(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-27
(54)【発明の名称】神経インタフェースの腹腔鏡下送達及び展開のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/00 20060101AFI20230120BHJP
【FI】
A61B18/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530674
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(85)【翻訳文提出日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 GB2020053046
(87)【国際公開番号】W WO2021105708
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517155196
【氏名又は名称】ガルバニ バイオエレクトロニクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,モルテン
(72)【発明者】
【氏名】オウチョウチェ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤッフェ,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】マッテウッチ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】グロス,カーティス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK04
4C160KK16
4C160KK38
4C160MM32
4C160NN01
(57)【要約】
神経インタフェース装置(106)を展開するための展開タブ(110)であって、展開タブが、使用時に神経インタフェース装置の近くに配置されるように構成された第1の部分と、第1の部分を神経インタフェース装置に解放可能に結合するためのコネクタであり、コネクタが、第1の部分に固定された、コネクタとを備える展開タブ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経インタフェース装置を展開するための展開タブであって、
使用時に前記神経インタフェース装置の近くに配置されるように構成された第1のエリア又は部分と、
前記第1のエリア又は部分を前記神経インタフェース装置に解放可能に結合するためのコネクタであって、前記第1のエリア又は部分に固定されたコネクタと、
を備える展開タブ。
【請求項2】
前記展開タブが、平らな形状を少なくとも部分的に含み、又は平らな形状からなる、請求項1に記載の展開タブ。
【請求項3】
前記展開タブが、三角形の、テーパの付いた及び/若しくは台形の形状を少なくとも部分的に含み、又は三角形の、テーパの付いた及び/若しくは台形の形状からなる、請求項1又は2に記載の展開タブ。
【請求項4】
使用時に前記第1のエリア又は部分よりも近位に配置されるように構成された第2のエリア又は部分と、
前記第1のエリアと前記第2のエリアとの間の中央エリア又は部分と、
をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項5】
前記第1のエリア又は部分が、前記第2のエリア又は部分よりも幅が広い、請求項4に記載の展開タブ。
【請求項6】
使用時に前記展開タブが切断されたときに、前記第1のエリア又は部分を移動させて前記神経インタフェース装置から離すことを可能にするために、前記コネクタの少なくとも一部分が前記第1のエリア又は部分との結合から解放されるように、前記展開タブが構成された、請求項1~5のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項7】
前記第1のエリア又は部分から前記中央エリア又は部分を通って前記第2のエリア又は部分まで延びる少なくとも1本の通路、好ましくは囲われた少なくとも1本の通路をさらに備え、それぞれの通路が、前記第1のエリア又は部分に第1の開口を含み、前記第2のエリア又は部分に第2の開口を含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項8】
前記コネクタが、前記少なくとも1本の通路を前記第2の開口から前記第1の開口まで通る第1の部分を含み、前記コネクタが、前記植え込み可能な装置に取り外し可能に取り付けられた第2の部分を含み、前記コネクタが、前記少なくとも1本の通路を前記第1の開口から前記第2の開口まで通る第3の部分を含み、前記第1の部分が前記第2の部分に接続されており、前記第2の部分が前記第3の部分に接続されている、請求項7に記載の展開タブ。
【請求項9】
前記少なくとも1本の通路が第1の通路及び第2の通路を含み、前記第1の部分が前記第1の通路を通っており、前記第3の部分が前記第2の通路を通っている、請求項8に記載の展開タブ。
【請求項10】
前記コネクタが、前記少なくとも1本の通路を前記第2の開口から前記第1の開口まで通る縫合糸であり、前記第1のエリア又は部分を保持するために、前記縫合糸が、前記植え込み可能な装置の近くの前記第1のエリア又は部分に固定されている、請求項8又は請求項9に記載の展開タブ。
【請求項11】
前記少なくとも1本の通路を横切って延びる切断可能な又は破断可能な部分を備え、前記切断可能な又は破断可能な部分が、切り開かれたときに、前記少なくとも1本の通路内の前記コネクタの、前記切断可能な部分よりも近位の部分を、前記コネクタの、前記切断可能な部分よりも遠位の別の部分から分離するように構成されており、前記コネクタの前記部分の前記分離が、前記展開タブが前記植え込み可能な装置から分離することを可能にする、請求項7又は8に記載の展開タブ。
【請求項12】
少なくとも前記第1のエリア又は部分及び前記第2のエリア又は部分が、丸みのある縁を含む、請求項4~11のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項13】
前記切断可能な又は破断可能な部分が、少なくとも前記第1の通路及び前記第2の通路を横切って前記タブの長さを横断する方向に延びる、前記中央エリア又は部分の一段低くなったエリアである、請求項9~12のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項14】
前記コネクタを解放するために前記一段低くなったエリアが切り開かれたときに前記中央エリア又は部分の少なくとも一部分が2片に切断されないように、前記中央エリア又は部分の前記一段低くなったエリアが、前記中央エリア又は部分の幅の一部分だけを横切って延びている、請求項13に記載の展開タブ。
【請求項15】
前記コネクタを解放するために前記一段低くなったエリアが切り開かれたときに前記中央エリア又は部分が2片に切断されるように、前記一段低くなったエリアが、前記中央エリア又は部分の全幅を横切って延びている、請求項13に記載の展開タブ。
【請求項16】
少なくとも前記中央エリア又は部分が、前記中央エリア又は部分の幅を横切って延びる一連の交互に並ぶ横方向尾根部及び横方向谷部を含み、前記横方向尾根部及び横方向谷部が、前記展開タブが広げられているときに横方向剛性を提供し、前記展開タブを丸めるための縦方向可撓性を提供するように構成されている、請求項4~15のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項17】
前記第1のエリア又は部分及び前記第2のエリア又は部分が、前記第1のエリア又は部分の幅及び前記第2のエリア又は部分の幅を横切って延びる前記交互に並ぶ横方向尾根部及び横方向谷部を含む、請求項4~16のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項18】
前記少なくとも1本の通路が、それぞれの横方向尾根部を貫くトンネル及びそれぞれの横方向谷部を横切る管によって形成された、請求項16又は17に記載の展開タブ。
【請求項19】
前記切断可能な又は破断可能な部分が横方向谷部である、請求項9から18のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項20】
前記コネクタが、前記第1のエリア又は部分の中に成形されることによって前記第1のエリア又は部分に固定されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項21】
前記コネクタが、接着剤によって前記第1のエリア又は部分に固定されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項22】
前記第1のエリア又は部分、前記第2のエリア又は部分、及び前記中央エリア又は部分がシリコーンから成形されている、請求項4~21のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項23】
少なくとも前記第2のエリア又は部分に、近位側に向かって、前記第2の開口の方向のテーパが付けられている、請求項7~22のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項24】
前記テーパが付けられた第2のエリア又は部分が、操作のための握持点を含む、請求項23に記載の展開タブ。
【請求項25】
前記握持点が開口を含む、請求項24に記載の展開タブ。
【請求項26】
前記タブが、頂面である第1の表面と、前記第1の表面の反対側の底面である第2の表面とを含み、前記第1の表面が、前記切断可能な又は破断可能な部分の位置の指示を提供し、前記第2の表面が、接触を減らすために、前記展開タブの長さに沿った複数の縦方向溝を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項27】
少なくとも前記第2のエリア又は部分及び前記中央エリア又は部分にテーパが付けられており、前記複数の縦方向溝の第1の部分又は部分が、前記第1のエリア又は部分から前記中央エリアを通って前記第2のエリア又は部分まで延びており、前記複数の縦方向溝の第2の部分が、前記第1のエリア又は部分から前記中央エリア又は部分まで延びている、請求項26に記載の展開タブ。
【請求項28】
前記第2のエリア又は部分の厚さに、前記第2のエリアの近位縁から前記中央エリア又は部分に向かってテーパが付けられている、請求項4から27のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項29】
前記厚さが、前記第2のエリア又は部分の前記近位縁から前記中央エリア又は部分に向かって増大している、請求項28に記載の展開タブ。
【請求項30】
前記第2のエリア又は部分が丸みのある縁を備える、請求項4から27のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項31】
請求項1~30のいずれか一項に記載の展開タブと、
標的の周りに少なくとも部分的に置くためのカフ部分を備える神経インタフェース装置と、
を備えるシステム。
【請求項32】
前記神経インタフェース装置の開口部分が、前記展開タブに取り外し可能に結合されるように構成された、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記カフ部分が、スパインと、前記スパインから延び、電極を備える少なくとも2本の湾曲したアームとを備え、前記少なくとも2本の湾曲したアームが、開端環を形成しており、それぞれの湾曲したアームが、前記展開タブに取り外し可能に結合された端部を備える、請求項31又は32に記載のシステム。
【請求項34】
前記カフ部分が、前記開端環に関して第1の方向に開くように構成された第1のアームと、前記開端環に関して、前記第1の方向とは実質的に反対の第2の方向に開くように構成された1本以上の第2のアームとを備え、前記コネクタの前記第2の部分が、前記1本以上の第2のアームに取り外し可能に取り付けられている、請求項31~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記1本以上の第2のアームが、前記第1のアームの両側に配置された2本のアームを含み、前記2本のアームのうちの一方のアームが、前記第1の通路の前記第1の開口と位置合せされており、前記2本のアームのうちのもう一方のアームが、前記第2の通路の前記第1の開口と位置合せされている、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記1本以上の第2のアームが第1のアイレットを含み、もう一方のアームが第2のアイレットを含んでおり、前記第1の部分又は前記第3の部分の少なくとも一方が前記切断可能な部分で切り開かれて、前記コネクタの前記第2の部分を前記カフ部分から引き離すことができるようになるまでは、前記第1のエリア又は部分を前記カフ部分の近くに保持するように、前記コネクタの前記第2の部分が、前記第1のアイレット及び前記第2のアイレットを通り抜けることによって前記カフ部分に取り外し可能に取り付けられている、請求項31~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記タブの前記中央エリア又は部分の厚さが、前記神経インタフェースの厚さに等しいか又は前記神経インタフェースの厚さよりも厚い、請求項31~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記神経インタフェースの前記厚さが、前記タブの幅と長さの両方に対して垂直な方向の前記1本以上の第2のアームの高さによって規定され、前記タブの前記中央エリア又は部分の前記厚さが、前記1本以上の第2のアームの前記高さに対して実質的に平行に走る高さによって規定され、前記タブの前記中央エリア又は部分の前記高さが、前記1本以上の第2のアームの前記高さよりも高い、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記タブの前記第1のエリア又は部分の幅が、前記神経インタフェース装置の幅に等しいか又は前記神経インタフェース装置の幅よりも広い、請求項31~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記カフ部分が、前記一方の第2のアームの外側部からもう一方の第2のアームの外側部まで測定される、前記第1のエリア又は部分の前記幅に対して実質的に平行に走る幅を有し、前記第1のエリア又は部分の前記幅が前記カフ部分の幅よりも広い、請求項34~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記展開タブが、標的に対する前記神経インタフェースの適合具合を測定する測定ツールとして構成可能である、請求項31から40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
測定ツールの働きをするように、前記展開タブの前記尾根部又は溝若しくは谷部間の距離が所定の距離に設定されている、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
測定ツールの働きをするように、前記展開タブの第1の部分と前記展開タブの第2の部分との間の距離が所定の距離に設定されている、請求項41又は42に記載のシステム。
【請求項44】
前記展開タブが、鈍的切開ツールとして機能するように構成された、請求項1~30のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項45】
前記第1のエリア又は部分に面する前記神経インタフェース装置の一部分を、前記第1のエリア又は部分の遠位縁に対して平行な向きに維持するように、前記展開タブが構成された、請求項1~30及び/又は44のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項46】
前記第1のエリア又は部分に面する前記神経インタフェース装置の複数の部分を、互いから所定の距離だけ隔たったままに維持するように、前記展開タブが構成された、請求項1~30及び/又は44~45のいずれか一項に記載の展開タブ。
【請求項47】
前記所定の距離が、前記展開タブの前記第1のエリア又は部分の幅の少なくとも一部である、請求項46に記載の展開タブ。
【請求項48】
前記所定の距離が、第1の通路の第1の開口と第2の通路の第1の開口との間の距離である、請求項47に記載の展開タブ。
【請求項49】
前記神経インタフェース装置が、前記神経インタフェース装置内に配置された展開タブを備える、請求項31から43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項50】
前記展開タブが、少なくとも部分的に前記神経インタフェース装置の中に丸められた、請求項31から43又は49のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
簡単な説明
神経カフの厚さ及び/又は幅よりもわずかに大きい厚さ及び/又は幅を有する神経カフ用の展開タブが開示される。展開タブは、展開タブに通され、神経カフに取り外し可能に取り付けられた、固定された縫合糸を含むことができる。展開タブの少なくとも一部分を切り開く(cut through)することによって、展開ツールを神経カフから完全に分離することができる。展開タブは、一方の面に、横断方向の(又は横方向の、展開タブの幅に沿った)一連の尾根部及び谷部を含むことができ、それらの尾根部及び谷部は、切り開きガイドの役目を果たすことができ、また、送達のために展開タブを丸めて小さなサイズにすることを可能にすることができる。展開タブは、反対側の面に、縦方向の一連の尾根部及び谷部を含むことができ、それらの尾根部及び谷部は、(展開タブが丸められているときを含め)接触面を最小化し又は少なくとも小さくする役目を果たすことができる。展開タブは、テーパの付いた近位端を含むことができ、カフに対して切開開口が十分に大きいことを確認するための器具(例えばゴー/ノーゴーゲージ(go/no-go gauge))及び鈍的切開(blunt dissection)ツールとして動作するように構成することができる。展開タブの厚さ及び/又は幅が切開部を通るものでない場合、それよりもわずかに小さい神経カフも容易には通らない可能性がある。固定された縫合糸は、展開タブの少なくとも一部分が切り開かれたときに縫合糸が切断され、それにより神経カフの予め取り付けられた部分から展開タブを解放するように、展開タブ内に配置される。
【背景技術】
【0002】
背景
カフ装置などの神経インタフェース(又は神経インタフェース装置)は電極を備える。神経インタフェース装置を送達及び展開する際にはさまざまな問題が生じうる。送達及び展開ステップが腹腔鏡下で実施されるときには特にそうなりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、展開のために神経インタフェースに取り付けられた縫合糸を展開中に切り取り又は取り外す必要があることがある。このような切り取り又は取り外し中に、標的組織の近くの標的組織又は解剖学的構造が損傷の危険にさらされることがある。切り取り後に残された縫合糸の残存物が、組織構造に対する損傷を引き起こすこともある。
【0004】
別の例として、シリコーンで成形された神経カフが、(トロカールなどの)展開管の側面をこすったり、引っ掛かったりすることがある。結果として生じる摩擦が前進を困難にすること、及び神経インタフェースの少なくともいくつかの部分(例えばアーム)がもつれることがあり、これらが電極を損傷するリスクとなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の発明者は、神経インタフェース装置を送達及び展開し、その一方でこのような送達及び展開中の電極損傷を減らす、さまざまな解決策を考案した。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態による、神経カフ用の展開タブの透視図である。
【
図2】一実施形態による、神経カフに縫合され、標的の周りに展開するために配置された
図1の展開タブの透視図である。
【
図3】一実施形態による、神経カフを引っ張って開くために使用されている
図1の展開タブの透視図であり、展開タブは標的の下に引き入れられている。
【
図4】一実施形態による、
図1の展開タブの遠位端面図である。
【
図5】一実施形態による、展開タブから解放する前の、標的の周りに展開された
図1の神経カフの透視図である。
【
図6】一実施形態による、縫合糸を解放するために切断されている
図1の展開タブの透視図である。
【
図7】一実施形態による、神経カフから引き離されている
図1の展開タブの透視図である。
【
図8】一実施形態による、完全に展開された神経カフの透視図である。
【
図9】一連の横方向尾根部及び谷部を有する展開タブの一実施形態の透視図である。
【
図11】一実施形態による、神経カフに縫合された
図9の展開タブの透視図である。
【
図12A】下の縫合糸通路及びより大きなテーパが付いた近位端を示す、展開タブの尾根部及び谷部のシースルー透視図である。
【
図13A】一方の面に縦方向尾根部及び谷部を有する展開タブの透視図である。
【
図13C-1】展開タブが測定ツールとして使用されている、展開タブの透視図である。
【
図13C-2】展開タブが測定ツールとして使用されている、展開タブの透視図である。
【
図13C-3】展開タブが測定ツールとして使用されている、展開タブの透視図である。
【
図13C-4】展開ツールの上面図及び対応する寸法表である。
【
図13D】一実施形態による、展開の上面図及び下面図、並びに神経カフに縫合された同じ展開タブの透視図である。
【
図14A】一実施形態による、神経インタフェース用の送達ツールの透視図である。
【
図14B】一実施形態による、引き伸ばされたセクションを含む、
図14Aの送達ツールの透視図である。
【
図15A】一実施形態による、送達ツールの透視図及び断面図である。
【
図15B】一実施形態による、トロカールポートに部分的に挿入された
図15Aの送達ツールの透視図である。
【
図15C】一実施形態による、トロカールポートに完全に挿入された
図15Aの送達ツールの透視図である。
【
図15E】一実施形態による、送達ツールの二つの透視図である。
【
図16A】一実施形態による、遠位端の引き伸ばされた図を含む、プッシャロッド(pusher rod)の透視図である。
【
図16B】一実施形態による、神経カフ及び神経カフに取り付けられ、カフの中に丸められた展開タブの透視図及び遠位端断面図である。
【
図16C】一実施形態による、遠位端に神経カフが装着されたプッシャロッドの透視図である。
【
図16D】一実施形態による、送達管に挿入されたプッシャロッドの透視図である。
【
図16E】一実施形態による、トロカールポート及び導入管に部分的に挿入された、プッシャロッド及び送達管の透視図である。
【
図16F】一実施形態による、トロカールポート及び導入管に完全に挿入された、プッシャロッド及び送達管の透視図である。
【
図17】一実施形態による、送達管の透視図である。
【
図18】一実施形態による、保持ツールを有する送達ツールの側面図である。
【
図19A】一実施形態による、非解放位置にある保持ツールを有する送達ツールの側面図である。
【
図19B】一実施形態による、解放位置にある保持ツールを有する送達ツールの側面図である。
【
図20】三つの異なるトロカールポートの一連の近位端面図及び側面図である。
【
図21A】一実施形態による、トロカールカニューレの神経インタフェース保持特徴の一方の半分を示す透視断面図である。
【
図21B】
図21Aの神経インタフェース保持特徴のもう一方の半分を示す透視断面図である。
【
図24A】保持特徴及び案内部材を含むトロカールカニューレの近位端の近くの透視断面図である。
【
図25A】一実施形態による、神経インタフェース保持特徴の透視図である。
【
図26】一実施形態による、神経送達装置の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、神経血管束又は神経などの標的の神経調節のための電極を含む血管外神経インタフェース装置の実施形態に関する。例えば、一実施形態では、神経カフが、各々が開端環(open-ended ring)の形態に形づくられた3本の開端アームを備える(本明細書では「神経カフ」又は「カフ」として参照される)。このようなカフ100の一実施形態が
図1に示されている。2本の外側アーム102及び104の開端は中央アーム106の開端の反対側に置くことができる。言い換えると、2本の外側アーム102及び104は、中央アーム106が延びる(又は湾曲する)方向とは反対の方向に延びている(又は湾曲している)。電極は、2本の外側アーム102、104に配置することができるが、中央アーム106にも配置することができる。通常、カフ及びアームの成形材料はシリコーンであり、電極が標的組織と接触するであろう露出した表面を除く電極の全体をシリコーンが取り囲む。電極の正確な性質は本開示に関連しているわけではなく、したがって示されていないが、繊細な電極又はアーム内の接続若しくは電極とリード体108との間の接続に損傷を与えることなくそれぞれのアームを平らにすることができるように、電極は、アーム内に撓み可能に接続されたものとすることができる。
【0008】
さらに、3本の開端アームを備える神経カフを一例として論じるが、本明細書に記載された展開タブ又は送達ツールは、異なる形状又は構成を有する他のタイプの神経インタフェースを展開又は送達する目的にも使用することができる。例えば、展開タブ又は送達ツールは、神経カフが、1本の開端アームだけ、2本の開端アームだけ、又は3本よりも多くの開端アームを備える場合にも使用することができる。
【0009】
図1には展開タブ110が示されている。タブ110及び神経カフ100は、神経血管束又は神経などの標的の周りに配置する準備ができたときに患者の体腔内に配置することができるものとして示されている。タブ110は、非吸収性縫合糸材料、例えば編まれた又はモノフィラメントのポリエステル、ナイロン、ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)及びポリプロピレンで形成された縫合糸112(本明細書では縫合糸又は縫合ワイヤとも呼ばれる)によってカフ100に取り付けられたベースからなるものとすることができる。製造時に、縫合糸112をタブ110の中に成形し、又はタブ110に接着して、縫合糸ループ120を形成することができる。
【0010】
タブ110の端部114を出発点として使用して、タブ110の中を通る縫合糸112の経路を説明することができる。端部114は、手技中にタブ110を操作しているオペレータに近い方の端部となることがあるため、近位端114と呼ばれる。したがって、タブ110の遠位端はオペレータから遠い方の端部ということになり、この端部は、神経カフ100と接触すること、又は神経カフ100の近くに配置されることがある。この出発点から、縫合糸112は、タブ110の中に形成された第1のトンネル116などの第1の通路を移動可能に通過することができる。通路を移動可能に通過するとは、縫合糸112が、通路の内部で移動すること及び通路の内部を通過すること(又は通路の内部に沿って摺動すること)ができることを意味する。通路の断面形状は、円形の穴、楕円形(oval)若しくはオブロング形(oblong)の溝穴、又は他の形状とすることができる。第1のトンネル116は、下でさらに説明する中央エリアを貫いて走っている。縫合糸112は次いで、タブ110の遠位端117のところで第1のトンネル116を出て、第1の外側アーム102の第1のアイレット(eyelet)118を移動可能に通過することができる。アイレット118は、(外側アームの中に配置された任意の電極のポイントを越えて)外側アームの遠位端を貫いて形成された穴によって形成されたものとすることができ、外側アームの近位端は、リード体108と同じ軸上のスパイン304である。アイレット118は、円形の穴、楕円形若しくはオブロング形の溝穴、又は他の形状とすることができる。
【0011】
アイレットを通過した後、縫合糸112は、タブ110を形成するときにその中に成形する、又は接着剤によって固定するなど何らかの形でタブ110に固定された縫合糸ループ120を形成するために、もと来た方向にタブ110の開口を移動可能に通過することができる。言い換えると、縫合糸ループ120などのタブ110の中に固定された縫合糸112の部分は移動可能ではなく、固定された形でタブ110に取り付けられている。縫合糸112は、縫合糸ループ120からさらに延びてタブ110の外に出、次いで、第2の外側アーム104の第2のアイレット122をもと来た方向に移動可能に通過し、タブの遠位端117からタブの近位端114まで延びるタブ110の中に形成された第2のトンネル124などの第2の通路を移動可能に通過し、タブ110を出ることができる。次いで、縫合糸112の二つの端部を縛って結び目126にすることができる。図面を単純にするために結び目126はループとして示されている。一実施形態では、結び目126が、外科手術ツールを把握する把握点の役目を果たすことができる。この実施形態では、単一の縫合糸112が使用されるように縫合糸ループ120が形成されているが、別個の2本の縫合糸112を、それぞれの縫合糸112が異なる通路を通り、タブ110の中で別々に固定されるような態様で使用することもできることが理解される。
【0012】
当業者には理解されるであろうが、展開タブの長さは、カフに接続された側のタブの端からタブの反対端の結び目126まで(すなわちタブの遠位端から近位端まで)測定されることになる。同様に、展開タブの幅は、上記の長さを横切る方向(カフの二つのアイレット118、122を通る軸と平行な軸の方向)のタブの最も幅の広い部分と理解することができる。
【0013】
図2は、展開のために標的200の近くに配置されたタブ110及びカフ100を示している。
図2に示された実施形態では、標的200を神経血管束とすることができるが、血管を含まない神経上でカフ100を使用することもできる。しかしながら、本明細書での参照を容易するため、標的200は標的組織200と呼ばれる。カフの外側アームに対する2本のトンネルの位置間の間隔は、外側アームが標的組織の下に引き入れられたときに、外側アームを、適正に配置された状態に保つ役目も果たすことができる。さらに、この間隔は、タブの一部分の存在によって提供されるため、カフを操作しているときに追加の構造的安定性が提供される。
【0014】
図3に示されているように、第1の外科手術ツール300を使用して、標的組織200の下のエリアを切開又は分離すること、及び縫合糸の結び目126又はタブ110の近位端114(外科手術ツール300に最も近い端)を把握し、タブ110の近位端114を標的組織200の下に引き入れることができる。さらに、カフ100のアーム間に反対牽引力(counter traction)を生み出すために、第2の外科手術ツール302を使用してカフ100の中央アーム106の一部分を把握することができる。タブ110が標的組織200の下に引き入れられるとき、近位端114のテーパリングが、必要に応じて標的組織200の下の組織をさらに切開するのに役立つことがある。テーパの付いた近位端114は、少なくとも部分的に三角形に形づくられたものとすることができる。
図3に示されているように、近位端114は、タブ110のより幅の広い中央部分から縫合糸の結び目126の近くのより幅の狭い部分までテーパを有することができる。縫合糸の結び目126又は近位端114を引っ張る第1の外科手術ツール300とタブ110内に固定された縫合糸ループ120との間において、外側アーム102及び104上に、第2の外科手術ツール302によって十分な引張り圧力(pulling pressure)を加えて、外側アーム102及び104をカフ100のスパイン304から引き離すことができる。
【0015】
図4にさらに示されているように、タブ110はさらに、展開中にゴー/ノーゴーインジケータ(go/no-go indicator)として機能することができる。タブ110の厚さ400は、カフアーム102、104又は106のどのカフアームの厚さよりも厚くすることができる。一実施形態では、タブを、カフアームよりも約0.5mm厚くすることができる。さらに、タブ110の幅402を、標的組織200の周りに展開された外側カフアーム102及び104の外側から測定したカフ100の幅よりも広くすることができる。一実施形態では、組織コンプライアンスを考慮して、タブの幅を、標的組織の周りに展開されたカフの幅よりも約0.5mm広くすることができる。他の実施形態では、タブを、例えば約0.5~2mmだけカフよりも厚くすること又は広くすることができる。このタブと神経インタフェースとの間のサイズの違いは、標的組織の組織コンプライアンスに基づく。このタブ110の厚さ及び幅の差はゴー/ノーゴー特徴の役目を果たす。なぜなら、タブ110は切開部を通して引っ張られるため、組織損傷を引き起こすことなしにタブ110を引っ張ることができない場合には、カフ100を安全に展開することができないためである。展開の途中でタブ110を取り外すことは、カフ及びアームを標的組織から引き離すための空間が不十分であることを見出すためだけに、カフ100を所定の位置まで押し又は引いて、アームを標的組織200の周りに少なくとも部分的に展開することを試みることに起因する損傷よりも、標的組織200に対する組織損傷及び潜在的損傷を小さくすることにつながる。
【0016】
カフ100を標的組織200のところに配置し、広げられたアーム102、104及び106を解放して、
図5に示されているようにそれらのアームが標的組織に巻き付くことができるようにした後、タブ110及び縫合糸112をカフ100から安全かつ完全に除去する必要がある。タブ110及び縫合糸112の安全かつ完全な除去は、その各々が標的組織200から安全な距離にある中央エリアの一つ以上の位置において、タブを部分的に切り開くことによって完了することができる。
図5及び6に示されているように、中央エリアのカッティング位置は、展開中に外科医が容易に識別することができるタブ110の一段低くなったエリアなどのカッティング窓500によって指示することができる。カッティング窓500のところでカッティングツール600を用いて破線602の長さに沿ってタブ110を切り開くと、その結果として、両方のトンネル116及び124(
図1に示されている)内の縫合糸112が断ち切られる。例えば、
図7に示されているように、縫合糸ループ120は、タブ110の遠位端からタブ110の長さの約1/3のところのタブ110の中に固定されている。そのため、縫合糸ループ120は、タブ110内において、カッティング窓500までは延びていない。したがって、カッティング窓500のところで縫合糸112を切断すると、トンネルの内側の縫合糸112のストランド(strand)を解放することができるが、縫合糸ループ120の部分である縫合糸112はそのまま残る。
【0017】
次いで、タブ110を矢印700の方向にカフ100から完全かつ安全に引き離すと、縫合糸112の解放されたストランドが引っ張られてアイレット118及び122から外れる。タブ110を取り外すことに加えて、タブ110が取り外されたされたときには、縫合糸の全てがカフ100から完全に引き離される。これは、縫合糸のストランドの端部が、依然として、縫合糸ループ120のところでタブ110の中に成形されているか又はタブ110に接着されているためである。標的組織200の周りに完全に展開されたカフ100が
図8に示されている。
【0018】
タブ900の追加の実施形態900が
図9に示されている。この実施形態では、タブ900の一方の面の長さ906に対して実質的に直角に(すなわちタブの幅に沿って)延びるものとすることができる、一連の尾根部902(尾根部又は突出部と呼ばれることもある)及び谷部904(凹部と呼ばれることもある)を、タブ900が含む。それぞれの谷部904の中では、尾根部902を通るトンネルであることと谷部904を通るパイプであることとの間で入れ替わるような態様で、トンネル908及び910が露出している。テーパの付いた近位端912(オペレータ又は外科手術ツールに最も近い端)から遠位端914に配置されたカフアームまで、縫合糸112(
図9には示されていない)がそれぞれの通路908、910を移動可能に通過することができるという点で、通路908、910は、タブ110のトンネル116、124と実質的に同じものとすることができる。通路908、910が尾根部902を通ることができるところでは、通路はトンネルとなり、通路が谷部を通るところでは、通路はパイプとなるであろう。谷部904のいずれか一つを、両方の通路908、910を切り開くのに十分な程度に切り開かれることは(いくつかの実施形態ではタブが二つに完全に切断され、いくつかの実施形態では、タブ110を二つに切断しない程度に切断がなされる)、タブ900を完全に切り開くことなく縫合糸を解放し、それによってタブ900を縫合糸の全てとともに完全に取り外すことを可能にするであろう。尾根部902の底が谷部904と接する点に近い点で谷部904及び通路908、910のトンネルを切り開くことによって、生み出される可能性がある結果として生じるコーナ及び縁の鋭さを低減させることができ、それによって取り外し中の潜在的な組織刺激を最小化することができる。
【0019】
他の実施形態では、神経インタフェースにより近い第1のエリアのより近くで、例えばテーパの付いた近位端912で展開タブ900を切断することができる。このテーパリングはより狭い幅を意味し、より狭い幅は、展開タブ900の必要な部分を切り開くのにより少ない切断ですむことを意味する。
【0020】
タブ900の近位端912に対する通路908、910の位置がさらに
図10に示されている。タブ900は、タブ110と同様の厚さ及び幅寸法と、テーパリングとを有し、これらはそれぞれ、タブ900が、同様のゴー/ノーゴー特徴を提供すること、及び切開の助けとなることを可能にする。しかしながら、尾根部及び谷部は、より小さな空間の中にタブ900を丸めることを可能にすることができ、このことは、下でさらに説明するように、タブ900を、小さなカフに挿入するのにより適したものにすることができる。言い換えると、横方向尾根部及び横方向谷部は、展開タブを丸めることを可能にすることができる縦方向可撓性を提供することができ、その一方で、展開タブが広げられているときには横方向剛性を提供することができる。
【0021】
図11は、タブ1100の一実施形態を示しており、この実施形態では、縫合糸ループがタブ1100内に固定されておらず、タブ1100の外側に接着されている。例えば、縫合糸1101は、近位端1103の縫合糸の結び目1102から通路1105、1107を通ってカフ100のアイレット(図示せず)に達することができる。カフ100のアイレットを通過した後、縫合糸1101はタブ1100に戻り、拡張部分/開口1104、1106を通過することができ、そこで縫合糸はタブ1100に接着されることになる。タブ1100のこの実施形態では、縫合糸1101をタブ1100に接着する(成形しない)ことができる。縫合糸1101をタブ1100に固定するためにシリコーン接着剤などの接着剤1108を縫合糸1101に塗布することができるように、タブ1100の遠位端上又はタブ1100の遠位端の中に、小さな拡張部分又は開口1104、1106を形成することができる。開口1104、1106が利用される場合には、開口1104、1106に縫合糸1101を挿入した後に、接着剤を塗布して、縫合糸1101を所定の位置に保持することができる。拡張部分1104、1106が利用される場合には、拡張部分に縫合糸1101を少なくとも部分的に巻き付けた後に、接着剤を塗布して、縫合糸1101を所定の位置にさらに保持することができる。縫合糸の結び目1102のところにも接着(又は接着剤)1108を適用して、タブ11000の近位端1103に縫合糸1101をさらに固定することができる。上で説明したタブ1100に縫合糸を(成形されるよりはむしろ)接着することができることも理解されるであろう。
【0022】
タブ900及び1100の中央エリアにおいて縫合糸トンネルを露出させるための尾根部及び谷部の利用は、取り外すためにタブのどこを切断することができるのかに関して、単一のカッティング窓よりも多くの選択肢を外科医に提供することができる。谷部では管が目に見えるため、タブの切断可能部分の位置がより明白なことがあり、そのため、外科医は、タブの取り外しを始める前に、縫合糸の両方のストランドが切断されたことを確認することができる。タブの切断可能部分を指示するためのこれらの異なる設計(すなわちカッティング窓並びに尾根部及び谷部)は、タブ110、900及び1100を、異なるサイズのカフとともに利用することを可能にする。例えば、タブ110は、それほど大きな可撓性を必要としないことがあるより大きなカフで適切に機能することができ、タブ900及び1100は、尾根部及び谷部が、横方向剛性を維持しつつタブの縦方向可撓性をより高めるため、より小さなカフで適切に機能することができる。しかしながら、後にさらに説明するが、いずれの設計も、異なるサイズの神経装置とともに使用することができる。
【0023】
他の実施形態では、タブ110、900又は1100が、(例えば116、124、908又は910などの)単一の通路だけを含むことができ、その場合、縫合糸112又は1101は通路手段を移動可能に通過し、タブを出、神経カフ(単一のアームだけを有することができる)のアイレットを通り抜け、タブに戻って、タブに固定又は接着される。カッティング窓が提供されていることがある中央部分付近で、又は単純に遠位端から十分に遠いところで谷部の一つに沿って、タブを切断した後、縫合糸とタブの両方を完全かつ安全に取り外すことができるように、縫合糸を解放し、カフのアイレットから引き出すことができる。この単一の通路は、タブ110、900又は1100内の中央に配置することができ、又はタブの中心から離して配置することができる。
【0024】
タブ1100の実施形態と同様のタブ1200の一実施形態が、
図12A及び
図12Bに示されている。
図12Aは、下の縫合糸通路1206、1208が見えるように、尾根部1202及び谷部1204のシースルー透視図を示している。
図12Bは、タブ1200の同じ透視図を、シースルーの代わりに中実図として示している。この実施形態では、近位端1210が、より大きなテーパが付いた輪郭と、近位端1210から外科手術中にタブ1200が切断される可能性がより高い中央エリア1214へのより緩やかな遷移1212とを有することができる。
図3に関して上で述べたとおり、外科手術ツールを使用して、標的組織の下の組織のエリアを切開し、縫合糸の結び目又はタブの近位端を把握し、標的組織の下にタブを完全に引き入れて、神経装置を展開することができるようにすることができる。タブ1200のテーパの付いた近位端1210はさらに、タブ1200を引っ張る目的に使用することができる、外科手術ツールの握持点の役目を果たすことができる。タブ1200の近位端1210の握持開口1216は、握持点の近くのタブ1200上でのより良好な握持を外科手術ツールに与えることができる。近位端1210のより大きなテーパが付いた輪郭は、標的の下の組織を切開し、切開部を通してタブ1200を引っ張り始めることをより容易にすることができ、このことは組織の刺激を低減させる。同様に、近位端1210と中央エリア1214との間のより緩やかな遷移1212は、切開した組織を通してタブ1200を引っ張り、組織刺激を低減させることをより容易にすることができる。
【0025】
図12Bは、タブ1200の遷移1212及び中央エリア1214をより完全に示している。
図12Cは、尾根部1202、谷部1204及び縫合糸通路1208をより完全に示す、
図12A及び
図12Bの展開タブの中実右側面図である。
【0026】
上記の展開タブ110、900、1100、1200は、2本の通路又はトンネルを備えるものとして説明したが、展開タブ110、900、1100、1200は、1本の通路だけ又は2本よりも多くの通路を含むことができる。
【0027】
図13Aは、縫合糸通路及び切断可能部分の指示を含む頂面(又は底面)などのタブ1300の面1308の反対側の底面(又は頂面)などの面1306に、複数の縦方向尾根部1302及び谷部1304を有する展開タブの一実施形態1300の透視図である。この複数の縦方向尾根部1302及び谷部1304は、面1306に形成された縦方向溝によって形成することができる。タブ1300はさらに、一部の縦方向溝は、植え込み可能な装置の近くにタブが保持される位置に近い第1のエリアから、タブのテーパの付いた端部のところの第2のエリアまで、第1のエリアと第2のエリアとの間の中央エリアを通って走り、他の縦方向溝は、テーパリングのために第1のエリアから始まり中央エリアで終わるような態様の、以前に論じた実施形態よりも大きなテーパを有することができる。
【0028】
本明細書に開示されたタブはシリコーンで製造することができる。ある種の例では、洗浄及び殺菌によってシリコーンが粘着性になることがあり、長期保管中にこれが悪化することがある。シリコーンの粘着性は、シリコーンに硫酸バリウムを添加することによって部分的に軽減されることがあり、硫酸バリウムの添加はさらにタブを放射線不透過性にすることがあり、このことが別の利点になることがある。タブ1300の底面1306に尾根部1302及び谷部1304を追加することにより、粘着性をさらに軽減させることができる。タブ1300の中にカフが丸められたときにタブ1300の底面1306がシリコーンで覆われた神経カフの方を向くときには、底面1306の縦方向尾根部1302及び谷部1304が、タブ1300のシリコーンと神経カフとの間の接触面積を最小化するのに役立つことがある。さらに、縦方向尾根部1302及び谷部1304は、切開された組織との表面接触を小さくし、それにより、平らな(溝のない)表面よりも、タブを標的組織/束の下で引っ張ることを容易にするという追加の利点を有することができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、スチレンイソプレンブタジエン(SIBS)、ポリアミド、パリレン、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレン-テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリウレタン又は他の生体適合性ポリマーなどの、シリコーンと同様の他の生体適合性物質でタブを形成することができる。材料の選択は、所望の可撓性又は剛性に応じて実施することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、
図13Dにさらに示されているように、患者の体内の標的の周りに植え込み可能な装置が配置されているときに患者の組織に対する損傷を低減させるために、本明細書に開示された展開タブが丸みのある縁を含む。
図13Dはさらに、両面に尾根部及び谷部を有する展開タブの追加の図を示している。
【0031】
本明細書に開示されたタブは、神経インタフェース100の送達、配置及び展開の他にも利点を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、タブを、測定ツールとして使用することができる。一実施形態では、
図13B-1、13B-2及び13B-3を参照すると、標的組織の周りの神経インタフェース100の伸長の程度又は量を決定するために、長さLを有する、タブ体850の端部と神経インタフェース100の脊髄部分との間のギャップ(標的組織上に展開されたときの神経インタフェースの直径又は半径方向ギャップと呼ばれることもある)を測定することができる。このギャップはさらに、電極アーム開口の半径方向の長さを特徴づける。これらの特徴を理解することは、標的組織に対して適切なサイズの神経インタフェース100が選択されたかどうかを判定するときに、医療専門家ユーザにとって有用となりうる。
図13B-1、13B-2及び13B-3にはそれぞれ半径方向ギャップL1、L2及びL3が示されており、医療専門家ユーザは、神経インタフェース800の送達及び展開中にこれらのギャップを評価することができる。
【0032】
タブの別の使用において、
図13C-1、13C-2及び13C-3並びに13C-4を参照すると、いくつかの実施形態では、タブ体850のリブ及び溝構造(rib-and-groove structure)を「巻き尺」型の測定ツールとして使用することができる。体850のリブ及び溝構造は、この構造が、少なくとも部分的に標的組織の周囲に従い、その際に、この構造が、標的組織に対する神経インタフェース100のサイズ及び適合具合を評価するために医療専門家ユーザが体850を使用することができる別のやり方を提供するような態様の可撓性を有することができる。これは、いくつかのやり方で達成することができる。一実施形態では、リブ(又は溝)の数を使用可能な情報に変換する情報を医療専門家ユーザに提供することができる。例えば、3~5個のリブが標的組織の上にある場合には、カフのサイズが許容できるものであることがあり、2個以下のリブが標的組織の上にある場合には、カフが大きすぎることを意味することがあり、6個以上のリブが標的組織の上にある場合には、カフが小さすぎることを意味することがある。したがって、
図13C-1(ラベルが付けられたリブ1、2及び3を示している)、
図13C-2(ラベルが付けられたリブ1、2、3及び4を示している)及び
図13C-3(ラベルが付けられたリブ1、2、3、4及び5を示している)に示されているように、標的組織の上にあるリブ(又は溝)を単純に数えることによって、適合具合情報を直接に提供することができる。別の実施形態では、医療専門家ユーザが、最初に、
図13C-1、13C-2及び13C-3に示されているようにリブ(又は溝)を数え、次いで、
図13C-4に示されているように、隣り合うリブ(又は溝)間の既知の測定値を使用してサイズ及び適合具合評価することができる。同様に、既知の測定値を、カフ開口を周長の割合として示し、どれが適当か否かに関する助言を医療専門家ユーザに与える表に変換することもできる。
図13C-4の表では、3番目から7番目の値が最適であり、最初の二つは、標的組織に対してカフが大きすぎることを示し、最後の二つは、カフが小さすぎることを示す。
【0033】
展開及び植え込みのためのカフの展開を改良することに加えて、本明細書に開示されたさまざまなタブは、送達をさらに改良することができる。送達は、カフを患者に、通常は患者の腹腔を通して植え込む行為である。腹腔鏡下手術は、感染症のリスクを最小化し、術後痛を低減させ、生じる合併症の数がより少ないため、いくつかのケースでは、腹腔鏡下手術が、神経調節又は神経刺激システムを患者の体内に導入する好ましい外科手術方法であることがある。腹腔鏡下手術は特に、標的神経又は神経血管束が腹腔内にある場合の神経調節用途に適用可能であることがある。腹腔鏡下手術中の体腔へのツール及び装置の導入は、「トロカールポート」又は「トロカール」と呼ばれる腹腔鏡ポートを介して実施することができ、腹腔鏡ポートはしばしば、吹送ガス(insufflation gas)、すなわち、外科手術中に追加の作業空間及び視覚的空間を生み出すために体内にポンプ注入される不活性ガス、の漏出を防ぐための二つ以上の可撓弁を含む。三つの異なるトロカールポートの側面図及び対応する近位(すなわちオペレータ/外科医に最も近い又は患者の体外の)端面図が
図20に示されている。トロカールが挿入管と呼ばれることもありうる。
【0034】
神経インタフェース、特に神経カフ及び神経カフのリードは、多くの脆弱な電気接続を含みうる。保護機構なしで神経カフを、例えばトロカールポートの弁を通して導くことには、電極を損傷する高いリスクがある。カフの刺激効果及び安全性にとって電極の完全性は重要であるため、腹腔鏡下導入による電極損傷のリスクを軽減する必要がある。本明細書に記載された実施形態は、挿入装置がトロカールシールと相互作用することを可能にし、神経カフが腹腔に送達されるときに、カフの向き及び位置の維持を含む、繊細な神経カフの慎重な誘導を提供する。実施形態はさらに、腹腔内へのカフの解放を可能にし、「広げるステップまで、カフの内側の電極表面を保護する役目を果たす。全ての実施形態は、腹腔鏡下神経調節カフを、最低のリスクで、最も好都合なやり方で展開し、それによって送達中のカフの損傷を最小化する方法を提供する。ワイヤ又は電極のモールディング(molding)又はネッキング(necking)の小さな亀裂は検出するのが難しいことがありうるため、及びそのような損傷は時間とともに広がるため、このような方法は有用である。
【0035】
プッシャロッドを含む送達管又は神経送達装置(カニューレとも呼ばれる)の一実施形態が
図14A及び14Bに示されている。送達管1400、プッシャロッド1408及び近位端シールを含む装置の全体が
図14Bに示されている。さらに、
図14A及び
図14Bの細部を示す引き伸ばされたセクションは、プッシャロッド1408及び神経カフ1402の詳細を示している。この設計の送達管は、12mm及び15mmなどの一つの範囲のトロカールポートサイズ、したがって異なる神経インタフェースサイズに適していることがあり、装着柱(mounting post)のサイズ次第で、展開タブを含む又は含まない神経カフに適合可能であることがある。例えば、より大きな装着柱は、より大きなカフ設計、又は送達の間、カフの内側に丸められたタブを含まないより小さなカフ設計に対して適していることがあり、一方、より小さな装着柱は、より小さなカフ、又は丸められたタブを含むカフに対して適していることがある。当業者には理解されることだが、用途が送達管に関するときには、この管を中空管構造物とすることができ、又は、代替として、この管を、中空の端部又は盲穴(blind bore)を有する(すなわち少なくとも神経インタフェース装置の周りに管構造があるような態様の)中実円筒によって提供することもできる。「中実」は、内部が完全に満たされている、又は空洞がない構造体を指すことを理解することができる。例えば、単一体の鋼又はポリマー円筒は中実円筒であろう。本明細書で「送達管」が使用されている場合、この用語は、これらの両方の実施形態をカバーすることが意図されていることを理解すべきである。さらに、「送達管」は神経送達装置を指すことを理解すべきである。
【0036】
この実施形態はさらに、装着柱1406、縫合糸ループ管理切欠き部(suture loop management cut out)1412及び2次フランジ1414を備えるフランジ付きプッシャロッド1408を含むことができる。
図12Aは、神経カフ1402が、送達管1400の遠位端に向かって延びるリード1404とともに内側に配置された、トロカールポート(
図20に示されている)に挿入する送達管1400の一部分を示している。プッシャロッド1408の装着柱1406上に神経カフ1402を装着することができる。装着柱1406は、プッシャロッド1408の遠位端の円筒部分とすることができる。装着柱1406の直径は、神経カフ1402内に丸められた展開タブ(
図12A又は
図12Bには示されていない)を有する又はそのような展開タブを持たない神経カフ1402の内径に適合するサイズとすることができる。
【0037】
送達管1400は、装着柱1406に装着されたときの神経カフ1402の外径よりも大きいが、フランジ1410の外径よりも小さい、内径を有することができる。フランジ1410は、送達管1400の内壁と接触し、送達管1400の内壁に対して摺動することができ、これにより、構成要素のサイズ設定と相まって、神経カフ及びそのリード1404のシリコーンが送達管1400の内壁と接触することを防ぐことができる。これによって、神経カフ1402のアーム又は他の部分がもつれたり損傷を受けたりすることなしに、カフ1402が、送達管1400の内側を通って滑らかに前進することを可能にすることがある。カフ1402が押されて送達管1400を通るとき、フランジ1410は、装着柱とともに、カフ1402の向きを制御するように機能することができる。カフは、送達管の遠位端に向かって延びるリードとともに、プッシャロッドの端部に装着されることに留意すべきである。すなわち、リード体は、カフの大部分よりも前にある。図のいくつかに示されているように、カフのリード体は、送達管がカフとともに導入される前に、トロカールポートを通して挿入される。
【0038】
図14Bにさらに示された切欠き部1412は、装着柱1406上にカフを維持し、カフの向きを維持するために使用されたものであることがある縫合糸ループ(図示せず)を外科手術ツールが引き離すことを可能にすることができる。例えば、カフ1402の一部分に縫合糸を巻き付け、その縫合糸を、切欠き部1412のエリアを越えて通し、プッシャロッド1408の切欠き部1412とフランジ1414の間の部分1418の周りに巻き付けて、縫合糸が取り外されるまで比較的に固定された位置にカフを保持するようにすることができる。装着柱1406は、カフ1402の電極を保護することができ、一方、フランジ1410及び切欠き部1412は、カフ1402が送達管をこすることを最小化することができる。
【0039】
図14Bにさらに示されているように、2次フランジ1414は、送達管1400の内壁に対してプッシャロッド1408が安定して、そして低摩擦で摺動することを可能にすることができ、また、カフが管1400の内壁と接触することを可能にするような形でプッシャロッド1408が傾くことを防ぐことができる。近位シール1416は、送達管1400の近位端を閉じて、その結果、遠位端だけが開くようにすることができ、また、送達管がトロカールポートと協力して、腹部開口をしっかりと密閉された状態に保つことを可能にすることができる。シール1416は、プッシャロッド1408の周りに装着されており、そのため、プッシャロッド1408は、吹送ガスが漏出することを許すことなしに送達管1400に出入りすることができる。
【0040】
異なる送達機構の一実施形態が、
図15A、15B、15C及び15Dに示されており、この実施形態はさらに、一つの範囲のトロカールポートサイズに適していることがあり、展開タブを含む又は含まない神経カフに適合可能であることがある。この実施形態は、
図14A及び14Bの実施形態で説明した送達管及びプッシャロッドの代わりに送達管(又はプッシャ管)1500を含むことができる。上で述べたとおり、この送達管/プッシャ管は神経送達装置に関する。
図15Aの透視図に送達管1500として示され、さらに
図15Aの断面図に示された送達管1500は、送達管1500の内側に壁1502を含み、壁1502は、吹送ガスが漏れるのを防ぐことができ、また、送達管の遠位端(挿入された後のトロカールポートから最も遠い端)にカフ1504又は他の神経インタフェース装置を保持することができる。いくつかの実施形態では、壁1502の後ろの近位空洞を中実とすることができる。カフ1504は、展開タブとともに又は展開タブなしで、遠位端に向かって延びるリード1506とともに、送達管1500内に配置することができる。さらに、下でさらに説明し、
図16Bに示すように、展開タブ110、900、1100又は1200などの展開タブをカフに取り付け、カフの内側に丸めることができる。送達する必要な神経インタフェース装置のサイズに基づいて、送達管1502の内径を調整することができる。送達管1502の内径は、送達する神経インタフェース装置に基づいて、又は、より詳細には、送達する神経インタフェース装置の外径(又は外幅)に基づいて決定することができる。一つの保持レベルを提供するようなカフ1504とのあるレベルの摩擦を提供及び維持するために、送達管1502の内径は、神経インタフェース装置の外径とほぼ等しくすることができる。言い換えると、送達管の開口の内径は、神経インタフェース装置との締りばめを提供する。
【0041】
送達管1502は、送達管がトロカール(挿入管)を所定の量よりも大きく通過すること又はトロカールを完全に通過することを防ぐように構成された、近位端に提供されたフランジの形態の送達管保持特徴を備える。このフランジの存在は、送達管1502がこのフランジを超えてトロカールを通過することを防ぐ。
【0042】
図15A、15B、15C及び15Dに示された実施形態に類似の別の実施形態が
図15E及び15Fに示されており、この実施形態はさらに、一つの範囲のトロカールポートサイズに適していることがあり、展開タブを含む又は含まない神経インタフェースに適合可能であることがある。以下では、この実施形態が神経送達装置と呼ばれるが、この神経送達装置は、(神経インタフェース装置を保持するために)遠位端に管構造を有するように形成されているため、このような装置を送達管と呼ぶこともありうることに留意されたい。この実施形態の側断面図が
図26に示されている。
【0043】
図26に示されているように、神経送達装置3000は、神経送達装置の遠位端に、神経インタフェース装置を保持するための開口3001(そうでなければ開端又は穴と呼ばれる)を含むことができる。
【0044】
図15E及び15Fの実施形態は、(
図14A及び14Bに示された中空円筒とは対照的に)中実円筒として形成された神経送達装置を含むことができる。
図15E及び15Fの神経送達装置は、神経インタフェース装置の周りに管構造を有すると言うこともでき、その一方で神経送達装置のシャフトの残りの部分は実質的に中実である。
【0045】
この神経送達装置は、挿入管の端部から突き出るような十分な長さのものとすることができる。このことは、外科医が神経送達装置の近位端を手で操作/保持することを可能にする。それに加えて、又はその代わりに、神経送達装置は、神経送達装置の運動を制御するための別個の機械的構造体/プランジャ構成に接続することができる。
【0046】
図15Eは、ステンレス鋼で形成された神経送達装置を示している。開端は、送達する神経インタフェース装置のサイズに合うように中実鋼円筒に穴をあけることによって形成することができる。展開のために神経インタフェース装置が開口から引き出されるまで神経インタフェース装置を開口の近くの所定の位置に保持するために、神経送達装置の開端の内壁は、上で論じた締りばめを使用して摩擦を提供することができる。神経インタフェースは、神経インタフェースのリード体を介して引き出すことができる。送達する神経インタフェース装置は開端の開口付近に提供されているため、神経インタフェース装置は、(引っ張られたときに)解放されるまでに短い距離を移動するだけでよい。したがって、神経インタフェース装置(例えば神経カフ)と展開管との間の摩擦を利用しながらも、神経インタフェースがもつれることを回避することができる。この構成によって、神経送達装置を外部挿入管に挿入する間、神経インタフェース装置は、トロカール又は挿入管と一切接触しないか、又は少ししか接触しない。言い換えると、神経送達装置の凹部に配置されているとき、神経インタフェース装置は損傷から保護されている。このことは、挿入過程の間、神経インタフェース装置の敏感な構造体が機械的/電気的な損傷から保護されることを意味する。
【0047】
神経送達装置のベースとして中実円筒を使用することにより、製造容易性を向上させることができる。このような装置はさらに、他のいくつかの実施形態では必要なことがある、吹送ガスの漏出を防ぐための追加の機械的構造体の必要性を回避する。これは、トロカール弁を使用して体圧を維持することができ、カニューレの中実体を通ってガスが漏出することができないためである。
【0048】
図15E及び15Fの実施形態はステンレス鋼で形成することができるが、その代わりにポリマー材料で形成することもできる。いくつかの実施形態では、このポリマー材料を例えばデルリン(Delrin)とすることができる。いくつかの実施形態では、適当な材料を用いた射出成形によって送達管を形成することができる。そのような材料及び製造方法を中空管実施形態(例えば
図14A及び14Bに示された実施形態)に適用することもできることに留意されたい
【0049】
神経送達装置(中実円筒実施形態と中空管実施形態の両方)の材料は生体適合性であるべきである。さらに、(デルリンなどの)ポリマー材料は軽量の材料であり、このことは装置の重量の低減に有益となりうる。さらなる重量低減が必要な場合には、後に説明するように、神経送達装置がさらに、穿孔、穴、又は神経送達装置の一部分の除去を含むことができる。
【0050】
神経送達装置は、生体適合材料の中実円筒に、必要なサイズの凹んだ穴をあけることによって製造することができる。
【0051】
図15E及び15Fの神経送達装置はさらに、神経送達装置保持特徴を備える。送達管の第2の端部に、送達管の長さに対して垂直な方向の穴を形成することができる。その穴に、ストリング若しくは縫合糸、又は他の細いツールなどの神経送達装置保持特徴を通して、神経送達装置がトロカールを通過することを防ぐことができる。さらに、このストリング又は縫合糸を使用して、神経送達装置を取り出すこと、及び/又は必要な場合に神経送達装置を取り出すのを助けるための引っ張り力を提供すること、もできる。
【0052】
それに加えて、又はその代わりに、神経送達装置保持特徴は、送達管の偶発的な解放を防ぐように構成及び配置された近位キャップ(図示せず)を含むことができる。このキャップ又はハンドルは、神経送達装置の近位端付近に配置することができ、神経送達装置がトロカールを通過することを防ぐため、又は神経送達装置のハンドリングを助けるために提供することができる。このストリング/縫合糸及び近位キャップはともに、特に神経送達装置の長さがトロカールの長さよりも短い場合に、体内への送達管の偶発的な解放を防ぐことができる。この近位キャップを神経送達装置とは別個の特徴とすること、又はこの近位キャップを神経送達装置と一体のものとすること(例えばフレアリング(flaring)、すなわち、近位端における神経送達装置の外径が挿入管又はトロカールの内径よりも大きくなるような態様の近位端における神経送達装置の直径の増大)ができることにも留意されたい。
【0053】
いくつかの実施形態では、近位キャップを、成形プラスチック材料から形成することができる。
【0054】
上記の神経送達装置保持特徴は、
図15E及び15Fの神経送達装置に関して説明したが、それらを、神経送達装置の中空管実施形態(例えば
図14A及び14Bに示された実施形態)に適用することもできることは明白である。
【0055】
さらに、
図15Bは、プッシャ管1500がトロカールポート1510に関連してどのように動作するのかを示しており、トロカールポート1510は、患者の体外の弁及びシール1512、並びに腹腔の内側の挿入管1514を含むことができる。プッシャ管1500は、トロカールポートのポート開口を通して挿入管1514に挿入することができる。プッシャ管1500の外径は、トロカールポート1510のポート開口の内径及び挿入管1514の内径よりも小さくすることができる。
図15Cは、トロカールポート1510に完全に挿入された後のプッシャ管1500を示しており、
図15Dは、プッシャ管1500の開端から引き出された後の神経カフ1504を示している。この場合も、プッシャ管は、密閉された近位端及び開いた遠位端を有する。
【0056】
送達管及びプッシャロッドの異なる設計の実施形態が、
図16A、16B、16C、16D、16E及び16Fに示されている。この実施形態は、注文品の丸くない(又は実質的にオブラウンド形(obround)の)トロカールポートに適していることがあり、展開タブを含む又は含まない神経カフに適合可能であることがある。しかしながら、この特定の形状の送達管及びプッシャロッドは例であり、丸形、楕円形など異なる形状に形づくることができる。
図16A及び16Bに示されているように、この実施形態は、遠位端(挿入された後のトロカールポートから最も遠い端)に中央柱1602を有するプッシャロッド1600を含むことができる。中央柱1602は、カフ1604の内側に展開タブ1606が丸められたときのカフ1604の形状に適合する断面を有することができる。
図16Bの端面図に示されているように内側に展開タブ1606が丸められたカフ1604の内部空間は実質的に円形とすることができるが、内部空間の形状は、
図16Aに示された中央柱1602の断面のように、オブロング形である可能性がより高い。プッシャロッド1600の遠位端はさらに、カフ1604の運動を拘束することができる一つ以上のタイン(tine)又は柱1608を含むことができる。
図14A及び
図14B並びに装着柱1406に関して上で述べたとおり、中央柱1602のサイズは、カフのサイズ及び/又は展開タブの包有若しくは排除に応じてさまざまとすることができる。
【0057】
図16Cに示されているようにプッシャロッド1600上にカフ1604が装填されているとき、柱1608は、
図16Dにさらに示されている送達管1610にカフ1604が押し込まれたときに、カフ1604を保持し、カフを保護することができる。Oリング1612又は同様の装置を遠位ブロック1614に装着することができ、遠位ブロック1614は、Oリング1612と送達管1610の内壁との間にシールを形成するように設計された外寸法を有し、このシールにより、送達管1610は遠位端が開き、近位端が密閉される。また、
図16Cに示されているように、カフ1604は、
図16Aに示された中央柱1602上に、カフのリードが遠位方向に延びるように配置することができる。
【0058】
さらに、
図16Eは、患者の体外のトロカールポート1620のトロカールシール及び腹腔の内側の導入管1622に挿入されているときのこの実施形態の送達管1610及びプッシャロッド1600を示している。
図16Fは、導入管1622の遠位端に神経カフ1604が首尾よく送達され、そこで、展開のために神経カフ1604を取り外すことができるような態様で、トロカールポート1620に完全に挿入された送達管1610及びプッシャロッド1600を示している。
【0059】
図17は、丸いトロカールポートに適していることがある、
図15A、15B、15C及び15Dに示された実施形態と同様の送達管又はトロカールカニューレの一実施形態を示している。しかしながら、
図15A、15B、15C及び15Dに示された実施形態の場合とは違い、この実施形態では送達管が壁を持たない。この実施形態は、展開タブを含む又は含まない神経カフに適合可能であることがある。この実施形態は、送達管(神経送達装置とも呼ばれる)又はカニューレ1700からなることができる。送達管1700は、キャップ1704によって密閉されていてもよい。送達管1700は送達管保持部材1706を備え、送達管保持部材1706は、送達管がトロカールを完全に通過することを防ぐためのフランジである。神経カフ1708は、送達管1700の近位端1712により近い部分1710に提供することができる。開端からさらに離して神経インタフェースを配置するのは、展開のために送達管から引き出されるまで神経インタフェースを適所に保持するための開端と神経インタフェースとの間の距離を見込んでのことである。
【0060】
図18は、上記の実施形態のうちの任意の実施形態、すなわち送達管、展開管、又は装着柱若しくは中央柱を備える若しくは備えないプッシャロッドで利用することができる保持特徴の一実施形態を示している。この実施形態では、この保持特徴を、プッシャロッド1600の遠位ブロック1614にピボット回動するように取り付けられた実質的に二重のL字形又はフック形アーム1800とすることができる。
図18は、閉位置(左)及び開位置(右)にあるアーム1800を示している。神経カフは示されていないが、神経カフが中央柱1602上に装着されているとき、アーム1800はカフの遠位端の一部分を覆い、カフをさらに拘束するであろう。アーム1800は、タイン又は柱1608の代わりに使用することができるが、後にさらに説明するアーム1800の動作を収容するために遠位ブロック1614の一部分が切り取られている必要があることがある、タイン又は柱1608は依然として反対側で利用することができる。
【0061】
アーム1800は、ピン1802又は同様の装置によって遠位ブロック1614に、ピボット回動するように取り付けることができる。神経カフが依然として送達管1610内にあるとき、送達管1610の内壁は、アーム1800を、実質的に閉じた位置に押しやることができる。神経カフが送達管1610の端部に近づくと、アーム1800の他端の第2の延長部分1804(第1の延長部分とは逆方向に延びている)が、送達管1610の内壁から延びる解放特徴1806と係合し、それによってアーム1800を押して、カフから離れる方向にアーム1800をピボット回動させることができる。
【0062】
図19A及び19Bは、同様に遠位ブロック1614にピボット回動するように取り付けることができる、保持特徴1900の別の実施形態を示している。遠位ブロック1614の一部分を切り抜くのではなしに、保持特徴1900は、
図19Bに示されているように、タイン又は柱1608の位置に、開位置で成形することができる。基部が可撓性になるように、保持特徴1900の基部1902を細くすることができる。保持特徴1900が送達管1610内にあるときには、拡張された部分によって保持特徴を閉位置に押しやることができる。保持特徴1900が送達管1610の遠位端を出ると、保持特徴は、拡張された部分が送達管1610によってもはや押されなくなったときに、その偏った開位置に自己ピボット回動するであろう。
【0063】
図21A及び21Bは、一実施形態による、トロカールカニューレ又は送達管の神経インタフェース保持特徴の異なる側面の透視断面図である。カニューレ2100は、密閉された端部ないし導入端2102及び開いた端部ないし送達端2104を含む。導入端2102は、使用中、トロカールポート(図示せず)よりも近位にあり、送達端2104は、使用中、トロカールポートよりも遠位にある。この関係は、トロカールカニューレ2100の全体の断面図である
図22A、及びトロカールカニューレ2100の全体を外側から見た
図22Bに、より分かりやすく示されている。
【0064】
導入端2102は、二つの同心環を含むことができ、小さい方の環は、保持特徴帯環(retention feature band)2106を形成し、一連の可撓フィン2108を含む。可撓フィン2108は三角形又は歯の形をしており、幅の広い方の端部は、保持特徴帯環2106の内壁に取り付けられており、幅の狭い方の端部は、保持特徴帯環2106の中心に向かって延びている。可撓フィン2108の幅の狭い方の端部は互いに接しておらず、したがって保持特徴帯環2106の中央に円形の開口を残している。可撓フィン2108は、神経インタフェースのリードが通過することを可能にするためにより大きな空間が形成された二つの可撓フィン間を除いて、保持特徴帯環の内壁を回って等間隔に配置されている。可撓フィン2108は、(神経インタフェースのリード体によって)カニューレ2100に沿って送達端2104に向かって引っ張られる前の神経インタフェースを安定な中心位置に保持するように構成されている。保持特徴は、送達管に挿入され、送達管に沿って開口に向かって動かされたときに神経インタフェースを位置合せされた位置に保持するのを助けるように、また、神経インタフェースと送達管の内面との間の接触を減らすように構成することができる。
【0065】
カニューレ2100の導入端2102はさらに、使用中にカニューレが滑ってトロカールポートを完全に通り抜けてしまうことを防ぐように構成されたフランジ2110を含むことができる。カニューレの導入端2102は、送達端2104よりも大きな半径を有することができ、このより大きな半径から、フランジ2110の位置の近くのより小さな半径までテーパを有することができる。テーパの付いたエリア2112は、その上に保持特徴帯環2106を配置し、所定の位置に保持することができる平らな座2114を含むことができる。
【0066】
図23A及び
図23Bはそれぞれ、
図21Aのトロカールカニューレの近位端の透視図及び端面図を示しており、可撓フィン2108の配置をより分かりやすく示している。
図23Bに最もよく示されているが、六つのフィンは、神経インタフェースリードを収容するためのより幅の広いギャップ2112を互いの間に有する二つのフィン間を除いて、概ね等間隔に配置することができる。
【0067】
図24A及び
図24Bは、
図21A~23Bにおいて上で説明したトロカールカニューレの導入端であって、案内部材2400をさらに含む導入端の近くの二つの異なる透視断面図を含む。案内部材2400は、カニューレの導入端2102の内部にぴったりとはまった追加の同心環又は帯環とすることができ、神経インタフェースが可撓フィン2108まで及び可撓フィン2108を通ってしっかりと案内されるよう導入端の半径をさらに小さくするように構成されたものとすることができる。
【0068】
保持特徴2500の追加の実施形態が
図25Aに示されている。
図25Aは、神経インタフェース保持特徴の透視図を示している。保持特徴2500の端面図が
図25Bに示されている。保持特徴2500は、カニューレの導入端2102の中にぴったりとはまった同心帯環とすることができるが、六つの可撓フィン2108に対して二つの可撓フィン2502だけを含むことができる。二つのフィン2502は、導入端の中心の近くのフィンの幅の狭い方の端部2504においてギャップによって分離されていてもよく、このギャップは、内壁に向かって拡大して長方形のエリア2406になっている。この長方形のエリアは、神経インタフェースのリードを収容するように構成することができる。
【0069】
例示的な実施形態
実施形態の以下のリストも本開示の部分を形成する。
【0070】
実施形態1:神経インタフェース装置を展開するための展開タブであって、神経インタフェースの近くに配置されるように構成された第1のエリアと、第1のエリアに固定された、第1のエリアを神経インタフェースに解放可能に結合するためのコネクタとを備える展開タブ。
【0071】
実施形態2:展開タブが平らな形状を含む、実施形態1の展開タブ。
【0072】
実施形態3:展開タブが三角形の形状を少なくとも部分的に含む、実施形態1又は2の展開タブ。
【0073】
実施形態4:第2のエリアと、第1のエリアと第2のエリアとの間の中央エリアとをさらに備える、前記実施形態のいずれかの展開タブ。
【0074】
実施形態5:第1のエリアが第2のエリアよりも幅が広い、実施形態4の展開タブ。
【0075】
実施形態6:第1のエリアを移動させて神経インタフェース装置から離すことを可能にするために、展開タブの切り開きが、コネクタの少なくとも一部分を解放する、前記実施形態のいずれかの展開タブ。
【0076】
実施形態7:第1のエリアから中央エリアを通って第2のエリアまで延びる少なくとも1本の通路であり、それぞれの通路が、第1のエリアに第1の開口を含み、第2のエリアに第2の開口を含む、少なくとも1本の通路をさらに備える、実施形態4から6のいずれか一つの展開タブ。
【0077】
実施形態8:コネクタが、少なくとも1本の通路を第2の開口から第1の開口まで通り、第1のエリアを植え込み可能な装置の近くに保持するための、第1のエリアに固定された縫合糸である、実施形態7の展開タブ。
【0078】
実施形態9:少なくとも1本の通路を横切って延びる切断可能な部分であり、切断可能な部分が切り開かれたときに、少なくとも1本の通路内のコネクタの少なくとも一部分を解放するように構成された、切断可能な部分を備え、縫合糸の少なくとも一部分の解放が、第1のエリアが移動して植え込み可能な装置から離れることを可能にする、実施形態7又は8の展開タブ。
【0079】
実施形態10:コネクタが、少なくとも1本の通路を第2の開口から第1の開口まで通る第1の部分を含み、コネクタが、植え込み可能な装置に取り外し可能に取り付けられた第2の部分を含み、コネクタが、少なくとも1本の通路を第1の開口から第2の開口まで通る第3の部分を含み、第1の部分が第2の部分に接続されており、第2の部分が第3の部分に接続されている、実施形態7から9のいずれか一つの展開タブ。
【0080】
実施形態11:少なくとも1本の通路が第1の通路及び第2の通路を含み、第1の部分が第1の通路を通っており、第3の部分が第2の通路を通っている、実施形態7から10のいずれか一つの展開タブ。
【0081】
実施形態12:少なくとも第1のエリア及び第2のエリアが、丸みのある縁を含む、実施形態4から11のいずれか一つの展開タブ。
【0082】
実施形態13:切断可能な部分が、少なくとも第1の通路及び第2の通路を横切って延びる、中央エリアの一段低くなったエリアである、実施形態9から12のいずれか一つの展開タブ。
【0083】
実施形態14:コネクタを解放するために一段低くなったエリアが切り開かれたときに中央エリアの少なくとも一部分が2片に切断されないように、中央エリアの一段低くなったエリアが、中央エリアの幅の一部分だけを横切って延びている、実施形態13の展開タブ。
【0084】
実施形態15:コネクタを解放するために一段低くなったエリアが切り開かれたときに中央エリアが2片に切断されるように、一段低くなったエリアが、中央エリアの全幅を横切って延びている、実施形態13の展開タブ。
【0085】
実施形態16:展開タブが丸められることを可能にする縦方向可撓性を提供し、一方で、展開タブが広げられているときに横方向剛性を提供するために、少なくとも中央エリアが、中央エリアの幅を横切って延びる一連の交互に並ぶ横方向尾根部及び横方向谷部を含む、実施形態4から15のいずれか一つの展開タブ。
【0086】
実施形態17:第1のエリア及び第2のエリアが、第1のエリアの幅及び第2のエリアの幅を横切って延びる交互に並ぶ横方向尾根部及び横方向谷部を含む、実施形態4から16のいずれか一つの展開タブ。
【0087】
実施形態18:少なくとも1本の通路が、それぞれの横方向尾根部を貫くトンネル及びそれぞれの横方向谷部を横切る管によって形成された、実施形態16又は17の展開タブ。
【0088】
実施形態19:切断可能な部分が横方向谷部である、実施形態9から18のいずれか一つの展開タブ。
【0089】
実施形態20:コネクタが、第1のエリアの中に成形されることによって第1のエリアに固定されている、前記実施形態のいずれかの展開タブ。
【0090】
実施形態21:コネクタが、接着剤によって第1のエリアに固定されている、前記実施形態のいずれかの展開タブ。
【0091】
実施形態22:第1のエリア、第2のエリア及び中央エリアがシリコーンから成形されている、実施形態4から21のいずれか一つの展開タブ。
【0092】
実施形態23:少なくとも第2のエリアに、第2の開口に向かってテーパが付けられている、実施形態7から22のいずれか一つの展開タブ。
【0093】
実施形態24:テーパが付けられた第2のエリアが、操作のための握持点を含む、実施形態23の展開タブ。
【0094】
実施形態25:握持点が開口を含む、実施形態24の展開タブ。
【0095】
実施形態26:タブが、第1の表面と、第1の表面の反対側の第2の表面とを含み、第1の表面が、切断可能な部分の位置の指示を提供し、第2の表面が、接触を減らすために、展開タブの長さに沿った複数の縦方向溝を含む、前記実施形態のいずれかの展開タブ。
【0096】
実施形態27:少なくとも第2のエリア及び中央エリアにテーパが付けられており、複数の縦方向溝の第1の部分が、第1のエリアから中央エリアを通って第2のエリアまで延びており、複数の縦方向溝の第2の部分が、第1のエリアから中央エリアまで延びている、実施形態26の展開タブ。
【0097】
実施形態28:第2のエリアの厚さに、第2のエリアの縁から中央エリアに向かってテーパが付けられている、実施形態4から27のいずれか一つの展開タブ。
【0098】
実施形態29:前記厚さが、第2のエリアの縁から中央エリアに向かって増大している、実施形態28の展開タブ。
【0099】
実施形態30:第2のエリアが丸みのある縁を備える、実施形態4から27のいずれか一つの展開タブ。
【0100】
実施形態31:前記請求項のいずれかに記載の展開タブと、標的の周りに少なくとも部分的に置くためのカフ部分を備える神経インタフェースとを備えるシステム。
【0101】
実施形態32:神経インタフェースの開口部分が、展開タブに取り外し可能に結合されるように構成された、実施形態31のシステム。
【0102】
実施形態33:カフ部分が、スパインと、スパインから延び、電極を備える少なくとも2本の湾曲したアームとを備え、湾曲したアームのそれぞれの開端が、展開タブに取り外し可能に結合されている、実施形態31又は32のシステム。
【0103】
実施形態34:カフ部分が、第1の方向に移動させるための第1のアームと、第1の方向とは実質的に反対の第2の方向に移動させるための1本以上の第2のアームとを備え、コネクタの第2の部分が、1本以上の第2のアームに取り外し可能に取り付けられている、実施形態31から33のいずれか一つのシステム。
【0104】
実施形態35:1本以上の第2のアームが、第1のアームの反対側に配置された2本のアームを含み、2本のアームのうちの一方のアームが、第1の通路の第1の開口と位置合せされており、2本のアームのうちのもう一方のアームが、第2の通路の第1の開口と位置合せされている、実施形態34のシステム。
【0105】
実施形態36:1本以上の第2のアームが第1のアイレットを含み、もう一方のアームが第2のアイレットを含んでおり、第1の部分又は第3の部分の少なくとも一方が切断可能な部分で切り開かれて、コネクタの第2の部分をカフから引き離すことができるようになるまでは、第1のエリアをカフの近くに保持するように、コネクタの第2の部分が、第1のアイレット及び第2のアイレットを通り抜けることによってカフに取り外し可能に取り付けられている、実施形態31から35のいずれか一つのシステム。
【0106】
実施形態37:タブの中央エリアの厚さが、神経インタフェースの厚さに等しいか又は神経インタフェースの厚さよりも厚い、実施形態31から35のいずれか一つのシステム。
【0107】
実施形態38:1本以上の第2のアームが、タブの幅と長さの両方に対して垂直な方向のアーム高さを有し、中央エリアが、アーム高さに対して実質的に平行に走る高さを有し、中央エリアの高さがアーム高さよりも高い、実施形態34から37のいずれか一つのシステム。
【0108】
実施形態39:タブの第1のエリアの幅が、神経インタフェースの幅に等しいか又は神経インタフェースの幅よりも広い、実施形態31から35のいずれか一つのシステム。
【0109】
実施形態40:カフが、一方のアームの外側部からもう一方のアームの外側部まで測定される、第1のエリアの幅に対して実質的に平行に走る幅を有し、第1のエリアの幅がカフの幅よりも広い、実施形態34から39のいずれか一つのシステム。
【0110】
実施形態41:展開タブが、標的に対する神経インタフェースの適合具合を測定する測定ツールとして構成可能である、実施形態31から40のいずれか一つのシステム。
【0111】
実施形態42:適合具合の測定値が、展開タブの尾根部又は溝若しくは谷部間の距離に基づいて決定される、実施形態41のいずれか一つのシステム。
【0112】
実施形態43:適合具合の測定値が、展開タブの第1の部分と展開タブの第2の部分との間の距離に基づいて決定される、実施形態41又は42のシステム。
【0113】
したがって、神経カフ用の展開タブは、神経カフの厚さ及び/又は幅よりもわずかに大きい厚さ及び/又は幅を有することができる。展開タブは、展開タブに通され、神経カフに取り外し可能に取り付けられた、固定された縫合糸を含むことができる。展開タブの少なくとも一部分を切り開くことによって、展開ツールを神経カフから完全に分離することができる。展開タブは、一方の面に、横断方向の(又は横方向の、展開タブの幅に沿った)一連の尾根部及び谷部を含むことができ、それらの尾根部及び谷部は、切り開きガイドの役目を果たすことができ、また、送達のために展開タブを丸めて小さなサイズにすることを可能にすることができる。展開タブは、反対側の面に、縦方向の一連の尾根部及び谷部を含むことができ、それらの尾根部及び谷部は、(展開タブが丸められているときを含め)接触面を最小化する役目を果たすことができる。展開タブは、テーパの付いた近位端を含むことができ、カフに対して切開開口が十分に大きいことを確認するための器具(例えばゴー/ノーゴーゲージ)及び鈍的切開(blunt dissection)ツールとして動作するように構成することができる。言い換えると、展開タブは、標的、例えば神経血管束の周りに再現可能な鈍的切開を提供するように構成することができる。この鈍的切開は、神経束に損傷を与えないものとすることができる。例えば、展開タブのさまざまな異なる形状(実質的に三角形、又はテーパの付いた/変化する幅)、展開タブの丸みのある縁又はコーナ、及び/又は展開タブのテーパリング厚さ、のうちの少なくとも一つは、鈍的切開ツールとしての展開タブの機能を助けることができる。展開タブの厚さ及び/又は幅が切開部にはまらない場合、それよりもわずかに小さい神経カフもはまらない可能性がある。固定された縫合糸は、展開タブの少なくとも一部分が切り開かれたときに縫合糸が切断され、それにより神経カフの予め取り付けられた部分から展開タブを解放するように、展開タブ内に配置される。
【0114】
さらに、特に展開中に、取り外し可能に取り付けられた神経インタフェースのアームを平行に保つように、展開タブを構成することができる。さらに、少なくとも二つの位置(例えば、展開タブの第1のエリアの第1の通路の第1の開口の付近、及び展開タブの第1のエリアの第2の通路の第1の開口の付近。コネクタは、これらの通路を通過するように構成されている)で神経インタフェースに取り外し可能に接続されている展開タブ。したがって、展開タブは、取り外し可能に取り付けられた神経インタフェースのアームが展開中に神経血管束の下に通されたときに、それらのアームが交差するのを防ぐことができる。言い換えると、第1のエリアに結合された神経インタフェースの部分を第1のエリアの縁に対して平行に維持するように、展開タブを構成することができる。第1のエリアに結合された神経インタフェースの部分を互いから所定の距離離れたところに維持するように、展開タブを構成することができる。この所定の距離は、展開タブの第1のエリアの幅の少なくとも一部とすることができる。この所定の距離を、第1の通路の第1の開口と第2の通路の第1の開口との間の距離とすることができる。
【0115】
展開タブは、神経カフの厚さ及び長さよりもわずかに大きい厚さ及び幅を有することができる。展開タブは、展開タブの一部分を切り開くことによって展開ツールを神経カフから完全に分離することができるような態様で展開タブに通され、神経カフに取り外し可能に取り付けられた、固定された縫合糸を含む。展開タブは、テーパの付いた近位端を含むことができ、ゴー/ノーゴーゲージとして動作するように構成することができる。展開タブの厚さ及び幅が切開部にはまらない場合、それよりもわずかに小さい神経カフもはまらない可能性がある。固定された縫合糸は、展開タブが切り開かれたときに縫合糸が切断され、それにより神経カフの予め取り付けられた部分から展開タブを解放するように、展開タブ内に配置される。
【0116】
実施形態の以下のリストも本開示の部分を形成する。
【0117】
実施形態1:患者に植え込むために神経インタフェース装置を腹腔内に送達するためのツール又はシステムであって、腹腔を通って挿入するための挿入管であり、挿入管が、密閉されたポート及び挿入されたときに腹腔内に配置される開端を有する、挿入管と、挿入管の密閉されたポートを通して挿入するための送達管であり、神経インタフェース装置のための開口を第1の端部に備える、送達管とを備えるツール又はシステム。
【0118】
実施形態2:送達管が、開端の開口の近くに、送達管の開口のところの位置に神経インタフェース装置を保持するためのホルダを含む、実施形態1のツール又はシステム。
【0119】
実施形態3:送達管が、送達管の開端の近くに配置された横断壁を含み、ホルダが、この壁に装着されている、実施形態1又は2のツール又はシステム。
【0120】
実施形態4:送達管の密閉可能な端部に挿入するための第1の端部と、送達管の密閉可能な端部から延出するための第2の端部とを有するプッシャロッドをさらに備え、第1の端部が、神経インタフェース装置を前記位置に保持するためのホルダを含む、実施形態1のツール又はシステム。
【0121】
実施形態5:プッシャロッドが、ホルダの直ぐ下の第1のフランジと、プッシャロッドの長さに沿って第1のフランジから距離を置いて配置された第2のフランジとを含み、神経インタフェース装置と送達管の内面との間の接触を減らすために、第1のフランジ及び第2のフランジが内面に触れ、内面に沿って摺動する、実施形態4のツール又はシステム。
【0122】
実施形態6:第2のフランジが、送達管を密閉するように構成された、実施形態5のツール又はシステム。
【0123】
実施形態7:送達管の密閉可能な端部から開端まで送達ロッドを移動させる間にプッシャロッドが傾くことを防ぐのに、前記距離が十分である、実施形態5又は6のツール又はシステム。
【0124】
実施形態8:第1のフランジが、神経インタフェース装置に接続された縫合糸に到達するための切欠き部を含む、実施形態5から7のいずれかのツール又はシステム。
【0125】
実施形態9:ホルダが装着柱を含み、神経インタフェース装置が、装着柱の周りに配置されるように構成された、実施形態5から8のいずれかのツール又はシステム。
【0126】
実施形態10:神経インタフェース装置が、神経インタフェースを標的の周りに置くことを可能にする中央開口を有し、神経インタフェース装置が、神経インタフェース装置が送達管の中にある間は第1の中央開口内に丸められている展開タブに取り付けられており、丸められている展開タブが、装着柱の周りに配置されるように構成されている、実施形態9のツール又はシステム。
【0127】
実施形態11:装着柱が、神経インタフェース装置の形状に適合するように形づくられている、実施形態9又は10のツール又はシステム。
【0128】
実施形態12:装着柱が中央柱であり、ホルダがさらに、神経インタフェース装置の外側に配置された少なくとも1本の側柱であり、装着柱上に保持されている間、神経インタフェース装置を保持するための少なくとも1本の側柱を含む、実施形態9から11のいずれかのツール又はシステム。
【0129】
実施形態13:少なくとも1本の側柱が後退可能であり、送達管と係合していないことによって作動する解放機構を含む、実施形態13のツール又はシステム。
【0130】
実施形態14:送達管が、送達管の開端の近くの内面から延びる部分を含み、少なくとも1本の側柱が後退可能であり、プッシャロッドの第1の端部が送達管の開端を出たときに、前記部分が、少なくとも1本の側柱と係合して、少なくとも1本の側柱を後退させる、実施形態12又は13のツール又はシステム。
【0131】
実施形態15:プッシャロッドが、第1の端部の近くに配置されたブロックを含み、ブロックが、送達管を密閉するための一つ以上のOリングを含む、実施形態4から14のいずれかのツール又はシステム。
【0132】
実施形態16:送達管及びプッシャロッドが円形の断面を有する、実施形態4から15のいずれかのツール又はシステム。
【0133】
実施形態17:送達管及びプッシャロッドが非円形の断面を有する、実施形態4から16のいずれかのツール又はシステム。
【0134】
実施形態18:非円形の断面が、オブラウンド形、楕円形、正方形、長方形及び多角形のうちの一つである、実施形態17のツール又はシステム。
【0135】
実施形態19:送達管の密閉可能な端部が保持特徴を含む、前記実施形態のいずれかのツール又はシステム。
【0136】
実施形態20:保持特徴が、送達管内に配置された帯環を含み、帯環が、帯環の内壁から延びる複数の可撓フィンを含み、複数の可撓フィンが、送達管に挿入されたときの神経インタフェース装置の位置合せを維持するように構成された、実施形態19のツール又はシステム。
【0137】
実施形態21:複数の可撓フィンの各々が三角形又は歯の形であり、より幅の広い端部が帯環の内壁に取り付けられており、より幅の狭い端部が帯環の中心に向かって延びている、実施形態20のツール又はシステム。
【0138】
実施形態22:複数の可撓フィンが、可撓フィンのうちの二つのフィン間を除いて帯環の内壁を回って等間隔に配置されており、可撓フィンのうちのこの二つのフィン間では、より大きな空間が、神経インタフェース装置のリードが通過することを可能にする、実施形態21のツール又はシステム。
【0139】
実施形態23:送達管の密閉可能な端部がさらに、神経インタフェース装置が保持特徴を通過する前の送達管の内径を小さくするように構成された案内部材を含む、実施形態19から22のいずれかのツール又はシステム。
【0140】
実施形態24:送達管がステンレス鋼で形成された、前記実施形態のいずれかのツール又はシステム。
【0141】
実施形態25:送達管の第1の端部の開口が、中実送達管に形成された穴であり、この穴の軸が中実送達管の軸と一致している、前記実施形態のいずれかのツール又はシステム。
【0142】
実施形態26:送達管が、送達管が所定の量を超えて挿入管を通過することを防ぐように構成された送達管保持特徴を備える、前記実施形態のいずれかのツール又はシステム。
【0143】
実施形態27:送達管が第2の端部を備え、第2の端部では、送達管の長さに対して垂直な方向に穴が送達管を貫いている、前記実施形態のいずれかのツール又はシステム。
【0144】
実施形態28:ホルダが、送達管の開口の内面と神経インタフェース装置との間の摩擦によって提供された、実施形態2から27のいずれか一つのツール又はシステム。
【0145】
実施形態29:ホルダが、送達する神経インタフェース装置との締りばめとして提供された、実施形態2から28のいずれか一つのツール又はシステム。
【0146】
送達ツールは、開いた遠位端と密閉された近位端とを有する管を含むことができ、この管は、トロカールポートの密閉されたポート(言い換えると密閉可能なポート)及び導入管に挿入するように構成されている。この送達ツールはさらに、管内に配置された、神経インタフェースを保持するための保持機構を含むことができ、神経インタフェースのリードは管の遠位端に向かって延びており、ホルダ上又はホルダ内に装着されている神経インタフェースの外径は管の内径よりも小さい。過剰な量の摩擦及び/又は早期の解放を管理及び/又は防止するため、この保持機構は、神経インタフェースが管内で位置合せされた状態を維持するように、神経インタフェースを保持することができる。一実施形態では、この保持機構を送達ツールの端部に配置することができる。別の実施形態では、この保持機構を、オペレータに近い方の管の端部から、オペレータから遠い方の管の端部まで神経インタフェースを移動させるように構成することができ、オペレータから遠い方の管の端部から、1本以上の神経の周りに展開するために神経インタフェースを取り外すことができる。
【0147】
さまざまな実施形態に関して本開示の実施形態を示し、説明したが、本開示の実施形態は、本明細書に含まれる特定の記述だけに限定されない。本開示を実施するために、追加の代替又は等価の構成要素及び要素を容易に使用することができる。
【国際調査報告】