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特表2023-503341自動修理システムのためのデュアルマウンティング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-27
(54)【発明の名称】自動修理システムのためのデュアルマウンティング
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20230120BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20230120BHJP
   B24B 27/00 20060101ALI20230120BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20230120BHJP
   B24B 57/02 20060101ALI20230120BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
B24B37/00 H
B24B27/00 A
B24B49/10
B24B57/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530644
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(85)【翻訳文提出日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 IB2020061076
(87)【国際公開番号】W WO2021105867
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】62/940,950
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ニーナバー,アーロン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】へメス,ブレット アール.
(72)【発明者】
【氏名】ストレイ,トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴィタレ,クリスティー エル.
(72)【発明者】
【氏名】ハルブスト,ナサン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アルサー,ジョナサン ビー.
【テーマコード(参考)】
3C034
3C047
3C158
3C707
【Fターム(参考)】
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB50
3C034BB92
3C034CA02
3C034CA04
3C034CA18
3C034CA26
3C034CB01
3C034CB18
3C034DD20
3C047FF09
3C047FF11
3C047GG01
3C158AA05
3C158AA12
3C158AA13
3C158AC02
3C158BA02
3C158BA05
3C158BA07
3C158BB02
3C158BB06
3C158BC02
3C158CB01
3C158EB01
3C158ED21
3C158ED26
3C707AS12
3C707AS23
3C707BS10
3C707KS34
3C707KS36
3C707KW03
3C707KX10
3C707LU08
(57)【要約】
物体表面を調製するための駆動ロボットアームに取り付けられたデュアルマウントエンドエフェクタシステムについて論じられている。システムは、物体表面に接触し、調製するように構成されている第1のツールと、物体表面に接触し、調製するように構成されている第2のツールとを含む。システムはまた、力制御部を含む。力制御部は、第1の状態では、物体表面に接触し、調製するための位置にある第1のツールと、第2の状態では、物体表面に接触し、調製するための位置にある第2のツールと位置合わせするように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体表面を調製するための駆動ロボットアームに取り付けられたデュアルマウントエンドエフェクタシステムであって、
前記物体表面に接触し、調製するように構成されている第1のツールと、
前記物体表面に接触し、調製するように構成されている第2のツールと、
力制御部と
を備え、
前記力制御部は、第1の状態では、前記物体表面に接触し、調製するための位置にある前記第1のツールと位置合わせし、第2の状態では、前記物体表面に接触し、調製するための位置にある前記第2のツールと位置合わせするように構成されている、
エンドエフェクタシステム。
【請求項2】
前記第1のツールは、前記システムが第1の位置にあるときに前記第1のツールを動作させるように構成された第1のモータを有し、前記第2のツールは、前記システムが第2の位置にあるときに前記第2のツールを動作させるように構成された第2のモータを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のモータ及び前記第2のモータは、前記力制御部に取り付けられている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のモータ及び前記第2のモータは、前記第1のツールと前記第2のツールとが約180°離れるように、端と端とで取り付けられている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のツールは、サンダ、ポリッシャ、デニバ、噴霧器、流体適用器、又は流体除去ツールからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のツールと前記第2のツールは同じである、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のツールと前記第2のツールは異なる、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記物体表面に接触し、調製するように構成されている第3のツールと、
前記物体表面に接触し、調製するように構成されている第4のツールと、
を更に備え、
前記第3のツールは、前記エンドエフェクタシステムが第3の位置にあるときに動作するように構成されており、前記第4のツールは、前記エンドエフェクタシステムが第4の位置にあるときに動作するように構成されている、
請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第3のツールを動作させるように構成された第3のモータに結合された第2の力制御部を更に備え、前記第2の力制御部は、前記第4のツールを動作させるように構成された第4のモータに結合されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のツールは、第1の端部にて前記第1のモータのスピンドルに取り外し可能に結合する第1のカプラによって前記第1のモータに結合されている、請求項2~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記カプラは、第2の端部にて前記第1のツールに取り外し可能に結合する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のツールは、サンダ、ポリッシャ、デニバ、ワイパからなる群から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
機能的構成要素が前記物体表面に接触し、調製している間に、エンドエフェクタツールの作業状態を検出するように構成された1つ以上のセンサと、
前記センサから信号を受信し、前記信号を処理して、前記エンドエフェクタツールの状態情報を生成する制御回路と、
を更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記センサは、位置データを取得するためのリニア位置センサ、圧力データを取得するための圧力センサ、及び表面マッピングデータを取得するためのセンサのうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記エンドエフェクタシステムを前記駆動ロボットアームに機能的に接続するための取り付けインタフェースを更に備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記物体表面上に流体を分注するように構成されたノズルを更に備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記流体は、水、界面活性剤、又は研磨剤からなる群から選択される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御回路は、前記制御回路と前記駆動ロボットアームの制御システムとの間で信号を通信するための通信構成要素を含む、請求項13~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のエンドエフェクタシステムと、
駆動ロボットアームと、
を備え、
前記駆動ロボットアームに取り付けられている、
自動表面調製システム。
【請求項20】
前記駆動ロボットアームは、ロボット制御システムを実行させるためのマイクロプロセッサを更に含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記駆動ロボットアームは自動車修理ロボットであり、前記第1のツールは、前記表面に接触し、研磨するように構成されている、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記表面を研磨することは、前記第1のツールが前記表面から材料層を除去することを含み、前記材料層は、前記表面上の塗料、プライマー、eコート、又はクリアコートの層である、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
表面調製システムを使用して物体表面を調製する方法であって、
エンドエフェクタシステムを第1の位置において検出することであって、前記エンドエフェクタシステムは、第1のツール及び第2のツールを備え、第1の位置において、前記第1のツールは前記物体表面と位置合わせされている、検出することと、
前記物体表面を調製するために第2のツールが必要であるという入力を受け取ることと、
前記エンドエフェクタシステムの移動機構を作動させることであって、作動は、前記移動機構が前記第2のツールを前記物体表面と位置合わせさせること
を含む、作動させることと、
前記第2のツールの位置を検証することと、
を含み、
検出する前記工程、受け取る前記工程、作動させる前記工程、及び検証する前記工程は、前記エンドエフェクタシステムと関連付けられたプロセッサによって生成された命令に応答して、前記エンドエフェクタシステムによって実行される、
方法。
【請求項24】
前記第1のツールは第1のモータを備え、前記第2のツールは第2のモータを備え、前記第1のモータ及び前記第2のモータは、力制御部に取り付けられている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のモータと前記第2のモータは、180°離して取り付けられている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記エンドエフェクタシステムは、駆動ロボットアームに取り付けられている、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項27】
前記プロセッサは、前記駆動ロボットアームと関連付けられている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のツールと前記第2のツールと前記力制御部は、互いに対して固定されており、前記移動機構は、前記駆動ロボットアームの一部分である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記移動機構は、前記駆動ロボットアーム内のプレートであり、前記第2のツールを位置合わせさせることは、前記第2のツールが所定の位置にあるようになるまで前記プレートを回転させることを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
入力を受け取ることは、コントローラから命令を受け取ることを含み、前記命令は、エンドエフェクタシステムの位置を含み、前記エンドエフェクタシステムの位置は、前記第1の位置又は第2の位置のいずれかである、請求項23~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記駆動ロボットアームは、ロボット制御システムを実行するためのマイクロプロセッサを更に含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記物体表面に接触し、調製するように構成されている第3のツールと、
前記物体表面に接触し、調製するように構成されている第4のツールと、
を更に備え、
前記第3のツールは、前記エンドエフェクタシステムが第3の位置にあるときに動作するように構成されており、前記第4のツールは、前記エンドエフェクタシステムが第4の位置にあるときに動作するように構成されている、
請求項23~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第3のツールを動作させるように構成された第3のモータに結合されている第2の力制御部を更に備え、前記第2の力制御部は、前記第4のツールを動作させるように構成された第4のモータに結合されている、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1のツールは、第1の端部にて前記第1のモータのスピンドルに取り外し可能に結合する第1のカプラによって前記第1のモータに結合されている、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記カプラは、第2の端部にて前記第1のツールに取り外し可能に結合する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のツールは、サンダ、ポリッシャ、デニバ、ワイパからなる群から選択される、請求項23~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第2のツールは前記第1のツールと同じである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第2のツールは前記第1のツールと異なるツールである、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
機能的構成要素が前記物体表面に接触し、調製している間に、エンドエフェクタツールの作業状態を検出するように構成された1つ以上のセンサと、
前記センサから信号を受信し、前記信号を処理して、前記エンドエフェクタツールの状態情報を生成する制御回路と、
を更に備える、請求項23~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記センサは、位置データを取得するためのリニア距離センサ、圧力データを取得するための圧力センサ、及び表面マッピングデータを取得するためのセンサのうちの少なくとも1つを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記エンドエフェクタシステムを前記駆動ロボットアームに機能的に接続するための取り付けインタフェースを更に備える、請求項23~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記第2のツールと関連付けられたノズルを使用して、前記物体表面上に流体を分注することを更に含む、請求項23~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記流体は、水、界面活性剤、又は研磨剤からなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
自動車業界では、乗物部品若しくは交換部品(例えばバンパ)の表面を様々な目的(例えば塗装)のために調製すること、又は塗装若しくはコーティング時に生じた欠陥のために自動車部品若しくは交換部品の表面を修理することを必要とすることが多い。典型的な表面調製プロセスには、例えば、自動車の表面を物理的に研磨すること、すなわち「スカッフィング」が含まれる。典型的な修理作業には、例えば、サンディング及びポリッシングを含むことが多い。表面調製と表面上の欠陥の修理とでは、異なるツールが用いられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0002】
以下の本開示の様々な実施形態の詳細な説明を添付図面と併せて検討することで、本開示をより完全に理解し得る。
図1】一実施形態による、物体表面を擦るためのスマートエンドエフェクタツールを含む表面調製システムの側面斜視図を示す。
図2】スマートエンドエフェクタツールの側面斜視図を示す。
図3A】デュアルマウントエンドエフェクタシステムの一実施形態を示す。
図3B】デュアルマウントエンドエフェクタシステムの一実施形態を示す。
図3C】デュアルマウントエンドエフェクタシステムの一実施形態を示す。
図3D】デュアルマウントエンドエフェクタシステムの一実施形態を示す。
図4A】デュアルマウントエンドエフェクタシステムの一実施形態の構造図を示す。
図4B】デュアルマウントエンドエフェクタシステムの一実施形態の構造図を示す。
図4C】デュアルマウントエンドエフェクタシステムの一実施形態の構造図を示す。
図4D】デュアルマウントエンドエフェクタシステムの一実施形態の構造図を示す。
図5A】ノズルを有するエンドエフェクタアセンブリの一実施形態を示す。
図5B】ノズルを有するエンドエフェクタアセンブリの一実施形態を示す。
図6】表面調製システムの一実施形態のブロック図を示す。
図7】デュアルマウントエンドエフェクタシステムの一実施形態のブロック図を示す。
図8】本発明の一実施形態におけるデュアルマウントエンドエフェクタを使用する方法を示す。
【0003】
図面では、同様の参照符号は同様の要素を示す。上記に特定した図面は、縮尺通りに描かれないことがあり、本開示の様々な実施形態を説明しているが、「発明を実施するための形態」で指摘するように、他の実施形態もまた企図される。全ての場合において、本開示は、本明細書で開示される開示内容を、明示的な限定によってではなく、例示的な実施形態を表現することによって説明する。本開示の範囲及び趣旨に含まれる、数多くの他の修正形態及び実施形態を、当業者によって考案することができる点を理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示は、物体表面上で作業する(例えば、スカッフィング、サンディング、ポリッシングなど)デュアルマウントツールを備えたエンドエフェクタを使用する自動システム及び方法を提供する。デュアルマウントツールを有するエンドエフェクタと駆動ロボットアームとを含む自動表面調製システムが提供される。デュアルマウントツールは、駆動ロボットアームに取り付けられている。ツールのそれぞれは、物体表面に接触し、調製するように構成された機能的構成要素と、機能的構成要素が物体表面に接触し、調製している間に、エンドエフェクタツール及び場合によっては流体用ディスペンサの作業状態情報を検出するように構成された1つ以上のセンサと、センサから信号を受信し、信号を処理して、エンドエフェクタツールの状態情報を生成する制御回路とを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、自動表面調製システムは、そのロボットアームを備えたエンドエフェクタツールと通信し、エンドエフェクタ及び各デュアルマウントツールの各状態情報を更新することによって初期化することができる。エンドエフェクタツールが物体表面に接触し、これを調製する間、1つ以上のオンボードセンサが、取り付けられているツールの作業状態情報を検出し、ツール状態信号を生成することができる。制御システムは、センサからのツール状態信号を処理して、リアルタイム状態情報、通知、及び命令を生成し、通知及び命令をロボットコントローラに送信することができ、ロボットコントローラは、更に、エンドエフェクタ及びデュアルマウントツールからのリアルタイム状態情報並びに通知及び命令に基づいて、ロボットアームの運動パラメータ及びまたエンドエフェクタツール自体の制御パラメータを調整することができる。
【0006】
図1及び図2は、例えば、2018年12月19日に出願された共有の米国仮特許出願第62/781,874号において論じられる自動表面調製システムを示す。図1及び図2のシステムは、単一のツールを備えたエンドエフェクタに対して論じられる。しかしながら、図3図8に対して論じられるように、本発明の実施形態は、多くの類似の機械構成要素を含む。
【0007】
図1は、一実施形態による、ツールが取り付けられ、物体表面2を擦るために使用され得るスマートエンドエフェクタ20を含む自動表面調製システム100の側面斜視図を示す。表面調製システム100は、ロボットアーム10を更に含む。ロボットアーム10は、ジョイント13a~13cによって接続された複数のアームセクション12a~12cを含む。スマートエンドエフェクタ20は、ロボットアーム10の遠位端において取り付けインタフェース14に機能的に接続されている。取り付けインタフェース14は、特定の取り付け基準に基づいて設計されてもよく、同じ取り付け基準に基づいた様々なエンドエフェクタと適合性があってもよい。いくつかの実施形態では、取り付けインタフェース14は、エンドエフェクタ20をロボットアーム10に機能的に接続するための様々な機械的及び電気的手段を含んでもよい。例えば、取り付けインタフェースは、スマートエンドエフェクタ20をロボットアーム10に機械的に取り付けるための任意の適切な締結デバイスを含んでもよく、取り付けインタフェースは、ツールとロボットアームとの間で電気信号を通信するための、又はロボットアームからツールに電力を供給するための、任意の適切な電気的接続を含んでもよい。
【0008】
ロボットコントローラ16を使用して、ロボットアームコマンドプログラムを実行し、スマートエンドエフェクタ20の移動軌道を精密に制御できるように、ロボットアーム10の運動を制御する。いくつかの実施形態では、ロボットアームコマンドプログラムは、例えば、アームセクション及びジョイントの位置、向き、速度を含む一連の運動パラメータによりロボットアームの運動を制御し得る。物体表面2は、例えば、自動車部品表面(例えば、バンパ)であり得る。ロボットコントローラ16は、物体表面に接触し動き回って物体表面2を調製する(例えば、スカッフィング、研磨、サンディング、ポリッシングなど)ために使用されるツールをエンドエフェクタ20が制御できるように、ロボットアームの運動を制御することができる。いくつかの実施形態では、ロボットコントローラ16は、エンドエフェクタツールに電気、空気圧などの形態で動力を供給するための、ロボットコントローラ16の動力源への任意の動力インタフェースを含んでもよい。
【0009】
図2は、一実施形態による、図1のスマートエンドエフェクタ20の側面斜視図を示す。スマートエンドエフェクタ20は、ロボットアーム10の取り付けインタフェース14にエンドエフェクタ20を取り付けるためのマウントインタフェース22を含む。ツール20は、物体表面2を巡って走行する時に、その位置、向き、移動軌道などを調整するロボットアーム10の運動によって制御される。図2の図示実施形態では、スマートエンドエフェクタ20は、図1の物体表面2に接触して擦るように構成された単一の機能的構成要素26を含む。機能的構成要素26は、スカッフィングパッド26aと、物体表面を擦る又は研磨するためにスカッフィングパッド26bを移動させるためのモータ26bとを含む。いくつかの実施形態では、スカッフィングパッドは研磨パッドを含み得る。研磨パッドは、例えば、物体表面に特定の圧力をかけて特定の軌道で揺動、振動、又は移動することにより物体表面を研磨することができる。
【0010】
エンドエフェクタ20は、機能的構成要素が物体表面2上で作業している又は作業しようとしている間に、機能的構成要素26の作業状態情報を検出するための1つ以上のセンサを更に含む。関連する作業状態情報としては、例えば、機能的構成要素26と物体表面2との間の変位情報、表面位置、平面、向きなどを含む物体表面2のマッピング情報、例えば接触圧力情報、振動情報などを含む機能的構成要素26と物体表面2との間の物理接触情報が挙げられ得る。図2の図示実施形態では、エンドエフェクタ20は、関連する作業状態情報を検出するための、圧力センサ23と、フレックスセンサ24と、超音波センサ25とを含む。エンドエフェクタ又はいずれかのツールが適切に配置されているかどうかを判定するために、少なくともいくつかのカメラ、又は他の光学ベースのセンサもまた存在し得る。他の適切なセンサを使用して、エンドエフェクタ20の所望の作業状態情報を取得することができることを理解されたい。また、エンドエフェクタ20及び機能的構成要素26の作業状態を監視するために、エンドエフェクタ20及び機能的構成要素26の様々な場所に複数のセンサを分散させることができる。
【0011】
圧力センサ23は、スカッフィングパッド26aと物体表面2との間の物理的接触圧力を監視するために、スカッフィングパッド26aに隣接して配置され得る。図2の図示実施形態では、圧力センサ23は、スカッフィングパッド26aとスカッフィングパッド26aの取り付けボード21との間に配置されている。いくつかの実施形態では、圧力センサ23は、スカッフィングパッド26aと物体表面2の間、又はスカッフィングパッド26aと物体表面2との間の物理的接触圧力をリアルタイムで監視することができる限り、他の適切な場所に配置され得る。
【0012】
フレックスセンサ24は、ツールと物体表面との間の厳密な変位を測定し、物体表面2を連続的にマッピングして、例えば、物体表面2の2次元の透視投影図又は外形を得るために設けられる。フレックスセンサ24は、1つ以上の可撓性感知要素24aを含み、可撓性感知要素24aは、物体表面2に向かって延び、物体表面2に接触するための各遠位端24eを有しており、厳密な変位の接触測定、及び連続的な表面マッピングを提供する。いくつかの実施形態では、フレックス感知要素24aは、アナログ抵抗性を示すようにすることができ、それらの抵抗は、その屈曲量と共に変化し得る。可撓性感知要素24aからのアナログ信号を制御回路28によってリアルタイムで増幅しサンプリングして、物体表面2に対する表面マッピングデータを生成することができる。しかしながら、ツールと物体表面との間の変位を測定するための1つの実装オプションとしてフレックスセンサが記載されているが、他のリニア距離センサ、特に、非接触距離センサを含む他のセンサ技術が明示的に企図される。
【0013】
超音波センサ25は、物体表面2に対するエンドエフェクタ20の相対位置並びに物体表面の連続的なマッピングを測定するために設けられる。相対位置は、音波が超音波センサ25から伝送され、物体表面2から反響され、超音波センサ25によって受信され、時間差を使用してエンドエフェクタ20と物体表面2との間の距離を計算することができる反響定位プロセスによって測定され得る。超音波センサ25の位置決め信号は、制御回路28に送信されて、エンドエフェクタ20と物体表面2との間のリアルタイム変位を決定することができる。いくつかの実施形態では、超音波センサ25は、比較的粗いレベルの位置情報及びマッピング情報を提供することができ、これらは、フレックスセンサ及び/又は圧力センサによる測定により更に精緻化され得る。
【0014】
図1及び図2のシステムは、ロボットアセンブリ用の単一のエンドエフェクタを示す。しかしながら、多くの作業では、表面を滑らかにするためのサンディング若しくはポリッシングの前に欠陥を除去するためのデニビング若しくは他のサンディングツール、又は表面を清掃する若しくはきれいにするための拭き取りツールを使用することなど、複数のツールの使用が必要である。しかしながら、図1又は図2のシステムなどのシステムでは、最初に機能的構成要素を取り外し、第2の機能的構成要素を取り付け、次いで、第2の機能的構成要素が正しく取り付けられており、かつシステムコントローラと通信していることを検証することが必要とされるであろう。
【0015】
その代わりに、本明細書に記載される実施形態は、単一のロボットアームが、特定の作業の必要性に基づいて第1のツールと第2のツールとの間で切り替えることができるように、デュアルマウントツールを有するエンドエフェクタを示す。あるいは、ロボットは、オペレータから受け取ったコマンドに応答して、第1のツールと第2のツールとの間で切り替わることができる。
【0016】
図3A図3Dは、ロボットアーム300上のデュアルマウントエンドエフェクタシステム320の一実施形態を示す。図3Aは、ロボットアーム300のシステム図を示す。図3Bは、使用位置におけるエンドエフェクタシステムの図を示す。ロボットアーム300は、ケーブル取り付け構成302を有し得る。ロボットアーム300は、取り付けプレート350上に取り付けられたデュアルマウントエンドエフェクタシステム320を有する。ロボットアーム300は、第1のツール330又は第2のツール340を工作物と相互作用するための位置に配置するために、エンドエフェクタシステム320を、回転プレート310を使用して回転可能に、かつジョイント315を使用して垂直に移動させることができる。第1のツール330及び第2のツール340のそれぞれは、エンドエフェクタユニット320a、320bにそれぞれ接続するコネクタ332、342をそれぞれ有する。
【0017】
図3Bは、第2のツール340が工作物と係合するための位置にある、2つの使用位置のうちの1つにおけるエンドエフェクタシステム320を示す。図4に対して記述されるように、システム320は、単一の力制御部を使用して、第1のツール330及び第2のツール340の両方を動作させる。第1の使用位置及び第2の使用位置は、力制御部と並列に整列したツール330、340のうちの1つを有する。
【0018】
図3Cは、エンドエフェクタシステム320の側面図を示す。図3Dは、エンドエフェクタ320a、320bが力制御部360及び取り付けプレート350に対してどのように配置されているかを示すエンドエフェクタシステム320の正面図を示す。
【0019】
図4A及び図4Bは、本明細書に記載される実施形態によるエンドエフェクタシステムの構造図を示す。図4Aは、エンドエフェクタシステム400の分解図を示す。エンドエフェクタシステム400は、垂直移動ジョイント410を使用し、ロボティックアームによって様々な適切な向きのいずれかに移動させることができる。エンドエフェクタシステム400は、プレート415の移動によって回転可能に移動させることができる。エンドエフェクタシステム400は、1つ以上の取り付けプレート450によってロボットアームに取り付けられている。
【0020】
第1のエンドエフェクタモータ420aは、スピンドル422aと相互作用するツールコネクタ432を介して第1のツール430に結合する。エンドエフェクタモータ420aは、第1のマウント436を介して力制御部460に結合する。第1のマウント436はまた、第1のハウジング434に結合する。
【0021】
第2のエンドエフェクタモータ420bは、スピンドル422bと相互作用するツールコネクタ442を介して第2のツール440に結合する。エンドエフェクタモータ420bは、第2のマウント446を介して力制御460に結合する。第2のマウント446はまた、第2のハウジング446に結合する。ハウジング436、446は、ダスト及びデブリをモータ420a、420bに寄せ付けないように機能し得る。
【0022】
図4Bは、分かりやすくするためにハウジング436、446を取り外した、ロボットアーム402に接続された組み立て済みのエンドエフェクタシステム400を示す。
【0023】
2つの異なるツール430、440を図4A及び図4Bに示す。ツール430、440は、一実施形態では同じツールであり、例えば、両方ともデニビングツール、両方ともポリッシングツール、両方とも拭き取りツール、両方ともサンディングツール、又は両方ともその他のツールである。更に、一方又は両方のツールは、撮像ツール、噴霧ツール、又は流体(水又は研磨剤など)適用器であってもよい。2つの利用可能なツールを有することで、オペレータが介入する必要が生じる前の、及び/又はロボットにディスク交換、研磨パッド交換などの整備が必要となるまでの、ロボットの作業時間を増加させることができる。例えば、第1のツール430が摩耗した場合、ロボティックアーム402は、プレート415を回転させることによりエンドエフェクタシステム400を回転させ、第2のツール440を所定の位置に置き、作業を継続することができる。しかしながら、別の実施形態では、ツール430、440は異なる。例えば、ツール430とツール440は両方ともサンディングツールであり得るが、それらの研磨グリット又は表面積は異なり得る。あるいは、ツール430とツール440は、デニバ430及びサンダ440などの異なるツールであってもよい。ツールの任意の適切な組み合わせが適切であり得、本開示の一部として想定される。
【0024】
加えて、図4A及び図4Bの実施形態は、2つのツールを有するシステムを示す。しかしながら、図4C及び図4Dに示されるものなどの別の実施形態では、モータ420a、420bの軸線に垂直な軸線に沿って第3のツール及び第4のツールも付加されている。第3のツール及び第4のツールは、力制御部460に垂直に配置された第2の力制御部と対にされ得る。あるいは、第3のツール及び第4のツールは、動作時に第3のツール及び第4のツールが力制御部460に平行になるように第3のツール及び第4のツール又は力制御部460のいずれかが回転することができる限り、力制御部460と対にされ得る。更に、図4A図4Dの構成では2つ又は4つのツールが示されているが、追加のツールが駆動ロボットアーム上に配置され、力制御ユニットに結合され得ることが明確に企図される。
【0025】
図5A及び図5Bは、ノズルを有するエンドエフェクタアセンブリの一実施形態を示す。エンドエフェクタアセンブリ500は、コネクタ532を使用して第1のツール530に結合された第1のエンドエフェクタ520aを有する。第1のツール530は、作業面上に存在する流体から作業上の便益を受けることができる。したがって、一実施形態では、ノズル538が、ノズルマウント539によって取り付けプレート550に取り付けられている。ノズル538は、水又は研磨剤の供給源に接続し、作業の必要性に応じて、水又は研磨剤のいずれかを分注し得る。同様に、第2のエンドエフェクタ520bが、コネクタ542を使用して第2のツール540に結合されている。第2のツールがまた、冷却剤、研削助剤、油、石鹸、水及び/又は研磨剤などの作業流体を分注することができる第2のノズル548と関連付けられ得る。
【0026】
図3図5に記載されているものなどのシステムは、ロボットアームに結合された単一のエンドエフェクタに比べて作業上の便益を提供する。複数ツール設計により、ツールヘッドを交換する必要なしに、かつ必要なツールを有する他のロボットを再配置する必要なしに、変化する又は予期せぬ動作条件に適応するようにプロセスを動的に修正することを可能にする。本明細書に記載されるエンドエフェクタアセンブリの実施形態は、モジュール接続システムを備えたモータを含み、接続機構を使用して、エンドエフェクタモータと関連付けられたスピンドルにツールを接続することによりツールを交換することを可能にする。これにより、異なるツールのためにエンドエフェクタを変更する必要なしに、様々なツールを同じアセンブリに接続することを可能にすることができる。しかしながら、エンドエフェクタモータ間の直接接続も想定される。様々なツールを同じアセンブリ及び制御システムに統合すると、システムの複雑さの大幅な低減、動的再構成に必要な時間の削減、並びにプロセス作業を完了するために必要なロボット数の潜在的な削減を可能にする。
【0027】
図6は、一実施形態による、物体表面を調製するために駆動ロボットアーム620に機能的に接続されたエンドエフェクタシステム610を含む表面調製システム600のブロック図を示す。図6に示されるように、いくつかのエンドエフェクタシステム610を単一のロボットアーム620に結合することができる。例えば、2つのエンドエフェクタシステム610を、各エンドエフェクタシステム610が他方から180°回転するように、力制御部に結合することができる。これにより、単一の力制御部がいずれかのエンドエフェクトシステム610を動作させることを可能にする。
【0028】
別の実施形態では、2つを超えるエンドエフェクタシステム610を単一の駆動ロボットアーム620に結合することができる。例えば、エンドエフェクタシステム610の別のセットを、互いに180°に、かつエンドエフェクタシステム610の第1のセットに垂直に取り付けることができる。単一の力制御部が、目的のツールに結合されたエンドエフェクタシステム610が力制御部と整列するようにそれぞれの間で90°回転することによって、4つ全てのエンドエフェクタシステムを動作させることができる。
【0029】
各スマートエンドエフェクタ610は、物体表面602に対するその作業状態情報を検出するために、複数のセンサ612(例えば、センサ1、...センサN)を含む。複数のセンサ612は、例えば、1つ以上の図2の圧力センサ23、1つ以上の図2のフレックスセンサ24、1つ以上の図2の超音波センサ25、1つ以上の他の種類のセンサ、及びセンサの任意の組み合わせを含み得る。センサ612からの生信号(例えば、アナログセンサ信号)は、プロセッサユニット614(例えば、図2の制御回路28)によって受信及び処理される。プロセッサユニット614は、アナログセンサ信号をサンプリングし、アナログセンサ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器(ADC)構成要素を含んでもよい。プロセッサユニット614は、デジタル信号を処理及び抽出してリアルタイムツール状態情報、通知、又は命令を生成し、生成された情報をロボットコントローラ及び/又は力コントローラに通信する、デジタル信号処理構成要素を更に含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ツールのプロセッサユニット614によって生成されるリアルタイムツール状態情報は、例えば、物体表面に対するツールの現在位置情報を含んでもよい。リアルタイムツール状態情報は、例えば、ツールが物体表面に適切に接触しているか否かを示す接触圧力、物体表面とツールとの間の変位のリアルタイム変化などを更に含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、プロセッサユニット614は、超音波センサ25からの位置データ、フレックスセンサ24からの表面マッピングデータ、及び圧力センサマイクロコントローラ23からの圧力データを組み合わせて、物体表面2を再構築し、エンドエフェクタツールが物体表面602にわたって移動して物体表面602を調製する(例えば、擦る、研磨する、サンディングする、又はポリッシングする)ための経路を導出することができる。いくつかの実施形態では、処理ユニット614は、計画された経路と工作物の実際の位置との間のばらつきに対応するために、既存のロボットの経路のみを修正する。いくつかの実施形態では、ツールのプロセッサユニット614によって生成されるリアルタイム通知は、例えば、位置通知(例えば、ツールが物体表面の縁部にあるというロボットコントローラへの通知)、安全通知(例えば、接触圧力が上限を上回っているという、ロボットコントローラへの通知)などを含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ツールのプロセッサユニット614によって生成される命令は、例えば、ツールの動作をどのように制御するかに関するツール動作命令、ロボットコントローラにツールの位置又はツールの移動軌道若しくは速度を調整するように命令する運動命令などを含んでもよい。ツール動作命令は、例えば、ツールをオン/オフにする、ロボットコントローラへのオン/オフ命令、ツールのモータの動作を制御する、ロボットコントローラへのモータ制御命令などを含んでもよい。例えば、プロセッサユニット614は、接触圧力が限界を上回っているとプロセッサユニット614が判定した場合に、ロボットアームに物体表面から離れるよう命令するためにロボットコントローラに命令を送ってもよい。プロセッサユニット614は、ツールが物体表面に接近しているとプロセッサユニット614が判定した場合に、ロボットアームにツールの移動速度を下げるよう命令するためにロボットコントローラに命令を送ってもよい。プロセッサユニット614は、即時のアクション又は停止を要するプロセスイベント(例えば、ツールが物体表面の未確認の突起物に接触した)が存在するとプロセッサユニット614が判定した場合に、ツールの動作を停止させるようにロボットコントローラに緊急停止命令を送ってもよい。
【0033】
スマートエンドエフェクタツール610からのリアルタイムの状態情報、通知、又は命令は、ツール制御インタフェース616及びロボット制御インタフェース626を介してロボットコントローラ16に送られ得る。次いで、ロボットコントローラ16は、リアルタイムの状態情報を使用して、スマートエンドエフェクタツール310の移動軌道を精密に制御できるように、ロボットアームの運動パラメータを同時に更新することができる。ロボットコントローラ628はまた、スマートエンドエフェクタツール610からの通知の時点で又は命令後に作動することにより、表面調製システム600をしかるべく制御することもできる。いくつかの実施形態では、ロボットコントローラ628は、スマートエンドエフェクタツールからリアルタイムの状態情報、通知、又は命令を受信し、受信した情報を解釈し、通知又は命令が予め設定された規則と適合性があるかどうかをチェックし、それに応じて命令を実施してもよい。例えば、ロボットコントローラ628は、ツールに、物体表面に対するツールの位置調整のための移動ベクトルを提供してもよく、ロボットコントローラ628は、ツールを物体表面に押し付ける適切な力を与えるようにロボットアーム及び/又は力制御ユニットに命令してもよく、ロボットコントローラ628は、ロボットコントローラによって緊急条件が判定された場合などに停止するように、緊急停止コマンドをツールに提供することができる。
【0034】
図7は、デュアルマウントエンドエフェクタシステムの一実施形態のブロック図を示す。システム700は、例えば取り付けプレート722を介して駆動ロボットアームに接続するように構成され得る。
【0035】
システム700は、エンドエフェクタシステム710を含む。エンドエフェクタシステム710は、第1のツール712と第2のツール714とを支持するデュアルマウントシステムである。一実施形態では、第1のツール712及び第2のツール714のうちの1つのみが一度に動作可能である。一実施形態では、第1のツール712及び第2のツール714は、ツールが回転可能に互いに180°離れるように配置されている。しかしながら、他の構成も可能である。第1のツール712及び第2のツール714のそれぞれは、圧力センサ、フレックスセンサ、超音波センサ、又は所望の作業状態情報を得るための他の適切なセンサなどの関連センサを有してもよい。
【0036】
システム710はまた、工作物に対するツール712、714の所定の位置への移動を可能にする1つ以上の移動機構718を有する。一実施形態では、ツール712又はツール714は、動作するためには、力制御部720と整列し、かつ力制御部720に平行である必要がある。一実施形態では、移動機構718は、必要に応じてツール712又はツール714のいずれかが所定の位置にあるように、エンドエフェクタシステム710を回転可能に移動させる。
【0037】
システム700は、例えば1つ以上のノズル716を使用してワーク表面に材料を供給するように構成された材料供給源730を含む。供給される材料は、作業に応じて、水732、界面活性剤734、研磨剤736、又は別の適切な流体738であり得る。
【0038】
一実施形態では、ツール選択機構740は、ツール712又はツール714が力制御部720と位置合わせされるべきかを選択する。ツール選択機構740は、例えばユーザインタフェースを介した使用者の選択に応じて選択を行ってもよい。別の実施形態では、ツール選択機構740は、所与の修理に関するパラメータに基づいて選択を行ってもよい。例えば、既知の欠陥に基づいて、第1のサンディングツールが必要とされる場合があり、次いで、ポリッシングツールが適用される場合がある。ツール選択機構740は、修理プロセスに基づいて、必要に応じポリッシングツールを選択し得る。
【0039】
一実施形態では、エンドエフェクタツール検出器750が、力制御部720と位置合わせされている現在のツールを検出するように構成されている。エンドエフェクタツール検出器750は、ツール712、714のそれぞれと関連付けられたセンサからの情報を検出することによって、現在のツールを検出することができる。例えば、一実施形態では、各ツールは、力制御部720と位置合わせされていない場合には電源が入れられなくてもよい、又はそうでなければ「オン」状態にならなくてもよい、関連付けられたモータを有する。同様に、ツールが位置合わせされているかどうかを報告するために、他のセンサ情報も使用され得る。したがって、エンドエフェクタツール検出器は、ツールが位置合わせされているかどうかを、センサ及び/又は電力使用情報に基づいて検出することができる。
【0040】
エンドエフェクタツール切替器760は、ツールが力制御部と位置合わせされているかどうか、及びどのツールが力制御部と位置合わせされているかに基づいて、所望のツールが力制御部720と位置合わせされるためにエンドエフェクタシステム710が位置を変更する必要があるという信号を生成することができる。
【0041】
エンドエフェクタ位置アクチュエータ770は、所望の作業のために、移動機構718を作動させて、所望のツール712又はツール714を力制御部720と位置合わせさせる。
【0042】
2つのツール712及び714を有する単一のエンドエフェクタシステム710について説明してきた。しかしながら、一実施形態では、第3のツール及び第4のツールを有する第2のエンドエフェクタシステム710が存在することが明示的に企図される。第3のツールと第4のツールもまた、互いに対して180°に配置され得る。第2のエンドエフェクタシステム710は、第1のシステムに対しオフセットして配置されてもよく、オフセットは、動作していないときの第1のツールが作業スペース上の第3のツールの動作に影響を及ぼさないほど十分に大きい。一実施形態では、2つのシステム710は、移動機構718の約90°の回転によって4つのツールのうちの1つが力制御部720と位置合わせされるように配置される。しかしながら、4つのツールそれぞれの間の回転は、使用されていないツールが加工面に不適切に係合しないことを確実にするために必要なツールのサイズ及びクリアランスに応じて、より大きい又はより小さい回転を必要とし得る。
【0043】
図8は、本発明の一実施形態におけるデュアルマウントエンドエフェクタを使用する方法を示す。方法800は、図3図7に対して説明したシステムのいずれか、又は別の適切なデュアルマウントエンドエフェクタシステムに有用であり得る。
【0044】
ブロック810において、エンドエフェクタシステムは第1の位置にある。第1の位置は、例えば、力制御部と位置合わせされた第1のツールであり得る。
【0045】
ブロック820において、新たなツールが必要であるという入力が受け取られる。一実施形態では、入力は、例えば、ユーザインタフェースと対話するオペレータから受け取られ得る。別の実施形態では、入力は、自動修理システムによって実行される一連の修理命令から生じ得る。
【0046】
ブロック830において、エンドエフェクタシステムを作動させる。作動には、ツールが力制御部と位置合わせされるように、エンドエフェクタシステムを第1の位置から第2の位置に移動させることを含み得る。一実施形態では、エンドエフェクタアセンブリは、それぞれが力制御部に取り付けられた第1のツールと第2のツールとを備える。一実施形態では、第1のツールと第2のツールは、互いに180°離れて配置される。そのような実施形態では、エンドエフェクタシステムを作動させることは、第1のツール又は第2のツールのいずれかが力制御部と位置合わせされるまでエンドエフェクタシステムを回転させることを含み得る。
【0047】
一実施形態では、エンドエフェクタアセンブリは、それぞれが力制御部に取り付けられた4つのツールを備える。一実施形態では、4つのツールは、互いに約90°離れるように向けられる。しかしながら、ツールが自由に動作するために必要なスペースの量に応じて、ツールは、より近くてもよく、又は更に離れていてもよい。例えば、2つのデニビングツールは、2つのサンディングツールに比べて、互いにより接近して配置され得る。4つのツールは、それぞれが力制御部と順番に位置合わせするように回転してもよい。別の実施形態では、4ツールエンドエフェクタアセンブリは、180°離れて配置された2つのツールをそれぞれが有する2つの力制御部を必要とし、2つの力制御部は、4つのツールが概ね「X」字形を形成するように互いに垂直に取り付けられている。
【0048】
ブロック840において、ツール位置が検証される。検証は、ツールが力制御部と適切に位置合わせされることを確実にすることを含み得る。検証はまた、ツールがモータに適切に接続されることを確実にすることを含み得る。検証はまた、ツールに関連付けられたセンサが全て適切に機能することを確実にすることを含み得る。検証は、ブロック842に示されるように自動的に行われてもよく、又はいくらかのオペレータの介入を含んでもよい。検証は、ブロック846に示されるようにエンドエフェクタシステムによって行われてもよい。検証はまた、駆動ロボットアーム848によって行われてもよい。
【0049】
物体表面を調製するための駆動ロボットアームに取り付けられたデュアルマウントエンドエフェクタシステムについて論じられている。システムは、物体表面に接触し、調製するように構成されている第1のツールと、物体表面に接触し、調製するように構成されている第2のツールとを含む。システムはまた、力制御部を含む。力制御部は、第1の状態では、物体表面に接触し、調製するための位置にある第1のツールと、第2の状態では、物体表面に接触し、調製するための位置にある第2のツールと位置合わせするように構成されている。
【0050】
第1のツールは、システムが第1の位置にあるときに第1のツールを動作させるように構成された第1のモータを有し得、第2のツールは、システムが第2の位置にあるときに第2のツールを動作させるように構成された第2のモータを有し得る。
【0051】
第1のモータ及び第2のモータは、力制御部に取り付けられ得る。
【0052】
第1のモータ及び第2のモータは、第1のツールと第2のツールとが約180°離れるように、端と端とで取り付けられ得る。
【0053】
第1のツールは、サンダ、ポリッシャ、デニバ、噴霧器、流体適用器、又は流体除去ツールからなる群から選択され得る。第1のツールと第2のツールは同じであり得る。第1のツールと第2のツールは異なり得る。
【0054】
エンドエフェクタシステムはまた、物体表面に接触し、調製するように構成されている第3のツールと、物体表面に接触し、調製するように構成されている第4のツールとを有し得る。第3のツールは、エンドエフェクタシステムが第3の位置にあるときに動作するように構成され得、第4のツールは、エンドエフェクタシステムが第4の位置にあるときに動作するように構成され得る。
【0055】
システムは、第3のツールを動作させるように構成された第3のモータに結合された第2の力制御部を更に含み得る。第2の力制御部は、第4のツールを動作させるように構成された第4のモータに結合されている。
【0056】
第1のツールは、第1の端部にて第1のモータのスピンドルに取り外し可能に結合する第1のカプラによって第1のモータに結合され得る。カプラは、第2の端部にて第1のツールに取り外し可能に結合し得る。
【0057】
第1のツールは、サンダ、ポリッシャ、デニバ、ワイパからなる群から選択される。
【0058】
システムはまた、機能的構成要素が物体表面に接触し、調製している間に、エンドエフェクタツールの作業状態を検出するように構成された1つ以上のセンサと、センサから信号を受信し、信号を処理して、エンドエフェクタツールの状態情報を生成する制御回路とを含み得る。センサは、位置データを取得するためのリニア位置センサ、圧力データを取得するための圧力センサ、及び表面マッピングデータを取得するためのセンサのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0059】
システムはまた、エンドエフェクタシステムを駆動ロボットアームに機能的に接続するための取り付けインタフェースを含み得る。
【0060】
システムはまた、物体表面上に流体を分注するように構成されたノズルを含み得る。流体は、水、界面活性剤、又は研磨剤であり得る。
【0061】
制御回路はまた、制御回路と駆動ロボットアームの制御システムとの間で信号を通信するための通信構成要素を含み得る。
【0062】
駆動ロボットアームに取り付けられた、本明細書に記載されるいずれかの実施形態のエンドエフェクタシステムを含み得る自動表面調製システムが提供される。駆動ロボットアームはまた、ロボット制御システムを実行させるためのマイクロプロセッサを含み得る。駆動ロボットアームは自動車修理ロボットであり得、第1のツールは、表面に接触し、研磨するように構成されている。表面を研磨することは、第1のツールが表面から材料層を除去することを含む。材料層は、表面上の塗料、プライマー、eコート、又はクリアコートの層であり得る。
【0063】
表面調製システムを使用して物体表面を調製する方法について論じられている。当該方法は、エンドエフェクタシステムを第1の位置において検出することを含む。エンドエフェクタシステムは、第1のツール及び第2のツールを含む。第1の位置において、第1のツールは物体表面と位置合わせされている。当該方法はまた、物体表面を調製するために第2のツールが必要であるという入力を受け取ることを含む。当該方法はまた、エンドエフェクタシステムの移動機構を作動させることを含む。作動は、移動機構が第2のツールを物体表面と位置合わせさせることを含む。当該方法はまた、第2のツールの位置を検証することを含む。検出する工程、受け取る工程、作動させる工程、及び検証する工程は、エンドエフェクタシステムと関連付けられたプロセッサによって生成された命令に応答して、エンドエフェクタシステムによって実行される。
【0064】
第1のツールは第1のモータを含み得、第2のツールは第2のモータを含み得、第1のモータ及び第2のモータは、力制御部に取り付けられている。
【0065】
第1のモータと第2のモータは、180°離して取り付けられ得る。
【0066】
エンドエフェクタシステムは、駆動ロボットアームに取り付けられ得る。
【0067】
プロセッサは、駆動ロボットアームと関連付けられ得る。
【0068】
当該方法の実施において、第1のツールと第2のツールと力制御部は、互いに対して固定され得、移動機構は、駆動ロボットアームの一部分であり得る。
【0069】
当該方法の実施において、移動機構は、駆動ロボットアーム内のプレートであり得、第2のツールを位置合わせさせることは、第2のツールが所定の位置にあるようになるまでプレートを回転させることを含み得る。
【0070】
当該方法の実施において、入力を受け取ることは、コントローラから命令を受け取ることを含み得る。命令は、エンドエフェクタシステムの位置を含み得、エンドエフェクタシステムの位置は、第1の位置又は第2の位置のいずれかであり得る。
【0071】
当該方法の実施において、駆動ロボットアームは、ロボット制御システムを実行するためのマイクロプロセッサを更に含み得る。
【0072】
当該方法の実施において、エンドエフェクタシステムは、物体表面に接触し、調製するように構成されている第3のツールと、物体表面に接触し、調製するように構成されている第4のツールとを更に含み得、第3のツールは、エンドエフェクタシステムが第3の位置にあるときに動作するように構成され得、第4のツールは、エンドエフェクタシステムが第4の位置にあるときに動作するように構成され得る。
【0073】
当該方法の実施において、システムは、第3のツールを動作させるように構成された第3のモータに結合された第2の力制御部を更に含み得る。第2の力制御部は、第4のツールを動作させるように構成された第4のモータに結合され得る。第1のツールは、第1の端部にて第1のモータのスピンドルに取り外し可能に結合する第1のカプラによって第1のモータに結合され得る。カプラは、第2の端部にて第1のツールに取り外し可能に結合し得る。
【0074】
当該方法の実施において、第1のツールは、サンダ、ポリッシャ、デニバ、ワイパであり得る。第2のツールは第1のツールと同じであり得る。第2のツールは第1のツールと異なり得る。
【0075】
当該方法の実施において、システムはまた、機能的構成要素が物体表面に接触し、調製している間に、エンドエフェクタツールの作業状態を検出するように構成された1つ以上のセンサと、センサから信号を受信し、信号を処理して、エンドエフェクタツールの状態情報を生成する制御回路とを含み得る。
【0076】
当該方法の実施において、センサは、位置データを取得するためのリニア距離センサ、圧力データを取得するための圧力センサ、及び表面マッピングデータを取得するためのセンサのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0077】
当該方法の実施において、システムは、エンドエフェクタシステムを駆動ロボットアームに機能的に接続するための取り付けインタフェースを更に含み得る。
【0078】
当該方法はまた、第2のツールと関連付けられたノズルを使用して、物体表面上に流体を分注することを含み得る。流体は、水、界面活性剤、又は研磨剤であり得る。
【0079】
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、又は「ある実施形態」に対する言及は、「実施形態」という用語の前に、「例示的な」という用語が含まれているか否かに関わらず、その実施形態に関連して説明される具体的な特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の特定の例示的な実施形態のうちの少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して、様々な箇所における「1つ以上の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」、又は「ある実施形態において」などの表現の出現は、必ずしも本開示の特定の例示的な実施形態のうちの同一の実施形態に言及するものとは限らない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態では任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7
図8
【国際調査報告】