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特表2023-503131微小パラメータの非接触式測定をするためのトイレ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】微小パラメータの非接触式測定をするためのトイレ装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 22/00 20060101AFI20230119BHJP
   G01N 33/493 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G01F22/00
G01N33/493 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022529828
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(85)【翻訳文提出日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 EP2020083486
(87)【国際公開番号】W WO2021105272
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】102019132005.4
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ベルクロ
(71)【出願人】
【識別番号】520162020
【氏名又は名称】メディペー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プロコップ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】バンディ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】モルシンチク,マルセル
(72)【発明者】
【氏名】ハーン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウィレムズ,フランク
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA15
2G045AA36
2G045CB03
2G045FA33
2G045GC08
2G045GC17
(57)【要約】
本発明は、排尿パラメータを測定するためのトイレ装置に関し、トイレ装置は、尿を受け入れるためのハウジング開口部を有するハウジングと、排尿パラメータの時間依存性の非接触式測定のための静電容量センサとを備える。本発明はまた、トイレ装置における排尿パラメータの非接触式測定のための方法に関し、前記方法は、より具体的には、本発明に係るトイレ装置を使用して実施される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排尿パラメータを測定するためのトイレ装置(1)であって、
-尿を受け入れるためのハウジング開口部(10)を有するハウジング(2)と、
-排尿パラメータの時間依存性の測定のための静電容量センサ(4)と、
を備え、
前記静電容量センサ(4)は、静電容量式近接センサである、トイレ装置。
【請求項2】
前記トイレ装置(1)は、トイレ、小便器、ビデ、椅子型便器、和式トイレ、およびおまるを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のトイレ装置(1)。
【請求項3】
前記測定された排尿パラメータは、尿の流量、排尿量、排尿持続時間、排尿頻度、排尿速度、膀胱圧、骨盤底圧、尿道幅、および間欠的な排尿または滴下などの排尿特性を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載のトイレ装置(1)。
【請求項4】
前記静電容量センサ(4)は、以下の位置、すなわち
-ハウジングの内壁と、
-ハウジングの外壁と、
-ハウジングの壁の内側と、
-ハウジング開口部(10)と
における位置のうちの1つ以上で前記トイレ装置(1)に据え付けられ、
前記ハウジングの外壁への取り付けが好ましいことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のトイレ装置(1)。
【請求項5】
前記静電容量センサ(4)は、以下の特性、すなわち、
-センサの厚さが1nmから20mmの間、
-センサは、下側キャリア層と、電極およびリードを備える中間層と、前記センサを前記ハウジングまたは前記ハウジング開口部に接続するための上側据え付け層とを備え、前記キャリア層および前記据え付け層は、好ましくは電気絶縁材料からなる、
-前記センサは、プラスチックまたは固体ゲルなどの絶縁支持マトリックスに据え付けられ、前記支持マトリックスの前記表面は、少なくとも部分的に接着剤層を有する、
-前記センサは、好ましくは金属製押しボタン、接着接続部、ケーブルおよびコネクタのプラグ部分を含む群から選択される、電子的または電気的接続のための接続手段を備える、
-前記センサは、有線または無線データ伝送のためのデータ伝送モジュールを備える、
-前記センサは箔として設計されている、
-前記センサは、前記ハウジング上に直接蒸着されるか、または前記ハウジング材料内に焼き付けられる、
-前記センサは、例えばゴムまたはポリイミド箔などの可撓性プラスチックで作られた電気絶縁層上に積層された薄い金属箔で作られた電極を含む、
という特徴のうちの1つ以上を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項6】
複数の静電容量センサ(4)が、排尿の2次元または3次元測定を可能にするように前記トイレ装置(1)に据え付けられ、この場合、好ましくは、2Dアレイまたは3Dアレイとして前記ハウジングの中または上に配置されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項7】
前記静電容量センサ(4)は、前記ハウジング(2)に、固定された、条件付きで取り外し可能な、または可逆的に取り外し可能な方法で接続され、可逆的に取り外し可能な接続が好ましく、可逆的に取り外し可能な接続は、吸引カップ、接着接続、接着剤を含まない接着接続、磁気接続、ベルクロ締結具、ジッパー締結具、ねじ接続、クランプ接続、プラグ接続、スナップ接続、およびベルト接続を含む群から選択されることが特に好ましいことを特徴とする、請求項1から6のいずれかの一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項8】
前記静電容量センサ(4)は、前記トイレ装置の前記使用者の前記位置特定ならびにそれらの時間的および空間的変動に関する情報など、前記ハウジング(2)の外部に存在するパラメータの前記測定を可能にすることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項9】
温度センサ(12)および/または加速度センサをさらに備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項10】
前記温度センサ(12)は、尿の温度の非接触式測定用に設定され、好ましくは、以下の特性、すなわち、
-前記温度センサ(12)は、排尿中に前記尿の温度の測定を可能にするように構成される、
-前記温度センサ(12)は、前記ハウジングの内部の前記表面温度およびその経時変化の測定を可能にするように適合されている、
-前記温度センサ(12)は赤外線センサである、
-前記温度センサ(12)は1D、2D、または3Dセンサである
という特性のうちの1つまたは複数を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項11】
ハウジング開口部(10)を有するハウジング(2)と静電容量式近接センサ(4)とを備えるトイレ装置(1)において排尿パラメータを測定するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
a)前記静電容量式近接センサ(4)による排尿中の排尿パラメータの非接触式測定と、
b)前記トイレ装置に組み込まれた追加の温度センサ(12)による排尿中の前記尿の温度の任意選択的な測定と、
c)前記トイレ装置に追加的に組み込まれた加速度センサを介した排尿中の前記使用者の動きデータ、振動、および構造物伝播音の任意選択的な測定と、
d)ステップa)からc)で収集された測定データの評価ユニット(6)への有線または無線での送信と、
e)前記評価ユニットにおける前記測定データの評価
を含む、方法。
【請求項12】
前記方法は、請求項1から10のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)を用いて実行されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記評価ユニット(6)における前記測定データの前記評価は、モデルベースで、または較正曲線を介して実行され、前記モデルベースの評価は、好ましくは、数学的、物理的、生理学的、または医学的モデルに基づき、またはパターン認識アルゴリズムを介して、実行されることを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記トイレ装置(1)はトイレ洗浄をさらに有し、その特性、例えば、洗浄水量および/または洗浄水持続時間および/または洗浄水温度が前記評価のための基準値として使用されることを特徴とする請求項11から13に記載の方法。
【請求項15】
トイレ装置(1)における排尿パラメータを測定するための静電容量式近接センサ(4)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排尿パラメータを測定するためのトイレ装置に関し、トイレ装置は、尿を受け入れるためのハウジング開口部を有するハウジングと、排尿パラメータの時間依存性の非接触式測定のための静電容量センサとを備える。本発明はまた、特に本発明に係るトイレ装置を使用して実施される、トイレ装置における排尿パラメータの非接触式測定のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
排尿(urination、bladder emptying、またはmicturition)とも呼ばれる尿の排泄は、いくつかの理由で身体にとって生理学的に非常に重要である。まず、身体の水分バランスがこの方法で調整される。さらに、代謝中に蓄積し、もはや身体に必要とされていない物質が尿と共に排泄される。これは、食物または薬物と共に摂取された毒性の物質も含む。尿検査は、腎臓および泌尿器系の疾患の徴候を明らかにすることができるが、糖尿病または肝疾患などの代謝の疾患も検出することができる。実際の尿の内容分析に加えて、流れている尿のパラメータの分析も行うことができる。この目的のために、尿流量測定が使用される。尿流量測定は、排尿中の流れている尿を測定する診断手順である。それは、膀胱排出障害を客観的に判定するために使用され、泌尿器科における基本的な検査の1つである。時間間隔当たりの流れている尿量(例えば、ml/s単位)を測定することにより、通過した尿の量を時間に対してプロットした流動曲線が作成される。この流動曲線は、特定の疾患での典型的な経過を示す。ここでの欠点は、この測定が管理下のクリニックまたは診療所で行われなければならず、このために特別な検査用装置が必要とされることである。さらに、検査者の膀胱が十分に満たされていることが、適切に行われる測定に対する前提条件である。対象は、強い圧迫感を感じるまで排尿(膀胱を空にすること)を待たなければならない。尿流量測定の結果は、尿の量が150mlを超える場合にのみ意味がある。さらに、特に腎疾患の場合、器官の機能効率をチェックするために、規定の期間(好ましくは24時間)にわたる尿の収集が必要な場合がある。送達される尿量は、移植の状況で頻繁にチェックされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
排尿パラメータを測定するための改善された方法およびトイレ装置を提供することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この課題は、独立請求項1の特徴を有するトイレ装置によって解決される。トイレ装置のさらなる有利な実施形態は、従属請求項2から10に由来する。さらなる実施形態では、この課題は、請求項11の特徴を有する排尿パラメータを測定する方法によって解決される。本方法のさらなる有利な実施形態は、従属請求項12から14によって得られる。
【0005】
第1の態様では、本発明は、排尿パラメータを測定するためのトイレ装置を提供し、前記トイレ装置は、尿を受け入れるためのハウジング開口部を有するハウジングと、排尿パラメータの時間依存性測定のための静電容量センサとを備え、静電容量センサは静電容量式近接センサである。
【0006】
本発明に係る方法は、従来技術から知られている方法に対するいくつかの決定的な利点を組み合わせる。
【0007】
静電容量式近接センサを用いた非接触での測定に起因して、センサは尿または糞便によって汚染されない。したがって、時間と費用がかかるセンサの洗浄は必要ないが、センサは外部からの介入なしに動作する準備が常にできている。
【0008】
これは、自動的なデジタル式の排尿パラメータの測定が、今や初めて家庭環境で実行できるようになったということを意味する。検査者または患者が、最初に診療所またはクリニックに行く必要があるわけではなく、測定値を、簡単かつ自分にとって邪魔にならない方法で、自身の日常生活に統合することができる。
【0009】
また、非接触式測定は、分析結果が改ざんされるリスクを低減する。さらに、静電容量センサは、既存のトイレ設備に対して、またはそれにおいて、簡単な方法で後付けすることができ、したがって、既存のトイレ設備に後付けすることができる。
【0010】
さらに、本発明に係る測定装置は、すべてのハウジング支持のトイレ装置と組み合わせることができ、したがって、最も多様なタイプのトイレに対して広く使用することができる。
【0011】
その最も単純な(すなわち遮蔽されていない)変形形態では、静電容量センサは、空間から独立した測定を可能にし、したがって、ハウジング内部の排尿パラメータを測定することに加えて、トイレ使用者が接近することや着席することなどの、トイレ装置外部の過程を検出することもできる。
【0012】
ここで提案された装置の単純化は、装置のより高い信頼性をもたらすだけでなく、構成要素の関連する低減、ならびに装置の極めて効率的な動作に起因して装置の重量も低減する。さらに、それらはほぼ遅れることなく、即時に測定することを可能にする。
【0013】
本発明の意味において、「トイレ装置」という用語は、身体の排泄物(特に糞便および尿)を受けるための任意の衛生用装置を包含する。
【0014】
本発明によれば、「ハウジング」という用語は、尿を受け入れることができるトイレ装置の構成要素としての容器を意味すると理解される。容器は、好ましくは水密(したがって、尿密)の容器の壁を有し、これは、ハウジングが、例えばトイレ使用者のための座部または座部ベースとして機能することができるように、特に好ましくは剛性および硬質の壁として設計される。ハウジングは、排泄物の廃棄または洗浄流体の供給などのために、尿収集用に設けられたハウジング開口部に加えて、他の開口部を有することができる。
【0015】
本発明によれば、「ハウジング開口部」という用語は、尿が受け入れられるトイレ装置のハウジングの開口部として定義される。本発明によれば、この用語は、開口部自体だけでなく、開口部の縁部の少なくとも一部に据え付けまたは配置され、したがって開口部の一部を形成する手段も包含する。したがって、リムに載置される構造としての便座はまた、ハウジング開口部という用語に包含される。本発明によれば、静電容量センサは、液体の接近に対して接触することなく、すなわち直接接触することなく反応する静電容量式近接センサ、すなわち電気センサである。それは、環境または基準の電極に対する測定電極の変化する電気容量を利用する。本発明によれば、静電容量センサは、静電容量変化が、尿または誘電体などの導電性材料を静電容量センサの直近に導入することによって引き起こされるように設定される。本発明によれば、「直近の環境」は、20cm未満、好ましくは10cm未満、さらに好ましくは5cm未満の距離にある環境を意味する。これは、一方では、2つの電極が電気コンデンサの「プレート」を形成し、これらの電極/プレートが互いに対してそれらの間隔および配向で固定されている静電容量センサによって達成することができ、これはまた、恒久的にあてはまる。電極の互いに対する固定された位置決めは、導電性材料または誘電体のいずれかが電極の直近に来ることにするため、静電容量を変化させる。したがって、本発明に係る静電容量センサでは、例えば可変コンデンサのようにプレートを互いに対して移動させることによる有効プレート面積の変化による静電容量の変化はなく、プレートが測定される効果によって移動または変形されることによる静電容量のいずれの変化もなく、プレートの間隔、したがって電気的に測定可能な静電容量が変化する。本発明に係る静電容量センサとは対照的に、後者の測定原理は、静電容量センサを測定対象物と接触させることを必要とする。さらに、センサは1つの電極のみを有してもよく、この活性電極と接地電位との間の静電容量が測定される。そのようなセンサは、周波数決定的静電容量が、検出される媒体または環境によって部分的に形成される発振器と、共に機能する。プローブ静電容量の電界が尿などの導電体の影響を受ける場合、静電容量の変化は、電極の面積における実効誘電率の変化に起因する。達成可能なスイッチング距離は通常60~80mmである。静電容量式近接センサは、通常、感度または切り替えの閾値を使用条件に適合させるための較正設備(ポテンショメータ)を有する。本発明に係る静電容量式近接センサのための別の回路概念は、3つの電極で機能する。接地電極および測定電極に加えて、追加の励起電極が使用される。この原理の利点は、より高次のスイッチング距離でのより高い感度、および干渉に対するより低い感度である。また、非常に低い誘電率を有する媒体またはセンサからより遠い距離にある媒体を検出することも可能である。
【0016】
したがって、本発明によれば、「静電容量センサ」という用語は、「静電容量式近接センサ」という用語と同義である。
【0017】
本発明に係るトイレ装置は、すべての物理的パラメータ、すなわち排尿に直接的または間接的に関連するすべてのパラメータを測定するために使用することができる。好ましくは、測定された排尿パラメータは、尿の流量、排尿量、排尿持続時間、排尿頻度、排尿速度、膀胱圧、骨盤底圧、尿道幅、および間欠的排尿または滴下などの排尿特性を含む群から選択される。
【0018】
静電容量センサは、排尿パラメータの非接触式測定を可能にするので、トイレ装置内またはトイレ装置上の多数の異なる位置に配置することができる。好ましくは、静電容量センサは、トイレ装置内の以下の位置のうちの1つ以上に据え付けられる。
-ハウジング内壁
-ハウジングの外壁
-ハウジングの壁の内側
-ハウジング開口部
ここで、静電容量センサは、ハウジングの外壁に据え付けられることが特に好ましい。一般的な着座式トイレに基づいて、これは便器の外側へ取り付けることを意味する。
【0019】
別の実施形態では、静電容量センサは、ハウジングの内壁に取り付けられる。この位置決めは、流れている尿に近接しているため、特に高感度の測定を可能にする。この実施形態では、静電容量センサが、水を通さず、尿に耐性のある保護層で覆われていると有利である。そのような保護層は、好都合にも疎水性表面を有する。これは、好ましくもロータス効果を有する表面である。その結果、尿のしずくがセンサおよび非湿潤センサから離れ、正確な測定を可能にし続ける。このような疎水性またはロータス効果のある表面は、静電容量センサを無水トイレおよび小便器での使用に特に適したものにする。
【0020】
別の実施形態では、静電容量センサは、ハウジングの外壁に据え付けられる。この位置決めにより、センサが排泄物と接触しないことが保証される。外側の位置決めはまた、センサの容易な取り付け(例えば、一般的なトイレ設備への改造の一部として)、メンテナンス、修理、取り外し、または交換を可能にする。
【0021】
別の実施形態では、静電容量センサは、ハウジングの壁の内側に据え付けられる。この位置決めはまた、流れている尿からの距離が短いことを特徴とし、したがって高感度の測定にも適している。加えて、そのために、静電容量センサは、ハウジングの壁内に封入または配置されることによって損傷または汚染から最適に保護される。これにより、トイレ装置の滑らかな表面(通常はセラミックからなる)は無傷のままであり、その結果、トイレ装置は依然として容易かつ十分に洗浄することができる。
【0022】
本発明によれば、ハウジングの壁の内側のアタッチメントはまた、このハウジングの壁が二重壁ハウジングの壁の2つの壁のうちの1つを構成する限り、ハウジングの壁の内側へのアタッチメントを含む。好ましくは、静電容量センサは、トイレの内部に面するハウジングの壁の内側に据え付けられる。衛生セラミックセクタには、二重壁のボウルを備えた多数の小便器またはトイレがある。
【0023】
あるいは、センサは、ハウジングの製造中に壁に組み込まれて、壁の材料によって完全に囲まれるようにすることができる。これは、例えば、プラスチック材料で作られたハウジングの場合、製造中にプラスチックのハウジングの中に鋳造することによって、行うことができる。
【0024】
静電容量センサは、1nmから20mmの間のセンサの厚さを有することが好都合である。静電容量センサは、ハウジングの湾曲に柔軟に適合させることができ、折り畳みまたはねじれなしにハウジングに取り付けることができるように、非常に薄い厚さで設計することができる。この場合のセンサの厚さは、好ましくは1nm~20mm、特に好ましくは50nm~10mm、特に好ましくは200nm~3mmである。
【0025】
さらなる実施形態では、静電容量センサは、下側キャリア層と、電極およびリードを備える中間層と、センサをハウジングまたはハウジング開口部に接続するための上側据え付け層とを備え、キャリア層および据え付け層は、好ましくは電気絶縁材料からなる。
【0026】
静電容量センサは、プラスチックまたは固体ゲルなどの絶縁キャリアマトリックスに埋め込まれてもよい。ここで、キャリアマトリックスの表面は、ハウジングへの取り付けを可能にする接着層を少なくとも部分的に有することが好ましい。
【0027】
静電容量センサは、好都合にも、センサを追加の電子部品または電気部品に電子的および/または電気的に接続するための接続手段を備える。接続手段は、好ましくは、金属製押しボタン、ケーブル、接着接続部、およびコネクタのプラグ部分を含む群から選択される。
【0028】
静電容量センサは、有線または無線データ伝送のためのデータ伝送モジュールを備えることが好都合である。このようにして、測定データ、すなわち排尿に関するパラメータを、記憶装置および/または評価ユニットに送信することができる。
【0029】
一実施形態では、静電容量センサは箔として設計され、複雑なハウジングの形状であっても簡単でしわのない取り付けを可能にする。
【0030】
本発明のさらなる実施形態では、センサは、ハウジングに直接蒸着されるか、またはハウジングの材料に焼き付けられ、したがってハウジングの壁の一体部分を形成する。
【0031】
本発明によれば、静電容量センサが、電気絶縁層に積層された薄い金属箔の電極を備えることも、もたらすことができる。そのような絶縁層は、好ましくはゴムもしくは別のエラストマーまたは熱可塑性材料からなる。化学物質への耐性が高く、耐熱性が高く、絶縁性が良好なポリイミドフィルムを用いることが特に好ましい。DuPontのKAPTONなど、多数のポリイミドフィルムが市場で知られている。
【0032】
さらに小さな変化をより良好に検出することを可能にするために、本発明に係る静電容量センサにおいて、実際の測定電極が、測定電極から電界の不均一なエッジ領域を遮蔽する遮蔽電極によって囲まれている場合に有利である。これにより、測定電極と通常接地された対向電極との間に、理想的なプレートコンデンサの既知の特性を有するほぼ平行な電界が生じる。
【0033】
さらなる実施形態では、静電容量センサは、ハウジングの排尿パラメータの干渉のない測定をサポートするシールドを有する。
【0034】
一実施形態では、これは、センサの外側、すなわちハウジングとは反対側のトイレ装置の側面に取り付けられた物理的バリアとして形成されたシールドであってもよい。
【0035】
このシールドは、好ましくは電子シールドである。この目的のために、遮蔽電極が好都合に使用される。
【0036】
一実施形態では、遮蔽電極は、測定電極と平行に据え付けられ、別個のラインによって制御される。
【0037】
遮蔽電極は、外部干渉信号からの保護として機能するが、測定精度、時間分解能、感度、選択性および測定方向を改善するために使用することもできる。
【0038】
一実施形態によれば、遮蔽電極の制御信号は、「アース」(接地電位)への直接接続のみとすることができ、または代替の実施形態によれば、例えば、測定電極の反転制御信号または交流信号などの適応電圧信号を受信することもできる。
【0039】
遮蔽電極の他の制御方法も考えられ、意図される用途に依存する。必要に応じて、追加の増幅回路が必要である。本発明のさらなる実施形態では、トイレ装置は、複数の静電容量センサが排尿の2次元または3次元測定を可能にするように、トイレ装置に配置されることを特徴とする。ここで、2Dアレイまたは3Dアレイとしてハウジング内またはハウジング上に配置することが好ましい。
【0040】
本発明によれば、静電容量センサは、ハウジングに固定的に、条件付きで解放可能に、または可逆的に解放可能に接続されてもよい。ここで、センサを容易に交換または別のトイレ装置に移すことができる限り、可逆的に解放可能な接続が好ましい。センサをハウジングに接続するために、当業者には多数の接続が利用可能である。以下の、接着接続、接着剤を含まない接着接続、磁気接続、ベルクロ締め具、ジッパー、ねじ接続、クランプ接続、プラグ接続、スナップ接続、およびベルト接続が、ここで例として挙げられる。ここでは、接着接続または接着剤を含まない接着接続が好ましい。
【0041】
本発明のさらなる実施形態では、トイレ装置は、静電容量センサが、トイレ装置のユーザの位置特定に関する情報および/またはユーザの位置特定の時間的および空間的変動など、トイレ装置のハウジングの外側に存在するパラメータの測定を可能にすることを特徴とする。
【0042】
本発明の好ましい実施形態では、トイレ装置は、測定データを記憶および/または評価するための記憶および/または評価ユニット(6)を備えることを特徴とする。
【0043】
本発明の一実施形態では、トイレ装置は、温度センサおよび/または加速度センサをさらに備えてもよい。この目的のために、温度センサは尿の温度の非接触式測定を可能にすることが好ましい。加速度センサは、排尿中のユーザの動きのデータ、振動、および構造物伝播音という非接触式測定を可能にすることがさらに好ましい。
【0044】
尿の温度は、直接的または間接的に、例えば、ハウジング内の流れている尿または尿の膜の測定によって、またはスプラッシュ状の尿、スプレー状の尿、または直接的な尿周囲の気温を測定することによって測定することができる。
【0045】
間接的な尿の温度を測定する場合、尿は通常、トイレ装置のハウジングと接触すると冷却され、それに応じてハウジングが温まった後、数秒後にのみ有用な尿の温度を記録することができるので、測定の時間依存性評価を行うことが好ましい。
【0046】
さらに、尿の温度の測定中、ハウジングの壁(またはその一部)の温度、または気温などのさらなる温度データが記録され、尿の温度の評価に使用されることが好ましい。
【0047】
この状況では、通常はより冷たい周囲空気のために身体から出てくる尿が冷え、流れている尿の長さに応じて冷却が増大するので、本発明によると、身体から出て温度測定点に至る、流れている尿の長さを記録することも意図されている。トイレ装置によって作成された排尿行動のためのユーザプロファイルも、この目的のために使用することができる。
【0048】
好ましい実施形態では、非接触式測定用の温度センサは赤外線センサとして設計される。この目的のために、それは赤外線源を有し、赤外線源は、トイレ設備のハウジング内の1つ以上の領域を照射し、したがってそれにより目標温度Tzielまで加熱する。排尿に起因するこの/これらの領域の温度の変化は、温度センサによって検出される。
【0049】
温度センサは、好ましくは、トイレ装置のハウジング内部またはハウジング開口部に取り付けられる。
【0050】
好ましい実施形態では、温度センサおよび/または加速度センサは排尿パラメータの非接触式測定を可能にするので、それらはトイレ装置内またはトイレ装置上のすべての可能な位置に配置することができる。好ましくは、温度センサおよび/または加速度センサは、トイレ装置内の以下の位置のうちの1つ以上に据え付けられる。
-ハウジング内壁
-ハウジングの外壁
-ハウジングの壁の内側
-ハウジング開口部
【0051】
ここで、温度センサおよび/または加速度センサは、ハウジングの外壁に据え付けられることが特に好ましい。一般的な着座式トイレに基づいて、これは便器の外側へ取り付けることを意味する。
【0052】
代替の実施形態では、温度センサおよび/または加速度センサは、ハウジングの内壁に据え付けられる。この位置決めは、流れている尿に近接しているため、特に高感度の測定を可能にする。この実施形態では、センサは、水不透過性で尿に耐性のある保護層で覆われるべきである。そのような保護層は、好都合にも疎水性表面を有する。これは、好ましくもロータス効果を有する表面である。このようにすると、尿のしずくがセンサおよび非湿潤センサから離れ、正確な測定を可能にし続ける。このような疎水性表面またはロータス効果を有する表面は、温度センサおよび/または加速度センサを無水トイレおよび小便器で使用するのに特に適したものにする。
【0053】
さらなる実施形態では、温度センサおよび/または加速度センサは、ハウジングの内壁に据え付けられる。この位置決めによりセンサが排泄物と接触しないことが保証される。外側の位置決めはまた、センサの容易な取り付け(例えば、一般的なトイレの設備への改造の一部として)、メンテナンス、修理、取り外し、または交換を可能にする。
【0054】
別の実施形態では、温度センサおよび/または加速度センサは、ハウジングの壁の内側に据え付けられる。この位置決めはまた、流れている尿から短距離であることを特徴とし、したがって高感度の測定にも適している。さらに、温度センサおよび/または加速度センサは、ハウジングの壁に封入または挿入されることによって、損傷または汚染から最適に保護される。これにより、トイレ装置の滑らかな表面(通常はセラミックからなる)が維持され、それにより、トイレは依然として容易かつ十分に洗浄され得る。
【0055】
本発明によれば、ハウジングの壁の内側のアタッチメントはまた、このハウジングの壁が二重壁ハウジングの壁の2つの壁のうちの1つを構成する限り、ハウジングの壁の内側へのアタッチメントを含む。好ましくは、温度センサおよび/または加速度センサは、トイレの内部に面するハウジングの壁の内側に取り付けられる。衛生セラミックセクタには、二重壁の器を備えた多数の小便器またはトイレがある。
【0056】
あるいは、温度センサおよび/または加速度センサは、ハウジングの製造中に壁に組み込まれて、壁の材料によって完全に囲まれるようにすることができる。これは、例えば、プラスチック材料で作られたハウジングの場合、製造中にプラスチックのハウジングの中に鋳造することによって、行うことができる。
【0057】
好都合には、温度センサおよび/または加速度センサは、1nmから20mmの間のセンサの厚さを有する。静電容量センサは、ハウジングの湾曲に柔軟に適合させることができ、しわまたは座屈することなくハウジングに取り付けることができるように、非常に薄い厚さで設計することができる。この場合のセンサの厚さは、好ましくは50nm~10mm、特に好ましくは200nm~3mmである。
【0058】
さらなる実施形態では、温度センサおよび/または加速度センサは、下側キャリア層と、測定電子機器およびリードを有する中間層と、温度センサおよび/または加速度センサをハウジングまたはハウジング開口部に接続するための上側据え付け層とを備え、キャリア層および据え付け層は、好ましくは電気絶縁材料からなる。
【0059】
温度センサおよび/または加速度センサは、プラスチックまたは固体ゲルなどの絶縁キャリアマトリックスに埋め込むことができる。ここで、キャリアマトリックスの表面は、ハウジングへの取り付けを可能にする接着層を、少なくとも部分的に有することが好ましい。
【0060】
温度センサおよび/または加速度センサは、センサを追加の電子部品または電気部品に電子的または電気的に接続するための接続手段を備えることが好都合である。接続手段は、ここでは、好ましくは、金属製押しボタン、接着接続部、ケーブル、およびコネクタのプラグ部分を含む群から選択される。
【0061】
温度センサおよび/または加速度センサは、有線または無線データ伝送のためのデータ伝送モジュールを備えることが好都合である。したがって、取得された測定データは、排尿に関するパラメータとして記憶および/または評価ユニットに送信することができる。
【0062】
本明細書で特許請求されるセンサのさらなるデータは、累積的にまたは代替的に、例えば装置のハウジングおよび/または装置のガイド部に配置することができる評価ユニットに送信することができる。
【0063】
さらに、センサおよび/または評価ユニットからのデータを累積的または代替的に外部分析ユニットに送信することが可能である。これは、例えば、スマートフォンなどで実行されるデータ処理および/または分析アプリケーションであり得る。
【0064】
ここで、分析される尿に応じてセンサの少なくともいくつかをオフまたはオンに切り替えることができ、それによって装置をよりエネルギー的に効率的に動作させることができることが考えられる。
【0065】
その場で得られたデータまたは情報は、さらなる評価または記憶のために、データキャリアなどの外部デバイスに送信することもできることが理解される。
【0066】
一実施形態では、温度センサおよび/または加速度センサは、箔として設計され、これは複雑なハウジング形状であっても、簡単で同一平面の表面の据え付け、すなわちしわまたは気泡がない据え付けを可能にする。
【0067】
本発明のさらなる実施形態では、温度センサおよび/または加速度センサは、ハウジングに直接蒸着されるか、またはハウジングの材料に焼き付けられ、そのようにしてハウジングの壁の一体部分を形成する。
【0068】
本発明のさらなる実施形態では、トイレ装置は、複数の温度センサおよび/または加速度センサが、温度および/または加速度の二次元または三次元の測定を可能にするように、トイレ装置内に配置されることを特徴とする。ここで、2Dアレイまたは3Dアレイとしてハウジング内またはハウジング上に配置することが好ましい。
【0069】
本発明によると、温度センサおよび/または加速度センサは、ハウジングに固定的に、条件付きで取り外し可能に、または可逆的に取り外し可能に接続することができる。ここで、温度センサおよび/または加速度センサを容易に交換または他のトイレ装置に移すことができる限りにおいて、可逆的に着脱可能な接続が好ましい。センサをハウジングに接続するために、当業者には多数の接続が利用可能である。接着接続、接着剤を含まない接着接続、磁気接続、ベルクロ締め具、ジッパー、ねじ接続、クランプ接続、プラグ接続、スナップ接続、およびベルト接続が、ここで例として挙げられる。ここでは、接着接続または接着剤を含まない接着接続が好ましい。
【0070】
本発明のさらなる実施形態では、トイレ装置は、好ましくは尿の温度の非接触式測定のために配置される温度センサが、さらに好ましくは以下の特性のうちの1つ以上を有することを特徴とする。
-温度センサは、排尿中の流れの温度の測定を可能にするように構成される。
-温度センサは、ハウジングの内部の表面温度およびその経時変化の測定を可能にするように構成される。
-温度センサは、赤外線センサである。
-温度センサは、1D、2Dまたは3Dセンサである。
【0071】
第2の態様において、本発明は、トイレ装置において排尿パラメータを測定するための方法を提供し、トイレ装置は、ハウジング開口部を有するハウジングと、静電容量式近接センサとを備え、方法は、
a)静電容量式近接センサによる排尿中の排尿パラメータの非接触式測定、
b)トイレ装置に追加的に組み込まれた温度センサによる排尿中の尿の温度の任意選択的な測定、
c)トイレ装置に追加的に設置された加速度センサを介した排尿中の使用者の動きのデータ、振動、および構造物伝播音の任意選択的な測定、
d)ステップa)~c)で収集された測定データの評価ユニットへの有線または無線での送信、および
e)評価ユニットにおける測定データの評価
を含む。
【0072】
本発明の好ましい実施形態では、上述の手順は、本発明に係るトイレ装置を用いて実行される。
【0073】
本発明に係る方法のさらなる実施形態では、評価ユニットでの測定データの評価は、モデルに基づいて、または較正曲線を介して実行される。モデルベースの評価は、好ましくは、数学的、物理的、生理学的または医学的モデルに基づき、またはパターン認識アルゴリズムを使用して、実行される。
【0074】
本発明の一実施形態では、トイレシステムは、トイレ洗浄をさらに有し、その特性、例えば、洗浄水量および/または洗浄水持続時間および/または洗浄水の温度などが評価のための基準値として使用される。
【0075】
第3の態様では、本発明は、トイレ装置における排尿パラメータを測定するための静電容量センサの使用に関する。好ましくは、この態様では、センサは、本発明に係るトイレ装置における排尿パラメータを測定するために使用される。また好ましくは、この使用において、排尿パラメータの測定は、上記の本発明に係る方法に従って行われる。
【0076】
上記または特許請求の範囲に記載された解決策の特徴は、対応する累積的な方法で達成可能な利点および効果を実施することを可能にするために、必要に応じて組み合わせることもできることが理解される。
【0077】
この点で、本特許出願の文脈において、「特に」という表現は常に、任意選択の好ましい特徴を示すものとして理解されるべきであることを言及すべきである。表現は、「実際に」として理解されるべきではなく、また「すなわち」として理解されるべきでもない。
【0078】
さらに、本特許出願の文脈において、不定冠詞および「1つ...」、「2つ...」などの不定の数字は、一般に、特定の節の文脈または特定の文などから、「ちょうど1つ...」、「ちょうど2つ...」などのみが意図されていると明らかでない限り、最小値、すなわち「少なくとも1つ...」、「少なくとも2つ...」などを示すものとして理解されるべきであることに留意されたい。
【0079】
さらに、本発明のさらなる特徴、効果および利点は、添付の図面および以下の明細書を参照して説明され、排泄物のその場での分析のための装置が例により図示および説明される。
【0080】
個々の図においてそれらの機能に関して少なくとも実質的に対応する構成要素は、ここでは同じ参照符号でマークすることができ、構成要素はすべての図において番号付けされ説明される必要はない。
【0081】
ここで、示されている図は、主要な構造および主要な動作モードを示す表現であると言うべきである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】静電容量センサの2Dアレイを有する、本発明の実施形態による部分的に示されたトイレ装置の第1の斜視図を概略的に示す。
図2】静電容量センサのカバーが外側に据え付けられた、本発明の第2の実施形態による部分的に描かれたトイレ装置の斜視図を概略的に示す。
図3】温度センサを有する本発明のさらなる実施形態による部分的に描かれたトイレ装置の概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1は、便器2および便座3を有するトイレ装置1を示す。静電容量センサ4は、ほぼ正方形の配置の5×5個のセンサの2Dアレイとして便器の外壁に接着され、それぞれケーブル5によって評価およびデータ送信ユニット付き電源6と共に接続される。
【0084】
図2は、便器2および便座3を有する図1によるトイレ装置1を示す。評価およびデータ送信ユニット付き電源6に接続された静電容量センサ4は、ここではカバー7によって完全に防水されている。
【0085】
図3は、便器2およびその開口部10を有するトイレ装置1を示す。便器11の縁部に載置される便座3(ここでは図示せず)を折り畳むことによって、クランプ装置として設計された保持装置14によって便器の壁に締結される温度センサ12が完全に見えるようになる。温度センサ12は、赤外線センサを含むヘッド13を有し、赤外線センサは、測定点15に向けられ、そこで温度を測定することを可能にする。
【0086】
この点で、説明された特徴、効果、および利点を対応する累積的な方法で実施または達成することを可能にするために、必要に応じて、上記または特許請求の範囲および/または図に記載された解決策の特徴を組み合わせることもできることを明確に指摘しておくべきである。
【0087】
上で説明した例示的な実施形態は、本発明に係る装置の第1の実施形態にすぎないことが理解される。したがって、本発明の実施形態は、この実施形態に限定されない。
【0088】
出願書類に開示されたすべての特徴は、それらが先行技術と比較して、個別にまたは互いに組み合わせて新規である限り、本発明に不可欠であると主張される。
【符号の説明】
【0089】
1 トイレ装置
2 ハウジング(便器)
3 便座
4 静電容量式近接センサ
5 ケーブル
6 評価およびデータ送信ユニット付き電源
7 センサカバー
10 ハウジング開口部
11 収容縁(便器の縁)
12 温度センサ
13 温度センサのヘッド
14 温度センサ保持装置
15 温度測定点
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排尿パラメータを測定するためのトイレ装置(1)であって、
-尿を受け入れるためのハウジング開口部(10)を有するハウジング(2)と、
-排尿パラメータの時間依存性の測定のための静電容量センサ(4)と、
を備え、
前記静電容量センサ(4)は、液体の接近に対して接触することなく反応する静電容量式近接センサであり、
前記トイレ装置(1)は、トイレ、小便器、ビデ、椅子型便器、和式トイレ、およびおまるを含む群から選択されることを特徴とする、トイレ装置。
【請求項2】
前記測定された排尿パラメータは、尿の流量、排尿量、排尿持続時間、排尿頻度、排尿速度、膀胱圧、骨盤底圧、尿道幅、および間欠的な排尿または滴下などの排尿特性を含む群から選択されることを特徴とする、請求項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項3】
前記静電容量センサ(4)は、以下の位置、すなわち
-ハウジングの内壁と、
-ハウジングの外壁と、
-ハウジングの壁の内側と、
-ハウジング開口部(10)と
における位置のうちの1つ以上で前記トイレ装置(1)に据え付けられ、
前記ハウジングの外壁への取り付けが好ましいことを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載のトイレ装置(1)。
【請求項4】
前記静電容量センサ(4)は、以下の特性、すなわち、
-センサの厚さが1nmから20mmの間、
-センサは、下側キャリア層と、電極およびリードを備える中間層と、前記センサを前記ハウジングまたは前記ハウジング開口部に接続するための上側据え付け層とを備え、前記キャリア層および前記据え付け層は、好ましくは電気絶縁材料からなる、
-前記センサは、プラスチックまたは固体ゲルなどの絶縁支持マトリックスに据え付けられ、前記支持マトリックスの前記表面は、少なくとも部分的に接着剤層を有する、
-前記センサは、好ましくは金属製押しボタン、接着接続部、ケーブルおよびコネクタのプラグ部分を含む群から選択される、電子的または電気的接続のための接続手段を備える、
-前記センサは、有線または無線データ伝送のためのデータ伝送モジュールを備える、
-前記センサは箔として設計されている、
-前記センサは、前記ハウジング上に直接蒸着されるか、または前記ハウジング材料内に焼き付けられる、
-前記センサは、例えばゴムまたはポリイミド箔などの可撓性プラスチックで作られた電気絶縁層上に積層された薄い金属箔で作られた電極を含む、
という特徴のうちの1つ以上を有することを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項5】
複数の静電容量センサ(4)が、排尿の2次元または3次元測定を可能にするように前記トイレ装置(1)に据え付けられ、この場合、好ましくは、2Dアレイまたは3Dアレイとして前記ハウジングの中または上に配置されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項6】
前記静電容量センサ(4)は、前記ハウジング(2)に、固定された、条件付きで取り外し可能な、または可逆的に取り外し可能な方法で接続され、可逆的に取り外し可能な接続が好ましく、可逆的に取り外し可能な接続は、吸引カップ、接着接続、接着剤を含まない接着接続、磁気接続、ベルクロ締結具、ジッパー締結具、ねじ接続、クランプ接続、プラグ接続、スナップ接続、およびベルト接続を含む群から選択されることが特に好ましいことを特徴とする、請求項1からのいずれかの一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項7】
前記静電容量センサ(4)は、前記トイレ装置の前記使用者の前記位置特定ならびにそれらの時間的および空間的変動に関する情報など、前記ハウジング(2)の外部に存在するパラメータの前記測定を可能にすることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項8】
温度センサ(12)および/または加速度センサをさらに備えることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項9】
前記温度センサ(12)は、尿の温度の非接触式測定用に設定され、好ましくは、以下の特性、すなわち、
-前記温度センサ(12)は、排尿中に前記尿の温度の測定を可能にするように構成される、
-前記温度センサ(12)は、前記ハウジングの内部の前記表面温度およびその経時変化の測定を可能にするように適合されている、
-前記温度センサ(12)は赤外線センサである、
-前記温度センサ(12)は1D、2D、または3Dセンサである
という特性のうちの1つまたは複数を有することを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項10】
ハウジング開口部(10)を有するハウジング(2)と静電容量式近接センサ(4)とを備えるトイレ装置(1)において排尿パラメータを測定するための方法であって、以下のステップ、すなわち、
a)前記静電容量式近接センサ(4)による排尿中の排尿パラメータの非接触式測定と、
b)前記トイレ装置に組み込まれた追加の温度センサ(12)による排尿中の前記尿の温度の任意選択的な測定と、
c)前記トイレ装置に追加的に組み込まれた加速度センサを介した排尿中の前記使用者の動きデータ、振動、および構造物伝播音の任意選択的な測定と、
d)ステップa)からc)で収集された測定データの評価ユニット(6)への有線または無線での送信と、
e)前記評価ユニットにおける前記測定データの評価
を含む、方法。
【請求項11】
前記方法は、請求項1から10のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)を用いて実行されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記評価ユニット(6)における前記測定データの前記評価は、モデルベースで、または較正曲線を介して実行され、前記モデルベースの評価は、好ましくは、数学的、物理的、生理学的、または医学的モデルに基づき、またはパターン認識アルゴリズムを介して、実行されることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記トイレ装置(1)はトイレ洗浄をさらに有し、その特性、例えば、洗浄水量および/または洗浄水持続時間および/または洗浄水温度が前記評価のための基準値として使用されることを特徴とする請求項10から12に記載の方法。
【請求項14】
トイレ装置(1)における排尿パラメータを測定するための静電容量式近接センサ(4)の使用。
【国際調査報告】