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特表2023-503139レーザー光を均質化する装置及び当該種類の複数の装置のアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】レーザー光を均質化する装置及び当該種類の複数の装置のアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/09 20060101AFI20230119BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20230119BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G02B27/09
B23K26/064 Z
G02B3/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530202
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(85)【翻訳文提出日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2021054444
(87)【国際公開番号】W WO2021239278
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】102020114077.0
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520335587
【氏名又は名称】リモ ディスプレイ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カリス ヘニング
(72)【発明者】
【氏名】セック フローリアン
(72)【発明者】
【氏名】イワネンコ ミハイル
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168DA38
4E168EA13
(57)【要約】
本発明は、レーザー光(2.1~2.m)均質化する装置(1.1~1.m)に関し、当該装置は、第1の方向において互いに隣接して配置された複数のマイクロレンズ(30.1~30.n)を有する第1のマイクロレンズアレイ(3)と、第1の方向において互いに隣接して配置された複数のマイクロレンズ(40.1~40.n)を含む第2のマイクロレンズアレイ(4)とを含み、第2のマイクロレンズアレイ(4)は第1のマイクロレンズアレイ(3)からレーザー光(2.1~2.m)のビーム伝搬方向において間隔を空けて配置されていて、第2のマイクロレンズアレイ(4)のレンズ頂点の平面(41)は第1のマイクロレンズアレイ(3)のレンズ頂点が構成する面(31)に対して角度|α|だけ傾いていて、マイクロレンズアレイ(3、4)は、第1の方向において互いに隣接して配置されたマイクロレンズ(30.1~30.n、40.1~40.n)の焦点距離が第1のマイクロレンズ(30.1、40.1)から第nのマイクロレンズ(30n、40n)まで変化するように形成されていて、光学くさび(5)がビーム伝搬方向において第2のマイクロレンズアレイ(4)の後方に配置され、マイクロレンズアレイ(3、4)のマイクロレンズ(30.1~30.n、40.1~40.n)の焦点距離が、装置(1.1~1.m)の焦点面(6)が第2のマイクロレンズアレイ(4)と光学くさび(5)の間の空隙(7)に位置するように選択されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光(2.1~2.m)均質化する装置(1.1~1.m)であって、
第1の方向に並置された複数のマイクロレンズ(30.1~30.n)を有する第1のマイクロレンズアレイ(3)と、
前記第1の方向に並置された複数のマイクロレンズ(40.1~40.n)を含む第2のマイクロレンズアレイ(4)とを含み、前記第2のマイクロレンズアレイ(4)が前記第1のマイクロレンズアレイ(3)から前記レーザー光(2.1~2.m)のビーム伝搬方向に配置されていて、前記第2のマイクロレンズアレイ(4)のレンズ頂点の平面(41)が前記第1のマイクロレンズアレイ(3)のレンズ頂点が構成する面(31)に対して角度|α|だけ傾いていて、前記マイクロレンズアレイ(3、4)が、前記第1の方向に並置されたマイクロレンズ(30.1~30.n、40.1~40.n)の焦点距離が第1のマイクロレンズ(30.1、40.1)から第nのマイクロレンズ(30n、40n)まで変化するように形成されていて、光学くさび(5)がビーム伝搬方向において前記第2のマイクロレンズアレイ(4)の後方に配置され、前記マイクロレンズアレイ(3、4)の前記マイクロレンズ(30.1~30.n、40.1~40.n)の焦点距離が、前記装置(1.1~1.m)の焦点面(6)が前記第2のマイクロレンズアレイ(4)と前記光学くさび(5)の間の空隙(7)に位置するように選択されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記マイクロレンズアレイ(3、4)が、前記第1の方向に並置された前記マイクロレンズ(30.1~30.n、40.1~40.n)の焦点距離が前記第1のマイクロレンズ(30.1、40.1)から第nのマイクロレンズ(30n、40n)まで連続的に増大するように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1.1~1.m)。
【請求項3】
前記第1のマイクロレンズアレイ(3)の前記マイクロレンズ(30.1~30.n)の個数が、前記第2のマイクロレンズアレイ(4)の前記マイクロレンズ、40.1~40.n)の個数に一致するため、前記第2のマイクロレンズアレイ(4)の前記マイクロレンズ、40.1~40.n)の各々が第1のマイクロレンズアレイ(3)のマイクロレンズ(30.1~30.n)に関連付けられていることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロレンズ(30.1~30.n、40.1~40.n)が、円筒レンズであって円筒軸が各々前記第1の方向に垂直且つ前記レーザー光(2.1~2.m)のビーム伝搬方向を規定する第3の方向に垂直な第2の方向に向けられた円筒レンズとして形成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置(1.1~1.m)。
【請求項5】
前記光学くさび(5)が、前記第2のマイクロレンズアレイ(4)のレンズ頂点が構成する面(41に平行に設けられた光入射面(50)を有していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(1.1~1.m)。
【請求項6】
前記第1のマイクロレンズアレイ(3)の第iのマイクロレンズ(30.i)の焦点距離f (i)が次式で与えられ、
【数1】
ここにdはガラス厚さ、nは前記第2のマイクロレンズアレイ(4)のガラス基板の屈折率、f(i)は前記第2のマイクロレンズアレイ(4)の第iのマイクロレンズ(40.i)の焦点距離、dは前記第2のマイクロレンズアレイ(4)と前記光学くさび(5)の間の距離を示し、i=1...nであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置(1.1~1.m)。
【請求項7】
前記第1のマイクロレンズアレイ(3)の前記マイクロレンズ(30.1~30.n)と第2のマイクロレンズアレイ(4)のマイクロレンズ(40.1~40.n)の間の距離d12(i+1)に対して次式が成立し、
【数2】
ここにp(i)は第iのマイクロレンズ(40,i)と第i+1のマイクロレンズ(40.i+1)との中心間距離、f(i)は前記第2のマイクロレンズアレイ(4)の前記第iのマイクロレンズ(40,i)の焦点距離、βは前記第2のマイクロレンズアレイ(4)の開口数を示し、i=1...n-1であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置(1.1~1.m)。
【請求項8】
前記傾斜角αが、次式が成り立つように選択され、
【数3】
ここにβは開口数、nは前記第2のマイクロレンズアレイ(4)の屈折率を示すことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置(1.1~1.m)。
【請求項9】
前記光学くさび(5)が前記第2の方向に伸長する軸に対して並進移動可能及び/又は回転可能に設計されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置(1.1~1.m)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のレーザー光(2.1~2.m)を均質化する複数の装置(1.1~1.m)の配置(103)であって、前記装置(1.1~1.m)が前記第1の方向において互いに隣接して配置され、前記装置(1.1~1.m)が、前記第2のマイクロレンズアレイ(4)のレンズ頂点が構成する面(41)が前記第1のマイクロレンズアレイ(3)のレンズ頂点が構成する面(31)に対して角度+α及び角度-αだけ交互に傾いた状態で形成されていることを特徴とする配置。
【請求項11】
偶数個の装置(1.1~1.m)が並置されていることを特徴とする、請求項10に記載の配置(103)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー光を均質化する装置に関し、当該装置は、第1の方向に並置された複数のマイクロレンズを有する第1のマイクロレンズアレイと、第1の方向に並置された複数のマイクロレンズを有する第2のマイクロレンズアレイを含み、第2のマイクロレンズアレイは、レーザー光のビーム伝搬方向において第1のマイクロレンズアレイから間隔を空けて配置されていて、第2のマイクロレンズアレイのレンズ頂点が構成する面は第1のマイクロレンズアレイのレンズ頂点が構成する面に対して角度|α|だけ傾き、マイクロレンズアレイは、第1の方向に並置されたマイクロレンズの焦点距離が、第1のマイクロレンズから第nのマイクロレンズまで変化するように形成されている。本発明は更に、レーザー光を均質化するこのような複数の装置の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開2008/043491A1から、レーザー光を均質化するモノリシック構造の装置が知られている。当該装置は2個の間隔を空けたマイクロレンズアレイを有し、第2のマイクロレンズアレイのレンズ頂点が構成する面は第1のマイクロレンズアレイのレンズ頂点が構成する面に対して角度αだけ傾いている。2個のマイクロレンズアレイのマイクロレンズは各々、直径及び焦点距離により順序付けられている。2個のマイクロレンズアレイの各々に割り当てられた全てのマイクロレンズ同士の距離のうち最短距離にある第1のマイクロレンズアレイの第1のマイクロレンズ及び第2のマイクロレンズアレイの第1のマイクロレンズを起点として、直径及び焦点距離は各々、マイクロレンズが並置された第1の方向に増大する。これは第1のマイクロレンズアレイの最後のマイクロレンズ及び第2のマイクロレンズアレイの最後のマイクロレンズが最大の直径又は焦点距離を有し、且つ互いの距離が最大であることを意味する。
レーザー光を均質化する当該装置の短所は、第1のマイクロレンズアレイのマイクロレンズの焦点が、第2のマイクロレンズアレイのマイクロレンズの表面、又は第2のマイクロレンズアレイのガラス基板に位置することである。これは、レーザー光源の動作パラメータに依存して、特に強度、第2のマイクロレンズアレイの照度及びビーム発散角に依存して、レーザー光のエネルギー密度が突発的に生じて、第2のマイクロレンズアレイのマイクロレンズのコーティングの破壊閾値又は第2のマイクロレンズアレイのガラス基板の破壊閾値に達し得るという事実につながる。これは、高エネルギーのレーザー照射を例えば材料加工、特にシリコンの結晶化に用いたような場合に、第2のマイクロレンズアレイの不可逆的破壊につながる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/043491号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
更に、レーザー光の均質化の従来技術による装置には、典型的にガウシアンである照射の種類に依存して、第2のマイクロレンズアレイのレンズ頂点が構成する面の傾斜角αが増大するにつれて、物理的スキャン効果が生じるという問題がある。この結果、作業面内で生じる線形強度分布に沿って強度プロファイルの不要な、基本的に線形の増大又は減少が生じる。このような巨視的な不均質性によりワークピースが不均質に加工されてしまうが、これはいかなるコストが生じようとも避けるべきである。
更に、国際公開2008/043491A1から知られるレーザー光を均質化する装置のモノリシック構造では、後段での調整、特に作業面内の線長を微調整するための距離調整を行うことができない。
【0005】
本発明は、冒頭で述べた種類のレーザー光均質化装置及び複数のこのような装置の配置を提供することを目的とし、レーザー装置での動作中に、光学部品内外でのエネルギー密度を低下させ、微視的及び巨視的な不均質性を各々効果的に減らすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題の解決策が、請求項1を特徴付ける部分の特徴を有する冒頭で述べた種類のレーザー光均質化装置により提供される。本配置に関して、この課題は、請求項10の特徴を有する配置により解決される。従属請求項は本発明の更なる有利な一実施形態に関する。
【0007】
レーザー光を均質化する本発明の装置は、光学くさびがビーム伝搬方向において第2のマイクロレンズアレイの後方に配置されていること、及び装置の焦点面が第2のマイクロレンズアレイと光学くさびの間の空隙にあるようにマイクロレンズアレイのマイクロレンズの焦点距離が選択されていることを特徴とする。本発明による非モノリシックレーザー光均質化装置の第1及び第2のマイクロレンズアレイは曲率半径、直径、及び焦点距離を各々有し、これらが第1の方向に変化することにより干渉誘導微細不均質性を効果的に抑制できる。装置の焦点面が第2のマイクロレンズアレイの後方、且つレーザー光のビーム伝搬方向で光学くさびの前方の空隙に位置しているため、本明細書に示すレーザー光均質化装置もまた、極めて高いレーザー出力、特に極めて高いパルスエネルギーを発生させる用途に適している。この理由は、装置の光学部品への、特に第2のマイクロレンズアレイのガラス基板又は第2のマイクロレンズアレイのコーティングへの高エネルギー入力が効果的に防止できるためである。焦点面が第2のマイクロレンズアレイと光学くさびの間の空隙内に位置しているため、光学くさびへの過剰なエネルギー入力も効果的に防止できる。更に、装置の非モノリシック設計に起因して、第1のマイクロレンズアレイ及び第2のマイクロレンズアレイは2個の物理的に別個の要素である。これにより、互いのマイクロレンズアレイの偏心誤差を補償し、且つマイクロレンズアレイ間の距離を変えることが有利に可能になる。距離を変えることにより、作業面で結果的に生じる線長をある程度変えることができる。
【0008】
有利な一実施形態において、マイクロレンズアレイは、第1の方向において互いに隣接して配置されたマイクロレンズの焦点距離が、第1のマイクロレンズから第nのマイクロレンズまで連続的に増大するように設計されている。このような実施形態は特に、マイクロレンズアレイの製造を簡素化可能にする。
【0009】
好適な一実施形態において、第2のマイクロレンズアレイのマイクロレンズの各々が第1のマイクロレンズアレイの1個のマイクロレンズに関連付けられるように、第1のマイクロレンズアレイのマイクロレンズの個数が第2のマイクロレンズアレイのマイクロレンズの個数に一致することを提案する。このことから、装置の動作中、第1のマイクロレンズアレイの第iのマイクロレンズ(i=1...n)を通過したレーザー光の部分ビームの少なくとも大部分が第2のマイクロレンズアレイの第iのマイクロレンズ(i=1...n)を通過し、この場所でマイクロレンズの割り当てがなされることになる。
特に好適な一実施形態において、マイクロレンズを、円筒レンズであって円筒軸が各々第1の方向に垂直且つレーザー光のビーム伝搬方向を規定する第3の方向に垂直な第2の方向に向けられた円筒レンズとして形成することを提案する。円筒レンズの円筒軸は従って、特に互いに平行に設けられている。例えば、非円筒マイクロレンズ(例えば第2のマイクロレンズアレイの場合)又は球面マイクロレンズを用いてもよく、これにより全体的な光学設計の複雑度が、特に球面設計の場合、更に増大し得る。従って円筒レンズを使用する方が実際の用途では有利である。
【0010】
好適な一実施形態において、光学くさびが、第2のマイクロレンズアレイのレンズ頂点が構成する面に平行に設けられた光入射面を有するものとしてよい。その結果、光学くさびの光入射面もまた、第1のマイクロレンズアレイのレンズ頂点が構成する面に対して角度|α|だけ傾いている。これは、第2のマイクロレンズアレイにより生じる角度ずれが光学くさびにより補償され、結果的に平行ずれだけが生じることにつながる。
第2のマイクロレンズアレイと第2のマイクロレンズアレイの後方で距離dに配置された光学くさびの間の空隙内の明確に画定された共通の焦点面は特に、第1のマイクロレンズアレイのマイクロレンズの曲率半径又は焦点距離を調整することにより実現できる。好適には、第1のマイクロレンズアレイの第iのマイクロレンズの焦点距離f (i)は次式で与えられる。
【数1】
ここにdはガラス厚さ、nは第2のマイクロレンズアレイのガラス基板の屈折率、f(i)は第2のマイクロレンズアレイの第iのマイクロレンズの焦点距離、dは第2のマイクロレンズアレイと光学くさびの間の距離を示し、i=1...nである。上式において、第1のマイクロレンズアレイのn個マイクロレンズ全ての全焦点距離を第2のマイクロレンズアレイのn個のマイクロレンズの全ての光学特性に基づいて極めて容易に計算することができる。分母は典型的に負号を有するため、第1のマイクロレンズアレイの全てのマイクロレンズの焦点距離f (i)は正号を有し、これらのマイクロレンズは従って凸形状である。好適には次式が成り立つ。
【数2】
【0011】
好適な一実施形態において、第1のマイクロレンズアレイのマイクロレンズと第2のマイクロレンズアレイのマイクロレンズの間の距離d12 (i+1)は次式で与えられる。
【数3】
ここにp(i)は第iのマイクロレンズと第(i+1)のマイクロレンズとの中心間距離、f(i)は第2のマイクロレンズアレイの第iのマイクロレンズの焦点距離、βは第2のマイクロレンズアレイの開口数を示し、i=1...n-1である。距離d12 (i+1)は典型的にマイクロメートル又はミリメートの範囲にあり、従って再帰式により定義され、特に第2のマイクロレンズアレイのマイクロレンズの光学特性(焦点及び開口数)及び幾何学的特性(中心間距離)に依存する。
有利な一実施形態において、傾斜角αを次式が成り立つように選択することを提案する。
【数4】
ここにβは開口数、nは第2のマイクロレンズアレイの屈折率を示す。好適には、撮像誤差がより大きい角度で生じ得るため、追加的な処置により適切に補償すべきであり、|α|は<15°でなければならない。
有利な一実施形態において、光学くさびが第2の方向に伸長する軸に対して並進移動可能及び/又は回転可能に設計することができる。このように、光学くさびは、動的な調整、特に回転及び/又は並進により、例えばここで示すレーザー光を均質化する少なくとも1個の装置を有するレーザー装置によるワークピースの加工中にレーザー光の光路長を微調整することを可能にする。これは特に、加工対象のワークピースの結果的に得られる表面品質に即時に影響する可能性をもたらす。
【0012】
ここで注意すべきことは、対応するマイクロミラーアレイをマイクロレンズアレイの代わりに屈折光学くさびと組み合わせて用いることもできる点である。このケースにおいて、曲率頂点に平行な入射レーザー光でマイクロミラーアレイを叩くことにより非点収差を減らすことが特に有利である。
【0013】
本発明による配置は、請求項1~9のいずれか1項に記載のレーザー光を均質化する複数の装置を含み、当該装置は第1の方向において互いに隣接して配置され、互いに隣接する装置は、第2のマイクロレンズアレイのレンズ頂点が構成する面が第1のマイクロレンズアレイのレンズ頂点が構成する面に対して角度+α及び角度-αだけ交互に傾いた状態で形成されている。
好適な一実施形態において、偶数個の装置を並置することを提案する。レーザー光の均質化をこのように実行すべく装置を偶数個配置することで、作業面に線形強度分布を生成可能なレーザー装置において、異符号で同じ傾斜を有する作業面にレーザー光の偶数個の線形強度プロファイルの重ね合わせにつながる。このように、線形の巨視的な不均質性もまた特に有利な仕方で補償することができるため、結果的に得られる作業面での強度プロファイルが再び均質化される。
【0014】
巨視的な不均質性の相殺は代替的に、固定された一連の装置がほぼ均質に照射されている場合、スキャニング効果は殆ど寄与しないため、レーザー光の事前均質化によっても実現できる。次いで、例えば、1個の装置だけ、又は奇数個の装置を用いてレーザー光を均質化することができる。
【0015】
更に、巨視的な不均質性の消滅はまた、例えばレーザー光の(特にワイブル分布に対応する)ガウシアンビームプロファイルの非対称な適合により実現できる可能性がある。この目的のため、ビームプロファイルの非対称性を、傾斜角を伴うマイクロレンズアレイのマイクロレンズの幅変調に適合させなければならない。
【0016】
本発明の更なる特徴及び利点が添付の図面と合わせて好適な実施形態の以下の記述から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】作業面に線形強度分布を生成可能なレーザー装置の極めて簡略化された模式図である。
図2】レーザー光を均質化する第1の構成の2個の装置の配置の上面図である。
図3】レーザー光を均質化する第2の構成の2個の装置の配置の上面図である。
図4図2、3によるレーザー光を均質化する2個の装置のうち第1の装置の上面図である。
図5】2個の間隔を空けたマイクロレンズ及び1個の光学くさびを貫通するレーザー光の2個の部分ビームの光路を示す詳細図である。
図6】レーザー光を均質化するm>2個の装置の配置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
明快さのため、各図に直交座標系を描いている。各ケースにおいてy軸は紙面に垂直に伸長している。
レーザー光2.1~2.mの均質化装置1.1~1.m及びそれから形成された、m≧2個の装置1.1~1.mの配置103を以下により詳細に記述する前に、配置103を備えたレーザー装置100により作業面105にレーザー光2.1~2.mの線形強度分布を生成可能ないくつかの基本原理について最初に図1を参照しながら以下に説明する。
図1に、対応するレーザー装置100を極めて簡素化された形式で模式的に示すが、例えばレーザー装置100の個々のレーザービーム又は光学部品の詳細、特に光学部品の光学機能表面の特定の形状についても明示的に示していない。
典型的に、レーザー装置100は、複数のレーザーモジュール101.1、101.2、...、101.m又はレーザーエミッタを備えたレーザー光源101を有し、動作中にこれらのレーザーモジュール101.1、101.2、...101.m又はレーザーエミッタにより発せられたレーザー光2.1~2.mは好適には、同様であるが必ずしも同一でないビームプロファイルを有している。レーザー光源101のレーザーモジュール101.1、101.2、...、101.m又はレーザーエミッタは動作中に、少なくとも区間内で線形強度分布を角度空間に生成すべく設計されたビーム成形用の複数の光学手段を含むビーム変換装置102を照射する。このようなビーム変換装置102は、従来技術において全く異なる実施形態で知られており、従ってここでは詳しく説明しない。
上述のビーム成形後に、レーザー光2.1~2.mは、以下により詳細に説明するレーザー光2.1~2.mを均質化するm≧2個の装置1.1~1.mの配置103、次いでレーザー光2.1~2.mのビーム伝搬方向に配置された少なくとも1個のフーリエ装置を通過する。このフーリエレンズ104は、レーザー光2.1~2.mの線形強度分布を、ビーム伝搬方向においてフーリエレンズ104の後方に配置されていて加工されるワークピースが置かれた作業面105内の空間に生成する目的を果たす。ここでの特別な特徴は、レーザー光2.1~2.mを均質化する好適には偶数m≧2個の装置1.1~1.mの配置103を用いて、レーザー光2.1~2.mの個々の線を重ね合わせることにより線形強度分布を作業面105に生成できるようにレーザー光2.1~2.mの個々の線の線長及び側面形状を調整することができる。レーザー光2.1~2.mの線形強度分布は、レーザー光2.1~2.mの個々の線を互いに重ね合わせることにより生成することができる。レーザー光2.1~2mの合成線分から結果的に作業面105に均質な線形強度分布が得られる。
以下、図2~5を参照しながら、レーザー光2.1、1.2を均質化する2個の装置1.1、2.2の配置103の更なる詳細事項についてより詳細に説明する。この関連において、図2、3に、レーザー光2.1、2.2を均質化する2個の装置1.1、1.2の配置103を形成する2個の異なる構成を示す。
【0019】
一般に、配置103は好適には、このような偶数m≧2個の装置1.1~1.mを有していてよい。図2、3に見られるように、にx方向に並置された2個の装置1.1、1.2は、各々の間を伸長するy-z平面に関して対称な鏡として各々構成されている。本明細書に示す2個の構成は、装置1.1、1.2の位置が交換されている点で互いに異なる。
【0020】
2個の装置1.1、1.2の各々は、第1の方向(x方向)において並置されていて、互いにほぼ平行に設けられた円筒軸を有する円筒レンズとして形成されたn個のマイクロレンズ30.1~30.nを有する第1のマイクロレンズアレイ3を有している。更に、2個の装置1.1、1.2の各々は、レーザー光2.1、2.2のビーム伝搬方向(z方向)において第1のマイクロレンズアレイ3から離れて配置されていて、同じく第1の方向(x方向)において互いに隣接して配置されていて、シリンダ軸が互いにほぼ平行に設けられた円筒レンズとして形成されたn個のマイクロレンズ40.1~40.nを含む第2のマイクロレンズアレイ4を有している。マイクロレンズ30.1~30.n、40.1~40.nのシリンダレンズとして設計された円筒軸は各々、第1の方向(x方向)に垂直且つ第3の方向(z方向)に垂直でレーザー光2.1、2.2のビーム伝搬方向を規定する第2の方向(y方向)に伸長する。
【0021】
第1のマイクロレンズアレイ3のマイクロレンズ30.1~30.nの個数nは、第2のマイクロレンズアレイ4のマイクロレンズ40.1~40.nの個数nに一致する。換言すれば、第2のマイクロレンズアレイ4の各マイクロレンズ40.1~40.nは、第1のマイクロレンズアレイ3に関連付けられたマイクロレンズ30.1~30.nに対応するため、装置1.1、1.2の動作中、第1のマイクロレンズアレイ3の第iのマイクロレンズ30.i(i=1...n)を通過したレーザー光2.1、2.2の部分ビーム20、21の少なくとも大部分が、第2のマイクロレンズアレイ4の第iのマイクロレンズ40.i(i=1...n)を通過する。この状況を図5に詳細に示す。図示を簡素化すべく、マイクロレンズ30.1~30.n、40.1~40.nのうちn=7個を有するマイクロレンズアレイ3、4を実施形態の説明用に選択している。この個数が例示的に過ぎないことが理解される。
例えば、代替的な実施形態において、円筒又は球面マイクロレンズ30.1~30.n、40.1~40.nを用いてもよく、これにより特に球面設計の場合、全体的な光学的較正の複雑度が更に増大する。
【0022】
更に、レーザー光2.1、2.2を均質化する2個の装置1.1、1.2は各々、第2のマイクロレンズアレイ4から間隔を空けて配置されているためレーザー光2.1、2.2のビーム伝搬方向において第2のマイクロレンズアレイ4の後方に配置されている光学くさび5を有している。
【0023】
特に図2、3に見られるように、第2のマイクロレンズアレイ4のレンズ頂点が構成する面41は、本明細書に示す両方の構成の各ケースにおいて第1のマイクロレンズアレイ3のレンズ頂点が構成する面31に対して角度|α|だけ傾いているため、第1のマイクロレンズアレイ3のマイクロレンズ30.1~30.nの、これに対応する第2のマイクロレンズアレイ4のマイクロレンズ40.1~40.nからの距離は変化する。これにより、第1の装置1.1において、第2のマイクロレンズアレイ4のレンズ頂点が構成する面41は両方の構成において第1のマイクロレンズアレイ3のレンズ頂点が構成する面31に対して角度+αだけ傾いていて、第2の装置1.2において、第2のマイクロレンズアレイ4のレンズ頂点が構成する面41は第1のマイクロレンズアレイ3のレンズ頂点が構成する面31に対して角度-αだけ反対側に傾いている。
【0024】
レーザー光2.1、2.2を均質化する2個の装置1.1、1.のマイクロレンズアレイ3、4は、装置1.1、1.2が各々、第2のマイクロレンズアレイ4と光学くさび5の間の空隙7に焦点面6を有するように設計されている。この目的のため、本明細書に示す実施形態の複数の例におけるマイクロレンズアレイ3、4は、マイクロレンズ30.1~30.n、40.1~40.nの焦点距離又は直径が、第1の方向(x方向)に見て、第1のマイクロレンズ30.1、40.1から第nのマイクロレンズ30n、40nまで連続的に増大するように形成されている。一般に、マイクロレンズアレイ3、4は、第1の方向(x方向)に見て、マイクロレンズ30.1~30.n、40.1~40.nの焦点距離又は直径が、第1のマイクロレンズ30.1、40.1から第nのマイクロレンズ30n、40nまで増大するように設計できるため、マイクロレンズ30.1~30.n、40.1~40.nの第1の方向における焦点距離又は直径が昇順又は降順である必要はないが、特に製造の観点から好適である。
【0025】
第2のマイクロレンズ4のレンズ頂点の平面41が、第1のマイクロレンズアレイ3のレンズ頂点が構成する面31に対して角度|α|だけ傾いているため、第2のマイクロレンズアレイ4の第1のマイクロレンズ40.1(最短焦点距離)からの、第1のマイクロレンズアレイ3の第1のマイクロレンズ30.1(最短焦点距離)の距離は各々、両方の装置1.1、1.2の2個のマイクロレンズアレイ3、4間の最短距離である。対照的に、第1のマイクロレンズアレイ3の第nのマイクロレンズ30.n(最長焦点距離)の、第2のマイクロレンズアレイ4の第nのマイクロレンズ40.n(最長焦点距離)からの距離は、装置1.1、1.2の2個のマイクロレンズアレイ3、4の間の最長距離である。
第2のマイクロレンズアレイ4と光学くさび5の間の空隙7内の焦点面6の位置に起因して、光学機能要素のガラス基板、特に第2のマイクロレンズアレイ4及び光学くさび5内の、及びそれらの表面のエネルギー密度を大幅に低下できることが有利に実現される。その結果、本明細書に示すレーザー光2.1、2.2を均質化する装置1.1、1.2、又はこれらから形成された配置103はまた、光学機能要素、特に装置1.1、1.2又はこれらから形成された配置10の第2のマイクロレンズアレイ4及び光学くさび5のガラス基板及び表面を損傷することなく、高出力のレーザー光2.1、2.2の均質化にも用いることができる。
【0026】
光学くさび5は、第2のマイクロレンズアレイ4のレンズ頂点が構成する面41に平行に設けられているため同様に第1のマイクロレンズアレイ3のレンズ頂点が構成する面31に対して角度|α|、すなわち第1の装置1.1の場合は角度+α、第2の装置1.2の場合は角度-αだけ傾いた光入射面50を有している。光学くさび5は、レーザー光2.1、2.2の光路長さの微調整に、従って生じ得る微細不均質性の微調整及び補償にも有利に用いることができる。この処置により、レーザー装置100による加工されるワークピースの表面品質を即時で有利に向上させることができる。光学くさび5は、この目的のためミリ秒単位で移動させることができる。本明細書に示すレーザー光2.1、2.2を均質化する装置1.1、1.2がモノリシックでないため、マイクロレンズアレイ3、4の線長の調整、及び偏心誤差の補償も特定の限度内で可能である。
【0027】
第2のマイクロレンズアレイ4と、第2のマイクロレンズアレイ4の後方に距離dに配置された光学くさび5の間の空隙7内の明確に画定された共通の焦点面6は、第1のマイクロレンズアレイ3のマイクロレンズ30.1~30.nの曲率半径又は焦点距離を調整することにより実現できる。これにより、第1のマイクロレンズアレイ3の全n個のマイクロレンズ30.1~30.nのうち第iのレンズの焦点距離f (i)は次式のように計算できる。
【数5】
【0028】
上式において、dはガラス厚さ、nは第2のマイクロレンズアレイ4のガラス基板の屈折率を示す。更に、f(i)は第2のマイクロレンズアレイ4の全n個のマイクロレンズ40.1~40.nのうち第iのレンズの焦点距離を示し、f (i)>f(i)が常に成り立つ。
【0029】
好適には次式が成り立つ。
【数6】
【0030】
上述のように、ビーム伝搬方向において第2のマイクロレンズアレイ4の後方に配置された光学くさび5は、第2のマイクロレンズアレイ4のレンズ頂点が構成する面41に平行に配置されているため同様に第1のマイクロレンズアレイ3のレンズ頂点が構成する面31に対して角度|α|だけ傾いている光入射面50を有している。このように、干渉により生じる微細不均質性を最小化すべく、レーザー光2.1、2.2の個々の部分ビームの位相差を有利に保証することができる。また、光学くさび5を用いて、第2のマイクロレンズアレイ4により生じる角度ずれを簡単に修正することができる。
【0031】
傾斜角αは、以下の基準を有利に実現する筈である。
【数7】
【0032】
ここにβは第2のマイクロレンズアレイ4の開口数を示し、これは全てのマイクロレンズ40.1~40.nで同一である。光学くさび5の最も薄い箇所での厚さは原理的に任意に選択することができる。好適には、|α|は<15°であることが望ましく、その理由は、より大きい角度では撮像誤差が生じる恐れがあり、これを追加的な処置により適当な仕方で補償しなければならないからである。
【0033】
2個のマイクロレンズアレイ3、4の距離d12 (i+1)は典型的にマイクロメートル及びミリメートル単位であり、次式が成り立つ再帰的関係により各々決定できる。
【数8】
【0034】
上式においてp(i)は第2のマイクロレンズアレイ4の第iのマイクロレンズ40.iと第(i+1)のマイクロレンズ40.i+1(i=1...n-1)の間の中心間距離を示す。
配置103は好適には本明細書に示す偶数m≧2個の装置1.1~1.mを有している。図2、3に示す配置103は例示的に、2個のそのような装置1.1、1.2を有し、これらの間を伸長するy-z平面に対して鏡面対称に形成されている。当該ケースにおいて、これは図2による第1の構成の場合、第1の装置1aの第1のマイクロレンズアレイ3の第1のマイクロレンズ30.1が、第2の装置1bの第1のマイクロレンズアレイ3の第1のマイクロレンズ30.1に隣接して配置されていることを意味する。図2に示す構成と比較して2個の装置1.1、1.2の位置が反転している図3に示す第2の構成の場合、第1の装置1aの第1のマイクロレンズアレイ3の第nのマイクロレンズ30.nが、第2の装置1bの第1のマイクロレンズアレイ3の第nのマイクロレンズ30.nに隣接して配置される結果となる。両方の構成における第2のマイクロレンズアレイ4のマイクロレンズ40.1~40.nでも同様である。
本明細書に記述する仕方で行われる配置103により、異符号で同じ傾きの作業面105内でレーザー光2.1、2.2の2個の線形強度プロファイルの重ね合わせが生じる。従って、作業面105内で結果的に生じる強度プロファイルが再び均質化されるように線形の巨視的な不均質性を補償することができる。
配置103がこのような装置1.1~1.mを偶数m>2個有している場合、これらは図6に示す仕方で並んでレーザー光2.1、2.2...、2mが通過できる隣接する装置1.1~1.mの鏡面対称性を常に維持している。これは、互いに隣接する装置1.1~1.mが、第2のマイクロレンズアレイ4のレンズ頂点が構成する面41が第1のマイクロレンズアレイ3のレンズ頂点が構成する面31に対して角度+α及び角度-αだけ交互に傾いているように形成されていることを意味する。
巨視的な不均質性の相殺は代替的に、レーザー光2.1~2.mの事前均質化により実現できる。固定された一連の装置1.1~1.mがほぼ均質に照射されている場合、スキャニング効果は殆ど寄与しないため、レーザー光2.1~2.2の事前均質化によっても実現できる。次いで、例えば、装置1.1~1.mのうち1個だけ、又は装置1.1~1.mのうち奇数個を用いてレーザー光2.1~2.mを均質化することができる。
更に、巨視的な不均質性の相殺が、例えばガウシアンビームプロファイルの非対称の調整により実現することが可能である。このために、ビームプロファイルの非対称性を、傾斜角を伴うマイクロレンズアレイ3、4のマイクロレンズ30.1~30.n、40.1~40.nの幅変調に適合させなければならない。
ワークピースの機械加工は、典型的にはレーザー光2.1~2.mを均質化するこのような装置1.1~1.m又は偶数m≧2個のこのような装置1.1~1.mのアレイ103を有するレーザー装置100により実行され、強度変動に対する感度が極めて高い(従って、干渉誘導された強度変動の抑制も有利である)。本明細書に示すレーザー光2.1~2.mを均質化する装置1.1~1.m又はこれらから形成された配置103を用いてもこれらの強度変動を完全に抑制することは不可能であるが、大幅に減衰して生じるに過ぎない。
【0035】
作業面105で機械加工されるワークピースに対するレーザー光2.1~2.mの光学特性を更に向上させるべく、機械加工処理中に光学くさび5をy軸の回りに回転させることができる。これにより、作業面105に生じるレーザー線が例えばミリ秒単位で往復移動可能なように、結果的に得られた線形強度分布に対し時間依存する角度ずれを生じさせることが可能になり、機械加工されるワークピースに周期的なパターンのコントラストを消失させる。換言すれば、これは光路長の即時操作である。更に、第2のマイクロレンズアレイ4の第1のマイクロレンズアレイ3からの距離を変化させることにより、作業面105内の線長を特定の範囲内で変化させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】