数の変動を維持するために、前記電力スイッチの前記デューティサイクル(31、32)の調整により、入力電圧、出力電圧のスケーリング、および正又は負の負荷電流ステップの変動の下で電力変換が動的に調整される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
3ポートバック-DPX4におけるさらなる実施形態では、エネルギーバッファが入力電圧のRMS値に関連して電圧平均値を有する間接電力を最小化するように動的に調整されるように構成された1つ又は複数のキャパシタを含む。
図24は、ユニバーサル入力電圧(85~264Vac)の高電圧範囲のACライン電圧を示す。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
一次ポートと二次ポートとを接続するように構成された電力変換器(2)であって、前記一次ポートはDCエネルギー源又はACエネルギー源を含み、前記二次ポートはDC負荷又はAC負荷を含み、前記電力変換器は、
-前記電力変換器の複数のノードに接続された、変圧器又は単巻変圧器及び任意選択のキャパシタ、インダクタ又は抵抗の受動ネットワークと、
-複数のノードのうちの2つのノード(31a、31b)間の第1の電力スイッチ(31)であって、前記第1の電力スイッチ(31)は2つの電力端子及び少なくとも1つの第1の制御端子(101)を有する、該第1の電力スイッチと、
-前記複数のノードの別の異なる2つのノード(32a、32b)間の少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)であって、前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)は2つの電力端子及び少なくとも1つの第2の制御端子(102)を有する、該第2の電力スイッチと、
を含み、
前記第1の電力スイッチ(31)及び前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)は前記一次ポートのエネルギー源を前記二次ポートの負荷に前記変圧器又は単巻変圧器を介して接続するよう構成され、
前記第1及び第2の電力スイッチ(31、32)の前記少なくとも第1の制御端子及び第2の制御端子(101、102)は異なる端子又は単一の端子(100)であり、
前記第1及び前記少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は論理制御信号(100a)の作用の下で同時に動作するように構成されて、すべての前記電力スイッチ(31、32)が同時にオン状態又はオフ状態になる導通状態を提供し、前記変圧器又は単巻変圧器を前記一次ポート及び前記二次ポートに同時に接続又は切断して直接電力変換器(DPX)を形成するよう構成され、
前記電力スイッチ(31、32)が同時にアクティベートされる所定の期間において、すべての前記電力スイッチ(31、32)のオン状態の時間がすべての前記電力スイッチ(31、32)において50%よりもさらに高い導通デューティサイクルを提供し、それによって所定の平均変換器出力電流に対して前記電力スイッチ(31、32)を介して流れる電流のRMS値を低減することを特徴とする、電力変換器。
<請求項2>
前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は3つの電力端子(11、12、13)の単一構造内に集積され、前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は共通ノードにおいて一緒に接続されて3電力端子電力スイッチデバイス(1)を提供し、前記3電力端子電力スイッチデバイス(1)の単一の制御端子(100)は前記第1の電力スイッチ及び少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)の制御端子(101、102)を置換し、前記論理制御信号(100a)は前記デバイス(1)の前記単一の制御端子(100)に印加される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項3>
スイッチング損失を減少させるために、前記オン状態とオフ状態との間の電力スイッチ遷移の間に前記電力スイッチ(31、32)の各々に印加される論理制御信号(100a)の前進又は遅延を可能にする追加のタイミング制御を提供するように構成された制御手段をさらに含む、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項4>
前記少なくとも2つの第1の電力スイッチ及び第2の電力スイッチ(31、32)は、すべてがトランジスタで実装される制御スイッチであるか、又は、トランジスタで実装される少なくとも1つの制御スイッチとダイオードで実装される少なくとも1つの非制御スイッチを有する、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項5>
前記電力スイッチ(31、32)の前記オン状態の時間は、定常状態に達する変圧器又は単巻変圧器の二次巻線を通る電流を提供するのに十分に長く、それによって、変換器の利得はこのオン状態の時間の特定の持続時間に依存しない、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項6>
前記電力変換装置(2)は、接合又はヘテロ接合、ヘテロ構造、圧電構造、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ゲートターンオフサイリスタ、若しくはそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数を含み、ケイ素、窒化ガリウム、シリコンカーバイド又は他の半導体から選択される半導体技術を使用して実施される、請求項1又は2に記載の電力変換装置(2)。
<請求項7>
前記第1の電力スイッチ又は少なくとも1つの第2の電力スイッチ(31、32)は、変圧器又は単巻変圧器又はそれらの一部の巻線に挿入される、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項8>
少なくとも2つの電力スイッチ(31、32)のうち少なくとも1つの電力スイッチ(31)がそれ自体の電圧が0に近づくか等しくなるとオンになるように論理制御信号(100a)を調節することによって全ての前記電力スイッチのオフ時間を設定するように適合された制御手段を含む、請求項1~6のいずれかに記載の電力変換器(2)。
<請求項9>
前記第2の電力スイッチ(32)がそれ自体の電流が0に近づくか等しくなるとオフにされるような方法で、第1の電力スイッチ(31)に対していくらかの遅延を伴って少なくとも1つの第2の電力スイッチ(32)がオフにされるように論理制御信号(100a)を調節することによって全ての電力スイッチのオン時間を設定するように適合された制御手段を含む、請求項1~8のいずれかに記載の電力変換器(2)。
<請求項10>
前記電力スイッチのデューティサイクルを調整して、所定の制約のもとで前記電力スイッチ(31、32)のピーク電圧を維持するように適合された制御手段を含む、請求項1~9のいずれかに記載の電力変換器(2)。
<請求項11>
前記制御手段が、前記電力スイッチのデューティサイクルを変更すること及び/又は周波数をスイッチングすることによって前記電力変換器の利得が調節されるように適合するように構成された直列の追加インダクタンス又は前記電力変圧器又は単巻変圧器の漏れインダクタンスを有し、前記スイッチの前記オン時間がスイッチングサイクル内で前記電力スイッチ(31、32)を介して流れる電流の定常状態に達するのに十分でない、請求項1~10のいずれかに記載の電力変換器(2)。
<請求項12>
3ポートバック-DPX(4)調整DC-DC-DC変換器を形成するバック変換器の集積をさらに含み、前記DPX変換器の磁化インダクタンスが前記バック変換器のインダクタンスとして動作し、入出力ポートの間の前記変換器の利得が前記ディーティサイクルを変更すること及び/又は前記周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は、前記3つのポートのうち少なくとも1つのポートから他の残りのポートの少なくとも1つに流れ得る、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項13>
3ポートバック-DPX(4)調整AC-DC-DC変換器を形成する電力スイッチ(33)を含むバック変換器の集積をさらに含み、前記DPX変換器(2)の磁化インダクタンスが前記バック変換器(3)のインダクタンスとして動作し、入出力ポートの間の前記変換器の利得が前記ディーティサイクルを変更すること及び/又は前記周波数をスイッチングすることによって調整され、電力は、前記3つのポートのうち少なくとも1つのポートから他の残りのポートの少なくとも1つに流れ得る、請求項1に記載の電力変換器(2)。
<請求項14>
前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の前記電力スイッチ(33)は前記3ポートバック-DPX(4)を準静的DC-DCセルとして動作させるように構成され、第1のDC入力ポート(201)は整流された高力率AC電圧からDC準静的電圧を受け取り、第2のDC出力ポート(202)はエネルギーバッファとして働くように構成され、第3のDC出力ポート(203)は厳しいDC電圧調整を有するように構成される、請求項13に記載の電力変換器(2)。
<請求項15>
A AC入力ポート(201)から電力が前記第1のDC出力ポート(202)及び前記第2のDC出力ポート(203)に流れ、
B AC入力ポート(201)及び前記第1のDC出力ポート(202)から電力が前記第2のDC出力ポート(203)に通って流れ、
C 前記第1のDC出力ポート(202)から電力が前記第2のDC出力ポート(203)に流れる、
という3つの動作電力経路に従う電力の流れを提供するために、前記3ポートバック-DPX(4)の前記DPX(2)の前記電力スイッチ(31)及び前記バック変換器(3)の電力スイッチ(33)のスイッチング周波数及びデューティサイクルの制御手段を含む、請求項14に記載の電力変換器(2)。
<請求項16>
前記エネルギーバッファは、前記入力電圧のRMS値に関連する電圧平均値を有する間接電力を最小化するように動的に調整されるように構成された少なくとも1つのキャパシタを含む、請求項14又は15に記載の電力変換器(2)。
【国際調査報告】