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特表2023-503171液状又はペースト状の製品を分注するための装置
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  • 特表-液状又はペースト状の製品を分注するための装置 図1
  • 特表-液状又はペースト状の製品を分注するための装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】液状又はペースト状の製品を分注するための装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20230119BHJP
   B65B 3/12 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65B3/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530770
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 FR2020052152
(87)【国際公開番号】W WO2021105601
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】1913231
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】302071210
【氏名又は名称】エルヴェエムアッシュ ルシェルシュ
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュバリエ、マルク
【テーマコード(参考)】
3E014
3E118
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PA03
3E014PB03
3E014PC02
3E014PC03
3E014PC04
3E014PC06
3E014PC08
3E014PC11
3E014PC16
3E014PD12
3E014PE30
3E014PF10
3E118AA02
3E118AB14
3E118AB18
3E118BB21
3E118EA07
(57)【要約】
液状又はペースト状の製品、特に化粧品を分注するための装置(10)が開示され、該装置は、ドーターボトル(20)と、マザーボトル(60)と、補充機構とを備え、ドーターボトル(20)が分注部材(28)と補充機構のドーター部とを備え、マザーボトル(60)が、補充機構のマザー部を備えるとともに、ドーターボトル(20)を取り外し可能に受けるための凹部(70)を画定し、ドーター部は、ドーターボトル(20)が凹部(70)に受けられるときにマザー部と結合するように構成され、そのときに、補充機構は、ドーターボトル(20)にマザーボトル(60)からの製品を補充することができ、分注装置は、補充機構を作動させるために分注部材(28)の作動力を伝達するように構成され、前記分注部材(28)を作動させるために必要な力は、前記補充機構を作動させるために必要な力以上である。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状又はペースト状の製品、特に化粧品を分注するための分注装置(10)であって、ドーターボトル(20)と、マザーボトル(60)と、補充機構とを備え、前記ドーターボトル(20)は、分注部材(28)と、前記補充機構のドーター部とを備え、前記マザーボトル(60)は、前記補充機構のマザー部を備えるとともに、前記ドーターボトル(20)を取り外し可能に受けるための凹部(70)を画定し、前記ドーター部は、前記ドーターボトル(20)が前記凹部(70)内に受けられるときに前記マザー部に結合するように構成され、そのとき、前記補充機構は、前記ドーターボトル(20)に前記マザーボトル(60)からの製品を補充することができ、前記分注装置は、前記補充機構を作動させるために前記分注部材(28)の作動力を伝達するように構成され、前記分注部材(28)を作動させるのに必要な力は、前記補充機構を作動させるのに必要な力以上であり、前記分注部材(28)は、ユーザからの圧力の作用下で前記ドーターボトル(20)から製品を分注するように構成され、前記ドーターボトル(20)が前記凹部(70)内に受けられるときに、前記補充機構は、前記圧力の作用下で前記凹部(70)内の前記ドーターボトル(20)の移動に応じて作動するように設計される、分注装置(10)。
【請求項2】
前記補充機構の前記マザー部がポンプ(72)を備え、前記ポンプの出口(72a)は、前記補充機構の前記ドーター部のオリフィス(36)に係合するように構成される、請求項1に記載の分注装置。
【請求項3】
前記ドーターボトル(20)が前記凹部(70)内に受けられると、前記ドーターボトル(20)の壁(34c)が前記補充機構の作動部に当接する、請求項1又は2に記載の分注装置。
【請求項4】
前記補充機構の前記ドーター部は、逆止弁などのシール弁を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の分注装置。
【請求項5】
前記補充機構及び前記分注部材(28)は、1回の作動で前記補充機構によって前記ドーターボトル(20)に注入される製品の量が1回の作動で前記分注部材(28)によって分注される製品の量以下であるように寸法付けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の分注装置。
【請求項6】
前記補充機構の前記ドーター部は、前記分注部材(28)とは反対側の前記ドーターボトル(20)に設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の分注装置。
【請求項7】
前記ドーターボトル(20)は、前記製品を受けるようになっているリザーバ(22)を備え、前記リザーバ(22)が変形不能である、請求項1から6のいずれか一項に記載の分注装置。
【請求項8】
前記マザーボトル(60)は、前記補充機構の周囲にカバー(76)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の分注装置。
【請求項9】
前記ドーターボトル(20)が前記製品を受けるためのリザーバ(22)を備え、前記リザーバ(22)の前記壁(30)が少なくとも1つの透明又は半透明の窓(32)を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の分注装置。
【請求項10】
液状又はペースト状の製品、特に化粧品を分注するための方法であって、
-ドーターボトル(20)と、マザーボトル(60)と、補充機構とを備える分注装置(10)を供給するステップであって、前記ドーターボトル(20)が、ユーザからの圧力の作用下で前記ドーターボトル(20)から前記製品を送出するための分注部材(28)と、前記補充機構のドーター部とを備え、前記マザーボトル(60)が前記補充機構のマザー部を備える、ステップと、
-前記ドーター部を前記マザー部に結合するように前記マザーボトルの凹部(70)内に前記ドーターボトル(20)を導入するステップであって、このときに前記補充機構が前記ドーターボトル(20)に前記マザーボトル(60)からの製品を補充することができる、ステップと、
-前記ドーターボトル(20)が前記凹部(70)内に受けられるときに、前記分注部材(28)に加えられて前記補充機構に伝達される同じ作動力によって前記補充機構及び前記分注部材(28)を作動させるステップであって、前記圧力の作用下で前記凹部(70)内への前記ドーターボトル(20)の移動に応じて前記補充機構の作動が行なわれる、ステップと、
を含む、分注方法。
【請求項11】
ドーターボトル(20)に液状又はペースト状の製品、特に化粧品を補充するための方法であって、前記ドーターボトル(20)は、分注部材(28)と補充機構のドーター部とを備え、前記分注部材(28)は、ユーザからの圧力の作用下で前記ドーターボトル(20)から製品を分注するように構成され、前記補充方法は、
-前記補充機構のマザー部を備えるマザーボトル(60)の凹部(70)内に前記ドーターボトル(20)を導入して前記ドーター部を前記マザー部に結合するステップであって、このときに前記補充機構が前記ドーターボトル(20)に前記マザーボトル(60)からの製品を補充するのに適しており、前記ドーターボトル(20)が前記凹部(70)内に受けられるときに、前記補充機構が、前記圧力の作用下で前記凹部(70)内への前記ドーターボトル(20)の移動に応じて作動するように設計される、ステップと、
-前記分注部材(28)とは異なる前記ドーターボトル(20)の部分に加えられる作動力によって前記補充機構を作動させるステップと、
を含む、補充方法。
【請求項12】
前記作動力が前記ドーターボトル(20)のキャップに加えられる、請求項11に記載の補充方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液状又はペースト状製品を分注するための装置に関し、より詳細には、マザーボトルと、マザーボトルから補充され得るドーターボトルとを備える分注装置に関する。そのような装置は、特に化粧品、ケア製品又は香料、特に香水を分注するために使用され得る。
【背景技術】
【0002】
化粧品のユーザは、移動時に自分の所持品に占めるスペースを少なくするかどうかにかかわらず又は空の移動のために最大量を課す新たな規制に準拠するために、小容量のパッケージを求める傾向が強まっている。
【0003】
したがって、欧州特許第1744955号明細書は、比較的小さいボトルについて、それをより大きいボトルに結合することによって補充することが可能であることを記載している。これを行なうために、大型ボトル噴霧ヘッドを取り外して大型ボトル分注機構のポンプロッドを露出させる。ポンプロッドは、小型ボトルの開口に導入され、小型ボトルに向かって押され、大型ボトルから小型ボトルへの液体の通過を引き起こす。
【0004】
しかしながら、そのような装置には幾つかの欠点がある。すなわち、大型ボトルの使用は、大型ボトルをそれ自体で使用することが望ましいか又は小型ボトルのための補充として使用することが望ましいかどうかに応じて、噴霧ヘッドを頻繁に取り外したり交換したりする必要があるため、実用的ではない。加えて、補充中のアセンブリの審美性及び安定性を改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第1744955号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、新規なタイプの分注装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため、本開示は、液状又はペースト状の製品、特に化粧品を分注するための分注装置に関連し、該分注装置は、ドーターボトルと、マザーボトルと、補充機構とを備え、ドーターボトルが分注部材と補充機構のドーター部とを備え、マザーボトルが、補充機構のマザー部を備えるとともに、ドーターボトルを取り外し可能に受けるための凹部を画定し、前記ドーター部は、ドーターボトルが凹部に受けられるときに前記マザー部と結合するように構成され、そのときに、補充機構は、ドーターボトルにマザーボトルからの製品を補充することができ、分注装置は、補充機構を作動させるために分注部材の作動力を伝達するように構成され、分注部材を作動させるために必要な力は、補充機構を作動させるために必要な力以上である。
【0008】
本開示の意味の範囲内で、化粧品は、広義には、人に視覚効果をもたらすようになっている製品であってもよいが、香料又はケア製品であってもよい。液状又はペースト状の製品は、分注部材によって分注されるのに十分に流体である配合物を意味する。
【0009】
本開示の意味の範囲内で、ボトルは、意図的に設けられた開口を除いて、前記製品を密封して収容することができる任意の形状の容器である。
【0010】
マザーボトルは、ドーターボトルより大きくてもよい。ドーターボトルは、部分的に又は全体的に凹部内に受けられてもよく、換言すれば、ドーターボトルの容積の少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくはドーターボトルの全てが随意的にその分注部材を除いて凹部内に位置される。
【0011】
更に、マザーボトルの容量、言い換えれば、ボトルが収容できる製品の量は、ドーターボトルの容量以上であってもよい。
【0012】
マザーボトル及びドーターボトルは、それらが互いに結合されると、協働して補充機構を画定し、補充機構のマザー部がマザーボトルに設けられ、ドーター部がドーターボトルに設けられる。補充機構は、製品をマザーボトルからドーターボトルに移送するように構成される。補充機構のドーター部とマザー部との間の結合は取り外し可能であり、それにより、ドーターボトルを補充した後、ドーターボトルを凹部から引き出した後にマザーボトルから離れるように輸送することができる。
【0013】
ドーターボトルの分注部材は、作動力の作用下でドーターボトルから来る製品を分注するように構成される。分注部材は、例えば、ポンプタイプ又はバルブタイプの分注部材とすることができる。これらの例では、製品が分注中に分注部材を通過する。
【0014】
前述のように、ドーターボトルがマザーボトルの凹部内に受けられて、補充機構のドーター部が前記機構のマザー部に結合されると、ドーターボトルの分注部材の作動力が補充機構に伝達されて補充機構を作動させる。分注部材を作動させるのに必要な力は、補充機構を作動させるのに必要な力以上であるという事実により、分注部材の作動中、分注部材を作動させるのに十分になる前に又は同時に力が補充機構に伝達され、補充機構を作動させる。したがって、補充機構は、分注部材の前又は分注部材と同時に作動され、これにより、ドーターボトルからの製品の分注が実行されるときに、ドーターボトルへの製品の補充が保証される。ユーザにとって、これらの2つの動作は単一のジェスチャで実行され、あたかもドーターボトルの分注部材がマザーボトルから来る製品の分注を可能にしたかのように全てが行われる。
【0015】
したがって、本分注装置は、ドーターボトルが凹部に受けられて補充機構のマザー部とドーター部とが互いに結合されるときに、マザーボトルからの製品を消費できるようにする。したがって、別個の分注ヘッドがマザーボトルにとって有用ではなく、これにより、その使用がより人間工学的になる。また、凹部は、マザーボトルとドーターボトルとの間の安定した審美的な結合を確保する。
【0016】
幾つかの実施形態において、分注部材は、ユーザからの圧力の作用下でドーターボトルから製品を送出するように構成される。そのため、分注部材が使い易い。圧力は、ドーターボトルの長手方向で及ぼされる軸方向圧力であってもよい。ユーザは、分注部材に直接に圧力を及ぼすことができ、それにより、分注装置は、機械的伝達部材を欠くことができる。
【0017】
幾つかの実施形態では、ドーターボトルが凹部内に受けられると、補充機構は、前記圧力の作用下で凹部内のドーターボトルの移動に応じて作動するように設計される。
【0018】
したがって、これらの実施形態において、ユーザによって及ぼされる圧力は、最初にドーターボトルを凹部内に移動させ、それによって補充機構を作動させ、次いで、圧力が十分になると、例えば補充機構のストロークの終わりに、ユーザによって及ぼされる圧力が分注部材を作動させる。
【0019】
これらの実施形態では、所定の圧力が協働して分注部材の作動(ドーターボトルからの製品の送出)及び補充機構の作動(マザーボトルからのドーターボトルの補充)を可能にする。
【0020】
幾つかの実施形態では、補充機構のマザー部がポンプを備え、ポンプの出口は、補充機構のドーター部のオリフィスに係合するように構成される。特に、ポンプの出口がロッドの形態を有してもよい。
【0021】
幾つかの実施形態において、分注装置は、補充機構のマザー部とドーター部との間に設けられるシール手段を備える。平坦な、環状の、又は、Oリングのシール或いはマザー部とドーター部との間の緊密な結合などのシール手段がマザー部及び/又はドーター部によって支持されてもよい。
【0022】
幾つかの実施形態では、ドーターボトルが凹部内に受けられると、ドーターボトルの壁が補充機構の作動部に当接する。特に、前記作動部が補充機構のマザー部に設けられてもよい。したがって、補充機構は、ドーターボトル又はより一般的には前記壁の動きによって作動されてもよく、前記壁はこのとき作動部に当接している。
【0023】
幾つかの実施形態では、補充機構のドーター部が逆止弁などのシール弁を備える。したがって、製品は、補充機構のドーター部に設けられる開口を通じて漏れない。
【0024】
幾つかの実施形態において、シール弁は、マザーボトルから来る製品の圧力下で開くように構成される。シール弁は、マザーボトルから来る製品の圧力が所定の閾値未満であるときに閉じられたままであるように構成されてもよい。
【0025】
幾つかの実施形態において、補充機構及び分注部材は、1回の作動で補充機構によってドーターボトルに注入される製品の量が1回の作動で分注部材によって分注される製品の量未満、又は好ましくは量が等しくなるように寸法付けられる。定量的な考察において、作動は、補充機構又は分注部材の1回の完全な行程である。したがって、前述の量は、補充機構及び作動部材が送出することができる最大量である。
【0026】
これらの特徴は、補充機構によってドーターボトルに注入される製品の量がドーターボトルに過剰圧力を発生させる状況を回避する。量が等しい場合、マザーボトルから補充される製品は、分注部材に起因して同時に消費される同一量の製品を交換することを目的とする。したがって、ドーターボトルの補充は特に効率的である。
【0027】
幾つかの実施形態において、補充機構のドーター部は、分注部材の反対側のドーターボトルに設けられる。一般に、長手方向に、例えば低部から高部まで延在するボトルに対して、補充機構のドーター部が下端に設けられてもよく、一方、分注部材が上端に設けられてもよい。したがって、補充機構のドーター部をユーザから容易に隠してマザー部に結合することができる一方で、分注部材はユーザが容易にアクセス可能なままである。
【0028】
幾つかの実施形態では、ドーターボトルが製品を受けるためのリザーバを備え、前記リザーバが変形不能である。したがって、製品を受ける容積、言い換えるとリザーバの容量は、変形可能なポーチ又はピストンリザーバとは異なり、分注中及び補充中に一定である。
【0029】
幾つかの実施形態では、マザーボトルが補充機構の周りにカバーを備える。カバーは、マザーボトルの外側から見て、補充装置及び/又は凹部の内側を覆い隠してもよい。カバーは、不透明であっても半透明であってもよい。
【0030】
幾つかの実施形態では、ドーターボトルが製品を受けるようになっているリザーバを備え、リザーバの壁は少なくとも1つの透明又は半透明の窓を有する。したがって、リザーバ内に残っている製品の量を推定することが容易である。リザーバの壁は、複数の区切られた窓を備えてもよく、或いは更には、例えば完全に透明又は半透明であることによって全体に窓を形成してもよい。
【0031】
幾つかの実施形態において、マザーボトルは、凹部に取り付けられる心出し手段を備える。心出し手段、例えばシース、リング、突出部、又は、フールプルーフ型心出し手段などは、補充機構のドーター部とマザー部との間の結合をより確実にするために、ドーターボトルを凹部内で更に安定させる。
【0032】
幾つかの実施形態において、ドーターボトルのリザーバは、その下部に局所的に減少した断面積を有する。下部は、先に開示されたように、分注部材とは反対側の部分であってもよい。断面積は、前述した長手方向に対して横方向に測定した面積である。これらの手段により、リザーバの底部におけるアクセス不可能な製品の量が低減される。
【0033】
幾つかの実施形態では、マザーボトルは、ドーターボトルとは別個のアクチュエータを有さず、特に、マザーボトルは分注ヘッドを有さなくてもよい。厳密な意味では、マザーボトルは、補充機構のマザー部と一体化されたそれ自体の分注部材を備えてもよく、また、それ自体が内部アクチュエータを有してもよいが、通常の使用では、これらの実施形態において、ユーザはドーターボトルを使用せずにこの内部アクチュエータを使用することができない。したがって、ドーターボトルの使用はマザーボトルの動作にとって不可欠であり、マザーボトルはドーターボトルがなければ使用できない。
【0034】
また、本開示は、液状又はペースト状の製品、特に化粧品を分注するための方法であって、
-ドーターボトルと、マザーボトルと、補充機構とを備える分注装置を供給するステップであって、ドーターボトルが、分注部材と、補充機構のドーター部とを備え、マザーボトルが補充機構のマザー部を備える、ステップと、
-前記ドーター部を前記マザー部に結合するようにマザーボトルの凹部内にドーターボトルを導入するステップであって、このときに補充機構がドーターボトルにマザーボトルからの製品を補充することができる、ステップと、
-分注部材に加えられて補充機構に伝達される同じ作動力によって補充機構及び分注部材を作動させるステップと、
を含む分注方法にも関連する。
【0035】
この方法は、先に開示された特徴の全部又は一部を有する分注装置を使用することができる。単一の作動力を加えることによって、ユーザは、補充機構及び分注部材の両方を作動させ、これにより、ドーターボトルから来る製品を分注してドーターボトルをマザーボトルから協働して補充できる。
【0036】
また、本開示は、ドーターボトルに液状又はペースト状の製品、特に化粧品を補充する方法にも関連し、ドーターボトルは分注部材と補充機構のドーター部とを備え、補充方法は、
-前記ドーター部を前記マザー部に結合するように補充機構のマザー部を備えるマザーボトルの凹部内にドーターボトルを導入するステップであって、このときに補充機構がドーターボトルにマザーボトルからの製品を補充するのに適している、ステップと、
-分注部材とは異なるドーターボトルの部分に加えられる作動力によって補充機構を作動させるステップと、
を含む。
【0037】
補充方法は、先に開示された特徴の全部又は一部を有する分注装置を使用することができる。そのような方法により、ユーザは、マザーボトルとは独立してドーターボトルを携帯使用した後に容易にドーターボトルを補充することができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、作動力がドーターボトルのキャップに加えられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明の主題の他の特徴及び利点は、添付図面に関連して、非限定的な例として提供される、実施形態の以下の説明から明らかになる。
【0040】
図1】一実施形態に係る分注装置の分解斜視図である。
【0041】
図2】同実施形態に係る分注装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1及び図2に関連して一実施形態に係る分注装置が提示される。分注装置10は、ドーターボトル20及びマザーボトル60を備える。
【0043】
ドーターボトル20は、香料又はケア製品のための、液状又はペースト状の製品、特に化粧品を受けるようになっているリザーバ22(図2参照)を備える。この場合、変形不能なリザーバ22は、長手方向を規定する軸Xの周りで延在する、ここでは回転対称な管状本体24によって形成される。径方向は、長手方向Xと直交し且つこの方向と交差する方向である。同様に、軸方向平面は、リザーバ22のX軸を含む平面であり、また、径方向平面は、この軸に対して垂直な平面である。
【0044】
本開示において、上側、下側、高い、及び、低いという用語は、図面を参照して、相対的な意味でのみ理解されるべきである。それらは、2つの本質的に反対の位置を区別することを可能にする。特に、「高い」点を「低い」点に接続する直線、この場合は長手方向Xは、この用語の通常の意味で必ずしも垂直ではない。
【0045】
本体24は、意図された液状又はペースト状の製品に適合する任意の材料、例えば、変形可能又は変形不能な熱可塑性樹脂などのプラスチック材料、ガラス、金属、又は、当業者に知られている任意の他の材料から形成されてもよい。この実施形態では、本体24が透明材料から製造される。この場合、本体24は射出によって製造され、これにより、所望の逃がし、特に以下に見られるように、分注部材28用の取付部26を容易に形成することができる。
【0046】
ドーターボトル20は、例えばアルミニウム製の不透明な円筒の形態をとるマスキングカバー30を備えることができる。マスキングカバー30は、内部を覆い隠すために本体24上に被嵌するように構成される。しかしながら、マスキングカバー30は、例えば透明の本体24を通じてリザーバ22内に残っている製品のレベルを見ることができるようにする窓32を形成するために、所定の場所でくり抜かれてもよい。このレベルのより良い推定のために、窓32は、装置の通常の使用における重力方向に、言い換えれば、ここでは長手方向Xに細長くてもよい。したがって、この実施形態では、例えば長方形の窓32が、長手方向Xにおいてマスキングカバー30の半分以上にわたって延在する。このようにして、リザーバ22の壁は、少なくとも1つの透明な窓32を有する。他の実施形態において、窓32は、本体24の材料に起因して又はマスキングカバー30の中空に設けられた更なる材料に起因して、半透明となり得る。
【0047】
一端において、ここではその上端において、本体24は分注部材28によって閉じられる。この場合、分注部材28はポンプ28aを備え、該ポンプの詳細は、当業者に知られており、図示されていない。ポンプ28aは、リザーバ22の反対側の端部まで延在する浸漬管28b、ここでは可撓性浸漬管と関連付けられ得る。
【0048】
分注部材28は、好ましくはシールされた任意の適切な手段によって本体24上に組み付けられ得る。この場合、カラー28cが、この場合にはスナップ締結によって前述の取付部26と係合するように設けられ、取付部26は、カラー28cの径方向突出部を受けるように構成された径方向凹部を形成することができる。
【0049】
分注部材28は、それ自体既知の態様で、ポンプ28aの分注ヘッド28dに作用する軸方向圧力(言い換えれば、長手方向X)によってドーターボトルから製品を送出するように作動され得る。このとき、一般に、ポンプ28aは、浸漬管28bを介してリザーバ22に収容された製品を吸い上げ、それを分注ヘッド28dを介して送出する。
【0050】
ドーターボトル20は、例えば、分注部材28の本体24への固定を覆い隠すために、装飾カラーリング48を備えることができる。カラーリング48は金属製であってもよい。カラーリングは、それ自体既知の手段によって、例えばクランプによって、ドーターボトルの残りの部分、例えばカラー28cに組み付けられ得る。更に、図2から明らかなように、カラーリング48は、ここでは外部突出部48aを介して、以下に説明する分注装置10のキャップ80と相互作用することができる。突出部48aは、唯一のドーターボトル20を閉じるためのトラベリングキャップを保持するために使用することもできる。
【0051】
前述のように、ドーターボトル20は、ドーター部とマザー部とを備える補充機構のドーター部を更に備える。補充機構のマザー部については後述する。この場合、補充機構のドーター部(又はより簡単には「ドーター部」)は、分注部材28の反対側のドーターボトル20上に設けられる。この実施形態では、ドーター部が本体24の下端を閉じる。
【0052】
補充機構のドーター部は、オリフィス36を画定する底部34を備える。底部34は、好ましくはシールされた任意の適切な手段によって本体24上に組み付けられ得る。この場合、底部34は外周スカート34aを備え、外周スカートの径方向外面は、本体24の径方向内面に対するクランプを確保し、したがって、底部34と本体24との間の接続の保持及びシールの両方を保証するようになっているここでは周方向のボス34bを画定する。
【0053】
底部34は、スカート34aの内部を閉じるベース34cを更に備える。この実施形態において、ベース34cは、本体24の端部に向かって広がる形状を有し、これは、以下の二重の効果、すなわち、一方では、リザーバ22の内側では、リザーバ22の下部で、残りの製品を集中させるように断面積が局所的に縮小され、他方では、リザーバ22の外側で、広がり形状が後述する補充機構のマザー部を受けるのに適しているという効果を有する。
【0054】
この場合、ベース34cは、管状部分によって接続された、ここでは同軸で且つ互いに対して長手方向にオフセットされた複数の連続する径方向プレートから形成された階段形状を有する。階段形状の代わりに、ベース34cの広がり形状は、ほぼ円錐台形、ピラミッド状などであってもよい。
【0055】
底部34は単一部品として形成されてもよく、スカート34a、ボス64b、及び、ベース34cが一体部品として形成される。例えば、底部34は、プラスチック、例えばポリエチレンで作ることができる。
【0056】
オリフィス36は、ベース34cに、この場合にはベースの中心に設けられる。前述のように、補充機構のドーター部は、オリフィス36を介した漏れを制限するために、逆止弁などのシール弁を備えてもよい。この場合、逆止弁は、ボール38であって、ボール38との間に圧縮状態で取り付けられたばね40によってオリフィス36に保持されたボール38と、ベース34cに組み付けられてばね40のための支持体を形成する穿孔キャップ42とによって形成される。
【0057】
マザーボトル60は、液状又はペースト状の製品、特にドーターボトルのリザーバ22と同じ製品を受けるためのリザーバ62を備える。この場合、変形不能なリザーバ62は、ここでは多角形のベースを伴う管状本体64によって形成され、本体64はその下端が閉じられている。本体64の長手方向は、以下に説明するようにマザーボトル60とドーターボトル20とが組み付けられるときのドーターボトル20の長手方向と一致するため、これが、簡潔にするために、以下で単一の長手方向Xを参照する理由である。
【0058】
本体64は、意図された液状又はペースト状の製品に適合する任意の材料、例えばガラスで作ることができる。より一般的には、本体64は、透明材料から製造することができる。この場合、本体64はプレス加工によって製造されるので、その内部形状を精密に制御することができる。
【0059】
本体64は、その開口端(上端)において、開口66aを有する蓋66によって少なくとも部分的に閉じることができる。また、蓋66は、例えば、プレス加工されたガラス、プラスチック、金属などから、随意的に本体64と同じ材料から製造することもできる。蓋66は、製造上の制約のために本体64とは別個に製造されてもよいが、その後に、例えば、ねじ止め、接着、溶接、クリップ留め、インターロック、又は、当業者が想定することができる任意の他の組み付け方法によって、それ自体既知の態様で本体64に組み付けられる。他の製造方法を使用する代替形態によれば、本体64及び蓋66は、単一部品として同時に形成することができる。
【0060】
蓋66は、ドーターボトル20のための凹部70を形成するようになっているシース68を支持する。シース68は、ドーターボトルの外形に対応する任意の内部形状を有することができ、この場合、主に長手方向Xに沿って延びて長手方向Xの周りで実質的に回転対称な形状を有することができる。図2に示されるように、シース68は、分注部材28又は少なくともその作動に必要な要素、すなわち、ここでは分注ヘッド28dを除いて、ドーターボトル20の容積の少なくとも50%、この場合はドーターボトル20のほぼ全体を受けるのに十分な長さであり得る。
【0061】
シース68は、当業者によって想定され得る任意の手段によって蓋66により支持され得る。特に図2から分かるように、シース68は、ここでは、前述した本体24上への分注部材28の組み付けと同様の態様で、スナップ締結によって蓋66に組み付けられる。シース68は、当業者の知識に従って当業者により選択される材料で作製することができる。この場合、特に蓋66がガラス製である場合にスナップ締結を容易にするために、シース68は、アイオノマー(サーリン(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィンなどのプラスチック材料で作ることができる。或いは、シース68は、当業者が想定することができる任意の他の材料、例えば木材又は金属から作製することができる。
【0062】
シース68は、ドーターボトル20の凹部70内への挿入及び取出しを可能にするために、その上端で開くことができる。したがって、この実施形態では、シース68を介して、マザーボトル60は、ドーターボトル20を取り外し可能に受けるための凹部70を画定する。随意的に、シース68は、その径方向内面に、ドーターボトル20の凹部70内の安定性を改善するために、ドーターボトル20の外面と接触するようになっているリブ68a、例えば長手方向リブを備えてもよい。更に、シース68又はより一般的には凹部70は、ここでは凹部70の入口に位置される心出しリング74によって補完されてもよい。心出しリング74は、例えば弾性タブ74aによって、凹部70に向かって突出することができ、凹部70内のドーターボトル20の位置決めを更に確実にする。
【0063】
シース68は、その下端において、補充機構のマザー部を支持する底部68b、ここでは横底部によって閉じられてもよい。このため、マザーボトル60は、補充機構のマザー部を備える。
【0064】
より詳細には、この実施形態では、補充機構のマザー部がポンプ72を備える。ポンプ72は、当業者によって想定され得る任意の手段、例えばスナップ締結によってシース68の底部68bに組み付けられてもよい。ポンプ72又はより一般的には補充機構のマザー部は、マザーボトル60の本体64、蓋66及びシース68の間にシール態様で画定されるリザーバ62の内面とリザーバ62の外面との間の界面を形成する。
【0065】
更に、マザーボトル60は、補充機構の周りにカバー76を備えてもよい。この実施形態では、シース68の形状に対応する管状形状を成すとともにシース68上に圧力嵌めされるカバー76が、シース68とは別個の部品であり、この場合、カバーは、シース68の径方向外面に設けられたリブ68c、ここでは長手方向リブによって保持され得る。或いは、カバー76及びシース68は、互いに組み付けられてもよく或いは更には単一の部品として形成されてもよい。しかしながら、図示のように、2つの別個の部品は、製造を容易にし且つ異なる材料を使用できるようにするという利点を有し、この場合、カバー76は、特に審美的理由のため金属製であってもよい。不透明又は別の態様の他の材料も想定し得る。更に、リブ68cの存在は、シース68とカバー76との間に空間をもたらす。この空間は、ドーターボトル20を凹部70内に導入する最中に、底部68bとカバー76の下端との間に位置される残留空気の捕捉を回避する。実際に、そのような捕捉は、マザーボトル60からの製品のオーバーフローを引き起こす可能性がある。
【0066】
図2は、カバー76がマザーボトルのリザーバ62の内側に位置し、更に、カバー76がポンプ72の側でシース68を越えて延びることを示す。より正確には、カバー76は、ここではポンプ72を越えて長手方向に延びる。したがって、シース68の径方向外側に位置されるカバー76は、補充機構のマザー部、すなわち、ポンプ76を視界から覆い隠すが、図2に見られるように、シース68の内側、したがって凹部70内に受けられるドーター部も覆い隠す。この場合、マザーボトル60は、補充機構の周りにカバー76を備える。
【0067】
マザーボトル60は、例えば蓋66、シース68及び/又は心出しリング74の固定を覆い隠すための装飾カラーリング78を備えてもよい。カラーリング78は金属製であってもよい。カラーリングは、それ自体既知の手段によって、例えばクランプによって、マザーボトルの残りの部分、例えば蓋66に組み付けられ得る。更に、図2から明らかなように、カラーリング78は、それをマザーボトル60に組み付けられた状態に保持するために、ここでは外部突出部78aを介して、キャップ80と相互作用できる。
【0068】
既に分かるように、ドーターボトル20は、その分注に関して自律的であり、分注部材28は、リザーバ22に収容された製品を送出できるようにする。しかしながら、ユーザが移動していないとき又はドーターボトル20を補充することが望まれるとき、ドーターボトル20をマザーボトル60の凹部70に挿入することができ、したがって図2に示す形態が得られる。
【0069】
この形態では、ドーターボトル20が凹部70内に受けられ、また、補充機構のドーター部が補充機構のマザー部に結合され、それによって補充機構が形成されて動作可能になる。この場合、ポンプ72の出口72aは、ポンプ72及びその出口72a、オリフィス36を介して、マザーボトル60のリザーバ62からドーターボトル20のリザーバ22までの連続チャネルを画定する補充機構のドーター部のオリフィス36に係合し、逆止弁は、ボール38、ばね40及び穿孔キャップ42を備える。したがって、補充機構は、ドーターボトル20にマザーボトル60からの製品を補充することができる。
【0070】
階段状ベース34c又はより一般的にはドーターボトル20の壁によって形成される肩部は、図2に示されるように、補充機構の作動部、この場合はポンプ72の作動部に支持され得る。力を伝達して作動させることができるその能力に加えて、この支持は、マザー部とドーター部との間にシール手段を形成する。
【0071】
ユーザが製品を分注したいときに、キャップ80が引き抜かれると、ユーザは分注ヘッド28dに長手方向の圧力を及ぼすことができる。その代わりに、ユーザは、一方では分注部材28の作動閾値に、他方ではポンプ72の作動閾値に関連する抵抗を感じる。分注部材28を作動させるのに必要な力が補充機構を作動させるのに必要な力以上である限り、ユーザからの圧力は、最初に補充機構の抵抗に打ち勝ち、最初にドーターボトル20全体を図2の向きで下方に長手方向で並進移動させる。この並進移動は、ベース34cとポンプ72との相互作用によって、ポンプ72の作動を引き起こし、続いて、マザーボトル60のリザーバ62からドーターボトル20のリザーバ22への製品の移送を引き起こし、マザーボトル60から来る製品の圧力は、逆止弁を開くのに十分であり、言い換えれば、ボール38をばね40に抗して移動させる。したがって、補充機構を作動させるために、分注部材28の作動力(ここではユーザからの圧力)が、凹部70内のドーターボトル20の移動を介して伝達される。
【0072】
この場合、分注部材28及び補充機構の作動力の較正は、ポンプ28a及びポンプ72のそれぞれのばね又は任意の他の同等の要素の剛性を寸法付けることによって実行することができる。一般に、補充機構のポンプ72及び分注部材28のポンプ28aが更に同一である場合、分注部材28のポンプ28aのばねの剛性は、補充機構のポンプ72のばねの剛性以上である。
【0073】
ユーザが圧力を及ぼし続ける場合、ドーターボトル20は凹部70の底部及び/又はポンプ72の移動の終わりに到達する。結果として、ユーザによって及ぼされる圧力は、分注部材28の抵抗を超え、分注部材28を作動させることによって終了する。
【0074】
したがって、この実施形態は、液状又はペースト状の製品、特に化粧品を分注するための方法の一例を形成し、この方法は、
-ドーターボトル20と、マザーボトル60と、補充機構とを備える分注装置10を供給するステップであって、ドーターボトル20が、分注部材28と、補充機構のドーター部とを備え、マザーボトル60が補充機構のマザー部を備える、ステップと、
-前記ドーター部を前記マザー部に結合するようにマザーボトルの凹部70内にドーターボトル20を導入するステップであって、このときに補充機構がドーターボトル20にマザーボトル60からの製品を補充することができる、ステップと、
-分注部材28に加えられて補充機構に伝達される同じ作動力によって補充機構及び分注部材28を作動させるステップと、
を含む。
【0075】
既に示唆したように、補充機構及び分注部材28は、1回の作動で補充機構によってドーターボトル20に注入される製品の量が1回の作動で分注部材28によって分注される製品の量よりも小さく、大きく、又は、好ましくは等しくなるように寸法付けられ得る。これを達成するために、例えば、ポンプ72の容量は、ポンプ28aの容量よりもそれぞれ小さくてもよく、大きくてもよく、又は等しくてもよい。
【0076】
他の想定し得る使用法によれば、製品を分注することなくドーターボトル20を補充するために、ユーザは、分注ヘッド28dではなく、例えばドーターボトル20のカラー28c又はカラーリング48を介して、ドーターボトル20の本体24に圧力を及ぼすことができる。例えば、一般にドーターボトルの移動使用中に分注部材28のための保護としての機能を果たす取り外し可能なキャップを設けることができ、これにより、分注部材28を作動させることなく、ドーターボトル、例えばカラー28cを押すことができるようになる。
【0077】
したがって、この他の使用は、ドーターボトル20に液状又はペースト状の製品、特に化粧品を補充する方法の一例を形成し、この場合、ドーターボトル20は、分注部材28及び補充機構のドーター部を備え、補充方法は、
-前記ドーター部を前記マザー部に結合するように補充機構のマザー部を備えるマザーボトル60の凹部70内にドーターボトル20を導入するステップであって、このときに補充機構がドーターボトル20にマザーボトル60からの製品を補充するのに適している、ステップと、
-分注部材28とは異なるドーターボトル20の部分に加えられる作動力によって補充機構を作動させるステップと、
を含む。
【0078】
或いはこの場合も同様に、特に、分注部材28及び補充機構の作動閾値が互いに十分に離れている場合、ユーザは、分注ヘッド28dに、補充機構を作動させるのに十分な制限された圧力を及ぼし、ドーターボトル20が停止するときにこの圧力を及ぼすことを止めることができ、したがって、ユーザは、この圧力が分注部材28を作動させるのに十分になる前に分注ヘッド28dから圧力を解放する。
【0079】
本明細書本文は特定の典型的な実施形態を参照するが、特許請求の範囲によって定義される本発明の一般的な範囲を超えることなく、これらの例に修正を適用することができる。更に、例示又は言及された異なる実施形態の個々の特徴は、更なる実施形態で組み合わせることができる。したがって、説明及び図面は、限定ではなく例示として考慮されるべきである。
図1
図2
【国際調査報告】