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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】スイングセンサによる回転の追跡
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/53 20100101AFI20230119BHJP
   E02F 9/10 20060101ALI20230119BHJP
   G01S 19/14 20100101ALI20230119BHJP
【FI】
G01S19/53
E02F9/10
G01S19/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528729
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(85)【翻訳文提出日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 US2020059854
(87)【国際公開番号】W WO2021101759
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】16/688,635
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506196063
【氏名又は名称】キャタピラー トリンブル コントロール テクノロジーズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】エニス,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】コーウィン,クリストファー
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062AA01
5J062BB01
5J062BB08
5J062CC07
5J062GG02
5J062HH00
(57)【要約】
掘削機の方位を追跡するためのシステム及び方法を提供する。掘削機プラットフォームの初期方位を取得し、掘削機プラットフォームの現在の方位を初期方位と関連付ける。GNSS装置の測定中心の座標を取得する。掘削機プラットフォームの回転中心の座標は、掘削機プラットフォームの初期方位、測定中心の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて決定される。掘削機プラットフォームの回転は、スイングセンサからの回転測定値を用いて初期方位から第1の方位へ追跡される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削機の方位を追跡するためのシステムであって、
掘削機プラットフォームの回転中心と位置合わせされた垂直軸に沿って前記掘削機の車台に結合された掘削機プラットフォームであって、前記掘削機プラットフォームは、前記垂直軸を中心として回転するように構成され、前記車台は、前記掘削機プラットフォームを支持し、前記掘削機プラットフォームの並進運動を実現するように構成される、掘削機プラットフォームと、
前記掘削機プラットフォームに結合された単一の全地球航法衛星システム(GNSS)装置であって、前記GNSS装置は、前記掘削機プラットフォームの前記回転中心と位置合わせされた前記垂直軸から離れて配置された測定中心を有し、前記測定中心は、前記掘削機プラットフォームの前記回転中心との既知の空間的関係の中で配列され、前記GNSS装置は、実世界座標系における前記測定中心の座標を決定するように構成されるGNSS装置と、
前記掘削機に結合され、前記回転中心と位置合わせされた前記垂直軸を中心とした前記掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成されたスイングセンサと、
前記GNSS装置および前記スイングセンサに通信可能に結合されたコントローラであって、
前記掘削機プラットフォームの初期方位を取得し、前記掘削機プラットフォームの現在の方位と前記初期方位とを関連付け、
前記GNSS装置から前記測定中心の座標を取得し、
前記掘削機プラットフォームの前記初期方位、前記測定中心の前記座標、および前記GNSS装置の前記測定中心と前記掘削機プラットフォームの前記回転中心との間の前記既知の空間的関係を用いて、前記掘削機プラットフォームの前記回転中心の座標を決定し、
前記スイングセンサからの回転測定値を用いて、前記初期方位から第1の方位への前記掘削機プラットフォームの回転を追跡する
ように構成されたコントローラと
を備える。
【請求項2】
前記スイングセンサは、前記掘削機プラットフォームと前記車台との間の回転点に近接した位置で前記掘削機プラットフォームまたは前記車台に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記掘削機プラットフォームを回転させながら前記GNSS装置の前記測定中心の複数の座標を取得することによって前記掘削機プラットフォームの前記初期方位を取得し、前記複数の座標を用いて前記掘削機プラットフォームの前記初期方位を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記GNSS装置からの座標測定値を用いて、走行中に前記掘削機の並進運動を追跡するように更に構成され、前記コントローラはまた、前記スイングセンサからの回転測定値を用いて、走行中に前記掘削機プラットフォームの回転を追跡するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記掘削機を第1の位置から第2の位置へ走行させた後、および前記掘削機プラットフォームを前記第1の方位から第2の方位へ回転させた後、前記掘削機プラットフォームの前記回転中心の第2の座標を決定するように更に構成され、前記回転中心の前記第2の座標は、前記第2の位置における前記GNSS装置の座標測定値および前記第1の方位から前記第2の方位へ回転中の前記スイングセンサからの回転測定値を用いて決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記掘削機プラットフォームは、作業機を含む前記掘削機のアームに結合され、前記コントローラは、前記掘削機プラットフォームの前記回転中心の前記座標を用いて、前記実世界座標系における前記作業機の刃の座標を決定するように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記スイングセンサは、前記回転中心と位置合わせされた前記垂直軸を中心とした前記掘削機プラットフォームの角変位を測定することによって前記掘削機プラットフォームの前記回転を測定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
単一の全地球航法衛星システム(GNSS)装置およびスイングセンサを用いて掘削機の方位を追跡するための方法であり、
前記掘削機の掘削機プラットフォームの初期方位を取得し、前記掘削機プラットフォームの現在の方位と前記初期方位とを関連付けるステップと、
前記GNSS装置の測定中心の第1の座標を取得するステップであって、前記GNSS装置の前記測定中心は、前記掘削機プラットフォームの回転中心と位置合わせされた垂直軸から離れて配置され、かつ前記掘削機プラットフォームの前記回転中心との既知の空間的関係の中で配列されるステップと、
前記掘削機プラットフォームの前記初期方位、前記GNSS装置の前記測定中心の前記第1の座標、および前記GNSS装置の前記測定中心と前記掘削機プラットフォームの前記回転中心との間の前記既知の空間的関係を用いて、前記掘削機プラットフォームの前記回転中心の第1の座標を決定するステップと、
その後、前記スイングセンサからの回転測定値を用いて前記初期方位から第1の方位への前記掘削機プラットフォームの回転を追跡するステップであって、前記スイングセンサは、前記掘削機プラットフォームと前記掘削機の車台との間の回転点に近接して配置され、かつ前記回転中心と位置合わせされた垂直軸を中心とした前記掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成される、ステップと、
その後、第1の位置から第2の位置まで前記掘削機を走行させ、前記掘削機の走行中に、
前記GNSS装置からの位置測定値を用いて前記掘削機の並進運動を追跡するステップと、
前記スイングセンサからの回転測定値を用いて前記第1の方位から第2の方位への前記掘削機プラットフォームの回転を追跡するステップと、
前記掘削機の走行後に、
前記GNSS装置の前記測定中心の第2の座標を取得するステップと、
前記第2の方位、前記GNSS装置の前記測定中心の前記第2の座標、および前記GNSS装置の前記測定中心と前記掘削機プラットフォームの前記回転中心との間の前記既知の空間的関係を用いて、前記掘削機プラットフォームの前記回転中心の第2の座標を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
前記掘削機プラットフォームの前記初期方位を取得するステップが、前記掘削機を並進させながら前記GNSS装置の前記測定中心の複数の座標を取得するステップと、前記複数の座標を用いて前記掘削機プラットフォームの前記初期方位を決定するステップとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記掘削機を走行させた後、前記スイングセンサからの回転測定値のみを用い、前記スイングセンサ以外のソースから方位情報を取得することなく、かつ前記走行後に方位初期化手順を実行することなく、前記第2の方位から第3の方位への前記掘削機プラットフォームの回転を追跡することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記掘削機プラットフォームの前記初期方位は、実世界座標系において得られ、前記掘削機の前記第2の位置は、前記実世界座標系において決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記GNSS装置の前記測定中心と前記掘削機プラットフォームの前記回転中心との間の前記既知の空間的関係は、前記掘削機プラットフォームの座標系における少なくとも1つの軸に沿った前記GNSS装置の前記測定中心と前記回転中心との間の距離を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記掘削機プラットフォームは、作業機を含む前記掘削機のアームに結合され、前記掘削機プラットフォームの前記回転中心の前記座標を用いて、実世界座標系における前記作業機の刃の座標を決定するステップを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記スイングセンサは、前記回転中心を中心とした前記掘削機プラットフォームの角変位を測定することによって前記掘削機プラットフォームの前記回転を測定するように構成される、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2019年11月19日に出願された「Tracking Rotation With a Swing Sensor」という名称の米国非仮出願第16/688,635号の利益を主張し、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本明細書に記載の実施形態は、一般に、スイングセンサで回転を追跡することに関し、より詳細には、掘削機の掘削機プラットフォームなどの回転プラットフォームの回転中心の座標を決定するためにスイングセンサからの回転測定値を使用することに関する。決定された座標は、例えば、掘削時のバケット先端の位置を推定するために使用され得る。
【背景技術】
【0003】
[0003]掘削機プラットフォームなどのプラットフォームの回転を追跡することが便利なことが多い。本明細書で使用する場合、掘削機とは、回転プラットフォームを含む任意のタイプの建設機械を広く指す。回転プラットフォームは、一般に、トラック又は車輪を含む車台の上に載っている。いくつかのタイプの建設機械は、アーム(例えば、ブーム及び/又はスティック)によって回転プラットフォームに結合されたバケット又は他の作業機を含む。回転測定値を用いて、回転プラットフォームの回転中心の座標を決定することができ、これを用いて、空間内のバケット又は他の作業機の位置を決定することができる。この情報は、例えば、掘削時に有用である。
【0004】
[0004]回転中心の座標を決定するための従来技術は、プラットフォームの回転中にいくつかの位置測定値を取り込み、測定値に円弧を当てはめることを含む。この技術は、嵌合のための良好な曲線を提供するために、プラットフォームが最大100°以上回転することをしばしば必要とする。一例として、位置測定レートを10Hzと想定すると、4秒間に約100°のスイングがあれば、カーブフィッティングのためのデータポイントが40点得られる。プラットフォームがある位置から別の位置に移動する場合、大きな回転を必要とする初期化処理を繰り返して、新しい位置における回転中心の座標を決定しなければならない。
【0005】
[0005]上記に照らして、回転プラットフォームの回転中心の座標を決定するための改善された方法が望まれる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本明細書に説明する実施形態は、プラットフォームの回転を追跡し、及び/又はプラットフォームの回転中心の座標を決定するための改善されたシステム及び方法を提供する。本明細書で使用する場合、プラットフォームの回転は垂直回転軸を中心としており、プラットフォームの回転中心は垂直回転軸と水平回転軸との交点にある。
【0007】
[0007]スイングセンサは、掘削機に結合され、垂直回転軸を中心とした掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成される。垂直軸は回転中心と位置合わせされる。スイングセンサからの回転測定値及び単一の全地球航法衛星システム(GNSS)装置からの位置測定値を用いて、プラットフォームの回転中心の座標を決定することができる。本明細書ではGNSS装置が参照されるが、同じ又は類似の位置情報を提供する他の測定装置もまた、説明された実施形態と共に使用できることを理解されたい。
【0008】
[0008]特定の実施形態によれば、掘削機の方位を追跡するためのシステムは、掘削機プラットフォームの回転中心と位置合わせされた垂直軸に沿って掘削機の車台に結合された掘削機プラットフォームを含む。掘削機プラットフォームは、垂直軸を中心として回転するように構成され、車台は、掘削機プラットフォームを支持し、掘削機プラットフォームの並進運動を実現するように構成される。単一のGNSS装置は、掘削機プラットフォームの回転中心と位置合わせされた垂直軸から離れて配置された測定中心を有する掘削機プラットフォームに結合される。測定中心は、掘削機プラットフォームの回転中心との既知の空間的関係の中で配列される。GNSS装置は、実世界座標系における測定中心の座標を決定するように構成される。スイングセンサは、掘削機に結合され、回転中心と位置合わせされた垂直軸を中心とした掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成される。コントローラは、GNSS装置及びスイングセンサに通信可能に結合される。コントローラは、掘削機プラットフォームの初期方位を取得し、掘削機プラットフォームの現在の方位と初期方位とを関連付け、GNSS装置から測定中心の座標を取得し、掘削機プラットフォームの初期方位、測定中心の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を決定するように構成される。コントローラはまた、スイングセンサからの回転測定値を用いて、初期方位から第1の方位へ掘削機プラットフォームの回転を追跡するようにも構成される。
【0009】
[0009]一実施形態では、スイングセンサは、掘削機プラットフォームと車台との間の回転点に近接した位置で掘削機プラットフォーム又は車台に結合される。
【0010】
[0010]別の実施形態では、コントローラは、掘削機プラットフォームを回転させながらGNSS装置の測定中心の複数の座標を取得することによって掘削機プラットフォームの初期方位を取得し、複数の座標を用いて掘削機プラットフォームの初期方位を決定するように構成される。
【0011】
[0011]別の実施形態では、コントローラは、GNSS装置からの座標測定値を用いて、走行中に掘削機の並進運動を追跡するように更に構成され、コントローラはまた、スイングセンサからの回転測定値を用いて、走行中に掘削機プラットフォームの回転を追跡するように構成される。
【0012】
[0012]別の実施形態では、コントローラは、掘削機を第1の位置から第2の位置へ走行させた後、及び掘削機プラットフォームを第1の方位から第2の方位へ回転させた後、掘削機プラットフォームの回転中心の第2の座標を決定するように更に構成される。回転中心の第2の座標は、第2の位置におけるGNSS装置の座標測定値と、第1の方位から第2の方位へ回転中のスイングセンサからの回転測定値とを用いて決定される。
【0013】
[0013]別の実施形態では、掘削機プラットフォームは、作業機を含む掘削機のアームに結合され、コントローラは、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を用いて、実世界座標系における作業機の刃の座標を決定するように更に構成される。
【0014】
[0014]更に別の実施形態では、スイングセンサは、回転中心と位置合わせされた垂直軸を中心とした掘削機プラットフォームの角変位を測定することによって掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成される。
【0015】
[0015]別の実施形態によれば、単一のGNSS装置及びスイングセンサを用いて掘削機の方位を追跡する方法は、掘削機の掘削機プラットフォームの初期方位を取得するステップと、掘削機プラットフォームの現在の方位と初期方位とを関連付けるステップとを含む。GNSS装置の測定中心の第1の座標が取得される。GNSS装置の測定中心は、掘削機プラットフォームの回転中心と位置合わせされた垂直軸から離れて配置され、GNSS装置の測定中心は、掘削機プラットフォームの回転中心との既知の空間的関係の中で配列される。掘削機プラットフォームの回転中心の第1の座標は、掘削機プラットフォームの初期方位、GNSS装置の測定中心の第1の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて決定される。掘削機プラットフォームの回転は、スイングセンサからの回転測定値を用いて初期方位から第1の方位へ追跡される。スイングセンサは、掘削機プラットフォームと掘削機の車台との間の回転点に近接して配置され、かつ回転中心と位置合わせされた垂直軸を中心とした掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成される。掘削機は、第1の位置から第2の位置へ走行し、掘削機の走行中に、GNSS装置からの位置測定値を用いて掘削機の並進運動が追跡され、スイングセンサからの回転測定値を用いて掘削機プラットフォームの回転が第1の方位から第2の方位へ追跡される。掘削機を走行させた後、GNSS装置の測定中心の第2の座標を取得し、第2の方位、GNSS装置の測定中心の第2の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて、掘削機プラットフォームの回転中心の第2の座標が決定される。
【0016】
[0016]一実施形態では、掘削機プラットフォームの初期方位を取得するステップは、掘削機を並進させながらGNSS装置の測定中心の複数の座標を取得するステップと、複数の座標を用いて掘削機プラットフォームの初期方位を決定するステップとを含む。
【0017】
[0017]別の実施形態では、方法はまた、掘削機を走行させた後、スイングセンサからの回転測定値のみを用い、スイングセンサ以外のソースから方位情報を取得することなく、かつ走行後に方位初期化手順を実行することなく、第2の方位から第3の方位へ掘削機プラットフォームの回転を追跡することを含む。
【0018】
[0018]別の実施形態では、掘削機プラットフォームの初期方位は、実世界座標系において得られ、掘削機の第2の位置は、実世界座標系において決定される。
【0019】
[0019]別の実施形態では、GNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係は、掘削機プラットフォームの座標系における少なくとも1つの軸に沿ったGNSS装置の測定中心と回転中心との間の距離を含む。
【0020】
[0020]更に別の実施形態では、掘削機プラットフォームは、作業機を含む掘削機のアームに結合され、本方法はまた、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を用いて実世界座標系における作業機の刃の座標を決定することを含む。
【0021】
[0021]更に別の実施形態によれば、GNSS装置及びスイングセンサを用いて掘削機の方位を追跡する方法は、掘削機の掘削機プラットフォームの第1の方位を取得するステップと、掘削機プラットフォームの現在の方位と第1の方位とを関連付けるステップと、GNSS装置の測定中心の第1の座標を取得するステップとを含む。GNSS装置の測定中心は、掘削機プラットフォームの回転中心と位置合わせされた垂直軸から離れて配置され、GNSS装置の測定中心は、掘削機プラットフォームの回転中心との既知の空間的関係の中で配列される。掘削機プラットフォームの回転中心の第1の座標は、掘削機プラットフォームの第1の方位、GNSS装置の測定中心の第1の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて決定される。掘削機は、第1の位置から第2の位置へ走行し、掘削機の走行中に、GNSS装置を用いて掘削機の並進運動を追跡し、スイングセンサからの回転測定値を用いて掘削機プラットフォームの回転を第1の方位から第2の方位へ追跡する。スイングセンサは、回転中心と位置合わせされた垂直軸を中心とした掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成される。掘削機を走行させた後、掘削機プラットフォームの第2の方位、GNSS装置の測定中心の第2の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて、GNSS装置の測定中心の第2の座標、及び掘削機プラットフォームの回転中心の第2の座標が決定される。
【0022】
[0022]本明細書に説明の実施形態を使用すると、従来の技術よりも多くの利点が達成される。例えば、いくつかの実施形態は、他のセンサ測定値に基づいて計算するのではなく、回転を直接測定することを可能にする。これにより、精度を向上させ、回転情報のドリフトを解消することができる。いくつかの実施形態では、スイングセンサ以外のソースから方位情報を取得することなく、また、走行後に方位初期化手順を実行することなく、走行中及び走行後に回転を追跡することができる。掘削機用途では、複数の別々の方位初期化ステップを必要としないため、効率を向上させることができる。これら及び他の利点は、添付の図面を参照して本明細書全体を通して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本明細書に記載の実施形態のいくつかと共に使用することができる掘削機の簡略化された側面図である。
図2A】いくつかの実施形態による、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を決定し、掘削機プラットフォームの方位を追跡するための例示的な方法を示すフローチャートである。
図2B】いくつかの実施形態による、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を決定し、掘削機プラットフォームの方位を追跡するための例示的な方法を示す別のフローチャートである。
図2C】いくつかの実施形態による、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を決定し、掘削機プラットフォームの方位を追跡するための例示的な方法を示すまた別のフローチャートである。
図3】一実施形態による掘削機の方位を追跡するための例示的なシステムの簡略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0026]本明細書に説明の実施形態は、スイングセンサを用いてプラットフォームの回転を追跡し、及び/又はプラットフォームの回転中心の座標を決定するための改善されたシステム及び方法を提供する。スイングセンサによって得られる回転測定値は、プラットフォームの並進運動の前、最中、及び後にプラットフォームの回転を追跡するために用いることができる。回転測定値を位置測定値と共に用いて、回転中心の座標を決定することができる。
【0025】
[0027]本出願を通して使用されるプラットフォームの実世界の例は、可動軌道又は車輪を含む車台に結合された回転掘削機プラットフォームを有する掘削機である。本明細書では、単に例として掘削機が使用されており、説明された実施形態は、車台に結合された回転プラットフォームを含む任意の他の機器、車両、機械、又は装置と共に使用することができることを理解されたい。掘削機と共に使用される場合、取得した情報は、実世界座標系におけるバケット又は作業機の位置を決定するために既知の技術に従って使用することができる。
【0026】
[0028]図1は、本明細書に記載の実施形態のいくつかと共に使用することができる掘削機の簡略化された側面図である。掘削機は、掘削機プラットフォーム11と、車台32とを含む。掘削機プラットフォーム11は、油圧モータを用いて又は他の手段によって垂直回転軸35を中心として回転するように構成される。垂直回転軸35は、掘削機プラットフォーム11の回転中心14と位置合わせされる。回転中心14は、垂直回転軸35と、水平回転軸36と、図1の図面に直交して延びる水平回転軸との交点にある。回転中心14は、バケット20の歯30などの作業機の刃の位置を追跡するための原点である。掘削機は、オーガー、トレンチ掘削機、コンパクターなどのバケット20以外の他の作業機又はツールと共に使用することができることを理解されたい。
【0027】
[0029]車台32は、掘削機プラットフォーム11を支持するように構成され、この例では、掘削機プラットフォーム11の並進運動を提供する軌道を含む。掘削機プラットフォーム11は、掘削機プラットフォーム11と車台32との間の回転点で車台32に結合される。一例として、掘削機プラットフォーム11は、垂直回転軸35を中心として360°回転するロータリーユニオンによって車台32に結合されてもよい。
【0028】
[0030]また、本例の掘削機は、ブーム12と、スティック16と、バケット20とを有する。ブーム12は旋回点(図示せず)でプラットフォーム11に旋回可能に結合され、スティック16は旋回点18でブーム12に旋回可能に結合され、バケット20は旋回点22でスティック16に旋回可能に結合される。ブーム12、スティック16及びバケット20を移動させるための油圧装置24、26、28が設けられている。
【0029】
[0031]掘削機は、一般に、様々な機械要素の位置を監視するために、及び/又は要素位置の表示をオペレータに提供するために、様々なセンサを利用する。また、本例の掘削機は、スイングセンサ33を有する。スイングセンサ33は、垂直回転軸35を中心とした掘削機プラットフォーム11の回転を測定するように構成される。スイングセンサ33は、垂直回転軸35を中心とした掘削機プラットフォーム11の角変位を測定することによって、掘削機プラットフォーム11の回転を測定することができる。スイングセンサ33は、掘削機プラットフォーム11と車台32との間の回転点に又はその付近に配置されてもよい。スイングセンサ33は、回転の直接測定を提供する任意のタイプのセンサであってもよい。例としては、光学センサ及びホール効果センサなどの磁気センサが挙げられる。
【0030】
[0032]また、掘削機は、単一のGNSS装置34を備える。GNSS装置34は、プラットフォーム11が回転するにつれてGNSS装置34の測定位置が変化するように、回転中心14から離れた位置でプラットフォーム11上に配置される。GNSS装置34は、回転中心14との既知の空間的関係の中で配列される。例えば、GNSS装置34は、プラットフォーム11の座標系における既知の位置に配列されてもよい。
【0031】
[0033]GNSS装置34のアンテナは、GNSS装置34の受信機とは別個に配置されてもよいことを理解されたい。GNSS装置34が回転中心14から離れた位置に配置されていると説明した場合、回転中心14から離れた位置にあるのは、少なくともアンテナの位相中心(又は測定中心)である。したがって、受信機の位置にかかわらず、GNSS装置34による位置測定値は、プラットフォーム11が回転するにつれて変化する。これは、唯一の動きが回転であるときに変化し得ない回転中心14の位置とは対照的である。
【0032】
[0034]GNSS装置34は、衛星信号を用いて位置情報を決定する公知の技術に基づいて構成される。GNSS装置34は、全地球測位システム(GPS)、GLObal Navigation Satellite System(GLONASS)、Galileo、BeiDou Navigation Satellite System(BDS)などの任意の衛星測位システムの一部であってもよい。
【0033】
[0035]また、掘削機は、ブーム12、スティック16及びバケット20等の各種機械要素の位置を監視するためのセンサを備える。例えば、これらの要素の角度は、慣性測定装置(IMU)などの傾斜計を用いて重力に対して決定することができる。図1の例において、掘削機は、ブーム12に設けられたIMU 44と、スティック16に設けられたIMU 46と、バケット20に設けられたIMU 48とを有する。これらのIMU 44、46、48は、重力に対する本体12、16、20の角度を決定するために用いることができる。掘削機プラットフォーム11の方位及び実世界座標系における回転中心14の位置と共に、IMU 44、46、48を用いて、実世界座標系におけるバケット20の歯30の位置を決定することができる。本明細書で使用する場合、実世界座標系は、掘削機の外部にあり、掘削機から独立した基準に基づく座標系である。
【0034】
[0036]この例の掘削機はまた、1つ又は複数のプロセッサ、メモリ、及び他のコンピューティング構成要素を含むことができるコントローラ50を備える。コントローラ50は、GNSS装置34、スイングセンサ33、及びIMU 44、46、48に通信可能に結合される。コントローラ50は、バケット20の歯30の位置を決定するように構成されてもよい。これは、本体44、46、48の角度及び回転を決定することと、回転中心14の座標及び掘削機プラットフォーム11の方位を決定することとを含むことができる。
【0035】
[0037]いくつかの実施形態では、コントローラ50は、実世界座標系における掘削機プラットフォーム11の初期方位を取得するように構成されてもよい。初期方位は、外部から取得してもよいし、掘削機プラットフォーム11を回転させながらGNSS装置34を用いて位置測定値を取得して初期方位を決定すること、又は、掘削機を走行により並進させながらGNSS装置34を用いて位置測定値を取得して初期方位を決定することなどの任意の既知の技術によって取得してもよい。
【0036】
[0038]コントローラ50は、初期方位、GNSS装置34の測定中心の座標、及びGNSS装置34の測定中心と掘削機プラットフォーム11の回転中心14との間の既知の空間的関係を用いて、掘削機プラットフォーム11の回転中心14の座標を決定してもよい。
【0037】
[0039]コントローラ50はまた、スイングセンサ33からの回転測定値を用いて掘削機プラットフォーム11の回転を追跡してもよい。掘削機プラットフォーム11の回転だけでは回転中心14の位置は変化しないが、掘削機を別の場所へ走行させると回転中心14の位置が変化する。スイングセンサ33からの回転測定値を用いて、走行中及び走行後に掘削機プラットフォーム11の方位を追跡することができる。これにより、スイングセンサ33以外のソースから方位情報を得ることなく、また、走行後に方位初期化手順を行うことなく、回転中心14の座標を決定することができる。
【0038】
[0040]図2A図2Cは、いくつかの実施形態による、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を決定し、掘削機プラットフォームの方位を追跡するための例示的な方法を示すフローチャートである。図1のコントローラ50は、これらの図に示される方法の全部又は一部を実行するように構成されてもよい。本方法は、掘削機プラットフォームを参照しているが、車台に結合された掘削機プラットフォーム及び適切なセンサを含む任意のシステムで実施することができる。
【0039】
[0041]本方法は、掘削機プラットフォームの初期方位を取得するステップと、掘削機プラットフォームの現在の方位と初期方位とを関連付けるステップとを含む(202)。初期方位は、掘削機プラットフォームを回転させながら、又は掘削機を走行により並進させながら、GNSS装置から位置測定値を取得することを含む任意の既知の技術によって取得することができる。この初期方位は、スイングセンサを用いて後続の回転を追跡するための基準となる。初期方位は、一般に、実世界の座標系を参照する。
【0040】
[0042]本方法はまた、GNSS装置から測定中心の座標を取得するステップ(204)と、掘削機プラットフォームの初期方位、測定中心の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を決定するステップ(206)とを含む。初期方位が実世界の基準系を基準とする場合、回転中心の座標も実世界の座標系において決定され得る。
【0041】
[0043]いくつかの実施形態では、本方法はまた、スイングセンサからの回転測定値を用いて、初期方位から第1の方位への掘削機プラットフォームの回転を追跡するステップ(208)を含む。初期方位が取得されると、スイングセンサは、掘削機プラットフォームの方位を追跡することができる垂直回転軸を中心とした掘削機プラットフォームの直接回転測定値を提供することができる。
【0042】
[0044]いくつかの実施形態では、方法は、図2Bに示すステップで継続する。掘削機は第1の位置から第2の位置へ走行することができる(210)。掘削機は、車台の軌道又は車輪を使って走行することができる。走行中、GNSS装置を用いて掘削機の並進運動を追跡する(212)。GNSS装置からの位置測定値は、位置の変化を追跡することができるサンプリングレートで取得することができる。
【0043】
[0045]走行中に掘削機プラットフォームが回転する場合、方法はまた、スイングセンサからの回転測定値を用いて、第1の方位から第2の方位へ掘削機プラットフォームの回転を追跡するステップ(214)を含むことができる。スイングセンサは、走行中に直接回転測定値を提供することができる。
【0044】
[0046]いくつかの実施形態では、方法は、図2Cに示すステップで継続する。掘削機を走行させた後、GNSS装置の測定中心の第2の座標を取得し(216)、第2の方位、GNSS装置の測定中心の第2の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて、掘削機プラットフォームの回転中心の第2の座標が決定される(218)。
【0045】
[0047]いくつかの実施形態では、本方法はまた、掘削機を走行させた後、スイングセンサからの回転測定値のみを用い、スイングセンサ以外のソースから方位情報を取得することなく、かつ走行後に方位初期化手順を実行することなく、第2の方位から第3の方位への掘削機プラットフォームの回転を追跡することを含む(220)。スイングセンサが直接回転測定値を提供するので、掘削機の方位は、走行中及び走行後に追跡することができ、回転中心が移動した後に再初期化する必要はない。
【0046】
[0048]図2A図2Cに示す特定のステップは、いくつかの実施形態による特定の方法を提供することを理解されたい。代替の実施形態によれば、ステップの他のシーケンスも実行することができる。例えば、いくつかの実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行してもよい。更に、図2A図2Cに示す個々のステップのいくつかは、任意選択であってもよく、及び/又は様々な順序で実行され得る複数のサブステップを含んでもよい。更に、特定の用途に応じて追加のステップを追加又は削除してもよい。
【0047】
[0049]図3は、一実施形態による掘削機の方位を追跡するための例示的なシステムの簡略ブロック図である。システムは、GNSS装置と、スイングセンサと、コントローラとを含む。GNSS装置及びスイングセンサは、有線又は無線通信を介してコントローラに通信可能に結合されてもよい。コントローラは、作業機の刃の位置を決定するための他のセンサからの入力を受信するように構成されてもよい。コントローラはまた、位置及び方位情報を表示するためのディスプレイに有線又は無線で結合されてもよい。
【0048】
[0050]前述したように、GNSS装置は、プラットフォームの回転中心から離れた位置に配置され、回転中心との既知の空間的関係の中で配列された測定中心を有することができる。GNSS装置は、掘削機プラットフォームの位置を決定するように構成されてもよい。
【0049】
[0051]スイングセンサは、掘削機プラットフォームと車台との間の回転点で又は回転点に近接して、掘削機プラットフォーム又は車台に結合されてもよい。スイングセンサは、車台に対する掘削機プラットフォームの回転測定を実行するように構成されてもよい。
【0050】
[0052]コントローラは、本明細書に説明の方法のいずれかを実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はそれらの任意の組合せによって実施することができる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードで実装される場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコード又はコードセグメントは、記憶媒体などのコンピュータ読取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。プロセッサは、必要なタスクを実行するように適合されてもよい。「コンピュータ読取り可能な記憶媒体」という用語は、ポータブル又は固定の記憶装置、光学記憶装置、無線チャネル、シムカード、他のスマートカード、及び命令又はデータを記憶、格納、又は搬送することができる様々な他の非一時的媒体を含むが、これらに限定されない。
【実施例
【0051】
[0053]本発明の様々な実施例を以下に提供する。以下で使用されるように、一連の例への任意の言及は、それらの例の各々への言及として選言的に理解されるべきである(例えば、「実施例1~4」は、「実施例1、2、3又は4」と理解されるべきである)。
【0052】
[実施例1]
[0054]掘削機の方位を追跡するためのシステムであって、該システムは、掘削機プラットフォームの回転中心と位置合わせされた垂直軸に沿って掘削機の車台に結合された掘削機プラットフォームであって、掘削機プラットフォームが垂直軸を中心として回転するように構成され、車台が掘削機プラットフォームを支持し、掘削機プラットフォームの並進運動を実現するように構成される掘削機プラットフォームと、掘削機プラットフォームに結合された単一の全地球航法衛星システム(GNSS)装置であって、GNSS装置は、掘削機プラットフォームの回転中心と位置合わせされた垂直軸から離れて配置された測定中心を有し、測定中心は、掘削機プラットフォームの回転中心との既知の空間的関係の中で配列され、GNSS装置は、実世界座標系における測定中心の座標を決定するように構成されるGNSS装置と、掘削機に結合され、回転中心と位置合わせされた垂直軸を中心とした掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成されたスイングセンサと、GNSS装置及びスイングセンサに通信可能に結合されたコントローラであって、掘削機プラットフォームの初期方位を取得し、掘削機プラットフォームの現在の方位と初期方位とを関連付け、GNSS装置から測定中心の座標を取得し、掘削機プラットフォームの初期方位、測定中心の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を決定し、スイングセンサからの回転測定値を用いて、初期方位から第1の方位へ掘削機プラットフォームの回転を追跡するように構成されたコントローラとを備える。
【0053】
[実施例2]
[0055]実施例1のシステムであり、スイングセンサは、掘削機プラットフォームと車台との間の回転点に近接した位置で掘削機プラットフォーム又は車台に結合される。
【0054】
[実施例3]
[0056]実施例1~2のシステムであり、コントローラは、掘削機プラットフォームを回転させながらGNSS装置の測定中心の複数の座標を取得することによって掘削機プラットフォームの初期方位を取得し、複数の座標を用いて掘削機プラットフォームの初期方位を決定するように構成される。
【0055】
[実施例4]
[0057]実施例1~3のシステムであり、コントローラは、GNSS装置からの座標測定値を用いて、走行中に掘削機の並進運動を追跡するように更に構成され、コントローラはまた、スイングセンサからの回転測定値を用いて走行中に掘削機プラットフォームの回転を追跡するようにも構成される。
【0056】
[実施例5]
[0058]実施例1~4のシステムであり、コントローラは、掘削機を第1の位置から第2の位置へ走行させた後、及び掘削機プラットフォームを第1の方位から第2の方位へ回転させた後、掘削機プラットフォームの回転中心の第2の座標を決定するように更に構成され、回転中心の第2の座標は、第2の位置におけるGNSS装置の座標測定値及び第1の方位から第2の方位へ回転中のスイングセンサからの回転測定値を用いて決定される。
【0057】
[実施例6]
[0059]実施例1~5のシステムであり、掘削機プラットフォームは、作業機を含む掘削機のアームに結合され、コントローラは、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を用いて、実世界座標系における作業機の刃の座標を決定するように更に構成される。
【0058】
[実施例7]
[0060]実施例1~6のシステムであり、スイングセンサは、回転中心と位置合わせされた垂直軸を中心とした掘削機プラットフォームの角変位を測定することによって掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成される。
【0059】
[実施例8]
[0061]単一の全地球航法衛星システム(GNSS)装置及びスイングセンサを用いて掘削機の方位を追跡するための方法であり、該方法は、掘削機の掘削機プラットフォームの初期方位を取得し、掘削機プラットフォームの現在の方位と初期方位とを関連付けるステップと、GNSS装置の測定中心の第1の座標を取得するステップであって、GNSS装置の測定中心は、掘削機プラットフォームの回転中心と位置合わせされた垂直軸から離れて配置され、かつ掘削機プラットフォームの回転中心との既知の空間的関係の中で配列されるステップと、掘削機プラットフォームの初期方位、GNSS装置の測定中心の第1の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて、掘削機プラットフォームの回転中心の第1の座標を決定するステップと、その後、スイングセンサからの回転測定値を用いて初期方位から第1の方位へ掘削機プラットフォームの回転を追跡するステップであって、スイングセンサは、掘削機プラットフォームと掘削機の車台との間の回転点に近接して配置され、かつ回転中心と位置合わせされた垂直軸を中心とした掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成されるステップと、その後、掘削機を第1の位置から第2の位置へ走行させ、掘削機の走行中に、GNSS装置からの位置測定値を用いて掘削機の並進運動を追跡するステップと、スイングセンサからの回転測定値を用いて第1の方位から第2の方位へ掘削機プラットフォームの回転を追跡するステップと、掘削機の走行後に、GNSS装置の測定中心の第2の座標を取得するステップと、第2の方位、GNSS装置の測定中心の第2の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて、掘削機プラットフォームの回転中心の第2の座標を決定するステップとを含む。
【0060】
[実施例9]
[0062]実施例8の方法であり、掘削機プラットフォームの初期方位を取得するステップは、掘削機を並進させながらGNSS装置の測定中心の複数の座標を取得するステップと、複数の座標を用いて掘削機プラットフォームの初期方位を決定するステップとを含む。
【0061】
[実施例10]
[0063]実施例8~9の方法であり、該方法は、掘削機を走行させた後、スイングセンサからの回転測定値のみを用い、スイングセンサ以外のソースから方位情報を取得することなく、かつ走行後に方位初期化手順を実行することなく、第2の方位から第3の方位へ掘削機プラットフォームの回転を追跡するステップを更に含む。
【0062】
[実施例11]
[0064]実施例8~10の方法であり、掘削機プラットフォームの初期方位は、実世界座標系において得られ、掘削機の第2の位置は、実世界座標系において決定される。
【0063】
[実施例12]
[0065]実施例8~11の方法であり、GNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係は、掘削機プラットフォームの座標系における少なくとも1つの軸に沿ったGNSS装置の測定中心と回転中心との間の距離を含む。
【0064】
[実施例13]
[0066]実施例8~12の方法であり、掘削機プラットフォームは、作業機を含む掘削機のアームに結合され、方法は、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を用いて、実世界座標系における作業機の刃の座標を決定するステップを更に含む。
【0065】
[実施例14]
[0067]実施例8~実施例13の方法であり、スイングセンサは、回転中心を中心とした掘削機プラットフォームの角変位を測定することによって掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成される。
【0066】
[実施例15]
[0068]全地球航法衛星システム(GNSS)装置及びスイングセンサを用いて掘削機の方位を追跡するための方法であり、該方法は、掘削機の掘削機プラットフォームの第1の方位を取得し、掘削機プラットフォームの現在の方位と第1の方位とを関連付けるステップと、掘削機プラットフォームの回転中心と位置合わせされた垂直軸から離れて配置され、かつ掘削機プラットフォームの回転中心との既知の空間的関係の中で配列された、GNSS装置の測定中心の第1の座標を取得するステップと、掘削機プラットフォームの第1の方位、GNSS装置の測定中心の第1の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて、掘削機プラットフォームの回転中心の第1の座標を決定するステップと、その後、掘削機を第1の位置から第2の位置へ走行させるステップと、掘削機の走行中に、GNSS装置を用いて掘削機の並進運動を追跡するステップと、スイングセンサからの回転測定値を用いて第1の方位から第2の方位へ掘削機プラットフォームの回転を追跡し、スイングセンサは、回転中心と位置合わせされた垂直軸を中心とした掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成されるステップと、掘削機の走行後に、GNSS装置の測定中心の第2の座標を取得するステップと、掘削機プラットフォームの第2の方位、GNSS装置の測定中心の第2の座標、及びGNSS装置の測定中心と掘削機プラットフォームの回転中心との間の既知の空間的関係を用いて、掘削機プラットフォームの回転中心の第2の座標を決定するステップとを含む。
【0067】
[実施例16]
[0069]実施例15の方法であり、スイングセンサは、掘削機プラットフォームと車台との間の回転点に近接した位置で掘削機の掘削機プラットフォーム又は車台に結合される。
【0068】
[実施例17]
[0070]実施例15~16の方法であり、掘削機プラットフォームの第1の方位を取得するステップは、掘削機プラットフォームを回転させながらGNSS装置の測定中心の複数の座標を取得するステップと、複数の座標を用いて掘削機プラットフォームの第1の方位を決定するステップとを含む。
【0069】
[実施例18]
[0071]実施例15~17の方法であり、該方法は、掘削機を走行させた後、スイングセンサからの回転測定値のみを用い、スイングセンサ以外のソースから方位情報を取得することなく、かつ走行後に方位初期化手順を実行することなく、第2の方位から第3の方位へ掘削機プラットフォームの回転を追跡するステップを更に含む。
【0070】
[実施例19]
[0072]実施例15~18の方法であり、掘削機プラットフォームは、作業機を含む掘削機のアームに結合され、方法は、掘削機プラットフォームの回転中心の座標を用いて、実世界座標系における作業機の刃の座標を決定するステップを更に含む。
【0071】
[実施例20]
[0073]実施例15~19の方法であり、スイングセンサは、回転中心と位置合わせされた垂直軸を中心とした掘削機プラットフォームの角変位を測定することによって掘削機プラットフォームの回転を測定するように構成される。
【0072】
[0074]本発明を特定の実施形態に関して説明したが、本発明の範囲は本明細書に説明の実施形態に限定されないことは当業者には明らかである。例えば、本発明の1つ又は複数の実施形態の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせてもよい。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明を参照するのではなく、添付の特許請求の範囲及びその均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
【国際調査報告】