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特表2023-503375ブランクの束のためのマガジンおよびブランクから容器を製造するための方法
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  • 特表-ブランクの束のためのマガジンおよびブランクから容器を製造するための方法 図1
  • 特表-ブランクの束のためのマガジンおよびブランクから容器を製造するための方法 図1A
  • 特表-ブランクの束のためのマガジンおよびブランクから容器を製造するための方法 図1B
  • 特表-ブランクの束のためのマガジンおよびブランクから容器を製造するための方法 図1C
  • 特表-ブランクの束のためのマガジンおよびブランクから容器を製造するための方法 図2
  • 特表-ブランクの束のためのマガジンおよびブランクから容器を製造するための方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-27
(54)【発明の名称】ブランクの束のためのマガジンおよびブランクから容器を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/24 20060101AFI20230120BHJP
【FI】
B65H31/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532763
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-07
(86)【国際出願番号】 IB2020060929
(87)【国際公開番号】W WO2021111231
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】102019000022638
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】カルボーニ,サルバトーレ
(72)【発明者】
【氏名】ビオンディ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ヴィターリ,アントニオ
【テーマコード(参考)】
3F054
【Fターム(参考)】
3F054AA04
3F054AB01
3F054AC09
3F054BA02
3F054BD04
3F054BD06
3F054BJ01
3F054DA04
3F054DA11
(57)【要約】
ブランクの束(M)のためのマガジン(1)は、ブランクの束(M)を挿入および抽出するように構成された垂直チャネル(2)と、引っ込められた位置と少なくとも部分的に引き出された位置との間で移動可能である一連の支持部品(4)のグループであって、引っ込められた位置では、当該支持部品(4)は、ブランク(M)の束がチャネル(2)に沿って当該支持部品(4)の下の部分に向かって移動することを可能にし、少なくとも部分的に引き出された位置では、当該支持部品(4)は、チャネル(2)を下に移動するブランク(M)の束を遮って当該ブランクの束(M)に安定した支持を提供する、一連の支持部品(4)のグループと、伝達手段(5)であって、各支持部品(4)を、そのすぐ下の支持部品(4)が対応するブランクの束(M)を遮り、それによって安定した支持を規定するときに、引っ込められた位置から少なくとも部分的に引き出された位置に自動的に移動させるように構成された伝達手段(5)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランクの束(M)のためのマガジン(1)であって、
垂直チャネル(2)であって、当該垂直チャネル(2)の上部開口部(2a)を通してブランクの束(M)を挿入および抽出するように構成された垂直チャネル(2)と、
互いに所定の距離(H1)で前記垂直チャネル(2)の内壁(2b)の高さ(H)に沿って間隔を空けて配置された一連の支持部品(4)のグループであって、支持部品(4)の各グループは、対応するそれぞれのブランクの束(M)の底部を支持するために前記垂直チャネル(2)の対応するそれぞれの高さに配置され、各支持部品(4)は、引っ込められた位置と少なくとも部分的に引き出された位置との間で移動可能であり、前記引っ込められた位置では、当該支持部品(4)は、前記ブランク(M)の束が前記垂直チャネル(2)に沿って当該支持部品(4)の下の部分に向かって移動することを可能にするように、前記垂直チャネル(2)の前記内壁(2b)に対して位置合わせされまたは奥まっており、前記少なくとも部分的に引き出された位置では、当該支持部品(4)は、前記垂直チャネル(2)を下に移動するブランク(M)の束を遮って当該ブランクの束(M)に安定した支持を提供するように、前記内壁(2b)から前記垂直チャネル(2)の内部に向かって突出している、一連の支持部品(4)のグループと、
伝達手段(5)であって、各支持部品(4)を、そのすぐ下の前記支持部品(4)が対応するブランクの束(M)を遮り、それによって前記安定した支持を規定するときに、前記引っ込められた位置から前記少なくとも部分的に引き出された位置に自動的に移動させるように構成された伝達手段(5)と、を備えるマガジン(1)。
【請求項2】
前記少なくとも部分的に引き出された位置は、前記支持部品(4)の前記引っ込められた位置と完全に引き出された位置との間の、前記支持部品(4)の中間位置であり、前記完全に引き出された位置は、好ましくは、対応するブランクの束(M)に前記安定した支持を規定するために前記垂直チャネルの前記内壁(2b)に実質的に垂直であるように、前記支持部品(4)を配置することによって規定される、請求項1に記載のマガジン(1)。
【請求項3】
前記内壁(2b)は、各々が対応する支持部品(4)を収容するように構成された適切な溝(2c)を備える、請求項1または2に記載のマガジン(1)。
【請求項4】
各支持部品(4)は、前記引っ込められた位置から前記少なくとも部分的に引き出された位置に、および前記少なくとも部分的に引き出された位置から前記引っ込められた位置に、水平軸周りに回転運動によって移動可能であり、前記完全に引き出された位置は、好ましくは、前記支持部品(4)に載っているブランクの束(M)の重量下での当該支持部品(4)のさらなる回転によって規定される、請求項1から3の一項または複数に記載のマガジン(1)。
【請求項5】
各支持部品(4)は、支持部分(4a)および接触部分(4b)を備え、前記支持部分(4a)は、好ましくは平坦であり、対応するブランクの束(M)に前記安定した支持を規定するように構成されており、前記接触部分(4b)は、前記支持部品(4)を前記引っ込められた位置から前記少なくとも部分的に引き出された位置に自動的に移動させるように前記伝達手段(5)と相互作用するように構成されており、前記支持部品(4)の重心は、前記少なくとも部分的に引き出された位置から前記引っ込められた位置への前記回転運動が自動的に実行できるような位置にある、請求項4に記載のマガジン(1)。
【請求項6】
各支持部品(4)は、前記少なくとも部分的に引き出された位置から前記引っ込められた位置への前記回転運動が重力によって自動的に実行できるように、前記支持部分(4a)と前記支持部品の前記重心との間の中間位置に位置する傾斜軸周りに回転可能である、請求項5に記載のマガジン(1)。
【請求項7】
前記伝達手段(5)は、駆動ロッド(5a)によって具現化され、前記駆動ロッド(5a)は、2つのそれぞれの重ねられた支持部品(4)の間に延在しており、下の前記支持部品(4)が前記完全に引き出された位置に達した後に前記駆動ロッド(5a)が持ち上げられた上昇位置と、下の前記支持部品(4)が前記引っ込められた位置に到達した後に前記駆動ロッド(5a)が重力によって下降する下降位置との間で移動可能であり、前記駆動ロッド(5a)が前記上昇位置にあるときに、上の前記支持部品(4)は前記引っ込められた位置から前記部分的に引き出された位置に移動する、請求項2から6の一項または複数に記載のマガジン(1)。
【請求項8】
前記駆動ロッド(5a)は、前記傾斜軸に対して前記支持部分(4a)の反対側の前記支持部品(4)のそれぞれの部分で上下の前記支持部品(4)と支持関係を持って係合される、または係合可能である、請求項6に従属する場合の請求項7に記載のマガジン(1)。
【請求項9】
前記伝達手段(5)は、各駆動ロッドを対応するそれぞれの垂直スライドチャネル(2d)にスライド可能に収容することによって、前記垂直チャネル(2)の前記内壁(2b)に収容される、請求項1から8の一項または複数に記載のマガジン(1)。
【請求項10】
ブランクから容器を、特にカプセルなどのばら物品を収容するための容器を製造するための方法であって、
一連のブランクであって、好ましくは平坦である一連のブランクを準備するステップと、
一連の三次元容器を得るために、前記一連のブランクを、各ブランク上に好ましくは事前に形成された折り目で折り曲げるステップと、を含み、
前記一連のブランクを準備する前記ステップは、垂直チャネルを備え且つ複数の束(M)を支持するように構成されたマガジン(1)からブランクの束(M)を引き出すステップによって達成され、前記ブランクの束(M)は、互いに所定の距離(H1)で前記垂直チャネル(2)の内壁(2b)の高さ(H)に沿って分散配置された一連の支持部品(4)のグループによって、上下に間隔を空けて前記マガジン(1)内に収容でき、支持部品(4)の各グループは、対応するブランクの束(M)の底部を支持するために前記垂直チャネル(2)の対応する高さに配置されており、各支持部品(4)は、引っ込められた位置と少なくとも部分的に引き出された位置との間で移動可能であり、前記引っ込められた位置では、当該支持部品(4)は、前記ブランクの束(M)が前記垂直チャネル(2)に沿って当該支持部品(4)の下の部分に向かって移動することを可能にするために、前記垂直チャネル(2)の前記内壁(2b)に対して位置合わせされまたは奥まっており、前記少なくとも部分的に引き出された位置では、当該支持部品(4)は、前記垂直チャネル(2)を下に移動するブランクの束(M)を遮って当該ブランクの束(M)に安定した支持を提供するように、前記内壁(2b)から前記垂直チャネル(2)の内部に向かって突出しており、前記マガジン(1)から前記ブランクの束(M)を引き出す前記ステップは、具体的には前記垂直チャネル(2)の上部にある上部開口部(2a)を通して、前記垂直チャネル(2)から前記ブランクの束(M)を垂直に抽出するステップによって達成される、方法。
【請求項11】
前記ブランクは複雑な形状を有し、具体的には、少なくとも主の展開方向と、前記主の展開方向に垂直な方向に沿って延びる少なくとも1つの突出部とを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記マガジン(1)からブランクの束(M)を垂直に抽出する前記ステップは、対応する支持部品のグループから前記束(M)を持ち上げるステップによって達成され、そのすぐ上の支持部品(4)を前記少なくとも部分的に引き出された位置から前記引っ込められた位置に自動的に動かすステップが続く、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのブランクの束(M)を前記マガジン(1)に配置するステップをさらに含み、配置する前記ステップは、対応するそれぞれの支持部品(4)のグループの支持部品(4)に前記束(M)を載置するステップによって達成され、そのすぐ上の支持部品(4)のグループの各支持部品(4)を、前記引っ込められた位置から前記少なくとも部分的に引き出された位置に自動的に移動させるステップが続く、請求項10から12の一項または複数に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランクの束のためのマガジンに関する。
【0002】
「ブランクの束」とは、単一の構成単位を形成するために互いに積み重ねられたブランクの集まりを意味する。ブランクは、例えば、板紙でできていてもよいが、ブランクが何に使用されるかに応じて、他の材料が使用されてもよい。
【背景技術】
【0003】
現在までに知られているブランクの束を収容するためのマガジンは、その軸に沿って水平に延びる。これらの水平マガジンは通常、断面であって、その形状が単一のブランク(またはブランクの束)の外形に沿った断面を持つ。言い換えれば、ブランクまたはブランクの束は、水平に延びる単一の積み重なりを規定するように、同じく水平に延びるマガジンのチャネル内をスライドさせられる。
【0004】
不利なことに、このタイプのマガジンは、ブランク、より具体的には、特定の数またはタイプのブランクの束を引き出すことを困難にする。
【0005】
さらに、それらを引き出すのが難しいと、オペレータまたは自動ハンドリング手段によってブランクが損傷し得る。
【0006】
不利なことに、その構成は、このタイプのマガジンの設置面積が大きいことを意味し、実際には、建物/保管施設を設計するときにそのマガジンに最適な場所を見つけるのに支障をきたす。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の技術的目的は、従来技術の欠点を克服することができる、ブランクの束のためのマガジンを提供することである。
【0008】
本発明の目的は、設置面積が低減された、ブランクの束のためのマガジンを提供し、建物/保管施設を設計するときに当該マガジンの適切な場所をより容易に特定することを可能にすることである。
【0009】
本発明の別の目的は、ブランクまたはブランクの束を容易に抽出することを可能にする、ブランクの束のためのマガジンを提供することである。
【0010】
示された技術的目的および特定された目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を含む、ブランクの束のためのマガジンによって実質的に達成される。従属請求項は、本発明の可能な実施形態に対応する。
【0011】
より具体的には、示された技術的目的および特定された目的は、垂直チャネルであって、当該チャネルの上部の開口部を通してブランクの束を挿入および抽出するように構成された垂直チャネルを備える、ブランクの束のためのマガジンによって実質的に達成される。
【0012】
チャネルはまた、一連の支持部品のグループを備え、一連の支持部品のグループは、互いに所定の距離でチャネルの内壁の高さに沿って間隔をあけて配置されており、支持部品の各グループは、対応するブランクの束の底部を支持するために、チャネルの対応する高さに配置されている。各支持部品は、引っ込められた位置と少なくとも部分的に引き出された位置との間で移動可能であり、引っ込められた位置では、当該支持部品は、ブランクの束がチャネルに沿って当該支持部品の下の部分に向かって移動することを可能にするために、チャネルの内壁に対して位置合わせされまたは奥まっており、少なくとも部分的に引き出された位置では、当該支持部品は、チャネルを下って移動するブランクの束を遮って(intercept)当該ブランクの束に安定した支持を提供するように、内壁からチャネルの内部に向かって突出している。
【0013】
マガジンはまた、伝達手段を備え、伝達手段は、各支持部品を、そのすぐ下の支持部品が対応するブランクの束を遮るときに、引っ込められた位置から少なくとも部分的に引き出された位置に自動的に移動させ、それによって安定した支持を規定するように構成されている。
【0014】
支持部品は、種々のブランクの束に対して(異なるサイズのブランクであっても)種々の保管高さ(storage levels)を生成できる。さらに、支持部品は、例えば最も曲がったりたるんだりしやすいゾーンにおいて、例えば、束の周囲に沿って配置された複数の点でブランクの束を支持する位置に配置される。各グループの、つまり各高さの支持要素の数および/または位置は、例えば、束をマガジンから垂直にのみ取り出すことができ、例えば側面からは取り出せないように束を停止させ得る。これは、アンダーカットのある複雑な形状のブランクの場合に特に一般的である。マガジンは扱いやすいサイズで且つオペレータにとって使い易い。マガジンはまた、自動化手段で使用されるように構成されている。
【0015】
有利なことに、マガジンは、ブランクの束が挿入されたときに、およびそれらが抽出されたときに(束がオペレータによってまたは自動化手段によって挿入/抽出されようと)、それらの損傷を回避することを可能にする。
【0016】
本発明によるマガジンは、三次元容器、特にコーヒー市場向けのばら製品(loose products)のパッケージ、例えば、カプセルまたはポッドを製造することを目的としたブランクの一時的な保管のために特に設計されている。より一般的に言えば、本発明は、以下の分野における容器の製造に適用可能である。すなわち、食品、吸収性製品、陶磁器、タバコ産業、空で販売することを目的とした高品質の箱または標準の箱の分野における容器の製造に適用可能である。
【0017】
本発明はまた、ブランクが複雑な形状を有する場合にブランクの束を保管するのに特に適している。つまり、詳細には、ブランクの形状は、平面図において、単純に凸多角形の形状ではなく、少なくとも1つの展開方向と主の展開方向に垂直な方向に沿って延びる少なくとも1つの突起を持つ構造をブランクに与える1つまたは複数の突出部(lobes)を持っていることを意味する。例えば、ブランクは、T字形または十字形であり得る。
【0018】
上記に照らして、本発明の別の目的は、ブランクから容器、特にカプセルなどのばら物品を収容するための容器を製造するための方法であり、当該方法は、一連のブランク、好ましくは平坦な一連のブランクを準備するステップと、一連の三次元容器を得るために、一連のブランクを、各ブランク上に好ましくは事前に形成された折り目で折り曲げるステップとを含み、一連のブランクを準備するステップは、前述の内容によるマガジン、および/または本発明によるマガジン、特に、垂直チャネルを備え且つ複数の束を支持するように構成されたマガジンからブランクの束を引き出すステップによって達成され、ブランクの束は、互いに所定の距離でチャネルの内壁の高さに沿って分散配置された一連の支持部品のグループによって、上下に間隔を空けてマガジン内に収容できる。したがって、支持部品の各グループは、対応するブランクの束の底部を支持するためにチャネルの対応する高さに配置されており、各支持部品は、引っ込められた位置と少なくとも部分的に引き出された位置との間で移動可能であり、引っ込められた位置では、当該支持部品は、ブランクの束がチャネルに沿って当該支持部品の下の部分に向かって移動することを可能にするために、チャネルの内壁に対して位置合わせされまたは奥まっており、少なくとも部分的に引き出された位置では、当該支持部品は、チャネルを下って移動するブランクの束を遮って当該ブランクの束に安定した支持を提供するように、内壁からチャネルの内部に向かって突出している。マガジンからブランクの束を引き出すステップは、チャネルからブランクの束を垂直に抽出するステップによって、特にチャネルの上部の上部開口部を通して、手動またはロボット化されたアクションによって、またはフォークまたは他の機械的手段を使用して、達成される。
【0019】
より詳細には、マガジンからブランクの束を垂直に抽出するステップは、対応するそれぞれの支持部品のグループから束を持ち上げることによって達成され、そのすぐ上、つまりすぐ上の高さの支持部品を、少なくとも部分的に引き出された位置から引っ込められた位置に自動的に移動させるステップが続く。したがって、ブランクの束を抽出することを可能にするように、上位の高さの支持部品が引っ込められる。
【0020】
本発明によれば、この方法はまた、少なくとも1つのブランクの束をマガジンに配置するステップを含み、配置するステップは、対応する支持部品のグループの支持部品(具体的には、上方が空いている高さの支持部品)に束を置くことによって達成され、そのすぐ上の支持部品のグループの各支持部品を、引っ込められた位置から少なくとも部分的に引き出された位置に自動的に移動させて、次の束を受け取るためにその束の上の高さを準備するステップが続く。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明のさらなる特徴およびその利点は、ブランクの束のためのマガジンの好ましい実施形態を参照して、以下の非限定的な説明においてより明白である。
【0022】
説明は、本発明の範囲を制限することなく、例示の目的でのみ提供される添付の図面を参照して以下に示される。
図1】本発明のマガジンの正面図である。
図1A-C】図1のマガジンの種々の部分の詳細である。
図2】本発明のマガジンの側面図である。
図3】本発明のマガジンの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付の図面を参照して、数字1は全体として、ブランクの束Mのためのマガジンを示しており、当該マガジンは、説明を簡単にするために、以後マガジン1と呼ばれる。
【0024】
「ブランクの束M」とは、単一の構成単位を形成するために互いに積み重ねられたブランクの集まりを意味する。
【0025】
マガジン1は、垂直チャネル2であって、当該チャネル2の上部開口部2aを通してブランクの束「M」を挿入および抽出するように構成された垂直チャネル2を備える。チャネル2は、主に高さ方向に延在し、その断面は、保管されるブランク(すなわち、ブランクの束M)と実質的に同じ形状を有する。したがって、上部開口部2aは、チャネル2の断面と同じ形状を有する。
【0026】
言い換えれば、チャネル2は、ブランクの束Mが当該チャネル2を通るように形成されている。したがって、チャネル2とは、マガジン1自体、つまりマガジン1の本体によって規定される通路を意味し、マガジン1の本体は、この説明が続くにつれてより明らかになるように、いくつかの手段でブランクの束Mを保持することを可能にする。図3は、マガジン1自体の本体を規定する6つの支持ロッド3を備えたマガジン1を示す。この実施形態では、チャネル2は、ブランク(すなわち、ブランクの束M)の外周に実質的に沿ってそれを保管できるように配置された支持ロッド3によって規定される。図1および2はまた、マガジン1であって、その本体が支持ロッド3によって規定されるマガジン1を示すが、他の実施形態も可能である(例えば、前述のチャネル2を規定するために内部が中空である実質的に平行六面体の形状の本体など)。
【0027】
したがって、チャネル2は、高さH(好ましくは、マガジン1自体の全高と一致する)にわたって延びる内壁2bを規定する。好ましくは、高さHは80から140cmの間である。さらにより好ましくは、高さHは約100cmである。
【0028】
有利なことに、垂直構成により、扱い易いサイズのマガジン1を得ることが可能である。
【0029】
マガジン1はまた、チャネル2の内壁2bの高さHに沿って分散配置された一連の支持部品4のグループを備える。より具体的には、一連の支持部品4は、互いに所定の距離H1で分散配置されている。好ましくは、各距離H1は15cmから40cmの間である。さらにより好ましくは、各距離H1は約20cmから25cmである。
【0030】
このように、支持部品4の各グループは、対応するブランクの束Mを支持するためにチャネル2の対応する高さに配置される。より具体的には、各支持部品4は、図1および図3に示されるように、ブランクの束Mの底部を支持するように構成される。さらに、各支持部品4は、ブランクの束Mの間の接触および起こり得る損傷を防ぐために、チャネル2に挿入されたすべての2つのブランクの束Mの間に所定のギャップH2を残すように配置される。好ましくは、ギャップH2は2cmから10cmの間である。さらにより好ましくは、ギャップH2は約5cmである。
【0031】
例えば図2に示されるように、ブランクの束Mの間のギャップH2は、支持ロッド3と共に、マガジン1の部分であって、それを利用してオペレータがブランクの束Mに対して手動または適切なツールで接触できるマガジン1の部分を得ることを可能にする。より具体的には、ギャップH2のおかげで、オペレータは、個々のブランクの束Mを、その下から作業することによって、その下のブランクの束Mと接触することなく、チャネル2から取り出すことができる。さらに、ギャップH2のおかげで、ブランクの束Mを挿入するオペレータは、その下のブランクの束Mと接触することなく、それをチャネル2に加えることができる。
【0032】
あるいは、ギャップH2は、チャネル2からブランクの束Mを抽出するために、または挿入中にそれがその下のブランクの束Mと接触するのを防ぐために、それを持ち上げるように個々のブランクの束Mの下に挿入できる自動化手段(例えば、ロボットアームなど)にとって有用である。
【0033】
言い換えれば、支持部品4間の距離H1は、チャネル2から抽出されるまたは当該チャネル2に挿入されている間にブランクの束Mへの損傷を防ぐために、上下に配置されたブランクの2つの束Mの間のギャップH2を得ることを可能にする。
【0034】
各支持部品4は、引っ込められた位置と少なくとも部分的に引き出された位置との間で移動可能である。
【0035】
引っ込められた位置(図1A)とは、支持部品4の位置であって、ブランクの束Mがチャネル2に沿って当該支持部品4の下の部分に向かって移動することを可能にするために、チャネル2の内壁2bと位置合わせされた支持部品4の位置(ラベルA)を意味する。
【0036】
あるいは、「引っ込められた位置」という表現は、支持部品4の位置であって、ブランクの束がチャネル2に沿って当該支持部品4の下の部分に向かって移動することを可能にするために、チャネル2の内壁2bに対して奥まった支持部品4の位置を意味するために使用され得る。
【0037】
好ましくは、内壁2bは、各々が対応する支持部品4を収容するように構成された適切な溝2cを備える。例えば、溝2cは、例えば図1に示されるように、支持部品4を一直線にするように内壁2bに合わせるように形作られる。あるいは、溝2cは、支持部品4を収容するように形作られ、支持部品4が内壁2bに奥まって配置されることを可能にする。
【0038】
少なくとも部分的に引き出された位置(図1B)は、支持部品4が、チャネル2を下って移動するブランクの束Mを遮って当該ブランクの束Mに安定した支持を提供するように、内壁2bからチャネル2の内部に向かって突出している位置(ラベルB)を意味する。
【0039】
例えば添付の図面、特に図1に示されているように、少なくとも部分的に引き出された位置は、支持部品4の引っ込められた位置(図1A)と完全に引き出された位置(図1C)との間の支持部品4の中間位置である。
【0040】
完全に引き出された位置(図1C)は、支持部品4の位置であって、当該支持部品4が、好ましくは、チャネルの内壁2bに対して実質的に垂直である支持部品4の位置(ラベルC)である。支持部品4の完全に引き出された位置は、ブランクの束Mのための安定した支持を規定する。
【0041】
各支持部品は、引っ込められた位置から少なくとも部分的に引き出された位置へ、およびその逆も同様に、回転運動によって移動可能である。この回転運動は、(チャネル2の展開方向に垂直である)水平軸周りに生じる。
【0042】
完全に引き出された位置は、好ましくは、支持部品4に載っているブランクの束Mの重量下での当該支持部品4のさらなる回転によって規定される。
【0043】
ブランクの束Mがチャネル2を下って移動するとき、当該ブランクの束Mは支持部品4と接触して当該支持部品4を少なくとも部分的に引き出された位置から完全に引き出された位置まで回転させる。言い換えれば、支持部品4が少なくとも部分的に引き出された位置にあるとき、当該支持部品4は、チャネル2を下って移動するブランクの束Mを遮って、回転によって、当該ブランクの束Mに安定した支持を提供する完全に引き出された位置に達するまで、当該ブランクの束Mの下向きの動きに追随する。
【0044】
マガジン1はまた、伝達手段5を備え、伝達手段5は、各支持部品4を、そのすぐ下の支持部品4が対応するブランクの束「M」を遮って、それによって安定した支持を規定するときに、引っ込められた位置から少なくとも部分的に引き出された位置に自動的に移動させるように構成される。伝達手段5はまた、各支持部品4を、ブランクの束Mがその直下の支持部品4から取り出されるときに、少なくとも部分的に引き出された位置から引っ込められた位置に自動的に移動させるように構成される。
【0045】
例えば添付の図面に示されるように、各支持部品4は、個々のブランクの束Mに安定した支持を規定するように構成された支持部分4a、好ましくは平坦な支持部分4aと、伝達手段5と相互作用するように構成された接触部分4bとを備え得る。接触部分4bは、支持部品4を引っ込められた位置から少なくとも部分的に引き出された位置に自動的に移動させるように、伝達手段5と相互作用するように構成される。より具体的には、下の支持部品4がそれの上から下に移動するブランクの束Mを遮るとき、その支持部品4の接触部分4bは、真上の支持部品4の接触部分4bと相互作用して真上の支持部品4を引っ込められた位置から少なくとも部分的に引き出された位置に移動させるために、伝達手段5を動作させる。
【0046】
好ましくは、支持部品4は、少なくとも部分的に引き出された位置から引っ込められた位置への回転運動が自動的に実行され得るような位置に、その重心を有する。言い換えれば、ブランクの束Mが支持部品4から取り出されるとき、当該支持部品4は自動的に少なくとも部分的に引き出された位置に移動し、伝達手段5を下に移動させ、したがって上の支持部品4を少なくとも部分的に引き出された位置から引っ込められた位置へ移動させることを可能にする。
【0047】
好ましくは、各支持部品4は、支持部分4aと支持部品の重心との間の中間位置に位置する傾斜軸周りに回転可能であり、その結果、少なくとも部分的に引き出された位置から引っ込められた位置への回転運動は、重力によって自動的に実行され得る。言い換えれば、各支持部品4は、その傾斜軸周りに旋回(すなわち、傾斜)するように構成され、必要に応じて、伝達手段5の作用によって所定の位置に保持される。
【0048】
伝達手段5は、上下に配置された2つの支持部品4の間に延びる(例えば、添付の図面に示される)駆動ロッド5aの形態で具体化することができる。言い換えれば、伝達手段5は、上下の2つの高さに配置された2つの支持部品4の間に配置されている。
【0049】
駆動ロッド5aは、上昇位置と下降位置との間で移動可能である。
【0050】
上昇位置とは、駆動ロッド5aが、完全に引き出された位置に達したその下の支持部品4の作用によって持ち上げられた位置を意味する。言い換えれば、支持部品4が完全に引き出された位置に達するとき、その回転運動は、その接触部分4bに、対応する駆動ロッド5aを上方に押し上げさせ、その上の支持部品4の接触部分4bと相互作用する。したがって、駆動ロッド5aが上昇位置にあるとき、上の支持部品4は、引っ込められた位置から部分的に引き出された位置に移動する。
【0051】
下降位置とは、下の支持部品4が引っ込められた位置に達した後に駆動ロッド5aが重力によって下降する位置を意味する。
【0052】
好ましくは、駆動ロッド5aは、支持部品4の望ましくないブロッキングにつながる可能性がある駆動ロッド5a自体の望ましくない動きを防止するように構成された限界停止部分5bを備える。言い換えれば、限界停止部分5bは、駆動ロッド5aの上昇位置と下降位置を区切るように構成される。
【0053】
各駆動ロッド5aは、傾斜軸に対して支持部分4aとは反対側の支持部品4の部分において、上下の支持部品4と支持関係を持って係合される、または係合可能である。好ましくは、部分は接触部分4bである。
【0054】
好ましくは、伝達手段5は、チャネル2の内壁2bに収容される。より具体的には、内壁2bは、スライド可能なハウジング手段を備えており、それにより、各駆動ロッド5aは、対応するそれぞれの垂直スライドチャネル2dに収容される。
【0055】
好ましくは、例えば、添付の図面に示される実施形態において、各支持ロッド3は、チャネル2の内壁2bの一部を規定し、駆動ロッド5aのそれぞれのスライドチャネル2dおよびそれぞれの支持部品4を備える。
【0056】
添付の図面では、各支持ロッド3は、チャネル2に沿った5つの高さを規定する5つの支持部品4を備える。言い換えれば、添付の図面に示されるマガジン1の実施形態は、5つのブランクの束Mを格納するために使用することができる。チャネル2の展開、支持部品4の数、および支持部品4が互いに間隔を空けて配置される距離H1に応じて(したがって、ブランクの束Mのサイズに応じて)、異なる保管容量のマガジンを得ることができる。
【0057】
好ましくは、本発明のマガジン1は、必要に応じて保管施設または他の建物内により便利に配置できるように、当該マガジン1を移動可能におよび/または自走させるためのホイールを備えてもよい。あるいは、マガジン1は、フォークリフトまたは他のハンドリング手段で移送されてもよい。
【0058】
有利には、本発明のマガジン1は、従来技術の上記の不利な点を克服することができる。
【0059】
マガジン1は、種々のブランクの束Mに対して(異なるサイズの束であっても)、種々の保管高さを生成する可能性を提供する。
【0060】
有利なことに、マガジン1は、扱いやすいサイズであり且つオペレータにとって使い易くまたは自動ハンドリングシステムに含めるのが容易である。
【0061】
有利なことに、マガジン1は、種々のブランクの束Mが挿入されたときおよび抽出されたときに、それらへの損傷を回避することを可能にする。
図1
図1A
図1B
図1C
図2
図3
【国際調査報告】