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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】被覆箱を製造するための製造ライン
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/48 20170101AFI20230119BHJP
   B31B 50/62 20170101ALI20230119BHJP
   B31B 50/07 20170101ALI20230119BHJP
   B31B 120/50 20170101ALN20230119BHJP
【FI】
B31B50/48
B31B50/62
B31B50/07
B31B120:50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529592
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-07
(86)【国際出願番号】 IB2020060908
(87)【国際公開番号】W WO2021099984
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】102019000021924
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508364004
【氏名又は名称】エメシ・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】EMMECI S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【弁理士】
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンネスキ,アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】バローニ,パブロ
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA15
3E075BA07
3E075BA26
3E075BA28
3E075CA01
3E075DA15
3E075DA17
3E075DA23
3E075DC04
3E075DD03
3E075DD08
3E075DD24
3E075FA03
3E075FA13
3E075GA01
3E075GA03
3E075GA04
(57)【要約】
被覆箱(8)を製造するための製造ライン(1)であって、段ボール箱ブランク(6)を受け取り、ブランクを折り畳んで箱を成形するよう構成し、複数のフォルダ(21)と、水平方向に向いた箱ブランク(6)を受取り、鉛直方向(V)に沿って延び、箱ブランク(6)の基部(6a)に当接して箱ブランクを鉛直方向(V)に移動させる複数の支柱部(23)とを備える移動システムとを備える成形機(2)と、覆いブランク(7)を受け取り、この覆いブランク(7)上に接着剤を広げるよう構成した接着ユニット(3)と、箱を覆いブランク(7)上に位置決めするよう構成した位置決め装置(4)と、対応する覆いブランク(7)に結合する箱(60)を位置決め装置(4)から受け取り、覆いブランク(7)を折り畳んで箱(60)と接触させて箱を覆う、覆い装置(5)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆箱を製造するための製造ライン(1)であって、
段ボールの箱ブランク(6)を受け取り、前記ブランクを折り畳んで前記箱(60)を成形するよう構成した、成形機(2)であって、前記箱ブランク(6)は、基部(6a)を備え、前記箱(60)の基壁と、前記基部(6a)に接続されて前記箱(60)の長手方向側壁および短手方向側壁を規定するように折り畳み可能である側部パネル(6b、6c、6d、6e)とを規定するように構成し、前記成形機(2)は、複数のフォルダ(21)と、水平方向に向いた前記箱ブランク(6)を受取り、鉛直方向(V)に沿って移動させる移動システムとを備え、前記フォルダ(21)は、前記側部パネル(6b、6c、6d、6e)と相互作用して、前記側部パネルを鉛直方向(V)に折り畳む成形機と、
紙の覆いブランク(7)を受取り、前記覆いブランク(7)上に接着剤を広げる接着ユニット(3)であって、前記覆いブランク(7)は、基部(7a)と、前記基部(7a)に接続する複数のパネル(7b、7c、7d、7e)と、前記複数のパネル(7b、7c、7d、7e)に接続する複数の折り返し片(7f、7g、7h、7i)とを備える接着ユニットと、
前記成形機(2)から前記箱(60)を受取って前記接着ユニット(3)から前記覆いブランク(7)を受取り、前記箱(60)の基壁が前記覆いブランク(7)の基部(7a)上にあるように前記箱(60)を前記覆いブランク(7)上で位置決めするよう構成した位置決め装置(4)と、
各覆いブランク(7)に結合する前記箱(60)を前記位置決め装置(4)から受け取り、前記覆いブランク(7)を折り畳んで前記箱(60)と接触させて前記箱を覆う、覆い装置(5)と、を備え、
前記成形機(2)の前記移動システムは、鉛直方向(V)に沿って延び、前記成形機(2)内に受取った前記箱ブランク(6)の前記基部(6a)に当接する複数の支柱部(23)を備え、前記複数の支柱部(23)がそれぞれ鉛直方向(V)に沿って移動可能であって前記箱ブランク(6)を鉛直方向(V)に押すことを特徴とする、製造ライン。
【請求項2】
前記複数の支柱部(23)はそれぞれ、鉛直方向(V)に垂直な水平面において、少なくとも第1の大きさの箱(60)を成形するための第1の配置と、第1の大きさとは異なる第2の大きさの箱(60)を成形するための第2の配置との間で、相互に接離自在である。請求項1に記載の製造ライン(1)。
【請求項3】
前記接着ユニット(3)は、熱溶解性の接着剤を前記覆いブランク(7)の様々な部分(70)上に選択的に搬送するよう構成した少なくとも1つの搬送ノズルを備える、請求項2に記載の製造ライン(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのノズルは、高温の熱溶解性接着剤を前記複数の側部パネル(7b、7c、7d、7e)のうち一以上のパネル(7b、7c、7d、7e)の表面の限定的な部分上に選択的に搬送するよう構成する、請求項3に記載の製造ライン(1)。
【請求項5】
前記複数の側部パネル(7b、7c、7d、7e)は、前記基部(7a)の長手方向の辺に沿って前記基部に接続する長手方向パネル(7b、7c)と、前記長手方向の辺を横切って、前記基部(7a)の短手方向の辺に沿って前記基部(7a)と接続する短手方向パネル(7d、7e)と、を備え、前記覆いブランク(7)はさらに、前記長手方向パネル(7b、7c)に接続する複数の折り返し片(7f、7g、7h、7i)を備え、前記覆い装置(5)が、
鉛直方向(V)に沿って移動可能なプレートであって、前記覆いブランク(7)の前記基部(7a)と前記箱(60)の前記基壁とが結合された状態で、前記覆いブランク(7)と前記箱(60)とを受取り、前記プレートが受取る前記箱(60)の前記長手方向側壁は、鉛直方向(V)と長手方向(L)に平行な長手方向鉛直平面に沿っており、前記短手方向側壁は、鉛直方向(V)と短手方向(T)に平行な短手方向鉛直平面に沿う、プレートと、
前記覆いブランク(7)の長手方向の辺を折畳み、それらを長手方向鉛直平面に配置して、前記長手方向パネル(7b、7c)が前記箱(60)の対応する長手方向側壁の外表面と接触した状態にする第1の折畳みステーション(51)と、
前記覆いブランク(7)の短手方向の辺を折畳み、それらを短手方向鉛直平面に配置して、前記短手方向パネル(7d、7e)が前記箱(60)の対応する短手方向側壁の外表面と接触した状態にする第2の折畳みステーション(52)と、
複数の中間フォルダ(53)と、を備え、各中間フォルダは対応する折り返し片(7f、7g、7h、7i)を長手方向鉛直平面から短手方向鉛直平面へと折畳み、前記箱(60)の短手方向側壁との接触位置に配置する、請求項4に記載の製造ライン(1)。
【請求項6】
前記各中間フォルダ(53)は、互いに離間状態の後退位置と、互いに近接する前進位置との間を移動可能である、請求項5に記載の製造ライン(1)。
【請求項7】
前記中間フォルダ(53)は、鉛直方向(V)に沿った鉛直成分と短手方向(T)に沿った短手成分とを含む斜め移動方向(D1、D2、D3、D4)に沿って移動可能であり、これにより、前記後退位置では、前記中間フォルダ(53)は第1の鉛直高さにあり、前記前進位置では、前記第1の鉛直高さとは異なる第2の鉛直高さにある、請求項6に記載の製造ライン(1)。
【請求項8】
前記第1の折畳みステーション(51)と前記第2の折畳みステーション(52)とは、鉛直方向(V)に沿ってずれた状態で、それぞれの高さに位置しており、各中間フォルダ(53)の前記第2の鉛直高さは、前記第1の折畳みステーション(51)の高さと前記第2の折畳みステーション(52)の高さとの間である、請求項7に記載の製造ライン(1)。
【請求項9】
前記覆い装置(5)の前記プレートの下面に、前記箱(60)の基壁の内面を保持するよう構成した吸引パッドを備える、先行する請求項のいずれかに記載の製造ライン(1)。
【請求項10】
前記位置決め装置(4)が、
前記接着ユニット(3)から前記覆いブランク(7)を受取り、供給方向(A)に沿って搬送するベルト(41)と、
前記箱(60)を受取る回収位置と、前記ベルト(41)により搬送中の前記覆いブランク(7)上の所定位置に前記箱(60)を配置する配置位置との間を移動可能な配置要素(42)と、
制御ユニットと、
前記ベルト(41)上に位置する前記覆いブランク(7)の画像を取込み、前記制御ユニットに接続された少なくとも一つのカメラ(43)と、を備え、
前記制御ユニットは前記カメラ(43)が取込んだ画像を事前に記憶した参照モデルと比較し、前記カメラ(43)が取込んだ画像と前記参照画像との比較に応じて前記配置要素(42)に前記配置位置の修正を指示する、先行する請求項のいずれかに記載の製造ライン(1)。
【請求項11】
前記位置決め装置(4)は、前記少なくとも1つのカメラ(43)を規定する第1対のカメラと第2対のカメラとを備え、前記制御ユニットは、画像を取り込むために、前記第1対のカメラまたは前記第2対のカメラを選択的に作動させるよう構成し、
前記ベルト(41)は、第1の色を有する第1部分(41a)と、前記第1の色とは異なる第2の色を有する第2部分(41b)とを少なくとも備え、前記第1対のカメラは、前記ベルト(41)の前記第1部分(41a)に位置する前記覆いブランク(7)の様々な部分の画像を取込み、前記第2対のカメラは、前記ベルト(41)の前記第2部分(41b)に位置する前記覆いブランク(7)の様々な部分の画像を取り込む、請求項10に記載の製造ライン(1)。
【請求項12】
前記位置決め装置(4)の前記制御ユニットに接続され、前記少なくとも一つのカメラ(43)が取り込んだ画像を表示する画面を備える、請求項11に記載の製造ライン(1)。
【請求項13】
前記配置要素(42)は、前記箱(60)の前記基壁の内表面に作用し、鉛直方向(V)に沿って移動可能な押圧要素(421)を備え、前記位置決め装置(4)は、前記箱(60)の前記基壁の外表面上に作用する一以上のストリップをさらに備え、これら一以上のストリップは、前記箱(60)を支えるために水平に向いた閉鎖配置から、前記押圧要素(421)が前記箱(60)を前記覆いブランク(7)上の前記配置位置まで下方に移動させられるよう鉛直に向いた開放配置まで移動可能であって、前記位置決め装置(4)はさらに、前記一以上のストリップを前記閉鎖配置から前記開放配置に、又はその逆に移動させるよう構成した、一以上のアクチュエータを備える、請求項10~12のいずれかに記載の製造ライン(1)。
【請求項14】
前記位置決め装置(4)は、照明体(47)を備え、前記照明体(47)は、前記少なくとも一つのカメラ(43)と前記照明体(47)との間にある前記ベルト(41)の少なくとも一つの区域を照らすよう構成する、請求項10~13のいずれかに記載の製造ライン(1)。
【請求項15】
被覆箱を製造する方法であって、
段ボール箱ブランク(6)から箱(60)を成形する工程であって、前記箱ブランク(6)は、基部(6a)を備え、前記箱(60)の基壁と、前記基部(6a)に接続されて前記箱(60)の側壁を規定するように折り畳み可能である側部パネル(6b、6c、6d、6e)とを規定するよう構成し、前記成形工程は、前記箱ブランク(6)を鉛直方向(V)に沿って移動させ、この移動中は、前記箱ブランク(6)の前記基部(6a)は水平の向きであって、前記側部パネル(6b、6c、6d、6e)は、前記側部パネルを鉛直方向に折り畳むフォルダ(21)と相互作用する工程と、
接着工程であって、基部(7a)と、前記基部(7a)に接続する複数のパネル(7b、7c、7d、7e)と、前記パネル(7b、7c、7d、7e)に接続する複数の折り返し片(7f、7g、7h、7i)とを備える覆いブランク(7)上に接着剤を広げる工程と、
前記箱(60)の前記基壁が前記覆いブランク(7)の前記基部(7a)上にあるように前記箱(60)を前記覆いブランク(7)上で位置決めする工程と、
前記覆いブランク(7)を前記箱(60)と接触するように折り畳む、覆い工程と、を備え、
前記成形工程中、鉛直方向(V)に延び、鉛直方向に移動して前記箱ブランク(6)の前記基壁(6a)と当接して、前記箱ブランクを鉛直方向に押す複数の支柱部(23)によって、前記箱ブランク(6)が移動することを特徴とする、方法。
【請求項16】
寸法切り替え工程を備え、鉛直方向(V)に垂直な水平面において、少なくとも第1の大きさの箱(60)を成形するための第1の配置と、前記第1の大きさとは異なる第2の大きさの箱(60)を成形するための第2の配置との間で接離するよう、前記各支柱部(23)を移動させる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記接着工程は、前記覆いブランク(7)の様々な部分(70)に熱溶解性の接着剤を選択的に塗布する、請求項15または16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱を成形するための成形機および箱を成形するための方法に関する。本発明はさらに、被覆箱を製造するための製造ラインおよび被覆箱の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製函の分野において、成形機や四隅止機(quadrangular machine)が知られており、例えば、本出願人名義の特許文献EP2991821B1は、紙または段ボールのブランク(blank)シートから箱を成形するよう構成した装置を記載しており、これらの装置は、ブランクの基部に作用して鉛直方向に移動可能な金型(die)と、ブランクの各断片部(segments)と相互作用して箱の鉛直端部を形成するよう各断片部の横周辺部を並置させた状態で断片部を折り畳んで鉛直に配置する折り畳み要素と、熱溶着テープを繰り出して箱の鉛直端部と対面するようにテープの各片を配置する複数の供給部と、箱に対して接離自在で各端部に対してヒートシーリングテープ片を押さえる加熱可能な押さえ(presser)とヒートシーリングテープを切断するための刃とをそれぞれ備える複数の封止用ヘッドと、を備える。箱を正しい形状にするには、鉛直移動可能な金型を押さえに正確に当接させる必要があり、この金型の大きさを成形する箱の大きさと合わせなければならない。したがって、製造する箱の大きさが変わる度に、その箱の成形に使用する金型を変更する必要があった。これには時間がかかり、さらに、製造する箱の大きさと同じ数だけ金型を準備する必要があり、必然的に在庫管理に関するすべての問題を伴ってしまう。
【0003】
本出願人名義の特許文献EP3486079 A1に記載されるような先行技術の製造ラインでは、成形機によって成形された箱を、次に位置決め装置に供給し、予め接着剤をつけた覆いブランクと結合する。最後に、覆いブランクと結合した箱を覆い装置(covering machine)に供給し、覆いブランクを折り畳んで箱と接触させて箱を覆う。これについて、位置決め装置において覆いブランク上での箱の位置決め精度を向上させる必要性がこの業界で広く感じられている。また、覆い部の折り返し片が接着剤で覆われていない場合でも、覆い装置内で覆いブランクの折り返し片との翼部とを正しく折りたたむ必要性についても広く認識されている。
【0004】
特許文献US2012/115698A1は、異なる大きさの箱を成形するための四隅止機に関する。この文献によれば、グルーガンを用いて箱を封止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、箱を成形するための成形機および箱を成形するための方法を提供し、先行技術の上記問題点を克服することを目的とする。本開示はさらに、被覆箱を製造するための製造ラインおよび被覆箱を製造するための方法を提供し、先行技術の上記問題点を克服することを目的とする。
【0006】
本開示によれば、添付の特許請求の範囲の特徴を有する箱成形機および箱成形方法によって、この目的が完全に達成される。本開示によれば、添付の特許請求の範囲の特徴を有する被覆箱を製造するための製造ラインおよび被覆箱を製造するための方法によって、この目的が完全に達成される。
【0007】
具体的には、本開示は、紙または段ボールの(箱)ブランクから箱を成形するための成形機または(四隅止機)に関する。(箱)ブランクは、基部を備え、箱の基壁と、基部に接続されて箱の側壁を規定するように折り畳み可能である側部パネルとを規定するよう構成する。
【0008】
成形機は、ブランクを受け入れるよう構成した作業区域を備える。成形機は、作業区域内に配置され、ブランクの側部パネルと相互作用して箱の側壁部の鉛直端部を形成するよう各側壁パネルの横周辺部を並置させた状態で各側部パネルを折り畳んで鉛直方向と平行に配置する複数のフォルダを備え、ブランクの各側壁パネルを折り畳むと箱の内部空間が定まる。
【0009】
好ましくは、成形機は複数のヘッドを備える。好ましくは、(少なくとも切り替えを行う、すなわち、大きさの異なる箱を成形できるようにするために)各ヘッドは相互に接離自在である。複数のヘッドはそれぞれ、箱内側の空間の外側から対応する鉛直端部に当接するよう構成した押さえを備える。
【0010】
一実施形態では、各ヘッドは、シーリング(またはヒートシーリング)材のテープを貼ることによって、箱の鉛直端部を封止するよう構成する。この実施形態では、各ヘッドは、対応する鉛直端部に対面するようにシーリング(またはヒートシーリング)テープ片を配置するよう構成した供給部を備えてもよい。特に、この供給部がテープを繰り出すよう構成する。ただし、ヘッドとは別に供給部を設ける実施形態としてもよい。この実施形態では、各ヘッドがさらに、シーリングテープを切断してヘッドから切断片を分離するカッタを備える。
【0011】
好ましくは、本実施形態では、鉛直端部にヒートシーリングテープを押し付けるために、押さえがヘッドに対して水平面内で移動可能である。具体的には、(鉛直端部と干渉しない)後退位置と(鉛直端部にヒートシーリングテープを押し付ける)前進位置との間を移動するよう、押さえが一定の水平ストロークを有する。
【0012】
別の実施形態では、基部と側部パネルとの間の接続線上に接着剤を広げる。この場合、側部パネルを折り畳むと、(シーリングテープを使用する必要なく)接着剤によって側部パネルが鉛直位置に保持される。本実施形態でも、箱を成形中に、外側から鉛直端部に当接する押さえを有することが有効である。
【0013】
好ましくは、成形機はさらに、鉛直方向に沿って延びる複数の支柱部を備える。各支柱部は鉛直方向に移動可能である。複数の支柱部はそれぞれ、箱の内部空間の対応する押さえの前方位置に配置できる。これにより、各支柱部は、支柱部と押さえとの間に作動的に配置した対応する箱の鉛直端部に当接する。
【0014】
このように、各支柱部は従来の成形機の金型の代わりとなる。
【0015】
好ましくは、各支柱部は、(好ましくは連係及び/又は同期して)水平面において相互に接離自在である。これにより、各支柱部は様々な大きさの箱に対応できる(事実上、大きさが可変の金型を構成する)。具体的には、成形機内に受け入れた箱ブランクの基部に当接し、複数の支柱部がそれぞれ鉛直方向に沿って移動可能であって箱ブランクを鉛直方向に押すよう移動可能な各支柱部を構成する。
【0016】
好ましくは、複数の支柱部はそれぞれ、複数のヘッドのうち対応するヘッドと連係する。特に、複数の支柱部はそれぞれ、複数のヘッドのうち対応するヘッドによって支持される(又はその上に取り付けられ、又はそれに結合する)。好ましくは、各支柱部は、ヘッドに対して鉛直方向に移動するようヘッドに摺動自在に結合する。
【0017】
好ましくは、複数のヘッドはそれぞれ、鉛直方向に垂直な水平面内で、作業区域内に配置した箱と干渉しない後退位置と、箱の対応する鉛直端部に作用する前進位置との間で移動可能である。好ましくは、各ヘッドは、連係および/または同期して移動可能である。このように、複数のヘッドはそれぞれ、連係する支柱部を水平面内で移動させるよう構成する。
【0018】
具体的には、複数のヘッドはそれぞれ、鉛直方向に沿ったガイドを備え、複数の支柱部がそれぞれ、対応するヘッドのガイドに摺動可能に結合する。複数のヘッドそれぞれのガイドは、対応する押さえに対して異なる鉛直高さに配置されることに留意されたい。これにより、ガイドは押さえと干渉することがない。好ましくは、対応する押さえよりも高い位置にガイドを配置する。ガイドと押さえとの間の空間にブランクを供給する。
【0019】
好ましくは、成形機はさらに、鉛直方向に沿って移動可能なプレートを備える。プレートは、ガイドの上方(または下方)に位置するのが好ましい。複数の支柱部はそれぞれ、プレートに着脱可能に接続可能である(または接続される)。したがって、成形機は、各支柱部がプレートに接続されてプレートと共に鉛直に移動する作業配置と、各支柱部がプレートから切り離され(つまり取り外され)、(好ましくは、ヘッドと一体に)水平に移動可能である切り替え配置とを有する(すなわち、その両配置で動作可能である)。
【0020】
好ましくは、各支柱部が磁気によりプレートに接続可能である。具体的には、プレートは強磁性材料を含み、複数の支柱部はそれぞれ、その上端(または下端)に、プレートに磁気的に結合できる磁石を備える。このように、複数の支柱部の磁石は、プレートに吸引力を及ぼすよう構成する。
【0021】
成形機はさらに、プレートを鉛直方向に沿って移動させるよう構成したプレート用アクチュエータを備える。作業配置では、プレートの移動の影響により各支柱部が鉛直方向に沿って移動可能である。
【0022】
成形機はさらに、各支柱部について、それぞれの磁石に固有の磁力に対抗してこれを打ち消すことができる磁力を生成するために通電可能な電気巻線を含む電気回路を備えてもよい。このため、通電していない状態では、磁石が吸引力を発揮して支柱部をプレートに密着させ(成形機は作業配置にある)、通電すると磁石の吸引力が解除されて支柱部がプレートから離れる(成形機は切り替え配置にある)。この構成により、電気エネルギーの消費を抑えることができる。実際には、成形機の運転中には電気回路はオフ状態に保たれており、切り替えのために支柱部を取り外す必要があるときだけスイッチがオンになる。
【0023】
複数のヘッドそれぞれについて、対応するガイドは、複数のヘッドのうちの他のヘッドの対応するガイドに向かう前進位置においては、カッタの水平移動方向に対して各カッタから所定の距離の位置にあることに留意されたい。実際、箱の鉛直端部の外側表面にシーリングテープを貼り付ける(およびシーリングテープにカッタを動作させる)際には、(ヘッドと連係する)支柱部を箱の鉛直端部の内表面に当接させておかなければならない。箱の厚みがゼロではないため、カッタ(と押さえ)に対して支柱部が前進した位置に配置される。好ましくは、成形機は、複数のヘッドそれぞれについて、ガイドと対応するカッタ(および/またはそれぞれの前進位置での対応する押さえ)との間の所定の距離を変化させる調整装置を備える。これにより、カッタおよび/または押さえおよび/または供給部に対する支柱部の相対的な位置を、箱ブランクの厚さに応じて修正することができる。具体的には、ヘッドは、各支柱部が箱の内部空間の内側の鉛直端部に接するような位置にあって、押さえおよび/またはカッタおよび/または供給部の位置は紙の厚さに応じて支柱部のガイドに対して調節される。調節装置自体がヘッドの一部を構成してもよい。一実施形態では、調整装置を(例えば、ノブを使用して)手動で操作できる。一実施形態では、調整装置は、制御されたアクチュエータを備える。
【0024】
成形機は、水平面に平行な長手方向に沿った一対のクロスバーと、長手方向に垂直で水平面に平行な短手方向に沿った一対のクロスバーガイドとを備える。複数のヘッドはそれぞれ、長手方向のクロスバー対と連係して長手方向のクロスバーに沿って移動し、長手方向のクロスバーは、各ガイドに沿って(切り替えを行うために)短手方向に移動可能である。
【0025】
本開示はさらに、紙又は段ボールの(箱)ブランクから箱を成形する成形方法に関する。(箱)ブランクは、基部を備え、箱の基壁と、基部に接続されて箱の側壁を規定するように折り畳み可能である側部パネルとを規定するよう構成する。
【0026】
なお、この箱の成形方法は、成形機を介して行われる。この観点から、本開示はさらに、成形機の使用方法および/または成形機の構築方法を提供する。特に、箱を成形する方法は、成形機の構築および/または成形機の使用に関する工程を備えてもよい。
【0027】
箱を成形する方法は、(箱)ブランクを作業区域内で位置決めする工程を備える。箱を成形する方法は、(箱)ブランクの側部パネルを折り畳む工程であって、箱の側壁の鉛直端部を形成するように各側部パネルの横周辺部を並置した状態で側部パネルを鉛直方向に対して平行に配置し、その結果、ブランクの側部パネルによって箱の内部空間が定まる工程を備える。
【0028】
箱の成形方法は、鉛直端部を封止する工程を含む。封止工程は、複数の押さえを用いて行われ、さらに好ましくは、対応する複数のカッタおよび対応する複数の供給部を用いて行われる。
【0029】
好ましくは、封止工程は、各鉛直端部について、(ヘッドの一部を形成する)供給部によって、鉛直端部に対面するようにシーリングテープ片を供給する工程を備える。好ましくは、封止工程は、各鉛直端部について、箱内部空間の外側に配置され鉛直端部に向かって移動する(ヘッドの一部を形成する)押さえにより、箱内部空間の外側の鉛直端部にシーリングテープ片を塗布する工程を備える。好ましくは、封止工程は、各鉛直端部について、(ヘッドの一部を形成する)カッタを用いて、シーリングテープを切断しヘッドから切断片を分離する工程を備える。
【0030】
箱の成形方法は、複数の支柱部を準備する工程を備える。箱の成形方法は、封止工程中に対応する押さえと複数の支柱部のうち対応する支柱部との間に各鉛直端部が作動的に置かれるように、各支柱部を鉛直方向に移動させる工程を備える。
【0031】
箱の成形方法は、鉛直方向に垂直な水平面において各支柱部を相互に接離させる工程を備える切り替え工程を備える。好ましくは、各支柱部は、連係して(同期して)移動する。
【0032】
折り畳み工程は、(箱)ブランクを鉛直方向に沿って移動させてもよい。好ましくは、(箱)ブランクを移動させる工程は、複数の支柱部により行われ、この複数の支柱部はそれぞれ、ブランクの基部に当接して鉛直方向に沿って移動し、鉛直方向に沿ってブランクを押す。ブランクの移動中、側部パネルは、複数の支柱部よりも外側の作業区域内に位置決めされた複数のフォルダと相互作用(して鉛直方向に折り畳まれる)する。
【0033】
なお、折畳み工程において、複数の支柱部はそれぞれ(水平方向に沿った)プレートと一体であり、プレートの昇降によって鉛直方向に沿って移動する。折畳み工程において、プレートによって、複数の支柱部それぞれの水平面における移動を抑制する。一方、切り替え時には、複数の支柱部はそれぞれ、プレートから取り外す。切り替え時には、各支柱部は、水平面内で移動(して、支柱部間の距離が変化)する。好ましくは、各支柱部は、(押さえやカッタをさらに搭載する)ヘッドに関連付けられ、切り替え時にはヘッドの移動によって各支柱部が水平面内で移動する。
【0034】
このように、折畳み工程では、各支柱部がプレートに取り付けられて鉛直方向に沿って移動し、切り替え配置では、各支柱部がヘッドに取り付けられて水平面内で移動する。
【0035】
本開示の一態様によれば、成形機は、水平方向に向いた箱ブランクを受取り、鉛直方向に沿って移動させる移動システムを備え、各箱ブランクが鉛直方向に沿って移動すると、フォルダが側部パネルと相互作用して側部パネルを鉛直に折り畳む。成形機の移動システムは、複数の支柱部を備え、したがって、複数の支柱部が(箱)ブランクを鉛直方向に移動させるように構成する。具体的には、各支柱部は、成形機内に受け入れた(箱)ブランクの基部に当接し、鉛直方向に沿って移動可能であって箱ブランクを鉛直方向に押すよう構成する。(箱)ブランクが鉛直方向に沿って移動すると、側部パネルと相互作用して側部パネルを鉛直に折り畳むよう各フォルダを構成する。
【0036】
本開示はさらに、被覆段ボール箱(または複数の被覆段ボール箱)を製造するための製造ラインに関する。この製造ラインは、本開示のいずれかの態様に係る成形機を備える。
【0037】
製造ラインは、(紙の)覆いブランクを受け取り、この覆いブランク上に接着剤を広げるよう構成した接着ユニット(それ自体が本開示の目的であり得る)を備える。
【0038】
覆いブランクは、基部と、基部に接続する複数のパネルと、複数のパネルに接続する複数の折り返し片とを備える。ただし、覆いブランクは、好ましくは250g/m以上の秤量を有する。さらに好ましくは、覆いブランクの秤量は、275g/m以上(例えば、300g/m以上)である。覆いブランクの厚さは、好ましくは1mm~2mm(例えば、1.5mm)である。坪量および/または厚さのこれらの数値は、シーリングテープのあらゆる欠陥を被覆し、および/またはエンボス加工を容易にするのに十分な重さの紙覆いブランクを示す値である。
【0039】
一実施形態では、接着ユニットは、箱と接触する覆いブランクの面に接着剤を均一に広げるように構成したローラを備える。
【0040】
一実施形態において、この接着ユニットは、参照により本明細書に組み込まれる本出願人の名義によるイタリア特許0001422093(出願番号BO2013A000660)に記載した装置の一部を形成する種類のものである。イタリア特許0001422093の装置のすべての機能的および構造的特徴は、この実施形態の接着ユニットに適用できることが明らかである。
【0041】
特に、接着ユニットは、熱溶解性の接着剤を(高温で)覆いブランクの様々な部分上に選択的に搬送するよう構成した少なくとも1つの搬送ノズルを備えてもよい。覆いブランクは、基部と、基部に接続する複数の側部パネルとを備える。少なくとも1つのノズルは、高温の接着剤を複数の側部パネルそれぞれの表面の様々な部分上に選択的に搬送するよう構成する。
【0042】
覆いブランクはさらに、長手方向パネルに接続された複数の折り返し片を備える。好ましくは、折り返し片には接着剤が塗布されていない状態で、事前に接着剤を塗布した覆いブランクを排出するよう接着ユニットを構成する。
【0043】
製造ラインは、位置決め装置(それ自体が本開示の目的であり得る)を備える。この位置決め装置は、成形機から箱を受取って接着ユニットから覆いブランクを受取り、箱の基壁が覆いブランクの基部上にあるように箱を覆いブランク上で位置決めするよう構成する。
【0044】
好ましくは、位置決め装置は、(接着ユニットから)覆いブランクを受け取り、それを供給方向に沿って搬送するよう構成するベルトを備える。
【0045】
位置決め装置は、(成形機から)箱を受取る回収位置と、ベルトにより搬送中の覆いブランク上の所定位置に箱を配置する配置位置との間を移動可能な配置要素を備える。
【0046】
位置決め装置は、制御ユニットを備える(ただし、好ましくは、製造ラインがライン制御ユニットを備え、位置決め装置の制御ユニットがライン制御ユニットに組み込まれていてもよい)。
【0047】
配置要素は、箱の基壁の内表面に作用し、鉛直方向に沿って移動可能な押圧要素を備える。押圧要素は、金型を備え(または金型からなるものであって)、または(成形機について説明したものと同様の)複数の支柱部を備えてもよい。位置決め装置は、箱の基壁の外表面上に作用する一以上のストリップ(具体的には、基壁の外表面の両側に作用する少なくとも2つのストリップ)をさらに備え、この一以上のストリップは、箱を支えるために水平に向いた閉鎖配置から、押圧要素が箱を覆いブランク上の配置位置まで下方に移動させられるよう鉛直に向いた開放配置まで移動可能である。位置決め装置はさらに、一以上のストリップを閉鎖配置から開放配置に、又はその逆に移動させるよう構成した、一以上のアクチュエータを備える。例えば、機械式アクチュエータ(ピストン)、油圧アクチュエータまたは空気圧アクチュエータによって一以上のストリップを駆動してもよい。好ましくは、制御ユニットは、ストリップの開放と押圧要素の下方移動とを同期して調整する。これにより、箱の破れが防止され、位置決め精度が向上する。
【0048】
さらに、箱の大きさに合わせるために、一以上のストリップが水平面内で移動可能であってもよい。
【0049】
位置決め装置は、ベルト上に位置する覆いブランクの画像を取込み、制御ユニットに接続された少なくとも一つのカメラを備える。制御ユニットは、カメラが取込んだ画像を事前に記憶した参照モデルと比較するよう構成し、制御ユニットは、カメラが取込んだ画像と参照画像との比較に応じて配置要素の配置位置を修正するよう配置要素に指示する。具体的には、カメラで取り込んだ画像が参照モデルと大きく異なる場合、制御ユニットは、箱の覆いブランクでの配置位置を修正する、および/または、配置要素が箱を覆いブランクに配置するタイミングを修正するよう、配置要素に移動を指示する。参照モデルは、過去に保存された画像によって定義してもよい。
【0050】
具体的には、位置決め装置は、第1対のカメラと第2対のカメラとを含む。第1対のカメラと第2対のカメラとが、少なくとも1つのカメラを規定する。ベルトは、第1の色の第1部分と、第1の色とは異なる第2の色を有する第2部分とを少なくとも備える。ベルトは、覆いブランクを供給方向に搬送するように構成する。第1部分と第2部分はともに供給方向に延びており、第1部分と第2部分とは供給方向に並置されている。第1対のカメラは、ベルトの第1部分に位置する覆いブランクの様々な部分の画像を取り込み、第2対のカメラは、ベルトの第2部分に位置する覆いブランクの様々な部分の画像を取り込むよう構成する。制御ユニットは、第1対のカメラまたは第2対のカメラを選択的に作動させて、それぞれの画像を取り込むよう構成する。例えば、制御ユニットは、ユーザによる選択に応じて、および/またはカメラが取り込んだ画像のコントラストに応じて、第1対のカメラまたは第2対のカメラを選択的に作動させてもよい。一般的に、使用するカメラ対は、覆いブランクとのコントラストがより大きいベルト部分に向いたカメラ対である。例えば、覆いブランクの色が明るい場合は、制御ユニットは、より暗い部分に配置したブランク部分に向いたカメラ対を起動し、一方、ブランクの色が暗い場合、制御ユニットは、より明るい部分に配置したブランク部分に向いたカメラ対を起動する。具体的には、第1対および第2対の各カメラは、覆いブランクの各端部に向けられる。制御ユニットは、起動したカメラ対の2つのカメラを順次起動させる。
【0051】
位置決め装置は、ベルト上に位置決めした覆いブランク(具体的には、カメラが観測するブランクの部分)を照明するよう構成した、一以上の照明器を備えてもよい。一実施形態において、位置決め装置は、各カメラ用に照明器を備え、制御ユニットは、カメラ対及び対応する照明器対を選択的に起動させるよう構成する。
【0052】
製造ライン(具体的には位置決め装置)はさらに、ベルト照明システムを備えてもよい。具体的には、カメラの視野にあるベルト区域を照らす。好ましくは、カメラを基準にベルトの照明範囲と反対側に位置する一以上の照明体によって(ベルトの照明範囲が照明体とカメラの間に位置するように)、ベルトに背面照明を行う。例えば、照明体は、ベルトを支持するフレームに取り付けてもよい。
【0053】
製造ライン(具体的には位置決め装置)は、制御ユニットに接続され、少なくとも1つのカメラによって取り込んだ画像(具体的には、起動した対の2つのカメラによって取り込んだ画像)を表示するよう構成した、画面を備えてもよい。これにより、配置要素が行う動作を、オペレータ(ユーザ)が画面上で確認することができる。
【0054】
画面はタッチスクリーンであっても、キーボードに接続されてもよく、オペレータが作業パラメータを変更したり、製造ラインを停止・起動したりできるようにする。
【0055】
好ましくは、製造ラインは、インターネットを介して遠隔サービスシステムに接続可能なライン制御ユニットを備える。具体的には、制御ユニットは、オペレータが遠隔(および/または域内の)ワークステーションから照明やカメラを調整したり、および/またはアラームに対処したりできるように構成する。
【0056】
また、ライン制御装置は、箱および/または覆いブランクの大きさ、不合格品数、アラームが発生した場合はそのアラームのうち、一以上の情報項目を含むレポート(例えば、1日又は1週間の作業について)を作成するように構成してもよい。制御ユニットにより、オペレータはインターネットを通じて予備部品を注文できる。制御ユニットは、製造ラインの機械のユーザマニュアルと保守マニュアル、製造ラインの機械の電気配線図、保守の方法や特別キットの取り付け方法を紹介するチュートリアル動画や3Dアニメーションのうち、一以上の情報源を含むメモリ(域内又は遠隔)にも接続される。
【0057】
製造ラインはさらに、覆い装置(それ自体が本開示の目的であり得る)を備える。覆い装置は、位置決め装置から対応する覆いブランクと結合した箱を受け取り、覆いブランクを折り畳んで、箱を覆うように箱と接触させるよう構成する。
【0058】
一実施形態において、覆い装置は、参照により本明細書に組み込まれる本出願人の名義によるイタリア特許0001422094(出願番号BO2013A000661)に記載された種類のものである。イタリア特許0001422094の覆い装置のすべての機能的および構造的特徴は、この実施形態の覆い装置に適用できることが明らかである。
【0059】
具体的には、覆い装置は、鉛直方向に沿って移動可能なプレートを備え、覆いブランクの基部と箱の基壁とが結合された状態で、覆いブランクと箱とを受取り、プレートが受取る箱の長手方向側壁は、鉛直方向と長手方向に平行な長手方向鉛直平面に沿っており、短手方向側壁は、鉛直方向と短手方向に平行な短手方向鉛直平面に沿う。
【0060】
覆い装置のプレートの下面には、箱の基壁の内面を保持するよう構成した吸引パッドを備える。覆い装置は、吸引ユニットを備える。吸引パッドは、吸引ユニットに接続される。プレートはさらに、吸引パッドの吸着面であって、好ましくは吸引パッドの角部に近接して固定された、複数のスペーサを含み、各スペーサは、箱の基壁の内面に当接するよう構成する。スペーサは、吸盤(suction cup)状であってもよい。
【0061】
覆い装置は、覆いブランクの長手方向の辺を折畳み、それらを長手方向鉛直平面に配置して、長手方向パネルが箱の対応する長手方向側壁の外表面と接触した状態にする第1の折畳みステーションを備える。覆い装置は、覆いブランクの短手方向の辺を折畳み、それらを短手方向鉛直平面に配置して、短手方向パネルが箱の対応する短手方向側壁の外表面と接触した状態にする第2の折畳みステーションを備える。覆い装置は、複数の中間フォルダを備え、各中間フォルダは対応する折り返し片を長手方向鉛直平面から短手方向鉛直平面へと折畳み、箱の短手方向側壁と接触するよう位置決めする。
【0062】
具体的には、第1および第2の折畳みステーションはそれぞれ、覆いブランクの(長手方向または短手方向の)パネルを折り畳み、下翼部を箱の対応する側壁に接触させた状態で鉛直位置に配置するためのフォルダを備え、第1および第2の折畳みステーションがさらに、ブランクの上翼部を箱の内側に向けて、起立位置から水平位置へ折畳むフォルダを備え、第1および第2の折り畳みステーションはそれぞれ、ブランクの側部の上翼部を箱の対応する側壁の内面と接触するよう折畳むためのフォルダを備える。好ましくは、第1および第2の折畳みステーションはそれぞれ、箱の各側壁について、側壁自体の内面および外面にそれぞれ結合する、ブランクの上翼部および下部翼を互いに向かって押し付ける押さえを備える。各押さえは、接触するよう配置した箱の対応する側壁が外向きに押されないようにするために箱の外側に配置した当接プレートと、箱の基部に平行な水平方向に沿った並進によって対応する当接プレートに対して移動可能で、箱内に挿入可能な押圧要素と、を備え、押圧要素が箱の内側にあると、対応する当接プレートに向かってそれと平行に移動して、当接プレートと対応する押圧要素の間に介在する箱の側壁を押す。
【0063】
好ましくは、各中間フォルダは、互いに離間状態の後退位置と、互いに近接する前進位置との間を移動可能である。具体的には、中間フォルダは、鉛直方向に沿った鉛直成分と短手方向に平行な短手成分とを含む斜め移動方向に沿って移動可能であり、これにより、後退位置では、中間フォルダは第1の鉛直高さにあり、前進位置では、第1の鉛直高さとは異なる(好ましくは、第1の鉛直高さよりも低い)第2の鉛直高さにある。つまり、後退位置から前進位置への移動の際、各中間フォルダは箱に向かって下向きに移動し、前進位置から後退位置への移動の際、逆に上向きに移動する。これにより、第2折畳みステーションのフォルダが下側の短手方向横パネルを折り返し片へと折り畳むまで、中間フォルダは、覆いブランクの折り返し片に比較的長い時間接触した状態で、前進位置に留まることができる。これにより、下側の短手方向パネルによって覆われる前に折り返し片が箱から離れることを防止する。なお、折り返し片に事前に接着剤を塗布していない場合(例えば、滑らかさを増すために、折り返し片が硬くなりすぎないように接着剤で覆われていない場合)に、これが特に有用である。
【0064】
第1の折畳みステーションと第2の折畳みステーションとは、鉛直方向に沿ってずれた状態で、それぞれの高さに位置しており、各中間フォルダの第2の鉛直高さは、第1の折畳みステーションの高さと第2の折畳みステーションの高さとの間である。
【0065】
本開示はさらに、被覆箱(または複数の被覆箱)の製造方法に関する。被覆箱を成形する方法は、段ボールの箱ブランクから箱を成形する工程を備える。成形工程は、本開示の一以上の態様に係る成形機によって実施される。(箱)ブランクは、基部を備え、箱の基壁と、基部に接続されて箱の側壁を規定するように折り畳み可能である側部パネルとを規定するよう構成する。好ましくは、成形工程は、箱ブランクを鉛直方向に沿って移動させ、この移動中は、箱ブランクの基部は水平の向きであって、側部パネルは、側部パネルを鉛直方向に折り畳むフォルダと相互作用する。
【0066】
被覆箱を製造する方法は、接着工程を備える。接着工程は、基部と、基部に接続する複数のパネルと、複数のパネルに接続する複数の折り返し片とを備える覆いブランク上に接着剤を広げる。接着工程は、本開示の一以上の態様に係る接着ユニットによって実施される。
【0067】
被覆箱を製造する方法は、箱の基壁が覆いブランクの基部上にあるように箱を覆いブランク上で位置決めする工程を備える。位置決め工程は、本開示の一以上の態様に係る位置決め装置によって実施される。
【0068】
被覆箱を製造する方法は、覆い工程を備える。覆い工程は、覆いブランクを箱と接触するよう折畳む。
【0069】
好ましくは、成形工程中、鉛直方向に延び、鉛直方向に移動して箱ブランクの基壁と当接して、箱ブランクを鉛直方向に押す複数の支柱部によって、箱ブランクが移動する。
【0070】
好ましくは、被覆箱を製造する方法は、寸法切り替え工程を備える。切り替え工程は、鉛直方向に垂直な水平面において、少なくとも第1の大きさの箱を成形するための第1の配置と、第1の大きさとは異なる第2の大きさの箱を成形するための第2の配置との間で接離するよう、各支柱部を移動させる。
【0071】
少なくとも1つの実施形態において、接着工程は、覆いブランクの様々な部分に高温の接着剤を選択的に塗布する。
【0072】
被覆箱の製造方法のうちの成形工程は、箱を成形する方法に関して上述した態様のうち一以上をさらに備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
本発明の特徴及び他の特徴は、添付図面の非限定例によって示した以下の好ましい実施形態の記述からより明らかになるであろう。
図1】本開示にかかる被覆箱を製造するための製造ラインを示す図である。
図2】箱ブランクを示す図である。
図3】覆いブランクを示す図である。
図4】本開示にかかる成形機を示す図である。
図5図4の成形機の詳細図である。
図6図4の成形機の詳細図である。
図7A】寸法切り替え中の図4の成形機の詳細図である。
図7B】寸法切り替え中の図4の成形機の詳細図である。
図8】本開示にかかる位置決め装置であって、ベルトを外した状態を示す図である。
図8A】ベルトを部分的に取り除いた図8の位置決め装置の破断図であって、配置要素を取り除いた図である。
図9】本開示にかかる覆い装置を示す図である。
図10図9の覆い装置の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本開示は、被覆箱8を製造するための製造ライン1を提供する。
【0075】
製造ライン1は、成形機2を備える。成形機2は、段ボール箱ブランク6を受け取り、ブランクを折り畳んで箱60(覆いなし)を成形するよう構成する。
【0076】
箱ブランク6は、基部6aと、基部6aに接続された側部パネル6b、6c、6d、6eとを備える。基部6aは、箱60の基壁を形成する。側部パネル6b、6c、6d、6eは、箱60の側壁を形成するよう折り畳み可能である。
【0077】
成形機2は、ブランク6を受け入れるよう構成した作業区域を備える。
【0078】
成形機2は、作業区域に位置し、ブランク6iの側部パネル6b、6c、6d、6eと相互作用するよう構成した複数のフォルダ21を備える。側部パネル6b、6c、6d、6eの折畳み中は、各フォルダ21は静止したままである。成形する箱60の大きさに合わせるよう、各フォルダ21は(対応するアクチュエータにより)水平面を移動してもよい。
【0079】
成形機2は、ブランク6の基部6aを水平に向けた状態を維持しつつ、ブランクを鉛直方向Vに移動させる移動システムを備える。具体的には、この移動システムは、(箱ブランク6を作業区域内で受取る)第1の鉛直高さから、第1の鉛直高さよりも低い第2の鉛直高さまで箱ブランク6を移動させる。第1の鉛直高さから第2の鉛直高さへ移動する際に、箱ブランク6の側部パネル6b、6c、6d、6eは、フォルダ21と相互作用し、ある鉛直位置へと移動しながら折り畳まれる。
【0080】
成形機2は、複数のヘッド22を備える(具体的には、成形機2が4つの鉛直端部を有する箱60を成形する四隅止機である場合、成形機2は4つのヘッド22を備える)。
【0081】
各ヘッド22は、シーリングテープ片を繰り出し、箱60の鉛直端部近くに配置するよう構成した、供給部221を備える。
【0082】
各ヘッド22は、箱60の内部空間の外側から対応する鉛直端部にシーリングテープ片を押し付けるよう構成した押さえ222を備える。
【0083】
各ヘッド22は、シーリングテープを切断してヘッドから切断片を分離するカッタ223を備える。
【0084】
ただし、成形機2に供給される際の箱ブランク6の高さよりも低い鉛直高さに押さえ222が配置されている。実際には、箱60の側壁が(垂直方向Vに対して平行な)直立位置にある場合に、押さえが箱60の垂直端部と相互作用するよう構成する。
【0085】
移動システムは、複数の支柱部23を備える(具体的には、成形機2が、4つの鉛直端部を有する箱60を成形する四隅止機である場合、成形機2は4つの支柱部23を備える)。各支柱部23は鉛直方向Vに延びる。移動システムは、支柱部23の上方に位置し、支柱部23に(特に、それらの上端に)着脱自在に固定可能なプレート25を備える。プレート25は、鉛直方向Vに対して垂直な水平面に沿う。本開示では「プレート」という用語を使用しているが、(必ずしもプレート形状ではない)支柱部23に着脱自在に固定可能な任意の要素をプレートの代わりに使用できる。
【0086】
移動システムは、プレート25を昇降させるよう構成した、プレート用アクチュエータ251を備える。プレート用アクチュエータ251は、(鉛直方向に沿った)ラックと、ラック上で移動可能なピニオンとを備える。
【0087】
各支柱部23の上端には、プレート25に磁気的に取り付け可能な磁石231が備わっている。
【0088】
成形機2は、各支柱部23がプレート25に固定されて鉛直方向Vに往復運動する作業配置と、各支柱部23がプレート25から取り外され、(重力の影響によって最も低い鉛直高さにある)寸法切り替え配置とで動作可能である。
【0089】
各ヘッド22は、鉛直方向に沿ったガイド224を備え、対応する支柱部23がこのガイド224に摺動可能に結合する。寸法切り替え配置では、各支柱部23は、ヘッド22に接近・離反するよう移動する。
【0090】
各ヘッド22は、カッタ223、押さえ222、および供給部221を備える熱融着部とガイド224を接続する梁部(beam)225を備える。好ましくは、梁部225は、(機械的強度を高めるために)二重のT字形状である。好ましくは、梁部225は、熱融着部(すなわち、カッタ223、押さえ222及び供給部221)に接続する第1端部と、ガイド224に接続する第2端部との間で延びており、第2端部は第1端部よりも高い鉛直位置にある。
【0091】
各ヘッド22において、(カッタ223及び押さえ222を含む)熱融着部は、好ましくは、梁部に対して他のヘッド22に向かっておよび他のヘッドから離れるように移動可能である。熱融着部は、対応するアクチュエータ(好ましくは空気圧式)によって梁部225に対して移動可能である。実際には、梁部22は切り替え時には移動するが、作業中(すなわち、ブランクを折り畳んでいる間は)静止したままである。作業中、熱融着部は前方に移動して各箱60の鉛直端部と相互作用して端部を封止し、封止が完了すると、後退して箱60を排出する。
【0092】
また、好ましくは、各ヘッド22は、支柱部23のガイド224と熱融着部との間の水平距離を変化させる調整装置を備える。この調整は、紙や段ボールの厚みを考慮する際に有効である。
【0093】
成形機2は、複数のクロスバー26(具体的には、第1および第2のクロスバー)を備える。各クロスバー26は、鉛直方向Vに対して直角のクロスバー方向に沿っている。各ヘッド22は、クロスバー26に取り付けられ、クロスバー26上で(アクチュエータによって)摺動可能である。好ましくは、クロスバー26同士は互いに平行である。詳細には、第1および第2のクロスバー26にはそれぞれ、2つのヘッド22が取り付けられる。
【0094】
成形機2はさらに、クロスバー26用の複数のガイド27を備える。各ガイド27は、クロスバー方向に対して直角の方向に延びる。各クロスバー26は、ガイド27に摺動可能に結合して、クロスバー方向に対して直角の方向に移動する。したがって、各ヘッド22は、クロスバー26上でのヘッド22自体の動き、およびガイド27上でのクロスバー26の動きによって、水平面内を移動可能である。
【0095】
成形機2はさらに、ブランク6を供給するための複数のガイド28を備える。ガイド28同士は、互いに平行である。各ガイド28は、支柱部23のガイド224と押さえ222との間の中間の鉛直位置にある。
【0096】
製造ライン1は接着ユニット3を備える。接着ユニット3は、覆いブランク7を受け取り、この覆いブランク7上に接着剤を広げるよう構成する。具体的には、接着ユニット3は、覆いブランク7の各部分70上に接着剤を選択的に広げるよう構成する。
【0097】
覆いブランク7は、基部7aと、基部7aに接続された複数の側部パネル7b、7c、7d、7eとを備える。具体的には、覆いブランク7は、一対の長手方向側部パネル7b、7cと、一対の短手方向側部パネル7d、7eとを備える。基部7aは、長手方向側部パネル7b、7cが接続する一対の長手方向周辺部と、短手方向側部パネル7d、7eが接続する一対の短手方向周辺部とを有する。
【0098】
パネル7b、7c、7d、7eはそれぞれ、基部7aに接続する下翼部7b’、7c’、7d’、7e’、と、下翼部7b’、7c’、7d’、7e’にそれぞれ接続する上翼部7b”、7c”、7d”、7e”を備える。覆いブランク7はさらに、長手方向パネル7b、7cに接続する、複数の折り返し片7f、7g、7h、7iを備える。具体的には、折り返し辺7f、7g、7h、7iは、長手方向パネル7b、7cの下翼部7b’、7c’に接続される。実際には、各下翼部7b’、7c’は、基部7aに接続する第1の長手方向周辺部と、第1の長手方向周辺部に対向し、上翼部7b”、7c”に接続する第2の長手方向周辺部と、第1の折り返し片7f、7hに接続する第1の短手方向周辺部と、第1の短手方向周辺部に対向し、第2の折り返し片フラップ7g、7iに接続する第2の短手方向周辺部とを備える。なお、長手方向パネル7b、7cが、折り返し片フラップ7f、tg、7h、7iと共に、覆いブランク7の長手方向の辺を形成する。短手方向パネル7d、7eは、覆いブランク7の短手方向の辺を形成する。
【0099】
接着ユニット3が接着剤を広げる部分70は、上翼部7b”、7c”、7d”、7e”(長手方向および短手方向の両方)ならびに下翼部のうち、短手方向の翼部7e’および7d’に位置する。
【0100】
製造ライン1は、位置決め装置4を備える。製造ライン(位置決め装置4)は、ベルト41を備える。ベルト41は、覆いブランク7を受け取り、それを供給方向Aに沿って搬送するよう構成する。ベルト41は、第1の色の第1部分41Aと、第1の色とは異なる第2の色を有する第2部分41Bとを備える。覆いブランク7は、ブランクの第1部分がベルト41の第1部分41Aに位置し、ブランクの第2部分がベルト41の第2部分41Bに位置する状態で、位置決め装置4に受け入れられる。
【0101】
製造ライン(位置決め装置4)は、フレーム44を備える。フレーム44は、ベルト41を支持する機能を有する。フレーム44は、その内側に内部空間を規定する箱状の本体部を備える。フレーム44は、上面44Aと下面とを有する。フレーム44の上面において、少なくとも1つの(第1)部分に孔45が設けられる。なお、図8に示した孔45は、図示の都合上、フレームの上面の限られた部分にのみ示されているが、実際には、孔45はフレーム44の上面のより広い面に形成される。
【0102】
製造ライン(位置決め装置4)は、フレーム44の内部空間に負圧を発生させて孔55を介して吸引効果を生み出すための吸引ポンプまたは圧縮機を備える。フレーム44の上面に摺動可能に配置された一条のベルト41が次に空気を透過するので、孔45によって生成された空気流によってベルト41がブランクに付着しやすくなる。
【0103】
フレーム44の上面では、少なくとも1つの(第2)部分46が透明である。好ましくは、透明部46には孔45が延びていない(ただし、フレーム44上面の残りの部分全体には延びていてもよい)。
【0104】
製造ライン(位置決め装置4)はさらに、ベルト41を照明するために、一以上の照明体47を備えてもよい。一実施形態では、フレーム44は、一以上の照明体47を備え、これらの照明体47は、下から、すなわち、カメラ43Aおよび43Bの反対側からベルト41を照明するよう構成する。例えば、照明体47は、フレーム44の内側(例えば、その内部空間の内側)に配置してもよい。好ましくは、照明体47は、フレームの(上面の)透明部46を通過する光線を生成するよう構成する。例えば、カメラ43Aおよび43Bと照明体47との間に、透明部46を(作動的に)挿入する。例示的な実施形態では、透明部65にも、孔45を設けてもよい。
【0105】
(例えば、上記照明体47を備える実施形態では)カメラ43A及び43Bによって取込む画像の色のコントラストを際立たせるために、ベルト41を背面照明してよい。
【0106】
背面照明は、連続点灯でもストロボ点灯でもよい。背面照明は、様々な周波数(すなわち、様々な波長)で行ってよい。例えば、可視、紫外又は赤外スペクトルであってもよい。
【0107】
位置決め装置4はさらに、ベルト41の第1部分41A上に配置され、覆いブランク7の第1部分の画像を取り込む第1対のカメラ43Aと、ベルト41の第2部分41B上に配置され、覆いブランク7の第2部分の画像を取り込む第2対のカメラ43Bとを備える。位置決め装置4は、第1対又は第2対のカメラ43A、43Bを選択的に作動させ、作動させた対のカメラ43A、43Bにより覆いブランク7の第1又は第2部分の2つの画像を連続的に取り込む制御ユニットを備える。
【0108】
位置決め装置4は、押圧要素421を含む配置要素42を備える。押圧要素421は鉛直方向に沿って移動可能である。具体的には、配置要素42は、押圧要素421を昇降させるよう構成したアクチュエータを備える。配置要素42のアクチュエータは、例えば、鉛直方向のレールと、レール上を摺動自在で、押圧要素421と一体であるシューとを備えてもよい。押圧要素421は、箱60の基壁と相互作用して、基壁を覆いブランク7の基部7a上の配置位置に移動させる。
【0109】
製造ライン1はさらに、各覆いブランク7に結合する箱60を位置決め装置4から受け取り、覆いブランク7を折り畳んで箱60と接触させて箱を覆い、被覆箱8を製造する覆い装置5を備える。
【0110】
覆い装置5は、鉛直方向Vに沿って移動可能なプレートを備える。このプレートは、覆いブランク7および箱60を受け入れ、これらを鉛直方向Vに沿って上から下に移動させるよう構成する。覆い装置5は、プレートを鉛直方向Vに沿って移動させるプレートアクチュエータを備える。このプレートアクチュエータは、例えば、鉛直方向のレールと、このレールに摺動自在に結合するシューとを備える(この場合、プレートはシューに接続する)。
【0111】
覆い装置5は、(覆いブランク7と箱60が下向きに移動する間に)覆いブランク7の長手方向の辺と相互作用して、長手方向の辺を長手方向鉛直平面内に配置し、長手方向パネル7b、7c(特に、長手方向パネル7b、7cの下翼部7b’、7c’)を箱60の対応する長手方向側壁の外表面と接触させる第1の折畳みステーション51を備える。
【0112】
第1の折畳みステーション51はさらに、覆いブランク7の上翼部7b”、7c”を箱の内側に向かって直立位置から水平位置に折り畳むためのフォルダを備える。第1の折畳みステーション51はさらに、ブランクの長手方向パネルの上翼部7b”、7c”を折り畳んで、箱の対応する側壁の内面と接触させるためのフォルダ(前述のフォルダと同一のものでもよい)を備える。第1の折畳みステーション51はさらに、箱の各側壁について、長手方向の側壁自体の内面および外面にそれぞれ結合する、ブランクの上および下翼部を互いに向かって押し付ける押さえを備える。各押さえは、接触するよう配置した箱60の対応する側壁が外向きに押されないようにするために箱の外側に配置した当接プレート54と、箱の基部に平行な水平方向に沿った並進によって対応する当接プレート54に対して移動可能で、箱60内に挿入可能な押圧要素55と、を備え、押圧要素55が箱60の内側にあると、対応する当接プレート54に向かってそれと平行に移動して、当接プレート54と対応する押圧要素55との間に介在する箱60の長手方向側壁を押す。
【0113】
覆い装置5は、複数の中間フォルダ53を備え、各中間フォルダは対応する折り返し片7f、7g、7h、7iを長手方向鉛直平面から短手方向鉛直平面へと折畳み、箱60の短手方向側壁との接触するよう配置する。
【0114】
各中間フォルダ53は、互いに離間状態の後退位置と、互いに近接して折り返し片7f、7g、7h、7iと相互作用する前進位置との間を移動可能である。中間フォルダ53は、鉛直方向Vに平行な鉛直成分と短手方向Tに平行な短手成分とを含む斜め移動方向D1、D2、D3、D4に沿って移動可能であり、これにより、後退位置では、中間フォルダ53は第1の鉛直高さにあり、前進位置では、第1の鉛直高さよりも低い第2の鉛直高さにある。
【0115】
覆い装置5は、各中間フォルダ53用に、後退位置と近接位置との間で中間フォルダ53を移動させる個別のアクチュエータ531を備える。好ましくは、中間フォルダ53のアクチュエータ531は、ブラシレスモーターによって駆動される。
【0116】
覆い装置5は、覆いブランク7の短手方向の辺を折り畳んで、短手方向鉛直平面内に配置し、短手方向パネル7d、7e(特に、長手方向パネル7d、7eの下翼部7d’、7e’)を箱60の対応する短手方向側壁の外表面(および中間フォルダ53によって既に折り畳まれている折り返し片7f、7g、7h、7i)と接触させる第2の折畳みステーション52を備える。
【0117】
第2の折畳みステーション52はさらに、覆いブランク7の上翼部7d”、7e”を箱60の内側に向かって直立位置から水平位置に折り畳むためのフォルダを備える。第2の折畳みステーション52はさらに、ブランクの長手方向パネルの上翼部7d”、7e”を折り畳んで、箱60の対応する側壁の内面と接触させるためのフォルダ(前述のフォルダと同一のものでもよい)を備える。第2の折畳みステーション52はさらに、箱の各長手方向側壁について、短手方向の側壁自体の内面および外面にそれぞれ結合する、ブランクの上および下翼部を互いに向かって押し付ける押さえを備える。第1の折畳みステーション51のものと同様に、第2の折畳みステーション52の各押さえは、接触するよう配置した箱60の対応する側壁が外向きに押されないようにするために箱の外側に配置した当接プレート56と、箱の基部に平行な水平方向に沿った並進によって対応する当接プレート56に対して移動可能で、箱60内に挿入可能な押圧要素57と、を備え、押圧要素57が箱60の内側にあると、対応する当接プレート57に向かってそれと平行に移動して、当接プレート56と対応する押圧要素と57の間に介在する箱60の短手方向側壁を押す。
【0118】
中間フォルダ53は、鉛直方向Vに沿って、第1の折畳みステーション51と第2の折畳みステーション52との間に挿入される。
【0119】
好ましくは、第1の折畳みステーション51および第2の折畳みステーション52のフォルダを交換することによって(および、必要に応じて、プレートを交換することによって)切り替え動作を行う。ただし、切り替えに際して、中間フォルダ53を交換する必要はない。
【0120】
参照用に英数字順で記載する以下の段落は、本発明を説明する非限定の例示的な形態である。
【0121】
A0.紙又は段ボールブランクから箱を成形するための成形機であって、ブランクは基部を有し、箱の基壁と、基部に接続して箱の側壁を形成するよう折り畳み可能である側部パネルとを画定するよう構成され、成形機は、
- ブランクを受け取る作業区域と、
- 作業区域内に配置され、ブランクの側部パネルと相互作用して箱の側壁の鉛直端部を形成するよう各側壁パネルの横周辺部を並置させた状態で各側部パネルを折り畳んで鉛直方向と平行に配置した結果、ブランクの各側壁パネルによって箱の内部空間が定まるような複数のフォルダと、
- 鉛直方向に沿って延び、鉛直方向に沿って移動可能な複数の支柱部であって、各支柱部を箱内側の内部空間内に配置して、対応する鉛直端部に当接させることができる、複数のコラムと、を備える。
【0122】
A.段落A0に記載の成形機であって、複数のヘッドを備え、複数のヘッドはそれぞれ、箱内側の空間の外側から対応する鉛直端部に当接するよう構成した押さえを備え、複数の支柱部はそれぞれ、箱の側壁の対応する鉛直端部に当接するように、箱の内部空間の対応する押さえ部の前方位置に配置でき、鉛直端部は、支柱部自体と押さえとの間で作動的に介在する。
【0123】
A1.段落Aに記載の成形機であって、複数のヘッドはそれぞれ、相互に接離自在である。
【0124】
A1.1.段落Aに記載の成形機であって、複数のヘッドはそれぞれ同期して相互に接離自在である。
【0125】
A1.2.段落A1または段落A1.1に記載の成形機であって、複数のヘッドはそれぞれ、鉛直方向に垂直な水平面内で、作業区域内に配置した箱と干渉しない後退位置と、箱の対応する鉛直端部に作用する前進位置との間で移動可能である。
【0126】
A1.3.段落A1または段落A1.2に記載の成形機であって、複数のヘッドはそれぞれ、連係する支柱部を水平面内で移動させるよう構成する。
【0127】
A2.段落A~A1.1のいずれかに記載の成形機であって、複数のヘッドはそれぞれ、
各鉛直端部に対面するようにシーリングテープ片を配置する供給部と、
シーリングテープを切断してヘッドから切断片を分離するカッタと、を備え、
押さえは、箱の内部空間の外側から対応する鉛直端部にシーリングテープ片を押し付けるよう構成する。
【0128】
A3.段落A~A2のいずれかに記載の成形機であって、複数の支柱部はそれぞれ、複数のヘッドのうち対応するヘッドと連係する。
【0129】
A3.1.段落A3に記載の成形機であって、複数のヘッドはそれぞれ、鉛直方向に沿ったガイドを備え、複数の支柱部がそれぞれ、対応するヘッドのガイドに摺動可能に結合する。
【0130】
A3.1.1.段落A3.1に記載の成形機であって、複数のヘッドそれぞれについて、ガイドは、対応する押さえとは異なる鉛直高さに位置する。
【0131】
A3.1.1.1.段落A3.1.1に記載の成形機であって、複数のヘッドそれぞれについて、ガイドは、対応する押さえよりも高い鉛直高さに位置する。
【0132】
A4.段落A0~A3.1.1.1のいずれかに記載の成形機であって、鉛直移動可能で各支柱部の上方に位置するプレートを備え、各支柱部がプレートに接続されてプレートと共に鉛直に移動する作業配置と、各支柱部がプレートから切り離されてヘッド部と一体に水平に移動可能である切り替え配置とで成形機が動作可能であるように、複数の支柱部それぞれがプレートに着脱自在に接続可能である。
【0133】
A4.1.段落A4に記載の成形機であって、複数のヘッドを備え、各ヘッドはそれぞれ、鉛直方向に沿ったガイドを備え、複数の支柱部がそれぞれ、対応するヘッド部のガイドに摺動可能に結合され、プレートは各ガイドの上方に位置する。
【0134】
A4.2.段落A4またはA4.1に記載の成形機であって、プレートは強磁性材料を含み、複数の支柱部はそれぞれ、その上端にプレートに磁気的に結合できる磁石を備える。
【0135】
A4.2.1.段落A4.2に記載の成形機であって、各支柱部について、それぞれの磁石に固有の磁力に対抗してこれを打ち消すことができる磁力を生成するために通電可能な電気巻線を含む電気回路を備え、磁石に固有の磁力は、磁石とプレートとの間の吸引力である。
【0136】
A5.段落A~A4.2.1のいずれかに記載の成形機であって、複数のヘッドはそれぞれ、複数の支柱部のうち対応する支柱部が結合する鉛直方向のガイドと、シーリングテープを切断するよう構成するカッタと、を備え、複数のヘッド部それぞれについて、対応するガイドは、複数のヘッド部のうちの他のヘッド部の対応するガイドに向かう前進位置においては、カッタの水平移動方向に対して各カッタから所定の距離の位置にある。
【0137】
A5.1.段落A5に記載の成形機であって、複数のヘッドそれぞれについて、ガイドと対応するカッタとの間の所定の距離を変化させる調整装置を備える。
【0138】
B.紙又は段ボールブランクから箱を成形するための方法(または紙又は段ボールブランクから箱を成形するための箱成形機を用いる方法)であって、ブランクは基部を有し、箱の基壁と、基部に接続して箱の側壁を形成するよう折り畳み可能である側部パネルとを画定するよう構成され、
- ブランクを作業区域に位置決めする工程と、
- ブランクの側部パネルを折り畳む工程であって、箱の側壁の鉛直端部を形成するように各側部パネルの横周辺部を並置した状態で側部パネルを鉛直方向に対して平行に配置し、その結果、ブランクの側部パネルによって箱の内部空間が定まる工程と、
- 複数の押さえを用いて鉛直端部を封止する工程であって、箱内部空間の外側に作動的に配置した複数の押さえにより鉛直端部を押す少なくとも1つのサブ工程を備える工程と、を備え、
この方法が、
- 複数の支柱部(23)を準備する工程と、
- 封止工程中に各鉛直端部が複数の押さえのうち対応する押さえ(222)と複数の支柱部(23)のうち対応する支柱部(23)との間に置かれるように、各支柱部(23)を鉛直方向(V)に移動させる工程と、を備える。
【0139】
B1.段落Bに記載の方法であって、封止工程中、各押さえが相互に近接するよう移動する。
【0140】
B1.1.段落B1に記載の方法であって、封止工程中、各押さえが同期して相互に近接するよう移動する。
する。
【0141】
B1.2.段落B~B1.1のいずれかに記載の方法であって、封止工程はさらに、鉛直端部毎に、ヘッドの一部を形成する供給部によって、鉛直端部に対面するようにシーリングテープ片を供給するサブ工程と、
箱内部空間の外側に配置され箱の鉛直端部に向かって移動する押さえにより、箱内部空間の外側の鉛直端部にシーリングテープ片を塗布するサブ工程と、
ヘッドの一部を形成するカッタを用いて、シーリングテープを切断しヘッドから切断片を分離するサブ工程と、を備える。
【0142】
B2.段落B~B1.2のいずれかに記載の方法であって、折り畳み工程において、複数の支柱部はそれぞれプレートと一体であり、プレートの昇降によって鉛直方向に沿って移動する。
【0143】
B2.1.段落Bに記載の方法であって、折畳み工程において、各支柱部が固定されたプレートによって、複数の支柱部それぞれの水平面における移動を抑制する。
【0144】
B3.段落B~B2.1のいずれかに記載の方法であって、鉛直方向に垂直な水平面において各支柱部を相互に接離させる工程を備える寸法切り替え工程を備える。
【0145】
B3.1.段落B3に記載の方法であって、折畳み工程において、複数の支柱部はそれぞれプレートと一体化し、プレートの昇降によって鉛直方向に沿って移動し、寸法切り替え工程において、複数の支柱部はそれぞれプレートから取り外され、水平面を移動する。
【0146】
B3.1.1.段落B3.1に記載の方法であって、寸法切り替え工程において、各支柱部は、対応する封止用ヘッドによって水平面内で移動し、各封止用ヘッドには、押さえの1つが取り付けられる。
【0147】
B4.段落B~B3.1.1のいずれかに記載の方法であって、折畳み工程は、ブランクの基部に当接して鉛直方向に沿って移動し、鉛直方向に沿ってブランクを押す複数の支柱部により、ブランクを鉛直方向に沿って移動させ、ブランクの移動中は、複数の支柱部の外側の作業区域内に位置決めされた複数のフォルダと側部パネルとが相互作用する。
【0148】
C.覆いブランクを受取り、覆いブランク上に接着剤を広げる接着ユニットであって、覆いブランクは、基部と、基部に接続する複数のパネルと、複数のパネルに接続する複数の折り返し片とを備える。
【0149】
C1.段落Cに記載の接着ユニットであって、高温の接着剤を選択的に覆いブランクの様々な部分上に搬送する搬送ノズルを備える。
【0150】
C1.1.段落C1に記載の接着ユニットであって、覆いブランクは基部と、基部に接続する複数の側部パネルとを備え、少なくとも1つのノズルは、高温の接着剤を複数の側部パネルそれぞれの表面の様々な部分上に選択的に塗布する。
【0151】
C1.1.1.段落C1.1に記載の接着ユニットであって、覆いブランクは、長手方向パネルに接続する複数の折り返し片をさらに備え、少なくとも1つのノズルは折り返し片ではない覆いブランクの様々な部分上に高温の接着剤を搬送し、覆いブランクの折り返し片が接着ユニットから離れる際折り返し片には接着剤が付着していない。
【0152】
D.成形後の箱と覆いブランクとを受取り、箱の基壁が覆いブランクの基部上にあるように箱を覆いブランク上で位置決めする、位置決め装置。
【0153】
D1.段落Dに記載の位置決め装置であって、
- 覆いブランクを受取り、供給方向に沿って搬送するベルトと、
- 箱を受取る回収位置と、ベルトにより搬送中の覆いブランク上の所定位置に箱を配置する配置位置との間を移動可能な配置要素と、
- 制御ユニットと、
- ベルト上に位置する覆いブランクの画像を取込み、制御ユニットに接続された少なくとも一つのカメラと、を備え、制御ユニットはカメラが取込んだ画像を事前に記憶した参照モデルと比較し、カメラが取込んだ画像と参照画像との比較に応じて配置要素の配置位置を修正する。
【0154】
D1.1.段落D1に記載の位置決め装置であって、位置決め装置は、少なくとも1つのカメラを規定する第1対のカメラと第2対のカメラとを備え、制御ユニットは、画像を取り込むために、第1対のカメラ又は第2対のカメラを選択的に作動させる。
【0155】
D1.1.1.段落D1.1に記載の位置決め装置であって、ベルトは、第1の色を有する第1部分と、第1の色とは異なる第2の色を有する第2部分とを少なくとも備え、第1対のカメラは、ベルトの第1部分に位置する覆いブランクの様々な部分の画像を取込み、第2対のカメラは、ベルトの第2部分に位置する覆いブランクの様々な部分の画像を取り込む。
【0156】
D2.段落D~D1.1.1のいずれかに記載の位置決め装置であって、制御ユニットに接続され、少なくとも一つのカメラが取り込んだ画像を表示する画面を備える。
【0157】
E.箱の基壁が覆いブランク上にある状態で、対応する覆いブランクに結合した箱を受取り、覆いブランクを折り畳んで、箱を覆うように箱と接触させる覆い装置。
【0158】
E1.段落Eに記載の覆い装置であって、覆いブランクは基部と、基部に接続する複数の側部パネルとを備え、複数の側部パネルは、基部の長手方向の辺に沿って基部に接続する長手方向パネルと、長手方向の辺を横切って、基部の短手方向の辺に沿って基部と接続する短手方向パネルと、を備え、覆いブランクはさらに、長手方向パネルに接続する複数の折り返し片を備え、覆い装置は、
鉛直方向に沿って移動可能なプレートであって、覆いブランクの基部と箱の基壁とが結合された状態で、覆いブランクと箱とを受取り、プレートが受取る箱の長手方向側壁は、鉛直方向と長手方向に平行な長手方向鉛直平面に沿っており、短手方向側壁は、鉛直方向と短手方向に平行な短手方向鉛直平面に沿う、プレートと、
覆いブランクの長手方向の辺を折畳み、それらを長手方向鉛直平面に配置して、長手方向パネルが箱の対応する長手方向側壁の外表面と接触した状態にする第1の折畳みステーションと、
覆いブランクの短手方向の辺を折畳み、それらを短手方向鉛直平面に配置して、短手方向パネルが箱の対応する短手方向側壁の外表面と接触した状態にする第2の折畳みステーションと、
複数の中間フォルダであって、各中間フォルダは対応する折り返し片を長手方向鉛直平面から短手方向鉛直平面へと折畳み、箱の短手方向側壁と接触するよう位置決めする、フォルダと、を備える。
【0159】
E1.1.段落E1に記載の覆い装置であって、中間フォルダは、鉛直方向に沿った鉛直成分と短手方向に平行な短手成分とを含む斜め移動方向に沿って移動可能である。
【0160】
E1.2.段落E1または段落E1.1に記載の覆い装置であって、各中間フォルダは、互いに離間状態の後退位置と、互いに近接する前進位置との間を移動可能である。
【0161】
E1.2.1.段落E1.2に記載の覆い装置であって、後退位置では、中間フォルダは第1の鉛直高さにあり、前進位置では、中間フォルダは、第1の鉛直高さとは異なる第2の鉛直高さにある。
【0162】
E1.2.1.1.段落E1.2.1に記載の覆い装置であって、第1の折畳みステーションと第2の折畳みステーションとは、鉛直方向に沿ってずれた状態で、それぞれの高さに位置しており、各中間フォルダの第2の鉛直高さは、第1の折畳みステーションの高さと第2の折畳みステーションの高さとの間である。
【0163】
E1.3.段落E.1~E1.2.1.1のいずれかに記載の覆い装置であって、覆い装置のプレートは、箱の基壁の内面を保持する吸引パッドを備える。
【0164】
E2.段落E~E1.3のいずれかに記載の覆い装置であって、複数の側部パネルはそれぞれ、基部に接続する下翼部と、下翼部に接続する上翼部とを備え、第1の折畳みステーションと第2の折畳みステーションとが下翼部を折り畳んで、箱の側壁と接触させ、覆い装置は、
上翼部を箱内側に向けて折畳んで水平に配置する第3の折畳みステーションと、
覆いブランクの上翼部を折畳んで、箱の側壁の内表面と接触するよう配置する第4の折畳みステーションと、
箱の側壁の内表面と外表面とにそれぞれ結合する上翼部と下翼部とを互いに向かって押し付ける押さえと、を備える。
【0165】
F.被覆箱を製造するための製造ラインであって、
- 段落A~A5.1のいずれかに記載の成形機であって、複数のフォルダと、水平方向に向いた箱ブランクを受取り、鉛直方向に沿って移動させる移動システムとを含み、箱ブランクが鉛直方向に沿って移動すると、フォルダが側部パネルと相互作用して、側部パネルを鉛直に折り畳む成形機と、
- 段落C~C1.1.1のいずれかに記載の接着ユニットと、
- 箱を成形機から受取り、覆いブランクを接着ユニットから受取る、段落D~D2のいずれかに記載の位置決め装置と、
- 対応する覆いブランクと結合した箱を位置決め装置から受取る、段落E~E2のいずれかに記載の覆い装置と、を備える。
【0166】
F1.段落Fに記載の製造ラインであって、成形機の移動システムは、鉛直方向に沿って延び、成形機内に受取った箱ブランクの基部に当接する複数の支柱部を備え、複数の支柱部がそれぞれ鉛直方向に沿って移動可能であって箱ブランクを鉛直方向に押す。
【0167】
F1.1.段落F1に記載の製造ラインであって、複数の支柱部はそれぞれ、鉛直方向に対して垂直な水平面において、第1の大きさの箱を成形するための第1の配置と、第1の大きさとは異なる第2の大きさの箱を成形するための第2の配置との間で、相互に接離自在である。
【0168】
G.被覆箱を製造するための方法であって、
- 段ボールの箱ブランクから箱を成形する工程であって、箱ブランクは、基部を備え、箱の基壁と、基部に接続されて箱の側壁を規定するように折り畳み可能である側部パネルとを規定するよう構成する工程であって、成形工程は、箱ブランクを鉛直方向に沿って移動させ、この移動中は、箱ブランクの基部は水平の向きであって、側部パネルは、側部パネルを鉛直方向に折り畳むフォルダと相互作用する工程と、
- 接着工程であって、基部と、基部に接続する複数のパネルと、複数のパネルに接続する複数の折り返し片とを備える覆いブランク上に接着剤を広げる工程と、
- 箱の基壁が覆いブランクの基部上にあるように箱を覆いブランク上で位置決めする工程と、
- 覆いブランクを箱と接触するように折り畳む、覆い工程と、を備える。
【0169】
G1.段落Gに記載の方法であって、成形工程中は、鉛直方向に延び、鉛直方向に移動して箱ブランクの基壁と当接して、箱ブランクを鉛直方向に押す複数の支柱部によって、箱ブランクが移動する。
【0170】
G1.1.段落G1に記載の方法であって、寸法切り替え工程を備え、鉛直方向に垂直な水平面において、少なくとも第1の大きさの箱を成形するための第1の配置と、第1の大きさとは異なる第2の大きさの箱を成形するための第2の配置との間で接離するよう、各支柱部を移動させる。
【0171】
G2.段落Gまたは段落G1に記載の方法であって、接着工程は、覆いブランクの様々な部分に接着剤を選択的に塗布する。
【0172】
G2.1.段落G2に記載の方法であって、覆いブランクは、基部と、基部に接続する複数の側部パネルとを備え、複数の側部パネルのそれぞれの表面の様々な部分上に接着剤を選択的に高温で塗布する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図8A
図9
図10
【国際調査報告】