(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】螺旋状LEDフィラメントシステムのためのビーム成形
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20230119BHJP
F21K 9/232 20160101ALI20230119BHJP
H05B 45/3574 20200101ALI20230119BHJP
F21Y 107/70 20160101ALN20230119BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230119BHJP
【FI】
H05B47/155
F21K9/232 100
H05B45/3574
F21Y107:70
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528984
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(85)【翻訳文提出日】2022-05-18
(86)【国際出願番号】 EP2020081902
(87)【国際公開番号】W WO2021099205
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA10
3K273QA26
3K273RA04
3K273RA07
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA31
3K273TA79
3K273UA02
3K273UA22
3K273VA01
3K273VA03
3K273VA05
(57)【要約】
本開示は、LEDフィラメント100と、コントローラ771と、を備える発光ダイオードLEDフィラメントシステム770に関する。LEDフィラメントは、連続したループ250によって形成された螺旋の形状に構成された支持体120を含む。LEDフィラメントは、支持体の一方の側面上に線形アレイ状に配置された複数のLED110を更に含む。LEDは、支持体に沿ってセクション140a~f内に配置されており、各セクションは、螺旋形状の支持体に沿った位置を有する。コントローラは、LEDフィラメントの、セクションへの、又はセクションのグループへの電力供給を制御するように構成されている。コントローラは、セクションを、セクションの位置に基づいて、又はセクションのグループを、該グループのセクションの位置に基づいて、制御するように適合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続したループによって形成された螺旋の形状に構成されている支持体と、
前記支持体の1つの側面上に線形アレイ状に配置された複数のLEDであって、前記LEDが、前記支持体に沿ってセクション内に配置されており、各セクションが、前記螺旋形状の支持体に沿った位置を有する、複数のLEDと、
を含む、LEDフィラメントと、
前記LEDフィラメントの、セクションへの、又はセクションのグループへの電力供給を制御するように構成されているコントローラであって、
セクションを、セクションの位置に基づいて、又は
セクションのグループを、前記グループの前記セクションの前記位置に基づいて、制御するように適合されている、
コントローラと、
を備える、発光ダイオードLEDフィラメントシステム。
【請求項2】
セクションのLEDが、可変強度を有する光を放出するように前記コントローラによって制御可能である、請求項1に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項3】
セクションのLEDが、可変色を有する光を放出するように前記コントローラによって制御可能である、請求項1又は2に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項4】
セクションの前記位置が、高さ及び角度によって画定され、前記高さが、前記螺旋形状の中心軸に沿った前記LEDフィラメントの端部部分から前記セクションまでの距離に関連し、前記角度が、前記ループの開始点に対するループに沿った前記セクションの前記位置に関連する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項5】
前記螺旋のループが、N個のセクションを含み、前記数Nが、2~8の範囲内にある、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項6】
前記セクションが、少なくとも、セクションの第1のセット及びセクションの第2のセットを含み、前記第1のセットのセクション及び前記第2のセットのセクションが、前記支持体に沿って繰り返して配置されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項7】
前記LEDフィラメントの各ループが、同じ数のセクションを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項8】
各ループが、N個のセクションを含み、ループの前記N個のセクションの間のN個の境界が、前記螺旋形状の支持体の高さに沿って、連続したループのN個のセクションの間のN個の境界と整列している、請求項7に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項9】
前記螺旋の前記ループの半径が、前記螺旋の高さに沿って変化する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項10】
より小さい半径を有するループ内のセクションの長さが、より大きい半径を有するループ内のセクションの長さよりも短い、請求項9に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項11】
各セクションが、少なくとも2つのLEDを含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項12】
セクションの前記LEDが、直列に電気接続されている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のLEDフィラメント。
【請求項13】
前記コントローラが、第1のセクションへの、又は第1のセクションのグループへの電力供給を、第2のセクションへの、又は第2のセクションのグループへの電力供給とは異なって制御するように構成されている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項14】
前記コントローラが、前記LEDフィラメントの光束が経時的に実質的に一定になるよう、前記LEDフィラメントの、前記セクション、又は前記セクションのグループの前記給電を制御するように構成されている、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項15】
前記コントローラが、所望の光放出方向に基づいて、前記LEDフィラメントの、前記セクション、又は前記セクションのグループの前記給電を制御するように構成されている、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のLEDフィラメントシステム。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一項に記載のLEDフィラメントシステムと、
前記LEDフィラメントシステムの少なくとも前記LEDフィラメントを少なくとも部分的に包囲している、少なくとも部分的に光透過性の外囲器と、
前記外囲器が上に取り付けられる口金であって、照明器具ソケットとの接続のために適合されている、口金と、
を備える、照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して固体照明の技術分野に関する。詳細には、本開示は、セクション内に配置された複数のLEDと、コントローラと、を含む螺旋形状のLEDフィラメントを備える発光(LED)フィラメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
白熱ランプは、発光ダイオード(light-emitting diode;LED)ベースの照明ソリューションによって急速に置き換えられつつある。固体照明デバイスは、白熱、蛍光、及びガス放電をベースとする照明デバイスに優る多くの利点を提供することができる。例えば、固体照明デバイスは、動作寿命の増加、電力消費の削減、及びより高い有効性をもたらしすことができる。LEDなどの固体照明デバイスは、広範な照明用途において採用されている。
【0003】
LEDベースの照明デバイスの開発は絶えず進行しており、従来の光源を用いて可能であったものをはるかに超えて広がる新たなソリューションを提供し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の1つの全般的な目的は、さらにいっそう用途の広いLEDベースの照明ソリューションを提供することである。具体的には、カスタマイズ可能な光分布を可能にするLEDフィラメントシステムを提供することができることが望まれている。
【0005】
それゆえ、本発明の目的は、上述の目標のうちの少なくともいくつかを達成し、改善されたLEDベースの照明を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的及び他の目的は、添付の請求項において定義されるとおりのLEDフィラメントシステムによって達成される。従属請求項によって、他の実施形態が定義される。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、発光ダイオード(LED)フィラメントシステムが提供される。LEDフィラメントシステムは、LEDフィラメントと、コントローラと、を備える。LEDフィラメントは、連続したループによって形成された螺旋の形状に構成された支持体を含む。複数のLEDが支持体の側面上に線形アレイ状に配置されている。具体的には、LEDは、セクション内に配置されており、各セクションは、螺旋形状の支持体に沿った位置を有する。コントローラは、LEDフィラメントの、セクションへの、又はLEDフィラメントのセクションのグループへの電力供給を制御するように構成されている。コントローラは、セクション(への電力供給)をセクションの位置に基づいて、又はセクションのグループ(への電力供給)をグループのセクションの位置に基づいて制御するように更に適合されている。
【0008】
支持体は、中心軸の周りに連続した曲線状に巻回することによって、螺旋形状を形成する。支持体の部分が中心軸の周りに360度巻回することによって、ループが形成される。ループの第1の端部部分(開始部分)は、ループの第2の端部部分(端部部分)から中心軸に沿った方向に分離されてもよい、即ち、第1の端部部分及び第2の端部部分は螺旋の長さに沿った2つの異なる位置(高さ)に位置する。
【0009】
複数のLEDは、支持体の1つの側面上に線形アレイ状に配置されている。例えば、LEDは、支持体に沿って1列に配置されてもよい。代替的に、LEDは、支持体に沿って2つ以上の列に配置されてもよい。LEDが支持体に沿って複数の列に配置される場合には、列は、少なくとも実質的に平行であってもよい。LEDは、実質的に一定のピッチ(連続したLEDの間の距離)で配置されてもよい。
【0010】
LEDは、支持体のいくつかの側面上に配置されてもよいことは理解されるであろう。例えば、LEDフィラメントは、支持体の第2の反対側にある側面上に配置された第2の複数のLEDを含んでもよい。
【0011】
螺旋形状のLEDフィラメントを備える照明デバイスは、装飾的外観を有するため、高く評価されている。個々に制御可能なセクション(即ち、セクションへの電力供給がコントローラによって個々に制御可能であるセクション)、又はグループとして制御され得るセクションを含む螺旋形状のLEDフィラメントは、カスタマイズ可能な光分布をもたらし得る。
【0012】
一実施形態によれば、セクションのLEDは、可変強度を有する光を放出するようにコントローラによって制御可能であってもよい。
【0013】
例えば、コントローラは、セクションが第1の強度I1をもたらすように、及び別のセクションが第2の強度I2をもたらすように制御してもよい。第1の強度I1は、第2の強度I2の少なくとも2倍(I1>2I2)であってもよい。具体的には、第1の強度I1は、第2の強度I2の少なくとも3倍(I1>3I2)であってもよい。より具体的には、第1の強度I1は、第2の強度I2の少なくとも4倍(I1>4I2)であってもよい。
【0014】
多くの異なる種類のLEDが、可変強度を有するセクションを提供するために用いられてもよい。例えば、複数のLEDは、青色光を放出するように構成されたLEDを含んでもよい。代替的に、又は加えて、複数のLEDは、紫外(UV)光を放出するように構成されたLEDを含んでもよい。LEDフィラメントが白色光を供給するために、LEDは、ルミネッセント材料などの、波長変換材料を含む封入材でカバーされてもよい。代替的に、LEDは、波長変換材料で個々にカバーされてもよい。
【0015】
波長変換材料は、LEDによって放出された光の少なくとも一部を吸収し、異なる波長を有する光を放出してもよい。LED及び波長変換材料の種類は、LEDフィラメントが所望の色又は色温度を有する光を供給するように選択されてもよい。少なくともLEDをカバーする封入材は、光散乱材料を含んでもよい。光散乱材料は、例えば、硫酸バリウム(BaSO4)、酸化アルミニウム(III)(Al2O3)、及び/又は二酸化チタン(TiO2)の粒子を含んでもよい。
【0016】
LEDが可変強度を有する光を放出するように制御可能であり得るセクションを有するLEDフィラメントは、ビーム掃引、連続したセクションがより高い強度で照明される照明効果の可能性をもたらし得る。これは、光ビームがLEDフィラメントの周りを移動する外観をもたらし得る。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、セクションのLEDは、可変色を有する光を放出するようにコントローラによって制御可能であってもよい。
【0018】
様々な種類のLEDが、可変色を有するセクションを提供するために用いられてもよい。例えば、複数のLEDは、赤色、緑色、及び青色LEDを含んでもよい。赤色、緑色、及び青色LEDからの光が異なる強度で組み合わせられ、多種多様の色を形成してもよい。代替的に、複数のLEDは、異なる色温度の白色光を供給するLEDを含んでもよい。例えば、複数のLEDは、第1のより暖かい白色の色調を有する白色光(例えば、より低い相関色温度を有する光)を供給するように構成された第1の複数のLED、及び第2のより冷たい白色の色調を有する白色光(例えば、より高い相関色温度を有する光)を供給するように構成された第2の複数のLEDを含んでもよい。
【0019】
セクションによって放出される光の色及び/又は色温度が適合され得るよう、異なる種類のLEDへの給電が制御可能であってもよい。このような実施形態は、異なる色パターンを可能にするLEDフィラメントを提供してもよい。例えば、このような実施形態は、LEDフィラメントによって供給される光における色勾配(色の間の段階的遷移)を可能にしてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、セクションの位置は、高さ及び角度であると定義されてもよい。セクションの高さ(即ち、螺旋形状の支持体の高さに沿ったセクションの位置)は、螺旋形状の中心軸(又は長手方向軸)に沿ったLEDフィラメントの端部部分からの距離に関連してもよい。セクションの角度(即ち、螺旋形状の支持体の周囲に沿ったセクションの位置)は、ループの開始点に対するループに沿ったセクションの位置に関連してもよい。
【0021】
セクションの角度は、ループの始まりから中心軸へ引かれる半直線と、セクションの始まりから中心軸へ引かれる半直線との間に形成される角度であってもよい。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、螺旋のループは、N個のセクションを含んでもよい。ループ内のセクションの数Nは、2~8の範囲内であってもよい。
【0023】
例えば、ループ内のセクションの数Nは、3~7の範囲内であってもよい。より具体的には、数Nは、4~6の範囲内であってもよい。
【0024】
各ループが1つを超えるセクションを含む実施形態については、LEDフィラメントの光分布は、非対称的に制御されてもよい。例えば、各ループの半分に対応するセクションは、残り半分よりも高い強度及び/又は異なる色を用いて照明され、LEDフィラメントの一方の側への照明が他方の側への照明とは異なることをもたらす。ループ内のより多くのセクションは、より大きい可変性をLEDフィラメントの光分布にもたらしてもよい。
【0025】
例えば、Nが少なくとも2である実施形態では、セクションは、第1の強度I1をもたらすように(コントローラによって)制御されてもよく、別のセクションは、第2の強度I2をもたらすように制御されてもよい。第1の強度I1と第2の強度I2との差は、少なくとも40%であってもよい。
【0026】
Nが少なくとも4である実施形態では、ループの反対側に(例えば、LEDフィラメントの前部及び後部に)配置された2つのセクションは、ループの他のセクションよりも高い強度をもたらすように(コントローラによって)制御されてもよい。
【0027】
各ループが1つのセクションを含む実施形態では、ループは個々に制御可能であってもよい、又は制御可能なグループ内に配置されてもよい。このような実施形態は、中心軸方向に沿って異なる光分布をもたらしてもよい。例えば、コントローラは、1つのループの強度及び/又は色が、異なるループの強度及び/又は色とは異なるよう、ループへの給電を個々に制御してもよい。
【0028】
更に、異なる実施形態は、異なる数のループを含んでもよい。少なくとも4つのループを含む実施形態では、LEDフィラメントの一方の端部部分におけるループ内に位置付けられたセクションは、LEDフィラメントの他方の端部部分におけるループ内に位置付けられたセクションよりも高い強度をもたらすように制御されてもよい。
【0029】
個々のセクションが規定のパターンに従って照明され、オフに切り替えられるようにLEDフィラメントを制御することは、ビーム成形と称されてもよい。LEDフィラメントは、ビーム成形をもたらすために反射器と併用されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、セクションは、少なくともセクションの第1のセット及びセクションの第2のセットを含んでもよい。第1のセットのセクション及び第2のセットのセクションは、支持体に沿って繰り返して配置されてもよい。
【0031】
例えば、セクションの第1のセット及びセクション第2のセットを含む実施形態では、第1のセットのセクション及び第2のセットのセクションは、支持体に沿って交互に配置されてもよい。
【0032】
第1のセットのセクションは、第2のセットのセクションとは異なってもよい。第1のセットのセクション及び第2のセットのセクションは、例えば、異なる色温度を有する光を供給してもよい。
【0033】
例えば、第1のセットのセクションは、第2のセットのセクションよりも厚い封入材層を有してもよい。波長変換材料を含む、より厚い封入材層は、LEDによって放出された光のより大きい部分が変換されること(即ち、波長変換材料によって吸収され、異なる波長で再放出されること)をもたらしてもよい。
【0034】
代替的に、又は加えて、第1のセットのセクションは、少なくともLEDをカバーするか、又はLEDを個々にカバーする封入材内に配置されるか、のいずれかである、第2のセットのセクションとは異なる種類の波長変換材料を含んでもよい。
【0035】
第3の選択肢として、第1のセットのセクションは、少なくともLEDをカバーするか、又はLEDを個々にカバーする封入材内に配置されるか、のいずれかである、第2のセットのセクションよりも高い濃度の波長変換材料を含んでもよい。
【0036】
更に、第1のセットのセクションは、第2のセットのセクションとは異なる種類のLEDを含んでもよい。
【0037】
セクションの第1のセット及びセクションの第2のセットを含む実施形態は、セクションの更なるセット、例えば、セクションの第3のセットを更に含んでもよいことは理解されるであろう。このような実施形態では、異なるセットからのセクションが支持体に沿って繰り返して配置されてもよい。例えば、セクションは、第1のセットのセクションの後に第2のセットのセクションが続き、その後に今度は第3のセットのセクションが続くパターンで配置されてもよく、当該パターンが支持体に沿って繰り返される。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、螺旋形状のLEDフィラメントの各ループは、同じ数のセクションを含んでもよい。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、各ループは、N個のセクションを含んでもよい。更に、ループのN個のセクションの間のN個の境界は、螺旋形状の支持体の高さに沿って、連続したループのN個のセクションの間のN個の境界と整列してもよい。
【0040】
セクションが螺旋形状の支持体の高さに沿って(又は螺旋形状の中心軸に沿って)整列している実施形態では、LEDフィラメントの照明における高度なパターンが達成されてもよい。
【0041】
各ループが、第1のセクション及び第2のセクションの2つのセクションを含む実施形態では、ループの第1のセクションが整列してもよく(即ち、セクションの螺旋構成において互いの上に重なるように配置される)、ループの第2のセクションが整列してもよい。このような実施形態では、全ての第1のセクションが照明され、続いて、全ての第2のセクションが照明されてもよい。第2のセクションが照明されているときには、第1のセクションはオフに切り替えられてもよい。このような実施形態では、第1のセクションは、第1のセットを形成してもよく、第2のセクションは、第2のセットを形成してもよく、第3のセクションは、第3のセットを形成してもよい。
【0042】
各ループ内のセクションの数Nが3以上である実施形態では、ループの第1のセクションが整列してもよく、ループの第2のセクションが整列してもよく、ループの第3のセクションが整列などしてもよい。このような実施形態では、全ての第1のセクションが第1の期間の間、照明され、続いて、(第1の期間に連続する)第2の期間の間、全ての第2のセクションが照明され、続いて、第3のセクションが照明などされてもよい。第2のセクションが照明されているときには、第1のセクションはオフに切り替えられてもよい。第3のセクションが照明されているときには、第1のセクション及び/又は第2のセクションはオフに切り替えるなどされてもよい。
【0043】
整列したセクションの連続したグループを、連続的に照明し、オフに切り替えることで、ビーム掃引を生じさせてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、螺旋のループの半径は、螺旋形状の支持体の高さに沿って(即ち、中心軸に沿って)変化してもよい。
【0045】
例えば、LEDフィラメントの端部部分におけるループは、LEDフィラメントの中央に(即ち、該端部部分の間に)位置するループよりも小さい半径を有し得、これにより、LEDフィラメントに樽形の形状を与える。
【0046】
代替的に、LEDフィラメントの端部部分におけるループは、当該端部部分の間のループよりも大きい半径を有してもよい。このような実施形態では、螺旋形状のフィラメントは、概ね砂時計形又はディアボロ状の形状を有してもよい。
【0047】
更なる選択肢では、ループの半径は、螺旋形状の一方の端部から他方の端部へ連続的に増大/減少する。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、より小さい半径を有するループ内のセクションの長さは、より大きい半径を有するループ内のセクションの長さよりも短いくてもよい。
【0049】
例えば、異なるループのセクションの長さは、各ループが同じ数のセクションを含むように適合されてもよい。
【0050】
全てのループが同じ半径を有する実施形態では、セクションは同じ長さを有してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、各セクションは、少なくとも2つのLEDを含んでもよい。
【0052】
各セクションが1つを超えるLED(即ち、少なくとも2つのLED)を含む実施形態では、個々のセクションは、より大きい光束を供給してもよい。
【0053】
1つのLEDのみを含む個々に制御可能なセクションにおいては、LEDは、効果的に個々に制御可能である。
【0054】
代替的に、セクションの長さが変化し得る実施形態では、一部のセクションは、1つのLEDを含んでもよく、その一方で、他のセクションは、1つを超えるLEDを含みんでもよい。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、セクションのLEDは、直列に電気接続されてもよい。
【0056】
セクションのLEDが直列に電気接続されている実施形態は、必要とされる電気接続のシステムがより複雑でないため、生産するには好都合であり得る。更に、セクション内のLEDが直列接続されている場合には、セクション全体の強度がまとめて制御され得る。
【0057】
代替的に、LEDが個々に制御可能であってもよい、又はセクション内のLEDの異なるグループが別個に制御可能であってもよい。例えば、セクションが、異なる色を有する光を供給するLEDを含む実施形態では、同じ色を供給するセクション内のLEDが直列に電気接続されてもよい。このような実施形態では、セクションの色は、セクション内の異なる色のLEDへの給電、ひいてはセクション内の異なる色のLEDによって放出される強度を制御することによって制御されてもよい。
【0058】
例えば、セクション内において、一部のLEDは、直列に電気接続されてもよく、一部のLEDは、並列に電気接続されてもよい。(内部でLEDが直列接続及び/又は並列接続され得る)セクションへの電力供給は、コントローラによって制御されてもよいことは理解されるであろう。
【0059】
セクション内のLEDが個々に制御可能である実施形態では、照明パターンも各セクション内で適合されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、第1のセクションへの、又は第1のセクションのグループへの電力供給を、第2のセクションへの、又は第2のセクションのグループへの電力供給とは異なって制御するように構成されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、LEDフィラメントの光束が経時的に実質的に一定になるよう、LEDフィラメントのセクションの給電を制御するように構成されてもよい。
【0062】
このような実施形態では、LEDフィラメントは、経時的に同じ量の照明を供給し得るが、照明の方向及び/又はパターンは変化してもよい。このような照明効果は、イベントの効果照明に特に望ましいことがある。
【0063】
光束は、毎回、LEDフィラメントシステムが使用されるたびに一定でなくてもよいことは理解されるであろう。むしろ、「経時的に一定」によって、特定の期間にわたって一定であることが意味される。例えば、光束の量は、コントローラによって提供される設定であってもよい。
【0064】
代替的に、又は加えて、同様の設定が色に関して利用可能であってもよい。コントローラは、異なる波長(色)を有する光の一定の総量を供給するように構成されてもよく、特定の色を有する光が放出される方向は変化してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、所望の光放出方向に基づいて、LEDフィラメントのセクション又はセクションのグループの給電を制御するように構成されてもよい。
【0066】
例えば、コントローラは、光を所望の方向に放出するセクションがオンになり、他のセクションがオフになるように、セクション又はセクションのグループの給電を制御してもよい。セクションの光放出方向は、セクションの位置に依存してもよい。例えば、LEDが、螺旋形状の中心軸から遠ざかる方に面した支持体の側面上に配置されている実施形態では、LEDは、光を中心軸から遠ざかる方向に放出してもよい。
【0067】
例えば、コントローラは、セクションの高さ及び角度に基づいて、LEDフィラメントのセクションを制御する/セクションに対応するように適合されてもよい。このような実施形態では、特定の角度範囲内の全ての高さのセクション、即ち、螺旋形状の支持体の周囲に沿った同じ位置に位置するが、異なる高さに位置するセクションは、特定の照明パターンで照明されてもよい。
【0068】
本開示の第2の態様によれば、照明デバイスが提供される。照明デバイスは、第2の態様の任意の実施形態を参照して説明されたとおりのLEDフィラメントシステムを備えてもよい。照明デバイスは、少なくとも部分的に光透過性の外囲器を更に備えてもよい。外囲器は、LEDフィラメントシステムの少なくともLEDフィラメントを少なくとも部分的に包囲してもよい。照明デバイスは、外囲器が上に取り付けられ得る口金を更に備えてもよい。口金は、照明器具ソケットとの接続のために更に適合されてもよい。
【0069】
照明デバイスは、LEDフィラメントランプであってもよい。LEDフィラメントのLEDによって放出された光は、LED光と称されてもよい。LEDによって放出された、波長変換材料によって吸収され、異なる波長で再放出された光は、変換光と称されてもよい。それゆえ、LEDフィラメントによって提供される光(LEDフィラメント光)は、LED光及び/又は変換光の組み合わせを含んでもよい。少なくとも部分的に光透過性の外囲器は、LEDフィラメント光を透過するように適合されている。それゆえ、LEDフィラメントランプは、結果としてLEDフィラメント光を含んでもよく、LEDフィラメントランプ光を供給してもよい。
【0070】
照明デバイスは、長手方向軸を有してもよい。長手方向軸は、例えば、口金の表面と実質的に直交して延びてもよい。
【0071】
螺旋形状のLEDフィラメントの中心軸は、照明デバイスの長手方向軸と実質的に平行であってもよい。
【0072】
代替的に、螺旋形状のLEDフィラメントの中心軸は、照明デバイスの長手方向軸と実質的に垂直であってもよい。
【0073】
上述の実施形態において列挙された特徴の全ての可能な組み合わせを使用する、他の実施形態が想定され得る点に留意されたい。それゆえ、本開示はまた、本明細書で言及される特徴の全ての可能な組み合わせにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
ここで、以下の添付図面を参照して、例示的な実施形態がより詳細に説明される。
【
図1】いくつかの実施形態による、LEDフィラメントの平面図及び側面図を示す。
【
図2】いくつかの実施形態による、連続したループによって形成された螺旋形状に構成されたLEDフィラメントの側面図、及びループの平面図を示す。
【
図3】いくつかの実施形態による、交互する第1及び第2のセクションを有する螺旋形状に構成されたLEDフィラメントの側面図、及びLEDフィラメントのループの平面図を示す。
【
図4】いくつかの実施形態による、ループの半径が螺旋の高さに沿って変化する螺旋形状に構成されたLEDフィラメントの側面図、及び伸ばした状態のLEDフィラメントの側面図を示す。
【
図5】いくつかの実施形態による、LEDが直列に電気接続されているLEDフィラメントのセクションを示す。
【
図6】いくつかの実施形態による、各種類のLEDが直列に電気接続されているLEDフィラメントのセクションを示す。
【
図7】いくつかの実施形態による、LEDフィラメントシステムの概略図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、照明デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
ここで、現時点で好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、例示的実施形態が、以降でより完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、完全性及び網羅性のために提供され、当業者に本発明の範囲を完全に伝達するものである。
【0076】
図1を参照して、いくつかの実施形態によるLEDフィラメント100が説明される。
【0077】
図1は、LEDフィラメント100の平面図、及び同じLEDフィラメント100の側面図を示す。
図1では、LEDフィラメント100は、例示目的のために、真っ直ぐな構成に伸ばされている。
【0078】
LEDフィラメント100は、支持体120を含む。支持体120は、螺旋形状に巻回され得るよう可撓性を有してもよい。しかし、螺旋状として成形され得る硬質支持体も用いられてもよい。複数のLED110が、支持体120の側面上に線形アレイ状に配置されている。具体的には、LED110は、支持体120に沿って単一の列に配置されている。LED110は、セクション140a~f内に配置されている。セクション140a~fは、個々に制御可能であり、各セクション140a~f内のLED110への給電がコントローラによって制御されてもよい。換言すれば、セクション140a~fのうちの1つは、他のセクションとは別個に制御されてもよく、これにより、例えば、第1のセクション140aのLEDに供給される電力は、第2のセクション140bのLEDに供給される電力とは異なってもよい。
【0079】
更に、側面図に示されるように、LEDフィラメント100は、封入材130を含む。封入材130は、複数のLED120、及びLED110が配置された支持体120の側面をカバーする。封入材130は、波長変換材料及び/又は光散乱材料を含んでもよい。封入材130が波長変換材料を含む実施形態では、波長変換材料は、波長変換材料自体に光散乱効果を有してもよい。
【0080】
LEDフィラメント100によって放出される光の色は、LEDフィラメントに用いられるLED110の種類及び封入材120の種類によって影響を受けてもよい。
【0081】
例えば、LEDフィラメント100は、単一の色温度を有する白色光を放出するために構成されてもよく、このために異なるセクション140a~fの強度が制御されてもよい。このような実施形態では、LED110は、青色光及び/又はUV光を放出するように適合されたLEDであってもよく、このようなLEDは、高い効率をもたらし得る。封入材120は、黄色及び赤色蛍光体などの波長変換材料を含んでもよい。蛍光体によって変換された光は、LEDからの非変換光と共に白色光を形成してもよい。代替的に、LED110は、青色LEDと、赤色LEDとの組み合わせを含んでもよい。このような実施形態では、波長変換材料は、青色光を部分的に変換し、白色光を形成してもよい。
【0082】
代替的に、LEDフィラメント100は、可変色温度及び/又は可変強度を有する白色光を放出するように構成されてもよい。このような実施形態では、LED110は、少なくとも2つの異なる種類のLEDを含んでもよい。第1の種類のLEDは、第1の色温度の白色光を放出するように構成されてもよく、第2の種類のLEDは、第1の色温度とは異なる、第2の色温度を有する白色光を放出するように構成されてもよい。
【0083】
更に、強度及び/又は色の制御をもたらすために、LED110は、赤色LEDと、緑色LEDと、青色LEDとの組み合わせを含んでもよい。このような実施形態では、封入材は、光散乱材料を含んでもよい。
【0084】
LEDフィラメントは、概して、LEDフィラメント光を供給し、線形アレイ状に配置された複数の発光ダイオード(LED)を備えることが理解されるであろう。好ましくは、LEDフィラメントは、長さLF及び幅Wを有し、LF>5Wである。LEDフィラメントは、例えば、湾曲構成、2D/3D螺旋若しくは渦巻などの、非直線構成に構成されてもよい。好ましくは、LEDは、剛性(例えば、ポリマー、ガラス、石英、金属、若しくはサファイアから作製されているもの)、又は可撓性(例えば、ポリマー、若しくは金属、例えばフィルム若しくは箔で作製されているもの)であってもよい、例えば基板のような細長形の支持体上に配置される。
【0085】
支持体が、第1主表面及び反対側の第2主表面を含む場合、LEDは、これらの表面のうちの少なくとも一方の表面上に配置される。支持体は、反射性であってもよい、又は半透明若しくは透明などの、光透過性であってもよい。特に、支持体は、半反射性であってもよい。
【0086】
LEDフィラメントは、複数のLEDのうちの少なくとも一部を少なくとも部分的に覆う、封入材を備えてもよい。封入材はまた、第1主表面又は第2主表面のうちの少なくとも一方を、少なくとも部分的に覆ってもよい。封入材は、例えばシリコーンなどの、可撓性であり得るポリマー材料であってもよい。更に、LEDは、例えば異なる色又はスペクトルの、LED光を放出するように構成されてもよい。封入材は、LED光を少なくとも部分的に変換光に変換するように構成された、ルミネッセント材料を含んでもよい。ルミネッセント材料は、無機蛍光体及び/又は量子ドット若しくは量子ロッドなどの、蛍光体であってもよい。
【0087】
LEDフィラメントは、複数のサブフィラメントを含んでもよい。
【0088】
図2を参照して、いくつかの実施形態による、螺旋の形状に構成されたLEDフィラメント200が説明される。
【0089】
図2は、螺旋形状に構成されたLEDフィラメント200の図を示す。LEDフィラメント200は、異なる形状に構成されていることを除いて、
図1を参照して説明したLEDフィラメント100と同等であってもよい。LEDフィラメント200は、螺旋として成形され得る限り、硬質支持体又は可撓性支持体を含んでもよい。螺旋は、中心軸Aに沿って延びている。例示目的のために、LEDフィラメント200は、一様円柱の形状を有するように示されている。この外観は、封入材が支持体の全ての側面をカバーするよう、LED及び支持体を封入材内に埋め込むことによって達成されてもよい。
【0090】
LEDフィラメント200は、LEDが配置された支持体の表面が、中心軸Aから遠ざかる方に面するように構成されてもよい。更に、LEDは、各LEDの発光面が中心軸Aから遠ざかる方に面するように配置されてもよい。それゆえ、LEDフィラメント200によって放出される光の大部分は、LEDフィラメント200から遠ざかる方に向けられてもよい。
【0091】
支持体が(部分的に)光透過性である実施形態では、LEDフィラメント200は、LEDフィラメント光の60~90%が中心軸Aから遠ざかる方向に放出されるように構成されてもよい。例えば、LEDフィラメント200は、LEDが配置された支持体の表面、及び/又は各LEDの発光面が、中心軸Aから遠ざかる方に面するように構成されてもよい。代替的に、又は加えて、半反射性支持体が用いられてもよい。
【0092】
LEDフィラメント200は、中心軸Aの周りで実質的に一定の半径rを有する連続したループ250に巻回している。上方から見たループ250も示されている。ループ250は、中心軸Aの周りに360度巻回したLEDフィラメント200の部分によって形成される。
【0093】
螺旋形状のLEDフィラメントは、LEDフィラメント200の第1の端部部分又は第1の末端201からLEDフィラメント200の(第1の末端201と反対の)第2の端部部分又は第2の末端202までの中心軸に沿った距離に対応する、高さHを有する。
【0094】
同様に示されているのは、セクション240のうちの1つである。セクション240の位置は、セクション240の高さh及びセクション240の角度θによって画定又は記述されてもよい。セクションの高さhは、第1の端部部分201からセクション240までの中心軸に沿った距離である。セクション240の角度θは、ループ250の始まり251から中心軸Aへ引かれる半直線と、セクション240の始まりから中心軸Aへ引かれる半直線との間に形成される角度である。
【0095】
図3を参照して、いくつかの実施形態による、セクションの第1のセット及びセクションのセットの第2のものを含むLEDフィラメントが説明される。
【0096】
図3は、LEDフィラメント300の側面図、及びLEDフィラメント300のループ350のうちの1つの平面図を示す。LEDフィラメント300は、セクション340a及び340bの第1のセット並びにセクション341a及び341bの第2のセットを含むことを除いて、
図2を参照して説明した、LEDフィラメント200と同等であってもよい。第1のセットのセクション340a及び340b並びに第2のセットのセクション341a及び341bは、LEDフィラメント300に沿って交互に配置されている。具体的には、各ループ350は、第1のセットの2つのセクション340a及び340b並びに第2のセットの2つのセクション341a及び341bを含む。更に、異なるループのセクションは、螺旋形状のLEDフィラメント300の中心軸に沿った方向に整列している。例えば、ループ350の第1のセットのセクション340aのうちの1つは、他のループの各々の第1のセットのセクションと整列している。図において、ループ350の第1のセットのセクション340aは、他のループの各々の第1のセットのセクションと整列している。
【0097】
LEDフィラメント300は、ビーム掃引を実行するように制御されてもよい。このような照明効果は、一連の角度範囲内に配置されたセクションを連続的に照明することによって達成されてもよい。例えば、まず、各ループ内の第1のセクション340aが照明されてもよい。他のセクション341a、340b、及び341bは、オフにされるか、又は第1のセクション340aよりも低い強度で照明されるか、のいずれかであってもよい。この第1の事例では、LEDフィラメント300によって放出される光の大部分は、例えば、0~90度の範囲内で、第1のセクション340aの方向に向けられることになる。
【0098】
第二に、各ループ内の第2の隣接したセクション341aが照明されてもよい。他のセクション340a、340b、及び341bは、再度オフにされるか、又は第2のセクション341aよりも低い強度をもって照明されるか、のいずれかであってもよい。LEDフィラメント300によって放出される光の大部分は、今度は、例えば、90~180度の範囲内で、第2のセクション341aの方向に向けられることになる。
【0099】
次に、第2のセクション341aに隣接した、各ループ内の第3のセクション340bが照明されてもよく、その一方で、他のセクションはオフにされるか、又は減光されてもよい。LEDフィラメント300によって放出される光の大部分は、次いで、例えば、180~270度の範囲内で第3のセクション340bの方向に向けられることになる。
【0100】
最後に、第3のセクション340bに隣接した、各ループ内の第4のセクション341bが照明されてもよく、その一方で、他のセクションはオフにされる、又は減光される(即ち、より低い強度で照明される)。LEDフィラメント300によって放出される光の大部分は、次いで、例えば、270~360度の範囲内で、第4のセクション341bの方向に向けられることになる。
【0101】
このプロセスが繰り返し実行された場合には、LEDフィラメントによって放出される光のビームは、LEDフィラメント300の周りを掃引しているように知覚され得る。このプロセスの間、コントローラは、ビームがLEDフィラメントの周りを掃引する際に、LEDフィラメント300の光束が経時的に実質的に一定のままとどまるよう、セクションの照明を制御するように適合されてもよい。
【0102】
第1のセットのセクション340a及び340bは、第2のセットのセクション341a及び341bとは異なる色温度を有する光を放出するように更に構成されてもよい。このような実施形態では、LEDフィラメントによって放出される光の色温度は、第1のセットのセクション340a及び340b並びに第2のセットのセクション341a及び341bによって放出される光の強度を適合させることによって調整されてもよい。
【0103】
図4を参照して、いくつかの実施形態による、ループの半径がLEDフィラメントの高さに沿って変化するLEDフィラメント400が説明される。
【0104】
図4は、螺旋形状を有するLEDフィラメント400の側面図、及び伸ばした構成における同じLEDフィラメント400の側面図を示す。LEDフィラメント400は、ループの半径rがLEDフィラメント400の高さHに沿って変化することを除いて、
図2を参照して説明したLEDフィラメント200と同等であってもよい。
【0105】
LEDフィラメント400は、中心軸Aの周りに巻回している。ループの半径rは、LEDフィラメント400の第1の端部部分401から中心部分403に向かって高さhに沿って増大する。ループの半径rは、LEDフィラメント400の中心部分403から第2の端部部分402に向かって高さHに沿って再び減少する。
【0106】
LEDフィラメント400の伸ばしたバージョンでは、LEDフィラメント400の異なるセクション441、442、443が示されている。端部部分401、402の近くでは、セクション441は、より短い長さを有する。セクションの長さは、LEDフィラメントの中心部分403に向かって増大する。具体的には、LEDフィラメント400の各ループは、等しい長さの2つのセクションを含む。
【0107】
図5を参照して、いくつかの実施形態による、LED112が直列に電気接続されているLEDフィラメント500のセクション541が説明される。
【0108】
図5は、LEDフィラメント500の一部の図である。LEDフィラメント500は、先の図を参照して説明されたLEDフィラメント100~400のうちのいずれかと同等であってもよい。
【0109】
図5は、4つのLED112を含むLEDフィラメント500のセクション541を示す。セクション541の左側のセクションからのLED111及びセクション541の右側のセクションのLED113も示されている。LED112は、第1の電気コネクタ562を介して直列に電気接続されている。それゆえ、セクション541のLED112の強度は、第1の電気コネクタ561を介してLED112の給電を制御することによって同時に制御されてもよい。更に、隣接したセクションからのLED111、113は、第2の電気コネクタ562を介して直列に接続されている。
【0110】
図6を参照して、いくつかの実施形態による、赤色LED610a、緑色LED610b、及び青色LED610cを含むLEDフィラメントのセクション640が説明される。
【0111】
図6は、LEDフィラメントのセクション640を示す。LEDフィラメントは、赤色、緑色、及び青色LEDを含むことを除いて、
図1~
図4を参照して説明されたLEDフィラメント100~400のうちのいずれかと同等であってもよい。
【0112】
セクション640内では、2つの赤色LED610a、2つの緑色LED610b、及び2つの青色LED610cが基材120上に単一の列に配置されている。2つの赤色LED610aは、第1の電気コネクタ660aを介して直列に電気接続されている。2つの緑色LED610bは、第2の電気コネクタ660bを介して直列に電気接続されている。2つの青色LED610cは、第3の電気コネクタ660cを介して直列に電気接続されている。同じ種類(色)のLEDを直列に接続することは、LEDの強度が同時に制御されることを可能にしてもよい。それゆえ、赤色LED610a、緑色LED610b、及び青色LED610cの給電は別個に制御されてもよい。LEDの給電を制御することによって、LEDによって放出される光の強度が制御されてもよい。異なる種類(色)のLEDの間の強度の比を制御することによって、セクション641によって放出される組み合わされた光の色が制御されてもよい。
【0113】
図7を参照して、いくつかの実施形態によるLEDフィラメントシステムが説明される。
【0114】
図7は、LEDフィラメント700と、コントローラ771と、を備えるLEDフィラメントシステム770を示す。LEDフィラメント700は、先の図を参照して前述されたLEDフィラメントのうちのいずれかと同等であってもよい。コントローラ771は、電気接続772によってLEDフィラメント700に接続されている。
【0115】
螺旋形状のLEDフィラメント700の各ループは、第1のセクション740及び第2のセクション741を含む。異なるループの第1のセクション740は、LEDフィラメント700の高さに沿って整列しており、異なるループの第2のセクション741は、LEDフィラメントの高さに沿って整列している。コントローラ771は、セクション740、741の給電を制御するように構成されている。図において、コントローラ771は、第1のセクション740が照明されるように、及び第2のセクション741がオフにされるように(照明されないように)制御する。その結果、LEDフィラメントによって放出される光は、大部分がLEDフィラメントの一方の側(例えば、0~180度の範囲内)に分布する。
【0116】
コントローラ771は、まず、(整列した)全ての第1のセクション741が照明されるように制御してもよい。次に、コントローラ771は、全ての第2のセクション742が照明されるように制御してもよい。第2のセクション742が照明されている間、第1のセクション741は、オフに切り替えられてもよい。この制御パターンが繰り返されてもよい。
【0117】
第1のセクション741は、セクションの第1のセットを形成してもよく、第2のセクション742は、セクションの第2のセットを形成してもよい。
【0118】
図8を参照して、いくつかの実施形態による照明デバイス880が説明される。
【0119】
図8は、いくつかの実施形態による照明デバイス880の側面図である。照明デバイス880は、
図7を参照して説明されたLEDフィラメントシステム770と同等であり得る、LEDフィラメントシステム870を備える。照明デバイスは、少なくとも部分的に光透過性の外囲器870を更に備える。LEDフィラメントシステム870のLEDフィラメント800は、外囲器881内に配置されている。換言すれば、外囲器881は、LEDフィラメント800を包囲している。
【0120】
更に、照明デバイスは、外囲器881が上に取り付けられている、口金882を備える。本実施形態では、LEDフィラメントシステム870のコントローラ871は、口金882上、及び外囲器881内に配置されている。他の実施形態では、コントローラ871は、口金882内に配置されていてもよい。電気コネクタ872が、LEDフィラメント800をコントローラ871と接続している。
【0121】
口金882は、照明器具ソケットに接続されるように適合されている。具体的には、口金882は、エジソン型のソケットに接続されるように適合されている。
【0122】
また、保持構造体883も、LEDフィラメント800を照明デバイス880内の定位置に保持するために口金882上に取り付けられている。螺旋形状のLEDフィラメント800は、中心軸を照明デバイス880の長手方向軸と平行にして配置されている。
【0123】
当業者は、本発明が、上述の好ましい実施形態に決して限定されるものではない点を、理解するものである。むしろ、多くの修正形態及び変形形態が、添付の請求項の範囲内で可能である。
【0124】
特徴及び要素が、特定の組み合わせで上述されているが、それぞれの特徴又は要素は、他の特徴及び要素を伴わずに単独で使用されることができ、あるいは、他の特徴及び要素の有無に関わらず、様々な組み合わせで使用されることができる。
【0125】
更に、図面、本開示、及び添付の請求項を検討することにより、開示される実施形態に対する変形形態が、当業者によって理解され、特許請求される発明を実施する際に遂行され得る。請求項では、単語「備える(comprising)」は、他の要素を排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。特定の特徴が、互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが、有利には使用され得ないことを示すものではない。
【国際調査報告】