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特表2023-503304機械的に拡張可能なシャントインプラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-27
(54)【発明の名称】機械的に拡張可能なシャントインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/04 20130101AFI20230120BHJP
【FI】
A61F2/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529672
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2022-06-27
(86)【国際出願番号】 US2020058784
(87)【国際公開番号】W WO2021101707
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】62/939,407
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リンダ・タイ
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・チャールズ・バンエブリ
(72)【発明者】
【氏名】タランヌム・イスハーク・グティエレス
(72)【発明者】
【氏名】デニス・タウズ
(72)【発明者】
【氏名】クーパー・ライアン・リッカーソン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA14
4C097BB01
4C097BB04
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC05
4C097DD10
4C097MM09
(57)【要約】
シャントは、組織壁の開口部内に少なくとも部分的に嵌るように構成された中央フロー部を備える。組織壁は、第1の解剖学的チャンバと第2の解剖学的チャンバとの間に位置し、開口部は、第1の解剖学的チャンバと第2の解剖学的チャンバとの間の血流路を表す。中央フロー部はさらに、第1の解剖学的チャンバから第2の解剖学的チャンバまでの血流路を維持することと、開口部内の組織の内部成長を防止することと、組織壁の拡張に応じて拡張することとを行うように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央フロー部を備えるシャントであって、前記中央フロー部が、
組織壁の開口部内に少なくとも部分的に嵌ることであって、前記組織壁が、第1の解剖学的チャンバと第2の解剖学的チャンバとの間に位置し、前記開口部が、前記第1の解剖学的チャンバと前記第2の解剖学的チャンバとの間の血流路を表す、嵌ることと、
前記第1の解剖学的チャンバから前記第2の解剖学的チャンバまでの前記血流路を維持することと、
前記開口部内の組織の内部成長を防止することと、
前記組織壁の拡張に応じて拡張することとを行うように構成される、シャント。
【請求項2】
前記中央フロー部から延びる1つまたは複数の固着アームをさらに備え、前記1つまたは複数の固着アームは、前記組織壁に固着するように構成される、請求項1に記載のシャント。
【請求項3】
前記1つまたは複数の固着アームの各々は、端部に固着機構を含む、請求項2に記載のシャント。
【請求項4】
前記固着機構は、バーブ、フック、ネイル、およびスクリューを含む群のうちの1つまたは複数を備える、請求項3に記載のシャント。
【請求項5】
前記中央フロー部は、1本もしくは複数のラインの網状部を備え、前記1本もしくは複数のラインの各々は、それ自体または前記1本もしくは複数のラインのうちの少なくとも1本の他のラインと織り交ぜられるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のシャント。
【請求項6】
前記中央フロー部は、チェーンの網状部を備え、チェーンの前記網状部の各チェーンは、チェーンの前記網状部の少なくとも1本の他のチェーンと連動するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシャント。
【請求項7】
前記中央フロー部はコイル状ラインを備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のシャント。
【請求項8】
前記中央フロー部は、前記開口部の直径に概ね等しい一定の直径を有する、請求項7に記載のシャント。
【請求項9】
前記中央フロー部の第1の部分は、前記開口部内に位置するように構成され、
前記中央フロー部の第2の部分は、前記第1の解剖学的チャンバ内に延びるように構成され、
前記第1の部分は、第1の直径を有し、前記第2の部分は、第2の直径を有し、
前記第2の直径は、前記第1の直径よりも大きい、請求項7または8に記載のシャント。
【請求項10】
前記第2の部分は、前記中央フロー部が外れるのを防止するように構成される、請求項9に記載のシャント。
【請求項11】
前記中央フロー部は1つまたは複数のリングを備え、前記1つまたは複数のリングの各々は、前記開口部の形状を近似するように楕円形を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のシャント。
【請求項12】
前記1つまたは複数のリングのうちの少なくとも1つは、組織の成長を防止するように構成されたポリマーで被覆される、請求項11に記載のシャント。
【請求項13】
前記1つまたは複数のリングの各々は、形状記憶材料で構成され、
前記1つまたは複数のリングの各々は、自然に第1の直径を有するように構成され、
前記1つまたは複数のリングの各々は、開口部に嵌り込むように前記第1の直径よりも小さい第2の直径に圧縮されるように構成され、
前記1つまたは複数のリングの各々は、前記組織壁を押してリング自体を所定の位置に保持するように構成される、請求項11または12に記載のシャント。
【請求項14】
前記1つまたは複数のリングの各々は、前記組織壁に固着するように構成された固着機構を備える、請求項11から13のいずれか一項に記載のシャント。
【請求項15】
前記固着機構は、スパイク、スクリュー、ネイル、バーブ、およびフックを含む群のうちの少なくとも1つである、請求項14に記載のシャント。
【請求項16】
前記1つまたは複数のリングの各々は、布によって接続される、請求項11から15のいずれか一項に記載のシャント。
【請求項17】
前記中央フロー部は、2つ以上の伸縮部材を備え、
前記2つ以上の伸縮部材のうちの第1の伸縮部材は第1の直径を有し、
前記2つ以上の伸縮部材のうちの第2の伸縮部材は、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有し、
前記第2の伸縮部材は、前記第1の伸縮部材の中央開口部内に少なくとも部分的に嵌るように構成される、請求項1から16のいずれか一項に記載のシャント。
【請求項18】
前記第2の伸縮部材は、前記第1の伸縮部材に対して移動して前記第1の伸縮部材と前記第2の伸縮部材との重なり量を調整するように構成される、請求項17に記載のシャント。
【請求項19】
前記第2の伸縮部材は、前記組織壁の拡張に応じて前記第1の伸縮部材と前記第2の伸縮部材との重なり量を低減させるように構成される、請求項18に記載のシャント。
【請求項20】
前記第1の伸縮部材および前記第2の伸縮部材は、前記第2の伸縮部材の一方向移動を可能にするように構成された1つまたは複数の接続機構を備える、請求項19に記載のシャント。
【請求項21】
前記中央フロー部は、前記第1の解剖学的チャンバから前記第2の解剖学的チャンバまで延びており、前記組織壁の拡張に応じて伸長するように構成された布シートを備える、請求項1から20のいずれか一項に記載のシャント。
【請求項22】
前記布シートは、前記開口部に円筒形を形成するように構成される、請求項21に記載のシャント。
【請求項23】
前記布シートを前記組織壁の第1の面に固着するように構成された1つまたは複数の固着機構をさらに備える、請求項21または22に記載のシャント。
【請求項24】
前記布シートは、サックを形成し、前記開口部を少なくとも部分的に覆うように構成され、血液が前記布シートを貫通して流れるのを可能にする1つまたは複数の穴を有する、請求項23に記載のシャント。
【請求項25】
組織壁に開口部を形成するステップであって、
前記組織壁が、第1の解剖学的チャンバと第2の解剖学的チャンバとの間に位置し、
前記開口部が、前記第1の解剖学的チャンバと前記第2の解剖学的チャンバとの間の血流路を表す、ステップと、
前記開口部にシャントを置くステップであって、前記シャントが中央フロー部を備え、前記中央フロー部が、
前記組織壁の前記開口部内に少なくとも部分的に嵌ることと、
前記第1の解剖学的チャンバから前記第2の解剖学的チャンバまでの前記血流路を維持することと、
前記開口部内の組織の内部成長を防止することと、
前記組織壁の拡張に応じて拡張することとを行うように構成される、ステップとを含む方法。
【請求項26】
前記中央フロー部から延びる1つまたは複数の固着アームをさらに備え、前記1つまたは複数の固着アームは、前記組織壁に固着するように構成される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記中央フロー部は、1本もしくは複数のラインの網状部を備え、前記1本もしくは複数のラインの各々は、それ自体または前記1本もしくは複数のラインのうちの少なくとも1本の他のラインと織り交ぜられるように構成される、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記中央フロー部は、チェーンの網状部を備え、チェーンの前記網状部の各チェーンは、チェーンの前記網状部の少なくとも1本の他のチェーンと連動するように構成される、請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記中央フロー部はコイル状ラインを備える、請求項25から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記中央フロー部は、1つまたは複数のリングを備え、前記1つまたは複数のリングの各々は、前記開口部の形状を近似するように楕円形を有する、請求項25から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記中央フロー部は、2つ以上の伸縮部材を備え、
前記2つ以上の伸縮部材のうちの第1の伸縮部材は、第1の直径を有し、
前記2つ以上の伸縮部材のうちの第2の伸縮部材は、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有し、
前記第2の伸縮部材は、前記第1の伸縮部材の中央開口部内に少なくとも部分的に嵌るように構成される、請求項25から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記中央フロー部は、前記第1の解剖学的チャンバから前記第2の解剖学的チャンバまで延びており、前記組織壁の拡張に応じて伸長するように構成された布シートを備える、請求項25から31のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2019年11月22日に出願された、MECHANICALLY EXPANDABLE SHUNT IMPLANTという名称の米国仮出願第62/939,407号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、心シャント、ならびに送達のシステムおよび方法に関し、詳細には、左房圧を低下させるためのシャントに関する。
【背景技術】
【0003】
心不全は、ヒトに影響を与える一般的で場合によっては致死的な状態であり、次善の臨床転帰では、最大限の治療にもかかわらず、症状、病的状態、および/または死亡に至ることが多い。具体的には、「拡張期心不全」は、左心室収縮機能(駆出率)が保たれており主要な弁膜症がない状態で生じる心不全の臨床症候群を指す。この状態は、左心室が硬くなり、コンプライアンスが低下し、弛緩が損なわれ、それによって拡張終期圧が上昇することを特徴とする。心不全の患者の約3分の1が拡張期心不全を有し、有効であることが証明された治療はあるとしてもごくわずかである。
【0004】
拡張期心不全の症状は、少なくとも大部分が左心房の圧力の上昇に起因する。心不全(HF)を含むいくつかの心臓病には左房圧(LAP)の上昇が存在する。拡張期心不全に加えて、左心室の収縮機能障害および弁疾患を含むいくつかの他の内科的疾患が左心房の圧力を上昇させることがある。駆出率が保持された心不全(HFpEF)と駆出率が低下した心不全(HFrEF)はどちらもLAPの上昇を示すことがある。どちらのHF部分群でも、LAPを低下させると、有利には、左心室に対する収縮期前負荷、すなわち、左心室拡張終期圧(LVEDP)が低下する場合があるという仮説が立てられている。この場合、肺循環に対する圧力も解放され、肺水腫のリスクが軽減し、呼吸が改善されるとともに患者の快適さが向上する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示を要約するために、ここでいくつかの態様、利点、および新規の特徴について説明する。必ずしもすべてのそのような利点が任意の特定の実施形態に従って実現されるとは限らないことを理解されたい。したがって、開示される実施形態は、本明細書で教示される1つの利点または一群の利点を、本明細書で教示または示唆される場合がある他の利点を必ずしも実現せずに実現または最適化するように実施されてもよい。
【0006】
本開示のいくつかの実装形態は、組織壁の開口部内に少なくとも部分的に嵌るように構成された中央フロー部を備えるシャントに関する。組織壁は、第1の解剖学的チャンバ(anatomical chamber)と第2の解剖学的チャンバとの間に位置し、開口部は、第1の解剖学的チャンバと第2の解剖学的チャンバとの間の血流路を表す。中央フロー部はさらに、第1の解剖学的チャンバから第2の解剖学的チャンバまでの血流路を維持することと、開口部内の組織の内部成長(in-growth)を防止することと、組織壁の拡張に応じて拡張することとを行うように構成される。
【0007】
シャントは、1つまたは複数の固着アームをさらに備えてもよく、固着アームは、中央フロー部から延びる「固着手段」と呼ばれることもある。1つまたは複数の固着アームは、組織壁に固着するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の固着アームの各々は端部に固着機構を含んでもよい。固着機構は、バーブ(barb)、フック、ネイル、およびスクリューを含む群のうちの1つまたは複数を備えてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、中央フロー部は、1本もしくは複数のラインの網状部を備え、1本もしくは複数のラインの各々は、それ自体または1本もしくは複数のラインのうちの少なくとも1本の他のラインと織り交ぜられるように構成される。中央フロー部は、チェーンの網状部を備えてもよく、チェーンの網状部の各チェーンは、チェーンの網状部の少なくとも1本の他のチェーンと連動するように構成されてもよい。
【0009】
中央フロー部はコイル状ラインを備えてもよい。いくつかの実施形態では、中央フロー部は、開口部の直径に概ね等しい一定の直径を有する。中央フロー部の第1の部分は、開口部内に位置するように構成されてもよく、中央フロー部の第2の部分は、第1の解剖学的チャンバ内に延びるように構成されてもよい。第1の部分は、第1の直径を有してもよく、第2の部分は、第2の直径を有してもよい。第2の直径は、第1の直径よりも大きくてもよい。第2の部分は、中央フロー部が外れるのを防止するように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、中央フロー部は1つまたは複数のリングを備える。1つまたは複数のリングの各々は、開口部の形状を近似するように楕円形を有してもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のリングのうちの少なくとも1つは、組織の成長を防止するように構成されたポリマーで被覆される。1つまたは複数のリングの各々は、形状記憶材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のリングの各々は、自然に第1の直径を有するように構成されてもよい。1つまたは複数のリングの各々は、開口部に嵌り込むように第1の直径よりも小さい第2の直径に圧縮されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のリングの各々は、組織壁を押してリング自体を所定の位置に保持するように構成される。1つまたは複数のリングの各々は、組織壁に固着するように構成された固着機構を備えてもよい。いくつかの実施形態では、固着機構は、スパイク、スクリュー、ネイル、バーブ、およびフックを含む群のうちの少なくとも1つを含んでもよい。1つまたは複数のリングの各々は、布によって接続されてもよい。
【0011】
中央フロー部は、2つ以上の伸縮部材を備えてもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の伸縮部材のうちの第1の伸縮部材は第1の直径を有する。2つ以上の伸縮部材のうちの第2の伸縮部材は、第1の直径よりも小さい第2の直径を有してもよく、第2の伸縮部材は、第1の伸縮部材の中央開口部内に少なくとも部分的に嵌るように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の伸縮部材は、第1の伸縮部材に対して移動して第1の伸縮部材と第2の伸縮部材との重なり量を調整するように構成される。第2の伸縮部材は、組織壁の拡張に応じて第1の伸縮部材と第2の伸縮部材との重なり量を低減させるように構成されてもよい。第1の伸縮部材および第2の伸縮部材は、第2の伸縮部材の一方向移動を可能にするように構成された1つまたは複数の接続機構を備えてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、中央フロー部は、第1の解剖学的チャンバから第2の解剖学的チャンバまで延びており、組織壁の拡張に応じて伸長するように構成された布シートを備える。布シートは、開口部に円筒形を形成するように構成されてもよい。シャントは、布シートを組織壁の第1の面に固着するように構成された1つまたは複数の固着機構をさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、布シートは、サック(sac)を形成し、開口部を少なくとも部分的に覆うように構成され、血液が布シートを貫通して流れるのを可能にする1つまたは複数の穴を有する。
【0013】
本開示のいくつかの実装形態は、組織壁に開口部を形成するステップを含む方法に関する。組織壁は、第1の解剖学的チャンバと第2の解剖学的チャンバとの間に位置し、開口部は、第1の解剖学的チャンバと第2の解剖学的チャンバとの間の血流路を表す。この方法は、開口部にシャントを置くステップをさらに含む。シャントは、組織壁の開口部内に少なくとも部分的に嵌ることと、第1の解剖学的チャンバから第2の解剖学的チャンバまでの血流路を維持することと、開口部内の組織の内部成長を防止することと、組織壁の拡張に応じて拡張することとを行うように構成された中央フロー部を備える。
【0014】
例示のために様々な実施形態が添付の図面に示されているが、これらの実施形態が本発明の範囲を限定するものであると解釈すべきではない。さらに、それぞれに異なる開示される実施形態の様々な特徴を組み合わせて追加の実施形態を形成することができ、このような追加の実施形態は本開示の一部である。図面全体にわたって、参照要素同士の間の対応を示すために参照番号を再使用することがある。しかし、同様の参照番号を複数の図面に関連して使用することが必ずしも、関連付けられたそれぞれの実施形態が類似していることを意味するとは限らないことを理解されたい。さらに、それぞれの図面の要素が必ずしも縮尺どおりに描かれているとは限らず、各要素の図示されたサイズが本発明の態様を例示することを目的として提示されていることを理解されたい。一般に、図示された要素のうちのいくつかは、いくつかの実施形態または構成に例示された要素よりも比較的小さい場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】いくつかの実施形態による拡張可能なシャントを展開するように心臓内および心臓の周囲でガイドワイヤおよび/またはカテーテルを操縦するためのいくつかの進入経路を示す図である。
図2】いくつかの実施形態による拡張可能なシャントを展開するための方法を示す図である。
図3A】いくつかの実施形態による、開口部にシャントを配置するための組織壁を貫通する開口部の側面図である。
図3B】いくつかの実施形態による、開口部にシャントを配置するための組織壁を貫通する開口部の上から(たとえば、左心房から)見た図である。
図4】いくつかの実施形態による第1の拡張可能なシャントインプラントを示す図である。
図5】いくつかの実施形態による第2の拡張可能なシャントインプラントを示す図である。
図6A】いくつかの実施形態による第1の拡張可能なコイル状シャントインプラントを示す図である。
図6B】いくつかの実施形態による第2の拡張可能なコイル状シャントインプラントを示す図である。
図7】いくつかの実施形態による拡張可能なリング状シャントインプラントを示す図である。
図8】いくつかの実施形態による伸縮式シャントインプラントを示す図である。
図9A】いくつかの実施形態による布製シャントインプラントの側面図である。
図9B】いくつかの実施形態による布製シャントインプラントの上から(たとえば、左心房から)見た図である。
図10】いくつかの実施形態による拡張可能なシャントを人体に送達しならびに/または固着するためのプロセスの例の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書において示す見出しは、説明の都合上示すものに過ぎず、必ずしも請求される発明の範囲または意味に影響を及ぼすものではない。
【0017】
概要
脊椎動物において、心臓は、各々がそれ自体の一方向弁を備える4つのポンプ室、すなわち、左心房および右心房ならびに左心室および右心室を有する中空の筋肉性器官である。生体心臓弁は、大動脈弁、僧帽弁(または二尖大動脈弁)、三尖弁、および肺動脈弁として特定され、各々が、心房および心室筋線維に直接または間接的に取り付けられた密な線維輪を備える弁輪に取り付けられている。各弁輪は、流量オリフィスを画定する。4つの弁は、心周期の間血液が誤った方向に流れないことを確実にし、すなわち、血液が弁を通って逆流しないことを確実にする。血液は、静脈系および右心房から三尖弁を通って右心室へ流れ、次いで右心室から肺動脈弁を通って肺動脈および肺へ流れる。次いで、酸素を豊富に含む血液が左心房から僧帽弁を通って左心室に流れ、最後に左心室から大動脈弁を通って大動脈/動脈系に流れる。
【0018】
心不全は、ヒトに影響を与える一般的で場合によっては致死的な状態であり、次善の臨床転帰では、最大限の治療にもかかわらず、症状、病的状態、および/または死亡に至ることが多い。具体的には、「拡張期心不全」は、左心室収縮機能(駆出率)が保たれており主要な弁膜症がない状態で生じる心不全の臨床症候群を指す。この状態は、左心室が硬くなり、コンプライアンスが低下し、弛緩が損なわれ、それによって拡張終期圧が上昇することを特徴とする。心不全の患者の約3分の1が拡張期心不全を有し、有効であることが証明された治療はあるとしてもごくわずかである。
【0019】
拡張期心不全の症状は、少なくとも大部分が左心房の圧力の上昇に起因する。心不全(HF)を含むいくつかの心臓病には左房圧(LAP)の上昇が存在する。拡張期心不全に加えて、左心室の収縮機能障害および弁疾患を含むいくつかの他の内科的疾患が左心房の圧力を上昇させることがある。駆出率が保持された心不全(HFpEF)と駆出率が低下した心不全(HFrEF)はどちらもLAPの上昇を示すことがある。どちらのHFサブグループでも、LAPを低下させると、有利には、左心室に対する収縮期前負荷、すなわち、左心室拡張終期圧(LVEDP)が低下する場合があるという仮説が立てられている。この場合、肺循環に対する圧力も解放され、肺水腫のリスクが軽減し、呼吸が改善されるとともに患者の快適さが向上する場合がある。
【0020】
肺高血圧症(PH)は、主肺動脈における平均圧力の上昇として定義される。PHは、多くの異なる原因によって発症することがあるが、すべての患者において、死亡率が高くなることが示されている。致死性のPHは、肺動脈の非常に小さい動脈枝において生じ、肺動脈高血圧症(PAH)と呼ばれる。PAHでは、小動脈内部の細胞が損傷または疾患に起因して増殖し、動脈内部の面積を狭くし、動脈壁を厚くする。その結果、これらの小肺動脈が狭窄し硬化し、それによって血流が制限され、上流圧力が上昇する。主肺動脈における圧力のこのような上昇は、根本的な原因にかかわらずすべての形態のPH間に共通する関連性である。以前の試みにかかわらず、左心房、ならびに肺動脈などの影響を受ける他の心腔における上昇した圧力を低下させるための改良された方法が必要である。
【0021】
本開示は、血液を第1の解剖学的チャンバ(たとえば、左心房)から第2の解剖学的チャンバ(たとえば、冠状静脈洞)に短絡させることによって、上昇したLAPを低下させ得る方法およびデバイスを提供する。本明細書のいくつかの実施形態についてLAPおよび/または同様の問題の処置に関して説明する場合があるが、説明する短絡デバイスおよび方法は、透析を含む他の問題の処置に使用されてもよい。いくつかの実施形態は、左心房と冠状静脈洞との間に開放経路を画定するシャントを含む。ただし、この方法を使用して、肺動脈と右心房との間などの他の心腔間にシャントを置くことができる。「シャント」および/または「短絡手段」という用語は、本明細書では通常的な意味に従って使用され、患者の体の一部から別の部分への血流を可能にしならびに/または容易にするように構成された任意の医療インプラントを指す場合もある。シャントは、開放経路の初期崩壊を防止し、また少なくとも開放経路の内面における組織の内部成長を防止するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、シャントは、圧縮され、薄型のシースまたはチューブを介して送達され、拡張状態を再開するように排除されるように拡張可能であってもよい。いくつかの方法は、まず左心房と冠状静脈洞との間の組織壁に穿刺孔を形成し得る展開カテーテルを利用することを含んでもよい。
【0022】
さらに、いくつかの実施形態では、シャントは、送達後に組織壁の拡張に応じて拡張するように構成されてもよい。たとえば、幾人かの患者、および特にHF患者は、アミロイド症、すなわち、心臓内のアミロイド堆積物が心臓壁を硬化させならびに/または厚さを増大させることがあるタンパク障害を経験する場合がある。最大組織壁厚さ仕様を有するシャントインプラントは、あるレベルの組織成長/拡張に対応するように構成されないことがある。たとえば、いくつかのシャントインプラントは、壁厚さ仕様が約4mmである場合がある。しかし、多くのアミロイド症患者は、組織壁厚さが4mmを超えて増大し続けることがあり、したがって、移植後にシャントインプラントの開存性問題が生じる。組織壁の成長を少なくとも部分的に抑制することが可能である場合があるが、そうすると組織を損傷する懸念が生じることがある。したがって、組織壁が厚くなるにつれ、シャントインプラントが拡張しならびに/または「成長」する能力を有すると有利である場合がある。
【0023】
したがって、本明細書で説明するシャントインプラントは、組織壁が拡張するにつれてならびに/または組織壁の拡張に応じて、少なくとも長手方向に拡張する(たとえば、組織壁を通過するシャントインプラントは、組織壁の増大する厚さの方向に拡張してもよい)ように構成され得る中央フロー部を含んでもよい。中央フロー部は、拡張を可能にするための様々な機械的システムを組み込んでもよい。これらの方法、インプラント、および展開システムの詳細について以下に説明する。
【0024】
図1は、本出願の拡張可能なシャントを展開するように心臓1内および心臓1の周囲でガイドワイヤおよびカテーテルを操縦するためのいくつかの進入経路を示す。たとえば、上方から鎖骨下静脈11または頸静脈12を介して上大静脈(SVC)15、右心房(RA)5に進入し、そこから冠状静脈洞(CS)19内に進入してもよい。代替的に、進入経路は、大腿動脈13から始まり、下大静脈14を通って心臓1に入ってもよい。他の進入経路が使用されてもよく、各進入経路は一般に、経皮切開部を利用し、経皮切開部を通して、ガイドワイヤおよびカテーテルが通常、密封イントロデューサによって血管系に挿入され、そこから、医師が人体の外側からデバイスの遠位端を制御する。
【0025】
図2は、本明細書で説明する拡張可能なシャントを展開するための方法を示し、この場合、ガイドワイヤがカテーテル16を介して鎖骨下静脈または頸動脈に通され、SVC 15に通されて冠状静脈洞19に導入され、これによって、インプラントデバイス10を送達することができる。ガイドワイヤが経路を形成した後、イントロデューサシース(図示せず)を一般に、拡張器を使用することによってガイドワイヤに沿って患者の血管系内に送ってもよい。図2は、SVC 15から心臓1の冠状静脈洞19まで延びる展開カテーテル16を示し、展開カテーテル16は、イントロデューサシースを通過しており、イントロデューサシースは止血便を形成して失血を防止する。
【0026】
一実施形態では、展開カテーテル16は、長さが約30cmであってもよく、ガイドワイヤは、使いやすいように30cmよりもある程度長くてもよい。いくつかの実施形態では、展開カテーテルは、左心房2の壁に開口部を形成し準備するように働いてもよく、拡張可能なシャントを送達するために別個の配置カテーテルまたはデリバリカテーテルが使用される。他の実施形態では、展開カテーテルは、全機能を有する穿刺孔準備およびシャント配置両用カテーテルとして使用されてもよい。本出願では、「展開カテーテル」または「デリバリカテーテル」という用語は、これらの機能の一方または両方を有するカテーテルまたはイントロデューサを表すために使用される。
【0027】
冠状静脈洞19は、主として左心房2の周りに隣接しているので、ステントについての様々な受け入れられる配置が可能である。ステントの配置用に選択される部位としては、CTスキャンまたは蛍光透視法もしくは血管内エコー(IVUS)などのX線撮影技法などの非侵襲診断手段によって事前に決定された、特定の患者の組織がより薄いかまたはより低密度である領域が選択されてもよい。
【0028】
LAPを低下させるためのいくつかの方法は、左心房2と右心房5との間において心房中隔を通してシャントを利用することを含む。これは、2つの構造が隣接しており、経中隔アクセスが一般的な方法であるので好都合な手法である。しかし、塞栓が心臓の右側から左側に移動し、脳卒中リスクが生じる可能性があり得る。この事象は、主としてせき、くしゃみ、バルサルバ法、または排便などの離散的事象時に、右房圧が左房圧を超えた場合にのみ生じると考えられる。中隔の解剖学的位置によって、当然のことながら、シャントが存在し、圧力勾配が反転した場合に塞栓が自由に心房間を移動するのが可能になる。このことは、シャント内の弁要素またはフィルタ要素によって軽減されるが、それにもかかわらず塞栓が横切る場合がある。
【0029】
冠状静脈洞19への短絡にはいくつかの顕著な利点があり、主として冠状静脈洞19は、いくつかの理由で塞栓が存在する可能性がかなり低いことである。第1に、冠血管系から右心房5に流出する血液は毛細血管を通過した直後であり、したがって、基本的に濾過された血液である。第2に、右心房5内の冠状静脈洞19の口部は、テベシウス弁と呼ばれる擬似弁によって部分的に覆われることが多い。テベシウス弁は常に存在するとは限らず、いくつかの研究によって、テベシウス弁が60%超の心臓に存在し、冠状静脈洞に対する生体の「番犬」として働き、右房圧が急上昇した場合に塞栓が進入するのを防ぐことがわかっている。第3に、冠状静脈洞19と塞栓が流入する右心房5との間の圧力勾配は非常に低く、このことは、右心房5内の塞栓がそこに留まる可能性が高いことを意味する。第4に、塞栓が冠状静脈洞19に進入する場合、右心房5と冠血管系との間には右心房5と左心房2との間よりもずっと大きい勾配が存在する。最も可能性の高い塞栓は、右房圧が正常に戻るまでさらに冠血管系に沿って移動し、次いで塞栓は直接右心房5に戻る。
【0030】
左心房2と冠状静脈洞19との間にシャントを位置させることのいくつかの追加的な利点は、この生体構造が中隔よりも可動性が低く(より安定している)、したがって、この生体構造が中隔を後で代替治療のための経中隔アクセスができるように保持することであり、場合によっては、治療上の他の利点がもたらされることがある。左心房血液を冠状静脈洞19に送ることによって、洞圧がわずかに上昇することがある。これによって冠血管系内の血液が心臓内をより低速で移動し、灌流量および酸素移動量が増大し、灌流および酸素移動がより効率的になって壊死しつつある心筋が回復するのを助けることもできる。経中隔アクセスの保持も、HF患者が心房細動(AF)および僧帽弁逆流(MR)のようないくつかの他の併存症を有することが多く、これらの状態を治療するための治療のいくつかが経中隔手法を必要とするので、非常に顕著な利点である。
【0031】
シャントは、肺動脈と右心房5との間など他の心腔間に配置されてもよい。シャントは望ましくは、本明細書で説明する展開器具を使用して、カテーテルが上方から接近し、肺動脈を通過することによって肺動脈の壁内に移植されてもよい。上述のように、肺高血圧症(PH)は、主肺動脈内の平均圧力の上昇として定義される。血液は、圧力差によって肺動脈から右心房5内への方向に流れが生じた場合にシャントを通過してその方向に流れ、それによって圧力が減衰し、肺動脈への損傷が軽減される。この目的は、肺動脈内の圧力スパイクを減衰させることである。シャントはまた、肺動脈から他の心腔(たとえば、左心房2)および/または血管まで延びてもよい。好ましいものでも図示されたものでもないが、シャントは、逆流を防ぐための一方向弁、または血液が指定された圧力を超えることのみを許容するための逆止め弁をさらに含んでもよい。本出願は、新規の拡張可能なシャントを開示する。いくつかの実施形態では、拡張可能なシャントは、少なくとも部分的に可撓性および/または弾性を有する構造であってもよく、これによって有利には、外科医の送達プロセスが簡略化される場合がある。たとえば、本明細書で説明するシャントは、組織壁を貫通する開口部に嵌るように要望/必要に応じて形作られならびに/または成形されてもよく、開口部および/または組織壁は様々な形状および/またはサイズを有してもよい。さらに、シャントは、シャントを効果的に固着するために必要に応じて修正されてもよい様々な種類の固着アームおよび/または機構のうちの任意の固着アームおよび/または機構を備えてもよい。
【0032】
図3Aは側面図であり、図3Bは、(たとえば、冠状静脈洞19と左心房2との間の)組織壁308を貫通する開口部(すなわち、穿刺孔)311の上から(たとえば、左心房2)から見た図であり、開口部311内にシャントが配置される。図3Aに示すように、シャント展開またはデリバリカテーテル350を2つの腔(たとえば、冠状静脈洞19と左心房2)間の組織壁308まで前進させてもよい。カテーテル350は、柔らかいならびに/または先細りの遠位先端352を有してもよい。デリバリカテーテル350を組織壁308の開口部311を通して、たとえば左心房2内に前進させてもよい。開口部は様々な方法のうちの任意の方法で形成されてもよい。1つの例示的な方法を以下に示す。
【0033】
最初に、ガイドワイヤをたとえば、右心房から冠状静脈洞19の口部または開口部を通して冠状静脈洞19内に前進させてもよい。穿刺カテーテルをガイドワイヤに沿って前進させてもよい。穿刺カテーテルをイントロデューサシースの近位端を通して人体内に導入してもよい。イントロデューサシースは、特定の血管経路(たとえば、頸動脈または鎖骨下静脈)への進入を可能にしてもよく、止血弁をその内に有してもよい。外科医は、イントロデューサシースを固定位置に保持しながら、穿刺カテーテルを移植部位まで操作することができる。鋭い先端を含む穿刺針を有する穿刺カテーテルをカテーテルに沿って前進させ、壁8に穿刺してたとえば、左心房2に挿入する。穿刺エクスパンダをガイドワイヤに沿って前進させ、組織壁308を貫通させて左心房2に挿入してもよい。穿刺エクスパンダは、たとえば細長い膨張可能バルーンであってもよい。組織壁308を貫通する穿刺孔を広げるように穿刺エクスパンダを半径方向外側に広げてもよい。
【0034】
拡張可能なシャントをカテーテル350の内腔を通して送達してもよい。送達の間、拡張可能なシャントは、送達を容易にするために折り畳み形態であってもよい。たとえば、シャントは、カテーテル350を通した送達を容易にするために最小限の形状を有するように巻かれ、曲げられ、捩じられ、ならびに/またはその他の方法で形成されてもよい。シャントは、カテーテル350の内側シースと外側シースとの間の環状空間内に配置されてもよい。シャントが組織壁308にぴったりと係合して配置されるように内側シースを引き込んでもよい。カテーテル350および/またはシャントの配置を容易にするようにX線不透過性マーカを設けてもよい。左心房2と冠状静脈洞19との間に開口部を形成することによって、血液は左心房2(通常、>8mmHg)から冠状静脈洞19(通常、<8mmHg)に流れることができる。シャントは、組織壁308の第1の面301および/または第2の面303に取り付けられ/固着されるように構成されてもよい。
【0035】
拡張可能なシャントインプラント
図4は、いくつかの実施形態による第1の拡張可能なシャントインプラントを示す。第1の拡張可能なシャントインプラント400は、ライン404の網状部で構成された中央フロー部402を備えてもよく、ライン404は、ワイヤ、縫合糸、ストリング、および/または様々な他の細長いデバイスを含んでもよい。1つまたは複数のライン404は、織り/織り交ぜおよび/または編みパターンで互いに相互作用してもよい。たとえば、第1のラインが第2のラインの上を通過し、第3のラインの下を通過し、第4のラインの上を通過し、以下同様に織られる。したがって、1つまたは複数のライン404は、少なくともある程度の可撓性を有してもよく、それによって、ライン404は、他のライン404の上および/または下で曲がるように構成されてもよい。たとえば、1つまたは複数のライン404は、ニチノールおよび/または少なくとも部分的に曲がりならびに/または伸長するように構成された別の材料で構成されてもよい。
【0036】
フロー部402は任意の数のライン404を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フロー部402は、単一のライン404自体と織り交ぜられるように構成された単一のライン404を備えてもよい。たとえば、単一のライン404は、フロー部402に取り付けられならびに/またはフロー部402から延びるように構成されてもよいリング406などの1つまたは複数のデバイスを通過する(たとえば、デバイスに絡ませる)ように構成されてもよい。ライン404は、複数のリング406を通過してもよくならびに/または単一のリング406を複数回通過してもよい。ライン404は、リング406に第1の角度で入り、リング406から第2の角度(たとえば、第1の角度とは概ね45度の差)で出てもよい。
【0037】
ライン404の数および/または1本もしくは複数のライン404の織り交ぜ量を増やすことによって、ライン404間の隙間および/または単一のライン404のそれぞれの異なる部分間の隙間を最小限に抑えて組織の内部成長の防止および/または低減を向上させてもよい。さらに、ライン404の各々は任意の厚さを有してもよく、隙間を最小限に抑えつつ、フロー部402の拡張性を最大にするように設計されてもよい。
【0038】
フロー部402は、ライン404の網状部に取り付けられならびに/または網状部から延びるように構成された1つまたは複数のリング406を備えてもよい。図4に示すように、フロー部402は、フロー部402の第1の端部に第1のリング406を備えてもよい。たとえば、第1のリング406は、組織壁の第1の面401にまたはその近くに位置してもよい。しかし、図4には単一のリング406のみが示されているが、フロー部402は任意の数のリング406を備えてもよい。たとえば、第2のリング406が、組織壁408の第2の面403の近くにおいてフロー部402の第2の端部で1つまたは複数のライン404に取り付けられてもよい。フロー部402は、組織壁の開口部内に少なくとも部分的に位置するように構成されてもよい(たとえば、図3Aおよび図3Bにおける開口部311を参照されたい)。組織壁は、第1の面401と第2の面403とを有してもよく、開口部は組織壁を貫通する隙間を表してもよい。組織壁408の「厚さ」は、組織壁408の第1の面401と第2の面403との間の距離を指してもよい。言い換えれば、「厚さ」は長手方向軸410に沿った組織壁408の長さを表してもよい。本明細書では、「長手方向」長さは、組織壁408の表面に垂直な(すなわち、組織壁に進入する方向、組織壁に向かう方向、および/または組織壁から離れる方向の)長さを指してもよい。組織壁408を貫通する開口部は、組織壁408の厚さに等しい深さを有してもよい。言い換えれば、開口部は、組織壁408の長手方向全長にわたって貫通してもよい。さらに、開口部は様々な幅を有してもよい。たとえば、開口部は、ある直径を有する円形(たとえば、図3Aおよび図3Bにおける開口部311)を有してもよい。開口部の「幅」は、横方向軸412に沿った開口部の長さを指してもよい。本明細書では、「横方向」長さは組織壁408の表面に平行な(表面に沿った)長さを指してもよい。
【0039】
送達時には、第1の拡張可能なシャントインプラント400のフロー部402は、開口部の深さおよび/または組織壁408の厚さに概ね等しい長さ(長手方向軸410に沿って測定される)を有してもよい。したがって、第1のリング406および/もしくはフロー部402の第1の端部は、長手方向軸410に沿って組織壁408の第1の面401と概ね揃ってもよく、ならびに/または第2のリング406および/もしくはフロー部402の第2の端部は、長手方向軸410に沿って組織壁408の第2の面403と概ね揃ってもよい。しかし、第1の拡張可能なシャントインプラント400は、(フロー部402の第1の端部および/または第2の端部が開口部から外側に延びるように)組織壁408の厚さよりも大きいかまたは(フロー部402の第1の端部および/または第2の端部が開口部内に位置するように)組織壁408の厚さよりも小さい長手方向長さを有してもよい。
【0040】
フロー部402の1つまたは複数のライン404は、開口部の形状を近似するように円筒形またはその他の形状を形成してもよい。いくつかの実施形態では、開口部は、ある直径を有する概ね円形の開口部を形成するように穿刺点からすべての方向において概ね均等に広げられてもよい。したがって、フロー部402は、1つもしくは複数のリング406および/または相互接続されたライン404を含み、長手方向軸410の周りに/あたりに少なくとも部分的に丸い形状および/または少なくとも部分的な円形を有してもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、拡張可能なシャントインプラント400は、送達時には圧縮されならびに/または他の方法で拡張可能な形態であってもよい。たとえば、送達時には、1本または複数のライン404は、1本または複数のライン404間の隙間が最小限になるように互いに比較的近接して位置してもよい。組織壁408が(たとえば、長手方向軸410に沿って)拡張するにつれて、1本または複数のライン404が徐々に分離しならびに/または伸長して(長手方向軸410に沿って)より大きい長さの拡張可能なシャントインプラント400を形成してもよい。いくつかの実施形態では、1本または複数のライン404は、組織壁408の拡張に応じて伸長するように構成されてもよい。たとえば、送達時には、1本または複数のライン404は自然休止状態であってもよくならびに/または最小限にのみ伸長されてもよい。組織壁408が拡張するにつれて、1本または複数のライン404のうちの少なくとも数本が伸長してより大きい長さの拡張可能なシャントインプラント400を形成してもよい。
【0042】
拡張可能なシャントインプラント400は、1つまたは複数の固着アーム414を備えてもよく、固着アーム414は、「固着手段」とも呼ばれ、組織壁408に/組織壁408内に固着するように構成される。7つの固着アーム414を有する拡張可能なシャントインプラント400が示されているが、拡張可能なシャントインプラント400は、任意の数の固着アーム414を有してもよい。いくつかの実施形態では、拡張可能なシャントインプラント400は、1つもしくは複数の固着アーム414を拡張可能なシャントインプラント400の第1の端部(たとえば、組織壁408の第1の面401を固着するように構成される)に備え、ならびに/または1つもしくは複数の固着アーム414を拡張可能なシャントインプラント400の第2の端部(たとえば、組織壁408の第2の面403に固着するように構成される)に備えるかもしくは第2の端部の近くに備えてもよい。固着アーム414は、リング406または1本もしくは複数のライン404に取り付けられならびに/あるいはリング406または1本もしくは複数のライン404から延びてもよい。たとえば、拡張可能なシャントインプラント400がリング406を含まない場合、固着アーム414はライン404に取り付けられならびに/またはライン404から延びてもよい。
【0043】
固着アーム414の各々は、組織壁408を貫通し、組織壁408に取り付けられ、ならびに/またはその他の方法で組織壁408に固着するように構成された固着機構415を備えてもよい。図4に示すように、固着機構415はバーブを含んでもよい。しかし、適切な機構415は、フック、針、スクリュー、ネイル、および/またはその他のデバイスのうちの1つもしくは複数を含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、ライン404、リング406、および/または固着アーム414の各々が共通の材料またはそれぞれに異なる材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ライン404、リング406、および/または固着アーム414のいずれもニチノールおよび/もしくはその他の金属、プラスチック、ポリマー、ならびに/またはその他の材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リング406は、拡張可能なシャントインプラント400にある程度の安定性をもたらすように少なくとも部分的に剛性を有する構造を有してもよい。たとえば、1つまたは複数のリング406は、拡張可能なシャントインプラント400が拡張するときでも所定の形態を保持するように構成されてもよい。このようにして、1つまたは複数のリング406は、組織壁408に対する不要な損傷を防止するように構成されてもよい。たとえば、1つまたは複数の固着アーム414は、リング406から延びならびに/またはリング406に取り付けられてもよい。リング406の剛性を有する構造に少なくとも部分的に起因して、フロー部402は、一定レベルの圧力をもたらしならびに/または1つまたは複数の固着アーム414に対して一定の向きを形成してもよい。
【0045】
本明細書で説明する中央フロー部402および/または固着アーム414を含む、シャントインプラント400の様々な要素は、本出願の他の図において説明しならびに/または示すシャントデバイスに適用されてもよい。たとえば、図4に示すシャントインプラント400に関する任意の説明は、本明細書で説明する図5におけるシャントインプラント500、図6Aおよび/または図6Bにおけるシャントインプラント600、図7におけるシャントインプラント、図8におけるシャントインプラント、および/または図9Aおよび図9Bにおけるシャントインプラントに同様に適用されてもよい。さらに、他の図に関して示しならびに/または説明する他のシャントは図4に示すようなライン404および/またはリング406を含まない場合があるが、他の図に関して説明するシャントにライン404および/またはリング406を付加してもよいことを理解されたい。同様に、本明細書の他の図に関して説明する様々な要素は、図4および/または本明細書の他の図のシャントインプラント400が各図に関して示されならびに/または説明されていない場合でもシャントインプラント400に付加されてもよい。シャントインプラント400は中央フロー部402および固着アーム414を両方含むように示されているが、シャントインプラント400は、いくつかの実施形態では固着アーム414を含まなくてもよい。
【0046】
図5は、いくつかの実施形態による第2の拡張可能なシャントインプラントを示す。第2の拡張可能なシャントインプラント500は、チェーン504の網状部で構成された中央フロー部502を備えてもよく、チェーン504はワイヤ、縫合糸、ストリング、および/または様々な他のデバイスを含んでもよい。各チェーン504は、1本または複数の他のチェーン504と連動してチェーン504の「チェーンメール」パターンを形成するように構成されてもよい。チェーン504は、図5では概ね円形を有するように示されているが、各チェーン504は、任意の適切な形状および/またはサイズを有してもよい。たとえば、チェーン504は三角形、八角形、五角形、矩形、または他の形状を有してもよい。各チェーン504は、任意の数の他のチェーン504と連動してもよい。たとえば、フロー部502の端部(たとえば、リング506に接続される)における第1のチェーン504は、5本の他のチェーン504(たとえば、第1のチェーン504の右側の1本のチェーン504、第1のチェーン504の左側の1本のチェーン、および第1のチェーン504の下方の3本のチェーン)と連動してもよい。言い換えれば、5本のチェーン504は第1のチェーン504の穴を通過してもよい。別の例では、フロー部502の端部に位置しない第1のチェーン504が8本のチェーン504(たとえば、第1のチェーン504の上方の3本のチェーン504、第1のチェーン504の右側の1本のチェーン504、第1のチェーン504の左側の1本のチェーン、および第1のチェーン504の下方の3本のチェーン)に接続されてもよい。
【0047】
フロー部502は、チェーン504の網状部に取り付けられならびに/または網状部から延びるように構成された1つまたは複数のリング506をさらに備えてもよい。たとえば、リング506は1本または複数のチェーン504の穴を通過してもよい。図5に示すように、フロー部502は、フロー部502の第1の端部に第1のリング506を備えてもよい。たとえば、第1のリング506は、組織壁508の第1の面501にまたは第1の面501の近くに位置してもよい。フロー部502は、組織壁の開口部内に少なくとも部分的に位置してもよい。組織壁508は、第1の面501および第2の面503を有してもよく、開口部は組織壁を貫通する隙間を表してもよい。組織壁508を貫通する開口部は、組織壁508の厚さに等しい深さを有してもよい。さらに、開口部は様々な幅を有してもよい。たとえば、開口部は、ある直径を有する概ね円形(たとえば、図3Aおよび図3Bにおける開口部311)を有してもよい。
【0048】
送達時に、第2の拡張可能なシャントインプラント500のフロー部502は、開口部の深さおよび/または組織壁508の厚さに概ね等しい長手方向長さを有してもよい。したがって、第1のリング506および/もしくはフロー部502の第1の端部は、長手方向軸に沿って組織壁508の第1の面501と概ね揃ってもよく、ならびに/またはフロー部502の第2の端部は、長手方向軸に沿って組織壁508の第2の面503と概ね揃ってもよい。しかし、第2の拡張可能なシャントインプラント500は、(フロー部502の第1の端部および/または第2の端部が開口部から外側に延びるように)組織壁508の厚さよりも大きいかまたは(フロー部502の第1の端部および/または第2の端部が開口部内に位置するように)組織壁508の厚さよりも小さい長手方向長さを有してもよい。
【0049】
フロー部502の1本または複数のチェーン504は、開口部の形状を近似するように円筒形または他の形状を形成してもよい。いくつかの実施形態では、開口部は、ある直径を有する円形の開口部を形成するように穿刺点からすべての方向において概ね均等に広げられてもよい。したがって、フロー部502は、1つもしくは複数のリング506および/または相互接続されたチェーン504を含み、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に丸い形状および/または少なくとも部分的な円形を有してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、拡張可能なシャントインプラント500は、送達時には圧縮形態および/または場合によっては拡張可能な形態であってもよい。たとえば、送達時には、1本または複数のチェーン504は、1本または複数のチェーン504間の分離が最小限に抑えられるように互いに比較的近接して位置してもよい。組織壁508が(たとえば、長手方向に)拡張するにつれて、1本または複数のチェーン504が徐々に分離してより大きい長手方向長さの拡張可能なシャントインプラント500を形成してもよい。いくつかの実施形態では、1本または複数のチェーン504は、組織壁508の拡張に応じて伸長するように構成されてもよい。たとえば、送達時には、1本または複数のチェーン504は自然休止状態であってもよくならびに/または最小限にのみ伸長されてもよい。組織壁508が拡張するにつれて、1本または複数のライン504のうちの少なくとも数本が伸長してより大きい長さの拡張可能なシャントインプラント500を形成してもよい。いくつかの実施形態では、フロー部502は、フロー部502が組織壁508の対応する拡張よりも前に拡張するのを防ぐための1つまたは複数の抑制機構を備えてもよい。たとえば、2本以上のチェーン504が縫合糸、ワイヤ、または同様のデバイスによって互いに近接して保持されてもよい。組織壁508が拡張するにつれて、抑制機構に加えられる圧力は、抑制機構が破壊されならびに/または伸長して2本以上のチェーン504間の分離の程度をより大きくすることが可能になるレベルまで増大してもよい。
【0051】
拡張可能なシャントインプラント500は、組織壁508内に固着するように構成された1つまたは複数の固着アーム514を備えてもよい。拡張可能なシャントインプラント500は2つの固着アーム514を有するように示されているが、拡張可能なシャントインプラント500は任意の数の固着アーム514を有してもよい。いくつかの実施形態では、拡張可能なシャントインプラント500は、1つもしくは複数の固着アーム514を拡張可能なシャントインプラント500の第1の端部(たとえば、組織壁508の第1の面501を固着するように構成される)に備え、ならびに/または1つもしくは複数の固着アーム514を拡張可能なシャントインプラント500の第2の端部(たとえば、組織壁508の第2の面503に固着するように構成される)に備えるかもしくは第2の端部の近くに備えてもよい。固着アーム514は、リング506または1本もしくは複数のチェーン504に取り付けられならびに/あるいはリング506または1本もしくは複数のチェーン504から延びてもよい。たとえば、拡張可能なシャントインプラント500が任意のリング506を含まない場合、固着アーム514はチェーン504に取り付けられならびに/またはチェーン504から延びてもよい。
【0052】
固着アーム514の各々は、組織壁508を貫通し、組織壁508に取り付けられ、ならびに/またはその他の方法で組織壁508に固着するように構成された固着機構515を備えてもよい。図5に示すように、固着機構515はバーブを含んでもよい。しかし、適切な機構515は、フック、針、スクリュー、ネイル、および/またはその他のデバイスのうちの1つもしくは複数を含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、チェーン504、リング506、および/または固着アーム514の各々が共通の材料またはそれぞれに異なる材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、チェーン504、リング506、および/または固着アーム514のいずれもニチノールおよび/もしくはその他の金属、プラスチック、ポリマー、ならびに/またはその他の材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リング506は、拡張可能なシャントインプラント500にあるレベルの安定性をもたらすように少なくとも部分的に剛性を有する構造を有してもよい。たとえば、1つまたは複数のリング506は、拡張可能なシャントインプラント400が拡張するときでも所定の形態を保持するように構成されてもよい。このようにして、1つまたは複数のリング506は、組織壁508に対する不要な損傷を防止するように構成されてもよい。たとえば、1つまたは複数の固着アーム514は、リング506から延びならびに/またはリング506に取り付けられてもよい。リング506の剛性を有する構造に少なくとも部分的に起因して、フロー部502は、一定レベルの圧力をもたらしならびに/または1つまたは複数の固着アーム514に対して一定の向きを形成してもよい。
【0054】
図6Aおよび図6Bは、いくつかの実施形態による拡張可能なコイル状シャントインプラントを示す。コイル状シャントインプラント600は、1本または複数のコイル状ライン604で構成された中央フロー部602を備えてもよい。いくつかの実施形態では、フロー部602および/または単一のコイル状ライン604は、少なくとも組織壁608の第1の面601から組織壁608の第2の面603まで延びてもよい。フロー部602は、組織壁608の開口部内に少なくとも部分的に位置してもよい。
【0055】
送達時には、コイル状シャントインプラント600のフロー部602は、開口部の深さおよび/または組織壁608の厚さに概ね等しい長手方向長さを有してもよい。したがって、フロー部602の第1の端部620は、長手方向軸に沿って組織壁608の第1の面601と概ね揃ってもよく、ならびに/またはフロー部602の第2の端部622は、長手方向軸に沿って組織壁608の第2の面603と概ね揃ってもよい。しかし、コイル状シャントインプラント600は、(フロー部602の第1の端部620および/または第2の端部622が開口部から外側に延びるように)組織壁608の厚さよりも大きいかまたは(フロー部602の第1の端部620および/または第2の端部622が開口部内に位置するように)組織壁608の厚さよりも小さい長手方向長さを有してもよい。
【0056】
フロー部602の1本または複数のライン604は、開口部の形状を近似するように円筒形または他の形状を形成してもよい。いくつかの実施形態では、組織壁608の開口部は、ある直径を有する円形の開口部を形成するように穿刺点からすべての方向において概ね均等に広げられてもよい。したがって、フロー部602は、1本もしくは複数のライン604を含み、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に丸い形状および/または円形を有してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、拡張可能なシャントインプラント600は、送達時には圧縮されならびに/または他の方法で拡張可能な/未拡張の形態であってもよい。たとえば、送達時には、1本または複数のチェーン604は、1本または複数のライン604のコイル間の分離が最小限に抑えられた比較的緊縮したコイルのセットを形成してもよい。組織壁608が(たとえば、長手方向に)拡張するにつれて、コイルのセットが徐々に拡張/分離してより大きい長手方向長さのコイル状シャントインプラント600を形成してもよい。いくつかの実施形態では、1本または複数のチェーン604は、1本または複数のライン604が拡張するときに自然に力を及ぼして休止(たとえば、未拡張)状態に戻り得るように弾性の特徴を有してもよい。
【0058】
コイル状シャントインプラント600は、組織壁508内に固着するように構成された1つまたは複数の固着アーム614を備えてもよい。コイル状シャントインプラント600は4つの固着アーム614を有するように示されているが、コイル状シャントインプラント600は任意の数の固着アーム614を有してもよい。いくつかの実施形態では、コイル状シャントインプラント600は、1つもしくは複数の固着アーム614をコイル状シャントインプラント600の第1の端部620(たとえば、組織壁608の第1の面601を固着するように構成される)に備え、ならびに/または1つもしくは複数の固着アーム614をコイル状シャントインプラント600の第2の端部622(たとえば、組織壁608の第2の面603に固着するように構成される)に備えるかもしくは第2の端部622の近くに備えてもよい。固着アーム614は、1本または複数のライン604に取り付けられならびに/あるいは1本または複数のライン604から延びてもよい。
【0059】
固着アーム614の各々は、組織壁608を貫通し、組織壁608に取り付けられ、ならびに/またはその他の方法で組織壁608に固着するように構成された固着機構615を備えてもよい。図6Aに示すように、固着機構615はバーブを含んでもよい。しかし、適切な機構615は、フック、針、スクリュー、ネイル、および/またはその他のデバイスのうちの1つもしくは複数を含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、ライン604および/または固着アーム614の各々が共通の材料またはそれぞれに異なる材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ライン604および/または固着アーム614のいずれもニチノールおよび/もしくはその他の金属、プラスチック、ポリマー、ならびに/またはその他の材料で構成されてもよい。
【0061】
図6Bはコイル状シャントインプラント600を示し、コイル状シャントインプラント600では、フロー部602の第1の部分620が組織壁608の第1の面601を越えて第1の解剖学的チャンバ内まで延びてもよい。第2の端部622は、組織壁608の第2の面603を越えて第2の解剖学的チャンバ内まで延びてもよい。たとえば、フロー部602の第1の部分621は、組織壁608の第1の面601を越えてもよく、フロー部602の第2の部分623は組織壁608内であってもよく、ならびに/または第3の部分624は組織壁608の第2の面603を越えてもよい。いくつかの実施形態では、フロー部602は様々な直径を有してもよい。たとえば、フロー部602は、第2の部分623に最小および/または一定の直径を有してもよい。フロー部602は、第1の部分621および/または第3の部分624においてより大きい直径に拡張してもよい。いくつかの実施形態では、フロー部602の直径は、概ね組織壁608の第1の面601とフロー部602の第1の端部620との間で徐々に大きくなってもよい。同様に、フロー部602の直径は、概ね組織壁608の第2の面603とフロー部602の第2の端部622との間で徐々に大きくなってもよい。しかし、いくつかの実施形態では、フロー部602は、第1の部分621および/または第3の部分624に概ね一定の直径および/または概ね最大の直径を有してもよい。
【0062】
第1の部分621および/または第3の部分624におけるフロー部602の直径は、組織壁608の開口部の直径よりも大きくてもよい。このようにして、第1の部分621および/または第3の部分624の少なくとも一部は、組織壁608の開口部に進入するのを防止されてもよく、フロー部602は、組織壁608によって所定の位置に保持されてもよい。したがって、コイル状シャントインプラント600は、固着アーム614を必要とせずにフロー部602が外れるのを防止するために組織壁608に固着されてもよいので、コイル状シャントインプラント600は、任意の固着アーム614を含まなくてもよい。
【0063】
フロー部602の第2の部分623の直径は、組織壁608の開口部の直径に概ね等しくてもよい。したがって、フロー部602の第2の部分623は、開口部における組織の内部成長を防止するために組織壁608に押し付けられるように構成されてもよい。少なくとも第2の部分623(および/または第1の部分621および/または第3の部分624)は、組織壁608の厚さが増すことに応じて長手方向に拡張するように構成されてもよい。組織壁608が厚くなるにつれて、フロー部602のコイルが分離してフロー部602の長手方向長さが増してもよい。いくつかの実施形態では、フロー部602は、比較的多数のコイルを含んでもよく、それによって、フロー部602は、コイルの各セット間に高度の分離を必要とせずに長手方向長さを増すように構成されてもよい。このように、拡張時であっても組織の内部成長を防止し、それによって、組織壁608の開口部の形状および/またはサイズを維持するためにコイル間の分離が最小限に抑えられてもよい。
【0064】
図7は、いくつかの実施形態による拡張可能なリング状シャントインプラントを示す。リング状シャントインプラントは、1つまたは複数のリング704で構成された中央フロー部702を備えてもよい。いくつかの実施形態では、フロー部702は、少なくとも組織壁708の第1の面701から組織壁708の第2の面703まで延びてもよい。フロー部702は、組織壁708の開口部内に少なくとも部分的に位置してもよい。中央フロー部702は、7つのリング704を備えるように示されているが、中央フロー部702は、任意の数のリング704を備えてもよい。
【0065】
送達時には、リング状シャントインプラントのフロー部702は、開口部の深さおよび/または組織壁708の厚さに概ね等しい長手方向長さを有してもよい。したがって、フロー部702の第1のリング704aは、長手方向軸に沿って組織壁708の第1の面701と概ね揃ってもよく、ならびに/またはフロー部702の第2のリング704bは、長手方向軸に沿って組織壁708の第2の面703と概ね揃ってもよい。しかし、リング状シャントインプラントは、(フロー部702の第1のリング704aおよび/または第2のリング704bが開口部内に位置するように)組織壁708の厚さよりも小さい長手方向長さを有してもよい。
【0066】
1つまたは複数のリング704の各々は、組織壁708の開口部の形状を近似するように円形および/または楕円形を有してもよい。1つまたは複数のリング704は、組織壁708の内面を押しならびに/または組織壁708を貫通するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のリング704は、組織壁708の内面を貫通しならびに/または組織壁708の内面に固着されてリング704を所定の位置に保持するように構成されたスパイクおよび/または同様の要素を有してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、リング状シャントインプラントは、送達時には圧縮されならびに/または他の方法で拡張可能な/未拡張の形態であってもよい。たとえば、送達時には、1つまたは複数のリング704は、互いに最小限の離隔距離を有してもよい。組織壁708が(たとえば、長手方向に)拡張するにつれて、各リングが徐々に分離してより大きい長手方向長さのリング状シャントインプラントを形成してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のリング704は、1つまたは複数のワイヤ、布、および/または同様のデバイスを介して接続されてもよい。たとえば、概ね円筒形を有する布または同様の材料が1つまたは複数のリング704を囲んでもよくならびに/または1つまたは複数のリング704に取り付けられてもよい。このようにして、布は、1つまたは複数のリング704間の隙間を埋めてリング704同士の間の組織の内部成長を防止してもよい。
【0069】
リング状シャントインプラントは、組織壁708内に固着するように構成された1つまたは複数の固着アームを備えてもよい。たとえば、リング状シャントインプラントは、リング状シャントインプラントの第1のリング704a(たとえば、組織壁708の第1の面701を固着するように構成される)に取り付けられおよび/もしくは第1のリング704aから延びる1つもしくは複数の固着アームを備え、ならびに/またはリング状シャントインプラントの第2のリング704b(たとえば、組織壁708の第2の面703に固着するように構成される)に取り付けられおよび/もしくは第2のリング704bから延びる1つもしくは複数の固着アームを備えてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、リング704の各々が共通の材料またはそれぞれに異なる材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リング704のいずれもニチノールおよび/もしくはその他の金属、プラスチック、ポリマー、ならびに/またはその他の材料で構成されてもよい。リング704のうちの1つまたは複数は、ニチノールまたは他の形状記憶材料で構成されてもよく、組織壁708の開口部よりも大きい直径を自然と有するように形状設定されてもよく、それによって、リング704が開口部の内面を押してリング704自体を所定の位置に保持してもよい。たとえば、リング704は、不連続ラインを備えてもよく、不連続ラインは、力に応じて巻かれるように構成されてもよい。1つまたは複数のリング704は、組織壁708の開口部内に配置されたときに圧縮されて直径が小さくなるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リング704および/または固着アームは、カーボタンおよび/または組織の内部成長を防止しならびに/または抑制するように構成された同様の材料(たとえば、ポリマー)で構成されならびに/または被覆されてもよい。
【0071】
図8は、いくつかの実施形態による伸縮式シャントインプラントを示す。伸縮式シャントインプラント800は、1つまたは複数の伸縮部材804で構成された中央フロー部802を備えてもよい。伸縮部材804は図8では円筒形を有するように示されているが、各伸縮部材804は、任意の適切な形状および/またはサイズを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の伸縮部材804aは第2の伸縮部材804bよりも大きい直径/幅を有してもよく、それによって、第2の伸縮部材804bは、第1の伸縮部材804aの中央開口部/領域内に/内へ少なくとも部分的に嵌るように構成されてもよい。図8は、2つの伸縮部材804のみを示しているが、フロー部802は3つ以上の伸縮部材804を含んでもよい。
【0072】
図8に示すように、第1の伸縮部材804aの端部は、組織壁808の第1の面801に位置するかまたは第1の面801の近くに位置するように構成されてもよい。フロー部802は、組織壁の開口部内に少なくとも部分的に位置してもよい。組織壁808は、第1の面801および/または第2の面803を有してもよく、開口部は、組織壁を貫通する隙間を表してもよい。組織壁808を貫通する開口部は、組織壁808の厚さと等しい深さを有してもよい。さらに、開口部は様々な幅を有してもよい。たとえば、開口部は、ある直径を有する円形(たとえば、図3Aおよび図3Bにおける開口部311を参照されたい)を有してもよい。
【0073】
送達時には、伸縮式シャントインプラント800のフロー部802は、開口部の深さおよび/または組織壁808の厚さに概ね等しい長手方向長さを有するように構成されてもよい。したがって、第1の伸縮部材804aの端部は、長手方向軸に沿って組織壁808の第1の面801と概ね揃うように構成されてもよく、ならびに/または第2の伸縮部材804bの端部は、長手方向軸に沿って組織壁808の第2の面803と概ね揃うように構成されてもよい。しかし、伸縮式シャントインプラント808は、(フロー部802の第1の端部および/または第2の端部が開口部から外側に延びるように構成され得るように)組織壁808の厚さよりも大きくまたは(フロー部802の第1の端部および/または第2の端部が開口部内に位置するように構成され得るように)組織壁808の厚さよりも小さい長手方向長さを有してもよい。
【0074】
フロー部802の2つ以上の伸縮部材804は、組織壁808の開口部の形状を近似するように円筒形または他の形状を形成してもよい。いくつかの実施形態では、ある直径を有する楕円形(たとえば、円形)の開口部を形成するように穿刺点からすべての方向において概ね均等に広げられてもよい。したがって、フロー部802は、2つ以上の伸縮部材804を含み、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に丸い形状および/または円形を有してもよい。
【0075】
伸縮式シャントインプラント800は、送達時には圧縮されならびに/または他の方法で拡張可能な形態であってもよい。送達時には、2つ以上の伸縮部材804は最大量の重なりを有してもよい。たとえば、第2の伸縮部材804bは、全体が第1の伸縮部材804aの中央(たとえば、少なくとも部分的に中空の)領域内に位置してもよい。組織壁808が(たとえば、長手方向に)拡張するにつれて、2つ以上の伸縮部材804間の重なり量が徐々に少なくなって、より大きい長手方向長さの伸縮式シャントインプラント800を形成してもよい。たとえば、第1の伸縮部材804aは、第2の伸縮部材804bに対して移動するように構成されてもよく、ならびに/または第2の伸縮部材804bは、第1の伸縮部材804aに対して移動して伸縮部材804間の重なり量を調整するように構成されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、各伸縮部材804は、少なくとも1つの他の伸縮部材に取り付けられてもよく、ならびに/または少なくとも1つの他の伸縮部材から延びてもよい。たとえば、第1の伸縮部材804aは第2の伸縮部材804bに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、取り付け部は滑り可能な取り付け部であってもよい。たとえば、第1の伸縮部材804aは、ペグ、ノッチ、または同様の機構に嵌るように構成されたガイドトラックを備えてもよい。第2の伸縮部材804bは、第1の伸縮部材804aのガイドトラック内/上に嵌るように構成されたペグ、ノッチ、または同様の機構を備えてもよい。したがって、第2の伸縮部材804bは第1の伸縮部材804aに対して滑るように構成されてもよく、また、第1の伸縮部材804aは第2の伸縮部材804bに対して滑るように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の伸縮部材804間の滑り可能な取り付け部は、伸縮部材804の互いに対する移動を少なくとも一時的に防止しならびに/またはそのような移動に一時的に抵抗するように構成された様々なストッパ(たとえば、コード、ペグ、ノッチ、歯など)を使用することを含んでもよい。たとえば、第2の伸縮部材804bは、第1の伸縮部材804aのガイドトラックに沿って滑るように構成されてもよく、ガイドトラックに沿って滑りつつ1つまたは複数のストッパと相互作用してもよい。ストッパは、一時的に、ならびに/または第2の伸縮部材804bによるストッパの破壊および/もしくは押し出しが行われるための十分な力が加えられるまで、第2の伸縮部材804bを停止しならびに/または減速させるように構成されてもよい。このようにして、第1の部分802の長手方向拡張は、フロー部802の拡張を組織壁808の増大する厚さに整合させならびに/またはフロー部802の拡張を組織壁808の増大する厚さに近似させるように制御されならびに/または各段階に分割されてもよい。さらに、伸縮部材804は、ガイドトラックおよび/または対応するペグ/ノッチに加えてならびに/またはガイドトラックおよび/または対応するペグ/ノッチの代わりに他の取り付け機構を含んでもよい。たとえば、第1の伸縮部材804aは、1つもしくは複数の爪または第2の伸縮部材804bの同様の機構と相互作用して伸縮部材804間にラ
チェット接続部を形成するように構成された歯を含む丸形歯車および/または直線状歯車を備えてもよい。歯車および/またはラックの1つまたは複数の歯は非対称であってもよく、ならびに/または第1の縁部が部分的に傾斜し、第2の縁部がより険しく傾斜していてもよい。このようにして、第2の伸縮部材804bの爪または同様の機構は、ある方向(たとえば、第1の伸縮部材804aと第2の伸縮部材804bとの重なり量が減少する方向)において第2の方向(たとえば、第1の伸縮部材804aと第2の伸縮部材804bとの重なり量が増大する方向)よりも容易に移動するように構成されてもよい。
【0077】
伸縮部材804は、組織壁808の拡張に応じて移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、フロー部802は、フロー部802が組織壁808の対応する拡張よりも前に拡張するのを防ぐための1つまたは複数の接続/抑制機構を備えてもよい。たとえば、2つ以上の伸縮部材804が縫合糸、クランプ、または同様のデバイスによって重なりが最大になるように保持されてもよい。組織壁808が拡張するにつれて、抑制機構に対して加えられる圧力が、抑制機構が破壊されならびに/または伸長し、それによって、フロー部802が延びるのが可能になり、2つ以上の伸縮部材804間の重なり量が減少するレベルまで上昇してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、伸縮式シャントインプラント800は、フロー部802が段階的に拡張するのを可能にするための1つまたは複数のペグ、ノッチ、および/または同様の機構を含んでもよい。たとえば、第1の伸縮部材804aは、第2の伸縮部材804bから延びる対応するペグに対して構成された1つまたは複数のノッチを備えてもよい。送達時には、第2の伸縮部材804bから延びる第1のペグが第1の伸縮部材804aの第1のノッチ内に位置してもよい。組織壁808が拡張するにつれて、第1のペグが第1の伸縮部材804aに沿って滑り、第1の伸縮部材804aの第2のノッチ内に収まってもよい。第2の伸縮部材804bのペグ(または同様の機構)が第1の伸縮部材804aのノッチ(または同様の機構)と相互作用すると、抵抗力が働いて、第2の伸縮部材804bおよび/または第1の伸縮部材804aに十分な力(たとえば、組織壁808の拡張)が加わるまで第1の伸縮部材804aに対する第2の伸縮部材804bの移動が防止され得る。いくつかの実施形態では、各機構は、ラチェットと同様な伸縮部材804の一方向移動(すなわち、一方向のみの移動)が可能になるように構成されてもよい。
【0079】
伸縮式シャントインプラント800は、組織壁808内に固着するように構成された1つまたは複数の固着アーム814を備えてもよい。伸縮式シャントインプラント800は、2つの固着アーム814を有するように示されているが、伸縮式シャントインプラント800は任意の数の固着アーム814を有してもよい。いくつかの実施形態では、伸縮式シャントインプラント800は、1つもしくは複数の固着アーム814を伸縮式シャントインプラント800の第1の端部(たとえば、組織壁808の第1の面801を固着するように構成される)に備え、ならびに/または1つもしくは複数の固着アーム814を伸縮式シャントインプラント800の第2の端部(たとえば、組織壁808の第2の面803に固着するように構成される)に備えるかもしくは第2の端部の近くに備えてもよい。固着アーム814は、2つ以上の伸縮部材804に取り付けられならびに/または2つ以上の伸縮部材804から延びてもよい。
【0080】
固着アーム814の各々は、組織壁808を貫通し、組織壁808に取り付けられ、ならびに/またはその他の方法で組織壁808に固着するように構成された固着機構815を備えてもよい。図8に示すように、固着機構815はバーブを含んでもよい。しかし、適切な機構815は、フック、針、スクリュー、ネイル、および/またはその他のデバイスのうちの1つもしくは複数を含んでもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、伸縮部材804および/または固着アーム814の各々が共通の材料またはそれぞれに異なる材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、伸縮部材804および/または固着アーム814のいずれもニチノールおよび/もしくはその他の金属、プラスチック、ポリマー、ならびに/またはその他の材料で構成されてもよい。
【0082】
図9Aおよび図9Bは、いくつかの実施形態による布製シャントインプラント900を示す。図9Aは布製シャントインプラント900の側面図を示す。布製シャントインプラント900は、単一の連続布シートまたは1枚もしくは複数の不連続布シートで構成された中央フロー部902(第1の部分920、第2の部分922、および/または第3の部分924を有する)を備えてもよい。本明細書では、「布」は、様々な力に応じて伸長され、成形され、ならびに/または形作られることができる、弾性および/または可撓性を有する任意の材料を指すことがある。中央フロー部902は、サック、チューブ、バッグ、またはシートの形をした1枚の布を備えてもよい。たとえば、中央フロー部902は、中央フロー部902が縁部、角部などを有さない連続構造を有するサックを備えてもよい。布は、弾性材料で構成されてもよく、それによって、布は、力に応じて伸長し、および/または力が排除されたときに所定の形態に戻るように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、中央フロー部902は、少なくとも部分的に中空の内部を有してもよく、内部は完全に布によって囲まれてもよい。中央フロー部902は、少なくとも部分的に不定形であってもよく、それによって、中央フロー部902は、様々な形状を形成するように形作られてもよく、ならびに/または様々なサイズを有するように伸長されてもよい。中央フロー部902は、組織壁908の拡張および/または成長に応じて長手方向に伸長する(すなわち、第1の部分920と第3の部分924との間の距離が延びる)ように構成されてもよい。
【0083】
図9Aに示すように、フロー部902の第1の部分920は、組織壁908の第1の面901に位置するかまたは第1の面901の近くに位置するように構成されてもよく、フロー部902の第2の部分922は、組織壁908の開口部内に位置するように構成されてもよく、フロー部902の第3の部分924は、組織壁908の第2の面903に位置するかまたは第2の面903の近くに位置するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、フロー部902は、組織壁の開口部を少なくとも部分的に覆うように構成されてもよい。たとえば、第1の部分920は、組織壁908の第1の面901の開口部を少なくとも部分的に覆うように構成されてもよく、ならびに/または第3の部分924は、組織壁908の第2の面903の開口部を少なくとも部分的に覆うように構成されてもよい。第1の部分920および/または第3の部分924は、休止状態において開口部を少なくとも部分的に覆うように構成されてもよく、ならびに/または十分な範囲にわたって伸長して開口部を覆うように構成されてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、布製シャントインプラント900は、組織壁908を貫通する流路を画定しならびに/または維持するように構成されてもよい。中央フロー部902(たとえば、第1の部分920および/または第3の部分924)は、通気性構造を有する材料で構成されてもよく、通気性構造は、中央フロー部902を通る流れを可能にしてもよい。たとえば、中央フロー部902は、線維間に小さい隙間を有する複数の織られた線維を含む材料で構成されてもよい。したがって、血液は中央フロー部902を通って流れることが可能であってもよい。いくつかの実施形態では、フロー部902(たとえば、第1の部分920および/または第3の部分924)は、血液がフロー部902を通って流れるのを可能にするように構成された1つもしくは複数の穴925を有してもよい。穴925の各々は、血流を可能にするのに十分なサイズを有してもよい。フロー部902は、任意の数の穴925を有してもよく、ならびに/または穴925は任意のサイズおよび/または形状を有してもよい。穴925は、組織壁908を貫通する開口部と揃うように構成された第1の部分920および/または第3の部分924における点に配置されてもよい。したがって、穴925を通る血流は、中央フロー部902を通過し、開口部を通過してもよい。
【0085】
図9Bは、組織壁908の第1の面901上の布製シャントインプラント900の俯瞰図(たとえば、左心房から見た)を示す。図9Bに示すように、組織壁908に開口部911が形成されてもよい。開口部911は図9Bでは、中央フロー部902に対する開口部911の配置を表すために点線として示されている。開口部911は、少なくとも部分的に中央フロー部902によって(たとえば、第1の部分920によって)覆われてもよく、中央フロー部902を通して見えなくてもよいが、ここでは例示の目的で示されている。いくつかの実施形態では、開口部911は楕円(たとえば、円)形状を有してもよい。フロー部902の第1の部分920は、組織壁908の第1の面901における組織壁908の開口部911を少なくとも部分的に覆うように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分920は開口部911の周りに楕円(たとえば、円)形状を形成してもよい。第1の部分920は、1つもしくは複数の固着機構914を使用することによって組織壁908に(たとえば、第1の面901において)固定されてもよい。いくつかの実施形態では、固着機構914は、組織壁908の表面を貫通しならびに/またはその他の方法で組織壁908の表面に取り付けられるように構成されたネイル、スクリュー、フック、バーブ、および/またはその他のデバイスを含んでもよい。さらに、固着機構914は、フロー部902を通過してフロー部902を組織壁908に押し付けてもよい。フロー部902の第1の部分920を組織壁の第1の面901に固着する4つの固着機構914が示されているが、任意の数の固着機構914が使用されてもよい。フロー部902(たとえば、第3の部分924)を組織壁908の第2の面903に固着するために追加の固着機構914が使用されてもよい。
【0086】
第2の部分922の少なくとも一部は、組織壁908の開口部内に配置されるように構成されてもよい。第2の部分922は、第2の部分922のサイズおよび/または形状が組織壁908の開口部のサイズおよび/または形状を近似する概ね円筒形/管形状を有してもよく、ならびに/または概ね円筒形状/管形状に形作られるように構成されてもよい。第2の部分922は、組織壁908の開口部911の内面に対する障壁を確立して開口部911を形成した後の組織の内部成長を防止するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の部分922は、開口部911の内面を押すように構成されてもよい。第1の部分、第2の部分、および/または第3の部分924の各々は、布の別個の部分であってもよく、ならびに/または連続する1枚の布を形成してもよい。
【0087】
送達時には、布製シャントインプラント900のフロー部902は、開口部の深さおよび/もしくは組織壁908の厚さに概ね等しい長手方向長さを有してもよく、ならびに/または長手方向長さまで伸長するように構成されてもよい。したがって、フロー部902の第1の端部(たとえば、第1の部分920)は、長手方向軸に沿って組織壁908の第1の面901と概ね揃ってもよく、および/またはフロー部902の第2の端部(たとえば、第3の部分924)は、長手方向軸に沿って組織壁908の第2の面903と概ね揃ってもよい。フロー部902は、第1の部分920が組織壁908の第1の面901に概ね揃ったままになり、および/もしくは第1の面901に固着されたままになり、ならびに/または第3の部分924が組織壁908の第2の面903に概ね揃ったままになり、および/もしくは第2の面903に固着されたままになるように、組織壁908の厚さが増すにつれて伸長するように構成されてもよい。
【0088】
布製シャントインプラント900は、送達時に圧縮されならびに/または他の方法で拡張可能な形態であってもよい。たとえば、布製シャントインプラント900は、カテーテルに嵌り込むように丸められ、捩じられ、緩められ、および/もしくは他の方法での圧縮が加えられ、ならびに/または組織壁908の開口部911に嵌るように布製シャントインプラント900を伸長させるのを可能にするように丸められ、捩じられ、緩められ、および/もしくは他の方法での圧縮が加えられてもよい。布製シャントインプラント900を送達した後、組織壁908が(たとえば、長手方向に)拡張するにつれて、フロー部902(たとえば、第2の部分922)が伸長してより大きい長手方向長さの布製シャントインプラント900を形成してもよい。いくつかの実施形態では、フロー部902は、少なくとも部分的に弾性を有する構造を有してもよく、ならびに/または十分な力が加えられる(たとえば、組織壁908の拡張)まで伸長に抵抗してもよい。
【0089】
送達プロセス
図10は、いくつかの実施形態による拡張可能なシャントを人体に送達しならびに/または固着するためのプロセス1000の例の流れ図である。プロセス1000は、ブロック1002において、組織壁に開口部を形成することを含む。本明細書で説明するように、開口部は、ガイドワイヤ、穿刺カテーテル、イントロデューサシース、穿刺シース、および/または穿刺エクスパンダのうちの1つまたは複数を使用することによって形成されてもよい。開口部は、2つの解剖学的チャンバ(たとえば、左心房および冠状静脈洞)間に血流路を形成してもよい。
【0090】
プロセス1000は、ブロック1004において、拡張可能なシャントをデリバリカテーテルに取り付けることを含む。拡張可能なシャントは、デリバリカテーテルの内腔内に位置してもよく、ならびに/または送達時に折り畳み状態であってもよい。プロセス1000は、ブロック1006において、デリバリカテーテルを開口部までならびに/または開口部の近くまで前進させることを含む。
【0091】
プロセス1000は、ブロック1008において、拡張可能なシャントを開口部内にならびに/または開口部の周りに置くことを含む。たとえば、シャントは、開口部内に位置するように構成されたフロー部、および/または開口部の外側における組織壁の部分にフロー部を固着するように構成された1つまたは複数の固着機構を備えてもよい。プロセス1000は、ブロック1010において、拡張可能なシャントを組織壁に固着することを含む。
【0092】
追加の実施形態
実施形態に応じて、本明細書で説明するプロセスまたはアルゴリズムのいずれかのいくつかの行為、事象、または機能は、異なるシーケンスで実行することができ、追加し、統合し、または完全に除外してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、説明したすべての行為または事象がプロセスの実施に必要であるとは限らない。
【0093】
特に「することができる」、「し得る」、「する場合がある」、「してもよい」、「たとえば」などの、本明細書で使用する条件語句は、特段の記載がない限り、または使用される文脈内で別様の理解がなされない限り、通常の意味が意図され、一般に、いくつかの実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含み、他の実施形態がそれらの特徴、要素、および/またはステップを含まないことを示すことが意図される。したがって、そのような条件語句は一般に、1つまたは複数の実施形態に特徴、要素、および/またはステップが必要であることを含意するものではなく、また、これらの特徴、要素、および/もしくはステップが任意の特定の実施形態に含まれるかどうかまたはこれらの特徴、要素、および/もしくはステップを任意の特定の実施形態において実行すべきであるかどうかを、著者の入力または指示の有無にかかわらずに決定するための論理を1つまたは複数の実施形態が必然的に含むことを含意するものではない。「備える」、「含む」、「有する」などの用語は、同義であり、その通常の意味で使用され、オープンエンド式に包括的に使用され、追加の要素、特徴、行為、動作などを除外しない。さらに、「または」という用語は包括的な意味で使用され(および排他的な意味では使用されない)、それによって、この用語が、たとえば、要素のリストを接続するために使用されるときには、「または」という用語は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、またはすべてを意味する。「X、Y、またはZのうちの少なくとも1つ」などの接続的文言は、特段の記載がない限り、全般的に使用される文脈内で、項目、用語、要素などがX、Y、またはZのいずれであってもよいことを示すために使用されているものと理解される。したがって、そのような接続語は一般に、特定の実施形態が少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、および少なくとも1つのZの各々が存在することを必要とすることを含意するものではない。
【0094】
実施形態の上記の説明において、開示を合理化し、様々な発明の態様のうちの1つもしくは複数の理解を助けることを目的として、様々な特徴が単一の実施形態、図、またはその説明においてグループ分けされる場合があることを諒解されたい。しかし、この開示方法は、任意の請求項がその請求項に明示的に記載されるよりも多くの特徴を必要とする意図を反映するものと解釈すべきではない。さらに、本明細書の特定の実施形態において図示しならびに/または説明する任意の構成要素、特徴、またはステップを任意の他の実施形態に適用するかまたは任意の他の実施形態とともに使用することができる。さらに、どの構成要素も、どの特徴も、どのステップも、またはどの構成要素、特徴、もしくはステップのグループも、各実施形態に必要なものではなく、また必須でもない。したがって、本明細書で開示し以下で請求する本発明の範囲は、上述の特定の実施形態によって限定されるのではなく、以下の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されることを目的としたものである。
【0095】
いくつかの序数詞(たとえば、「第1の」または「第2の」)が参照を容易にするために提供されており、必ずしも物理的な特徴または順序を含意しないことを理解されたい。したがって、本明細書では、構造、構成要素、動作などの要素を修正するために使用される序数詞(たとえば、「第1の」、「第2の」、「第3の」など)は、必ずしもその要素の任意の他の要素に対する優先順位または順序を示さず、一般に、その要素を(序数詞を使用するために)同様または同一の名前を有する別の要素から区別する。さらに、本明細書では、不定冠詞(「a」および「an」)は「1つ」ではなく「1つ以上」を示してもよい。さらに、ある条件または事象に「基づいて」実行される動作は、明示的に記載されない1つまたは複数の他の条件または事象に基づいて実行されてもよい。
【0096】
別段の定めがない限り、本明細書で使用されるすべての用語(科学技術用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野における当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。一般に使用される辞書に定義されるような用語は、関連分野の文脈におけるその用語の意味と一致する意味を有するものと理解されるべきであり、明示的に定義されない限り理想的な意味または過度に形式的な意味で解釈すべきではないことをさらに理解されたい。
【0097】
いくつかの好ましい実施形態および実施例を以下に開示するが、本発明の主題は、明示的に開示された実施形態を超えて他の代替実施形態および/または代替用途ならびにその修正実施形態および均等実施形態に拡張される。したがって、上記の実施形態から生じ得る特許請求の範囲が後述の特定の実施形態のいずれによっても限定されることはない。たとえば、本明細書で開示する任意の方法またはプロセスでは、方法またはプロセスの行為または動作は任意の適切なシーケンスで実行されてもよく、必ずしも開示される任意の特定のシーケンスに限定されるとは限らない。様々な動作について、いくつかの実施形態を理解するうえで有用であり得るように複数の離散動作として説明する場合があるが、説明の順序は、これらの動作が順序依存であることを含意するものであると解釈すべきではない。さらに、本明細書で説明する構造、システム、および/またはデバイスは、一体化された構成要素として具体化されても、または別々の構成要素として具体化されてもよい。様々な実施形態を比較する目的で、これらの実施形態のいくつかの態様および利点について説明する。必ずしもすべてのそのような態様または利点が任意の特定の実施形態によって実現されるとは限らない。したがって、たとえば、様々な実施形態は、本明細書で教示された1つの利点または一群の利点を、必ずしも同じく本明細書で教示または示唆され得る他の態様または利点を実現せずに実現または最適化するように実施されてもよい。
【0098】
空間的に相対的な用語「外側」、「内側」「上部」、「下部」、「下方」、「上方」、「垂直」、「水平」、および同様の用語は、本明細書では、図面に図示されているある要素または構成要素と別の要素または構成要素との間の関係を説明する場合に、説明を容易にするために使用されることがある。空間的に相対的な用語は、図面に示される向きだけでなく使用時または動作時におけるデバイスのそれぞれに異なる向きを包含することを目的としたものであることを理解されたい。たとえば、図面に示されるデバイスがひっくり返された場合、別のデバイスの「下方」または「下」に配置されたデバイスが別のデバイスの「上方」に配置されることがある。したがって、例示的な用語「下方」は下部位置と上部位置との両方を含んでもよい。デバイスは、他の方向に向けられてもよく、したがって、空間的に相対的な用語は、向きに応じて異なるように解釈されてもよい。
【0099】
別段の明示的な記載がない限り、「より少ない」、「より多い」、「より大きい」などの比較用語および/または数量用語は、均等の概念を包含することが意図されている。たとえば、「より少ない」は最も厳密に数学的な意味の「より少ない」だけでなく「以下である」も意味することができる。
【0100】
本明細書で説明する送達システムは、カテーテル先端および/またはカテーテルをヒトの心臓の様々な領域に配置するために使用されてもよい。たとえば、カテーテル先端および/またはカテーテルは、右心房から冠状静脈洞に移動するように構成されてもよい。しかし、説明を、カテーテル先端および/またはカテーテルを第1の体腔または内腔から第2の体腔または内腔に配置することに言及させるかまたは一般的に適用することができ、その場合、カテーテル先端および/またはカテーテルが、第1の体腔または内腔から第2の体腔または内腔内に配置されるときに曲げられる場合があることが理解されよう。体腔または内腔は、いくつかの流路、血管、および/または器官腔(たとえば、心腔)のいずれかを指すことができる。さらに、本明細書における「カテーテル」、「チューブ」、「シース」、「操縦可能シース」、および/または「操縦可能カテーテル」の参照を、たとえばデリバリカテーテルおよび/またはカニューレを含む、心房または冠状静脈洞内に配置されるための細長い管状デリバリデバイスなどの、器具を滑り可能に受けるように構成された内側内腔を備える任意の種類の細長い管状デリバリデバイスに言及させるかまたは一般的に適用することができる。たとえば、アブレーション治療、薬剤送達、および/または冠状静脈洞リードの配置を含む、他の種類の医療インプラントデバイスおよび/または処置を、本明細書で説明する送達システムを使用して冠状静脈洞に送達ができることが理解されよう。
【符号の説明】
【0101】
1 心臓
2 左心房
5 右心房
10 インプラントデバイス
11 鎖骨下静脈
12 頸動脈
13 大腿静脈
14 下大静脈
15 上大静脈
16 カテーテル
19 冠状静脈洞
301 第1の面
303 第2の面
308 組織壁
311 開口部
350 デリバリカテーテル
352 遠位先端
400 第1の拡張可能なシャントインプラント
401 第1の面
402 中央フロー部
403 第2の面
404 ライン
406 リング
408 組織壁
410 長手方向軸
412 横方向軸
414 固着アーム
415 固着機構
500 シャントインプラント
501 第1の面
502 フロー部
503 第2の面
504 チェーン
506 リング
508 組織壁
514 固着アーム
515 固着機構
600 シャントインプラント
601 第1の面
602 フロー部
603 第2の面
604 コイル状ライン
608 組織壁
614 固着アーム
615 固着機構
620 第1の端部
621 第1の部分
622 第2の端部
623 第2の部分
624 第3の部分
701 第1の面
702 中央フロー部
703 第2の面
704 リング
704a 第1のリング
704b 第2のリング
708 組織壁
800 伸縮式シャントインプラント
801 第1の面
802 中央フロー部
803 第2の面
804 伸縮部材
804a 第1の伸縮部材
804b 第2の伸縮部材
808 組織壁
814 固着アーム
815 固着機構
900 布製シャントインプラント
901 第1の面
902 中央フロー部
903 第2の面
908 組織壁
911 開口部
914 固着機構
920 第1の部分
922 第2の部分
924 第3の部分
925 穴
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
【国際調査報告】