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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】接続構成体および電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20230119BHJP
   H01R 9/22 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
H01R4/48 A
H01R9/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529057
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2020081553
(87)【国際公開番号】W WO2021099174
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】102019131146.2
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ゲープハルト
【テーマコード(参考)】
5E086
【Fターム(参考)】
5E086DD03
5E086LL16
(57)【要約】
本発明は、電気導体(200)を接続するための接続構成体(100)に関し、接続構成体(100)は、ハウジング(132)と、電流バー(110)と、クランプスプリング(111)であって、クランプスプリング(111)は、クランプレッグ(113)を有しており、クランプレッグ(113)は、クランプ位置および解放位置へと移動され得る、クランプスプリング(111)と、電流バー(110)のセクション(114)とクランプスプリング(111)のクランプレッグ(113)との間に形成された導体接続スペース(124)と、変位可能に配置されているガイドエレメント(115)であって、ガイドエレメント(115)は、クランプスプリング(111)のクランプレッグ(113)と動作可能に接続されており、クランプレッグ(113)は、ガイドエレメント(115)によって解放位置に保持され得る、ガイドエレメント(115)と、解放エレメント(125)であって、解放エレメント(125)は、クランプスプリング(111)のクランプレッグ(113)の解放位置において、ガイドエレメント(115)と係合されており、接続されることとなる導体が導体接続スペース(124)の中へ挿入されるときに、解放エレメント(125)は、導体によって作動され得、解放エレメント(125)がガイドエレメント(115)から離脱されるようになっており、ガイドエレメント(115)は、クランプレッグ(113)のスプリング力によって変位され得、電流バー(110)に接触して導体(200)をクランプするために、クランプレッグ(113)がクランプ位置へと移動されるようになっている、解放エレメント(125)と、作動エレメント(129)であって、作動エレメント(129)によって、ガイドエレメント(115)が、クランプスプリング(111)のクランプレッグ(113)をクランプ位置から解放位置へ移行するために変位され得、作動エレメント(129)は、電気導体(200)の接続状態を示すための指示エレメント(134)を有している、作動エレメント(129)と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気導体(200)を接続するための接続構成体(100)であって、前記接続構成体(100)は、
- ハウジング(132)と、
- バスバー(110)と、
- クランプスプリング(111)であって、前記クランプスプリング(111)は、クランプレッグ(113)を含み、前記クランプレッグ(113)は、クランプ位置および解放位置へと移行されることが可能である、クランプスプリング(111)と、
- 前記バスバー(110)のセクション(114)と前記クランプスプリング(111)の前記クランプレッグ(113)との間に形成された導体接続スペース(124)と、
- 変位可能に配置されているガイドエレメント(115)であって、前記ガイドエレメント(115)は、前記クランプスプリング(111)の前記クランプレッグ(113)と動作可能に接続されており、前記クランプレッグ(113)は、前記ガイドエレメント(115)によって前記解放位置に保持されることが可能である、ガイドエレメント(115)と、
- 解放エレメント(125)であって、前記解放エレメント(125)は、前記クランプスプリング(111)の前記クランプレッグ(113)の前記解放位置において、前記ガイドエレメント(115)と係合しており、前記解放エレメント(125)は、接続されることとなる前記電気導体が前記導体接続スペース(124)の中へ挿入される間に、これによって作動されることが可能であり、前記解放エレメント(125)が前記ガイドエレメント(115)との係合から外れるようになっており、前記ガイドエレメント(115)が、前記クランプレッグ(113)のスプリング力によって変位可能であり、前記クランプレッグ(113)が、前記クランプ位置へと移行され、前記バスバー(110)に接触して前記電気導体(200)をクランプするようになっている、解放エレメント(125)と、
- 作動エレメント(129)であって、前記作動エレメント(129)によって、前記ガイドエレメント(115)が変位されることが可能であり、前記クランプスプリング(111)の前記クランプレッグ(113)を前記クランプ位置から前記解放位置へ移行するようになっており、前記作動エレメント(129)は、前記電気導体(200)の接続状態を示すための表示エレメント(134)を有している、作動エレメント(129)と、
を含む、接続構成体(100)。
【請求項2】
前記表示エレメント(134)は、前記電気導体(200)の接続された状態において前記ハウジング(132)の開口部(135)から突き出る前記作動エレメント(129)の端部セクションの上に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の接続構成体(100)。
【請求項3】
前記表示エレメント(134)は、前記作動エレメント(129)の前記端部セクションに、くさび形状の延長部(136)の形態で設計されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の接続構成体(100)。
【請求項4】
前記作動エレメント(129)が、ツール受入領域(137)を有しており、前記表示エレメント(134)は、前記ツール受入領域(137)に隣接して配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の接続構成体(100)。
【請求項5】
前記クランプスプリング(111)は、前記バスバー(110)の前記セクション(114)と前記作動エレメント(129)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の接続構成体(100)。
【請求項6】
前記ガイドエレメント(115)は、少なくとも1つのスプリング接触縁部(116a、116b)を有しており、前記クランプレッグ(113)が、前記スプリング接触縁部(116a、116b)の上に載置されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の接続構成体(100)。
【請求項7】
前記クランプレッグ(113)は、2つのスライドセクション(119a、119b)を有しており、2つの前記スライドセクション(119a、119b)は、クランプ縁部(118)を有する主セクション(117)に対して横方向にそれぞれ配置されており、前記ガイドエレメント(115)は、2つのスプリング接触縁部(116a、116b)を有しており、2つの前記スプリング接触縁部(116a、116b)は、互いから距離を置いて配置されており、第1のスライドセクション(119a、119b)は、第1のスプリング接触縁部(116a、116b)に当接しており、第2のスライドセクション(119a、119b)は、第2のスプリング接触縁部(116a、116b)に当接していることを特徴とする、請求項6に記載の接続構成体(100)。
【請求項8】
前記ガイドエレメント(115)の変位移動(V)が、前記導体接続スペース(124)の中へ接続されることとなる前記電気導体(200)の挿入方向(E)に対して横断方向に行われるように、前記ガイドエレメント(115)が変位可能であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の接続構成体(100)。
【請求項9】
前記解放エレメント(125)は、前記ガイドエレメント(115)に対して傾斜可能に装着されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の接続構成体(100)。
【請求項10】
前記解放エレメント(125)は、少なくとも1つのアンダーカット(126)を有しており、少なくとも1つの前記アンダーカット(126)は、前記クランプスプリング(111)の前記クランプレッグ(113)の前記解放位置にあるときに、前記ガイドエレメント(115)の少なくとも1つのラッチ係合ラグ(127a、127b)とラッチ係合されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の接続構成体(100)。
【請求項11】
前記ガイドエレメント(115)は、互いに平行に配置されている2つの長手方向側壁部(120a、120b)を有しており、2つの前記長手方向側壁部(120a、120b)は、第1の側において、および、前記第1の側の反対側の第2の側において、前記導体接続スペース(124)の境界を定めていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の接続構成体(100)。
【請求項12】
前記ガイドエレメント(115)は、スライド面(130)を有しており、前記作動エレメント(129)は、前記スライド面(130)に沿ってガイドされることが可能であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の接続構成体(100)。
【請求項13】
前記スライド面(130)は、前記ガイドエレメント(115)の2つの長手方向側壁部(120a、120b)の間に配置されており、または、前記ガイドエレメント(115)の端壁部(123a、123b)の上に配置されていることを特徴とする、請求項12に記載の接続構成体(100)。
【請求項14】
前記スライド面(130)は、前記作動エレメント(129)の上に形成された傾斜表面(131)と相互作用する傾斜表面を有していることを特徴とする、請求項12または13に記載の接続構成体(100)。
【請求項15】
前記作動エレメント(129)は、ラッチ係合領域(138)を有しており、前記クランプスプリング(111)の前記解放位置において、前記作動エレメント(129)は、前記ラッチ係合領域(138)を介して、前記ガイドエレメント(115)の上の固定された位置に保持されることが可能であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の接続構成体(100)。
【請求項16】
前記ラッチ係合領域(138)は、前記クランプスプリング(111)の前記解放位置において、前記ガイドエレメント(115)の前記スライド面(130)を少なくとも領域で取り囲むように設計されていることを特徴とする、請求項15に記載の接続構成体(100)。
【請求項17】
前記ガイドエレメント(115)の変位移動を支持するために、前記ガイドエレメント(115)は、スプリングエレメント(144)に接続されていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の接続構成体(100)。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の接続構成体(100)を少なくとも1つ備えた、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気導体を接続するための接続構成体に関する。本発明は、さらに、電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
そのような接続構成体は、通常、レッグスプリングとして設計されたクランプスプリングを有しており、そのクランプスプリングは、リテイニングレッグおよびクランプレッグを有しており、接続構成体の中へ挿入された導体は、クランプスプリングのクランプレッグによって、バスバーに対してクランプされ得る。とりわけ、可撓性の導体がクランプされる場合には、導体の挿入の前に、作動エレメントによってクランプスプリングを最初に解放位置へと移動させること、したがって、それを作動させることが必要であることとなり、導体がバスバーとクランプスプリングとの間の中間スペースの中へ挿入され得るように、クランプスプリングまたはクランプレッグをバスバーから離れるように枢動させるようになっている。リジッドのしたがってロバストな導体によってのみ、導体は、作動エレメントがこの目的のためにユーザーによって作動される必要なしに、バスバーから離れるようにクランプレッグを枢動させることができるように、クランプスプリングまたはクランプスプリングのクランプレッグに十分な力を印加することが可能である。可撓性の導体の場合、ユーザーは、最初に、可撓性の導体が挿入され得るように作動エレメントを作動させることによって、バスバーから離れるようにクランプスプリングを枢動させなければならない。挿入された導体をクランプするために、作動エレメントは、クランプスプリングを解放位置からクランプ位置へと移動させるために、ユーザーによって手動でもう一度作動されなければならない。ユーザーによる作動エレメントの手動の作動は、導体を装着または接続することを、ユーザーにとって困難なものにする。その理由は、ハンドリングが面倒であり、したがって、必要とされる時間も増加するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、とりわけ、可撓性の導体の接続が簡単化され得る、接続構成体および電子デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
その目的は、独立請求項の特徴を備えた本発明にしたがって実現される。本発明の適当な実施形態および有利な発展例は、従属請求項に特定されている。
【0005】
本発明による接続構成体は、ハウジングと、バスバーと、クランプスプリングであって、クランプスプリングは、クランプレッグを含み、クランプレッグは、クランプ位置および解放位置へと移行され得る、クランプスプリングと、バスバーのセクションとクランプスプリングのクランプレッグとの間に形成された導体接続スペースと、変位可能に配置されているガイドエレメントであって、ガイドエレメントは、クランプスプリングのクランプレッグと動作可能に接続されており、クランプレッグは、ガイドエレメントによって解放位置に保持され得る、ガイドエレメントと、クランプスプリングの解放位置においてガイドエレメントと係合している解放エレメントと、を有している。接続されることとなる導体が導体接続スペースの中へ挿入されているときに、解放エレメントは、導体接続スペースによって作動され得、解放エレメントがガイドエレメントとの係合から外れるようになっており、ガイドエレメントが、クランプレッグのスプリング力によって変位され得、クランプレッグが、クランプ位置へと移行され、バスバーに接触して導体をクランプするようになっている。また、接続構成体は、作動エレメントを有しており、ガイドエレメントは、作動エレメントによってクランプ位置から解放位置へと変位され得、クランプスプリングのクランプレッグを解放位置へ移行するようになっており、作動エレメントは、電気導体の接続状態を示すための表示エレメントを有している。
【0006】
本発明による接続構成体によって、可撓性の導体であっても、たとえば、作動エレメントの手動による作動なしに、または、ツールの支援なしに接続され得、バスバーに対してクランプされ得るようになった。好ましくは、クランプスプリングは、レッグスプリングとして設計されており、レッグスプリングは、リテイニングレッグと、リテイニングレッグに対して枢動されるように設計されているクランプレッグと、を有している。クランプレッグの枢動移動によって、クランプレッグは、解放位置へとガイドされ得、解放位置では、クランプレッグは、バスバーから距離を置いて配置されており、接続されることとなる導体は、それによってバスバーとクランプレッグとの間に形成された導体接続スペースの中へまたはそこから外へガイドされ得、また、クランプレッグは、クランプ位置へと移動され得、クランプ位置では、クランプレッグは、バスバーに対して導体をクランプするために、バスバーに当接するか、または、接続されている導体に当接することが可能である。接続構成体は、とりわけ水平方向に変位可能に装着されたガイドエレメントを有しており、ガイドエレメントは、好ましくは、クランプスプリングのクランプレッグの解放位置およびクランプ位置の両方において、クランプスプリングに動作可能に接続されており、それは、クランプレッグが、ガイドエレメントとの動作可能な接続に起因して、ガイドエレメントの変位移動(ひいては、位置)に追従することができるということを意味している。ガイドエレメントがクランプレッグを押し付けることによって、ガイドエレメントは、クランプレッグをそのスプリング力に接触して解放位置に保持する。ガイドエレメントをこの位置に保持することができるようにするために、ガイドエレメントは、クランプスプリングのクランプレッグの解放位置において解放エレメントと係合している。解放エレメントがガイドエレメントと係合しているときに、ガイドエレメントの変位移動は、可能ではないこととなり、または、停止されることとなる。クランプレッグの解放位置において、解放エレメントとガイドエレメントとの動作可能な接続または連結を介して、および、ガイドエレメントとクランプスプリングのクランプレッグとの動作可能な接続または連結を介して、クランプレッグは、追加的な手動の作動なしにこの解放位置に保持され得、とりわけ、可撓性の導体が、導体接続スペースの中へ挿入され得るようになっており、それによって、バスバーとクランプスプリングとの間で自由になることができるようになっている。解放エレメントは、導体接続スペースの方向に面する圧力表面を有することが可能であり、それは、接続構成体の中の導体の挿入領域と同一平面上に、または、導体接続スペースと同一平面上に配置され得、導体が、接続構成体の中への挿入の間に、解放エレメントの圧力表面に当接するようになっており、その結果として、圧縮力が、導体によって解放エレメントに印加され得る。導体によって圧力表面に(ひいては、解放エレメントに)圧縮力を印加することによって、解放エレメントは、導体の挿入方向の方向への枢動移動または傾斜移動をさせられ得、解放エレメントが、導体の挿入方向において、ガイドエレメントから離れるように枢動または傾斜され得るようになっている。解放エレメントの枢動移動の結果として、解放エレメントは、ガイドエレメントとの係合から外れさせられ得、ガイドエレメントが再び自由に変位可能になるようになっており、ガイドエレメントは、それによって、手動の支援なしにクランプレッグのスプリング力によってのみ変位され得、クランプレッグが、解放位置からクランプ位置へ移行され得るようになっている。この特別なメカニズムによって、可撓性の導体は、クランプスプリングを解放するために、および、それを解放位置からクランプ位置へ移動させるために、ユーザーがさらなるエレメント(たとえば、作動エレメントなど)を作動させることを必要とすることなく、導体の挿入移動のみによって、とりわけ簡単な様式で接続され得る。これは、接続構成体のハンドリングを促進させ、導体を接続するときの時間を節減する。解放エレメントは、好ましくは、クランプスプリング、バスバー、およびガイドエレメントとは別個に形成されたエレメントである。解放エレメントは、好ましくは、バスバーのセクション(導体がそれに対してクランプされ得る)とクランプスプリングとの間の領域にわたって延在しており、解放エレメントが、一方の側において導体接続スペースの境界を定めることができるようになっている。ガイドエレメントは、スライドエレメントの形態をとることが可能である。
【0007】
本発明によれば、接続構成体は、また、作動エレメントを有しており、ガイドエレメントは、作動エレメントによって変位され得、クランプスプリングのクランプレッグをクランプ位置から解放位置へ移行するようになっている。作動エレメントは、好ましくは、それがガイドエレメントに圧縮力を働かせるように設計され得、クランプスプリングのクランプレッグのスプリング力に接触してそれを変位させるようになっており、クランプレッグの解放位置に到達されるときに、ガイドエレメントが解放エレメントと係合することができるようになっている。変位移動に起因して、ガイドエレメントは、クランプスプリングのクランプレッグに引張力を印加することが可能であり、クランプレッグをクランプ位置から解放位置へ移行するようになっている。作動エレメントは、好ましくは、ガイドエレメントの変位移動の方向に対して横断方向に配向される方向に移動可能である。作動エレメントは、好ましくは、純粋に並進方向に移動可能である。作動エレメントの移動の方向は、好ましくは、導体接続スペースの中への導体の挿入方向に対して平行に配向される。ユーザーが電気導体の接続状態を接続構成体の上で視覚的に明らかにすることを可能にするために、作動エレメントは、電気導体の接続状態を表示するための表示エレメントを有している。表示エレメントに起因して、ユーザーは、接続構成体の中へ導入された電気導体が、すでにクランプスプリングによってバスバーに対してクランプされているかどうか、または、導体が接続構成体のハウジングの中へすでに挿入されているが、解放エレメントはまだ解放されておらず、したがって、クランプスプリングはまだクランプ位置に到達していないかどうかを、視覚的に認識することが可能である。電気導体の直径のサイズに関係なく、作動エレメントの上に形成された表示エレメントは、接続されることとなる導体の接続状態についての一定の視覚的なフィードバックを可能にする。
【0008】
接続構成体は、たとえば、クランプ端子、端子ブロック、またはプラグインコネクターの一部であることが可能である。また、複数の接続ポイントが、接続構成体のハウジングの中に提供され得、それぞれの接続ポイントが、対応するバスバー、対応するクランプスプリング、対応する作動エレメント、対応するガイドエレメント、および、対応する解放エレメントを有しており、ハウジングの中に配置されている接続ポイントが、好ましくは、すべて同じ設計のものであるようになっている。
【0009】
表示エレメントは、好ましくは、導体の接続された状態においてハウジングの開口部から突き出ることができる作動エレメントの端部セクションの上に形成されており、導体の接続された状態において、表示エレメントの少なくとも部分的な領域が、ハウジングの開口部から突き出ることができるようになっている。これは、ユーザーのための明確な視覚的なフィードバックを可能にし、導体がクランプスプリングとバスバーとの間にクランプされている(したがって、接続されている)ということを、ユーザーに示すようになっている。導体がまだクランプされておらず、したがって、接続されていない場合には、作動エレメントの端部セクション(ひいては、表示エレメント)は、好ましくは、依然としてハウジングの内側にあり、ハウジングの開口部から突き出ていないこととなり、表示エレメントが、ユーザーにとってまだ見ることができないこととなるようになっている。表示エレメントの位置は、単独で、電気導体の接続状況をユーザーに視覚的に表示することを容易にする。
【0010】
表示エレメントは、たとえば、作動エレメントの端部セクションにおいて、くさび形状の延長部の形態で設計され得る。導体の接続された状態において、このくさび形状の延長部は、明確に目に見える様式で、ハウジングの開口部から突き出ることが可能である。くさび形状の延長部は、好ましくは、作動エレメントの残りの部分よりも小さい幅および/または小さい厚さを有している。
【0011】
作動エレメントを作動させるために、作動エレメントは、ツール受入領域を有することが可能であり、次いで、表示エレメントは、好ましくは、ツール受入領域に隣接して配置されている。ツール受入領域は、たとえば、スロット形状の設計のものであることが可能であり、ツール(たとえば、スクリュードライバーなど)を受け入れることができるようになっている。ツール受入領域に隣接して表示エレメントを配置することによって、表示エレメントは、ツールがツール受入領域に向けて移動するときに、ツールのための一種の案内補助具を同時に形成することが可能である。加えて、表示エレメントは、作動エレメントがツールによって作動されているときに、ツール受入領域の中へ挿入されるツールのための接触縁部を形成することが可能である。
【0012】
作動エレメントは、好ましくは、それが導体接続スペースの中へ侵入しないように配置されており、接続された導体と作動エレメントとの相互作用が防止され得るようになっている。他方では、クランプスプリング、バスバー、および作動エレメントは、好ましくは、クランプスプリングがバスバーのセクション(接続されることとなる導体がそれに対してクランプされる)と作動エレメントとの間に配置されるように配置されている。結果として、接続構成体のハンドリングは、電気導体が接続されているときに、ユーザーにとって著しく簡単化され得る。その理由は、作動エレメントが導体接続スペースから離れて位置決めされており、したがって、導体の挿入が作動エレメントの作動によって妨害されないからである。
【0013】
ガイドエレメントとクランプスプリングのクランプレッグとの間に動作可能な接続を形成することができるようにするために、ガイドエレメントは、少なくとも1つのスプリング接触縁部を有しており、クランプレッグが、少なくとも1つのスプリング接触縁部に当接することができるということが提供され得る。スプリング接触縁部は、クランプレッグまたはクランプレッグの少なくとも一部が、解放位置およびクランプ位置の両方において、スプリング接触縁部に当接することができるように設計され得る。スプリング接触縁部は、たとえば、ガイドエレメントのショルダー部の上に形成され得る。
【0014】
ガイドエレメントおよびクランプスプリングのクランプレッグの均一な案内を実現することができるようにするために、2つのそのようなスプリング接触縁部が、ガイドエレメントの上に形成され得、クランプレッグが、2つのそのようなスプリング接触縁部を介してガイドエレメントの上でガイドされ得るようになっている。2つのスプリング接触縁部は、好ましくは、ガイドエレメントの上で互いに平行に延在している。
【0015】
そのような設計によって、クランプレッグが2つのスライドセクションを有することが可能であり、2つのスライドセクションは、クランプ縁部を有する主セクションに対して横方向にそれぞれ配置されており、また、ガイドエレメントが2つのスプリング接触縁部を有することが可能であり、2つのスプリング接触縁部は、互いから距離を置いて配置されており、第1のスライドセクションは、第1のスプリング接触縁部に当接することが可能であり、第2のスライドセクションは、第2のスプリング接触縁部に当接することが可能である。2つのスライドセクションは、好ましくは、クランプレッグの主セクションよりも短い長さをそれぞれ有している。主セクションおよび2つのスライドセクションは、好ましくは、互いに平行に延在している。2つのスライドセクションは、それぞれのケースにおいて、好ましくは湾曲しており、それらがスキッドをそれぞれ形成することができるようになっており、スキッドは、それぞれのスプリング接触縁部に沿ってスライドすることが可能である。しかし、主セクションは、好ましくは真っ直ぐになっている。
【0016】
ガイドエレメントは、好ましくは、導体接続スペースの中へ接続されることとなる導体の挿入方向に対して横断方向にガイドエレメントの変位移動が行われ得るように変位可能である。このように、とりわけコンパクトな設計が可能であり、その結果として、接続構成体は、低減された据え付けスペースによって特徴付けられ得る。
【0017】
導体接続スペースの中へ挿入される導体によって、解放エレメントをガイドエレメントから解放するために、したがって、ガイドエレメントからそれを離脱させることができるようにするために、解放エレメントは、ガイドエレメントに対して傾斜可能になるように装着され得る。したがって、解放エレメントは、ロッカー(rocker)のように設計され得る。接続されることとなる導体が解放エレメントに押し付けられる場合には、解放エレメントは、導体の挿入方向に傾斜することが可能であり、ガイドエレメントとの係合から外れるようになり、および、したがって、ガイドエレメントを解放するようになっており、ガイドエレメントが再び自由に変位可能になるようになっている。
【0018】
クランプスプリングのクランプレッグの解放位置において、解放エレメントとガイドエレメントとの係合を形成することができるようにするために、解放エレメントは、少なくとも1つのアンダーカットを有することが可能であり、ガイドエレメントの少なくとも1つのラッチ係合ラグは、クランプスプリングのクランプレッグが解放位置にあるときに、少なくとも1つのアンダーカットとラッチ係合することが可能である。結果として、クランプスプリングのクランプレッグが解放位置にあるときに、ラッチ係合接続が、ガイドエレメントと解放エレメントとの間に形成され得る。解放エレメントは、好ましくは、2つのアンダーカットを有しており、ガイドエレメントは、好ましくは、2つのラッチ係合ラグを有しており、ダブル作用式のラッチ係合が、ガイドエレメントと解放エレメントとの間に生成され得るようになっている。2つのアンダーカットが提供されている場合には、それらは、好ましくは、互いに平行に走る解放エレメントの2つの側面の上に形成されることとなる。次いで、解放エレメントは、2つのアンダーカットに起因して、T字形状を有することが可能である。
【0019】
また、好ましくは、ガイドエレメントは、互いに平行に配置されている2つの長手方向側壁部を有しており、2つの長手方向側壁部は、第1の側において、および、第1の側の反対側の第2の側において、導体接続スペースの境界を定めることが可能であるということが提供され得る。したがって、ガイドエレメントは、接続されることとなる導体が導体接続スペースの中へ挿入されているときに、導体のためのガイドを形成することも可能である。2つの長手方向側壁部は、導体の正しくない挿入を防止することが可能である。したがって、導体接続スペースは、その側部のうちの2つにおいて、ガイドエレメントによって境界を定められ得、その他の2つの側部において、バスバーによって、および、クランプスプリングのクランプレッグによって境界を定められ得る。
【0020】
ガイドエレメントは、スライド面を有することが可能であり、作動エレメントは、スライド面に沿ってガイドされ得る。スライド面において、作動エレメントは、ガイドエレメントに対して平坦に載置されることが可能である。作動エレメントは、スライド面を介して、ガイドエレメントに沿ってスライドすることが可能であり、したがって、ガイドエレメントに圧縮力を印加することが可能である。
【0021】
スライド面は、ガイドエレメントの2つの長手方向側壁部の間に配置され得、または、ガイドエレメントの端壁部の上に配置され得る。スライド面は、好ましくは、スライド面が2つの長手方向側壁部に対して横断方向に延在するように配向されている。2つの長手方向側壁部の間にスライド面を配置することによって、ガイドエレメントを作動させるために、作動エレメントは、2つの長手方向側壁部およびスライド面によって境界を定められた自由スペースの中へ挿入され得、2つの長手方向側壁部は、作動エレメントのための案内補助具を形成することが可能であり、作動エレメントがガイドエレメントのスライド面に沿ってガイドされているときに、作動エレメントが傾斜することを防止することができるようになっている。
【0022】
スライド面は、作動エレメントの上に形成された傾斜表面と相互作用することができる傾斜表面を形成することが可能である。スライド面が、傾斜表面として設計されている場合には、それは、好ましくは、傾斜を有することとなる。次いで、スライド面に当接している作動エレメントの表面は、また、好ましくは、作動エレメントの移動の方向に延在する作動エレメントの長手方向の延長部に対して傾斜されて形成された傾斜表面として設計されることとなる。スライド面と、スライド面に沿ってスライドする作動エレメントの表面と、の両方が、傾斜表面として設計されている場合には、作動エレメントがスライド面に沿ってスライドするときに、作動エレメントの垂直移動方向がガイドエレメントの水平方向の変位移動へと変換されることを可能にすることとなる。
【0023】
作動エレメントは、好ましくは、ラッチ係合領域を有しており、クランプスプリングの解放位置において、作動エレメントは、ラッチ係合領域を介して、ガイドエレメントの上の固定された位置に保持され得る。作動エレメントがガイドエレメントの上の固定された位置(ひいては、ラッチ係合された位置)に保持されていることによって、作動エレメントの望ましくない戻り変位が防止され得る。作動エレメントは、好ましくは、接続されることとなる導体が解放エレメントを作動させるときに、ガイドエレメントによる固定された位置から解放され、それによって、クランプスプリングは、解放位置からクランプ位置へ移行される。クランプスプリングのクランプ位置において、作動エレメントのラッチ係合領域は、好ましくは、ガイドエレメントによって解放され、作動エレメントが、ガイドエレメントから離れるように移動され得るようになっており、作動エレメントの表示エレメントが、導体のクランプされた状態を示すことができるようになっている。ラッチ係合領域は、好ましくは、表示エレメントがその上に形成されている端部セクションから間隔を離して配置された作動エレメントの端部セクションの上に形成されている。
【0024】
ラッチ係合領域は、たとえば、クランプスプリングの解放位置において、ガイドエレメントのスライド面を少なくとも領域で取り囲むことができるように設計され得る。この目的のために、ラッチ係合領域は、2つのガイドアームを有することが可能であり、2つのガイドアームは、スライド面の後ろに少なくとも領域で係合することが可能であり、したがって、スライド面において後ろに引っ掛かることが可能である。
【0025】
加えて、ラッチ係合領域が1つまたは2つの保持ピンを有することも可能であり、保持ピンは、ガイドエレメントの上に形成された凹部の中へそれぞれ引っ掛かることが可能である。次いで、それぞれのケースにおいて、凹部のうちの1つが、ガイドエレメントの2つの長手方向側壁部の上に形成され得る。
【0026】
ガイドエレメントの変位移動を支持することができるようにするために、ガイドエレメントは、スプリングエレメントに接続され得る。スプリングエレメントは、好ましくは、圧縮スプリングの形態をとる。スプリングエレメントは、好ましくは、ガイドエレメントとハウジングの内側との間に伸びている。スプリングエレメントは、水平方向に作用する圧縮力をガイドエレメントに印加することが可能であり、解放位置からクランプ位置へのクランプスプリングの移動の間に、ガイドエレメントの変位移動を支持するようになっている。スプリングエレメントは、接続されることとなる導体の直径に関係なく、クランプスプリングのクランプ位置におけるガイドエレメントが常にその端部位置に移動または押圧されることを可能にする。
【0027】
また、本発明による目的は、上記に説明されているように形成されてさらに発展される少なくとも1つの接続構成体を有することができる電子デバイスによって実現され得る。
【0028】
本発明は、好適な実施形態に基づいて、添付の図面を参照して、より詳細に下記に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】クランプスプリングのクランプレッグが解放位置にある状態の、本発明による接続構成体の概略図である。
図2】別の図による、クランプスプリングのクランプレッグが解放位置にある状態の、図1に示されている接続構成体の概略図である。
図3図2に示されている接続構成体の概略断面図である。
図4】クランプスプリングのクランプレッグがクランプ位置にある状態の、および、接続された導体を伴う、本発明による図1および図2に示されている接続構成体の概略図である。
図5】クランプスプリングのクランプレッグがクランプ位置にある状態の、および、接続された導体を伴う、別の図による、図4に示されている接続構成体の概略図である。
図6図5に示されている接続構成体の概略断面図である。
図7図1から図6に示されているガイドエレメントの上に配置されている、図1から図6に示されている作動エレメントの概略図である。
図8】クランプスプリングのクランプレッグが解放位置にある状態の、本発明による接続構成体のさらなる概略図である。
図9】クランプスプリングのクランプレッグがクランプ位置にある状態の、および、接続された導体を伴う、図8に示されている接続構成体の概略図である。
図10】ガイドエレメントのラッチ係合ラグの配置が第1の位置にある状態の、本発明による接続構成体の概略図である。
図11】ガイドエレメントのラッチ係合ラグの配置が第2の位置にある状態の、本発明による接続構成体の概略図である。
図12】クランプ端子の形態の、本発明による接続構成体の概略断面図である。
図13図12に示されている接続構成体のさらなる概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1から図6は、ハウジング132を備えた接続構成体100を示しており、ハウジング132は、絶縁材料から形成され得、電気導体200を挿入および接続するための導体挿入開口部133が、ハウジング132の中に形成されている。
【0031】
接続構成体100は、とりわけ図3の断面図においても見ることができるように、バスバー110と、レッグスプリングとして設計されたクランプスプリング111と、を有している。クランプスプリング111は、リテイニングレッグ112およびクランプレッグ113を有している。リテイニングレッグ112は、固定された位置に保持されており、一方では、クランプレッグ113は、リテイニングレッグ112に対して枢動可能である。クランプレッグ113の枢動移動によって、それは、図4から図6に示されているようなクランプ位置へ、および、図1から図3に示されているような解放位置へ移行され得る。クランプ位置では、クランプレッグ113は、バスバー110のセクション114に押し付けるか、または、接続構成体100の中へ挿入されている導体200に押し付けており、前記導体をバスバー110のセクション114に対してクランプしてそれを接続するようになっている。解放位置では、クランプレッグ113は、バスバー110のセクション114から距離を置いて位置決めされており、導体200が、バスバー110のセクション114とクランプレッグ113との間にそのように形成された自由スペースまたは導体接続スペース124の中へ挿入され得るようになっている。
【0032】
また、接続構成体100は、ガイドエレメント115を有している。ガイドエレメント115は、とりわけバスバー110に対して変位可能に装着されており、ガイドエレメント115が、水平方向の変位移動Vを実施することができるようになっている。
【0033】
ガイドエレメント115によって、クランプスプリング111のクランプレッグ113は、クランプ位置から解放位置へと移行され、解放位置に保持され得る。この目的のために、ガイドエレメント115は、クランプスプリング111のクランプレッグ113に動作可能に接続されている。
【0034】
動作可能な接続を形成するために、ここで示されている実施形態では、ガイドエレメント115は、2つのスプリング接触縁部116a、116bを有しており、2つのスプリング接触縁部116a、116bは、互いに平行に配置されており、クランプレッグ113がそれに当接している。
【0035】
クランプレッグ113は、主セクション117を有しており、クランプ縁部118が、主セクション117の自由端部に形成されている。2つのスライドセクション119a、119bが、主セクション117の側部に形成されており、主セクション117が、2つのスライドセクション119a、119bの間に配置されるようになっている。2つのスライドセクション119a、119bは、ガイドエレメント115の2つのスプリング接触縁部116a、116bの上に載置されており、スライドセクション119aは、スプリング接触縁部116aに当接しており、スライドセクション119bは、スプリング接触縁部116bに当接している。スライドセクション119a、119bは、クランプスプリング111のクランプレッグ113の解放位置においてだけでなく、クランプ位置においても、スプリング接触縁部116a、116bの上に載置されていることが可能である。
【0036】
スライドセクション119a、119bは、クランプスプリング111のクランプレッグ113の主セクション117よりも短い長さを有している。スライドセクション119a、119bは湾曲しており、それらがスキッド形状を形成するようになっており、それによって、スライドセクション119a、119bは、クランプレッグ113が解放位置へおよびクランプ位置へ移行されているときに、スプリング接触縁部116a、116bに沿ってスライドすることが可能である。
【0037】
2つのスプリング接触縁部116a、116bは、ガイドエレメント115の両側の長手方向側壁部120a、120bの上に形成されている。2つの長手方向側壁部120a、120bは、互いに平行に配置されている。それぞれのケースにおいて、2つの長手方向側壁部120a、120bは、上側縁部121a、121bおよび反対側の下側縁部122a、122bを有している。それぞれのケースにおいて、スプリング接触縁部116a、116bは、上側縁部121a、121bに対して垂直に延在している。水平方向に延在する上側縁部121a、121bから出発して、スプリング接触縁部116a、116bは、ガイドエレメント115の水平方向に延在する下側縁部122a、122bの方向に、下向きに延在している。
【0038】
バスバー110およびクランプスプリング111は、ガイドエレメント115の2つの長手方向側壁部120a、120bの間に配置されている。バスバー110およびクランプスプリング111は、ガイドエレメント115によって囲まれている。
【0039】
また、ガイドエレメント115は、互いに平行に整合されている2つの端壁部123a、123bを有している。2つの端壁部123a、123bは、ガイドエレメント115の2つの長手方向側壁部120a、120bに対して横断方向に配置されている。
【0040】
導体接続スペース124(接続されることとなる導体がその中へ挿入され得る)は、バスバー110のセクション114とクランプスプリング111のクランプレッグ113との間に形成されている。導体接続スペース124は、ガイドエレメント115の2つの長手方向側壁部120a、120bによって横方向にカバーされるかまたは境界を定められており、ガイドエレメント115が、接続されることとなる導体200のためのガイドも形成するようになっている。
【0041】
導体接続スペース124は、ハウジング132の中に形成されている導体挿入開口部133と整合するように設計されており、それを介して、接続されることとなる導体200が、接続構成体100のハウジング132の中へ挿入され得る。
【0042】
また、接続構成体100は、解放エレメント125を有している。解放エレメント125は、導体挿入開口部133および導体接続スペース124と整合した状態に配置されている。解放エレメント125は、下向きに導体接続スペース124の境界を定めている。
【0043】
クランプスプリング111のクランプレッグ113の解放位置では、解放エレメント125は、図1から図3において見ることができるように、ガイドエレメント115と係合しており、その結果として、ガイドエレメント115は、その位置に保持されており、結果として、クランプレッグ113も、スプリング接触縁部116a、116bおよびスライドセクション119a、119bを介してその位置に保持されており、クランプレッグ113が解放位置からクランプ位置へ戻る望ましくない枢動が防止され得るようになっている。
【0044】
解放エレメント125は、2つの横方向に配置されたアンダーカット126を有しており、それらは、クランプスプリング111のクランプレッグ113の解放位置において、それぞれのケースでは、ガイドエレメント115のラッチ係合ラグ127a、127bと係合しており、ガイドエレメント115と解放エレメント125との間にラッチ係合を形成するようになっている。ラッチ係合ラグ127aは、長手方向側壁部120aの下側縁部122aの上に形成されており、ラッチ係合ラグ127bは、長手方向側壁部120bの下側縁部122bの上に形成されている。
【0045】
クランプ位置では、解放エレメント125は、図4から図6において見ることができるように、ガイドエレメント115との係合から外れており、ガイドエレメント115が自由に変位可能であるようになっている。
【0046】
解放エレメント125は、ガイドエレメント115に対して傾斜可能であるように装着されている。
【0047】
接続されることとなる導体200が、挿入方向Eに沿って導体挿入開口部133を介して導体接続スペース124の中へ挿入されるときに、導体200は、解放エレメント125に当接し、その結果として、解放エレメント125は、ガイドエレメント115に対して傾斜され、それによって、ガイドエレメント115との係合から外れることになり、ガイドエレメント115が再び自由に変位され得るようになっており、ガイドエレメント115は、それによって、クランプレッグ113が解放位置からクランプ位置へ移行され得るように、手動の支援なしにクランプレッグ113のスプリング力のみによって変位され得る。解放エレメント125は、圧力表面128を有しており、圧力表面128は、図6において見ることができるように、導体接続スペース124の方向に面しており、導体挿入開口部133と整合されてまたは導体接続スペース124と整合されて配置されており、導体200が、それが接続構成体100の中へ挿入されているときに、解放エレメント125の圧力表面128に当接するようになっており、その結果として、圧縮力が、導体200によって解放エレメント125に印加される。導体200によって圧力表面128に(ひいては、解放エレメント125に)圧縮力を印加することによって、解放エレメント125は、導体200の挿入方向Eの方向への枢動移動または傾斜移動をさせられ得、解放エレメント125が、導体200の挿入方向Eにガイドエレメント115から離れるように枢動または傾斜され得るようになっている。
【0048】
ガイドエレメント115の変位移動Vは、これが解放エレメント125との係合から外れているときに、導体接続スペース124の中へ接続されることとなる導体200の挿入方向Eに対して横断方向に配向される方向に行われる。
【0049】
ガイドエレメント115によってクランプレッグ113をそのスプリング力に接触してクランプ位置から解放位置へと移行するために、接続構成体100は、作動エレメント129を有している。作動エレメント129は、ハウジング132の作動方向Bに沿って変位可能に装着されており、作動方向Bは、導体200の挿入方向Eに対して平行に配向されている。作動方向Bは、ガイドエレメント115の変位移動Vに対して横断方向に延在している。
【0050】
作動エレメント129によって、ガイドエレメント115は、ガイドエレメント115に当接しているクランプスプリング111のクランプレッグ113がクランプ位置から解放位置へ移行され得るように、変位され得る。作動エレメント129が作動方向Bに作動されるときに、作動エレメント129は、それがガイドエレメント115に圧縮力を働かせるように変位され得、クランプスプリング111のクランプレッグ113のスプリング力に接触してガイドエレメント115を変位させるようになっており、クランプレッグ113の解放位置に到達されるときに、ガイドエレメント115は、解放エレメント125と係合することができるようになっている。ガイドエレメント115のこの変位移動Vは、クランプレッグ113がクランプ位置から解放位置へと枢動することを引き起こす。
【0051】
ガイドエレメント115は、スライド面130を有しており、スライド面130は、たとえば、図3に見ることができるように、傾斜表面の形態で設計されており、作動エレメント129が、それに沿ってガイドされ得る。ここで示されている実施形態では、スライド面130は、ガイドエレメント115の端壁部123bの上に形成されている。スライド面130は、端壁部123bから開始して、作動エレメント129の方向に延在している。傾斜表面としてのその形成によって、スライド面130は、傾斜されて配置されており、スライド面130が、ここでは、ガイドエレメント115の端壁部123bに対して130°から160°の間の角度で延在するようになっている。
【0052】
代替的に、スライド面130が2つの長手方向側壁部120a、120bの間に端壁部123bから距離を置いて配置され、スライド面130が長手方向側壁部120a、120bに直接的に接続されるようになっているということも可能であることとなる。
【0053】
また、作動エレメント129は、スライド面130の傾斜に対応して形成された傾斜表面131を有している。作動エレメント129の傾斜表面131は、スライド面130に対して平坦に載置されており、作動エレメント129が作動方向Bに作動されるときに、傾斜表面131が、ガイドエレメント115を変位させるために、スライド面130に沿って下向きにスライドすることができるようになっている。
【0054】
作動エレメント129は、クランプスプリング111のリテイニングレッグ112に隣接して配置されている。したがって、作動エレメント129は、クランプスプリング111の後ろに配置されている。クランプスプリング111は、バスバー110のセクション114と作動エレメント129との間に配置されている。
【0055】
接続されることとなる電気導体200の接続状態を表示するための表示エレメント134が、傾斜表面131の反対側の作動エレメント129の端部セクションにおいて、作動エレメント129の上に形成されている。したがって、表示エレメント134は、作動エレメント129の自由端部に形成されている。表示エレメント134は、それがガイドエレメント115から離れる方を指すように配向されている。
【0056】
図3から図6において見ることができるように、クランプスプリング111の解放位置では、作動エレメント129は、表示エレメント134がハウジング132の内側にあり、したがって、ユーザーにとって外側から見ることができないほどに、ハウジング132の中へ侵入している。
【0057】
クランプスプリング111が解放位置からクランプ位置へ移行されるときに、作動エレメント129は、上向きに変位され、クランプ位置に到達されるときに、作動エレメント129は、とりわけ図1から図3において見ることができるように、表示エレメント134がハウジング132の開口部135から突き出て、したがって、ユーザーにとって見ることができる程度まで、上向きに変位される。ユーザーは、開口部135から突き出ている表示エレメント134によって、導体200が接続されているということを知ることが可能である。開口部135は、ハウジング132の、導体挿入開口部133と同じ側に配置されている。
【0058】
ここで示されている実施形態では、表示エレメント134は、作動エレメント129の端部セクションの上のくさび形状の延長部136の形態で設計されている。クランプスプリング111のクランプ位置では、表示エレメント134は、くさび形状の延長部136の少なくとも部分的なセクションとともに、ハウジング132の開口部135から突き出ており、くさび形状の延長部136のこのパーツまたは表示エレメント134のこのパーツが、ハウジング132を越えて突き出るようになっている。くさび形状の延長部136は、作動エレメント129の残りの部分よりも小さい幅および/または小さい深さもしくは厚さを有している。
【0059】
作動エレメント129は、端部セクション(表示エレメント134もその上に形成されている)の上にツール受入領域137を有しており、ツール(たとえば、スクリュードライバーなど)が、作動エレメント129を作動させるためにツール受入領域137の中に挿入され得る。ツール受入領域137は、溝部またはスロットの形態をとっている。表示エレメント134は、ツール受入領域137に直接的に隣接して配置されている。それによって、表示エレメント134は、ツール受入領域137の中へのツールの挿入のための挿入補助具を形成することが可能であり、また、作動エレメント129が作動されているときに、挿入されたツールのための支持補助具としての役割を果たすことが可能である。
【0060】
クランプスプリング111の解放位置にある作動エレメント129をガイドエレメント115の上の固定された位置に保持することができるようにするために、とりわけ、表示エレメント134が、また、ハウジング132に侵入したままになっており、開口部135から突き出ないようになっているようにするために、作動エレメント129は、とりわけ図7において見ることができるように、ラッチ係合領域138を有している。ラッチ係合領域138は、作動エレメント129がガイドエレメント115にラッチ係合するかまたはその後ろに引っ掛かることを可能にし、作動エレメント129をガイドエレメント115に対して固定された位置に保持することができるようにする。
【0061】
図7に示されている実施形態では、ラッチ係合領域138は、クランプスプリング111の解放位置において、ガイドエレメント115のスライド面130を少なくとも領域で取り囲むように設計されている。この目的のために、ラッチ係合領域138は、2つのガイドアーム140a、140bを有しており、2つのガイドアーム140a、140bは、クランプスプリング111の解放位置において、スライド面130の2つの両側の縁部表面139a、139bの周りに少なくとも領域で係合している。ガイドアーム140a、140bは、作動エレメント129の傾斜表面131の反対側に配置されており、自由スペースが、傾斜表面131とガイドアーム140a、140bとの間に形成されるようになっており、ガイドエレメント115のスライド面130が、クランプスプリング111の解放位置において、その自由スペースの中に嵌まり込む。
【0062】
解放エレメント125が、導体200の挿入に起因して、導体200によって作動され、解放エレメント125とガイドエレメント115との間のラッチ係合が解放される場合に、ガイドエレメント115が変位移動Vの方向に沿って作動エレメント129から離れるように移動させられることによって、ラッチ係合領域138とガイドエレメント115との間のラッチ係合も解放されることとなる。クランプスプリング111のクランプ位置では、ラッチ係合領域138は、ガイドエレメント115との係合から外れている。
【0063】
図8および図9は、ラッチ係合領域138が2つの対向する保持ピン141の形態で設計されている実施形態を示しており、保持ピン141は、ガイドエレメント115の上にそれぞれラッチ係合することが可能である。保持ピン141は、傾斜表面131の縁部表面142の上にそれぞれ配置されており、保持ピン141が、傾斜表面131から、または、傾斜表面131の2つの縁部表面142のうちの一方から、横方向に突出するようになっている。
【0064】
凹部143が、ガイドエレメント115の2つの長手方向側壁部120a、120bのそれぞれの上に形成されており、それぞれのケースでは、2つの保持ピン141のうちの一方が、解放位置においてその中に、引っ掛かるかまたはラッチ係合することが可能であり、作動エレメント129をガイドエレメント115にラッチ係合させるようになっており、したがって、ガイドエレメント115に対して固定された位置に作動エレメント129を保持するようになっている。次いで、2つの保持ピン141のうちの一方は、長手方向側壁部120aの凹部143に侵入することとなり、2つの保持ピンのうちの他方は、図8に示されているように、長手方向側壁部120bの凹部143に同時に侵入することとなる。図9は、クランプスプリング111のクランプ位置を示しており、クランプ位置では、保持ピン141は、凹部143から外へ持ち出されており、したがって、ラッチ係合は、もはやガイドエレメント115と作動エレメント129との間に生成されていない。
【0065】
図1から図9に示されている両方の実施形態において、スプリングエレメント144が、ガイドエレメント115の変位移動Vを支持するために提供されている。スプリングエレメント144は、ガイドエレメント115とハウジング132との間に張力をかけられて保持されている。
【0066】
スプリングエレメント144は、圧縮スプリングの形態をとっている。スプリングエレメント144は、螺旋スプリングの形状を有している。クランプスプリング111の解放位置では、スプリングエレメント144は張力をかけられている。ガイドエレメント115が解放エレメント125とのラッチ係合から解放されるときに、スプリングエレメント144は、ガイドエレメント115を押し付け、スプリングエレメント144の力が、スプリングエレメント144の変位移動Vの方向に作用し、スプリングエレメント144の圧縮力によって、クランプスプリング111のクランプ位置にあるガイドエレメント115が、その端部位置まで、したがって、図1から図9に示されている実施形態では、可能な限り左側まで、押圧されるかまたは押し込まれるようになっている。スプリングエレメント144は、ガイドエレメント115の端壁部123bに当接している。たとえば、スプリングエレメント144は、リベット接続を介してガイドエレメント115に接続され得る。
【0067】
図10および図11は、ガイドエレメント115の上のラッチ係合ラグ127a、127bの位置を変更することによって、ガイドエレメント115に対するクランプスプリング111の位置比が設定され得るということを示している。解放エレメント125の方向に導体200を位置的に正確に送るために、最適化されたa/b比が設定され得、寸法aは、クランプレッグ113のクランプ縁部118とバスバー110のセクション114との間の距離を画定しており、寸法bは、ガイドエレメント115のスプリング接触縁部116a、116bとガイドエレメント115のラッチ係合ラグ127a、127bとの間の距離を画定している。図11は、最大a/b比=1.5mm/1.9mmを示している。図10は、最小a/b比=3.0mm/3.0mmを示している。
【0068】
a/b比を介したこの選択的に調節可能な位置比によって、解放エレメント125を作動させるために導体200によって必要とされる解放力が低減され得る。その理由は、導体200の厚さに応じて、クランプスプリング111のクランプ縁部118が、クランプ縁部118が目標通りの様式で解放エレメント125の方向に導体200をガイドすることができるように、解放位置に位置決めされ得るからである。これは、可撓性の導体200のケースにおいて、とりわけ有利である。
【0069】
ラッチ係合ラグ127a、127bは、具体的に選択されたa/b比を介して位置決めされ得、それらは、クランプスプリング111のクランプレッグ113が特定の角度付きの位置へ前進することを引き起こすことができるようになっており、とりわけ、解放エレメント125の自由端部145の上に可撓性の導体200を方向付けるようになっており、それによって、結果として生じるレバー力が、解放エレメント125の回転の軸線から可能な限り遠くに、解放エレメント125の上に方向付けられ得る。より大きい直径を有する可撓性の導体200の個々のストランドは、このように角度を付けられたクランプレッグ113によって圧縮され得、バスバー110のセクション114の方向にガイドされ得る。
【0070】
リジッドの導体200が使用されるときに、角度付きのクランプレッグ113は、直接的に差し込む動作に対応するリテイニングレッグ112の方向に、クランプレッグ113のスプリング力に接触して押圧され得る。
【0071】
図12および図13は、接続構成体100がクランプ端子(とりわけ、端子ブロック)の形態で設計されている実施形態を示しており、接続構成体100は、複数の導体200がハウジング132の中に同時に接続され得るように設計されており、そこでは、複数の接続ポイントがハウジング132の中に提供されており、その接続ポイントは、図1から図9に示されている実施形態にしたがってそれぞれ設計され得る。
【0072】
図12は、どのように1つの導体200のみがハウジング132の中へ挿入されているかということを示しているが、導体200は、解放エレメント125をまだ作動させておらず、したがって、クランプスプリングは、依然として解放位置にあり、作動エレメント129の表示エレメント134が、ハウジング132の内側に依然として配置されるようになっており、ユーザーにとって外側からまだ見ることができないようになっている。
【0073】
図13は、個々の作動エレメント129の表示エレメント134がハウジング132の開口部135から突き出ている配置を示しており、クランプスプリング111がクランプ位置にあるということが、ユーザーに示されるようになっている。
【符号の説明】
【0074】
100 接続構成体
110 バスバー
111 クランプスプリング
112 リテイニングレッグ
113 クランプレッグ
114 バスバーのセクション
115 ガイドエレメント
116a、116b スプリング接触縁部
117 主セクション
118 クランプ縁部
119a、119b スライドセクション
120a、120b 長手方向側壁部
121a、121b 上側縁部
122a、122b 下側縁部
123a、123b 端壁部
124 導体接続スペース
125 解放エレメント
126 アンダーカット
127a、127b ラッチ係合ラグ
128 圧力表面
129 作動エレメント
130 スライド面
131 傾斜表面
132 ハウジング
133 導体挿入開口部
134 表示エレメント
135 開口部
136 くさび形状の延長部
137 ツール受入領域
138 ラッチ係合領域
139a、139b 縁部表面
140a、140b ガイドアーム
141 保持ピン
142 縁部表面
143 凹部
144 スプリングエレメント
145 自由端部
200 導体
V 変位移動
E 挿入方向
B 作動方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】