(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-26
(54)【発明の名称】ポリマーの解重合化のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
C08J 11/16 20060101AFI20230119BHJP
B01F 29/63 20220101ALI20230119BHJP
B01F 35/90 20220101ALI20230119BHJP
B01F 35/92 20220101ALI20230119BHJP
【FI】
C08J11/16
B01F29/63
B01F35/90
B01F35/92
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022553229
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 IB2020060622
(87)【国際公開番号】W WO2021094949
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】102019000020784
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522184224
【氏名又は名称】ゲーエルスリーエヌ・エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マウリッツィオ・クリッパ
【テーマコード(参考)】
4F401
4G036
4G037
【Fターム(参考)】
4F401AA22
4F401AA23
4F401AA24
4F401AA26
4F401CA68
4F401CA75
4F401CB03
4F401CB15
4F401CB27
4F401EA04
4F401EA10
4F401EA46
4F401EA60
4G036AA04
4G037CA03
4G037EA05
(57)【要約】
ポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネートの解重合化のための装置(1)は、反応チャンバ(10)を有するマイクロ波解重合化リアクタ(2)と、反応チャンバ(10)内にマイクロ波を送るためのマイクロ波発生および輸送システム(5)であって、反応チャンバ(10)内にマイクロ波を運搬および分配するように、マイクロ波発生器(37)および反応チャンバ(10)内に収容された案内デバイス(38)を備えた、マイクロ波発生および輸送システム(5)と、反応チャンバ(10)内で軸(A)の周りに回転し、反応チャンバ(10)内に収容された液体および固体の混合物を反応チャンバ(10)内で動的に分配するように構成された混合デバイス(3)と、反応チャンバ(10)内で圧力を変更するように構成された加圧システム(6)と、を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネートの解重合化のための装置(1)であって、リアクタ容器(9)を有するマイクロ波解重合化リアクタ(2)であって、前記リアクタ容器(9)が、長手軸(A)に沿っておよび前記長手軸(A)の周りに延び、反応組成物で処理される前記ポリマーの解重合化反応が中で起こる内部反応チャンバ(10)を画定する、マイクロ波解重合化リアクタ(2)と、前記内部反応チャンバ(10)内にマイクロ波を送るためのマイクロ波発生および輸送システム(5)であって、好ましくは前記リアクタ容器(9)の外側に配置されているマイクロ波発生器(37)、および前記マイクロ波発生器(37)に関連付けられ、前記内部反応チャンバ(10)内で前記マイクロ波発生器(37)によって発生した前記マイクロ波を前記長手軸(A)に沿っておよび前記長手軸(A)の周りに運ぶかつ分配するために前記内部反応チャンバ(10)内に収容された案内デバイス(38)を備えた、マイクロ波発生および輸送システム(5)と、前記内部反応チャンバ(10)内に収容され、前記長手軸(A)周りに回転し、前記内部反応チャンバ(10)内に収容される液体および固体の混合物を攪拌したままにするように構成されて、前記長手軸(A)に沿っておよび前記長手軸(A)に対する径方向の両方で前記内部反応チャンバ(10)の内側で前記混合物を動的に分配する混合デバイス(3)と、大気圧の上および下の両方で前記内部反応チャンバ(10)の内側の圧力を調節するように構成された加圧システム(6)と、を備えた、装置。
【請求項2】
前記案内デバイス(38)は、前記リアクタ容器(9)の前記長手軸(A)に沿って延びるパイプを有し、前記パイプの横壁上に形成された横放出穴を備えた導波路(39)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記混合デバイス(3)は、前記内部反応チャンバ(10)内に収容された支持構造(34)によって一体的に支持される複数のブレード(33)を備えている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記リアクタ容器(9)は、マイクロ波電磁放射を実質的に通さない材料、例えば、鋼または別の金属材料で作られている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記内部反応チャンバ(10)から熱を選択的に抽出する、または前記内部反応チャンバ(10)に熱を提供するように構成された熱制御システム(4)を備えた、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記熱制御システム(4)は、前記リアクタ容器(9)の周りに巻かれた少なくとも1つのコイル(36)であって、前記コイル(36)の内側で、熱伝達流体が循環し、前記熱伝達流体が、前記熱伝達流体が加熱または冷却される熱ユニットから来る、少なくとも1つのコイル(36)、および/または前記混合デバイス(3)に直接作用する加熱/冷却デバイスを備えている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記加圧システム(6)は、前記内部反応チャンバ(10)内に不活性気体を選択的に射出し、前記内部反応チャンバ(10)から不活性気体を抽出するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記内部反応チャンバ(10)から気体相を、気体相出口(27)を通して抽出するための真空ポンプ(29)を備えた、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記内部反応チャンバ(10)から気体相を回収し、その後、前記気体相から凝縮物および気体を分離するように構成された回収回路(44)を備えた、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記内部反応チャンバ(10)内に収容される液体および固体の前記混合物から液体流を分離させて、前記液体流から分離された固体残留物を前記内部反応チャンバ(10)内に保持するように構成されたフィルタ(25)を備えた、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記フィルタ(25)は、前記リアクタ容器(9)の下側端部壁(12)で、前記混合デバイス(3)の下に位置決めされている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記マイクロ波解重合化リアクタ(2)は、処理されるポリマー材料を前記内部反応チャンバ(10)に供給するためにポリマー供給ダクト(16)に接続された少なくとも1つの固体相入口(15)と、液体反応組成物を前記内部反応チャンバ(10)に供給するために試薬供給ダクト(18)に接続された第1の液体相入口(17)と、補助成分を前記内部反応チャンバ(10)に供給するために補助供給ダクト(20)に接続された第2の液体相入口(19)と、前記内部反応チャンバ(10)内で形成された反応生成物を前記内部反応チャンバ(10)から取り除くために出口ダクト(22)に接続された少なくとも1つの反応生成物出口(21)と、液体流を前記内部反応チャンバ(10)から取り除き、前記液体流から分離された固体残留物を前記内部反応チャンバ(10)内に保持するために、フィルタ(25)および任意選択で抜き取りポンプ(26)を備えた抽出ダクト(24)に接続された少なくとも1つの液体相出口(23)と、前記内部反応チャンバ(10)から気体相を抽出するために、真空ポンプ(29)を備えかつ凝縮器(30)に接続された気体出口ダクト(28)に接続された少なくとも1つの気体相出口(27)と、前記内部反応チャンバ(10)内に不活性気体を導入するかつ前記内部反応チャンバ(10)から不活性気体を抽出するために、前記加圧システム(6)のそれぞれのダクトに接続された、サービス入口(31)およびサービス出口(32)と、を備えている、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記装置が、前記マイクロ波解重合化リアクタ(2)に供給される前記反応組成物を収容する再循環タンク(45)を備え、前記再循環タンク(45)は、前記マイクロ波解重合化リアクタ(2)の液体相入口(17)に試薬供給ダクト(18)を介して接続された運搬出口(47)、および前記マイクロ波解重合化リアクタ(2)の液体相出口(23)に再循環ダクト(50)を介して接続された戻り入口(49)を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記再循環タンク(45)は、前記マイクロ波解重合化リアクタ(2)の内部圧力より高い制御圧力に加圧され、追加の熱制御システム(54)を備え、前記追加の熱制御システム(54)は、例えば前記再循環タンク(45)を外部から包むライナ(55)を備え、前記ライナ(55)内で加熱/冷却流体が循環して、前記再循環タンク(45)内で前記反応組成物の制御温度を維持する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリカーボネートの解重合化のための方法での請求項1から14のいずれか一項に記載の装置の使用。
【請求項16】
ポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリカーボネートの解重合化のための方法であって、リアクタ容器(9)の内側に画定されかつ軸(A)に沿っておよび前記軸(A)の周りに延びた反応チャンバ(10)に、処理されるポリマー、および前記ポリマーの解重合化反応のための反応組成物が供給される試薬供給ステップと、マイクロ波が、前記反応チャンバ(10)内に収容された案内デバイス(38)により前記反応チャンバ(10)内に送られ、前記軸(A)に沿っておよび前記軸(A)の周りに前記反応チャンバ(10)内に前記マイクロ波を分配し、前記解重合化反応を活性化する、解重合化反応ステップであって、前記反応チャンバ(10)内に収容された前記ポリマーおよび前記反応組成物は、前記軸(A)に沿っておよび前記軸(A)に対する径方向の両方で前記反応チャンバ(10)内で動的に分配するように前記軸(A)周りに回転する混合デバイス(3)により、混合され、攪拌したままにされ、混合物は前記ポリマーおよび前記反応組成物によって形成され、前記反応チャンバ(10)は前記解重合化反応ステップ中に規定の圧力で加圧される、解重合化反応ステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記ポリマーは、大気圧で前記反応チャンバ(10)内に最初に導入され、その後、前記反応組成物は、特に前記反応チャンバ(10)内に窒素または他の不活性気体を導入することによって前記反応チャンバ(10)を加圧した後に、前記反応チャンバ(10)内に導入される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記反応組成物を供給する時、および前記解重合化反応ステップ中の前記反応チャンバ(10)の前記圧力は、7バーグ以上である、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、前記反応チャンバ(10)に、処理されるポリマーの全量および第1の投与量の反応組成物が供給される初期供給ステップと、液体相抽出および再融合ステップと交互に起こる複数の反応ステップと、を含み、各液体相抽出および再融合ステップでは、反応残留物を含む液体相は、前記反応チャンバ(10)から抽出され、新たな投与量の新しい反応組成物は前記反応チャンバ(10)内に導入される、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
各液体相抽出および再融合ステップでは、フィルタ(25)を備えた抽出ダクト(24)が開かれ、それにより、前記反応チャンバ(10)内の前記圧力が前記反応チャンバ(10)から前記反応チャンバ(10)内に収容される前記液体相を押し、前記フィルタ(25)は液体流から前記反応チャンバ(10)内に保持された固体残留物を分離させる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
液体相抽出および再融合ステップと交互に起こる一連の反応ステップの後に、前記反応チャンバ(10)内に存在する前記液体相全体が前記反応チャンバ(10)から取り除かれる、最終液体相抽出ステップを含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、前記解重合化反応ステップの後に、前記反応チャンバ(10)内に残る反応後固体成分を乾燥させるための乾燥ステップを含み、前記乾燥ステップは、大気圧より十分下である、例えば0.05atm以下の動作圧力に到達するまで、真空ポンプ(29)により前記反応チャンバ(10)から気体を抽出するステップと、加熱モードで動作する熱制御システム(4)により前記反応チャンバ(10)に熱を提供するステップと、前記反応チャンバ(10)内の残余液体成分にエネルギーを直接提供するために、前記解重合化反応のために使用され、任意選択で前記乾燥ステップ中に変調されるものと必ずしも等しくない電力で、前記反応チャンバ(10)内にマイクロ波を送るステップと、前記混合デバイス(3)により前記反応チャンバ(10)の内容物を混合するステップと、のうちの1つまたは複数を使用して、前記反応チャンバ(10)内で行われる、請求項16から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記乾燥ステップの後に、前記反応チャンバ(10)内にまだ存在する固体成分を分解し、新しい製造サイクルで、前記反応チャンバ(10)の内側の前記圧力を大気条件または僅かな過剰圧力状態に戻すことによって前記反応チャンバ(10)からその後に取り除かれる固体残留物を含む水溶液を得るために、水が前記反応チャンバ(10)内に導入される、前記反応後固体成分の水分解ステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
真空ポンプ(29)により前記反応チャンバ(10)から気体相を引き出し、凝縮物および気体を分離させるために凝縮器(30)に前記気体相を送るステップを含む、請求項16から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記解重合化反応ステップは、前記リアクタ(2)に液体相の連続流を供給することによって行われ、前記方法は、前記リアクタ(2)から取られる液体相回収流を前記リアクタ(2)に再循環するステップを含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記リアクタ(2)の上流で前記リアクタ(2)に供給される前記反応組成物の温度を制御するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれている、2019年11月11日出願のイタリア特許出願第102019000020784号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、ポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンおよびポリカーボネートの解重合化のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
知られているように、様々な製品を製造するために広く使用される様々なポリマー材料を、埋め立て地に送る代わりに、その可使時間の最後に回収し再使用することができる。
【0004】
特に、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンおよびポリカーボネートなどのいくつかのポリマー材料を解重合化する、すなわち、その後に再重合化して、新しい製品を製造するために、モノマー(またはオリゴマー)の形に還元することができる。
【0005】
一般的に、これらの材料は最初、顆粒に研磨および還元され、その後、適当な処理条件で解重合化反応を経験する。
【0006】
特に、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンおよびポリカーボネートの様々な解重合化反応が知られているが、特に単純性、歩留まり、効率および処理速度の意味で、完全に満足のいく結果で工業規模でこれらの反応を実行することは複雑になることがある。
【0007】
実際、実験または研究所レベルで記載される反応は、常に、実際の工業利用に役立つわけではなく、特定の場合では、所与の反応は、比較的複雑および/もしくは費用のかかる工場設備に頼ることによって、ならびに/または特に有利な全体ではない、もしくはいかなる場合でも改良を必要とする処理によってのみ利用することができる。
【0008】
特許文献1は、工業規模での使用に適し、単純、効果的および安価である、ポリマー材料、特にポリエステルおよびポリアミドの解重合化によるリサイクルのための方法および装置を記載している。しかし、特許文献1の方法および装置は、特に、構造および使用の単純性、ならびに効率の意味で、さらなる改良の余地がある。
【0009】
特に、特許文献1の解決法は、化学解重合化反応、および反応生成物のその後の分離段階の少なくとも一部の両方の同じ装置での融合は可能ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2013/014650号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、当業界の解決法の改良である、ポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンおよびポリカーボネートの解重合化のための装置および方法を提供することであり、特に、本発明の目的は、工業的規模で単純に、効率的および安価な方法で解重合化反応を行うことを可能にする装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的に従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の第1項および第16項それぞれの基本的用語で定義され、従属請求項の好ましい追加の特徴のための、ポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンおよびポリカーボネートの解重合化のための方法および装置に関する。
【0013】
本発明による装置および方法は、処理されるポリマー(特に、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンおよびポリカーボネート)を構成するモノマーの効果的回収、および工業的規模で単純に、効率的および安価な方法でも、対応するポリマーの製造サイクル内への再導入を可能にする。
【0014】
特に、本発明は、化学解重合化反応、およびその後の反応製品分離ステップのいくつかの両方を同じ装置内で融合させることを可能にする。
【0015】
さらに、本発明は、(特に、300MHzから300GHzの範囲を示す解重合化反応に対する関心のある周波数での)マイクロ波電磁放射の本来の限界、すなわちその制限された液体浸透力を効果的に克服することを可能にする。特に、本発明は、反応の液体成分が、放射の障害として介入されることなく常に固体部分と接触しているように、解重合化反応内でマイクロ波放射の効果的使用を可能にする。
【0016】
本発明は、マイクロ波を通した反応の加速を可能にする同じ要素を使用して、その後、反応した混合物内の固体成分からの液体成分の分離を単純化する。
【0017】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の非限定的実施形態の例の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態による、ポリマーの解重合化のための装置を示す略図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態による、ポリマーの解重合化のための装置を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1では、参照番号1は、ポリマー、特にポリエステル(および特に、ポリエチレンテレフタラートおよびその異性体、PET)またはポリアミド(ナイロン6、ナイロン6,6)の解重合化のための装置全体を示している。
【0020】
一般的に(しかし排他的ではない)、装置1によって処理される材料は、PETまたは他のポリエステル、またはポリアミド、またはポリウレタン、またはポリカーボネート、または前記ポリマーを含む複合材料である。以下の説明では、例として、PET(前記用語はまたPETを含む複合物を含む)の処理、それにより、PETのアルカリ加水分解による解重合化のための装置1の使用に特定の言及が行われる。
【0021】
本発明の装置1はまた、他の反応に使用することができることを理解されたい。
【0022】
装置1は、内部混合デバイス3を備えたマイクロ波解重合化リアクタ2と、熱制御システム4と、マイクロ波発生および輸送システム5と、加圧システム6と、を備えている。
【0023】
リアクタ2は、内部反応チャンバ10を区切るリアクタ容器9を備えている。
【0024】
例えば、実質的に円筒形状を有する容器9は、例えば、使用中に直線的で(示した例ではそうであるが、必ずしもそうではない)実質的に水平な長手軸Aに沿っておよびその周りに延びている。使用の際、容器9(すなわちリアクタ2)は異なって配向することができ、軸Aはそれによって、水平の代わりに、垂直となることができる、または水平平面に対して(すなわち、地面に対して)様々に傾斜することができることを理解されたい。
【0025】
容器9は、マイクロ波電磁放射を実質的に通さない、腐食に耐性がある材料でできている。例えば、容器9は鋼または他の金属材料で作られている。
【0026】
容器9は、大気圧に対して内部過剰圧力および内部不足圧力の両方に耐えるように設計されている。
【0027】
容器9は、反応チャンバ10を内部で区切る、例えば円筒形の横壁11、およびそれぞれの反対側の軸端部の1対の終端壁12を有する。
【0028】
リアクタ2は、複数の入口および出口を備え、複数の入口および出口は、解重合化反応に必要な試薬および補助成分の反応チャンバ10内への導入、および反応チャンバ10からの反応生成物および反応残留物の抜き取りを可能にするように、容器9内に形成されたそれぞれの開口によって画定され、それぞれのダクトに関連付けられている。
【0029】
特に、リアクタ2は、
- 処理されるポリマー材料(例えば、分散固体形、例えばフレーク、顆粒などのPET)を反応チャンバ10に供給するためにポリマー供給ダクト16に接続された少なくとも1つの固体相入口15と、
- 液体反応組成物を反応チャンバ10に供給するために試薬供給ダクト18に接続された第1の液体相入口17と、
- 補助成分を反応チャンバ10に供給するために補助供給ダクト20に接続された第2の液体相入口19と、
- 反応チャンバ10内で形成された反応生成物を反応チャンバ10から取り除くために出口ダクト22に接続された少なくとも1つの反応生成物出口21と、
- 液体流を反応チャンバ10から取り除き、液体流から分離された固体残留物を反応チャンバ10内に保持するために、フィルタ25および任意選択で抜き取りポンプ26を備えた抽出ダクト24に接続された少なくとも1つの液体相出口23と、
- 反応チャンバ10から気体相を抽出するために、真空ポンプ29を備えかつ凝縮器30に接続された気体出口ダクト28に接続された、少なくとも1つの気体相出口27と、
- 反応チャンバ10内に不活性気体を導入するかつ反応チャンバ10から不活性気体を抽出するために、加圧システム6のそれぞれのダクトに接続された、サービス入口31およびサービス出口32と、を備えている。
【0030】
混合デバイス3は、反応チャンバ10内で、容器9の中に収容され、前記デバイスは軸Aの周りに回転可能であり、それにより、また混合デバイス3の回転軸を画定し、その回転動作を通して、容器9内に収容される(ポリマーおよび反応組成物から形成された)液体および固体の混合物を攪拌したままにするように構成されて、軸Aに沿って、および軸Aに対する径方向の両方で反応チャンバ10内で動的に分配する。
【0031】
特に、混合デバイス3は、様々な形状、サイズ、および配置である可能性がある複数のブレード33を備えている。
【0032】
好ましい一実施形態では、ブレード33は、反応チャンバ10内に収容された支持構造34によって一体的に支持され、軸Aの周りで反応チャンバ10内で回転可能である。
【0033】
例えば、構造34は、容器9内に収容されたバスケットを備え、バスケットは、容器9の横壁11に面する外部径方向横表面と、ブレード33がそこから軸Aに向けて径方向に突出する内部径方向横表面と、を有する。
【0034】
ブレード33は、異なる形状および寸法を有し、構造34上で様々に配置することができる。
【0035】
混合デバイス3は、単に例としてここに示したものに対して別のタイプであり、様々に配置され、様々な形状および寸法を有するブレードを含むことができることを理解されたい。
【0036】
例えば、様々な形状、またストリップ形状をしたブレード33は、軸Aに沿って反応チャンバ10内で中心に位置決めされた支持構造34から延びることができる。
【0037】
他の実施形態では、混合デバイス3は容器9と一体的であり、軸A周りで一体的に回転する。容器9はその後、外部支持体上で回転可能に取り付けられ、例えば、容器9の横壁11から延びるブレード33を回転に巻き込む。
【0038】
混合デバイス3は、例えば容器9の外側に位置決めされかつ構造34に(または、容器9が回転可能である場合、容器9に)接続されたモータ35によって駆動される。
【0039】
熱制御システム4は、容器9の内側で反応チャンバ10から熱エネルギー(熱)を抽出する、または反応チャンバ10内に熱エネルギー(熱)を導入し、それにより、容器9およびその内容物を冷却または加熱するように構成されている。例えば、システム4は、容器9の横壁11周りに巻かれ、その内側で熱を伝達するように設計された流体が循環する少なくとも1つのコイル36を備え、熱は、前記流体が適当に加熱または冷却される熱ユニットから来る。
【0040】
マイクロ波発生および輸送システム5は、好ましくは容器9の外側に位置決めされたマイクロ波発生器37と、発生器37に関連付けられ、反応チャンバ10内で発生器37によって発生したマイクロ波を軸Aに沿っておよび軸A周りに運ぶかつ分配するために反応チャンバ10内に収容された案内デバイス38と、を備えている。例えば、案内デバイス38は、終端壁12の間で容器9の軸Aに沿って延びるパイプを有し、パイプの横壁上に形成された横放出穴を備えた(漏出パイプタイプの)導波路39を備えている。
【0041】
直説法で(しかし、必ずしもではない)、マイクロ波は、300MHzから300GHzの範囲の周波数で反応チャンバ10に送られる。
【0042】
加圧システム6は、それぞれサービス入口31およびサービス出口32を通して、反応チャンバ10内に不活性気体を導入するかつ反応チャンバ10から不活性気体を抽出するように構成されている。不活性気体は例えば、貯蔵タンク40内に収容され、不活性気体の循環のために、専用ポンプを使用することができる、または気体相出口27を通して反応チャンバ10から気体相を抽出するために利用されるものと同じポンプ29を使用することができる。
【0043】
例えば、タンク40は、凝縮器30内で分離された気体(窒素)相をそこから受ける凝縮器30に、およびポンプ29を備えたダクト28に、回収ライン41を介して接続されている。
【0044】
別の回収ライン42は、凝縮器30によって凝縮された液体相をそこから取り除く凝縮器30から出て、任意選択で、ポンプ26の下流側で抽出ダクト24に合流する。
【0045】
リサイクルダクト43は、抽出ダクト24を試薬供給ダクト18に接続する。
【0046】
ポンプ29を備えた気体出口ダクト28、凝縮器30および回収ライン41、42はしたがって、気体相を反応チャンバ10から回収し、例えば蒸留により回収された凝縮物(基本的にH2OおよびMEGを含む)、および加圧システムに送られる気体(窒素)をそこから分離させるように構成された回収回路44を画定する。
【0047】
装置1は任意選択で、リサイクルされる材料の予備機械的処理のための研磨ユニット、および/または、反応組成物が中で準備される、すなわち、反応組成物が規定量の様々な成分で準備される混合ユニットに接続されている。
【0048】
装置1は、ポリマー、特に(これに限らないが)ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリカーボネートの解重合化のための方法で使用されることが好ましい。
【0049】
前記方法を実施する装置1の使用を以下に記載する。
【0050】
以下の例では、装置1の動作は基本的に非連続(バッチモード)であるが、特に、液体相(反応組成物)および/または固体相(処理されるポリマー)を連続して供給することができるので、装置1はまた、連続モードで動作することができることを理解されたい。
【0051】
ステップa)反応条件の試薬装填および到達
製造サイクルの初めに、処理されるポリマー材料(例えば、PET)および反応組成物(例えば、NaOHまたは他のアルカリ性水酸化物およびエチレングリコールの水溶液)が、解重合化反応の効率的な実行/開始に適当な割合で、それぞれの供給ダクト16、18を通して別々に反応チャンバ10内に供給される。
【0052】
装填ステップでは、混合デバイス3は休止しており、マイクロ波発生および輸送システム5は停止している。
【0053】
装置1および特にリアクタ2の本来の構造安定性を考慮し、また固液混合物は狭い直径のダクト内で循環させる必要はないので、固体成分(ポリマー材料)は、特定の準備処理を必要としない。
【0054】
液体成分(反応組成物)は、過渡開始時間を加速するために、高温(反応温度近く)で導入される。
【0055】
最初に、ポリマー材料(PET)が、例えば空気圧輸送システム(または同様のもの)により、大気圧で導入されることが好ましい。ポリマーは、あらゆる目詰まり問題を避けるような直径を有するダクト16を通して導入される。
【0056】
ダクト16は、(混合デバイス3が動作すると成分を均質化するあらゆる場合に)反応チャンバ10の特定の領域内の材料の過剰な蓄積を防ぐためにも、ポリマー材料の輸送システム(例えば、空気圧システム)の分岐部に、または高い流れの場合、投与ホッパに直接接続することができる。
【0057】
リアクタ2はその後加圧され、加圧システム6により窒素(または他の不活性気体)を導入し、反応チャンバ10を規定の圧力にする。
【0058】
例えば、PETの解重合化の場合、高温での反応組成物の沸騰を防ぐために、圧力は7バーグ以上であり、このようにして、液体成分は蒸発のリスクなしで導入することができる。
【0059】
リアクタ2の構成で得ることができる高い構造耐性を考慮して、さらにより高い圧力、例えば、10バーグ以上で動作することが有利である。このようにして、反応温度に関してより幅広い余地で動作することが可能であり、さらに、より高い過剰圧力を、以下に記載するように、ろ過した液体成分の抽出ステップ中に利用することができる。
【0060】
蒸気状態でグリコールを含み、それによって爆発しやすい大気がリアクタ2の内側に作り出されるので、加圧気体として窒素を使用することが望ましい。
【0061】
規定の圧力に到達すると、反応組成物は入口17およびダクト18を通して反応チャンバ10内に供給される。
【0062】
反応組成物は、解重合化反応の試薬の液体成分を構成する。例えば、PETの解重合化の場合、反応組成物は基本的に、適当な割合で互いに混合される、水およびエチレングリコール(MEG)中に溶解される水酸化ナトリウム(NaOH)からなる。
【0063】
反応組成物は、本発明によると、反応チャンバ10内に次第に導入され、NaOHが消費された場合に反応チャンバ10の液体含有物を抽出し、その後、(逆に、1つの単一初期装填バッチで導入される)ポリマーの解重合化を継続するためにその後の投与量の反応組成物を再導入する。
【0064】
導入の全体数、したがって、投与量への反応組成物の分割は、反応時間を最小限に抑えるために確立される。
【0065】
解重合化サイクルの初めに、およびポリマー材料の導入および反応チャンバ10の加圧の後に、第1の投与量の反応組成物が導入される。
【0066】
有利には、反応組成物は、リアクタ2の内側の予熱の必要性を避けるために、既に高温(約180℃で示す)で導入される。また、このような理由で、反応チャンバ10は、反応組成物の導入の前に既に加圧される。
【0067】
ステップb)マイクロ波による加速された反応
試薬(処理される全てのポリマー材料、例えばPET、および第1の投与量の反応組成物)を導入し、反応チャンバ10を加圧した後に、熱制御システム4は、反応チャンバ10内で規定の反応温度を維持するために作動される。
【0068】
N回の連続反応ステップの第1の反応ステップ(解重合化)がその後開始される。
【0069】
反応ステップでは、
- ポリマーが反応組成物によって常に濡れているように、かつポリマーの片(フレーク)からナトリウムテレフタラートの分離を容易にして、ポリマーが常に反応組成物に曝されることを保証するように、混合システム3は反応組成物(液体)およびポリマー(固体)で形成された混合物を攪拌したままにし、反応チャンバ10の内側で分配させるために始動され、
- マイクロ波発生および輸送システム5は、解重合化反応を加速するために動作し、
- 反応チャンバ10内の圧力は、加圧システム6による窒素の導入/抽出により、規定の設定点周りで調整される。
【0070】
さらなる詳細では、混合デバイス3は始動され、回転して、反応チャンバ10の内容物(固体ポリマー材料および液体反応組成物)を混合および攪拌し、マイクロ波発生システム5は、反応チャンバ10内にマイクロ波を送るように作動される。
【0071】
混合デバイス3は、所定のサイクルの後に時間の経過とともに必要に応じて変更することができる規定の速度で回転する。
【0072】
混合システム3は、
- 反応チャンバ10内に収容される液体および固体成分の一定の均一混合を保証し、特に、ポリマー(例えば、PET)の片(フレーク、繊維など)が常に試薬によって濡れていることを保証し、反応チャンバ10の特定領域内の蓄積を避け、
- 持ち上げ動作、およびブレード33によって加えられる重力によるその後の落下により、反応チャンバ10内にポリマーを動的に分配し、
- マイクロ波の浸透能力より大きい特徴寸法を有する液体部分の動的蓄積を避けるように構成されている。
【0073】
ブレード33はそれにより、電磁場の伝達を遮る可能性がある多すぎる金属要素を反応チャンバ10内に導入することなく、高い混合および攪拌能力を保証するように構成されている(すなわち、形状をしている、サイズをしているおよび分配されている)。
【0074】
解重合化反応はそれにより、反応チャンバ10内で、PETの解重合化の場合は、共溶媒として反応組成物に既に存在するものに追加されるエチレングリコール(MEG)、および反応状態で沈殿する傾向があるテレフタル酸ナトリウム(Na2PTA)へのPETの向上的変質につながるアルカリ加水分解を基本的に生じさせる。
【0075】
解重合化反応の動作条件(特に、試薬の温度、圧力および量)は、処理されるポリマー材料により確立される。
【0076】
既に強調したように、本発明の方法は、液体相抽出ステップと交互に起こる一連の反応ステップ、および反応組成物、すなわち試薬の液体成分のその後の再融合を含む。
【0077】
各反応ステップでは、液体試薬の最小量が所与の時間間隔で投与される。このように、最小量の試薬を投与することができ、マイクロ波に対するPETおよび一般的に他のポリマーの高い透過性は、放射線の使用を最適化するために利用される。
【0078】
新しい反応組成物を供給する前に、液体相は、(反応が加速されない「灰色領域」を誘導する)マイクロ波の浸透を損なう液体部分の多くの蓄積のリスクを冒すことなく、同時に処理されるPETの量を増加させるように、反応チャンバ10から引き出される。
【0079】
必要に応じてpHセンサによっても支持されるプロセスの実験的特徴を通して、解重合化反応がNaOH濃度中の過剰にマーキングされた還元によりいつ遅くなりつつあるか決定される。規定の閾値を超えることにより、その後の液体相抽出および再融合ステップへの移行、または、完全な解重合化が達成された場合には、乾燥ステップ(以下に記載する)への移行が決定される。
【0080】
ステップc)液体相抽出および再融合
上に記載したように、各反応ステップは、反応チャンバ10内に存在する液体相が反応チャンバ10から抽出され、新しい反応組成物が反応チャンバ10内に導入される、液体相抽出および再融合ステップがその後に続く。
【0081】
液体相の抽出は、反応チャンバ10の内側での液体の過剰蓄積の形成を避けるように働き、有利には、大気圧(例えば、7バーグ以上)より十分上である、反応チャンバ10の内側の圧力を利用することによって実施される。
【0082】
解重合化反応が行われる規定の反応期間の後、フィルタ25を備えている抽出ダクト24が開かれ(反応ステップ中に閉じられたままであり)、反応チャンバ10内の圧力はリアクタ2から外に存在する液体を押し、液体は中の全ての固体残留物、特にまだ反応されていないPET、溶解されていない固体テレフタラート、リアクタ2内に存在するあらゆる他の固体材料(木綿、他のプラスチック、固体汚染物質など)からフィルタ25内で分離される。実質的にH2OおよびMEGを含み、例えば、回収用の蒸留塔へポンプ26により送られる液体流が得られる。
【0083】
リアクタ2から流れる液体流は、H2OおよびMEGに加えてNaOHも含むので、この液体流の一部は、反応組成物の供給に再融合するために、ダクト18内に合流するリサイクルダクト43を通して送られ得る。
【0084】
各液体相抽出および再融合ステップでは、新しい投与量の反応組成物が、ダクト18を通して反応チャンバ10内に導入される。
【0085】
ステップd)反応後固体成分の乾燥
N-1回の液体相抽出/再融合ステップと交互に起こる一連のN回の反応ステップの後に、ポリマーが完全に解重合化されると、最終液体相抽出ステップは再び、反応チャンバ10内に存在するテレフタラートを保持するように、抽出ダクト24およびフィルタ25を通して行われる。取り除かれた全ての液体相は、蒸留ステップに送られる。
【0086】
反応チャンバ10内では、テレフタル酸ナトリウムの濡汚泥が、含有汚染物質および非反応固体残留物を形成する。テレフタル酸(PTA)を分離および回収するためのその後の浄化ステップにこの材料を送る前に、残留水およびグリコールの存在による湿度を最小限に抑える必要がある。
【0087】
水およびグリコールの回収は主に、全製造効率を損なわないように働き、これは、その後のPTA浄化プロセス中の過剰なMEGが、プロセスの責任を負う塩素炭酸ソーダ工場の電極の問題を引き起こす可能性があるからである。
【0088】
最後の液体相抽出の下流側で、反応後固体成分、特にテレフタル酸ナトリウムを乾燥させる乾燥ステップが開始する。
【0089】
乾燥ステップは、所望の条件で、リアクタ2内に収容される固体残留物を乾燥させることが考えられ、便宜上、これは同じリアクタ2を使用して、それにより、処理される製品を取り除くまたは他のユニットに移動させることなく起こる。
【0090】
テレフタラート乾燥ステップは実際、解重合化反応が行われる同じリアクタ2の内側で、本発明により行われる。
【0091】
乾燥ステップは、有利には、
- 大気圧より十分下である、例えば0.05atm以下の動作圧力に到達するまで反応チャンバ10から気体を抽出する真空ポンプ29であって、残余混合物の最終沸騰温度が、前記圧力では、解重合化中の動作圧力より明らかに低いことを前提として、最初の「フラッシュ」蒸発現象が起こり、窒素が加圧システム6に再び送られる間に、凝縮されて蒸留塔に再び送られる窒素および水蒸気およびグリコールの両方を反応チャンバ10から抽出する、ポンプ29と、
- 加熱モードで動作し、熱を容器9、その後に反応チャンバ10に供給する熱制御システム4と、
- 反応チャンバ10の内側で残留液体成分に直接エネルギーを導入するために、解重合化に使用され、任意選択で乾燥中に変調される電力と必ずしも等しくない電力で、反応チャンバ10内にマイクロ波を送るマイクロ波発生および輸送システム5であって、テレフタル酸ナトリウムはマイクロ波に対して実質的に透過であるという事実が利用され、したがって、マイクロ波の大部分が液体残留物によって吸収される、マイクロ波発生および輸送システム5と、
- 蒸気の排出を容易にし、スケールの形成を防ぐために、回転したままである混合デバイス3と、
を共同して利用することによって行われる。
【0092】
リアクタ2の内容物は反応温度(例えば、PETに対して約190℃)であるので、加圧システム6による極めて低い圧力(また、1バールより明らかに低い)に到達するまでの、リアクタ2の内側から加圧された窒素の抽出は、湿度の形でテレフタラート内にまだ含まれている混合物の一部の蒸発を自動的に生じさせる。
【0093】
同時に、それによって、窒素が抽出されて、内部圧力を減少させながら、混合デバイス3は、反応チャンバ10の内容物を攪拌し、それにより液体残留物の蒸発を容易にするように回転しているままにされる。
【0094】
マイクロ波発生および輸送システム5をアクティブに維持することによって、実用的にはマイクロ波を吸収するためのものにすぎない液体残留物の蒸発を完了するために放射線が利用される。
【0095】
出口27および気体出口ダクト28を通してリアクタ2から抽出されるMEGおよびH2O蒸気は、凝縮器30内で再凝縮され、その後、回収ライン42により蒸留塔に送られる。圧力の制御のためにリアクタ2から抽出された窒素は、新しい製造サイクル内でリアクタ2を再加圧するように回収される。
【0096】
任意選択で、気体出口ダクト28および/または加圧システム6は、乾燥ステップ中に吸引されるあらゆるダストを収集するためにフィルタを備えることができる。
【0097】
ステップe)水中の反応後固体成分の分解
リアクタ2内のテレフタラート乾燥ステップが完了すると、きれいな水が、PTA塩全体の分解を保証するのに必要なものと等しい量で、ダクト20および入口19を通して反応チャンバ10内に導入される。固体残留物を含むが、減少した量で、リアクタ2の外側でろ過しやすい水溶液が得られる。同時に、リアクタ2内の圧力は、大気条件または僅かな過剰圧力の条件に再設定される。
【0098】
出口ダクト22を使用して、混合物はリアクタ2から抽出され、知られている方法で行われるテレフタル酸の浄化プロセスに向かわされる。
【0099】
既に記載したのと同様または等しい詳細が同じ数字で示されている
図2の実施形態では、装置1は常に、内部混合デバイス3を備えたマイクロ波解重合化リアクタ2と、熱制御システム4と、マイクロ波発生および輸送システム5と、加圧システム6と、を備えている。
【0100】
図1を参照して前に記載した実施形態に関して、本実施形態では、リアクタ2および関係する容器9は、使用の際に実質的に垂直である長手軸Aに沿っておよびその周りに延びている。
【0101】
軸Aは、混合デバイス3の回転軸を再び画定し、この場合、それにより、回転軸は実質的に垂直である。
【0102】
またこの場合、混合デバイス3は、容器9内に収容される液体および固体(ポリマーおよび反応組成)の混合物を、その独自の回転動作を介して攪拌したままにして、軸Aに沿って、および軸Aに対する径方向の両方に反応チャンバ10の内側で動的に分配するように構成されている。
【0103】
有利には、固体残留物(非反応PET、非分解固体テレフタラート、存在するあらゆる他の固体材料)から液体相を分離させるように設計されたフィルタ25は、下側終端壁12の容器9の底部に、混合デバイス3より下に収容される。
【0104】
特に、フィルタ25は、混合デバイス3のブレード33(ただし、構成されている)の下に位置決めされている。
【0105】
フィルタ25は、チャンバ10内に存在する液体相と交差し、フィルタ25の上にフィルタケーキを形成する固体成分をチャンバ10内に保持するように構成されている。
【0106】
前に記載したように、フィルタ25を横断する(実質的にH2OおよびMEGを含む)液体流は、液体相出口23を通してリアクタ2から取り除かれ、抽出ダクト24を介して回収に送られる。
【0107】
有利には、モータ35によって駆動される混合デバイス3は、ブレード33を備えた構造34が軸A周りに回転するだけでなく、軸Aに沿って軸方向に移動可能であって、フィルタ25の上に作り出されたフィルタケーキ上に圧力を加えるように構成されている。
【0108】
図2の実施形態では、リアクタ2はしたがって、ヌッシェフィルタドライヤを実質的に一体化する。
【0109】
明らかに、また本実施形態では、混合デバイス3は、ブレード33が様々な形状および組織にされ、またいくつかのロータ上に位置決めされた、様々な構成を呈することができる。
【0110】
また、この場合、混合デバイス3は、ポリマー(PET)を混合し、反応組成物で十分「湿った」ままにされ、反応チャンバ10の内側で拡散させるために、解重合化ステップ中に使用され、それにより、ポリマーはマイクロ波によって十分照射することができ、従来のヌッシェフィルタドライヤと同様に、混合デバイス3は、(ろ過ステップ中に)乾燥ケーキの上表面を円滑に維持し、(乾燥ステップ中に)材料を攪拌するように働く。
【0111】
また、本実施形態では、リアクタ2は、熱制御システム4により冷却または加熱される。
【0112】
前に記載したコイル36に加えてまたは代替として、熱制御システム4はまた、真空乾燥ステップにおいて特に有用である混合デバイス3(すなわち、構造34および/またはブレード33)に直接作用する加熱/冷却デバイスを含むことができる。
【0113】
また、この場合、マイクロ波発生および輸送システム5は、導波路39を通してチャンバ10内に直接解重合化反応に必要なマイクロ波を導入する。
【0114】
次に記載する構成は、特に解重合化ステップ中に、装置1の使用の変更形態を採用することを可能にする。液体相抽出/再融合ステップと交互に起こる一連の反応ステップの代わりに、実際は、リアクタ2上において連続液体相再循環流で動作することが可能である。
【0115】
この目的で、装置1は、リアクタ2に供給される反応組成物を収容する再循環タンク45を含む。
【0116】
タンク45は、反応組成物が準備される混合ユニット(図示せず)に接続された入口46と、任意選択で供給ポンプ48を備えた試薬供給ダクト18、それによりリアクタ2の液体相入口17に接続された運搬出口47と、を有する。
【0117】
タンク45はまた、分岐弁52により抽出ダクト24から分岐する、制御弁51を備えた再循環ダクト50に接続された戻り入口49を有する。
【0118】
タンク45はその後、例えば窒素雰囲気で、および制御圧力(特に、7バーグ以上、例えば約10バーグ)で、リアクタ2の同じ加圧システム6により加圧される。
【0119】
有利には、さらに、タンク45は、例えばタンク45を外部から包むライナ55を備え、中で加熱/冷却流体が循環して、リアクタ2に供給される反応組成物の制御温度を維持する別の熱制御システム54を備え、リアクタ2内に直接一体化された熱制御システム4の単一の使用と比較してより良い調節を保証する。
【0120】
装置1の製造サイクルの初めに、タンク45は、リアクタ2の製造バッチ全体に対して計算された量の反応組成物が供給される。
【0121】
タンク45は、リアクタ2に反応組成物を連続して供給する。
【0122】
リアクタ2とタンク45との間の適当な圧力差(少なくとも3バールを表す)を維持し、リアクタ2からろ過された混合物の制御した流れを抽出することが可能である。
【0123】
このアプローチにより、解重合化反応に伴う試薬(例えば、PET用の水酸化ナトリウム)の濃度が、(別個のステップ動作モードと逆に)反応全体の発生と次第に平行して減衰することを保証しながら、反応組成物の正確な量(すなわち、レベル)を(初期装填ステップの後に)リアクタ2内で維持することが可能である。
【0124】
さらに、タンクの外側のライナにより、十分制御されたリアクタ内の反応混合物の温度を維持することが可能であり、リアクタ内に直接一体化された冷却/加熱システムの単一の使用と比較してより良い調節を保証する。
【0125】
明らかに、前述の実施形態それぞれを参照して記載された解決法を互いに組み合わせることができる。
【0126】
最後に、添付の特許請求の範囲から逸脱しないさらなる変更および変形を、ここで記載および図示した装置および方法に加えることができる。
【符号の説明】
【0127】
1 解重合化のための装置
2 マイクロ波解重合化リアクタ
3 内部混合デバイス
4 熱制御システム
5 マイクロ波発生および輸送システム
6 加圧システム
9 リアクタ容器
10 内部反応チャンバ
11 横壁
12 終端壁
15 固体相入口
16 ポリマー供給ダクト
17 第1の液体相入口
18 試薬供給ダクト
19 第2の液体相入口
20 補助供給ダクト
21 反応生成物出口
22 出口ダクト
23 液体相出口
24 抽出ダクト
25 フィルタ
26 抜き取りポンプ
27 気体相出口
28 気体出口ダクト
29 真空ポンプ
30 凝縮器
31 サービス入口
32 サービス出口
33 ブレード
34 支持構造
35 モータ
36 コイル
37 発生器
38 案内デバイス
39 導波路
40 タンク
41 回収ライン
42 回収ライン
43 リサイクルダクト
44 回収回路
45 再循環タンク
46 入口
47 運搬出口
48 供給ポンプ
49 戻り入口
50 再循環ダクト
51 制御弁
52 分岐弁
A 長手軸
【手続補正書】
【提出日】2022-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネートの解重合化のための装置(1)であって、リアクタ容器(9)を有するマイクロ波解重合化リアクタ(2)であって、前記リアクタ容器(9)が、長手軸(A)に沿っておよび前記長手軸(A)の周りに延び、
液体反応組成物で処理される前記ポリマーの解重合化反応が中で起こる内部反応チャンバ(10)を画定する、マイクロ波解重合化リアクタ(2)と、前記内部反応チャンバ(10)内にマイクロ波を送るためのマイクロ波発生および輸送システム(5)であって、好ましくは前記リアクタ容器(9)の外側に配置されているマイクロ波発生器(37)、および前記マイクロ波発生器(37)に関連付けられ、前記内部反応チャンバ(10)内で前記マイクロ波発生器(37)によって発生した前記マイクロ波を前記長手軸(A)に沿っておよび前記長手軸(A)の周りに運ぶかつ分配するために前記内部反応チャンバ(10)内に収容された案内デバイス(38)を備えた、マイクロ波発生および輸送システム(5)と、前記内部反応チャンバ(10)内に収容され、前記長手軸(A)周りに回転
する混合デバイス(3)であって、
前記混合デバイス(3)が、前記内部反応チャンバ(10)内に収容される液体および固体の混合物を攪拌したままにするように構成されて、前記長手軸(A)に沿っておよび前記長手軸(A)に対する径方向の両方で前記内部反応チャンバ(10)の内側で前記混合物を動的に分配
し、かつ前記内部反応チャンバ(10)内に収容される前記液体および固体成分の一定で均一な混合を保証し、解重合化される前記ポリマーの片が常に前記試薬によって濡らされ前記内部反応チャンバ(10)の特定の領域内の蓄積が避けられることを保証し、前記マイクロ波の浸透能力より大きい特徴寸法を有する液体部分の動的蓄積を避けるように構成されている、混合デバイス(3)と、大気圧の上および下の両方で前記内部反応チャンバ(10)の内側の圧力を調節するように構成された加圧システム(6)と、を備えた、装置。
【請求項2】
前記案内デバイス(38)は、前記リアクタ容器(9)の前記長手軸(A)に沿って延びるパイプを有し、前記パイプの横壁上に形成された横放出穴を備えた導波路(39)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記混合デバイス(3)は、前記内部反応チャンバ(10)内に収容された支持構造(34)によって一体的に支持される複数のブレード(33)を備えている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記リアクタ容器(9)は、マイクロ波電磁放射を実質的に通さない材料、例えば、鋼または別の金属材料で作られている、請求項1
または2に記載の装置。
【請求項5】
前記内部反応チャンバ(10)から熱を選択的に抽出する、または前記内部反応チャンバ(10)に熱を提供するように構成された熱制御システム(4)を備えた、請求項1
または2に記載の装置。
【請求項6】
前記熱制御システム(4)は、前記リアクタ容器(9)の周りに巻かれた少なくとも1つのコイル(36)であって、前記コイル(36)の内側で、熱伝達流体が循環し、前記熱伝達流体が、前記熱伝達流体が加熱または冷却される熱ユニットから来る、少なくとも1つのコイル(36)、および/または前記混合デバイス(3)に直接作用する加熱/冷却デバイスを備えている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記加圧システム(6)は、前記内部反応チャンバ(10)内に不活性気体を選択的に射出し、前記内部反応チャンバ(10)から不活性気体を抽出するように構成されている、請求項1
または2に記載の装置。
【請求項8】
前記内部反応チャンバ(10)から気体相を、気体相出口(27)を通して抽出するための真空ポンプ(29)を備えた、請求項
1または2に記載の装置。
【請求項9】
前記内部反応チャンバ(10)から気体相を回収し、その後、前記気体相から凝縮物および気体を分離するように構成された回収回路(44)を備えた、請求項1
または2に記載の装置。
【請求項10】
前記内部反応チャンバ(10)内に収容される液体および固体の前記混合物から液体流を分離させて、前記液体流から分離された固体残留物を前記内部反応チャンバ(10)内に保持するように構成されたフィルタ(25)を備えた、請求項1
または2に記載の装置。
【請求項11】
前記フィルタ(25)は、前記リアクタ容器(9)の下側端部壁(12)で、前記混合デバイス(3)の下に位置決めされている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記マイクロ波解重合化リアクタ(2)は、処理されるポリマー材料を前記内部反応チャンバ(10)に供給するためにポリマー供給ダクト(16)に接続された少なくとも1つの固体相入口(15)と、液体反応組成物を前記内部反応チャンバ(10)に供給するために試薬供給ダクト(18)に接続された第1の液体相入口(17)と、補助成分を前記内部反応チャンバ(10)に供給するために補助供給ダクト(20)に接続された第2の液体相入口(19)と、前記内部反応チャンバ(10)内で形成された反応生成物を前記内部反応チャンバ(10)から取り除くために出口ダクト(22)に接続された少なくとも1つの反応生成物出口(21)と、液体流を前記内部反応チャンバ(10)から取り除き、前記液体流から分離された固体残留物を前記内部反応チャンバ(10)内に保持するために、フィルタ(25)および任意選択で抜き取りポンプ(26)を備えた抽出ダクト(24)に接続された少なくとも1つの液体相出口(23)と、前記内部反応チャンバ(10)から気体相を抽出するために、真空ポンプ(29)を備えかつ凝縮器(30)に接続された気体出口ダクト(28)に接続された少なくとも1つの気体相出口(27)と、前記内部反応チャンバ(10)内に不活性気体を導入するかつ前記内部反応チャンバ(10)から不活性気体を抽出するために、前記加圧システム(6)のそれぞれのダクトに接続された、サービス入口(31)およびサービス出口(32)と、を備えている、請求項1
または2に記載の装置。
【請求項13】
前記装置が、前記マイクロ波解重合化リアクタ(2)に供給される前記
液体反応組成物を収容する再循環タンク(45)を備え、前記再循環タンク(45)は、前記マイクロ波解重合化リアクタ(2)の液体相入口(17)に試薬供給ダクト(18)を介して接続された運搬出口(47)、および前記マイクロ波解重合化リアクタ(2)の液体相出口(23)に再循環ダクト(50)を介して接続された戻り入口(49)を有する、請求項1
または2に記載の装置。
【請求項14】
前記再循環タンク(45)は、前記マイクロ波解重合化リアクタ(2)の内部圧力より高い制御圧力に加圧され、追加の熱制御システム(54)を備え、前記追加の熱制御システム(54)は、例えば前記再循環タンク(45)を外部から包むライナ(55)を備え、前記ライナ(55)内で加熱/冷却流体が循環して、前記再循環タンク(45)内で前記
液体反応組成物の制御温度を維持する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリカーボネートの解重合化のための方法での請求項1から14のいずれか一項に記載の装置の使用。
【請求項16】
ポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリカーボネートの解重合化のための方法であって、リアクタ容器(9)の内側に画定されかつ軸(A)に沿っておよび前記軸(A)の周りに延びた反応チャンバ(10)に、処理されるポリマー、および前記ポリマーの解重合化反応のための
液体反応組成物が供給される試薬供給ステップと、マイクロ波が、前記反応チャンバ(10)内に収容された案内デバイス(38)により前記反応チャンバ(10)内に送られ、前記軸(A)に沿っておよび前記軸(A)の周りに前記反応チャンバ(10)内に前記マイクロ波を分配し、前記解重合化反応を活性化する、解重合化反応ステップであって、前記反応チャンバ(10)内に収容された前記ポリマーおよび前記
液体反応組成物は、前記軸(A)に沿っておよび前記軸(A)に対する径方向の両方で前記反応チャンバ(10)内で動的に分配するように
かつ前記反応チャンバ(10)内に収容される前記液体および固体成分の一定で均一な混合を保証し、解重合化される前記ポリマーの片が常に前記試薬によって濡らされ前記反応チャンバ(10)の特定の領域内の蓄積が避けられることを保証し、前記マイクロ波の浸透能力より大きい特徴寸法を有する液体部分の動的蓄積を避けるように前記軸(A)周りに回転する混合デバイス(3)により、混合され、攪拌したままにされ、混合物は前記ポリマーおよび前記
液体反応組成物によって形成され、前記反応チャンバ(10)は前記解重合化反応ステップ中に規定の圧力で加圧される、解重合化反応ステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記ポリマーは、大気圧で前記反応チャンバ(10)内に最初に導入され、その後、前記
液体反応組成物は、特に前記反応チャンバ(10)内に窒素または他の不活性気体を導入することによって前記反応チャンバ(10)を加圧した後に、前記反応チャンバ(10)内に導入される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記
液体反応組成物を供給する時、および前記解重合化反応ステップ中の前記反応チャンバ(10)の前記圧力は、7バーグ以上である、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、前記反応チャンバ(10)に、処理されるポリマーの全量および第1の投与量の反応組成物が供給される初期供給ステップと、液体相抽出および再融合ステップと交互に起こる複数の反応ステップと、を含み、各液体相抽出および再融合ステップでは、反応残留物を含む液体相は、前記反応チャンバ(10)から抽出され、新たな投与量の新しい反応組成物は前記反応チャンバ(10)内に導入される、請求項16
または17に記載の方法。
【請求項20】
各液体相抽出および再融合ステップでは、フィルタ(25)を備えた抽出ダクト(24)が開かれ、それにより、前記反応チャンバ(10)内の前記圧力が前記反応チャンバ(10)から前記反応チャンバ(10)内に収容される前記液体相を押し、前記フィルタ(25)は液体流から前記反応チャンバ(10)内に保持された固体残留物を分離させる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
液体相抽出および再融合ステップと交互に起こる一連の反応ステップの後に、前記反応チャンバ(10)内に存在する前記液体相全体が前記反応チャンバ(10)から取り除かれる、最終液体相抽出ステップを含む、請求項1
9に記載の方法。
【請求項22】
前記方法が、前記解重合化反応ステップの後に、前記反応チャンバ(10)内に残る反応後固体成分を乾燥させるための乾燥ステップを含み、前記乾燥ステップは、大気圧より十分下である、例えば0.05atm以下の動作圧力に到達するまで、真空ポンプ(29)により前記反応チャンバ(10)から気体を抽出するステップと、加熱モードで動作する熱制御システム(4)により前記反応チャンバ(10)に熱を提供するステップと、前記反応チャンバ(10)内の残余液体成分にエネルギーを直接提供するために、前記解重合化反応のために使用され、任意選択で前記乾燥ステップ中に変調されるものと必ずしも等しくない電力で、前記反応チャンバ(10)内にマイクロ波を送るステップと、前記混合デバイス(3)により前記反応チャンバ(10)の内容物を混合するステップと、のうちの1つまたは複数を使用して、前記反応チャンバ(10)内で行われる、請求項16
または17に記載の方法。
【請求項23】
前記乾燥ステップの後に、前記反応チャンバ(10)内にまだ存在する固体成分を分解し、新しい製造サイクルで、前記反応チャンバ(10)の内側の前記圧力を大気条件または僅かな過剰圧力状態に戻すことによって前記反応チャンバ(10)からその後に取り除かれる固体残留物を含む水溶液を得るために、水が前記反応チャンバ(10)内に導入される、前記反応後固体成分の水分解ステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
真空ポンプ(29)により前記反応チャンバ(10)から気体相を引き出し、凝縮物および気体を分離させるために凝縮器(30)に前記気体相を送るステップを含む、請求項16
または17に記載の方法。
【請求項25】
前記解重合化反応ステップは、前記リアクタ(2)に液体相の連続流を供給することによって行われ、前記方法は、前記リアクタ(2)から取られる液体相回収流を前記リアクタ(2)に再循環するステップを含む、請求項16
または17に記載の方法。
【請求項26】
前記リアクタ(2)の上流で前記リアクタ(2)に供給される前記
液体反応組成物の温度を制御するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【国際調査報告】