(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】空冷設備の制御方法及び空冷設備
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20230119BHJP
F25D 31/00 20060101ALI20230119BHJP
F25D 21/08 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
F25D11/00 101Y
F25D31/00
F25D21/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530735
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(85)【翻訳文提出日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2020095499
(87)【国際公開番号】W WO2021103483
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】201911174842.8
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522205448
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール スペシャル エレクトリック フリーザー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER SPECIAL ELECTRIC FREEZER CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park Haier Road No.1, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】520198579
【氏名又は名称】ハイアール・スマート・ホーム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ワン ダセン
【テーマコード(参考)】
3L045
3L046
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045HA01
3L045LA13
3L045MA04
3L045NA03
3L045NA23
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L046AA02
3L046BA01
3L046CA05
3L046FB01
3L046JA05
3L046JA09
3L046KA04
3L046LA32
3L046MA02
3L046MA03
3L046MA04
(57)【要約】
本発明は、空冷設備の制御方法及び空冷設備を開示する。空冷設備は、単一蒸発器と単一蒸発器ファンと2つの連通口と3つの電熱線との構造設計を用い、圧縮機、蒸発器ファン、電熱線及び連通口の作動関係の制御を組み合わせる。2つの個室は圧縮機及び蒸発器ファンの作動、第1連通口及び第2連通口の開放を通じて同時冷却を実現させる。圧縮機の停止、蒸発器ファンの作動、第1連通口及び第2連通口の開放、及び第1電熱線と第2電熱線と補償電熱線の起動を通じて同時加熱を実現する。圧縮機及び蒸発器ファンの作動、第1連通口の開放、第2連通口の閉鎖、第2電熱線の起動、冷却や加熱の要件の組み合わせ及び霜取り温度等の条件の限定を通じて、単室冷却と同時に単室加熱を実現する。上記の3つの方法の制御を組み合わせ、単純な構造及び工程設計で単一空冷システムのデュアル温度ゾーン空冷設備の定温度制御を実現する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空冷設備の制御方法であって、
前記空冷設備は、
箱体と、
前記箱体内に取り付けられ、第1個室及び第2個室に区分されたライナーと、
前記第1個室内に取り付けられた第1電熱線と、
前記第2個室内に取り付けられた第2電熱線と、
循環風路と、圧縮機と、蒸発器と、前記蒸発器に霜取り温度を検出するための霜取りセンサーを取り付けた単一循環冷却システムと、
前記ライナーの外側に取り付けられた蒸発器ファンと、
前記第1個室に設けられ、前記循環風路に連通された第1連通口と、
前記第2個室に設けられ、前記循環風路に連通された第2連通口と、を備え、
前記制御方法は、
前記圧縮機及び前記蒸発器ファンの作動を制御し、前記第1連通口を開くと共に前記第2連通口を閉じ、前記第2電熱線を起動させるステップと、
前記第1個室が設定された冷却温度に達した時、前記圧縮機を停止させるよう制御し、霜取り温度が第1の設定温度に達するまで前記第1連通口の閉動作を遅らせるステップと、
前記第2個室が加熱温度に達した時、前記第2電熱線をオフにし、前記第1連通口が閉じられた後霜取り温度が第2の設定温度に達するまで前記第2連通口の開動作を遅らせるステップと、を含むことを特徴とする、空冷設備の制御方法。
【請求項2】
霜取り温度が前記第1の設定温度に達した時に前記蒸発器ファンを停止するよう制御するステップと、
霜取り温度が前記第2の設定温度に達した時に、前記第2個室が加熱温度に達するまで前記蒸発器ファンを作動するよう制御するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の空冷設備の制御方法。
【請求項3】
前記空冷設備は、前記蒸発器の後方に設けられた補償電熱線をさらに備え、
前記制御方法は、前記圧縮機が停止した後で前記補償電熱線を起動させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の空冷設備の制御方法。
【請求項4】
前記補償電熱線を起動させるステップにおいて、100%の通電率に従い前記補償電熱線を起動させることを特徴とする、請求項3に記載の空冷設備の制御方法。
【請求項5】
前記第1連通口及び前記第2連通口を開き、前記蒸発器ファンの作動を制御し、前記第1電熱線、前記第2電熱線及び前記補償電熱線を起動させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の空冷設備の制御方法。
【請求項6】
箱体と、
前記箱体内に取り付けられ、第1個室及び第2個室に区分されたライナーと、
前記第1個室内に取り付けられた第1電熱線と、
前記第2個室内に取り付けられた第2電熱線と、
循環風路と、圧縮機と、蒸発器と、を備え、前記蒸発器に霜取り温度を検出するための霜取りセンサーを取り付けた単一循環冷却システムと、
前記ライナーの外側に取り付けられた蒸発器ファンと、
を備えた空冷設備であって、
前記第1個室に設けられ、前記循環風路に連通された第1連通口と、
前記第2個室に設けられ、前記循環風路に連通された第2連通口と、
前記圧縮機及び前記蒸発器ファンの作動を制御し、前記第1連通口を開くと共に前記第2連通口を閉じ、前記第2電熱線を起動させ、前記第1個室が設定された冷却温度に達した時、前記圧縮機を停止させるよう制御し、霜取り温度が第1の設定温度に達するまで前記第1連通口の閉動作を遅らせ、前記第2個室が加熱温度に達した時、前記第2電熱線をオフにし、前記第1連通口が閉じられた後霜取り温度が第2の設定温度に達するまで前記第2連通口の開動作を遅らせるための単室空冷/加熱制御モジュールと、
をさらに備えることを特徴とする、空冷設備。
【請求項7】
前記単室空冷/加熱制御モジュールは、霜取り温度が前記第1の設定温度に達した時に蒸発器ファンが停止するよう制御し、霜取り温度が前記第2の設定温度に達した時に第2個室が加熱温度に達するまで蒸発器ファンを作動するよう制御するための蒸発器ファン制御ユニットを備えることを特徴とする、請求項6に記載の空冷設備。
【請求項8】
前記蒸発器の後方に設けられた補償電熱線と、
前記圧縮機が停止した後で前記補償電熱線を起動させるための補償加熱制御モジュールと、
をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載の空冷設備。
【請求項9】
前記補償加熱制御モジュールは、100%の通電率に従い前記補償電熱線を起動させることに用いられることを特徴とする、請求項8に記載の空冷設備。
【請求項10】
前記第1連通口及び前記第2連通口を開き、前記蒸発器ファンの作動を制御するための全加熱制御モジュールであって、前記第1電熱線、前記第2電熱線及び前記補償電熱線を起動させるための全加熱制御モジュールをさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載の空冷設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空冷設備の技術分野に関し、特に、空冷設備の制御方法及び空冷設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ワインキャビネットなどのような空冷設備では、デュアル温度ゾーンの製品の場合、通常単一蒸発器とツイン蒸発器ファンとを用いることで実現し、個室を冷却する必要がある場合、コンプレッサーが作動し、対応する蒸発器ファンが作動して対象となる個室の冷却を実現する。この方法は、構造が単純であるが、冷気のチャネリングはより深刻です、低い周囲温度では温度を一定に保つことができていなかった。
【0003】
定温度制御は、ワインなどの貯蔵物品の貯蔵及び最高の口当たりを保証でき、定温度制御を実現するため、従来技術では通常、ツイン蒸発器とツイン蒸発器ファンと2つの電熱線と電磁弁とによる切り替えの制御方法で実現し、第1個室を冷却する必要がある時、電磁弁が第1個室を切り替え、第1個室の蒸発器が冷気を作り、第1個室の蒸発器ファンが作動し、第2個室を冷却する必要がある時、電磁弁が第2個室を切り替え、第2個室の蒸発器が冷気を作り、第2個室の蒸発器ファンが作動し、2つの個室を互いに切り替え、各個室を加熱する必要がある時、この個室内の電熱線が起動され、蒸発器ファンが作動する。このような方法は、定温度制御を実現できるが、構造設計が複雑で、製造工程が煩雑になる等の問題が存在していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、単一蒸発器と単一蒸発器ファンと2つの連通口と3つの電熱線との構造設計を用い、圧縮機と蒸発器ファンと電熱線と連通口との作動関係の制御を組み合わせ、簡素化された構造設計及び技術で単一空冷システムのデュアル温度ゾーンの定温度制御を実現する空冷設備の制御方法及び空冷設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記技術的課題を解決するために以下のような技術的手段を講じる。
【0006】
本発明は、空冷設備の制御方法を提案し、空冷設備は、箱体と、前記箱体内に取り付けられ、第1個室及び第2個室に区分されたライナーと、第1個室内に取り付けられた第1電熱線と、第2個室内に取り付けられた第2電熱線と、循環風路と、圧縮機と、蒸発器と、前記蒸発器に霜取り温度を検出するための霜取りセンサーを取り付けた単一循環冷却システムと、ライナーの外側に取り付けられた蒸発器ファンと、前記第1個室に設けられ、前記循環風路に連通された第1連通口と、前記第2個室に設けられ、前記循環風路に連通された第2連通口と、を備える。本発明に係る制御方法は、圧縮機及び蒸発器ファンの作動を制御し、第1連通口を開くと共に第2連通口を閉じ、第2電熱線を起動させるステップと、第1個室が設定された冷却温度に達した時、圧縮機を停止させるよう制御し、霜取り温度が第1の設定温度に達するまで第1連通口の閉動作を遅らせるステップと、第2個室が加熱温度に達した時、第2電熱線をオフにし、第1連通口が閉じられた後霜取り温度が第2の設定温度に達するまで第2連通口の開動作を遅らせるステップと、を含む。
【0007】
さらに、前記制御方法は、霜取り温度が前記第1の設定温度に達した時に蒸発器ファンを停止するよう制御するステップと、霜取り温度が前記第2の設定温度に達した時に、第2個室が加熱温度に達するまで蒸発器ファンを作動するよう制御するステップと、も含む。
【0008】
さらに、前記空冷設備は、前記蒸発器の後方に設けられた補償電熱線をさらに備え、前記制御方法は、圧縮機が停止した後で前記補償電熱線を起動させるステップをさらに含む。
【0009】
前記補償電熱線を起動させるステップにおいて、100%の通電率に従い前記補償電熱線を起動させる。
【0010】
さらに、前記制御方法は、第1連通口及び第2連通口を開き、蒸発器ファンの作動を制御し、第1電熱線、第2電熱線及び補償電熱線を起動させるステップをさらに含む。
【0011】
本発明は、箱体と、前記箱体内に取り付けられ、第1個室及び第2個室に区分されたライナーと、第1個室内に取り付けられた第1電熱線と、2個室内に取り付けられた第2電熱線と、循環風路と圧縮機と蒸発器とを備え、前記蒸発器に霜取り温度を検出するための霜取りセンサーを取り付けた単一循環冷却システムと、ライナーの外側に取り付けられた蒸発器ファンと、を備えた空冷設備を提案する。本発明に係る空冷設備は、前記第1個室に設けられ、前記循環風路に連通された第1連通口と、前記第2個室に設けられ、前記循環風路に連通された第2連通口と、圧縮機及び蒸発器ファンの作動を制御し、第1連通口を開くと共に第2連通口を閉じ、第2電熱線を起動させ、第1個室が設定された冷却温度に達した時、圧縮機を停止させるよう制御し、霜取り温度が第1の設定温度に達するまで第1連通口の閉動作を遅らせ、第2個室が加熱温度に達した時、第2電熱線をオフにし、第1連通口が閉じられた後霜取り温度が第2の設定温度に達するまで第2連通口の開動作を遅らせるための単室空冷/加熱制御モジュールと、をさらに備える。
【0012】
さらに、前記単室空冷/加熱制御モジュールは、霜取り温度が前記第1の設定温度に達した時に蒸発器ファンが停止するよう制御し、霜取り温度が前記第2の設定温度に達した時に第2個室が加熱温度に達するまで蒸発器ファンを作動するよう制御するための蒸発器ファン制御ユニットを備える。
【0013】
本発明に係る空冷設備は、前記蒸発器の後方に設けられた補償電熱線と、圧縮機が停止した後で前記補償電熱線を起動させるための補償加熱制御モジュールと、をさらに備える。
【0014】
さらに、前記補償加熱制御モジュールは、100%の通電率に従い前記補償電熱線を起動させることに用いられる。
【0015】
本発明に係る空冷設備は、第1連通口及び第2連通口を開き、蒸発器ファンの作動を制御すること、及び、第1電熱線、第2電熱線及び補償電熱線を起動させるための全加熱制御モジュールをさらに備える。
【発明の効果】
【0016】
従来技術と比較して、本発明の利点及び有利な効果は、次の通りである。本発明により提供される空冷設備の制御方法及び空冷設備において、単一循環冷却システムを用い、構造上で循環風路、圧縮機、単一蒸発器、単一蒸発器ファン及び第1個室と第2個室に各々設けられ、いずれMP循環風路に連通された第1連通口及び第2連通口によって実現され、両方の個室を冷却する必要がある時、圧縮機及び蒸発器ファンを起動させ、2つの連通口を開き;両方の個室を加熱する必要がある時、圧縮機の停止を制御すると共に蒸発器ファンの作動を制御し、2個の連通口を閉じ、個室内の電熱線を起動させ;一方の個室を冷却する必要があり、もう一方の個室を加熱する必要がある場合、冷却対象となる個室の連通口を開き、加熱対象となる個室の連通口を閉じ、加熱対象となる個室の電熱線を起動させ、冷却対象となる個室が設定された冷却温度に達した時、圧縮機が停止するよう制御し、霜取り温度が第1の設定温度に達するまで冷却対象となる個室の連通口の閉動作を遅らせ、加熱対象となる個室が加熱温度に達した時、電熱線をオフにさせ、冷却対象となる個室の連通口が閉じられた後霜取り温度が第2の設定温度に達するまで加熱対象となる個室の連通口の開動作を遅らせ;上記3つの方法の制御を組み合わせ、単一空冷システムの構造において2つの個室に対し個別に定温度制御が可能で、定温度制御を実現できるツイン蒸発器とツイン蒸発器ファンと2つの電熱線と電磁弁との従来方法と比較して、単一空冷システムの構造設計及び工程がより簡素化し、簡素化した構造及び工程設計で単一空冷システムのデュアル温度ゾーン空冷設備の定温度制御を実現する。
【0017】
図面を参照しつつ本発明の実施形態の詳細な説明を読んだ後、本発明の他の特徴及び利点がより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明により提案される空冷設備の一実施例の構造概略図である。
【
図2】本発明により提案される空冷設備の制御方法の一実施例のフローチャートである。
【
図3】本発明により提案される空冷設備の一実施例の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的実施形態をさらに詳細に説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明により提案される空冷設備は、箱体1と、ライナー2と、を備える。ライナー2は箱体1内に取り付けられ、ライナー2の内部空洞は第1個室3と第2個室4に区分され、第1個室3内に第1電熱線5が取り付けられ、第2個室4内に第2電熱線6が取り付けられる。空冷設備は、単一循環冷却システムで冷却を実現する。当該単一循環冷却システムは、循環風路7と、圧縮機8と、ライナー2外側の後方に設けられた蒸発器9と、を備える。ライナー2外側の後方に蒸発器ファン10が設けられ、蒸発器ファン10に霜取り温度を検出するための霜取りセンサー(図示せず)が取り付けられる。第1個室3に第1連通口11が設けられる。第1連通口11は、循環風路7と連通する。第2個室4に第2連通口12が設けられる。第2連通口12は、循環風路7と連通する。
【0021】
図1に示す空冷設備の構成において、本発明は制御方法を提案する。当該制御方法は、単一循環冷却システムでデュアル温度ゾーンの定温度制御を実現し、具体的には
図2に示すように、次のステップを含む。
【0022】
ステップS21: 圧縮機及び蒸発器ファンを起動させ、第1連通口及び第2連通口を開く。
【0023】
空冷設備の冷却始動を例にすると、空冷設備の電源投入後、まず単一循環冷却システムを起動させ、第1連通口11及び第2連通口12を開き、第1個室3及び第2個室4を各々冷却する。
【0024】
ステップS22: 2つの個室の冷却温度が冷却要件を満たしているかどうかを判断する。
【0025】
2つの個室を個別に冷却する間に、2つの個室の冷却温度が各自の冷却要件を満たしているかどうかを判断する。一定時間冷却した後、2つの個室の冷却には2つの状況がある。すなわち、状況1は、冷却要件をいずれも満たし、定温度調節に進む必要がある状況である。状況2は、1つの個室が冷却要件を満たし、定温度調節に進む必要があるが、もう1つの個室が冷却要件を満たしていないため、引き続き冷却する必要がある状況である。
【0026】
上記の2つの状況を踏まえ、本発明により提案される制御方法は、各々異なるステップを実行する。状況1が先に発生した時、圧縮機が停止するよう制御し、第1連通口及び第2連通口を開き、蒸発器ファンが作動し続けるよう制御し、第1電熱線及び第2電熱線を起動させるステップS23を実行する。
【0027】
2つの個室がいずれも冷却要件を満たした後、該ステップの制御を介して、第1個室3の第1電熱線5、及び第2個室4の第2電熱線6を各々起動させて、2つの個室に対して定温度制御を実施する。本発明の実施例において、蒸発器9の後方に補償電熱線13も設けられ、定温度制御の時、補償電熱線13の作動を介して蒸発器9の霜取り時間を短縮させることで、蒸発器9の表面温度を速やかに上昇させ、蒸発器ファン10の作動を介して個室内の定温度制御に対し補償加熱を実施する。具体的には、圧縮機8を停止させて定温度制御に入る時、蒸発器ファン10の作動を保持し、第1連通口11及び第2連通口12の開状態を維持し、補償電熱線13を起動させる。2つの個室が自身の電熱線を介して定温度調節をする時、補償電熱線13の熱が蒸発器ファン10の作用により、第1連通口11を経由して第1個室3に入り、第2連通口12を経由して第2個室4に入り、2つの個室の温度を各々補償する。
【0028】
状況2が先に発生した場合、又はステップS23の定温度調節プロセスで一方の個室を加熱する必要がありもう一方の個室を冷却する必要がある状況が発生した場合、第1個室3を冷却する必要や、第2個室4を加熱する必要を例にし、圧縮機及び蒸発器ファンの作動を制御し、第1連通口を開いて第2連通口を閉じ、第2電熱線を起動させるステップS24を実行する。
【0029】
圧縮機8を起動させ、蒸発器ファン10を引き続き作動させ、第1連通口11を開くと共に第2連通口12を閉じ、第2電熱線6を起動して作動させ続け、単一循環冷却システムで流れる冷気が第1連通口11を経由して第1個室3に入って、第1個室3を冷却する。第2連通口12が閉じているので、第2個室4内に冷気が入らず、第2電熱線6の作動によって加熱され続ける。この間に第1個室3が再び設定された冷却温度に達した時、圧縮機を停止させるよう制御し、霜取り温度が第1の設定温度に達するまで第1連通口の閉動作を遅らせるステップS25を実行する。
【0030】
第1個室3が再び冷却要件を満たした後、圧縮機8が停止するよう制御し、霜取りセンサーによって検出された霜取り温度を得、霜取り温度が第1の設定温度T1に達した時、第1連通口11を閉じる。
【0031】
圧縮機8が停止した直後に補償電熱線13を起動させ、蒸発器9の霜取りを補助し、蒸発器9の表面温度を速やかに上昇させることで、その後の個室の定温度調節の準備をする。
【0032】
ステップS26: 第1連通口が閉じられた後霜取り温度が第2の設定温度に達するまで第2連通口の開動作を遅らせる。
【0033】
第1連通口11が閉じられた後、第2個室4の加熱を続け、霜取りセンサーによって検出された霜取り温度を得、霜取り温度が第2の設定温度T2に達した時、第2連通口12を開く。圧縮機8が停止されてから第2連通口12が開くまでの時間に、補償電熱線13が起動されて作動しているため、蒸発器9の表面の霜取り温度が比較的高く、第2連通口12が開かれた後、第2個室4の加熱を補償できる。これにより、第2個室4への定温度調節を加速させる。
【0034】
ステップS27: 第2個室が加熱温度に達した時、第2電熱線をオフにさせる。
【0035】
蒸発器ファン10の制御について、霜取り温度が第1の設定温度T1に達した時、すなわちステップS25で第1連通口11を閉じた時、蒸発器ファン10が停止するよう制御する。この時補償電熱線13が起動されて蒸発器9に対し霜取りを補助することで、霜取り温度を速やかに上昇させる。霜取り温度が第2の設定温度T2に達した時、すなわちステップS26で第2連通口を開いた後、再度蒸発器ファン10を起動して作動させ、蒸発器ファン10の作用によって第2個室4の加熱をより迅速に補償し、第2個室4が加熱温度に達した後に閉じるまで第2個室4の定温度調節をさらに加速する。
【0036】
その後、定温度制御過程で2つの個室を繰り返し冷却又は加熱する必要がある時、上記ステップから与えられる制御の解決手段を組み合わせる。2つの個室は、同時冷却、同時加熱、1つの冷却・1つの加熱の方法により、定温度調節を別々に実施できる。定温度制御を実現できるツイン蒸発器とツイン蒸発器ファンと2つの電熱線と電磁弁との従来方法と比較して、本発明の技術的手段は、単一循環冷却システムに基づいて実現するため、構造設計及び工程がより簡素化し、簡素化した構造及び工程設計で単一空冷システムのデュアル温度ゾーン空冷設備の定温度制御を実現し、産業化への応用により適している。
【0037】
上記ステップS26の後、圧縮機8を再度起動させた時、直ちに第2連通口12を閉じる必要がある。すなわち、圧縮機8が作動している限り、加熱に対する冷気の影響を避けるため、現在加熱されている個室の連通口を閉じる必要がある。
【0038】
第1電熱線5及び第2電熱線6を起動させた後、加熱レンジで要求される通電率に従い作動し、補償電熱線13の場合、起動させた後、100%の通電率に従い作動する。
【0039】
上記で提案される空冷設備の制御方法によれば、
図3に示すように、本発明により提案される空冷設備は、全空冷制御モジュール31と、全加熱制御モジュール32と、単室空冷/加熱制御モジュール33と、をさらに備える。全空冷制御モジュール31は、圧縮機8及び蒸発器ファン10の作動を制御し、第1連通口22及び第2連通口12を開くために用いられる。全加熱制御モジュール32は、圧縮機8が停止するよう制御し、第1連通口11及び第2連通口12を開き、蒸発器ファン10の作動を制御し、第1電熱線5、第2電熱線6及び補償電熱線13を起動して作動させるために用いられる。単室空冷/加熱制御モジュール33は、圧縮機8及び蒸発器ファン10の作動を制御し、第1連通口11を開くと共に第2連通口12を閉じ、第2電熱線6を起動させ、第1個室3が設定された冷却温度に達した時、圧縮機8を停止させるよう制御し、霜取り温度が第1の設定温度T1に達するまで第1連通口11の閉動作を遅らせ、第2個室4が加熱温度に達した時、第2電熱線6をオフにし、第1連通口11が閉じられた後霜取り温度が第2の設定温度T2に達するまで第2連通口12の開動作を遅らせるために用いられる。
【0040】
単室空冷/加熱制御モジュール33は、霜取り温度が第1の設定温度T1に達した時に蒸発器ファン10が停止するよう制御し、霜取り温度が第2の設定温度T2に達した時に第2個室4が加熱温度に達するまで蒸発器ファン10を作動するよう制御するための蒸発器ファン制御ユニット331を備える。
【0041】
本発明により提案される空冷設備は、圧縮機8が停止した後で補償電熱線13を起動させ、具体的に100%の通電率に従い補償電熱線13を起動させるための補償加熱制御モジュール34をさらに備える。
【0042】
具体的には、空冷設備で定温度制御を実現する制御方法は、上記で詳細に説明されているため、ここでその説明を省略する。
【0043】
上記の説明は本発明の限定を意図するものではなく、本発明も上記の実施例に限定されることなく、当業者が本発明の本質的な範囲内で加えられた変化、変形、追加又は置換も本発明の保護範囲に含めることを指摘しておかなければならない。
【国際調査報告】