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特表2023-5031642Dペロブスカイトタンデム型光起電力装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】2Dペロブスカイトタンデム型光起電力装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 30/50 20230101AFI20230119BHJP
【FI】
H01L31/04 122
H01L31/04 112Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530727
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 US2020061512
(87)【国際公開番号】W WO2021108253
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】16/695,438
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522187568
【氏名又は名称】キュービックピーブイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アーウィン,マイケル デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ドゥエン ハン
(72)【発明者】
【氏名】ミエルクツァレク,カミル
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151AA02
5F151AA08
5F151AA09
5F151AA10
5F151AA11
5F151DA15
5F151DA18
5F151FA04
5F151FA06
(57)【要約】
光起電装置は、第1の電極と、第1の光活性材料層と、1または2以上の界面層と、一般式(C’)a(C)bMnX3n+1を有する2-Dペロブスカイト材料を含む第2の光活性材料層と、第2の電極とを有する。C’はバルキーな有機カチオンであり、Cは小さな有機カチオンまたは無機カチオンであり、Mは金属であり、Xはハロゲン化物であり、aおよびbは実数であり、nは整数である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力装置であって、
第1の電極と、
第1の光活性材料層と、
1または2以上の界面層と、
一般式が(C’)a(C)bMnX3n+1の2-Dペロブスカイト材料を含む第2の光活性材料層であって、ここでC’はバルキーな有機カチオンであり、Cは小さな有機カチオンまたは無機カチオンであり、Mは金属であり、Xはハロゲン化物であり、aおよびbは実数であり、nは整数である、第2の光活性材料層と、
第2の電極と、
を有する、光起電力装置。
【請求項2】
前記第1の光活性材料層は、前記第1の電極と前記界面層の間に配置され、
前記界面層は、前記第1の光活性材料層と前記第2の光活性材料層との間に配置され、
前記第2の光活性材料層は、前記界面層と前記第2の電極の間に配置される、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項3】
前記第1の光活性材料は、FAPbI3、FASnI3、MASnI3、CsSnI3、多結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、セレン化銅インジウムガリウム、セレン化銅インジウム、硫化銅亜鉛スズ、ヒ素化ガリウム、ゲルマニウム、リン化ゲルマニウムインジウム、リン化インジウム、硫化鉛、半導体ポリマー、ポリチオフェン、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリヘプタデカニルカルバゾール、ジチエニルベンゾチアジアゾール、PCDTBT、ポリシクロペンタジチオフェン-ベンゾチアジアゾール、PCPDTBT、ポリベンゾジチオフェニル-チエノチオフェンジイル、PTB6、PTB7、PTB7-th、PCE-10、ポリ(トリアリールアミン)化合物、PTAA、ポリフェニレンビニレン、MDMO-PPV、MEH-PPV、およびこれらの組み合わせからなる群から選定される、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項4】
C’は、ベンジルアンモニウムであり、Cは、セシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項5】
C’は、フェニルエチルアンモニウムであり、Cは、セシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項6】
C’は、n-ブチルアンモニウムであり、Cは、セシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項7】
C’は、イミノメタンジアンモニウムであり、Cは、セシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項8】
C’は、4-(アミノメチル)ピペリジンのカチオンであり、Cは、セシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項9】
前記第1の光活性材料層は、厚さが200ミクロン以下の材料を含む、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項10】
前記第1の光活性材料層は、パターン化された基板である材料を有する、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項11】
前記第1の光活性材料層は、約1.1 eVの光学バンドギャップを有する材料を含む、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項12】
前記ペロブスカイト材料は、Pb、I、N、C、およびHを含む無機金属ハロゲン化物のサブ格子の繰り返しユニットを有する、請求項1に記載のペロブスカイト材料。
【請求項13】
光学バンドギャップの値は、無機金属ハロゲン化物基板の追加の繰り返しユニットの各々とともに減少する、請求項12に記載のペロブスカイト材料。
【請求項14】
前記ペロブスカイト材料は、前記無機ハロゲン化物のサブ格子の5つ以下の繰り返しユニットを有する、請求項12に記載のペロブスカイト材料。
【請求項15】
前記第2の光活性材料層は、約1.7eV~1.9 eVの間の光学バンドギャップを有する材料を含む、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項16】
光起電力装置であって、
第1の電極と、
界面層と、
第2の電極と、
ペロブスカイト、シリコン、CdTe、CIGS、GaAs、InP、PbS、およびGeからなる群から選択される第1の光活性材料層と、
一般式(C’)a(C)bMnX3n+1を有する2-Dペロブスカイト材料を含む第2の光活性材料層と、
を有し、
ここで、C’は、バルキーな有機カチオンであり、Cは、小さな有機カチオンまたは無機カチオンであり、Mは、金属であり、Xはハロゲン化物であり、aおよびbは実数であり、nは整数であり、
前記第1の光活性材料は、前記第1の電極と前記界面層の間に配置され、
前記第2の光活性材料層は、前記界面層と前記第2の電極の間に配置される、光起電力装置。
【請求項17】
C’は、ベンジルアンモニウムであり、Cは、セシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである、請求項16に記載の光起電力装置。
【請求項18】
C’は、フェニルエチルアンモニウムであり、Cは、セシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである、請求項16に記載の光起電力装置。
【請求項19】
C’は、n-ブチルアンモニウムであり、Cは、セシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである、請求項16に記載の光起電力装置。
【請求項20】
C’は、イミノメタンジアンモニウムであり、Cは、セシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである、請求項16に記載の光起電力装置。
【請求項21】
C’は、カチオン4-(アミノメチル)ピペリジンであり、Cは、セシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである、請求項16に記載の光起電力装置。
【請求項22】
前記第1の光活性材料層は、約1.1 eVの光学バンドギャップを有する材料を含む、請求項16に記載の光起電力装置。
【請求項23】
前記第2の光活性材料層は、約1.7eVから1.9eVの間の光学バンドギャップを有する材料を含む、請求項16に記載の光起電力装置。
【請求項24】
前記第1の光活性材料層は、厚さが200ミクロン未満の材料を含む、請求項16に記載の光起電力装置。
【請求項25】
前記第1の光活性材料層は、パターン化された基板である材料を含む、請求項16に記載の光起電力装置。
【請求項26】
前記第1の光活性材料層は、約1.1 eVの光学バンドギャップを有する材料を含む、請求項16に記載の光起電力装置。
【請求項27】
前記ペロブスカイト材料は、Pb、I、N、C、およびHを含む無機金属ハロゲン化物のサブ格子の繰り返しユニットを有する、請求項16に記載のペロブスカイト装置。
【請求項28】
光学バンドギャップ値は、無機金属ハロゲン化物基板の追加の繰り返しユニットの各々とともに減少する、請求項27に記載のペロブスカイト材料。
【請求項29】
前記ペロブスカイト材料は、無機ハロゲン化物のサブ格子の5つ以下の繰り返しユニットを有する、請求項27に記載のペロブスカイト装置。
【請求項30】
前記第2の光活性材料層は、約1.7eVから1.9eVの間の光学バンドギャップを有する装置を含む、請求項16に記載の光起電力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2Dペロブスカイトタンデム型光起電力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽エネルギーまたは放射線から電力を生成する光起電力(PV)の使用は、例えば、電源、低放射またはゼロ放射、パワーグリッドから独立した発電、耐久性のある物理的構造(可動部品なし)、安定した信頼性の高いシステム、モジュール式構造、比較的迅速な設置、安全な製造および使用、ならびに良好な世論および使用許諾を含む、多くの利点を提供し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
PVの一部は、日光照射の際にハロゲン化物相分離を受けやすい。PVは、劣化および特性低下につながる湿気から保護することにより、より良好に機能し得る。
【0004】
本開示の特徴および利点は、当業者には容易に明らかになる。当業者には、多くの変更がなされ得るが、そのような変更は、本発明の思想の範囲内である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部の実施形態では、光起電装置は、第1の電極と、第1の光活性材料層と、1または2以上の界面層と、一般式(C’)a(C)bMnX3n+1を有する2-Dペロブスカイト材料を含む第2の光活性材料層と、第2の電極と、を有する。C’はバルキーな有機カチオンであり、Cは小さな有機カチオンまたは無機カチオンであり、Mは金属であり、Xはハロゲン化物であり、aおよびbは実数であり、nは整数である。
【0006】
ある実施形態では、光起電装置は、第1の電極と、界面層と、第2の電極と、ペロブスカイト、シリコン、CdTe、CIGS、GaAs、InPおよびGeからなる群から選択される第1の光活性材料層と、一般式(C’)a(C)bMnX3n+1を有する2-Dペロブスカイト材料を含む第2の光活性材料層と、を有し、C’はバルキーな有機カチオンであり、Cは小さな有機カチオンまたは無機カチオンであり、Mは金属であり、Xはハロゲン化物または擬ハロゲン化物であり、aおよびbは実数であり、nは整数である。第1の光活性材料は、第1の電極と界面層の間に配置される。第2の光活性材料層は、界面層と第2の電極の間に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示のある実施態様による、2端子タンデム型光起電力セルの様式化された図である。
図2】本開示のある実施形態による、3端子タンデム型光起電力セルの様式化された図である。
図3】本開示のある実施形態による、4端子タンデム型光起電力セルの様式化された図である。
図4】各種厚さの無機ハロゲン化物サブ格子を有する2Dハロゲン化物ペロブスカイトのフォトルミネセンススペクトルの図である。
図5】本開示のある実施形態によるペロブスカイト材料の無機金属ハロゲン化物サブ格子の厚さの様式化された図である。
図6】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図7】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図8】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図9】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図10】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図11】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図12】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図13】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図14】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図15】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図16】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図17】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図18】2Dペロブスカイトを形成する各種バルキーな有機分子の構造を示した図である。
図19】本開示のある実施形態による、一例の再結合層の様式化された図である。
図20】本開示のある実施形態による、2Dペロブスカイト材料/シリコンタンデム型光起電力セルの様式化された図である。
図21】本開示のある実施形態による、3つの光活性層を有する光起電力セルの様式化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
有機、無機、および/またはハイブリッドのPVと互換性のあるPV技術の各種態様における改良は、有機PVおよび他のPVの両方のコストをさらに低下させることが期待される。例えば、ペロブスカイトPV太陽電池のようなある太陽電池では、酸化ニッケル界面層のような、コスト効率が良く、安定性の高い新規な代替部材が利用できる。また、各種太陽電池は、化学添加剤および他の材料を含むことができる点で有意であり、これらの材料は、特に、現存の従来のオプションよりもコスト効果が高く、耐久性がある。
【0009】
本開示は、全般に、日射から電気エネルギーを形成する際に使用される組成物に関する。より具体的には、本開示は、光活性物質および他の物質の組成物に関する。
【0010】
本開示のある実施形態による材料の一部または全部は、任意の有機または他の電子デバイスに有意に使用されてもよく、いくつかの例には、これに限られるものではないが、電池、電界効果トランジスタ(FET)、発光ダイオード(LED)、非線形光学デバイス、メムリスタ、キャパシタ、整流器、および/または整流アンテナが含まれる。
【0011】
ペロブスカイト中の金属ハロゲン化物は、優れた光電子特性を有する多様な種類の溶液処理可能な半導体を提供する。タンデム型太陽電池における金属ハロゲン化物の使用は、文献で実証されており、ここでは、c-Siまたは三次元(3D)ペロブスカイトが底部セルとして提供され、3Dペロブスカイトが上部セルとして提供される。従って、これまでに報告されたペロブスカイト含有タンデム型太陽電池では、臭化物と混合した3Dヨウ化鉛を用い、約1.7eVの所望のトップセル光学バンドギャップが達成されている。しかしながら、混合されたハロゲン化物アニオンは、本質的に不安定であり、連続照射の際に、これらは、ヨウ化物および臭化物の相に分離することが示されており、これは、上部セルの光収集効率に大きな影響を及ぼす。従って、改善された解決策に対してニーズがある。
【0012】
本開示では、タンデム型太陽電池装置アーキテクチャが提供され、二次元(2D)金属ハロゲン化物ペロブスカイトから製造されたセルは、例えば、c-Si(2端子または3端子の設計)から製造された底部セルの上部にモノリシックに積層され、または底部セル(4端子設計)の上部に機械的に積層される。
【0013】
ある実施形態では、本開示により、PVおよび他の同様のデバイス(例えば、バッテリ、ハイブリッドPV電池、多重接合PV、FET、LED、X線検出器、ガンマ線検出器、フォトダイオード、CCDなど)が提供されてもよい。ある実施形態では、そのようなデバイスは、改良された活性材料、界面層(IFL)、および/または1もしくは2以上のペロブスカイト材料を含んでもよい。ペロブスカイト材料は、PVまたは他の装置の1または2以上の各種態様に組み込まれてもよい。ある実施形態による2Dペロブスカイト材料は、一般式が(C’)a(C)bMnX3n+1であってもよく、ここで、C’は、バルキーな有機カチオンであり、Cは、より小さな有機または無機カチオンであり、Mは、2価の金属であり、Xは、ハロゲン化物または擬ハロゲン化物であり、aおよびbは、実数であり、nは、整数である。他の実施形態では、Mは、1価と3価の金属の組合せであってもよく、M’M”の形で記載されてもよい。ここで、M’は、1価の金属であり、M”は、3価の金属である。そのような実施形態において、3価の金属に対する1価の金属の比率は、1:99から50:50の範囲であり、特定の実施形態では、1:99、25:75、または50:50であってもよい。
【0014】
図5に示すように、n値は、Pb、I、N、C、およびHの少なくとも1つを含む、無機金属ハロゲン化物のサブ格子の厚さを表す。図6乃至18には、各種バルキーな有機分子(C’)の構造が示されている。
【0015】
通常、タンデム型光起電力セル「タンデム型PV」は、2つの光活性層を有する。一方の光活性層は、通常、他方の光活性層を構成する材料よりも広いバンドギャップを有する材料である。本開示の2Dペロブスカイトのような、より広いバンドギャップの光活性材料は、PVセルの太陽に面する側に最も近くなるように配置され、狭小バンドギャップの光活性材料に比べて、効率的に短波長の放射線を収集する。シリコン、CdTe、または非2Dペロブスカイトのような、狭小バンドギャップの材料は、広いバンドギャップの光活性材料では吸収されない、より長い波長の光を吸収するのにより効果的である。本開示は、C’、C、M、Xおよびn値の可能性のある選択肢を示し、ある実施形態では、上部セルにおいて1.70~1.90eVの光学バンドギャップが達成されるとともに、例えば、Si/ペロブスカイトタンデム型太陽電池の長期安定性が改善される。特に、CdTe/ペロブスカイト、CIGS/ペロブスカイト、GaAs/ペロブスカイト、InP/ペロブスカイト、Ge/ペロブスカイト、ペロブスカイト/ペロブスカイト、PbS/ペロブスカイトのような場合、バンドギャップは、底部セルの特性に合わせて調整されてもよい。特定の実施形態では、nは、1~10の値であり、特定の実施形態では、3と4の間であり、Xは、ヨウ化物、Mは、鉛、Cは、セシウム、メチルアンモニウム(MA)またはホルムアミジニウム(FA)であり、C’は、ベンジルアンモニウム、フェニルエチルアンモニウム、n-ブチルアンモニウム、イミノメタンジアンモニウム、および4-(アミノメチル)ピペリジンの1つである。
【0016】
二次元ヨウ化鉛ペロブスカイト化合物は、本開示のある実施形態に記載された化合物と同様、実質的に単一のタイプのアニオン(例えば、チオシアン酸塩のみ、ヨウ化物のみ、臭化物のみ、または塩化物のみのような、ハロゲン化物または擬ハロゲン化物の単一種のみ)を含み、他の種類は、微量以下である。従って、それらは、最新のSi/ペロブスカイトおよびペロブスカイト/ペロブスカイトタンデム型太陽電池で現在使用されているヨウ化物と臭化物の混合物とは異なり、太陽光照射の際にハロゲン化物相分離を受けない。従って、本開示は、実質的にヨウ化物、臭化物、または塩化物からなる系を想定している。
【0017】
(光起電力セルおよび他の電子装置)
図1乃至図3に示すような太陽電池の一例を参照して、あるPVの実施形態が説明され得る。ある実施形態では、一例のPVアーキテクチャは、通常、基板-電極-IFL-活性層-IFL-電極-基板の形態であってもよい。電極-基板-IFL-基板-電極。ある実施形態の活性層は、光活性であってもよく、および/またはこれは、光活性材料を含んでもよい。当該技術分野で知られた、他の層および材料がセル内で利用されてもよい。さらに、「活性層」と言う用語の使用は、明示的または暗示的に、任意の他の層の特性を制限しまたは定めることを意味するものではないことが留意される。例えば、ある実施形態では、IFLは、それらが半導体であり得る限り、活性であってもよい。
【0018】
図1を参照すると、様式化された一般的なPVセル1000が示されており、PV内のいくつかの層の高い界面特性が例示されている。PV1000は、ペロブスカイト材料PVの実施形態のような、あるPV装置に適用可能な一般的なアーキテクチャを表す。図1については、以降に詳細に説明する。図2および3を参照すると、電極2021、2022、2023、3021、3022、3023、および3024の特性は、電極1010および1050の特性と一致してもよいことが理解される。また、IFL2031、2032、2033、2034、3031、3032、3033、および3034の特性は、IFL1031、1032、および1033の特性と一致してもよい。基板2011および3011の特性は、1011の特性と一致してもよいが、基板2012および3012の特性は、基板1012の特性と一致してもよい。さらに、装置1000、2000、および3000の各種部材は、隣接材料を含む別個の層として示されているが、図1、2、および3は、様式化された図であることが理解される。従って、図1、2、および3による実施形態は、そのような別個の層、および/または本願に記載の「層」の使用と一致する、実質的に混合された非隣接層を含んでもよい。
【0019】
また、図1、2、3、20、および21に示されたアーキテクチャは、任意の好適な手段(本願の他の箇所に明示的に議論されている手段、および本開示の利益のため当業者に明らかな、他の好適な手段の両方を含む)に従って、BHJ、バッテリ、FET、ハイブリッドPV電池、直列マルチセルPV、並列マルチセルPV、および本開示の他の実施形態の他の同様の装置を提供するように適合されてもよい。
【0020】
PV電池1000は、2つの導電性電極層、第1の電極層1021および第2の電極層1022を含む。電極層1021および1022は、スズドープ酸化インジウム(ITO)、または本願に記載の任意の他の材料のような、透明導電体であってもよい。他の実施形態では、電極層1021および1022は、アルミニウムのような金属、または炭素のような、その他の導電性材料であってもよい。またPVセル1000は、界面層(IFL)1031、1032、および1033を含む。IFL1031、1032、および1033は、電荷再結合を支援してもよい。ある実施形態では、各IFL層は、多層IFLであってもよく、これは、本願により詳細に記載される。特定の実施形態において、IFL1032は、図19に示したIFLの1つのような、多層再結合層IFLであってもよい。IFLは、真性、両極性、p型、またはn型の半導体材料であってもよく、あるいは誘電体材料であってもよい。
【0021】
また、図1、2、および3のPVセル1000、2000、および3000は、光活性層を含む。一般に、光活性材料(例えば、図1の光活性層1041もしくは1042、図2の光活性層2041もしくは2042、または図3の光活性層3041もしくは3042)は、ペロブスカイト(例えば、FAPbI3、FASnI3、MASnI3、またはCsSnI3)、シリコン(例えば、多結晶シリコン、単結晶シリコン、またはアモルファスシリコン)、テルル化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、セレン化銅インジウムガリウム、セレン化銅インジウム、硫化銅亜鉛、ヒ素化ガリウム、ゲルマニウム、リン化ゲルマニウムインジウム、リン化インジウム、硫化鉛、1または2以上の半導体ポリマー(例えば、ポリチオフェン(例えば、(3-ヘキシルチオフェン)およびその誘導体、またはP3H));ポリヘプタデカニルカルバゾール、ジチエニルベンゾチアジアゾールおよびその誘導体(例えば、PCDTBT)のような、カルバゾール系の共重合体;ポリシクロペンタジチオフェン-ベンゾチアジアゾールおよびその誘導体(例えば、PCPDT)、ポリベンゾジチオフェニル-チエノチオフェンジイルおよびその誘導体(例えば、PTB6、PTB7、PTB7-th、PCE-10)のような他のコポリマー;ポリ(トリアリールアミン)化合物およびその誘導体(例えば、PTAA);ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体(例えば、MDMO-PPV、MEH-PPV)、ならびにそれらの組み合わせ;の1または2以上のような、任意の光活性化合物を含んでもよい。これらの光活性層の任意の1または2以上は、1または2以上のペロブスカイト材料を含んでもよい。
【0022】
特定の実施形態では、光活性材料は、代わりにまたはこれに加えて、色素(例えば、N719、N3、他のルテニウム系色素)を含んでもよい。ある態様において、(何らかの組成の)色素は、別の層(例えば、メゾポーラス層および/または界面層)の上にコーティングされてもよい。ある実施形態では、光活性材料は、1または2以上のペロブスカイト材料を含んでもよい。ペロブスカイト材料含有光活性物質は、固体形態であってもよく、または一部の実施形態では、これは、色素の形態であってもよく、色素は、ペロブスカイト材料を含む懸濁液または溶液を含んでもよい。そのような溶液または懸濁液は、他の色素と同様の方法で、他の装置部材上にコーティングされてもよい。ある実施形態では、固体ペロブスカイト含有材料は、任意の好適な手段(例えば、蒸着、溶液成膜、固体材料の直接配置)により、成膜されてもよい。各種実施形態による装置は、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の光活性化合物(例えば、1つ、2つ、3つ、もしくはそれ以上のペロブスカイト材料、色素、またはそれらの組み合わせ)を含んでもよい。複数の色素または他の光活性材料を含む特定の実施形態では、2または3以上の色素の各々、または他の光活性材料は、1または2以上の界面層により、分離されてもよい。ある実施形態では、複数の色素および/または光活性化合物は、少なくとも部分的に混合されてもよい。
【0023】
PV電池1000は、電極1021および1022により、電気リードに取り付けられてもよく、これは、バッテリ、モータ、キャパシタ、電気グリッド、または任意の他の電気負荷のような、放電ユニットに、PVセル1000を接続してもよい。電極は、任意の導電性材料で構成されてもよく、少なくとも1つの電極は、EM放射線に対して透明または半透明であり、および/またはEM放射線が装置1000の活性層の少なくとも一部に接触できるように配置される必要がある。好適な電極材料は、インジウムスズ酸化物またはスズドープ酸化インジウム(ITO);フッ素ドープ酸化スズ(FTO);カドミウム酸化物(CdO);亜鉛インジウムスズ酸化物(ZITO);アルミニウム亜鉛酸化物(AZO);アルミニウム(Al);金(Au);銀(Ag);カルシウム(Ca);クロム(Cr);マグネシウム(Mg);チタン(Ti);鋼;炭素(およびそれらの同素体);ドープ化炭素(例えば、窒素ドープ);コア-シェル配置のナノ粒子(例えば、シリコン-炭素コア-シェル構造);およびそれらの組み合わせの任意の1または2以上を含んでもよい。ある実施形態では、電極は、前述の任意の材料のグリッド、ウェブ、またはメッシュであってもよい。グリッド、ウェブ、またはメッシュの電極は、そうでなければ透明ではない材料で構成される場合、電極の透明性を提供してもよい。例えば、図19の電極1913のような、再結合IFLの金属電極は、グリッド、ウェブ、またはメッシュの電極として実施されてもよい。そのような電極は、図1のIFL1032、図20のIFL1532、および図21のIFL2132および2133のような、再結合層IFLに導入されてもよい。同様に、グリッド、ウェブ、またはメッシュの電極は、図2の電極2022、および図3の電極3022、3023のような、3つ、4つ、またはそれ以上の「内に」存在する電極として組み込まれてもよい。図2には、3端子PVセル2000を示す。PVセル2000は、電極2021、IFL2032および2033に埋設された電極2022、ならびに電極2023により、電気リードに取り付けられてもよい。ある実施形態では、電極層2021および2023は、カソードであり、電極層2022は、アノードであってもよい。他の実施形態では、電極層2021および2023は、アノードであり、電極層2022は、カソードであってもよい。図1に示されたPVセル1000と同様、IFL2031、2032、2033、および2034は、単層または多層のIFLであってもよく、真性、両極性、p型、またはn型の半導体材料であってもよく、または誘電体材料であってもよい。電極層2022がカソードである実施形態では、IFL2032および2033は、電子輸送層(n型層)であってもよい。電極層2022がアノードである実施形態では、IFL2032および2033は、正孔輸送層(p型)であってもよい。ある実施形態では、IFL2031、2032、2033、または2034の1または2以上は、PVセル2000から省略されてもよい。
【0024】
図3には、4端子PVセル3000を示す。PVセル3000は、電極層3021、3022、3023、および3024により、電気リードに取り付けられてもよい。一部の実施形態では、電極層3021は、アノードであり、電極層3022は、カソードであってもよく、電極層3024は、アノードであり、電極層3023は、カソードであってもよい。他の実施形態では、電極層3021は、アノードであり、電極層3022は、カソードであってもよく、電極層3024は、カソードであり、電極層3023は、アノードであってもよい。他の実施形態では、電極層3021は、カソードであり、電極層3022は、アノードであってもよく、電極層3024は、カソードであり、電極層3023は、アノードであってもよい。他の実施形態では、電極層3021は、カソードであり、電極層3022、アノードであり、電極層3024は、アノードであり、電極層3023は、カソードであってもよい。ある実施形態では、4端子設計のタンデム型太陽電池装置は、モノリシックに積層された層で構成された2つの装置を有してもよい。2つの装置は、接着剤、エポキシ、ガラス、サファイア、ラミネート、ポリマー、プラスチック、またはそれらの任意の組み合わせの層を使用して、接合されてもよい。例えば、図3を参照すると、第1の装置は、基板3011、電極層3021、ILF3031、光活性層3041、IFL 3032、および電極層3022を有し、第2の装置は、基板3012、電極層3024、ILF 3034、光活性層3042、IFL 3033、および電極層3023を含んでもよい。これらの装置は、透明な非導電層3051により、接合され、これは、接着剤、エポキシ、ガラス、サファイア、ラミネート、ポリマー、プラスチック、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0025】
図1および2に示されるPVセル1000およびPVセル2000と同様、IFL3031、3032、3033、2034は、単層または多層のIFLであってもよく、真性、両極性、p型、またはn型の半導体材料であってもよく、または誘電体材料であってもよい。電極層3022および/または電極層3023がカソードである実施形態では、IFL2032および/またはIFL2033は、電子輸送層(n型層)であってもよい。電極層3022および/または電極層3023がアノードである実施形態では、IFL3032および/またはIFL3033は、正孔輸送層(p型)であってもよい。いくつかの実施形態では、IFL2031、2032、2033、または2034の1または2以上は、PVセル3000から省略されてもよい。非導電層3051は、任意の透明な材料であり、電極層3022と電極層3023との間に電気を伝導させなくてもよい。例えば、非導電層3051は、ガラス、サファイア、石英、炭化ケイ素、またはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートもしくはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のような透明ポリマーであってもよい。
【0026】
特定の実施形態では、少なくとも1つのIFL、電極、基板、および光活性層は、光を第2の光活性層に到達させるため、500ナノメートルを超える波長を有する光に対して透明である必要がある。
【0027】
また、本開示の記載は、主として、2つの光活性層を有するタンデム型PVセルを対象とするが、本願に記載の一般原理は、3つ以上の光活性層を有するPVセルに適用されてもよい。例えば、図21には、3つの光活性層2141、2142、および2143を有するPVセルを示す。本願に記載の開示では、光活性層2141がPV 2100の光入射側に最も近接して配置される実施形態では、光活性層2141は、光活性層2142よりも大きなバンドギャップを有し、光活性層2143よりも大きなバンドギャップを有する。特定の実施形態では、光活性層2141は、2Dペロブスカイト材料を含み、光活性層2142は、ペロブスカイト材料を含み、光活性層2143は、硫化鉛(PbS)を含む。別の実施形態では、光活性層2141は、2Dペロブスカイト材料を含み、光活性層2142は、ガリウムヒ素(GaAs)を含み、光活性層2143は、ゲルマニウム(Ge)を含む。さらに別の実施形態では、光活性層2141は、2Dペロブスカイト材料を含み、光活性層2142は、ペロブスカイト材料を含み、光活性層2143は、シリコンを含む。さらに別の実施形態では、光活性層2141は、2Dペロブスカイト材料を含み、光活性層2142は、光活性層2141の2Dペロブスカイト材料よりも狭いバンドギャップを有する2Dペロブスカイト材料を含み、光活性層2143は、シリコンを含む。
【0028】
本願に記載の任意の好適な基板、電極、IFL、または光活性材料は、PV装置2100のそれぞれの層として実施されてもよい。
【0029】
また、PVセル1000は、第1の光活性層1041を含む。第1の光活性層1041は、第1の光活性材料を含んでもよい。特定の実施形態では、第1の光活性材料は、式(C’)a(C)bMn X3n+1を有する2-Dペロブスカイト材料であってもよく、ここで、C’は、バルキーな有機カチオンであり、Cは小さな有機または無機カチオンであり、Mは2価の金属であり、Xはハロゲン化物または擬ハロゲン化物であり、aおよびbは実数であり、nは整数である。他の実施形態では、Mは、1価と3価の金属の組合せであってもよく、M’ M”の形式で記載されてもよい。ここで、M’は1価の金属であり、M”は3価の金属である。そのような実施形態では、3価の金属に対する1価の金属の比率は、1:99から50:50の範囲であり、特定の実施形態では、1:99、25:75、または50:50であってもよい。図5に示されるように、n値は、Pb、I、N、C、およびHの少なくとも1つを含む無機金属ハロゲン化物のサブ格子の厚さを示す。図6から図18には、C’またはCカチオンとしてペロブスカイト材料に含まれ得る有機化合物の化学構造を提供する。ある態様では、C’は、イミダゾリウムカチオンの1または2以上を含む2+電荷を有するカチオン、一般式が[CRNRCRNRCR]2+の芳香族環状有機カチオンを含む。ここで、R基は、同一のまたは異なる基、ジアンモニウムブタン、第1族金属、第2族金属、および/または他のカチオンもしくはカチオン様化合物であってもよい。ある態様では、C’はベンジルアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである。他の実施形態では、C’はフェニルエチルアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウム、またはホルムアミジニウムである。特定の実施形態では、C’はn-ブチルアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである。他の実施形態では、C’はイミノメタンジアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである。特定の実施態様では、C’は4-(アミノメチル)ピペリジンのカチオンであり、Cはセシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである。他の実施形態では、C’はアルキルアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである。特定の実施形態では、C’はアルキルジアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである。他の実施形態では、C’はグアニジニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである。特定の実施形態では、C’はチエニルアルキルアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウムまたはホルムアミジニウムである。
【0030】
C’として機能し得る他の「バルキーな」有機カチオンの例には、これに限られるものではないが、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、n-ブチルアンモニウム;ペリレンn-ブチルアミン-イミド;ブタン-1,4-ジアンモニウム; 1-ペンチルアンモニウム;1-ヘキシルアンモニウム;ポリ(ビニルアンモニウム);フェニルエチルアンモニウム;3-フェニル-1-プロピルアンモニウム;4-フェニル-1-ブチルアンモニウム;1,3-ジメチルブチルアンモニウム;3,3-ジメチルブチルアンモニウム;1-ヘプチルアンモニウム;1-オクチルアンモニウム; 1-ノニルアンモニウム; 1-デシルアンモニウム;および1-エイコサニルアンモニウムが含まれる。また、カチオン種に加えて、1または2以上のヘテロ原子を含有する尾部を有するバルキーな有機カチオンでは、ヘテロ原子は、ペロブスカイト材料結晶格子と配位し、結合し、または統合されてもよい。ヘテロ原子は、水素または炭素ではなく、ホウ素、窒素、硫黄、酸素、またはリンを含む、尾部の任意の原子であってもよい。
【0031】
バルキーな有機カチオンの他の例には、アンモニウム基、ホスホニウム基、またはペロブスカイト材料の表面Cサイトに統合し得る他のカチオン基で官能化された、以下の分子が含まれ得る:ベンゼン、ピリジン、ナフタレン、アントラセン、キサンテン、フェナントレン、テトラセンクリセン、テトラフェン、ベンゾ[c]フェナトレン、トリフェニレン、ピレン、ペリレン、コランヌレン、コロネン、置換ジカルボン酸イミド、アニリン、N-(2-アミノエチル)-2-イソインドール-1,3-ジオン、2-(1-アミノエチル)ナフタレン、2-トリフェニレン-O-エチルアミンエーテル、ベンジルアミン、ベンジルアンモニウム塩、N-n-ブチル-N’-4-アミノブチルペリレン-3,4,9,10-ビス(ジカルボキシミド)、1-(4-アルキルフェニル)メタンアミン、1-(4-アルキル-2-フェニル)エタンアミン、1-(4-アルキルフェニル)メタンアミン、1-(3-アルキル-5-フェニル)メタンアミン、1-(3-アルキル-5-アルキル-2-フェニル)エタンアミン、1-(4-アルキル-2-フェニル)エタンアミン、2-エチルアミン-7-アルキル-ナフタレン、2-エチルアミン-6-アルキル-ナフタレン、1-エチルアミン-7-アルキル-ナフタレン、1-エチルアミン-6-アルキル-ナフタレン、2-メチルアミン-7-アルキル-ナフタレン、2-メチルアミン-6-アルキル-ナフタレン、1-メチルアミン-7-アルキル-ナフタレン、1-メチルアミン-6-アルキル-ナフタレン、N-n-アミノアルキル-N’-4-アミノブチルペリレン-3,4,9,10-ビス(ジカルボキシミド)、1-(3-ブチル-5-メトキシブチルフェニル)メタンアミン、1-(4-ペンチルフェニル)メタンアミン、1-[4-(2-メチルペンチル)-2-フェニル]エタンアミン、1-(3-ブチル-5-ペンチル-2-フェニル)エタンアミン、2-(5-[4-メチルペンチル]-2-ナフチル)エタンアミン、N-7-トリデシル-N’-4-アミノブチルペリレン-3,4,9,10-ビス(ジカルボキシイミド)、N-n-ヘプチル-N’-4-アミノブチルペリレン-3,4,9,10-ビス(ジカルボキシイミド)、2-(6-[3-メトキシルプロピル]-2-ナフチル)エタンアミン。図7乃至18には、特定の実施形態による、これらの有機分子の構造を記載する。図7および図8に関し、各「R基」Rxは、=H、R’、Me、Et、Pr、Ph、Bz、F、Cl、Br、I、NO2、SO3 、OR’、NR’2、SCN、CN、N3、SR’のいずれかであってもよく、ここで、R’は、任意の水素、アルキル、アルケニル、またはアルキニル鎖であってもよい。また、示されたRx基の少なくとも1つは、(CH2nEXyまたは(CH2n C(EXy2であってもよく、ここで、nおよびyは、0、1、2、またはそれ以上であり、nおよびyは、等しくても等しくなくてもよく、Eは、C、Si、O、S、Se、Te、N、P、As、またはBからなる群から選択され、Xは、ハロゲン化物または擬ハロゲン化物であり、例えば、F、Cl、Br、I、CN、またはSCNである。さらに、図9に関し、示された分子は、各図示されたアミンの任意のヒドロハロゲン化物、例えばベンジルアンモニウム塩を含んでもよく、ここで、示されたX基は、F、Cl、Br、I、SCN、CN、または任意の他の擬ハロゲン化物であってもよい。他の非ハロゲン化物の許容可能なアニオンには、硝酸塩、亜硝酸塩、カルボキシレート、酢酸塩、アセトニルアセトネート、ギ酸塩、シュウ酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラ(パーフルオロフェニル)ホウ酸塩、ヒドリド、酸化物、過酸化物、水酸化物、窒化物、ヒ酸塩、亜ヒ酸塩、過塩素酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、クロム酸塩、次クロム酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、次亜臭素酸塩、シアン化物、シアン酸塩、イソシアン酸塩、雷酸塩、チオシアネート、イソチオシアネート、アジド、テトラカルボニルコバルト酸塩、カルバモイルジシアノメタニド、ジシアノニトロソメタニド、ジシアナミド、トリシアノメタニド、アミド、および過マンガン酸塩が含まれ得る。また、好適なR基は、これに限られるものではないが、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基、またはその異性体;任意のアルカン、アルケン、またはアルキンCxHy、ここでx=1~20、y=1~42、環状、分枝鎖、または直鎖;アルキルハロゲン化物、CxHyXz、x=1~20、y=0~42、z =1~42、X=F、Cl、Br、またはI;任意の芳香族基(例えば、フェニル、アルキルフェニル、アルコキシフェニル、ピリジン、ナフタレン);環内に少なくとも1つの窒素が含まれる環状錯体(例えば、ピリジン、ピロール、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロキノリン);任意の硫黄含有基(例えば、スルホキシド、チオール、アルキル硫化物);任意の窒素含有基(ニトロキシド、アミン);任意のリン含有基(例えば、リン酸);任意のホウ素含有基(例えば、ホウ酸);任意の有機酸(例えば、酢酸、プロパン酸);およびそのエステルまたはアミド誘導体;α、β、γおよびより大きな誘導体を含む任意のアミノ酸(例えば、グリシン、システイン、プロリン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、ヒスチジン、5-アンモニウム吉草酸);任意のケイ素含有基(例えば、シロキサン);および任意のアルコキシまたは反応基、-OCxHy、ここでx=0~20、y=1~42、を含んでもよい。
【0032】
特定の実施形態では、第1の光活性材料は、約1.7eV~1.9 eVの光学バンドギャップを有する材料であってもよい。第1の光活性材料は、電子ドナー(p型)材料、および/または電子アクセプタ(n型)材料、および/またはp型およびn型の両方の材料特性を示す両極性半導体、および/またはn型およびp型のいずれの特性も示さない真性半導体であってもよい。
【0033】
また、PVセル1000は、第2の光活性層1042を含む。第2の光活性層は、第2の光活性材料を含む。特定の実施形態では、第2の光活性材料は、ペロブスカイト、PbS、シリコン、CdTe、CIGS、GaAs、InP、およびGeからなる群から選択される。他の実施形態では、第2の光活性材料は、ペロブスカイト(例えば、FAPbI3、FASnI3、MASnI3、またはCsSnI3)、シリコン(例えば、多結晶シリコン、単結晶シリコン、またはアモルファスシリコン)、テルル化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、セレン化銅インジウムガリウム、セレン化銅インジウム、硫化銅亜鉛スズ、ヒ素化ガリウム、ゲルマニウム、リン化ゲルマニウムインジウム、リン化インジウム、硫化鉛の1または2以上、1または2以上の半導体ポリマー(例えば、ポリチオフェン(例えば、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)およびその誘導体、またはP3HT));ポリヘプタデカニルカルバゾール ジチエニルベンゾチアジアゾール、およびその誘導体(例えば、PCDTBT)のような、カルバゾール系コポリマー;ポリシクロペンタジチオフェン-ベンゾチアジアゾール、およびその誘導体(例えば、PCPDT)のような他のコポリマー;ポリベンゾジチオフェニル-チエノチオフェンジイルおよびその誘導体(例えば、PTB6、PTB7、PTB7-th、PCE-10);ポリ(トリアリールアミン)化合物およびその誘導体(例えば、PTAA);ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体(例えば、MDMO-PPV、MEH-PPV)、ならびにそれらの組み合わせ;のいずれか1つ以上から選択することができる。ある実施形態では、光活性層1042、IFL1033、電極層1022および基板1012は、モノリシック基板材料から形成されてもよい。例えば、光活性層1042、IFL1033、電極層1022、および基板1012は、シリコン基板の領域であり、各々ドープまたは反応され、所望の特性を有するシリコン基板内の層を形成してもよい。特定の実施形態では、第2の光活性層1042は、追加の層を含んでもよい。特定の実施形態では、第2の光活性層の厚さは、200ミクロン未満であってもよい。特定の実施形態では、第2の光活性材料は、パターン化基板である。第2の基板層をエッチングしまたはテキスチャリングすることにより形成されるパターン化基板は、屈折を高め、従って、光路長を増加させ、第2の光活性層1042の効率を増加させる。特定の実施形態では、第2の光活性材料は、約1.1 eVの光学バンドギャップを有する。第2の光活性材料は、電子ドナー(p型)材料、および/または電子アクセプタ(n型)材料、および/またはp型およびn型の両方の材料特性を示す両極性半導体、および/またはn型およびp型のいずれの特性も示さない真性半導体であってもよい。
【0034】
ある実施形態では、第1の光活性層1041および第2の光活性層1042は、互いに独立して機能する、完全なPVセルであってもよい。ただし、再結合層(例えば、IFL1032)および/または1または2以上の共有電極(例えば、図2の電極層2022、または図3の電極層3022および電極層3023)を介してタンデムに組み合わされた場合、第1の光起電層1041および第2の光起電層1042は、個々の容量を上回ってもよい。
【0035】
本開示の実各種施形態では、特に、活性材料(正孔輸送および/または電子輸送層を含む)、界面層、および全体的な装置設計を含む、太陽電池および他の装置の各種態様における、改良された材料および/または設計が提供される。
【0036】
(界面層)
ある実施形態では、本開示により、PV内の1または2以上のIFLの有意な材料および設計が提供される。
【0037】
各種実施形態では、装置は、必要な場合、任意の他の2つの層および/または材料の間に、界面層を有してもよい。ただし、装置は、任意の界面層を含む必要はない。例えば、光起電装置は、0、1、2、3、4、5、またはそれ以上の界面層を含んでもよい。界面層は、2つの層または材料の間で電荷輸送および/または電荷収集を強化する任意の好適な材料を含んでもよい。また、これは、電荷がいったん界面層に隣接する材料の1つから遠ざかるように輸送された際の、電荷再結合の可能性を防止しまたは低減する上で役立つ。図19に示す界面層のような他の実施形態では、界面層または界面層の組合せは、再結合を促進し、電圧損失が低下し、装置特性が向上してもよい。例えば、図1のPV1000のような2端子光起電装置において、2つの光活性層の間に配置された界面層(例えば、IFL1032)は、電荷再結合を強化するように構成されてもよい。IFL1032は、図19に示されるIFLのような、複数の層を含んでもよい。例えば、IFL1032は、p型層1911、n型層1912、および薄い金属層1913を含んでもよい。他の実施形態では、層1911は、n型であり、層1912は、p型であってもよい。薄い金属層1913は、任意の導電性金属(例えば、Al、Ag、Au、Cr、Cu、Pt)であり、連続または不連続(例えば、薄い金属ストリップまたは格子)であり、十分薄く、透明であってもよい。他の実施形態では、IFL1032は、p型層1921、n型層1922、および透明導電性酸化物層1923を含んでもよい。透明導電性酸化物層1923の例には、ITO、FTO、ドープ酸化物(例えば、Ga:ZnO、Al:ZnO)が含まれる。他の実施形態では、IFL1032は、p型層1931、n型層1932、および金属ナノ粒子1933を含んでもよい。金属ナノ粒子1933は、Ag、Au、Cu、Al、またはPtのような、任意の導電性金属を含んでもよい。図2に示した3端子装置のような外部負荷に、薄い金属層1913または透明導電性酸化物1923が接続される実施形態では、3端子装置の並列回路配向のため、層1911/1921および1912/1922は、両方がn型、または両方がp型であってもよい。
【0038】
追加的に、界面層は、その基板を物理的および電気的に均質化して、基板粗さ、誘電率、接着、欠陥(例えば、電荷トラップ、表面状態)の形成または消滅(quenching)のバリエーションを形成してもよい。好適な界面材料は、Ag、Al、Au、B、Bi、Ca、Cd、Ce、Co、Cu、Cu、Fe、Ga、Ge、H、In、Mg、Mn、Mo、Nb、Ni、Pt、Sb、Sc、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zr;上記金属のいずれかの炭化物(例えば、SiC、Fe3C、WC、VC、MoC、NbC);上記金属のいずれかのシリサイド(例えば、Mg2Si、SrSi2、Sn2Si);、インジウムスズ酸化物、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、カドミウム酸化物(CdO)、およびフッ素ドープ酸化スズ(FTO)のような、透明導電性酸化物(「TCO」)を含む、上記金属のいずれかの酸化物(例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、SnO2、ZnO、NiO、ZrO2、HfO2);前記金属のいずれかの硫化物(例えば、CdS、MoS2、SnS2);前記金属のいずれかの窒化物(例えば、GaN、Mg3N2、TiN、BN、Si3N4);前記金属のいずれかのセレン化物(例えば、CdSe、FeS2、ZnSe);前記金属のいずれかのテルル化物(例えば、CdTe、TiTe2、ZnTe);前記金属のいずれかのリン化物(例えば、InP、GaP、GaInP);前記金属のいずれかのヒ素化物(例えば、CoAs3、GaAs、InGaAs、NiAs);前記金属のいずれかのアンチモン化物(例えば、AlSb、GaSb、InSb);前記金属のいずれかのハロゲン化物(例えば、CuCl、CuI、BiI3);前記金属のいずれかの疑似ハロゲン化物(例えば、CuSCN、AuCN)、Fe(SCN)2);前記金属のいずれかの炭酸塩(例えば、CaCO3、Ce2(CO33);官能化または非官能化アルキルシリル基;グラファイト;グラフェン;フラーレン;カーボンナノチューブ;本願の他の箇所に記載の任意のメソポーラス材料および/または界面材料;ならびにそれらの組み合わせ(ある実施形態では、組み合わせ材料のバイレイヤ、トリレイヤ、または多重層を含む);の任意の1または2以上を有してもよい。ある実施形態では、界面層は、ペロブスカイト材料を含んでもよい。さらに、界面層は、本願に記載の任意の界面材料のドープされた実施形態(例えば、YドープZnO、Nドープ単壁カーボンナノチューブ)を含んでもよい。また界面層は、上記材料の3つを有する化合物(例えば、CuTiO3、Zn2SnO4)または上記材料の4つを有する化合物(例えば、CoNiZnO)を含んでもよい。前述の列挙した材料は、平面状、メソポーラス、またはその他のナノ構造形態(例えば、ロッド、球、フラワー、ピラミッド)、またはエアロゲル構造で存在してもよい。
【0039】
まず前述のように、1または2以上のIFL(例えば、図1に示すIFL1030)は、自己組織化単層膜(SAM)または薄膜として、本開示の光活性有機化合物を含んでもよい。本開示の光活性有機化合物がSAMとして適用される場合、これは結合基を有し、この結合基を介して、アノードおよびカソードのいずれかまたは両方の表面に、共有結合的に、または他の方法で結合される。ある態様の結合基は、COOH、SiX3(ここで、Xは、Si(OR)3およびSiCl3のような三元ケイ素化合物を形成するのに適した任意の部分であってもよい)、SO3、PO4H、OH、CH2X(ここで、Xは、グループ17のハロゲン化基を有してもよい)、およびOのいずれか1つ以上を有してもよい。結合基は、電子求引性部分、電子ドナー部分、および/またはコア部分に共有結合され、あるいはその他の方法で結合されてもよい。結合基は、厚さの単一分子(またはある実施形態では、複数の分子)の方向性有機層を形成するように、電極表面に取り付けられてもよい(例えば、複数の光活性有機化合物がアノードおよび/またはカソードに結合される)。前述のように、SAMは、共有結合の相互作用を介して取り付けられてもよいが、ある実施形態では、イオン結合、水素結合、および/または分散力(すなわち、ファンデルワールス)相互作用を介して、取り付けられてもよい。さらに、特定の実施形態では、光暴露の際に、SAMが双性イオン励起状態に入り、これにより、高分極IFLが形成されてもよい。これは、活性層から電極(例えば、アノードまたはカソードの一方)に、電荷キャリアを誘導してもよい。ある実施形態では、この強化された電荷キャリア注入は、活性層の断面を電子的に研磨し、従って、それぞれの電極(例えば、アノードへの正孔、カソードへの電子)に向かう電荷キャリアドリフト速度を増加させることにより、達成されてもよい。ある態様のアノード適用の分子は、調整可能な化合物を有し、これは、コア部分に結合した一次電子ドナー部分を含み、コア部分は、電子求引性部分に結合され、結合基に結合される。ある実施形態によるカソード用途において、IFL分子は、コア部分に結合した電子不足部分を含む、調整可能な化合物を有し、これは、電子ドナー部分に結合され、結合基に結合される。光活性有機化合物がそのような実施形態によるIFLとして使用される場合、これは、光活性特性を保持してもよいが、ある実施形態では、これは、光活性である必要はない。
【0040】
ある実施形態の薄膜IFLにおいて、金属酸化物を使用してもよく、これは、半導体金属酸化物、例えば、NiO、SnO2、WO3、V2O5、またはMoO3を含んでもよい。第2の(例えば、n型の)活性材料が、Al2O3を含む薄膜被覆IFLで被覆されたTiO2を有するような実施形態では、例えば、Al(NO33・xH2Oのような前駆体材料、またはAl2O3をTiO2に成膜させるのに適した任意の他の材料で形成することができ、その後、熱アニーリングおよび色素コーティングが実施される。代わりにMoO3コーティングが使用される一実施形態では、コーティングは、Na2Mo4・2H2Oのような前駆体材料で形成されてもよく、一実施形態によるV2O5コーティングは、NaVO3のような前駆体材料で形成されてもよく、一実施形態によるWO3コーティングは、NaWO4・H2Oのような前駆体材料で形成されてもよい。前駆体材料(例えば、Al(NO33・xH2O)の濃度は、TiO2または他の活性材料上に成膜された膜の最終膜厚(ここではAl2O3の膜厚)に影響を及ぼし得る。従って、前駆体材料の濃度を調整することは、最終的な膜厚を制御できる方法であり得る。例えば、より大きな膜厚は、より大きな前駆体材料濃度から生じ得る。金属酸化物コーティングを含むPV装置において、より大きな膜厚は、必ずしも、より大きなPCEをもたらすとは限られない。従って、ある実施形態の方法は、約0.5から10.0mMの範囲の濃度を有する前駆体材料を用いて、TiO2(または他のメソポーラス)層をコーティングするステップを有する。他の実施形態は、約2.0から6.0mMの範囲の濃度、または他の実施形態では、約2.5~5.5mMの濃度を有する前駆体材料で層をコーティングするステップを有してもよい。
【0041】
さらに、本願ではAl2O3および/またはアルミナと称するが、アルミナの形成の際には、アルミニウムおよび酸素の各種比率が使用され得ることが留意される。従って、本願に記載のある実施形態は、Al2O3を参照して説明されるが、そのような記載は、酸素中のアルミニウムの必要な比率を規定することを意図するものではない。むしろ、実施形態は、任意の1または2以上のアルミニウム酸化物化合物を含んでもよく、各々は、AlxOyによるアルミニウム酸化物比を有してもよい。ここでxは、約1から100の間の任意の整数または非整数であってもよい。ある態様において、xは、約1と3との間であってもよい(ここでも、整数である必要はない)。同様に、yは、0.1から100の間の任意の整数または非整数であってもよい。ある実施形態では、yは、2~4の間であってもよい(ここでも、整数である必要はない)。また、アルミナのアルファ、ガンマ、および/またはアモルファスの形態のような、各種実施形態において、AlxOyの各種結晶形態が存在してもよい。
【0042】
同様に、本願ではNiO、MoO3、WO3、およびV2O5と称されているが、そのような化合物は、代わりにまたはそれに加えて、それぞれ、NixOy、MoxOy、WxOy、およびVxOyとして表されてもよい。MoxOyおよびWxOyの各々に関し、xは、約0.5から100の間の任意の値、整数または非整数であってもよい。ある実施形態では、これは、約0.5から1.5の間であってもよい。同様に、yは、約1から100の間の任意の値、整数または非整数であってもよい。ある実施形態では、yは、約1から4の間の任意の値であってもよい。VxOyに関し、xは、約0.5から100の間の任意の値、整数または非整数であってもよく、ある実施形態では、約0.5から1.5の間であってもよい。同様に、yは、約1~100の間の任意の値、整数または非整数であってもよく、特定の実施形態では、yは、約1~10の間の整数または非整数値であってもよい。ある実施形態では、xおよびyは、非化学量論比であるような値を有してもよい。
【0043】
ある実施形態では、IFLは、チタン酸塩を含んでもよい。ある実施形態では、チタン酸塩は、一般式M’TiO3であってもよい。ここで、M’は任意の2+のカチオンを含む。ある態様では、M’は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Zn、Cd、Hg、Cu、Pd、Pt、Sn、またはPbのカチオン形態を有してもよい。ある態様では、IFLは、チタン酸塩の単一の種類を含んでもよく、他の態様では、IFLは、チタン酸塩の2つ以上の異なる種類を含んでもよい。一実施形態では、チタン酸塩は、一般式SrTiO3を有する。他の実施形態では、チタン酸塩は、一般式BaTiO3を有してもよい。さらに別の実施形態では、チタン酸塩は、一般式CaTiO3を有してもよい。
【0044】
説明用であり、いかなる限定も意図するものではないが、チタン酸塩は、ペロブスカイト結晶構造を有し、ペロブスカイト材料(例えば、MAPbI3、FAPbI3)成長変換プロセスを強力にシードする。また、チタン酸塩は、一般に、強誘電体挙動、十分な電荷キャリア移動度、光透過性、整合エネルギーレベル、および高誘電率のような、他のIFL要求仕様も満たす。
【0045】
他の実施形態では、IFLは、ジルコン酸塩を含んでもよい。ある実施形態では、ジルコン酸塩は、一般式M’ZrO3であってもよく、ここで、M’は、任意の2+カチオンを含む。ある実施形態では、M’は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Zn、Cd、Hg、Cu、Pd、Pt、Sn、またはPbのカチオン形態を有してもよい。ある実施形態では、IFLは、ジルコン酸塩の単一の種類を含んでもよく、他の実施形態では、IFLは、ジルコン酸塩の2つ以上の異なる種類を含んでもよい。ある実施形態では、ジルコン酸塩は、一般式SrZrO3を有する。別の実施形態では、ジルコン酸塩は、一般式BaZrO3を有してもよい。さらに別の実施形態では、ジルコン酸塩は、一般式CaZrO3を有してもよい。
【0046】
説明用であり、いかなる限定も意図するものではないが、ジルコン酸塩は、ペロブスカイト結晶構造を有し、ペロブスカイト材料(例えば、MAPbI3、FAPbI3)成長変換プロセスを強力にシードする。また、ジルコン酸塩は、一般に、強誘電挙動、十分な電荷キャリア移動度、光透過性、整合エネルギーレベル、および高誘電率のような、他のIFL要求仕様を満たす。
【0047】
他の実施形態では、IFLは、スズ酸塩を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スズ酸塩は、一般式M’SnO3、またはM’2SnO4であってもよい。ここで、M’は、任意の2+カチオンを含む。ある実施形態では、M’は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Zn、Cd、Hg、Cu、Pd、Pt、Sn、またはPbのカチオン形態を有してもよい。ある実施形態では、IFLは、スズ酸塩の単一の種類を含み、他の実施形態では、IFLは、スズ酸塩の2つ以上の異なる種類を含んでもよい。ある実施形態では、スズ酸塩は、一般式SrSnO3を有する。別の実施形態では、スズ酸塩は、一般式BaSnO3を有してもよい。さらに別の実施形態では、スズ酸塩は、一般式CaSnO3を有してもよい。
【0048】
説明用であり、いかなる限定も意図するものではないが、スズ酸塩は、ペロブスカイト結晶構造を有し、ペロブスカイト材料(例えば、MAPbI3、FAPbI3)成長変換プロセスを強力にシードする。またスズ酸塩は、一般に、強誘電体挙動、十分な電荷キャリア移動度、光透過性、整合エネルギーレベル、および高誘電率のような、他のIFL要求仕様も満たす。
【0049】
他の実施形態では、IFLは、鉛酸塩を含んでもよい。いくつかの実施形態では、鉛酸塩は、一般式M’PbO3であってもよく、ここで、M’は、任意の2+カチオンを含む。ある実施形態では、M’は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Zn、Cd、Hg、Cu、Pd、Pt、Sn、またはPbのカチオン形態を有してもよい。ある実施形態では、IFLは、単一種類の鉛酸塩を含んでもよく、他の実施形態では、IFLは、2種以上の異なる種類の鉛酸塩を含んでもよい。一実施形態では、鉛酸塩は、一般式SrPbO3を有する。他の実施形態では、鉛酸塩は、一般式BaPbO3を有してもよい。さらに別の実施形態では、鉛酸塩は、一般式CaPbO3を有してもよい。さらに別の実施形態では、鉛酸塩は、一般式PbIIPbIVO3を有してもよい。
【0050】
説明用であり、いかなる限定も意図するものではないが、鉛酸塩は、ペロブスカイト結晶構造を有し、ペロブスカイト材料(例えば、MAPbI3、FAPbI3)の成長変換プロセスを強力にシードする。また、鉛酸塩は、一般に、強誘電挙動、十分な電荷キャリア移動度、光透過性、整合エネルギーレベル、および高誘電率のような、他のIFL要求仕様も満たす。
【0051】
さらに、他の実施形態では、IFLは、一般式M’[ZrxTi1-x]O3におけるジルコン酸塩およびチタン酸塩の組合せを有してもよい。ここでxは、0より大きく1より小さく、M’は、任意の2+カチオンを含む。ある実施形態では、M’は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Zn、Cd、Hg、Cu、Pd、Pt、Sn、またはPbのカチオン形態を有してもよい。ある実施形態では、IFLは、ジルコン酸塩の単一の種類を含んでもよく、他の実施形態では、IFLは、ジルコン酸塩の2つ以上の異なる種類を含んでもよい。ある実施形態では、ジルコン酸塩/チタン酸塩の組合せは、一般式Pb[ZrxTi1-x]O3を有する。別の実施形態では、ジルコン酸塩/チタン酸塩の組合せは、一般式Pb[Zr0.52Ti0.48]O3を有する。
【0052】
説明用であり、いかなる限定も意図するものではないが、ジルコン酸塩/チタン酸塩の組み合わせは、ペロブスカイト結晶構造を有し、ペロブスカイト材料(例えば、MAPbI3、FAPbI3)の成長変換プロセスを強力にシードする。また、ジルコン酸塩/チタン酸塩の組み合わせは、一般に、強誘電挙動、十分な電荷キャリア移動度、光透過性、整合エネルギーレベル、および高誘電率のような、他のIFL要求仕様も満たす。
【0053】
他の実施形態では、IFLは、ニオブ酸塩を含んでもよい。いくつかの実施形態にでは、ニオブ酸塩は、一般式M’NbO3であってもよく、ここで、M’は、任意の1+カチオンを含む。ある実施形態では、M’は、Li、Na、K、Rb、Cs、Cu、Ag、Au、Tl、アンモニウム、またはHのカチオン形態を有してもよい。ある実施形態では、IFLは、ニオブ酸塩の単一種類を有し、他の実施形態では、IFLは、ニオブ酸塩の2つ以上の異なる種類を有してもよい。一実施形態では、ニオブ酸塩は、一般式LiNbO3を有する。別の実施形態では、ニオブ酸塩は、一般式NaNbO3を有してもよい。さらに別の実施形態では、ニオブ酸塩は、一般式AgNbO3を有してもよい。
【0054】
説明用であり、いかなる限定も意図するものではないが、ニオブ酸塩は、一般に、圧電挙動、非線形光学分極率、光弾性、強誘電性挙動、ポッケルス効果、十分な電荷キャリア移動度、光透過性、整合エネルギーレベル、および高誘電率のような、IFL要求仕様を満たす。
【0055】
本願に記載の界面材料は、さらに、ドープされた組成物を含んでもよい。界面材料の特性(例えば、電気的、光学的、機械的)を修正するため、化学量論的または非化学量論的な材料は、1ppb%から50mol%の範囲の量で、1つ以上の元素(例えば、Na、Y、Mg、N、P)でドープされてもよい。界面材料のいくつかの例には、NiO、TiO2、SrTiO3、Al2O3、ZrO2、WO3、V2O5、MO3、ZnO、グラフェン、およびカーボンブラックが含まれる。これらの界面材料の想定されるドーパントの例には、Li、Na、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Nb、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ga、Sn、In、B、N、P、C、S、As、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物(例えば、シアン化物、シアン酸塩、イソシアン酸塩、雷酸塩、チオシアネート、イソチオシアネート、アジド、テトラカルボニルコバルト酸塩、カルバモイルジシアノメタニド、ジシアノニトロソメタニド、ジシアナミドおよびトリシアノメタニド)、ならびに任意の酸化状態におけるAlが含まれる。ドープ化界面材料という用語は、界面材料化合物中の成分元素の比率を限定することを意図するものではない。
【0056】
ある実施形態では、異なる材料から製造された複数のIFLは、互いに隣接して配置され、複合IFLが形成されてもよい。この構成は、2つの異なるIFL、3つの異なるIFL、またはさらに多くの異なるIFLを有してもよい。得られるマルチレイヤIFLまたは複合IFLは、単一材料IFLの代わりに使用されてもよい。例えば、複合IFLには、IFL 3903、IFL 3905、IFL 3907、IFL 3909、またはIFL 3911のような、図2の例に示した任意のIFLが使用されてもよい。複合IFLは、単一材料のIFLとは異なるが、マルチレイヤIFLを有するペロブスカイト材料PVセルのアセンブリは、単一材料のIFLのみを有するペロブスカイト材料PVセルのアセンブリと実質的に異ならない。
【0057】
一般に、複合IFLは、IFLに適するような、本願に記載の任意の材料を用いて製造されてもよい。一実施形態では、IFLは、Al2O3の層およびZnOまたはM:ZnOの層(ドープ化ZnO、例えば、Be:ZnO、Mg:ZnO、Ca:ZnO、Sr:ZnO、Ba:ZnO、Sc:ZnO、Y:ZnO、Nb:ZnO)を有する。一実施形態では、IFLは、ZrO2の層およびZnOまたはM:ZnOの層を有する。特定の実施態様では、IFLは、複数の層を有する。ある実施形態では、マルチレイヤIFLは、通常、導体層、誘電体層および半導体層を有する。特定の実施形態では、層は、例えば、導体層、誘電体層、半導体層、誘電体層、および半導体層を繰り返してもよい。マルチレイヤIFLの例には、ITO層、Al2O3層、ZnO層、第2のAl2O3層を有するIFL;ITO層、Al2O3層、ZnO層、第2のAl2O3層、第2のZnO層を有するIFL;ITO層、Al2O3層、ZnO層、第2のAl2O3層、第2のZnO層、および第3のAl2O3層を有するIFL;ならびに所望の性能特性を達成するために必要な数の層を有するIFL;が含まれる。前述のように、特定の化学量論比の記載は、各種実施形態によるIFL層における構成成分の比を限定することを意図するものではない。
【0058】
複合IFLとして2つ以上の隣接するIFLを配置することで、ペロブスカイト材料PVセルにおける単一のIFLを上回り、各IFL材料の寄与が、単一のIFLにおいて活用されてもよい。例えば、ITO層、Al2O3層、およびZnO層を有するアーキテクチャにおいて、ITOは、導電性電極であり、Al2O3は、誘電体材料であり、ZnOは、n型半導体であり、ZnOは、良好な電子輸送特性(例えば、移動度)を有する電子アクセプタとして機能する。またAl2O3は、物理的にロバストな材料であり、ITOに良好に接着し、表面欠陥(例えば、電荷トラップ)をキャッピングすることにより、表面を均質化し、逆飽和電流の抑制により、装置ダイオード特性が改善される。
【0059】
前述のように、各示されたIFLは、複数の層を含んでもよい。例えば、図1に示すように、2端子タンデム型太陽電池装置において、IFL1032は、上部から底部に、または底部から上部に、記載順の以下の層を有してもよい:電子輸送層、再結合層、正孔輸送層。
【0060】
特定の実施形態では、IFLは、外部負荷に接続された内部電極を有してもよい。他の実施形態、特に3端子設計では、IFLは、外部負荷に接続されたIFL 2030に埋設された内部電極を有してもよい。他の実施形態では、IFLは、500ナノメートルを超える波長を有する光に対して透明である必要がある。
【0061】
(ペロブスカイト材料)
前述のように、ペロブスカイト材料は、PVまたは他の装置の1または2以上の各種態様に導入されてもよい。いくつかの実施形態では、ペロブスカイト材料は、一般式CwMyXzであってもよく、ここでCは、1つ以上のカチオン(例えば、アミン、アンモニウム、ホスホニウム、第1族金属、第2族金属、および/または他のカチオンもしくはカチオン様化合物)を含み、Mは、1つ以上の金属(例えば、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Fe、Cd、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Hg、Sn、Ge、Ga、Pb、In、Tl、Sb、Bi、Ti、Zn、Cd、Hg、およびZrを含む)であり、Xは、酸化物、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、カルコゲニド(テルル化物、硫化物、およびセレン化物)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のアニオンであり、w、y、およびzは、1~20の間の実数を表す。ある実施形態では、Cは、1以上の有機カチオンを有してもよい。ある実施形態では、各有機カチオンCは、各金属Mよりも大きく、各アニオンXは、カチオンCおよび金属Mの両方と結合可能であってもよい。特定の実施形態では、ペロブスカイト材料は、一般式CMX3であってもよい。
【0062】
ペロブスカイト材料の近傍または表面にバルキーな有機カチオンが含有されると、ペロブスカイト材料の一般式が、本願に開示のペロブスカイト材料の「理想的な」化学量論から逸脱し得る。例えば、そのような有機カチオンの含有により、ペロブスカイト材料は、本願に記載の一般式CMX3に対して、準化学量論的または超化学量論的な一般式を有し得る。この場合、ペロブスカイト材料の一般式は、CwMyXzで表されてもよい。ここで、w、y、zは実数である。ある実施形態では、ペロブスカイト材料は、一般式C’2Cn-1MnX3n-1を有してもよい。ここで、nは整数である。例えば、n=1の場合、ペロブスカイト材料は、一般式C’2MX4を有し、n=2の場合、ペロブスカイト材料は、一般式C’2CM2X7を有し、n=3の場合、ペロブスカイト材料は、一般式C’2C2M3X10を有し、n = 4の場合、ペロブスカイト材料は、一般式C’2C3M4X13を有し、以下同様である。図5に示すように、n値は、ペロブスカイト材料の無機金属ハロゲン化物のサブ格子の厚さを示す。一般式C’2Cn-1MnX3n-1を有するペロブスカイト材料の相は、バルキーな有機カチオンがペロブスカイト材料の結晶格子に拡散し、または侵入した領域に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、2-Dペロブスカイト材料は、一般式(C’)a(C)bMnX3n+1であってもよく、ここで、C’は、バルキーな有機カチオンであり、Cは、小さな有機カチオンまたは無機カチオンであり、Mは、2価金属、または1価と3価の金属の組み合わせであり、M’M”の形式で記載され、ここで、M’は、1価の金属であり、M”は、3価の金属であり、Xは、ハロゲン化物であり、a、bは、実数であり、nは、整数である。Mが1価および3価の両方の金属を含む実施形態では、3価の金属に対する1価の金属の比は、1:99から50:50の範囲であり、特定の実施形態では、1:99、25:75、または50:50であってもよい。図5に示すように、n値は、Pb、I、N、C、およびHの少なくとも1つを含む、無機金属ハロゲン化物サブ格子の厚さを示す。図6乃至図18には、C’またはCカチオンとして、ペロブスカイト材料に含まれ得る有機化合物の化学構造を提供する。C’、C、M、X、およびn値は、上部セル(すなわち、太陽に最も近い光活性層)において、1.70~1.90eVの光学バンドギャップが得られるとともに、例えば、Si/ペロブスカイト系タンデム型太陽電池の長期安定性が改善されるように選択されてもよい。バンドギャップは、特に、CdTe/ペロブスカイト、CIGS/ペロブスカイト、GaAs/ペロブスカイト、InP/ペロブスカイト、Ge/ペロブスカイトのような場合、底部セルの特性に対して調整されてもよい。特定の実施形態では、nは1~10の値であり、特定の実施形態では、3~4の間であり、Xはヨウ化物であり、Mは鉛であり、Cはセシウム、メチルアンモニウム、またはホルムアミジニウムであり、C’はベンジルアンモニウム、フェニルエチルアンモニウム、n-ブチルアンモニウム、イミノメタンジアンモニウム、4-(アミノメチル)ピペリジンのカチオンの一つである。
【0063】
ある実施形態では、C’はベンジルアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウム、またはホルムアミジニウムである。他の実施形態では、C’はフェニルエチルアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウム、またはホルムアミジニウムである。特定の実施形態では、C’はn-ブチルアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウム、またはホルムアミジニウムである。他の実施形態では、C’はイミノメタンジアンモニウムであり、Cはセシウム、メチルアンモニウム、またはホルムアミジニウムである。特定の実施態様では、C’は4-(アミノメチル)ピペリジンのカチオンであり、Cはセシウム、メチルアンモニウム、またはホルムアミジニウムである。
【0064】
C’として機能し得る他の「バルキーな」有機カチオンの例には、これに限られるものではないが、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、n-ブチルアンモニウム;ペリレンn-ブチルアミン-イミド;ブタン-1,4-ジアンモニウム;1-ペンチルアンモニウム;1-ヘキシルアンモニウム;ポリ(ビニルアンモニウム);フェニルエチルアンモニウム;3-フェニル-1-プロピルアンモニウム;4-フェニル-1-ブチルアンモニウム;1,3-ジメチルブチルアンモニウム;3,3-ジメチルブチルアンモニウム;1-ヘプチルアンモニウム;1-オクチルアンモニウム;1-ノニルアンモニウム;1-デシルアンモニウム;および1-イコサニルアンモニウムが含まれる。また、カチオン種に加えて1または2以上のヘテロ原子を含む尾部を有するバルキーな有機カチオンでは、ヘテロ原子は、ペロブスカイト材料の結晶格子と配位し、結合し、または一体化されてもよい。ヘテロ原子は、水素または炭素ではない尾部における任意の原子であってもよく、これには、ホウ素、窒素、硫黄、酸素、またはリンが含まれる。
【0065】
バルキーな有機カチオンの他の例には、アンモニウム基、ホスホニウム基、またはペロブスカイト材料の表面Cサイトに一体化され得る他のカチオン基で官能化された、以下の分子が含まれてもよい:ベンゼン、ピリジン、ナフタレン、アントラセン、キサンテン、フェナトレン、テトラセンクリセン、テトラフェン、ベンゾ[c]フェナトレン、トリフェニレン、ピレン、ペリレン、コランヌレン、コロネン、置換ジカルボン酸イミド、アニリン、N-(2-アミノエチル)-2-イソインドール-1,3-ジオン、2-(1-アミノエチル)ナフタレン、2-トリフェニレン-O-エチルアミン、エーテル、ベンジルアミン、ベンジルアンモニウム塩、N-n-ブチル-N’-4-アミノブチルペリレン-3,4,9,10-ビス(ジカルボキシイミド)、1-(4-アルキルフェニル)メタンアミン、1-(4-アルキル-2-フェニル)エタンアミン、1-(4-アルキル-2-フェニル)メタンアミン、1-(3-アルキルフェニル)メタンアミン、1-(3-アルキル-5-アルキル-2-フェニル)エタンアミン、1-(4-アルキル-2-フェニル)エタンアミン、2-エチルアミン-7-アルキル-ナフタレン、2-エチルアミン-6-アルキル-ナフタレン、1-エチルアミン-7-アルキル-ナフタレン、1-エチルアミン-6-アルキル-ナフタレン、2-メチルアミン-7-アルキル-ナフタレン、2-メチルアミン-6-アルキル-ナフタレン、1-メチルアミン-7-アルキル-ナフタレン、1-メチルアミン-6-アルキル-ナフタレン、N-n-アミノアルキル-N’-4-アミノブチルペリレン-3,4,9,10-ビス(ジカルボキシイミド)、1-(3-ブチル-5-メトキシブチルフェニル)メタンアミン、1-(4-ペンチルフェニル)メタンアミン、1-[4-(2-メチルペンチル)-2-フェニル]エタンアミン、1-(3-ブチル-5-ペンチル-2-フェニル)エタンアミン、2-(5-[4-メチルフェニル]-2-ナフチル)エタンアミン、N-7-トリデシル-N’-4-アミノブチルペリレン-3,4,9,10-ビス(ジカルボキシイミド)、N-n-ヘプチル-N’-4-アミノブチルペリレン-3,4,9,10-ビス(ジカルボキシイミド)、2-(6-[3-メトキシルプロピル]-2-ナフチル)エタンアミン。図6乃至18には、特定の実施形態による、これらの有機分子の構造を示す。図7および8に関し、各「R基」のRxは、=H、R’、Me、Et、Pr、Ph、Bz、F、Cl、Br、I、NO2、OR’、NR’2、SCN、CN、N3、SR’のいずれかであってもよく、ここで、R’は、任意のアルキル、アルケニル、またはアルキニル鎖であってもよい。また、示されたRx基の少なくとも1つは、(CH2nEXyまたは(CH2nC(EXY)2であってもよい。ここで、nおよびyは、0、1、2またはそれ以上であり、nおよびyは、等しくても等しくなくてもよく、Eは、C、Si、O、S、Se、Te、N、P、As、またはBからなる群から選択され、Xは、ハロゲン化物または擬ハロゲン化物であり、例えば、F、Cl、Br、I、CN、またはSCNである。さらに、図9に関し、示された分子は、各示されたアミンの任意の水素ハロゲン化物、例えば、ベンジルアンモニウム塩を有してもよい。ここで、示されたX基は、F、Cl、Br、I、SCN、CN、または任意の他の擬ハロゲン化物であってもよい。他の非ハロゲン化物の許容可能なアニオンには、硝酸塩、亜硝酸塩、カルボキシレート、酢酸塩、アセトニルアセトネート、ギ酸塩、シュウ酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラ(パーフルオロフェニル)ホウ酸塩、ヒドリド、酸化物、過酸化物、水酸化物、窒化物、ヒ酸塩、亜ヒ酸塩、過塩素酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、クロム酸塩、次クロム酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、次亜臭素酸塩、シアン化物、シアン酸塩、イソシアン酸塩、雷酸塩、チオシアネート、イソチオシアネート、アジド、テトラカルボニルコバルト酸塩、カルバモイルジシアノメタニド、ジシアノニトロソメタニド、ジシアナミド、トリシアノメタニド、アミド、および過マンガン酸塩が含まれ得る。また、好適なR基は、これに限られるものではないが、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基、またはその異性体;任意のアルカン、アルケン、またはアルキンCxHy、ここでx=1~20、y=1~42、環状、分枝鎖、または直鎖;アルキルハロゲン化物、CxHyXz、x=1~20、y=0~42、z =1~42、X=F、Cl、Br、またはI;任意の芳香族基(例えば、フェニル、アルキルフェニル、アルコキシフェニル、ピリジン、ナフタレン);環内に少なくとも1つの窒素が含まれる環状錯体(例えば、ピリジン、ピロール、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロキノリン);任意の硫黄含有基(例えば、スルホキシド、チオール、アルキル硫化物);任意の窒素含有基(ニトロキシド、アミン);任意のリン含有基(例えば、リン酸);任意のホウ素含有基(例えば、ホウ酸);任意の有機酸(例えば、酢酸、プロパン酸);およびそのエステルまたはアミド誘導体;α、β、γおよびより大きな誘導体を含む任意のアミノ酸(例えば、グリシン、システイン、プロリン、グルタミン酸、アルギニン、セリン、ヒスチジン、5-アンモニウム吉草酸);任意のケイ素含有基(例えば、シロキサン);および任意のアルコキシまたは反応基、-OCxHy、ここでx=0~20、y=1~42、を含んでもよい。
【0066】
本開示のある実施形態に記載された二次元ヨウ化鉛ペロブスカイト材料は、実質的に1種類のアニオン-ヨウ化物のみを含む。従って、本開示のある実施形態の2Dヨウ化鉛ペロブスカイト材料は、現在最新のSi/ペロブスカイトおよびペロブスカイト/ペロブスカイトタンデム型太陽電池で現在使用されているヨウ化物と臭化物の混合物とは異なり、太陽光照射の際に、ハロゲン化物相分離を受けない。
【0067】
(二次元ペロブスカイトタンデム型光起電力装置設計)
本願に開示の2Dペロブスカイト材料は、シリコン光活性層を有するタンデム型光起電装置における光活性層として、良好に機能し得る。例えば、図1、2、および3を参照すると、そのような光活性装置は、シリコン光活性層(例えば、光活性層1042、2042、または3042)および2Dペロブスカイト光活性層(例えば、光活性層1041、2041、または3041)を含んでもよい。示された実施形態では、大きなバンドギャップの光活性材料(すなわち、2Dペロブスカイト光活性材料)は、PVセルの光入射側に配置され、小さなバンドギャップの材料(すなわち、シリコン)は、入射光の光路長に関し、大きなバンドギャップの光起電材料の背後に配置される。特定の実施形態では、図1、2または3に記載の1または2以上の層は、そのようなシリコン/2Dペロブスカイト材料装置から省略されてもよい。さらに、本開示において先に示したように、任意の示されたIFLは、IFLの複数の層を含んでもよい。以下の表1および2には、シリコンタンデム型装置に備えられる望ましい2Dペロブスカイト材料の例を示す。特定の実施態様において、タンデム型PVセルは、2Dペロブスカイト材料光活性層およびCdTe光活性層を有してもよい。例えば、図1、2、および3を参照すると、そのような光活性装置は、CdTe光活性層(例えば、光活性層1042、2042、または3042)、および2Dペロブスカイト光活性層(例えば、光活性層1041、2041、または3041)を含んでもよい。他の実施形態では、タンデム型PVセルは、2つのペロブスカイト層を有してもよく、前述のように、大きなバンドギャップのペロブスカイト材料層は、低いバンドギャップのペロブスカイト材料に比べて、PVセルの光入射側により接近して配置される。例えば、以下の表1および2を参照すると、一般式(C’)2(C)3Pb4I13を有するペロブスカイト材料は、「上部」光活性層(太陽に最も近い)であってもよく、ここで、C’はn-ブチルアミンであり、Cはメチルアミンであり、一般式FASnI3を有するペロブスカイト材料は、「底部」(太陽から最も離れた)光活性層であってもよい。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
表1および2に示されるペロブスカイト材料は、望ましいバンドギャップのような特性を有し、シリコン層を有するタンデム型光起電力セルにおいて、最適に機能することができる。また、2-Dペロブスカイトは、3つ以上の光活性層を有する光起電力装置において実施されてもよい。例えば、図21に関し、光活性層2141は、2Dペロブスカイトであってもよく、光活性層2142および2143は、本願に記載の狭いバンドギャップを有する光活性材料であってもよい。例えば、光活性層2141は、2Dペロブスカイト材料を含んでもよく、光活性層2142は、ペロブスカイト材料を含んでもよく、光活性層2143は、硫化鉛(PbS)を含んでもよい。別の実施形態では、光活性層2141は、2Dペロブスカイト材料を含み、光活性層2142は、ガリウムヒ素(GaAs)を含み、光活性層2143は、ゲルマニウム(Ge)を含む。さらに別の実施形態では、光活性層2141は、2Dペロブスカイト材料を含み、光活性層2142は、ペロブスカイト材料を含み、光活性層2143は、シリコンを含む。さらに別の実施形態では、光活性層2141は、2Dペロブスカイト材料を含み、光活性層2142は、光活性層2141の2Dペロブスカイト材料よりも狭いバンドギャップを有する2Dペロブスカイト材料を含み、光活性層2143は、シリコンを含む。
【0070】
図20には、2Dペロブスカイト材料およびシリコン2端子タンデム型PVセルの様式化された図を示す。図20に示される実施態様では、PVセル1550は、シリコンPVセルである。2Dペロブスカイト材料層1521は、本願で規定されたものから選択された、任意の2Dペロブスカイト材料であってもよい。IFL1531および1532は、本願に開示の任意のIFLであってもよく、電極層1521は、本願に開示の任意の電極材料であってもよく、基板1511は、本願に開示の任意の基板材料であってもよい。特定の実施形態では、IFL1532は、図19に示されるIFL1910、IFL1920、またはIFL1930のような、マルチレイヤ再結合層であってもよい。さらに、前述のように、2Dペロブスカイト材料/シリコンタンデム型PVセルは、図3または4に示すような、3端子または4端子セルとして実施されてもよい。
【0071】
また、表1、表2、および別の箇所に記載された2Dペロブスカイトは、非シリコン底部PVセルを有するタンデム型装置において良好に機能してもよい。例えば、シリコンPVセル1550は、その代わりに、ペロブスカイト、CdTe、CIGS、GaAs、InP、またはGeセルであってもよい。あるいは、ある実施形態では、PVセル1550は、ペロブスカイト(例えば、FAPbI3、FASnI3、MASnI3、またはCsSnI3)、シリコン(例えば、多結晶シリコン、単結晶シリコン、またはアモルファスシリコン)、テルル化カドミウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、セレン化銅インジウムガリウム、セレン化銅インジウム、硫化銅亜鉛スズ、ヒ素化ガリウム、ゲルマニウム、リン化ゲルマニウムインジウム、リン化インジウム、硫化鉛、1または2以上の半導体ポリマー(例えば、ポリチオフェン(例えば、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)およびその誘導体、またはP3HT);ポリヘプタデカニルカルバゾールジチエニルベンゾチアジアゾールおよびその誘導体(例えば、PCDTBT);ポリシクロペンタジチオフェン-ベンゾチアジアゾールおよびその誘導体(例えば、PCPDTBT)、ポリベンゾジチオフェニル-チエノチオフェンジイルおよびその誘導体(例えば、PTB6、PTB7、PTB7-th、PCE-10)のような他のコポリマー;ポリ(トリアリールアミン)化合物およびその誘導体(例えば、PTAA);ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体(例えば、MDMO-PPV、MEH-PPV)、およびそれらの組み合わせ;の任意の1または2以上を含んでもよい。
【0072】
ある実施形態では、本開示は、PVと、1または2以上のペロブスカイト材料を含む、他の同様の装置(例えば、バッテリ、ハイブリッドPVセル、FET、LED、非線形光学系(NLO)、導波路など)と、の複合設計を提供してもよい。より一般的には、本開示のある実施形態は、1または2以上のペロブスカイト材料を含む活性層を有するPVまたは他の装置を提供する。そのような実施形態では、ペロブスカイト材料(すなわち、任意の1または2以上のペロブスカイト材料を含む材料)は、各種アーキテクチャの活性層に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、同じペロブスカイト材料は、複数のそのような機能を果たしてもよい。ただし、他の実施形態では、複数のペロブスカイト材料が装置に含まれ、各ペロブスカイト材料は、1つ以上のそのような機能を果してもよい。特定の実施形態では、ペロブスカイト材料がどのような役割を果たす場合でも、それは、各種状態で装置中に調製され、および/または存在されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、これは、実質的に固体であってもよい。溶液または懸濁液が塗布され、あるいは装置内(例えば、メソポーラス層、界面層、電荷輸送層、光活性層、もしくは他の層のような、装置の別の部材上、および/または電極上)に、成膜されてもよい。いくつかの実施形態では、ペロブスカイト材料は、装置の別の部材の表面上に、in-situで形成されてもよい(例えば、気相成膜による薄膜固体として)。ペロブスカイト材料を含む層を形成する任意の他の好適な手段が使用されてもよい。
【0073】
従って、本発明は、前述の目的および利点、ならびにそれらに固有の利点を達成するようにうまく適合される。前述の特定の実施形態は、一例に過ぎない。本発明は、異なるが、本願の示唆の利点を有する当業者に明らかな等価な方法で、修正され実施されてもよい。また、添付の特許請求の範囲以外により、記載された構成または設計の細部が限定されることは、意図されない。従って、前述の特定の例示的な実施形態は、変更または修正されてもよく、そのような全ての変更は、本発明の範囲および思想の範囲内であることが想定されることは明らかである。特に、本願に記載の各値の範囲(「約aから約b」、または等価な「約aからb」、または同等の「約a~b」)の形態)は、それぞれの値の範囲のべき乗集合(すべてのサブセットの組)を参照しており、より広い範囲の値の内部に包含される全ての範囲が記載されるするものとして理解される。また、特許請求の範囲内の用語は、特許権者による別段の明示的かつ明確な定義がない限り、明確な通常の意味を有する。
図1
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【国際調査報告】