(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】ゴルフスイング練習機
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
A63B69/36 501Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529807
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(85)【翻訳文提出日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 KR2020008426
(87)【国際公開番号】W WO2021194014
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0034936
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522200719
【氏名又は名称】ハ, テウォン
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ハ, テウォン
(57)【要約】
本発明に係るスイング練習機は、ゴルファーがスイング練習をする間、内部の中空に装着されたウェイトの動きに従ってバックスイングトップ姿勢およびフィニッシュ姿勢で衝撃および音を感じられるようにして、ゴルファーにとって適当な速度およびリズムでスイング練習可能にしたものである。また、スイング練習機に装着された光源から照射された光が底に反射した軌跡と残像とを目で確認できるようにして、ゴルファーが正確な軌跡をなしてスイング練習をしているかを点検可能にしたものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸く曲がったボディ部と、
該ボディ部の内部に形成された中空と、
該中空に移動可能に挿入されたウェイト(weight)とを備えるゴルフスイング練習機。
【請求項2】
丸く曲がったボディ部と、
該ボディ部に装着された光源と、
前記ボディ部の内部に形成された中空と、
該中空に移動可能に挿入されたウェイト(weight)とを備えるゴルフスイング練習機。
【請求項3】
前記ウェイトが、球(ball)形状である請求項1または請求項2に記載のゴルフスイング練習機。
【請求項4】
前記ボディ部に、手で握りやすいように取っ手部が設けられている請求項1または請求項2に記載のゴルフスイング練習機。
【請求項5】
前記ボディ部が、2部分以上に分離または分節可能である請求項1または請求項2に記載のゴルフスイング練習機。
【請求項6】
前記ボディ部の一部が、前記ボディ部の残りの一部を収納可能である請求項1または請求項2に記載のゴルフスイング練習機。
【請求項7】
前記ウェイトが、ゴルファーのスイングによって生じる物理力によって前記ボディ部の両末端に位置したストッパに当たることができる請求項1または請求項2に記載のゴルフスイング練習機。
【請求項8】
前記ウェイトが、ゴルファーのスイングによって生じる慣性によって前記ボディ部の両末端に位置したストッパに当たった時、物理的な衝撃をゴルファーが感じる請求項1または請求項2に記載のゴルフスイング練習機。
【請求項9】
前記光源が、レーザ光を発生させる請求項2に記載のゴルフスイング練習機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丸く形成された半円形のゴルフスイング練習機であって、内部の中空にウェイト(weight)を入れて、ゴルファーがスイング練習をする時、内部のウェイトが内部の中空に沿って遠心力によって運動することにより、練習者がスイングの正確なリズムおよび速度でバックスイング、ダウンスイングおよびフィニッシュ姿勢を身につけるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ人口が次第に拡大している。特に、IT技術の発展によるスクリーンゴルフの普及に伴い、実際にフィールドに出ることなく室内でもゴルフを楽しめられるようになったことから、より安価に誰でもゴルフを楽しめられるようになっている。これにより、ゴルフに対する関心も高まっており、ゴルフの実力を向上させようとする欲求も高まっている。
【0003】
ゴルフの実力を向上させる最も良い方法の一つは、クラブを手に持って実際にゴルフボールを打つのではなく、空スイングをよく、そして多くすることである。ところが、家の中のように天井が十分に高くない室内空間ではクラブを持って練習することもできず、やむを得ず素手でスイング練習をしたり、長さが非常に短い棒状の練習器具を用いてスイング練習をしたりするほかなかった。
【0004】
そのため、特別にスイング練習のために設けられた高い天頂の室内空間ではない、家の中やオフィスのような通常の生活空間でもスイング練習をするための適切な道具が必要になってきている。
【0005】
また、スイング練習の際、隣りの人に与える脅威感をより軽減させたり、室内の器物破損の危険性を著しく低減させたりすることができる、回転半径が大きくない練習道具の必要性も増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためのものであって、家の中やオフィスのような通常の生活空間でもゴルフスイング練習をするのに適した道具を提供し、また、回転半径がより小さくて、ゴルファーの周りにいる人々に与える脅威感を軽減させることができる構成を提供することを目的とする。
【0007】
また、ゴルファーが最も正確なスイング速度、すなわち、バックスイング、ダウンスイングおよびフィニッシュ速度などを身につけられるように、最も適した構成を提供することを他の目的とする。
【0008】
また、ゴルファーが適切な軌道でスイング練習が行われているかどうかを自らの目でも点検できる構成を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明におけるゴルフスイング練習機は、丸く曲がったボディ部と、ボディ部の内部に形成された中空と、中空の内部に位置し、中空の内部の空間に沿って移動可能なウェイトとから構成されることを特徴とする。
【0010】
本発明におけるゴルフスイング練習機は、丸く曲がったボディ部と、ボディ部に装着された光源と、ボディ部の内部に形成された中空と、中空の内部に位置し、中空の内部の空間に沿って流動可能なウェイトとから構成されることを他の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるゴルフスイング練習機は、家の中やオフィスのような天井の低い日常的な生活空間内でも壁や天井を打撃して損傷を与えることなくスイング練習が可能であるメリットがある。
【0012】
本発明によるゴルフスイング練習機は、ボディの内部に位置したウェイト(weight)の流動または動きによってスイングのリズムや速度などを適切に身につけられるメリットがある。
【0013】
本発明によるゴルフスイング練習機は、ボディに装着された光源の補助によりスイング軌道がまともに形成されているかを点検しながらスイング練習が可能であるメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るスイング練習機を全体的に示す図である。
【
図2】ゴルファーが本発明に係るスイング練習機を持ってアドレス姿勢を取った図である。
【
図3】ゴルファーが本発明に係るスイング練習機を持ってバックスイング動作をする図である。
【
図4】ゴルファーが本発明に係るスイング練習機を持ってフィニッシュ動作をする図である。
【
図5】本発明に係るスイング練習機の取っ手部の一実施例を示す図である。
【
図6】本発明に係るスイング練習機の光源によって軌跡が現れることを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るゴルフスイング練習機を詳細かつ具体的に説明するために、添付した図面を参照する。
【0016】
図1を参照すれば、本発明に係るゴルフスイング練習機10は、丸く曲がったボディ部100と、ボディ部の内部に形成された中空110と、中空の内部に位置したウェイト140とを備える。
【0017】
また、ゴルファーがボディ部100を手で握る時、より安定したグリップ(grip)のために、ボディ部100の外部に取っ手部120を追加的に設けてもよい。
【0018】
また、本発明に係るゴルフスイング練習機10には、光源150を追加的に装着して、ゴルファーがスイング練習をする間、光源150からの光が底に照らされて反射することにより、ゴルファーが自らスイング軌道が乱れないように自己点検できるようにした。
【0019】
ゴルフスイングは、基本的にゴルファーがクラブを握り、体とゴルフクラブとが一体化されて、バックスイング、ダウンスイングおよびフィニッシュ動作まで回転運動が行われるものである。
本発明のボディ部100も、回転運動にふさわしいようにその形態が丸く形成されることが、スイング練習に好ましい。
【0020】
ボディ部100のなす曲率は一定であってもよいが、スイング練習への妨げになる程度でなければ、ボディ部100の中央より両末端へいくほど、より曲がるか、または比較的少なく曲がるようにすることで、外形的に審美感をさらに与えるようにしても構わない。
【0021】
スイング練習機を全体的にみた時、ゴルファーを中心として取り囲むような形態であれば十分である。ボディ部の丸い程度は、半円、すなわち丸い円の1/2を超えないようにすることが適当である。
【0022】
ウェイト140は、スイング練習に適当となるように中空110の内部で動けるものであれば、何でも可能である。例えば、硬い材質からなる多様な形態の球(ball)形状やバー(bar)形状のものでもよい。球形状のウェイトは中空110の内部でローリング(rolling)動作を、バー(bar)形状は中空110の内部でスライディング(sliding)動作をする。
【0023】
ウェイト140は、スイング練習時に適当な遠心力、重力および慣性が作用できるように密度が大きくて固まっているものであれば、材質を問わない。好ましくは、金属が含まれた硬い材質であれば、木のような非金属材質より有利であり得る。
【0024】
ウェイト140の他の例としては、比重が大きい液体またはこの液体を取り囲む包装材までを含んでいても構わない。液体も、本発明に係るスイング練習機を持ってスイング練習をする時、その本来の流動性によってウェイトとして十分な役割を果たせることは、引き続き説明される本発明の好ましいスイング練習方法により誰にでも容易に分かるであろう。
【0025】
スイング練習機の両末端、または両末端に近い側には、ウェイトが離脱しないようにストッパ160が設けられている。ストッパ160については後に再び説明する。
以下、中空110の内部に装着されて流動または移動可能なウェイト140の作用動作について詳細に説明する。
【0026】
まず、ゴルファーが両手でスイング練習機を握ってアドレス姿勢を取る時には、上体をやや下げることになるので、スイング練習機の外面がやや下へ垂れ下がり、ウェイトは重力によってスイング練習機が最も下へ垂れ下がった部分すなわち、中央部分に位置する。スイング練習時に注意すべき点は、スイング練習機の内側曲面がゴルファーを向くように握ることがより好ましい。ゴルファーがアドレス姿勢を取る時には、概ね体の左右が均衡または対称をなしているのが通常であるので、ウェイト140も自然にスイング練習機の最も中央に位置する。
以下、すべての説明は右利きのゴルファーの場合を一例に挙げたものである。
【0027】
ゴルフの練習スイングステップは、便宜上、アドレスステップ、バックスイングステップ、ダウンスイングステップおよびフィニッシュ(finish)に分けられる。
バックスイング(back swing)ステップは、頭と足は固定し、上体はやや下げた角度を維持しながら、体の回転とともに両腕を右肩の後ろに回転しながらスイング練習機を肩の後ろに回すようになる。バックスイングが完成して一時止まる地点を、バックスイングトップ(back swing top)地点という。バックスイングトップ地点は、体形、柔軟性、年齢などによってゴルファーごとに少しずつ異なる。
【0028】
ダウンスイングステップは、バックスイングとは反対方向に動くステップである。すなわち、バックスイングトップ地点から出発して左側に回転するステップであるが、体とともに両腕がバックスイングの反対方向である左肩の後ろに回転する。ダウンスイングの途中にはアドレス地点を通過する。
【0029】
フィニッシュとは、ダウンスイングが完成して、体とともにスイング練習機を握った両腕が左肩の後ろに最後まで回転して止まった地点である。フィニッシュが完成する地点も、ゴルファーの体形、柔軟性、年齢などによって個人差がありうる。
【0030】
本発明に係るゴルフスイング練習機は、アドレス姿勢よりは、主にバックスイングトップ地点とフィニッシュ地点との間を行き来する時にその効果をさらにより極大化して感じることができる。以下、本発明に係るスイング練習機でゴルファーの練習を極大化できる方法を説明する。
【0031】
図3を参照すれば、バックスイング動作中、ゴルファーが適当な加速度でスイング練習機を右側に回転して振り回すと、ウェイト140は、その重量によってスイング練習機の内部の左側に位置するようになる。この時、ゴルファーが適当な加速度およびリズムを維持すれば、ウェイトがまだゴルファーのスイング速度に追い付けられなくなるので、中空の内部で動いてスイング練習機の左側末端のストッパに当たったままバックスイング動作を引き続き進行させることができる。ゴルファーがバックスイングトップ地点でスイングを止めると、ウェイトは、回転慣性によってスイング練習機の左側末端のストッパから離脱してスイング練習機の右側に動き始める。この時、ゴルファーが最も好ましいスイングリズムおよび加速度を発揮していたならば、ウェイトはやがて右側ストッパに当たることができるが、ゴルファーは当たった瞬間の音および衝撃によって右接触に気が付くようになる。
【0032】
図4を参照すれば、ダウンスイングの時も、本発明に係るスイング練習機は、同様のメカニズムで作動する。ダウンスイング中、ゴルファーが適当な加速度でスイング練習機を左側に回転して振り回すと、バックスイングトップの瞬間に右側ストッパに当たっていたウェイトは、まだ重力によってストッパから離れる間もなくダウンスイング中ずっと、右側ストッパに密着したまま引きつられてくる。すなわち、ウェイトには、重力による力よりも、加速度による力がより大きく作用する。ゴルファーがフィニッシュ地点でスイングを止めると、ボディ部の動きも止まる。この時から、ウェイトは、回転慣性によってボディ部の内部で動きを始める。この時も、ゴルファーが最も好ましいスイングリズムと加速度を発揮していたならば、ウェイトはスイング練習機の右側末端のストッパから離脱して左側ストッパに当たる。ゴルファーは、当たった瞬間の音および衝撃によってこれに気が付くようになる。
【0033】
このように、本発明に係るスイング練習機は、ゴルファーが毎スイング練習中、最適な加速度およびリズムをもってスイングすれば、ウェイトが両側ストッパに当たることができるように設計されているが、ゴルファーのスイング運動が不十分なために最適に及ぶことができなければ、ウェイトが両末端のストッパに当たらないこともありうることはいうまでもない。
【0034】
本発明に係るスイング練習機は、ゴルファーが振り回すスイング速度およびリズムによってウェイトに物理的な力が加えられ、ウェイトはゴルファーのスイング練習によってローリング(rolling)、スライディング(sliding)または流動(flowing)をしてボディ部に形成された中空の内部で移動する。
【0035】
本発明に係るスイング練習機は、図示しないが、様々な部分に分離されるか、折り畳みまたは折れ曲がりの形に分節可能にすることによって、ゴルフバッグへの保管が容易になる。
【0036】
本発明に係るスイング練習機は、体積が小さくなるようにボディ部の一部がボディ部の他の一部内に押されて収納されるが、具体的には、ボディ部の一部の直径を他の一部の直径より小さくして、小さい直径のボディ部の一部が大きい直径のボディ部の一部内に押されて収納される。また、具体的には、ボディ部の一部に長手方向の長い凹溝やスリットを掘り、そこを利用してボディ部の残りの一部が押されて収納されてもよい。
【0037】
本発明に係るスイング練習機のボディ部には、スイング練習中の密着または離脱防止のために、取っ手部120を追加的に設けることができる。取っ手部の形態は、
図5に示されるように、指が載置できるように凹溝をボディ部に形成したもの、網状柄で微細な縞模様を形成したもの、粗い仕上げをしたものなど、手で握った時、密着または離脱防止できるものであれば、いかなる形態で作られたものであるか、付加的に装着されたものでも構わない。
【0038】
本発明に係るスイング練習機のボディ部の両末端には、ウェイトが離脱できないようにストッパ160が設けられる。ストッパは、多様な形態で実現できるが、例えば、ボディ部の両末端、または両末端に近い部位の中空を構造物やくぎ、ねじなどで単純に塞ぐものであってもよい。いずれの形態であれ、ウェイト140がスイング練習機から離脱するのを防止することができ、ウェイトがストッパに当たった時、弱い衝撃、または音がして、ゴルファーにとって認知できるようにすればよい。
【0039】
また、
図6に示されるように、本発明に係るスイング練習機のボディ部には、光源150を追加的に付着させると、ゴルファーがスイング練習をする間、光源から照射された光がゴルファーの動作に従って動いて底から反射するので、ゴルファーがまともなスイング軌跡を形成するかを自ら目視で確認することができる。このような光源による反射軌跡や残像は、ゴルファーが正確でありがらも一定のスイング軌道を形成するかを点検しながら練習できるようにすることに役立つ。
図6の下部分は、理想的な軌跡(中央実線部分)とゴルファーがスイング練習の途中に描く軌跡(点線部分)とを分かりやすく示したものである。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義する本発明の基本概念に基づいてさらに多様な実施例で実現可能であり、これらの実施例も本発明の権利範囲に属する。
【国際調査報告】